以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、実施の形態に係る画像形成装置の概略図である。図1を参照して、実施の形態に係る画像形成装置100について説明する。
図1には、カラープリンタとしての画像形成装置100が示されている。以下では、カラープリンタとしての画像形成装置100について説明するが、画像形成装置100は、カラープリンタに限定されない。たとえば、画像形成装置100は、モノクロプリンタであってもよいし、ファックスであってもよいし、モノクロプリンタ、カラープリンタおよびファックスの複合機(MFP:Multi−Functional Peripheral)であってもよい。
画像形成装置100は、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、定着装置50と、複数のカセット55と、記録媒体供給装置としての給紙装置60と、筐体80と、制御部101とを備える。
筐体80は、画像形成装置100の外殻を規定する。筐体80は、画像形成部側の第1筐体部81と、給紙装置60側の第2筐体部82とを含む。
第1筐体部81の内部には、内部に、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、定着装置50と、複数のカセット55と、制御部101とを収容する。
第2筐体部82の内部には、後述する複数のカセット(第1カセット61、第2カセット62)と、複数の供給ユニット(第1供給ユニット71、第2供給ユニット72)と、搬送ユニット73とを収容する。
画像形成部は、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40とによって構成される。この画像形成部は、後述する搬送経路41に沿って搬送される記録媒体としての用紙S上にトナー像を形成する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト30に沿って順に並べられている。画像形成ユニット1Yは、トナーボトル15Yからトナーの供給を受けてイエロー(Y)のトナー像Tを形成する。画像形成ユニット1Mは、トナーボトル15Mからトナーの供給を受けてマゼンタ(M)のトナー像Tを形成する。画像形成ユニット1Cは、トナーボトル15Cからトナーの供給を受けてシアン(C)のトナー像Tを形成する。画像形成ユニット1Kは、トナーボトル15Kからトナーの供給を受けてブラック(BK)のトナー像Tを形成する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、中間転写ベルト30に沿って中間転写ベルト30の回転方向の順に配置されている。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、感光体10と、帯電装置11と、露光装置12と、現像装置13と、クリーニング装置17とを備える。
帯電装置11は、感光体10の表面を一様に帯電する。露光装置12は、制御部101からの制御信号に応じて感光体10にレーザー光を照射し、入力された画像パターンに従って感光体10の表面を露光する。これにより、入力画像に応じた静電潜像が感光体10上に形成される。
現像装置13は、現像ローラー14を回転させながら、現像ローラー14に現像バイアスを印加し、現像ローラー14の表面にトナーを付着させる。これにより、トナーが現像ローラー14から感光体10に転写され、静電潜像に応じたトナー像Tが感光体10の表面に現像される。
感光体10と中間転写ベルト30とは、一次転写ローラー31を設けている部分で互いに接触している。一次転写ローラー31は、ローラー形状を有し、回転可能に構成される。トナー像Tと反対極性の転写電圧が一次転写ローラー31に印加されることによって、トナー像Tが感光体10から中間転写ベルト30に転写される。イエロー(Y)のトナー像T、マゼンタ(M)のトナー像T、シアン(C)のトナー像T、およびブラック(BK)のトナー像Tが順に重ねられて感光体10から中間転写ベルト30に転写される。これにより、カラーのトナー像Tが中間転写ベルト30上に形成される。
中間転写ベルト30は、従動ローラー38および駆動ローラー39に張架されている。駆動ローラー39は、たとえばモーター(図示しない)によって回転駆動される。中間転写ベルト30および従動ローラー38は、駆動ローラー39に連動して回転する。これにより、中間転写ベルト30上のトナー像Tが二次転写ローラー33に搬送される。
クリーニング装置17は、感光体10に圧接されている。クリーニング装置17は、トナー像Tの転写後に感光体10の表面に残留するトナーを回収する。
