JP2020531578A - スフィンゴシン−1−リン酸経路を介した癌処置の効率の向上 - Google Patents

スフィンゴシン−1−リン酸経路を介した癌処置の効率の向上 Download PDF

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Abstract

本発明は、化学療法の前のネオアジュバントに関する。本発明は、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤から選択される、化学療法の前にネオアジュバントとしての癌の処置に使用するためのスフィンゴシン−1−リン酸経路のアクチベーターに関する。スフィンゴシン−1−リン酸経路のアクチベーターは、腫瘍内の血管網の正常化を介して化学療法の効率を強化し、連続的な抗癌剤の投与または連続的な放射線療法の効果を促進する。

Description

本発明は、たとえば化学療法および放射線療法などの癌処置、ならびに癌処置の効率の向上の分野に関する。より正確には、本発明は、化学療法または放射線療法の効力を強化するための方法に使用するためのスフィンゴシン−1−リン酸経路のアクチベーターに関する。ネオアジュバントと呼称される、本発明に係る方法に使用するための化合物は、後続の化学療法または放射線療法の前に対象に投与される。本発明によれば、ネオアジュバントは、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤である。
スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)は、スフィンゴシンキナーゼによるスフィンゴシンのリン酸化の産物である。多くのスフィンゴミエリンの産物と同じく、S1Pは、幅広い範囲の生体活性を呈し、その後、様々な疾患、病態、または障害に関与し得る。
S1Pは、炎症、糖尿病、血管疾患(Bolick et al. Arterioscler Thromb Vasc Biol, 2005, 25, 976−981)、多発性硬化症、統合失調症、血液機能障害、皮膚の病態、および癌(Whetzel et al., Circulation research, 2006, 99, 731−739;Kunkel et al. Nat Rev Drug Discov, 2013, 12, 688−702)を含む多くの病態に関して多面的な作用を有する。
考えられる様々な作用の中でも特に、S1Pは、細胞増殖を増強し、様々な刺激に対する正常なアポトーシス性の応答を阻害し得る。ManggauらのJ Clin Investig Dermatol, 2001, 117, pp 1241−1249)は、カルシトリオール(1α,25−ジヒドロキシビタミン D)が、アポトーシスからケラチノサイトを保護することを説明している。このカルシトリオールの薬理作用の機構のうちの1つは、スフィンゴシンキナーゼ活性の活性化であり、S1P値の増加をもたらす
S1Pが複数のレベルで癌に関与しており、S1P受容体、スフィンゴシンキナーゼ、S1Pホスファターゼ、およびS1Pリアーゼに関与することを示す、大量のエビデンスのセットが存在する。Wangら(Mol cancer ther, 2008, 7, 1993−2002)は、S1Pが、悪性卵巣上皮癌(EOC)細胞の遊走および侵襲を刺激するだけでなく、非悪性のヒトの卵巣表層上皮(HOSE)細胞の遊走をも阻害することを示している。第2に、RiccitelliらのPlos one, 2013, 8(6):e68229,は、細胞外S1Pが、グリア芽腫幹細胞(GSC、腫瘍の中の細胞下位集団)の悪性の性質を促進することにより、テモゾロミド(temolozomide)耐性をもたらすことを説明している。第3に、KunkelらのNat Rev Drug Discov, 2013, 12, 688−702は、卵巣がん患者において異常に産生されるS1Pが、卵巣癌の惹起および進行に寄与する鍵となる細胞プロセスの調節に関与していること、逆に述べると、S1Pシグナル伝達経路を遮断する作用物質が、卵巣癌細胞を阻害することを示している。さらにKunkelらは、S1Pが、機能的な血管の形成に関与することが知られていることを説明している。
しかしながら、SultanらのJournal of cancer, 4, 2013, 315−319は、抗血管新生の性質を伴う3つの異なる化学療法薬、すなわちドセタキセル、ドキソルビシン、およびシクロホスファミドと共投与した10μMのS1Pの相乗作用を開示している。この文書は、S1Pが、乳癌の転移性細胞株に対するこれら医薬の細胞毒性を増大させたことを開示している。
並行して、国際特許公開公報第03/097028号は、血管新生におけるS1P受容体アゴニストの二相性の作用を開示している。一方では、高濃度のS1P受容体アゴニストは、腫瘍の血管新生を限定するため、癌の処置に有用な抗血管新生作用を呈する。他方で、低濃度のS1P受容体アゴニストを投与すると、血管新生を促進する作用がもたらされる。血管新生の促進は、創傷治癒、心筋の灌注病態(myocardial irrigation)、または糖尿病関連の血管機能不全などの、癌ではない病態に関連する疾患の処置に有用であり得る。国際特許公開公報第03/097028号の開示によると、S1P受容体アゴニストは、単独、または相乗的な治療効果をもたらすために1つ以上のさらなる抗癌剤と併用して、使用され得る。たとえば、S1P受容体アゴニストは、リンパ性または骨髄性の癌の処置における化学療法剤と併用して使用され得る。
薬理学が進化しているにも関わらず、癌の処置のニーズは未だに満たされていない。さらに特には、腫瘍内の血管網を正常にすることにより抗血管新生の性質を伴わないいずれかの抗癌剤の効力を改善するための、S1Pの血管新生の性質を活用する必要が依然としてある。よって、本出願人は、癌の処置における新規の治療のアプローチの研究において、癌の処置の効力を強化するための新規の方法を見出した。
S1P経路の阻害が腫瘍の惹起および癌への進行に寄与する鍵となる細胞プロセスの好ましい制御をもたらすとの従来技術のエビデンスとは対照的に、本出願人は、高レベルのS1P血漿中濃度を有する処置された患者が、良好な全生存率を示したことを観測した。S1PによるS1P受容体1の活性化は、接着性のジャンクションの形成を高め、血管内皮増殖因子のシグナル伝達を阻害し、発芽(sprouting)を抑制し、新規の血管の結合を安定させる。
本発明に係る方法は、ネオアジュバントとしてスフィンゴシン−1−リン酸経路のアクチベーターを投与することに関連する。本発明に係るネオアジュバントは、血管新生の発芽(sprouting angiogenesis)を抑制し、血管を安定させる。結果として、続く化学療法剤が、より良好に腫瘍細胞にアクセスでき、よってその治療効果の効力が強化される。同様に、新生血管の血管網の安定化は、連続的な抗癌性放射線療法の効率を改善する。
本発明は、化学療法または放射線療法の処置の効力を改善するための方法であって、化学療法または放射線療法より前に、ネオアジュバントと呼ばれる化合物を、その必要のある対象に投与することを含む、方法に関する。
特に本発明は、対象における癌の処置の方法に使用するための化合物に関する。本発明によれば、上記化合物は、血管新生の発芽を抑制し且つ血管を安定させる、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤である。本発明に係る使用のための化合物は、連続的な化学療法の効力の強化に使用するためのネオアジュバントである。
スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、1−デスオキシ−ジヒドロスフィンゴシン−1−ホスホネート;2−ビニルスフィンガニン−1−リン酸;N−(4−(1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル)−4−アミノ−5−オキソ−2−(ピペリジン−1−イル)−8−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド;(R)−1−ベンジル−4−(3−メチル−4−(p−トリル)ピペラジン−1−イル)フタラジン;(R)−4−(4−(4−ベンジル−7−クロロフタラジン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾニトリル;(R)−1−ベンジル−4−(4−(4−シアノフェニル)−3−メチル−ピペラジン−1−イル)フタラジン−6−カルボニトリル、5−(ヒドロキシメチル)−2,4−ジメチル−ピリジン−3−オール、および式(I)の化合物:
Figure 2020531578
(式中、
R1は、H、アセチル、プロパノイル、N−ヒドロキシアセトイミドイル、イソキサゾール−3−イル、4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル、またはプロ−1−エン−2−イルを表し;イソキサゾール−3−イルまたは4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イルは、任意選択で、少なくとも1つのアルキル基、アセチル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、またはニトロ基により置換されてもよく;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、H、カルボン酸エチル、N−メチルカルボキサミド、1,2−ジヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロパン−2−イル、またはそれらのホスフェートを表し;
R3は、H、メチル、エチル、メトキシ、またはアルキルオキシアルキルを表す)
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、式Iの化合物であって、式中、
R1は、アセチル、N−ヒドロキシアセトイミドイル、イソキサゾール−3−イル、または4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、H、1,2−ジヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、または2−ヒドロキシプロパン−2−イルを表し;
