Patents
Search within the title, abstract, claims, or full patent document: You can restrict your search to a specific field using field names.
Use TI= to search in the title, AB= for the abstract, CL= for the claims, or TAC= for all three. For example, TI=(safety belt).
Search by Cooperative Patent Classifications (CPCs): These are commonly used to represent ideas in place of keywords, and can also be entered in a search term box. If you're searching forseat belts, you could also search for B60R22/00 to retrieve documents that mention safety belts or body harnesses. CPC=B60R22 will match documents with exactly this CPC, CPC=B60R22/low matches documents with this CPC or a child classification of this CPC.
Learn MoreKeywords and boolean syntax (USPTO or EPO format): seat belt searches these two words, or their plurals and close synonyms. "seat belt" searches this exact phrase, in order. -seat -belt searches for documents not containing either word.
For searches using boolean logic, the default operator is AND with left associativity. Note: this means safety OR seat belt is searched as (safety OR seat) AND belt. Each word automatically includes plurals and close synonyms. Adjacent words that are implicitly ANDed together, such as (safety belt), are treated as a phrase when generating synonyms.
Learn MoreChemistry searches match terms (trade names, IUPAC names, etc. extracted from the entire document, and processed from .MOL files.)
Substructure (use SSS=) and similarity (use ~) searches are limited to one per search at the top-level AND condition. Exact searches can be used multiple times throughout the search query.
Searching by SMILES or InChi key requires no special syntax. To search by SMARTS, use SMARTS=.
To search for multiple molecules, select "Batch" in the "Type" menu. Enter multiple molecules separated by whitespace or by comma.
Learn MoreSearch specific patents by importing a CSV or list of patent publication or application numbers.
液滴吐出装置用の液セット
JP2020156460A
Japan
- Other languages
English - Inventor
桃子 塩野入 Momoko Shionoiri 桃子 塩野入 秀和 ▲柳▼沼 秀和 ▲柳▼沼 Hidekazu Yaginuma 千尋 久保 Chihiro Kubo 千尋 久保 崇匡 酒井 Takamasa Sakai 崇匡 酒井 - Current Assignee
- Ricoh Co Ltd
- University of Tokyo NUC
Description
translated from
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本発明の液滴吐出装置用の液セットに用いられるポリエチレングリコールを骨格として有する多分岐型ポリマーは、3つ以上のポリエチレングリコール分岐を有するポリマーであって、互いに架橋して網目構造ネットワークを形成する。特に四分岐型ポリマーは均一な網目構造ネットワークを形成し、四分岐型のポリエチレングリコール骨格を有するゲルは、一般にTetra−PEGゲルとして知られている。Tetra−PEGは、それぞれ側鎖及び/又は末端に求電子性の官能基又は求核性の官能基を有する二種の四分岐型ポリマー間のクロスエンドカップリング反応によって網目構造ネットワークが構築される。
本発明の液滴吐出装置用の液セットにおける液A及び液Bは、ポリエチレングリコールを骨格とする多分岐型ポリマー成分に加えて、適切な緩衝液を含むことが望ましい。例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸・リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、トリス緩衝液、トリス塩酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水、クエン酸・リン酸緩衝生理食塩水、又は各細胞培養用の培地が挙げられる。液Aの緩衝液と液Bの緩衝液は、同じであっても異なっていても良い。また、液Aの緩衝液と液Bの緩衝液は、それぞれ2種以上の緩衝液を混合して用いても良い。
