上述のように、本明細書は、再位置決め顎エレメントのための方法、コンピューティング装置読み取り可能媒体の命令、及び装置を提供する。一般的に、再位置決めは、機能的な及び/又は美的な目的のために、歯の移動及び再配向のプロセスである歯科治療の間に行われるが、再位置決めは他の目的のために行われてよい。
最大嵌合に関する前方及び後方咬合に関するエリアにおける、右側及び左側における上側及び下側の歯の同時接触は、患者の口の上側顎への下側顎の適切な位置決めのために好ましい。不正咬合のような、不釣り合いな咬合は、過度な力が、早期の摩耗及び/又は回復失敗を引き起こし得る特定のエリアに印加され得るので、あるいは、屈曲のような望ましくない力が、アブフラクション障害(abfraction lesions)及び/又は歯の密集/空きを引き起こすストレスを導くかもしれないので、適切な咬合及び咀嚼機能に混乱を引き起こす。患者の顎の位置は、例えば、歯科矯正装置(例えば、歯科器具)を用いて変更され得る。
固定歯科治療(すなわち、「ブレース」)より先に行われるような、顎再位置決めのための現在のアプローチは、歯に固く固定され及び患者の顎を移動させるための再位置決め力を印加し、これによって、調整のために患者の上側及び下側顎の相対的な位置決めを行う、ブロックエレメント、ワイヤー、テンションスプリング、水平ストップ等を含む歯科器具を専門的に設ける治療を有することを含む。何人かは、この再位置決めが、残っている潜在的な成長に関して患者の顎の成長を刺激すると考える人もいるが、他の人は、歯が新たな顎位置における一緒の好ましいフィットを生成する限り、筋肉が新たな位置を学び直し得ると考える。いくつかの例において、前のアプローチは、ブロックエレメントに関して取り外し可能な装置を含む。
顎再位置決めの現在の器具は、顎再位置決めのプロセスの間に歯を位置決めするために設計されていない。患者の顎の位置の調整の後に、必要に応じて、改善した歯の嵌合のために、患者の歯を移動し及び再配向するための更なる歯科治療が行われる。現在の顎再位置決め装置の多くは、患者が短い期間でさえも器具を取り外すためのオプションを有さないので、身体的に及び美的に、患者を不快にするかもしれない。このような器具(例えば、ハーブスト器具)は、典型的には、患者の歯に接合される。顎の変化が成長又は筋肉の再位置決めであるかに依存して、歯が新たな顎の位置を最良に支持するように位置決め及び/又は再位置決めされない場合、顎の再位置決めの後に患者の歯を再調整することは、顎の位置の逆戻りをもたらし得る。これは、例えば、治療の顎再位置決めフェーズを介して達成される顎の位置とは異なる顎の位置において歯が最良にフィットする場合に、生じるであろう。この状況において、顎は、元来の位置、あるいは、顎再位置決め器具が取り除かれてからの咬合の時に、患者のために最も快適なあらゆる位置に逆戻するであろう。従って、上側及び下側アーチの間のアーチ調整及びアーチの間の嵌合の両方において、歯が最良に一緒にフィットするように、歯をアレンジする同じ時間の間に、最適な関係に顎を再位置決めすることが望まれる。嵌合は、嵌合された位置において歯が最良に一緒にフィットしてから、患者に、新たな位置に下側顎をより保持するようにさせる。
本明細書の実施形態に係る顎の再位置決め(例えば、咬合面の別離、及び/又は、下側顎の位置を前側又は後ろ側に移動させること)は、患者の歯に装着されるためのシェルを有する、患者の上側歯列及び下側歯列の咬合面を別離するために反対の顎における器具の第2の再位置決め顎エレメントに、インターフェース、相互作用、及び/又は係合するように、及び/又は、患者の顎を再位置決めするように位置決めされる第1の再位置決め顎エレメントを有する、例えばポジショナー、リテイナー、及び/又は他の取り外し可能な器具のような、1つ以上の器具のセット(例えば、クリアシェル、及び/又は、アライナー)を利用することを含み得る。再位置決め顎エレメントは、下側顎を矢状に移動させるために、患者の下側顎の面に設けられ得る。顎の矢状の移動は、ここで用いられているように、(前側又は後ろ側の方向において)上側顎に対して下側顎の位置を改定することを含み得る。例えば、患者の下側顎の位置は、残っている潜在的な成長に関して患者の顎の成長を刺激するために、及び/又は、筋肉に新たな位置の学び直しを許容するために、矢状にシフトし得る。
様々な実施形態において、移動は、患者の顎に関して、前側−後ろ側平面において患者の顎を再位置決めするように制御され得る。例えば、第1の再位置決め顎エレメント及び第2の再位置決め顎エレメントは、患者の上側歯列及び患者の下側歯列の完全係合矢状顎位置に患者が移動させるときに、インターフェースするように位置決されることができ、この移動は、患者の顎に関する前側−後ろ側平面において患者の顎を再位置決めするように設計される。
例えば、1つ以上の実施形態は、患者の多数の歯を再位置決めするように構成されたシェルを有する歯科器具のバーチャルモデルを提供することを含み得る。歯科器具のバーチャルモデルは、例えば、患者の顎のバーチャルモデルから、及び/又は、患者の顎の物理的モールドから生成され得る。バーチャル再位置決め顎エレメントは、例えば、患者の咬合面に平行な歯科器具のバーチャルモデルのシェルに位置決めされることができ、及び/又は、歯科器具のバーチャルモデルのシェルの面から延在することができる。バーチャル再位置決め顎エレメントの位置決め、及び/又は、バーチャル再位置決め顎エレメントのデザインは、治療計画に基づくことができ、及び/又は、含まれることができる。例えば、治療計画は、所望の、理想的な、及び/又は、最終的な顎の位置を含み得る。再位置決め顎エレメントの改定された位置に関する歯科器具のバーチャルモデルは、ここで更に記載のように、例えば、物理的歯科器具を生成するように用いられ得る。
本明細書のいくつかの実施形態に係る、歯科器具は、患者の上側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を有する第1のシェルと、患者の下側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を有する第2のシェルとを備えることができる。各シェル(例えば、第1のシェル及び第2のシェル)は、シェルの面から延在する再位置決め顎エレメントを備えることができる。再位置決め顎エレメントは、患者の顎を再位置決めするために、及び/又は、治療目的のために患者の歯の咬合面を別離するために、患者の上側顎及び患者の下側顎の完全係合矢状顎位置の面前において面にて相互作用及び/又はインターフェースするように、各シェル各々において再位置決めされることができる。完全係合矢状顎位置は、ここで用いられているように、再位置決め顎エレメントに関する歯科器具が許容する限り遠く(例えば、部分咬合顎位置)で上側及び下側顎が閉じられるときの、下顎骨及び上顎骨関係を含むことができる。
例えば、様々な実施形態においては、患者の歯の咬合面の別離は、(交差咬合を含む)矢状不正咬合、過蓋咬合、開咬合、及び/又は他の不正咬合を治療するために用いられ得る。再位置決め顎エレメントは、再位置決め顎エレメントが歯を整列するために用いられる歯科器具のシェルとの干渉を避けるように、位置決めされることができる。例えば、咬合面の別離は、少なくともいくつかの歯での咬合面、及び/又は、反対側の顎におけるシェルの再位置決め顎エレメントの1つ以上の面と相互作用しているシェルの咬合面の一部を含み得る。この手法において、本明細書の実施形態に係る歯科器具は、同時に患者の多数の歯を再位置決めしている間に、交差咬合及び/又は過蓋咬合を含む、矢状不正咬合を同時に治療するために用いられ得る。更に、いくつかの実施形態において、この歯及び顎の移動の全ては、コンピューティング装置実行可能な命令を介して計画されることができ、そして従って、2つの典型的な別離プロセスの間の過剰あるいは不要な移動が避けられることができる。追加的に、適切な顎及び歯再位置決めを達成するためのトライアンドエラーに患者が晒されないように、バーチャルモデルが生成されテストされ得る。再位置決めされた顎を視覚化して、再位置決めされた構成においてアライメントを確立する能力は、顎が再位置決めされるときの歯の最良のアライメントが、正確に確立されることができ、及び、顎が改善された又は最適な位置に再位置決めされないときのアライメントと異なり得るので、有利である。
いくつかの実施形態において、複数の器具は、患者の顎の緩やかな同時の及び/又は順次の再位置決め、及び/又は、緩やかな歯列矯正を達成するために、患者によって連続的に装着され得る。例えば、複数の歯科器具の各々は、インクリメンタルな距離において、患者の顎を位置決めし得る。このような実施形態において、再位置決め顎エレメントの位置は、顎の対称的又は非対称的な移動を微調整すること、及び/又は、歯をインクリメンタルに移動させること、を専門的な治療にて許容するために調整されることができ、これは、他の利点の間に、プロセスにおける後半よりもプロセスの早期においてより大きな突然の力を与える得る固定器具よりも、少ない痛みであり得る。
本明細書の詳細な説明において、参照はこれの一部を形成する添付の図面に付されており、どのようにして本明細書の1つ以上の実施形態が実施され得るかの描写の手法が示されている。これらの実施形態は、本明細書の実施形態を実施することを当業者に可能にするために十分詳細に記載されており、他の実施形態が用いられてよく、このプロセスの、電気的及び/又は構造的な変更が、本明細書の範囲から逸脱することなしで生成され得ることについて、理解されることができる。本明細書で用いられているように、特に図面における参照符号に関する、指示子「N」及び「P」は、そのように指示された多数の特定の特徴が含まれ得ることを示す。本明細書で用いられているように、「多数の」特定の事項は、1つ以上の事項を参照し得る(例えば、多数の歯は、1つ以上の歯を参照し得る)。
図は、本明細書において、第1の数字又は数字らが図面数字番号に対応し、残りの数字らが図面におけるエレメント又はコンポーネントを識別するという、数字の取り決めに従う。異なる図面の間の同様なエレメント又はコンポーネントは、同様な数字の使用によって識別されてよい。例えば、106は、図1におけるエレメント「06」を参照してよく、同様なエレメントは、図2における206として参照されてよい。理解されるように、本明細書の様々は実施形態において示されるエレメントは、本明細書の多数の追加の実施形態を提供するために、追加、交換、及び/又は省略され得る。加えて、理解されるように、図面において提供されるエレメントの比率及び相対寸法は、本明細書のある実施形態を図示するために意図されており、限定する意味にとられるべきでない。
図1Aは、本明細書の多数の実施形態に係る、第1の再位置決め顎エレメント106を有する上側顎102と、第2の再位置決め顎エレメント108を有する下側顎104の側面図である。図1Aに図示される上側顎102、第1の再位置決め顎エレメント106、下側顎104、及び第2の再位置決め顎エレメント108は、ここで更に述べられるように、顎及び再位置決め顎エレメント各々のバーチャルイメージ(例えば、バーチャル顎、及び/又は、バーチャル再位置決め顎エレメント)を含む。上側顎102は、上顎骨、この関連する軟及び硬組織を備えることができ、患者の上側歯列の多数の歯を備えることができる。下側顎104は、下顎骨、この関連する軟及び硬組織を備えることができ、患者の下側歯列の多数の歯を備えることができる。
いくつかの例において、患者は、非標準咬合又は不正咬合を示し得る。これは、突出している、後ろへ押しやっている(retrusive)、又は横にずれて設けられる顎(又は両方)を含み得る。例のように、患者の上側歯列の多数の歯と患者の下側歯列の多数の歯を位置決めすることは、下側歯列を有する上側歯列の最良のフィットが、上側顎102へ下側顎104を接続する顎関節の位置関係又はレベルのいずれかにおいて、上側顎102に対する下側顎104の不正アライメントの結果になるようであることができる。下側顎104は、後ろに押しやられた位置にあることができ、例えば、上側歯列の前歯と下側歯列の前歯の間の距離(例えば、スペース)の結果になる(例えば、増大した上歯突出)。
不正咬合の矯正は、改善された咀嚼能力、歯の減少した早期の摩耗、及び/又は顔の審美に関して、患者に有利であることができる。
いくつかの実施形態において、図1Aに図示される上側顎102及び下側顎104は、患者の上側顎及び下側顎のバーチャルモデルを含み得る。患者の多数の歯を再位置決めように構成されたシェルを各々有している1つ以上の歯科器具(例えば、上側歯列のための器具、及び、また一緒に接続されてよい下側歯列のための器具)のバーチャルモデルが、提供されることができる。歯科器具のバーチャルモデルは、患者の多数の歯を再位置決めするように構成された歯科器具のバーチャルモデルを備えることができる。
再位置決め顎エレメントは、患者の歯に設けられるために、歯科器具の咬合、頬側、及び/又は、舌側面に設けられることができる。再位置決め顎エレメントは、本明細書で用いられるように、本明細書で更に述べられるように、器具のシェルの面から延在している材料(例えば、ブロック形状のような、幾何学的形状エレメント)の部分を備えることができる。例えば、バーチャル再位置決め顎エレメントは、患者の咬合面に平行な歯科器具のバーチャルモデルのシェルに位置決めされることができる。咬合面は、本明細書で用いられているように、門歯の切端エッジ、及び、よくかみ合っている後方歯の面の先端からの面を含むことができ、これは面の湾曲を意味する。
いくつかの実施形態において、再位置決め顎エレメントの位置は、多数の歯の少なくとも1つの歯の正中線(例えば、中央)に関して整列するように改定されることができ、再位置決め顎エレメントは、歯科器具のバーチャルモデルのシェルの面から延在する。しかしながら、本明細書に係る実施形態は、そう制限されずに、及び、バーチャル再位置決め顎エレメントは、様々な実施形態における少なくとも1つの歯の正中線に関して整列されてよい。バーチャル再位置決め顎エレメントを備えている歯科器具のバーチャルモデルは、(例えば、ここで更に述べられるように)患者のための治療計画を決定するために、及び/又は、物理的歯科器具及び/又は物理的再位置決め顎エレメントを形成するために、用いられることができる。
物理的再位置決め顎エレメントは、様々なタイプの材料にて形成されることができる。いくつかの実施形態において、物理的再位置決め顎エレメントは、歯科器具のシェルと同じ材料(例えば、高分子化合物材料)にて形成されることができる。例えば、物理的再位置決め顎エレメントは、シェルと一体的に形成されることができ、及び/又は、シェルと同じ材料で形成されることができる。
いくつかの実施形態において、再位置決め顎エレメントは、また、異なる位置において位置決めされることができる。例えば、第1の再位置決め顎エレメント106及び第2の再位置決め顎エレメント108は、下側顎104の配置を前方向において(例えば、前方向において及び/又は患者の唇に)又は後ろ方向(例えば、後ろ方向において及び/又は患者の頭の後ろに)において進めるために、患者の歯の咬合面の付近に設けられることができる。例えば、上側顎102及び下側顎104の歯の咬合面は、ここで更に記述されるように、咬合の前進又は前側位置から延在している顎開口の所望の範囲へ開いている間に、関節接合軌道(例えば、開いているときに顎が目下続く軌道)から患者の下側顎104を移動する(例えば、矢状に移動する)ために、第1の再位置決め顎エレメント106及び第2の再位置決め顎エレメント108を用いて、離され得る。例として、ここで更に述べられるように、第1の再位置決め顎エレメント106は、第1の面128を備えることができ、第2の再位置決め顎エレメント108は、第1の再位置決め顎エレメント106の第1の面128に、インターフェース、相互作用、及び/又は、さもなければ係合するために、第2の面130を備えることができる。下側顎104を移動することによって、下側顎104の移動に関連する筋肉は、(一般的には、前側及び/又は下向き方向において、あるいは、後ろ側方向において)新たな位置に再訓練されることができ、あるいは、下側顎は、患者が骸骨のように十分に発達しなかった場合、より十分に成長することを許容し得る。
図1Bは、本明細書の多数の実施形態に係る、第1の再位置決め顎エレメント106及び第3の再位置決め顎エレメント110を有する上側顎102、及び第2の再位置決め顎エレメント108及び第4の再位置決め顎エレメント112を有する下側顎104の正面図である。ここで使用されるように、正面図は、側面図と比較されるような、顎の前方視及び/又は更なる前方視を含むことができる。図1Bにおいて図示される、上側顎102、第1の再位置決め顎エレメント106、第3の再位置決め顎エレメント110、下側顎104、第2の再位置決め顎エレメント108、及び第4の再位置決め顎エレメント112は各々、顎及び再位置決め顎エレメントのバーチャルイメージ(例えば、バーチャル顎及び/又はバーチャル再位置決め顎エレメント)を含むことができる。図1Bによって図示されるように、2つの再位置決め顎エレメント(例えば、第1の再位置決め顎エレメント106及び第3の再位置決め顎エレメント110)は、上側顎102の咬合面の付近(例えば、近隣)に位置決めされることができ、2つの再位置決め顎エレメント(例えば、第2の再位置決め顎エレメント108及び第4の再位置決め顎エレメント112)は、下側顎104の咬合面の付近に位置決めされることができる。
第1の再位置決め顎エレメント106は、上側顎102の(図1Bによって図示される実施形態においては、臼歯及び/又は両尖歯)後方歯の咬合面の付近に位置決めされることができ、及び、第2の再位置決めエレメント108は、下側顎104の(図1Bによって図示される実施形態においては、両尖歯)後方歯の咬合面の付近に位置決めされることができる。第1の再位置決め顎エレメント106及び第2の再位置決め顎エレメント108は、患者の歯列の第1の後ろ側の付近に設けられることができる。
第1の再位置決め顎エレメント106及び第2の再位置決め顎エレメント108は、反対側の顎のシェルにおける再位置決め顎エレメントの面に、インターフェース、相互作用、及び/又は係合することができる面を備えることができる。例えば、第1の再位置決め顎エレメント106の第1の面は、第2の再位置決め顎エレメント108の第2の面に、インターフェース、相互作用、及び/又は係合することができる。いくつかの実施形態において、例えば、第1の面は、第1の再位置決め顎エレメント106の近心−対向面の傾斜面を備えることができ、及び/又は、第2の面は、第2の再位置決め顎エレメント108の遠位−対向面の傾斜面を備えることができる。例えば、近心−対向面は、歯の前方正中線に向かう方向にある再位置決め顎エレメントの面を備えることができる。遠位−対向面は、歯アーチの各4分円における最後の歯に向かう方向にある再位置決め顎エレメントの面を備えることができる。しかしながら、本明細書に係る実施形態は、そうは限定されない。近心−対向面は、いくつかの実施形態においては、顔面平面(例えば、顔面平面への標準)に対向することができ、遠位−対向面は、顔面平面から離れて(例えば、顔面平面への標準であるが、反対方向において)対向することができる。
第3の再位置決め顎エレメント110は、上側顎102の(図1Bによって図示された実施形態においては、臼歯及び/又は両尖歯)後方歯の咬合面の付近に設けられることができ、及び、第4の再位置決め顎エレメント112は、下側顎104の(図1Bによって図示される実施形態においては、両尖歯)後方歯の咬合面の付近に位置決めされることができる。第3の再位置決め顎エレメント110及び第4の再位置決め顎エレメント112は、患者の歯列の第2の後ろ側の付近に設けられることができる。第3の再位置決め顎エレメント110及び第4の再位置決め顎エレメント112は、反対側の顎の再位置決め顎エレメントの面に、インターフェース、相互作用、及び/又は係合することができる面を備えることができる。例えば、第3の再位置決め顎エレメント110の第3の面は、第4の再位置決め顎エレメント112の第4の面に、インターフェース、相互作用、及び/又は係合することができる。例えば、第3の面は、第3の再位置決め顎エレメント110の近心−対向面の傾斜面を備えることができ、第4の面は、第4の再位置決め顎エレメント112の遠位−対向面の傾斜面を備えることができる。
しかしながら、本明細書に係る実施形態は、そうは限定されない。例えば、再位置決め顎エレメント106、108、110、112の面は、様々な方向に向けられることができる。例えば、第1の再位置決め顎エレメント106の第1の面及び第3の再位置決め顎エレメント110の第3の面は、遠位−対向傾斜面を備えることができ、及び/又は、第2の再位置決め顎エレメント108の第2の面及び第4の再位置決め顎エレメント112の第4の面は、他の方向の間で、近心−対向傾斜面を備えることができる。
再位置決め顎エレメント106、108、110、112の(例えば、相互作用する、及び/又は、インターフェースする)面は、様々な実施形態においては、位置に下側顎104を案内して所望の横方向の移動を得るために、あるいは、所望しない横方向の移動を防止するために、曲げられることができる。面は、例えば、頬側−舌側及び/又は近心−遠位の方向に曲げられることができる。相互作用する及び/又はインターフェースする面の曲げ(例えば、アクティブに又はパッシブに相互にインターフェースする、相互作用する、及び/又は係合するために設計される2つの面)は、同じ角度及び/又は傾斜、あるいは、(図14A−図14Bの実施形態によって図示されているように、)異なる角度及び/又は傾斜を有することができる。
例えば、第1の再位置決め顎エレメント106の第1の面及び第2の再位置決め顎エレメント108の第2の面は、第1の傾斜にてインターフェースすることができる。傾斜は、例えば、位置決め顎エレメントの角度の程度を含むことができる。第3の再位置決め顎エレメント110の第3の面及び第4の再位置決め顎エレメント112の第4の面は、第2の傾斜面にてインターフェースすることができる。
多数の実施形態に係る、第1の傾斜及び第2の傾斜は、反対の角度を含むことができる。患者の歯列の反対の後ろ側における傾斜の反対の角度は、所望する横方向の移動を促進することができ、あるいは、所望しない横方向の移動を制限及び/又は防止することができる。いくつかの実施形態において、反対の角度の合計は、180度を含むことができる。例として、第1の傾斜が70度である場合に、第2の傾斜は110度であることができる。
いくつかの実施形態に係る、シェルの面から延在している再位置決め顎エレメント106、108、110、112は、シェルの内部に設けられる歯の少なくともいくつかに遠位力を生成するために用いられることができる。例えば、再位置決め顎エレメント106、108、110、112がインターフェースするときに、遠位力は、上側顎の歯列に分離されることができる。遠位力は、いくつかの実施形態においては、遠位方向における上側顎後方歯の歯列矯正を行う。このように、様々な実施形態における、再位置決め顎エレメント106、108、110、112は、クラスIIの弾性体のための代用品であることができる。
いくつかの実施形態において、再位置決め顎エレメント106、108、110、112は、反対の顎の再位置決め顎エレメントと係合するための幾何学的機構を備えることができる。幾何学的機構は、ここで使用されているように、様々な、突出している幾何学的形状(例えば、円柱、矩形等)及び/又は凹んでいる幾何学的形状(例えば、図8Aの実施形態にて図示されているように、反対の顎の再位置決め顎エレメントの突出している幾何学的形状に合致するネガティブスペース)を備えることができる。例えば、第1の再位置決め顎エレメント106の第1の面の幾何学的機構は、突状円柱形状機構を備えることができ、第2の再位置決め顎エレメント108の第2の面の幾何学的機構は、第1の再位置決め顎エレメント106の第1の面の幾何学的機構と嵌合するために、中に凹んだ円柱形状を備えることができる。
いくつかの実施形態において、第1の再位置決め顎エレメント及び/又は第2の再位置決め顎エレメントの幾何学的な形状は、突起とソケットを備えることができる。ソケットは、様々な実施形態において、(例えば、ここで更に述べられるように、)反対の顎の幾何学的形状と嵌合するように形状化される突状の幾何学的な形状を備えることができる。例えば、第1の再位置決め顎エレメントは、反対の顎の咬合面への方向において、第1の再位置決め顎エレメントから延在している突起を備えることができる。第2の再位置決め顎エレメントは、第2の再位置決め顎エレメントの内部にソケットを備えることができる。第1の再位置決め顎エレメントの突起は、下側顎を前側位置又は後ろ側位置に案内するのを援助するために、第2の再位置決め顎エレメントのソケットにフィットすることができる。
代替的に、突起及び/又はソケットは、シェルの内部に設けられることができ、及び/又はシェルの面から延在することができる。いくつかの例において、1つ以上のソケットは、上側顎の前歯の後ろに設けられた第1のシェルの内部に設けられることができ、及び/又は、当該シェルの面から延在することができる。このような実施形態において、下側切歯は、下側顎を前側位置又は後ろ側位置に案内するために、1つ以上のソケットにフィットすることができる。
本実施形態は、顎を前側位置又は後ろ側位置に案内することを述べているが、本明細書の実施に係る実施形態は、そうは限定されない。例えば、本明細書に係る実施形態は、図14A−14Bにおいて図示される実施形態に関してここで更に述べられるように、近心−遠位の方向のような様々な方向において顎を案内することを含むことができる。
図1Cは、本明細書の多数の実施形態に係る、第1の再位置決め顎エレメント106及び第2の再位置決め顎エレメント108を有する第1のシェル114の側面図である。側面図は、例えば、第1のシェル114及び第2のシェル116の投影像を含むことができる。第1のシェル114及び第2のシェル116は、いくつかの実施形態において、取り外し可能な歯科器具を備えることができる。
器具は、(例えば、歯における少しの移動を引き起こす)完了(finishing)のための、あるいは、いくつかの、ポジショナー、リテイナー、及び/又は歯科治療に関連する歯の位置を維持するための、他の取り外し可能な歯科器具を備えることができる。これらの器具は、治療計画の完了において、専門的な治療によって用いられてよい。例えば、治療計画は、歯科器具のセットの使用を含むことができ、ここに記載されるモデルによって生成されてよい。
器具は、例えば、高分子シェルから製造されることができ、及び/又は、1つ以上の歯を1つの幾何学的歯配置から1つ以上の連続する歯配置へ再位置決めするために、力を受けて印加する多数のキャビティ形状(例えば、歯開口(tooth apertures))を有する。歯科治療計画の最初から計画の最後までに、歯を移動するために必要であってよい、いくつかの器具が存在してよい。例えば、シェルは、上側及び/又は下側顎における現在の歯の、多数にわたって、あるいは、多数の例の全てにおいて、フィットするために望まれてよい。各歯開口は、(例えば、歯が設けられる面に直接隣接する)内面及び外面を備えることができる。内面は、例えば患者の多数の歯を受けて再位置決めするように構成される。
第1のシェル114は、多数の患者の上側歯列の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を備えることができる。図1Cによって図示されているように、第1の再位置決め顎エレメント106は、第1のシェル114の面から延在することができる。第1の再位置決め顎エレメント106は、第1のシェル114の咬合面から延在することができる。シェルの咬合面は、ここで用いられるように、患者の反対の顎の歯の咬合面に隣接して及び/又は延在しているシェルの外面を備えることができる。
