JP2020171326A - 冷凍餃子類の皮、冷凍水餃子、水餃子、冷凍餃子類の製造方法 - Google Patents

冷凍餃子類の皮、冷凍水餃子、水餃子、冷凍餃子類の製造方法 Download PDF

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Hiroyasu Nakada
浩康 仲田
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春奈 平山
泰寛 金
Taikan Kin
泰寛 金
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Abstract

【課題】加熱時にもちもち感とぷるぷる感の双方を満たすことができる冷凍水餃子の皮を提供する。【解決手段】穀物粉とデンプンとを含み、穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉9:デンプン1から穀物粉2:デンプン8の割合である冷凍水餃子類の皮。穀物粉とデンプンとを含み、穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉8:デンプン2から穀物粉2:デンプン8の割合である冷凍水餃子類の皮。穀物粉とデンプンとを含み、穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉5.5:デンプン4.5から穀物粉2:デンプン8の割合である冷凍水餃子類の皮。穀物粉とデンプンとを含み、穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉5.5:デンプン4.5から穀物粉4:デンプン6の割合である冷凍水餃子類の皮。穀物粉とデンプンとを含み、穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉6:デンプン4から穀物粉2:デンプン8の割合である冷凍水餃子類の皮。【選択図】図30

Description

本発明は、餃子の皮に関し、特に冷凍餃子において良好な食感を付与するのに好適な冷凍餃子類の皮、冷凍水餃子、水餃子に関する。
従来、餃子は広く需要者に受け入れられ、家庭においても外食においても人気のある食品である。餃子は挽肉や海産物、野菜等が混ぜられて生成された具材(中具)が皮に包まれて製造されるものであり、茹で調理、焼き調理、蒸し調理等、加熱された皮の食感が餃子全体の食感に大きく影響する。
食品の「おいしさ」を決定づける要因として、「味覚」に影響する成分、「視覚」に影響する色、「嗅覚」に影響する香りがあるが、さらには「触覚」すなわち食感(テクスチャー)に影響する食品の物理的構造がある。これら要因の1つである食感に影響する物理的構造によれば、例えばそばに「喉越し」を、うどんに「コシ」を、焼き餃子に「パリパリ感」等を与える。すなわち連想される食感が個々の食品ごとに存在する。需要者は味覚や嗅覚、視覚だけでなく、食感をイメージして食品を選択するものであり、食品によっては食感が与える影響が大きいことも少なくない。
水餃子については、例えば茹で汁やスープとともに提供され、あるいは鍋の具の1つとして提供される。そのときの水餃子の食感、つまり咀嚼時の口腔内の触覚としては、焼き餃子のようなパリパリ感(最初の咀嚼に対して脆性破断するような歯ごたえ等:crispness)ではなく、もちもち感が連想される傾向にある。もちもち感とは、例えば噛みはじめの応力が小さい(やわらかい)が、噛みしめたときは応力が大きく噛み応えがあり、その後の咀疇数回にわたり、段階的に応力や粘弾性が減少していくような食感であり、さらに咀疇中に若干の付着性があることを示す。
この点、下記の技術文献にあるように、植物ステロールを配合することにより、水餃子の皮のもちもち感を得ることができる技術が開発されている。(特許文献1)
特開2003−284516号公報
特許文献1の技術では、焼き餃子や揚げ餃子の皮と、水餃子の皮とを特に区別していない。しかし、上記の通り食品ごとに連想、期待される食感はそれぞれであり、焼き餃子や揚げ餃子に求められるパリパリ感と、水餃子に求められるもちもち感では、破断性や粘弾性において相反するといえる。したがって、当該技術によって水餃子に適したもちもち感を付与することは困難である。
また水餃子に求められるもちもち感は、グミやソフトキャンディのような多数回の咀嚼に対して応力が持続するようなものではなく、また咀嚼に必要な咬合力が大きすぎる(高弾性率)と「皮が硬い」という食感となり、食感としては低下することになる。
したがって、水餃子の皮に求められる食感としては、ぷるぷる感、すなわち柔らかい弾力性・飲み込み易さ(生地のまとまり)、もちもち感、適度な硬さ、歯切れの良さ、となる。また水餃子の皮はたんぱくであることが要求され味覚に関しては中具を引き立てるように中具の味を邪魔しないことが要求される。
本発明の目的は、従来の課題を解決したものであり、食事のための調理を終了して食事として提供される際に、ぷるぷる感、もちもち感、適度な硬さ、歯切れの良さ、の四項目を満たすことができる冷凍餃子類の皮、その皮を用いた冷凍水餃子、その皮を用いた冷凍水餃子の調理済みのものを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明において、以下の冷凍水餃子の皮を提供する。すなわち、第一の発明として、穀物粉とデンプンとを含み、穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉9:デンプン1から穀物粉2:デンプン8の割合である冷凍餃子類の皮(請求項1対応)。
上記課題を解決するための第二の発明として、以下の冷凍水餃子の皮を提供する。穀物粉とデンプンとを含み、穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉8:デンプン2から穀物粉2:デンプン8の割合である冷凍餃子類の皮(請求項2対応)。
上記課題を解決するための第三の発明として、以下の冷凍水餃子の皮を提供する。穀物粉とデンプンとを含み、穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉5.5:デンプン4.5から穀物粉2:デンプン8の割合である冷凍餃子類の皮(請求項3対応)。
上記課題を解決するための第四の発明として、以下の冷凍水餃子の皮を提供する。穀物粉とデンプンとを含み、穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉5.5:デンプン4.5から穀物粉4:デンプン6の割合である冷凍餃子類の皮(請求項4対応)。
前記第一から第四の発明のいずれかの特徴に加え、穀物粉とデンプンに加えられる水の重量比が、全重量に対して28%から36%である(請求項5対応)。
前記特徴に加え、前記穀物粉は小麦粉である(請求項6対応)。
前記特徴に加え、前記デンプンは、加工デンプンを含むデンプンである(請求項7対応)。
前記特徴に加え、前記デンプンは、タピオカ由来デンプンを含む(請求項8対応)。
さらに、前述の冷凍餃子類の皮を用いた冷凍水餃子や、これを調理して得た水餃子を提供する。本件発明は冷凍水餃子に用いる皮、冷凍水餃子、水餃子であるが、実際に湯で温めて食する形態の他、電子レンジなどで加熱のみし、水や湯を追加的に(家庭で別途用意して)使用しないで調理する形態のものも含む。つまり、本件発明によって得られる点心類の名称、呼び名、などによって技術的範囲への包含に差が出るようなものであってはならない。例えばこの冷凍水餃子類の皮には、鹹点心(塩味の点心のことで、甘くない点心であり必ずしも塩味に限らず、茹、蒸、揚と色々な調理法がある。)として、各種の餃子、焼売(しゅうまい)、包子(パオズ)、粽子(ちまき)、大根餅(菜頭▲くえ▼(こめへんに果))、小籠包、生煎包(生煎饅頭)などであって本件発明のレシピによる皮を利用するものが含まれる。
<上記発明を基本としてさらに有効性が認められる追加的構成>
<構成1>
密封包装された点心類を構成する皮であって、穀物粉と糖類とを少なくとも含み、調理等のために開封して取り出す段階でのこの皮が含有する水分の重量%が、この皮の全重量に対して23%以上32%以下であるように構成した点心類の皮。
<構成2>
前記糖類は、二糖類、三糖類、四糖類のいずれか一以上であり、混錬前の原材料投入時の全投入原材料重量に対して重量%で0.2%以上3.0%未満である構成1に記載の点心類の皮。
<構成3>
前記糖類は、二糖類、三糖類、四糖類のいずれか一以上であり、混錬前の原材料投入時の全投入原材料重量に対して重量%で0.3%以上2.0%以下である構成2に記載の点心類の皮。
<構成4>
構成1から構成3のいずれか一に記載の点心類の皮を用いた密封包装された点心類。
<構成5>
構成1から構成3のいずれか一に記載の点心類の皮を用いた密封包装された冷凍点心類。
<構成6>
点心類を構成する皮であって、混錬前の少なくとも水と穀物粉とを含む原材料投入ステップで、投入原材料の全重量に対する重量%で、二糖類、三糖類、四糖類のいずれか一以上の糖類が0.2%以上3.0%未満である原材料投入ステップと、
皮混合ステップと、
皮の上に中具を配置して原材料を包む成型ステップと、
を有する点心類の皮の製造方法。
<構成7>
前記成型ステップの後にオーバーフローする湯をためた湯漕に浸漬し加熱する加熱ステップをさらに有する構成6に記載の点心類の皮の製造方法。この加熱ステップではベルトコンベアが次工程に向かって湯面下を進行し、このベルトコンベアの進行によって湯面に流れを作り、加熱蒸気によって湯面上に浮遊した加熱点心でも湯面上を次ステップ方向に流すように構成されている。
<構成8>
加熱ステップ後に加熱済み点心類の皮を含む点心類を底面に液体がたまる態様の凹部であって点心類を収納することができるトレイに収納するトレイ収納ステップを有する構成6から構成7に記載の点心類の皮の製造方法。このトレイには後工程で点心類の皮の表面から水分が蒸散することを防止する水分蒸散防止剤を上方から注ぐように処理する。水分蒸散防止剤はもちろん可食材料で構成され最も代表的な材料は、食用油類である。この食用油類は、流滴下してもよいし、噴霧散布してもよい。最終的には食味に影響を与えない程度の添加量とする。
