JP2020176970A - 物理量測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度センサのリード線が熱衝撃や加圧蒸気等によって腐食や破損を引き起してしまうことや、温度検出素子の振動によりリード線と樹脂の界面がヒビ割れて温度センサが破損してしまうことを防止し、温度センサの耐久性及び耐腐食性を向上させることができる物理量測定装置を提供する。【解決手段】流路を流れる気体の物理量を測定する物理量測定装置15であって、温度検出素子7と、温度検出素子7と接続する温度検出素子接続部413,423を有する温度センサ端子4と、温度検出素子7と温度検出素子接続部413,423を樹脂で封止した第1樹脂部6と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は自動車の内燃機関に取り付ける流体の物理量を測定する物理量測定装置に関する。
自動車のインテークマニホールドに搭載される物理量測定装置は、流体の圧力や温度、湿度などの物理量を測定する装置であり、燃料噴射量の制御や運転条件の最適化に用いられる。この物理量測定装置に装着される温度センサは、エンジンルームの温度条件や燃焼生成物に曝されることなどの過酷な環境に耐えられることが必要となっている。このような温度センサとして特許文献1,2には、温度センサを構成するリード線と温度検出素子をコーティングするとともに、リード線と温度センサ端子の接続部を予め樹脂で封止(プリモールド)する温度センサが開示されている。
特許文献1,2に開示された温度センサは、リード線と温度センサ端子の接続部をプリモールドする際に、金型に注入される樹脂によりリード線が加圧され変形しないように、リード線を金型により挟み固定して加工している。そのため、金型で挟まれたリード線のコーティングが傷つき、傷ついたリード線が熱衝撃や加圧蒸気等によって腐食や破損を引き起してしまう場合がある。
また、温度センサに施されるコーティングとプリモールドの加工公差によりリード線と樹脂の間に隙間ができ、温度検出素子の振動により、その隙間からリード線と樹脂の界面がヒビ割れ、温度センサが破損してしまう場合がある。
これらのことにより、特許文献1,2に開示された温度センサは、耐久性及び耐腐食性が課題となっていた。
本発明の目的は、温度センサの耐久性及び耐腐食性を向上させることができる物理量測定装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、流路を流れる気体の物理量を測定する物理量測定装置であって、温度検出素子と、前記温度検出素子と接続する温度検出素子接続部を有する温度センサ端子と、前記温度検出素子と前記温度検出素子接続部を樹脂で封止した第1樹脂部と、を備える。
本発明によれば、温度検出素子と温度検出素子接続部を樹脂で封止するため、配線(リード線のコーティング)が傷つき、傷ついた配線が熱衝撃や加圧蒸気等によって腐食や破損を引き起さない。また、コーティング部分がなく、コーティングとプリモールドの加工公差によりリード線と樹脂の間に隙間ができ、温度検出素子の振動により、その隙間からリード線と樹脂の界面がヒビ割れ、温度センサが破損することはない。したがって、耐久性と耐腐食性を向上させた物理量測定装置を提供することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る物理量測定装置の構成及び動作について説明する。なお、各図において、同一符号は同一部分を示す。また、各図面は、互いに直交するXYZ軸により方向を特定し、+Xを「右」、−Xを「左」、+Yを「上」、−Yを「下」、+Zを「前」、−Zを「後」と規定する。
図1は本発明の実施形態に係る物理量測定装置をXY面で切断した断面図である。物理量測定装置15は、車両のインテークマニホールド(図示せず)に搭載され、流体の圧力や温度、湿度などの物理量を測定する装置である。物理量測定装置15は、圧力センサ1,圧力検出室2,ケース3,温度センサ端子4,圧力導入ポート部5,第1樹脂部6,温度検出素子7,ガード部8,圧力導入孔9,湿度検出室10,コネクタ端子11,コネクタ部12,湿度センサ13,カバー14を備えている。