第2のシェル116は、多数の患者の下側歯列の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を備えることができる。第2の再位置決め顎エレメント108は、第2のシェル116の面から延在することができる。例えば、第2の再位置決め顎エレメント108は、第2のシェル116の咬合面から延在することができる。
図1Cによって図示されるように、第1の再位置決め顎エレメント106を有する第1のシェル114及び第2の再位置決め顎エレメント108を有する第2のシェル116のような、再位置決め顎エレメントを有するシェルは、再位置決め顎エレメントとして働く幾何学的形状(例えば、当該再位置決め顎エレメント)を含む連続歯科器具を備える。これは、再位置決め顎エレメント106、108が、シェル114、116の幾何学的形状であり、これらに設けられた離れたエレメントでない、ことである。
第1の再位置決め顎エレメント106は、第1の面128を備えることができ、第2の再位置決め顎エレメント108は、第1の再位置決め顎エレメント106の第1の面128とインターフェースするために、第2の面130を備えることができる。例えば、図1Cの実施形態に図示されているように、第1の再位置決め顎エレメント106及び第2の再位置決め顎エレメント108は、患者の下側顎を再位置決めする手法にて、患者の上側歯列(例えば、図1A−1Bに図示された上側顎102)及び患者の下側歯列(例えば、図1A−1に図示された下側顎104)の完全係合矢状顎位置の面前において、インターフェース、相互作用及び/又はさもなければ係合するように位置決めされることができる。患者の下側顎の再位置決めは、例えば、顎開口の所望のより広げられた範囲開くことの、現存している関節接合反射作用軌道から患者の下側顎を移動する(矢状に移動する)こと含むことができ、下側顎は、新たな矢状顎位置に前側又は後ろ側に移動される。
代替的に及び/又は追加で、患者の顎の再位置決めは、患者が完全係合矢状顎位置に移動させるときに、患者の下側歯列の多数の歯の咬合面からの、患者の上側歯列の多数の歯の咬合面の別離を含むことができる。例えば、咬合面を別離することは、第1のシェル114の咬合面が第2のシェル116の咬合面に接触又は係合することを防止するために、閾値距離に咬合面を別離することを含むことができる。閾値距離は、特有の値を含むことができる。例えば、閾値距離は、1ミリメートル以下、他の値の間であることができる。上述のように、咬合面の別離は、シェルの内部の少なくともいくつかの歯の咬合面、及び/又は、反対の顎のシェルの再位置決め顎エレメントの1つ以上の面と接触している又は係合しているシェルの少なくともいくつかの咬合面を含むことができる。
図1Cによって図示されているように、第1の再位置決め顎エレメント106は、傾斜天面を備えることができる。例えば、傾斜天面は、第1の再位置決め顎エレメント106の裏面(図5Cによって図示されるような、裏面538)への第1の面128からの高さにおける傾斜を備えることができる。
更に、第1の再位置決め顎エレメント106の第1の面128及び第2の再位置決め顎エレメント108の第2の面130は、ここで更に記載されるような、傾斜を含むことができる。例えば、図1Cによって図示され及び図4Aによって更に図示されるように、第1の面128は、再位置決め顎エレメント106の傾斜近心−対向面であることができ、及び、第2の面130は、第2の再位置決め顎エレメント108の傾斜遠位−対向面であることができる。面128、130は、例えば、傾斜(例えば、曲げられた面)においてインターフェースすることができる。
第1の再位置決め顎エレメント106の傾斜天面、第1の面128の傾斜、及び/又は第2の面130の組み合わせは、例えば、第1のシェル114及び第2のシェル116を設計するときの、患者の矯正顎位置の予測における誤差を許容することができる。例えば、第1のシェル114及び第2のシェル116は、患者の実際矯正顎位置とは異なる予測矯正顎位置のために設計されることができる(例えば、予測矯正顎位置は、患者の実際矯正顎位置に比べて不正確であってよい)。
矯正顎位置は、例えば、患者の現在顎位置に比べて矯正(例えば、変化)される、上側顎及び下側顎の関係であることができる。例えば、矯正顎位置は、上側及び下側顎の最適な関係(例えば、理想顎位置)、現在顎位置よりも上側及び下側顎のより最適な関係、及び/又は、(例えば、下側顎が最適な関係/前進顎位置よりも前側に突出することができる)過矯正位置を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態において、矯正顎位置は、上側顎及び下側顎の最適な関係へのインクリメンタルな移動であることができる。
第1のシェル114及び第2のシェル116は、不正確な予測矯正顎位置のために設計されてよい。しかしながら、第1の再位置決め顎エレメント106の傾斜天面及び第1及び第2の面128、130の傾斜によって、第1及び第2の再位置決め顎エレメント106、108は、患者によって装着されたときに、理想的なフィットを有することができる。
理想的なフィットは、ここで用いられているように、患者の顎が閉じられたときの、再位置決め顎エレメントのフィットである。例えば、理想的なフィットは、矯正顎位置へ患者の顎を再位置決めすることができる、再位置決め顎エレメントの位置及びフィットであることができる。矯正顎位置は、患者データを用いて予測されることができる。しかしながら、予測矯正顎位置は、利用可能な制限された患者データによって、いつも正確ではないかもしれない。
多数の実施形態において、患者データは、関節接合情報を備えることができる。例えば、患者の関節接合情報は、前進位置において軟蝋へ咬合している患者に関するスキャン咬合登録を用いて、及び、スキャン咬合登録に合うようにスキャンを合致させ入力されることができる。前進位置は、ここで使用されるように、上側顎に対する下側顎の前側位置を含むことができる。代替的に、咬合器及びフェイスボウトランスファー(facebow transfer)は、関節モデルを生成するために用いられることができ、関節位置は、コンピューティング装置に入力されることができる。これは、実際の咬合の又は咬合の設けられた関節接合のスキャンが、再位置決め顎エレメントを設計する(例えば、位置決めする)ために入力されて及び用いられることができる、ことである。
再位置決め顎エレメントの理想的なフィットは、矯正顎位置を予測することにおける、及び/又は、完全閉鎖位置からの顎の移動による患者の顎関係の様々を予測することにおける、潜在的な誤差を考慮することができる。例えば、患者の顎は、完全閉鎖位置においていつも位置決めされわけでなくてよい。本明細書に係る再位置決め顎エレメントの設計は、矯正顎位置について不正確に予測されることを許容することができ、及び/又は、患者の顎の関係について意図された高さ及び/又は意図された位置に顎を移動させて更に別離することを許容することができる。
これは、再位置決め顎エレメント106、108が、不正確な予測矯正顎位置ではあるが、顎を意図された高さに別離することができ、及び/又は、顎を意図された位置に移動させることができる、ことである。不正確な予測矯正顎位置のために設計される第1及び第2の面の傾斜天面及び/又は傾斜を有さない歯科器具は、顎を、意図された高さよりも高い(又は、低い)高さに別離することができ、及び/又は、顎を、意図された位置を過ぎて(あるいは、少なく)移動させることができる。
いくつかの実施形態において、咬合面の別離は、過突出及び前方交差咬合を含んでいる矢状不正咬合の治療、横方向交差咬合を含んでいる横方向不正咬合の矯正、及び/又は過蓋咬合のような横方向問題の治療のために用いられることができる。不正咬合は、患者の顎を再位置決めするために、(いくつかの実施形態においては、図1Bの実施形態によって図示されるように、顎の反対の後ろ側の第3の再位置決め顎エレメント110及び第4の再位置決め顎エレメント112に加えて、)再位置決め顎エレメント106、108を用いて治療されることができる。いくつかの状況において、後方交差咬合及び過蓋咬合は、顎が新たな相対関係に再位置決めされる間に、歯の個別移動を許容するために、再位置決め顎エレメント106、108を用いて治療されることができる。
交差咬合及び/又は過蓋咬合を患う患者は、いくつかの例において、反対の顎の歯が物理的な障害になり、そして従って、所望の移動が行われるのを防止され得るので、所望の位置に動かすことが困難となる上側顎及び/又は下側顎における前方門歯を有し得る。再位置決め顎エレメント106、108は、第2のシェル116の咬合面から第1のシェル114の咬合面を別離することによって、下側顎からの上側顎の別離(例えば、ディスクルージョン)を提供することができる。様々な場合において、交差咬合及び過蓋咬合の治療のために用いられる再位置決め顎エレメント106、108は、同様な頬側−舌側長であることができ、第1のシェル114及び第2のシェル116の咬合、頬側、及び/又は舌側面から延在することができる。
再位置決め顎エレメント106、108は、例えば、交差咬合及び過蓋咬合のより容易な治療を許容するべく、十分に開く(例えば、標準的に行ってよい咬合干渉を非係合する)ための患者の咬合の前方位置を許容するために、後方歯の付近に設けられることができる。例えば、咬合面の別離は、臼歯の先端が反対の臼歯の穴に滑り戻るのを防止することによって引きおこされる。このような状況において、上側顎及び下側顎は、例えば、離れて保持され、及び、規定された治療に関してインターフェースするのを避ける。
本明細書の多数の実施形態に係る、第1の臼歯領域における5−6ミリメートル(mm)の開口は、過蓋咬合、開咬合、及び/又は他の不正咬合の治療のために好適であることができる。例えば、クラスII、ディビジョンIの過蓋咬合を患う患者を治療するための再位置決め顎エレメントの目的は、第1の臼歯領域(例えば、歯)にて5−6mm開いている結果になる、2mmの埋没−切端クリアランス(例えば、上側顎の切端歯及び下側顎の切端歯の間のスペース)を発生させることで有り得る。対比によって、クラスII、ディビジョンIIの過蓋咬合を患う患者を治療するための再位置決め顎エレメントの目的は、第1の臼歯領域にて5−6mm開いている結果になる、0mmの埋没−切端クリアランス(例えば、接触する切端歯に関する歯科器具の位置)を発生させることで有り得る。また、クラスIIの開咬合を患う患者を治療するための再位置決め顎エレメントの目的は、臼歯領域にて5−6mm開いている結果になる、クラスII、ディビジョンIの過蓋咬合のための再位置決め顎エレメントと比べて、埋没−切端クリアランスを増加させることで有り得る。例えば、2mm前方開咬合患者において、4mm埋没−切端クリアランスが最適であることができる。様々な実施形態において、再位置決め顎エレメント106、108は、患者の後方歯のディスクルージョンを本質的に引き起こすことができる。
インターフェースしている、相互作用している、及び/又は係合している再位置決め顎エレメント106、108は、患者の顎に力を印加することによって、患者の下側顎(例えば、図1A−1Bの実施形態において図示された下側顎112)を再位置決めするために使用されることができる。力は、矢状矯正のための患者の顎への力を含むことができる。力は、例えば、患者の顎を再位置決めするために、患者の下側顎を(例えば、前方向又は後ろ方向において)矢状に移動することができる。
いくつかの実施形態において、第1の再位置決め顎エレメント106及び第2の再位置決め顎エレメント108のような、再位置決め顎エレメントは、(例えば、図12Bの実施形態において図示されているように、)患者の反対の顎の歯の咬合面の外形に実質的に従っている再位置決め顎エレメントの咬合面を備えることができる。例えば、第1の再位置決め顎エレメント106の咬合面(例えば、天面)は、下側顎の後方歯の咬合面(例えば、第1の再位置決め顎エレメント106が接触してよい下側顎の後方歯の咬合面)の外形に実質的に従うことができる。第2の再位置決め顎エレメント108の咬合面は、上側顎の後方歯の咬合面(例えば、第2の再位置決め顎エレメント108が接触してよい上側顎の後方歯の咬合面)の外形に実質的に従うことができる。患者の歯列に基づいて再位置決め顎エレメントの咬合面を形成することは、例えば、所望しない歯及び/又は顎の移動の見込みを増加し得た反対の顎における干渉に当るかもしれない歯の先端の間の干渉を避けてよい。
代替的に及び/又は追加で、いくつかの実施形態において、再位置決め顎エレメントの咬合面及び/又は取り外し可能な歯科器具の他の咬合面は、(例えば、図10Cの実施形態において図示されているように)患者の反対の顎のである、歯の咬合面の外形と異なる幾何学的形状を有することができる。例えば、幾何学的形状は、(例えば、ここで更に記述されるような)患者の新たな顎位置(例えば、前側又は後ろ側下側顎位置)に一致するためのパターンを備えることができる。
本明細書のいくつかの実施形態に係る、取り外し可能な歯科器具は、第1のシェル114及び第2のシェル116を備えることができる。取り外し可能な歯科器具は、患者の顎を再位置決めすることと同時に、患者の上側歯列の多数の歯及び患者の下側歯列の多数の歯を再位置決めするように構成されることができる。歯アライメント問題(例えば、ローテーション、チッピング等)と併せて患者の顎の不正アライメントの同時治療(例えば、クラスIIの矯正)は、患者の歯の不正アライメントを治療する前に、患者の顎の不正アライメントをまず治療するシーケンシャルな治療プロトコルと比べて、治療期間を短くすることができる。この目的の達成を援助するために、多数の実施形態に係る再位置決め顎エレメント106、108は、ここに含まれる歯に関するシェルの係合を避け及び/又はインターフェースしない。
歯の不正アライメントと同時の患者の顎の不正アライメントの同時治療は、患者の顎を再位置決めする治療において支援することができる。治療されない場合、アーチの間の最適嵌合が元来の顎位置に関して同時に起こるから、歯の不正アライメントは、所望の顎位置(意図された又は最終的な顎の位置)の代わりに元来の顎位置において咬合することを促し得る。歯が所望の顎位置において最良に一緒にフィットするような歯の再アライメントは、器具が取り除かれたときに、所望の顎位置を増強する。患者の顎を再位置決めすることは、下側顎の移動に関連する筋肉を再訓練することを含むことができる。患者の歯の不正アライメントにより、最良のフィットする歯の位置が、生理学的に快適であるよりも、より後ろに押しやられた位置に顎を押しすすめ得るので、患者の下側顎は、後ろに押しやられた位置に不正確に位置決めされ得る。前側に位置決めされた下顎骨において歯がより良くフィットする治療は、下顎骨が後ろに押しやられるときに生じ得る関節圧縮を和らげることができる。患者の顎の筋肉は、より前側(及びより快適な)位置において下側顎を保持するために再訓練されることができる。
これに対して、ここに記載された取り外し可能歯科器具は、第1のシェル114、第2のシェル116、第1のシェル114の面から延在している第1の再位置決め顎エレメント106、及び第2のシェル116の面から延在している第2の再位置決め顎エレメント108を備えることができ、患者の顎の不正アライメント及び患者の歯の不正アライメントを同時に治療することができる。同時の治療は、他の利益のなかで、逆戻り及び/又は不正確な位置において筋肉を再訓練することを、避け及び/又は防止することができる。また、本明細書に係る取り外し可能歯科器具の実施形態は、従来のソリューションと比べたときに、より少ないブレース及び/又は弾性体の結果となることができる。成長する患者において、同時の治療は、また、より好ましい方向において顎の成長を促進し得る。
図1A−1Cの本実施形態は、シェルの咬合面及び/又は患者の1つ以上の歯の咬合面付近から延在している再位置決め顎エレメントを図示するが、実施形態はそうは限定されない。再位置決め顎エレメントは、いくつかの実施形態において、舌側面、頬側面、咬合面、及び/又はこれらの組み合わせから延在することができる。
いくつかの実施形態において、再位置決め顎エレメント(例えば、図1Cに図示された第1の再位置決め顎エレメント106及び第2の再位置決め顎エレメント108)は、えぐられることができ、及び/又は、3次元(3D)プリンタを介して、あるいは、ステレオリソグラフィのプロセスを介してプリントされる材料を含んでいる、他の材料のなかで、歯の着色材、クリア材料、アクリル、及び/又は複合物のような材料でとじ込まれることができる。他の材料が、例えば、中空再位置決め顎エレメントと比べたときに、追加的な圧縮強度を提供することができる。
いくつかの実施形態において、再位置決め顎エレメントの中空スペースは、薬品又は患者の口の内部の他のアイテムの貯蔵のためのリザーバとして用いられることができる。例えば、口臭消臭剤、歯の移動及び/又は歯及び/又は患者の歯茎のコンディションの改善を援助するための薬品は、ここで提供されてよく、及び、再位置決め顎エレメントの内側及び/又は外側において形成される穴及び/又は通路を介して分配されてよい。
中空再位置決め顎エレメントは、再位置決め顎エレメントが取り付けられるシェルの柔軟性を増大させることができる。導入された増加した柔軟性は、機能性及び/又は垂直又は水平方向における歯科器具の保持を下げ得る。例えば、患者が完全係合矢状顎位置に移動し、再位置決め顎エレメントがインターフェースするときに、シェルに印加される力は、患者の歯茎から突発している(例えば、離れて移動している)シェルの歯肉ラインの結果をもたらすことができる。多数の実施形態において、多数の設計特徴及び/又はエレメントは、(例えば、他の位置のなかで、図4の実施形態に関して更にここで述べられるように)溝及び曲げられた再位置決め顎エレメントのように、柔軟性の増加を減少させるために及び/又は除去するために用いられることができる。
いくつかの実施形態において、再位置決め顎エレメントは、歯科器具のシェルの保持力及び/又は機能性が品質を落とすことを最小化及び/又は防止するように形状化されることができる。例えば、再位置決め顎エレメントの頬側−舌側幅は、シェルに隣接する再位置決め顎エレメントの面(例えば、底面)の頬側−舌側幅でよりも、再位置決め顎エレメントの咬合面(例えば、天面)にて異なることができる。例えば、再位置決め顎エレメントの頬側−舌側幅は、シェルに隣接する再位置決め顎エレメントの面の頬側−舌側幅であるよりも、再位置決め顎エレメントの咬合面にて幅広であることができる。このような形状は、図12Dの実施形態において図示されているように、反対の顎に位置決めされた再位置決め顎エレメントの咬合面とインターフェースしている、より広い頬側−舌側咬合面を有する、I−ビーム(I−beam)の構造と同様であることができる。
本明細書のいくつかの実施形態において、再位置決め顎エレメントは、生え出てない及び/又は取り除かれた2番及び/又は3番の大臼歯付近の取り外し可能な歯科器具に設けられることができる。生え出てない及び/又は取り除かれた2番及び/又は3番の大臼歯付近の取り外し可能な歯科器具に設けられた再位置決め顎エレメントは、例えば、歯の移動のための増加した領域を提供することができる。代替的に及び/又は追加で、スプリング部は、生え出てない及び/又は取り除かれた2番及び/又は3番の大臼歯付近の取り外し可能な歯科器具に設けられることができる。例えば、スプリング部は、第1の取り外し可能な歯科器具に設けられることができ、及び、タブ部は、スプリング部とインターフェースするために、第2の取り外し可能な歯科器具に設けられることができる。スプリング部は、(図9Bの実施形態において図示されているように、)例えば、患者の下側顎を位置(例えば、前側又は後ろ側位置)に案内することができる。
多数の例において、様々な特徴は、下側顎を位置(例えば、前側又は後ろ側位置)に案内するために、再位置決め顎エレメントに加えて及び/又は代わりに、用いられることができる。例示の特徴は、(例えば、ここで更に述べられるように、図11A及び図11Bの実施形態において図示されているように、)他の特徴のなかで、シェル、リジッド構造、及び/又はリッジ(ridges)の後ろ側で材料を用いている第1のシェルと第2のシェルを接続することを含むことができる。図2Aは、本明細書の多数の実施形態に係る、第1の再位置決め顎エレメント206を有する上側顎202と、第2の再位置決め顎エレメント208を有する下側顎204の側面図である。図2Aに図示される上側顎202、第1の再位置決め顎エレメント206、下側顎204、及び第2の再位置決め顎エレメント208は、ここで更に述べられるように、顎及び再位置決め顎エレメント各々のバーチャルイメージ(例えば、バーチャル顎、及び/又は、バーチャル再位置決め顎エレメント)を含むことができる。図2Aの実施形態において図示されるように、第1の再位置決め顎エレメント206は、前方向又は後ろ方向に下側顎204の位置を動かすために(例えば、矢状に動かすために)、患者の上側顎202の後方歯(例えば、臼歯及び両尖歯)の頬側面の付近に位置決めされることができる。
図2Aにおいて図示されていないが、第1の再位置決め顎エレメント206は、歯科器具の第1のシェルの頬側面から延在することができる。シェルの頬側面は、ここで用いられるように、そこに歯の頬側面の付近のシェルの外面を備えることができる。また、様々な実施形態において、第1の再位置決め顎エレメント206は、第1のシェルの舌側面の付近に位置決めされることができる。シェルの舌側面は、歯の舌側面の付近のシェルの外面を備えることができる。
第2の再位置決め顎エレメント208は、前方向又は後ろ方向に下側顎204の位置を動かすために、患者の下側顎204の後方歯(例えば、両尖歯)の頬側面の付近に位置決めされることができる。図2Aにおいて図示されていないが、第2の再位置決め顎エレメント208は、歯科器具の第2のシェルの頬側面から延在することができる。
第1の再位置決め顎エレメント206及び第2の再位置決め顎エレメント208は、インターフェースすることができる。例えば、第1の再位置決め顎エレメント206の第1の面228は、第2の再位置決め顎エレメント208の第2の面230とインターフェースすることができる。第1の再位置決め顎エレメント206及び第2の再位置決め顎エレメント208は、患者の顎の再位置決めの手法において、仮の咬合(例えば、患者の上側歯列及び下側歯列の完全係合矢状顎位置)の面前において位置決めされることができる。完全係合矢状顎位置は、前述のように、再位置決め顎エレメントを有する歯科器具が許容する限り遠く(例えば、部分咬合顎位置)で上側及び下側顎が閉じられるときの、下顎骨及び上顎骨関係を含むことができる。
例えば、第2の再位置決め顎エレメント208の第2の面230とインターフェースしている第1の再位置決め顎エレメント206の第1の面228は、患者の顎を再位置決めするために、患者の顎に力を印加することができる。力は、例えば、患者の下側顎204を矢状に移動させることができる。
様々な実施形態において、少なくとも1つの再位置決め顎エレメント206、208は、患者の上側顎202及び/又は下側顎204の咬合面を通り過ぎて延在することができる。例えば、第1の再位置決め顎エレメント206は、第2の再位置決め顎エレメント208とインターフェースするために、上側顎202の咬合面を通り過ぎて延在することができる。第2の再位置決め顎エレメント208は、例えば、下側顎204の咬合面を通り過ぎて延在しなくてよい。代替的に、第2の再位置決め顎エレメント208は、第1の再位置決め顎エレメント206とインターフェースするために、下側顎204の咬合面を通り過ぎることができ、第1の再位置決め顎エレメント206は、上側顎202の咬合面を通り過ぎて延在しなくてよい。また、いくつかの実施形態においては、第1の再位置決め顎エレメント206及び第2の再位置決め顎エレメント208の両方は、相互にインターフェースするために、上側顎202及び下側顎204の咬合面各々を通り過ぎて延在することができる。
図2Bは、本明細書の多数の実施形態に係る、第1の再位置決め顎エレメント206及び第3の再位置決め顎エレメント210を有する上側顎202、及び第2の再位置決め顎エレメント208及び第4の再位置決め顎エレメント212を有する下側顎204の正面図である。図2Bにおいて図示される、上側顎202、第1の再位置決め顎エレメント206、第3の再位置決め顎エレメント210、下側顎104、第2の再位置決め顎エレメント208、及び第4の再位置決め顎エレメント212は各々、顎及び再位置決め顎エレメントのバーチャルイメージ(例えば、バーチャル顎及び/又はバーチャル再位置決め顎エレメント)を含むことができる。図2Bによって図示されるように、2つの再位置決め顎エレメント(例えば、第1の再位置決め顎エレメント206及び第3の再位置決め顎エレメント210)は、上側顎202の頬側面の付近に位置決めされることができ、2つの再位置決め顎エレメント(例えば、第2の再位置決め顎エレメント208及び第4の再位置決め顎エレメント212)は、下側顎204の頬側面の付近に位置決めされることができる。
例えば、第1の再位置決め顎エレメント206は、上側顎202の(例えば、臼歯及び/又は両尖歯)後方歯の咬合面の付近に位置決めされることができ、及び、第2の再位置決め顎エレメント208は、下側顎204の(例えば、両尖歯)後方歯の頬側面の付近に位置決めされることができる。第1の再位置決め顎エレメント206及び第2の再位置決め顎エレメント208は、患者の歯列の第1の後ろ側の付近に設けられる(例えば、第1のシェル及び第2のシェルの第1の後ろ側に設けられる)ことができる。
第1の再位置決め顎エレメント206及び第2の再位置決め顎エレメント208は、互いに、相互作用、インターフェース、及び/又はさもなければ係合するように設計された面を備えることができる。例えば、第1の再位置決め顎エレメント206の第1の面は、第2の再位置決め顎エレメント208の第2の面に、インターフェースすることができる。例えば、第1の面は、第1の再位置決め顎エレメント206近心−対向面の傾斜面を備えることができ、第2の面は、第1の再位置決め顎エレメント208の遠位−対向面の傾斜面を備えることができる。
第3の再位置決め顎エレメント210は、上側顎202の(例えば、臼歯及び/又は両尖歯)後方歯の頬側面の付近に設けられることができ、及び、第4の再位置決め顎エレメント212は、下側顎204の(例えば、両尖歯)後方歯の頬側面の付近に位置決めされることができる。第3の再位置決め顎エレメント210及び第4の再位置決め顎エレメント212は、患者の歯列の第2の後ろ側の付近に設けられる(例えば、第1のシェルの及び第2のシェルにおけるシェルの第2の後ろ側に設けられる)ことができる。
第3の再位置決め顎エレメント210及び第4の再位置決め顎エレメント212は、互いに、相互作用、インターフェース、及び/又はさもなければ係合するように設計された面を備えることができる。例えば、第3の再位置決め顎エレメント210の第3の面は、第4の再位置決め顎エレメント212の第4の面に、インターフェースすることができる。例えば、第3の面は、第3の再位置決め顎エレメント210の近心−対向面の傾斜面を備えることができ、第4の面は、第4の再位置決め顎エレメント212の遠位−対向面の傾斜面を備えることができる。
再位置決め顎エレメント206、208、210、212の面は、意図された及び/又は最終的な顎の位置に下側顎204を案内して、及び/又は、所望しない横方向の移動を防止するために、曲げられることができる。面は、頬側−舌側及び/又は近心−遠位の方向に曲げられることができる。(例えば、インターフェースするように設計される2つの面)面の曲げは、(例えば、インターフェースにおいて同様な傾斜を有する)追加の角度を構成することができる。
例えば、第1の再位置決め顎エレメント206の第1の面及び第2の再位置決め顎エレメント208の第2の面は、第1の傾斜にてインターフェースすることができる。第3の再位置決め顎エレメント210の第3の面及び第4の再位置決め顎エレメント212の第4の面は、第2の傾斜面にてインターフェースすることができる。
