JP2020527354A - コア材料として液体媒体を含むカプセルを有するタバコ製品用のフィルター要素 - Google Patents

コア材料として液体媒体を含むカプセルを有するタバコ製品用のフィルター要素 Download PDF

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Abstract

本発明は、タバコ物品に使用するためのフィルター要素に関するものであって、そのフィルター要素は、少なくとも1つのフィルター本体と、コア材料として液体媒体を有する少なくとも1つのカプセルとを有し、その少なくとも1つのカプセルはUV重合可能な前駆体材料から得られたポリマー材料の水蒸気不透過シェルを有し、そのUV重合可能な前駆体材料は、剛性で非極性の非架橋性基によって連結されたそれぞれの場合に2つの末端ジアクリレート及び/又はジメタクリレート基をもつ少なくとも1つの化合物である。

Description

破壊可能なカプセルを含むフィルター要素を備えたタバコ物品、例えば巻きたばこ(シガレット)などは従来技術において公知である。例えば、米国特許出願公開第2004/0261807号明細書及び国際公開第2006/0136197号は、そのようなタバコ物品及びフィルター要素の例示的な実施形態を記載している。カプセル内に存在する物質は、一般に、消費者によって摂取される前に吸入物に芳香化をつけ又は影響を与え、あるいは吸引抵抗(resistant to draw, RTD)に影響を及ぼす。吸入されるガス流に芳香又は香味物質を富化することに加えて、本発明は、吸入されるガス流から、それに伴う又は有害な物質を結合又は除去することでありうる。ここで、カプセルの内容物は、好ましくは、タバコ物品の使用直前まで、フィルター要素内でカプセルがばらばらに破壊されることによる放出はされない。したがって、使用されるカプセルの目的の1つは、望ましくない離脱から内容物を保護し、カプセルの破損によってのみ内容物を放出することである。したがって、これまで知られているカプセルが直面している1つの課題は、カプセル又はそのようなカプセルを含むタバコ物品の貯蔵寿命、特に、例えば水溶液などの親水性媒体を含むカプセルの貯蔵寿命である。
米国特許出願公開第2004/0261807号明細書 国際公開第2006/0136197号
本発明は、請求項のいずれか一項に記載のタバコ物品に使用するためのフィルター要素、及びそのようなフィルター要素を含むタバコ物品に関する。
本発明の目的のためには、フィルター要素という用語には、吸入されるエアロゾル又はガス流から1つ又は複数の成分を除去するか、あるいはその濃度に影響を与えるために、特に吸入されるガス流中のその濃度を低減するため、あるいはエアロゾルの吸入に対する吸引抵抗(RTD)に影響を及ぼすために適している構成が含まれる。この目的のために、フィルター要素は、少なくとも1つのフィルター本体(filter body)がフィルター作用を発揮できるように配置されている少なくとも1つのフィルター本体を有する。フィルター本体は、一般に、フィルター本体が、吸入されるガス流に対してフィルター作用を及ぼすようなやり方でフィルター要素内に配置されており、吸入されるガス流は、一般に、タバコ含有エレメントからフィルター要素(フィルターエレメント)を通って消費者へと進む。
本発明によるフィルター要素は、少なくとも1つのフィルター本体と、コア材料として液体媒体を備えた少なくとも1つのカプセルとを含む。 その少なくとも1つのフィルター本体及び少なくとも1つのカプセルは、好ましくはシェル材料でとり囲まれている。シェルは、一般に、個々の構成要素を互いに対して所望の配置に保ち、タバコ物品のさらなる構成要素へのそのあとの接続を確実にするのに役立つ。使用されるシェル材料は、好ましくは紙又は紙を含む材料又は厚紙(ペーパーボード)又は厚紙を含む材料である。シェル材料は、1つ以上の物質又は活性成分で完全に又は部分的にコーティングされていないか、あるいは完全に又は部分的にコーティングされている形態で使用されることができる。シェル材料には、吸入されるガス流がフィルター要素によって影響を受けることを可能にする1つ以上の穴(「換気穴」)を設けてもよい。
本発明によるフィルター要素(フィルターエレメント)に使用されるフィルター本体は、特定のタイプに限定されず、タバコ物品の分野で従来使用され、採用されている任意のフィルター本体を使用することができる。適切なフィルター本体は、当業者に公知である。フィルター本体は、従来、繊維材料から、例えば、酢酸セルロース、例えばセルロースモノアセテートなどのアセテート系材料から製造されている。フィルター本体の繊維状材料は、1つ又は複数の物質及び/又は活性成分で、部分的又は完全にコーティングされていないかあるいはコーティング又は改質されていてもよい。
本発明によるフィルター要素は2つ以上のフィルター本体を有してもよく、その場合、少なくとも1つのカプセルは、フィルター本体の1つに埋め込まれて存在するか又はその少なくとも1つのフィルター本体の隣(したがって、その前又は後)のフィルター要素を通る流れの軸方向に、あるいは2つの隣接するフィルター本体の間に配置されていることができる。
本発明によるフィルター要素の1つ又は複数のフィルター本体は、1つ以上の中空凹部又は「中空穴」を有してもよい。これらの中空凹部は、好ましくは、フィルター要素を通る、吸入されるガス流の流れの軸方向を向いており、それにより、断面全体にわたって平均して、フィルター本体の引き込みに対する抵抗が低減される。
本発明によるフィルター要素は、例えば、タバコ物品のフィルターの吸い口端を後で形成することを意図した端部に、例えば凹部を有する(すなわち、「凹部フィルター」の形態をとる)ことができる。この終端凹部は、終端フィルター本体又は本発明によるフィルター要素の別の終端コンポーネントに設けられてもよい。
フィルター本体及びカプセルに加えて、本発明によるフィルター要素はさらなる要素(エレメント)又は構成要素(コンポーネント)を含んでいてもよく、それは、例えば、チューブ(例えば厚紙などのチューブ)によって形成され且つ安定化された空洞(キャビティ)、あるいはさらなる機械的な換気若しくはフィルター要素並びにさらなる空洞又は成分である。
本発明によるフィルター要素は、2つ以上のカプセルを含むこともでき、各カプセルは、好ましくは、個別に、フィルター本体に埋め込まれて存在するか、又はフィルター要素のフィルター本体の前、後、又は複数のフィルター本体の間に配置されることが好ましく、ここで複数のカプセルはまた、1つ以上のフィルター本体に埋め込まれて存在しても、あるいはフィルター要素のフィルター本体の前、後、又は複数のフィルター本体の間に配置されてもよい。
本発明によるフィルター要素は、タバコ物品における使用に適している。本発明によれば、タバコ物品は、タバコ含有領域を有する配列であると捉えられ、消費者は一般にそのタバコ含有領域からエアロゾルを吸入する。本発明によるフィルター要素に加えて、本発明によるタバコ物品は、吸入されるエアロゾル又はガス流が、タバコ含有棒状要素から、本発明のフィルター要素を通って、消費者へと通ることがきるようなやり方で、フィルター要素に結合されて存在するタバコ含有棒状要素を有することが好ましい。当業者は、例えば、タバコ含有材料が燃焼されずに、それに代わって350℃を超えない温度に加熱されてエアロゾルを形成し、これを消費者が吸入することができる、「非燃焼加熱」(heat-not-burn, HnB)装置で消費するための適切なタバコ物品、例えば巻きたばこ(シガレット)又はタバコ含有製品を知っている。適切なタバコ物品及びHnBデバイスは、当業者に公知である。
本発明は特に、タバコ物品において使用するためのフィルター要素に関し、このフィルター要素は、少なくとも1つのフィルター本体(filter body)と、コア材料として液体媒体を含む少なくとも1つのカプセルとを有し、その少なくとも1つのカプセルが、UV重合可能な前駆体材料から得られたポリマー材料の水蒸気不透過性シェルを有し、そのUV重合可能な前駆体材料は、剛性で、非極性の、非架橋性基によって連結されている各場合に2つの末端ジアクリレート及び/又はジメタクリレート基をもつ少なくとも1つの化合物であり、ここで、カプセルは、0.1〜10mm、好ましくは1〜5mmの平均粒径と、10μm〜2mm、好ましくは50μm〜200μmの平均の壁の厚さを有することを特徴とする。
