JP2020172845A - H形鋼の接合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の鋼管柱と梁となるH形鋼との接合構造に比べて同等以上の接合強度を有するとともに、接合のための部品点数を少なくでき、接合施工が容易であり、H形鋼のフランジの表面側をフラットにすることが可能なH形鋼の接合構造を提供する。【解決手段】 鋼管柱1にH形鋼2の梁を接合するH形鋼の接合構造であって、鋼管柱とH形鋼の接合部において、鋼管柱の側面から突出するように設けられたブラケットプレート10と、H形鋼のウエッブ21の片側表面に密着して配設され、かつ、フランジ22の裏面に溶接された伝達プレート23を備え、ブラケットプレートと、H形鋼における伝達プレートが設けられていない面のウエッブの面とを重ねた状態で、ブラケットプレートと、ウエッブ及びブラケットプレートがボルト接合されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、H形鋼の接合構造に関する。
一般的な鉄骨建築は、垂直に立設された鋼管柱に対して、梁となるH形鋼を接合(剛接合)させたラーメン構造で建てられている。この鋼管柱とH形鋼の接合は、通常、図18に示すように、鋼管柱1の側面にH形鋼2を接合するためのブラケット12(短いH形鋼)が設けられており、そのブラケット12に添え板13を介して、ボルト50とナット51によりH形鋼2のフランジ22とウエッブ21の端部が強固に接合されている。
一方、上記鋼管柱1は、通常、工場で鋼管柱1の側面部に短いH形鋼のブラケット12を接合して、これを現地までトラックに積載して運搬されるが、側面に接合されたブラケットの突起部分が多い大きいため嵩が大きくなり、トラックでの輸送に際しては積載効率が悪いという問題があった。
また、ブラケット12と梁のH形鋼2との接合部の高い接合強度を保持させるために、多数の添え板13と、各々の添え板13を固定するための多くのボルト50及びナット51が必要となる。そのため、使用する部品点数が非常に多くなりコストがかかるとともに、接合するのに多大な手間がかかるという問題があった。
さらに、ブラケット12のH形鋼と梁のH形鋼2の各々のフランジ22表面とフランジ22裏面を2枚の添え板13で挟み込み、ボルト50とナット51により締付ける一般的な接合構造では、必然的にフランジ22の表面側にボルト50の頭やナット51、添え板13等の部材が突出する。このような梁の上に、デッキプレートやファブデッキ等の床材を敷設する場合には、フランジ22表面に突出した部材が邪魔になるため、これらを避けるための設計が必要となる。そのため、フランジ22の表面側はフラットであることが望まれている。
このような問題に対して、これまでに、鋼管柱の側面にスプリットティーを固定し、H形鋼の上下フランジをスプリットティーで挟み込んでボルトにより接合する方法が提案されている(特許文献1を参照)。この提案によれば、接合強度を維持したまま添え板の枚数を減らすことができるとしている。
2004−100159号公報
しかしながら、特許文献1の提案では、添え板を減らすことはできるものの、鋼管柱とスプリットティーの接合強度を満足させるために特殊な高力ワンサイドボルトを使用しており、また、使用するボルトの数は従来と同程度であるためコストは従来と変わらないものであった。
また、スプリットティーをH形鋼のフランジの上下表面側に接触させてボルトとナットで接合させるため、フランジ表面側のボルトやナット等の部材の突起は避けられない。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、従来の鋼管柱と梁となるH形鋼との接合構造と比べて同等以上の接合強度を有するとともに、接合のための部品点数を少なくでき、接合施工が容易であり、H形鋼のフランジの表面側をフラットにすることが可能なH形鋼の接合構造を提供することを課題としている。
本発明のH形鋼の接合構造は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであって、以下のことを特徴としている。
