JP2020163756A - 複合発泡シート及び成形体 - Google Patents

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幸弘 杉江
拓明 宇野
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拓明 宇野
洋輝 三上
Hiroki Mikami
洋輝 三上
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Abstract

【課題】成形中に破れにくい複合発泡シート、及びそれを用いた成形体を提供する。【解決手段】本発明の複合発泡シート1は、熱可塑性樹脂発泡シート10と、熱可塑性樹脂発泡シート10の一方の面12に設けられた未発泡樹脂シート20とを備え、180℃の試験温度及び5分間の加熱時間の条件下における加熱収縮率が28%以下である。本発明の成形体は、本発明の複合発泡シートを成形して得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車内装材等に用いられる複合発泡シート、及びそれを用いた成形体に関する。
車両には、車両の軽量化を目的として、自動車内装材に樹脂発泡体が使用されている。近年、嗜好の多様化や高度化に伴って、自動車内装材にも複雑な形状が求められるようになってきており、加えて、生産性向上も要請されている。例えば、樹脂発泡体を成形することにより、複雑な形状の樹脂発泡体を効率的に得ることができる。基本的には、樹脂発泡体を加熱軟化させて伸展可能な状態にし、真空、加圧、型押し等を利用して型に沿って伸展せしめ、次に冷却固化させて、樹脂発泡体を各種形状の成形することができる。
また、成形した樹脂発泡体に溶融樹脂の射出を行って、成形した樹脂発泡体に樹脂部品を一体化させることも試みられており、例えば、自動車内装材を低圧射出成形法(LPM)で製造することが試みられている。LPMでは、射出成形機から、ランナー、ゲートを通して、製品となる金型のキャビティ部に、低圧で樹脂を射出する。例えば、樹脂発泡体の一面に骨材となるポリプロピレン系樹脂等の溶融樹脂を射出成形する。
しかしながら、樹脂発泡体の一面に溶融樹脂を射出成形すると、溶融樹脂を射出するゲート近傍で樹脂発泡体が融解してしまう場合がある。そして、樹脂発泡体の融解した部分が固化すると、体積収縮を起こし、樹脂発泡体のゲートに対応する位置に、ゲートマークと言われる凹みが発生する場合がある。この凹みは、樹脂発泡体の表面に被覆される表皮材にまで凹み跡を作ってしまい、外観が悪化するという問題があった。このため、射出成形法には、高耐熱性発泡体が必要であった。しかし、発泡体の耐熱性を向上させると、通常、発泡体の柔軟性が不十分となった。
射出成形を可能とするために耐熱性を改善し、さらに柔軟性も改善した発泡体として、例えば、特許文献1に記載されている架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が知られている(特許文献1参照)。この発泡体は、DSC吸熱ピークの少なくとも1つが160℃以上であるポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂で構成されるポリオレフィン系樹脂組成物100重量部に対し、熱可塑性エラストマー25〜50重量部を含有する。そして、この発泡体の見かけ密度は50〜100kg/m3、ゲル分率が45%以上である。
特開2008−266589号公報
しかしながら、特許文献1に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体でも、耐熱性等がまだ不十分であるため、樹脂発泡体の成形時、樹脂発泡体を加熱軟化させて伸展可能な状態にして型に沿って伸展せしめる際に、樹脂発泡体が破れてしまう場合があった。
そこで、本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、成形中に破れにくい複合発泡シート、及びそれを用いた成形体を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、発泡体に未発泡樹脂シートを積層するとともに、未発泡樹脂シートを積層した発泡体の180℃の試験温度及び5分間の加熱時間の条件下における加熱収縮率を28%以下とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]を提供する。
[1]熱可塑性樹脂発泡シートと、前記熱可塑性樹脂発泡シートの一方の面に設けられた未発泡樹脂シートとを備え、180℃の試験温度及び5分間の加熱時間の条件下における加熱収縮率が28%以下である、複合発泡シート。
[2]前記未発泡樹脂シートの厚さは30〜200μmである、上記[1]に記載の複合発泡シート。
[3]前記未発泡樹脂シートは単層の樹脂シートであり、前記未発泡樹脂シートがポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、上記[1]又は[2]に記載の複合発泡シート。
[4]前記未発泡樹脂シートは、第1の樹脂層と前記第1の樹脂層の前記熱可塑性樹脂発泡シート側の面に設けられた第2の樹脂層とを含み、前記第1の樹脂層が、185℃以上の融点を有する樹脂を含み、前記第2の樹脂層が、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、上記[1]又は[2]に記載の複合発泡シート。
[5]前記185℃以上の融点を有する樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、及びポリエチレンテレフタレート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂である、上記[4]に記載の複合発泡シート。
[6]前記未発泡樹脂シートは、前記第1の樹脂層における前記第2の樹脂層側の面とは反対側の面に設けられた第3の樹脂層をさらに含み、前記第3の樹脂層が、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、上記[4]又は[5]に記載の複合発泡シート。
[7]前記未発泡樹脂シートは無延伸の樹脂フィルムである、上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の複合発泡シート。
[8]上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の複合発泡シートを成形して得られた成形体。