<構成9>
加熱ステップの後に凍結ステップを有する構成6から構成8のいずれか一に記載の点心類の皮の製造方法。
<構成10>
凍結ステップは、加熱ステップ後に皮に含まれていた水分量を重量%で0.1%以上1%以下増加させる水分調整サブステップを有する構成9に記載の点心類の皮の製造方法。
<構成11>
凍結ステップの後に点心類の皮を用いた点心類を密封容器に封入する封入ステップを有する構成9又は構成10に記載の点心類の皮の製造方法。
上述した構成によれば、穀物粉とデンプンの重量比を適切に設定することにより、加熱時にもちもち感とぷるぷる感の双方を満たすことができる冷凍餃子類の皮を提供することができる。
実施形態1の水餃子の皮における官能評価「もちもち感」・「ぷるぷる感」のスコアと評価の対応を示す表。 実施形態1の水餃子の皮における官能評価「もちもち感」の評価結果を示す表。 実施形態1の水餃子の皮における官能評価「ぷるぷる感」の評価結果を示す表。 実施形態1の水餃子の皮における官能評価「硬さ」のスコアと評価の対応を示す表。 実施形態1の水餃子の皮における官能評価「歯切れ」の評価結果を示す表。 実施形態1の水餃子の皮における官能評価「硬さ」の評価結果を示す表。 実施形態1の水餃子の皮における官能評価全項目のスコアと評価の対応を示す表。 実施形態1の水餃子の皮における全ての官能評価項目の評価結果を示す表。 実施形態1の水餃子の皮における全ての官能評価項目の評価結果を示す表。 実施形態1の水餃子の皮についての破断荷重値測定の結果と官能評価の相関を示す表。 実施形態1の水餃子の皮についての破断荷重値測定の結果と官能評価の相関を示すグラフ。 実施形態1の水餃子の皮についてのテクスチャー解析の結果(凝集性)と官能評価の相関を示す表。 実施形態1の水餃子の皮についてのテクスチャー解析の結果(凝集性)と官能評価の相関を示すグラフ。 実施形態1の水餃子の皮についてのテクスチャー解析の結果(硬さ)と官能評価の相関を示す表。 実施形態1の水餃子の皮についてのテクスチャー解析の結果(硬さ)と官能評価の相関を示すグラフ。 実施形態1の水餃子の皮についての物性測定の各結果と各官能評価項目の相関を示す表。 実施形態2の水餃子の皮における官能評価「もちもち感」の評価結果を示す表。 実施形態2の水餃子の皮における官能評価「ぷるぷる感」の評価結果を示す表。 実施形態2の水餃子の皮における官能評価「硬さ」の評価結果を示す表。 実施形態2の水餃子の皮における全ての官能評価項目の評価結果を示す表。 実施形態2の水餃子の皮についての破断荷重値測定の結果と官能評価の相関を示す表。 実施形態2の水餃子の皮についての破断荷重値測定の結果と官能評価の相関を示すグラフ。 実施形態2の水餃子の皮についてのテクスチャー解析の結果(凝集性)と官能評価の相関を示す表。 実施形態2の水餃子の皮についてのテクスチャー解析の結果(凝集性)と官能評価の相関を示すグラフ。 実施形態2の水餃子の皮についてのテクスチャー解析の結果(硬さ)と官能評価の相関を示す表。 実施形態2の水餃子の皮についてのテクスチャー解析の結果(硬さ)と官能評価の相関を示すグラフ。 実施形態2の水餃子の皮についての物性測定の各結果と各官能評価項目の相関を示す表。 実施形態3の水餃子の皮における官能評価「もちもち感」の評価結果を示す表。 実施形態3の水餃子の皮における官能評価「ぷるぷる感」の評価結果を示す表。 実施形態3の水餃子の皮における官能評価「硬さ」の評価結果を示す表。 実施形態3の水餃子の皮における全ての官能評価項目の評価結果を示す表。 サンプル1〜11におけるすべての官能評価項目の評価結果を示す表。 実施形態1における冷凍餃子の製造ラインの概念図。 実施形態1の製造方法における製造工程を説明するための図。 実施形態における冷凍餃子の製造方法のフローチャート。 調理方法ごとの水餃子の皮における全ての官能評価項目の評価結果を示す表。
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。下記実施形態のうち、実施形態1は請求項1〜4、6および13の一例であり、実施形態2は、請求項5および6の一例であり、実施形態3は請求項7および8の一例に相当する。
<実施形態1> 重量比 限定
<実施形態1 概要>
本実施形態1に係る冷凍水餃子の皮は、穀物粉とデンプンの重量比を適切に設定することにより、家庭における調理加熱時にもちもち感とぷるぷる感の双方を満たすことができる冷凍水餃子の皮を提供することができる。
<実施形態1 構成>
本実施形態1の冷凍水餃子の皮は、穀物粉とデンプンと水を主とする原料をミキシングして成形し、加熱したものを冷凍して作成される。
「穀物粉」とは、穀物を挽いて作った粉をいう。穀物粉としては例えば小麦粉が使用される。小麦粉の他、米粉、トウモロコシ粉、大麦粉、大豆粉、小豆粉等を使用することができ、グルテン素材を添加してもよい。穀物粉は水餃子の皮における成形性に影響する。なお、成型性と食感の観点から小麦粉を使用することが望ましい。
「デンプン」としては例えばタピオカデンプンが使用される。タピオカデンプンの他、米デンプン、馬鈴薯デンプン、エンドウ豆デンプン、トウモロコシデンプン、サゴデンプン、タピオカ加工デンプン等を使用することができる。デンプンは、水餃子の皮における、ぷるぷる感やもちもち感といった食感に影響する。なお以下において「デンプン」と記載した場合、加工デンプンであってもよいものとする。
<実施形態1 重量比>
本実施形態の冷凍水餃子の皮においては、穀物粉とデンプンの総重量に対し重量比10%〜80%のデンプンが含有される。すなわち、穀物粉とデンプンの重量比が、穀物粉9:デンプン1から穀物粉2:デンプン8の割合となる。本実施形態における当該範囲については、後述の官能評価および物性測定の結果により検証する。
<実施形態1 製造方法>
本実施形態の冷凍水餃子の皮は、概ね次のような工程によって製造される。原料となる穀物粉やデンプン等の粉体や、食塩、水、油等に対し、脱気してミキシングする。このときグルテンが形成される。これら原料はミキシングの後、成型機によって成形される。その後、成型された皮に水餃子の具が配置され、加熱される。また、加熱された水餃子は冷凍され、所定重量、あるいは所定個数ごとに包装される。なお、本件発明で重要視するもちもち感、ぷるぷる感、硬さの感触、歯切れの良さ、に関しては通常の設計範囲内で微量添加される食塩、油等の微量添加材は実験結果に影響を及ぼさないことがすでに判明している。またこれら微量に添加される食塩、油等によって皮の味覚に対する影響も無視できることが判明している。このように製造された冷凍水餃子の皮は、中具の味を引き立てるたんぱくな味に仕上がっている。
<製造方法;皮製造工程>
次に、図31を参照して冷凍水餃子の皮の製造工程を示す。中具供給装置1001から搬送される中具が皮に包まれる前に、図31に示すように、冷凍水餃子の皮の製造工程を経る。水供給装置1101、穀物粉供給装置1102、デンプン供給装置1103、油供給装置1104、調味料供給装置1105にてそれぞれ、水、穀物粉、デンプン、油、調味料が供給される。これらの供給装置1101〜1105から供給された材料を供給量制御装置1106で制御して、撹拌混合装置1107にて撹拌される。
このとき例えば、撹拌混合装置1107では、まず小麦粉と澱粉とグルタミン酸ナトリウムを攪拌し、別途食塩、サラダ油、水を混合する。次に撹拌混合装置1107においては真空抜きをし、脱気して練り上げ効率を高めグルテン形成を促進しつつ、これらを混合する。その後、皮成形装置1108において冷凍水餃子の皮(加熱前)として成形される。さらに成形された冷凍水餃子(加熱前)の皮に搬送されてきた中具が配置される。中具が冷凍水餃子の皮によって包まれる。
<製造方法;全工程>
以下では各実施形態における冷凍水餃子の製造方法を適用した製造ライン(製造装置)について説明する。
図32に示すように、冷凍餃子の製造ライン(製造装置)は、餃子の中具を供給する中具供給装置1001と餃子の皮を供給する皮供給装置1002とが設置されている。中具製造装置では、実施例1に記載した中具が製造される。
皮供給装置1002においては、上述の通り脱気してミキシングを行うミキサー(図31;撹拌混合装置等)によりあらかじめ計量した粉体、水、調味料、油を混合する(図33;S01)。
餃子の皮が皮供給装置1002から供給され、その皮の上に餃子の中具が置かれ(図33;S02)、成型装置1003で成型され(図33;S03)、生水餃子が連続して作られる。これらの生水餃子がボイル槽1004に搬送され(図33;S04)、94℃〜99℃で約5分間、水餃子が搬送されつつボイル加熱される(図33;S05)。
次に、ボイル槽1004から取り出された加熱済水餃子は、急速冷凍装置1005(トンネルフリーザ等)へ搬送され、凍結される(図33;S06)。その後、パッケージング装置1006にて包装され、梱包装置1007にて所定単位ごとに箱詰めされる(図33;S07)。梱包された箱は出荷されるまで冷凍庫に保管される。
上記製造方法による冷凍水餃子の皮は、ボイル加熱されていることにより、水餃子の皮とボイル槽の沸騰水(94℃〜99℃)との界面において、水餃子の皮からのグルテンの染み出し効果が生じる。これにより、冷凍水餃子は、皮の表面に澱粉質が溶け出した状態でボイル後に凍結するので、家庭での加熱時における冷凍水餃子の皮のぷるぷる感が向上する。これは一般に物質(澱粉質も含まれる)は、小麦粉よりも澱粉の方が糊化温度が低く表面に溶出し易いからである。ただし、移動するための媒体がそこに存在しなければならない。この水餃子の皮の製造方法では、ボイル槽を通すことで水餃子の皮の中の澱粉質が染み出すという状況が作られているものと考えられる。つまり、この水餃子の皮には、含有されるデンプン由来のゲル状糊化部が含まれる。
そして、本願発明の穀物粉とデンプンの組成比はこのような製造工程をへて急速冷凍される餃子の皮であって、再度加熱されて食される場合に、その食するタイミングで最適なもちもち感、ぷるぷる感、硬さの感触を得られるように設計されているものである。従って、本願発明の水餃子の皮はこのような製造プロセスに向いているものと考えられるが、最終的に家庭内で調理される際に同様の現象が起きる可能性は十分にある。ただし、水中で加熱する時間等に検討が必要となる。本願発明の場合には、短時間の家庭内調理でもちもち感、ぷるぷる感、硬さの感触が非常に良いように設計されている。また澱粉質の染み出し効果は工場での製造プロセスにおいて蒸処理によっては、その処理時点では十分に染み出さないものと考えられる。染み出そうとする媒体が空気となるからである。
