JP2020155402A - 配線部材及び複合ハーネス - Google Patents

配線部材及び複合ハーネス Download PDF

Info

Publication number
JP2020155402A
JP2020155402A JP2019207776A JP2019207776A JP2020155402A JP 2020155402 A JP2020155402 A JP 2020155402A JP 2019207776 A JP2019207776 A JP 2019207776A JP 2019207776 A JP2019207776 A JP 2019207776A JP 2020155402 A JP2020155402 A JP 2020155402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
bending
main body
electric wires
bent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019207776A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7383993B2 (ja
Inventor
裕信 山本
Hironobu Yamamoto
裕信 山本
盛行 清水
Moriyuki Shimizu
盛行 清水
利成 小林
Toshinari Kobayashi
利成 小林
京佑 金
Kyungwoo Kim
京佑 金
元寿 寺坂
Motoju Terasaka
元寿 寺坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Wiring Systems Ltd filed Critical Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority to CN202010127108.2A priority Critical patent/CN111696707B/zh
Priority to US16/818,393 priority patent/US11005242B2/en
Publication of JP2020155402A publication Critical patent/JP2020155402A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7383993B2 publication Critical patent/JP7383993B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Insulated Conductors (AREA)
  • Processing Of Terminals (AREA)
  • Cable Accessories (AREA)

Abstract

【課題】配線部材を曲った状態でより確実に保持できるようにすることを目的とする。【解決手段】配線部材10は、電線20、21と、樹脂成形部30とを備える。電線20、21は、曲げ経路に沿って配設される曲げ部を含む。樹脂成形部30は、本体部32と、曲げ補強部38とを含む。本体部32は、電線20、21のうち曲げ部を覆う。曲げ補強部38は、本体部32の外周に曲げ部の延在方向に沿うように突出して延在する。【選択図】図1

