以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
以下、図面を用いて実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
以下図面を用いて、一実施の形態であるデジタルカメラについて説明する。
1.構成
以下、図面を用いてデジタルカメラの構成を説明する。
図1は、実施の形態1に係るデジタルカメラ100の構成を示すブロック図である。デジタルカメラ100は、カメラ本体102と、カメラ本体102に装着可能な交換レンズ101とから構成される。カメラ本体102には、着脱自在のバッテリグリップ103が装着されている。交換レンズ101は、ズームレンズ駆動部113により駆動されるズームレンズ112を有している。カメラ本体102は、レンズ制御部120を介してズームレンズ112を電気的に駆動することができる。すなわち、交換レンズ101は、電動ズームレンズである。
カメラ本体102は、着脱自在にバッテリ201を装着可能であり(以下「本体バッテリ201」という)、電源選択回路300aを有している。バッテリグリップ103は、バッテリ202を装着可能であり(以下「BGバッテリ202」という)、電源選択回路300bを有している。電源選択回路300aおよび電源選択回路300bは、電源選択回路300を構成する。カメラ本体102は、カメラ制御部153により、電源選択回路300を制御できる。すなわち、カメラ本体102は、本体バッテリ201とBGバッテリ202のどちらを使用するか、あるいは両方を使用するかを選択することができる。デジタルカメラ100の各部は、それぞれ本実施形態における負荷部の一例である。
1−1.カメラ本体の構成
カメラ本体102は、CMOSイメージセンサ150と、液晶モニタ163と、画像処理部172と、タイミング発生器(TG)151と、カメラ制御部153と、ボディマウント140と、レリーズ釦160と、操作部170と、本体バッテリ201と、電源選択回路300aと、電源スイッチ152と、電圧生成回路154と、DRAM155と、フラッシュメモリ156と、カードスロット165と、シャッタ180とを備える。
カメラ制御部153は、レリーズ釦160や操作部170等の操作部材からの操作信号等の指示に応じて、CMOSイメージセンサ150等のデジタルカメラ100の各部を制御することにより、デジタルカメラ100全体の動作を制御する。
例えば、カメラ制御部153は垂直同期信号をタイミング発生器151に送信する。垂直同期信号の送信と並行して、カメラ制御部153は、垂直同期信号に基づいて露光同期信号を生成する。カメラ制御部153は、生成した露光同期信号を、ボディマウント140及びレンズマウント130を介して、レンズ制御部120に周期的に繰り返して送信する。これにより、カメラ制御部153は、露光のタイミングに同期するように、交換レンズ101内のフォーカスレンズ110等のレンズを制御することが可能となる。
カメラ制御部153は、制御動作や画像処理動作の際に、DRAM155をワークメモリとして使用する。カメラ制御部153は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを実行するマイクロコンピュータなどで構成してもよい。また、カメラ制御部153は、画像処理部172やDRAM155と共に1つの半導体チップで構成してもよく、あるいは、別個の半導体チップで構成してもよい。
CMOSイメージセンサ150は、受光素子と、AGC(ゲイン・コントロール・アンプ)と、ADコンバータとを含んで構成される。受光素子は、交換レンズ101によって集光された光学的信号を電気信号に変換し、画像情報を生成する。またAGCは、受光素子から出力された電気信号を増幅する。ADコンバータは、AGCから出力された電気信号をデジタル信号に変換する。
CMOSイメージセンサ150は、タイミング発生器151により制御されるタイミングで動作する。タイミング発生器151により制御されるCMOSイメージセンサ150の動作には、静止画像の撮像動作、スルー画像の撮像動作、データ転送動作、電子シャッタ動作等がある。スルー画像は主に動画像であり、ユーザが静止画像の撮像のための構図を決めるために液晶モニタ163に表示される。CMOSイメージセンサ150は、生成した画像情報を画像処理部172に出力する。なお、CMOSイメージセンサ150に代えて、NMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の他の撮像素子を用いてもよい。
画像処理部172は、CMOSイメージセンサ150内のADコンバータによってデジタル信号に変換された画像データに、所定の画像処理を施す。所定の画像処理としては、ガンマ補正処理、ホワイトバランス補正処理、キズ補正処理、YC変換処理、デジタルズーム処理、圧縮処理、伸張処理等が考えられるが、これに限られるものではない。