図2Bの実施形態によって図示されていないが、第1の再位置決め顎エレメント206は、歯科器具の第1のシェルの頬側面から延在することができ、及び/又は、第2の位置決め顎エレメント208は、歯科器具の第2のシェルの頬側面から延在することができる。第1の再位置決め顎エレメント206及び第2の位置決め顎エレメント208は、患者の歯列の第1の側(例えば、患者の歯列の右側)の付近に設けられることができる。第3の再位置決め顎エレメント210は、歯科器具の第1のシェルの頬側面から延在することができ、及び、第4の再位置決め顎エレメント212は、歯科器具の第2のシェルの頬側面から延在することができる。第3の再位置決め顎エレメント210及び第4の再位置決め顎エレメント212は、患者の歯列の第2の側(例えば、患者の歯列の左側)の付近に設けられることができる。
いくつかの実施形態において、再位置決め顎エレメントは、シェルの舌側面から延在することができる。シェルの舌側面は、歯の舌側面の付近のシェルの外面を備えることができる。例えば、いくつかの実施形態において、第1の再位置決め顎エレメント206及び第3の再位置決め顎エレメント210は、第1のシェルの舌側面各々から延在されることができ、及び、第2の再位置決め顎エレメント208及び第4の再位置決め顎エレメント212は、第2のシェルの舌側面各々から延在されることができる。シェルの舌側面に再位置決め顎エレメントを位置決めすることは、例えば、再位置決め顎エレメントが他に対して、より見えない(例えば、再位置決め顎エレメントの目立ちを減少させる)ので、患者により多くの美的な喜びである歯科器具の結果をもたらす。
代替的に及び/又は追加で、(例えば、図13A−13Bによって図示されているように、)多数の位置決め顎エレメントは、シェルの舌側面から延在することができ、及び、多数の位置決め顎エレメントは、シェルの頬側面から延在することができる。このような実施形態において、第1の再位置決め顎エレメント206、第2の再位置決め顎エレメント208、第3の再位置決め顎エレメント210、及び第4の再位置決め顎エレメント212は、第1のシェル及び第2のシェルの頬側面から各々延在することができる。加えて、第5の再位置決め顎エレメントは、第1のシェルの舌側面から延在することができ、及び、第6の再位置決め顎エレメントは、第2のシェルの舌側面から延在することができ、第7の再位置決め顎エレメントは、第1のシェルの舌側面から延在することができ、及び、第8の再位置決め顎エレメントは、第2のシェルの舌側面から延在することができる。第5の再位置決め顎エレメント及び第6の再位置決め顎エレメントは、患者の歯列の第1の側の付近に設けられることができ、及び、第7の再位置決め顎エレメント及び第8の再位置決め顎エレメントは、患者の歯列の第2の側の付近に設けられることができる。シェルの頬側面に加えてシェルの舌側面に再位置決め顎エレメントを位置決めすることは、例えば、他の利益の間で、追加の安定性を与えることができ、再位置決め顎エレメントの美的な目立ちを減少することができ、及び/又は、横方向の移動を制限することができる。
いくつかの実施形態においては、複数の再位置決め顎エレメントは、第1のシェルの頬側面から延在することができ、複数の再位置決め顎エレメントは、第2のシェルの頬側面から延在することができる。頬側面から延在している複数の再位置決め顎エレメントは、例えば、頬側面から各々延在している単一の再位置決め顎エレメントと比べたときに、再位置決め顎エレメントの目立ちを減らすことができる。
多数の実施形態に係る、頬側面から延在している再位置決め顎エレメントは、患者の交差咬合を治療するために用いられることができる。例えば、第1のシェルの頬側面から延在している再位置決め顎エレメント、及び、第2のシェルの頬側面から延在している再位置決め顎エレメントは、患者において交差咬合を治療するために、頬側方向において臼歯の先端にインターフェースすることができる。
図3は、本明細書の多数の実施形態に係る、下側歯列から上側歯列を別離するための方法320の例を図示する。方法320に従って下側歯列から上側歯列を別離することは、例えば、過度な又は不十分な上歯突出、過度な又は不十分な過蓋咬合、及び/又は交差咬合のような不正咬合の治療を許容することができる。
ブロック322にて、方法320は、患者の上側歯列の多数の歯を受けるように構成された第1のシェルを備えている歯科器具を有する少なくとも1つの歯を移動させることであって、多数の歯は少なくとも1つの歯を備えていることを含む。これは、第1のシェルが患者の上側歯列の多数の歯を受けて、患者の上側歯列の多数の歯の少なくとも1つの歯を再位置決めするように構成されたシェルを備えることができることである。
ブロック324にて、方法320は、歯科器具を利用している患者の下側歯列から患者の上側歯列を別離することを含む。例えば、別離は、第1のシェルの咬合面が第2のシェルの咬合面に接触することを防止するために、閾値距離に咬合面を別離することを含むことができる。第2のシェルは、患者の下側歯列の多数の歯を受けて、患者の下側歯列の多数の歯の少なくとも1つの歯を再位置決めするように構成されたシェルを備えることができる。
歯科装置は、ブロック326にて、第1のシェルの第1の再位置決め顎エレメントの第1の面を、歯科器具の第2のシェルの第2の再位置決め顎エレメントの第2の面とインターフェースすることができる。第2のシェルは、例えば、患者の下側歯列の多数の歯を受けるように構成される。歯科器具は、例えば、患者が完全係合矢状顎位置に動かすときに、患者の下側歯列の多数の歯の咬合面から、患者の上側歯列の多数の歯の咬合面を別離することができる。患者の好ましい位置が現在の咬合の代わりの面エリアに係合されるべく、係合が現存している咬合よりも良いフィット(例えば、接触におけるより大きなポイント又は面)であるように、非係合エリアが離される間に、上側顎/シェルを下側顎/シェルに係合する再位置決め顎エレメントの面エリアが築かれてよい。
係合矢状顎位置は、上側顎及び下側顎が閉じられて歯が接触するときの、下顎骨及び上顎骨の関係を含むことができる。完全係合矢状顎位置は、ここで用いられるように、上側及び下側顎が再位置決め顎エレメントを有する歯科器具が許容する限り閉じられたとき(例えば、第1の再位置決め顎エレメントの第1の面が、第2の再位置決め顎エレメントの第2の面にインターフェース、相互作用、及び/又は係合するとき)の、下顎骨及び上顎骨の関係を含むことができる。これは、完全係合矢状顎位置において、上側顎の歯の少なくともいくつか、及び下側顎の歯の少なくともいくつかが接触しない、ことである。また、いくつかの実施形態において、第1のシェルの咬合面、及び、第2のシェルの咬合面の少なくともいくつかは、完全係合矢状顎位置において接触しない。
前述のように、完全係合矢状顎位置は、過度な又は不十分な上歯突出、過度な又は不十分な過蓋咬合、及び/又は交差咬合のような不正咬合の治療において必要とされてよい。例えば、咬合面を別離することは、患者の下側顎を移動させること、あるいは、咬合の現在位置から延在している顎開口の所望の範囲へ咬合を開くことを許容することができる。これは、また、所望しない後方位置からより快適な(及び美的な喜びである)前側にずれた位置への前側への下側顎の減圧を許容することができる。前進は、一方側又は両方側であることができる。
本明細書に係る多数の実施形態において、咬合面は、第1のシェルの咬合面が第2のシェルの咬合面に接触することを防止するために、閾値距離に別離されることができる。例示の距離閾値は、1ミリメートルであることができ、しかしながら、治療専門家が他の適した距離を決定してもよく、及びこのような距離は、本明細書の実施形態の範囲内である。
いくつかの実施形態において、方法320は、複数の歯科器具を利用している複数のインクリメンタルな距離において、完全係合矢状顎位置に患者が移動させるときに、患者の下側歯列の多数の歯の咬合面から患者の上側歯列の多数の歯の咬合面を別離することを含むことができる。例えば、再位置決め顎エレメントは、過度な又は不十分な上歯突出、過度な又は不十分な過蓋咬合、及び/又は交差咬合のような不正咬合を、複数の歯科器具に提供される再位置決め顎エレメントを用いることによって、インクリメントに治療するように設計されることができる。いくつかの実施形態において、インクリメントは、(例えば、図7に関連してここで更に述べられるように、)再位置決め顎エレメントの位置をシフトすることによる、及び/又は、一連の複数の歯科器具の各々の複数の再位置決め顎エレメントの長さをシフトすることによる、下側顎の緩やかな移動を含むことができる。
図4A−4Cは、本明細書の多数の実施形態に係る、再位置決め顎エレメントの例を図示する。図4Aは、2つの再位置決め顎エレメント406、408の例を図示する。2つの再位置決め顎エレメント406、408は、バーチャル再位置決め顎エレメント、及び/又は、物理的再位置決め顎エレメントであることができる。第1の再位置決め顎エレメント406は、歯科器具の第1のシェルに位置決めされた第1の再位置決め顎エレメントを備えることができる。第2の再位置決め顎エレメント408は、歯科器具の第2のシェルに位置決めされた第2の再位置決め顎エレメントを備えることができる。
図4Aによって図示されているように、第1の再位置決め顎エレメント406は第1の面428を備えることができ、第2の再位置決め顎エレメント408は第2の面430を備えることができる。第1の面428は、第1の再位置決め顎エレメント406の近心−対向面の傾斜面を備えることができ、及び、第2の面430は、第2の再位置決め顎エレメント408の遠位−対向面の傾斜面を備えることができる。面428、430は、例えば、傾斜(例えば、曲げられた面)にてインターフェースすることができる。
多数の実施形態において、再位置決め顎エレメントは、曲げられた裏面を備えることができる。例えば、再位置決め顎エレメントの裏面(例えば、反対の顎の再位置決め顎エレメントとインターフェース、相互作用、及び/又は係合するように設計される面に対して反対側の面)は、遠位方向において曲げられることができる。図4Aによって図示されるように、第1の再位置決め顎エレメント406の裏面は、遠位方向において曲げられる。曲げることは、例えば、舌及び/又は口の他の柔らかい組織に露出したシャープな面の減少によって、患者のための快適性を改善することができる。
図4Bは、本発明の多数の実施形態に係る再位置決め顎エレメント434の例を図示する。再位置決め顎エレメント434は、例えば、バーチャル再位置決め顎エレメント及び/又は物理的再位置決め顎エレメントを備えることができる。再位置決め顎エレメント434は、四側面436、438、458(例えば、残りの側の面は、図示から離れて対向されている)を備えることができる。第1の側面436は、反対の顎のシェルにおける再位置決め顎エレメントの他の面と、インターフェース、相互作用、及び/又は係合することができる面を備えることができる。図示されているように、第1の側面436は、傾斜されることができる。第2の側面438は、曲げられた裏面を備えることができる。例えば、第2の側面438は、患者の快適さを改善するために、遠位方向において曲げられることができる。
図4Bによって図示されているように、様々な実施形態において、再位置決め顎エレメント434は、再位置決め顎エレメント434の天面452における溝440を備えることができる。例えば、補強溝及び/又は案内溝は、バーチャル及び/又は物理的再位置決め顎エレメントの天面452に設けられることができる。再位置決め顎エレメントの天面452は、ここで用いられているように、患者の顎の反対側における歯の咬合及び/又は冠状面に延在している再位置決め顎エレメントの面を備えることができる。溝は、ここで用いられているように、再位置決め顎エレメントの内部の中空チャネルを備えることができる。再位置決め顎エレメント434の天面452の溝440は、例えば、水平方向(例えば、近心−遠位方向)において延在することができる。
代替的に及び/又は加えて、様々な実施形態において、再位置決め顎エレメント434は、再位置決め顎エレメント434の頬側面及び/又は舌側面(例えば、側面458)のサイド溝を備えることができる。再位置決め顎エレメントの頬側面は、ここで用いられているように、患者のチークに向かって及び/又は隣接して延在している再位置決め顎エレメントのサイドを備えることができる。再位置決め顎エレメントの舌側面は、ここで用いられているように、ユーザの舌に向かって及び/又は隣接して延在している再位置決め顎エレメントのサイドを備えることができる。溝(例えば、トップ溝及び/又は多数のサイド溝)は、例えば、溝を備えていない再位置決め顎エレメントと比べたときに、再位置決め顎エレメント434の固さを増加させることができ、及び/又は、歯科器具のシェルの保持力及び/又は機能性が低下するのを減少及び/又は防止することができる。溝は、また、治療の間、各顎のシェルにて機能することができる。
様々な実施形態において、複数のサイド溝442−1、442−2、442−3、442−4、442−5、442−6...442−N)は、再位置決め顎エレメント434の頬側面及び/又は舌側面(例えば、側面458)に設けられることができる。例えば、サイド溝442−1...442−Nは、バーチャル再位置決め顎エレメント及び/又は物理的再位置決め顎エレメントの頬側面及び/又は舌側面(例えば、側面458)の各々に設けられることができる。サイド溝442−1...442−Nは、再位置決め顎エレメント434の側面の内部の中空チャネルを各々備えることができる。サイド溝442−1...442−Nは、垂直方向(例えば、下位−上位方向)において延在することができる。図4Bによって図示されているように、いくつかの実施形態において、再位置決め顎エレメント434は、天面452の天溝440、及び、側面(例えば、側面458)のサイド溝442−1...442−Nを備えることができる。
いくつかの実施形態において、サイド溝442−1...442−Nは、再位置決め顎エレメント434が延在している多数の歯の少なくとも1つの隣接面領域に設けられた冠状−舌尖溝を備えることができる。これは、溝の各サイドが、2つの歯の隣接面領域に設けられることができる、ことである。図4Bの本実施形態は、V形状にて天溝440及び複数のサイド溝442−1...442−Nを図示しているが、本明細書に係る実施形態は、そうは限定されない。溝は、様々な幾何学的形状及びサイズを備えることができる。例えば、溝は、他の形状及び/又はサイズの間で、円形、六角形、矩形、及び/又は八角形の部分を備えることができる。幾何学的パターンは、溝又は一連の溝が提供されてよい十分な構造上の固さを、当該パターンがもたらす限りにおいて、溝の代わりに用いられてよい。
図4Cは、本明細書の多数の実施形態に係る、再位置決め顎エレメント444の例を図示する。再位置決め顎エレメント444は、例えば、バーチャル再位置決め顎エレメント及び/又は物理的再位置決め顎エレメントであることができる。再位置決め顎エレメント444は、四側面436、438、446(例えば、残りの側の面は、図示から離れて対向されている)を備えることができる。第1の側面436は、反対の顎のシェルにおける再位置決め顎エレメントの他の面と、インターフェース、相互作用、及び/又は係合することができる面を備えることができる。図示されているように、第1の側面436は、傾斜されることができる。第2の側面438は、曲げられた裏面を備えることができる。例えば、第2の側面436は、患者の快適さを改善するために、遠位方向において曲げられることができる。また、図4Cの再位置決め顎エレメント444によって図示されているように、再位置決め顎エレメント444は、再位置決め顎エレメント444の天面において天溝440を備えることができる。
いくつかの実施形態において、再位置決め顎エレメント444は、曲げられた側面を備えることができる。例えば、頬側面及び/又は舌側面(例えば、側面446)は、頬側及び/又は舌側方向の少なくとも1つにおいて曲げられることができる。図4Cによって図示されているように、曲げられた側面446は、たわんだカーブを備えることができる。例えば、曲げられた側面446は、骨形状において形状化されている再位置決め顎エレメント444の天面の結果をもたらすことができる。曲げられた側面446は、例えば、側面が曲げられていない場合よりも歯を係合するためにシェルのより大きな面エリアを許容することにより、曲げられていない側面と比べたときに、再位置決め顎エレメント444の固さを増加させることができ、及び/又は、歯科器具のシェルの保持力及び/又は機能性が低下するのを減少させ及び/又は防止することができる。
図5A−5Cは、本明細書の多数の実施形態に係る、再位置決め顎エレメントの例を図示する。図5A−5Cは、再位置決め顎エレメントの例を図示する。再位置決め顎エレメントは、様々な実施形態において、バーチャル再位置決め顎エレメント及び/又は物理的再位置決め顎エレメントであることができる。例えば、図5Aは、再位置決め顎エレメントのトップダウンビュー550を図示する。再位置決め顎エレメントのトップダウンビュー550は、サイド溝542−1、542−2、542−3、542−4、542−5、542−6、542−7、542−8、542−9...542−Pに関する2つの側面のビュー、他の面536とインターフェース、相互作用、及び/又は係合することができる面、裏面538、天面552を備えることができる。
いくつかの実施形態に係る、側面は、傾斜されることができる。例えば、サイド溝542−1...542−Pに関する頬側面及び舌側面は、再位置決め顎エレメントの側面のトップよりも底の異なる頬−爪の幅を備えるために、傾斜されることができる。例えば、底の頬−爪の幅は、再位置決め顎エレメントの側面のトップの頬−爪の幅よりも幅広であることができる。このような実施形態において、再位置決め顎エレメントの咬合面は、歯科器具のシェルに隣接する及び/又は付近の再位置決め顎エレメントの面(例えば、再位置決め顎エレメントの底面)よりも、幅狭の頬側−舌側の幅を有することができる。側面を傾斜することは、例えば、側面の底よりも幅広のトップの頬側−舌側の幅を有するために、(例えば、図5Bに関して更に述べられるように、)面536及び/又は裏面538を傾斜することを備えることができる。面536、538及びサイド溝542−1...542−Pを傾斜することは、たとえば、歯科器具の製造において援助することができ、当該器具は、(例えば、3Dプリンタモデル、あるいは、ステレオリソグラフィ(SLA)モデルのような)ポジティブ参照モデルから製造される。
図5Aにおいて図示された再位置決め顎エレメントは、頬側面及び/又は近心側面における複数のサイド溝542−1...542−Pを備えることができる。頬側面及び/又は舌側面を傾斜することは、例えば、サイド溝542−1...542−Pを傾斜することを含むことができる。例えば、サイド溝542−1...542−Pの底の頬側−舌側の幅(シェルに隣接する及び/又は付近の面)は、サイド溝542−1...542−Pのトップの頬側−舌側の幅(再位置決め顎エレメントの天面553に隣接する及び/又は付近のサイド溝の面)よりも幅広であることができる。
図5Bは、再位置決め顎エレメントのビュー553を図示する。図5A及び5Bの再位置決め顎エレメントは、様々な場合において、同様な及び/又は異なる再位置決め顎エレメントを備えることができる。例えば、図5Bは、矢印541のビューのポイントから図5Aの実施形態において図示されている再位置決め顎エレメントのビューを含むことができる。
再位置決め顎エレメントのビュー553は、他の面(例えば、図5Aの面536)にインターフェース、相互作用、及び/又は係合する面のビューを含むことができる。例えば、面は、再位置決め顎エレメントの天面552に隣接するトップ、再位置決め顎エレメントの底面554に隣接する底、再位置決め顎エレメントの頬側及び/又は舌側面531−1、531−2に隣接する2つの側を備えることができる。
図5Bによって図示されるように、(例えば、再位置決め顎エレメントの底面554に隣接する)面の頬側−舌側の幅は、傾斜されることができる。例えば、面の底の頬側−舌側の幅は、(例えば、再位置決め顎エレメントの底面554に隣接する)面のトップの頬側−舌側の幅よりも幅広であることができる。
また、矢印556によって図示されるように、他の面にインターフェース、相互作用、及び/又は係合することができる面は、傾斜されることができる。例えば、面は、近心−遠位方向における角度にて傾斜されることができる。
図5Cは、再位置決め顎エレメントの例示の側面ビュー560を図示する。再位置決め顎エレメントは、いくつかの実施形態において、バーチャル再位置決め顎エレメント及び/又は物理的再位置決め顎エレメントであることができる。図5A、5B、及び5Cの再位置決め顎エレメントは、様々な場合において、同様な及び/又は異なる再位置決め顎エレメントを備えることができる。たとえば、図5Cは、矢印543のビューのポイントからの、図5Aの実施形態において図示された再位置決め顎エレメントのビューを含むことができる。側面ビュー560は、頬側及び/又は舌側面558のビューを含むことができる。頬側及び/又は舌側面558は、再位置決め顎エレメントの天面552に隣接するトップ、再位置決め顎エレメントの底面554に隣接する底、再位置決め顎エレメントの他の面536にインターフェース、相互作用、及び/又は係合する面に隣接する第1の側、及び再位置決め顎エレメントの裏面538に隣接する第2の側を備えることができる。頬側及び/又は舌側面558は、図5Cによって図示されているように、複数のサイド溝を備えることができる。
図5Cによって図示されているように、本明細書に係る再位置決め顎エレメントは、傾斜天面を備えることができる。傾斜天面は、面536から裏面538への高さにおける傾斜を備えることができる。例えば、高さにおける傾斜は、遠位方向における再位置決め顎エレメントの冠状−舌尖高さよりも、近心方向における再位置決め顎エレメントのより高い冠状−舌尖高さを備えることができる。このような傾斜は、例えば、平面方向(例えば、水平面に平行でない)において、患者の顎が閉じなくてよいので、患者のためのより快適な経験をもたらすことができる。すなわち、上側顎と下側顎との間の垂直距離は、顎の元来の位置決め及び所望の位置(例えば、意図された及び/又は最終的な位置)に依存して、何人かの患者のための後方領域においてよりも前方領域において、より大きく、あるいは、他の者のための前方領域においてよりも後方領域において、より大きくすることができる。これらの不一致を利用することにより、患者は、平面が仮の咬合において設計された場合でさえよりも、より多くのポイントにおいてふさぐことができる(及び、仮の咬合がより安定するであろう)。
図6は、本明細書の1つ以上の実施形態に係る方法を実行するための、プロセッサーによって実行されることができる実行可能命令を有する例示のコンピューティング装置読み取り可能媒体を図示する。例えば、コンピューティング装置664は、結合される多数のコンポーネントを有することができる。コンピューティング装置664は、プロセッサー666及びメモリ668を備えることができる。メモリ668は、本明細書において図示されているように、データ670及び実行可能命令672を有する様々なタイプの情報を有することができる。
プロセッサー666は、内部又は外部非一時的コンピュータ装置読み取り可能媒体(CRM)に格納される命令672を実行することができる。非一時的CRMは、ここで用いられているように、揮発性及び/又は不揮発性メモリを備えることができる。揮発性メモリは、他の間での、様々なタイプのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)のような、情報を格納するために電力に依存するメモリを含むことができる。不揮発性メモリは、情報を格納するために電力に依存しないメモリを含むことができる。
メモリ668及び/又はプロセッサー666は、様々な実施形態において、コンピューティング装置664に設けられてよく、コンピューティング装置664から離れて設けられてよい。このようなので、図6の実施形態において図示されているように、コンピューティング装置664は、ネットワークインターフェース674を備えることができる。このようなインターフェース674は、他のネットワークのコンピューティング装置において処理することを許容することができ、患者についての情報を獲得するために用いられることができ、及び/又は、ここで提供される様々な実施形態においてに関する使用のためのデータ及び/又は実行可能命令を格納するために用いられることができる。
図6の実施形態において図示されているように、コンピューティング装置664は、1つ以上の入力及び/又は出力インターフェース678を備えることができる。このようなインターフェース678は、コンピューティング装置664を、1つ以上の入力及び/又は出力装置680、682、684、686、688と接続するために用いられることができる。
例えば、図6の実施形態において、入力及び/又は出力装置は、スキャニング装置680、カメラドック682、入力装置684(例えば、マウス、キーボード等)、ディスプレイ装置686(例えば、モニタ)、プリンタ688、及び/又は1つ以上の他の入力装置を備えることができる。入力/出力インターフェース678は、データ格納装置(例えば、メモリ)において格納可能な、患者の歯列のバーチャル歯モデルを示している、実行可能な命令及び/又はデータを受信することができる。
いくつかの実施形態において、スキャンニング装置680は、患者の歯列の1つ以上の物理的歯モールドをスキャンするように構成されることができる。1つ以上の実施形態において、スキャンニング装置680は、患者の歯列及び/又は歯科器具を直接スキャンするように構成されることができる。スキャンニング装置680は、コンピューティング装置664にデータを入力するように構成されることができる。
いくつかの実施形態において、カメラドック682は、デジタルカメラ、プリント写真スキャナ、及び/又は他の適切なイメージング装置のような、イメージング装置(例えば、2D又は3Dイメージング装置)から入力を受信することができる。イメージング装置からの入力は、例えば、メモリ668において格納されることができる。
プロセッサー666は、治療計画、歯科器具、及び/又は、再位置決め顎エレメントの可視指示をディスプレイ686に提供するために、命令を実行することができる。コンピューティング装置664は、治療専門家又は他のユーザが、治療のゴールを入力することを許容するように構成されることができる。受信された入力は、データ670としてプロセッサー666に送信されることができ、及び/又は、メモリ668において格納されることができる。
このような接続性は、他のタイプの情報の間での、データ及び/又は命令の入力及び/又は出力を許容することができる。いくつかの実施形態は、1つ以上のネットワークの内部での様々なコンピューティング装置の間で分配されてよく、及び、図6において図示されているように、このようなシステムは、ここで述べられている情報の取得、演算、及び/又は分析を許容することにより、好適であることができる。
プロセッサー666は、データ格納装置(例えば、メモリ668)に伴って、データ670と関連することができる。プロセッサー666は、メモリ668に伴って、データ670を格納することができ及び/又は分析利用することができ、及び/又は、歯科器具のバーチャルモデルのシェルにバーチャル再位置決め顎エレメントを設けるために、命令672を実行することができる。このようなデータは、バーチャル歯モデルを備えることができる。再位置決め顎エレメントに関する歯科器具のバーチャルモデルは、例えば、ここで更に述べられているように、物理的再位置決め顎エレメントを製造するために用いられることができる。