第1に、本発明のH形鋼の接合構造は、鋼管柱にH形鋼の梁を接合するH形鋼の接合構造であって、前記鋼管柱と前記H形鋼の接合部において、前記鋼管柱の側面から突出するように設けられたブラケットプレートと、前記H形鋼のウエッブの片側表面に密着して配設され、かつ、フランジの裏面に溶接された伝達プレートを備え、前記ブラケットプレートと、前記H形鋼における前記伝達プレートが設けられていない面のウエッブの面とを重ねた状態で、前記ブラケットプレートと、前記ウエッブ及び前記ブラケットプレートがボルト接合されていることを特徴とする。
第2に、本発明のH形鋼の接合構造は、鋼管柱にH形鋼の梁を接合するH形鋼の接合構造であって、前記鋼管柱と前記H形鋼の接合部において、前記H形鋼のウエッブの両側表面に密着して配設され、かつ、フランジの裏面に溶接された伝達プレートと、鋼管柱の側面から突出して設けられ、前記H形鋼のウエッブと、該ウエッブの両側表面に設けられた伝達プレートの合計厚みと同じ厚さのブラケットプレートと、前記ブラケットプレートの両側表面と、前記ウエッブの両側の前記伝達プレートの表面に密着する連結プレートを備え、前記ブラケットプレートの端部と、前記ウエッブの端部とを突き合わせた状態で、前記ブラケットプレートと、前記ウエッブ及び前記伝達プレートが、前記連結プレートを介してボルト接合されていることを特徴とする。
第3に、上記第1又は第2の発明のH形鋼の接合構造において、前記ブラケットプレートが、内ダイヤフラム又は通しダイヤフラムに溶接されていることが好ましい。
第4に、上記第1又は第2の発明のH形鋼の接合構造において、前記鋼管柱の側面に設けられたスリットに嵌合して突出するように設けられた少なくとも2つ以上の前記ブラケットプレートの各々が前記鋼管柱内で溶接されるとともに、前記スリットと前記ブラケットプレートの嵌合部で溶接されていることが好ましい。
第5に、上記第1又は第2の発明のH形鋼の接合構造において、前記鋼管柱の側面に設けられたスリットに嵌合して設けられた、前記ブラケットプレート及び補強プレートが前記鋼管柱内で溶接されるとともに、前記スリットと前記ブラケットプレート及び前記補強プレートの嵌合部で溶接されていることが好ましい。
本発明のH形鋼の接合構造によれば、従来の鋼管柱と梁となるH形鋼の接合構造と比べて同等以上の接合強度を有するとともに、部品点数を少なくでき、接合施工が容易であり、フランジの表面側をフラットにすることが可能となる。さらに、本発明に用いる鋼管柱は、運搬の際にトラックへの積載効率を良好とすることが可能となる。
本発明のH形鋼の接合構造の第1実施形態を示す概略斜視図である。 図1の第1実施形態の接合構造の水平方向断面図である。 図1の第1実施形態の接合構造の鉄鋼中の製造工程を示す説明図である。 他のH形鋼の接合構造の実施形態を示す概略図である。 図1の第1実施形態の接合構造の鉛直方向断面図である。 第1実施形態の接合構造のバリエーションを示す断面図であり、(A)はT字仕口を示しており、(B)はL字仕口を示している。 本発明のH形鋼の接合構造の第2実施形態を示す概略斜視図である。 図7の第2実施形態の接合構造の水平方向断面図である。 図7の第2実施形態の接合構造の鉛直方向断面図である。 第2実施形態の接合構造のバリエーションを示す断面図であり、(A)はT字仕口を示しており、(B)はL字仕口を示している。 ダイヤフラムを用いない第1実施形態の接合構造の水平方向断面図である。 ダイヤフラムを用いない第2実施形態の接合構造の水平方向断面図である。 補強プレートをいた第1実施形態のL字接合構造の水平方向断面図である。 補強プレートをいた第2実施形態のT字接合構造の水平方向断面図である。 丸形鋼管柱に適用した第1実施形態のT字接合構造の水平方向断面図である。 ブラケットプレートの突出位置を角部に設けた第1実施形態の接合構造の水平方向断面図である。 梁せいが異なるH形鋼を同一の柱に接合する実施形態を示す概略断面図である。 従来の鋼管柱とH形鋼の接合構造を示す概略斜視図である。
本発明のH形鋼の接合構造について図面に基づいて以下に詳述する。図1は、本発明のH形鋼の接合構造の第1実施形態を示す概略斜視図であり、図2は図1の第1実施形態の接合構造の水平方向断面図である。
<第1実施形態>