液晶モニタ163は、カメラ本体102の背面に配置される表示部である。液晶モニタ163は、画像処理部172で処理された表示用の画像情報が示す画像を表示する。液晶モニタ163は、動画像および静止画を選択的に表示可能である。液晶モニタ163はまた、デジタルカメラ100の設定条件等の情報をユーザに通知するための画像を表示可能である。本実施形態では、カメラ本体102は表示部の一例として液晶モニタ163を備えるが、表示部はこれに限らない。例えば、カメラ本体102は、表示部として有機ELディスプレイを備えてもよい。
フラッシュメモリ156は、画像情報等を記憶するための内部メモリとして機能する。またカメラ制御部153が制御を行う際に使用するプログラムやパラメータを保存する。
カードスロット165は、メモリカード164をカメラ本体102に装着可能な接続手段である。カードスロット165は、メモリカード164を電気的及び機械的に接続可能である。カードスロット165はメモリカード164を制御する機能を備えてもよい。
メモリカード164は、内部にフラッシュメモリ等の記憶素子を備えた外部メモリである。メモリカード164は、カメラ制御部153で処理された画像情報等のデータを記憶可能である。また、メモリカード164は、内部に記憶する画像情報等のデータを出力可能である。メモリカード164から読み出された画像データは、カメラ制御部153や画像処理部172で処理され、例えば液晶モニタ163で表示される。本実施形態では、外部メモリの一例としてメモリカード164を示すが、外部メモリはこれには限らない。例えば、光ディスクのような記録媒体を外部メモリとして使用することもできる。
ボディマウント140は、交換レンズ101のレンズマウント130(後述)と機械的及び電気的に接続可能である。ボディマウント140は、レンズマウント130を介して、カメラ本体102と交換レンズ101との間でデータを送受信可能である。ボディマウント140は、カメラ制御部153から受信した露光同期信号やその他制御信号を、レンズマウント130を介してレンズ制御部120に送信する。また、ボディマウント140は、レンズマウント130を介してレンズ制御部120から受信した信号をカメラ制御部153に送信する。
本体バッテリ201は、デジタルカメラ100を駆動するための電力を供給する。本体バッテリ201は、例えば乾電池であってもよいし、充電池であってもよい。また、電池の代わりとして、電源コードにより外部から供給される電力をデジタルカメラ100に供給されるものであってもよい。デジタルカメラ100の電源は電源スイッチ152がユーザによって操作されることよって、オンおよびオフの間で切り替えられる。電源がオンされると、カメラ制御部153は、カメラ本体102内の各部に電力を供給する。また、カメラ制御部153は、ボディマウント140およびレンズマウント130を介して交換レンズ101にも電力を供給する。そして、交換レンズ101内では、レンズ制御部120により交換レンズ101の各部に電力が供給される。
カメラ本体102の電源選択回路300aは、電源選択回路300の一部を構成する。電源選択回路300は、カメラ本体102が有する本体バッテリ201と、バッテリグリップ103が有するBGバッテリ202とのうちの一方又は両方からデジタルカメラ100に電源電力を供給する電源を選択する(後述)。電源選択回路300は、選択した電源からの電力を電圧生成回路154に出力する。電源選択回路300は、カメラ制御部153により制御される。
電圧生成回路154は、DC/DCコンバータ及びレギュレータ等を含み、電源選択回路300からの電力を、デジタルカメラ100の各部(負荷部)へ供給する。電圧生成回路154は、各部への電力供給にあたり、電源から供給される電圧を各部に適した電圧に変換する。
レリーズ釦160は、ユーザによる撮像指示またはオートフォーカス指示の操作を受け付ける。レリーズ釦160は半押しと全押しの二段階操作可能になっている。ユーザによるレリーズ釦160の半押し操作により、カメラ制御部153はオートフォーカス動作を実行する。また、ユーザによるレリーズ釦160の全押し操作により、カメラ制御部153は全押し操作のタイミングに応じて生成された画像データをメモリカード164に記録する。
操作部170は、上下左右方向の操作指示が可能な十字釦を含む。カメラ本体102に電動ズーム機能を有する交換レンズ101が装着されると、カメラ制御部153は、操作部170の左右釦のそれぞれにズーム操作釦としての機能を割り当てる。例えば、カメラ制御部153は、左釦にワイド端側方向のズーム操作釦としての機能を割り当て、右釦にテレ端側方向のズーム操作釦としての機能を割り当てる。なお、カメラ本体102に装着される電動ズーム機能を有する交換レンズ101が、ユーザがズーム操作を行うためのズームレバーを有するときは、必ずしも操作部170にズーム操作釦としての機能を割り当てる必要はない。
