JP2020521292A - ハイブリッドフロー電池用の代替低コスト電極 - Google Patents

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Abstract

膜の第1の側に配置された第1の電極と第1の側とは反対側の膜の第2の側に配置された第2の電極の間に挿入された膜と、複数の正のフローフィールドリブを含む第1のフローフィールドプレートと、を含み、複数の正のフローフィールドリブの各々は、第1の側の第1の支持領域で第1の電極と接触し、第2の電極は、膜と第2のフローフィールドプレートとの間に配置された電極スペーサを含み、電極スペーサは複数の主リブを含み、複数の主リブの各々は、第2の側の第2の支持領域において第2のフローフィールドプレートに接触し、第2の支持領域の各々は、複数の第1の支持領域の1つに対向して整列する、レドックスフロー電池。これにより、めっき表面における電流密度分布を低減することができる。【選択図】図1

Description

(関連出願への相互参照)
本出願は、「ハイブリッドフロー電池用の代替低コスト電極」と題され、2017年5月22日に出願された米国特許出願第15/601,560号の国際出願である。米国特許出願第15/601,560号は、2015年12月30日に出願された「ハイブリッドフロー電池用の代替低コスト電極」と題する米国特許出願第14/984,416号の一部係属出願である。米国特許出願14/984,416号は、「ハイブリッドフロー電池用炭素被覆プラスチック電極」と題する2014年12月30日に出願された米国特許仮出願62/098,200号の優先権を主張する。上記出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
(政府の支援の承認)
本発明は、DOE、ARPA−Eオフィスによって与えられた嘱託番号DE−AR0000261の下で政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明に所定の権利を有する。
(分野)
本開示は、ハイブリッドフロー電池システム、及び、ハイブリッドフロー電池システムのアセンブリ方法に関する。
(背景技術及び概要)
還元−酸化(酸化還元、レドックス)フロー電池は、化学形態でエネルギーを貯蔵する電気化学貯蔵デバイスである。貯蔵された化学エネルギーは自発的な逆酸化還元反応によって電気的な形に変換される。分配された化学エネルギーを回復するため、逆酸化還元反応を誘導するために電流が印加される。ハイブリッドフロー電池は、電極上に固体層として1つ又は複数の電気活性材料を析出させる。ハイブリッドフロー電池は、充電反応全体のある点で基板上に固体沈殿めっきを形成する化学物質を含み、この固体沈殿めっきもまた、放電反応全体にわたって溶解することができる。充電反応の間、化学物質は基板の表面上で凝固し、電極表面の近くにめっきを形成することができる。化学物質は通常、金属化合物である。ハイブリッドフロー電池システムでは、充電中にめっきされる金属の量によってレドックス電池による貯蔵エネルギーが制限され得、したがって、レドックス電池による貯蔵エネルギーはめっきシステムの効率と、めっき可能な体積及び表面積と、によって決定され得る。
レドックスフロー電池の正極と負極は化学エネルギーの貯蔵と放出のための電気化学反応に関与する。したがって、電極は、電池性能、容量、効率及び全体的なコストに影響を与えるため、電池における重要な構成要素であると考えられる。
ハイブリッドレドックスフロー電池の一例は、全鉄レドックスフロー電池(all-iron redox flow battery, IFB)である。IFBは、めっきが生じる負極(本明細書ではめっき電極とも呼ぶ)と、酸化還元反応が生じる正極(本明細書ではレドックス電極とも呼ぶ)とを含む反応のための電解液として、鉄を使用する。IFB電池の性能は、めっき電極性能(負極)、レドックス電極性能(正極)、及びオーム抵抗損失に分類できる。めっき電極上では、下記の式(1)に示すように、第一鉄(Fe2+)イオンは、充電中に電子を得て、基板上に固体鉄としてめっきし、また、放電中に固体鉄は第一鉄イオンとして溶解し、2個の電子を放出する。鉄めっき反応の平衡電位は−0.44Vである。レドックス電極上において、充放電中に、第一鉄と第二鉄(Fe3+)イオンの間の酸化還元反応が生じる。正極では、以下の式(2)に示すように、充電中に2個のFe2+イオンが2個の電子を失ってFe3+イオンを形成し、放電中に2個のFe3+イオンが2個の電子を得てFe2+を形成する。第一鉄と第二鉄イオンとの間の平衡電位は+0.77Vである。したがって、IFBレドックスフロー電池における反応は可逆的である。
Fe2+ + 2e ⇔Fe (負極) (1)
2Fe2+ ⇔ 2Fe3+ + 2e (正極) (2)
IFBの負極では、第一鉄の還元反応は2つの副反応と競合する。水素プロトンH(反応(3))の還元で、2個の水素プロトンがそれぞれ単一の電子を受け取って水素ガスHを形成し、析出した金属鉄の腐食で第一鉄イオンFe2+(反応(4))をそれぞれ生成する。
これらの2つの副反応は、負極に伝達される電子が鉄のめっきではなく水素生成によって消費される可能性があるため、全体の電池効率を低下させる可能性がある。さらに、これらの副反応は電解液の不均衡をもたらし、次に時間の経過とともに電池容量の損失をもたらす可能性がある。
正極でのFe2+/Fe3+酸化還元反応は速度論的に速い。したがって、IFB電池の性能は、めっき速度、めっき抵抗、及びめっき質量輸送損失の結果である負極性能によって制限され得る。さらに、IFB電池の容量は、負極が貯蔵可能な固体鉄の量によって決定される。また、IFB電池の効率は、めっき電極上での副反応(3)、(4)などの副反応の程度に関係する。したがって、電池性能及び効率のために最適化された特性を有するめっき電極を最小のコストで選択することが望ましい。
現在、チタン(Ti)系メッシュ材料が負極(めっき電極)として使用され、カーボン紙やカーボンフェルトのような炭素(C)系多孔質材料が正極として使用されている。負極及び正極の両方は、櫛形電解液フローフィールド(interdigitated electrolyte flow field、IDFF)で構成される。Ti材料は負極半電池環境で安定であり、メッシュは全表面積とめっき量を増加させる。現在の電極材料は、高電位が電極に印加され得る充電サイクル中に安定である。しかしながら、これらのめっき及びレドックス電極材料は高価であり、全体的な電池コストを増加させる。Ti材料は水素発生反応にも触媒効果を示す。したがって、Ti材料を使用すると、水素プロトン還元(3)のような副反応の程度が大きくなる可能性がある。さらに、既存の非Ti系の織布メッシュ電極は、コストがかかりすぎ、所望の電池充電容量に対して不十分なめっき密度を提供する可能性がある。さらに、より高いめっき密度でレドックスフロー電池システムを作動させることは、電解液の流れ及び気泡の発生率を増加させ、これは、従来のフロー電池電極の構成では実際には対応することができず、電極めっきを脆弱にし、電極を劣化させる可能性がある。さらに、従来のフロー電池電極の構成は、より高い電流密度分布の分散を有する可能性があり、レドックスフロー電池システムの早期短絡を引き起こす可能性がある。
発明者らは、上記の問題は、少なくとも部分的に次のレドックスフロー電池によって対処することができることを見出した:膜の第1の側に配置された第1の電極と第1の側とは反対側の膜の第2の側に配置された第2の電極の間に挿入された膜と、複数の正のフローフィールドリブを含む第1のフローフィールドプレートと、を含み、複数の正のフローフィールドリブの各々は、第1の側の第1の支持領域で第1の電極と接触し、第2の電極は、膜と第2のフローフィールドプレートとの間に配置された電極スペーサを含み、電極スペーサは複数の主リブを含み、複数の主リブの各々は、第2の側の第2の支持領域において第2のフローフィールドプレートに接触し、第2の支持領域の各々は、複数の第1の支持領域の1つに対向して整列する、レドックスフロー電池。
別の実施形態では、レドックスフロー電池のアセンブリ方法は、膜のめっき側において、膜とめっきフローフィールドプレートとの間にめっき電解液フローフィールド及びめっき電極スペーサを挟み、めっき電極スペーサは複数の主リブを含み、膜のレドックス側において、レドックス電極とレドックスフローフィールドプレートの間にレドックス電解液フローフィールドを挟み、レドックス電極は複数の正のフローフィールドリブを含み、及び、複数の主リブの各々を複数の正のフローフィールドリブに整列させ、めっきフローフィールドプレート及びレドックスフローフィールドプレートを膜に向かって圧縮すると、めっき電解液フローフィールドの寸法を実質的に変化させることなく、主リブが膜を挟んだ向かいの正のフローフィールドリブによって対向して支持されることを含む。
別の実施形態では、レドックスフロー電池は、膜の負側と負のフローフィールドプレートとの間に挿入された負極スペーサと、膜の正側と正のフローフィールドプレートとの間に挿入された正極と、を含み、負極スペーサは、複数の主リブを含み、正極は、膜を挟んだ向かいの複数の主リブに対向して整列した複数の正のフローフィールドリブを含み、及び、負のフローフィールドプレートは、膜に面する連続した平らなめっき表面と、めっき表面と膜との間に挟まれた非櫛形負極電解液フローフィールドと、を含む。
このようにして、より大きな電極ギャップを含む新規なレドックスフロー電池システムを提供することができ、それによって、より高いめっき電流密度及び電池充電容量を得ることができ、より高い電解液の流れ及び気泡発生率に対応することができる。さらに、電流密度分布の分散、オーム損失、電池短絡、及び製造コスト、及び作動コストを低減することができる。
上記の概要が詳細な説明においてさらに説明される概念の選択を簡略化した形式で導入するために提供されることを、理解されたい。それは、クレームされた構成要件の重要な又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、その範囲は、詳細な説明に続く請求項によって一意に定義される。さらに、クレームされた構成要件は、上記又は本開示の任意の部分で言及された欠点を解決する実施に限定されない。
特許又は出願ファイルは、色彩を付して作成された少なくとも1の図面を含んでいる。彩色図面を付した特許又は特許出願公開の写しは、請求及び必要な手数料の納付があったときは、特許商標庁によって提供される。
図1は、例示的なレドックスフロー電池システムの概略図を示す。
図2は、様々な電極上のFeめっき速度を示す。
図3Aは、炭素被覆プラスチックメッシュ電極の電子顕微鏡写真を示す。
図3Bは、炭素被覆プラスチックメッシュ電極の電子顕微鏡写真を示す。
図4は、非被覆プラスチックメッシュと、2つの被覆プラスチックメッシュと、ベースラインとしてのTiメッシュとの間の負極性能比較を示す。
図5は、疎水性非被覆メッシュと、親水性被覆を有する同じメッシュとの間の負極圧力を示す。
図6は、非被覆メッシュ内に捕捉された水素バブルの例と、それが被覆されたFeの位置及び形態にどのように影響するかを示す。
図7は、プラスチックメッシュ上の被覆の概略図を示す。
図8は、被覆プラスチックメッシュ電極を製造するための例示的な方法を示す。
図9は、炭素被覆プラスチックメッシュ電極性能を示す。
図10は、サイクル全体にわたる炭素被覆プラスチックメッシュ電極性能を示す。
図11は、電流密度分布の分散と電池短絡時間を示す表である。
図12〜図13は、様々な電極構成に対する電流密度分布の分散を示す表である。
図14〜図15は、図12〜図13の様々な電極構成の電流密度分布及び電池検証データプロットを示す。
図16は、レドックスフロー電池システム用の例示的な電極構成の平面図を示す。
図17Aは、図16の電極構成例の拡大部分詳細図を示す。
図17B〜図17Eは、図16の電極構成例の拡大部分断面図を示す。
図18A及び図18Bは、櫛形フローフィールド(IDFF)を含む電極構成の例示的平面図及び断面概略図を示す。
図19は、レドックスフロー電池のアセンブリ方法の一例を示すフローチャートである。
図20A〜図20Bはそれぞれ、支持された及び支持されていない電極スタックアセンブリを有する例示的なレドックスフロー電池構成の部分断面図を示す。
図21A〜図21Cは、様々な主リブ構成を含む電極スタックアセンブリの部分断面図を示す。
図23A〜図23Kは、図12〜図13の様々な電極構成の拡大平面図を示す。
図24Aは、電極構成の代替表現の分解平面図を示す。
図24Bは、図24Aの電極構成に含まれる電極スペーサの上面図を示す。
図24C及び図24Dはそれぞれ、図24Aの電極構成をB−B断面及びA−A断面で示した断面図である。
図24Eは、図24Aの電極構成の領域Cの詳細図を示す。
図24Fは、図24Aの電極構成の上面図を示す。
図25Aは、電極構成の別の代替表現の上面図を示す。
図25B及び図25Dはそれぞれ、図25Aの電極構成をA−A断面及びC−C断面で示した断面図である。
図25Cは、領域Bにおける図25Aの電極構成の詳細図を示す。
(詳細な説明)