<実施形態1 官能評価>
本実施形態における水餃子の皮について、穀物粉とデンプンの重量比の適正範囲を定め、穀物粉とデンプンの総重量に対するデンプンの重量比を異ならせた複数のサンプル(冷凍した水餃子の皮をボイル加熱したもの)ごとに、所定の評価項目について5名のパネラーの評価を1回ずつ受けた。以下、官能評価の結果については、評価項目ごとに図2〜4,6に示す。官能評価の評価項目としては、皮のもちもち感、皮のぷるぷる感、硬さが挙げられる。
また、官能評価に用いる本実施形態における冷凍水餃子の皮の複数のサンプルとして、穀物粉として小麦粉を選択し、デンプンとしてタピオカデンプンを選択して、穀物粉9:デンプン1のサンプル1、穀物粉8:デンプン2のサンプル2、穀物粉6.5:デンプン3.5のサンプル3、穀物粉6:デンプン4のサンプル4、穀物粉5.5:デンプン4.5のサンプル5、穀物粉5:デンプン5のサンプル6、穀物粉4.5:デンプン5.5のサンプル7、穀物粉4:デンプン6のサンプル8、穀物粉3.5:デンプン6.5のサンプル9、穀物粉3:デンプン7のサンプル10、および穀物粉2:デンプン8のサンプル11と、穀物粉10:デンプン0の比較例のサンプル12の合計12パターンのサンプルを用意した。各図2〜4,6においては、これらサンプル1〜12についての官能評価を記載した。なお、穀物粉1:デンプン9とした場合、水餃子の皮としての成形性に支障を来す場合があるため、サンプルには含めない。なお、穀物粉として他の穀物粉を選択した場合にはその種類に応じてグルテンを添加することで小麦粉と同等とすることができ、その場合には後述する試験結果には大きな影響は与えないことがわかっている。また、タピオカデンプンに代えて加工タピオカデンプンとしても試験結果に大きな変化が見られないことが経験的に判明している。
図1に示すように、皮のもちもち感、および後述する皮のぷるぷる感について官能評価は5段階とし、「5」を非常に良い、「4」を良い、「3」を普通、「2」を良くない、「1」を不良とした。官能評価の平均値として「3.0」以上「5.0」以下の範囲を適切と判断した。これに対し、「1.0」以上「3.0」未満の評価である場合は不適とする判断を行った。
<官能評価;もちもち感>
もちもち感とは、例えば噛みはじめの応力が小さい(やわらかい)が、噛みしめたときは応力が大きく噛み応えがあり、その後の咀疇数回にわたり、段階的に応力や粘弾性が減少していくような食感である。このもちもち感についての官能評価は、図2に示すように、穀物粉10:デンプン0であるサンプル12の場合、他のサンプル1〜11と比較して最も低いという結果となった。これに対し、デンプンの重量比が10%以上となると、もちもち感が「普通」以上となり、デンプンの重量比が段階的に増えていくにつれて、もちもち感の評価が向上する傾向がみられる。特に穀物粉6:デンプン4付近から、もちもち感の評価が極めて高くなり、穀物粉5:デンプン5から穀物粉2:デンプン8の範囲で最も良好であることがわかった。もちもち感のみで評価した場合には穀物粉:デンプンの重量比は、9:1から2:8の間が良好となる(a)。
またもちもち感は、9:1から6.5:3.5まで緩やかに向上する。さらに6.5:3.5と比較して、6:4以上でもちもち感が大幅に向上する。
<官能評価;ぷるぷる感>
ぷるぷる感とは、柔らかい弾力性・飲み込み易さ(生地のまとまり)についての食感である。あるいは、柔らかな染み出しゲル状の半流動体的な感触を口腔内で感じられるような感覚を言う。つまりこの感覚は、皮本体によって得られるというよりも皮内部から染み出して形成された副産物によって感じられる感覚である。このぷるぷる感についての官能評価は、図3に示すように、穀物粉とデンプンの総重量に対してデンプンの重量比が0%であるサンプル12の場合、他のサンプル1〜11と比較して最も低いという結果となった。これに対し、穀物粉9:デンプン1よりデンプンの重量比が増えると、ぷるぷる感の官能評価が「普通」以上となり、デンプンの重量比が段階的に増えていくにつれて、ぷるぷる感の評価が向上する傾向がみられる。特に穀物粉5:デンプン5から穀物粉2:デンプン8の範囲で最も良好であることがわかった。
ぷるぷる感のみで評価した場合には穀物粉:デンプンの重量比は、9:1から2:8の間が適切であり(b)、穀物粉5.5:デンプン4.5〜穀物粉2:デンプン8で良好となる。なお、もちもち感と同様、ぷるぷる感は弾力性に関する評価項目であるが、ぷるぷる感は柔らかな弾力性であり、それによって飲み込み易さが確保される。感覚的には生きているウナギを手で触ったときに感じるウナギの体表面感覚に近く、口腔内で口腔内体表面と皮本体との間に存在して両者の摩擦を極めて小さくする機能を有する。
水餃子の皮に関しては特にもちもち感とぷるぷる感が重要な要素であり、この観点から水餃子の皮の穀物粉とデンプンとの組成比を考察すると、上記aとbの結果から穀物粉:デンプンの重量比は、9:1から8:2が好ましいとの結果となる。
<官能評価;硬さ>
硬さは水餃子の皮においてぷるぷる感ともちもち感に次いで重要視される要素である。硬さは家庭である程度加熱時間を調整することによって自由に設定できるために水餃子の工場出荷段階で最適化するとしても家庭での調理によって左右される割合が高いからである。
特に硬さについては、硬すぎる点が問題となる。形を保つ限り柔らかすぎることはあまり需要者に問題とされないが(需要者によってはわざと煮込みを過大に行って柔らかくする行為が見受けられる。例えば高齢者向けの場合)、硬すぎることは問題となる場合が相対的に多い。そこで第一の硬さの足切り目標として、硬すぎないことを条件とする。官能評価での試験者の感想から評価値3よりも大きいと需要者によっては硬すぎると感じる、という結果が得られた。
図4Aに示すように、皮の硬さについても官能評価は5段階とし、「5」は非常に硬い、「4」はやや硬い、「3」を普通、「2」をやや柔らかい、「1」を非常に柔らかい、とした。官能評価の平均値として「3.0」以下を最初の硬さ項目における適正範囲とする。図5をこの観点から見ると、穀物粉:デンプンの重量比が9:1を境としてよりデンプンが多くなる組成が許容される範囲となる。
水餃子を最初に咀嚼する時、皮の歯ごたえを感じるということが最初の食感となる。このとき水餃子の皮のもちもち感、ぷるぷる感と硬さがその食感に影響する。水餃子の皮においては、上記ぷるぷる感による柔らかい弾力性・飲み込み易さが食感として求められ、特定の麺類(讃岐うどんや冷麺等)ほどの噛みごたえは不要であり、硬さの度合いが高いとかえって食べづらいという食感を与える。
したがって、硬さの官能評価においては、数値が高くない、すなわち普通ないし柔らかいことが望ましいことは前述のとおりであるが、極端に柔らかすぎると噛みごたえが低下し、水餃子の食感としては低下することになる。そこで官能評価の値が1.8未満であると柔らかくなりすぎるとの官能評価の評価者らのヒアリングに基づいて、柔らかい方向の硬さの官能評価値は、1.8以上を良好な範囲とする。
そうすると、穀物粉:デンプンの比率では、柔らかさの許容範囲(柔らかさの官能評価で1.8から2.0)は、4.5:5.5から4:6の範囲となる。また最良範囲(柔らかさの官能評価で3を少し下回る2.8)としては、穀物粉:デンプンの比率では9:1から5:5の範囲となる。
<官能評価;歯切れ>
歯切れとは、舌、歯や上顎等の口腔内の各部に対する付着のしやすさについての触感である。言い換えれば、歯切れの評価は、官能評価としては「ねちゃつき」として感じられる感覚である。官能評価の数値は高ければ、歯切れがよく、ねちゃつきが低いということを示す。この歯切れについての官能評価は、図4Bに示すように、穀物粉9:デンプン1〜穀物粉6.5:デンプン3.5までの範囲より、穀物粉6:デンプン4〜穀物粉2:デンプン8の範囲、すなわち穀物粉6:デンプン4からデンプンの重量比が増えると、ぷるぷる感の官能評価が「普通」以上となり、デンプンの重量比が段階的に増えていくにつれて、歯切れの評価が向上する傾向がみられる。
<官能評価;総合評価>
図7を参照して、もちもち感、ぷるぷる感、硬さおよび歯切れに関する官能評価を総合的な評価結果について説明する。穀物粉9:デンプン1、穀物粉8:デンプン2、穀物粉6.5:デンプン3.5の冷凍水餃子の皮は、もちもち感、ぷるぷる感のいずれも「良い」には至らないものの「普通」以上であり、硬さについては「ちょうどよい」といえる。ただし、歯切れについての評価はやや低い。よって総合的には、適切な範囲に含まれていると評価できる。
穀物粉6:デンプン4、穀物粉5.5:デンプン4.5の冷凍水餃子の皮は、もちもち感、ぷるぷる感のいずれも「良い」といえ、硬さについては「ちょうどよい」といえ、さらに、歯切れについても評価が向上している。よって総合的には、「良い」と評価できる。
穀物粉5:デンプン5、穀物粉4.5:デンプン5.5、穀物粉4:デンプン6の冷凍水餃子の皮は、いずれの評価項目も良好であり、「非常良い」と評価できる。
穀物粉3.5:デンプン6.5、穀物粉3:デンプン7、穀物粉2:デンプン8の冷凍水餃子の皮は、もちもち感、ぷるぷる感、歯切れのいずれも良好であるが、硬さについては水餃子の皮としてはかなり柔らかいといえる。よって総合的には、非常に良いとはいえないものの「良い」と評価できる。
以上から、穀物粉10:デンプン0に対し、穀物粉9:デンプン1は、もちもち感とぷるぷる感で大幅に評価が向上する。また穀物粉1:デンプン9は成形が困難である。すなわち、穀物粉9:デンプン1〜穀物粉2:デンプン8は、
・もちもち感の評価が全て普通以上で「適正」、
・ぷるぷる感の評価が全て普通以上で「適正」、
・硬さの評価が全て「硬い」という評価がなく水餃子の皮の硬さとして「適正」、
・歯切れの評価が全て普通以上で「適正」、
となり、この範囲の冷凍水餃子類の皮として、穀物粉:デンプンの重量比は、9:1から2:8の間で適正となる(請求項1サポート)。