前述のとおり、緩衝液のpH並びに液A及び液Bに含有されるポリエチレングリコールを骨格とする多分岐型ポリマーの濃度を調節することで、ゲル化時間を制御することが可能である。これにより細胞の三次元配置に最適なゲル化時間が得られるよう調整することができる。具体的には、液A及び液BのpHが5以上10以下となるような緩衝液を用いる。また、液A及び液Bに含有されるポリエチレングリコールを骨格とする多分岐型ポリマーの濃度は0.3質量%以上20質量%以下とする。好ましくは液A及び液BのpHが6以上10以下であり、液A及び液Bに含有されるポリエチレングリコールを骨格とする多分岐型ポリマーの濃度は1.7質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
液A及び液Bにおける粘度は、高過ぎると、インクジェットヘッドから吐出できず、液滴吐出装置用の液セットとして適さない。具体的には、液A及び液Bの25℃における粘度は30mPa・s以下とする。
上記求核性官能基と求電子性官能基のモル比は、0.5:1〜1.5:1の範囲内となるように液Aと液Bを混合することが好ましい。当該官能基はそれぞれ1:1で反応して架橋し得るので、混合モル比は1:1に近いほど好ましいが、高い強度のハイドロゲルを得るためには0.8:1〜1.2:1の範囲内であることが特に好ましい。
液A及び液Bのいずれか一方、又は両方に自己組織化生体材料を混合することができる。自己組織化生体材料は、生体由来の材料であり、かつ、他材料との混合やpH、温度等を調整することで組織化する材料のことである。その種類等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、この中でも、細胞の接着因子を含む自己組織化生体材料であれば、本発明の液セットで造形したゲル内において細胞が接着伸展することができる。自己組織化生体材料として、例えば、ジェランガム、アルギン酸カルシウム、アガロース、グァーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、ダイユータンガム、カルボキシメチルセルロース、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、ゼラチン、プロテオフリカン、ヒアルロン酸、エンタクチン、エラスチン、キチン、フィブリノーゲン、セルロース、マトリゲル等が使用できる。マトリゲルは、細胞外マトリクスタンパク質を含むマウス肉腫から抽出した可溶性基底膜調製品であり、主成分として、ラミニン及びコラーゲンの他、ヘパラン硫酸プロテオグリカン等を含む。上記のような自己組織化生体材料は、いずれか1種を単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
液A及び液Bのいずれか一方、又は両方に細胞を懸濁させることができる。細胞は、その種類等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、分類学的に、例えば、真核細胞、原核細胞、多細胞生物細胞、単細胞生物細胞を問わず、全ての細胞を使用することができる。
液A及び液Bは、必要に応じて、その他の成分を含有することができる。その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、培地、架橋剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等が挙げられる。
前記培地は、三次元構造体の造形と維持に必要な成分を含み、乾燥を防ぎ、浸透圧等の外部環境を整える溶液である。前記培地としては、特に制限はなく、公知の培地の中から用途に応じて適宜選択すれば良い。なお、表面が空気に暴露されている皮膚のように、常時培地内に浸しておく必要のない三次元構造体においては、培地を適宜除去しても良い。
上記の液A及び液Bをインクジェットヘッド等の液滴吐出ヘッドから基材上に吐出させ、ゲル化させることにより、三次元構造体を製造することができる。基材としては、細胞の活性や増殖を阻害しないものであれば、その大きさ、形状、構造、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
インクジェット法(液滴吐出法)としては、例えば、オンデマンド方式、コンティニュアス方式等が挙げられる。これらの中でも、コンティニュアス方式は、安定的な吐出状態に至るまでの空吐出があり、液滴量の調整が必要であり、ウェルプレートの各ウェル間を移動する際にも連続的に液滴形成を行い続ける等の理由から、用いる懸濁液のデッドボリュームが多くなる傾向にあるため、上記2つの方式ではオンデマンド方式の方がより好適である。
・緩衝液の調製
緩衝液は、無水リン酸水素二ナトリウム(型番:197−02865、和光純薬株式会社製)1.15gとリン酸二水素ナトリウム0.228g(型番:197−09705、和光純薬株式会社製)を超純水100mlに溶解させることで調製した。pHは7.4であった。
末端にマレイミジル基を有するTetra−PEG−マレイミジル(商品名:SUNBRIGHT PTE−100MA、油化産業株式会社製、重量平均分子量10,000)0.39gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルター(商品名:Minisart Syringe Filter 175497K、sartorius社製)で濾過し、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度が19.5質量%である液Aを調製した。
末端にチオール基を有するTetra−PEG−SH(商品名:SUNBRIGHT PTE−100SH、油化産業株式会社製、重量平均分子量10,000)0.39gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルター(商品名:Minisart Syringe Filter 175497K、sartorius社製)で濾過し、Tetra−PEG−SHの濃度が19.5質量%である液Bを調製した。
インキュベーター(商品名:KM−CC17RU2、パナソニック株式会社製、37℃、5体積%CO2環境)内において、10質量%ウシ胎児血清(以下、「FBS」とも称することがある)及び1質量%抗生物質(Antibiotic−Antimycotic Mixed Stock Solution(100x)、ナカライテスク株式会社製)を含むダルベッコ改変イーグル培地(商品名:DMEM(1X)、Life technologies製、以下、「DMEM」とも称することがある)を用い、100mmディッシュ4枚にて市販の正常ヒト皮膚線維芽細胞(商品名:CC2507、Lonza社製以下、「NHDF」とも称することがある)を72時間培養した。