シャッタ180は、CMOSイメージセンサ150に入射する光の露出時間(露光時間)を調節する。シャッタ180は、例えばDCモータ又はステッピングモータ等の駆動系により、カメラ制御部153から発行される制御信号に従って駆動される。例えば、カメラ制御部153は、シャッタ180が駆動する駆動速度(シャッタスピード或いは連写速度)を制御できる。
1−2.交換レンズの構成
交換レンズ101は、フォーカスレンズ110と、フォーカスレンズ駆動部111と、フォーカスリング114と、ズームレンズ112と、ズームレンズ駆動部113と、ズームリング115と、レンズ制御部120と、DRAM121と、フラッシュメモリ122と、レンズマウント130とを備える。交換レンズ101は、図1に示すレンズに加えて手振れ補正用レンズをさらに備えてもよい。
レンズ制御部120は交換レンズ101全体の動作を制御する。レンズ制御部120は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを実行するマイクロコンピュータなどで構成してもよい。
DRAM121は、レンズ制御部120が制御の際に用いるワークメモリとして機能する。フラッシュメモリ122は、レンズ制御部120の制御の際に使用するプログラムやパラメータ、レンズデータ等を格納する。ここで、レンズデータは、レンズ名称、レンズID、シリアル番号、Fナンバー、焦点距離、など、交換レンズ101特有の特性値を含む。後述するように、レンズ制御部120は、レンズデータをカメラ制御部153に通知し、カメラ制御部153はレンズデータに従って各種制御動作を実行することが可能となる。
ズームレンズ112は、交換レンズ101の光学系で形成される被写体像の倍率を変化させるためのレンズである。ズームレンズ112のレンズ構成は何枚でも何群でもよい。
ズームレンズ駆動部113は、ユーザによるズームリング115の操作に基づいて、ズームレンズ112を光学系の光軸に沿って移動させる機械的な機構である。ズームレンズ112の位置は随時ズームレンズ位置検出部113bにより検出され、レンズ制御部120に通知される。
フォーカスレンズ110は、光学系から入射されCMOSイメージセンサ150上に形成される被写体像のフォーカス状態を変化させるためのレンズである。フォーカスレンズ110のレンズ構成は何枚でも何群でもよい。
フォーカスリング114は交換レンズ101の外装に設けられている。フォーカスリング114がユーザによって操作されると、フォーカスリング114の操作量に関する情報がレンズ制御部120に通知される。レンズ制御部120は、通知されたフォーカスリング114の操作量に関する情報に基づいて、フォーカスレンズ駆動部111を制御して、フォーカスレンズ110を駆動する。このため、レンズ制御部120はフォーカスレンズ110の位置を認識している。
フォーカスレンズ駆動部111は、レンズ制御部120の制御に基づいてフォーカスレンズ110を光学系の光軸に沿って進退するように駆動する。フォーカスレンズ駆動部111は、例えばステッピングモータ、DCモータ、超音波モータ等により実現できる。
1−3.バッテリグリップの構成
バッテリグリップ103は、BGバッテリ202と、電源選択回路300bと、レリーズ釦203と、操作部204とを備える。
BGバッテリ202は、デジタルカメラ100を駆動するための電力を供給する。電池202は、例えば乾電池であってもよいし、充電池であってもよい。また、電池の代わりとして、電源コードにより外部から供給される電力をデジタルカメラ100に供給されるものであってもよい。
電源選択回路300bは、電源選択回路300において、バッテリグリップ103側からカメラ本体102側にBGバッテリ202を接続するための部分を構成する。また、電源選択回路300bは、カメラ制御部153により制御される。
レリーズ釦203は、ユーザによる撮像指示またはオートフォーカス指示の操作を受け付ける。レリーズ釦203は半押しと全押しの二段階操作可能になっている。ユーザによるレリーズ釦203の半押し操作により、カメラ制御部153はオートフォーカス動作を実行する。また、ユーザによるレリーズ釦203の全押し操作により、カメラ制御部153は全押し操作のタイミングに応じて生成された画像データをメモリカード164に記録する。
