JP2020181745A - イオン源及び蒸着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン源においてイオンビームの電流量とエネルギーを広範囲で制御可能なイオン源を提供する。【解決手段】イオン源1は、放電室2と、プラズマを生成するプラズマ生成手段と、放電室2からイオンビームを引き出す複数の第1の貫通孔5aを有する第1電極5と、第1の電極5よりも放電室2から遠い位置に配置された複数の第2の貫通孔6aを有する第2の電極6と、第2の電極6よりも放電室2から遠い位置に配置された複数の第3の貫通孔7aを有する第3の電極7を備え、放電室2の内部に、イオンビームの大きさを補正する補正電極11を有し、補正電極11に負の電位を制御して印加する電源10を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、放電室の内部に金属電極を配置したイオン源及びこのイオン源を備える蒸着装置に関する。
光学薄膜の成膜方法において、イオン源を用いるイオンビームアシスト蒸着が用いられてきた。イオンビームアシスト蒸着では、膜の結晶性、配向性、付着強度、膜の緻密性などが向上し、光学薄膜においては光の吸収散乱の少ない高品質な膜が成膜できる。
一般に、光学薄膜は酸化物が多く使用されており、酸素イオンビームを使用するプロセスが多い。この際、酸素イオンビームは、膜の種類や成膜レートに応じて成膜中に基板に照射するイオンビームの電流密度とエネルギーを適切に設定する必要がある。そのため、様々な膜の種類や成膜レートに対応するためにイオン源には、イオンビームの電流量とイオンエネルギーを幅広く操作できることが求められている。
イオン源のイオンビーム電流量を増やすには、グリッドから引き出される単位面積当たりのビーム電流量を増やすために放電室内のプラズマ密度を高める方法がある。また、イオンビーム電流量を増やすには、単位面積当たりのビーム電流量を保ったままビームを引き出すグリッドを大面積化し総電流量を増やす方法が考えられる。この時、プラズマ密度を高める方法では、プラズマ密度が一定以上に増加するとプラズマ生成効率が低下するため、数A程度の大電流のイオンビームが必要な場合はグリッドを大面積化する方法が有効である。また、特にイオンビームのエネルギーが低い場合、イオンの空間電荷効果によりビームが発散してしまうためグリッド単位面積当たりのビーム電流量に制限が発生する。
このように、大電流のイオンビーム、特に低エネルギーの大電流イオンビームを引き出すには、グリッドの大面積化が重要となる。しかし、グリッドを大面積化する方法では逆に数百mA程度の小電流量のビームが必要な場合にプラズマ密度を極端に低くすることが必要となり、プラズマを安定して生成することが困難となる課題がある。
特許文献1は、プラズマが存在する放電室内に部材を配置し、プラズマに局所的な損失を与えてプラズマ密度を減少させるイオン源を開示している。
特開2003−242892号公報
しかしながら、特許文献1に記載のイオン源は、チャンバー内のプラズマ密度を均一化することを目的としていて、チャンバー内に設ける部材でイオンビーム量を制御することを目的にしていない。また、引用文献1に記載のイオン源は、プラズマ密度の減少の程度は部材の形状や配置により決まるため、異なる種類の成膜を行う場合には部材の交換をする必要があるという課題がある。
本発明は、イオン源においてイオンビームの電流量とエネルギーを広範囲で制御可能なイオン源を提供することを目的とする。
本発明のイオン源は、放電室と、プラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記放電室からイオンビームを引き出す複数の第1の貫通孔を有する第1電極と、前記第1の電極よりも前記放電室から遠い位置に配置された複数の第2の貫通孔を有する第2の電極と、前記第2の電極よりも前記放電室から遠い位置に配置された複数の第3の貫通孔を有する第3の電極を備え、前記放電室の内部に、前記イオンビームの大きさを補正する補正電極を有し、前記補正電極に負の電位を制御して印加する電源を有することを特徴とする。
本発明の蒸着装置は、チャンバーと、前記チャンバーの内部に配置され、ワークを保持するホルダと、前記ホルダに対向して配置された蒸着源と、上記のイオン源と、を備えたことを特徴とする蒸着装置。
本発明によれば、部品の交換作業なくイオンビームの電流量とエネルギーを広範囲で制御可能となる。