冷凍保存された緑色蛍光染料(商品名:Cell Tracker Green、Life Technologies社製)を室温(25℃)まで解凍し、10mmol/L(mM)の濃度でジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」とも称することがある)へ溶解させ、FBSなしDMEMと混合し、濃度10μmol/L(μM)の緑色蛍光染料含有FBSなしDMEMを調製した。次に、培養したNHDFのディッシュ4枚に前記緑色蛍光染料含有FBSなしDMEMをディッシュ1枚あたり5mL添加し、インキュベーター内で30分間染色した。その後、アスピレータを用いて上澄みを除去した。ディッシュに、ダルベッコりん酸緩衝生理食塩水(商品名:DPBS(1X)、Life technologies製、以下「DPBS」とも称することがある)をディッシュ1枚あたり5mL加え、アスピレータでDPBSを吸引除去し、表面を洗浄した。DPBSによる洗浄作業を2回繰り返した後、0.05質量%トリプシン−0.05質量%EDTA溶液(life technologies社製)をディッシュ1枚あたり2mL加え、インキュベーター内にて5分間加温し、ディッシュから細胞を剥離した。位相差顕微鏡(装置名:CKX41、オリンパス株式会社製)により細胞の剥離を確認後、FBS入りDMEMをディッシュ1枚あたり4mL加え、トリプシンを失活させた。ディッシュ4枚分の細胞懸濁液を50ml遠沈管1本に移し、遠心分離(商品名:H−19FM、KOKUSAN社製、1.2×103rpm、5分間、5℃)を行い、アスピレータを用いて上清を除去した。除去後、遠沈管にFBS入りDMEMを2mL添加し、穏やかにピペッティングを行い、細胞を分散させ細胞懸濁液を得た。その細胞懸濁液から20μLをエッペンドルフチューブに取り出し、0.4質量%トリパンブルー染色液20μLを加えてピペッティングを行った。染色した細胞懸濁液から20μL取り出してPMMA製プラスチックスライドに乗せ、セルカウンター(商品名:Countess Automated Cell Counter、インビトロジェン社製)を用いて細胞数を計測し、液の細胞数を求めた。
上記染色された細胞懸濁液の一部をエッペンドルフチューブに移し、遠心分離(装置名:miniS pin、エッペンドルフ社製、2.5×103rpm、1分間)を行い、次に、ピペットを用いて上清を除去した。除去後、FBSなしDMEMを添加し、細胞濃度が1×106個/mLの染色された細胞懸濁液を得た。
Sylgard184 SILICONE Elastomer Kit 0.5kg KIT(型番:4019862、DOW SILICONES CORPORATION製)を用いて厚み200μm厚のシリコーンゴム(PDMS)の板を作製した。得られたPDMSを1cm角に切り出した。
上記液A及び液Bにそれぞれヨウ化プロピジウム(PI)溶液(型番:P1304MP、サーモフィッシャーサイエンティフィック製)を8μl添加した。図3のピエゾ方式の吐出ヘッド(ノズル径100μm)を用いて、吐出周波数100Hzで上記基材上の同一箇所に上記PI溶液入りの液Aを50滴吐出し、次に上記PI溶液入りの液Bを50滴吐出し、1秒静置した。上記PI溶液入りの液Aの吐出、PI溶液入りの液Bの吐出、1秒静置の動作を140回繰り返し、上記基材上にドーム形状のゲルを作製した。
図3のピエゾ方式の細胞吐出ヘッド(ノズル径100μm)を用いて、上記のドーム形状のゲルの表面に上記染色された細胞懸濁液を6000滴吐出し、ゲルの表面に細胞3000個を配置した。その後、速やかに3.5cmディッシュの中にマイクロピペットでFBS入りDMEM3mlを添加し、インキュベーター(37℃、5体積%CO2環境)内に入れた。これにより、「表面に細胞を配置したゲル」を作製した。
上記と同様の方法で細胞を培養し、細胞の染色はせずに細胞懸濁液を作製した。
上記の染色なし細胞懸濁液125μlをエッペンドルフチューブに移し遠心分離(2.5×103rpm、1分間)を行い、マイクロピペットを用いて上清を除去した。上記エッペンドルフチューブに、液Aを250μl添加して、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度19.5質量%、細胞濃度5×105個/mlの細胞懸濁した液Aを調製した。
液Aと同様にして、液Bについても上記エッペンドルフチューブに液Bを250μl添加して、Tetra−PEG−SHの濃度19.5質量%、細胞濃度5×105個/mlの細胞懸濁した液Bを調製した。
上記と同様の方法で基材を準備した。ゲルの作製は上記の「ゲル表面への細胞の配置」の液Aを細胞懸濁した液Aに変更し、液Bを細胞懸濁した液Bに変更する以外は同様に実施した。その後、速やかに3.5cmディッシュの中にマイクロピペットでDMEM3ml添加し、インキュベーター(37℃、5体積%CO2環境)内に入れ24時間培養した。これにより、インクジェットヘッドで「細胞がゲル内に三次元積層されているゲル」を作製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、無水リン酸水素二ナトリウム0.76gと無水クエン酸0.43g(型番:030−05525、和光純薬株式会社製)を超純水100mlに溶解させることで調製した。pHは5.2であった。
Tetra−PEG−マレイミジル0.007gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度が0.35質量%である液Aを調製した。
Tetra−PEG−SH0.007gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−SHの濃度が0.35質量%である液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、無水リン酸水素二ナトリウム0.94gと無水クエン酸0.32gを超純水100mlに溶解させることで調製した。pHは6.2であった。
Tetra−PEG−マレイミジル0.036gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度が1.8質量%である液Aを調製した。
Tetra−PEG−SH0.036gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−SHの濃度が1.8質量%である液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、無水リン酸水素二ナトリウム0.86gと無水クエン酸0.38gを超純水100mlに溶解させることで調製した。pHは5.8であった。
Tetra−PEG−マレイミジル0.032gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度が1.6質量%である液Aを調製した。