メモリ668に接続されたプロセッサー666は、例えば、患者の多数の歯を再位置決めするように構成されたシェルを有する歯科器具のバーチャルモデルを提供することを、含んでいる方法を、コンピューティング装置664に実行させることができる。本発明の様々な実施形態において、メモリ668に接続されたプロセッサー666は、患者の咬合平面に平行な歯科器具のバーチャルモデルのシェルのバーチャル再位置決め顎エレメントを位置決めすること、を含んでいる方法をコンピューティング装置664に実行させることができ、当該再位置決め顎エレメントは、歯科器具のバーチャルモデルのシェルの面から延在している。
例えば、咬合平面に平行なバーチャル再位置決め顎エレメントを位置決めすることは、いくつかの実施形態において、患者の多数の歯のバーチャルイメージを取り除くことを含むことができる。歯を取り除いた状態で、患者の咬合平面のバーチャル表示を残すことができ、バーチャル再位置決め顎エレメントは、咬合平面に平行に位置決めされることができる。
また、いくつかの実施形態において、メモリ668に接続されたプロセッサー666は、多数の歯の少なくとも1つの歯の正中線に関して並べるために、バーチャル再位置決め顎エレメントの位置を改定することを含んでいる方法を、コンピューティング装置664に実行させることができる。例えば、いくつかの実施形態において、多数の歯のバーチャルイメージが(例えば、取り除かれた後のように、)表示されることができ、バーチャル再位置決め顎エレメントの位置は、バーチャル再位置決め顎エレメントが延在している少なくとも1つの歯の正中線に関して並べるために、自動的に改訂されることができる。
いくつかの実施形態において、メモリ668に接続されたプロセッサー666は、患者の顎のバーチャルイメージを利用している患者の顎アライメントの程度を決定することを含んでいる方法を、コンピューティング装置664に実行させることができる。患者の顎のバーチャルイメージは、下顎骨、この関連する軟及び硬組織、患者の下側歯列の多数の歯、上顎骨、この関連する軟及び硬組織、及び/又は患者の下側歯列の多数の歯のバーチャルイメージを含むことができる。患者の顎アライメントの程度は、例えば、関節接合の又は顎開口及び閉鎖の軌道を含むことができる。これは、また、例えば、突出した位置のような再位置決めされた位置、あるいは、準関節接合と突起の組み合わせを含み得る。
歯科器具は、例えば、物理的歯モールドのプラスチックのシートを熱成形することによって、生成されることができる。物理的歯モールドは、例えば、患者の歯が動かされるインクリメントな位置を表示することができる。物理的歯モールドは、例えば、コンピュータ支援製造(CAM)ミリング、ステレオリソグラフィ、及び/又はフォトリソグラフィーのような、ラピッドプロトタイププロセスにコンピュータ自動設計(CAD)にバーチャル歯モデルをダウンロードすることによって製造されることができる。バーチャル歯モールドは、例えば、材料コストを節約するために、製造のために送信させる前に、中空化又は「シェル化」されることができる。
歯モールド(例えば、モールドされた歯のセット)は、患者の多数の歯のバーチャルモデルから生成される。バーチャルモデルは、例えば、最初のバーチャル歯モデル及び/又は中間のバーチャル歯モデルを備えることができる。歯モールドは、患者、治療計画のステージ、多数の歯のバーチャルモデル、及び/又は歯モールドが上側及び/又は下側歯アーチのものであるか否かを識別する、唯一の治療ファイルに従って生成されることができる。
いくつかの実施形態において、治療ファイルは、歯モールドを成形し及び/又は生成するために、SLA又は3Dプリンタのような、ラピッドプロトタイプ装置マシーンによってアクセスされることができる。歯モールドの結果は、モールドされた歯のセットを含むことができる。モールドされた歯のセットは、患者の多数の歯の少なくともレプリカを備えることができる。歯モールドは、例えば、前述したように、材料の高分子化合物シート及び歯モールドの負圧形成シートを用いている歯モールドのネガティブな印象をつくることによって、歯科器具を生成するために用いられることができる。
例えば、歯科器具は、材料の熱成形可能なシート、及び/又は、1つ以上の材料の多数のシートを歯モールドに積層することよって生成されることができる。一般的に、歯科器具は、高分子化合物の熱成形可能なシートを加熱することによって、及び、歯モールド(例えば、多数のモールドされた歯)へのシートを負圧化又は圧縮して成形することによって製造及び/又は成形されることができる。材料のシートの形状は、モールド形状に従うように、シートのいくつかの部分の厚みを変更することができる。歯科器具は、例えば、歯モールドのネガティブな印象を含み得る。器具及び/又はこれの部品は、自然な歯色調をまねるためのこのような手法において、透明、反透明、あるいは、不透明であってよい。しかしながら、本明細書に係る実施形態は、そうは限定されない。例えば、本明細書に係る実施形態は、他の技術の間において、SLA又は3Dプリンティングのような、様々な技術を用いている歯科器具を生成することを含むことができる。
多数の実施形態において、メモリ668に接続されたプロセッサー666は、治療計画を提供する方法を、コンピューティング装置664に実行させることができる。ポジショナー、リテイナー、取り外し可能な器具、及び/又は、歯の位置決めを完了及び維持するための他の機器を備えている1つ以上の機器は、治療計画の実行において、治療専門家によって利用されることができる。治療計画は、前述のように、1つ以上の歯科器具を含むことができる。
例えば、メモリ668に接続されたプロセッサー666は、患者の顎のバーチャルイメージから患者のきちんと並んでいない顎を識別することを含んでいる方法を、コンピューティング装置664に実行させることができる。識別は、例えば、患者の顎のバーチャルイメージを利用している患者の顎のアライメントの度合いを決定することを含むことができる。
例えば、患者のきちんと並んでいない顎を識別することは、治療計画のステージの間に顎のバーチャルモデルの複数の顎配置を識別することを含むことができる。複数の顎配置各々は、ステージの範囲において識別されることができる(例えば、関連されることができる)。ステージは、例えば、治療計画の予め定められた期間(例えば、2週間)を備えることができる。ステージの範囲は、下顎骨を再度姿勢取りするために用いられる(例えば、必要な)治療時間に従って顎を再位置決めするために、支援可能であって(例えば、要求されて)よい。
例えば、第1の顎配置は、治療計画の第1のステージの範囲(例えば、第1のステージから第3のステージ)に関連付けられることができ、及び第2の顎配置は、第2のステージの範囲(例えば、第4のステージから第5のステージ)に関連付けられることができる。
第1の顎配置は、いくつかの実施形態において、患者のきちんと並んでいない顎を備えることができ、第2の顎配置は、(ここで更に述べられているように、)患者のための矯正及び/又は理想顎位置を備えることができる。他の実施形態において、第1の顎配置及び第2の顎配置は各々、患者のきちんと並んでいない顎を備えることができる。前に述べられたように、きちんと並んでいない顎は、歯及び下顎骨及び上顎骨の相対的な位置の作用を備えることができ、これらのいずれも、矯正及び/又は理想顎位置に対して後ろに押しやられたり又は突出されたりしてよい。顎配置は、ステージの各範囲の間に異なることができるが、ステージの範囲内で一致することができる。
きちんと並んでいない顎は、顎を再位置決めするために、単一の顎の移動又は多数の顎の移動におけるステージの範囲において再位置決めされることができる。例えば、きちんと並んでいない顎は、矯正顎位置に再位置決めされることができる。矯正顎位置は、ステージの範囲における1つ以上の顎の移動において達成されることができる。
例のように、4mmの顎再位置決めは、治療計画(例えば、6か月)の12のステージにわたる単一の顎の移動において達成されることができる。12のステージに関連する歯科器具は、4mmの矯正顎位置に顎を移動させるために設計された、同じ再位置決め顎エレメントを備えることができる。しかしながら、更にここで述べられているように、ステージの間の再位置決め顎エレメントの位置及び/又は方向は、患者の歯の位置及び/又は顎の関係における違いに基づいて、調整されることができる。
対比によって、6mmの顎の再位置決めは、治療計画(例えば、8か月)の16のステージにわたる2つの3mmの顎の移動において達成されることができる。16のステージの第1の8のステージに関連する歯科器具は、3mmの矯正顎位置に顎を移動するために設計された第1の再位置決め顎エレメントのセットを備えることができる。16のステージの9番目に関連する歯科器具は、3mmの矯正顎位置から6mmの矯正顎位置に顎を移動する(例えば、3mmの追加の顎の移動)ために設計された第2の再位置決め顎エレメントのセットを備えることができる。
ここで更に述べられているように、第1の再位置決め顎エレメントのセットは、患者の歯の位置及び/又は顎の関係における違いに基づいての、ステージの間の再位置決め顎エレメントの位置及び/又は方向の調整に関して、同様な再位置決め顎エレメントを備えることができる。同様に、第1の再位置決め顎エレメントのセットは、患者の歯の位置及び/又は顎の関係における違いに基づいての、ステージの間の再位置決め顎エレメントの位置及び/又は方向の調整に関して、同様な再位置決め顎エレメントを備えることができる。
本明細書の多数の実施形態に係る、患者の第1の顎の移動は、閾値顎移動よりも大きくなり得る。第1の顎の移動は、ここで用いられているように、複数の顎の移動の第1の顎の移動、あるいは、患者のための治療計画の単なる顎の移動を含むことができる。例えば、閾値顎移動は、2mm及び/又は3mmの顎の移動を含むことができる。
閾値顎移動は、患者の顎位置の矯正を刺激するために用いられてよい。第1の顎移動が閾値顎移動よりも小さい場合、患者の顎の移動は、顎位置の矯正を刺激しなくてもよい。第1の顎の移動の後の顎の移動は、いくつかの実施形態においては、閾値顎移動よりも小さくなり得る。例えば、閾値顎移動よりも小さい顎の移動は、患者のために、より快適になり得る。
代替的に、患者の顎位置は、ステージの範囲にわたって、複数のインクリメンタルな顎の移動(例えば、小さなインクリメンタル)を用いて移動されることができる。インクリメンタルな顎の移動は、例えば、患者の顎を矯正顎位置に移動させるために、ステージの範囲をわたることができる。各インクリメンタルな顎の移動は、閾値顎移動よりも小さい移動であることができる。例えば、各顎の移動は、ステージの範囲におけるステージ(又は、多数のステージ)毎に5mmの顎の移動を含むことができる。
本明細書に係る実施形態は、多数の顎配置、範囲における多数のステージ、及び/又は、治療計画の多数のステージ、及び/又は本例によって図示された治療計画の多数のステージに限定されない。例えば、実施形態は、述べられているものよりも、多い又は少ない顎配置、範囲におけるステージ、あるいは、ステージを含むことができる。また、1つよりも多い識別された顎配置は、きちんと並んでいない顎を備えることができる。
いくつかの実施形態においては、メモリ668に接続されたプロセッサー666は、患者のための治療計画を提供することを含んでいる方法を、コンピューティング装置664に実行させることができる。治療計画は、患者の少なくとも1つの歯を再位置決めするように構成された第1のシェル及び第2のシェルを備えている歯科器具のバーチャルモデルを備えることができる。少なくとも1つの歯は、例えば、下側顎の歯、及び/又は、上側顎の歯を備えることができる。また、歯科器具のバーチャルモデルは、患者のきちんと並んでいない顎の位置を移動するように(患者のきちんと並んでいない顎の位置を矢状に移動させるように)構成された第1のシェル及び第2のシェルの再位置決め顎エレメントを備えることができる。
第1のシェル及び第2のシェルの再位置決め顎エレメントは、患者のきちんと並んでいない顎を再位置決めする目的に基づいて設計されることができる。特定の再位置決め顎エレメントは、少なくとも1つの最終的な及び/又は意図された顎の位置、意図された使用(例えば、クラスIの矯正、クラスIIの矯正、及び/又は、クラスIIIの矯正)、及び/又は再位置決め顎エレメントが設けられる歯の方向に基づいて、治療計画に特有の形状及び角度を有することができる。
本明細書の多数の実施形態に係る、患者のための治療計画を提供することは、患者の最終的な顎の位置を識別することを含むことができる。患者の最終的な顎の位置は、例えば、改善された及び/又は最適な顎の位置を含むことができる。例えば、最終的な顎の位置は、最大嵌合に関する前方及び後方咬合エリアにおける、右側及び左側における上側及び下側の歯の同時接触、側頭骨の関節ハウジングの内部の下顎骨の顆状突起の最良フィット又は取り付け、及び/又は不正咬合の矯正を備えることができる。識別された最終的な顎の位置は、バーチャル再位置決め顎エレメントを設計するために用いられることができる。例えば、バーチャル再位置決め顎エレメントは、最終的な顎の位置に向かって及び/又はへ患者のきちんと並んでいない顎の位置を移動させる(例えば、矢状に移動させる)ように設計されることができる。
代替的に及び/又は加えて、複数の歯科器具(例えば、一連の歯科器具)は、最終的な顎の位置に向かって及び/又は当該位置へ、きちんと並んでいない顎の位置を移動させるために用いられることができる。例えば、いくつかの実施形態においては、治療計画を提供することは、複数の歯科器具のバーチャルモデル提供することを含むことができる。複数の歯科器具は、(例えば、図7A−7Dにおいて図示されている実施形態に関して更に述べられるように、)治療計画の多数のステージに従って、インクリメントな距離においてきちんと並んでいない顎を再位置決めするように構成されることができる。
再位置決め顎エレメントの各々の形状及び角度は、機器が設計された治療計画のステージに特有であることができる(例えば、治療計画に従って生成された連続的な器具は、異なるように位置決めされた、角度の、及び/又は形状の再位置決め顎エレメントを備えることができる)。治療の特定のステージに特有の形状及び角度を有する再位置決め顎エレメントは、治療ステージに特有でない一般的な及び/又は同形の再位置決め顎エレメントを用いること、そして従って、これらが用いられる間の治療のステージのための、所望の矯正を正確に提供しないかもしれない、ことに対して有利であることができる。このような不正確な治療は、他の欠点のなかで、治療計画の延び、改定された治療計画の必要性、及び/又は不必要なユーザの不快感を導き得る。対照的に、本明細書の多数の実施形態は、治療計画の実行に、よりタイムリーで、正確で、及び/又は快適であることを許容する。
様々な実施形態において、メモリ668に接続されたプロセッサー666は、歯科器具を装着している患者によって見出されるために、顎の移動をバーチャルにテストすることを含んでいる方法を、コンピューティング装置664に、実行させることができる。バーチャルにテストすることは、多数の実施形態において、歯の追加の移動において、顎の位置をテストすることを含むことができる。バーチャル再位置決め顎エレメントは、顎の移動のバーチャルなテストに基づいて調整されることができる。例えば、バーチャルな再位置決め顎エレメントは、意図された顎の位置、及び/又は、治療計画における最終的な顎の位置に達するように調整されることができる。バーチャルなテスト及び/又は調整は、いくつかの実施形態においては、治療計画の多数のステージにわたることができる。
例えば、治療計画の各ステージのために、命令は、(物理的器具によってユーザの物理的な顎に印加される現実の力を刺激するために、)ステージに対応する器具によって顎のバーチャルモデルに適用されるモデル力を、実行することができる。これらの力は、バーチャル再位置決め顎エレメントによって、歯のバーチャルモデルの現在の構成を有するアライメントの僅かに外である器具の力によって、顎のバーチャルモデルに印加される力を含むことができ、及び/又は、(ユーザが物理的歯科器具を装着するときに)ユーザによってアライナーに印加される力を含むことができる。命令は、治療の特定のステージにて顎のバーチャルモデルのデジタル歯のバーチャル再位置決め顎エレメントを位置決めするために、及び/又は、治療の続くステージのために、バーチャル再位置決め顎エレメントの位置を調整するために実行されることができる。顎のバーチャルモデルは、治療計画に従う治療の各ステージにて異なることができる(バーチャル歯及び/又は顎の位置決めを変更することができる)。命令は、(例えば、顎のバーチャルモデルへの実施する所望の変更を援助するために、)治療ステージの間の顎のバーチャルモデルへの変更によって、及び/又は、治療の続くステージにおける予期された変更によって、バーチャル再位置決め顎エレメントの位置を調整するために実行されることができる。
顎のバーチャルモデルにおけるバーチャル再位置決め顎エレメントの位置決めを位置決めすることを及び/又は調整することは、(例えば、治療の特定のステージの間にモデリングする力に基づくソフトウエアのオペレーションによって)自動的に、(例えば、コンピュータ装置とのインターフェースを介してバーチャルモデルと相互作用するオペレータのオペレーションによって)手動にて、あるいは、これらの組み合わせにて行われることができる。同様に、バーチャル再位置決め顎エレメントの形状、サイズ、(例えば、参照に関する様々な角度の)方向、及び/又は(バーチャル歯の)取り付け位置は、ソフトウエアによって自動的に、手動オペレーションによって(例えば、オペレータは、再位置決め顎エレメントの必要な基準を特定することができ、及び/又は、ソフトウエアによって提供されるデフォルトの基準を修正することができる)、あるいは、これらの組み合わせによって設定されることができる。
顎のバーチャルモデルにおけるバーチャル再位置決め顎エレメントの自動位置決めは、例えば、前に述べられたように、治療計画のステージの間に、顎のバーチャルモデルの複数の顎配置を識別することに応じて行われ得る。位置は、シミュレートされた前進位置における患者の顎の姿勢取りに部分的に基づいて案内されてよく、姿勢取りされた位置は、物理的に(例えば、軟蝋又はシリコン咬合)、あるいは、デジタル(例えば、口腔内の咬合スキャン)であり得る咬合登録によって、取得及び/又は入力され得る。また、いくつかの実施形態においては、シミュレートされた前進位置は、患者の顎が前進位置にあるときの、患者の写真に基づいてよい。複数の顎配置の少なくとも1つは、きちんと並んでいない顎として識別されることができ、顎配置は、治療計画のステージの範囲と関連する。
第1のシェル及び第2のシェルを有する歯科器具のバーチャルモデルは、識別されたきちんと並んでいない顎に関するステージの範囲の少なくとも1つのステージのために提供されることができる。実施形態はそうは限定されないが、本明細書に係る実施形態は、治療計画の各ステージのための歯科器具(例えば、シェル)のバーチャルモデルを含む治療計画を提供することを含むことができる。
バーチャル再位置決め顎エレメントは、ステージにてバーチャル歯及び/又はバーチャルシェルにおいて位置決めされることができる。例えば、バーチャル再位置決め顎エレメントは、識別されたきちんと並んでいない顎に関するステージの範囲の最初の及び最後のステージのシェルにて位置決めされることができる。ステージの範囲の最初の及び最後のステージでの位置は、見積もられた最初の再位置決め顎エレメントの位置及び方向を含むことができる。位置決めされた再位置決め顎エレメントは、(例えば、ステージの範囲の最初及び最後のステージの間の)ステージの範囲の中間のステージにて洗練されることができる。例えば、ステージの範囲の最初及び最後のステージでの位置は、中間のステージにて洗練された位置及び方向に関して補間されることができる。最初のステージ、最後のステージ、及び/又は中間のステージにおける位置は、以下で述べられるように、多数の制約に従うように、(洗練された位置及び方向)に調整されることができる。洗練された位置及び方向は、バーチャル再位置決め顎エレメントの最適化された配置を含むことができる。
これは、多数のステージに関連する第1の顎の配置のための再位置決め顎エレメントが、ステージの範囲における各ステージのための同様な再位置決め顎エレメントであることができ、及び/又は、ステージの間のインクリメンタルな調整を含むことができる、ということである。。例えば、インクリメンタルな調整は、ステージの間の歯位置及び/又は顎位置における違いに基づくことができる。
ステージの範囲内の再位置決め顎エレメント各々は、ステージにおける歯位置及び/又は顎位置に基づいて、洗練された位置及び/又は方向(例えば、アーチカーブ、インターフェースの洗練された角度等)に関する同様なおおまかな移動(例えば、矯正顎位置への移動)を有することができる。
前に述べられたように、歯科器具は、いくつかの実施形態においては、顎の再位置決めを計画することと並行して患者の歯を再位置決めすることができる。このような実施形態において、治療計画のステージは、歯の移動に関連することができる。例えば、治療計画のステージをわたる患者の歯の移動は、顎を再位置決めすることを計画する、より先に、連続して、及び/又は続いて設計されることができる。
例えば、目的の位置への患者の歯の移動は、治療計画の複数のステージにわたって計画されることができる。歯の移動を計画することより先に、連続して、及び/又は続いて、顎を再位置決めすることは計画されることができる。前に述べられたように、治療計画のステージの範囲に関連する患者のきちんと並んでいない顎は、識別されることができる。
いくつかの実施形態においては、再位置決め顎エレメントを設計している間、歯の移動は、顎の移動に基づいて、及び/又は、当該移動を許容するために、改定されることができる。例えば、患者の歯の位置は、矯正顎位置を支持するために、及び/又は、矯正顎位置への移動を許容するために、改定されることができる。それによって、歯の再位置決めは、顎の再位置決めを計画することと平行に計画されることができる。
例のように、患者の顎のより前の位置が咬合を著しく開くことなしで成し遂げられる前に、上側顎と下側顎との間のある干渉が(例えば、1つ以上の歯の移動のように)最初に除去され得るので、ステージの範囲は役立ち得る。
バーチャル歯科器具(例えば、バーチャル再位置決め顎エレメントに関するバーチャルシェル)は、多数の制約を用いて設計されることができる。制約は、ここで用いられているように、満足させるための、物理的歯科器具の物理的限定又は制限を備えることができる。
例えば、多数の制約は、現在の歯の配列(例えば、特定の歯の面、特定の歯の位置、及び/又は、アーチカーブ)、患者の現在の顎の位置、及び/又は、予測矯正顎位置に関連する、再位置決め顎エレメントの配置及び/又は方向の物理的な限定又は制限を含むことができる。現在の歯の配列及び/又は現在の顎の位置は、ここで用いられているように、再位置決め顎エレメントが設計される治療計画の特定のステージでの、患者の歯の配列及び/又は顎の位置を備えることができる。
患者の歯の配列及び/又は顎の位置は、例えば、1つステージから他に変更することができる。再位置決め顎エレメントは、特定のステージでの患者の歯の配列及び/又は顎の位置に基づいて、治療計画の特定のステージのために位置決めされることができ、及び/又は、向けられることができる。再位置決め顎エレメントは、特定の顎の移動を達成するために、治療計画のステージの範囲において同様であることができる。しかしながら、再位置決め顎エレメントの位置及び/又は方向は、範囲のステージの間で調整されることができる(異なることができる)。
制約は、バーチャル再位置決め顎エレメントの配置を最適化するために用いられることができる。例えば、制約は、制約の最も多くのサブセットを満たすために、各々満たされることができ、及び/又は、より大きなできる限りの規模で満たされることができる。
例えば、バーチャル歯科器具は、患者の矯正位置を入力することによって、及び、結果をもたらすことができる及び/又は矯正顎位置に顎を移動することができる再位置決め顎エレメントを出力することによって、設計されることができる。矯正顎位置は、前に述べられたように、患者の現在の顎の位置と比べたときに、上側顎と下側顎の矯正された関係を含むことができる。いくつかの実施形態においては、矯正顎位置は、理想顎位置を含むことができる。理想顎位置は、上側下側及び下側顎の最適な関係を含むことができる。矯正顎位置は、例えば、患者データを用いて予測される(例えば、演算される)ことができる。例えば、患者データは、患者の関節接合情報、及び/又は、歯データを含むことができる。
再位置決め顎エレメントの位置は、多数の制約に基づいて、再位置決め顎エレメントの理想的なフィットに調整されることができる。再位置決め顎エレメントの理想的なフィットは患者の顎を矯正位置に再位置決めすることができ、及び/又は、他の利点のなかで、患者への不快感を減少させることができる再位置決め顎エレメントの位置及びフィットであることができる。
いくつかの実施形態においては、シェルの咬合面から延在する再位置決め顎エレメント(ここでは、概ね、「咬合再位置決め顎エレメント」と称する)のための多数の制約は、1.)咬合再位置決め顎エレメントと反対の顎の歯の冠状面との間の距離が、閾値距離よりも大きい、2.)咬合再位置決め顎エレメントの下の歯の歯面は、咬合再位置決め顎エレメントの面を介して延在しない、3.)咬合再位置決め顎エレメントは、下の歯の咬合面の頬側−舌側境界を違反しない、4.)咬合再位置決め顎エレメントは、アーチカーブ方向において並べられる、5.)咬合再位置決め顎エレメントのインターフェースの傾斜が、咬合平面標準に関して並べられる、6.)頬側−舌側方向における咬合再位置決め顎エレメントの角形成が限定される、7.)咬合再位置決め顎エレメントは、第1の臼歯から第1の両尖歯に位置決めされる、8.)下側顎の少なくとも1つの臼歯(例えば、第2の又は第1の臼歯)が、利用されてよい他の可能な制約の間で、咬合再位置決め顎エレメント覆われない、及び9.)特定の咬合登録構成を含むことができる。
例えば、閾値距離よりも大きい咬合再位置決め顎エレメントと反対の顎の歯の冠状面との間の距離は、シェルの厚さを占めることができる。シェルの厚さは、顎の間の間隔の差に寄与することができる。例として、閾値距離は、シェルの厚さの少なくとも2倍を含むことができる。
咬合再位置決め顎エレメントの面を介して延在していない、咬合再位置決め顎エレメントの下の歯面は、再位置決め顎エレメントの下の歯の咬合面に適用される所望しない力を防止することができ、及び/又は、最小化することができる。例えば、咬合再位置決め顎エレメントの下の歯、及び/又は、咬合再位置決め顎エレメントの面の下の歯(例えば、図15に関して更に述べられている材料の平面のような、反対の顎のシェルの面に接触し得る面)は、咬合再位置決め顎エレメント及び/又は面を介して延在しなくてよい。咬合再位置決め顎エレメントの面を介して歯が延在するのを防止するために、咬合再位置決め顎エレメントの(材料の平面のような)面は、咬合再位置決め顎エレメントの面の下の歯の咬合面にわたって延在することができる。
咬合再位置決め顎エレメントの下の歯の頬側−舌側境界を違反しないことは、歯科器具のシェルにわたる閉じる力を顎に分配することができる。歯の下の頬側−舌側境界は、歯の咬合面の頬側又は舌側エッジを含むことができる。
例えば、頬側−舌側境界を違反しないために、咬合再位置決め顎エレメントは、シェルの咬合面の頬側−舌側幅にわたって中心に設けられることができる。代替的に及び/又は追加で、再位置決め顎エレメントの頬側−舌側幅は、シェルの咬合面の頬側−舌側幅にわたって再位置決め顎エレメントを中心に設けるために改定されることができる。これは、咬合再位置決め顎エレメントが咬合再位置決め顎エレメントの下の歯の咬合面によって支持されることを許容することができ、及び、顎を閉じる力が歯科器具除去又は歯肉衝突を引き起こすのを防止することを援助することができる。