第1筐体部81側の複数のカセット55には、たとえばB4以上の比較的大きなサイズの用紙Sがセットされる。第2筐体部82側の複数のカセットには、たとえばA4以下のサイズの用紙Sがセットされる。
用紙Sは、使用者が決定する所望のサイズに応じて、いずれかのカセットから1枚ずつタイミングローラー40によって搬送経路41に沿って二次転写ローラー33に送られる。
二次転写ローラー33は、ローラー形状を有し、回転可能に構成される。二次転写ローラー33は、トナー像Tと反対極性の転写電圧を搬送中の用紙Sに印加する。これにより、トナー像Tは、中間転写ベルト30から二次転写ローラー33に引き付けられ、中間転写ベルト30上のトナー像Tが用紙Sに転写される。このように一次転写ローラー31、中間転写ベルト30,および二次転写ローラー33は、トナー像Tを感光体10から用紙Sに転写する転写部に相当する。
二次転写ローラー33への用紙Sの搬送タイミングは、中間転写ベルト30上のトナー像Tの位置に合わせてタイミングローラー40によって調整される。タイミングローラー40により、中間転写ベルト30上のトナー像Tは、用紙Sの適切な位置に転写される。
定着装置50は、自身を通過する用紙Sを加圧および加熱する。これにより、トナー像Tは用紙Sに定着する。このように、定着装置50は、搬送経路41に沿って搬送される用紙S上のトナー像を定着させる。トナー像Tが定着された用紙Sは、トレイ48に排紙される。
なお、上述では、印刷方式としてタンデム方式を採用している画像形成装置100について説明したが、画像形成装置100の印刷方式は、タンデム方式に限定されない。画像形成装置100内における各構成の配置は、採用される印刷方式に従って適宜変更され得る。画像形成装置100の印刷方式として、ロータリー方式や直接転写方式が採用されてもよい。ロータリー方式の場合、画像形成装置100は、1つの感光体10と、同軸上で回転可能に構成される複数の現像装置13で構成される。画像形成装置100は、印刷時には、各現像装置13を感光体10に順に導き、各色のトナー像Tを現像する。直接転写方式の場合、画像形成装置100は、感光体10上に形成されたトナー像Tが用紙Sに直接転写される。
図2は、実施の形態に係る給紙装置の概略図である。図2を参照して、給紙装置60について説明する。
図2に示すように、給紙装置60は、第1カセット61、第2カセット62、筐体としての第2筐体部82、第1供給ユニット71、第2供給ユニット72、搬送ユニット73、および圧接離間機構120を備える。
第1カセット61および第2カセット62は、横方向(DR2方向)に並んで配置される。横方向は、上下方向(DR1方向)に交差する給紙装置60の幅方向に相当する。当該幅方向は、上下方向に直交する。
第1カセット61および第2カセット62は、同じ引出方向に引出可能に設けられている。具体的には、上下方向および横方向に直交する引出方向(紙面垂直方向)の手前側に引出可能に設けられている。
第1カセット61は、横方向における両側に設けられた引出機構91、92によって引出可能となっている。第2カセット62は、横方向における両側に設けられた引出機構93、94によって引出可能となっている。第2カセット62の上方には、後述するように搬送ユニット73が配置されるため、第2カセット62の高さは、第1カセット61の高さよりも低くなっている。
引出機構91〜94のそれぞれは、固定側レールと、可動側レールとを含む。固定側レールは、後述する第2筐体部82の底部82aから上方に向けて起立するように設けられた壁部95、96、および後述する仕切部97に固定されている。可動側レールは、第1カセット61の横方向の両側面、第2カセット62の横方向の両側面にそれぞれ固定されている。
第2筐体部82は、第1カセット61および第2カセット62を引出可能に収容する。第2筐体部82は、前方に向けて開口する形状を有しており、前面側に設けられた開口部から第1カセット61および第2カセット62が引き出される。
第2筐体部82は、底部82a、一対の側面部82b、82c、後壁部82d(図6参照)、天板部82eおよび仕切部97を含む。底部82aは、第1カセット61および第2カセット62が収容された状態において、第1カセット61および第2カセット62の底面に対向する。
一対の側壁部81b、81cは、横方向における底部82aの両端に設けられている。後壁部82dは、上記引出方向において第1カセット61および第2カセット62の後方に位置する。天板部82eは、後述するように、上記引出方向における第1供給ユニット71の前方側にて底部82aに対向するように設けられている。