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、2−アセチル−4(5)−テトラヒドロキシブチル−イミダゾール、1−(4−(1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム、1−(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラオール、1−(4−(1−ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、1−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム、および(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノールからなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、2−アセチル−4(5)−テトラヒドロキシブチル−イミダゾールである。
本発明に係る連続的な化学療法は、単一の抗癌剤または抗癌剤の組み合わせを含む。好ましくは、これら作用物質は、抗血管新生の性質を呈さない。一実施形態では、連続的な化学療法は、ゲムシタビン、パクリタキセル、シスプラチン、およびオキサリプラチンからなる群から選択される作用物質を含む。
一実施形態では、対象は、健常な志願者のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度の値の中央値未満のスフィンゴシン1−リン酸の血漿中濃度を呈する。スフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度の測定値は解析方法に依存しているため、血漿中濃度は、対象および健常な志願者において同じ実験プロトコルで測定される。
一実施形態では、対象は、700nM未満、好ましくは650nM未満のスフィンゴシン1−リン酸の血漿中濃度を呈する。
一実施形態では、癌は、固形腫瘍の癌、好ましくは膵癌、さらにより好ましくは膵臓腺癌である。
第2の態様では、本発明は、固形腫瘍の癌、好ましくは膵癌を罹患した対象の化学療法または放射線療法の処置の臨床的アウトカムを予測またはモニタリングするためのin vitroにおける非侵襲的な方法に関する。本発明に係るin vitroにおける非侵襲的な方法は、
a)対象から以前に入手した血漿サンプルにおけるスフィンゴシン−1−リン酸の濃度を検出および定量化するステップと、
b)ステップa)で得た結果を、スフィンゴシン−1−リン酸の参照値であって、少なくとも10%または少なくとも15%、健常な志願者のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度の値の中央値よりも少ない、参照値と比較するステップであって、前記血漿中濃度は、前記対象および前記健常な志願者において同じ実験プロトコルで測定される、ステップと
を含む。
一実施形態では、参照値は、スフィンゴシン−1−リン酸650nMである。
第3の態様では、本発明は、本発明のin vitroにおける予後診断法を行うための固形腫瘍の癌の予後診断キットであって、スフィンゴシン−1−リン酸の精製および/または定量化に適切な試薬のセットからなる、キットに関する。
定義
本発明では、以下の用語は、以下の意味を有する。
「アルキル」は、式C2n+1のヒドロカルビルラジカルを表す(式中nは、1以上の数である)。全般的に、本発明のアルキル基は、1〜5つの炭素原子、好ましくは1〜4つの炭素原子を含む。アルキル基は、直鎖状または分枝状であってもよく、本明細書中記載される通り置換されていてもよい。適切なアルキル基として、メチル、エチル、プロピル(n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル)、ブチル(i−ブチル、s−ブチル、およびt−ブチル)が挙げられる。
「アルキルアミノ」は、−NHRおよび−NRR’(式中RおよびR’はアルキル基である)と表記されるモノアルキルアミノ基およびジアルキルアミノ基を表す。一実施形態では、RおよびR’は、同一のアルキル基または異なるアルキル基である。
「アルキルオキシ」または「アルコキシ」は、いずれかのアルキル−O−基を表す。
「アルキルオキシアルキル」は、いずれかのアルキル−O−アルキル基を表す。一実施形態では、アルキルオキシメチルは、メチルオキシメチル(methyloxymethyle)基(MOM)を表す。
「抗血管新生物質(anti−angiogenic)」は、腫瘍が増殖および転移に必要とする微細な血管網を破壊または妨害し得る、天然に存在する物質、薬剤、または他の化合物を表す。
「アポトーシス」は、プログラム細胞死を表す。
「アゴニスト」は、膜受容体と相互作用し、膜受容体を活性化する分子である。
「ネオアジュバント」は、化学療法の効力をブーストするかまたは有効性を増大させる意図の下、主要な処置よりも前に投与される生成物である。
「スフィンゴシン1−リン酸」またはS1Pは、リゾスフィンゴ脂質としても知られているシグナル伝達スフィンゴ脂質である。これはまた、生体活性のある脂質メディエーターとも呼ばれている。スフィンゴ脂質は、スフィンゴシンである特定の脂肪性アミノアルコールを特徴とする、脂質の一クラスを形成する。スフィンゴシンのS1Pへのリン酸化は、スフィンゴシンキナーゼにより触媒されている。S1Pは、図1に記載のように、スフィンゴシンホスファターゼによりスフィンゴシンへと脱リン酸化され得る。さらにS1Pは、酵素のスフィンゴシンリン酸リアーゼにより分解され得る。
「腫瘍原性」は、腫瘍に変性し得る細胞に絞られる。
「内皮の」:内皮細胞は、血管の内面を裏打ちしている細胞である。よってこれらは、血液と直接接触しており、血管の完全性を保証する細胞である。
詳細な説明
本発明は、対象における癌の処置の方法に使用するための化合物であって、前記化合物が、スフィンゴシン1−リン酸経路のアクチベーターであり、使用のための化合物が、血管新生の発芽を抑制し、血管を安定させ、本発明に係る使用のための化合物が、連続的な化学療法または放射線療法の効力の強化に使用するためのネオアジュバントである、化合物に関する。一実施形態では、使用のための化合物は、スフィンゴシン1−リン酸の血漿中濃度を高める、スフィンゴシン1−リン酸経路のアクチベーターである。
一実施形態では、使用のための化合物は、血管新生の発芽を抑制し、血管を安定させ、ここで本発明に係る使用のための化合物は、連続的な化学療法の効力の強化に使用するためのネオアジュバントである。
理論により拘束されるものではないが、本発明に係るネオアジュバントの作用は、安定した腫瘍の新生血管の灌注(neovascular irrigation)をもたらす。腫瘍細胞の酸素供給を高めることにより、その必要のある対象に対する後続の放射線療法の効力が高まる。
一実施形態では、使用のための化合物は、血管新生の発芽を抑制し、血管を安定させ、ここで本発明に係る使用のための化合物は、連続的な放射線療法の効力の強化に使用するためのネオアジュバントである。
スフィンゴシン1−リン酸の血漿中濃度の値は、解析方法および性別に依存し得る。
一実施形態では、対象は、健常な志願者のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度の値の中央値よりも少ないスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を呈し、上記血漿中濃度は、対象および健常な志願者において同じ実験プロトコルで測定される。
一実施形態では、対象は、少なくとも10%または少なくとも15%、健常な志願者のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度の値の中央値よりも少ないスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を呈し、上記血漿中濃度は、対象および健常な志願者において同じ実験プロトコルで測定される。
一実施形態では、対象は、700nM未満、好ましくは650nM未満、600nM未満、550nM未満、500nM未満、450nM未満、400nM未満、350nM未満、300nM未満、250nM未満、200nM未満、150nM未満、100nM未満、50nM未満、または10nM未満のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を呈する。好ましくは、対象は、650nM未満のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を呈する。
一実施形態では、対象は、雄性の対象であり、410nM未満のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を呈する。一実施形態では、対象は、雌性の対象であり、350nM未満のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を呈する。
一実施形態では、対象は、雄性の対象であり、少なくとも5%または少なくとも10%、410nMより少ないスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を呈する。一実施形態では、対象は、雌性の対象であり、少なくとも5%または少なくとも10%、350nMより少ないスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を呈する。
使用のための化合物
本発明に係る使用のための化合物は、スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤、スフィンゴシン−1−リン酸受容体アゴニスト、またはスフィンゴシンキナーゼのアクチベーターを含む群から選択されるスフィンゴシン−1−リン酸経路のアクチベーターである。
第1の実施形態では、使用のための化合物は、スフィンゴシン−1−リン酸である。
異型では、使用のための化合物は、スフィンゴシンである。
第2の実施形態では、使用のための化合物は、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、