本発明によるフィルター要素において、上記の少なくとも1つのカプセルは、好ましくは、0.005〜50g/md、特に0.1〜10g/mdのWVTR(水蒸気透過率;23℃及び相対湿度80%で測定して)を有する。
特に、本発明によるフィルター要素は、コア材料の液体媒体が機械的負荷によってリリース(解放)可能であるように構成されてもよい。
本発明によるフィルター要素において、UV重合可能な前駆体材料の剛性基は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含むか、又はそれから誘導され得る:
a.1〜3個の炭素原子を有するアルキル基で置換されていてもよい脂肪族二環式又は三環式環ジオールシステム、
b.ビスフェノールA、又は1つ若しくは両方のフェニル残基が1から3個の炭素原子を有するアルキル基で置換されているその誘導体、及び
c.分岐したC〜C10アルキルジイソシアネート又はC〜C10シクロアルキルジイソシアネートと、モノエチレングリコールとから形成されるジウレタン。
UV重合可能な前駆体材料は、特に好ましくは、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、及び/又は以下の式のウレタンジメタクリレート(UDMA)から選択され、以下の式のウレタンジメタクリレートは一般に異性体混合物である:
本発明によるフィルター要素に好ましく使用されるUV重合可能な前駆体材料は、0.001〜50Pa・s、特に好ましくは0.1〜10Pa・sの粘度を有するものである。
本発明によるフィルター要素に使用されるUV重合可能な前駆体材料は、特に、室温及び大気圧において容易に揮発する溶媒及び物質を含まないという点で区別されうる。
少なくとも1つのカプセルのコア材料としての液体媒体は、例えば、親水性液体媒体、好ましくは水溶液又は水分散液、非常に特に好ましくは水であり得る。
特に、本発明によるフィルター要素に使用され得るカプセルは、以下のステップを有する方法によって製造することができるものである:
- コア材料と、シェルのUV重合可能な前駆体材料及びフリーラジカル開始剤を含む組成物とを、そのUV重合可能な前駆体材料が含水コア材料の液滴をとり囲むように共押出しして、共押出し材料を得るステップ、及び
- 続いて、その共押出しされた材料を、空気、別のガス、又は特に不活性ガスで満たされた領域である硬化ゾーンを通過させて、そこでシェルの前駆体材料の重合及び架橋が化学活性線によって引き起こされ、前記硬化ゾーン内における共押出し材料の滞留時間が0.02〜0.2秒であるステップ。
ここで、UV重合可能な前駆体材料は、各場合に、剛性基(rigid group)によって連結された2つの末端のジアクリレート基及び/又はジメタクリレート基をもつ少なくとも1つの化合物であり、かつ、
コア材料が、コア材料とシェルの間の界面適合性を達成するための薬剤を含む。
本発明によるフィルター要素のカプセルを製造する方法において、硬化ゾーン内における共押出し材料の滞留時間は、好ましくは0.05〜0.1秒である。
本発明によるフィルター要素のカプセルを製造する方法において、化学活性線の強度は、導入されたモノマーの硬化後の残留モノマー含量が15質量%以下、好ましくは2〜10質量%、さらにより好ましくは1〜5質量%となる強度である。
本発明によるフィルター要素のカプセルを製造する方法において、化学活性線によって誘起される後硬化を任意選択によって実施してもよい。
本発明によるフィルター要素のカプセルを製造する方法の好ましい変形法において、界面で活性な薬剤は、好ましくは、ノニオン性界面活性剤及びポリアルキレンオキシド、特に100,000〜3,000,000ダルトンのモル質量を有するポリエチレンオキシド、及びそれらの組み合わせから選択される。
本発明によるフィルター要素の少なくとも1つのカプセルのコア材料の液体媒体は、例えば、塩類、塩水和物、炭水化物、タンパク質、ビタミン、アミノ酸、核酸、脂質、医薬、増粘剤、乳化剤、界面活性剤、着色剤、細胞材料、芳香物質、香料、又はその他の活性成分を含んでいてもよい。
水蒸気不透過性シェルに加えて、本発明によるフィルター要素の少なくとも1つのカプセルは、その外側に1つ以上のさらなるコーティングを有してもよく、コーティングは、真空プロセス、例えば、スパッタリング、蒸着、又はプラズマプロセス、あるいは化学コーティング又は電着コーティングによって好ましくは適用され、それらはコーティングされたカプセルを得るためである。
本発明によるフィルター要素において、少なくとも1つのカプセルは、少なくとも1つのフィルター要素に埋め込まれて存在してもよい。カプセルは、しかしながら、少なくとも1つのフィルター本体の隣に、例えばフィルター要素の軸方向において少なくとも1つのフィルター本体の前又は後に配置することもできる。
本発明によるフィルター要素(フィルターエレメント)は、1つより多いフィルター本体を有してもよい。この場合には、少なくとも1つのカプセルは、好ましくは、2つの隣接するフィルター本体の間に配置され得る。
好ましい実施形態では、本発明によるフィルター要素は、長手方向に1つ以上の中空凹部を有する少なくとも1つのフィルター本体を有する。
本発明によるフィルター要素の少なくとも1つのカプセルを、外側から、例えばフィルター要素を圧迫することによって破壊できるようにするために、その少なくとも1つのカプセルが5N〜25Nの範囲の圧縮強度を有することが有利である。
少なくとも1つのフィルター本体及び少なくとも1つのカプセルは、フィルター要素中で、タバコ物品におけるフィルター要素の使用に便利な、互いに対して考えられる任意の向きで、本発明によるフィルター要素中に配置することができる。少なくとも1つのフィルター本体及び少なくとも1つのカプセルは、好ましくはシェル材料によって囲まれ、そのシェル材料は、好ましくは紙又は厚紙(ペーパーボード)である。
本発明はまた、タバコ含有棒状要素と、そのタバコ含有棒状要素に対して軸方向に配置された本発明によるフィルター要素とを含むタバコ物品に関する。
本発明で提示される解決手段は、UV重合可能な前駆体材料から得られたポリマー材料の水蒸気不透過性シェルと水性コア材料とを備えたカプセルの使用を含む。カプセルは、機械的な作用/負荷、例えば、圧力及び/又はせん断応力に曝すことによって、水性コア材料の容易な放出を可能にする。
ここでは、薄いアクリレートシェルをもつミリメートル及びサブミリメートル範囲の、水、水性の溶液、懸濁液、又はエマルションで満たされた球形カプセルを製造できることが証明されており、この球形カプセルは、周囲条件下又は実際に特に乾燥した空気条件下で保管された場合でも、水及び水蒸気に関して長い保持時間(数ヶ月及び数年にわたる)を有し、乾燥してしまうことがない。優れた基本的なバリア特性を備えたシェルの高い品質は、さらに、高いバリア範囲へと、例えば真空プロセスによって、カプセルをさらにアップグレードすることを可能にする。
これは、含水コア材料と水蒸気不透過性の重合シェルを備えたカプセルの製造方法によって実現され、その方法は以下のステップを有する:
- コア材料と、シェルのUV重合可能な前駆体材料及びフリーラジカル開始剤を含む組成物とを、UV重合可能な前駆体材料が含水コア材料の液滴をとり囲むように共押出しして、共押出材料を得るステップ、
- 続いて、その共押出しされた材料を、ガスで満たされた領域、例えば、空気又は不活性ガスで満たされた領域である硬化ゾーンを通過させて、硬化ゾーンにおいてシェルの前駆体材料の重合及び架橋が化学活性線によって引き起こされ、前記硬化ゾーン内での共押出し材料の滞留時間が0.02〜0.2秒である、ステップ。