Tetra−PEG−SH0.032gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−SHの濃度が1.6質量%である液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、水酸化ナトリウム0.11g(型番:1310−73−2、和光純薬株式会社製)とグリシン0.375g(型番:073−00732、和光純薬株式会社製)を超純水100mlに溶解させることで調製した。pHは9.8であった。
実施例1の緩衝液を上記のpHは9.8の緩衝液に変更した以外は、実施例1と同様にして液A及び液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例2と同様に調製した。pHは5.2であった。
実施例1の緩衝液を上記のpHは5.2の緩衝液に変更した以外は、実施例1と同様にして液A及び液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例5と同様に調製した。pHは9.8であった。
実施例2の緩衝液を上記のpHは9.8の緩衝液に変更した以外は、実施例2と同様にして液A及び液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例5と同様に調製した。pHは9.8であった。
実施例3の緩衝液を上記のpH9.8の緩衝液に変更した以外は、実施例3と同様にして液A及び液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例1と同様に調製した。pHは7.4であった。
実施例1において、Tetra−PEG−マレイミジルの重量を0.116gに変更し、Tetra−PEG−SHの重量を0.116gに変更した以外は、実施例1と同様に実施した。これにより、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度5.8質量%の液A、Tetra−PEG−SHの濃度5.8質量%の液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例1と同様に調製した。pHは7.4であった。
実施例1において、Tetra−PEG−マレイミジルの重量を0.124gに変更し、Tetra−PEG−SHの重量を0.124gに変更した以外は、実施例1と同様に実施した。これにより、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度6.2質量%の液A、Tetra−PEG−SHの濃度6.2質量%の液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例2と同様にして調製した。pHは5.2であった。
トロンビン(商品名:Thrombin from bovine Plasma、Sigma―Aldrich社製)が200U/mLになるようにDPBSで希釈し、トロンビン液を調製した。
実施例2と同様にして液A及び液Bを調製した後、液Aにはフィブリノーゲン(商品名:Fibrinogen from bovine plasma、Sigma―Aldrich社製)0.02gを添加してマイクロチューブローテータ(型番:MTR−103、アイリス株式会社製)で溶解させ、液Bには上記トロンビン液を50μl添加した。これにより、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度0.35質量%、フィブリノーゲンの濃度1.0質量%の液Aを調製した。また、Tetra−PEG−SHの濃度0.35質量%、トロンビンの濃度5U/mlの液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例2と同様にして調製した。pHは5.2であった。
実施例2と同様にして液A及び液Bを調製した後、それぞれにマトリゲル原液(型番:354234、Corning製)20μlを添加した。これにより、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度0.35質量%、マトリゲルの濃度0.1質量%の液Aを調製した。また、Tetra−PEG−SHの濃度0.35質量%、マトリゲルの濃度0.1質量%の液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例1と同様にして調製した。pHは7.4であった。
実施例9と同様にして液A及び液Bを調製した後、液Aにはフィブリノーゲン0.02gを添加してマイクロチューブローテータで溶解させ、液Bには実施例11に記載のトロンビン液を50μl添加した。これにより、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度5.8質量%、フィブリノーゲンの濃度1.0質量%の液Aを調製した。また、Tetra−PEG−SHの濃度5.8質量%、トロンビンの濃度5U/mlの液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例1と同様にして調製した。pHは7.4であった。
実施例9と同様にして液A及び液Bを調製した後、それぞれにマトリゲル原液20μlを添加した。これにより、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度5.8質量%、マトリゲルの濃度0.1質量%の液Aを調製した。また、Tetra−PEG−SHの濃度5.8質量%、マトリゲルの濃度0.1質量%の液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例1と同様にして調製した。pHは7.4であった。
実施例10と同様にして液A及び液Bを調製した後、液Aにはフィブリノーゲン0.02gを添加してマイクロチューブローテータで溶解させ、液Bには実施例11に記載のトロンビン液を50μl添加した。これにより、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度6.2質量%、フィブリノーゲンの濃度1.0質量%の液Aを調製した。また、Tetra−PEG−SHの濃度6.2質量%、トロンビンの濃度5U/mlの液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、無水リン酸水素二ナトリウム0.73gと無水クエン酸0.47gを超純水100mlに溶解させることで調製した。pHは5.0であった。
Tetra−PEG−マレイミジル0.006gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度が0.3質量%である液Aを調製した。