本第1実施形態のH形鋼の接合構造は、鋼管柱1にH形鋼2の梁を接合するH形鋼の接合構造であり、鋼管柱1の側面から突出するように設けられたブラケットプレート10と、H形鋼2のウエッブ21の片側表面に密着して配設され、かつ、フランジ22の裏面に溶接された伝達プレート23を備えている。
そして、ブラケットプレート10と、H形鋼2における伝達プレート23が設けられていない面のウエッブ21の面とを重ねた状態で、ブラケットプレート10と、ウエッブ21及び前記伝達プレート23がボルト接合されている。図1及び図2に示す第1実施形態のH形鋼の接合構造では、伝達プレート23がフランジ22の裏面に長手方向に沿って溶接されるとともに、ウエッブ21の表面に密着するように設けられている。
H形鋼2は、上下のフランジ22と、各フランジ22の断面中央部を垂直に繋ぐ1本のウエッブ21から構成されている。伝達プレート23は、フランジ22とウエッブ21の接合部の表面に密着する形状となっており、例えば、フランジ22とウエッブ21の接合部が断面円弧形状に形成されている場合には、伝達プレート23の対応縁部の形状もこれに密着する断面円弧形状又は面取り形状に形成されている。また、本第1実施形態では、伝達プレート23は、H形鋼2の上側フランジ22と下側フランジ22の各々に接合されている。
また、鋼管柱1には、ブラケットプレート10が鋼管柱1の側面から突出する形で設けられるが、ブラケットプレート10は、梁としてのH形鋼2を固定して支持する重要な部材であるため、強度を有する材料を用いて鋼管柱1に強固に固定する必要がある。
具体的なブラケットプレート10の固定構造としては、例えば、図2、図3(B)に示すように、鋼管柱1の側面に設けられたブラケットプレート10の厚みと同等の幅のスリット11を設けて、該スリット11にブラケットプレート10を嵌合、溶接するとともに、鋼管柱1の内部に設けられた内ダイヤフラム4に溶接して固定させる構造とすることができる。これにより、強度を有するブラケットプレート10の一端が鋼管柱1の側面から突出するように設けることができる。
ここで、スリット11の形成位置、即ち、ブラケットプレート10の突出位置は、接合するH形鋼2のウエッブ21が鋼管柱1の一辺の中央に位置するように、ウエッブ21の厚みを考慮して、鋼管柱1の一辺の中間位置からずらして配設する(図2)。
上記第1実施形態のブラケットプレート10の形成方法としては、図3(A)に示すように、まず、予め内ダイヤフラム4にブラケットプレート10を固定した仕口パーツを作製しておく。次に、図3(B)に示すように、上記仕口パーツを鋼管柱1の中に挿入して、鋼管柱1の端部に設けられたスリット11にブラケットプレート10を嵌合させ、鋼管柱1内の壁面と内ダイヤフラム4を溶接するとともに、スリット11とブラケットプレート10の嵌合部を溶接して接合する。
さらに、上記の構成の鋼管柱1を2本作成し、図3(C)に示すように各々のブラケットプレート10突出部側の端部同士を突き合わせて端部を溶接して接合する。これにより、鋼管柱1の側面からブラケットプレート10が突出した鋼管柱1を製造することができる。上記の構成の本発明に係るブラケットプレート10は、従来の鋼管柱1のH形鋼のブラケット12に比べて非常に小さいため、運搬の際にトラックへの積載効率を良好なものとすることができる。
なお、ブラケットプレート10を内ダイヤフラム4に固定する本実施形態では、ブラケットプレート10を予めダイヤフラム4に強固に溶接することができるため、H形鋼2からの曲げ応力は鋼管柱1の内側に内接する内ダイヤフラム4に伝達するだけに必要な溶接強度があればよく、内ダイヤフラム4との溶接だけで不足する場合は交差するブラケットプレート10に溶接して、交差するブラケットプレート10と内ダイヤフラム4の溶接強度を加算できるので、設計では隅肉溶接や部分溶け込み溶接で十分であり完全溶け込み溶接は不要となる。
また、本発明におけるブラケットプレートの固定構造としては、内ダイヤフラム4とブラケットプレート10及び短柱を組み合わせたH形鋼2の接合構造とすることもできる。具体的には、例えば図4に示すように、内ダイヤフラム4の所定の位置にブラケットプレート10を溶接したブロック60を上下2組作製する。また、所定の位置にスリット11を設けた短柱61を作製する。そして、上記ブロック60を短柱61のスリット11に挿入して嵌合させ、短柱61とブロック60を溶接して短柱ブロックパーツを作製する。