咬合再位置決め顎エレメントは、患者のアーチのカーブに沿っている咬合再位置決め顎エレメントの遠位−近心長を並べることによって、患者のアーチカーブ方向に並べられることができる。本明細書の実施形態に係る、アーチカーブ方向にて並べることは、閾値角度(例えば、プラス又はマイナス閾値角度に患者のアーチのカーブで、咬合顎エレメントの遠位−近心長を並べることを含むことができる。
咬合再位置決め顎エレメントのインターフェースの傾斜は、患者の咬合平面標準に平行の閾値角度(例えば、2度)内である第1の面及び/又は第2の面のインターフェースの傾斜によって、咬合平面標準に関して並べられることができる。例えば、咬合平面標準に関して並んでいる咬合再位置決め顎エレメントのインターフェースの傾斜は、咬合平面標準に平行の(例えば、数度超える又は下回る)閾値角度内でインターフェースしている第1の面及び第2の面を備えることができる。
咬合平面は、ここで用いられているように、患者のバイト面(bite surface)に基づいて決定される方向を含むことができる。前に述べられたように、咬合面は、歯のバイト面に平行である。咬合平面標準は、例えば、患者の歯の咬合面(例えば、バイト面)に垂直である。
咬合平面標準に関して並べることは、第1の咬合再位置決め顎エレメントの第1の面と第2の咬合再位置決め顎エレメントの第2の面との間のインターフェースの角度が、浅くて移動できずに及び/又は位置において顎を保持できず、及び、急勾配で患者のために快適でなくなるのを防止することができる。例えば、咬合平面標準に対してインターフェースする、相互作用する、及び/又はさもなければ係合するように設計された第1の面及び第2の面のインターフェースの角度の範囲が、用いられることができる。
頬側−舌側方向における咬合再位置決め顎エレメントの角形成は、後ろ側に視認されたときに、咬合再位置決め顎エレメントの位置の頬側又は舌側角度を含むことができる。理想的には、咬合再位置決め顎エレメントが後ろ側に視認される場合、咬合再位置決め顎エレメントは、咬合平面標準に平行である(例えば、咬合再位置決め顎エレメントは、頬側又は舌側方向において、位置決め/チルトされずに及び/又は最小限に位置決め/チルトされる)。頬側又は舌側角形成の範囲は、例えば、用いられることができる。角度を限定することは、咬合再位置決め顎エレメントの下の歯及び/又は咬合再位置決め顎エレメントの面の間で平等に、顎の閉じる力を分配することができる。
咬合再位置決め顎エレメントの再位置決めの範囲は、第1の臼歯から第1の両尖歯までであることができる。第2の臼歯及び犬歯は、咬合再位置決め顎エレメントによって覆われないことができる。例えば、第2の臼歯は、第2の臼歯に再位置決め顎エレメントを位置決めしないために好適であってよいように、印像又はスキャンによって正確に取得されなくてよい。
また、犬歯は、犬歯が治療計画において頻繁に移動されるときに、咬合再位置決め顎エレメントによって覆われなくてよい。咬合再位置決め顎エレメントで犬歯を覆わないことは、治療時間を減少させるために、顎の再位置決めの治療で同時に移動されることを犬歯に許容することができる。及び、いくつかの場合において、少なくとも1つの臼歯は、(例えば、識別情報でマークするために、)製造のためのラベリング目的のために、咬合再位置決め顎エレメントによってカバーされないことができる。
特定の咬合構成は、ここで用いられているように、識別される反対の歯の間での1つ以上の特定の接触を含むことができる(例えば、穴関係への特定の所望の先端片、又は、穴接触エリアの反対への切端エッジ)。例えば、特定の咬合構成に関して、顎は、所望の歯科器具の機構を実装するために、特定の量だけ離される。多数の実施形態において、シェルの頬側又は舌側面から延在する再位置決め顎エレメント(ここでは、概ね、「頬側又は舌側再位置決め顎エレメント」と称する)のための多数の制約は、例えば、1.)頬側又は舌側再位置決め顎エレメントと反対の顎の歯の冠状面との間の距離が、閾値距離よりも大きい、2.)歯の冠状面は、頬側又は舌側再位置決め顎エレメントを支持する、3.)アンダーカット(undercut)を避ける、4.)頬側又は舌側方向において角形成を最小化する、5.)頬側又は舌側再位置決め顎エレメントは、アーチカーブ方向にて並べられる、6.)頬側又は舌側再位置決め顎エレメントのインターフェースの傾斜は、咬合平面標準に関して並べられる、7.)頬側又は舌側再位置決め顎エレメントは、第1の臼歯から第1の両尖歯に位置決めされる、8.)顎の左側及び右側における頬側又は舌側再位置決め顎エレメントの対称性、及び9.)頬側又は舌側再位置決め顎エレメントは後ろ側又は前側に視認したときに交差する、ことを含むことができる。
咬合再位置決め顎エレメントと同様に、閾値距離よりも大きい頬側又は舌側再位置決め顎エレメントと反対の顎の歯の冠状面との間の距離は、シェルの厚さを占めることができる。シェルの厚さは、前側−後ろ側方向における顎の間の間隔の差に寄与することができる。例として、閾値距離は、シェルの厚さの少なくとも2倍を含むことができる。
頬側又は舌側再位置決め顎エレメントの下の歯の冠状面は、頬側又は舌側再位置決め顎エレメントに支持を提供することができる。下の歯による支持は、歯科器具の咬合で各々発生してよい、頬側又は舌側方向における頬側又は舌側再位置決め顎エレメントの突発を防止し及び/又は最小化することができる。
頬側又は舌側再位置決め顎エレメントの下の歯のアンダーカットは、他の利点のなかで、患者、及び/又は、歯科器具の製造可能性のための衛生上の問題、を防止し及び/又は最小化するために避けられることができる。例えば、歯のアンダーカットにて及び/又は付近に位置決めされた頬側又は舌側再位置決め顎エレメントは、食物又は収集のための他の堆積物のための入れ物の結果になることができ、及び、製造のための困難性を引き起こし得る。
頬側又は舌側方向における頬側又は舌側再位置決め顎エレメントの角度は各々、患者の快適性を増加するために、(制約9に十分に従う間に)最小化されることができる。例えば、シェルの頬側面から延在する頬側又は舌側方向における再位置決め顎エレメントの角度における増加は、患者のチーク及び/又は他の組織との接触を増加させることができる。
同様に、頬側又は舌側再位置決め顎エレメントは、頬側又は舌側再位置決め顎エレメントが、患者の組織(例えば、チーク、又は、舌組織)に突出することを防止及び/又は最小化するために、患者のアーチカーブ方向に関して並べられることができる。アーチカーブ方向に関して並べられることは、患者のアーチカーブ方向に可能なのと同じく閉じる頬側又は舌側再位置決め顎エレメントを位置決めすることを含むことができる。咬合再位置決め顎エレメントへのもの同様に、頬側又は舌側再位置決め顎エレメントのインターフェースの傾斜は、患者の咬合平面標準に関して並べられることができる。頬側又は舌側再位置決め顎エレメントのインターフェースの傾斜は、患者の咬合平面標準に平行な(例えば、患者の咬合平面に垂直な)閾値角度内にある、第1の頬側又は舌側再位置決め顎エレメントの第1の面、及び/又は、第2の頬側又は舌側再位置決め顎エレメントの第2の面のインターフェースの角度によって、患者の咬合平面標準に関して並べられることができる。例えば、咬合平面標準に関して並んでいる頬側又は舌側再位置決め顎エレメントのインターフェースの傾斜は、患者の咬合平面標準に平行の閾値(例えば、数度上回る又は下回る)角度内でインターフェースしている第1の面及び第2の面を備えることができる。
咬合平面標準に関して並べることは、患者の顎の位置を動かすのに十分に急勾配であるが、急勾配で患者が不快にならないように、第1の頬側又は舌側再位置決め顎エレメントの第1の面、及び、第2の頬側又は舌側再位置決め顎エレメントの第2の面のインターフェースの角度を許容することができる。
頬側又は舌側再位置決め顎エレメントの位置決めの範囲は、第1の臼歯から第1の両尖歯までであることができる。前に述べられたように、第2の臼歯及び犬歯は、頬側又は舌側再位置決め顎エレメントによって覆われないことができる。
顎の右側の頬側又は舌側再位置決め顎エレメントに関して、顎の左側の頬側又は舌側再位置決め顎エレメントを位置決めすることは、顎の一方側であるが他方側でない(例えば、左側であるが右側でない、あるいは、右側であるが左側でない)頬側又は舌側再位置決め顎エレメントをインターフェースすることを防止及び/又は最小化するために、対称であることができる。頬側又は舌側再位置決め顎エレメントが一方側であるが他方側でなくインターフェースする場合、側頭下顎の顎接合の一様でない負荷が発生し得て、側頭下顎の接合障害(TMJ)を引き起こし得る。
また、前側又は後ろ側から視認したときに交差している、頬側又は舌側再位置決め顎エレメントは、理想位置(例えば、矯正顎位置、及び/又は、矯正顎位置への位置)における下側顎の位置決め及び/又は保持を支援することができる。交差するための第1の頬側又は舌側再位置決め顎エレメント及び第2の頬側又は舌側再位置決め顎エレメントのために、頬側又は舌側再位置決め顎エレメントの(頬側又は舌側方向における)十分な角度及び冠状−舌尖高さは、顎の位置を動かすために存在する。
図7A−7Dは、本明細書の多数の実施形態に係る再位置決め顎のための多数の装置の例を図示する。本明細書のいくつかの実施形態においては、複数の歯科器具は、患者の歯の不正アライメント及び/又は、患者の顎の不正アライメントの治療のために用いられることができる。例えば、治療計画は、多数のパート(または、ステージと称する)に分割されることができ、歯科器具(この場合では、上側シェル及び下側シェルを備えている器具)は、の1つ以上の患者の歯及び/又は顎を連続して、最初の位置から目的の位置へ移動させるために用いられる。そして、専門的な歯科器具は、特定の次元及び方向に関するキャビティを備えている治療の各ステージのために設計されることができ、顎が閉じられるときに、治療の特定のステージの間の特定の位置へ1つ以上の歯を移動させるために、及び/又は、新たな位置に顎を移動させるために(例えば、最初の軌道から目的の軌道に変化させるために、開いた位置から閉じられた位置への異なる軌道に従って顎を援助するためにであって、異なる軌道が、十分に閉じられるときに、顎の新たな位置における結果になるために)、歯が設けられることができる。顎の軌道におけるこのような変化は、1つの装置に関して、又は、インクリメンタルにいくつかの装置に関して達成されることができ、再位置決め顎エレメントは、相互及び/又は接続されるシェルに関して異なる位置及び/又は方向である。従って、上述のように、複数の歯科装置器具の各々は、インクリメンタルな治療計画における治療ステージを備えることができる。
例えば、複数の装置は、治療計画をインクリメントに実装するように設計された一連の歯科器具を備えることができる。例えば、一連の歯科器具は、(顎が十分に閉じた方向において視認されるときに)ステージからステージへの患者の顎の位置をインクリメントに移動させることができる。顎の位置の移動は、患者の上側顎に対する患者の下側顎の改定された位置を含むことができる。治療計画の各ステージは、ここで更に述べられるように、患者の顎の位置を、患者の顎の前の位置からインクリメンタルな距離(例えば、1mm)移動させることができる。1つのステージから次のステージへ、患者の顎の位置は、最後の又は目的の顎の位置に向かって進展することができる。
患者の顎のインクリメンタルな移動は、ステージからステージへの、シェルにおける僅かに異なる位置又は方向を有する再位置決め顎エレメントの使用に基づいて行うことができる。例えば、歯科器具の第1のシェル及び/又は第2のシェルから延在している再位置決め顎エレメントの位置決めは、第1のステージから第2のステージへ改定されることができる。改定された位置決めは、ここで更に述べられるように、1つのステージ(例えば、第1の歯科器具)から次のステージ(例えば、第2の歯科器具)への再位置決め顎エレメントの近心−遠位長さ及び/又は近心−遠位配置の変更を含むことができる。
ここで用いられているように、「第1のステージ」は、治療計画の元来のステージを必ずしも意味せず、他のステージに関する相対的な用語である。例えば、「第1のステージ」は50ステージの治療計画の第2のステージであってよく、「第2のステージ」は50ステージの治療計画の第10のステージであってよく、「第3のステージ」は50ステージの治療計画の第30のステージであってよく、「第4のステージ」は50ステージの治療計画の第40のステージであってよい。
治療計画は、顎の位置を丁度調整してよく、いくつかの実施形態においては、顎の位置の治療は、1つにおける又は両方の顎における1つ以上の歯の移動に関して組み合わされることができる。例えば、一連の歯科器具は、患者のきちんと並んでいない顎の位置をインクリメンタルに(0.1mmのインクリメントにて)移動させるために用いられることができる。これは、他の問題のなかで、患者への不快を引き起こし得る、5mm以上のような、大きなインクリメントにおいて移動させる典型的な現在の顎のアライメント技術に対して、有利であることができる。
上述のように、1つ以上の一連の歯科器具は、また、患者の歯列の多数の歯を再位置決めするように構成されることができる。いくつかの実施形態においては、1つ以上の一連の歯科器具は、患者の顎の位置の移動と同時に患者の多数の歯を再位置決めするように構成されることができる。例示の一連の歯科器具は、第1のシェルから延在している第1の再位置決め顎エレメントを有する第1のシェルと、第2のシェルから延在している第2の再位置決め顎エレメントを有する第2のシェルとを備えている第1の歯科器具を備えることができる。第1の歯科器具は、治療計画の最初のステージ(例えば、第1のステージ)に関連することができ、及び/又は、当該ステージの一部であることができる。第1の歯科器具は、第1のインクリメンタルな顎の位置へ患者のきちんと並んでいない顎を移動させるように構成されることができる。顎の位置は、顎が、その軌道に沿って、同様な、開いた−閉じられた位置において位置決めされるときに比べられることができる。例えば、比較は、顎が完全係合矢状顎位置であるときに行われることができる。代替的に、比較は、例えば、再位置決め顎エレメントが相互に最初に接触するときに、再位置決め顎エレメントの他の位置にて行われることができた。
一連の歯科器具は、第1のシェルから延在している第1の再位置決め顎エレメントを有する第1のシェルと、第2のシェルから延在している第2の再位置決め顎エレメントを有する第2のシェルとを備える第2の歯科器具を備えることができる。第2の歯科器具は、治療計画の第2のステージ(例えば、最初のステージへの続くステージ)に関連することができ、及び/又は、当該ステージの一部であることができる。第2の歯科器具は、第2のインクリメンタルな位置へ患者のきちんと並んでいない顎を移動させるように構成されることができる。
例えば、第2の歯科器具は、第1の再位置決め顎エレメントと、治療計画の第2のステージに特有である第2の位置を有する第2の再位置決め顎エレメントとに基づいて、きちんと並んでいない顎を移動させることができる。この手法において、再位置決め顎エレメントの使用によって導かれる移動は、移動をより正確にすることを許容してよく、より複雑な移動を許容してよく、及び患者の不快を少なくし得る、インクリメントに分割されることができる。
非係合顎矢状顎位置は、ここで用いられているように、第1のシェルの再位置決め顎エレメント及び第2のシェルの再位置決め顎エレメントが、インターフェースしておらず、相互作用しておらず、及び/又は係合していない(例えば、接触していない)ときの、患者の上側顎及び下側顎の位置を含むことができる。例えば、非係合顎矢状顎位置は、再位置決め顎エレメントが患者の顎を(例えば、矢状に)移動させる力を印加していない、第1のシェル及び第2のシェルの位置を含んでよい。
係合矢状顎位置は、ここで使用されているように、第1のシェルの再位置決め顎エレメント及び第2のシェルの再位置決め顎エレメントが、インターフェースしており、相互作用しており、及び/又は係合しているときの、患者の上側顎及び下側顎の位置を備えることができる。例えば、係合矢状顎位置は、再位置決め顎エレメントが患者の顎を(例えば、矢状に)移動させる力を印加している、第1のシェル及び第2のシェルの位置を含んでよい。上述のように、様々な実施形態において、歯科器具は、矢状の移動に加えて、1つ以上の他の方向において患者の顎を移動させてよい。
本実施形態は、一連の歯科器具における2つの歯科器具を図示しているが、本明細書に係る実施形態は、そうは限定されない。治療計画は、2つの歯科器具より多い又は少ないものを含んでいる、様々な多数の歯科器具を備えることができる。
上述のように、各治療ステージは、患者の下側顎の緩やかな移動を含むことができる。インクリメントは、再位置決め顎エレメントの近心−遠位長さにおける変化、及び/又はシェルにおける再位置決め顎エレメントの配置におけるシフト(例えば、近心−遠位方向における少なく1つの再位置決め顎エレメントのシフト)に基づいて行うできる。
例えば、図7A−7Dの各実施形態において図示されているように、治療計画は、多数の治療ステージを備えることができる。図7A−7Dの実施形態は各々、2つの治療ステージを図示している。治療ステージの各々は、第1のシェル(例えば、ここでは概ね「第1のシェル714」と称する、図7A−7Dの、第1のステージの第1のシェル714−1と第2のステージの第1のシェル714−2)及び第2のシェル(例えば、ここでは概ね「第2のシェル716」と称する、図7A−7Dの、第1のステージの第2のシェル716−1と第2のステージの第2のシェル716−2)に関する取り外し可能な歯科器具を備えることができる。
各第1のシェル714は、患者の上側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を備えることができ、各第2のシェル716は、患者の下側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を備えることができる。第1の再位置決め顎エレメント(例えば、ここでは概ね、「第1の再位置決め顎エレメント706」称する、図7A−7Dの、第1のステージの706−1及び第2のステージの706−2)は、第1のシェル714の面から延在することができ、及び、第1の面を備えることができる。第2の再位置決め顎エレメント(例えば、ここでは概ね、「第2の再位置決め顎エレメント708」称する、図7A−7Dの、第1のステージの708−1及び第2のステージの708−2)は、第2のシェル716の面から延在することができ、及び、第1の再位置決め顎エレメント706の第1の面とインターフェース、相互作用、及び/又は係合するための第2の面を備えることができる。
例えば、各歯科器具の第1の再位置決め顎エレメント706及び第2の再位置決め顎エレメント708は、患者の顎を位置決めする手法において、患者の上側歯列及び患者の下側歯列の完全係合矢状顎位置の面前において、インターフェースするように位置決めされることができる。例えば、再位置決めすることは、(例えば、矢状に移動させるために)患者の下側顎の前側及び後ろ側の移動を含むことができる。
(各治療ステージでの)治療計画における各歯科器具は、患者の上側歯列の多数の歯及び患者の下側歯列の多数の歯を再位置決めするように構成されることができ、及び/又は、患者の顎の再位置決めすることができる。例えば、患者の顎の再位置決めは、多数の治療ステージにわたってインクリメンタルであることができる。患者の顎のインクリメンタルな再位置決めは、例えば、下側顎の緩やかな前進を備えることができる。ここで更に述べられているように、緩やかな前進は、第1のステージ(例えば、第1の歯科器具)から第2のステージ(例えば、第2の歯科器具)へ少なくとも1つの再位置決め顎エレメントの配置をシフトすることによって、及び/又は、治療計画の第1のステージから第2のステージへ少なくとも1つの再位置決め顎エレメントの近心−遠位長さを変更することによって、達成されることができる。
図7A−7Dの実施形態は、水平線において向けられた再位置決め顎エレメント706、708を図示することができる。各水平線は、顎のペア(例えば、上側顎及び下側顎)の(例えばシェル)の側面図を示すことができる。図7A−7Dによって図示されていないが、再位置決め顎エレメント706、708は、患者の歯アーチに実質的に従うように形状化されるシェル714、716の面から延在するように位置決めされることができる。この場合、7A−7Dの図の各々の左終端は、後ろ側方向745及び/又は(例えば、歯科器具が装着されるときの患者の)顎の領域を示し、図7A−7Dの各々の右終端は、前側方向747及び/又は(例えば、取り外し可能な歯科器具が装着されるときの患者の)顎の領域を示す。再位置決め顎エレメント706、708は、シェルの面から延在する。
図7Aは、第1の再位置決め顎エレメントの近心−遠位長さを変更することによって、緩やかな前進にて患者の顎を再位置決めするために、例示の多数の治療ステージを図示する。再位置決め顎エレメントの近心−遠位長さを変更することは、ここで用いられているように、患者の歯の近心−遠位平面に沿って、再位置決め顎エレメントの長さを増加又は減少させることを含むことができる。例えば、第1の治療ステージは、患者の上側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された第1のシェル714−1の面から延在する第1の再位置決め顎エレメント706−1を備えることができる。第2の再位置決め顎エレメント708−1は、患者の下側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された第2のシェル716−1の面から延在することができる。
第1の再位置決め顎エレメント706−1及び第2の再位置決め顎エレメント708−1の近心−遠位長さは、第1の治療ステージに基づいて、特定の長さを備えることができる。例えば、長さは、特定の治療ステージのインクリメンタルな距離に基づくことができる。第1の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−1及び第2の再位置決め顎エレメント708−1の近心−遠位長さに基づいて、患者の顎は、第1のインクリメンタルな位置及び/又は距離に再位置決めされることができる。
いくつかの実施形態においては、図7A−Dによって図示されているように、第1の再位置決め顎エレメント706は、第2の再位置決め顎エレメント708よりも長い近心−遠位長さを備えることができる。いくつかの例において、患者は、未だ完全には生え出ていなかった下側顎の後方歯を備えてよい。第1のシェル714の第1の再位置決め顎エレメント706におけるより長い近心−遠位長さは、未だ後方歯が生え出ることを許容している間に、下側顎の後方歯が、好適であるよりも先まで生え出ること(例えば、超突出)を、最小化及び/又は防止することができる。
第2の治療ステージは、患者の上側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された、第1のシェル714−2の面から延在している第1の再位置決め顎エレメント706−2を備えることができる。第2の再位置決め顎エレメント708−2は、患者の下側歯列の多数の歯を受けて再構成するように構成された、第2のシェル716−2の面から延在することができる。
第2の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−2の近心−遠位長さは、第1の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−1の近心−遠位長さから増加されることができる。近心−遠位長さにおける増加は、特定の治療ステージのインクリメンタルな距離に基づくことができる。変化は、例えば、特定の値x791(例えば、特定の距離値x791による増加)を含むことができ、再位置決め顎エレメント706−2の近心面は、近心方向における距離「x」によって延在される。第2の治療ステージの第2の再位置決め顎エレメント708−2は、第1の治療ステージの第2の再位置決め顎エレメント708−1と同じ近心−遠位長さであることができ、及び/又は、様々な実施形態において、増加されることができる。第2の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−2及び第2の再位置決め顎エレメント708−2の近心−遠位長さに基づいて、患者の顎は、第2のインクリメンタルな位置及び/又は距離に再位置決めされることができる。
図7Bは、第2の再位置決め顎エレメントの近心−遠位長さの変化によって、緩やかな前進にて患者の顎を再位置決めするために、多数の治療ステージの例を図示する。例えば、第1の治療ステージは、患者の上側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された、第1のシェル714−1の面から延在する第1の再位置決め顎エレメント706−1を備えることができる。第2の再位置決め顎エレメント708−1は、患者の下側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された第2のシェル716−1の面から延在することができる。
第1の再位置決め顎エレメント706−1及び第2の再位置決め顎エレメント708−1の近心−遠位長さは、第1の治療ステージに基づいて、特定の長さを含むことができる。長さは、特定の治療ステージのインクリメンタルな距離に基づくことができる。第1の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−1及び第2の再位置決め顎エレメント708−1の近心−遠位長さに基づいて、患者の顎は、第1のインクリメンタルな位置及び/又は距離に再位置決めされることができる。
第2の治療ステージは、患者の上側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された第1のシェル714−2の面から延在する第1の再位置決め顎エレメント706−2を備えることができる。第2の再位置決め顎エレメント708−2は、患者の下側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された第2のシェル716−2の面から延在することができる。
第2の治療ステージの第2の再位置決め顎エレメント708−2の近心−遠位長さは、第1の治療ステージの第2の再位置決め顎エレメント708−1から増加されることができる。近心−遠位長さにおける増加は、特定の治療ステージのインクリメンタルな距離に基づくことができる。変化は、例えば、特定の距離値x792(例えば、特定の距離値x792による増加)を備えることができ、再位置決め顎エレメント708−2の近心面は、遠位方向における距離「x」によって延在される。第2の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−2は、第1の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−1と同じ近心−遠位長さであることができ、及び/又は、様々な実施形態において、増加されることができる。第2の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−2及び第2の再位置決め顎エレメント708−2の近心−遠位長さに基づいて、患者の顎は、第2のインクリメンタルな位置及び/又は距離に再位置決めされることができる。
図7Cは、第1の再位置決め顎エレメントの近心−遠位配置のシフト(例えば、近心又は遠位方向における再位置決め顎エレメントの配置のシフト)によって、緩やかな前進にて患者の顎を再位置決めするために、多数の治療ステージの例を図示する。例えば、第1の治療ステージは、患者の上側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された、第1のシェル714−1の面から延在する第1の再位置決め顎エレメント706−1を備えることができる。第2の再位置決め顎エレメント708−1は、患者の下側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された第2のシェル716−1の面から延在することができる。