Tetra−PEG−SH0.006gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−SHの濃度が0.3質量%である液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例16と同様に調製した。pHは5.0であった。
実施例16において、Tetra−PEG−マレイミジルの重量を0.08gに変更し、Tetra−PEG−SHの重量を0.08gに変更した以外は、実施例16と同様に実施した。これにより、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度4.0質量%の液A、Tetra−PEG−SHの濃度4.0質量%の液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、水酸化ナトリウム0.13gとグリシン0.375gを超純水100mlに溶解させることで調製した。pHは10.0であった。
Tetra−PEG−マレイミジル0.08gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度が4.0質量%である液Aを調製した。
Tetra−PEG−SH0.08gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−SHの濃度が4.0質量%である液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例18と同様に調製した。pHは10.0であった。
実施例18において、Tetra−PEG−マレイミジルの重量を0.006gに変更し、Tetra−PEG−SHの重量を0.006gに変更した以外は、実施例18と同様に実施した。これにより、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度0.3質量%の液A、Tetra−PEG−SHの濃度0.3質量%の液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例1と同様にして調製した。pHは7.4であった。
実施例1に記載のTetra−PEG−マレイミジル、Tetra−PEG−SHの重量をそれぞれ0.40gに変更し、それぞれの液の濃度を20.0質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして液A及び液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例1と同様にして調製した。pHは7.4であった。
実施例1に記載のTetra−PEG−マレイミジル、Tetra−PEG−SHの重量をそれぞれ0.08gに変更し、それぞれの液の濃度を4.0質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして液A及び液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例1と同様にして調製した。pHは7.4であった。
実施例1に記載のTetra−PEG−マレイミジル、Tetra−PEG−SHの重量をそれぞれ0.04gに変更し、それぞれの液の濃度を2.0質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして液A及び液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例1と同様にして調製した。pHは7.4であった。
実施例1に記載のTetra−PEG−マレイミジル、Tetra−PEG−SHの重量をそれぞれ0.02gに変更し、それぞれの液の濃度を1.0質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして液A及び液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例1と同様にして調製した。pHは7.4であった。
実施例1に記載のTetra−PEG−マレイミジル、Tetra−PEG−SHの重量をそれぞれ0.006gに変更し、それぞれの液の濃度を0.3質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして液A及び液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、無水リン酸水素二ナトリウム2.69gと無水リン酸二水素ナトリウム0.13gを超純水100mlに溶解させることで調製した。pHは8.0であった。
Tetra−PEG−マレイミジル0.08gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度が4.0質量%である液Aを調製した。
Tetra−PEG−SH0.08gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−SHの濃度が4.0質量%である液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例25と同様にして調製した。pHは8.0であった。
実施例25に記載のTetra−PEG−マレイミジル、Tetra−PEG−SHの重量をそれぞれ0.006gに変更し、それぞれの液の濃度を0.3質量%に変更した以外は、実施例25と同様にして液A及び液Bを調製した。
・液A及び液Bの調製
実施例22の緩衝液をDMEMに変更する以外は、実施例22と同様にして液A及び液Bを調製した。pHは7.4であった。
・液A及び液Bの調製
実施例23の緩衝液をDMEMに変更する以外は、実施例23と同様にして液A及び液Bを調製した。pHは7.4であった。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例1と同様にして調製した。pHは7.4であった。
実施例22と同様にして液A及び液Bを調製した後、液Aにはフィブリノーゲン0.002gを添加してマイクロチューブローテータで溶解させ、液Bには実施例11に記載のトロンビン液を50μl添加した。これにより、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度2.0質量%、フィブリノーゲンの濃度0.1質量%の液Aを調製した。また、Tetra−PEG−SHの濃度2.0質量%、トロンビンの濃度5U/mlの液Bを調製した。
・液A及び液Bの調製
実施例29のフィブリノーゲンの添加量を0.02gに変更する以外は、実施例29と同様にして液A及び液Bを調製した。これにより、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度2.0質量%、フィブリノーゲンの濃度1.0質量%の液Aを調製した。また、Tetra−PEG−SHの濃度2.0質量%、トロンビンの濃度5U/mlの液Bを調製した。