次に、制作した短柱ブロックパーツの内ダイヤフラム4の上下に、鋼管柱1の端部を直接、完全溶け込み溶接する。これにより、鋼管柱1の側面からブラケットプレート10が突出した鋼管柱1を製造することができる。
さらに、本発明では他の実施形態として、上記内ダイヤフラム4を用いて固定するほか、通しダイヤフラムに溶接して固定させる構造とすることもできる。具体的には、上下2枚の通しダイヤフラムに、内ダイヤフラム4ではH形鋼ウエッブ21の上下に分割されていたブラケットプレート10を上下一体にしたブラケットプレート10を内ダイヤフラム4と同様に交差するブラケットプレート10及び上下の通しダイヤフラムと強固に溶接し、さらに外周パネル(短い柱を分割したL字断面の鋼板:構造計算におけるパネル)を上下の通しダイヤフラムに完全溶け込み溶接し、ブラケットプレート10とは隅肉溶接する。これにより、通しダイヤフラムにブラケットプレート10が突出した鋼管柱1と同形状のブロックパーツ(通しダイヤフラム付き短柱のパーツ)が完成する。
次に、製作したブロックパーツの通しダイヤフラムの上下に、鋼管柱1の端部を直接、完全溶け込み溶接する。これにより、鋼管柱1の側面からブラケットプレート10が突出した鋼管柱1を製造することができる。
第1実施形態のH形鋼の接合構造では、図5に示すように、H形鋼2において伝達プレート23がフランジ22の裏面に長手方向に沿って溶接されるとともに、ウエッブ21の表面に密着するように設けられており、伝達プレート23が配設されたウエッブ21の反対側に、ブラケットプレート10がウエッブ21の表面に密着するように設けられている。
そして、ブラケットプレート10、ウエッブ21、伝達プレート23を重ねた状態で、同軸に貫通する貫通孔を設け、その貫通孔に高力ボルト50を挿通してナット51で締め付けて一体に摩擦接合されている。上記の接合状態では、ウエッブ21の片側において、ブラケットプレート10とウエッブ21の片面の1面剪断摩擦接合となっている。このような接合構造により、ブラケットプレート10とH形鋼2の芯ズレ(応力の中心のずれ)が最も小さいシンプルで低コスト、かつ従来の接合構造と同等の強度を有する接合構造とすることができる。
本第1実施形態の接合構造においては、鋼管柱1の側面から突出させるブラケットプレート10の本数や配設位置は、設計に応じて適宜決定することができる。具体的には、例えば、図2に示す上記第1実施形態の十字仕口構造のほか、図6(A)に示すようなT字仕口や、図6(B)に示すようなL字仕口の構造を例示することができる。
一方、上記の各構成の同型の鋼管柱1を複数用いる場合において、例えば、柱芯と梁芯を合わせる場合、図2のように2本の対向する鋼管柱1のブラケットプレート10の位置は、固定するH形鋼2のウエッブ21と伝達プレート23の合計厚み分ずれることになる。
このような状態の2本の鋼管柱1に接合するH形鋼2においては、H形鋼2の端部に配設する伝達プレート23は、端部と他端部でウエッブ21を挟んで反対位置に設定する。これにより、同型の鋼管柱1を用いた場合であっても、共通の形態のH形鋼2を使用して接合することが可能となる。
なお、H形鋼2の伝達プレート23の配設位置は、上記のように鋼管柱1のブラケットプレート10の突出位置に依存するため、ブラケットプレート10の突出位置に応じて、適宜設定することができる。
また、本第1実施形態のH形鋼の接合機構では、フランジ22の裏面に伝達プレート23を溶接しているため、フランジ22表面側にボルト50による突起や添え板等による段差のないフラットな面とすることができ、フランジ22の表面側への施工性を向上させることができる。
<第2実施形態>
本発明のH形鋼の接合構造では、上記第1実施形態のほか、鋼管柱1の側面から突出するブラケットプレート10の端部と、H形鋼2のウエッブ21及び接合した伝達プレート23の端部を突き合わせて、各々を連結プレート3で接合する実施形態の接合構造とすることもできる。図7は第2実施形態を示す概略斜視図であり、図8は図7の第2実施形態の接合構造の水平方向断面図である。