操作部204は、上下左右方向の操作指示が可能な十字釦を含む。カメラ本体102に電動ズーム機能を有する交換レンズ101が装着されると、カメラ制御部153は、操作部204の左右釦のそれぞれにズーム操作釦としての機能を割り当てる。例えば、カメラ制御部153は、左釦に、ワイド端側方向のズーム操作釦としての機能を割り当て、右釦に、テレ端側方向のズーム操作釦としての機能を割り当てる。なお、カメラ本体102に装着される電動ズーム機能を有する交換レンズ101が、ユーザがズーム操作を行うためのズームレバーを有するときは、必ずしも操作部204にズーム操作釦としての機能を割り当てる必要はない。
1−4.電源選択回路の構成
図2を用いて電源選択回路300の詳細な構成を説明する。電源選択回路300は、カメラ本体102側に設けられた電源選択回路300aと、バッテリグリップ103側に設けられた電源選択回路300bとで構成される。
電源選択回路300は、例えばカメラ制御部153が、本体バッテリ電圧V1及びBGバッテリ電圧V2の検出結果に基づき各種信号B11〜B14,B20〜B24を制御することによって、デジタルカメラ100における電源の選択を実行する。本体バッテリ電圧V1は、本体バッテリ201における容量の残量に応じた電圧である。BGバッテリ電圧V2は、BGバッテリ202における容量の残量に応じた電圧である。本実施形態において電源は、本体バッテリ201と、BGバッテリ202と、両方のバッテリ201,202との何れかから選択される。
カメラ本体102側の電源選択回路300aは、例えば、本体バッテリ電圧V1を検出する電圧検出回路301を備える。電圧検出回路301は、例えば本体バッテリ201の正極と負極間に接続される分圧抵抗回路で構成される。電圧検出回路301は、例えば分圧された電圧など、本体バッテリ電圧V1の検出値を示す検出信号Sv1を生成して、カメラ制御部153に出力する。
電源選択回路300aは、本体バッテリ201から電力を供給するための2系統の電源ライン310,320と、BGバッテリ202から電力を供給するための2系統の電源ライン330,340とを備える。本体バッテリ201用の2系統は、電源として、本体バッテリ201が選択されたときに用いる電源ライン310と、両バッテリ201,202が選択されたときに用いる電源ライン320とを含む。また、BGバッテリ202用の2系統も同様に、BGバッテリ202の選択時に用いる電源ライン330と、両バッテリ201,202の選択時に用いる電源ライン340とを含む。
図2の例では、本体バッテリ201用の2系統の電源ライン310,320が、入力ノード31において互いに接続される。又、BGバッテリ202用の2系統の電源ライン330,340は、入力ノード32において互いに接続される。4つの電源ライン310,320,330,340は、出力ノード30において互いに接続される。電源選択回路300は、出力ノード30から電圧生成回路154への出力によって、デジタルカメラ100における各種の負荷部に対する電力供給を実現する。
本体バッテリ201用の1系統の電源ライン310上で、電源選択回路300aは例えば、互いに直列接続された2つのPMOSFET311,312と、PMOSFET312に並列接続されたダイオード313とを備える。PMOSFET311は、本体バッテリ201から電源ライン310へ流入する電流の導通又は遮断を制御する。ダイオード313は、本体バッテリ201から負荷部へ向かう方向の電流を通過させ、逆方向の電流を阻止する。PMOSFET312は、電源ライン310に流す電流にダイオード313を経由させるか否かを制御する。
PMOSFET311は、ソースが入力ノード31に接続され、ドレインがPMOSFET312のドレインに接続されるように、電源ライン310上に設けられる。PMOSFET311は、ゲートに印加されるゲート電圧を示すゲート信号B11が、ハイレベル(以下「H」と略記する)であるときにオフする。また、PMOSFET311は、ゲート信号B11が、ローレベル(以下「L」と略記する)であるときにオンする。PMOSFET311は、オンのときに電源ライン310を導通し、オフのときに遮断する。
PMOSFET312のソースは、電源ライン310上で出力ノード30に接続される。PMOSFET312は、ゲート信号B12が「H」のときにオフする。このとき、本体バッテリ201と出力ノード30間は、ダイオード313を経由して導通する。PMOSFET312は、ゲート信号B12が「L」のときにオンして、ダイオード313を介さずに直接、本体バッテリ201と出力ノード30間を導通する。
ダイオード313のアノードは、PMOSFET312のドレインに接続され、カソードはPMOSFET312のソースに接続される。ダイオード313は、PMOSFET312の寄生ダイオードとして実現されてもよいし、PMOSFET312とは別体で構成されてもよい。なお、PMOSFET311は、PMOSFET312とは逆向きの寄生ダイオードを有する。各PMOSFET311,312は、それぞれ電源選択回路300におけるスイッチ回路の一例である。