物理量測定装置15は、インテークマニホールドに設けられた取付口(図示せず)に圧力導入ポート部5が固定され、圧力導入孔9にインテークマニホールド(流路)を流れる気体が導入されるように構成されている。圧力導入孔9の+Y方向には圧力導入孔9と連通する圧力検出室2が設けられている。圧力検出室2の+Y方向には圧力センサ1が配置されている。
圧力センサ1には歪ゲージが備えられ、圧力検出室2の圧力変化によって歪ゲージの抵抗が変化するように構成されている。このため、ゲージ抵抗に相当する電圧信号を検出することにより、圧力検出室2の圧力を検出することができるようになっている。圧力センサ1には圧力センサ用のコネクタ端子11に接続され、圧力センサ用のコネクタ端子11はコネクタ部12の差し込み口内に固定されている。
湿度検出室10は、圧力検出室2の+X方向に備わり、圧力検出室2と連通し気体が導入できるようになっている。湿度検出室10には湿度センサ13が配置されている。湿度センサ13は発熱抵抗体(図示せず)に一定の電圧を印加しこの発熱抵抗体から出力される電圧の変化を用いて湿度の計測を行う。湿度センサ13は湿度センサ用のコネクタ端子11に接続され、湿度センサ用のコネクタ端子11はコネクタ部12の差し込み口内に固定されている。
温度検出素子7は電気抵抗の変化に基づいて温度を検出する素子である。温度検出素子7には、温度の変化により電気抵抗を大きく変化させるサーミスタで、リード線を備えないチップサーミスタが用いられている。温度検出素子7は温度センサ端子4と溶接により電気的且つ機械的に接続し、温度検出素子7と温度センサ端子4は通電する。また、温度検出素子7と、温度検出素子7と接続する温度センサ端子4(温度検出素子接続部413,423)は、第1樹脂部6を形成する樹脂により封止されている。
ガード部8は、圧力導入ポート部5の下部(−Y方向)から延伸し圧力導入孔9と連通する円筒状の部材であり、ガード部8の側壁には流体が流通するための開口がX方向とZ方向に形成されている。ガード部8内の中心軸下方(−Y方向)には温度検出素子7が配置され、ガード部8は温度検出素子7を保護している。
ケース3は物理量測定装置15の本体を形成する樹脂で、温度センサ端子4を封止している。各センサとコネクタ端子11はケース3の上面(+Y方向における端面)において電気的に接続し、それらの接続部はカバー14により覆われている。
図2は、本発明の実施形態に係る物理量測定装置15に備わる温度センサ17の斜視図である。図2に示すように、温度センサ17は、温度検出素子7に温度センサ端子4を接続させた部品である。上記のとおり、温度検出素子7にはチップサーミスタが用いられ、温度センサ端子4と溶接により電気的且つ機械的に接続されている。
温度センサ端子4は、ステンレス鋼により、XY面に対して対称に形成されたステー41,42である。なお、ステンレス鋼は熱伝導性が他の電気伝導体と比較して相対的に低いため、物理量測定装置15本体の熱がステー41,42を介して温度検出素子7に容易に伝達することを抑制できる。
ステー41,42は、温度センサ用のコネクタ端子11と電気的に接続するコネクタ接続部411,421と、ケース3を樹脂成型する際に温度センサ17の位置決め箇所となり樹脂によって封止される位置決め部412,422と、温度検出素子7が先端に接続し圧力導入孔9内に配置される温度検出素子接続部413,423と、コネクタ接続部411,421と位置決め部412,422を連結する連結部414,424と、を有する。
コネクタ接続部411,421は、温度センサ用のコネクタ端子11と接続するようにコネクタ端子11の方向(+X方向)に延伸し、コネクタ接続部411,421の間隔が接続するコネクタ端子11の間隔と等しくなるように配列されている。
コネクタ接続部411,421の−X方向には湿度センサ13と湿度検出室10が形成されるため(図1参照)、連結部414,424はコネクタ接続部411,421から−Y方向に延伸する。その際、連結部414,424の他端が連結する位置決め部412,422の間隔を圧力導入孔9の径より広くするため、連結部414は−Y方向にも延伸し、連結部424は−Y方向にも延伸する。