Description

本開示は、配線部材及び複合ハーネスに関する。
特許文献1は、1本の本線路と、本線路の先端部から分岐した2本の分岐路と、外装体と、止水部材と、樹脂成形体とを備えた導電路を開示している。本線路は、シース内に複数本の電線を一括して埋設して構成されている。複数本の電線の先端側部分は、シースの先端面から外部へ露出して2本の分岐路を構成している。外装体は、略円筒状に形成され、各分岐路のうち先端側の領域を包囲している。止水部材は、外装体の基端部の開口部と電線との隙間を封止している。樹脂成形体は、モールド成形により、本線路の先端部、2本の分岐路の基端部、2つの止水部材、及び2つの外装体の基端部と一体化された単一部材である。分岐部分において、一方の分岐路は本線路に対して直線状に延出しており、他方の分岐路は本線路に対して曲って延出している。
特開2017−98143号公報 特開昭63−166507号公報
特許文献1によると、他方の分岐路が本線路に対して曲った状態は、樹脂成形体によって保持されている。
しかしながら、本線路から他方の分岐路に向けて延出する電線の初期形状は、通常、直線又は直線に近い初期形状を有している。このため、電線が初期形状、例えば、直線に近い状態に復帰しようとする力を生じさせることがある。この場合、樹脂成形体は、他方の分岐路が本線路に対して曲った状態を保つことが困難となる。
そこで、本開示は、配線部材を曲った状態でより確実に保持できるようにすることを目的とする。
本開示の配線部材は、曲げ経路に沿って配設される曲げ部を含む電線と、前記電線のうち前記曲げ部を覆う本体部と、前記本体部の外周に前記曲げ部の延在方向に沿うように突出して延在する曲げ補強部とを含む樹脂成形部と、を備える。
本開示によれば、曲げ補強部によって、本体部及び本体部で覆われた曲げ部が曲った状態でより確実に保持される。
図1は実施形態1に係る配線部材を示す側面図である。 図2は図1のII−II線断面図である。 図3は図1のIII−III線断面図である。 図4は図1のIV−IV線断面図である。 図5は配線部材における樹脂成形部を省略した状態を示す側面図である。 図6は実施形態2に係る配線部材を示す側面図である。 図7は図6のVII−VII線断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の配線部材は、次の通りである。
(1)曲げ経路に沿って配設される曲げ部を含む電線と、前記電線のうち前記曲げ部を覆う本体部と、前記本体部の外周に前記曲げ部の延在方向に沿うように突出して延在する曲げ補強部とを含む樹脂成形部と、を備える配線部材である。これにより、曲げ補強部によって、本体部及び本体部で覆われた曲げ部が曲った状態でより確実に保持される。
(2)前記曲げ補強部は、前記本体部の曲げ形状の内周側に設けられていてもよい。曲げ部が直線状態に戻ろうとする力によって、本体部にも直線状態に戻ろうとする力が作用する。曲げ補強部が、本体部の曲げ形状の内周側に設けられていると、その力は、曲げ補強部に対して引張り力として作用する。曲げ補強部は、圧縮した場合よりも引張った場合の方が変形し難いと考えられるため、本体部及び曲げ部が曲った状態でより確実に保持される。
(3)前記電線を複数含み、前記複数の電線を覆うシースをさらに備え、前記シースの端部から前記複数の電線が延出して複数に分岐しており、前記樹脂成形部は、前記シースの端部と、前記シースの端部から分岐する前記複数の電線の基端部とを覆っていてもよい。樹脂成形部によって、電線が分岐する部分が止水される。また、その近傍で、電線が曲げた状態で保持される。
(4)前記樹脂成形部に、固定対象箇所への固定部材が設けられていてもよい。これにより、固定対処箇所への固定部分から、電線が曲げられた状態で保持される。
(5)前記本体部は、曲った状態で延在して前記曲げ部を覆う曲げ覆い部を含み、前記固定部材は、前記曲げ覆い部に設けられていてもよい。この場合、電線のうち曲げ部が固定部材を利用して固定対象箇所に固定され得る。これにより、配線部材のレイアウト自由度が向上する。
(6)前記固定部材は、固定対象箇所に固定される第1固定部と、前記樹脂成形部に固定される第2固定部とを含み、前記第2固定部は、前記樹脂成形部に埋った状態で設けられていてもよい。これにより、固定部材が樹脂成形部にしっかりと固定される。
(7)前記第2固定部は、前記電線と交差する方向に沿った姿勢で前記樹脂成形部に埋っており、一端部が前記樹脂成形部から外側に延び出る前記第1固定部と繋がっている第2固定本体部と、前記第2固定本体部の他端部から前記第2固定本体部及び前記電線と交差する方向に突出して前記樹脂成形部内で前記電線と対向する止め部と、を含み、前記止め部と前記電線との間の少なくとも一部に樹脂が介在していてもよい。この場合、止め部によって固定部が樹脂成形部から抜けることが抑制される。前記止め部と前記電線との間の少なくとも一部に樹脂が介在しているため、電線は、止め部の形状に制約されずに所望の形状に曲った状態に保たれる。
(8)前記第2固定部は、前記樹脂成形部を形成する前の状態で、前記電線を複数方向から位置規制する複数の規制面を含んでいてもよい。これにより、前記樹脂成形部を形成する前の状態で、複数の規制面によって前記電線が複数方向から位置規制されるため、電線が樹脂成形部から外に露出し難い。
(9)配線部材は、前記電線として複数種類の電線を含む複合ハーネスであってもよい。複数種類の電線を含む複合ハーネスにおいて、曲げ補強部によって、本体部及び本体部で覆われた曲げ部が曲った状態でより確実に保持される。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の配線部材及び複合ハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態1]
以下、実施形態1に係る配線部材について説明する。図1は配線部材10を示す側面図であり、図2は図1のII−II線断面図であり、図3は図1のIII−III線断面図であり、図4は図1のIV−IV線断面図であり、図5は配線部材10の樹脂成形部を省略した状態を示す側面図である。
配線部材10は、電線20、21、22、23と、樹脂成形部30とを備える。
配線部材10は、単一の電線を備えていてもよいし、複数の電線20、21、22、23を備えていてもよい。ここでは、配線部材10が、複数の電線20、21、22、23を備える例で説明する。
電線20、21は、芯線と、芯線の周囲を覆う被覆とを備える。芯線は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等によって形成された導電線である。芯線は、単線であってもよいし、撚り合せ線であってもよい。被覆は、樹脂等によって形成された絶縁被覆であり、芯線の周囲に樹脂を押出被覆等することによって形成される。被覆は、例えば、ポリエチレンによって形成される。例えば、電線20、21は、電力を伝達する電源線である。例えば配線部材10が車載される場合、電線20、21はEPB(Electric Parking Brake:電動パーキングブレーキ)、或はEMB(Electro-Mechanical Brake:電子機械ブレーキシステム)に対して電力を供給する電源線であってもよい。
電線22、23は、電線20、21と同様に、芯線と、芯線の周囲を覆う被覆(例えば、ポリエチレンによって形成される)とを備える。例えば、電線22、23は、信号の伝達を行う信号線である。例えば配線部材10が車載される場合、電線22、23はABS(Anti-Lock Brake System:アンチロックブレーキシステム)において、車輪の速度を検出するためのセンサ60からの信号を伝達する信号線であってもよい。図1、図5では、電線22、23の先端部にセンサ60が取付けられた例が示されている。
本配線部材10は、複数種類の電線を含む複合ハーネスとして使用されてもよい。上記のように、電線20、21が電源線であり、電線22、23が信号線であれば、配線部材10は、電源線(電線20、21)及び信号線(電線22、23)を含む複合ハーネスである。特に、配線部材10が電気ブレーキ用の電源線(電線20、21)及び車速検出用の信号線(電線22、23)を含む場合、配線部材10はブレーキ用の複合ハーネスである。
複数の電線20、21、22、23の周囲は、シース24によって覆われている。シース24は、樹脂等によって形成された絶縁被覆であり、複数の電線20、21、22、23の周囲に樹脂を押出被覆等することによって形成される。シース24は、例えば、ポリウレタンによって形成される。シース24は省略されてもよい。