また、穀物粉9:デンプン1よりも穀物粉8:デンプン2の方が明らかにもちもち感とぷるぷる感の評価が向上する。また、後述するもちもち感に対応する物性「破断強度」において、穀物粉9:デンプン1よりも穀物粉8:デンプン2の方が明らかに向上する(図8参照)。この観点から、より好ましくは穀物粉:デンプンの比率は9:1よりも8:2が好ましい。すなわち、穀物粉8:デンプン2〜穀物粉2:デンプン8は、
・もちもち感の評価が全て普通以上で「適正」、
・ぷるぷる感の評価が全て普通以上で「適正」、
・硬さの評価が全て「硬い」という評価がなく水餃子の皮の硬さとして「適正」、
・歯切れの評価が全て普通以上で「適正」、
となり、この範囲の冷凍水餃子類の皮として、穀物粉:デンプンの重量比は、9:1から2:8の間で適正となる(請求項2 サポート)。
また、もちもち感とぷるぷる感は、穀物粉9:デンプン1から穀物粉6.5:デンプン3.5まで緩やかに向上する。さらに、穀物粉6.5:デンプン3.5と比較して、穀物粉6:デンプン4以上でもちもち感が大幅に向上する。すなわち、穀物粉6:デンプン4〜穀物粉2:デンプン8は、
・もちもち感の評価が全て「良い」以上で、
・ぷるぷる感の評価が全て「良い」以上で、
・硬さの評価が全て「硬い」という評価がなく水餃子の皮の硬さとして「適正」、
・歯切れの評価が全て普通以上で「適正」、
となり、この範囲の冷凍水餃子類の皮として、穀物粉:デンプンの重量比は、6:4から2:8の間で「良い」評価となる(請求項13 サポート)。
また、穀物粉6:デンプン4と比較して、また、穀物粉5.5:デンプン4.5以上でぷるぷる感が大幅に向上する。すなわち、穀物粉5.5:デンプン4.5〜穀物粉2:デンプン8は、
・もちもち感の評価が全て「良い」以上で、
・ぷるぷる感の評価が全て「良い」以上で、
・硬さの評価が全て「硬い」という評価がなく水餃子の皮の硬さとして「適正」、
・歯切れの評価が全て普通以上で「適正」、
となり、この範囲の冷凍水餃子類の皮として、穀物粉:デンプンの重量比は、6:4から2:8の間で「良い」評価となる(請求項3 サポート)。
また、硬さの値が1.8程度以下であると柔らかくなりすぎるとの官能評価の評価者らのヒアリングに基づいて、柔らかい方向の硬さの官能評価値は、1.8以上を良好な範囲とするため、穀物粉4:デンプン6が最もデンプン比率が高くて最も柔らかい範囲となる。以上、硬すぎず、かつ柔らかすぎず、かつ、ぷるぷる感の評価が「普通」から「良い」へと向上する領域としては穀物粉5.5:デンプン4.5から穀物粉4:デンプン6の範囲となる。すなわち、穀物粉5.5:デンプン4.5〜穀物粉4:デンプン6は、
・もちもち感の評価が全て「良い」以上で、
・ぷるぷる感の評価が全て「良い」以上で、
・硬さの評価が全て「硬い」という評価がなく水餃子の皮の硬さとして「適正」、
・歯切れの評価が全て普通以上で「適正」、
となり、この範囲の冷凍水餃子類の皮として、穀物粉:デンプンの重量比は、5.5:4。5から4:6の間で「非常に良い」あるいは「良い」という評価となる(請求項4 サポート)。
<物性測定による官能評価の検証→
もちもち感の検証、ぷるぷる感の検証、硬さの検証>
上記もちもち感、ぷるぷる感、硬さの官能評価について、それぞれ対応する破断荷重値を測定し、またテクスチャー解析を行った。なお、以下において説明する破断荷重測定、テクスチャー解析の具体例の説明は一例であり、発明の内容を決定づけるものではない。これらはあくまで官能評価の裏付けをするための説明である。また、歯切れを示す物性である付着性と官能評価「歯切れ」の間には相関性が認められなかったため、付着性についての説明は省略する。
<破断荷重値の測定:もちもち感の検証>
上述した官能評価「もちもち感」に対応する物性測定を、以下のような実験環境で行った。すなわち、上記構成の冷凍水餃子の皮について、破断荷重値測定とテクスチャー解析を実施した。破断荷重値測定においては、レオメーターとして、REONER II CREEP METER RE2−33005C(山電社製)を用い、まず以下の条件で破断荷重を測定した。
・プランジャ:幅13mm、奥行30mm、高さ25mm、先端角度30°のくさび形。
・測定条件 :室温20℃±2℃にて、圧縮速度0.1mm/秒。
・測定試料 :各検体の厚さ3〜4mm、幅30mm、ボイル後凍結したサンプルを5分程度再加熱したもの。
なお、測定においては澱粉の重量比1種類ごとに5枚のサンプルに対して測定を実施した。サンプルごとに加熱終了から測定までの時間差が出ないように、測定まで時間を合わせるように調整して測定した。
レオメーターのステージ(サンプルの載置台)をくさび形プランジャ側に移動し、押圧することにより餃子の皮を垂直に破断し、ロードセルにて破断に必要な荷重と歪みの測定を行った。サンプルが破断するまでの破断荷重値が高いほど、弾力が強く噛み応えがあることを意味する。また、箸やスプーン等の食器で水餃子を保持したときに、皮が破断して中具が脱落しないように破断荷重値は適度に高いことが必要である。
図9において、棒グラフが破断荷重値、折れ線グラフが官能評価「もちもち感」を示す。図8および図9示すように、デンプンの重量比が0%である場合には、皮のもちもち感についての官能評価が低く、破断荷重値も他の場合と比較して最も低いという結果となった。これに対し、穀物粉とデンプンの総重量に対するデンプンの重量比が10%以上となると、もちもち感の官能評価が「普通」以上となり、デンプンの重量比が段階的に増えていくにつれて、破断荷重値も増加する傾向がみられる。
図8および図9によれば、この破断荷重値の増加にともなってもちもち感の評価が向上していくという相関が認められた。図においてこの官能評価とレオメーターの測定結果を重ねて示しているが、レオメーターの結果を見ると穀物粉:デンプンの比率は、9:1よりも8:2の方が明らかに向上している。この観点から、より好ましくは穀物粉:デンプンの比率は9:1よりも8:2が好ましい。また、8:2と5:5の測定値に対し、4:6の測定値は大幅に向上しているため、穀物粉:デンプンの比率は4:6であることがより好ましい。(請求項3 参考サポート)
<テクスチャー解析:ぷるぷる感と硬さの検証>
テクスチャー解析においても、REONER II CREEP METER RE2−33005C(山電社製)を用い、以下の条件で測定した。なお、テクスチャー解析により求められた波形やピークから、食感としての「硬さ」や食感としての「ぷるぷる感」に対応する「凝集性」等を求めることができる。
・プランジャ:直径φ20、高さ8mmの円盤形プランジャ。
・測定条件:室温20℃±2℃にて、圧縮速度0.1mm/秒。
・測定試料 :各検体の厚さ3〜4mm、幅30mm、ボイル後凍結したサンプルを5分程度再加熱したもの。
なお、破断荷重測定と同様、デンプンの重量比1種類ごとに5枚のサンプルに対し、加熱終了から測定までの時間を合わせるように調整して測定した。
水餃子の皮に対し、所定の深さ(例えばサンプル厚が40%になるまで)まで押し込んだ時の圧力を2回測定した。具体例として、まず第1回の咬合(1stバイト)として、ステージをプランジャ側へ上記深さまで1回押し込み、その後ステージを引き(プランジャと反対側へ移動)、その時の移動距離(移動歪率)に対応した荷重(又は応力)の変化の波形におけるピークを求めた。次に、ステージを初期位置まで戻し、第2回の咬合(2ndバイト)を実行し、波形およびピークを求めた。なお、第2回の咬合も、ステージを第1回の上記と同様にプランジャ側へ押し付け、引くという動作を行う。
すなわちステージ上のサンプルがプランジャに当接し荷重値の測定が開始されてから、サンプルがプランジャから離れて荷重値が測定されなくなるまでが第1回の咬合の「噛み」動作となる。
<ぷるぷる感に関するテクスチャー解析の結果>
上記の通りこの「噛み」に対応する荷重値の変化により波形が求められるが、凝集性は、第1回の咬合における「噛み」動作による波形の面積「A1」に対する、第2回の咬合の「噛み」動作による波形の面積「A2」の比、つまりA2/A1により求められる。この比は、第1回の咬合の後における第2回の咬合時の、サンプル厚の復元の度合いを示しているといえる。凝集性が高いほど、生地のまとまりがあり飲み込みやすいといえ、さらに復元力が高く弾力を歯や口腔内に伝える点で、「ぷるぷる感」が良好であることを意味する。
図11において、棒グラフが凝集性、折れ線グラフが官能評価「ぷるぷる感」を示す。図10および図11に示すように、凝集性についてデンプンの重量比が0%である場合には、他の場合と比較して最も低いという結果となった。この凝集性の増加にともなってぷるぷる感の評価が向上していくという相関が認められた。このぷるぷる感を官能評価とレオメーターの測定結果と重ねて示したグラフを見ると、両者はよく合致しているが、穀物粉:デンプンの比率は9:1よりも8:2の方がわずかであるがより好ましい(請求項2 サポート)。さらに、9:1や8:2のときより、5.5:4.5〜2:8の範囲の方が、凝集性は大幅に向上する。(請求項3 参考サポート)
<硬さに関するテクスチャー解析の結果>
上記テクスチャー解析により、水餃子の皮の硬さについても解析した。「硬さ」は、第1回の咬合における荷重値のピークが対応している。図13において、棒グラフが解析による硬さの数値、折れ線グラフが官能評価「硬さ」の評価値を示す。硬さについては、図12および図13に示すように、デンプンの重量比が40%である場合に、50%の場合より硬さのテクスチャー解析の数値が高くなるように、デンプンの重量比を増加させていくにつれて、概して見れば解析による硬さの数値が低下していき、官能評価としての「硬さ」も「柔らかい」に変化していく傾向があるといえる。
「硬さ」については、上記の通り、柔らかすぎることより硬すぎることが問題となる。例えば上記のような高齢者における咬合力と嚥下の観点からは、柔らかいことが求められる。あるいはグミやソフトキャンディのような咀嚼に必要な咬合力が大きすぎる(高弾性率)と、咀嚼によって中具に到達するまでの時間がかかってしまう。よって硬さは3.0より低いことが求められる。穀物粉:デンプンの比率は9:1よりも8:2の方が3.0に近く、かつ柔らかいといえるためより好ましい。また、官能評価では5:5を超えて4.5:5.5〜3:7までは大幅に柔らく感じる傾向がみられる。
図14に示すように、実施形態1によれば、穀物粉とデンプンの総重量に対するデンプンの重量比を10%〜80%となるように設定することにより、加熱時にもちもち感とぷるぷる感の双方を満たすことができ、かつ食べやすく、飲み込みやすい柔らかさと喉越しを付与する冷凍水餃子の皮を提供することができる。