[9]自動車内装材である、上記[8]に記載の成形体。
本発明によれば、成形中に破れにくい複合発泡シート、及びそれを用いた成形体を提供することができる。
図1は、本発明の複合発泡シートの一例を示す図である。 図2は、本発明の複合発泡シートの他の一例を示す図である。 図3は、本発明の複合発泡シートの他の一例を示す図である。
本発明の複合発泡シートは、熱可塑性樹脂発泡シートと、熱可塑性樹脂発泡シートの一方の面に設けられた未発泡樹脂シートとを備える。例えば、本発明の複合発泡シートの一例の複合発泡シート1は、図1に示すように、熱可塑性樹脂発泡シート10と、熱可塑性樹脂発泡シート10の一方の面12に設けられた未発泡樹脂シート20とを備える。そして、180℃の試験温度及び5分間の加熱時間の条件下における複合発泡シートの加熱収縮率が28%以下である。なお、熱可塑性樹脂発泡シートについては、以下、単に「発泡シート」という場合があり、未発泡樹脂シートについては単に「樹脂シート」という場合がある。
以下、本発明の複合発泡シートの各構成要素について説明する。
[熱可塑性樹脂発泡シート]
熱可塑性樹脂発泡シートとしては、例えば、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を架橋及び発泡してシート状にしたものが挙げられる。
熱可塑性樹脂発泡シートに用いられる熱可塑性樹脂には、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル・エチレンプロピレン・スチレン共重合体(AES樹脂)等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。軽量性及び柔軟性の観点から好ましい熱可塑性樹脂はポリオレフィン系樹脂であり、より好ましい熱可塑性樹脂はポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂であり、更に好ましい熱可塑性樹脂はポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂の混合物である。
<ポリプロピレン系樹脂>
ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体等が挙げられる。プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、ランダムブロック共重合体の何れであってもよいが、ランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)であることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体とプロピレン及び他のオレフィンのランダム共重合体とからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂が好ましく、プロピレン単独重合体とプロピレン及び他のオレフィンのランダム共重合との混合物がより好ましい。
プロピレンと共重合される他のオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィンが挙げられ、これらの中ではエチレンが好ましい。すなわち、ポリプロピレン系樹脂としてはエチレン−プロピレンランダム共重合体が好ましい。
なお、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、通常、プロピレンが90〜99.5重量%、プロピレン以外のα−オレフィンが0.5〜10質量%であるが、プロピレンが95〜99重量%、プロピレン以外のα−オレフィンが1〜5質量%であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂は、そのメルトフローレート(以下、「MFR」ともいう)が0.4〜14.0g/10分であることが好ましく、0.5〜12.5g/10分であることがより好ましい。上記のMFRを有するポリプロピレン系樹脂を使用することで、樹脂組成物を発泡体に加工する際の成形性、及び発泡体を二次成形する際の成形性を良好にしやすくなる。
なお、ポリプロピレン系樹脂の融点は、例えば、ホモポリマー及びブロック共重合体の場合は155〜165℃であり、ランダム共重合体の場合は130〜150℃である。
上記のポリプロピレン系樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<ポリエチレン系樹脂>
ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン系樹脂、中密度ポリエチレン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。ポリエチレン系樹脂は、そのMFRが1.0〜5.0g/10分であることが好ましく、1.5〜4.0g/10分であることがより好ましい。上記のMFRを有するポリエチレン系樹脂を使用することで、樹脂組成物を発泡体に加工する際の成形性、及び発泡体を二次成形する際の成形性を良好にしやすくなる。
ポリエチレン系樹脂の中では、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(LLDPE)がより好ましい。LLDPEは、密度が0.910g/cm3以上0.950g/cm3未満のポリエチレンであり、好ましくは密度が0.910〜0.930g/cm3のものである。樹脂組成物は、密度が低いLLDPEを含有することで、発泡シートに加工する際の加工性や、発泡シートを成形体に成形する際の成形性等が良好になり易い。なお、上記密度はJIS K7112に準拠して測定したものである。
LLDPEは、通常、エチレンを主成分(全モノマーの50質量%以上、好ましくは70質量%以上)とした、エチレンと少量のα−オレフィンとの共重合体である。ここで、α−オレフィンとしては、炭素数3〜12、好ましくは炭素数4〜10のものが挙げられ、具体的には、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。なお、共重合体において、これらα−オレフィンは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ポリエチレン系樹脂も単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、ポリエチレン系樹脂の融点は、例えば、低密度ポリエチレン系樹脂の場合は105〜110℃であり、中密度ポリエチレン系樹脂の場合は120〜123℃であり、高密度ポリエチレン系樹脂の場合は123〜135℃であり、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂の場合は110〜130℃である。