仕切部97は、一対の側壁部81b、81cの間の略中央部に設けられている。仕切部97は、第1カセット61が配置される領域と第2カセット62が配置される領域とを仕切る。仕切部97は、底部82aから上方に向けて延在する。仕切部97は、第1カセット61が通過する搬送経路に到達しないように設けられている。仕切部97の上部側は、第2カセット62の上方に位置するように折れ曲がっている。
第1供給ユニット71は、第2筐体部82内に配置されている。第1供給ユニット71は、第1カセット61に干渉しないように配置されている。第1供給ユニット71は、搬送ユニット73に向けて用紙Sを供給する。
第1供給ユニット71は、ピックアップローラー710、第1ローラーとしての給紙ローラー711、および第2ローラーとしての捌きローラー712を備える。
ピックアップローラー710、給紙ローラー711、および捌きローラー712は、引出方向に平行な回転軸まわりに回転可能に設けられている。ピックアップローラー710によってピックアップされた用紙Sは、給紙ローラー711および捌きローラー712に挟持されて搬送ユニット73に向けて搬送される。
捌きローラー712は、給紙ローラー711に圧接され、ピックアップローラー710から2枚以上の用紙が送り出された場合(重送された場合)に、1枚目の用紙から2枚目以降の用紙を分離して重送を阻止する。
給紙ローラー711および捌きローラー712は、互いに対向して配置されている。給紙ローラー711は、用紙Sの搬送経路の上方側に配置されている。捌きローラー712は、用紙Sの搬送経路の下方側に配置されている。
給紙ローラー711および捌きローラー712は、画像形成時においては、互いに圧接することにより、用紙Sが通過する第1ニップN1を形成する。給紙ローラー711および捌きローラー712は、互いに圧接することにより、用紙Sを挟持して搬送する。
給紙ローラー711および捌きローラー712は、圧接離間機構120によって、圧接状態および離間状態を切り替え可能に構成されている。なお、圧接離間機構120の詳細については、図7を参照して後述する。
第2供給ユニット72は、第2筐体部82内に配置されている。第2供給ユニット72は、第2カセット62に干渉しないように配置されている。第2供給ユニット72は、上述の画像形成部に向けて用紙Sを搬送する。
第2供給ユニット72は、ピックアップローラー710、給紙ローラー711、捌きローラー712、および駆動源M1を含む。これらピックアップローラー710、給紙ローラー711、および捌きローラー712は、第1供給ユニット71とほぼ同様に構成されているため、その説明については省略する。
搬送ユニット73は、第2カセット62の上方に配置されている。搬送ユニット73は、第1カセット61から送られる用紙Sを搬送する。搬送ユニット73は、上記横方向に略平行な方向に用紙Sを搬送する。搬送ユニット73は、上述の画像形成部に向けて用紙Sを搬送する。
搬送ユニット73は、第1カセット61および第2カセット62の引出方向と同じ方向に引出可能に設けられている。搬送ユニット73の上記横方向における両端側には引出機構が設けられている。
搬送ユニット73は、下部側ユニット731と上部側ユニット735とを備える。下部側ユニット731は、ベース部732と、複数の搬送ローラー733、734とを含む。ベース部732は、搬送方向に沿って延在するように設けられている。ベース部732は、用紙Sの搬送経路に対して下方側から対向する。ベース部732は、複数の搬送ローラー733、734を支持する。複数の搬送ローラー733、734は、上記引出方向に平行な軸回りに回転可能に設けられている。
上部側ユニット735は、下部側ユニット731に対して上下方向に所定の距離離れて配置されている。上部側ユニット735と下部側ユニット731との間の隙間に、用紙Sの搬送経路が形成される。上部側ユニット735は、用紙Sの搬送経路に干渉しない位置で下部側ユニット731に固定されている。
上部側ユニット735は、上流側支持部736A、下流側支持部736B、ガイド部材737、複数の搬送ローラー738A、738Bを含む。
上流側支持部736A、下流側支持部736B、およびガイド部材737は、引出方向に平行な方向に沿って延在する。
上流側支持部736Aと下流側支持部736Bとは、搬送方向に距離を持って配置されている。上流側支持部736Aと下流側支持部736Bとの間の隙間に、ガイド部材737が配置されている。ガイド部材737は、記録媒体の搬送方向に沿って延在し、記録媒体の移動をガイドする。ガイド部材737は、プレート状に設けられている。ガイド部材737は、ヒンジ機構739によって、開閉可能に構成されている。
上流側支持部736Aは、搬送ローラー738Aを支持する。下流側支持部736Bは、搬送ローラー738Bを支持する。複数の搬送ローラー738A、738Bは、下部側ユニット731に設けられた搬送ローラー733、734に対向して配置される。複数の搬送ローラー738A、738Bは、引出方向に平行な軸回りに回転可能に設けられている。