<実施形態2>加水率 限定
<実施形態2 概要>
本実施形態2に係る冷凍水餃子の皮は、実施形態1を基本とし、水餃子の皮の加水率を適切に設定することにより、もちもち感とぷるぷる感の双方を満たすことができる冷凍水餃子の皮を提供することができる。なお、製造方法については実施形態1と同様であるため、説明を割愛する。
<実施形態2 構成の説明 加水率>
本実施形態の冷凍水餃子の皮においては、穀物粉およびデンプン等の粉体と、食塩等の調味料と、油などの皮を構成する材料を100としたときに加える水の量が、重量%で水が28%〜36%含有される(以下同じ)。なお、食塩等の調味料、油等の微量添加物は、通常の水餃子の皮の設計で添加する程度では実験結果に影響を及ぼさないことが判明している。
<実施形態2 官能評価>
本実施形態における水餃子の皮について、加水率の適正範囲を定め、加水率を異ならせた複数のサンプルごとに、所定の評価項目について5名のパネラーの評価を受けた。以下、官能評価の結果については、評価項目ごとに図15〜17に示す。官能評価の評価項目としては、皮のもちもち感、皮のぷるぷる感、硬さが挙げられる。なお、このサンプルは穀物粉とデンプンの総重量に対してデンプンの重量比を50%としたものの実験結果を示す。ただし、穀物粉とでん粉の重量比がベストである領域ではおおむね同様の結果が得られた。ベストである穀物粉とでん粉の重量比は、55:45から40:60の重量比である。種々の実験の結果、デンプンの重量比が5増えるごとに、水の加水率を0.5%程度高めるようにするとちょうどよい。
また、官能評価に用いる本実施形態における冷凍水餃子の皮の複数のサンプルとして、水分割合28%、水分割合35%、および水分割合36%サンプル13〜15と水分割合が27%となる比較例のサンプル16の合計4パターンのサンプルを用意した。各図15〜17においては、これらサンプル13〜16についての官能評価を記載した。なお、水分割合が26%の場合は、水分が不足し皮が少なくとも部分的に粉状となって成形性に支障があった。また、水分割合が37%の場合は、水分が過剰で皮が少なくとも部分的に液状となって成形性に支障があった。よって、冷凍水餃子としては水分割合が27%〜36%であることが必要である。
図1に示すように、皮のもちもち感、および後述する皮のぷるぷる感について官能評価は5段階とし、「5」を非常に良い、「4」を良い、「3」を普通、「2」を良くない、「1」を不良とした。官能評価の平均値として「3.0」以上「5.0」以下の範囲を適切と判断した。
<官能評価;もちもち感>
もちもち感についての官能評価は、図15に示すように、水分割合が27%〜36%のいずれにおいても、もちもち感の官能評価が「普通」以上となることがわかった。つまり、水餃子の皮の水分割合は、概ね30%前後〜40%前後において、もちもち感の評価が良好である傾向がみられる。
<官能評価;ぷるぷる感>
ぷるぷる感についての官能評価は、図16に示すように、水分割合が27%であるサンプル16の場合、他のサンプル13〜15と比較して最も低いという結果となった。これに対し、水分割合が28%以上となると、ぷるぷる感の官能評価が「良好」に近くなることがわかった。また、水分割合が段階的に増えていくにつれて、ぷるぷる感の評価が向上する傾向がみられる。特に35%付近から、ぷるぷる感の評価が良好となることがわかった。
<官能評価;硬さ>
図4Aに示すように、皮の硬さについても官能評価は5段階とし、「5」は非常に硬い、「4」はやや硬い、「3」を普通、「2」をやや柔らかい、「1」を非常に柔らかい、とした。実施形態1と同様、官能評価の平均値として「3.0」未満を硬さ項目の適正範囲と判断した。これ以外の評価値である場合は不適とする判断を行った。
この硬さについての官能評価は、図17に示すように、水分割合が27%であるサンプル16の場合、他のサンプル13〜15と比較して最も高い、すなわち噛みごたえとして硬いという食感を与えるという結果となった。これに対し、水分割合が28%以上となると、硬さの官能評価が「普通」という結果となった。特に28%〜36%の範囲において、柔らかさの評価が極めて高くなることがわかった。
<官能評価;総合>
図18に示すように、官能評価によれば、水餃子の皮におけるもちもち感、ぷるぷる感、柔らかさを総合的に判断した場合、水分割合が28%〜36%の範囲で、食感が良好となる結果となった。さらには水分割合35%付近で、これら官能評価がすべて良好となり食感として非常に良いということがわかった。したがって、冷凍水餃子の皮においては水分割合28%〜36%であることが必要であり、さらには、水分割合が35%前後であれば成形性の点においても良好である。
<物性測定による官能評価の検証>
実施形態1と同様に加水率のパラメータを振って破断荷重値を測定し、またテクスチャー解析を行った。
<もちもち感に関する検証 破断荷重値、破断歪率の測定>
上述した水分割合を限定した冷凍水餃子の皮について、官能評価に対応する破断荷重値測定を上記実施形態1と同様の実験環境で行った。
図20において、棒グラフが破断荷重値、折れ線グラフが官能評価「もちもち感」を示す。図19および図20に示すように、水分割合が27%であるサンプル16と35%であるサンプル14の場合に、皮のもちもち感についての官能評価が良好であり、対応する破断荷重値は他のサンプル13,15と比較すると低めの数値が測定された。これに対し、水分割合が28%であるサンプル13と36%であるサンプル15の場合に、皮のもちもち感についての官能評価はやや低下して普通に近くなり、対応する破断荷重値は他のサンプル14,16と比較すると高めの数値が測定された。つまり図19および図20によれば、この破断荷重値ともちもち感の間に相関が認められた。
<ぷるぷる感に関する検証 凝集性に関するテクスチャー解析>
上述した水分割合を限定した冷凍水餃子の皮について、官能評価に対応するテクスチャー解析を上記実施形態1と同様の実験環境で行った。
図22において、棒グラフが凝集性、折れ線グラフが官能評価「ぷるぷる感」を示す。図21および図22に示すように、水分割合が27%であるサンプル16の場合には、皮のぷるぷる感についての官能評価が低く、凝集性も他のサンプル13〜15場合と比較して最も低いという結果となった。これに対し、水分割合が28%以上となると、ぷるぷる感の官能評価が大幅に向上し、水分割合が段階的に増えていくにつれて、凝集性も増加する傾向がみられる。特に、水分割合35%以上において、ぷるぷる感も対応する凝集性も高い数値を示している。すなわち図21および図22によれば、この凝集性の増加にともなってぷるぷる感の評価が向上していくという相関が認められた。
<硬さに関する検証 テクスチャー解析>
上記テクスチャー解析により、水餃子の皮の硬さについても解析した。図24において、棒グラフが解析による硬さの数値、折れ線グラフが官能評価「硬さ」の評価値を示す。硬さについては、図23および図24に示すように、水分割合が27%であるサンプル16の場合には、皮の硬さについての「硬い」すなわち官能評価が低くなり、テクスチャー解析における硬さも他のサンプル13〜15の場合と比較して最も硬いという結果となった。これに対し、水分割合が28%以上となると、硬さの官能評価が「普通」、すなわち最適な硬さとなる傾向がみられる。特に、水分割合35%以上において、硬さの官能評価も対応するテクスチャー解析における硬さも減少する。すなわち図23および図24によれば、この物性としての硬さと、官能評価としての硬さの間に相関が認められた。
図25に示すように、実施形態2によれば、水分割合を28%〜36%となるように設定することにより、加熱時にもちもち感、ぷるぷる感および硬さすべての点で適正範囲となり、かつ食べやすく、飲み込みやすい柔らかさと喉越しを付与する冷凍水餃子の皮を提供することができる。
<実施形態3> デンプン 限定
<実施形態3 概要>
本実施形態3に係る冷凍水餃子の皮は、実施形態1または2を基本とし、冷凍水餃子の皮におけるデンプンを適切に設定することにより、もちもち感とぷるぷる感の双方を満たすことができる冷凍水餃子の皮を提供することができる。なお製造方法、穀物粉とデンプンの総重量に対するデンプンの重量比、水分割合については上記実施形態と同様であるため、説明を割愛する。
<実施形態3 構成の説明 デンプンの種類>
本実施形態の冷凍水餃子の皮においては、穀物粉と配合するデンプンとして米デンプン、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプンまたはタピオカ加工デンプンを用いる。特にタピオカデンプンまたはタピオカ加工デンプンであることが望ましい。サンプルはデンプンの種類が異なる点を除いて前述の通りの製造工程(穀物粉:デンプン重量比率=5:5、微小な調味料付加、撹拌混合装置にて撹拌混合、中具を供給せずにボイル処理)、保管工程を経たものを用いた。ただし、中具の包餡は省略している。
<実施形態3 官能評価>
本実施形態における水餃子の皮について、加水率の適正範囲(32%プラスマイナス1%以内)を定め、デンプンを異ならせた複数のサンプルごとに、所定の評価項目について5名のパネラーの評価を1回ずつ受けた。以下、官能評価の結果については、評価項目ごとに図26〜28に示す。官能評価の評価項目としては、皮のもちもち感、皮のぷるぷる感、硬さが挙げられる。歯切れに関しては全種類で問題は発生せず、良好であった。
また、官能評価に用いる本実施形態における冷凍水餃子の皮の複数のサンプルとして、米デンプン、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプンおよびタピオカ加工デンプンによるサンプル12〜15と、エンドウ豆デンプン、トウモロコシデンプン、サゴデンプンによる比較例のサンプル16〜18の合計7パターンのサンプルを用意した。
<官能評価;もちもち感>
もちもち感についての官能評価は、図26に示すように、米デンプン、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプンおよびタピオカ加工デンプンによるサンプル17〜19において、もちもち感の官能評価が「普通」以上となることがわかった。これに対し、エンドウ豆デンプン、トウモロコシデンプン、サゴデンプンによる比較例のサンプル20〜23においては、もちもち感における官能評価が、「良くない」または「不良」となることがわかった。