<オレフィン系熱可塑性エラストマー>
オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)は、一般的には、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンをハードセグメントとし、EPM、EPDM等のゴム成分をソフトセグメントとするものである。オレフィン系熱可塑性エラストマーは、ブレンド型、動的架橋型、重合型のいずれも使用可能である。
樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂を含む場合、樹脂成分としてポリオレフィン系樹脂単独で構成されてもよいが、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂成分を含んでいてもよい。
ポリオレフィン系樹脂は、樹脂組成物に含有される樹脂全量に対して、通常70質量%以上含有されるが、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%含有される。
また、樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂を、樹脂組成物に含有される樹脂全量基準で、40質量%以上含有することが好ましく、50質量%以上含有することがより好ましく、そして、90質量%以下含有することが好ましく、80質量%以下含有することがより好ましい。
前述のとおり、ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体とプロピレン及び他のオレフィンのランダム共重合体とからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂が好ましく、プロピレン単独重合体とプロピレン及び他のオレフィンのランダム共重合との混合物がより好ましい。
発泡シートは、このように、ポリプロピレン系樹脂を主成分とすることで、発泡シートの機械的強度、耐熱性等を良好にすることが可能になり、加熱収縮率も低くなる。
樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂として上記ポリプロピレン系樹脂に加えて、ポリエチレン系樹脂を含有することが好ましい。この場合、ポリエチレン系樹脂は、樹脂組成物に含有される樹脂全量に対して、10質量%以上含有することが好ましく、20質量%以上含有することがより好ましく、そして、60質量%以下含有することが好ましく、50質量%以下含有することがより好ましい。
樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂に加えてポリエチレン系樹脂を含有することで、機械的強度、耐熱性等を高めつつ、加工性、成形性も良好にし易くなる。加えるポリエチレン系樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(LLDPE)を使用することが好ましい。
樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂に加えてオレフィン系熱可塑性エラストマーをさらに含有してもよい。この場合、発泡シートの機械的強度、耐熱性、加工性及び成形性の観点から、オレフィン系熱可塑性エラストマーは、樹脂組成物に含有される樹脂全量に対して、30質量%以下含有することが好ましく、20質量%以下含有することがより好ましく、10質量%以上含有することが更に好ましい。
<添加剤>
本発明に用いられる樹脂組成物は、上記の樹脂成分以外に添加剤として、通常、発泡剤を含有する。また、架橋助剤及び酸化防止剤の一方又は両方を含有することが好ましい。
(発泡剤)
樹脂組成物を発泡させる方法としては、化学的発泡法、物理的発泡法がある。化学的発泡法は、樹脂組成物に添加した化合物の熱分解により生じたガスにより気泡を形成させる方法であり、物理的発泡法は、低沸点液体(発泡剤)を樹脂組成物に含浸させた後、発泡剤を揮発させてセルを形成させる方法である。発泡法は特に限定されないが、均一な独立気泡発泡体を得る観点から、化学的発泡法が好ましい。
発泡剤としては、熱分解型発泡剤が使用され、例えば分解温度が160〜270℃程度の有機系又は無機系の化学発泡剤を用いることができる。
有機系発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸金属塩(アゾジカルボン酸バリウム等)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物等が挙げられる。
無機系発泡剤としては、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、無水クエン酸モノソーダ等が挙げられる。
これらの中では、微細な気泡を得る観点、及び経済性、安全面の観点から、アゾ化合物、ニトロソ化合物が好ましく、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンがより好ましく、アゾジカルボンアミドが特に好ましい。
発泡剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱分解型発泡剤の添加量は、発泡体の気泡が破裂せずに適切に発泡させる観点から、樹脂成分100質量部に対して1〜30質量部が好ましく、2〜15質量部がより好ましい。
(架橋助剤)
架橋助剤としては、多官能モノマーを使用することができる。例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の3官能(メタ)アクリレート系化合物、トリメリット酸トリアリルエステル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート等の1分子中に3個の官能基を持つ化合物、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等の2官能(メタ)アクリレート系化合物、ジビニルベンゼン等の1分子中に2個の官能基を持つ化合物、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、エチルビニルベンゼン、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等が挙げられる。これらの中では、3官能(メタ)アクリレート系化合物がより好ましい。