第1回転体として搬送ローラー738Aと、第2回転体として搬送ローラー733によって用紙Sが通過する第2ニップN2が形成される。また、搬送ローラー738Bと搬送ローラー734によって第3ニップN3が形成される。第2ニップN2および第3ニップN3は、同じ高さ位置に形成される。
一方、上述の給紙ローラー711および捌きローラー712によって形成される第1ニップN1は、第2ニップN2および第3ニップN3よりも高い位置に位置する。
図3は、図2に示す第1供給ユニット周辺の構成を拡大して示す図である。図4は、図2に示す第1供給ユニットの上部側と仕切部の上部側を示す斜視図である。図4においては、第1供給ユニットの下部側については省略している。図5は、図2に示す第1供給ユニットの下部側と仕切部の上部側を示す斜視図である。図3から図5を参照して、第1供給ユニット71の詳細について説明する。
図3から図5に示すように、第1供給ユニット71にあっては、ピックアップローラー710および給紙ローラー711と、捌きローラー712とを保持する構成が異なっている。
給紙装置60は、第1保持部750および第2保持部760を含む。第1保持部750は、ピックアップローラー710および給紙ローラー711を保持する。第1保持部750は、用紙Sの搬送経路の上方側に配置されている。
第1保持部750は、ピックアップローラー710および給紙ローラー711を覆うカバー部材751を含む。ピックアップローラー710および給紙ローラー711は、カバー部材751の内側に固定されている。具体的には、ピックアップローラー710および給紙ローラー711は、後述するインナーカバー753に固定されている。
第1保持部750は、少なくとも上部側が天板部82eよりも上方に突出するように配置されている。具体的には、カバー部材751の上面751aは、天板部82eよりも上方に位置するように、カバー部材751が配置されている。
給紙ローラー711は、横方向から見た場合に、天板部82eに重なる部分が含まれるように配置されている。
一般的に、第1供給ユニット71を引出可能とする構成においては、第1供給ユニット71を引き出す際に、第2筐体部の天板部に干渉することを防止するために、第1供給ユニット71およびこれを保持する保持部を天板部よりも低い位置に配置する。
実施の形態においては、第1供給ユニット71は、第2筐体部82に固定された状態にあり、引出す構成とはなっていない。このため、横方向から見た場合に、天板部82eに重なる部分が含まれるように、給紙ローラー711を配置し、さらに、第1保持部750の上部側を天板部82eよりも上方に突出するように第1保持部750を配置することにより、第1供給ユニット71の高さ位置を上方にシフトさせることができる。これにより、第1カセット61の高さも高くすることができ、第1カセットの容量を大きくすることができる。この結果、第1カセット61に収容できる用紙Sの数を増加させることができる。
カバー部材751は、アウターカバー752およびインナーカバー753を有する。アウターカバー752は、インナーカバー753を上方から覆うように設けられている。インナーカバー753は、アウターカバー752に固定されている。アウターカバー752は、ヒンジ機構754によって開閉可能に第2筐体部82に固定されている。
アウターカバー752は、ヒンジ機構754によって、上記引出方向に平行な第1回動軸C1回りに回動可能となる。アウターカバー752が回動することにより、カバー部材751が全体的に第1回動軸C1回りに回動することとなる。
カバー部材751は、搬送方向における一端側が、搬送経路に近づいた近接位置と当該一端側が搬送経路から退避した退避位置との間で回動可能に設けられている。具体的には、カバー部材751は、搬送方向上流側における端部が搬送経路に近づいた離間したりするように回動する。カバー部材751が近接位置にいる場合には、カバー部材751が閉じた閉状態となり、カバー部材751が退避位置にいる場合には、カバー部材751が開いた開状態となる。
上述においては、ピックアップローラー710および給紙ローラー711が第1保持部750を介して第2筐体部82に間接的に固定されている場合を例示したが、これに限定されない。ピックアップローラー710および給紙ローラー711は、第2筐体部82に直接軸支されてもよい。
第2保持部760は、捌きローラー712を保持する。第2保持部760は、各種の部材が互いに組み付けられることで構成されている。第2保持部760は、用紙Sの搬送経路に干渉しないように設けられており、当該搬送経路の下方側に配置されている。第2保持部760は、仕切部97に固定されている。