1−デスオキシ−ジヒドロスフィンゴシン−1−ホスホネート、
−2−ビニルスフィンガニン−1−リン酸、
N−(4−(1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル)−4−アミノ−5−オキソ−2−(ピペリジン−1−イル)−8−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド、
(R)−1−ベンジル−4−(3−メチル−4−(p−トリル)ピペラジン−1−イル)フタラジン、
(R)−4−(4−(4−ベンジル−7−クロロフタラジン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾニトリル、
(R)−1−ベンジル−4−(4−(4−シアノフェニル)−3−メチルピペラジン−1−イル)フタラジン−6−カルボニトリル、
5−(ヒドロキシメチル)−2,4−ジメチルピリジン−3−オール(4−デオキシピリドキシンとして知られている)、および式Iの化合物:
Figure 2020531578
(式中、
R1は、H、アセチル、プロパノイル、N−ヒドロキシアセトイミドイル、イソキサゾール−3−イル、4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル、またはプロ−1−エン−2−イルを表し;イソキサゾール−3−イルまたは4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イルは、任意選択で、少なくとも1つのアルキル基、アセチル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基、またはニトロ基により置換されてもよく;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、H、カルボン酸エチル、N−メチルカルボキサミド、1,2−ジヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロパン−2−イル、またはそれらのホスフェートを表し;
R3は、H、メチル、エチル、メトキシ、またはアルキルオキシアルキルを表す)
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、
N−(4−(1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル)−4−アミノ−5−オキソ−2−(ピペリジン−1−イル)−8−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド、
(R)−1−ベンジル−4−(3−メチル−4−(p−トリル)ピペラジン−1−イル)フタラジン、
(R)−4−(4−(4−ベンジル−7−クロロフタラジン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾニトリル、
(R)−1−ベンジル−4−(4−(4−シアノフェニル)−3−メチルピペラジン−1−イル)フタラジン−6−カルボニトリル、および
式Iの化合物(式中、
R1は、アセチル、N−ヒドロキシアセトイミドイル、イソキサゾール−3−イル、4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル、またはプロ−1−エン−2−イルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、H、1,2−ジヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、または2−ヒドロキシプロパン−2−イルを表し;
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、
(R)−1−ベンジル−4−(3−メチル−4−(p−トリル)ピペラジン−1−イル)フタラジン、
(R)−4−(4−(4−ベンジル−7−クロロフタラジン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾニトリル、
(R)−1−ベンジル−4−(4−(4−シアノフェニル)−3−メチル−ピペラジン−1−イル)フタラジン−6−カルボニトリル、および
式Iの化合物(式中、
R1は、アセチル、N−ヒドロキシアセトイミドイル、イソキサゾール−3−イル、または4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、H、1,2−ジヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、または2−ヒドロキシプロパン−2−イルを表し;
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、
(R)−1−ベンジル−4−(3−メチル−4−(p−トリル)ピペラジン−1−イル)フタラジン、
(R)−4−(4−(4−ベンジル−7−クロロフタラジン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾニトリル、
(R)−1−ベンジル−4−(4−(4−シアノフェニル)−3−メチル−ピペラジン−1−イル)フタラジン−6−カルボニトリル、および
式Iの化合物(式中、
R1は、アセチル、N−ヒドロキシアセトイミドイル、またはイソキサゾール−3−イルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、1,2−ジヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、または2−ヒドロキシプロパン−2−イルを表し;
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、
(R)−1−ベンジル−4−(3−メチル−4−(p−トリル)ピペラジン−1−イル)フタラジン、
(R)−4−(4−(4−ベンジル−7−クロロフタラジン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾニトリル、
(R)−1−ベンジル−4−(4−(4−シアノフェニル)−3−メチルピペラジン−1−イル)フタラジン−6−カルボニトリル、および
式Iの化合物(式中、
R1は、アセチルまたはN−ヒドロキシアセトイミドイルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、1,2−ジヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、または2−ヒドロキシプロパン−2−イルを表し;
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、
(R)−1−ベンジル−4−(3−メチル−4−(p−トリル)ピペラジン−1−イル)フタラジン、
(R)−4−(4−(4−ベンジル−7−クロロフタラジン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾニトリル、および
(R)−1−ベンジル−4−(4−(4−シアノフェニル)−3−メチルピペラジン−1−イル)フタラジン−6−カルボニトリル
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、(R)−1−ベンジル−4−(3−メチル−4−(p−トリル)ピペラジン−1−イル)フタラジンである。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、(R)−4−(4−(4−ベンジル−7−クロロフタラジン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾニトリルである。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、(R)−1−ベンジル−4−(4−(4−シアノフェニル)−3−メチルピペラジン−1−イル)フタラジン−6−カルボニトリルである。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、式Iの化合物:
Figure 2020531578
(式中、
R1は、アセチル、N−ヒドロキシアセトイミドイル、イソキサゾール−3−イル、または4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、H、1,2−ジヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、または2−ヒドロキシプロパン−2−イルを表し;および
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、式Iの化合物(式中、
R1は、アセチル、N−ヒドロキシアセトイミドイル、またはイソキサゾール−3−イルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、またはHを表し;および
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、式Iの化合物(式中、
R1は、アセチル、N−ヒドロキシアセトイミドイル、またはイソキサゾール−3−イルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチルまたはヒドロキシメチルを表し;および
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、式Iの化合物(式中、
R1は、アセチルまたはN−ヒドロキシアセトイミドイルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチルまたはヒドロキシメチルを表し;および
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、式Iの化合物(式中、
R1は、アセチルまたはN−ヒドロキシアセトイミドイルを表し;
R2は、ヒドロキシメチルを表し;および
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、THI(2−アセチル−4(5)−テトラヒドロキシブチル−イミダゾール)、その代謝物および誘導体の群から選択される。よってスフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、式Iの化合物(式中、