第1の再位置決め顎エレメント706−1及び第2の再位置決め顎エレメント708−1の近心−遠位配置は、第1の治療ステージに基づいて後方歯の近隣に特定の配置を備えることができる。例えば、配置は、特定の治療ステージのインクリメンタルな距離に基づくことができる。第1の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−1及び第2の再位置決め顎エレメント708−1の近心−遠位配置に基づいて、患者の顎は、第1のインクリメンタルな位置及び/又は距離に再位置決めされることができる。
第2の治療ステージは、患者の上側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された、第1のシェル714−2の面から延在している第1の再位置決め顎エレメント706−2を備えることができる。第2の再位置決め顎エレメント708−2は、患者の下側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された、第2のシェル716−2の面から延在することができる。
第2の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−2の近心−遠位配置は、第1の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−1の近心−遠位配置からの近心方向においてシフトされることができる。近心−遠位配置におけるシフトは、特定の治療ステージのインクリメンタルな距離に基づくことができる。シフトは、例えば、特定の距離値x793(例えば、x793の距離値による近心方向におけるシフト)を備えることができる。第2の治療ステージの第2の再位置決め顎エレメント708−2は、第1の治療ステージの第2の再位置決め顎エレメント708−1と同じ近心−遠位配置であることができ、及び/又は、様々な実施形態においてシフトされることができる。第2の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−2及び第2の再位置決め顎エレメント708−2の近心−遠位配置に基づいて、患者の顎は、第2のインクリメンタルな位置及び/又は距離に再位置決めされることができる。
図7Dは、第2の再位置決め顎エレメントの近心−遠位配置のシフトによって、緩やかな前進にて患者の顎を再位置決めするために、多数の治療ステージの例を図示する。例えば、第1の治療ステージは、患者の上側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された、第1のシェル714−1の面から延在する第1の再位置決め顎エレメント706−1を備えることができる。第2の再位置決め顎エレメント708−1は、患者の下側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された第2のシェル716−1の面から延在することができる。
第1の再位置決め顎エレメント706−1及び第2の再位置決め顎エレメント708−1の近心−遠位配置は、第1の治療ステージに基づいて、後方歯の近位に特定の配置を備えることができる。例えば、配置は、特定の治療ステージのインクリメンタルな距離に基づくことができる。第1の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−1及び第2の再位置決め顎エレメント708−1の近心−遠位配置に基づいて、患者の顎は、第1のインクリメンタルな位置及び/又は距離に再位置決めされることができる。
第2の治療ステージは、患者の上側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された第1のシェル714−2の面から延在する第1の再位置決め顎エレメント706−2を備えることができる。第2の再位置決め顎エレメント708−2は、患者の下側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された第2のシェル716−2の面から延在することができる。
第2の治療ステージの第2の再位置決め顎エレメント708−2の近心−遠位配置は、第1の治療ステージの第2の再位置決め顎エレメント708−1の近心−遠位配置から遠位方向においてシフトされることができる。近心−遠位配置におけるシフトは、特定の治療ステージのインクリメンタルな距離に基づくことができる。シフトは、例えば、特定の距離値x794(例えば、特定の距離値x794による遠位方向のシフト)を備えることができる。第2の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−2は、第1の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−1と同じ近心−遠位配置であることができ、及び/又は、様々な実施形態において、シフトされることができる。第2の治療ステージの第1の再位置決め顎エレメント706−2及び第2の再位置決め顎エレメント708−2の近心−遠位配置に基づいて、患者の顎は、第2のインクリメンタルな位置及び/又は距離に再位置決めされることができる。
図7A−7Dの本実施形態は、治療計画の2つの治療ステージを図示するが、本明細書に係る実施形態は、そうは限定されない。治療計画は、2つの治療ステージより多い又は少ないものを含んでいる、様々な数の治療ステージを備えることができる。治療ステージの少なくとも一部は、患者の顎の緩やかな前進のための治療を含むことができる。また、1つ以上の治療ステージは、様々な実施形態において、再位置決め顎エレメントを備えなくてよい。
図8A−8Dは、本明細書の多数の実施形態に係る再位置決め顎エレメントの例を図示する。図8Aは、例えば、反対の顎の再位置決め顎エレメントと係合するために、幾何学的機構851−1、851−2、851−3、851−4を備えている再位置決め顎エレメント806、808、810、812を図示する。
幾何学的機構851−1...851−4は、ここで用いられているように、様々な、突出している幾何学的形状(例えば、円柱、矩形等)及び/又は凹んでいる幾何学的形状(例えば、反対の顎の再位置決め顎エレメントの突出している幾何学的形状に合致するネガティブスペース)を備えることができる。例えば、第1のシェル814の第1の再位置決め顎エレメント806の第1の面の幾何学的機構851−1は、中に凹んだ形状機構を備えることができ、第2のシェル816の第2の再位置決め顎エレメント808の第2の面の幾何学的機構851−2は、第1の再位置決め顎エレメント806の第1の面の幾何学的機構851−1と嵌合するために形状化された突出した形状を備えることができる。
同様に、第1のシェル814の第3の再位置決め顎エレメント810の第3の面における幾何学的機構851−3は、中に凹んだ形状機構を備えることができ、第2のシェル816の第4の再位置決め顎エレメント812の第4の面の幾何学的機構851−4は、第3の再位置決め顎エレメント810の第3の面の幾何学的機構851−3と嵌合するように形状化された突出した形状を備えることができる。
図8Bは、取り外し可能な歯科器具の咬合面の再位置決め顎エレメント803を図示する。図示されているように、再位置決め顎エレメント803は、第1のシェル814(例えば、上側歯列)の咬合面に設けられることができる。
再位置決め顎エレメント803は、例えば、第2のシェル816の咬合面の外形と嵌合するように形状化された幾何学的形状を備える咬合面を備えることができる。嵌合は、例えば、前側位置又は後ろ側位置における患者の下側顎の案内によって患者の顎を再位置決めするように(例えば、矢状に移動させる)設計されることができる。
図8C−8Dは、内部のマグネットを有するする再位置決め顎エレメント806、808の例を図示する。内部のマグネットを有するする再位置決め顎エレメント806、808は、取り外し可能な歯科器具のシェル814、816の咬合、頬側、及び/又は舌側面から延在することができる。反対の顎の再位置決め顎エレメント806、808の内部のマグネットは、位置に下側顎を案内するために、反対極及び/又は同じ極であることができる。例えば、マグネットの反対極は、前側位置における下側顎を引き付けるために使用されることができ、及び/又は、マグネットの同じ極は、前側位置へ下側顎を押すために用いられることができる。
図8Cは、前側位置に下側顎(例えば、第2のシェル816)を引き付けるための反対顎の反対極を有する、内部のマグネットを有する再位置決め顎エレメント806、808の例を図示する。これに対して、図8Dは、前側位置に下側顎(例えば、第2のシェル816)を押すための反対顎の同じ極を有する、内部のマグネットを有する再位置決め顎エレメント806、808の例を図示する。
図8C及び8Dの実施形態は、前側位置に下側顎を引き付けたり又は押したりすることを(例えば、クラスIIの矯正)を図示するが、本明細書に係る実施形態は、そうは限定されない。例えば、本明細書に係る実施形態は、後ろ側位置に下側顎を引き付けたり又は押したりする再位置決め顎エレメントの内部のマグネットを備えることができる(例えば、クラスIIIの矯正)。
図9A−9Bは、本明細書の多数の実施形態に係る顎の再位置決めのための装置の機構の例を図示する。図9A−9Cに図示された装置は、取り外し可能な歯科器具を備えることができる。図9Aは、例えば、第1のシェル914の溝953を有する再位置決め顎エレメント907と第2のシェル916の幾何学的機構909を図示する。
再位置決め顎エレメント907の溝953は、例えば、曲げられている再位置決め顎エレメント907の面(例えば、他の再位置決め顎エレメント及び/又はシェルにインターフェースする、相互作用する、及び/又は係合するように設計される再位置決め顎エレメント907の面)の内部及び/又は当該面に設けられた中空チャネルを備えることができる。溝953は、反対の顎の第2のシェル916の幾何学的機構909と嵌合するように形状化されることができる。反対の顎の第2のシェル916の幾何学的機構909は、溝953に到達するまで、第1のシェル914の再位置決め顎エレメント907の曲げられた面を回転及び/又はスライドすることができる円柱形状機構を備えることができる。これは、溝953が第2のシェル916の幾何学的機構909の移動を制限及び/又は停止することができるということである。溝953及び幾何学的機構909の組み合わせは、例えば、下側顎を前側位置又は後ろ側位置に再位置決めしている間に、下側顎の動きのより大きな自由度を許容することができる。
いくつかの実施形態において、第1のシェル914の第1の再位置決め顎エレメント及び第2のシェル916の第2の再位置決め顎エレメントは、幾何学的機構を備えることができる。例えば、第1の再位置決め顎エレメント及び第2の再位置決め顎エレメントは、突起とソケットを備えることができる。例えば、第1の再位置決め顎エレメントは、反対の顎の咬合面歯への方向において、第1の再位置決め顎エレメントから延在している突起を備えることができる。第2の再位置決め顎エレメントは、第2の再位置決め顎エレメントの内部のソケットを備えることができる。第1の再位置決め顎エレメントの突起は、下側顎を前側位置又は後ろ側位置に案内することを支援するために、第2の再位置決め顎エレメントのソケットにフィットすることができる。
図9Bは、第1のシェル914の第1の幾何学的機構911、及び第2のシェル916の第2の幾何学的機構913を有する装置の例を図示する。例えば、第2の幾何学的機構913は、第2のシェル916に設けられたスプリングの特徴を含むことができ、及び第1の幾何学的機構911は、スプリング機構(例えば、第2の幾何学的機構913)にインターフェースする、相互作用する、及び/又は係合するために、第1のシェル914に位置決めされたタブ機構を備えることができる。スプリング機構は、例えば、前側位置又は後ろ側位置に患者の下側顎を例えば案内することができる。例えば、第2の幾何学的機構913とインターフェースしている、相互作用している、及び/又は係合している第1の幾何学的機構は、下側顎の位置を矢状に移動させるために、患者の下側顎に力を印加することができる。
図10A−10Cは、本明細書の多数の実施形態に係る、顎を再位置決めするための装置の咬合機構の例を図示する。図10A−10Cに図示された装置は、取り外し可能な歯科器具を備えることができる。
図10Aは、第1のシェル1014の咬合面の複数のリッジ及び第2のシェル1016の複数のリッジを有する例示の装置を図示する。リッジは、前側位置又は後ろ側位置のような、位置に患者の下側顎を案内するために使用されることができる。リッジは、ここで用いられているように、冠状−舌尖方向において延在しており頬側−舌側幅(例えば、1mm)を有する突起を備えることができる。第1のシェル1014のリッジは、例えば、第2のシェル1016のリッジと交互の順序にて突出することができる。
図10Bは、第1のシェル1014及び第2のシェル1016の咬合面の内部の複数のペアのマグネットを有する装置の例を図示する。反対の顎のシェル1014、1016の咬合面の内部のマグネットは、下側顎を前側位置又は後ろ側位置に案内するために、反対極及び/又は同じ極であることができる。複数のマグネットのペアは、アーチにわたって及び/又は後方歯にわたって均等に力を分配するために用いられることができる。
図10Cは、患者の反対の顎である歯の咬合面の外形とは異なる幾何学的形状を備える咬合面を有する装置の例を図示する。例えば、第1のシェル1014の咬合面の幾何学的形状、及び第2のシェル1016の咬合面の幾何学的形状は、患者の前下側又は後ろ下側顎位置と合致するようにパターンを備えることができる。図10Cによって図示されるように、いくつかの実施形態においては、幾何学的形状は、再位置決め顎エレメントを備えない装置の咬合面上であることができ、及び幾何学的形状は、前下側顎位置又は後ろ下側顎位置に設けられるように(例えば、矢状に移動させるために)、下側顎の筋肉を再訓練することができる。
また、様々な実施形態においては、本明細書の歯科器具は、患者が第1のシェル及び第2のシェルの第1及び第2の再位置決め顎エレメントを完全係合矢状顎位置に位置決めしたことを患者に示すための構造を備えている1つ以上の再位置決め顎エレメントを備えることができる。例えば、図10Cの実施形態においては、再位置決め顎構造1016のポイントは、これらが反対の再位置決め顎構造1014の結合している谷間と十分に係合するときに、停止するであろう。これらの意図しているタイプ構造お他の例は、図8A、8B、及び12Bのような図において図示された様々な実施形態において視認されることができる。
図11A−11Bは、本明細書の多数の実施形態に係る再位置決め顎のための装置の例を図示する。図11A−11Bにおいて図示される装置は、取り外し可能な歯科器具を備えることができる。
多数の例において、様々な機構は、前側位置又は後ろ側位置のような、位置に下側顎を案内するために、再位置決め顎エレメントに加えて及び/又は代えて用いられることができる。例示の機構は、他の機構の間で、後方領域におけるシェルの側にて材料を用いている第1のシェル及び第2のシェルを接続すること、(例えば、図11A及び11Bによって図示されたような)リジッド又はフレキシブル接続構造、(例えば、図10Aによって図示されたような)リッジ、(図10Bによって図示されたような)マグネット、及び/又は(図10Cによって図示されたような)咬合面を備えることができる。
図11Aは、前側位置又は後ろ側位置のような、位置に患者の下側顎を進める(例えば、咬合の現在の位置から延在して開いている顎の所望の範囲への咬合へ患者の下側顎を移動させる又は開く)ために、リジッド又はフレキシブル接続構造1121によって接続された第1のシェル1114及び第2のシェル1116を有する装置の例を図示する。
リジッド又はフレキシブル接続構造1121は、第1のシェル1114及び第2のシェル1116を接続することができる、金属、高分子、及び/又は他の材料のような、材料のストリップ(例えば、アーム)を備えることができる。図11Aの実施形態によって図示されるように、リジッド構造1121は、様々な手法において、第1のシェル1114及び第2のシェル1116に接続されることができる。いくつかの実施形態において、リジッド又はフレキシブル接続構造1121は、マグネット材料1123−1、1123−2、ピン1125−1、1125、及び/又は同様な機構を用いている第1のシェル1114と第2のシェル1116に接続されることができる。
これらの機構は、接続構造が患者によって容易に実装及び取り外しされることを許容することができる。例えば、リジッド又はフレキシブル接続構造1121は、マグネット材料1123−1、1123−2、ピン1125−1、1125、及び/又は、第1のシェル1114及び第2のシェル116が回転することを許容している間に、第1のシェル1114及び第2のシェル116を一緒に保持するための同様な機構を用いるヒンジを形成することができる。患者が第1のシェル1114及び第2のシェル1116をこれらの歯に設けるときに、患者は、適切位置の付近にリジッド又はフレキシブル接続構造1121を設けることができる。マグネット材料1123−1、1123−2は、いくつかの実施形態において、ジッド又はフレキシブル接続構造1121を適切位置に(例えば、適切位置の近く及び/又は付近から適切位置に)スナップすることができる。ワイヤーは、様々な実施形態において、歯アーチにわたって一様に負荷を分配するために、第2のシェル1116(下側顎)の舌側面に設けられることができる。
図11Bは、単一ピースとして形成された第1のシェル1114及び第2のシェル1116を有する装置の例を図示する。第1のシェル1114(例えば、上側顎)及び第2のシェル1116(例えば、下側顎)は、咬合の現在の位置から延在して開いている顎の所望の範囲への咬合へ患者の下側顎を進める又は開くために、1つのピースに接続されることができる。例えば、第1のシェル1114及び第2のシェル1116は、第1のシェル1114及び第2のシェル1116の右後ろ側及び左後ろ側にて材料1129によって接続されることができる。材料1129は、例えば、第1のシェル1114及び第2のシェル1116の材料に対して同様な及び/又は異なる材料を備えることができる。材料1129は、顎への位置決め案内を提供し続けている間に、顎関節接合を許容するためにフレキシブルであることができる。
図12A−12Bは、本明細書の多数の実施形態に係る装置の例を図示する。図12A−12Bに図示された装置の再位置決め顎エレメント1206、1208は、患者の顎の位置を咬合の現在の位置から咬合の目的及び/又は最終位置に移動させるために(例えば、矢状に移動させるために)、相互にインターフェース、相互作用、及び/又は係合することができる。
図12Aは、第1のシェル1214の面から延在している第1の再位置決め顎エレメント1206及び第2のシェル1216の面から延在している第2の再位置決め顎エレメント1208を有する装置の例を図示する。第1の再位置決め顎エレメント1206及び第2の再位置決め顎エレメント1208は、患者の完全係合矢状顎位置の面前において、インターフェース、相互作用、及び/又は係合することができる。
図12Aの実施形態によって図示されているように、多数の実施形態において、1つ以上の再位置決め顎エレメント1206、1208は、下側顎の他の再位置決め顎エレメントにインターフェース、相互作用、及び/又は係合するように設計された面の圧縮性材料1231−1、1231−2の層を備えることができる。例えば、圧縮性材料1231−1、1231−2は、面が最初にインターフェースしており、相互作用しており、及び/又は係合されるときに、圧縮状態になることによって、前側又は後ろ側位置に患者の下側顎を案内し、この後に、顎を緩めるために、下側顎を前側又は後ろ側に押すために展開することを支援することができる。これは、患者の顎が最初に完全係合矢状顎位置に動くときに、圧縮されることができ、及び、期間において患者の顎を緩めるために、圧縮性材料1231−1、1231−2は、下側顎を前側又は後ろ側に押すために拡大する(例えば、圧縮状態から厚さにおいて増大する)ことができる。
図12Bは、第1のシェル1214の面から延在している第1の再位置決め顎エレメント1206及び第2のシェル1216の面から延在している第2の再位置決め顎エレメント1208を有する装置の例を図示する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの再位置決め顎エレメント(例えば、第1の再位置決め顎エレメント1206及び第2の再位置決め顎エレメント1208)は、患者の反対の顎の歯の咬合面の外形に実質的に従っている咬合面を備えることができる。
例えば、図12Bの実施形態によって図示されているように、第1の再位置決め顎エレメント1206の咬合面(例えば、天面)は、下側顎の後方歯の咬合面(例えば、第1の再位置決め顎エレメント1206が接触してよい下側顎の後方歯の咬合面)の外形に実質的に従うことができる。第2の再位置決め顎エレメント1208の咬合面は、上側顎の後方歯の咬合面(例えば、第2の再位置決め顎エレメント1208が接触してよい上側顎の後方歯の咬合面)の外形に実質的に従うことができる。患者の歯列に基づいて再位置決め顎エレメントの咬合面を形成することは、例えば、所望しない歯及び/又は顎の移動の見込みを増加することができた、反対の顎における干渉にさもなければ当るかもしれない歯の先端の間の干渉を避け得る。
図12C−12Dは、本明細書の多数の実施形態に係る、再位置決め顎エレメント1206、1208の例を図示する。図12C−12Dにおいて図示された、上側顎1202、第1の再位置決め顎エレメント1206、下側顎1204、及び第2の再位置決め顎エレメント1208は、顎及び再位置決め顎エレメントのバーチャルイメージ各々(例えば、バーチャル顎及び/又はバーチャル再位置決め顎エレメント)、及び/又は物理的モールドを備えることができる。顎1202、1204及び再位置決め顎エレメント1206、1208のバーチャルイメージは、患者のための治療計画を決定するために、及び/又は、物理的歯科器具及び/又は物理的再位置決め顎エレメントを形成するために用いられることができる。図12Cは、本明細書の多数の実施形態に係る、第1の再位置決め顎エレメント1206を有する上側顎1202及び第2の再位置決め顎エレメント1208を有する下側顎1204の側面図を図示する。多数の実施形態において、1つ以上の取付エレメント1233−1、1233−2、1233−3、1233−4、1233−5は、少なくともいくつかのバーチャル歯、モールド歯、及び/又は患者の物理的歯の面にバーチャルに及び/又は物理的に取り付けられることができる。取付エレメント1233−1...1233−5は、歯科器具のシェルの保持力及び/又は機能性が品質を落とすことを最小化及び/又は防止するように用いられることができる。
例えば、取付エレメント1233−1...1233−5は、患者の歯の頬側/顔側及び/又は舌側面に直接的に付加されることができる。取付エレメントは、ここで用いられているように、歯の近心−遠位及び/又は切端−歯肉−クラウン面にわたって延在している小さなベースに関する取付サブデバイスを備えることができる。取付エレメント1233−1...1233−5は、歯のいくつかの面に間接的(例えば、ライト又は化学−治療コンポジットレジン修復法)又は直接的(例えば、組み立て式で生成されたプラスチック、コンポジット、又は磁器物)のいずれかにて接合される(及び生成される)ことができる。患者の歯の舌側面に接合された取付エレメントは、患者へのよりよい美的な喜び(及び、頬側/顔側面に接合された取付エレメントよりも他へは目立たない)をもたらすことができる。取付エレメント1233−1...1233−5は、また、少なくともいくつかのアンカー歯に取り付けられることができる。取付エレメント1233−1...1233−5は、他の形状の間で、卵形、涙、ランプ、六角形、及び/又は長方形のような様々な幾何学的な形状を備えることができる。
1つ以上の取付エレメント1233−1...1233−5は、取り外し可能な歯科器具のバーチャルモデル及び/又は物理的な取り外し可能な歯科器具に関して動作するように設計されることができる。シェルは、例えば、シェルの取り外れを最小化及び/又は防止するために、取付エレメント1233−1...1233−5において設けられるように形状化されることができる。例えば、シェルは、歯の歯科器具を保持するために用いられるシェルのリッジを備えることができる。取付エレメント1233−1...1233−5は、例えば、歯科器具の保持力を増加するために歯科器具及び歯の間の摩擦を提供することができる。これは、取付エレメント1233−1...1233−5が特定の方向において歯科器具のより大きな保持力を生成することができるということである。
図12Dは、本明細書の多数の実施形態に係る、第1の再位置決め顎エレメント1206及び第3の再位置決め顎エレメント1210を有する上側顎1202と、第2の再位置決め顎エレメント1208及び第4の再位置決め顎エレメント1212を有する下側顎1204の正面図を図示する。
様々な実施形態において、再位置決め顎エレメント1206、1208、1210、1212の少なくとも1つは、歯科器具のシェルの保持力及び/又は機能性が品質を落とすことを最小化及び/又は防止するように形状化されることができる。例えば、図12Dの実施形態において図示されているように、再位置決めエレメント(例えば、再位置決め顎エレメント1206、1208、1210、1212)の頬−爪の幅は、シェルの近隣の再位置決めエレメントの面(例えば、底面)の頬側−舌側幅においてよりも、再位置決めエレメントの咬合面(例えば、天面)において異なることができる。これは、再位置決めエレメントの側面が底面に向かって内側にテーパーされることができるということである。例えば、再位置決めエレメントの頬側−舌側幅は、シェルの近隣の再位置決めエレメントの面の頬側−舌側幅におけるよりも、再位置決めエレメントの咬合面において、より幅広であることができる。このような形状は、位置決めされている再位置決めエレメントの咬合面とインターフェースしている、より幅広の頬側−舌側咬合面に関するアイビーム(I−beam)の構造と同様であることができる。
図13A−13Bは、本明細書の多数の実施形態に係る側面機構の例を図示する。図13A−13Bにおける側面機構及び顎は、いくつかの実施形態において、バーチャル側面機構及び患者のバーチャル顎、あるいは、側面機構に関する患者の顎の物理的モデルを備えることができる。
側面機構は、ここで用いられているように、少なくとも1つの歯の頬側及び冠状側面と係合するための取り外し可能な歯科器具、及び/又は、患者の反対の顎における歯科器具の咬合平面を超えて延在することができる。側面機構は、例えば、再位置決め顎エレメントによって生成された移動を釣り合わせるために、及び/又は、取り外し可能な歯科器具の後方面が臼歯に接触することを防止及び/又は制限するために、臼歯に保持力を加えることができる。様々な実施形態において、側面機構は、再位置決め顎エレメントを備えることができる。これは、図13A−13Bの実施形態によって図示されていないが、側面機構は、図1Aにおいて図示された再位置決め顎エレメント106、108のような、再位置決め顎エレメントに加えて用いられることができる。
図13Aは、本明細書の多数の実施形態に係る、多数の側面機構1335−1、1335−2、1337−1、1337−2、1337−3を有する上側顎1302及び下側顎1304の背面図を図示する。図13Aによって図示されているように、多数の側面機構は、頬側側面機構1335−1、1335−2及び舌側側面機構1337−1、1337−2、1337−3を備えることができる。