本開示は、総コストを低減しつつ、現在の電極材料と比較して性能を向上又は維持するレドックスフロー電池システムに使用するための新規な被覆プラスチックメッシュ電極用の材料及び方法に関する。図1に示す例のレドックスフロー電池システムは、全鉄ハイブリッドレドックスフロー電池(IFB)、Zn−Br2+フロー電池、又はZn−NiOOH(MnO)電池を含むことができ、開示されたレドックスフロー電池システムを含むことができる。一例では、IFBシステムの場合、図2に示すように、鉄めっき速度は、非鉄ベースの基板上では最初は遅いことが分かる。したがって、図3A及び図3Bに示すように、開示されている被覆プラスチックメッシュ電極は、最初のめっきサイクル後の性能を向上又は維持する。ベースラインTiメッシュと被覆メッシュとの間のめっき電極性能の比較を図4に示す。被覆プラスチックメッシュ電極の使用は、電極活物質の量を低減し、したがって高価な導電性材料のコストを低減する。親水性被覆を有するプラスチックメッシュの負極圧力と、被覆を有さないプラスチックメッシュの圧力とを図5に示すグラフで比較する。非被覆プラスチックメッシュの負極めっき特性の証拠が図6に示されている。開示された電極は、図7に示すように、プラスチックメッシュの最適化された厚さ及び開口、並びに炭素被覆を有しており、これにより電極抵抗率が低下し、図9及び図10に示す現在のレドックスフロー電極と比較して性能が向上する。
図11に示すように、より高い電流密度分布の分散を示す電極構成は、電池セルの短絡を加速する可能性がある。図12〜図13は、図14に示される関連する電流密度分布の分散を有する様々な例示的な電極構成と、図15に示される電池検証試験データとを比較する。図12〜図13の様々な電極構成の拡大図は、図23A〜図23Kに示される。図16及び図17A〜図17Eは、より低い電流密度分布の分散を有する例示的な電極構成の様々な図を示し、図19は、図16及び図17A〜図17Eの電極構成を含むレドックスフロー電池のアセンブリ方法を説明する。図18A及び図18Bは、櫛形フローフィールド(IDFF)を含むレドックスフロー電池用の電極構成の一例を示す。図20A及び図20Bは、支持された及び支持されていない電極スタックアセンブリを有するレドックスフロー電池用の電極構成例を示す。電極構成の2つの代替表現が、それぞれ図24A〜図24F及び図25A〜図25Dに示されている。
図1を参照すると、単一のレドックス電池セル18が示されているレドックスフロー電池システム10の例示的な概略図が提供されている。単一のレドックス電池セルは、通常、負極室20と、正極室22と、セパレータ24とを含む。セパレータ24は、負極室と正極室との間に配置される。いくつかの例では、複数のレドックス電池セル18を直列及び/又は並列に組み合わせて、レドックスフロー電池システム内により高い電圧及び/又は電流を生成することができる。
負極室20は、負極26と、電気活性材料を含み負極電解液とも呼ばれる第1の電解液と、を含むことができる。同様に、正極室22は、正極28と、電気活性材料を含み正極電解液とも呼ばれる第2の電解液と、を含むことができる。
セパレータ24は、電気絶縁性イオン伝導性バリアを含むことができる。当該セパレータは、負極室20内の第1の電解液と正極室22内の第2の電解液とのバルク混合を防ぎつつ、そこを通る特定のイオンの伝導を可能にするように機能する。一例では、セパレータ24はイオン交換膜を含むことができる。別の例では、セパレータ24は、微孔性膜を含むことができる。
電解液は、通常、レドックス電池セル18の外部のタンクに貯蔵することができる。電解液は、ポンプ30及び32を介して、それぞれ、負極室20及び正極室22を通して送り込むことができる。図1に示す例では、第1の電解液は、外部の第1電解液タンク(図示せず)をさらに含む第1の電解液源50に貯蔵され、第2の電解液は、外部の第2電解液タンク(図示せず)をさらに含む第2の電解液源52に貯蔵される。
電池充電中には、負極電池端子40及び正極電池端子42に電流が印加される。充電中には、正極28で正極電解液が酸化されて1つ又は複数の電子を失い、負極26で負極電解液が還元されて1つ又は複数の電子を得る。
電池放電中に、充電反応に対する逆酸化還元反応が電極で起こる。したがって、放電時には、正極28で正極電解液が還元され、負極26で負極電解液が酸化される。一例では、正極及び負極は、後述する炭素被覆プラスチックメッシュ電極であってもよい。
負極室20及び正極室22における電気化学的酸化還元反応は、レドックスフロー電池システム全体にわたって電位差を維持し、反応が持続されている間に導体を流れる電流を誘導することが可能である。レドックスフロー電池システムによって貯蔵されるエネルギーの量、容量は、放電のための電解液中の電気活性材料の量によって制限され得る。電気活性材料の量は、電解液の総量及び電気活性材料の溶解度に基づく。さらに、レドックスフロー電池システムによって貯蔵されるエネルギーの量は、負極が貯蔵可能な固体鉄の量によって制限され得る。
レドックスフロー電池システムの作動中に、センサ及びプローブを使用して、電解液のpH、濃度、充電状態(state of charge)などの電解液の化学的特性を監視及び制御することができる。例えば、レドックスフロー電池システムは、第1の電解液源50及び第2の電解液源52の電解液の状態をそれぞれ監視するように配置され得るセンサ60及び62を含むことができる。別の例として、レドックスフロー電池システムは、負極室20及び正極室22の状態をそれぞれ監視するように配置され得るセンサ70及び72を含むことができる。
レドックスフロー電池システムは、電解液の化学的特性及び他の特性を監視するため、さらに、レドックスフロー電池システム全体にわたって他の位置に配置された他のセンサを含むことができる。例えば、レドックスフロー電池システムは、外部酸タンク内に配置された1つ又は複数のセンサを含むことができ、電解液中の沈殿生成を低減するために、外部ポンプを介してレドックスフロー電池システムに酸を供給することができる。1つ又は複数のセンサは、外部酸タンク内の酸の量又はpHを監視することができる。レドックスフロー電池システムに他の添加剤を供給するために、追加の外部タンク及びセンサが含まれてもよい。
レドックスフロー電池システムは、コントローラ80を含む制御システムによって少なくとも部分的に制御することができる。コントローラ80は、レドックスフロー電池システム内に配置された様々なセンサからセンサ情報を受信することができる。例えば、コントローラ80は、ポンプ30及び32を作動させて、レドックス電池セル18を通る電解液の流れを制御することができる。したがって、コントローラ80は、レドックスフロー電池システム全体にわたって配置された1つ又は複数のセンサ及び/又はプローブに応答することができる。
ハイブリッドフロー電池は、電極上の固体層としての1つ又は複数の電気活性材料の析出を特徴とし得るレドックスフロー電池である。ハイブリッドフロー電池システムでは、レドックス電池の充電容量(蓄電量)は、電池充電中にめっきされる金属の量によって制限され得、したがって、レドックス電池の充電容量は、めっきシステムの効率と、めっきに利用可能な、利用可能量及び表面積に依拠し得る。
ハイブリッドフロー電池システムにおいて、負極26はめっき電極とも呼ばれ、正極28はレドックス(酸化還元)電極とも呼ばれる。電池の負極室20(本明細書ではめっき側とも呼ぶ)内の負極電解液をめっき電解液と呼び、電池の正極室22(本明細書では酸化還元側とも呼ぶ)内の正極電解液をレドックス電解液と呼ぶことができる。
前述の通り、ハイブリッドフロー電池の一例は、めっき及び酸化還元反応のための電解液として鉄を使用するIFBである。IFBに存在する主要な構成要素は、図1に示されたハイブリッドフロー電池と同様であり、IFBは、鉄塩を含む安全な(benign)電解液を含む。安全な電解液は、酸性(pH<0)又はアルカリ性(pH>14)が強すぎず、中性付近のpHを有し得、例えば、IFB負極電解液は、pH3〜4の間で作動する。ここで、中性付近のpHという用語は、開示された電極に使用されるプラスチックメッシュ材料がレドックスフロー電池の充放電中に印加される電位で、電解液中で分解しないpH範囲を提供する。IFBは、充電中に鉄が析出し、放電中に脱めっきされるめっき電極と、第一鉄イオン及び第二鉄イオンの酸化還元反応が生じるレドックス電極と、電解液の混合を防止し、イオン経路を提供するセパレータと、IFBのエネルギーが貯蔵される電解液とを含む。IFB電池の容量は、負極にめっきされた鉄の量だけでなく、外部タンクに貯蔵された電解液の量によっても決定され得る。
IFB電池の電気化学的酸化還元反応は、式(1)及び(2)にまとめられ、ここで、正反応(左から右)は、電池充電中の電気化学反応を示し、逆反応(右から左)は、電池放電中の電気化学反応を示す。
Fe2+ + 2e ⇔Fe (負極) (1)
2Fe2+⇔ 2Fe3+ + 2e (正極) (2)
IFBのめっき側では、めっき電解液は、充電中にFe2+が負極から2個の電子を得てFeを形成し、これが基板上にめっきされるように、十分な量のFe2+を提供する。放電中、めっきされたFeは2個の電子を失い、Fe2+にイオン化し、めっき電解液に再び溶解する。負極反応の平衡電位は−0.44Vであり、したがって反応(1)はIFBシステムの負極端子を提供する。IFBの酸化還元側では、レドックス電解液は、充電中にレドックス電極の電子を失い、Fe3+に酸化するFe2+を提供する。放電中、Fe3+はレドックス電極から電子を得てFe2+を生成する。正極反応の平衡電位は+0.77Vであり、したがって反応(2)はIFBシステムの正極端子を提供する。
したがって、IFBシステムの性能は、そのめっき電極性能、レドックス電極性能、及びオーム抵抗損失に依拠し得る。IFBの正極側では、反応(2)で示されるFe2+とFe3+との間の酸化還元反応が充放電中に生じる。反応(2)は速度論的に速く副反応は最小限であり、IFBシステムの性能の制限因子ではない可能性がある。
IFBの負極側では、反応(1)で示されるように、Fe2+とFeとの間のめっき反応が、充放電中に生じる。第一鉄イオンFe2+は電子を得て、基板上に固体鉄Feとしてめっきを得る。このめっき反応は、2つの副反応、すなわち、2個の水素プロトンがそれぞれ1つの電子を受け取って水素ガスHを形成する水素プロトンH(反応(3))の還元と、第一鉄イオンFe2+(反応(4))を生成する析出した金属鉄の腐食と、のそれぞれと競合する。
負極に伝達された電子は、鉄のめっきではなく水素生成によって最初に消費される可能性があるため、両方の副反応が全体の電池効率を低下させる可能性がある。さらに、これらの副反応は、正極電解液の不均衡をもたらし、時間の経過とともに電池容量の損失をもたらす可能性がある。さらに、発生したHは負極に捕捉され、次に電気化学的活性領域を減少させ、電極過電圧を著しく増大させる可能性がある。
反応(1)は反応(2)より速度論的に遅く、IFBシステムの性能の制限因子であり得る。充電及び放電サイクルの間、電極を横切る電位は、他のレドックス電池システムと比較した場合に低くなり得る。他の電池システムのめっき速度が電池性能の制限因子である可能性があることに留意すべきである。
図2を参照すると、鉄、Fe、例示的なIFBのめっき速度が、様々な電極材料について示されている。非Fe電極1(206)及び非Fe電極2(204)のような非鉄ベースの基板上に最初に鉄をめっきするとき、異種材料のために鉄めっき速度は遅い。しかしながら、一旦鉄の層が基板上にめっきされると、鉄が鉄で被覆された基板上にめっきされるので、鉄めっき速度は、Fe電極(202)に示されるように、数桁速く増加する。IFBの性能は、めっき速度、抵抗及び物質輸送損失の結果である負極めっき電極の速度によってほとんど制限される。したがって、鉄が基板上にめっきされるとすぐに、めっき速度は著しく向上され、もはや律速側ではないので、様々な材料を負極めっき電極基板として使用することができる。したがって、レドックスフロー電池に使用される電極は、IFBシステムにおいて現在使用されているTi及びCなどの電極の、めっき速度及び導電率を保持又は向上しなければならない。開示された被覆プラスチックメッシュ電極は、以下に説明するように、性能を維持又は向上する。被覆プラスチックメッシュは、IFB電解液がpH1〜4の範囲内にあり、酸性又はアルカリ性が強すぎず、電極電位が低いため、IFB作動条件においても残存することができ、したがって、炭素被覆プラスチックメッシュ電極は作動中に劣化しない。
図3A及び図3Bを参照すると、レドックスフロー電池で使用するための炭素材料で被覆プラスチックメッシュを含む、開示された電極の電子顕微鏡写真が示されている。他の例示的な被覆材料は、金属酸化物(TiOなど)及び/又は親水性ポリマー(スルホン化PEEKやパーフルオロスルホン酸(PFSA)など)であり得る。
プラスチックメッシュは、様々なプラスチックから作製することができる。一例では、プラスチックメッシュ材料は、ポリプロピレン(PP)であってもよい。他の例では、プラスチックメッシュ材料はポリオレフィンであってもよい。
被覆材料は、任意の市販のカーボンインクから選択することができる。例えば、炭素材料は、エレクトロダグ(Electrodag)、C220、C120−24、及びCM112−48から選択されるカーボンインクであってもよい。図3A及び図3Bは、異なる倍率レベルでの炭素被覆プラスチックメッシュ電極の電子顕微鏡写真を示す。他の被覆材料の例としては、金属酸化物(TiOなど)及び親水性ポリマー(スルホン化PEEKやパーフルオロスルホン酸(PFSA)など)が含まれるが、これらに限定されない。これらの被覆材料は、ベースプラスチック材料を疎水性から親水性に変化させることができる。このように、親水性メッシュは、プラスチックメッシュ内に捕捉される水素バブルの量を低減することができる。
いくつかの実施形態において、プラスチックメッシュは、モノポーラメッシュであってもよい。他の実施形態では、プラスチックメッシュは、バイポーラメッシュであってもよい。さらに他の実施形態では、プラスチックメッシュは、織布メッシュであってもよい。さらに別の実施形態では、プラスチックメッシュは、延伸メッシュであってもよい。