仕切部97の上部は、階段状に形成されている。仕切部97の上部は、第1段部97aと、第2段部97bと、接続部97cとを含む。
第1段部97a、第2段部97bおよび接続部97cは、第2カセット62に干渉しないように、第2カセット62の上端よりも上方に設けられている。第1段部97aおよび第2段部97bは、引出方向に平行な方向に沿って延在するプレート形状を有する。第2段部97bは、第1段部97aよりも高い位置に位置する。接続部97cは、上下方向に略平行となるように設けられている。
第2保持部760は、第1段部97aに固定されている。第2保持部760は、第2段部97bに上下方向に重ならないように、第2段部97bよりも第1カセット61側に設けられている。
図6は、図3に示すカバー部材の開状態を示す斜視図である。図6に示すように、カバー部材751が開いた状態においては、作業者は、ピックアップローラー710または給紙ローラー711を交換する際に、作業者がアクセスしやすくなる。このため、上記カバー部材751を開閉可能に構成することにより、利便性を向上させることができる。なお、用紙Sに画像形成する際においては、カバー部材751は閉状態となっている。
図7は、図2に示す圧接離間機構を示す斜視図である。図7を参照して、図2に示す離間機構120について説明する。
圧接離間機構120は、給紙ローラー711と捌きローラー712とが圧接(挟持)した状態と、給紙ローラー711と捌きローラー712とが離間した状態とを切り替える。圧接離間機構120は、第1カセット61の引き出しに連動して、捌きローラー712を給紙ローラー711から離間させる。圧接離間機構120は、第1カセット61の挿入動作に連動して、給紙ローラー711と捌きローラー712とを圧接させる。
図7に示すように、圧接離間機構120は、レバー部121、リンク部122、可動部123を含む。
レバー部121は、第1カセット61に動作に連動して移動するように構成されている。レバー部121は、リンク部122を押圧する第1押圧面121aと、後述するピックアップローラー支持部715を押圧する第2押圧面121bとを有する。
第1押圧面121aは、第1カセット61の引出方向前方側を向く平面である。第2押圧面121bは、引出方向に前方側に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜面である。
リンク部122は、レバー部121の動力を可動部123に伝達する。リンク部122は、引出方向に沿ってスライド移動可能に設けられている。リンク部122は、第1押圧面121aの前方に配置されている。リンク部122は、第1押圧面121aによって押圧可能に配置されている。
可動部123は、捌きローラー712を支持する捌きローラー支持部716に固定されている。捌きローラー支持部716は、上下方向に移動可能設けられている。可動部123は、リンク部122によって押圧されることにより下方に移動するように設けられている。可動部123は、リンク部122に押圧される被押圧面123aを有する。被押圧面123aは、リンク部122を向くように設けられている。被押圧面123aは、引出方向前方側へ向かうにつれて上方に傾斜する傾斜面である。
第1カセット61の引出動作に連動して、レバー部121が引出方向前方へ移動した場合には、第1押圧面121aは、リンク部122を押圧する。これにより、リンク部122が引出方向前方側へスライド移動し、リンク部122の先端122aが可動部123の被押圧面123aを押圧する。この際、可動部123が下方に移動し、これに伴って捌きローラー支持部716および捌きローラー712が下方に移動する。この結果、捌きローラー712が、給紙ローラー711から離間する。
このような圧接離間機構120を設けることにより、給紙ローラー711および捌きローラー712の間に用紙Sが挟まれて停止した状態で、第1カセット61を引出した場合であっても、捌きローラー712と給紙ローラー711とが圧接した状態を解除することができ、用紙Sを破損させることなく取り除くことができる。
また、第1カセット61の引出動作に連動して、レバー部121が引出方向前方へ移動した場合には、第2押圧面121bは、ピックアップローラー支持部715を上方に向けて押圧する。これにより、ピックアップローラー支持部715およびピックアップローラー710が上方に移動する。このことによっても、第1カセット61の引出時に、搬送経路からピックアップローラー710を離間させることができる。このため、ピックアップローラー710に用紙Sが引っ掛かってしまい、用紙Sが破損することを抑制することができる。