第1実施形態のイオン源の模式図である。 第1実施形態における電流の関係を示す模式図である。 補正電圧に対する電流の変化の関係を示す模式図である。 実施形態の補正電極の模式図である。 実施形態の第1の電極の開口と補正電極の開口の関係を示す模式図である。 実施形態に係る電流補正電極の開口形状および分布の一例を示す模式図である。 実施形態のイオン源を搭載した成膜装置の模式図である。 第2実施形態のマイクロ波を用いたイオン源の一例を示す模式図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を用いて詳述する。
(第1の実施形態)
図1は、第1実施形態に係るイオン源を示す説明図である。第1実施形態のイオン源1は、プラズマ生成手段として誘導結合プラズマ(ICP:Inductivity Coupled Plasma)を使用する。
イオン源1は、石英からなる放電室2内にガス導入管(不図示)からプラズマ化させるガスを導入し、高周波コイル3に高周波電源(不図示)から電力を投入しプラズ4を生成する。イオンビームの引き出し電極は、放電室2側から第1の電極(スクリーン電極)5を有している。第1の電極5は、複数の第1の貫通孔5aを有しており、スクリーン電源8により正の電圧を印加される。
引き出し電極は、第1の電極5よりも放電室2よりも遠い位置に配置された第2の電極(アクセル電極)6を有している。第2の電極6は、複数の第2の貫通孔6aを有しており、アクセル電源9により負の電圧を印加される。引き出し電極は、更に、グランドに接続する第3の電極(ディセル電極)7を有する。第3の電極7は、複数の第3の貫通孔7aを有している。本明細書において、スクリーン電源8により第1の電極5に印加する電圧をスクリーン電圧、アクセル電源9によりアクセルグリッドに印加する電圧をアクセル電圧と言う。第1の貫通孔5aと第2の貫通孔6aと第3の貫通孔7aは、貫通孔の開口が円形である場合、略同心円の貫通孔であることが好ましい。第1の電極5、第2の電極6および第3の電極7は、ドーム状であっても平板状であっても良いが、イオンビームを広げることが容易なのでドーム状であることが好ましい。
イオン源1は、放電室2の内部に、第1の電極5と対向する位置に電極間距離Lだけ離してイオンビームの大きさを補正する補正電極11が配置される。補正電極11は、補正電源10によりスクリーン電圧を基準に負電圧となる電圧を制御して印可することができ、補正電圧Vが印加される。補正電極11は、放電室2内の高周波コイル3側で生成されたプラズマ4が第1の電極5側へ拡散できるように複数の開口11aが設けられている。開口11aを通過して第1の電極5側へ拡散したプラズマ4は、第1の電極(スクリーン電極)5に設けられたビーム引き出し孔5」aから引き出され放電室2からイオンビーム12として真空容器内(不図示)に照射される。補正電極11の貫通孔の平均開口径は、第1の貫通孔5の平均開口径及び第2の貫通孔6の平均開口径よりも大きいことが好ましい。
以下に、プラズマから引き出されるビームの電流量を制御する方法について詳細に説明する。一般にプラズマが固体と接する時、固体とプラズマの界面にはシースと呼ばれるプラズマの特徴である電気的中性が破れた空間電荷層が形成される。この時プラズマ中の電子はイオンより早く拡散するためプラズマは固体に対して正にバイアスされる。このバイアスされる電位をプラズマ電位V、正にバイアスされる際のシースを正イオンシースと呼ぶ。シースはデバイ長の数倍程度の厚さであり、このデバイ長□はバルクプラズマのプラズマ密度nと電子温度Tで決まり、次式のようになる。
Figure 2020181745
式(1)について□は真空の誘電率、kはボルツマン定数である。代表的な値としてプラズマ密度3×1017/m、電子温度3eVとすると□=2.3×10−5mであり、シースの厚みは平均自由行程に対して十分に短いことからシース内について荷電粒子の無衝突を仮定するができる。このとき、プラズマの電気的中性を保つための条件からプラズマ側のシース端からプラズマと接する個体へ流れ込む電子とイオンの数は同数となり、このシースを通過してプラズマから流れ出るイオンの数がプラズマから引き出すことが可能なイオン電流の量である。このイオン電流の量はイオン飽和電流Jと呼ばれ下記の式(2)のように表される。
Figure 2020181745
式(2)において、eは電気素量、nはシース端でのプラズマ密度、vはシース端でのイオン速度である。
実際に第1の電極(スクリーン電極)5から引き出されるイオンビーム12の電流量は、式(2)のJに貫通孔5aの開口面積の総和をかけた値で概算することができる。貫通孔5aの開口面積の総和はプラズマ4と接する第1の電極5の面積Sにグリッドの開口率Aを乗算した値で求めることができ、イオンビーム12のビーム電流Iは下記の式(3)のように表される。
Figure 2020181745