ここで、UV重合可能な前駆体材料は、各場合に、短い剛性基(rigid group)によって連結された2つの末端のジアクリレート基及び/又はジメタクリレート基をもつ少なくとも1つの化合物であり、かつ、
コア材料が、コア材料とシェルの間の界面適合性を達成するための薬剤を含む。
したがって、カプセルは、マイクロ押し出し、具体的な前駆体材料の選択、一般には振動誘起液滴生成、及びUV硬化を互いに組み合わせた技術的方法によって製造される。特に良好なバリア特性を備えたカプセルが、特定のジアクリレート及びメタクリレートによって得られ、原則としてより高い架橋密度を可能にし、したがって実際により適切であるように見える、より多官能性のビルディングブロック(トリ/テトラアクリレート又はオリゴマー)では得られないことは、特に驚くべきことだった。
共押出しは、例えば、シェル前駆体材料及びコア材料の最大限の平行流を可能にする、コアノズル及び環状ノズルをもつ複数ノズルの同心円状の組み合わせを用いて進行し、架橋可能な前駆体材料は、内容物を取り囲む外側の(例えば環状の)ジャケットとして押し出され、コア材料はその前駆体材料によって取り囲まれ、外側の材料によって封じられた液滴が形成される。これによって、無視可能な汚染(コンタミネーション)をもつコア(水)及びシェル材料のきれいな分離と、最大のカプセル化効率の目的のための厳しい許容差をもつ制御可能に調節できるシェル厚さを確実にすることができる。共押出工程(共押出ステップ)は、好ましくは、空気中又は一般には気体、特に不活性ガス中で進行する。押出工程の直後又はすぐ後に、かつ好ましくは押出装置の比較的近い空間近傍で、粒子は、好ましくは重力の助けを借りて、化学活性線によって前駆体材料が重合及び架橋されるゾーンを通過する。押出装置と照射ゾーンとの間の距離は、液滴がつまみ取られて(ピンチオフ)丸くなるのにちょうど十分であるように選択されることが好ましい。材料がノズルから出てくる速度、それに関連する最適なピンチオフ周波数、及び結果として生じる生産速度に応じて、この距離は、好ましくは少なくとも15cm、最大で150cm、典型的には約20〜50cmである。ノズルとラジエーター間の距離が長くなるにつれて、カプセルの速度は重力による加速の結果として上昇し、そうして、さらに長い距離では、照射における滞留時間が、硬化のために十分ではなくなるおそれがある。
得られる架橋生成物は、その構造を満たす内容物又はコア材料を封入するカプセルとして機能する。カプセルを形成するために使用される共押出プロセスは、それ自体公知であり、例えば、Chemie Ingenieur Technik 2003、75、no. 11, 第1741-1745頁に記載されているが、水性内容物をカプセル化するために本発明において使用されるUV硬化についての記載はない。本発明によって適している、マイクロカプセルを共押出し且つ形成するための対応する装置は、例えば、Brace GmbHによって販売されている。
本発明によるフィルター要素に使用されるカプセルは、シェルに使用されるUV重合可能な前駆体材料が、それぞれの場合に剛性基(以下、「連結基」ともいう)によって連結されている各場合に2つの末端のジアクリレート基及び/又はジメタクリレート基をもつ少なくとも1つの化合物である点で特に区別される。当業者は、これらが、立体的環境及び/又は水素架橋を安定化することによる、わずかな横方向の及び回転の運動性を有する基を含むと理解するだろう。
本明細書で使用される「(メタ)アクリレート」という用語、及びそれから誘導される用語は、メタクリレート、アクリレート、又はそれら2つの混合物を含み、あるいはそのように理解されるべきである。
前駆体材料から形成されるポリマー鎖の可動性は、適切な連結基の選択によって制限される。連結基の剛直性あるいは鎖の剛性は、連結基の3次元構造、及びそのなかにある結合の化学的性質によって決まる。シェル材料は水又は水蒸気のバリアとして機能するので、非極性連結基を選択することが好ましい。架橋及び重合は、末端の(メタ)アクリレート基を介して実質的に進行する。連結基は、好ましくは架橋に寄与しないか、実質的に寄与しないべきであり、したがって、好ましくは二重結合を含まない。さらに、二重結合は、UV硬化中に切断される可能性があり、したがってこの理由のためにも、本発明によれば、連結基中には好ましくは避けられるべきである。
連結基は、末端OH基をもつ化合物(ジオール、ビスフェノール類)に由来する又はそれから誘導された基であり。「・・・に由来」又は「・・・から誘導」とは、前駆体材料において、これらの化合物の末端OH基上の水素原子がアクリレート又はメタクリレート残基で置換されていることを意味することを意図している。
剛性基(連結基)は、好ましくは、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの化合物に由来するか、またはそれから誘導される。
a.1〜3個の炭素原子を有するアルキル基で置換されていてもよい脂肪族の二環式又は三環式ジオールシステム、
b.ビスフェノールA又は1つまたは両方のフェニル残基が1〜3個の炭素原子を有するアルキル基で置換されているその誘導体、及び
c.分岐したC〜C10アルキルジイソシアネート又はC〜C10シクロアルキルジイソシアネートとモノエチレングリコールとから形成されるジウレタン(そのモル比は好ましくは約1:1.5〜約1:3(アルキルジイソシアネート:エチレングリコール)の範囲である)。
a.に記載されている化合物が特に好ましく、それは、二環式化合物、例えば、ビシクロヘプタン類(例えば、ビシクロ[3.2.0]ヘプタン)、ビシクロオクタン類(例えば、ビシクロ[2.2.2]オクタン)、ビシクロノナン類(例えば、ビシクロ[3.3.1]ノナン又はビシクロ[4.3.0]ノナン)、ビシクロデカン類(例えば、ビシクロ[4.4.0]デカン)、ビシクロウンデカン類(例えば、ビシクロ[3.3.3]ウンデカン)などのジオールから、あるいは架橋した二環式化合物(すなわち、三環式化合物)、例えばトリシクロデカンジメタンのジオールから誘導され得る。
a.に記載されている化合物は、非置換であるか、あるいは各場合に1〜3個の炭素原子を有するアルキル基で置換されていてもよい。メチル基は、好ましい置換基と考えられる。任意で存在していてもよいアルキル置換基の数は、好ましくは1〜5個、より好ましくは2〜4個である。さらに好ましい実施形態では、さらなる置換基は存在しない。
カテゴリーa.の化合物に対応する前駆体材料の具体的で特に好ましい例で、挙げることができるものは、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(TCDDA、より正確にはトリシクロ[5.2.1.0]デカンジメタノールジアクリレート)及びトリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(TCDMDA、より正確にはトリシクロ[5.2.1.0]デカンジメタノールジメタクリレート)であり、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(TCDDA)が非常に特に好ましい。
b.に記載されている化合物は、特にビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)から、又はフェニル残基の一方又は両方が1〜3個の炭素原子を有するアルキル基で置換されているビスフェノールAの誘導体から誘導される。メチル基は、好ましい置換基と考えられる。フェニル残基上の任意選択により存在していてもよいアルキル置換基の総数は、好ましくは、1〜4個、より好ましくは2〜3個である。
さらに好ましい実施形態では、いかなる置換基も芳香環上に存在せず、すなわち化合物はビスフェノールAである。アルキル置換された誘導体の例は、ビスフェノールC(4,4 '-(1-メチルエチリデン)ビス[2-メチルフェノール])又はビスフェノールG(4,4 '-(1-メチルエチリデン)ビス[2-(1-メチルエチル)フェノール])である。
カテゴリーb.の化合物に対応する前駆体物質の、挙げることができる具体的かつ特に好ましい例は、ビスフェノールAジアクリレート及びビスフェノールAジメタクリレートである。