・液A及び液Bの調製
実施例29のフィブリノーゲンの添加量を0.03gに変更する以外は、実施例29と同様にして液A及び液Bを調製した。これにより、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度2.0質量%、フィブリノーゲンの濃度1.5質量%の液Aを調製した。また、Tetra−PEG−SHの濃度2.0質量%、トロンビンの濃度5U/mlの液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例1と同様にして調製した。pHは7.4であった。
実施例22と同様にして液A及び液Bを調製した後、それぞれにマトリゲル原液10μlを添加した。これにより、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度2.0質量%、マトリゲルの濃度0.05質量%の液Aを調製した。また、Tetra−PEG−SHの濃度2.0質量%、マトリゲルの濃度0.05質量%の液Bを調製した。
・液A及び液Bの調製
実施例32のマトリゲル原液の添加量を20μlに変更する以外は、実施例32と同様にして液A及び液Bを調製した。これにより、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度2.0質量%、マトリゲルの濃度0.1質量%の液Aを調製した。また、Tetra−PEG−SHの濃度2.0質量%、マトリゲルの濃度0.1質量%の液Bを調製した。
・液A及び液Bの調製
実施例32のマトリゲル原液の添加量を200μlに変更する以外は、実施例32と同様にして液A及び液Bを調製した。これにより、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度2.0質量%、マトリゲルの濃度1.0質量%の液Aを調製した。また、Tetra−PEG−SHの濃度2.0質量%、マトリゲルの濃度1.0質量%の液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例1と同様にして調製した。pHは7.4であった。
実施例1に記載のTetra−PEG−マレイミジル、Tetra−PEG−SHの重量をそれぞれ0.41gに変更し、それぞれの液の濃度を20.5質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして液A及び液Bを調製した。
・アルギン酸ナトリウム水溶液の調製
アルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンSKAT−ONE、株式会社キミカ製)1.5gを超純水100mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルター(商品名:Minisart Syringe Filter 175497K、sartorius社製)で濾過し、濃度1.5質量%のアルギン酸ナトリウム水溶液を調製した。このアルギン酸ナトリウム水溶液を液Aとして用いた。
塩化カルシウム(型番:192−13925、和光純薬工業株式会社製)0.584gを超純水100mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルター(商品名:Minisart Syringe Filter 175497K、sartorius社製)で濾過し、濃度0.58質量%の塩化カルシウム水溶液を調製した。この塩化カルシウム水溶液を液Bとして用いた。
・アルギン酸ナトリウム水溶液及び塩化カルシウム水溶液の調製
比較例2に記載のアルギン酸ナトリウムの重量を2.0gに変更し、アルギン酸ナトリウム水溶液の濃度を2.0質量%に変更した以外は、比較例2と同様にしてアルギン酸ナトリウム水溶液(液A)、塩化カルシウム水溶液(液B)を調製した。
実施例1と同様の方法で基材を準備した。マイクロピペットで基材の上に液Aを3.5μl滴下した。さらに、前記液滴の上にマイクロピペットで液Bを3.5μl滴下し、数回ピペッティングをしてゲルを作製した。その後、速やかに3.5cmディッシュの中にマイクロピペットでDMEMを3ml添加し、インキュベーター(37℃、5体積%CO2環境)内に入れ24時間培養した。これにより、手作業で「細胞がゲル内に三次元積層されているゲル」を作製した。
・フィブリノーゲン液の調製
フィブリノーゲン0.01gをDPBS1mlに添加し、マイクロチューブローテータで溶解させ、濃度1.0質量%のフィブリノーゲン液を調製した。このフィブリノーゲン液を液Aとして用いた。
DPBS900μlに実施例11に記載の濃度200U/mlのトロンビン液を100μl添加し、濃度20U/mlのトロンビン液を調製した。このトロンビン液を液Bとして用いた。
・フィブリノーゲン液及びトロンビン液の調製
比較例4におけるフィブリノーゲンの重量を0.02gに変更した以外は、比較例4と同様にしてフィブリノーゲン液(液A)、及びトロンビン液(液B)を調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、無水リン酸水素二ナトリウム0.70gと無水クエン酸0.49gを超純水100mlに溶解させることで調製した。pHは4.8であった。
Tetra−PEG−マレイミジル0.005gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度が0.25質量%である液Aを調製した。
Tetra−PEG−SH0.005gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−SHの濃度が0.25質量%である液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、無水リン酸水素二ナトリウム0.50gと無水クエン酸0.62gを超純水100mlに溶解させることで調製した。pHは3.8であった。
Tetra−PEG−マレイミジル0.014gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度が0.7質量%である液Aを調製した。
Tetra−PEG−SH0.014gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−SHの濃度が0.7質量%である液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、水酸化ナトリウム0.15gとグリシン0.375gを超純水100mlに溶解させることで調製した。pHは10.4であった。
Tetra−PEG−マレイミジル0.39gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度が19.5質量%である液Aを調製した。