シース24は、複数の電線20、21、22、23の一端寄りの部分(図5の左寄りの部分)を覆っている。シース24は、複数の電線20、21、22、23の延在方向中間の位置で、複数の電線20、21、22、23を露出させる端部25を有している。複数の電線20、21、22、23は、シース24が設けられた部分では当該シース24によって1つに束ねられた形態となっている。
複数の電線20、21、22、23は、シース24の端部25から延出し、複数に分岐している。ここでは、複数の電線20、21、22、23は、電線20、21と、電線22、23との2つに分岐している。
以下の説明において、上記電線20、21、22、23のうち一端寄りの部分においてシース24によって束ねられた部分が幹線部26と表記される場合がある。また、電線20、21、22、23のうちシース24の端部25から延出して一方に分岐した電線20、21の部分が第1分岐部27と表記され、他方に分岐した電線22、23の部分が第2分岐部28と表記される場合がある。
なお、ここでは、第2分岐部28にチューブ等の外装部材29が被せられている。外装部材29は、同一形状部分が続く樹脂製のチューブであってもよいし、細径部と太径部とが交互に連なるコルゲートチューブであってもよいし、螺旋巻された粘着テープであってもよい。外装部材29は省略されてもよい。また、第1分岐部27に外装部材が被せられてもよい。
本配線部材10は、車両等において曲った経路に沿って配設されることが想定されている。このため、電線20、21、22、23は、曲げ経路に沿って配設される第1曲げ部11V、第2曲げ部12V、第3曲げ部13Vを含む(図5参照)。ここでは、上記幹線部26のうちシース24の端部25に連続する部分が第1曲げ部11Vである。第1曲げ部11Vは、電線20、21、22、23が分岐せずに曲りつつ延在する部分である。第1分岐部27のうちシース24の端部25から延出する部分が第2曲げ部12Vである。第2曲げ部12Vは、第1曲げ部11Vに対して緩やかな曲線を描くように連続している。第2分岐部28のうち幹線部26に繋がり当該幹線部26から第1分岐部27から離れて外方に向うように曲る部分が第3曲げ部13Vである。第3曲げ部13Vは、電線20、21、22、23が途中で分岐する場合に、一部の電線22、23が、元の電線20、21、22、23から曲って延在する部分である。
配線部材10がどのような形状で曲げられるかについては、配線部材10の端部の取付先となる部分の位置関係、配線部材10が配設される部分の干渉物のレイアウト等によって決定される。
樹脂成形部30は、本体部32と、曲げ補強部38とを備える。樹脂成形部30は、例えば、ポリウレタンによって形成される。
本体部32は、電線20、21、22、23のうち曲げ部11V、12V、13Vを覆う。本体部32は、電線20、21、22、23が曲って配設される部分の全てを覆っている必要はなく、曲って配設される部分の少なくとも一部を覆っていればよい。
ここでは、本体部32は、シース24の端部25と、当該シース24の端部25から分岐する複数の電線20、21、22、23の基端部とを覆っている。つまり、本体部32は、幹線覆い部33と、第1分岐覆い部34と、第2分岐覆い部35とを備える。幹線覆い部33は、幹線部26のうちシース24の端部25寄りの部分を覆う。第1分岐覆い部34は、第1分岐部27のうちシース24の端部25寄りの部分を覆う。第2分岐覆い部35は、第2分岐部28のうちシース24の端部25寄りの部分を覆う。
幹線覆い部33は、曲げ覆い部33aと、直線覆い部33bとを備える。曲げ覆い部33aは、曲った状態で延在し、幹線部26のうちシース24の端部25に近い第1曲げ部11Vを覆う。直線覆い部33bは、曲げ覆い部33aと連続して直線状に延在し、幹線部26のうちシース24の端部25から離れた部分を覆う。曲げ覆い部33aによって、幹線部26の第1曲げ部11Vが曲った状態に保持される。直線覆い部33bによって、幹線部26のうち第1曲げ部11Vに連続する部分が直線状に保持される。
幹線覆い部33には、固定部取付部33dが形成されている。ここでは、幹線覆い部33のうち曲げ覆い部33aと直線覆い部33bとの境界部分に固定部取付部33dが形成されている。固定部取付部33dについては後述する。幹線覆い部33は、固定部取付部33dが形成された部分を除いて、円管状に形成されているが、この構成とされていることは必須ではなく、角筒状等に形成されていてもよい。
第1分岐覆い部34は、曲げ覆い部34aと、直線覆い部34bとを備える。
曲げ覆い部34aは、幹線覆い部33の曲げ覆い部33aと連続して曲った状態で延在し、第1分岐部27のうちシース24の端部25から延出する第2曲げ部12Vを覆う。曲げ覆い部34aは、偏平な円管形状に形状とされているが、これは必須ではなく、円管状に形成されていてもよいし、角筒状に形成されていてもよい。
直線覆い部34bは、曲げ覆い部34aと連続して直線状に延在し、第1分岐部27のうちシース24の端部25から延出して離れた部分を覆う。ここでは、直線覆い部34bは、曲げ覆い部34aよりも細い円管状に形成されているが、かかる構成とされていることは必須ではない。直線覆い部34bは、曲げ覆い部34aと同じ太さであってもよい。直線覆い部34bは、角筒状に形成されていてもよい。
曲げ覆い部34aによって、第1分岐部27の第2曲げ部12Vが曲った状態に保持される。直線覆い部34bによって、第1分岐部27のうち第2曲げ部12Vに連続する部分が直線状に保持される。
第2分岐覆い部35は、幹線覆い部33と第1分岐覆い部34との境界部分から外方に向うように延出している。より具体的には、第2分岐覆い部35は、幹線覆い部33と第1分岐覆い部34との境界部分から第1分岐覆い部34に向うにつれて当該第1分岐覆い部34から順次離れる方向に向うように延出している。この第2分岐覆い部35が、第2分岐部28が幹線部26から曲った方向に向うように、第2分岐部28の基端部の第3曲げ部13Vを覆う。第2分岐覆い部35内において、第2分岐部28の基端部を除く部分は、直線状又は曲った状態(僅かに曲った状態)に保持されている。第2分岐覆い部35は、円管状又は偏平な円管状に形成されているが、これは必須ではなく、角筒状に形成されていてもよい。
この第2分岐覆い部35の基端部は、幹線覆い部33及び第1分岐覆い部34の外周に連結される部分で電線20、21の延在方向において太幅となるように形成されている。これにより、幹線覆い部33及び第1分岐覆い部34に対する第2分岐覆い部35の延在方向が安定する。
曲げ補強部38は、本体部32の外周に、第1曲げ部11V、第3曲げ部13Vの延在方向に沿うように突出して延在する。この曲げ補強部38によって、本体部32のうち第1曲げ部11V、第3曲げ部13Vを覆う部分がより確実に曲げた状態に保持され、その内部の第1曲げ部11V、第3曲げ部13Vもより確実に曲げた状態に保持される。つまり、曲げ補強部38は、本体部32の少なくとも一部及びその内部の電線20、21、22、23の少なくとも一部を曲げた状態に保つように補強する部分である。本体部32の周方向に沿って観察すると、曲げ補強部38は、本体部32の外周において部分的に突出している。このため、本体部32の全体が太く形成されて、本体部32が所定の曲げ状態に保持される場合と比較して、本体部32が細くなる。このため、樹脂成形部30の軽量化、使用材料の削減等に貢献する。
本体部32をより確実に曲げ状態に保つためには、曲げ補強部38は、本体部32の曲げ形状の内周側に設けられていてもよい。本実施形態でも、曲げ補強部38を本体部32の曲げ形状の内周側に設けた例が示されている。ここで、本体部32の曲げ形状の内周側とは、本体部32が湾曲又は角度をなして曲るように成形されている形状を観察した場合に、凹んで観察される側である。例えば、本体部32が弧を描く曲げ形状部分を有している場合には、本体部32の曲げ形状の内周側は、当該弧をなす部分の曲率中心が存在する側である。
ここでは、曲げ補強部38は、幹線覆い部33から第2分岐覆い部35に至る部分の曲げ形状の内周側において、幹線覆い部33の曲げ覆い部33aのち直線覆い部33b寄りの部分から第2分岐覆い部35の外側端部寄りの部分にかけて設けられている。曲げ補強部38のうち幹線覆い部33及び第2分岐覆い部35の外周に連なる縁部分は弧状をなしており、その反対側の外側の縁部分は直線状をなしている。結果、曲げ補強部38は、部分的な弧と弦とで囲まれた板形状を呈している。ここでは、曲げ補強部38のうち幹線覆い部33の外側縁部は、内側に凹んだ形状を呈しているが、かかる形状であることは必須ではない。
第1曲げ部11Vを基準として曲げ補強部38を見ると、曲げ補強部38は、第1曲げ部11Vの一端部から他端部を超える領域に設けられている。第3曲げ部13Vを基準として曲げ補強部38を見ると、曲げ補強部38は、第3曲げ部13Vの両端を超える領域に設けられている。