また、両バッテリ201,202の選択時に用いる本体バッテリ201側の電源ライン320上では、電源選択回路300aは、本体バッテリ電圧V1を所定値の変換電圧V10に変換するためのDC/DCコンバータ321と、変換電圧V10に基づき電源ライン320から流出する電流を調整するためのNMOSFET322とを備える。
DC/DCコンバータ321は、例えば制御信号B13が「H」のときに、本体バッテリ201から入力される本体バッテリ電圧V1に基づき変換電圧V10を生成する。変換電圧V10を生成する動作は、所望の値から所定の許容誤差の範囲内で行われる(例えば7V±0.2V)。DC/DCコンバータ321は、制御信号B13が「L」のときに、変換電圧V10の生成動作を停止する。
NMOSFET322のソースは、DC/DCコンバータ321に接続され、ドレインは抵抗を介して出力ノード30に接続される。NMOSFET322は、ゲート電圧が大きいほどソースとドレイン間の電流を増大させる。
また、BGバッテリ202側の電源ライン340においても同様に、電源選択回路300aは、DC/DCコンバータ341と、NMOSFET342とを備える。DC/DCコンバータ341は、制御信号B23に従って上記のDC/DCコンバータ321と同様に動作し、BGバッテリ電圧V2から変換電圧V20を生成する。NMOSFET342は、ソースにてDC/DCコンバータ341に接続され、ドレインにて抵抗を介して出力ノード30に接続され、変換電圧V20に基づき電源ライン340から流出する電流を調整する。また、各NMOSFET322,342は、各々のゲート電圧がしきい値電圧を下回るとオフする。
さらに、電源選択回路300aは、例えば、両バッテリ201,202間で負荷を共有させるように動作する負荷共有コントローラ350と、負荷共有コントローラ350の動作を制御するためのNPN型トランジスタ351,352とを備える。負荷共有コントローラ350は、DC/DCコンバータ321から出力される変換電圧V10とDC/DCコンバータ341から出力される変換電圧V20間の電圧差を抑制するために設けられている。負荷共有コントローラ350は、例えばアナログ・デバイセズ社の2電源ダイオードOR電流平衡コントローラ(型番LTC4370)で構成できる。
各トランジスタ351,352のコレクタは、それぞれ負荷共有コントローラ350のイネーブル端子/EN1,/EN2に接続され(「/」は上付きバーを示す)、エミッタは接地される。各トランジスタ351,352は、それぞれベースに供給される信号B14,B24が「H」のときにオンし、「L」のときにオフする。
負荷共有コントローラ350のイネーブル端子/EN1,/EB2は、それぞれ抵抗を介して電源ライン320,340に接続される。負荷共有コントローラ350は、例えばイネーブル端子/EN1,/EB2が各トランジスタ351,352を介して接地されると動作し、各電源ライン320,340と同電位になると動作を停止する。
負荷共有コントローラ350は、電源ライン320上で、DC/DCコンバータ321とNMOSFET322のソース間に接続される入力端子VIN1と、ドレインと抵抗間に接続される検出端子OUT1とを有する。電源ライン340上でも同様に、負荷共有コントローラ350は、NMOSFET342のソース側に接続される入力端子VIN2と、ドレイン側に接続される検出端子OUT2とを有する。
さらに、負荷共有コントローラ350は、各NMOSFET322,342のゲートに接続される駆動端子GATE1,GATE2を有する。負荷共有コントローラ350は、各端子VIN1,VIN2,OUT1,OUT2において検出される電圧に基づき、2つの電源ライン320,340間に負荷電流を分配するように、各駆動端子GATE1,GATE2において各々のNMOSFET322,342のゲート電圧を制御する。又、負荷共有コントローラ350の動作停止時、NMOSFET322,342のゲート電圧はしきい値電圧を下回り、NMOSFET322,342はそれぞれ電源ライン320,340を遮断する。各NMOSFET322,342は、それぞれスイッチ回路の一例である。
また、電源選択回路300aは、残りのBGバッテリ202用の電源ライン330上で、本体バッテリ201用の電源ライン310と同様に、例えば2つのPMOSFET331,332とダイオード333とを備える。各PMOSFET331,332は、それぞれスイッチ回路の一例である。
PMOSFET331のソースは入力ノード32に接続され、ドレインはPMOSFET332のドレインに接続される。PMOSFET331は、ゲート信号B21に基づき上述したPMOSFET311と同様に動作して、BGバッテリ202から電源ライン340へ流入する電流の導通又は遮断を制御する。