本第2実施形態の接合構造におけるブラケットプレート10の取付構造は、上記第1実施形態と同様に、スリット11にブラケットプレート10を嵌合、溶接するとともに、ブラケットプレート10を溶接した内ダイヤフラム4を鋼管柱1内に溶接して固定させる構造や、通しダイヤフラムに溶接して固定する構造とすることができる。なお、第2実施形態の場合には、柱芯と梁芯を合わせる場合、ブラケットプレート10の端部と、H形鋼2のウエッブ21及び接合した伝達プレート23の端部を突き合わせて配設するため、ブラケットプレート10の突出位置、即ち、鋼管柱1のスリット11の形成位置は鋼管柱1の幅中央部となる。
また、接合するH形鋼2においては、ウエッブ21を挟んで両側面に伝達プレート23を密着させた状態で、フランジ22の裏面に長手方向に沿って溶接され配設される。
連結プレート3は、ブラケットプレート10と、ウエッブ21及び両側面の伝達プレート23の各々の端部を突き合わせた状態で、ブラケットプレート10と伝達プレート23の側面を繋ぎ、かつ2枚の連結プレート3で両側から挟み込むように配設される。この際、ブラケットプレート10の厚みは、ウエッブ21と両側面の伝達プレート23の合計厚みと同等の厚みに設定されており、各々の端部を突き合わせた状態で側面が面一になるため、連結プレート3は板状で長尺の形状とすることができる。
また、連結プレート3によるブラケットプレート10とH形鋼2の接合は、ブラケットプレート10と連結プレート3を重ねた状態で、同軸に貫通する貫通孔を設けるとともに、ウエッブ21、伝達プレート23及び連結プレート3を重ねた状態で、同軸に貫通する貫通孔を設け、それらの貫通孔に高力ボルト50を挿通してナット51で締め付けて一体に摩擦接合する。
本第2実施形態のH形鋼の接合構造では、伝達プレート23と連結プレート3の1摩擦面をウエッブ21の両側から一つの高力ボルト50で接合するので、図9に示すようにH形鋼2の高力ボルト接合は2面剪断摩擦接合になる。
ウエッブ21を挟んだ両側かつ上下のフランジ22の裏面4カ所に溶接した伝達プレート23に伝わった力は、溶接からフランジ22に伝わるが、伝達プレート23とウエッブ21は高力ボルト50で共締めしているので伝達プレート23に伝わった力はウエッブ21にも伝達されて、ウエッブ21とフランジ22の接合部からフランジ22に力が伝わる。
連結プレート3によるブラケットプレート10とH形鋼2の接合により、連結プレート3から伝達プレート23に伝わった力は、ウエッブ21と伝達プレート23の溶接部を経由してフランジ22に伝わる。よって、フランジ22の裏側とウエッブ21で囲まれたエリア内のみで、ブラケットプレート10及びH形鋼2にかかる曲げモーメント、軸力、剪断力を伝達できる接合とすることができ、少ない部品点数で従来に比べて同等以上の強度を有する接合が可能となる。これは、伝達プレート23とフランジ22との溶接による接合と、ウエッブ21、伝達プレート23及び連結プレート3を高力ボルト50で共締めする総合的な結合力によるものである。
また、本第2実施形態のH形鋼の接合機構においても、フランジ22の裏面に伝達プレート23を溶接しているため、フランジ22表面側にボルト50による突起や添え板等による段差のないフラットな面とすることができ、フランジ22の表面側への施工性を向上させることができる。また、ブラケットプレート10の上縁部にH形鋼2のフランジ22と同幅の板部材24を溶接して設けることにより、さらに鋼管柱1の際の施工性を向上させることができる。
なお、第2実施形態のH形鋼の接合構造では、柱芯と梁芯を合わせる場合、ブラケットプレート10の突出位置が鋼管柱1の幅中央部となり、その向かい合うブラケットプレート10の間にH形鋼2が配設される構造であるため、H形鋼2の端部構成を考慮することなく接続することができる。
また、本第2実施形態の接合構造においても、鋼管柱1の側面から突出させるブラケットプレート10の本数や配設位置は、設計に応じて適宜決定することができる。具体的には、例えば、図8に示す上記第2実施形態の十字仕口構造のほか、図10(A)に示すようなT字仕口や、図10(B)に示すようなL字仕口の構造を例示することができる。