このため、幹線部26が直線状態に戻ろうとする力が本体部32に作用すると、その力は、曲げ補強部38を矢符A方向に引張る力として作用する。ここで、細長い部分にその延在方向に沿って圧縮力が加わった場合と引張り力が加わった場合とを想定すると、後者の方が変形し難いと考えられる。このため、曲げ補強部38に引張り力が作用しても曲げ補強部38は変形し難く、幹線覆い部33及び内部の第1曲げ部11Vは曲った状態に保たれる。
同様に、幹線部26から延出する第2分岐部28が直線状態に戻ろうとする力が本体部32に作用すると、その力は、曲げ補強部38を矢符B方向に引張る力として作用する。上記と同様に、曲げ補強部38に引張り力が作用しても曲げ補強部38は変形し難く、幹線覆い部33から第2分岐覆い部35に至る部分の曲げ形状及び内部の第3曲げ部13Vは曲った状態に保たれる。
曲げ補強部38が本体部32の曲げ形状の内周側に設けられることは必須ではない。曲げ補強部は、本体部の曲げ形状の外周側又はその他の部分に設けられていてもよい。曲げ補強部38が板状に形成されていることは必須ではない。曲げ補強部は、細長い角柱状、細長い半円柱状等に形成されていてもよい。
上記のような樹脂成形部30は、例えば、ポリウレタン樹脂等の樹脂によって形成される。ポリウレタン樹脂は、耐衝撃性等に優れ、電線20、21、22、23の保護等に適する一方、変形し易い。このため、内部の電線20、21、22、23が元の形状に戻ろうとすると、目的とする曲げ形状を保持することが困難となる場合がある。このような場合に、上記曲げ補強部38を用いることはより有効である。
上記のような樹脂成形部30は、例えば、幹線部26のうちシース24の端部25寄りの部分、第1分岐部27の基端部及び第2分岐部28の基端部をインサート対象部分として、射出成形金型を用いて、インサート成形することによって一体形成され得る。つまり、樹脂成形部30は、モールド成形部品である。かかる樹脂成形部30は、シース24の外周面、シース24の端部25から延出する第1分岐部27の外周面(ここでは、電線20、21の外周面)、第2分岐部28の外周面(ここでは、外装部材29の外周面)に液密に接した状態で、シース24の端部25の開口を封止している。
また、樹脂成形部30には、固定対象箇所への固定部材50が設けられている。固定対象箇所は、例えば、車両である。すなわち、樹脂成形部30には、上記したように、固定部取付部33dが形成されている。固定部取付部33dは、幹線覆い部33のうち曲げ覆い部33aと直線覆い部33bとの境界部分に設けられている。固定部取付部33dは、幹線覆い部33のうち他の部分よりも太くなっており、固定部取付部33dに固定部材50のうちの一部が埋めた状態で取付けられる。ここでは、固定部取付部33dは、短円柱状に形成されている。固定部取付部33dの軸方向は、幹線覆い部33の延在方向に直交し、かつ、第1曲げ部11Vの内周側と外周側とを結ぶ方向に延在している。固定部取付部33dの直径及び軸方向長さは、幹線覆い部33の直径よりも大きく、固定部取付部33dは、幹線覆い部33から突出している。
固定部材50は、第1固定部52と、第2固定部56とを含む。第1固定部52は、車両等の固定対象箇所に固定される部分である。第2固定部56は樹脂成形部30に固定される部分であり、ここでは、樹脂成形部30に埋めた状態で設けられている。ここでは、固定部材50は、樹脂等で一体成形された部材である。
第1固定部52は、基部52aと、柱状部52bと、一対の係止爪52cと、皿状部52dとを備える。
基部52aは、板状、ここでは、円板状に形成されている。柱状部52bは、基部52aの一方主面(樹脂成形部30に取付けられた状態で外向き面)から突出するように形成されている。一対の係止爪52cは、柱状部52bの先端から基端側に向けて外向き傾斜するように延在している。皿状部52dは、柱状部52bの基端部に設けられており、柱状部52bの先端側に向けて徐々に広がる皿バネ形状に形成されている。そして、取付対象箇所の一例である取付パネルに形成された取付孔に第1固定部52が挿入されると、一対の係止爪52cが取付孔の周縁部に挿入方向反対側から係止すると共に、皿状部52dが取付孔の周縁部に挿入方向側から当接する。これにより、第1固定部52が取付パネルに固定される。すなわち、第1固定部52は、クリップ又はクランプ等と呼ばれる周知の固定構造である。
第1固定部52が上記構成である必要は無く、取付対象箇所に固定可能な各種構成が採用され得る。例えば、第1固定部は、ボルト締め等によって取付対象箇所に固定されるボルト孔が形成された構成であってもよい。
第2固定部56は、樹脂成形部30に埋めて設けられることで、当該樹脂成形部30に固定される部分である。樹脂成形部30を金型成形する際に、第2固定部56がインサート対象部分として樹脂成形部30内にインサート成形されることで、第2固定部56が樹脂成形部30に埋めて設けられる。
ここでは、第2固定部56は、樹脂成形部30を形成する前の状態で、電線20、21、22、23を複数方向から位置規制する複数の規制面57f、58f、59fを含む。
より具体的には、第2固定部56は、側板部57と、抜け止部58と、側抜け止部59とを備える。基部52aが固定部取付部33dの一方端面に密着された状態で、側板部57と、抜け止部58と、側抜け止部59が樹脂成形部30の固定部取付部33dに埋めるように設けられる。
側板部57は、基部52aの他方主面(樹脂成形部30に取付けられた状態で内向き面)のうち基部52aの中心から離れた位置に突設された板形状に形成されている。側板部57の突出寸法は、シース24の外径と同じか又はこれよりも大きく(僅かに大きく)設定されている。側板部57の内向き面が規制面57fである。なお、抜け止部58の外向き面にも突部57aが形成されており、この突部57aによって抜け止部58が樹脂成形部30から抜出難いようになっている。
抜け止部58は、側板部57の先端部から内向きに突出するように形成されている。抜け止部58は、側板部57の突出寸法に応じた距離で基部52aから離れている。このため、基部52aと抜け止部58との間に電線20、21、22、23を覆うシース24が配設される。
抜け止部58の突出寸法は、シース24の外径よりも小さく、ここでは、シース24の外径の半分程度である。抜け止部58の内向き面が規制面58fである。
側抜け止部59は、基部52aの他方主面(内向き面)のうち基部52aの中心から側板部57とは反対側に離れた位置に突設されている。側板部57と側抜け止部59との間隔寸法は、シース24の外径と同じか又はこれよりも大きく(僅かに大きく)設定されている。このため、側板部57と側抜け止部59との間に電線20、21、22、23を覆うシース24が配設され得る。側抜け止部59の内向き面が規制面59fである。
側抜け止部59の突出寸法は、シース24の外径よりも小さく設定されている。抜け止部58の先端部と側抜け止部59の先端部との間に、電線20、21、22、23を覆うシース24が通過可能な隙間が形成される。抜け止部58の先端部と側抜け止部59の先端部との間隔は、シース24の直径よりも小さく設定されていてもよい。この場合、側板部57、抜け止部58、側抜け止部59等が弾性変形され、抜け止部58の先端部と側抜け止部59の先端部との隙間が広げられる。そして、電線20、21、22、23を覆うシース24が、当該隙間を通って基部52a、側板部57、抜け止部58及び側抜け止部59で囲まれた空間内に配設され得る。この場合、当該シース24が第2固定部56から脱し難くなる。なお、抜け止部58の先端部の内向き部分が角取りされた形状に形成されると共に、側抜け止部59の先端部の内向き部分が角取りされた形状に形成されている。
これにより、シース24が、抜け止部58の先端部と側抜け止部59の先端部との間を通過する際に、抜け止部58の先端部と側抜け止部59の先端部とがシース24に対してなるべく大きい面で接触し、シース24がそれらの間に円滑に通される。
なお、側抜け止部59の先端部に外向きに突出する突部59aが形成されている。突部59aは、側抜け止部59が樹脂成形部30に埋めて設けられた状態で、突部59aが抜けを防止する役割を果すことができる。
上記のように、電線20、21、22、23を覆うシース24が、基部52a、側板部57、抜け止部58及び側抜け止部59で囲まれた空間内に配設された状態で、規制面57f、58f、59fが3方向からシース24の外周面に当接する。これにより、規制面57f、58f、59fが電線20、21、22、23を当該3方向から位置規制する。