<官能評価;ぷるぷる感>
ぷるぷる感についての官能評価は、図27に示すように、米デンプン、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプンおよびタピオカ加工デンプンによるサンプル17〜19において、ぷるぷる感の官能評価が「普通」以上となることがわかった。これに対し、エンドウ豆デンプン、トウモロコシデンプン、サゴデンプンによる比較例のサンプル20〜23においては、ぷるぷる感における官能評価が、「良くない」または「不良」となることがわかった。
<官能評価;硬さ>
図28において、皮の硬さについても官能評価は5段階とし、「5」は非常に硬い、「4」はやや硬い、「3」を普通、「2」をやや柔らかい、「1」を非常に柔らかい、とした。つまり、上記と同様に官能評価の平均値として「3.0」以下を最初の硬さ項目における適正範囲とする。
この硬さについての官能評価は、図28に示すように、トウモロコシデンプンであるサンプル21、米デンプンであるサンプル23、タピオカデンプンであるサンプル18、タピオカ加工デンプンであるサンプル19が適正であり、エンドウ豆デンプンであるサンプル20、サゴデンプンであるサンプル22、馬鈴薯デンプンであるサンプル17の評価が低いという結果となった。
<官能評価;総合>
図29に示すように、官能評価によれば、水餃子の皮におけるもちもち感、ぷるぷる感、硬さ(柔らかさ)を総合的に判断した場合、米デンプン、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプンおよびタピオカ加工デンプンによるサンプル17〜19において、ぷるぷる感の官能評価が「普通」以上となることがわかった。これに対し、エンドウ豆デンプン、トウモロコシデンプン、サゴデンプンによる比較例のサンプル20〜23においては、ぷるぷる感における官能評価が、「良くない」または「不良」となることがわかった。さらにはタピオカデンプン、タピオカ加工デンプンによる冷凍水餃子の皮において、これら官能評価が総合的に良好となり食感として非常に良いということがわかった。したがって、冷凍水餃子の皮においては米デンプン、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプンおよびタピオカ加工デンプンを用いることがよく、さらには、上記実施形態1、2で言及した硬さの観点によれば、タピオカデンプンおよびタピオカ加工デンプンを用いることが望ましい。なお、以下の実施例においてはタピオカデンプンを使用した水餃子の皮について記載する。
<実施形態4> トレハロース 限定
<実施形態4 概要>
本実施形態4に係る冷凍水餃子の皮は、実施形態1または2を基本とし、冷凍水餃子の皮においてトレハロースを添加しないこと、あるいは添加する場合に、水餃子の皮としてトレハロースを適正な範囲に設定することにより、もちもち感とぷるぷる感の双方を満たしつつ、皮の成型が可能な冷凍水餃子の皮を提供することができる。なお製造方法、穀物粉とデンプンの総重量に対するデンプンの重量比、水分割合については上記実施形態と同様であるため、説明を割愛する。
<実施形態4 構成の説明 トレハロース>
本実施形態の冷凍水餃子の皮を説明するにあたり、トレハロースの添加量を15%以上に設定した場合について説明する。この場合の水餃子の皮においては、本願請求項1の組成である穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉9:デンプン1から穀物粉2:デンプン8の割合、請求項2の組成である穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉8:デンプン2から穀物粉2:デンプン8の割合、請求項3の組成である穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉5.5:デンプン4.5から穀物粉2:デンプン8の割合、請求項4の組成である、穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉5.5:デンプン4.5から穀物粉4:デンプン6の割合、請求項13の組成である穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉6:デンプン4から穀物粉2:デンプン8の割合のいずれの割合でも上記実施形態1における穀物粉:デンプンの適正範囲においては、凝集性が低く、脆性が高いことにより、成型が不可能であった。つまり、餃子の皮として形作ることが困難であった。トレハロースを添加しない場合、このような傾向はみられない。つまり水餃子におけるトレハロースの添加量は、水餃子でない焼き餃子やその他の類似の点心の場合と比較して、低く設定する必要がある。すなわち水餃子の場合のトレハロースの添加量は、例えば混錬前の原材料投入時の全投入原材料重量に対して重量%で0.2%以上3.0%未満である。また、トレハロースでなく、糖類として、二糖類、三糖類、四糖類のいずれか一以上であってもよい。以上のように、適正な食感を与える水餃子の皮という観点において、水餃子の皮は、焼き加熱調理、揚げ加熱調理するような点心類の皮とは一線を画すものであり、独自の組成、製造方法を採用することが好ましい。トレハロースは、混錬前の原材料投入時の全投入原材料重量に対して重量%で0.2%以上3.0%以下である点心類の皮が好ましいのは、前述のように糖類は水を保水する性質があり、調理直前まで点心類の皮に水分を保つことが可能となる。さらにこの糖類は、重量%で0.2%以上2.0%以下であることがより好ましい。なお、この糖類は家庭でのパッケージ開封後の段階で十分な水分を点心類の皮に確保するために必要である場合に添加されるものである。よって、重量%が0.2%未満であるとそのような効果が認められない。また、3.0%を超えるものについては、硬さの評価値が非常に低くなる。さらに15%添加された場合、成型が困難であることを確認している。
<実施形態4 官能評価>
トレハロースの添加により、上述の通り、もちもち感、ぷるぷる感、硬さの感触に関しては通常の設計範囲内で実験結果に影響を及ぼさないことがすでに判明している。
<実施形態1から実施形態3で用いたサンプル1からサンプル13の構成>
<穀物粉:デンプン=9:1/サンプル1>
餃子の中具は、豚肉、鶏肉、すり身、野菜(キャベツ・白菜・白葱生姜)、ごま油、調味料あわせてを配合した中具を使用した。上記実施形態1における冷凍水餃子の皮で包み、生水餃子を作成した。
穀物粉として小麦粉を重量比59.4%、デンプンを重量比6.6%(すなわち穀物粉:デンプン=9:1)、水を重量比30%その他、グルタミン酸ナトリウム調味料、食塩およびサラダ油が含まれる。食塩は小麦粉とミキシングされることによりグルテン形成を促進するために配合される。サラダ油は、配合すると食感として口当たりがなめらかで、口溶けもよく、柔らかい皮になる。グルタミン酸ナトリウム調味料は、含まれなくても良い。「油」としては、食物油脂類、例えば植物や動物からとれる植物油脂や動物油脂であればよく、菜種油、キャノーラ油、大豆油、サラダ油、トウモロコシ油、バター、ごま油、アマニ油、オリーブ油などを用いることも可能である。油の種類としては、特に、菜種油、サラダ油が望ましい。
前述の餃子の皮を摂氏94度から摂氏99度のお湯で5分間加熱し、急速凍結(マイナス30度以下:2分以上)させて冷凍水餃子の皮とした。餃子の皮から染み出していたぷるぷる成分を急速に冷凍することによって引き締められた状態でぷるぷる成分を餃子の皮本体に密着状態で凍結する。
図30および図2,3および5に示すように、上記実施例1の冷凍水餃子の皮は、もちもち感、ぷるぷる感のいずれも「良い」には至らないものの「普通」以上であり、硬さについては「ちょうどよい」といえる。つまりいずれの評価項目についても、適切な範囲に含まれていた。
<穀物粉:デンプン=8:2/サンプル2>
実施例1と同じ手順で水餃子の皮を作成した。穀物粉として小麦粉を重量比52.8%、デンプンを重量比13.2%(すなわち穀物粉:デンプン=8:2)とし、その他、水、グルタミン酸ナトリウム調味料、食塩およびサラダ油は実施例1と同様である。実施例1と同様にグルタミン酸ナトリウムは含まれなくても良い。
図30および図2,3および5に示すように、上記実施例2の冷凍水餃子の皮は、もちもち感、ぷるぷる感のいずれも「良い」には至らないものの「普通」以上であり、硬さについても「ちょうどよい」に近い。つまりいずれの評価項目についても、適切な範囲に含まれていた。
<穀物粉:デンプン=6.5:3.5/サンプル3>
実施例1と同じ手順で水餃子の皮を作成した。穀物粉として小麦粉を重量比42.9%、デンプンを重量比23.1%(すなわち穀物粉:デンプン=6.5:3.5)とし、その他、水、グルタミン酸ナトリウム調味料、食塩およびサラダ油は実施例1と同様である。実施例1と同様にグルタミン酸ナトリウムは含まれなくても良い。
図30および図2,3および5に示すように、上記実施例3の冷凍水餃子の皮は、もちもち感、ぷるぷる感のいずれも「良い」には至らないものの「普通」以上であり、硬さについても「ちょうどよい」に近い。つまりいずれの評価項目についても、適切な範囲に含まれていた。
<穀物粉:デンプン=6:4/サンプル4>
実施例1と同じ手順で水餃子の皮を作成した。穀物粉として小麦粉を重量比39.6%、デンプンを重量比26.4%(すなわち穀物粉:デンプン=6:4)とし、その他、水、グルタミン酸ナトリウム調味料、食塩およびサラダ油は実施例1と同様である。実施例1と同様にグルタミン酸ナトリウムは含まれなくても良い。
図30および図2,3および5に示すように、上記実施例4の冷凍水餃子の皮は、もちもち感が大幅に向上し、ぷるぷる感は「良い」には至らないものの「普通」以上であり、硬さについても「ちょうどよい」に近い。つまりいずれの評価項目についても、適切な範囲に含まれていた。
<穀物粉:デンプン=5.5:4.5/サンプル5>