R1は、アセチルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、H、1,2−ジヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、または2−ヒドロキシプロパン−2−イルを表し;および
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択され得る。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、式Iの化合物(式中、
R1は、アセチルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、またはHを表し;および
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、式Iの化合物(式中、
R1は、アセチルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチルまたはヒドロキシメチルを表し;および
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、LX2931(1−(4−(−1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム)、その代謝物および誘導体の群から選択される。よってスフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、式Iの化合物:
Figure 2020531578
(式中、
R1は、N−ヒドロキシアセトイミドイルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、H、1,2−ジヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、または2−ヒドロキシプロパン−2−イルを表し;および
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択され得る。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、式Iの化合物(式中、
R1は、N−ヒドロキシアセトイミドイルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、またはHを表し;
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、式Iの化合物(式中、
R1は、N−ヒドロキシアセトイミドイルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチルまたはヒドロキシメチルを表し;
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、LX2932(1−(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル)、その代謝物および誘導体の群から選択される。よってスフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、式Iの化合物
Figure 2020531578
(式中、
R1は、イソキサゾール−3−イルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、H、1,2−ジヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、または2−ヒドロキシプロパン−2−イルを表し;および
R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択され得る。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、式Iの化合物(式中、
R1は、イソキサゾール−3−イルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、またはHを表し;および
R3は、またはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択され得る。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、式Iの化合物(式中、
R1は、イソキサゾール−3−イルを表し;
R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチルまたはヒドロキシメチルを表し;および
R3は、またはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す)
からなる群から選択され得る。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、
1−デスオキシ−ジヒドロスフィンゴシン−1−ホスホネート、
2−ビニルスフィンガニン−1−リン酸、
N−(4−(1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル)−4−アミノ−5−オキソ−2−(ピペリジン−1−イル)−8−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド、
(R)−1−ベンジル−4−(3−メチル−4−(p−トリル)ピペラジン−1−イル)フタラジンおよびその誘導体、
(R)−4−(4−(4−ベンジル−7−クロロフタラジン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾニトリル、
(R)−1−ベンジル−4−(4−(4−シアノフェニル)−3−メチル−ピペラジン−1−イル)フタラジン−6−カルボニトリル、
5−(ヒドロキシメチル)−2,4−ジメチルピリジン−3−オール(4−デオキシピリドキシンとして知られている)、
2−アセチル−4(5)−テトラヒドロキシブチル−イミダゾール(THIとして知られている)、
(E)−1−(4−((1R,2S,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム(LX2931として知られている)、
(1R,2S,3R)−1−(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラオール(LX2932として知られている)、
(1R,2S,3R)−1−(2−(4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラオール、
1−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、
1−(1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、
エチル 2−アセチル−1H−イミダゾール−4−カルボキシラート、
2−アセチル−N−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド、
1−(4−(1,2−ジヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、
1−(4−(1−ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、
1−(4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、
1−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、
1−(4−(ヒドロキシメチル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、
1−(1−エチル−4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、
1−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)プロパン−1−オン、
1−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム、
(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノール、および
(2−(プロプ−1−エン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノール
を含む群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、
(R)−1−ベンジル−4−(3−メチル−4−(p−トリル)ピペラジン−1−イル)フタラジン、
(R)−4−(4−(4−ベンジル−7−クロロフタラジン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾニトリル、
(R)−1−ベンジル−4−(4−(4−シアノフェニル)−3−メチルピペラジン−1−イル)フタラジン−6−カルボニトリル、
5−(ヒドロキシメチル)−2,4−ジメチルピリジン−3−オール(4−デオキシピリドキシンとして知られている)、
2−アセチル−4(5)−テトラヒドロキシブチル−イミダゾール(THIとして知られている)、
(E)−1−(4−((1R,2S,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム(LX2931として知られている)、
(1R,2S,3R)−1−(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラオール(LX2932として知られている)、
1−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、
1−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)プロパン−1−オン、
1−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム、および