上記したように、第2固定部56がインサート対象部分として樹脂成形部30内にインサート成形される際には、幹線部26は、基部52aと、側板部57と、抜け止部58と、側抜け止部59とで囲まれる空間内に保持される。この状態で、幹線部26は、規制面57f、58f、59fによって複数方向から位置決めされている。インサート対象部分である第2固定部56を含む固定部材50は、第1固定部52等を介して射出成形金型によって一定位置に支持されている。このため、幹線部26も、第2固定部56によって射出成形金型内にある程度一定位置に保持されており、幹線部26が樹脂成形部30から露出し難い。
固定部材50が樹脂で形成される必要は無く、固定部材は金属等で形成されていてもよい。
以上のように構成された配線部材10によると、曲げ補強部38によって、本体部32及び本体部32で覆われた第1曲げ部11V、第3曲げ部13Vが曲った状態でより確実に保持される。このため、配線部材10が曲げた経路に沿ってより確実に保持される。
特に、電線20、21、22、23が直線状態に戻ろうとする力によって、本体部32にも直線状態に戻ろうとする力が作用する。ここで、電線20、21、22、23の本数が多かったり、電線20、21、22、23が太かったり、電線20、21、22、23にシース24が被覆されていたりすると、電線20、21、22、23が直線状態に戻ろうとする力は大きくなる。上記曲げ補強部38によって、本体部32が直線状態に戻ろうとする力を受止めることができ、配線部材10が曲げた経路に沿ってより確実に保持される。
また、配線部材10が樹脂成形部30によって曲げた経路に沿って保持される結果、配線部材10の固定箇所が少なくされ得る。すなわち、電線が曲げた状態で保持される構成としては、電線が複数箇所で固定され、固定箇所間で電線が曲げた状態に保たれる構成とすることが考えられる。この場合、固定部材の数及び固定作業が多くなり、コストアップを招く。本配線部材10によると、樹脂成形部30自体が電線20、21、22、23を曲げた状態で保持しているため、固定箇所が少なくなり、コスト低減に貢献する。
また、曲げ補強部38は、本体部32の曲げ形状の内側に設けられているため、電線20、21、22、23が直線状態に戻ろうとする力は、曲げ補強部38に対してその長手方向に沿った引張り力として作用する。曲げ補強部38は、圧縮した場合よりも、引張った場合の方が変形し難いと考えられるため、本体部32及び第1曲げ部11V及び第3曲げ部13Vが曲った状態でより確実に保持される。
また、複数の電線20、21、22、23を覆うシース24の端部から複数の電線20、21、22、23が分岐して第1分岐部27及び第2分岐部28に分岐している。また、樹脂成形部30は、シース24の端部25と、第1分岐部27及び第2分岐部28の各基端部とを覆っている。このため、樹脂成形部30によって、複数の電線20、21、22、23が分岐する部分での止水を行うことができる。また、その近傍で、電線20、21、22、23が曲げて保持される。
また、樹脂成形部30は、第1分岐部27及び第2分岐部28の各基端部を覆っているため、第1分岐部27及び第2分岐部28の延出方向が規制され、第1分岐部27及び第2分岐部28の相互干渉が抑制される。
また、複数の電線20、21、22、23をシース24で覆った幹線部26は太くなり易く、直線状態に戻る力が大きくなり易い。そこで、当該幹線部26のうちの第1曲げ部11Vを覆っている、幹線覆い部33の曲げ覆い部33aに曲げ補強部38が設けられれば、当該第1曲げ部11Vが曲げ状態に保たれるに有効である。
また、樹脂成形部30には、固定対象箇所への固定部材50が設けられている。このため、固定部材50が固定対象箇所に固定されると、その固定箇所を基準にして電線20、21、22、23が曲げた状態で保持され、電線20、21、22、23が曲げた経路に沿ってより確実に保持される。結果、当該固定箇所の近くに他の固定箇所が設定されなくても、電線20、21、22、23が曲げた経路に沿って保持され、電線20、21、22、23の固定箇所が少なくなるようにできる。
また、固定部材50の第2固定部56は、樹脂成形部30に埋めて設けられている。このため、固定部材50が樹脂成形部30にしっかり固定される。特に、固定部材が結束ベルト等で固定される場合と比較すると、固定部材50の第2固定部56は、樹脂成形部30に対してしっかりと位置決めされ、位置ずれし難い。このため、配線部材10が高い位置精度で取付対象箇所に固定される。また、固定部材50は、樹脂成形部30の成形時に固定されるため、樹脂成形部の成形後に、別途固定部材を取付ける作業が不要となり、製造が簡易化される。
また、第2固定部56は、電線20、21、22、23を複数方向から位置規制する規制面57f、58f、59fを含む。このため、電線20、21、22、23が規制面57f、58f、59fによって位置規制された状態で、樹脂成形部30が形成され、電線20、21、22、23が樹脂成形部30から外に露出し難い。
[実施形態2]
以下、実施形態2に係る配線部材について説明する。図6は実施形態2に係る配線部材110を示す側面図である。図7は図6のVII−VII線断面図である。図7において電線の内部構造は省略されている。本実施形態2では、上記実施形態1との相違点を中心に説明する。
配線部材110は、電線120と、樹脂成形部130とを備える。
電線120は、上記実施形態1における電線20と同様に、芯線と、芯線の周囲を覆う被覆とを備える。本実施形態では、1本の電線120が図示されている。しかしながら、実施形態1と同様に、配線部材は、1本の電線を含んでもよいし、複数本の電線を含んでもよい。配線部材は、複合ハーネスを含んでいてもよい。
本配線部材110は、実施形態1と同様に、車両等において曲った経路に沿って配設されることが想定されている。このため、電線120は、曲げ経路に沿って配設される曲げ部111Vを含む(図6参照)。ここでは、電線120が延びる方向において電線120の中間部における一部が曲げ部111Vである。電線120は、曲げ部111Vにおいて、部分的な弧を描くように曲っている。曲げ部111Vの両端側のそれぞれに直線部111L1、111L2が連続している。電線120は、それぞれの直線部111L1、111L2において直線状に延びる。電線は、曲げ部において複合的なカーブを描いていてもよい。配線部材及び電線がどのような形状で曲げられるかについては、配線部材の端部の取付先となる部分の位置関係、配線部材110が配設される部分の干渉物のレイアウト等によって決定される。
樹脂成形部130は、本体部132と、曲げ補強部138とを備える。樹脂成形部130は、例えば、ポリウレタンによって形成される。
本体部132は、上記本体部32と同様に、電線120のうち曲げ部111Vを覆う。ここでは、本体部132は、曲げ覆い部132aと、直線覆い部132b、132cとを含む。曲げ覆い部132aは、電線120のうち曲った部分、ここでは、上記曲げ部111Vのみを覆う。直線覆い部132b、132cは、電線120のうち直線状の部分、ここでは、上記曲げ部111Vの両隣における直線部111L1、111L2の一部のみを覆っている。曲げ覆い部132aは、曲げ経路に応じた曲った状態で延在して曲げ部111Vを覆っている。これにより、曲げ部111Vが曲げ覆い部132a自体の剛性によって曲った状態に保持される。直線覆い部132b、132cは、直線状に延びる状態で直線部111L1、111L2を部分的に覆っている。これにより、曲げ部111Vの両隣において直線部111L1、111L2が直線覆い部132b、132cは自体の剛性によって直線状に保持される。なお、樹脂成形部130が直線部111L1、111L2を覆っていることは必須ではない。
曲げ補強部138は、上記曲げ補強部38と同様に、本体部132の外周に前記曲げ部111Vの延在方向に沿うように突出して延在している。この曲げ補強部138によって、本体部132のうち曲げ部111Vを覆う曲げ覆い部132aがより確実に曲がった状態に保持される。実施形態1と同様に、曲げ補強部138は、本体部132の外周において部分的に突出している。曲げ補強部138の厚みは、本体部132の直径より小さい。このため、本体部132をなるべく細くしつつ曲げ補強部138によって電線120を曲げ状態に保つことができ、樹脂成形部130の軽量化、使用材料の削減等に貢献する。
実施形態1と同様に、本体部132をより確実に曲げ状態に保つためには、曲げ補強部138は、本体部132の曲げ形状の内周側に設けられていてもよい。
ここでは、曲げ補強部138は、曲げ覆い部132aの両端を外側に越えて直線覆い部132b、132cに達する領域に形成されている。曲げ補強部138は、曲げ覆い部の両端を結ぶ領域のみに形成されてもよいし、曲げ覆い部132aの延在方向中間部における部分的な領域のみに形成されてもよい。例えば、曲げ補強部138は、曲げ部111Vにおいて曲率半径が小さい部分的な領域のみに設けられてもよい。