いくつかの実施形態では、プラスチックメッシュに対する炭素材料の接着を向上するために、プラスチックメッシュの処理を行うことができる。一例では、プラスチックメッシュに対する炭素材料の接着を向上するために、溶媒処理を用いてプラスチックメッシュを処理する。別の例では、プラスチックメッシュに対する炭素材料の接着を向上するために、プラズマ処理を用いてプラスチックメッシュを処理する。他の例では、機械的摩耗、UV放射又は電子ビームプラズマを用いることができる。
他の例示的な実施形態では、プラスチックメッシュの被覆材料は導電性であってもよく、炭素などの材料を含んでもよい。炭素材料をプラスチックメッシュに適用して、炭素被覆を形成することができる。炭素被覆は、レドックスフロー電池システムにおいて使用される場合、導電性である。炭素被覆は、様々な技術を用いて適用することができる。一例では、炭素材料は、エアブラッシングによって被覆されてもよい。別の例では、炭素材料は、浸漬被覆によって被覆されてもよい。さらに別の例では、炭素材料は、ローラー被覆によって被覆されてもよい。
いくつかの例において、被覆材料は、金属酸化物(例えば、TiOなど)又は親水性プラスチック被覆(例えば、SPEEK、PFSAなど)などの非導電性材料をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、非導電性被覆を適用して、プラスチックメッシュの親水性を高めることができる。さらに、親水性を高めることによって、副反応3及び4によって生成された水素バブルがプラスチックメッシュ内に捕捉されないようにすることができる。
炭素被覆プラスチックメッシュ電極は、図3A及び図3Bに示されるように、炭素被覆の均一な被覆を示す。プラスチックメッシュの使用は、現在IFBシステムで使用される炭素繊維又はチタンのような高価な導電性材料の量を減少させつつ、炭素被覆の大きな表面積及び導電性に起因する酸化還元反応及びめっき反応の速度を維持し、めっき中の金属の高い貯蔵を可能にする。炭素被覆プラスチックメッシュ電極は、めっき電極及び/又はレドックス電極として使用することができる。
図4に関して、この図は、Tiメッシュベースラインと比較したプラスチックメッシュ電極の負極性能を示すグラフを示す。非被覆プラスチックメッシュ408、及び、2つのタイプの炭素被覆が適用されたプラスチックメッシュ(402、404)が、Tiメッシュベースライン406に対して比較されて示されている。X軸のプロット(CD)は、電流密度を表し、mA/cmで測定され、Y軸のプロット(V)は、達成された過電圧に対するめっき電極の性能を表す。めっき電極性能は、負のフローフィールド(negative flow field)に挿入したAg/AgCl参照電極を参照して測定した。低電流密度での初期電圧変化は、めっき速度過電圧を示し得る。
図4に示すように、最も高いめっき過電圧は、非被覆プラスチックメッシュのみの構成から生じる。これは、非被覆プラスチックメッシュが非導電性であるため、電極表面積が減少することに起因する可能性がある。
一実施形態では、カーボンインクで被覆された2つのプラスチックメッシュ(1と2(図4において402及び404として示される))は、Tiメッシュベースライン406に対して同様の、又はさらに低い過電圧を示す。これは、Tiベースラインの表面積に対して、同様の、又はそれ以上の導電性表面積が、被覆プラスチックメッシュ上で利用可能であることを示唆し得る。より高い電流密度領域では、性能損失は、メッシュ内のメッシュ抵抗と電解液抵抗との組み合わせの結果であるオーム抵抗損失によって決定され得る。したがって、オーム抵抗は、電解液伝導率、メッシュ開口面積、メッシュ厚さ、及びメッシュ電気抵抗を組み合わせた結果であってもよい。
次に図5を参照すると、この図では、非被覆疎水性プラスチックメッシュと、被覆された導電性の親水性プラスチックメッシュと、で作動している間の負極室内の圧力が比較される。サイクル作動中のIFBの負極電解液圧力及び正極電解液圧力を特徴付けるために、一例として、圧力変換器をIFB電池に取り付けた。初期充電中には、水素の発生によって示されるように負圧が増加することがある。同じ作動条件下では、この圧力増加504は、図5に示されるように、非被覆疎水性プラスチックメッシュを有する方が、親水性被覆502を有する同じメッシュよりも著しく高かった。さらに、サイクルごとに、非被覆プラスチックメッシュの内圧が上昇し、水素バブルがサイクルごとに効果的にパージアウト(purged out)されていない可能性が示唆される。しかし、このメッシュを親水性炭素被覆で被覆すると、DI水とのメッシュ接触角は>90°から45°未満に減少した。したがって、同じ電池は、はるかに低く、より繰り返し可能な圧力範囲で作動することができ、これは、発生している水素がサイクル性能の間に電池から効果的にパージアウトされたことを示し得る。この水素ガスのパージは、水素ガスが電池から効果的にパージアウトされない場合、電池の活性領域を減少させる可能性があるため、電池の作動において重要であり得る。したがって、実質的により高い作動電流密度を示す間、電池性能が低下する可能性がある。さらに、電池めっき量を減少させる可能性もあり、これは、図6に提供される写真によってさらに示すことができる。
図6は、電池が満充電されたときの上述の非被覆めっき電極の写真を示す。図の透明メッシュ構造602は、一実施形態の非被覆プラスチックメッシュを示す。メッシュの下の暗い表面は、プラスチックメッシュにめっきされためっき鉄606である。図中にマークされた不均一なバブル様構造604は、電池の充電中に捕捉された水素バブルによって残されためっき鉄606の変形を示す。さらに、この図は、水素バブルがメッシュ内に捕捉されたことを示しているだけでなく、水素バブル604の周囲に鉄めっき606が発生していることを示している。この一貫性のないめっきは、まず第1に、捕捉された水素バブルがめっきに利用可能な全体量を減少させ、バブルがめっき電極上の活性領域を実質的に減少させ、これが不均一なめっき及び局所的な過剰めっきによる局所的短絡をもたらす可能性があるため、負極にとって問題となり得る。
図7を参照すると、被覆プラスチックメッシュをIFB中のレドックス電極又はめっき電極として適用する概略図が示されている。702は、電解液がIFB電池に出入りするフロープレートチャネルを指す。706は酸化還元又はめっき電極を指し、炭素紙又はTiメッシュ又は被覆プラスチックメッシュ材料であり得る。704は、正極室と負極室とを分離する膜セパレータを指す。電極のオーム抵抗はイオン抵抗と電気抵抗を組み合わせた706であり、イオン抵抗は電解液抵抗率、メッシュ開口面積及びメッシュ厚さによって決定され、電気抵抗は被覆タイプ、厚さ及びメッシュワイヤサイズによって決定される。非導電性被覆が用いられる場合、706のオーム抵抗は、電解液を通るイオン抵抗のみである。被覆プラスチックメッシュ電極の寸法は、レドックスフロー電池内での性能のために最適化され得る。例えば、以下の表1は、金属Tiメッシュ電極と比較して、IFBシステムにおいて試験された炭素被覆プラスチックメッシュ電極の表面積(mm)、開口面積、開口体積(open volume)及びメッシュ厚さ(mm)のリストを提供する。
炭素被覆プラスチックメッシュ電極は、現在の金属電極と同様の寸法を提供するように製造することができる。炭素被覆プラスチックメッシュ電極は、性能を最適化するために、表1に示される寸法へのさらなる改良を可能にする。例えば、電極として使用するための炭素被覆プラスチックメッシュ電極は、10%〜70%の開口体積、約0.20mm〜約0.50mmの間の厚さ、及び15%〜65%の開口面積を有することができる。本開示で使用される「約」という用語は、材料の物理的特性又は結果として生じる特性を変化させない、値のわずかに上又は下の追加の範囲を含む。炭素被覆プラスチックメッシュ電極は、導電性、めっき面積などについて最適化することができる。
図8を参照すると、被覆プラスチックメッシュ電極を製造するための例示的な方法が提供される。この方法は、プラスチックメッシュを製造し、プラスチックメッシュを処理し、プラスチックメッシュを被覆することを含む、IFBレドックスフロー電池に使用するための電極を提供することができる。作製された電極は、IFBレドックスフロー電池内の正極又は負極として使用することができる。
工程802において、本方法は出発物質を得る工程を含み得る。例えば、プラスチックメッシュ及び炭素材料を得ることができる。一例では、プラスチックメッシュはポリプロピレンから製造することができる。別の例では、プラスチックメッシュはポリオレフィンから製造することができる。被覆材料は、カーボンインクなどの導電性であってもよい。例えば、カーボンインクは、1つ又は複数のエレクトロダグ、C220、CM120−24、及びCM112−48であってもよい。被覆材料は、金属酸化物又は親水性ポリマーなどの非導電性材料をさらに含んでもよい。例えば、金属酸化物はTiOであってもよく、親水性ポリマーはSPEEK又はPFSAであってもよい。
工程804において、本方法は、プラスチックメッシュを得る工程を含むことができる。プラスチックメッシュは、表面積、開口面積、開口体積、及び電極性能のために最適化された厚さを含むことができる。例えば、プラスチックメッシュは、上述の表1に示す寸法を含むように選択することができる。得られるプラスチックメッシュは、ポリプロピレン、ポリオレフィンなどから作られてもよく、モノポーラ、バイポーラ又は織布であってもよい。
工程806において、本方法は、工程804で製造されたプラスチックメッシュの処理を含むことができる。プラスチックメッシュを処理することは、続く被覆工程808の接着性を向上させるために行うことができる。いくつかの実施態様において、本方法は、炭素被覆の接着性を向上させるために、製造されたプラスチックメッシュを処理することを含む。他の実施形態では、本方法は、接着性を向上するために、製造されたプラスチックメッシュを処理することを含まなくてもよい。一例において、プラスチックメッシュの処理は、溶媒処理を用いて行ってもよい。別の例では、プラズマ処理を用いてプラスチックメッシュを処理してもよい。
プラスチックへの被覆の接着性を向上させるために用いられ得る様々な表面処理には、炎及びコロナ、機械的摩耗、溶媒洗浄又は膨潤に続く湿式化学エッチング、又は化学プライマーの形の特殊な被覆の処理、又はそれらの任意の組み合わせを含む。付加的な処理として、紫外線(UV)照射、電子ビーム及び冷ガスプラズマ法などの高エネルギー密度処理、及びそれらの組み合わせなどもまた、使用することができる。上述した方法は、基板表面改質のために、より大規模なスケールでより広く受け入れられている。これらの方法は、エネルギー光子、電子、フリーラジカル、及びイオンなどの反応種に富んだ媒介物を提供することができ、次に、ポリマー表面と相互作用して、その化学及び/又は形態を変化させることができる。これらのプロセスは、プラスチックメッシュの表面特性を改質するために容易に用いることができる。
工程808において、本方法は、プラスチックメッシュを選択された材料で被覆することを含む。一例では、プラスチックメッシュを炭素材料で被覆することは、エアブラッシングによって行ってもよい。別の例では、プラスチックメッシュを炭素材料で被覆することは、浸漬被覆によって行ってもよい。さらに別の例では、プラスチックメッシュを炭素材料で被覆することは、ローラー被覆によって行ってもよい。被覆厚さは、導電性及び/又はめっきのために最適化されてもよい。被覆は、あらゆる溶媒を硬化及び除去するための熱処理を必要とし得る。
工程810において、本方法は被覆プラスチック電極を得ることができる。被覆プラスチック電極は、レドックスフロー電池システムにおけるめっき電極及び/又はレドックス電極として使用され得る。その後、この方法は終了することができる。
したがって、レドックスフロー電池システムで使用するために電極を製造することができる。上述の例示的な方法を使用して電極を製造することができ、電極は、電池性能を向上し、コストを低減する新規な炭素被覆プラスチックメッシュ電極である。低コストのプラスチック材料の使用は、現在の電極システムで採用されるプラスチックは安定ではないことに起因する現在の考えに反し、IFBシステムにおいて使用するための新規な炭素被覆プラスチックメッシュベースの電極をもたらす。炭素被覆プラスチックメッシュ電極は、レドックスフロー電池システムの負極の位置及び/又は正極の位置で使用することができる。
図9を参照すると、いくつかの炭素被覆プラスチックメッシュ電極の性能が、Tiメッシュコントロール電極に対して示されている。図9において、炭素被覆プラスチックメッシュ電極904,906,908の分極プロットは、Tiメッシュコントロール電極902と比較して、向上された、又は同様の電流密度対電圧応答を提供する。非被覆プラスチックメッシュ電極912は、Tiメッシュコントロール電極902及び炭素被覆プラスチックメッシュ電極904,906,908と比較して低い電圧応答を示す。エレクトロダグ電極910は、他の炭素被覆メッシュ電極と比較して低い電流密度で良好な電圧を示し、高い電流密度でより低い電圧を示す。この結果は、炭素被覆が、非被覆プラスチックメッシュ電極912と比較して、炭素被覆プラスチックメッシュ電極の導電性を高めることを示している。したがって、炭素被覆プラスチックメッシュ電極は、現在使用されている電極材料と比較して電流密度を向上又は維持するレドックスフロー電池に使用するための低コストの代替物を提供する。
図10を参照すると、炭素被覆プラスチックメッシュ電極のサイクル性能が示されている。Tiメッシュコントロール電極1002とTi真空電極(vacuum electrode)1016とをベースラインとして含む。炭素被覆プラスチックメッシュ電極を100サイクル以上サイクルさせ、性能を監視した。炭素被覆プラスチックメッシュ電極の分極の1サイクル、24サイクル、48サイクル、72サイクル、96サイクル、120サイクルを、それぞれ1004、1006、1008、1010、1012及び1014にプロットした。図10から、炭素被覆プラスチックメッシュ電極は、Ti真空電極1016と比較して電流密度対電圧応答を保持し、Tiメッシュコントロール電極1002と比較して向上された応答を示すことが分かる。