一方、第1カセット61を第2筐体部82に収容(挿入)する際には、上記と逆の動作が起こり、給紙ローラー711と捌きローラー712とが圧接する。具体的には、被押圧面123aがリンク部122の先端122aを引出方向後方へ押圧する。この際、リンク部122が引出方向後方へ移動するとともに、捌きローラー712が上方に移動する。この結果、給紙ローラー711と捌きローラー712とが圧接する。
また、リンク部122が引出方向後方へ移動することにより、レバー部121も引出方向後方へ移動する。これにより、第2押圧面121bも引出方向後方へ移動し、当該第2押圧面121bに沿って、ピックアップローラー支持部715が下方に移動し、元の位置に戻る。この結果、ピックアップローラー710も元の位置に戻る。
図8は、図2に示す第1カセット、第1供給ユニットおよび搬送ユニットの第1状態を示す図である。なお、図8においては、便宜上のため、第2筐体部82、および搬送ユニットに設けられた搬送ローラー等の一部の部材を省略している。
図8に示すように、給紙装置60は、搬送ガイド77をさらに備える。搬送ガイド77は、第1カセット61から搬送ユニット73に向かう用紙Sの移動を案内する。搬送ガイド77は、第1搬送ガイド771と第2搬送ガイド772とを含む。第1搬送ガイド771および第2搬送ガイド772は、互いに平行な搬送面を有する。このように搬送ガイド77が設けられることにより、第1カセット61から搬送ユニット73に向かう用紙Sを安定して搬送することができる。
第1搬送ガイド771は、第1供給ユニット71に干渉しないように第1カセット61に設けられている。第1搬送ガイド771は、第1カセット61の引出方向において第1供給ユニット71における捌きローラー712の前方側に配置されている。第1搬送ガイド771は、引出方向に沿って延在する。第1搬送ガイド771は、板状形状を有する。
第2搬送ガイド772は、第1カセット61の搬送方向において、第1搬送ガイド771の後方側に配置されている。第2搬送ガイド772は、第1搬送ガイド771とともに第1カセット61から搬送ユニット73に向かう用紙Sの移動を案内する。
第2搬送ガイド772は、第1カセット61の引出方向に沿って延在する。第2搬送ガイド772は、略板状形状を有する。第2搬送ガイド772は、第2筐体部82の後壁部82d(図10参照)に固定されている。
また、第1カセット61は、引出方向の前方側に位置する前面61aと、当該前面61aの上端から引出方向の前方に向けて延びるプレート部61bを有する。また、搬送ユニット73は、引出方向における上流側支持部736A、下流側支持部736B、およびガイド部材737の前端から、引出方向の前方に向けて延びるプレート部73bを有する。
第1カセット61、第1供給ユニット71および搬送ユニット73の第1状態にあっては、第1カセット61および搬送ユニット73は、第2筐体部82に収容された状態である。この状態においては、上記第1搬送ガイド771と第2搬送ガイド772とが、第1カセット61の引出方向に連続するように配置されている。なお、第1搬送ガイド771および第2搬送ガイド772は、分離可能に設けられている。
図9は、図8に示す第1カセットおよび搬送ユニットを底面側から見た図である。なお、図9においては、第1カセット61の引出方向において、第1カセット61および搬送ユニット73の前部側を示している。
図9に示すように、給紙装置60は、第1カセット61と搬送ユニット73とを連結する連結部材90を備え、第1カセット61および搬送ユニット73が一体となって引き出されるように構成されている。
プレート部61bとプレート部73bとは、裏面側において連結部材90によって連結されている。これにより、第1カセット61と搬送ユニット73とが一体に引き出されることとなる。連結部材90は、上記横方向に沿って延在する。
連結部材90は、給紙ローラー711および捌きローラー712よりも、引出方向の前方側に設けられている。これにより、第1カセット61および搬送ユニット73を引き出す際に連結部材90が第1供給ユニット71に干渉することを回避することができる。
なお、第1カセット61と搬送ユニット73との連結構造は、第1カセット61および搬送ユニット73が引出可能に構成される限り、適宜変更することができる。
図10は、図2に示す第1カセット、第1供給ユニットおよび搬送ユニットの第2状態を示す図である。なお、図10においては、便宜上のため、第2筐体部82、および搬送ユニットに設けられた搬送ローラー等の一部の部材を省略している。
第1カセット61、第1供給ユニット71および搬送ユニット73の第2状態においては、第1カセット61および搬送ユニット73は、第2筐体部82から引き出されている。
第1カセット61を引き出す場合には、第1カセット61に設けられた第1搬送ガイド771を第1カセットとともに移動する。一方、第2搬送ガイド772は、上述のように、第2筐体部82の後壁部82d固定されている。このため、第1カセット61を引き出す際には、第1搬送ガイド771が第2搬送ガイド772から離れて移動する。