PMOSFET332のソースは、電源ライン330上で出力ノード30に接続される。PMOSFET332は、ゲート信号B22に基づき上述したPMOSFET312と同様に動作して、電源ライン330に流す電流にダイオード333を経由させるか否かを制御する。なお、PMOSFET331とPMOSFET332とは、互いに逆向きの寄生ダイオードを有する。各PMOSFET311,312は、それぞれスイッチ回路の一例である。
ダイオード333のアノードは、PMOSFET332のドレインに接続され、カソードはPMOSFET332のソースに接続される。ダイオード333は、上述したダイオード313と同様に、BGバッテリ202から負荷部へ向かう方向の電流を通過させ、逆方向の電流を阻止する。ダイオード333は、PMOSFET332の寄生ダイオードとして実現されてもよいし、PMOSFET332とは別体で構成されてもよい。
バッテリグリップ103側の電源選択回路300bは、例えば、BGバッテリ電圧V2を検出する電圧検出回路302と、BGバッテリ202から流入する電流の導通及び遮断を制御するPMOSFET360とを備える。BGバッテリ202は、例えば正極においてPMOSFET360のソースに接続される。電圧検出回路302は、例えば本体バッテリ201の電圧検出回路301と同様に構成され、BGバッテリ電圧V2の検出値を示す検出信号Sv2を生成して、カメラ制御部153に出力する。
PMOSFET360のドレインは、BGバッテリ202用の2系統の電源ライン330,340の入力ノード32に接続される。PMOSFET360は、ゲート信号B20が「L」のときにオンして、BGバッテリ202と各電源ライン330,340間を導通する。PMOSFET360は、ゲート信号B20が「H」のときにオフして、BGバッテリ202と各電源ライン330,340間を遮断する。PMOSFET360は、スイッチ回路の一例である。
2.動作
以上のように構成されるデジタルカメラ100の動作を以下説明する。
本実施形態のデジタルカメラ100は、種々の動作モードにおいて、被写体像を撮像して画像データを生成する各種動作を行う。デジタルカメラ100の動作モードは、負荷部が顕著に大きい電力(例えば15W以上)を用いる高負荷モード、及び高負荷モードよりも小さい電力で動作可能な低負荷モードを含む。
高負荷モードとしては、例えば、4K又は8K等の高画質で動画を撮影する高画質動画モード、及び所定値(例えば10枚/秒)以上の連写速度で静止画を連続的に撮影する高速連写モード等が挙げられる。顕著な電力を要する負荷部は、例えば、高画質動画モードにおける画像処理部172、及び高速連写モードにおけるシャッタ180等である。
低負荷モードとしては、例えば、高画質動画モードよりも低い画質(例えばHD又はFHD)を用いる動画モード、上記所定値よりも低い連写速度で連写する中速又は低速連写モード、及び特に連写されず静止画を撮影する静止画モード等が挙げられる。
本実施形態のデジタルカメラ100は、本体バッテリ201とBGバッテリ202とから同時に電力を負荷部へ供給可能にすることにより、高負荷モードの動作を長期的に実施できる。また、各バッテリ201,202が小型で小容量であった場合にも、両バッテリ201,202が選択可能であることで、デジタルカメラ100の高負荷モードの動作期間を確保し易い。
ここで、両バッテリ201,202同時の電力供給が常に行われると、例えば電源選択回路300におけるDC/DCコンバータ321,341(図2)の電圧変換時に電力を損失するといった電力損失の影響が、顕著になることが考えられる。そこで、本実施形態のデジタルカメラ100は、両バッテリ201,202の選択を高負荷モードの動作時に制限し、低負荷モードでは、本体バッテリ201単独、又はBGバッテリ202単独の電力で動作する。これにより、両バッテリ201,202の選択による電力損失を低減して、デジタルカメラ100において電力を効率良く用いることができる。
2−1.高負荷モードの電源制御について
さらに、高負荷モードにおいても、両バッテリ201,202の同時選択は、限定的に行われる。この点について、図3を用いて説明する。
図3は、高負荷モードにおけるデジタルカメラ100の電源の制御方法を説明するための図である。図3において、横軸は本体バッテリ電圧V1[V]を示し、縦軸はBGバッテリ電圧V2[V]を示す。Vmaxは、各バッテリ電圧V1,V2の満充電時の電圧値を示し、例えば8.4Vである。
本実施形態のデジタルカメラ100は、両バッテリ201,202の同時選択(及びこれに伴う負荷共有の制御)を実行する場合を、図3に示すように、本体バッテリ電圧V1とBGバッテリ電圧V2とが、特定の制御領域R1の範囲内にある場合に制限する。制御領域R1は、例えば、両バッテリ201,202に負荷を共有させる制御を行う上限を示す上限値Vshと、デジタルカメラ100が動作可能な電力を確保する下限を示す下限値Vucとにより規定される。