c.に記載されている化合物は、分岐したC〜C10アルキルジイソシアネート又はC〜C10シクロアルキルジイソシアネートと、モノエチレングリコールとから形成されるジウレタンから誘導されることが好ましい。ここでモル比は、好ましくは約1:1.5〜約1:3(アルキルジイソシアネート:モノエチレングリコール)の範囲であり、より好ましくは約1:2である。
これらの化合物は、それぞれの場合、ウレタン基を介して、中央の分岐したアルキレン基と結合されている2つの末端モノエチレングリコール基を有する化合物である。分岐したアルキレン基は、好ましくは5〜10個の炭素原子、より好ましくは6〜9個の炭素原子を含む。分岐したアルキレン基の主鎖は、好ましくは4〜7個、より好ましくは5又は6個の炭素原子を含む。メチル基は、分岐基として特に好ましい。分岐アルキレン基は、特に好ましくは、2-メチル-4,4-ジメチルヘキシレン基である。本発明において同様に好適なシクロアルキル基は、その環が好ましくは5〜6個、特に6個の環炭素原子を有し、さらにアルキル基、特にメチル基で置換されていてもよいシクロアルキル基である。
カテゴリーc.の化合物に対応する前駆体物質の、挙げることができる具体的かつ特に好ましい例は、次の式のウレタンジメタクリレート(UDMA)であり、これは一般に異性体混合物であり、あるいは対応するウレタンジアクリレートである:
これは、例えばEvonik社からUDMA(HEMATMDI)の名称で市販されており、0.33Pa・s(60℃)の粘度を有している(メーカーによる詳細)。
すでに述べたように、コア材料とシェルの前駆体材料は、前駆体材料がコア材料を取り囲むように共押出される。これは、概して環状のノズルと中央の概して同心の内側ノズルを備えたノズルの組み合わせの助けを借りて達成される。次に、得られた共押出しした材料は、化学活性線により固化される。達成可能な形状は互いに移り変わる可能性があり、すなわち、制御方法に応じて、実質的に球形のカプセル又はやや小滴若しくは卵形のカプセルを製造することが可能である。しかしながら、1つの特定の利点は、本発明によれば、高レベルの真球度及び最大限に単峰性の粒径分布を有するカプセルを得ることが可能であることである。最大限単峰性の粒径分布に関しては、1.1未満、1.05未満、又は1.01以下のdmax/dmin値が達成可能であり、ここで、dmax及びdminは、例えば、20又は50個の粒子の組からの個々の粒子の直径である。
本発明の方法を使用して製造したカプセルあるいは本発明のカプセルは「マイクロカプセル」であり、好ましくは0.1〜10mm、好ましくは0.2〜8、より好ましくは0.3〜5mm、非常に特に好ましくは1〜5mmの範囲の平均粒径範囲内にある。結果として生じるコア材料の分割は多くの用途に有利であり、なぜなら、良好な混合を同時に確保しながら多量を適用できるからである。平均粒径は、例えば、ノギスによって決定されてもよく、20個以上、例えば、50又は100個の粒子の直径が決定され、次いで平均が計算される。より小さい粒径の場合には、粒径の決定は、光学顕微鏡又は走査電子顕微鏡を用いて、ここでも20個以上、例えば50個または100個の粒子を平均することによっても行われ得る。高レベルの球形度と単峰性の粒径分布の場合は、20個の粒子が、平均直径を決定するのに一般に十分である。一般的に、理想的な球状粒子を得ることを目的としているが、楕円形の粒子形状も含まれる。楕円形の細長い粒子形状の場合、それぞれの個々の粒子の粒径は、最初に長径と短径を測定し、その平均値を粒径として用いることによって決定することができる。これらの粒径は、丸い粒子の場合と同じやり方で、平均粒径を計算するために使用される。
提示した方法を使用して、カプセルのサイズと比較して、薄い壁の厚さを有するカプセルを製造することができる。一般に、その方法によって製造されたカプセルは、10μm〜2mm、好ましくは50μm〜200μmの平均壁厚を有する。50μm〜200μmの範囲内のカプセルの壁の厚さは、カプセルの効率と強度の理想的な妥協点をもたらし、その一方で、10μm〜2mmも、拡張された範囲で得ることができる。
壁の厚さは、コア材料とシェル材料の材料フローの比率を調節することにより調整される。この目的のために、例えば5:1質量/質量のコア対シェル材料の材料流量比が、生産工程の初めに予め決められる。例えば4mmのカプセルの定義された外径(これはノズルの形状の選択によって調節される)において、壁の厚さはノズルの形状によって規定されるが、コアとシェルの材料の密度も考慮に入れられる。あるバッチのカプセルの平均壁厚は、規定された粒径の約20個のコア材料で満たされたカプセルの代表となる組を秤量し、次にそれらを粉砕し、乾燥し、再秤量することによって確認される。平均壁厚は、規定された外径において、コア及びシェル材料の密度から計算される。例として、製造工程からの個々のカプセルのシェルの厚さ、均一性、及び欠陥がないこともまた、シェル表面及び破壊したものの端部の光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡写真の助けを借りてチェックされる。
その寸法から生じる圧縮強度(単軸荷重、破壊力)は、意図している用途に応じてカプセルの直径とシェルの厚さを可変調整することによって、0.1N〜200Nの範囲で調整できる。これは、卵殻のモルホロジーから(手では)事実上破壊不可能なものまでのカテゴリーに対応する。約5N〜25Nの範囲の圧縮強度は、指と指の間でシェルを押しつぶすことによってカプセルの内容物が放出されるカプセルにとって特に有利である。ここで、一軸圧縮強度は、20個のカプセルの代表的なランダムサンプルサイズに基づいて、Zwickユニバーサルテストマシンを使用して決定される。ここで、カプセルは、完全に破損(破損)されるまで3mm/分の進行速度で2つの平面ステンレス鋼テストパンチの間で押しつぶされる。データは、100Nロードセルを用いて取得され、testXpert(登録商標)ソフトウェアを使用して評価される。
カプセルの壁の厚さは、圧縮強度だけでなく水蒸気透過速度に対しても重要な変数である。壁の厚さの低下は、圧縮強度、したがって放出するために必要な力を低下させ、一方で、水蒸気透過速度を増大させる。使用分野に応じて、妥協点を見つけることができ、特性のバランスを取ることができる。
既に述べたように、カプセルは、非常に小さな許容範囲をもつ、単峰性の均一なサイズで製造することができる。これは、均一な壁厚を達成するために有利であり、バリア用途及び真空プロセスによるさらなる処理の前提条件として、厚さが最小値を下回るのを防ぐ。
述べた方法では、前駆体物質のレオロジー挙動を、それがピンチオフと最大球形カプセルの形成に都合がよく、且つコア材料の上での均一な流れを促進するように調整することができる。加工温度において、すなわち押出時において、UV重合可能な前駆体材料の粘度は、好ましくは0.001〜50Pa・s、より好ましくは0.01〜10Pa・s、さらにより好ましくは0.1〜1Pa・sである。したがって、粘度値は、押出時の、使用される前駆体材料のその特定の温度に関連している。粘度は、60mm/4°のコーン寸法及び150μmの測定ギャップで、コーン・アンド・プレート原理ではたらくMCR 102 Paarレオメーターで測定される。適切なプロセス温度は、20、40、及び60℃において、0.1〜100 1/s(s−1)の回転速度範囲内で標準的な測定を行うことによって見積もることができる。 特に望ましい粘度は、カプセル化が進行する温度によって制御又は再調整することができる。
さらに、単独では加工できない(または所定の温度で加工できない)高粘度の前駆体材料は、低粘度成分、たとえば、以下でさらに説明するトリ-、テトラ-、又はそれより多い高官能性のアクリレートとブレンドすることによって加工することもできる。