(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノール
を含む群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、
1−デスオキシ−ジヒドロスフィンゴシン−1−ホスホネート、
−2−ビニルスフィンガニン−1−リン酸、
N−(4−(1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル)−4−アミノ−5−オキソ−2−(ピペリジン−1−イル)−8−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド、
(R)−1−ベンジル−4−(3−メチル−4−(p−トリル)ピペラジン−1−イル)フタラジンおよびその誘導体、
(R)−4−(4−(4−ベンジル−7−クロロフタラジン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾニトリル、
(R)−1−ベンジル−4−(4−(4−シアノフェニル)−3−メチルピペラジン−1−イル)フタラジン−6−カルボニトリル、
5−(ヒドロキシメチル)−2,4−ジメチルピリジン−3−オール(4−デオキシピリドキシンとして知られている)、
2−アセチル−4(5)−テトラヒドロキシブチル−イミダゾール(THIとして知られている)、
(E)−1−(4−((1R,2S,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム(LX2931として知られている)、
(1R,2S,3R)−1−(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラオール(LX2932として知られている)、および
(1R,2S,3R)−1−(2−(4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラオール
を含む群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、
2−アセチル−4(5)−テトラヒドロキシブチル−イミダゾール(THIとして知られている)、
(E)−1−(4−((1R,2S,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム(LX2931として知られている)、および
(1R,2S,3R)−1−(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラオール、
またはそれらの組み合わせ
を含む群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、LX2931(1−(4−(1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム)である。一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、LX2932(1−(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラオール)である。一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、2−アセチル−4(5)−テトラ−ヒドロキシブチル−イミダゾールである。一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、1−(4−(1−ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エテノンである。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、上述の式Iの化合物および有効なその代謝物から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、
2−アセチル−4(5)−テトラヒドロキシブチル−イミダゾール、
1−(4−(1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム、
1−(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラオール、
1−(4−(1−ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、
1−(4−(1−ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、
1−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム、および
(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノール
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、
2−アセチル−4(5)−テトラヒドロキシブチル−イミダゾール、
1−(4−(1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム、
1−(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラオール、
1−(4−(1−ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、
1−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム、および
(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノール
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、
2−アセチル−4(5)−テトラヒドロキシブチル−イミダゾール、
1−(4−(1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム、
1−(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラオール、
1−(4−(1−ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、
1−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム、および
(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノール
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、
2−アセチル−4(5)−テトラヒドロキシブチル−イミダゾール、
1−(4−(1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム、
1−(4−(1−ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、および
1−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム
からなる群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤は、
2−アセチル−4(5)−テトラヒドロキシブチル−イミダゾール、
1−(4−(1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム、および
1−(4−(1−ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン
からなる群から選択される。
これら化合物は、ChemBioDraw(登録商標)Ultra version 12.0(PerkinElmer)を使用して命名した。
Figure 2020531578
N−(4−(1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル)−4−アミノ−5−オキソ−2−(ピペリジン−1−イル)−8−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
Figure 2020531578
(R)−1−ベンジル−4−(3−メチル−4−(p−トリル)ピペラジン−1−イル)フタラジン
Figure 2020531578
(R)−4−(4−(4−ベンジル−7−クロロフタラジン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾニトリル
Figure 2020531578
(R)−1−ベンジル−4−(4−(4−シアノフェニル)−3−メチルピペラジン−1−イル)フタラジン−6−カルボニトリル
Figure 2020531578
5−(ヒドロキシメチル)−2,4−ジメチルピリジン−3−オール
Figure 2020531578
2−アセチル−4(5)−テトラヒドロキシブチル−イミダゾール(THIとして知られている)
Figure 2020531578
(E)−1−(4−((1R,2S,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム(LX2931として知られている)
Figure 2020531578
(1R,2S,3R)−1−(2−(4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラオール
Figure 2020531578
(1R,2S,3R)−1−(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラオール
Figure 2020531578
1−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン
Figure 2020531578
1−(4−(1,2−ジヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン
Figure 2020531578