Tetra−PEG−SH0.39gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−SHの濃度が19.5質量%である液Bを調製した。
・緩衝液の調製
緩衝液は、実施例4と同様にして調製した。pHは5.8であった。
Tetra−PEG−マレイミジル0.005gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−マレイミジルの濃度が0.25質量%である液Aを調製した。
Tetra−PEG−SH0.005gを上記の緩衝液2mlに溶解後、平均孔径0.2μmフィルターで濾過し、Tetra−PEG−SHの濃度が0.25質量%である液Bを調製した。
・マトリゲル液の調製
マトリゲル原液0.2gを実施例1に記載の緩衝液20mlに溶解させ、濃度1.0質量%のマトリゲル液を調製した。このマトリゲル液を液A及び液Bとして用いた。
・マトリゲル液の調製
マトリゲル原液0.4gを実施例1に記載の緩衝液20mlに溶解させ、濃度2.0質量%のマトリゲル液を調製した。このマトリゲル液を液A及び液Bとして用いた。
インクジェットヘッドによる吐出が可能な液の粘度上限を調べるため、実施例1、11〜15、20及び29〜34、並びに比較例1〜5及び10〜11の液Aと液Bの粘度を測定した。実施例2〜10、16〜19及び21〜28、比較例6〜9の液Aと液BはTetra−PEG−マレイミジル又はTetra−PEG−SHの濃度が20質量%以下であることから、実施例1の粘度以下であることが明白であるため測定は実施しなかった。測定を実施しない実施例及び比較例については、表1における該当する欄に「−」を付している。
・装置:Physica MCR301
・コーンプレート:CP50−1
・温度:25℃
・液量:1ml
・変数:せん断速度
・変数条件:対数昇降
・変数範囲:1〜1000/s
・測定点:13点
・測定間隔:10秒で固定
インクジェットヘッドによる吐出が可能な液の粘度上限を調べるため、産業用インクジェットヘッド(商品名:MH2420、リコーインダストリー株式会社製)及び図3のピエゾ方式の吐出ヘッド(ノズル径100μm)を用い、実施例1〜34、比較例1〜11の液A及び液Bの吐出性を評価した。各液においてヘッドノズルから滴下されるインクの液滴を観察した。
上記のインクジェットヘッドによる液の吐出評価で吐出可能であった実施例1〜34及び比較例2、4、6〜10について、液の細胞への毒性を評価するため、各インク液に細胞を2時間浸漬した後の細胞の生存率をWST−1アッセイで算出した。
インクジェットヘッドによるインクの吐出評価で吐出可能であった実施例1〜34及び比較例2、4、6〜10において、三次元配置が可能であるか否か、すなわち細胞を任意の位置に配置可能であるか否かについて評価した。
インクジェットヘッドによる液の吐出が可能であり、液の細胞への毒性がなく、細胞の三次元配置が可能な実施例1〜34及び比較例2、8において、ゲルの造形精度評価として、造形したドーム形状のゲルのアスペクト比を算出した。
インクジェットヘッドによる液の吐出が可能であり、液の細胞への毒性がなく、細胞の三次元配置が可能な実施例1〜34及び比較例2、8において、ゲルの形状維持評価を実施した。
インクジェットヘッドによる液の吐出が可能であり、液の細胞への毒性がなく、細胞の三次元配置が可能で、形状維持が可能であった実施例1〜34において、それぞれ24時間、72時間後、168時間培養後の三次元構造体、すなわち「表面に細胞を配置したゲル」の表面に配置された細胞の形態評価を実施した。また、参考として、形状維持評価において、形状維持ができずに全細胞の1/4以上の細胞がゲルの表面から離脱してしまった比較例2について、24時間培養後の試料のみ同様に評価を実施した。72時間後、168時間後は三次元構造が壊れていたため評価を実施しなかった。
インクジェットヘッドによる液の吐出が可能であり、液の細胞への毒性がなく、細胞の三次元配置が可能で、形状維持が可能であった実施例1〜34において、「細胞がゲル内に三次元積層されているゲル」内の細胞の生存可否を評価した。また、参考として、形状維持評価において、形状維持ができずに全細胞の1/4以上の細胞がゲルの表面から離脱してしまった比較例2についても同様の評価を実施し、インクジェットヘッドで吐出不可であった比較例3についても、手作業で作製した「細胞がゲル内に三次元積層されているゲル」を用いて同様の評価を実施した。ゲル内の細胞の生存率算出はLIVE/DEAD染色により、三次元積層を破壊せずに算出した。
FBS入りDMEM60mlにPI溶液を30μl、Hoechst33342(型番:H3570、life technologies製)を12μl添加し、LIVE/DEAD染色用の培地を作製した。
実施例1〜34及び比較例2、比較例3の「細胞がゲル内に三次元配置されているゲル」を24時間培養後、3.5cmディッシュの中のFBS入りDMEM3mlを上記の生存率評価用の培地3mlと置換し、再びインキュベーター(37℃、5体積%CO2環境)内で1時間培養した。培養1時間後、ゲル内の細胞を共焦点顕微鏡で観察し、その三次元画像をTIFFファイルで保存した。比較例2及び比較例3は、24時間の培養中に基材から浮遊し、ゲルの大きさは作製直後の半分程度に減少していたが、同様に生存率を算出した。
上記TIFFファイルを画像処理ソフトMetaMorph(モレキュラーデバイスジャパン株式会社製)を用いてスタック形式に変換し、画像処理ソフトImageJを用いて色別に分離した。得られた赤色と青色の画像をそれぞれ2値化し、ノイズ除去及び凝集細胞の分離処理を施した。処理した各画像を再びMetaMorphを用いてZ軸補正し、細胞数をカウントした。PI溶液で染色された細胞を死細胞、Hoechst33342で染色された細胞を全細胞として、生存率(%)は1−(死細胞数)×100/(全細胞数)で算出した。図7は実施例13の死細胞を4D Viewerで表示した画像である。図8は実施例13の全細胞を4D Viewerで表示した画像である。
三次元積層内の細胞の生存率が90%以上であれば◎、75%以上90%未満であれば〇、75%未満であれば×とした。結果を表1に示す(表1中の「生存率」の欄を参照)。
インクジェットヘッドによる液の吐出が可能であり、液の細胞への毒性がなく、細胞の三次元配置が可能で、形状維持が可能であり、三次元積層内で細胞の生存が可能であった実施例1〜34において、24時間培養後の「細胞がゲル内に三次元積層されているゲル」内の細胞形態を評価した。
FBS入りDMEM60mlにCalcein、AM(型番:L3224、life technologies製)を12μl添加し、細胞形態評価用の培地を作製した。