カプセルの水又は水蒸気不透過性に関して、目的は、最大限に欠陥のないカプセルシェルを得ることに違いない。これを達成するためには、前駆体材料が、いかなる有機溶媒又は他の揮発性成分を含まないことが特に好ましく、なぜなら、これらは製造プロセス又は貯蔵中に逃げて、シェルに損傷を与えるおそれがあるからである。不純物と低蒸気圧画分を含む混合されたシステム(工業グレード)は、気泡の形成によるシェルの欠陥を生じやすく、あまり適していない。好ましい実施形態では、シェル材料として押し出される組成物は、好ましくは前駆体材料及びフリーラジカル開始剤からなり、さらに好ましい実施形態では、前駆体材料とフリーラジカル開始剤の合計は、シェル材料として押し出される組成物の少なくとも98質量%、理想的には99質量%よりも多い。本発明のさらなる実施形態において、シェル材料として押し出される組成物は、前駆体材料、フリーラジカル開始剤、及び界面の相容性を向上させるための薬剤からなる。
剛性基によって連結された各場合に2つの末端のジアクリレート基及び/又はジメタクリレート基をもつ少なくとも1つの化合物である前駆体材料は、部分的に、トリ-、テトラ-、又はそれよりも多官能のアクリレートによって置き代えられていることができ、それは特に、上述したように前駆体材料の粘度を調節するためである。したがって、本発明はまた、ジ(メタ)アクリレート前駆体材料が、最大30質量%、例えば最大25質量%、又は最大20質量%の量で、そのようなトリ-、テトラ-、又はそれより多官能のアクリレートによって置き代えられている実施態様も含む。用いることができるそのような三官能アクリレートの一つの例は、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)である。
上で説明したように、外部媒体に対するシェルの最大界面張力を生みだすために、ガス雰囲気中、すなわち、空気、ガス、特に不活性ガス中で押出が行われ、「ピンホール」のないバリアの条件として、十分に良好で、欠陥がなく、特に、非常に滑らかな表面が得られる。空気に加えて、適切なガス又は不活性ガスは、例えば、窒素、又はアルゴンなどの希ガスである。空気又はガス雰囲気中での液滴形成は、AFM画像によって実証されているとおり、バリアフィルムのための基板に匹敵する低い粗さの、望みうる最良の表面品質をもたらす。これは、例えば、その後の金属被覆又は金属酸化物コーティングによる、カプセルのバリア特性の任意選択によるさらなるアップグレード及び改善に関して特に好ましい。
液滴の生成は、カプセルのサイズに応じて20〜2000Hzの周波数範囲の振動の助けを借りて行われる。直径4mmのカプセルサイズに対しては、40〜200Hzの周波数範囲が好ましく、これは、1秒当たり40〜200カプセル、あるいは1時間当たり150,000〜720,000のカプセル量に相当する。規模を拡大(スケールアップ)することができ、商業的に実施可能なプロセスが、その結果得られる。
バリア品質を有するカプセルを製造するためには、短い曝露時間が望ましい。短く、高強度の露光パルスが、シェルの硬化を開始させ、その後の暗反応の後、導入されたモノマーの非常に高い転化率、例えば明らかに90%を超える転化率をもたらし、カプセルが回収タンク又は回収装置に達するときには、硬化反応が大部分完了しており、カプセルはべたつきのない(タックフリー)表面を有する。曝露時間は、好ましくは約0.02〜0.2秒、特に好ましくは約0.05〜0.1秒である。最大の、これまでには達成されていない又は報告されていない程度の架橋が、結果として得られる。転化率は、例えば、TCDD(M)Aに対して93〜95%の範囲であるが、少なくとも85%である。
開始剤反応は、水銀スペクトル又は金属ドープ(たとえばFe)された水銀光照射装置から得られるUV照射フィールド内で開始される。使用される光照射装置は、具体的には、例えば、タイプD放射スペクトルを生成する鉄ドープ水銀蒸気光照射装置であることができる。これは、350〜400nmの長波長UV領域でも強い出力を有し、これが短波長Hgスペクトルを超えて広がっていることを特徴としている。 使用可能な光照射装置は15cmの長さであり、長さ1cmごとに最大200ワットの合計照射強度(IR、可視、UV)が放射される。放射は、楕円リフレクターを介して、カプセルがそれを通って落下する焦点線に焦点を合わせることができる。挙げることができる適切な放射強度は、全体として、例えば、約140W/cmアーク長、又は単位面積当たり約50〜140W/cmの強度である。
UV重合可能な前駆体材料を含む組成物は、フリーラジカル開始剤をも含む。使用しうるフリーラジカル開始剤は、当業者に知られている従来の市販されているUV開始剤であり、例えば、ベンゾフェノン類、アシルホスフィンオキシド類、α-ヒドロキシケトン類など、特にLucirin(登録商標)TPO(BASF社)又はIrgacure(登録商標)184(Ciba社)である。
硬化後、導入されたモノマーの残留モノマー含量は、好ましくは15質量%以下、より好ましくは2〜10質量%、さらにより好ましくは1〜5質量%である。これは、高い転化率、すなわち、導入されたモノマーの高い転化の度合い、したがって、シェル中の最小化された残留モノマー含有量に合致する。同時に、フリーラジカル開始剤の必要量が低減される。結果として、長期保存の場合でさえ、残留モノマー及び開始剤分子のコア材料への移動は、検出限界の範囲にまで低下しうる。したがって、消費者製品分野(民生品分野)における材料の使用も可能にする新しいレベルの品質が達成される。さらに、高強度のUV(紫外線)照射がコア材料をその場で滅菌し、それにより消毒することが特に有利である。転化率、したがってまたシェルの残留モノマー含有量は、たとえば動的走査熱量測定(DSC)法を使用して直接決定でき、品質保証に使用できる。このために、代表的な量(通常0.1g)の硬化したシェルの断片をるつぼ内で10K/分の速度で連続的に加熱し、その結果、残りの二重結合の反応が引き起こされ、二重結合の残存量が、結果として得られる発熱シグナルを評価することによって定量化される。
低い残留モノマー含有量と合致して、転化率は85%より明確に大幅に高くなることができ、通常は明確に90%より高くなることができる。
コア材料への加工添加剤の添加は、好ましくは極性の主に水性のコア材料と、明らかに極性のより低いシェル材料との間の界面適合性(界面の相容性)を達成するために行われる。界面適合性を達成するために適したそのような薬剤は、例えば、中性界面活性剤(例えば、Tween 80)又は水溶性ポリマー、例えば、約1,000〜10,000,000、特に50,000〜3,000,000、又は100,000〜2,000,000の範囲の分子量をもつポリエチレンオキシド(例えば、100万又は200万ダルトンのモル質量をもつPEO)である。その界面活性作用に加えて、添加剤PEOは、コア材料の粘度を高めるという追加の利点を有し、それによって液滴の振動挙動を低減し、したがって、球形に関してカプセル形成に有利である。
その濃度は、好ましくは、コア材料に基づいて約0.05〜2質量%の範囲である。UV重合可能な前駆体材料を含む組成物はまた、それに添加された、界面相容性を達成するための薬剤、例えばエトキシル化アクリレートをも含みうるが、本発明によれば、界面相容性を達成するための薬剤は、コア材料に添加されるだけであることが好ましい。
硬化中に達成される高い転化度により、本発明のいくつかの実施形態では、積極的な後硬化を実施する必要はないが、そのような後硬化、特にUV硬化は、残留モノマー含有量をさらに減らすために有利でありうる。生成されたカプセルが、例えば、回収タンク内で、光照射装置からの散乱光から遮蔽されていない場合には、さらなる操作を必要とすることなく自動的な後架橋が起こる。
改変されていなくても、本発明によるカプセル又は本発明に従って製造されたカプセルのカプセル壁は、150μmのオーダーのシェル厚において中程度までのバリア特性を有する。したがって、標準測定条件(23℃、80%の相対湿度差)のもとで1〜10g/mdの範囲の水蒸気透過率(WVTR)が得られる。水蒸気透過率は、20%の相対湿度の環境中に置かれた、既知の壁厚(たとえば、約150μmの単一壁の厚さ)の所定数の粒子、通常20個の粒子を使用して決定することができる。次いで、所定の時間間隔、例えば2週間にわたって、質量損失が質量測定により決定される。高度の架橋は、カプセルのバリア特性のための実質的な前提条件であり、及び/又はその特性に有利である。