1−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム
Figure 2020531578
(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノール
第3の実施形態では、使用のための化合物は、スフィンゴシンキナーゼのアクチベーターを含む群から選択される。一実施形態では、スフィンゴシンキナーゼのアクチベーターは、カルシトリオール(1α,25−ジヒドロキシビタミンD)である。
第4の実施形態では、使用のための化合物は、スフィンゴシン−1−リン酸受容体アゴニストを含む群から選択される。一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸受容体アゴニストは、
2−アミノ−2−(4−オクチルフェネチル)プロパン−1,3−ジオール(FingolimodまたはFTY720として知られている)、
4−(4−(5−(5−クロロ−6−イソプロポキシピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−インドール−1−イル)ブタン酸(GSK 2018682として知られている)、
(2Z,5Z)−5−(3−クロロ−4−((R)−2,3−ジヒドロキシプロポキシ)ベンジリデン)−2−(プロピルイミノ)−3−(o−トリル)チアゾリジン−4−オン(Ponesimodとして知られている)、
KRP−203、
KRP−203、
AUY954、
ML178、
XAX162、
ML248、
SEW2871、
CYM5442、
CYM5441、
CYM5520、
RP001、
ASP4058、
CS−0777、
CS2100、
BAF312、
SID 46371153、
AMG369、および
それらのリン酸化した誘導体を含む群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸受容体アゴニストは、
2−アミノ−2−(4−オクチルフェネチル)プロパン−1,3−ジオール(FingolimodまたはFTY720として知られている)、
4−(4−(5−(5−クロロ−6−イソプロポキシピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−インドール−1−イル)ブタン酸(GSK 2018682として知られている)、
(2Z,5Z)−5−(3−クロロ−4−((R)−2,3ジヒドロキシプロポキシ)ベンジリデン)−2−(プロピルイミノ)−3−(o−トリル)チアゾリジン−4−オン(Ponesimodとして知られている)、および
それらのリン酸化した誘導体
を含む群から選択される。
一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸受容体アゴニストは、FTY720およびリン酸化したFTY720((S)−(2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−4−(4−オクチルフェニル)ブチル)ホスホン酸またはFTY720P)を含む群から選択される。一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸受容体アゴニストは、FTY720である。一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸受容体アゴニストは、FTY720Pである。一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸受容体アゴニストは、GSK 2018682である。一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸受容体アゴニストは、Ponesidmodである。
これら化合物は、ChemBioDraw(登録商標)Ultra version 12.0(PerkinElmer)を使用して命名した。
Figure 2020531578
2−アミノ−2−(4−オクチルフェネチル)プロパン−1,3−ジオール(FTY720またはFingolimodとして知られている)
Figure 2020531578
(S)−(2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−4−(4−オクチルフェニル)ブチル)ホスホン酸(FTY20Pとして知られている)
Figure 2020531578
4−(4−(5−(5−クロロ−6−イソプロポキシピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−インドール−1−イル)ブタン酸(GSK 2018682として知られている)
Figure 2020531578
(2Z,5Z)−5−(3−クロロ−4−((R)−2,3−ジヒドロキシプロポキシ)ベンジリデン)−2−(プロピルイミノ)−3−(o−トリル)チアゾリジン−4−オン(Ponesimodとして知られている)
処置の方法
本発明は、ネオアジュバントとして、対象における癌の処置の方法に使用するための化合物に関する。
対象は、哺乳類、好ましくはヒトである。一実施形態では、対象は、医療の受診を待機していてもよく、または医療を受診していてもよく、または過去/現在/将来に医療の対象であった/ある/となるか、または疾患の発症についてモニタリングされている。
一実施形態では、対象は、成年(たとえば18歳超の対象)である。別の実施形態では、対象は、小児(たとえば18歳未満の対象)である。一実施形態では、対象は雄性である。別の実施形態では、対象は雌性である。
一実施形態では、対象は、本発明の方法に係る一次治療に供される。一実施形態では、対象は、一次の化学療法または放射線療法の処置に対する応答性がなかった。
ネオアジュバントとしての使用のための化合物は、連続的な化学療法の実施よりも前に投与される。一実施形態では、ネオアジュバントとしての使用のための化合物は、連続的な化学療法より前に、少なくとも1回投与される。別の実施形態では、本発明のネオアジュバントは、連続的な化学療法より前に、反復投与において投与される。
一実施形態では、本発明のネオアジュバントとしての使用のための化合物の少なくとも1回の投与が、連続的な化学療法より16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1週間前に行われる。一実施形態では、本発明のネオアジュバントの少なくとも1回の投与が、連続的な化学療法より7、6、5、4、3、2、または1日間前に行われる。一実施形態では、本発明のネオアジュバントの少なくとも1回の投与が、連続的な化学療法より24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1時間前に行われる。
一実施形態では、ネオアジュバントは、1つ以上の薬学的に許容される希釈剤または担体と共に、本発明に係る使用のための化合物の少なくとも1つを含む医薬組成物として投与される。
本ネオアジュバントは、いずれかの従来の経路により、特に経腸的に投与されてもよく、例として、たとえば錠剤、カプセル剤、飲用液剤の形態の経口投与、経鼻投与、肺内投与、または、たとえば注射可能な液剤もしくは懸濁剤の形態の非経口的投与により、投与され得る。
経口投与に適した単位剤形は、1つ以上の薬学的に許容される希釈剤または担体と共に、0.01〜1000mgを含む。腫瘍における発芽を抑制し、新規の血管の結合を安定させるために、ネオアジュバントが対象に投与される際に血管安定化作用を提供するのに適切な用量は、当該分野で説明されるような濃度および用量の漸増試験により選択され得る。一実施形態では、ネオアジュバントの用量は、650nM超のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を得るように調節される。
本発明に係る癌の処置の方法は、ネオアジュバントの投与後に連続的な化学療法を対象へ行うステップを含む。一実施形態では、連続的な化学療法を行うステップは、少なくとも1つの抗癌剤の投与を含む。一実施形態では、少なくとも1つの抗癌剤は、パクリタキセル、ゲムシタビン、およびオキサリプラチンからなる群から選択される。
別の実施形態では、抗癌剤は、単一の作用物質または抗癌剤の組み合わせであり、ただしこれら作用物質は抗血管新生の性質を呈さない。この実施形態では、抗癌剤は、VEGF阻害剤ではなく、EGFR阻害剤ではなく、HER2阻害剤ではなく、ベバシズマブ(bevacizumad)ではなく、セツキシマブではなく、パニツムマブではなく、トラスツズマブではない。この実施形態では、抗癌剤は、VEGFR−1ではなく、VEGFR−2阻害剤ではなく、VEGFR−3阻害剤ではなく、PDGF阻害剤ではなく、c−kit阻害剤ではなく、STAT3阻害剤ではなく、FGFR阻害剤ではなく、RAF阻害剤ではなく、TIMP 1阻害剤ではなく、TIMP 2阻害剤ではなく、TIMP 3阻害剤ではなく、メタロプロテアーゼ阻害剤ではなく、シレンギチドではなく、エルロチニブではなく、ソラフェニブではなく、スニチニブではなく、ゲフィチニブではなく、ラパチニブではなく、パゾパニブではなく、マシチニブ(mastinib)ではなく、イマチニブではない。
第2の態様では、本発明は、上述の抗癌剤の効率を改善するために、抗癌療法の前にネオアジュバントとしてのスフィンゴシン−1−リン酸経路のアクチベーターを使用する、癌の処置の方法に関する。
第1の実施形態では、S1P経路のアクチベーターは、血管新生の発芽を抑制し、腫瘍の血管を安定させる。
第2の実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸経路のアクチベーターは、スフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を高める。
第3の実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸経路のアクチベーターは、抗癌剤の治療効果をブーストする。
第3の態様では、本発明は、その必要がある対象における癌性腫瘍の処置の効力を改善するための方法に関し、ここで、
a.第1のステップにおいて、対象のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を測定し、