また、プラズマ電位によるバイアスはプラズマ4が接する界面、すなわち第1の電極5の電位を基準にバイアスされる。そのためイオンビーム12のエネルギーについては、プラズマ4はグランドに対してスクリーン電圧とプラズマ電圧を合計した値だけバイアスされることになり、このバイアス分のエネルギーで真空容器内に照射される。
ここで、高周波電源からの投入電力、スクリーン電圧、アクセル電圧を一定とし、補正電極11に印加する補正Vを操作したときのイオンビーム12のビーム電流Iを考える。ここで、第1の電極(スクリーン電極)5に流れ込む電流量をスクリーン電流Iscr、補正電極11流れ込む電流量を補正電流Iとし、図2の矢印の向きの電流の向きを正とすると系全体での荷電粒子の収支から次式が成り立つ。
Figure 2020181745
なお、式(4)については簡単のためにイオンビーム12が第2の電極(アクセル電極6や第3の電極(ディセル電極)7に衝突し流れる電流や、放電ガスや残留ガスといった中性粒子との衝突によりビーム電流が減衰する影響は無視している。
まず、補正電極11の電圧がスクリーン電圧に等しい場合、すなわち補正電圧V=0Vの場合を考える。この場合、プラズマ4が同電位の電極に挟まれていることと同意であり、補正電極11にはプラズマ4から電子とイオンが等量流れ込み補正電流Iはほぼ0Aとなる。このときのビーム電流、スクリーン電流をそれぞれIb0、Iscr0とすると、式(4)より式(5)の関係が成立する。
Figure 2020181745
このときビーム電流Ib0は式(3)に示されるように補正電極11と第1の電極5間に存在するプラズマ4のプラズマ密度に比例し、ビーム電流とスクリーン電流は一致する。そのためプラズマ4へ供給する電力を制御することで、引き出されるイオンビームの電流量を制御することができる。しかし、供給する電力を減らしプラズマ4のプラズマ密度を減少させていくとやがてプラズマ4の放電が不安定になり、電流量が一定値以下のイオンビーム11を安定して照射することができない。
一方、補正電極11にスクリーン電圧を基準に負電圧の補正電圧Vを印加した場合を考える。この場合、補正電極11を通過して第1の電極5側に拡散したプラズマ4は、補正電極11と第1の電極5間Vにより与えられた電位差の影響を受ける。この電位差の影響によりプラズマ4内で電位勾配が発生するため各電極へ流れる電子とイオンの割合が補正電圧V=0Vの場合から変化する。補正電極11は補正電圧Vにより第1の電極5より低電圧となっているので、補正電圧Vの大きさに応じてイオンが流れ込む量が増加し、補正電流Iが流れる。またことのきのイオンビーム電流Ib1は次式のように表される。
Figure 2020181745
式(6)中の□は補正電極11の形状、第1の電極5との電極間距離L、補正電圧Vの値に応じて変化する係数であり、その値の範囲は0<□□<Ib0/Iである。式(4)、式(6)よりスクリーン電流Iscr1は次式で表される。
Figure 2020181745
式(5)及び式(7)からIscr1>Iscr0であることがわかる。補正電圧Vを増加させていくときの各電流の関係の模式図を図3に示す。補正電圧Vが閾値以上になると第1の電極5とプラズマ4の界面で正イオンシースを形成できなくなり、結果イオンビームを引き出せなくなる。この時、式(6)及び式(7)から□□=Ib0/I、Iscr1=Iとなる。以上から、補正電圧Vを制御することによりプラズマ4のプラズマ密度によらずビーム電流Iを減少させることが可能となる。式(4)から、引き出されるイオンビームは、スクリーン電流から補正電流を減算して求めることができ、スクリーン電源8および電流補正電源10の電流値を読み取ることでイオンビーム電流量を制御することができる。この時のイオン源1から引き出される最大のイオンビーム電流量は補正電圧V=0の場合のIb0であり、Ib0の値は前述の通り第1の電極5の面積および開口率、プラズマ4のプラズマ密度に依存する。
以下に、補正電極11について詳細に説明する。補正電極11の外形の例を図4に示す。図5は、図1の点Aから補正電極11の1つの開口11aを見た場合、第1の電極5の開口5aと補正電極11の開口11aの関係を示す模式図である。
補正電極11に設けられた開口11aの直径Dについての条件を検討する。イオンビーム11を引き出す条件として第1の電極5とプラズマ4の界面で正イオンシースを形成する必要があることは上で述べた。そのためには高周波コイル3からの電力供給により生成されたプラズマ4が電気的中性を保ったまま補正電極11に設けられた開口11aを通り抜けて第1の電極5側へ拡散しなければならない。その条件として開口11aの直径Dはデバイ長□より十分に長ければ良い。上で述べた通り、デバイ長はミクロンオーダーの値であるから、D>>λを満たすには直径Dは1mm以上であれば十分である。また、プラズマ4内の電子とイオンは補正電極11の表面に対して両極性拡散して流れていき再結合して消滅する。すなわち、補正電極11がプラズマ4と接する表面積を小さくすること、つまり補正電極11の開口率を高めることで第1の電極5側に拡散するプラズマ4のプラズマ密度の低下を軽減することができる。よって、イオン源1の投入電力に対するイオンビーム電流量の効率を高めるには補正電極11の開口率を高くすることが好適である。図5に示すように、貫通孔5aに対して開口11aの径を2倍から20倍とすると好適である。また、第1の電極5と補正電極11の対向する際の電極間距離Lについても、プラズマ4が電気的中性を保つための条件は開口11aの直径Dと同様にL>>λとなるため、電極間距離Lは2mm以上必要となる。