この曲げ補強部138は、上記実施形態1と同様に、曲げ覆い部132a及びその内部の曲げ部111Vを、曲った状態に保つ。
樹脂成形部130には、固定対象箇所への固定部材150が設けられている。固定対象箇所は、例えば、車両である。本実施形態においては、固定部材150は、曲げ覆い部132aに設けられている。このため、固定部材150は、電線120のうち曲った経路に沿って配設される曲げ部111Vの少なくとも一部を一定位置に固定することができる。樹脂成形部130のうち固定部材150が取付けられる箇所は、他の部分よりも太く形成されていてもよい。
固定部材150は、第1固定部152と、第2固定部156とを含む。第1固定部152は、車両等の固定対象箇所に固定される部分である。第2固定部156は樹脂成形部130に固定される部分であり、ここでは、樹脂成形部130に埋めた状態で設けられている。ここでは、固定部材150は、金属板等によって形成された部材である。例えば、金属板材がプレス加工等されることで、第1固定部152と第2固定部156とが一体に繋がって形成されている。固定部材は、樹脂等で一体成形された部材であってもよい。固定部材150が、曲げ覆い部132aに設けられる場合には、第2固定部156が曲げ覆い部132aのみに埋った状態とされる場合を含み、さらに、曲げ覆い部132aと直線覆い部132b(又は132c)との両方に跨るようにして埋った場合を含んでもよい。
第1固定部152は、板状に形成された部分である。第1固定部152の基端部は第2固定部56の一端部と繋がっている。第1固定部152は、樹脂成形部130から外側に延び出て、取付対象箇所に固定される。ここで、第1固定部152にはネジ孔152hが形成されている。ネジによって第1固定部152が取付対象箇所に固定される。第1固定部は、その他の溶接、嵌め込み構造等によって取付対象箇所に固定されてもよい。
第2固定部156は、樹脂成形部130に埋めて設けられることで、樹脂成形部130に固定される部分である。樹脂成形部130が金型成形される際に、第2固定部156がインサート対象部分として樹脂成形部130内にインサート成形されることで、第2固定部156が樹脂成形部130内に埋めて設けられる。
ここでは、第2固定部156は、第2固定本体部157と、止め部158とを含む。第2固定本体部157は、電線120と交差する方向に沿った姿勢で樹脂成形部130に埋っている。ここでは、第2固定本体部157は、板状に形成されている。また、第2固定本体部157は、第1固定部152に対して直線状に連なっている。第2固定本体部は丸棒状、角棒状に形成されてもよい。第2固定本体部157は、第1固定部に対して曲っていてもよい。第2固定本体部157は、樹脂成形部130内において電線120と接触していてもよいし、離れていてもよい。ここでは、第2固定本体部157は、電線120から離れている。例えば、樹脂成形部130を金型成形する際に、第2固定本体部157に形成された孔にピンが配置され、このピンによって電線120が第2固定本体部157から離れた位置に支持されてもよい。
止め部158は、第2固定本体部157の他端部(第1固定部152が繋がった端部とは反対側の端部)から第2固定本体部157及び電線120と交差する方向に突出している。止め部158は、樹脂成形部130内で電線120と対向している。つまり、止め部158は、第2固定本体部157他端部から電線120が配置される側に突出している。
止め部158と電線120との間の少なくとも一部に樹脂が介在している。ここでは、止め部158は、電線120における曲げ部111Vの内側に止め部158が配置される。止め部158の内側において電線120は弧状に湾曲している。このため、止め部158と電線120との間に、止め部158の幅方向中央部で最も厚くなり、止め部158の両側部で最も薄くなるスペースが形成され、このスペースに樹脂成形部130を形成する一部の樹脂が充填されている。止め部158のうち電線120に対向する部分の一部が電線120に接触しており、止め部158における当該対向部分の残部と電線120との間に樹脂が介在していてもよい。止め部158と電線120との間に樹脂が介在しているため、電線120は止め部158の形状に左右されず、所望の経路に沿って延びることができる。なお、止め部158の一部が電線120と接触していてもよい。
なお、上記第2固定本体部157及び止め部158のうち電線120を向く面は、樹脂成形部130を形成する前の状態で、電線120を複数方向から位置規制する複数の規制面の一例でもある。
このように構成された配線部材110(複合ハーネス)は、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
特に、第2固定本体部157は、曲げ部111Vを覆う曲げ覆い部132aを含み、固定部材150は、曲げ覆い部132aに設けられている。このため、電線120のうち曲げ部111Vが固定部材150を利用して固定対象箇所に固定され得る。このため、配線部材110のレイアウト自由度が向上する。
また、本実施形態では、第2固定部156が、電線120と交差する方向に沿った姿勢で樹脂成形部130に埋っている。また、止め部158が第2固定本体部157の他端部から突出して樹脂成形部130内で電線120と対向している。このため、主として第2固定本体部157によって当該第2固定本体部157に直交する方向において固定部材150の位置決めがなされる。また、主として止め部158によって当該止め部158に直交する方向において固定部材150の位置決めがなされる。ここで、固定部材が電線にカシメ固定される場合、加工性等に鑑みて、電線のカシメ固定部分は直線状に形成されることが想定される。本実施形態では、第2固定部156は、電線120を挟み込まずに、樹脂成形部130に埋っている。この際、止め部158と電線120との間の少なくとも一部に樹脂が介在していても、止め部158は位置決めを行える。よって、固定部材150を曲げ覆い部132aに設けた場合において、電線120が第2固定部156の形状に制約されないようにすることができる。
[変形例]
上記各実施形態において、固定部材50、150は省略されてもよい。この場合でも、配線部材の固定箇所の間等で、樹脂成形部によって電線が曲げた経路に沿って保持される。
上記実施形態1では、電線20、21、22、23が途中で分岐しているが、分岐しない電線が曲った状態で樹脂成形部で覆されてもよい。
上記実施形態2において、実施形態1と同様に、複数の電線が途中で分岐していてもよい。この場合、複数の電線がシースにより覆われており、このシースの端部から複数の電線が延出して複数に分岐しており、樹脂成形部が、シースの端部と、シースの端部から分岐する複数の電線の基端部とを覆っていてもよい。
上記各実施形態及び各変形例において、複数の電線の全てが電力線であってもよいし、複数の電線の全てが信号線であってもよい。また、複数の電線を電力線と信号線との組合せとする場合に、いずれが電力線であり信号線であるかは任意である。
上記各実施形態では、第1固定部52、152が樹脂成形部30、130に埋めて設けられる構成である例を説明したが、そのような構成である必要は無い。固定部材に第2固定部としての結束バンド等が一体形成されており、当該結束バンドが樹脂成形部30、130に巻付けられて固定される構成であってもよい。また、第2固定部が金属等で形成され、この第2固定部が樹脂成形部30、130にかしめ固定される構成であってもよい。
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
10 配線部材
11V 第1曲げ部
12V 第2曲げ部
13V 第3曲げ部
20、21、22、23 電線
24 シース
25 端部
26 幹線部
27 第1分岐部
28 第2分岐部
29 外装部材
30 樹脂成形部
32 本体部
33 幹線覆い部
33a 曲げ覆い部
33b 直線覆い部
33d 固定部取付部
34 第1分岐覆い部
34a 曲げ覆い部
34b 直線覆い部
35 第2分岐覆い部
38 曲げ補強部
50 固定部材
52 第1固定部
52a 基部
52b 柱状部
52c 係止爪
52d 皿状部
56 第2固定部
57 側板部
57a 突部
57f 規制面
58 抜け止部
58f 規制面
59 側抜け止部
59a 突部
59f 規制面
60 センサ
110 配線部材
111L1、111L2 直線部
111V 曲げ部
120 電線
130 樹脂成形部
132 本体部
132a 曲げ覆い部
132b 直線覆い部、直線覆い部
138 曲げ補強部
150 固定部材
152 第1固定部
152h ネジ孔
156 第2固定部
157 第2固定本体部
158 止め部