図13Bは、多数の側面機構1335−1、1335−2、1337−1、1337−2を有する上側顎1302及び下側顎1304の後ろ側の図を図示する。図13Bにおいて図示された、上側顎1302、下側顎1304、及び多数の側面機構1335−1、1335−2、1337−1、1337−2は、様々な実施形態において、図13Aにおいて図示されているような、同様な又は異なる顎及び側面機構を備えることができる。
側面機構1335−1、1335−2、1337−1、1337−2は、図13Bによって図示されているように、上側顎1302の第1の後ろ側の側面機構のペア(例えば、第1の頬側側面機構1335−1及び第1の舌側側面機構1337−1)、及び下側顎1304の第2の後方側の側面機構のペア(例えば、第2の頬側側面機構1335−2及び第2の舌側側面機構1337−2)を備えることができる。側面機構のペア各々(例えば、第1の頬側側面機構1335−1及び第1の舌側側面機構1337−1)は、患者の反対の顎の少なくとも1つの歯及び/又は取り外し可能な歯科器具の側面と係合されることができる。
図13A−13Bによって図示された側面機構1335−1、1335−2、1337−1、1337−2、1337−3及び図13C−Dによって図示された側面機構1335−1、1335−2は、明確化の目的のためにドット面として図示される。しかしながら、本明細書に係る側面機構は、シェル1314、1316、バーチャル顎、及び/又は顎(例えば、上側顎1302及び下側顎1304)の物理的モールドと同じ色、テクスチャーであることができ、同じ材料で形成されることができる。
図13C−Dは、本明細書の多数の実施形態に係る、第1の側面機構を有する第1のシェル及び第2の側面機構を有する第2のシェルを図示する。前述のように、いくつかの実施形態において、多数の側面機構1335−1、1335−2は、歯科器具(例えば、シェル)の頬側及び/又は舌側面から延在している再位置決め顎エレメントを備えることができる。
これは、第1のシェル1314の第1の側面機構1335−1が、第2のシェル1316の第2の側面機構1335−2の第2の面1330とインターフェースすることができる第1の面1328を備えることができる、ということである。第2の側面機構1335−2は、第1の側面機構1335−1の第1の面1328とインターフェースすることができる第2の面1330を備えることができる。
第1の再位置決め顎エレメント(例えば、第1の側面機構1335−1)を有する第1のシェル及び第2の再位置決め顎エレメント(例えば、第2の側面機構1335−2)を有する第2のシェル1316のような、再位置決め顎エレメントを有するシェルは、顎再位置決めエレメントとして動作する幾何学的形状(例えば、再位置決め顎エレメント)を含む連続歯科器具を備える。これは、再位置決め顎エレメントがシェル1314、1316の幾何学的形状であり、及び取り付けられる離れたエレメントでない、ことである。
例えば、図13Dの実施形態によって図示されているように、第1の再位置決め顎エレメント(例えば、第1の側面機構1335−1)及び第2の再位置決め顎エレメント(例えば、第2の側面機構1335−2)は、患者の下側顎を再位置決めする手法において、患者の上側歯列(例えば、図13A−13Bにおいて図示された上側顎1302)と患者の下側歯列(例えば、図13A−13Bにおいて図示された下側顎1304)の完全係合矢状顎位置の面前において、インターフェースするように、相互作用するように、及び/又はさもなければ係合するように位置決めされることができる。
再位置決め顎エレメントは、理想的なフィットのために生成及び/又はねらいをつけるために、曲げ1339−1、1339−2が存在することができる。再位置決め顎エレメントの理想的なフィットは、前述のように、患者の顎の再位置決め(矯正顎位置への再位置決め)及び/又は患者のための不快感の最小化の結果をもたらす再位置決め顎エレメントのフィットである。
再位置決め顎エレメントは、いくつかの実施形態において、反対の顎のシェルとの衝突を避けるために、歯科器具の1314、1316から離れる曲げ1339−1、1339−2が存在することができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、曲げ1339−1、1339−2は、反対の顎のシェル1314、1316との衝突を避けるために十分大きい間に、チーク、舌、及び/又は患者の他の組織への再位置決めエレメントの突出を最小化する(例えば、不快感を防止/最小化する)ために、(及び/又は、図6に関して前述したように、後ろ側又は前側に視認したときに交差するために)、最小の可能な曲げであることができる。
図13C−13Dによって図示されているように、再位置決め顎エレメント(例えば、第1及び第2の側面機構1335−1、1335−2)は、(後ろ側又は前側に視認したときに)交差することができ、及び、両方の再位置決め顎エレメントは、各顎及び/又はシェル1314、1316の咬合面を通過して延在することができる。例えば、第1の再位置決め顎エレメントは、上側顎及び/又は第1のシェル1314の咬合面を通過して延在し、及び第2の再位置決め顎エレメントは、下側顎及び/又は第2のシェル1316の咬合面を通って延在する。各顎及び/又はシェル1314、1316の咬合面を通過する両方の再位置決め顎エレメントを延在することは、各顎及び/又はシェルの咬合面を通過する再位置決め顎エレメントの1つのみを延在することと比べたときに、第1の再位置決め顎エレメント(又は、第2の再位置決め顎エレメント)の高さを最小化することができる。
図14A−14Bは、本明細書の多数の実施形態に係る、患者の正中線を調整するための再位置決め顎エレメントの例を図示する。図14A−14Bにおいて図示されている、再位置決め顎エレメント及び顎は、例えば、バーチャル再位置決め顎エレメント、及び患者のバーチャル顎、あるいは、再位置決め顎エレメントに関する患者の顎の物理的モールドを備えることができる。
本明細書の多数の実施形態において、再位置決め顎エレメントは、患者の正中線を調整するために用いられることができる。患者の正中線は、ここで用いられているように、患者の上側顎の歯及び下側顎の歯の正中矢状ラインを備えることができる。
例えば、再位置決め顎エレメントは、上側顎のためのシェルの右左後ろ側、及び下側顎のシェルの右左後ろ側に設けられることができる。反対の顎の再位置決め顎エレメントの面とインターフェース、相互作用、及び/又は係合するように設計される各顎のシェルの再位置決め顎エレメントの面は、様々な場合において、同様な曲げ及び/又は反対の曲げに曲げられることができる。例えば、患者の正中線の微調整のために、(例えば、上側又は下側)顎のシェルの再位置決め顎エレメントの面は、反対の曲げにて曲げられることができる。これに対して、患者の正中線のより長い調整のために、顎のシェルの(右及び左の後ろ側)再位置決め顎エレメントの面は、同様な曲げにて曲げられることができる。
図14Aは、第1の再位置決め顎エレメント1406及び第3の再位置決め顎エレメント1410を有する上側顎1402と、第2の再位置決め顎エレメント1408及び第4の再位置決め顎エレメント1412を有する下側顎1404の側面図の例を図示する。第1の再位置決め顎エレメント1406、及び第2の再位置決め顎エレメント1408、及び第3の再位置決め顎エレメント1410、及び第4の再位置決め顎エレメント1412は各々、近心−遠位方向において患者の下側顎1404を案内するために、現在の完全係合矢状顎位置においてインターフェース、相互作用、及び/又は係合するように設計されることができる。
様々な実施形態において、近心−遠位方向における下側顎1404の案内は、前側又は後ろ側方向(前側−後ろ側方向)における下側顎1404を案内することと同時に行うことができる。これは、患者の正中線が、再位置決め顎エレメント1406、1408、1410、1412を用いている患者の矢状顎位置を調整することと同時に調整されることができる、ということである。
図14Bは、第1の再位置決め顎エレメント1406及び第3の再位置決め顎エレメント1410を有する上側顎1402と、第2の再位置決め顎エレメント1408及び第4の再位置決め顎エレメント1404を有する下側顎1404の図の例を図示する。図14Bにおいて図示されている顎1402、1404及び再位置決め顎エレメント1406、1408、1410、1412は、様々な実施形態において、図14Aにおいて図示されているように、同様な又は異なる顎/再位置決め顎エレメントを備えることができる。
図14Bの実施形態において図示されているように、多数の実施形態において、(例えば、上側又は下側)顎の(例えば、右及び左の後ろ側)再位置決め顎エレメントの面は、同様な曲げにて曲げられることができる。例えば、第1の顎1402の第1の再位置決めエレメント1406及び第3の再位置決め顎エレメント1410は、同様な曲げ(例えば、第1の曲げ)にて曲げられる。同様に、第2の再位置決め顎エレメント1408及び第4の再位置決め顎エレメント1412は、同様な曲げ(例えば、第2の曲げ)にて曲げられ、第1の再位置決め顎エレメント1406及び第3の再位置決め顎エレメント1410とは反対の曲げであることができる。しかしながら、本明細書に係る実施形態は、そうは限定されない。例えば、(例えば、上側又は下側)顎のシェルの再位置決め顎エレメントの面は、多数の実施形態において、反対の曲げにて曲げられることができる。
また、図14A−14Bによって図示された実施形態は、患者の右側に向かって患者の正中線を調整する再位置決め顎エレメント1406、1408、1410、1412を備えることができる。しかしながら、本明細書に係る実施形態は、そうは限定されずに、患者の左側に向かって患者の正中線を調整するために設計された再位置決め顎エレメントを備えることができる。
図15A−Bは、本明細書の多数の実施形態に係る、第1の再位置決め顎エレメントを有する第1のシェル及び第2の再位置決め顎エレメントを有する第2のシェルの側面図を図示する。前述したように、第1のシェル1514は、患者の上側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を備えることができる。第1の再位置決め顎エレメント1506は、第1のシェル1514の咬合面から延在する。
第2のシェル1516は、患者の下側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を備えることができる。第2の再位置決め顎エレメント1508は、第2のシェル1516の咬合面から延在する。
再位置決め顎エレメント1506、1508は、多数の面1528、1530、1543、1547、1549、1555を備えることができる。例えば、前述のように、第1の再位置決め顎エレメント1506は、第1の面1528を備えることができ、第2の再位置決め顎エレメント1508は、第1の再位置決め顎エレメント1506の第1の面1528とインターフェースするための第2の面1530を備えることができる。第1の再位置決め顎エレメント1506及び第2の再位置決め顎エレメント1508は、患者の下側顎を再位置決めする手法において、患者の上側歯列と患者の下側歯列の完全係合矢状顎位置の面前において、インターフェースするように、相互作用するように、及び/又はさもなければ係合するように位置決めされることができる。
多数の面1528、1530、1543、1547、1549、1555は、前述したように、再位置決め顎エレメント1506、1508の天面1543、1547を含むことができる。第1の再位置決め顎エレメント1506の天面1543は、傾斜天面を含むことができる。前述のように、傾斜天面は、第1の再位置決め顎エレメント1506の裏面(例えば、図5Cによって図示されたような裏面538)への他の1つの面にインターフェースする、相互作用する、及び/又はさもなければ係合するように設計された第1の面1528からの高さにおける傾斜を備えることができる。例えば、第1の再位置決め顎エレメント1506の傾斜天面1543は、遠位方向における再位置決め顎エレメントの冠状−舌尖高さよりも高い、近心方向における再位置決め顎エレメントの冠状−舌尖高さを備えることができる。いくつかの実施形態において、第2の再位置決め顎エレメント1508の天面1547は、図16Aによって図示されているように、傾斜天面を備えることができる。
図5C及び図6に関して前述されたように、第1の再位置決め顎エレメント1506の傾斜天面1543は、患者の顎が平面(例えば、水平面に平行でない)方向において閉じなくてもよいので、患者に対してより快適な経験をもたらすことができる。また、傾斜された天面1543は、(ここで更に述べられるように)第1の再位置決め顎エレメント1506の天面1543が反対の顎のシェルの面とインターフェースすることを防止することができ及び/又は最小化することができる。
図15Aは、正確な予測矯正顎位置での、第1のシェル1514の第1の再位置決めエレメント1506と第2のシェル1516の第2の再位置決めエレメント1508の理想的なフィットを図示する。これは、予測(例えば、演算)矯正顎位置が、患者の実際矯正顎位置と同じになることができ及び/又はほぼ同じになることができる、ことである。図示されたように、第1の再位置決め顎エレメント1508の天面1547は、理想的なフィットにおいて、ここで更に述べられるように、第1のシェル1514の材料1555の第1の平面に関してフラッシュされることができる。
様々な実施形態において、多数の面1528、1530、1543、1547、1549、1555は、再位置決め顎エレメント1506、1508から延在している材料の平面1549、1555を備えることができる。材料の平面1549、1555は、シェルの咬合面の追加の材料を備えることができる。材料は、シェル1516、1514を形成する同様な材料を備えることができる。
図15A−15Bによって図示されているように、第1のシェル1514の材料の第1の平面1555は、近心方向において第1の再位置決め顎エレメント1506から延在することができる。第2のシェル1516の材料の第2の平面1549は、遠位方向において第2の再位置決め顎エレメント1508から延在することができる。材料の平面1549、1555は、再位置決め顎エレメント1506、1508の下の歯の咬合面への力を防止及び/又は最小化するために用いられることができる。
例えば、材料の第1の平面1555は、患者が顎を閉じるときに生成される力が(例えば、顎を閉じる力が)材料の第1の平面1555の下及び/又は第2の再位置決め顎エレメント1508の下の歯に印加されることを、防止することができ及び/又は最小化することができる。再位置決め顎エレメント1506、1508の理想的なフィットおいて、材料の第1の平面1555は、第2の再位置決め顎エレメント1508の天面1547に接触することができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、接触は存在し得るが、例えば、フラッシュ接触にならないことができる。
第1の再位置決め顎エレメント1506の傾斜天面1543は、矯正顎位置の予測において誤差を許容することができる。正確な矯正顎位置が演算される場合、再位置決め顎エレメント1506、1508の理想的な位置は、フラッシュ接触においてである第1の面1528及び第2の面1530、及び材料の第1の平面1555とフラッシュ接触している第2の再位置決め顎エレメント1508の天面1547を備えることができる。
しかしながら、矯正顎位置を予測することにおけるいくらかの誤差が、発生し得る。例えば、図15Bは、患者の実際矯正顎位置からのいくらかの誤差を有する(例えば、正確でない)予測矯正顎位置に関する、第1の再位置決め顎エレメント1506及び第2の再位置決め顎エレメント1508の理想的なフィットを図示する。図15Bによって図示されているように、第2の再位置決め顎エレメント1508の天面1547と材料の第1の平面1555との間のギャップは、第1の面1528と第2の面1530との間の接触が未だある間に発生し得る。装置が天面1543と材料の第2の平面1549との間にフラッシュ接触を有するように設計され、患者の実際矯正顎位置に比べて矯正顎位置の予測において誤差が存在した場合、患者の顎は、材料の第2の平面1549とのフラッシュ接触を有さない天面1543による意図された及び/又は所望のものよりも、より開くことができる。
いくつかの実施形態において、材料の第2の平面1549は、患者が顎を閉じるときに生成される力が材料の第2の平面1549の下及び/又は第1の再位置決め顎エレメント1508の下の歯に適用されることを、防止することができ及び/又は最小化することができる。再位置決め顎エレメント1506、1508の理想的なフィットおいて、材料の第2の平面1549は、第1の再位置決め顎エレメント1506の天面1543に接触しない。しかしながら、いくつかの実施形態において、接触は存在してよいが、フラッシュ接触にならなくてよい。
材料の各面1549、1555の近心−遠位距離は、反対の顎の再位置決め顎エレメントの近心−遠位距離に基づくことができる。例えば、材料の第1の面1555は、反対の顎にて第2の再位置決め顎エレメント1508が延在しているのと同じ及び/又はほぼ同じ近心−遠位距離のための第1の再位置決め顎エレメント1506からの近心方向において延在することができる。材料の第2の平面1549は、反対の顎にて第1の再位置決め顎エレメント1506が延在しているのと同じ及び/又はほぼ同じ近心−遠位距離のための第2の再位置決め顎エレメント1508からの遠位方向において延在することができる。
材料の1つ以上の平面1549、1555に加えて第1の再位置決め顎エレメント1506の傾斜天面1543は、再位置決め顎エレメント1506、1508の理想的なフィットのために生成及び/又はねらいをつけるために使用されることができる。いくつかの実施形態において、シェル1514、1516の咬合面から延在している再位置決め顎エレメント1506、1508の理想的なフィットは、図15Aによって図示されているように、第2の再位置決め顎エレメント1508の第2の面1530とインターフェースしている(例えば、接触している)第1の再位置決め顎エレメント1506の第1の面1528、材料の第1の平面1555とインターフェースしている第2の再位置決め顎エレメント1508の天面1547、第2の再位置決め顎エレメント1508の材料の第2の面1549とインターフェースしている(例えば、接触している)第1の再位置決め顎エレメント1506の天面1543を備えることができる。
傾斜天面1543及び材料の平面1549、1555の曲げは、再位置決め顎エレメント1506、1508の下に設けられた歯の咬合面における力を防止及び/又は最小化することができ、及び患者のきちんと並んでいない顎の位置を移動させるためにインターフェースすることを、再位置決め顎エレメント1506、1508の第1及び第2の面1528、1530に許容することができる。例えば、材料の1つ以上の平面1549、1555とインターフェースしている1つ以上の天面1543、1547は、患者の下側顎を再位置決めする手法において、第1の面1528が第2の面1530とインターフェースすることを防止及び/又は最小化してよい。
しかしながら、本明細書に係る実施形態は、図15A−15Bによって図示されている再位置決め顎エレメントのフィットには限定されない。例えば、時間をこえて、患者が第1のシェル1514及び第2のシェル1516を装着するときに、理想的なフィットは存在しなくてよい。これは、天面1543、1547は、患者によって装着されるときに意図されたように、材料の平面1549、1555と接触してもよく又はしなくてもよい。
第1の再位置決め顎エレメント1506の傾斜天面1543の曲げは、何人かの患者のための曲げのセットであることができ、及び/又は、特定の患者のためのカスタマイズされた曲げを備えることができる。カスタマイズされた曲げは、ここで用いられているように、患者のデータに基づいて改定される曲げを備えることができる。例えば、傾斜天面1543の曲げは、患者の関節接合情報を用いている特定の患者のためにカスタマイズすることができる。関節接合情報は、患者の顎の位置決め及び/又は移動の情報であることができる。関節接合情報は、他の技術の間で、患者の口のスキャンから取得されることができる。
いくつかの実施形態において、第2の再位置決め顎エレメント1508から延在している材料の第2の平面1549は、存在しなくてよい。例えば、いくつかの下顎骨の前進の場合において、材料の第2の平面1549は、第1の再位置決め顎エレメント1506の天面1543が、患者の反対の顎において第2のシェル1516とインターフェースすることを防止するために必要でなくてよい。
様々な実施形態において、材料の第2の平面1549が理想的なフィットのために用いられない場合でさえも、材料の第2の面1549は、製造目的のラベリングのための領域として用いられてよい。例えば、識別情報(例えば、数値及び/又は文字)は、材料の第2の平面1549に付加されることができる。
図16Aは、本明細書の多数の実施形態に係る、第1の再位置決め顎エレメントを有する第1のシェル及び第2の再位置決め顎エレメントを有する第2のシェルの側面図を図示する。前述したように、第1のシェル1614は、患者の上側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を備えることができる。第1の再位置決め顎エレメント1606は、第1のシェル1614の咬合面から延在する。
第2のシェル1616は、患者の下側の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を備えることができる。第2の再位置決め顎エレメント1608は、第2のシェル1616の咬合面から延在する。
図16Aによって図示されるように、いくつかの実施形態において、第1の再位置決め顎エレメント1606及び第2の再位置決め顎エレメント1608の天面1647(及び図15A−15Bによって図示された1543)は、傾斜されることができる。第2の再位置決め顎エレメント1608の傾斜天面1647及び第1の再位置決め顎エレメント1606の(例えば、図15A−15Bの1543によって図示されている)傾斜天面は、歯科器具(例えば、第1のシェル1614及び第2のシェル1616)の外形を流線型にすることができる。
図16Aによって更に図示されているように、多数の実施形態において、第1のシェル1614は、前側ストップ1657を備えることができる。前側ストップ1657は、患者の(患者の前側歯の近隣の)前方領域に設けられた三脚支持を備えることができる。前側ストップ1657は、多数の実施形態に係る、第1のシェル1614(又は、第2のシェル1616)と同様な材料で一体的に及び/又で形成されることができる。
例えば、前側ストップ1657は、上側顎の前側歯の近隣の第1のシェル1614の咬合面から延在することができる。前側ストップ1657は、圧力が患者によって第1のシェル1614及び第2のシェル1616に印加されるときに、第2のシェル1616の咬合面に静止することができる。
代替的に、前側ストップ1657は、下側顎の前側歯の近隣の第2のシェル1616の咬合面から延在することができる。前側ストップ1657は、圧力が患者によって第1のシェル1614及び第2のシェル1616に印加されるときに、第1のシェル1614の咬合面に静止することができる。
いくつかの例において、患者のアーチは、平行でなくてよい。例えば、大きく曲げられた下顎骨を有す患者は、再位置決め顎エレメント1606、1608によって生成された、いくつかの開口(例えば、後ろ側開口)は、大きな前側開口につながることができる。例として、開口は、1対3の比(例えば、後方領域における1mm毎の開口、患者の前方領域における結果3mmの開口)を有することができる。患者が裏の接触ポイントの周辺にて旋回するときに、顎の引っ張り及び不快感があり得る。
前側ストップ1657は、前述のように、患者が顎を完全に静止するときに支持を提供するために、圧力が患者によって第1のシェル1614及び第2のシェル1616によって印加されるときに、第2のシェル1616の咬合面に静止することができる。また、前側ストップ1657は、再位置決めエレメント1606、1608への圧力を減少させることができ、これは、関連する突発を減少させることができる。
図16Bは、本明細書の多数の実施形態に係る第2の再位置決め顎エレメント断面図を図示する。図16Bによって図示されているように、いくつかの実施形態において、第2の再位置決め顎エレメント1608は、臼歯への適合のためのリジッドな突起(例えば、フィン)として構造化されることができる。
第2の再位置決めエレメント1508は、図15Bによって図示されているように、下の歯面への適合を欠くことができ、及び、圧力が第2の再位置決めエレメント1508に印加されるときに、第2のシェル1516の突発を導き得る。対比によって、リジッドな突起は、図16Bによって図示されているように、シェルの突発(例えば、頬側−舌側突発)を減少させることができる。
例示の実施形態のリスト
A.取り外し可能な歯科器具であって、
a.患者の上側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を備えている第1のシェルと、
b. 前記患者の下側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を備えている第2のシェルと、
c.前記第1のシェルの咬合面から延在しており第1の面を備えている第1の再位置決め顎エレメントと、
d.前記第2のシェルの咬合面から延在しており前記第1の再位置決め顎エレメントの前記第1の面とインターフェースするための第2の面を備える第2の再位置決め顎エレメントと、を備え、
e.前記第1の再位置決め顎エレメント及び前記第2の再位置決め顎エレメントは、前記患者の顎を再位置決めするための手法において、前記患者の上側歯列及び前記患者の下側歯列の完全係合矢状顎位置の面前において、インターフェースするために設けられおり、
前記第1の再位置決め顎エレメントは傾斜天面を備えており、
前記第1の再位置決め顎エレメント及び前記第2の再位置決め顎エレメントは、傾斜にてインターフェースし、
f.前記取り外し可能な歯科器具は、前記患者の顎を再位置決めすることと同時に前記患者の上側歯列の多数の歯及び前記患者の下側歯列の多数の歯を再位置決めするように構成されている、
取り外し可能な歯科器具。
B.前記傾斜天面は、遠位方向における前記第1の再位置決め顎エレメントの冠状−舌尖高さよりも高い、前記第1の再位置決め顎エレメントの近心方向における前記第1の再位置決め顎エレメントの冠状−舌尖高さを備える、
請求項Aに記載の取り外し可能な歯科器具。
C.前記第1の再位置決め顎エレメントの前記第1の面は、前記第1の再位置決め顎エレメントの近心−対向面の傾斜面を備え、
前記第2の再位置決め顎エレメント前記第2の面は、前記第2の再位置決め顎エレメントの遠位−対向面の傾斜面を備える、
請求項Aに記載の取り外し可能な歯科器具。
D.前記第1のシェルは、近心方向において前記第1の再位置決め顎エレメントから延在している材料の平面を備える、
請求項Aに記載の取り外し可能な歯科器具。
E.前記材料の平面は、第1の材料の平面を備え、前記第2のシェルは、遠位方向において前記第2の再位置決め顎エレメントから延在している第2の材料の平面を備える、
請求項Dに記載の取り外し可能な歯科器具。
F.前記第1の再位置決め顎エレメント及び前記第2の再位置決め顎エレメントの少なくとも1つは、内部のいくつかの前記歯の少なくとも1つに遠位力を生成するように位置決めされる、
請求項Aに記載の取り外し可能な歯科器具。
G.