未改質カプセルの低いWVTRは、カプセルを高バリア及び超高バリア範囲へ改善(アップグレード)/向上させるための前提条件であり、なぜなら、それが、真空プロセスに必要なプロセス条件を確立することを可能にするからである。 本発明によるカプセル又は本発明により製造されたカプセルは、耐真空性であり、すなわち、機械的に十分に安定であり、水蒸気に対して十分に不透過性であるため、シェルに対する損傷なしに真空プロセスにおいてさらに処理することができ、このようにしてさらに改善されうる。これらのプロセスには、バリアフィルム技術で標準として使用されるプロセス、例えば、蒸着、スパッタリング、プラズマプロセスなどによる真空コーティングなどが含まれる。その安定性と不透過性のおかげで、カプセルは化学的メタル化及び/又は電着メタル化を受けることもできる。
本方法に関して有利であると記載された実施形態はまた、必要な変更を加えて本発明によるカプセル又は本発明によって製造可能なカプセルに対して明示的に適用する。 したがって、カプセルは、例えば、好ましくは0.005〜50g/md、特に0.1〜10g/md、あるいは1〜10g/mdのWVTR(23℃及び80%の相対湿度差において測定して)を有する。
選択された材料及び高度の架橋の結果として、本発明によるカプセル又は本発明により製造されたカプセルは、脆性破壊を受けるシェルを有し、その結果、例えば、含水コア材料は、機械的作用、例えば、圧力を加えること(例えば、衝撃荷重)及び/又は剪断応力によって放出されることができる。
本発明によるフィルター要素の少なくとも1つのカプセルからのコア材料の放出が圧力に応答して進行することが意図されている場合、カプセルの壁厚は、例えば、単一の壁の厚さとカプセル直径の比が、例えば1:50〜1:120の中にあることができる。
図1は、本発明によるフィルター要素(フィルターエレメント)に適したカプセルを製造する方法の技術的シーケンスを示す概略図である。 図2は、タバコ物品に使用するための、本発明によるフィルター要素を示す概略図である。 図3は、本発明によるフィルター要素を備えた本発明によるタバコ物品の第1の実施形態を示している。 図4は、本発明によるフィルター要素を備えた本発明によるタバコ物品の第2の実施形態を示している。 図5は、本発明によるフィルター要素を有する本発明によるタバコ物品の第3の実施形態を示している。 図6は、記載した方法により製造したカプセルの貯蔵寿命の調査の結果を示している。
[本発明によるフィルター要素において使用するための、コア材料として液体媒体を有するカプセルの製造]
水(水蒸気)不透過性カプセルを製造するための本発明による方法を、本発明によるフィルター要素又はタバコ物品におけるその使用と同様に、以下に、より詳細に記載する。
架橋反応(硬化反応)の技術的シーケンスを図1に例として示している。既に述べたように、カプセルは、好ましくは同心の内側ノズルを備えた環状ノズルによって製造される。カプセル化される水及び添加剤を含むコア材料と、カプセル化材料のための前駆体材料及びフリーラジカル開始剤を含む組成物とは、適切な送達装置の助けを借りて(例えば、ポンプにより又は加圧により)保持タンクからノズル構造部分へと別々に運ばれる。外側ノズルの直径に特定の制限はない。それは通常約5mm〜0.1mmの範囲であるが、さらに小さいカプセルを得るために、さらに1桁小さくてもよい。内側ノズルの直径は外径と適切に調整されており、したがって、たとえば2:3である。しかし、カプセルの壁厚の微調整は、とりわけ、ノズル形状以外のパラメータ、例えば、選択された送達圧力によっても決定され、送達圧力は周囲圧力と比較して0.1〜5バール過圧の範囲内にあることが好ましい。保持タンクとノズルが別々に温度制御可能であることが好ましい。このように、シェル材料としての比較的高粘度の樹脂は、損傷や望ましくない副作用(過渡的な熱応力の結果として)が生じることなく、所望の粘度範囲に調整することができる。プロセスパラメータの適切な調整が行われている場合(例えば、カプセルの望ましいサイズ/厚さ、及びカプセル化された材料と壁の厚さの望ましい関係に応じて、約5〜50℃の範囲の温度、並びに/あるいは樹脂及び/又は内容物に対する約10cm/分〜約10cm/分の供給速度)、その内部にコア材料を伴うシェル材料からなる球体を製造することが可能である。球体の直径は、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは1〜5mmの範囲である。本発明によれば、1:100の壁厚とカプセル直径の比を確立することは原理的に可能である。したがって、40μmの壁の厚さを備えた直径4mmの安定したカプセルを製造することができる。
前駆体材料組成物で包まれたコア材料のカプセルは、好ましくは、液体中に押し出されないで、代わりに、ノズルを出た後、一般に自由落下で、硬化ゾーンに向かって移動し、すなわち、重力の影響下で加速される。ノズルと硬化ゾーンの間の距離が大きければ大きいほど、硬化ゾーンを通過して落ちる速度がより速くなり、したがって、滞留時間がより短くなる。その距離は、個別のカプセルが形成されるように選択する必要がある。これらは通常、ノズルから液滴の形態で離れ、望ましい(理想的には球形の)形状を形成するために所定の時間を必要とする。デバイスの幾何形状はこの点を考慮に入れる必要があり、なぜならそうでないと、不均一なシェルの厚さをもつカプセルが得られ、最も望ましくない場合には、欠陥のあるカプセルが得られるからである。10〜50cmの範囲の距離が、好ましい妥協点であることが証明されている。硬化ゾーンからの散乱光からノズルを保護するために、この落下経路内に1つ又は複数のダイアフラム(特に虹彩型ダイアフラム)を設けてもよい。
内容物と、硬化前の前駆体材料との接触時間は、一般に、全体として短い時間間隔(例えば、秒の分数、特に0.1〜0.5秒)に過ぎず、それによって、内容物がシェルの溶解によって汚染されるリスクが最小化される。
硬化ゾーンは、Hoenle社又はFusion社のUV照射装置などの商業的に入手可能な照射装置によって提供されることができる高照射強度の領域である。 ゾーンの長さは原則として規定されない。ゾーンは有利には15〜60cmである。液滴の形成は、慣習的には、振動装置の助けを借りて、振動によって引き起こされる。環状ノズルと回収タンクの下の対向電極との間に高電圧静電場を設けて、液滴の離脱を助けることができる。
本発明によれば、硬化ゾーン内でのカプセルの滞留時間は、硬化ゾーンの長さ及びノズルと硬化ゾーンの距離に応じて、約0.05〜0.2秒、好ましくは約0.05〜0.1秒である。典型的な滞留時間として約0.06秒の滞留時間が、ある硬化ゾーン長において、特に、15cmの光照射装置の長さ及び約20cm(これは好ましくは10〜30cmである)のノズル-光照射装置の距離において得られる。大気中の酸素による阻害が観察される場合、光照射フィールドを任意選択によって不活性ガスでフラッシュ(流す)してもよい。特に厚いシェルの場合、必要な場合には、光照射装置の散乱線ゾーン内に回収容器を配置することによって、カプセルを後硬化させて完全な硬化を確実にしてもよい。
これまで述べたように、硬化は化学活性線の助けを借りて進行する。結果として、内容物を高温に曝すことはほとんど回避される(低温硬化)。
積極的に液滴をせん断することなしにカプセルの形成が進行する場合、すなわち、カプセルが、液滴の重量の力の影響のもとでのみノズルから取り外される場合、液滴のサイズは主に内容物及びカプセル材料の表面特性及び界面特性によって決まり、ノズルの幾何学的形状(ジオメトリ)によるものは下位の程度に過ぎない。典型的には0.5〜5mmの直径のカプセルは、表面張力及び界面張力を低下させる物質(例えば、界面活性剤)の添加により得られる。より小さな直径を達成するため、又はより高いスループットを達成するための液滴のせん断及びしたがって分離は、特別なノズル構成、指向性ガス流、振動(oscillation, vibration)、静電場、又は専門家のあいだで知られている他のメカニズムによって任意選択により助けられてもよい。液滴の形成が、振動による補助によって進行する「層流ジェット分裂(laminar jet breakup)」の場合、カプセルの形状はノズルの寸法によって直接決定される。