位置決め部412,422は、ケース3を樹脂成型する際に温度センサ17を金型に容易且つ正確に位置決めできるように、連結部414,424から−X方向に延伸した後に−Y方向に延伸したL字に形成され、位置決め部412,422のそれぞれは、平行に配列されている。また、上記のとおり、位置決め部412,422の間隔は、圧力導入孔9の径よりも広くなるように形成され、位置決め部412,422の端部は圧力導入孔9を挟む位置に配置される。−Y方向に延伸した位置決め部412の端部から−Z方向に温度検出素子接続部413が、−Y方向に延伸した位置決め部422の端部から+Z方向に温度検出素子接続部423がそれぞれ延伸する。そして、温度検出素子接続部413,423は、当接することなく所定の間隔を保ち−Y方向に略平行に延伸する。
図3は、本発明の実施形態に係る物理量測定装置15に備わる温度センサ17をプリモールドした温度センサユニット18の斜視図である。温度センサユニット18は、ケース3をモールド成形する前に温度センサ17をプリモールドした部品で、図3に示すように、第1樹脂部6とプリモールド部16とを備える。
第1樹脂部6は、温度検出素子7と温度検出素子接続部413,423を封止する樹脂である。第1樹脂部6には平板部61と凸形部62が形成されている。平板部61は温度検出素子接続部413,423を封止する樹脂で平板状に成形されている。凸形部62は温度検出素子7を封止する樹脂で平板部61の下端(−Y方向端部)から突出し凸形状に成形されている。プリモールド部16は、ステー41,42の位置決め部412,422の+X方向の端部をつなぎ固定する樹脂である。
ケース3をモールド成形する際にプリモールド部16は、ケース3を成形する樹脂(第2樹脂部)により封止(オーバーモールド)される。このとき、オーバーモールドする第2樹脂部とプリモールド部16の樹脂は同じ樹脂材料が用いられ、プリモールド部16は第2樹脂部と一体化される。一方、第1樹脂部6はケース3をモールド成形することにより、凸形部62がガード部8内の中心軸下方に配置され、平板部61が圧力導入孔9内とガード部8内に配置される。平板部61のZ方向両端はケース3を成形する樹脂(第2樹脂部)によりオーバーモールドされ、圧力導入孔9の内周面の第2樹脂部と一体化されている。
以上のように構成した物理量測定装置15においては、流路を流れる気体がガード部8の開口を流通し、温度センサユニット18の凸形部62と接触する。凸形部62の内部には温度検出素子7が備わり、温度検出素子7は温度センサ端子4によりコネクタ端子11と電気的に接続するため、流体の温度を検出することができる。
そして、温度検出素子7と温度検出素子接続部413,423は第1樹脂部6により封止され保護されているため、温度検出素子7と温度検出素子接続部413,423が流路を流れる気体に曝されない。そのため、温度検出素子7と温度検出素子接続部413,423が熱衝撃や加圧蒸気等によって腐食や破損を引き起さない。また、コーティング加工する必要がなく、コーティングとプリモールドの加工公差によりリード線と樹脂の間に隙間ができ、温度検出素子7の振動により、その隙間からリード線と樹脂の界面がヒビ割れ、温度センサ17が破損することはない。したがって、耐久性と耐腐食性を向上させた物理量測定装置15を提供することができる。
また、チップサーミスタを温度検出素子7に用いているため、温度検出素子7はリード線を備えず、リード線が熱衝撃や加圧蒸気等によって腐食や破損を引き起してしまうことや、リード線と樹脂の間に隙間ができ、温度検出素子の振動により、その隙間からリード線と樹脂の界面がヒビ割れ、温度センサユニット18が破損してしまうことがない。
また、平板部61が圧力導入孔9内に配置されているため、ガード部8内に入ってくる流体を平板部61により圧力導入孔9内に積極的に取り込むことができる。また、平板部61がガード部8内まで伸びているので平板部61が流路内を流れる気体の関の役割を果たし圧力検出室2と湿度検出室10へより多くの気体を運搬することで換気効率を高め、圧力センサ1と湿度センサ13の応答性向上にも効果を有する。
また、温度検出素子7を封止する樹脂である凸形部62が平板部61から突出し凸形状に形成されている。そのことにより温度検出素子7周りの樹脂を削減し樹脂自体の熱容量を抑え、温度変化を促進させ熱応答性を向上させることができる。なお、前記熱応答性とは流路内の流体の温度が変化した際に温度検出素子7が定常状態になるまでの時間を指す。