架橋助剤は、単独で又は2以上を組み合わせて用いることができる。
架橋助剤を樹脂組成物に添加することによって、少ない電離性放射線量で樹脂組成物を架橋することが可能になる。そのため、電離性放射線の照射に伴う各樹脂分子の切断、劣化を防止することができる。
架橋助剤の含有量は、樹脂組成物を発泡する際に、架橋度の調整、制御の容易さの観点から、樹脂組成物100質量部に対して0.2〜20質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。これらの中では、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤と硫黄系酸化防止剤とを併用することがより好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、単独で又は2以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。
また、樹脂組成物は、必要に応じて、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、尿素等の分解温度調整剤、難燃剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、充填剤、顔料等の上記以外の添加剤を含有してもよい。
[発泡シート]
本発明に用いられる発泡シートは、上記した樹脂組成物を架橋し、かつ発泡してなるものである。
(密度)
発泡シートの密度(見かけ密度)は、柔軟性と機械的強度をバランスよく良好にする観点から、好ましくは0.15g/cm以下、より好ましくは0.10g/cm以下、更に好ましくは0.07g/cm以下であり、そして、好ましくは0.03g/cm以上、より好ましくは0.04g/cm以上、更に好ましくは0.05g/cm以上である。
なお、密度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
(発泡倍率)
発泡シートの発泡倍率は、柔軟性と機械的強度をバランスよく良好にする観点から、好ましくは7cm/g以上、より好ましくは10cm/g以上、更に好ましくは14cm/g以上であり、そして、好ましくは33cm/g以下、より好ましくは25cm/g以下、更に好ましくは20cm/g以下である。
なお、発泡倍率は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
(架橋度)
発泡シートの架橋度(質量%)は35%以上であることが好ましい。発泡シートの架橋度(質量%)が35%以上であると、真空成形法、低圧射出成形法(LPM法)等の成形における成形性、柔軟性、及び機械的強度をバランスよく向上させることができる。このような観点から、発泡シートの架橋度(質量%)は、より好ましくは40〜65%である。
なお、架橋度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
(厚み)
発泡シートの厚みは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上、更に好ましくは1.5mm以上であり、そして、好ましくは8mm以下、より好ましくは6mm以下、更に好ましくは5mm以下である。発泡体の厚みがこれら範囲であると、柔軟性と成形性の両方を向上させ易く、自動車内装材に成形し易くなる。
なお、発泡シートの厚みは、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
<発泡シートの製造方法>
発泡シートは、例えば、樹脂組成物を溶融混練してシート状に成形した後、電離性放射線を照射して樹脂組成物を架橋し、さらに加熱発泡することにより製造することができる。
具体的には、以下の工程1〜3を有する製造方法がより好ましい。
工程1:樹脂組成物を構成する各成分を溶融混練した後、シート状等の所定形状の樹脂組成物を得る工程
工程2:工程1で得られた樹脂組成物に電離性放射線を照射して、架橋する工程
工程3:工程2で架橋した樹脂組成物を、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させ、発泡シートを得る工程
工程1では、まず、樹脂組成物を構成する各成分を混練装置に供給して、熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度で溶融混練し、その後、溶融混練された樹脂組成物を、好ましくは溶融混練で使用した混練装置でシート状等の所望形状に成形する。
ここで使用される混練装置としては、例えば、射出成形機、押出機(単軸押出機、二軸押出機等)、バンバリーミキサー、ロール等の汎用混練装置等が挙げられるが、射出成形機や押出機が好ましく、射出成形機や押出機を用いれば、生産性よく製造することができる。
射出成形機又は押出機の内部の樹脂温度は、好ましくは120〜220℃、より好ましくは140〜200℃、更に好ましくは150〜195℃である。
工程2では、所望形状に成形された樹脂組成物には電離性放射線が照射される。
電離性放射線としては、例えば、電子線、α線、β線、γ線、X線等が挙げられる。これらの中では、生産性及び照射を均一に行う観点から、電子線が好ましい。
電離性放射線の照射は、例えば、樹脂組成物をシート状に成形した場合、シートの片面のみに照射してもよいし、両面に照射してもよいが、両面に照射することが好ましい。
電離性放射線の照射量は、照射する発泡性樹脂組成物の厚み等を考慮し、所望の架橋度を得ることができる量であれがよいが、通常、0.1〜10Mradが好ましく、0.2〜5Mradがより好ましい。
工程3では、以上のように電離性放射線の照射により樹脂組成物を架橋した後、樹脂組成物を、発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させ、発泡と成形を同時に行い、発泡シートを得ることができる。
ここで、樹脂組成物を加熱発泡させる温度は、発泡剤として使用される熱分解型発泡剤の分解温度によるが、通常140〜300℃、好ましくは150〜280℃、より好ましくは160〜260℃である。また、発泡シートは、発泡後、又は発泡されつつMD方向又はCD方向の何れか一方又は双方に延伸されてもよい。