<ブラケットプレートの構成>
上記第1実施形態及び第2実施形態におけるブラケットプレート10の構成では、所定の強度を得るためにブラケットプレート10を内ダイヤフラム4又は通しダイヤフラムに溶接して配設しているが、ダイヤフラムを用いずにブラケットプレート10を鋼管柱1の側面に配設する構成とすることもできる。
具体的には、少なくとも2つ以上のブラケットプレート10を鋼管柱1の側面に設けたスリット11に嵌合して突出するように設け、上記複数のブラケットプレート10の各々を鋼管柱1内で溶接するとともに、スリット11とブラケットプレート10との嵌合部で溶接する構成が例示される。
上記構成としては、例えば図11に示すように、第1実施形態と同様の配置構成となるように角型鋼管柱1の4辺の各々の辺の所定の位置にスリット11を設けておき、ブラケットプレート10の端部を突き合わせて略十字型となるように溶接した十字仕口パーツのブラケットプレート10を各々の辺のスリット11に挿入、嵌合させ、その嵌合部を溶接した構成とすることができる。
また、図12に示すように、第2実施形態と同様の配置構成となるように、2つのブラケットプレート10を十字相欠き継ぎで直角に接合して溶接して十字仕口パーツとし、これを鋼管柱1のスリット11に挿入、嵌合させて溶接することもできる。
さらに他の実施形態として、図13、図14(A)(B)に示すように、ブラケットプレート10と補強プレート25を鋼管柱1の側面に設けたスリット11に嵌合して設け、ブラケットプレート10と補強プレート25を鋼管柱1内で溶接するとともに、スリット11とブラケットプレート10及び補強プレート25との嵌合部を溶接する構成とすることもできる。なお、この場合の補強プレート25は鋼管柱1の側面から突出しない長さに設定してスリット11に溶接することが好ましい。
上記のダイヤフラムを用いない実施形態のブラケットプレート10の接合において、上下の鋼管柱1の間にブラケットプレート10を設ける場合には、上下の鋼管柱1に設けるスリット11は、各々をブラケットプレート10の高さの半分の寸法に設定し、ブラケットプレート10を上下の鋼管柱1のスリット11に挿入して挟み込む形で嵌合させて溶接する。また、さらに強度が必要な場合には、上下の鋼管柱1の端部同士を溶接により接合する。一方、鋼管柱1の最上部にブラケットプレート10を設ける場合には、鋼管柱1の上端部に設けるスリット11は、ブラケットプレート10の高さの寸法に設定し、スリット11にブラケットプレート10全体を挿入、嵌合させて溶接する。
上記の構成とすることにより、内ダイヤフラム4又は通しダイヤフラムを設けることなくブラケットプレート10を所定の強度で鋼管柱1の側面から突出するように配設することができる。
なお、本実施形態の接合構造は角型鋼管柱1のほか、図15に示すような丸形鋼管柱1に対しても適用することができる。さらに、図16に示すように、角型鋼管柱1のスリット11の位置をずらして設けることにより、ブラケットプレート10を角側部から突出するように配設することもできる。
以上、本発明のH形鋼の継手構造について実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変更が可能である。
例えば、上記第1実施形態、第2実施形態では、1本の鋼管柱1に接続するH形鋼2のサイズは全て同サイズのものとして説明したが、1本の鋼管柱1から突出させるブラケットプレート10を2種以上の異なったサイズとすることにより、1本の鋼管柱1に対して梁せいが異なるサイズのH形プレートを複数接続することができる。なお、この場合、接合する異なる梁せいのH形鋼2の上フランジ22高さは、ブラケットプレート10の設計により任意の高さでの適宜設定することができる。
通常、梁せいが異なるH形鋼を同一の柱に接合する場合は、それぞれのH形鋼の上下フランジ22と同じ高さにダイヤフラム4が必要であったが、本発明では、図17に示すように、接合するH形鋼2、2’において最上端と最下端の内ダイヤフラム4の2枚に、接合するH形鋼2、2’の梁せいに合わせた形状のブラケットプレート10を溶接するだけでよい。そのため、多数のダイヤフラムやそれに伴う溶接が不要になり経済的である。