IDFFフロー構成及びチタンメッシュを備えるレドックスフロー電池負極(例えば、めっき電極)構成の欠点は、高コスト、不十分なめっき密度、及び気泡の捕捉を含む。めっき密度が不十分であると、レドックスフロー電池システムが十分に高い電池充電容量を達成することが妨げられる。例えば、IDFFフロー構成及びTiメッシュを備える負極構成は、費用測定基準及び電池性能測定基準(充放電サイクル時の損失低減など)を維持することがレドックスフロー電池アプリケーションにとって望ましいが、8時間を超える充電容量を提供することができない。さらに、気泡の捕捉は、電極の利用できるめっき面積を減少させる可能性があり、また、めっき電極材料を脆化させる可能性があり、それによって、電池充電容量を減少させ、電極を劣化させる。
製造コストを低減するために、レドックスフロー電池は、より高い電流密度で作動するように設計され得る。例えば、60mA/cmの電流密度で作動するレドックスフロー電池システムは、15mA/cmで作動するレドックスフロー電池システムとして四分の一の電池セル数を有することができる。しかしながら、より高い電流密度で作動するレドックスフロー電池は、さらなるレドックスフロー電池システム設計上の課題を提示する可能性がある。例えば、めっき応力は、より高いめっき電流密度において増加する可能性があり、その結果、より高い応力を受け、より脆いめっき電極となる。さらに、より高い電流密度を供給することを可能にするために、より高い液体電解液流量を有するレドックスフロー電池システムを利用することができる。さらに、より大きな電極ギャップを、より高い流量に適応するように構成することができる。レドックスフロー電池セル用の電極ギャップは、式(5)に示すように、電極にめっきされた金属イオン当たりの電荷に対する電流密度の比から算出される代表長さを構成する。
ここで、T=時間(s);M=モル質量(g/mol);J=電流密度(面積/cm);ρ=めっき金属の密度(g/cm);n=#めっきされた金属1モル当たりの電子数;F=ファラデー定数(96485.3365 C/mol)。電流密度は、電極の活性領域A(cm)に基づいて決定することができる。鉄レドックスフロー電池の場合、めっき金属は鉄であり、鉄めっき1モル当たりの電子数は2である。電池の充電量とめっき密度は、それぞれ式(6)、(7)に示すように計算される。
より高い電流密度を提供することに付随するより高い流量に対応することに加えて、レドックスフロー電池の電極ギャップをさらに増加させて、負極電解液のフローフィールド内及び負極表面で発生するあらゆるガスの十分なパージを可能にすることができる。例えば、式(3)及び式(4)を参照して上述したように、水素プロトンHの還元(式(3))及び析出金属鉄の腐食(式(4))の間に、水素ガスを生成することができる。負極における水素の存在が、めっきのために利用できる電極活性領域を減少させる可能性があり、めっきされた金属をそこで脆くする可能性があるので、水素ガスの除去は電池電極の劣化を減少させるのに役立つ。レドックスフロー電池システムの性能測定基準は、電流及び電極ギャップの大きさに比例して拡大することができるオーム損失の増加によって影響を受ける可能性がある。より高い電流密度に対応し十分なガスパージを可能にするために、電極ギャップは限度なしに単純に増加させることはできない。
次に、図16、図17A〜図17D、図20A、及び図20Bを参照すると、これらの図は、従来の設計と比較して電流密度分布の分散を低減するのに役立つ一方で、より高い電池容量に対応し、製造コストを低下させ、レドックスフロー電池の性能を維持し、電極の表面に近接する電解液フローフィールドにおける気泡の捕捉を低下させる負極構成の構造的特徴を示す。これらの構成は、x軸が幅方向に整列され、y軸が長さ方向に整列され、z軸が電極スタックアセンブリの高さ方向又は厚さ方向に整列された3次元のx−y−z座標軸に対応して示されている。z軸は、電極スタックアセンブリの各層のx−y平面に垂直な横軸を指す。
レドックスフロー電池システムにおいて、負極は、図20Aに示されるように、電極スタックアセンブリ2000内に配置され得る。電極スタックアセンブリ2000は、例えばイオン交換膜などの電気絶縁性イオン伝導障壁2020を含み得る。正の(レドックス)フローフィールドプレート2010及び正極(レドックス電極)は、膜の正(レドックス)側に配置され得る。正極は、膜を横切ってスタックアセンブリの負側(めっき側)へのイオンの移動を容易にするために、膜に隣接して配置することができる。これにより、正極は、正のフローフィールドプレートと膜との間に挿入され、正極電解液フローフィールドは、正のフローフィールドプレートと正極との間に挟まれる。正のフローフィールドプレート2010は、櫛形の正のフローフィールドプレートリブ2012を含む櫛形フローフィールドプレートを含むことができる。他の例では、正のフローフィールドプレート2010は、非櫛形の正のフローフィールドプレートリブ2012を備える蛇行フローフィールドプレートのような他の構成のリブ付きフローフィールドプレートを含むことができる。櫛形フローフィールド(IDFF)プレート1800の例は図18に示され、膜の正側で電解液の流れを導くための櫛形リブ1812及び1822を備える。特に、電解液は、正のフローフィールドプレート2010の入口1810から出口1820へと方向付けられてもよい。櫛形の正のフローフィールドプレートの断面図1850に示されるように、櫛形リブ1812の櫛形の入口チャネルから櫛形リブ1822の出口チャネルへの電解液の流れ(矢印1830によって示される)が、多孔質正極1840を介して生じることができ、それによって電解液の強制対流を提供する。他の例では、正のフローフィールドプレートは、例えば、蛇行フロープレート、螺旋フロープレート、ピンフロープレート、又は非櫛形リブを備える平行フロープレートなどの非IDFFフロープレートであってもよい。デッドエンドチャネルのために、電解液流体は、入口流路から出口流路へ多孔質正極1840を通って拡散する前に、櫛形のデッドエンドチャネルを満たして、フローフィールドをより全面にわたって分布させることができるので、IDFFフローフィールドは有利であり得る。
電極スタックアセンブリの負側(めっき側)では(例えば、膜2020の負側)、負極電解液フローフィールドは、膜2020と負極構成との間に挟まれ、負極構成は、電池の充電中に金属がめっきされる平坦な負のフローフィールドプレート2040と非導電性負極スペーサ2026(例えば、めっき電極スペーサ)とを含む。負極スペーサ2020は非導電性であり、導電性被覆が施されていないため、充電中に金属めっきが生じることはない。しかしながら、負極スペーサ2020は、膜2020から負のフローフィールドプレート2040への電解液イオンの分布をより均一にすることにより、負のフローフィールドプレート2040へのめっきを促進することができ、電流密度分布の分散を低減することができる。負極スペーサ2026は、さらに、膜2020と負のフローフィールドプレート2040との間の負極電解液フローフィールドを物理的に支持するのを助け、これは、より高い充電電流密度及びガスパージ率を持続するために、より高い電解液流量を維持することを助けることができる。負のフローフィールドプレート2040は平坦であるため、定義された負極電解液フローフィールドはない。このように、負極と負のフローフィールドプレートとの間の電極ギャップは、非平坦な負のフローフィールドプレートを有するシステムに比べて大きくすることができ、より高い電流密度に付随するより高い電解液の流れに対応することができる。平坦な負のフローフィールドプレートはまた、非平坦なフローフィールドプレートと比較して、充電及び放電化学反応(式(3)及び(4)参照)の間に発生する水素ガスのようなガスのパージの増大を促進し、それによってめっき用の電極活性領域を維持し、めっきされた金属の脆化を低減し、電池性能を増大させる。
図20Aに示すように、負極構造は、負のフローフィールドプレート2040の膜に面する側に位置する負極スペーサ2026を含む。換言すると、負極構造の負極スペーサ2026は、膜2020と負のフローフィールドプレート2040との間に挿入され得る。負極スペーサ2026は、膜2020の正側において正のフローフィールドプレートの正のフローフィールドプレートリブ2012により平行に方向付けられた主リブ2030の列と、膜2020の正側において主リブ2030に対してより横方向に、また、正のフローフィールドプレートリブ2012に対してより横方向に方向付けられた支持リブ2032の列と、を含んでいてもよい。図18を参照して上述したように、正のフローフィールドプレート2010の正のフローフィールドプレートリブ2012は、櫛形リブを有していてもよい。また一方で、他の例では、正のフローフィールドプレート2010は、例えば平行フローフィールドプレート又は蛇行フローフィールドプレートの場合のような、非櫛形リブを含むことができる。
負極構成の負極スペーサ2026では、支持リブ2032のそれぞれは、主リブ2030のそれぞれに横方向に連結されてもよい。いくつかの例では、主リブ2030は、支持リブ2032が主リブ2030に対して膜2020に近接して配置されるように、支持リブ2032及び膜2020から離れて又は遠位に延在してもよい。主リブ2030は、図20A及び図20Bの電極スタックアセンブリの断面図に示されるように、正のフローフィールドプレートリブに平行な長手方向(y方向)に一定の断面を有する中実のモノリシック構造を含んでもよい。
正のフローフィールドプレート2010の正のフローフィールドプレートリブ2012に対してより平行に方向付けられることに加えて、さらに、主リブ2030は、膜2020を挟んだ向かいの正のフローフィールドプレートリブ2012に対向して整列されてもよい。このように、負のフローフィールドプレート2040及び正のフローフィールドプレート2010が膜2020に向かって圧縮されると、主リブ2030は、座屈することなく、また、正極及び負極電解液フローフィールドの形状及び寸法を変えることなく、膜を挟んだ向かいの正のフローフィールドプレートリブ2012によって対向して支持される。換言すると、主リブ2030は、正のフローフィールドプレートリブ2012に対する構造的支持を提供し、逆もまた同様であり、したがって、レドックスフロー電池システムのアセンブリ及び作動中の電極スタックアセンブリ2000の圧縮、正のフローフィールドプレート2010と正極2016との間の正極電解液フローフィールドの流れ及び形状、並びに負のフローフィールドプレート2040と負極2026スペーサとの間の負極電解液フローフィールドが、実質的に収縮又は変化しないようにする。正の支持プレートの正のフローフィールドプレートリブ2012に対向する主リブ2030の整列は、正の支持領域内に配置された正のフローフィールドプレートリブ2012に対向する負の支持領域内に主リブ2030を配置することを含み得る。負の支持領域は、破線2038によって示されるように、主リブ2030の幅方向(例えばx方向)の寸法に対応することができる。正の支持領域は、破線2018によって示されるように、正のフローフィールドプレートリブ2012の幅方向(例えばx方向)の寸法に対応することができる。
正のフローフィールドプレートリブ2012に対向する主リブ2030の位置は、負の支持領域の境界(例えば、破線2038)が正の支持領域の境界(例えば、破線2018)内にあることを含むことができる。負の支持領域の境界(例えば、破線2038)が正の支持領域の境界(例えば、破線2018)より広い場合、正のフローフィールドプレートリブ2012に対向する主リブ2030の配置は、正の支持領域の境界(例えば、破線2018)が負の支持領域の境界(例えば、破線2038)内にあることを含むことができる。このように、正のフローフィールドプレートリブ2012に対向する主リブ2030の位置は、正の支持領域が負の支持領域内の中心になるように、又は、負の支持領域が正の支持領域内の中心になるように、正のフローフィールドプレートリブ2012の向かいに主リブ2030を中心に置くことを含み得る。さらに、正のフローフィールドリブに平行に主リブを配置する場合には、正のフローフィールドプレートリブ2012に対向する主リブ2030を配置する際に、負の支持領域のそれぞれを正の支持領域に平行に配置するようにしてもよい。このようにして、電極スタックアセンブリは、十分な物理的圧縮を支持することができ、したがって、レドックスフロー電池システムの作動中及びアセンブリ中に、正のフローフィールドプレート及び負のフローフィールドプレート上の正極及び負極電解液の流れ分布をそれぞれ維持することができる。図20Bに示すように、負の支持領域の境界(例えば、破線2088)が正の支持領域の境界(例えば、破線2068)の外側になるように主リブ2080を配置することは、正極及び負極電解液フローフィールドの座屈又は歪みのリスクを増大させ、めっき処理能力(plating capacity)、めっき品質、イオン交換率、及び電解液の流れを低下させる可能性があり、それによってレドックスフロー電池の性能を低下させる。