実施例1と同じ手順で水餃子の皮を作成した。穀物粉として小麦粉を重量比36.3%、デンプンを重量比29.7%(すなわち穀物粉:デンプン=5.5:4.5)とし、その他、水、グルタミン酸ナトリウム調味料、食塩およびサラダ油は実施例1と同様である。実施例1と同様にグルタミン酸ナトリウムは含まれなくても良い。
図30および図2,3および5に示すように、上記実施例5の冷凍水餃子の皮は、もちもち感およびぷるぷる感が向上し、ともに「良い」という評価であり、硬さについても「ちょうどよい」に近い。つまりいずれの評価項目についても、良好である。
<穀物粉:デンプン=5:5/サンプル6>
実施例1と同じ手順で水餃子の皮を作成した。穀物粉として小麦粉を重量比33%、デンプンを重量比33%(すなわち穀物粉:デンプン=5:5)、その他、水、グルタミン酸ナトリウム調味料、食塩およびサラダ油は実施例1と同様である。また実施例1と同様にグルタミン酸ナトリウムは含まれなくても良い。
図30および図2,3および5に示すように、上記実施例6の冷凍水餃子の皮は、もちもち感、ぷるぷる感が大幅に向上し、もちもち感については、「非常に良い」という評価に近い評価値「4.8」となった。硬さについては「ちょうどよい」といえる。つまりいずれの評価項目についても、適切な範囲に含まれているといえ、さらに全ての評価項目において良好である。
<穀物粉:デンプン=4.5:5.5/サンプル7>
実施例1と同じ手順で水餃子の皮を作成した。穀物粉として小麦粉を重量比29.7%、デンプンを重量比36.3%(すなわち穀物粉:デンプン=4.5:5.5)、その他、水、グルタミン酸ナトリウム調味料、食塩およびサラダ油は実施例1と同様である。また実施例1と同様にグルタミン酸ナトリウムは含まれなくても良い。
図30および図2,3および5に示すように、上記実施例7の冷凍水餃子の皮は、もちもち感、ぷるぷる感が大幅に向上し、もちもち感については、「非常に良い」という評価に近い評価値「4.8」となった。硬さについては「やや柔らかい」といえる。つまりいずれの評価項目についても、適切な範囲に含まれているといえ、さらに全ての評価項目において良好である。
<穀物粉:デンプン「4:6」/サンプル8>
実施例1と同じ手順で水餃子の皮を作成した。穀物粉として小麦粉を重量比26.4%、デンプンを重量比39.6%(すなわち穀物粉:デンプン=4:6)、その他、水、グルタミン酸ナトリウム調味料、食塩およびサラダ油は実施例1と同様である。また実施例1と同様にグルタミン酸ナトリウムは含まれなくても良い。
図30および図2,3および5に示すように、上記実施例8の冷凍水餃子の皮は、もちもち感、ぷるぷる感が大幅に向上し、もちもち感については、「非常に良い」という評価に近い評価値「4.8」となった。硬さについては1.8であり概ね「やや柔らかい」という評価に近い。つまりいずれの評価項目についても、適切な範囲に含まれているといえ、さらにもちもち感とぷるぷる感は良好である。
<穀物粉:デンプン=3.5:6.5/サンプル9>
実施例1と同じ手順で水餃子の皮を作成した。穀物粉として小麦粉を重量比23.1%、デンプンを重量比42.9%(すなわち穀物粉:デンプン=3.5:6.5)、その他、水、グルタミン酸ナトリウム調味料、食塩およびサラダ油は実施例1と同様である。また実施例1と同様にグルタミン酸ナトリウムは含まれなくても良い。
図30および図2,3および5に示すように、上記実施例5の冷凍水餃子の皮は、もちもち感、ぷるぷる感が大幅に向上し、もちもち感、ぷるぷる感については、共に「非常に良い」という評価に近い評価値「4.8」となった。硬さについては「かなり柔らかい」という評価に近い。つまりいずれの評価項目についても、適切な範囲に含まれているといえ、さらにもちもち感とぷるぷる感は良好である。
<穀物粉:デンプン=3:7/サンプル10>
実施例1と同じ手順で水餃子の皮を作成した。穀物粉として小麦粉を重量比19.8%、デンプンを重量比46.2%(すなわち穀物粉:デンプン=3:7)、その他、水、グルタミン酸ナトリウム調味料、食塩およびサラダ油は実施例1と同様である。また実施例1と同様にグルタミン酸ナトリウムは含まれなくても良い。
図30および図2,3および5に示すように、上記実施例10の冷凍水餃子の皮は、もちもち感、ぷるぷる感が大幅に向上し、もちもち感、ぷるぷる感については、共に「非常に良い」という評価に近い評価値「4.8」となった。硬さについては「かなり柔らかい」という評価に近い。つまりいずれの評価項目についても、適切な範囲に含まれているといえ、さらにもちもち感とぷるぷる感は良好である。
<穀物粉:デンプン=2:8/サンプル11>
実施例1と同じ手順で水餃子の皮を作成した。穀物粉として小麦粉を重量比13.2%、デンプンを重量比52.8%(すなわち穀物粉:デンプン=2:8)、その他、水、グルタミン酸ナトリウム調味料、食塩およびサラダ油は実施例1と同様である。また実施例1と同様にグルタミン酸ナトリウムは含まれなくても良い。
図30および図2,3および5に示すように、上記実施例11の冷凍水餃子の皮は、もちもち感、ぷるぷる感が大幅に向上し、もちもち感、ぷるぷる感については、共に「非常に良い」という最も高い評価値「5.0」となった。つまり全評価においてもちもち感、ぷるぷる感については最高値を得た。硬さについては「柔らかい」という評価に近い。硬さを除いて、適切な範囲に含まれているといえ、さらにもちもち感とぷるぷる感については非常に良好である。
なお、穀物粉:デンプン=1:9とした場合、水餃子の皮としての成形性に支障を来す場合があるため、実施例には含めないものとする。中具の包餡を試みても型崩れしてしまうからである。
<水分割合=28%/サンプル13>
実施例1と同じ手順で水餃子の皮を作成した。穀物粉として小麦粉を重量比33%、デンプンを重量比33%(すなわち穀物粉:デンプン=5:5)、水分割合を28%とし、その他、グルタミン酸ナトリウム調味料、食塩およびサラダ油については実施例1と同様である。また実施例1と同様にグルタミン酸ナトリウムは含まれなくても良い。
図15〜17に示すように、上記実施例12の冷凍水餃子の皮は、もちもち感、ぷるぷる感のいずれも「良い」には至らないものの「普通」以上であり、硬さについても「普通」に近い。つまりいずれの評価項目についても、適切な範囲に含まれていた。
<水分割合=35%/サンプル14>
実施例1と同じ手順で水餃子の皮を作成した。穀物粉として小麦粉を重量比33%、デンプンを重量比33%(すなわち穀物粉:デンプン=5:5)、水分割合を35%とし、その他、グルタミン酸ナトリウム調味料、食塩およびサラダ油については実施例1と同様である。また実施例1と同様にグルタミン酸ナトリウムは含まれなくても良い。
図15〜17に示すように、上記実施例13の冷凍水餃子の皮は、もちもち感、ぷるぷる感が大幅に向上し、もちもち感については、最も高い評価値「4.2」となった。ぷるぷる感も次に記載する実施例9とともに最も高い評価値「4.0」となった。実施例8においてはいずれの評価項目についても、適切な範囲に含まれているといえ、さらにもちもち感とぷるぷる感は良好である。
<水分割合=36%/サンプル15>
実施例1と同じ手順で水餃子の皮を作成した。穀物粉として小麦粉を重量比33%、デンプンを重量比33%(すなわち穀物粉:デンプン=5:5)、水分割合を36%とし、その他、グルタミン酸ナトリウム調味料、食塩およびサラダ油については実施例1と同様である。また実施例1と同様にグルタミン酸ナトリウムは含まれなくても良い。
図4A〜6に示すように、上記実施例14の冷凍水餃子の皮は、ぷるぷる感が大幅に向上し、ぷるぷる感については、最も高い評価値「4.0」となった。実施例9においてはいずれの評価項目についても、適切な範囲に含まれているといえ、さらにもちもち感とぷるぷる感は良好である。
[比較例1]
<穀物粉:デンプン=10:0/サンプル12>
実施例1と同じ手順で水餃子を作成した。穀物粉として小麦粉を重量比66%、デンプンを重量比0%(すなわち穀物粉:デンプン=10:0)とし、その他、水、グルタミン酸ナトリウム調味料、食塩およびサラダ油は実施例1と同様である。実施例1と同様にグルタミン酸ナトリウムは含まれなくても良い。
図2,3および5に示すように、上記比較例1の冷凍水餃子の皮は、もちもち感、ぷるぷる感が共に「良くない」といえる評価値「2.0」、「2.8」となった。比較例1においてはこれらの点で、適切な範囲に含まれているとはいえないという結果となった。
冷凍される前に蒸し調理される場合と、茹で調理される場合との官能評価および物性測定の比較を図34を参照して行う。図34に示すように、穀物粉6.5:デンプン3.5のサンプル3と、穀物粉6:デンプン4のサンプル4とを、それぞれ茹で調理した場合と、蒸し調理した場合とに分けて官能評価を行った。図34はその評価結果の一覧である。
図34に示すように、穀物粉6.5:デンプン3.5のサンプル3では、茹で調理したとき、もちもち感で「4.0」、ぷるぷる感で「4.0」、歯切れで「4.0」、硬さで「2.5」と各評価で良好な結果を得た。これに対し、同サンプル3を蒸し調理した場合、もちもち感で「2.0」、ぷるぷる感で「3.0」、歯切れで「2.0」、硬さで「4.0」と、いずれの評価項目においても、茹で調理の場合と比較して大幅に評価値が低下している。
同様に、穀物粉6:デンプン4のサンプル4の場合も、茹で調理したとき、もちもち感で「3.0」、ぷるぷる感で「4.0」、歯切れで「4.0」、硬さで「2.8」と各評価で良好な結果を得た。これに対し、同サンプル4を蒸し調理した場合、もちもち感で「1.0」、ぷるぷる感で「3.8」、歯切れで「2.0」、硬さで「4.0」と、もちもち感、歯切れで、硬さの項目において、大幅に評価値が低下している。
以上のように、官能評価においても実施形態1の冷凍水餃子類の皮としては、茹で調理が蒸し調理に比べ、良好な食感に寄与するということができる。これは皮に対して与えられる熱量が蒸に比べてゆでの方が大きいからであり、また、同時に補給される水分も多いからであると考えられる。熱と水によって、小麦粉やでん粉に含まれるたんぱく質が結合してより高分子の有機物に変化する際に、熱と水がより豊富に供給されるほうが都合がよいためである。もちろん、もちもち感やぷるぷる感は、蛋白質が高分子かされることによって生じる食感である。従って、実験では穀物粉6.5:デンプン3.5ないし穀物粉6:デンプン4のものしか行っていないが、ほぼ全組成範囲にわたって同じ現象が認められるものと考えられる。