また、上記実施形態ではボルト50とナット51により摩擦接合しているが、リベットなどの締結具により剪断接合にすることもできる。また、ボルト50は通常高力ボルトが用いられるが、超高力ボルトを用いることができ、これによりボルト50の本数を減らすことができる。さらに、摩擦接合の強度を大きくする観点から、伝達プレート23又はウエッブ21と連結プレート3の密着する面には赤錆処理又はブラスト処理を施しておくこともできる。
また、フランジ22とウエッブ21の接合部が断面円弧形状に形成されている場合に、これと密着する伝達プレート23や連結プレート3の対応縁部の形状も断面円弧形状又は面取り形状に形成したが、フランジ22とウエッブ21の接合部の円弧形状を避ける厚さの座金をウエッブ21に当てて干渉を避けることもできる。
上記の構成を有する本発明のH形鋼の継手構造によれば、従来のH形鋼の継手構造と比べて同等以上の接合強度を有するとともに、部品点数を少なくでき、接合施工が容易であり、さらに、フランジ表面側をフラットにすることが可能となる。さらに、本発明に用いる鋼管柱は、運搬の際にトラックへの積載効率を良好とすることが可能となる。
1 鋼管柱
10 ブラケットプレート
11 スリット
12 ブラケット(H形鋼)
13 添え板
2 H形鋼
21 ウエッブ
22 フランジ
23 伝達プレート
24 板部材
25 補強プレート
3 連結プレート
4 内ダイヤフラム
50 ボルト
51 ナット
60 ブロック
61 短柱

Claims (5)

  1. 鋼管柱にH形鋼の梁を接合するH形鋼の接合構造であって、
    前記鋼管柱と前記H形鋼の接合部において、
    前記鋼管柱の側面から突出するように設けられたブラケットプレートと、
    前記H形鋼のウエッブの片側表面に密着して配設され、かつ、フランジの裏面に溶接された伝達プレートを備え、
    前記ブラケットプレートと、前記H形鋼における前記伝達プレートが設けられていない面のウエッブの面とを重ねた状態で、前記ブラケットプレートと、前記ウエッブ及び前記ブラケットプレートがボルト接合されていることを特徴とするH形鋼の接合構造。
  2. 鋼管柱にH形鋼の梁を接合するH形鋼の接合構造であって、
    前記鋼管柱と前記H形鋼の接合部において、
    前記H形鋼のウエッブの両側表面に密着して配設され、かつ、フランジの裏面に溶接された伝達プレートと、
    鋼管柱の側面から突出して設けられ、前記H形鋼のウエッブと、該ウエッブの両側表面に設けられた伝達プレートの合計厚みと同じ厚さのブラケットプレートと、
    前記ブラケットプレートの両側表面と、前記ウエッブの両側の前記伝達プレートの表面に密着する連結プレートを備え、
    前記ブラケットプレートの端部と、前記ウエッブの端部とを突き合わせた状態で、前記ブラケットプレートと、前記ウエッブ及び前記伝達プレートが、前記連結プレートを介してボルト接合されていることを特徴とするH形鋼の接合構造。
  3. 前記ブラケットプレートが、内ダイヤフラム又は通しダイヤフラムに溶接されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のH形鋼の接合構造。
  4. 前記鋼管柱の側面に設けられたスリットに嵌合して突出するように設けられた少なくとも2つ以上の前記ブラケットプレートの各々が前記鋼管柱内で溶接されるとともに、前記スリットと前記ブラケットプレートの嵌合部で溶接されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のH形鋼の接合構造。
  5. 前記鋼管柱の側面に設けられたスリットに嵌合して設けられた、前記ブラケットプレート及び補強プレートが前記鋼管柱内で溶接されるとともに、前記スリットと前記ブラケットプレート及び前記補強プレートの嵌合部で溶接されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のH形鋼の接合構造。
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