制御領域R1の上限値Vsh及び下限値Vucは、例えば本体バッテリ電圧V1とBGバッテリ電圧V2間で共通に設定される。上限値Vshは、例えば両バッテリ201,202の同時選択による高負荷モードの動作の安定性と、電力の損失低減とを考慮して設定され、例えば7.2V等である。下限値Vucは、例えば両バッテリ201,202に負荷共有の制御を行ったとしても安定した動作が得られない状況などを考慮して設定され、例えば6.2V等である。
一方、図3の領域R0に示すように、本体バッテリ電圧V1とBGバッテリ電圧V2との少なくとも一方が、負荷共有の制御領域R1の上限値Vshを上回る場合、本体バッテリ201とBGバッテリ202の何れか一方が電源として選択される。領域R0では、選択されたバッテリのバッテリ電圧が充分に大きいことから(Vsh以上)、デジタルカメラ100は、単独のバッテリを電源として高負荷モードの動作を実行できる。
また、各バッテリ電圧V1,V2が低下して負荷共有の制御領域R1に到った場合には、電源として両バッテリ201,202が同時選択される。これにより、デジタルカメラ100において、高負荷モードで動作可能な場合を増やしつつ、電力を損失する状況を低減して、各バッテリ201,202による電力を効率良く使用することができる。
また、本実施形態のデジタルカメラ100は、図3の領域R2に示すように、2つのバッテリ電圧V1,V2の一方が下限値Vucを下回った場合、両バッテリ201,202の同時選択を止めると共に、高負荷モードで実行中の動作を制限する。例えば、デジタルカメラ100は、高画質動画モードで動作中に領域R2に到った場合、動画の記録を停止する。このように、高負荷モードの動作を制限することで、負荷(或いは消費電力)が低減できる。制限後の動作モードは、低負荷モードに分類される。
さらに、本実施形態のデジタルカメラ100は、図3の領域R3に示すように、両方のバッテリ電圧V1,V2が下限値Vucを下回った場合、デジタルカメラ100の動作を強制的に停止させる。以上のようなデジタルカメラ100の動作の詳細を以下、説明する。
2−2.電源選択処理
本実施形態のデジタルカメラ100において電源を選択する電源選択処理について、図4,5を用いて説明する。以下では、デジタルカメラ100の電源としてBGバッテリ202を優先的に使用する場合の処理例を説明する。
図4,5に示すフローチャートは、例えばデジタルカメラ100の起動時、或いは各種動作モードの動作開始時に開始する。図4,5のフローチャートに示す各処理は、例えばデジタルカメラ100のカメラ制御部153によって実行される。
まず、カメラ制御部153は、デジタルカメラ100の動作モードが高負荷モードであるか、高負荷モードではなく低負荷モードであるかを判断する(S1)。
動作モードが高負荷モードである場合(S1でYES)、カメラ制御部153は、BGバッテリ電圧V2が、負荷共有の制御領域R1(図3)の上限値Vshよりも大きいか否かを検知する(S2)。カメラ制御部153は、BGバッテリ202の電圧検出回路302から出力される検出信号Sv2(図2)が示すBGバッテリ電圧V2の検出値に基づいて、ステップS2の検知を行う。
カメラ制御部153は、BGバッテリ電圧V2が上限値Vshよりも大きいことを検知した場合(S2でYES)、現在の電源としてBGバッテリ202を選択する(S3)。この際、カメラ制御部153は、ゲート信号B20,B21,B22を「L」に制御して、BGバッテリ202用の電源ライン330を導通させる。また、カメラ制御部153は、制御信号B13,B23,B14,B24を「L」に制御して、負荷共有コントローラ350の動作は停止させておき、両バッテリ201,202の同時選択用の電源ライン320,340を遮断する。また、カメラ制御部153は、ゲート信号B12を「H」に制御し、ゲート信号B11も「H」に制御して、本体バッテリ201用の電源ライン310も遮断する。
一方、カメラ制御部153は、BGバッテリ電圧V2が上限値Vshよりも大きくないことを検知した場合(S2でNO)、本体バッテリ電圧V1が上限値Vshよりも大きいか否かを検知する(S4)。カメラ制御部153は、本体バッテリ201の電圧検出回路301から出力される検出信号Sv1(図2)が示す本体バッテリ電圧V1の検出値に基づいて、ステップS4の検知を行う。
カメラ制御部153は、本体バッテリ電圧V1が上限値Vshよりも大きいことを検知した場合(S4でYES)、本体バッテリ201を選択する(S5)。このとき、カメラ制御部153は、ゲート信号B11を「L」に制御し、ゲート信号B12を「L」に制御して、本体バッテリ201用の電源ライン310を導通する。また、カメラ制御部153は、ゲート信号B20,B21,B22を「H」に制御して、BGバッテリ202用の電源ライン330を遮断する。また、負荷共有コントローラ350の動作は、ステップS3と同様に停止させておく。