本発明の発泡シートは、独立気泡構造であることが好ましいが、連続気泡を含む独立気泡構造であってもよい。
[未発泡樹脂シート]
未発泡樹脂シート(以下、単に「樹脂シート」という場合がある)は、発泡シートの一方の面に設けられる。例えば、樹脂シートは、発泡シートの一方の面に接着して積層される。発泡シートの一方の面に樹脂シートを設けることにより、成形中の加熱収縮を抑えて、複合発泡シートが破れてしまうことを抑制できる。また、発泡シートの一方の面に樹脂シートを設けることにより、射出成形の際、高温樹脂が複合発泡シートに衝突したとき、樹脂シートが発泡シートの融解を抑制することができる。これにより、例えば、射出成形の際のゲートマークの発生を抑制することができる。
(厚み)
樹脂シートの厚みは、好ましくは30〜200μmである。樹脂シートの厚みが30〜200μmであると、成形中に複合発泡シートが破れてしまうことを抑制できるとともに、複合発泡シートの柔軟性を良好にできる。また、射出成形の際、高温樹脂が複合発泡シートに衝突したとき、樹脂シートが発泡シートの融解を抑制することができる。このような観点から、未発泡樹脂シートの厚みは、より好ましくは35〜150μmであり、更に好ましくは40〜100μmであり、より更に好ましくは40〜70μmである。
(無延伸)
樹脂シート自体の加熱収縮率を小さくするために、樹脂シートは無延伸の樹脂フィルムであることが好ましい。これにより、複合発砲シートの加熱収縮率を更に低減することができる。
(層構成)
未発泡樹脂シートは単層の樹脂シートであってもよいし、複数の層からなる樹脂シートであってもよい。未発泡樹脂シートを薄くしても成形中の複合発泡シートの破れを抑制できるという観点から、未発泡樹脂シートは複数の層からなることが好ましい。
<単層の未発泡樹脂シート>
上述したように、発泡シートは、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を架橋及び発泡してシート状にしたものである。そして、熱可塑性樹脂はポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。このことから、樹脂シートと発泡シートとの間の接着性の観点から、樹脂シートはポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。樹脂シートに用いられるポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂は、発泡シートに用いられるポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂と、それぞれ同様のものを使用できる。加熱収縮率を小さくするという観点及び射出成形の際の発泡シートの融解を抑制するという観点から、中でも、樹脂シートに用いられるポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂の中でも無延伸ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
本発明の効果を阻害しない範囲で、樹脂シートはポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂以外の樹脂を含んでもよい。樹脂シートの樹脂成分におけるポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂の割合は、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95質量%以上である。また、樹脂シートは、酸化防止剤、金属不活性化剤、紫外線吸収剤、可塑剤、難燃剤等の添加剤を含んでもよい。
<複数の層からなる未発泡樹脂シート>
未発泡樹脂シートが複数の層からなる場合、樹脂シートは、第1の樹脂層と第1の樹脂層の発泡シート側の面に設けられた第2の樹脂層とを含むことが好ましい。例えば、図2に示すように、本発明の複合発泡シートの他の例の複合発泡シート1Aは、発泡シート10と、発泡シート10の一方の面12に設けられた樹脂シート20Aとを備える。そして、樹脂シート20Aは、第1の樹脂層30と第1の樹脂層30の発泡シート側の面32に設けられた第2の樹脂層40とを含む。
第1の樹脂層は185℃以上の融点を有する樹脂を含むことが好ましい。これにより、樹脂シートの耐熱性が向上するので、樹脂シートを薄くしても、複合発泡シートの加熱収縮を抑制して、真空成形等による成形時の破れ等が生じにくい。また、射出成形の際、高温樹脂が複合発泡シートに衝突しても第1の樹脂層はさらに融解しにくいので、未発泡樹脂シートが単層である場合に比べて、さらに発泡シートの融解を抑制することができ、例えば、ゲートマークの発生を抑制できる。さらに、未発泡樹脂シートが第1の樹脂シートを備えることにより、射出成形の際、高温樹脂が複合発泡シートの側面に回り込むことを抑制することができる。これにより、複合発泡シートの縁にアバタ状の凹凸が発生したりすることを抑制できる。
後述の第2の樹脂層との接着性の観点から、好ましい185℃以上の融点を有する樹脂には、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂及びポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上述の観点から、これらの樹脂の中でポリアミド樹脂がより好ましい。
ポリアミド樹脂
ポリアミド樹脂は、分子構造中にアミド基(−NHCO)を含む樹脂である。
第2の樹脂シートに用いられるポリアミド樹脂には、例えば、ナイロン6(融点:225℃)、ナイロン66(融点:265℃)、ナイロン610(融点:215℃)、ナイロン612(融点:215℃)、ナイロン11(融点:187℃)、ナイロン46(融点:290℃)、半芳香族ポリアミド(融点:320℃)等が挙げられる。
ポリブチレンテレフタレート樹脂
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、分子内にエステル基(−RCOO)をもつ芳香族ポリエステルの1種であり、結晶性の熱可塑性樹脂である。ポリブチレンテレフタレート樹脂の融点は、例えば、225℃である。
ポリエチレンテレフタレート樹脂
ポリエチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸とエチレングリコールとを重縮合して得られる結晶性樹脂である。ポリエチレンテレフタレート樹脂の融点は、例えば、245℃である。