b.第2のステップにおいて、高い血漿中のS1P値を有する対象へ抗癌剤を投与し、
ただし、上記対象は、抗血管新生剤に供されない。
一実施形態では、処置は、化学療法の処置を表す。一実施形態では、処置は、放射線療法の処置を表す。
スフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度の値は、解析方法および性別に依存し得る。
一実施形態では、対象は、健常な志願者のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度の値の中央値よりも少ないスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を呈し、上記血漿中濃度は、対象および健常な志願者において同じ実験プロトコルで測定される。
一実施形態では、対象は、少なくとも10%または少なくとも15%、健常な志願者のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度の値の中央値よりも少ないスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を呈し、上記血漿中濃度は、対象および健常な志願者において同じ実験プロトコルで測定される。
一実施形態では、対象のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度が、第1のステップ後で650nM未満である場合、対象は、上述のように、第2のステップの前にネオアジュバントの投与を受ける。
本発明のいずれかの態様に係る処置の方法はまた、さらなる外科的介入、軽度の長期間の全身温熱療法(hyperthermia)、および/または放射線療法と併用して使用され得る。
本発明のいずれかの態様に係る処置の方法は、新生物形成、転移の拡散もしくは増殖、または長期間の腫瘍応答の遅延、停止、または逆行などの有用な作用をもたらす。これはまた、化学療法剤のみを使用する単独療法と比較して、副作用の限定、クオリティオブライフの改善、または死亡率および罹患率の減少などの他の有用な作用をももたらし得る。
本発明のいずれかの態様に係る処置の方法は、あらゆる種類の癌に関する。好ましい実施形態では、癌は、固形腫瘍の癌である。一実施形態では、癌は、脳および他の中枢神経系の腫瘍、頭頸部癌;乳腺腫瘍;循環器系の腫瘍(たとえば、心臓、縦隔、および胸膜、および他の胸腔内の臓器、血管の腫瘍および腫瘍関連の血管組織);排泄系の腫瘍(たとえば、腎臓、腎盂、尿管、膀胱、他の部位不明の泌尿器の臓器);消化管の腫瘍(たとえば、食道、胃、小腸、結腸、結腸直腸、直腸S状結腸移行部、直腸、肛門および肛門管)、肝臓および肝内胆管、胆嚢、他の部位不明の胆道部分、膵臓、他の臓器および消化器系の臓器を含む腫瘍);口腔(唇、舌、歯肉、口腔底、口蓋、および口腔の他の部分、耳下腺、および唾液腺の他の部分、扁桃腺、中咽頭、上咽頭、梨状陥凹、下咽頭、および唇、口腔、および咽頭の他の部位);生殖系の腫瘍;呼吸器の腫瘍(たとえば、鼻腔および中耳、副鼻腔、喉頭、気管、気管支および肺、たとえば小細胞肺癌または非小細胞肺癌);骨格系の腫瘍(たとえば、肢の骨および関節軟骨、骨の関節軟骨(bone articular cartilage)および他の部位);皮膚の腫瘍(たとえば、皮膚の悪性メラノーマ、非メラノーマ性皮膚癌、皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、中皮腫、カポジ肉腫);ならびに末梢神経系および自律神経系、結合軟部組織、後腹膜および腹膜、眼および付属器、甲状腺、副腎および他の内分泌腺、および関連する構造を含む他の組織が関与する腫瘍、リンパ節の続発性及び部位不明の悪性新生物、呼吸器系および消化器系の続発性悪性新生物、および他の部位の続発性悪性新生物を含むリストから選択される。上述および後述の腫瘍、腫瘍疾患、細胞腫、または癌が言及される場合、これに代わりまたはさらに加えて、最初の臓器もしくは組織および/または他のいずれかの位置における転移もが、腫瘍および/または転移の位置がどこであっても、暗示される。好ましい実施形態では、本発明のいずれかの態様に係る処置は、膵癌、好ましくは膵臓腺癌の処置に関する。
固形腫瘍の処置のアウトカムの予後診断
一態様では、本発明は、対象の処置の臨床的アウトカムを予測するためのin vitroにおける非侵襲的な方法であって、上記方法は、
a)前記対象から以前に入手した血漿サンプルにおけるスフィンゴシン−1−リン酸の濃度を検出および定量化するステップと、
b)ステップa)で得た結果を、健常な志願者のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度の値の中央値と比較するステップであって、前記血漿中濃度は、前記対象および前記健常な志願者において同じ実験プロトコルで測定される、ステップと
を含む、方法に関する。
一実施形態では、本方法は、
a)前記対象から以前に入手した血漿サンプルにおけるスフィンゴシン−1−リン酸の濃度を検出および定量化するステップと、
b)ステップa)で得た結果を、参照値と比較するステップと
を含む。この参照値は、少なくとも10%または少なくとも15%、健常な志願者のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度の値の中央値よりも少なく、この血漿中濃度は、対象および健常な志願者において同じ実験プロトコルで測定される。
一実施形態では、本方法は、
a)前記対象から以前に入手した血漿サンプルにおけるスフィンゴシン−1−リン酸の濃度を検出および定量化するステップと、
b)ステップa)で得た結果を、スフィンゴシン−1−リン酸の参照値650nMと比較するステップと
を含む。
一実施形態では、本方法は、
a)前記対象から以前に入手した血漿サンプルにおけるスフィンゴシン−1−リン酸の濃度を検出および定量化するステップと、
b)ステップa)で得た結果を、対象が雄性である場合はスフィンゴシン−1−リン酸の参照値410nM、対象が雌性である場合は350nMと比較するステップと
を含む。
一実施形態では、処置は、化学療法の処置を表す。一実施形態では、処置は、放射線療法の処置を表す。
一実施形態では、対象は膵癌を罹患している。
別の態様では、本発明は、対象の処置の臨床的アウトカムを予測するためのin vitroにおける非侵襲的な方法であって、上記方法は、
a)前記対象から以前に入手した血漿サンプルにおけるスフィンゴシン−1−リン酸の濃度を検出および定量化するステップと、
b)ステップa)で得た結果を、スフィンゴシン−1−リン酸の参照値650nMと比較するステップと
を含む。
一実施形態では、この処置は化学療法である。一実施形態では、この化学療法は、上述のように、抗血管新生の性質を有する作用物質を含まない。
一実施形態では、対象は、化学療法を受ける予定である。別の実施形態では、対象は、本発明のin vitroにおける方法の間、化学療法を受けている。
本出願人は、650nM超のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を呈する対象が、化学療法の投与後に、良好な臨床的アウトカム呈することを示した。
固形腫瘍の予後診断キット
別の態様では、本発明は、本発明のin vitroにおける非侵襲的な方法を行うための固形腫瘍の癌の予後診断キットであって、スフィンゴシン−1−リン酸の精製および/または定量化に適切な試薬のセットからなる、キットに関する。
一実施形態では、試薬は、スフィンゴシン−1−リン酸のプローブである。一実施形態では、試薬は、溶媒、緩衝剤、スフィンゴシン−1−リン酸の標準液、スフィンゴシン−1−リン酸に特異的な抗体、標識したスフィンゴシン−1−リン酸に特異的な抗体、スフィンゴシン−1−リン酸でコーティングされたE.L.I.S.A(酵素結合免疫吸着検定法)のプラークから選択される。スフィンゴシン−1−リン酸の精製および/または定量化は、限定するものではないが、遠心分離、溶媒抽出、固相抽出、ろ過、E.L.I.S.A、および他の免疫−酵素性または免疫−化学的な技術、ならびにクロマトグラフィー技術、好ましくは質量分析と連動したクロマトグラフィー技術を含む、当該分野で一般的に知られている技術で行われ得る。
図1は、スフィンゴシン−1−リン酸の生理作用を示す図である。 図2は、健常な対照グループと比較した、膵臓腺癌(pancreatic adenocarcicoma)と診断された患者のベースラインでのS1P血漿中濃度を示すグラフおよび2つの表を含む。 図3は、「low」または「high」のいずれかのS1P血漿中濃度を呈する患者の下位群における全生存率の中央値を示す表である(p値:0.05)。 図4は、従来のゲムシタビンのプロトコルにより処置された患者におけるS1Pの血漿中濃度の関数としての全生存率に関連するハザード比を示すグラフである。 図5は、650nM超のS1P濃度を有し、ゲムシタビンによるかまたはゲムシタビン+キナーゼ阻害剤のマシチニブの併用により処置した患者の全生存率の比較を示すグラフである。
実施例
さらに本発明を、以下の実施例により例示する。
実施例1
S1Pの濃度を、健常な個体および膵臓腺癌患者の血漿(plasma sera)で測定した。図2に示すように、膵臓腺癌を罹患した患者のS1Pの血漿中濃度は、健常な志願者の血漿で測定した濃度よりも有意に高いことが観察された。
実施例2
S1Pの血漿中濃度は、治療効果の予後指標であり、治療効果を予測する。実際に、従来のゲムシタビン化学療法を受けた膵臓腺癌を罹患している患者は、S1Pの血漿中濃度が650nMよりも高い場合に、良好な全生存率の中央値を示した。この解析の結果を、図3にまとめる。
連続変数としてS1Pの濃度を使用する場合、S1Pの血漿中濃度が高いほど、ゲムシタビンでの処置が効率的であることが観察され得る(図4参照)。
本発明に関連する主要なポイントは、S1Pが、S1P受容体1を介して、血管新生の発芽を抑制し、血管を安定させることである。この性質により、高い濃度のS1Pは、腫瘍の血管網を正常にし、より良好に医薬を腫瘍へアクセスさせる。この性質により、S1Pの血漿中濃度の増加をもたらす全ての作用は、腫瘍の血管網を正常にし、より良好に医薬を腫瘍へアクセスさせる。
実施例3