補正電極11の開口率と電極間距離Lを変更することで補正電圧Vの変化に対するイオンビーム電流の変化量を調整することができる。開口率を小さくするとプラズマ4と接する補正電極11の表面積が増えるため補正電圧Vを与えた際のプラズマ4への影響が大きくなりイオンビーム電流の変化量が増加する。また、電極間距離Lを小さくすると補正電圧Vを変化させた際の第1の電極5と補正電極11間にかかる電界強度が増加するため、イオンビーム電流の変化量が増加する。そのため補正電極11の形状や第1の電極5との電極間距離Lはイオン源1のグリッドの面積、必要とされるイオンビーム電流量、各電源の出力範囲といった仕様を元に実験的に決定することができる。
補正電極11の開口形状については図4では同一の円形が均等に分布しているが、開口11aの形状は円形に限定されず、開口11aの分布も補正電極11の面内で任意の分布を取ってよい。例えば、図6(a)のように格子状に開口11bが並んでも良く、図6(b)のように大きさの異なる円11cが面内に分布しても良い。また、図1では補正電極11は平行平板で図示されているが、平板に限定されず任意の曲率や傾きおよびそれらの組み合わせで構成された形状でも良い。
次に、本実施形態のイオン源を搭載した成膜装置について説明する。図7は、本実施形態のイオン源を搭載した成膜装置の一例を示す概略図である。
図7において成膜装置20は、最初に補助排気系31により、チャンバー21を大気圧環境下から圧力が100Pa程度になるまでの排気を行う。
補助排気系31により100Pa程度になるまで排気が完了した後に、主排気系32により成膜可能な圧力までの排気を行う。一般的に、蒸着による成膜プロセスでは、10−4Pa〜10−2Paで成膜を行う。
所望の圧力になるまで主排気系32により排気が完了したところで、ヒーター22を用いてワーク23の加熱を行う。ワーク23はワークホルダ24で保持されている。ワーク23の加熱は、成膜を行うチャンバー21で加熱しても良いが、別のチャンバーにてワーク23を加熱した後に、成膜を行う真空のチャンバー21に真空搬送しても良い。その場合、チャンバー21は、ワーク23の温度が低下しないように保温用にヒーター22で保温することになる。
ワーク23が所望の温度となるまで加熱をしたら、ワークホルダ24に対向して設けられ、金属製のルツボに入れた蒸着材料25を加熱する。蒸着材料25の加熱方法として、電子ビームによるものや、ボートと呼ばれる金属容器上に蒸着材料を乗せてボートに直接電流を流すことによりボートを加熱する方法や、シースヒーターまたはカートリッジヒーターによりルツボを加熱する方法を用いることができる。加熱された蒸着材料25は、真空のチャンバー21内を蒸気となってワーク23に堆積する。ワークに堆積した蒸着材料25の膜厚は、膜厚計26で計測する。膜厚計26は、水晶膜厚計等を用いることができる。ワーク23はワークホルダ24と共に回転する構造となっていて、ワーク23の膜厚分布を均一化する装置構成となっている。
加熱された蒸着材料25はワーク23に堆積するが、その際に膜質を高めるため上記のイオン源1から放出するイオンビームをワーク23に対して照射する。イオンビームをワーク23に対して照射することで、ワーク23に堆積した蒸着材料25を緻密で密着性の高い膜にすることができる。イオン源1より照射されるイオンビームは正電荷を帯びているため、ワーク23に対してイオンビームだけを照射しているとワーク23が正電荷に帯電してしまう。正電荷に帯電したままであると、静電気による静電破壊やパーティクルの付着による膜品質が低下する。ワーク23の帯電を除去する目的で、電子を放出して電気的に中和するための電子放出装置27が用いられる。電子放出装置27は、電子が放出されればよく、タングステンの線に電流を流して熱電子を放出する方法でも良いし、イオン源と同様にプラズマを生成してプラズマ中から電子を放出させる方法でも良い。
(第2の実施形態)
図8は、第2実施形態に係るイオン源を示す説明図である。第2実施形態では、プラズマ生成手段としてマイクロ波を使用するイオン源1Aを用いる。