上記の三次元積層内の生存率評価における生存率算出後に、3.5cmディッシュの中の生存率算出用の培地3mlを上記の細胞形態評価用の培地3mlに置換し、再びインキュベーター(37℃、5体積%CO2環境)内で1時間培養した。培養1時間後、三次元積層内の細胞の形態を共焦点顕微鏡で観察した。図9、図10は、それぞれ実施例13、15の三次元積層内の細胞を上側から観察した画像である。
ほぼ全ての細胞が伸展していればA、半数以上の細胞が伸展していればB、伸展していなければCとした。伸展の有無は細胞の仮足が見えていれば伸展しているものと判断した。結果を表1に示す(表1中の「細胞形態2」の欄を参照)。
<1>3以上の分岐を有し、該分岐が側鎖及び/又は末端に1以上の求電子性官能基を有するポリエチレングリコールを骨格として有する、多分岐型ポリマーAを含む液Aと、3以上の分岐を有し、該分岐が側鎖及び/又は末端に1以上の求核性官能基を有するポリエチレングリコールを骨格として有する、多分岐型ポリマーBを含む液Bと、を備える液滴吐出装置用の液セットであって、前記液A及び前記液BのpHが5以上10以下であり、前記液A及び前記液Bにおける前記多分岐型ポリマーの濃度が0.3質量%以上20質量%以下である、前記液滴吐出装置用の液セット。
<2>前記求電子性官能基が、マレイミジル基、N−ヒドロキシ−スクシンイミジル(NHS)基、スルホスクシンイミジル基、フタルイミジル基、イミダゾイル基、アクリロイル基、及びニトロフェニル基よりなる群から選択され、前記求核性官能基が、チオール基、アミノ基、及び−CO2PhNO2よりなる群から選択される上記<1>に記載の液滴吐出装置用の液セット。
<3>前記多分岐型ポリマーA及びBが共に四分岐型ポリマーである上記<1>又は<2>に記載の液滴吐出要の液セット。
<4>前記求電子性官能基がマレイミジル基であり、前記求核性官能基がチオール基である、上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載の液滴吐出装置用の液セット。
<5>前記液A及び前記液Bの25℃における粘度が30mPa・s以下である上記<1>〜<4>のいずれか一項に記載の液滴吐出装置用の液セット。
<6>前記液A及び前記液Bにおける前記多分岐型ポリマーの濃度が0.3質量%以上6.0質量%以下である上記<1>〜<5>のいずれか一項に記載の液滴吐出装置用の液セット。
<7>前記液A及び前記液Bにおける前記多分岐型ポリマーの濃度が0.3質量%以上4.0質量%以下である上記<1>〜<6>のいずれか一項に記載の液滴吐出装置用の液セット。
<8>前記液A及び前記液BのpHが6以上10以下であり、前記液A及び前記液Bにおける前記多分岐型ポリマーの濃度が1.7質量%以上20質量%以下である上記<1>〜<5>のいずれか一項に記載の液滴吐出装置用の液セット。
<9>前記液A及び前記液Bのいずれか一方、又は両方に自己組織化生体材料が混合されている上記<1>〜<8>のいずれか一項に記載の液滴吐出装置用の液セット。
<10>前記自己組織化生体材料が、ラミニン及びコラーゲンを含むゲル、フィブリノーゲン、ゼラチン及びエラスチンからなる群から選択される一種以上である上記<9>に記載の液滴吐出装置用の液セット。
<11>前記液A及び前記液Bのいずれか一方、又は両方に細胞が懸濁されている上記<1>〜<10>のいずれか一項に記載の液滴吐出装置用の液セット。
10B 吐出ヘッド
11a、11b、11c、11B 液室壁
12c、12B メンブレン
13a 電動機
13b、13c、13B 圧電素子
20 駆動手段
30 高速カメラ
60 ストロボ照明装置
70 制御手段
111a、111b、111c、121 ノズル
112 電磁弁
115 大気開放部
130’ 液滴
300、300a、300b、300c 液
350 細胞
Claims (11)
Hide Dependent
translated from
- 3以上の分岐を有し、該分岐が側鎖及び/又は末端に1以上の求電子性官能基を有するポリエチレングリコールを骨格として有する、多分岐型ポリマーAを含む液Aと、
3以上の分岐を有し、該分岐が側鎖及び/又は末端に1以上の求核性官能基を有するポリエチレングリコールを骨格として有する、多分岐型ポリマーBを含む液Bと、
を備える液滴吐出装置用の液セットであって、
前記液A及び前記液BのpHが5以上10以下であり、
前記液A及び前記液Bにおける前記多分岐型ポリマーの濃度が0.3質量%以上20質量%以下である、前記液滴吐出装置用の液セット。 - 前記求電子性官能基が、マレイミジル基、N−ヒドロキシ−スクシンイミジル(NHS)基、スルホスクシンイミジル基、フタルイミジル基、イミダゾイル基、アクリロイル基、及びニトロフェニル基よりなる群から選択され、
前記求核性官能基が、チオール基、アミノ基、及び−CO2PhNO2よりなる群から選択される請求項1に記載の液滴吐出装置用の液セット。 - 前記多分岐型ポリマーA及びBが共に四分岐型ポリマーである請求項1又は2に記載の液滴吐出装置用の液セット。
- 前記求電子性官能基がマレイミジル基であり、前記求核性官能基がチオール基である請求項1〜3のいずれか一項に記載の液滴吐出装置用の液セット。
- 前記液A及び前記液Bの25℃における粘度が30mPa・s以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の液滴吐出装置用の液セット。
- 前記液A及び前記液Bにおける前記多分岐型ポリマーの濃度が0.3質量%以上6.0質量%以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の液滴吐出装置用の液セット。
- 前記液A及び前記液Bにおける前記多分岐型ポリマーの濃度が0.3質量%以上4.0質量%以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載の液滴吐出装置用の液セット。
- 前記液A及び前記液BのpHが6以上10以下であり、前記液A及び前記液Bにおける前記多分岐型ポリマーの濃度が1.7質量%以上20質量%以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の液滴吐出装置用の液セット。
- 前記液A及び前記液Bのいずれか一方、又は両方に自己組織化生体材料が混合されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の液滴吐出装置用の液セット。
- 前記自己組織化生体材料が、ラミニン及びコラーゲンを含むゲル、フィブリノーゲン、ゼラチン及びエラスチンからなる群から選択される一種以上である請求項9に記載の液滴吐出装置用の液セット。
- 前記液A及び前記液Bのいずれか一方、又は両方に細胞が懸濁されている請求項1〜10のいずれか一項に記載の液滴吐出装置用の液セット。