別の例では、主リブ2030は、負の支持領域と正の支持領域とが部分的に重なるように、正のフローフィールドプレートリブ2012に対向して配置されてもよい。負の支持領域及び正の支持領域を部分的に重複させることは、正の支持領域の境界内の負の支持領域の部分が、閾値重複よりも大きくなるように、正のフローフィールドプレートリブ2012に対して主リブ2030を対向して配置することを含み得る。例えば、閾値重複は、負の支持領域の半分以上(例えば、50%超)が正の支持領域の境界内に入るように、正のフローフィールドプレートリブ2012に対して主リブ2030を対向して配置することを含み得る。負の支持領域と正の支持領域との部分的な重複が閾値重複よりも小さいと、負極及び正極電解液フローフィールドの座屈及び収縮、ならびに正極の損傷のリスクが増大する可能性がある。上述のように、正のフローフィールドプレートリブ2012は、他の構成と同様に、互いにかみ合い、蛇行し、平行であってもよい。したがって、負極スペーサ2026の主リブ2030の数、ピッチ(間隔)、幅方向寸法(例えば、x方向)は、主リブ2030を正のフローフィールドプレートリブ2012と反対方向に整列させて配置することを容易にするために選択することができる。換言すると、配置、主リブのピッチ、及び主リブの寸法は、正のフローフィールドプレートの設計及び構成に基づいて、正極及び負極電解液フローフィールドの荷重及び圧縮を十分に支持するために、それに応じて選択及び調整することができる。
次に図16を参照すると、負極スペーサ1600の構成例は、電極長さ1602(例えば、y方向)に対してより平行に方向付けられた複数の主リブ1620と、電極幅1604(例えば、x方向)に対してより平行に方向付けられた複数の支持リブ1640とを含むことができる。このようにして、支持リブは主リブ1620に対して横方向に方向付けることができ、また、主リブ1620は膜2020を挟んだ向かいの正のフローフィールドプレートリブ2012に対してより平行に方向付けることができる。図16に示す負極スペーサ1600の例の場合、主リブ1620が支持リブ1640に対して垂直であるとき、主リブの長さは電極スペーサ長さ1602によって与えられ、支持リブの長さは電極スペーサ幅1604によって与えられる。負極スペーサ1600の例に示すように、主リブ1620の数は、支持リブ1640の数よりも多くてもよい。他の場合では、主リブ1620の数は、支持リブ1640の数よりも少なくてもよい。支持リブ1640の数を減らすことは、機能上の電極活性領域を増加させ、それによってめっき処理能力を増加させ、レドックスフロー電池の充放電中の電極を横切る電流密度分布の分散を低減させ、それによって短絡及び電極の劣化のリスクを減少させる助けとなることができる。主リブ1620及び支持リブ1640は、剛性であってもよく、それらの交点で接合されてもよく、電極内に等間隔かつ均一なサイズの開口1630の規則的な配列を形成してもよい。特に、主リブ1620及び支持リブ1640は、不織布フレームワーク、スペーサ、支持体、ブレース(brace)、足場、アンダーピニング、又は、めっきフローフィールドプレートと膜との間の負極電解液フローフィールドを収容するための間隔を維持する他のタイプの支持構造を形成するように、不織布で接合又は連結されてもよい。
図17Aは、負極スペーサ1600の詳細Aの拡大平面図1700を示し、負極スペーサ1600の、規則的、均等な間隔、及び均等なサイズの開口1630を示す。連続した隣接する主リブ間の間隔、主リブピッチ1704と、連続した隣接する支持リブ間の間隔、支持リブピッチ1702とは、主リブと支持リブとの間の接合部1706の数を規定する。負極スペーサ1600の例では、めっきに利用可能な活性領域を増加させるために、支持リブピッチ1702は主リブピッチ1704よりも大きく、また、電極長さ1602方向に細長い開口1630を生じさせる。他の例では、支持リブピッチ1702及び主リブピッチ1704は同等であり得、正方形の開口1630を生じ、又は、支持リブピッチ1702は主リブピッチ1704より小さくなり得、電極幅1604方向に細長い開口1630を生じ得る。支持リブピッチ1702及び主リブピッチ1704は、負極スペーサ1600の開口密度(開口部の面積:支持リブと主リブの面積)も規定する。支持リブピッチ1702及び主リブピッチ1704は、開口密度が閾値開口密度よりも大きくなるように選択することができる。閾値開口密度は、所望のレドックスフロー電池セル容量を収容するのに十分な電極めっきが支持され得る開口密度に対応し得る。開口密度(例えば、支持リブピッチ1702を増加し、主リブピッチ1704を増加する)を閾値開口密度未満に減少させると、負極スペーサ1600のめっき処理能力が低下する可能性があり、それにより、レドックスフロー電池セルの充放電容量が低下する可能性がある。
レドックスフロー電池セルの所望の充放電容量は、レドックスフロー電池システムの所望のエネルギー容量によって決定され得る。例えば、所望の電池充電容量を4時間から8時間に増加させる場合、開口密度を増加させて負極スペーサ1600のめっき処理能力を増加させることができる。開口密度の増加は、負極スペーサ1600の剛性を低下させることができる。したがって、1つ又は複数の主リブ1620及び/又は支持リブ1640の構造剛性を開口密度の増加に応じて高めることができる。一例では、主リブ厚さ1718及び/又は支持リブ厚さ1712を増加させることによって、負極スペーサ1600の構造剛性を高めることができる。このようにして、負極スペーサ1600の構造剛性を維持しつつ、レドックスフロー電池セル容量を増加させることができる。主リブ厚さ1718は支持リブ厚さ1712よりも大きくてもよく、又は、主リブ厚さ1718は支持リブ厚さ1712よりも小さくてもよい。主リブ厚さ1718が支持リブ厚さ1712よりも厚いことは、めっき電解液のより高い流量に対応するために、めっき電極とめっきフローフィールドプレートとの間の間隔を増加させるのに役立ち得る。加えて、主リブ厚さ1718が支持リブ厚さ1712よりも大きいことは、めっき電極の構造剛性を高めるのに役立つ。
次に、図17AのB−B断面の断面1710を示す図17Bを参照する。上述したように、主リブ1620を負極スペーサ1600の基板側(例えば、負のフローフィールドプレート側)1719に向けて配置することができ、支持リブ1640を負極スペーサ1600の膜側1711に向けて配置することができる。主リブ1620は、離れて(z方向に)延在し、支持リブ1640の膜側1711から基板側1719に向けて突出することができる。図17Bの例に示すように、主リブ厚さ1718と支持リブ厚さ1712との差によって規定される距離に従って、主リブ1620は支持リブ1640から延在することができる。支持リブ1640から負極スペーサ1600の基板側1719に向かって延在することによって、主リブ1620は負極上のめっき活性領域を増加することができ、電極スタックアセンブリの構造的な支持を提供することができる。さらに、負極を膜と負のフローフィールドプレートとの間に挟み込む際に、主リブ1620は、負極電解液フローフィールドの座屈を低減し、負極電解液フローフィールドにおける負極電解液の流れを維持するのに役立つ。図17Aを参照して上述したように、支持リブ厚さ1712及び/又は主リブ厚さ1718を厚くすることは、負極スペーサ1600の構造剛性を高めるのに役立つことができる。
さらに、主リブ1620は、主リブ抜き勾配(draft angle)1716(例えばx−z平面)において支持リブ1640から離れて延在してもよい。いくつかの例では、主リブ1620は、支持リブ1640から垂直に延在してもよい。他の例では、主リブ抜き勾配1716は、支持リブ1640に対して垂直から±3°であってもよい。さらに別の例では、主リブ抜き勾配1716は、支持リブ1640に対して垂直から±10°であってもよい。主リブが負のフローフィールドプレート2040と鋭角を形成する場合(例えば、めっき表面)、主リブは、図21A〜図21Cを参照して以下に説明するように、膜とめっき表面との間の電解液電流の流れを遮断することができる。遮断、めっき表面に到達する電解液電流密度の勾配を生じさせることができ、したがって、負のフローフィールドプレートにおける電流分布及びめっき密度のより高い分散を生じさせることができる。製造能力に応じて、負極スペーサ1600の主リブ抜き勾配1716は、支持リブ1640と非垂直角度を形成することができ、その結果、いくつかの遮断及び電流密度勾配が生じる。したがって、主リブ抜き勾配1716の90°からの逸脱を減少させることは、レドックスフロー電池の充電中の電流密度勾配を減少させるのに役立つことができる。
次に、図17Cを参照すると、図17Aの断面C−C(例えば支持リブ1640)の断面図が示されており、支持リブ半径1724及び支持リブ抜き勾配1722を含む。図17Cに示すように、支持リブ1640は、負極スペーサ1600の膜側により近接して配置してもよく、主リブ厚さ1718よりも小さい支持リブ半径1724を有する断面が半円形であってもよい。支持リブ抜き勾配1722は、主リブ1620と支持リブ1640との間の角度(x−y平面)を参照してもよい。例えば、支持リブ1640が垂直に方向付けられている場合、支持リブ抜き勾配は0°であってもよい。表2に示すように、支持リブの長さ1724は、0.25mm〜25mmであってもよく、支持リブの抜き勾配は、−10°から+10°であってもよい。図17Dを参照すると、図16のD−D断面の断面図1730が示されている。断面図1730は、負極スペーサ1600の最端支持リブ1642及び1648に当てはまる。最端支持リブ1642及び1648は、垂直に対して横方向の抜き勾配1732で形成されてもよい。横方向の抜き勾配1732が90°の場合には、最端支持リブ1642及び1648は垂直に方向付けられる。横方向の抜き勾配1732が90°より大きいとき、最端支持リブ1642及び1648は内側に傾斜し、横方向の抜き勾配1732が90°より小さいとき、最端支持リブ1642及び1648は外側に傾斜する。鋭角の横方向の抜き勾配1732の形成は、めっき電解液フローフィールドの流れ方向における電解液流体(例えば液体や気体)の通過を助けることができる。しかしながら、横方向の抜き勾配を、閾値横方向の抜き勾配よりも小さく形成することは、製造の複雑さ及びコストを増加する可能性があり、より鋭い縁の存在に起因するめっき電極の機械的故障のリスクを増加させ得る。次に、図17Eを参照すると、図16の断面E−Eの断面図1740が示されている。断面図1740は、負極スペーサ1600の最端主リブ1622及び1628に当てはまる。最端主リブ1622及び1628は、垂直に対して主リブ抜き勾配1742で形成されてもよい。主リブ抜き勾配1742が90°である場合は、最端主リブ1622及び1628が垂直に方向付けられる。主リブ抜き勾配1742が90°より大きい場合は、最端主リブ1622及び1628は内側に傾斜し、主リブ抜き勾配1742が90°より小さい場合は、最端主リブ1622及び1628は外側に傾斜する。主リブ抜き勾配1742が90°から逸脱すると、充電中に電流密度やめっきの勾配が増加する可能性がある。
表2は、主リブの長さ、主リブのピッチ、主リブの高さ、主リブの抜き勾配、支持リブの幅、支持リブの厚さ、支持リブのピッチ、支持リブの抜き勾配、支持リブの長さ、及び電極の幅と長さの比など、様々な電極構成特徴の値の例を示す。主リブ抜き勾配及び/又は支持リブ抜き勾配は、射出成形及びロールツーロール加工を含む電極形成プロセスに対応するように選択することができる。主リブ及び支持リブは、必ずしも寸法、形状及び/又は断面において同等であるとは限らない。例えば、1つ又は複数の主リブ又は支持リブは、長さ、厚さ、配置等が異なっていてもよい。特に、いくつかの電極構成例において、主リブは、隣接する主リブに対する抜き勾配の別の値を含むことができる。他の例では、主リブの厚さは、支持リブを越えて膜に向かって延在しても、フローフィールドプレートに向かって延在してもよい。他の例では、主リブの厚さのいくつかは、電極の膜側の支持リブを越えて延在してもよく、他の主リブの厚さは、電極の基板側の支持リブを越えて延在してもよい。主リブの厚さが電極の基板側の支持リブ1640を越えて延在する場合、膜の電解液を利用可能な表面積が増大し、レドックスフロー電池の充放電率を増大させることができる。さらに、図12〜図13を参照して以下でさらに説明するように、支持リブ1640をめっき表面(例えば負のフローフィールドプレート)よりも膜に近接して配置することは、めっき表面における電流密度分布の分散を低減するのに役立つことができる。
次に図21A〜図21Cを参照すると、これらの図は電極スタックアセンブリの部分断面図を示しており、負極スペーサ2026、主リブ、及び、膜2020の負側(正の酸化還元側2102の反対側)にある負のフローフィールドプレート2040を含む。主リブ2130は、z方向に沿って一定である横方向の断面(x−y平面)を含む。別の言い方をすれば、主リブの横断面は、電極アセンブリスタック層の平面に垂直な軸に沿って一定であってもよい。換言すると、膜における主リブ横断面2128は、めっき表面における主リブ横断面2129と同等であり、(図21Cを参照して説明したように)主リブにはアンダーカットがない。したがって、膜2020からめっき表面(負のフローフィールドプレート2040)への破線の矢印2150によって示される電解液流体及びイオン電流の流れは妨げられることなく、主リブ2130の表面にわたって搬送され得、めっき表面の平面(例えばx−y平面)にわたって、より均一に分散及び分布され得る。換言すると、膜2020からめっき表面まで一定の横断面を有する主リブ2130を備える負極スペーサ2026は、負極電解液フローフィールドにおけるイオン濃度勾配及び電流強度勾配を減少させるのを助けることができる。