スケールアップへの適切な1つの適切なアプローチは、複数のノズルを使用してその方法を並列化することである。
光照射フィールドは、個別モード又は並列モード操作のどちらを使用するかに応じて異なって照射されるべきである。個別又は単一モードの運転の場合、カプセルがそこを通って落下する焦点線の中に放射強度を焦点合わせするために楕円反射器などを使用することが好ましい。多モードの運転の場合、光放射フィールドの均一な照射を確実にする放物面反射器の形状が有利でありうる。
適用例1:
Sartomer(登録商標)SR 833 S(Arkema社)(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)に基づく直径4mmを有するカプセルの製造
コア材料の準備:0.5gのPEO(200万)を、30℃で攪拌しながら、事前に(溶存酸素を除去するために)沸騰させた100mlの脱塩水に溶かした。
シェルの調製:遮光してアルゴン雰囲気下で50℃にて、0.25gのLucirin(登録商標)TPOを25gのSR 833 Sに撹拌しながら入れて溶かした。
これら2つの材料を、コアとシェルのためのそれぞれの対応する貯蔵タンクに移した。両方のタンクを25℃に調整した。
落下経路は、不活性ガスとしてアルゴンで満たした。UV照射装置は、84W/cmの照射強度に対応する、最大出力の60%に設定した。振動発生器の周波数は60Hzに設定した。供給圧力を100mbar(コア)と400mbar(シェル)に設定し、同心の内筒(2.2mmの内径)を備えた環状ノズル(3.1mmの直径)からなる同心ノズル構成を通しての押出しを始めた。液滴形成をストロボスコープによって確認した。形成されたカプセルの硬化は自由落下中に進行し、カプセルを容器(ビーカー)に集めた。均一なサイズ(4mmの外径)及び約145μmの平均シェル厚のカプセルが得られた。カプセルは、光照射装置からの散乱光の中に約5分そのまま留まり、その結果、後硬化された。
透過(水(水蒸気)透過性)を、23℃及び20%の相対湿度での保存時の20個のカプセルからなるカプセルサンプルの経時的な質量損失に基づいて、質量測定により決定した。2週間にわたる質量損失の観察により、150μmのシェルの厚さに対して2.7g/mdの水蒸気の透過率であることがわかった。
93%の転化率は、DSC測定から決定した。
適用例2:
Sartomer(登録商標)SR 833 Sに基づいて、薄くした壁厚を有する4mmの直径をもつカプセルの製造
コア材料の調製:0.6gのTWEEN 80を100mlのあらかじめ沸騰させた脱塩水に溶かした。
シェルの調製:アルゴン雰囲気下、遮光して、50℃で、0.4gのIrgacure(登録商標)184を20gのSR 833 Sに撹拌しながら入れて溶かした。その2つの材料を、コア用及びシェル用の貯蔵タンクに移した。両方のタンクを25℃に調節した。
落下経路は、不活性ガスとしてアルゴンで満たした。UV照射装置は最大出力の70%に設定し、98W/cmの照射強度に対応する。振動発生器の周波数は60Hzに設定した。送達圧力を50mbar(コア)と400mbar(シェル)に設定し、同心の内筒(2.2mmの内径)を備えた環状ノズル(3.1mmの直径)からなる同心ノズル構成を通しての押出しを開始した。液滴形成をストロボスコープで確認した。形成されたカプセルの硬化は自由落下中に進行し、カプセルを容器(ビーカー)に集めた。均一なサイズ(4mmの外径)及び約120μmの平均シェル厚のカプセルが得られた。散乱光中で後硬化した。
適用例3:
UDMA:TMPTA(トリメチロールプロパントリアクリレート)=3:1の組み合わせからなるシェル材料に基づいて、例2に匹敵するシェル厚さを備え、短くした直径(2.4mm)をもつカプセルの製造
コア材料の調製:0.5gのPEO(200万)を100mlの水に溶解した。
シェルの調製:50℃において、光を遮断して、0.4gのLucirin(登録商標)TPOを、33gのUDMA:TMPTAアクリレートの組み合わせ=3:1に攪拌して入れて溶かした。それら2つの材料を、コア用とシェル用の貯蔵タンクに移した。シェル材料用の貯蔵タンク及びノズルは50℃に調節し、コア材料用のタンクは25℃に調節した。
落下経路は、不活性ガスとしてアルゴンで満たした。UV照射装置は最大出力の60%に設定し、これは84W/cmの照射強度に対応する。振動発生器の周波数は90Hzだった。送達圧力を200mbar(コア)及び4300mbar(シェル)に設定し、同心の内筒(1.1mmの内径)を備えた環状ノズル(1.75mmの直径をもつ)からなる同心ノズル構成を通しての押出しを開始した。液滴の形成をストロボスコープで確認した。形成されたカプセルの硬化は自由落下中に進行し、カプセルを容器(ビーカー)に集めた。均一なサイズ(2.4mmの外径)及び約110μmの平均シェル厚のカプセルが得られた。
記載した方法によって製造されたカプセルの貯蔵寿命の調査:
この調査では、既知の数のカプセルを、規定された気候条件(22℃、60%相対湿度)の空調したキャビネット内に保管した。時間の経過に伴う質量損失は、定期的な秤量によって決定した。質量損失の唯一の可能な原因は水の蒸発である。評価では、カプセルのシェルの質量を考慮に入れた。
WVTRへの損失の換算は、1.06g/m/日の値であることを明らかにした。
観察期間は42日間だった。
本発明によるカプセルが特に低い水分損失によって区別されることを実証することができた。したがって、42日後の水分損失は、試験開始時の充填されたカプセルの最初の総質量に基づいて10質量%未満だった。
[本発明によるフィルター要素(フィルターエレメント)又は本発明によるタバコ物品の実施態様例]
図2は、本発明によるフィルター要素1の1つの実施形態を示している。フィルター要素1は、フィルター本体2と、フィルター本体2に埋め込まれ、コア材料として液体媒体で満たされたカプセル3とを含む。フィルター本体2とカプセル3の組み合わせは、フィルター要素1の外縁を規定するシェル材料4によって囲まれている。
図3は、本発明によるタバコ物品10の第1の実施形態を示しており、タバコ物品10は、図2の本発明によるフィルター要素1を含む。タバコ物品は、タバコ含有棒状要素7を含み、タバコ含有棒状要素7は、シェル材料6によって取り囲まれたタバコ含有材料5を含む。タバコ含有棒状要素7は、保持要素8によってフィルター要素1と結合されており、その保持要素8(「チッピングペーパー」(先端の紙)として知られている)は、紙又は紙含有材料から製造される。保持要素8は、図2に示されているように、タバコ含有棒状要素7をフィルター要素1に結合して、これらの2つの部材を互いにそれらの空間配置に留まることを確実にしている。
図4は、本発明によるタバコ物品10の第2の実施形態を示しており、図4のタバコ物品10は、本発明によるフィルター要素1の実施形態のみにおいて、図3のタバコ物品10と異なる。図3のたばこ物品10のフィルター要素1とは対照的に、図4のたばこ物品10のフィルター要素1中のカプセルは、少なくとも1つのフィルター本体2に埋め込まれず、その代わりに2つのフィルター本体2及び9の間に配置されている。
図5は、本発明によるタバコ物品10の第3の実施形態を示しており、図5のタバコ物品10は、本発明によるフィルター要素1の実施形態のみにおいて、図4のタバコ物品と異なる。図4のタバコ物品10のフィルター要素1とは対照的に、フィルター本体9は中空の凹部を有する。図5によるたばこ物品10は、したがって、フィルター要素1の吸い口端に凹部を有するので、それは「くぼみフィルター(recess filter)」を備えたタバコ物品10である。