本発明の効果を阻害しない範囲で、第1の樹脂層は185℃以上の融点を有する樹脂以外の樹脂を含んでもよい。第1の樹脂層の樹脂成分における185℃以上の融点を有する樹脂の割合は、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95質量%以上である。また、第1の樹脂層は、酸化防止剤、金属不活性化剤、紫外線吸収剤、可塑剤、難燃剤等の添加剤を含んでもよい。
樹脂シートの耐熱性をさらに向上させる観点及び複合発泡シートの柔軟性の観点から、第1の樹脂層の厚みは、5〜35μmであることが好ましく、8〜30μmであることがより好ましく、10〜30μmであることが更に好ましく、10〜25μmであることが特に好ましい。
上述したように、発泡シートは、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を架橋及び発泡してシート状にしたものである。そして、熱可塑性樹脂はポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。このことから、第2の樹脂層と発泡シートとの間の接着性の観点から、第2の樹脂層はポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。樹脂シートに用いられるポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂は、発泡シートに用いられるポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂と、それぞれ同様のものを使用できる。加熱収縮率を小さくするという観点及び射出成形の際の発泡シートの融解を抑制するという観点から、中でも、樹脂シートに用いられるポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂の中でも無延伸ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
本発明の効果を阻害しない範囲で、第2の樹脂層はポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂以外の樹脂を含んでもよい。第2の樹脂層の樹脂成分におけるポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂の割合は、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95質量%以上である。また、第2の樹脂層は、酸化防止剤、金属不活性化剤、紫外線吸収剤、可塑剤、難燃剤等の添加剤を含んでもよい。
成形中に複合発泡シートが破れてしまうことを抑制できるという観点及び複合発泡シートの柔軟性を確保するという観点から、第2の樹脂層の厚みは、5〜80μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。
樹脂シートは、第1の樹脂層における第2の樹脂層側の面とは反対側の面に設けられた第3の樹脂層をさらに含んでもよい。例えば、図3に示すように、本発明の複合発泡シートの他の例の複合発泡シート1Bは、発泡シート10と、発泡シート10の一方の面12に設けられた樹脂シート20Bとを備える。そして、樹脂シート20Bは、第1の樹脂層30と第1の樹脂層30の発泡シート側の面32に設けられた第2の樹脂層40を含む。そして、樹脂シート20Bは、第1の樹脂層30における第2の樹脂層側の面32とは反対側の面34に設けられた第3の樹脂層50をさらに含む。これにより、後述の基材と複合発泡シートとの間の接着性を更に高めることができる。
後述の基材と複合発泡シートとの間の接着性の観点から、第3の樹脂層はポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。樹脂シートに用いられるポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂は、発泡シートに用いられるポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂と、それぞれ同様のものを使用できる。加熱収縮率を小さくするという観点及び射出成形の際の発泡シートの融解を抑制するという観点から、中でも、樹脂シートに用いられるポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂の中でも無延伸ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
本発明の効果を阻害しない範囲で、第3の樹脂層はポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂以外の樹脂を含んでもよい。第3の樹脂層の樹脂成分におけるポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂の割合は、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95質量%以上である。また、第3の樹脂層は、酸化防止剤、金属不活性化剤、紫外線吸収剤、可塑剤、難燃剤等の添加剤を含んでもよい。
後述の基材との接合性の観点から、第3の樹脂層の厚みは、5〜80μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。なお、第3の樹脂層の厚みは、第2の樹脂層の厚みと同じであってもよいし、異なっていてもよい。しかし、樹脂シートが発泡シートから剥離することを抑制するために、第3の樹脂層の厚みは、第2の樹脂層の厚みと同じであることが好ましい。
樹脂シートが複数の層からなる場合、樹脂シートは、複数の樹脂層を接着して積層されてなるものであることが好ましい。複数の樹脂層を積層して、樹脂シートを製造する方法としては、押出しラミネート法、熱融着ラミネート法等が挙げられる。なお、発泡シートに、複数の樹脂層を順次積層して複合発泡シートを製造してもよい。また、複数の樹脂層を順次積層して作製した樹脂シートを発泡シートに積層して複合発泡シートを製造してもよい。
[複合発泡シート]
上述したように、本発明の複合発泡シートは、熱可塑性樹脂発泡シートと、熱可塑性樹脂発泡シートの一方の面に設けられた未発泡樹脂シートとを備える。
(加熱収縮率)