石英からなる放電室2の内部にガス導入管(不図示)からプラズマ化させるガスを導入し、マイクロ波電源(不図示)は導波管81を通じて放電室12底面に設けられた誘電体窓80から放電室2の内部にマイクロ波を供給する。補正電極11は誘電体窓80からプラズマが非放電時に空洞共振器を構成する距離Lの位置に配置されている。上記のように空洞共振器を構成することで放電室2内の電界強度が強まり、初期の放電が立ちやすくなる。
このLは真空中のマイクロ波の波長をλとしたときに、次式のように表される。
Figure 2020181745
式(8)において、mは空洞共振器における定在波の腹の数であり、1以上の整数である。代表的なマイクロ波の周波数である2.45GHzの場合にm=1の時のLはおよそL=61.2mmである。また、Lについて補正電極11の形状が平板以外の形状、例えば曲率を持つ場合などは3次元の電磁界解析シミュレーションで所望の構造を入力し解析を実行することで最適なLの値を決定することができる。3次元の電磁界解析シミュレーションは、例えば、ANSYS HFSS(製品名)、もしくはその他の商業的なまたはカスタム開発された電磁的有限要素法コードを用いることができる。また、補正電極11は空洞共振器を構成するために導入されたマイクロ波を反射することが必要であるから、開口11aの直径Dは□/4以下であればよい。代表的なマイクロ波の周波数である2.45GHzの場合に□/4=30.6mmであり、プラズマ4が電気的中性を保ったまま開口11aを通り抜けるための条件であるD>>□に対しておよそ1桁余裕がある。よって開口11aはD>□/4>>□の範囲で任意に設計することができる。また、実施例2においても開口11aは円形に限定されず、例えば四角径といった多角形やその他の半円、楕円といった図形でもよい。この各図形においても、マイクロ波を反射するために開口11aの最長辺がλ/4以上となる条件を満たす必要がある。例えば開口が四角形であれば開口11aの最長辺は対角線、楕円であれば長軸の直径が□/4以上であればよい。
1 イオン源
2 放電室
4 プラズマ
5 第1の電極(スクリーン電極)
6 第2の電極(アクセル電極)
7 第3の電極(ディセル電極)
8 スクリーン電源
9 アクセル電源
10 電流補正電源
11 補正電極
80 誘電体窓
81 導波管

Claims (6)

  1. 放電室と、
    プラズマを生成するプラズマ生成手段と、
    前記放電室からイオンビームを引き出す複数の第1の貫通孔を有する第1電極と、前記第1の電極よりも前記放電室から遠い位置に配置された複数の第2の貫通孔を有する第2の電極と、前記第2の電極よりも前記放電室から遠い位置に配置された複数の第3の貫通孔を有する第3の電極を備え、
    前記放電室の内部に、前記イオンビーム電流量の大きさを補正する補正電極を有し、
    前記補正電極に負の電位を制御して印加する電源を有することを特徴とするイオン源。
  2. 前記補正電極は、金属で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のイオン源。
  3. 前記補正電極は、貫通孔を有しており、
    前記補正電極の貫通孔の平均開口径は、前記第1の貫通孔の平均開口径及び前記第2の貫通孔の平均開口径よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン源。
  4. 前記プラズマ生成手段は、誘導結合プラズマであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のイオン源。
  5. 前記プラズマ生成手段は、マイクロ波の供給手段であり、
    前記放電室は、誘電体窓を有しており、
    前記補正電極は、真空中で前記誘電体窓と空洞共振器を構成する距離に配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のイオン源。
  6. チャンバーと、
    前記チャンバーの内部に配置され、ワークを保持するホルダと、
    前記ホルダに対向して配置された蒸着源と、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載のイオン源と、を備えたことを特徴とする蒸着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7496438B2 (ja) 2020-05-22 2024-06-06 江蘇魯▲もん▼儀器股▲ふん▼有限公司 イオン源バッフル、イオンエッチング装置及びその使用方法

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