上述のように、給紙ローラー711および捌きローラー712によって形成される第1ニップN1は、搬送ユニット73における第2ニップN2および第3ニップN3よりも高い位置に位置する。このため、第1供給ユニット71における搬送経路と、搬送ユニット73における搬送経路との間には、高低差が生じる。
第1搬送ガイド771を第1カセット61に設けることにより、用紙Sを安定して搬送することができる。さらに、捌きローラー712よりも前方側に第1搬送ガイド771を設けることにより、第1カセット61を引き出す際に、第1搬送ガイド771が捌きローラー712ひいては第1供給ユニット71と干渉することを抑制することができる。
加えて、上記引出方向において第1搬送ガイド771の後方に第2搬送ガイド772を設けることにより、広範囲に亘って、用紙Sの搬送を安定させることができる。
図11は、図2に示す搬送ユニットの閉状態を示す図である。図12は、図11に示す閉状態において、搬送ユニットに具備されるストッパ部材の周辺を示す斜視図である。図11および図12を参照して、搬送ユニット73の詳細な構成について説明する。
図11に示すように、搬送ユニット73は、引出機構として、上記横方向における両端に可動側レール7321および回転ローラー7322を備える。可動側レール7321および回転ローラー7322は、上述した下部側ユニット731に設けられている。具体的には、可動側レール7321および回転ローラー7322は、ベース部732に固定されている。
可動側レール7321は、用紙Sの搬送方向における下流側にてベース部732に固定されている。可動側レール7321は、引出方向に延在するように設けられている。可動側レール7321は、第2筐体部82に設けられた固定側レール821に対して引出方向にスライド移動可能に設けられている。固定側レール821は、引出方向に沿って延在し、可動側レール7321をスライド移動可能に保持する。
回転ローラー7322は、用紙Sの搬送方向における上流側にてベース部732に固定されている。回転ローラー7322は、仕切部97に設けられた第2段部97b上を走行する。第2段部97bは、回転ローラー7322が走行する走行レールとして機能する。
上述のような引出機構によって搬送ユニット73は、引出可能に構成されており、第1カセット61と連結されていることで、第1カセット61と一体に引き出される。引出機構として、搬送方向における搬送ユニット73の一方側に安価な回転ローラー7322を設けた構成とすることにより、搬送方向における搬送ユニット73の両側に可動側レールを設けた場合と比較して、コストを削減することができる。さらに、回転ローラー7322が走行する走行レール(第2段部97b)を仕切部97自身で構成することにより、部品点数を削減し、コストをさらに低減させることができる。
また、搬送ユニット73は、用紙Sの搬送方向における上流側端部に、搬送方向下流側に向かうにつれて用紙Sの搬送経路に近づくように傾斜する傾斜部736aを有する。
傾斜部736aは、上部側ユニット735における上流側支持部736Aに設けられている。当該傾斜部736aは、記録媒体の移動を案内する。このような傾斜部736aを設けることにより、第2ニップN2および第3ニップN3よりも高い位置から搬送される用紙Sを、第2ニップN2および第3ニップN3に安定して導くことができる。
上述のように、搬送ユニット73において、ガイド部材737は、ヒンジ機構739によって、開閉可能に構成されている。具体的には、ガイド部材737は、搬送経路を上方側から覆う第1位置と搬送方向におけるガイド部材737の一端側が搬送経路から退避した第2位置との間で、引出方向に平行な回動軸C2回りに回動可能に設けられている。
図11に示すように、搬送ユニット73の閉状態においては、ガイド部材737は、第1位置に位置し、搬送経路を上方側から覆っている。
図11および図12に示すように、搬送ユニット73は、ストッパ部材74をさらに含む。ストッパ部材74は、ガイド部材737の開き角度を制限するものである。具体的には、ストッパ部材74は、後述するように、第2位置からガイド部材の開き角度が大きくなることを制限する。
ストッパ部材74は、ガイド部材737とともに回転する。ストッパ部材74は、上記回動軸C2回りに回動可能に設けられている。ストッパ部材74は、本体部741と、突き当り部742とを含む。
本体部741は、ガイド部材737が第1位置に位置する状態において、ベース部732よりも低い位置に位置する部分を含むように設けられている。突き当り部742は、本体部741のうちベース部732よりも低い位置に位置する部分に設けられている。