さらに、これまで説明してきた冷凍水餃子の皮を用いた冷凍水餃子や、これを調理して得た水餃子を提供する。冷凍水餃子の製造方法はすでに説明したとおりである。一方、この冷凍水餃子の調理は、これらの冷凍水餃子を電子レンジにて加熱する方法と、沸騰水中でゆでる方法とがある。沸騰水中でゆでる場合には冷凍水餃子一つ17〜18グラム程度のものの場合にはこの冷凍水餃子を好みの量パッケージから取り出し、沸騰したお湯で5分程度ボイルすることでおいしい水餃子を得ることができる。
<追加的構成についての補足説明>
上記実施形態をさらに基本として追加的構成を採用することでさらにおいしい点心類、特に水餃子を家庭で簡単に提供できる。
<追加的構成1>
すなわち、密封包装された点心類(冷凍水餃子を含む)を構成する皮であって、穀物粉と糖類とを少なくとも含み、調理等のために開封して取り出す段階でのこの皮が含有する水分の重量%が、この皮の全重量に対して23%以上32%以下であるように構成した点心類の皮である。なお、この段階での水分の重量%が23%未満の点心類を構成する皮、および32%を超えるものについては、食感が劣るという結果が得られている。
「密封包装」とは、外気と水分の出入りがほとんどない状態で包装されていることを示す。具体的には金属ラミネート包装を用いたり、十分に厚いプラスティック材料(例えば厚さが0.1ミリメートル以上)で包装することを意味する。さらに具体的には、100時間で包装内の水分が湿度20%以下の外気への漏出度が0.1%未満であることが好ましい。密封されているから商品購入後、調理前の状態が水分との関係で最良の状態に保たれるのである。
「穀物粉」は、上記実施形態の通りである。「糖類」は、単糖類を除き、かつ比較的少糖類が好ましい。具体的には二糖類程度から五糖類程度が好ましい。糖類を含ませる理由は、糖類が水を抱え込む性質があり、皮から水が出てゆくことを阻止できるからである。糖類としては、トレハロース、オリゴ糖、デオキシ糖、ウロン糖、アミノ糖、ラクトン、ショ糖、乳糖、麦芽糖、などを挙げることができる。
「その他」に食物油脂類が含まれることが好ましい。種類としては、上記の通りである。さらにその他に穀物由来デンプンを含ませることが好ましい。デンプンは上記の通りである。
<水>
水に関して重要な点は、密封包装された点心類が調理のための開封直後で定義されていることである。点心類の皮の水分は、調理直前の状態で所定の値の範囲に入っていることが重要である。本実施形態では開封直後の点心類の皮の総重量に対する重量%で23%以上32%以下である。
<具材>
具材は上記実施形態と同様である。
<追加的構成2>
<追加的構成2 概要>
本構成では、追加的構成1を基本としつつ、二糖類、三糖類、四糖類のいずれか一以上は、混錬前の原材料投入時の全投入原材料重量に対して重量%で0.2%以上3.0%以下である点心類の皮である。前述のように糖類は水を保水する性質があり、調理直前まで点心類の皮に水分を保つことが可能となる。さらにこの糖類は、重量%で0.2%以上2.0%以下であることがより好ましい。なお、この糖類は家庭でのパッケージ開封後の段階で十分な水分を点心類の皮に確保するために必要である場合に添加されるものである。よって、重量%が0.2%未満であるとそのような効果が認められない。また、3.0%を超えるものについては、硬さの評価値が非常に低くなる。さらに15%添加された場合、成型が困難であることを確認している。
この重量%は、点心類の製造工程で水の含有量が変化するために開封直前の重量%を示すものではない。またこれらの糖類は、一種類のみから構成されていてもよいし、複数種類から構成されていてもよい。
<追加的構成3>
<追加的構成3 概要>
本構成では、追加的構成1と追加的構成2を基本としつつ、前記点心類の皮を用いた密封包装された点心類である。密封包装された状態で出荷され、この状態で店頭に並べられ、密封された状態で購入されて、密封された状態で家庭内に保存され、調理直前に開封されて加熱されることを想定しているものである。密封は複数の点心類をまとめて密封したものであってもよいし、点心類一つ一つについて密封したものであってもよい。前者が一般的である。さらに密封は二重になっていてもよいし、容器はシート状(シートを利用した袋状)のものであっても、板状の物であってもよい。板状の物としてはプラスティック容器のようなものである。またシート状(シートを利用した袋状)のものと内部にプラスティック材料などを用いてトレイを構成し、トレイに点心類を並べて配置したものであってもよい。トレイは、点心類を工場生産する際には、必要な加熱処理によって劣化しないものが好ましい。さらにトレイは点心類を一つ一つ収納するための凹部が設けられていることが好ましい。できれば、点心類どうしが輸送、保管、購買の段階で相互に接触しないように構成することが好ましい。
<追加的構成4>
<追加的構成4 概要>
本構成では、追加的構成1から追加的構成3を基本としつつ、前記点心類の皮を用いた密封包装された冷凍点心類である。冷凍することによって比較的長期にわたって賞味期限を設定することが可能となり便利である。さらに冷凍処理をすることによって点心類の皮に水分を増加させることが可能である。これは特にボイル処理がされた直後に急速冷凍することによって可能である。水加熱処理された段階で点心類の皮に水分が吸収されるが、その水分が余熱によって皮から脱する前に急速冷凍によって皮に閉じ込められるからである。
<追加的構成5>
<追加的構成5 概要>
本構成では、追加的構成4を基本としつつ、点心類が密封包装されていることに特徴を有する。これにより開封前の餃子の皮の水分の変動を少なく抑えることが可能となる。なお、密封包装の定義に関しては前述のとおりである。なお、密封包装内は窒素などの安定ガスを封入しておくことが好ましい。
<追加的構成6>
<追加的構成6 概要>
本構成では、追加的構成1〜5を基本としつつ、凍結時、加熱後に皮に含まれていた水分量を重量%で0.1%以上1.0%以下増加させる水分調整サブステップを有する点心類の皮の製造方法である。
<追加的構成7>
<追加的構成7 概要>
本構成では、追加的構成6又は7を基本としつつ、凍結後に点心類の皮を用いた点心類を密封容器に封入する点心類の皮の製造方法である。封入作業は凍結環境よりも温度的には高い環境で行われ、低温で封入作業室に運び込まれた点心類には引き続き霜が付加されてゆく。急速冷凍で低下した点心類の温度と、密封作業室の環境温度の温度差によって霜の付き具合が変わってくるが、封入作業の完了までに急速凍結室をでてからの時間が2分以上10分以内で、温度差が40℃以上60℃以下程度(密封作業室温度が0℃以上10℃以下)に設計すると点心類に適度の霜が付着して解凍時に点心類の皮に適切な水分を供給できる。
1001 中具供給装置
1002 皮供給装置
1003 成型装置
1004 ボイル槽
1005 急速冷凍装置
1006 パッケージング装置
1007 梱包装置
1101 水供給装置
1102 穀物粉供給装置
1103 デンプン供給装置
1104 油供給装置
1105 調味料供給装置
1106 供給量制御装置
1107 撹拌混合装置
1108 皮成型装置

Claims (15)

  1. 穀物粉とデンプンとを含み、穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉9:デンプン1から穀物粉2:デンプン8の割合である冷凍餃子類の皮。
  2. 穀物粉とデンプンとを含み、穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉8:デンプン2から穀物粉2:デンプン8の割合である冷凍餃子類の皮。
  3. 穀物粉とデンプンとを含み、穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉5.5:デンプン4.5から穀物粉2:デンプン8の割合である冷凍餃子類の皮。
  4. 穀物粉とデンプンとを含み、穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉5.5:デンプン4.5から穀物粉4:デンプン6の割合である冷凍餃子類の皮。
  5. 穀物粉とデンプンに加えられる水の重量比が、全重量に対して28%から36%である請求項1から請求項4のいずれか一に記載の冷凍餃子類の皮。
  6. 前記穀物粉は小麦粉である請求項1から請求項5のいずれか一に記載の冷凍餃子類の皮。
  7. 前記デンプンは、加工デンプンを含むデンプンである請求項1から請求項6のいずれか一に記載の冷凍餃子類の皮。
  8. 前記デンプンは、タピオカ由来デンプンを含む請求項1から請求項7のいずれか一に記載の冷凍餃子類の皮。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一に記載の冷凍餃子類の皮を用いた冷凍水餃子。
  10. 請求項9に記載の冷凍水餃子を調理して得た水餃子。
  11. 請求項1から請求項8のいずれか一に記載の冷凍餃子類の皮を用いて中具をつつみ生餃子類を成形する生餃子類成形ステップと、
    成形済生餃子類を高温水中にてボイルして加熱済餃子類とするボイルステップと、
    加熱済餃子類を凍結して冷凍餃子類とする凍結ステップと、
    からなる冷凍餃子類の製造方法。
  12. 複数の冷凍餃子類を一の包装袋に封入する包装ステップと、
    包装された冷凍餃子類を冷凍庫に保管する保管ステップと、
    をさらに有する請求項11に記載の冷凍餃子類の製造方法。
  13. 穀物粉とデンプンとを含み、穀物粉とデンプンの重量比が穀物粉6:デンプン4から穀物粉2:デンプン8の割合である冷凍餃子類の皮。
  14. 糖類をさらに含み、糖類は、二糖類、三糖類、四糖類のいずれか一以上であり、混錬前の原材料投入時の全投入原材料重量に対して重量%で0.2%以上3.0%未満である請求項1から8、13のいずれか1に記載の冷凍餃子類の皮。
  15. 含有されるデンプン由来のゲル状糊化部を含むことを特徴とする請求項1から8、13、14のいずれか1に記載の冷凍餃子類の皮。
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