対照的に、主リブ2132は、z方向に沿って連続的に変化する横断面(x−y平面で)を含む。別の言い方をすれば、主リブ横断面は、膜2020からめっき表面まで単調に減少する。換言すると、膜における主リブ横断面2131は、めっきにおける主リブ横断面2133よりも大きく(又は他のrの例ではより小さく)てもよい。このように、より大きな主リブ横断面2131は、めっき表面を部分的に遮断し、また、破線矢印2152によって示される電解液流体及びイオン電流の流れは、膜2020からめっき表面(負のフローフィールドプレート2040)に拡散及び分散し、それによって、電解液濃度及び電流勾配を導入する。したがって、膜2020からめっき表面(負のフローフィールドプレート2040)への破線矢印2152によって示される電解液流体及びイオン電流の流れは、めっき表面の平面(例えば、x−y平面)にわたって、より不均一に分散及び分布され得る。次に図21Cを参照すると、主リブ2134は、膜2020とめっき表面(例えば、負のフローフィールドプレート2040)との間に非一定横断面2133を有する主リブを含む。特に、主リブ2134のめっき表面における主リブ横断面2133と膜における横断面2133は同等であるが、主リブ2134の横断面は、アンダーカット2136をさらに含む。アンダーカット2136は、主リブから横の方向のx方向(例えば、x成分を有する)に少なくとも部分的に延在する突出部(例えば、柱)2137によって形成することができる。突出部2137は、主リブから延在する様々な幾何学的形状及び形状を含むことができ、(図21Cに示すように)丸みを帯びた正方形、指状、山状などを含む。突出部2137の存在により、めっき表面の一部を遮断することができる。換言すると、突出部2137は、膜2020からめっき表面の遮断部分への直接流路を妨げ得る。このような電解液流体及びイオン電流は、アンダーカット2136の容積及び(破線矢印2154で示すように)それに隣接するめっき表面に到達するために、突出部2137の周りを流れなければならない。さらに、流れの一部は突出部2137によってブロックすることができ、膜とめっき表面との間の電解液イオン濃度及び電流の勾配をさらに大きくする。
動力学的損失は利用可能な電極表面積と共に指数関数的に計ることができるので、電流分布も電池性能に大きな影響を与えることができる。さらに、電極活性領域(例えば、めっき表面)にわたる不十分な(より不均等、より不均衡、より不均一)電流分布は、レドックスフロー電池セルの短絡のリスクを増大させ得る。より高いめっき密度で作動するレドックスフロー電池セルの場合、電流密度分散(current density variance)(例えば、拡散)を減少させることは、図11の表1100に示されるように、電池セルの短絡のリスクを遅くかつ低下させるのに役立つことができる。電流密度分散は、電流密度の四分位範囲(IQR)及び電流密度の平均絶対偏差(MAD)を調べることによって評価することができる。めっき基板(例えばめっき電極基板)上のMAD<0.2を維持しつつ、めっき基板上のIQR<2.0を維持することは、電池短絡のリスクを実質的に低減するのに役立つことができる。表1100の第2及び第3の行に示されるように、MAD=4かつIQR=10の場合、また、MAD=8かつIQR=20の場合は、MAD=0かつIQR=0の場合(表1100の最上段)と比較して、電流分布の分散はより高く、初期(例えば、T1、T2、Tn)に電極ギャップに広がり始めることができ、早期の電池短絡につながる。
以下の基準にしたがって、図12及び図13の表1200及び1300にそれぞれ示される10の異なる負極スペーサ構成が評価された。負極スペーサ構成は、射出成形及び/又はロールツーロール加工によって製造可能である。負極スペーサ材料は、電解液及びレドックスフロー電池セルの作動条件に適合する。製造コストは30ドル/kW未満である。めっき基板上のめっき電極の電流密度はIQR<2.0である。めっき基板上のめっき電極の電流密度はMAD<0.2である。めっき基板上のめっき電極の面積比抵抗(Area Specific Resistance,ASR)が≦0.9Ω−cmである。負極スペーサ支持体は正極(以下の詳細を参照)に適切な構造的支持を提供する。電池作動中に発生した気泡は、追加の処理(電極はある程度の疎水性を示さなければならない)を行うことなく一掃することができる。Rev.A〜J(例えば、それぞれ負極スペーサ構成1210、1220、1230、1240、1250、1310、1320、1330、及び1340に対応する)は射出成形によって製造することができ、一方、Rev.K(負極スペーサ構成1350)はロールツーロール加工によって製造することができる。
表1200及び表1300に示すように、負極スペーサ構成のRev.G、I、J及びKは、基準IQR<2.0、MAD<0.2、及びASR≦0.9ohm−cmを満たす電流密度分布の分散を示す。表1200及び表1300の右端の列は、各負極スペーサ構成の反復要素に隣接するめっき表面(x−y平面)における45mA/cmでの電流密度分布の2Dプロットを示す。反復要素1212、1222、1232、1242、1252、1312、1322、1332、1342及び1352は、Rev.A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Kの負極スペーサ構成内の反復構造であり、支持リブと主リブとの交点を中心として、支持リブピッチの半分を長さ方向(y方向)の両方に延在し、主リブピッチの半分を幅方向(x方向)の両方にそれぞれ延在する。負極スペーサ構成及びそれらの対応する反復ユニットの拡大平面図を、それぞれ図23A〜図23Kに示す。電流密度分布の各点における電流強度は色で示され、赤色の領域はより高い電流強度を示し、青色の領域はより低い電流強度を示す。グレーの領域は、負極スペーサの主リブ及び支持リブがめっき表面に接触する不活性領域を示す。
反復要素1210、1220、1230、1240、及び1250の電流密度分布から示されるように、主リブ内のアンダーカット及びその下の影になった部分を含む負極スペーサ構成A〜Fは、高電流密度領域が低電流密度領域に隣接し得る不均一で不均等な領域を含む、より高い電流密度分布の分散を示す。例えば、構成Aでは、電流密度勾配が、主リブがアンダーカットされていない不活性領域1214の間の主リブに沿ったアンダーカット領域の周囲で観察され、めっき表面と接触する。同様の電流密度勾配が、構成B、C、D、及びFについて生じ、これらの全ては、対応する反復ユニットの主リブにおけるアンダーカットの構造的特徴を含む。これらの電流密度勾配は、支持リブが主リブの基板側に配置されている負極スペーサ構成C及びDにおいてさらに顕著である。実際、支持リブを主リブの基板側に配置することは、主リブの全長に沿って主リブをアンダーカットし、より高い電流密度勾配をもたらす。さらに、負極スペーサの基板側に支持リブを配置することにより、不活性領域1236及び1246に示すように、めっき表面の支持リブに接触する部分が不活性の状態となる。換言すると、負極スペーサの膜側に支持リブを配置することで、充放電中のめっき表面における電流密度勾配を低減する助けとなることができる。
図21A〜図21Cを参照して上述したように、x方向に少なくとも部分的に延在するアンダーカット及び突出部のような主リブ内の構造的特徴は、遮断に起因するより高い電流密度分布の分散のリスクを増大させ、電解液イオン流量、濃度、及び電流の勾配を生じさせ得る。対照的に、負極スペーサ構成G、I、及びJは、アンダーカット又は突出部のない固体のモノリシック主リブと、支持リブに対して垂直から0度の主リブ抜き勾配とを含む。したがって、主リブがめっき表面に接触する領域の近傍での遮断が低減され、主リブがめっき表面に接触する領域での電流勾配が実質的に除去される。Rev.Kは、アンダーカット又は突出部を有さないモノリシック主リブを含むが、製造能力のため、主リブの抜き勾配は支持リブに対して垂直よりも小さく、その結果、めっき表面の遮断部分の近傍に遮断及び電流密度勾配1354が生じる。Rev.H(負極スペーサ構成1320)は、円形断面を有する円柱状の主リブを含む。したがって、電解液電流は、主リブの周囲の膜からめっき表面に達するまで流れるにつれて収束及び分岐し、それによって電解液濃度勾配を生成し、主リブの長さに沿った領域1324のめっき表面における電流密度分布の分散を増大させる。
電流勾配領域1216、1226、1236、1246、1256、1316、1326、1336、1346及び1356もまた、支持リブの各々と関連していることが観察される。したがって、横方向の支持リブの数を減少させること(例えば、支持リブピッチの増加)は、電流密度を低減させ、電流密度分布の分散を低減させることにも役立つことができる。主リブの数を減少させること(例えば、主リブピッチの増加)は、負極スペーサ構成1310(すべての正のフローフィールドプレートリブに対応する主リブ)及び負極スペーサ構成1330(1つ置きの正のフローフィールドプレートリブに対応する主リブ)の比較から明らかなように、電流密度を低減させ、電流密度分布の分散を低減させるのにさらに役立ち得る。主リブの数の減少は、電池セルのアセンブリ後の圧縮中及び電池サイクル(充放電)中に、電極スタックアセンブリに十分な構造的支持を与えることができる限りにおいて、電流密度分布の分散を低減させるのに役立つことができる。特に、電極スペーサ構成は、レドックスフロー電池システムがアセンブリされるときに圧縮から座屈しないように、十分に剛性を維持することができる。一例では、主リブは、レドックスフロー電池セルの膜の負側に配置され得、膜の正側の櫛形フロープレートの1つ置きのリブ(例えば、交互に)と対向する。
10の異なる負極構成(Rev.A−K)に対する電流密度分布もまた、図14の箱ひげ図1400にプロットされている。箱ひげ図1400は、電流密度分布を四分位値としてプロットしている。シェーディングされたボックスは、最大の第1の四分位値と最小の第3の四分位値によって囲まれたボックス(シェーディングされたボックス)内の電流密度分布の中央値(破線で示される)を示す。ボックスの境界の外にあるひげは、四分位分布の上端点及び下端点を表す。ひげの外側の外れ値は、シェーディングされていない長方形として表される。Rev.G、I、J、Kは、小さなボックスといくつかの外れ値を有する短いひげで表され、より狭い(より小さい分散)の電流密度分布を示している。Rev.Iの電流密度分布は、より狭く、外れ値がより少ない(それほど極端ではない)ため、好ましい。
次に図15を参照すると、様々な電極構成:Rev.C、G、及びJ、Tiメッシュの電極構成、ならびに市販の電極、に対する電池検証試験を示すプロット1500が示されている。Tiメッシュは、最初は低い充電電圧を有するが、充電約6時間で短絡挙動が示され、ここで、充電電流が時間と共に増加するにつれてセル電圧が減少し始め、それによってRev.C、G、及びJと比較してより悪い性能を示す。
次に図24Aを参照すると、レドックスフロー電池用の負極スペーサアセンブリ2400の代替表現の分解平面図が示されている。負極スペーサアセンブリ2400は、負極スペーサアセンブリ2400が、膜と負のフローフィールドプレートとの間に挟まれて挿入されるように、レドックスフロー電池スタックアセンブリ内に配置されてもよい。負極スペーサアセンブリ2400は、負極スペーサ2420を膜2410の負側(矢印2414で示す)に取り付けることにより、膜2410と一体化された負極スペーサ2420を含む。負極スペーサ2420を膜2410と一体化することは、整列させるべき別個の構成成分(例えば、レイヤー)の数を減少させ、負極スペーサ2420の活性領域と膜2410との整列を維持することによって、レドックスフローセルスタックのアセンブリを容易にする助けとなり得る。負極スペーサ2420の活性領域は、主リブ2426及び支持リブ2428によって画定される負極スペーサ2420の領域を指すことができ、負極電解液が膜と負のフローフィールドプレートとの間で接触して流れ、電解液種が酸化還元反応に関与する領域である。負極スペーサは、電解液と接触しても酸化還元反応が起こらない、活性領域を囲む不活性周辺領域2422をさらに含んでもよい。膜2410は、膜2410のエッジ領域2416を負極スペーサ2420の不活性周辺領域2422に取り付けることによって、負極スペーサ2420に取り付けることができる。エッジ領域2416の寸法は、膜2410の活性領域の寸法よりもわずかに大きくすることができる(又は不活性領域2422の内側外周より僅かに大きい)。さらに、エッジ領域2416を不活性周辺領域2422に取り付けることは、負極スペーサ2420の活性領域の外側に膜2410のエッジ領域2416を位置合わせすることを含み得る。このようにして、膜2410が負極スペーサ2420と一体化されるとき、膜は、負極スペーサ2420の活性領域全体を覆う。一例において、膜2410のエッジ領域2416は、負極スペーサ2420に熱融着され得る。
次に図24Bを参照すると、負極スペーサ2420の平面図が示されている。負極スペーサ2420は、不活性周辺領域2422に配置された複数の入口開口部及び出口開口部2402を含むことができる。電解液流体は、負極スペーサを含む電極スタックアセンブリの層に一体化された様々なチャネル又は流路を介して、入口から負のフローフィールドへ、また、負のフローフィールドから出口へと、運ばれ得る。活性領域の寸法は、活性領域の長さ及び活性領域の幅によって示される。主リブ2426が負極スペーサ(y軸)の長さに平行に方向付けられている場合、主リブの長さは活性領域の長さに相当する。支持リブ2428が負極スペーサ(x軸)の幅に平行に方向付けられている場合、支持リブの長さは活性領域幅に相当する。