Claims (22)

  1. 少なくとも1つのフィルター本体(2)と、コア材料として液体媒体を有する少なくとも1つのカプセル(3)とを有する、タバコ物品に使用するためのフィルター要素(1)であって、
    前記少なくとも1つのカプセル(3)は、UV重合可能な前駆体材料から得られたポリマー材料からなる水蒸気不透過性シェルを有し、前記UV重合可能な前駆体材料が、剛性で、非極性の、非架橋性の基によって連結された、それぞれの場合に2つの末端ジアクリレート及び/又はジメタクリレートを有する少なくとも1つの化合物であり、前記カプセルが0.1〜10mm、好ましくは1〜5mmの平均粒径と、10μm〜2mm、好ましくは50μm〜200μmの平均壁厚さを有する
    ことを特徴とする、フィルター要素(1)。
  2. 前記少なくとも1つのカプセル(3)が、0.005〜50g/md、特に0.1〜10g/mdのWVTR(23℃及び相対湿度80%で測定して)を有する、請求項1に記載のフィルター要素(1)。
  3. コア材料の液体媒体が、機械的負荷により解放されることができる、請求項1又は2に記載のフィルター要素(1)。
  4. UV重合可能な前駆体材料の剛性基が、以下のもの:
    a.1〜3個の炭素原子を有するアルキル基で置換されていてもよい脂肪族の二環式又は三環式環ジオールシステム、
    b.ビスフェノールA、又は1つ若しくは両方のフェニル残基が1〜3個の炭素原子を有するアルキル基で置換されているその誘導体、及び
    c.分岐したC〜C10アルキルジイソシアネート又はC〜C10シクロアルキルジイソシアネートと、モノエチレングリコールとから形成されるジウレタン、
    からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含むか、又はそれから誘導され得る、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)。
  5. 前記UV重合可能な前駆体材料が、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、及び/又は以下の式:
    のウレタンジメタクリレート(UDMA)(これは一般に異性体混合物である)から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)。
  6. 前記UV重合可能な前駆体材料の粘度が0.001〜50Pa・s、好ましくは0.1〜10Pa・sである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)。
  7. 前記UV重合可能な前駆体材料が、室温及び大気圧において容易に揮発する溶媒及び物質を含まない、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)。
  8. 前記液体媒体が親水性液体媒体、好ましくは水溶液又は水分散液、特に好ましくは水である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)であって、カプセル(3)が以下のステップ:
    - コア材料と、シェルのUV重合可能な前駆体材料及びフリーラジカル開始剤を含む組成物を、UV重合可能な前駆体材料が含水コア材料の液滴をとり囲むように共押出しして、共押出材料を得るステップ、及び
    - 続いて、前記の共押出しされた材料を、空気、別のガス、又は特に不活性ガスで満たされた領域である硬化ゾーンを通過させて、そこでシェルの前駆体材料の重合及び架橋が化学活性線によって引き起こされ、前記硬化ゾーン内における共押出し材料の滞留時間が0.02〜0.2秒であるステップ、
    を有する方法であって、
    前記UV重合可能な前駆体材料は、剛性基によって連結された各場合に2つの末端のジアクリレート基及び/又はジメタクリレート基をもつ少なくとも1つの化合物であり、かつ、
    前記コア材料が、コア材料とシェルの間の界面適合性を達成するための薬剤を含む、
    方法によって製造することができる、フィルター要素(1)。
  10. 硬化ゾーン内における共押出し材料の滞留時間が0.05〜0.1秒である、請求項9に記載のフィルター要素(1)。
  11. 化学活性線の強度が、導入されたモノマーの硬化後の残留モノマー含量が15質量%以下、好ましくは2〜10質量%、さらにより好ましくは1〜5質量%となるように選択される、請求項9又は10に記載のフィルター要素(1)。
  12. 化学活性線によって誘起される後硬化が行われる、請求項9、10、又は11のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)。
  13. 前記の界面で活性な薬剤が、ノニオン性界面活性剤及びポリアルキレンオキシド、特に100,000〜3,000,000ダルトンのモル質量を有するポリエチレンオキシド、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項9、10、11、又は12のいずれか1項に記載のフィルター要素(1)。
  14. 前記コア材料の液体媒体が、塩類、塩水和物、炭水化物、タンパク質、ビタミン、アミノ酸、核酸、脂質、医薬、増粘剤、乳化剤、界面活性剤、着色剤、細胞材料、芳香物質、香料、又はその他の活性成分を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)。
  15. 前記カプセル(3)がその外側に1つ以上のさらなるコーティングを有し、前記コーティングが、好ましくは、コーティングされたカプセルを得るために、真空プロセス、例えば、スパッタリング、蒸着、又はプラズマプロセス、あるいは化学コーティング又は電着コーティングによって得られたものである、請求項1〜14のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)。
  16. 前記カプセル(3)が、前記の少なくとも1つのフィルター本体(2)に埋め込まれて存在する、請求項1〜15のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)。
  17. 前記カプセル(3)が、少なくとも1つのフィルター本体(2)の隣に配置されている、請求項1〜15のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)。
  18. フィルター要素(1)が1つより多いフィルター本体(2,9)を有し、カプセル(3)が好ましくは2つの隣接するフィルター本体(2,9)の間に配置されている、請求項1〜17のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)。
  19. フィルター要素(1)が、その長手方向に1つ以上の中空凹部を有する少なくとも1つのフィルター本体(2,9)を有する、請求項1〜18のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)。
  20. 前記の少なくとも1つのカプセル(3)が5N〜25Nの範囲の圧縮強度を有する、請求項1〜19のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)。
  21. 少なくとも1つのフィルター本体(2,9)及び少なくとも1つのカプセル(3)がシェル材料(4)によって囲まれており、前記シェル材料(4)が好ましくは紙又は厚紙である、請求項1〜20のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)。
  22. タバコ含有棒状要素(7)と、タバコ含有棒状要素に対して軸方向に配置された請求項1〜21のいずれか一項に記載のフィルター要素(1)とを含むタバコ物品(10)。
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