複合発泡シートの180℃の試験温度及び5分間の加熱時間の条件下における加熱収縮率は28%以下である。複合発泡シートの上記加熱収縮率が28%よりも大きいと、複合発泡シートを加熱軟化させて伸展可能な状態する際、複合発泡シートの熱収縮が大きくなる場合がある。これにより、複合発泡シートに大きな収縮応力が生じ、複合発泡シートを型に沿って伸展せしめる際、複合発泡シートが破れてしまう場合がある。このような観点から、複合発泡シートの上記加熱収縮率は、好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下である。
なお、複合発泡シートの加熱収縮率は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
(25%圧縮時の圧縮応力)
複合発泡シートの25%圧縮時の圧縮強度は、200kPa以下であることが好ましい。複合発泡シートの25%圧縮時の圧縮強度が200kPa以下であると、複合発泡シートの柔軟性が良好となる。このような観点から、複合発泡シートの25%圧縮時の圧縮強度は、170kPa以下であることがより好ましく、150kPa以下であることが更に好ましい。また、複合発泡シートの機械的強度の観点から、複合発泡シートの25%圧縮時の圧縮応力は、10kPa以上であることが好ましく、20kPa以上であることがより好ましい。なお、複合発泡シートの25%圧縮時の圧縮強度は、複合発泡シートの発泡樹脂シート側の面をJIS K6767:2009に準拠して測定した値である。
本発明の複合発泡シートは、発泡シートと樹脂シートとを接着して積層されてなるものであることが好ましい。発泡シートと樹脂シートとを積層して、複合発泡シートを製造する方法としては、押出しラミネート法、熱融着ラミネート法等が挙げられる。なお、樹脂シートは、発泡シートの一方の面のみに設けられてもよいし、両面に設けられてもよい。
[成形体]
本発明の成形体は、本発明の複合発泡シートを公知の方法で成形して得られるものである。例えば、成形した複合発泡シートに表皮材、基材等の他の素材を積層して、成形体を製造することができる。
(複合発泡シートの成形)
複合発泡シートを成形することにより、様々な形状の複合発泡シートを得ることができる。複合発泡シートの成形における成形法には、例えば、真空成形法、プレス成形法、プラグ・リング成形法、スリップ成形法、圧空成形法等が挙げられる。複雑な形状に複合発泡シートを効率的に成形できるという観点から、真空成形法が好ましい。
(複合発泡シートと表皮材との貼合せ)
上述したように、本発明の複合発泡シートに表皮材を積層することが好ましい。表皮材としては、ポリ塩化ビニルシート、ポリ塩化ビニルとABS樹脂との混合樹脂からなるシート、熱可塑性エラストマーシート、天然繊維や人造繊維を用いた織物、編物、不織布、人工皮革や合成皮革等のレザー、金属等が挙げられる。また、本革や、石や木等から転写した凹凸を付したシリコーンスタンパ等を用いて、表面に皮目や木目模様等の意匠が施された複合成形体としてもよい。複合発泡シートに表皮材を積層する場合、表皮材は発泡シート側に配置される。
表皮材を貼り合わせる方法としては、例えば、押出ラミネート法、接着剤を塗布した後貼り合わせる接着ラミネート法、熱ラミネート法(熱融着法)、ホットメルト法、高周波ウェルダー法、金属等では無電解メッキ法、電解メッキ法及び蒸着法等が挙げられるが、如何なる方法でも両者が接着されればよい。
(発泡複合シートと基材との一体成形)
上述したように、本発明の発泡複合シートに基材を積層することが好ましい。基材は成形体の骨格となるものであり、通常、熱可塑性樹脂が用いられる。基材用の熱可塑性樹脂としては、上述したポリオレフィン系樹脂、エチレンとα−オレフィン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル等との共重合体、ABS樹脂、及びポリスチレン樹脂等を適用することができる。
本発明の複合発泡シートに基材を積層する場合は、未発泡樹脂シート側に、基材樹脂を射出して一体成形することが好ましい。これにより、ゲートマークの発生を更に抑制することができる。
基材の射出による複合発泡シートへのダメージを低減するという観点から、基材の射出は、低圧射出成形法(LPM法)により行うことが好ましい。例えば、金属のキャビティ内に配置された複合発泡シートに上記基材を構成する熱可塑性樹脂をLPM法により射出して成形体を得るとよい。特に、本発明の複合発泡シートは、射出成形に起因するゲートマークが生じにくいため、本発明の成形体は外観不良が生じにくい。
本発明の複合発泡シートは、成形中に破れることを抑制でき、また、低温射出成形中にゲートマークが発生することを抑制することができる。本発明のこのような優れた特性から、真空成形等により複合発泡シートを賦形し、その賦形した複合発泡シートを上記射出成形に使用することが好ましい。
本発明の複合発泡シートを成形してなる成形体は、断熱材、クッション材等として使用することができるが、特に自動車分野において、天井材、ドアトリム、インスツルメントパネル、センタークラスター周辺部品等の自動車内装材として好適に使用できる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各物性の測定方法、及び発泡シートの評価方法は以下のとおりである。
(1)密度
発泡シートの密度(見かけ密度)をJIS K 7222に準拠して測定した。
(2)発泡倍率
密度の逆数を発泡倍率とした。
(3)シート及び層の厚み
ダイヤルゲージで計測した。
(4)架橋度
発泡シートから約100mgの試験片を採取し、試験片の質量A(mg)を精秤する。次に、この試験片を120℃のキシレン30cm3中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過して金網上の不溶解分を採取、真空乾燥し、不溶解分の質量B(mg)を精秤する。得られた値から、下記式により架橋度(質量%)を算出した。
架橋度(質量%)=100×(B/A)
(発泡シートの製造)
表1に示す各樹脂成分及び添加剤を、表1に示した部数で単軸押出機に投入して、樹脂温度190℃にて溶融混練して押し出し、所定厚みのシート状の樹脂組成物を得た。このシート状の樹脂組成物の両面に、加速電圧800kVで電子線を1Mradで照射することにより樹脂組成物を架橋した。その後、架橋した樹脂組成物を、熱風オーブンにより250℃で5分間加熱し、その加熱により発泡させて所定厚みの発泡シートとした。結果を下記の表1に示す。
表1に示す樹脂成分及び添加剤の詳細は以下のとおりである。
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂、製品名:2036P、ダウケミカル社製、MFR=2.5g/10分、融点:110〜130℃