高いS1Pの血漿中濃度(>650nM)を有する患者の下位集団において、ゲムシタビン単独(アーム ゲムシタビン+プラセボ)により処置した集団は、全生存率12.3ケ月の良好なレスポンダーとしてみなすことができる。対照的に、ゲムシタビン+キナーゼ阻害剤(アーム ゲムシタビン+マシチニブ)の併用により処置した集団は、生存率5.9ケ月の不十分なアウトカムを呈する(図5参照)。
実際に、イマチニブとしてのマシチニブは、c−kitおよびPDGF(aおよびb)の阻害剤であり、抗血管新生の性質を呈し、強力な腫瘍血管網の機能障害をもたらす。この作用は、S1Pの作用をアンタゴナイズし、よって、ゲムシタビンの腫瘍へのアクセス可能性を下げる。両化合物の蓄積毒性(cumulative toxicity)を伴うゲムシタビンの効力の低下は、アーム ゲムシタビン+マシチニブに登録された患者の全生存率の強力な低下をもたらす。
実施例4
本発明に係るベンジルフタラジンおよびイミダゾール誘導体のネオアジュバントの作用を、膵臓、肺、および卵巣の腫瘍に対するこれらのネオアジュバント作用について、評価する。
ネオアジュバント作用は、Sliwinskaら(Sliwinska et al., Angiogenesis, 2014, 14(4), 779−804)により記載されているように、CAM(ニワトリの絨毛尿膜モデル:Chicken Chorioallantoic Model)を使用して評価される。
本発明の化合物での処置は、CAM移植者の腫瘍の新生血管の血管網の安定化をもたらす。
さらに、その後非抗血管新生化学療法で腫瘍を処置することにより、細胞傷害性の活性の強化が示される。特に、あらかじめ処置したCAMを移植した腫瘍に対するゲムシタビン、パクリタキセル、およびオキサリプラチンの細胞傷害作用は、本発明に係るネオアジュバントであらかじめ処置しなかった、ゲムシタビン、パクリタキセル、およびオキサリプラチンで処置したCAMを移植した腫瘍と比較して、強化されていた。

Claims (15)

  1. 対象における癌の処置の方法における使用のための化合物であって、
    前記化合物は、スフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を高める、スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤であり;
    前記化合物は、血管新生の発芽を抑制し、血管を安定させ;
    前記化合物は、連続的な化学療法または放射線療法の効力の強化に使用するためのネオアジュバントである、
    化合物。
  2. 前記スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤が、1−デスオキシ−ジヒドロスフィンゴシン−1−ホスホネート;2−ビニルスフィンガニン−1−リン酸;N−(4−(1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル)−4−アミノ−5−オキソ−2−(ピペリジン−1−イル)−8−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−5,8−ジヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド;(R)−1−ベンジル−4−(3−メチル−4−(p−トリル)ピペラジン−1−イル)フタラジン;(R)−4−(4−(4−ベンジル−7−クロロフタラジン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾニトリル;(R)−1−ベンジル−4−(4−(4−シアノフェニル)−3−メチル−ピペラジン−1−イル)フタラジン−6−カルボニトリル、5−(ヒドロキシメチル)−2,4−ジメチルピリジン−3−オール、および式I:
    Figure 2020531578
    の化合物であって、式中、
    R1は、H、アセチル、プロパノイル、N−ヒドロキシアセトイミドイル、イソキサゾール−3−イル、4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル、またはプロ−1−エン−2−イルを表し;前記イソキサゾール−3−イルまたは4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イルは、任意選択で、少なくとも1つのアルキル基、アセチル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基またはニトロ基により置換されていてもよく;
    R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、H、カルボン酸エチル、N−メチルカルボキサミド、1,2−ジヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロパン−2−イル、またはそれらのホスフェートを表し;
    R3は、H、メチル、エチル、メトキシ、またはアルキルオキシアルキルを表す、
    化合物からなる群から選択される、請求項1に記載の使用のための化合物。
  3. 前記スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤が、式Iの化合物であり、式中、
    R1は、アセチル、N−ヒドロキシアセトイミドイル、イソキサゾール−3−イル、または4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イルを表し;
    R2は、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、ヒドロキシメチル、H、1,2−ジヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、または2−ヒドロキシプロパン−2−イルを表し;
    R3は、Hまたはアルキルを表し、好ましくは、R3はHまたはメチルを表し、さらにより好ましくは、R3はHを表す、
    請求項1または2に記載の使用のための化合物。
  4. 前記スフィンゴシン−1−リン酸リアーゼ阻害剤が、
    2−アセチル−4(5)−テトラヒドロキシブチル−イミダゾール、
    1−(4−(1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム、
    1−(2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ブタン−1,2,3,4−テトラオール、
    1−(4−(1−ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノン、
    1−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−2−イル)エタノンオキシム、および
    (2−(イソキサゾール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノール
    からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  5. 前記スフィンゴシン−1−リン酸経路のアクチベーターが、2−アセチル−4(5)−テトラヒドロキシブチル−イミダゾールである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  6. 前記連続的な化学療法が、単一の抗癌剤、または抗癌剤の組み合わせを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  7. 前記連続的な化学療法が、抗血管新生の性質を呈する作用物質を含まない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  8. 前記連続的な化学療法が、ゲムシタビン、パクリタキセル、シスプラチン、およびオキサリプラチンからなる群から選択される作用物質を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  9. 前記対象が、健常な志願者のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度の値の中央値未満のスフィンゴシン1−リン酸の血漿中濃度を呈し、前記血漿中濃度が、前記対象および前記健常な志願者において同じ実験プロトコルで測定されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  10. 前記対象が、700nM未満、好ましくは650nM未満のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度を呈する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  11. 前記癌が、固形腫瘍の癌である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  12. 前記癌が、膵癌、好ましくは膵臓腺癌である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  13. 膵癌を罹患している対象の化学療法または放射線療法の処置の臨床的アウトカムを予測するためのin vitroにおける非侵襲的な方法であって、前記方法が、
    a)前記対象から事前に取得された血漿サンプルにおけるスフィンゴシン−1−リン酸の濃度を検出および定量化するステップと、
    b)ステップa)で得た結果を、スフィンゴシン−1−リン酸の参照値であって、少なくとも10%または少なくとも15%、健常な志願者のスフィンゴシン−1−リン酸の血漿中濃度の値の中央値よりも少ない、参照値と比較するステップであって、前記血漿中濃度は、前記対象および前記健常な志願者において同じ実験プロトコルで測定される、ステップと
    を含む、方法。
  14. 前記参照値が、スフィンゴシン−1−リン酸650nMである、請求項13に記載のin vitroにおける非侵襲的な方法。
  15. スフィンゴシン−1−リン酸の精製および/または定量化に適切な試薬のセットからなる、請求項14に記載の方法を行うための固形腫瘍の癌の予後診断キット。
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