Claims (9)

  1. 曲げ経路に沿って配設される曲げ部を含む電線と、
    前記電線のうち前記曲げ部を覆う本体部と、前記本体部の外周に前記曲げ部の延在方向に沿うように突出して延在する曲げ補強部とを含む樹脂成形部と、
    を備える配線部材。
  2. 前記曲げ補強部は、前記本体部の曲げ形状の内周側に設けられている、請求項1に記載の配線部材。
  3. 前記電線を複数含み、
    前記複数の電線を覆うシースをさらに備え、
    前記シースの端部から前記複数の電線が延出して複数に分岐しており、
    前記樹脂成形部は、前記シースの端部と、前記シースの端部から分岐する前記複数の電線の基端部とを覆っている、請求項1又は請求項2に記載の配線部材。
  4. 前記樹脂成形部に、固定対象箇所への固定部材が設けられている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の配線部材。
  5. 前記本体部は、曲った状態で延在して前記曲げ部を覆う曲げ覆い部を含み、
    前記固定部材は、前記曲げ覆い部に設けられている、請求項4に記載の配線部材。
  6. 前記固定部材は、固定対象箇所に固定される第1固定部と、前記樹脂成形部に固定される第2固定部とを含み、
    前記第2固定部は、前記樹脂成形部に埋った状態で設けられている、請求項4又は請求項5に記載の配線部材。
  7. 前記第2固定部は、
    前記電線と交差する方向に沿った姿勢で前記樹脂成形部に埋っており、一端部が前記樹脂成形部から外側に延び出る前記第1固定部と繋がっている第2固定本体部と、
    前記第2固定本体部の他端部から前記第2固定本体部及び前記電線と交差する方向に突出して前記樹脂成形部内で前記電線と対向する止め部と、
    を含み、
    前記止め部と前記電線との間の少なくとも一部に樹脂が介在している、請求項6に記載の配線部材。
  8. 前記第2固定部は、前記樹脂成形部を形成する前の状態で、前記電線を複数方向から位置規制する複数の規制面を含む、請求項6又は請求項7に記載の配線部材。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の配線部材を備え、前記電線として複数種類の電線を含む、複合ハーネス。
JP2019207776A 2019-03-13 2019-11-18 配線部材及び複合ハーネス Active JP7383993B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN202010127108.2A CN111696707B (zh) 2019-03-13 2020-02-28 配线部件及复合线束
US16/818,393 US11005242B2 (en) 2019-03-13 2020-03-13 Wiring member and composite harness