次に図24Cを参照すると、B−B断面における負極セパレータ2420の断面図が示されている。図24Aを参照して上述したように、エッジ領域2416は、不活性周辺領域2422の内側外周において負極セパレータ2420に取り付けられてもよい。負極セパレータ2422の厚さは、主リブの厚さ(端部主リブ2425を含む)と同等であってもよい。主リブは、支持リブ(x−y平面)に対して主リブの抜き勾配で、膜(y方向)から遠位に、支持リブから延在してもよい。製造能力により、主リブ抜き勾配は、90°±10°又は±3°以内の鋭角とすることができる。主リブ抜き勾配が90°に近い場合、主リブ抜き勾配が90°よりもはるかに小さい場合に比べて、めっき表面における電流密度分布の分散が小さくなる。負極構成の活性領域内では、中心厚さは、主リブ厚さに加えて膜厚2412を含む。不活性周辺領域2422は、非導電性剛性材料で構成することができる。主リブ2426及び支持リブ2428の各々は、不活性周辺領域2422の内側外周縁に取り付けられてもよい。例えば、複数の主リブの長手方向端部及び複数の支持リブの幅方向端部は、不活性周辺領域2422の剛性フレーム構造に取り付けられてもよい。このようにして、不活性周辺領域2422は、主リブ2426及び支持リブ2428並びに膜2410に構造的一体性を提供することができ、それによって平面性を維持し、また、主リブ2426及び支持リブ2428並びに膜2410の相対的な位置を維持するのを助ける。いくつかの例では、主リブ2426及び支持リブ2428を不活性周辺領域2422に取り付けることによって得られる付加的な構造的支持は、1つ又は複数の主リブ2426及び支持リブ2428の厚さを減少させることを可能にすることによって、又は、1つ又は複数の主リブ2426及び支持リブ2428のピッチを増加させることによって、レドックスフロー電池システムの性能を向上させることを助けることができる。上述のように、主リブ2426及び支持リブ2428の厚さを減少させることは、めっき表面における電流密度勾配を減少させるのに役立ち得、抵抗損失を低下させる可能性がある電極スタックアッセンブリの厚さを減少させることができる。
次に図25Aを参照すると、負極スペーサ2500を含む電極構成の別の代替表現の上面図が示されている。負極スペーサ2500は、膜と負のフローフィールドプレートとの間のレドックスフロー電池スタックアセンブリ内に配置されてもよい。負極スペーサ2500は、活性領域の長さに対してより平行に方向付けられた複数の主リブ2526と、活性領域の幅に対してより平行に方向付けられた複数の支持リブ2528とを有する活性領域を含む。負極スペーサ2500の活性領域は、主リブ2526及び支持リブ2528によって画定された負極スペーサ2500の領域を指すことができ、ここで、負極電解液は、レドックスフロー電池スタックアセンブリにおける膜と負のフローフィールドプレートとの間で接触及び流動し、電解液種は、酸化還元反応に関与する。負極スペーサ2500は、電解液と接触しても酸化還元反応が起こらない、活性領域を囲む不活性周辺領域2522をさらに含んでもよい。負極スペーサ2500は、不活性周辺領域2522内に配置された複数の入口開口部及び出口開口部2502を含むことができる。電解液流体は、負極スペーサを含む電極スタックアセンブリの層に一体化された様々なチャネル2524又は流路を介して、入口から負のフローフィールドへ、また、負のフローフィールドから出口へと、運ばれ得る。主リブ2526が負極スペーサの長さ(y軸)に平行に方向付けられている場合、主リブの長さは活性領域の長さに相当する。支持リブ2528が負極スペーサの幅(x軸)に平行に方向付けられている場合、支持リブの長さは活性領域の幅に相当する。
次に、図25Bを参照して、負極セパレータ2500のA−A断面図を示す。負極セパレータ2500の中心厚さは、主リブ厚さと同等であってもよい。主リブ2526は、支持リブ(x−y平面)に対して主リブの抜き勾配で、レドックススタックアセンブリ内の膜(y方向)から遠位に、支持リブ2528から延在してもよい。製造能力により、主リブ抜き勾配は、90°±10°又は±3°以内の鋭角とすることができる。主リブ抜き勾配が90°に近い場合、主リブ抜き勾配が90°よりもはるかに小さい場合に比べて、めっき表面における電流密度分布の分散が小さくなる。不活性周辺領域2522は、非導電性剛性材料で構成することができ、負極スペーサ2500の周囲を額縁のように包み込んで延在する境界領域2550を含む。境界領域2550は外側波形フレームを含むことができ、当該波形は波形フレームの上面及び底面に長手方向チャネル2552を含む。波形及びチャネル2552は、構造的剛性を維持しつつ、負極スペーサ2500の重量及び材料コストを低減することができる。波形フレーム2550は、負極スペーサの活性領域よりも外側に配置することができる。境界領域は、負極スペーサ2500の周囲から内部に延在するリップ2554をさらに含むことができる。主リブ2526及び支持リブ2528の各々は、リップに取り付けられてもよい。例えば、複数の主リブの長手方向端部及び複数の支持リブの幅方向端部は、不活性周辺領域2422のリップ2554(例えば、剛性フレームのリップ構造)に取り付けられていてもよい。リップ2554の厚さは、活性領域の中心厚さに対応していてもよい。このようにして、負のフローフィールドプレート2560は、負のフローフィールドプレート2560の外端がリップ2554の下に取り付けられ得る額縁に取り付けられてもよい。額縁に取り付けられる場合、負のフローフィールドプレートの膜に面する表面は、主リブ2526の膜−先端部に単に接触してもよく、したがって、レドックスフロー電池スタックのアセンブリ中に負のフローフィールドプレート2560が膜に向かって圧縮されると、主リブ2526は負極電解液フローフィールドの厚さ寸法を支持し維持する。このようにして、不活性周辺領域2522及び境界領域2550は、主リブ2526及び支持リブ2528並びに負のフローフィールドプレート2560に構造的一体性を提供することができ、それにより、平面性の維持、並びに、主リブ2526、支持リブ2528及び負のフローフィールドプレート2560の相対的な位置合わせに役立つ。いくつかの例では、主リブ2526及び支持リブ2528を不活性周辺領域2522及び境界領域2550に取り付けることによって得られる付加的な構造的支持は、1つ又は複数の主リブ2526及び支持リブ2528の厚さを減少させることを可能にすることによって、又は、1つ又は複数の主リブ2526及び支持リブ2528のピッチを増加させることを可能にすることによって、レドックスフロー電池システムの性能を向上させるのに役立ち得る。上述のように、主リブ2526及び支持リブ2528の厚さを減少させることは、めっき表面における電流密度勾配を減少させるのに役立ち得、また、より低い抵抗損失が可能な電極スタックアセンブリの厚さを減少させることができる。
次に図19を参照すると、レドックスフロー電池をアセンブリする方法1900のフローチャートが示されている。方法1900は、複数の支持リブに横方向に連結された複数の主リブの形成によりめっき電極スペーサを形成することができるステップ1910から始まる。めっき電極スペーサの形成は、主リブ及び/又は支持リブの射出成形、又は、ロールツーロール加工による主リブ及び/又は支持リブの形成を含むことができる。主リブ及び/又は支持リブを形成するための他の製造方法は、熱成形、選択的レーザー焼結(SLS)、ダイカット、押出、機械加工、若しくは他のポリマー製造プロセスを含む。上述したように、複数の主リブは、めっき電極の長さに対してより平行に方向付けられていてもよく、複数の支持リブは、めっき電極の長さに対してより横方向に(例えば、めっき電極の幅に、より平行に)方向付けられていてもよい。めっき電極構成は、めっき電極スペーサ及びめっきフローフィールドプレートを含むことができる。主リブの各々は、支持リブの各々にそれらの間の接合部において連結することができ、規則的な等間隔の均一なサイズの開口の配列を形成する。主リブのピッチは、0.5mmからめっき電極の幅の範囲とすることができる。主リブのピッチがめっき電極の幅を含む場合、主リブの数は2つであり、各主リブは最端の主リブを構成する。支持リブのピッチは、0.25からめっき電極の長さの範囲とすることができる。支持リブのピッチがめっき電極の長さを含む場合、支持リブの数は2つであり、各支持リブは最端の支持リブを構成する。
図16及び図17A〜Eを参照して上述したように、めっき電極スペーサの主リブ及び支持リブは、表2に示す値の範囲に応じた特徴を有するように形成することができる。主リブ及び支持リブの特徴の値は、上述したように、所望の構造剛性、電流密度分布の分散、めっき電極スペーサ開口密度、電極めっき処理能力、及び他の電極特性を提供するように選択することができる。さらなる例として、主リブ形状は、液体及び/又は気体を含むことができる電解液流体の所望の流動特性(例えば、めっきフローフィールドにおける流体の停滞の低減)を提供するように構成することができる。このように主リブ及び支持リブを形成することにより、めっき電極の耐久性及び耐用寿命を維持しつつ、レドックスフロー電池システムの性能を向上させることができる。例えば、主リブ及び支持リブの特徴は、それに加えられる接触圧力に耐えるように選択することができる。各主リブ又は支持リブの接触圧力は、活性面積に加えられた荷重(ニュートン、N)を、主リブ及び支持リブの接触面積(mm)で割ることによって定義することができる。換言すると、各主リブ及び支持リブは、レドックスフロー電池セルの正常な機能を支持し、流体圧力変動による主リブ及び支持リブの撓みのリスクを低減するのに十分な構造的剛性を提供することができる。一例では、主リブ及び支持リブの特徴は、1.5MPa又は0.1〜10MPaの接触圧力に耐えるように選択することができる。特に、支持幅の厚さは、電池の取り扱い、アセンブリ、及び設置の間に主リブを支持し、めっき電解液のフローフィールドを通る電解液の所望の流量に対応し、負極の所望のめっき処理能力に対応するように選択することができる。主リブの厚さを増加させると、めっき電解液の所望の流量に対応するための体積が増加し得る;しかしながら、主リブの厚さを増加させると電池セルの抵抗も大きくなり得、電池の充放電性能が低下する可能性がある。主リブの厚さを減少させると、めっき電解液の所望の流量に対応するための容積を減少させる可能性がある;しかしながら、主リブの厚さを減少させると電池セルの抵抗も小さくなり、電池の充放電性能を向上させることが可能である。
次に、方法1900は、めっき電極スペーサが非導電性材料から形成され得る1920に続く。非導電性材料の非限定的な例としては、例えば、耐衝撃性ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂;ポリエステル、ビニルエステル、エポキシなどの熱硬化性樹脂;FR4グラスファイバー及びG10グラスファイバー、又は繊維強化シートなどの繊維強化プラスチック;及び、エチレン−プロピレンジエン単量体ゴム、サントプレーン(Santoprene)、シリコーン、スチレン−ブタジエンゴム、ブナ−N(buna-N)、熱可塑性オレフィンゴムなどのゴム、などを含む。また、めっき電極は、導電性塗料や被覆を施さずに非導電性材料で形成してもよい。さらに、めっき電極の材料は、製品寿命にわたって(例えば、25年超)、1.5MPa、又は0.1MPa〜10MPa程度の高さまでの接触圧力下で実質的に変形しないように十分な構造剛性を維持するように選択することができる。めっき電極スペーサの非導電性材料からの形成には、めっき電極スペーサを導電性被覆で被覆することなくめっき電極スペーサを形成することを含む。
方法1900はステップ1930へと続き、めっき電極(負極)スペーサが膜と、膜のめっき(負)側のめっき(負の)フローフィールドプレートとの間に挿入される。このように、めっき(負の)電解液流路は、図20Aに示すように、膜とめっきフローフィールドプレートとの間に挟まれており、めっき電極スペーサによって支持されている。負のフローフィールドプレートが平坦な負のフローフィールドプレートを含む場合、負のフローフィールドプレートの膜に面する側は、突出部若しくは開口、又は他の不連続部を有さない、連続した平らな表面であってもよい。さらに、平坦なめっきフローフィールドプレートはIDFFチャネルを備えずに、めっき電解液フローフィールドを形成する。別の態様では、めっきフローフィールドプレート及び膜は、主リブによって離間され、その間に非櫛形めっき電解液フローフィールドを挟む。いくつかの表現では、膜のめっき側の膜とめっきフローフィールドプレートとの間にめっき電極スペーサを配置することは、図24A〜図24Fを参照して上述したように、めっきフローフィールドプレートに対向して、膜をめっき電極スペーサに取り付けることを含み得る。他の表現では、めっき電極スペーサの主リブ及び支持リブを、額縁構造に取り付けることができる。さらに、負のフローフィールドプレートは、主リブ及び支持リブの膜に面する側とは反対側で額縁構造に取り付けられてもよい。方法1900は、レドックス電極(正極)が膜のレドックス(正)側の膜とレドックス(正の)フローフィールドプレートとの間に挿入される1940へと続く。これにより、レドックス(正の)電解液フローフィールドは、図20Aに示されるように、レドックス電極とレドックスフローフィールドプレートとの間に挟まれる。
1950では、めっき電極スペーサの主リブは、電極スタックアセンブリにおいて、膜を挟んだ向かいのレドックスフローフィールドプレートのリブに対して整列され、図20Bに示されるように、レドックスフローフィールドプレートのリブに対してより平行に方向付けられる。レドックス電極構成が櫛形フローフィールドプレートを含む場合、主リブは、膜を挟んだ向かいのIDFFプレートのリブに対してより平行に方向付けられる。このように、レドックスフロー電池のアセンブリ及び作動中に、めっき電極スペーサの主リブは、膜を挟んだ向かいのレドックスフローフィールドプレートのリブによって対向して支持される。よって、めっきフローフィールドプレート及びレドックスフローフィールドプレートが膜に向かって圧縮されると、めっき電解液フローフィールドの形状及び流れが維持される。方法1900は、めっき電解液からめっきフローフィールドプレートまで金属がめっきされる1960へと続く。特に、めっき電極のめっきは、めっき電解液中の還元金属イオンからめっきフローフィールドプレートの表面に金属を電気化学的に析出させることを含むことができる。1960の後、方法1900は終了する。