ランダムPP:エチレン−プロピレンランダム共重合体、製品名:ノバテックEG7F、日本ポリプロ株式会社製、MFR=1.3g/10分、エチレン量:3質量%、融点:130〜150℃
PPホモポリマー:ポリプロピレンホモポリマー、製品名:ノバテックPP MA3、日本ポリプロ株式会社製、MFR=10g/10分、融点:155〜165℃
発泡剤:アゾジカルボンアミド
架橋助剤:トリメチロールプロパントリメタクリレート
酸化防止剤1:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール
酸化防止剤2:ジラウリルチオジプロピオネート
(複合発泡シートの製造)
第2の樹脂層、第1の樹脂層、及び第3の樹脂層の順に積層した後、245℃で加熱プレス成形して樹脂シートを作製した。なお、樹脂シートが単層である場合、第1の樹脂層をそのまま樹脂シートとして用いた。そして、得られた樹脂シートを発泡シートに積層した後、180℃で加熱プレス成形し、複合発泡シートを製造した。
なお、第1〜3の樹脂層として、以下の樹脂フィルムを用いた。
PP:無延伸ポリプロピレンフィルム、製品名:パイレンフィルム−CT P1128、東洋紡株式会社製、融点:135〜150℃
PA:ナイロン6フィルム、製品名:エンブレム ON−5(厚み:5μm),ON−15(厚み:15μm),ON−25(厚み:25μm)、ユニチカ株式会社製、融点:225℃
[真空成形性評価]
(加熱収縮率)
複合発泡シートの加熱収縮率は、180℃の試験温度及び5分間の加熱時間の条件下で、JIS K7133:1999に準拠して測定した。
(破れ評価)
実施例、比較例の複合発泡シートを、真空成形により成形温度170℃でメス引きによりカップ状に成形して、複合発泡シートの破れ具合を評価した。
<破れ評価>
得られたカップ状成形体について、下記の基準で複合発泡シートの破れ具合を評価した。
6:透け及び破れなし
5:破れはないが若干透けあり
4:破れはないが部分透けあり
3:破れはないが多数透けあり
2:部分破れあり
1:全面破れ
[LPM成形性評価]
(射出成形による基材の形成)
実施例、比較例の複合発泡シートを射出成形金型内に設置した後、基材(ランダムポリプロピレン、日本ポリプロ株式会社製、ノバテックBC4BSW、MFR=5.0g/10分、融点:135〜150℃)を射出して(射出温度:190℃)一体成形を行い、成形体を得た。なお、得られた成形体は、発泡シート/樹脂シート/基材の順に積層したものであった。
得られた成形体を用いて低圧射出成形性(LPM成形性)評価を行った。結果を下記の表1に示す。
<LPM成形性>
得られた成形体の表面外観を目視観察してゲートマークの凹みの有無を調べ、以下の基準で外観を判定した。また、ノギスを用いてゲートマークの凹みの深さも測定した。
(判定基準)
5:ゲートマークの凹みがない。
4:僅かなゲートマークの凹みにより、ゲートのあった位置がわかるものの、実用上問題ないレベルである。
3:ゲートマークの凹みが若干見えるものの、実用上問題がないレベルである。
2:ゲートマークの凹みが若干見え、実用上問題があるレベルである。
1:ゲートマークの凹みがはっきり見え、実用上問題がある。
0:ゲートマークの凹みが深く、実用上問題がある。
表1の実施例1〜4より、180℃の試験温度及び5分間の加熱時間の条件下における加熱収縮率が28%以下である複合発泡シートを用いることにより、ゲートマークの発生を抑制できるとともに、成形中の破れを抑制できることがわかった。比較例1及び2から、ゲートマークの発生を抑制できるような耐熱性を有する発泡シートであっても、成形中に破れが発生することがわかった。そして、実施例2〜4により、そのような発泡シートであっても、発泡シートの一方の面に未発泡樹脂シートを設けて複合発泡シートとし、かつ加熱収縮率を28%以下にすることにより、成形中に破れの発生を抑制できることがわかった。
1,1A,1B 複合発泡シート
10 熱可塑性樹脂発泡シート
20,20A,20B 未発泡樹脂シート
30 第1の樹脂層
40 第2の樹脂層
50 第3の樹脂層

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂発泡シートと、前記熱可塑性樹脂発泡シートの一方の面に設けられた未発泡樹脂シートとを備え、
    180℃の試験温度及び5分間の加熱時間の条件下における加熱収縮率が28%以下である、複合発泡シート。
  2. 前記未発泡樹脂シートの厚さは30〜200μmである、請求項1に記載の複合発泡シート。
  3. 前記未発泡樹脂シートは単層の樹脂シートであり、
    前記未発泡樹脂シートがポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1又は2に記載の複合発泡シート。
  4. 前記未発泡樹脂シートは、第1の樹脂層と前記第1の樹脂層の前記熱可塑性樹脂発泡シート側の面に設けられた第2の樹脂層とを含み、
    前記第1の樹脂層が、185℃以上の融点を有する樹脂を含み、
    前記第2の樹脂層が、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1又は2に記載の複合発泡シート。
  5. 前記185℃以上の融点を有する樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、及びポリエチレンテレフタレート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂である、請求項4に記載の複合発泡シート。
  6. 前記未発泡樹脂シートは、前記第1の樹脂層における前記第2の樹脂層側の面とは反対側の面に設けられた第3の樹脂層をさらに含み、
    前記第3の樹脂層が、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項4又は5に記載の複合発泡シート。
  7. 前記未発泡樹脂シートは無延伸の樹脂フィルムである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合発泡シート。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合発泡シートを成形して得られた成形体。
  9. 自動車内装材である、請求項8に記載の成形体。
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