突き当り部742は、上記ガイド部材737とともに本体部741が回動した場合に、ベース部732の下面に突き当たるように設けられている。
図13は、図2に示す搬送ユニットの開状態を示す図である。図14は、図13に示す開状態において、搬送ユニットに具備されるストッパ部材の周辺を示す斜視図である。図13および図14を参照して、搬送ユニット73の開状態について説明する。
搬送ユニット73の開状態においては、ガイド部材737は、第2位置に位置し、ガイド部材737の下流側端部が、搬送経路から退避している。
図13および図14に示すように、ガイド部材737が第2位置に到達した状態においては、突き当り部742は、上記ガイド部材737とともに本体部741が回動した場合に、ベース部732の下面に突き当たる。これにより、ストッパ部材74によって上方側に向かうガイド部材737の回動が制限される。すなわち、ストッパ部材74によって、第2位置からガイド部材737の開き角度が大きくなることが制限される。
ガイド部材737を第2位置に回動させることにより、搬送ユニット73内に詰まった用紙Sを容易に取り出すことができる。
ここで、第2位置は、ガイド部材737が自重によって第1位置に向けて回動可能となる位置である。このため、作業者が、ガイド部材737を回動させた後に、ガイド部材737から手を放すと、ガイド部材737は、自重によって第1位置に戻ることになる。
これにより、ガイド部材737を開いて搬送ユニット73内に詰まった用紙Sを取り出した後に、ガイド部材737が開いた状態で第2筐体部82内に収容されることを防止することができる。この結果、ガイド部材737が破損することを防止でき、安全性を確保することができる。
図15は、図2に示す搬送ユニットが筐体に収容されている状態を説明する概略図である。
図15に示すように、給紙装置60は、搬送ユニット73が第2筐体部82に収容されている状態において、ガイド部材737の上方に配置され、上記第2位置に向かうガイド部材737の回動を防止する回動防止部85をさらに備える。
回動防止部85は、搬送ユニット73の上方に配置されたプレート部82hに固定されている。プレート部82hは、引出方向に延在するように設けられ、引出方向における両端において第2筐体部82に固定されている。
回動防止部85は、搬送方向におけるガイド部材737の一端(搬送方向下流側端部)の上方に配置されている。回動防止部85は、たとえばゴム等の部材によって構成されている。
回動防止部85が設けられていることにより、用紙Sの搬送時にガイド部材737が浮き上がることを防止することができる。これにより、用紙Sの搬送性を確保することができる。
以上のように、本実施の形態においては、第1供給ユニット71における給紙ローラー711および捌きローラー712を筐体(第2筐体部82)側に固定しつつ、第1カセット61ならびに搬送ユニット73が引出可能に設けられている。そして、給紙ローラー711および捌きローラー712は、互いに圧接することにより第1ニップN1を形成し、第1カセット61を引き出す際に圧接が解除されるように構成されている。
これにより、第1カセット61から画像形成部に向けて用紙Sを搬送する際に、用紙Sが詰まった場合であっても、第1カセット61および搬送ユニット73を引き出すことにより、使用者は、搬送経路上で停止した用紙Sに容易にアクセスすることができる。
一般的に、第1供給ユニット71を引出可能とする構成においては、第1供給ユニット71を引き出す際に、第2筐体部82の天板部に干渉することを防止するために、第1供給ユニット71を低い位置に配置する。このため、第1供給ユニット71における第1ニップN1は、搬送ユニット73における第2ニップN2および第3ニップN3と同じ高さ位置かそれよりも低い位置となる。
本実施の形態においては、給紙ローラー711および捌きローラー712によって形成される第1ニップN1が、搬送ユニット73における第2ニップN2および第3ニップN3よりも高い位置に位置するように、第1供給ユニット71が第2筐体部82に固定されている。このため、第1供給ユニット71の高さ位置が従来よりも上方にシフトされている。
これにより、第1カセット61の高さも高くすることができ、第1カセット61の容量を大きくすることができる。この結果、第1カセット61に収容できる用紙Sの数を増加させることができる。
このように、本実施の形態における記録媒体供給装置としての給紙装置60およびこれを備えた画像形成装置100にあっては、第1カセット61に収容される記録媒体の枚数を増加させつつ、搬送経路上で詰まった用紙Sを容易に処理することができる。
以上、今回発明された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。