このように、レドックスフロー電池は、膜の第1の側に配置された第1の電極と第1の側とは反対側の膜の第2の側に配置された第2の電極の間に挿入された膜と、複数の正のフローフィールドリブを含む第1のフローフィールドプレートと、を含み得、複数の正のフローフィールドリブの各々は、第1の側の第1の支持領域で第1の電極と接触し、第2の電極は、膜と第2のフローフィールドプレートとの間に配置された電極スペーサを含み、電極スペーサは複数の主リブを含み、複数の主リブの各々は、第2の側の第2の支持領域において第2のフローフィールドプレートに接触し、第2の支持領域の各々は、複数の第1の支持領域の1つに対向して整列する。一例では、第2の電極は、第2の側に配置された第2のフローフィールドプレートを含み得、第2の側と第2のフローフィールドプレートとの間に非櫛形フローフィールドを形成する。他の例では、第2のフローフィールドプレートは、突出部を有さない連続した平らな表面を含み得、連続した平らな表面は、電極スペーサに面し、第2の支持領域で複数の主リブの各々に接触する。さらに、電極スペーサは、複数の支持リブを含み得、支持リブの各々は、主リブの各々に対して横方向に方向付けられ得、1つ又は複数の主リブと不織布状に接触する。複数の主リブは、複数の支持リブから突出可能であり、第2の側から離れて延在し、また、複数の主リブの数は、複数の支持リブの数よりも多くし得る。さらなる例では、電極スペーサは、複数の主リブ及び複数の支持リブを囲む剛性フレームを含み得、複数の主リブの長手方向端部及び複数の支持リブの幅方向端部は、剛性フレームに取り付けることができる。さらに、第2のフローフィールドプレートは、剛性フレームに取り付けられ得、剛性フレームに取り付けられた第2のフローフィールドプレートは、連続した平らな表面が第2の支持領域で複数の主リブに接触し得る。
別の実施形態では、レドックスフロー電池のアセンブリ方法は、膜のめっき側において、膜とめっきフローフィールドプレートとの間にめっき電解液フローフィールド及びめっき電極スペーサを挟み、めっき電極スペーサは複数の主リブを含むことを含み得る。さらに、方法は、膜のレドックス側において、レドックス電極とレドックスフローフィールドプレートの間にレドックス電解液フローフィールドを挟み、レドックス電極は複数の正のフローフィールドリブを含むことを含み得る。さらに、方法は、複数の主リブの各々を複数の正のフローフィールドリブに整列させ、めっきフローフィールドプレート及びレドックスフローフィールドプレートを膜に向かって圧縮すると、めっき電解液フローフィールドの寸法を実質的に変化させることなく、主リブが膜を挟んだ向かいの正のフローフィールドリブによって対向して支持されることを含むことを含み得る。一例では、方法は、複数の主リブの形成と、複数の主リブに不織状態で横方向に連結された複数の支持リブの形成と、を含み得る。さらに、複数の主リブの形成と、複数の支持リブの形成とは、導電性被覆を施さない非導電性材料から複数の主リブ及び複数の支持リブを形成することを含むことができる。別の例では、方法は、めっき電極スペーサに金属をめっきすることなく、レドックスフローセル電池の充電中に、めっき電解液からめっきフローフィールドプレートに金属をめっきすることを含み得る。さらなる例では、めっき電極スペーサを膜に取り付けることによって、めっき電極スペーサを膜と一体化することを含み得る。さらに、めっき電極スペーサを膜と一体化することは、膜をめっき電極スペーサに熱融着することを含むことができる。
別の実施形態では、レドックスフロー電池は、膜の負側と負のフローフィールドプレートとの間に挿入された負極スペーサと、膜の正側と正のフローフィールドプレートとの間に挿入された正極と、を含み得る。さらに、負極スペーサは、複数の主リブを含み得、正極は、膜を挟んだ向かいの複数の主リブに対向して整列した複数の正のフローフィールドリブを含み得、負のフローフィールドプレートは、膜に面する連続した平らなめっき表面と、めっき表面と膜との間に挟まれた非櫛形負極電解液フローフィールドと、を含み得る。一例では、負極スペーサは、複数の支持リブと、複数の主リブを複数の支持リブに横方向に不織布状に接合して形成された均一なサイズの開口の列と、を含み得る。別の例では、主リブは、主リブの長手方向に一定の断面を有する中実のモノリシック構造を含み得る。さらに、主リブが、負のフローフィールドプレートの平面に垂直な軸に沿った一定の断面を有する中実のモノリシック構造を含み得る。さらに、支持リブのピッチは、主リブのピッチよりも小さくし得、また、複数の主リブは、負極の幅により平行に方向付けられ得、複数の支持リブは、負極の長さにより平行に方向付けられる。
このようにして、より大きな電極ギャップを含む新規なレドックスフロー電池システムを提供することができ、それによって、より高いめっき電流密度及び電池充電容量を得ることができ、より高い電解液の流れ及び気泡発生率に対応することができる。さらに、電流密度分布の分散、オーム損失、電池短絡、及び製造コスト、及び作動コストを低減することができる。電極スペーサが枠の外周領域に強固に取り付けられている場合、電極スペーサは高められた構造的一体性が付与され、それによって、電極スペーサの主リブ及び支持リブ、並びに膜2410の、平面性及び相対的な位置合わせを維持するのを助けることができる。いくつかの例では、主リブ及び支持リブを不活性周辺領域に取り付けることによって得られる付加的な構造的支持は、めっき処理能力の増加、めっき表面における電流密度分布の分散の低減、及びレドックスフロー電池システムの抵抗損失の低減を助けることができる。
本明細書に開示される構成及びルーチンは、本質的に例示的なものであり、これらの特定の実施形態は、多くの変形が可能であるため、限定的な意味では考慮されないことも理解されるであろう。例えば、上記技術を他のフロー電池に適用してもよい。本開示の構成要件は、本明細書に開示されている様々なシステム及び構成、並びに他の特徴、機能、及び/又は特性の全ての新規及び非自明な組合せ及びサブコンビネーションを含む。
以下の特許請求の範囲は、新規かつ非自明とみなされる特定の組み合わせ及びサブコンビネーションを特に挙げている。これらの請求項は、「1つの(an)」要素又は「第1の(a first)」要素又はそれらの同等物を意味してもよい。そのようなクレームは、1つ又は複数のそのような要素の組み込みを含むと理解されるべきであり、2つ以上のそのような要素を必要とすることも除外することもないと理解されるべきである。開示された特徴、機能、要素、及び/又は特性の他の組み合わせ及びサブコンビネーションは、本請求項の補正を通じて、又は本出願又は関連出願における新しい請求項の提示を通じて請求されてもよい。
そのような請求項は、元の請求項よりも広い、狭い、等しい、又は異なる範囲であっても、本開示の構成要件内に含まれるものとみなされる。
以上で記載を終了する。当業者がこれを読むと、記載の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの変更及び修正が想起される。例えば、ハイブリッドレドックスフロー電池システム、全鉄ハイブリッドレドックスフロー電池システム、及び他のレドックスフロー電池システムは全て、本記載を利用することができる。

Claims (20)

  1. 膜の第1の側に配置された第1の電極と前記第1の側とは反対側の前記膜の第2の側に配置された第2の電極の間に挿入された膜と、
    複数の正のフローフィールドリブを含む第1のフローフィールドプレートと、を含み、前記複数の正のフローフィールドリブの各々は、前記第1の側の第1の支持領域で前記第1の電極と接触し、
    前記第2の電極は、前記膜と第2のフローフィールドプレートとの間に配置された電極スペーサを含み、前記電極スペーサは複数の主リブを含み、前記複数の主リブの各々は、前記第2の側の第2の支持領域において前記第2のフローフィールドプレートに接触し、前記第2の支持領域の各々は、前記複数の第1の支持領域の1つに対向して整列する、
    レドックスフロー電池。
  2. 前記第2の電極は、前記第2の側に配置された前記第2のフローフィールドプレートをさらに含み、前記第2の側と前記第2のフローフィールドプレートとの間に非櫛形フローフィールドを形成する、請求項1に記載のレドックスフロー電池。
  3. 前記第2のフローフィールドプレートは、突出部を有さない連続した平らな表面を含み、前記連続した平らな表面は、前記電極スペーサに面し、前記第2の支持領域で前記複数の主リブの各々に接触する、請求項2に記載のレドックスフロー電池。
  4. 前記電極スペーサは、複数の支持リブをさらに含み、
    前記支持リブの各々は、前記主リブの各々に対して横方向に方向付けられ、1つ又は複数の前記主リブと不織布状に接触する、請求項3に記載のレドックスフロー電池。
  5. 前記複数の主リブは、前記複数の支持リブから突出し、前記第2の側から離れて延在する、請求項4に記載のレドックスフロー電池。
  6. 前記複数の主リブの数は、前記複数の支持リブの数よりも多い、請求項5に記載のレドックスフロー電池。
  7. 前記電極スペーサは、前記複数の主リブ及び前記複数の支持リブを囲む剛性フレームをさらに含み、前記複数の主リブの長手方向端部及び前記複数の支持リブの幅方向端部は、前記剛性フレームに取り付けられている、請求項6に記載のレドックスフロー電池。
  8. 前記第2のフローフィールドプレートは、前記剛性フレームに取り付けられ、
    前記剛性フレームに取り付けられた前記第2のフローフィールドプレートは、前記連続した平らな表面が前記第2の支持領域で前記複数の主リブに接触する、請求項7に記載のレドックスフロー電池。
  9. 膜のめっき側において、前記膜とめっきフローフィールドプレートとの間にめっき電解液フローフィールド及びめっき電極スペーサを挟み、前記めっき電極スペーサは複数の主リブを含み、
    前記膜のレドックス側において、レドックス電極とレドックスフローフィールドプレートの間にレドックス電解液フローフィールドを挟み、前記レドックス電極は複数の正のフローフィールドリブを含み、及び、
    前記複数の主リブの各々を前記複数の正のフローフィールドリブに整列させ、前記めっきフローフィールドプレート及び前記レドックスフローフィールドプレートを前記膜に向かって圧縮すると、前記めっき電解液フローフィールドの寸法を実質的に変化させることなく、前記主リブが前記膜を挟んだ向かいの前記正のフローフィールドリブによって対向して支持されることを含む、
    レドックスフロー電池のアセンブリ方法。
  10. 前記複数の主リブの形成と、前記複数の主リブに不織状態で横方向に連結された複数の支持リブの形成と、をさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記複数の主リブの形成と、前記複数の支持リブの形成とは、導電性被覆を施さない非導電性材料から前記複数の主リブ及び前記複数の支持リブを形成することを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記めっき電極スペーサに金属をめっきすることなく、レドックスフローセル電池の充電中に、めっき電解液から前記めっきフローフィールドプレートに金属をめっきすることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記めっき電極スペーサを前記膜に取り付けることによって、前記めっき電極スペーサを前記膜と一体化することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記めっき電極スペーサを前記膜と一体化することは、前記膜を前記めっき電極スペーサに熱融着することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 膜の負側と負のフローフィールドプレートとの間に挿入された負極スペーサと、
    膜の正側と正のフローフィールドプレートとの間に挿入された正極と、を含み、
    前記負極スペーサは、複数の主リブを含み、
    前記正極は、前記膜を挟んだ向かいの複数の主リブに対向して整列した複数の正のフローフィールドリブを含み、及び、
    前記負のフローフィールドプレートは、前記膜に面する連続した平らなめっき表面と、前記めっき表面と前記膜との間に挟まれた非櫛形負極電解液フローフィールドと、を含む、
    レドックスフロー電池。
  16. 前記負極スペーサは、複数の支持リブと、
    前記複数の主リブを前記複数の支持リブに横方向に不織布状に接合して形成された均一なサイズの開口の列と、を含む、請求項15に記載のレドックスフロー電池。
  17. 前記主リブは、前記主リブの長手方向に一定の断面を有する中実のモノリシック構造を含む、請求項16に記載のレドックスフロー電池。
  18. 前記主リブが、前記負のフローフィールドプレートの平面に垂直な軸に沿った一定の断面を有する中実のモノリシック構造を含む、請求項17に記載のレドックスフロー電池。
  19. 前記支持リブのピッチは、前記主リブのピッチよりも小さい、請求項18に記載のレドックスフロー電池。
  20. 前記複数の主リブは、負極の幅により平行に方向付けられ、前記複数の支持リブは、前記負極の長さにより平行に方向付けられる、請求項19に記載のレドックスフロー電池。
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