a.前記第1の再位置決め顎エレメントは、第1の幾何学的機構を備え、
b.前記第2の再位置決め顎エレメントは、前記第1の幾何学的機構と嵌合するように形状化された第2の幾何学的機構を備える、
請求項Aに記載の取り外し可能な歯科器具。
H.前記第1の幾何学的機構は、突起を備えており、前記第2の幾何学的機構は、ソケットを備える、
請求項Cに記載の取り外し可能な歯科器具。
I.前記第1の再位置決め顎エレメント及び前記第2の再位置決め顎エレメントの少なくとも1つは、面の圧縮性材料の層を備える、
請求項Aに記載の取り外し可能な歯科器具。
J.前記第1の面及び前記第2の面の少なくとも1つは、患者の正中線を調整するために曲げられる、
請求項Aに記載の取り外し可能な歯科器具。
K.前記第1の再位置決め顎エレメント及び前記第2の再位置決め顎エレメントは、反対の顎における歯の咬合面の外形に従うために咬合面を備える、
請求項Aに記載の取り外し可能な歯科器具。
L.前記第1の再位置決め顎エレメント及び前記第2の再位置決め顎エレメントの少なくとも1つは、反対の顎のシェルの頬側及び舌側側面の少なくとも1つと係合するための前記取り外し可能な歯科器具の前記咬合平面を超えて延在する側面機構を備える、
請求項Aに記載の取り外し可能な歯科器具。
M.前記第1の再位置決め顎エレメント及び前記第2の再位置決め顎エレメントは、前記患者の生え出てない及び取り除かれた臼歯の少なくとも1つの付近に設けられる、
請求項Aに記載の取り外し可能な歯科器具。
N.前記第1のシェル及び前記第2のシェルは、前記第1のシェル及び前記第2のシェルの頬側及び舌側面の少なくとも1つから延在している複数の再位置決め顎エレメントを備える、
請求項Aに記載の取り外し可能な歯科器具。
0.前記第1の再位置決め顎エレメント及び前記第2の再位置決め顎エレメントは、前記下側顎を位置に相互作用し案内するために内部に少なくとも1つのマグネットを備える、
請求項Aに記載の取り外し可能な歯科器具。
P.前記第1の再位置決め顎エレメント及び前記第2の再位置決め顎エレメントの少なくとも1つは、底面の頬側−舌側幅よりも幅広の頬側−舌側幅を有する天面を備える、
請求項Aに記載の取り外し可能な歯科器具。
Q.取り外し可能な歯科器具であって、
a.患者の上側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を備えている第1のシェルと、
b.前記患者の下側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を備えている第2のシェルと、
c.前記第1のシェルの頬側又は舌側面から延在しており第1の面を備えている第1の再位置決め顎エレメントと、
d.前記第2のシェルの頬側又は舌側面から延在しており前記第1の再位置決め顎エレメントの前記第1の面とインターフェースするための第2の面を備える第2の再位置決め顎エレメントと、を備え、
e.前記第1の再位置決め顎エレメント及び前記第2の再位置決め顎エレメントは、前記患者の顎を再位置決めするための手法において、前記患者の上側歯列及び前記患者の下側歯列の完全係合矢状顎位置に前記患者が動かしたときに、インターフェースするために設けられおり、前記第1の再位置決め顎エレメント及び前記第2の再位置決め顎エレメントは、インターフェースするときに交差し、
f.前記取り外し可能な歯科器具は、前記患者の顎を再位置決めすることと同時に前記患者の上側歯列の多数の歯及び前記患者の下側歯列の多数の歯を再位置決めするように構成されている、
取り外し可能な歯科器具。
R.前記第1の再位置決め顎エレメントは、前記第1のシェルの咬合面を通過して延在し、前記第2の再位置決め顎エレメントは、前記第2のシェルの咬合面を通過して延在する、
請求項Qに記載の取り外し可能な歯科器具。
S.前記第1の再位置決め顎エレメント及び前記第2の再位置決め顎エレメントの前記交差は、前側又は後ろ側位置から視認したときに、インターフェースしている前記第1の面及び前記第2の面の交差を備える、
請求項Qに記載の取り外し可能な歯科器具。
T.前記第1の再位置決め顎エレメント及び前記第2の再位置決め顎エレメントは、前記患者の咬合平面標準に従う、
請求項Qに記載の取り外し可能な歯科器具。
U.前記第1の再位置決め顎エレメント及び前記第2の再位置決め顎エレメントは、前記再位置決め顎エレメントの天面のトップ溝、及び、前記再位置決め顎エレメントの側面の多数のサイド溝を備える、
請求項Qに記載の取り外し可能な歯科器具。
V.前記サイド溝は、前記再位置決め顎エレメントが延在している、前記多数の歯の少なくとも1つの歯の隣接面領域にて位置決めされる冠状−舌尖溝を備える、
請求項Qに記載の取り外し可能な歯科器具。
W.前記再位置決め顎エレメントは、前記患者が完全係合矢状顎位置において前記第1のシェル及び前記第2のシェルの前記第1及び第2の再位置決め顎エレメントを位置決めしたことを患者に示すための構造を備える、
請求項Qに記載の取り外し可能な歯科器具。
X.前記第1の再位置決め顎エレメント及び前記第2の再位置決め顎エレメントは、前記患者の前記顎に関して前側−後ろ側平面において前記患者の顎を再位置決めするための手法において、前記患者の上側歯列及び前記患者の下側歯列の完全係合矢状顎位置に前記患者が動かしたときに、インターフェースするために設けられている、
請求項Qに記載の取り外し可能な歯科器具。
Y.取り外し可能な歯科器具であって、
a.患者の上側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を備えている第1のシェルと、
b. 前記患者の下側歯列の多数の歯を受けて再位置決めするように構成された多数の歯開口を備えている第2のシェルと、を備えており、
c.前記第1のシェル及び前記第2のシェルは、前記患者の顎を再位置決めする手法において前記患者の上側歯列及び前記患者の下側歯列の完全係合矢状顎位置の面前において、インターフェースし、
d. 前記取り外し可能な歯科器具は、前記患者の顎を再位置決めすることと同時に前記患者の上側歯列の多数の歯及び前記患者の下側歯列の多数の歯を再位置決めするように構成されている、
取り外し可能な歯科器具。
Z.
a.前記第1のシェルは突起を備えており、
b.前記第2のシェルは、よくかみ合っている位置から延在している反対の顎の所望の範囲に開くことの関節接合軌道から前記患者の下側顎を移動させるために前記突起と嵌合するように形状化されたソケットを備える、
請求項Yに記載の取り外し可能な歯科器具。
AA.前記第1のシェル及び前記第2のシェルは、反対の顎の前記歯の前記咬合面の前記外形とは異なる幾何学的形状を有する咬合面を備える、
請求項Yに記載の取り外し可能な歯科器具。
BB.
a.前記第1のシェルはスプリングを備えており、
b.前記第2のシェルは前記スプリングと相互作用するタブを備える、
請求項Yに記載の取り外し可能な歯科器具。
CC.前記第1のシェル及び前記第2のシェルは、前記顎を位置に案内するために、咬合面の複数のリッジを備える、
請求項Yに記載の取り外し可能な歯科器具
DD.前記第1のシェル及び前記第2のシェルは、前記患者の前記顎を位置に相互作用して案内するために、前記第1のシェル及び前記第2のシェルの咬合面の内部にマグネットのペアを備える、
請求項Yに記載の取り外し可能な歯科器具
EE.前記第1のシェル及び前記第2のシェルの咬合面は、顎位置に合致するための幾何学的形状を備える、
請求項Yに記載の取り外し可能な歯科器具
FF.前記第1のシェル及び前記第2のシェルは、下側顎を位置に移動させるためにリジッド又はフレキシブル接続構造によって接続される、
請求項Yに記載の取り外し可能な歯科器具
GG. 前記第1のシェル及び前記第2のシェルは、前記第1のシェル及び前記第2のシェルの右後ろ側及び左後ろ側の材料によって接続される、
請求項Yに記載の取り外し可能な歯科器具
HH.
a.前記第1のシェルは溝を有する再位置決め顎エレメントを備えており、
b.前記第2のシェルは前記溝と相互作用するための幾何学的機構を備える、
請求項Yに記載の取り外し可能な歯科器具
具体的な実施形態が図示されて及びここで記述されたが、当業者は、示された特定の実施形態の代わりであることができる同様な技術を達成することが見込まれるいくつかの取り合わせについて理解するであろう。この明細書は、明細書の様々な実施形態のいくつかの及び全ての適用又は変形例をカバーすることが意図される。
上述の記載は、図示された形状にて成され、これに限定されないことについて理解される。上述の実施形態の組み合わせ、及びここで具体的に記載されていない他の実施形態は、上述を検討した当業者に明らかになるであろう。明細書の様々な実施形態の範囲は、上述の構造及び方法が用いられるいくつかの他の応用を含む。従って、明細書の様々な実施形態の範囲は、請求項が権利を与える等価な全範囲に沿って、添付の請求項への参照にて決定されるべきである。
先の詳細な説明において、様々な特徴は、開示を合理化する目的のために図において図示された例示の実施形態において一緒にグループ化される。開示の方法は、開示の実施形態が各請求項において明確に列挙されているよりも多くの特徴を要求することについての、意図を反映するように解釈されない。
むしろ、以下の請求項が反映しているように、発明対象事項は、単一の開示された実施形態の全ての特徴よりも少なくなっている。従って、以下の請求項は、これによって、別々の実施形態としてこれ自身にある各請求項に関して詳細な説明に組み込まれる。
〔付記1〕
コンピューティング装置に方法を実行させるためのプロセッサーによって実行可能な命令を格納している非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体であって、当該方法は、
患者の顎の位置合わせの程度を決定するために、前記患者の顎のバーチャルイメージを用いて、前記患者の理想的な顎の位置とは少なくとも一部において異なる位置の顎である前記患者のきちんと並んでいない顎を前記患者の顎のバーチャルイメージから識別するステップであって、
1)前記患者の顎をスキャンすることによって取得された前記患者の顎のバーチャルイメージに基づいて、前記患者の顎の位置と所定方法で特定された前記患者の理想的な顎の位置とを比較することによって、前記患者のきちんと並んでいない顎を識別するステップ、あるいは、
2)前記コンピューティング装置の外部から前記コンピューティング装置に入力された前記患者の顎の診断結果の情報に基づいて、前記患者のきちんと並んでいない顎を識別するステップを含む、前記ステップと、
前記患者の少なくとも1つの歯を再位置決めするように構成された第1のシェル及び第2のシェルを備えている歯科器具のバーチャルモデルを含んでいる前記患者のための治療計画を提供するステップであって、前記歯科器具の前記バーチャルモデルは、前記患者の前記きちんと並んでいない顎の位置を移動させるように構成された前記第1のシェル及び前記第2のシェルの再位置決め顎エレメントを備えているステップであり、
1)前記患者のきちんと並んでいない顎の位置よりも前記患者の理想的な顎の位置に近い顎の位置である矯正顎位置を予測し、
2)予測された矯正顎位置に向かって前記患者の前記きちんと並んでいない顎の前記位置を移動させるように前記再位置決め顎エレメントを設計する、前記ステップと、
所定の多数の制約に従うように、前記第1のシェル及び前記第2のシェルにおける前記再位置決め顎エレメントの前記位置を調整するステップと、を含む、
非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記2〕
前記多数の制約は、前記患者の現在の歯の配列、現在の顎の位置、及び予測された矯正顎位置に関連する前記再位置決め顎エレメントの配置及び方向の物理的な限定又は制限を含む、
付記1に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記3〕
前記多数の制約は、前記再位置決め顎エレメントの傾斜が、前記患者の咬合平面標準に平行な面に対して閾値角度内である、ことを含む、
付記1又は2に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記4〕
前記多数の制約は、前記再位置決め顎エレメントが、前記患者の歯に適用されたときであって、前記患者の歯を後側又は前側から視認したときに交差する、ことを含む、
付記1から3のいずれか一項に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記5〕
前記多数の制約に従うように前記再位置決め顎エレメントの前記位置を調整するステップは、前記再位置決め顎エレメントの配置を最適化するために、前記多数の制約の最も多くのサブセットを満たすステップ、を含む、
付記1から4のいずれか一項に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記6〕
前記患者のための治療計画を提供するステップにおいて、前記患者のきちんと並んでいない顎の位置を前記患者の予測された矯正顎位置に順次近づけるための複数のステージを決定し、
前記患者の顎の前記バーチャルイメージから前記患者の前記きちんと並んでいない顎を識別するステップは、前記複数のステージの間の前記顎の前記バーチャルモデルの複数の顎配置を識別する、
付記1から5のいずれか一項に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記7〕
前記方法は、
前記患者の顎のバーチャルイメージを用いて、前記歯科器具を装着している前記患者によって、発生する前記顎の移動をバーチャルにテストするステップと、
前記顎の移動の前記バーチャルなテストに基づいて、前記再位置決め顎エレメントを調整するステップと、を含む、
付記1から6のいずれか一項に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記8〕
前記治療計画を提供するステップは、
前記歯科器具を含んでいる、複数の歯科器具のバーチャルモデルを提供するステップ、を更に含み、
前記複数の歯科器具は、前記きちんと並んでいない顎を、改定された顎の位置に向けて、治療計画の段階数に応じて増分される距離だけ移動させることによって、再位置決めするように構成されている、
付記1から7のいずれか一項に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記9〕
コンピューティング装置に方法を実行させるためのプロセッサーによって実行可能な命令を格納している非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体であって、当該方法は、
患者の顎の位置合わせの程度を決定するために、前記患者の顎のバーチャルイメージを用いて、患者の理想的な顎の位置とは少なくとも一部において異なる位置の顎である前記患者のきちんと並んでいない顎を前記患者の顎のバーチャルイメージから識別するステップであって、
1)前記患者の顎をスキャンすることによって取得された前記患者の顎のバーチャルイメージに基づいて、前記患者の顎の位置と所定方法で特定された前記患者の理想的な顎の位置とを比較することによって、前記患者のきちんと並んでいない顎を識別するステップ、あるいは、
2)前記コンピューティング装置の外部から前記コンピューティング装置に入力された前記患者の顎の診断結果の情報に基づいて、前記患者のきちんと並んでいない顎を識別するステップを含む、前記ステップと、
複数のステージの範囲における各ステージにおいて前記患者の少なくとも1つの歯を再位置決めするように構成された第1のシェル及び第2のシェルを備えている歯科器具のバーチャルモデルを含んでいる前記患者のための治療計画を提供するステップであって、前記歯科器具の前記バーチャルモデルは、前記治療計画の前記複数のステージの範囲に関連する矯正顎位置に向かって前記患者の前記きちんと並んでいない顎の位置を移動させるように構成された前記第1のシェル及び前記第2のシェルの再位置決め顎エレメントを備えているステップであり、
1)前記患者のきちんと並んでいない顎の位置よりも前記患者の理想的な顎の位置に近い顎の位置である前記矯正顎位置を予測し、
2)前記治療計画の前記複数のステージの範囲に関連する予測された矯正顎位置に向かって前記患者の前記きちんと並んでいない顎の前記位置を移動させるように前記再位置決め顎エレメントを設計する、前記ステップと、
前記歯科器具の前記バーチャルモデルの前記第1のシェル及び前記第2のシェルの再位置決め顎エレメントを位置決めするステップであって、前記再位置決め顎エレメントは、前記歯科器具の前記バーチャルモデルの前記第1のシェル及び前記第2のシェルの面から延在し、前記再位置決め顎エレメントは、前記患者の前記きちんと並んでいない顎の位置を移動させるように構成されているステップと、を含む、
非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記10〕
前記方法は、
前記治療計画の各ステージのための歯科器具のバーチャルモデルを提供するステップを含んでいる、前記患者のために前記治療計画を提供するステップであって、前記再位置決め顎エレメントを位置決めすることは、前記識別されたきちんと並んでいない顎に関するステージの前記範囲の最初及び最後のステージにおいてであるステップ、を含む、
付記9に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記11〕
前記方法は、
ステージの前記範囲の多数の中間のステージにて前記再位置決め顎エレメントの前記位置を調整するステップ、を含む、
付記10に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記12〕
前記方法は、
前記多数の中間のステージにて前記調整された位置に関する、ステージの前記範囲の前記最初及び前記最後のステージにて前記再位置決め顎エレメントの前記位置を補間するステップ、を含む、
付記11に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記13〕
前記方法は、
多数の制約に従うように、前記歯科器具の前記バーチャルモデルの前記第1のシェル及び前記第2のシェルにおける前記再位置決め顎エレメントの前記位置を調整するステップ、を含む、
付記9から12のいずれか一項に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記14〕
前記多数の制約に従うように、前記歯科器具の前記バーチャルモデルの前記第1のシェル及び前記第2のシェルにおける前記再位置決め顎エレメントの前記位置を調整するステップは、前記多数の制約に基づいて理想的なフィットに前記再位置決め顎エレメントを移動させることを含む、
付記9から13のいずれか一項に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記15〕
前記方法は、
前記再位置決め顎エレメントの咬合面に近い前記再位置決め顎エレメントの上側の頬側−舌側幅とは異なる、前記歯科器具の前記シェルに近い前記再位置決め顎エレメントの下側の頬側−舌側幅を備えるために、前記再位置決め顎エレメントの側面を傾斜させるステップ、を含む、
付記9から14のいずれか一項に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記16〕
前記方法は、
前記再位置決め顎エレメントの天面に溝を設けるステップ、を含む、
付記9から15のいずれか一項に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記17〕
前記方法は、
前記再位置決め顎エレメントの頬側面及び舌側面の少なくとも1つにサイド溝を設けるステップ、を含む、
付記9から16のいずれか一項に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記18〕
前記方法は、
頬側方向及び舌側方向の少なくとも1つの方向において前記再位置決め顎エレメントの側面を曲げるステップ、を含む、
付記9から17のいずれか一項に記載の非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体。
〔付記19〕
歯科器具をコンピューティング装置によって設計するための方法であり、前記コンピューティング装置は、プロセッサーと、前記プロセッサーによって実行可能な命令を格納している非一時的コンピューティング装置読み取り可能媒体を備え、前記命令が前記プロセッサーによって実行されることにより前記コンピューティング装置に前記方法を実行させるものであり、
前記方法が、
患者の少なくとも1つの歯を再位置決めするように構成された第1のシェル及び第2のシェルを備えている歯科器具のバーチャルモデルを含んでいる前記患者のための治療計画を提供するステップであって、前記歯科器具の前記バーチャルモデルは、前記患者の前記きちんと並んでいない顎の位置を移動させるように構成された前記第1のシェル及び前記第2のシェルの再位置決め顎エレメントを備えているステップであり、
1)前記患者のきちんと並んでいない顎の位置よりも前記患者の理想的な顎の位置に近位置である矯正顎位置を予測し、
2)予測された矯正顎位置に向かって前記患者の前記きちんと並んでいない顎の前記位置を移動させるように前記再位置決め顎エレメントを設計する、前記ステップと、
前記患者の顎の位置合わせの程度を決定するために、前記患者の顎のバーチャルイメージを用いて、前記患者の理想的な顎の位置とは少なくとも一部において異なる位置の顎である前記患者のきちんと並んでいない顎を前記患者の顎のバーチャルイメージから識別するステップであって、
1)前記患者の顎をスキャンすることによって取得された前記患者の顎のバーチャルイメージに基づいて、前記患者の顎の位置と所定方法で特定された前記患者の理想的な顎の位置とを比較することによって、前記患者のきちんと並んでいない顎を識別するステップ、あるいは、
2)前記コンピューティング装置の外部から前記コンピューティング装置に入力された前記患者の顎の診断結果の情報に基づいて、前記患者のきちんと並んでいない顎を識別するステップを含む、前記ステップと、
前記識別されたきちんと並んでいない顎に関する前記治療計画のステージの前記範囲のステージにて前記歯科器具の前記バーチャルモデルの前記第1のシェルの面及び前記第2のシェルの面から延在している前記再位置決め顎エレメントを位置決めするステップであって、前記再位置決め顎エレメントは、前記患者の前記きちんと並んでいない顎の上顎と下顎の相対的な位置を移動させるように構成されている、ステップと、
多数の制約に従うように、前記第1のシェルの前記面と前記第2のシェルの前記面から延在している前記再位置決め顎エレメントの前記位置を調整するステップと、
を含む方法。
〔付記20〕
前記再位置決め顎エレメントは、ステージの前記範囲の最初のステージ及び最後のステージにて位置決めされ、
前記方法は、
ステージの前記範囲の中間のステージにて前記再位置決め顎エレメントの位置を洗練するステップ、を含む、
付記19に記載の方法。
〔付記21〕
前記方法は、
前記中間のステージにて前記再位置決め顎エレメントの前記洗練された位置に関する前記最初及び前記最後のステージにて前記再位置決め顎エレメントの前記位置を補間するステップ、を含む、
付記20に記載の方法。
〔付記22〕
前記再位置決め顎エレメントの前記位置を調整するステップは、前記多数の制約に従うように、ステージの前記範囲の前記最初のステージ、前記最後のステージ、及び前記中間のステージにおいて位置を調整するステップ、を含む、
付記21に記載の方法。
〔付記23〕
前記再位置決め顎エレメントは、前記第1のシェル及び前記第2のシェルの咬合面から延在し、前記多数の制約は、前記患者の咬合平面標準に関して前記再位置決め顎エレメントのインターフェースを並べること、を含む、
付記19から22のいずれか一項に記載の方法。
〔付記24〕
前記多数の制約は、再位置決め顎エレメント各々と前記反対の顎の歯の冠状面との間の距離が閾値距離よりも大きいこと、を更に含む、
付記23に記載の方法。
〔付記25〕
前記多数の制約は、再位置決め顎エレメント各々の下の歯の歯面が、前記再位置決め顎エレメントの面を介して延在していないこと、再位置決め顎エレメント各々が、下の歯の咬合面の頬側−舌側境界を違反していないこと、再位置決め顎エレメント各々が、アーチカーブ方向に関して並んでいること、頬側−舌側方向における再位置決め顎エレメント各々の角形成が限定されていること、再位置決め顎エレメント各々が第1の臼歯から第1の両尖歯に位置決めされていること、前記下側顎の少なくとも1つの臼歯が、再位置決め顎エレメントによって覆われないこと、及び特定の咬合登録構成、を含む、
付記24に記載の方法。
〔付記26〕
前記再位置決め顎エレメントは、前記第1のシェル及び前記第2のシェルの頬側又は舌側面から延在し、前記多数の制約は、前記患者の咬合平面標準に関して前記再位置決め顎エレメントのインターフェースを並べること、を含む、
付記19から25のいずれか一項に記載の方法。
〔付記27〕
前記多数の制約は、前記再位置決め顎エレメントが、前記患者の歯に適用されたときであって、前記患者の歯を後側又は前側から視認したときに交差する、ことを含む、
付記26に記載の方法。
〔付記28〕
前記多数の制約は、再位置決め顎エレメント各々と前記反対の顎の歯の冠状面との間の距離が、閾値距離よりも大きいこと、歯の冠状面が、前記再位置決め顎エレメントを支持すること、アンダーカットを避けること、頬側又は舌側方向において角形成を最小化すること、前記再位置決め顎エレメントが、アーチカーブ方向にて並べられること、前記再位置決め顎エレメントが、前記第1の臼歯から前記第1の両尖歯に位置決めされること、前記顎の左側及び右側における前記再位置決め顎エレメントの対称、を更に含む、
付記27に記載の方法。
〔付記29〕
前記方法は、前記再位置決め顎エレメントを位置決めするために、前記実際の咬合の又は前記咬合の設けられた関節接合のスキャンを入力するステップ、を更に含む、
付記19から28のいずれか一項に記載の方法。