物理量測定装置15本体と流体の温度に差がある場合、温度検出素子7が物理量測定装置15本体の温度の影響を受けないように温度検出素子7と温度センサ端子4との間が熱的に絶縁されている構造が理想となる。そのため、温度検出素子接続部413,423を延伸し温度検出素子7をガード部8の端部開口に配置させることが好ましい。また、温度センサ端子4を熱伝導性が他の電気伝導体と比較して低いステンレス鋼により形成することが好ましい。これらにより、温度検出素子7は物理量測定装置15本体の熱の影響を受けにくくすることができ、壁温特性を向上させることができる。なお、前記壁温特性とは、流路外の温度に対する流路内の温度と温度センサが検出する温度の温度差を指す。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
なお、本発明の実施形態は、以下の態様であってもよい。例えば、温度センサ端子4にステンレス鋼を用いる実施形態を示したが、他の電気伝導体を用いてもよい。また、温度検出素子7にチップサーミスタを用いる実施形態を示したが、他のサーミスタを用いてもよい。また、温度検出素子7と温度センサ端子4を溶接により電気的且つ機械的に接続する実施形態を示したが、半田付け等の他の接続方法を用いてもよい。
4…温度センサ端子、6…第1樹脂部、7…温度センサ、15…物理量測定装置、413,423…温度検出素子接続部
Claims (7)
- 流路を流れる気体の物理量を測定する物理量測定装置であって、
温度検出素子と、前記温度検出素子に接続する温度検出素子接続部を有する温度センサ端子と、前記温度検出素子と前記温度検出素子接続部を樹脂で封止した第1樹脂部と、を備えることを特徴とする物理量測定装置。 - 請求項1に記載の物理量測定装置であって、
前記温度センサ端子を樹脂により封止した第2樹脂部を備えることを特徴とする物理量測定装置。 - 請求項1に記載の物理量測定装置であって、
圧力センサと、前記気体の圧力を前記圧力センサへ導入する圧力導入孔を備え、
前記温度検出素子接続部が前記圧力導入孔内に配置されていることを特徴とする物理量測定装置。 - 請求項1に記載の物理量測定装置であって、
前記温度検出素子接続部を封止する前記第1樹脂部が平板状に成形された平板部を有することを特徴とする物理量測定装置。 - 請求項4に記載の物理量測定装置であって、
前記温度検出素子を封止する前記第1樹脂部が前記平板部から突出し凸形状を成形する凸形部を有することを特徴とする物理量測定装置。 - 請求項1に記載の物理量測定装置であって、
前記温度センサ端子がステンレス鋼により形成されていることを特徴とする物理量測定装置。 - 請求項1に記載の物理量測定装置であって、
前記温度検出素子がチップサーミスタであることを特徴とする物理量測定装置。
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JP2019080896A JP2020176970A (ja) | 2019-04-22 | 2019-04-22 | 物理量測定装置 |
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WO2022085738A1 (ja) | 2020-10-21 | 2022-04-28 | 日清食品ホールディングス株式会社 | 乳酸菌を含有する発毛・育毛効果を有する飲食品、化粧品、医薬部外品又は医薬品 |
EP4056410A1 (en) * | 2021-03-12 | 2022-09-14 | Aptiv Technologies Limited | Electrical connector, charging inlet device and manufacturing method thereof |
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WO2022085738A1 (ja) | 2020-10-21 | 2022-04-28 | 日清食品ホールディングス株式会社 | 乳酸菌を含有する発毛・育毛効果を有する飲食品、化粧品、医薬部外品又は医薬品 |
EP4056410A1 (en) * | 2021-03-12 | 2022-09-14 | Aptiv Technologies Limited | Electrical connector, charging inlet device and manufacturing method thereof |
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