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019046058 2019-03-13
JP2019046058 2019-03-13

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020155402A true JP2020155402A (ja) 2020-09-24
JP7383993B2 JP7383993B2 (ja) 2023-11-21

Family

ID=72559583

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019207776A Active JP7383993B2 (ja) 2019-03-13 2019-11-18 配線部材及び複合ハーネス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7383993B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010045900A (ja) * 2008-08-11 2010-02-25 Caterpillar Japan Ltd ハーネスの曲げ部保持構造及びハーネスの曲げ部保持方法
WO2011136199A1 (ja) * 2010-04-28 2011-11-03 株式会社オートネットワーク技術研究所 ワイヤーハーネスの製造方法
JP2015109739A (ja) * 2013-12-04 2015-06-11 住友電装株式会社 電線モジュール及び固定部材
JP2016091731A (ja) * 2014-10-31 2016-05-23 住友電装株式会社 ハーネス

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010045900A (ja) * 2008-08-11 2010-02-25 Caterpillar Japan Ltd ハーネスの曲げ部保持構造及びハーネスの曲げ部保持方法
WO2011136199A1 (ja) * 2010-04-28 2011-11-03 株式会社オートネットワーク技術研究所 ワイヤーハーネスの製造方法
JP2015109739A (ja) * 2013-12-04 2015-06-11 住友電装株式会社 電線モジュール及び固定部材
JP2016091731A (ja) * 2014-10-31 2016-05-23 住友電装株式会社 ハーネス

Also Published As

Publication number Publication date
JP7383993B2 (ja) 2023-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10562470B2 (en) Wire harness having movable and fixing supports for path control
CN111029994B (zh) 配线部件
JP6747483B2 (ja) 配線部材
JP7031551B2 (ja) 配線部材
CN111696707B (zh) 配线部件及复合线束
JP7355197B2 (ja) ワイヤハーネス
JP7383993B2 (ja) 配線部材及び複合ハーネス
WO2021149514A1 (ja) 配線部材
US12021358B2 (en) Wiring member
JP7111132B2 (ja) 配線部材
US11888299B2 (en) Wiring member
WO2023140125A1 (ja) 配線部材
JP7006556B2 (ja) 配線部材
JP7236618B2 (ja) ワイヤハーネス
JP2021036759A (ja) 配線部材
JP7236617B2 (ja) ワイヤハーネス
JP7202908B2 (ja) ワイヤハーネス
JP7014111B2 (ja) ワイヤハーネス
JP2020161311A (ja) ワイヤハーネス
JP2007259654A (ja) ワイヤハーネス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230516

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230626

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231010

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231023

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7383993

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150