カメラ制御部153は、本体バッテリ電圧V1が上限値Vshよりも大きくないことを検知した場合(S4でNO)、各検出信号Sv1,Sv2に基づいて、本体バッテリ電圧V1とBGバッテリ電圧V2との両方が、制御領域R1の下限値Vucよりも大きいか否かを検知する(S6)。カメラ制御部153は、本体バッテリ電圧V1とBGバッテリ電圧V2との少なくとも一方が、下限値Vuc以下である場合、ステップS6でNOに進む。
カメラ制御部153は、本体バッテリ電圧V1とBGバッテリ電圧V2との両方が、下限値Vucよりも大きいことを検知した場合(S6でYES)、両方のバッテリ201,202を選択する(S7)。このとき、カメラ制御部153は、ゲート信号B20を「L」に制御しながら、各制御信号B13,B23,B14,B24を「H」に制御して、負荷共有コントローラ350を動作させる。このとき、両バッテリ201,202の同時選択用の電源ライン320,340が導通する。一方、カメラ制御部153は、各ゲート信号B11,B12,B21,B22を「H」に制御して、本体バッテリ201又はBGバッテリ202用の電源ライン310,320を遮断する。
カメラ制御部153は、高負荷モードの状態でBGバッテリ202と、本体バッテリ201と、両方のバッテリ201,202との内のいずれか1つを選択すると(S3,S5,S7)、所定の制御周期(例えば0.01秒)でステップS2以降の処理を繰り返す。
一方、カメラ制御部153は、本体バッテリ電圧V1とBGバッテリ電圧V2との両方が下限値Vucよりも大きくはないことを検知すると(S6でNO)、デジタルカメラ100の動作モードを低負荷モードに強制的に移行させる処理を実行する(S8)。
ステップS8の処理は、制限後の動作に用いる電力が所定値未満となる種々の方法におって行うことができる。例えば、実行中の高負荷モードが高画質動画モードの場合、カメラ制御部153は、メモリカード164への画像データの記録を停止する。また、実行中の高負荷モードが高速連写モードの場合、カメラ制御部153は、シャッタ180の駆動速度を低減させる。
次に、カメラ制御部153は、BGバッテリ電圧V2が、下限値Vucよりも小さいか否かを検知する(S9)。カメラ制御部153は、BGバッテリ電圧V2が下限値Vucよりも小さいことを検知した場合(S9でYES)、ステップS5と同様に本体バッテリ201を選択する(S10)。一方、カメラ制御部153は、BGバッテリ電圧V2が、下限値Vucよりも小さくないことを検知した場合(S9でNO)、ステップS3と同様にBGバッテリ202を選択する(S11)。
カメラ制御部153は、低負荷モードへの強制移行処理(S8)後にBGバッテリ202又は本体バッテリ201を選択すると(S10,S11)、低負荷モードにおける処理(図5のS21〜S27)を行う。
デジタルカメラ100の動作モードが低負荷モードである場合(S1でNO)、カメラ制御部153は、例えば図5に示すように、前回の制御周期において本体バッテリ201が選択されたか否かを判断する(S21)。本処理例ではBGバッテリ202が優先的に使用されることから、ステップS21で「NO」に進む場合、当初選択されていたBGバッテリ202から本体バッテリ201への選択切替えが事前に行われたこととなる。
特に本体バッテリ201が選択されていなかった場合(S21でNO)、カメラ制御部153は、検出信号Sv2に基づいてBGバッテリ電圧V2が切替しきい値Vswよりも大きいか否かを検知する(S22)。切替しきい値Vswは、電源の選択を、BGバッテリ202から本体バッテリ201に切り替える基準を示す電圧値に設定される。例えばVsw>Vucである。
カメラ制御部153は、BGバッテリ電圧V2が切替しきい値Vswよりも大きいことを検知した場合(S22でYES)、ステップS3と同様にBGバッテリ202を選択する(S23)。一方、カメラ制御部153は、BGバッテリ電圧V2が切替しきい値Vswよりも大きくないことを検知した場合(S22でNO)、ステップS5と同様に本体バッテリ201を選択する(S24)。
また、前回に本体バッテリ201が選択されていた場合(S21でYES)、カメラ制御部153は、検出信号Sv2に基づいてBGバッテリ電圧V2が復帰しきい値Vreよりも大きいか否かを検知する(S25)。復帰しきい値Vreは、電源として使用するバッテリを、本体バッテリ201からBGバッテリ202に戻す基準を示す電圧値に設定される。例えばVre>Vswである。
カメラ制御部153は、BGバッテリ電圧V2が復帰しきい値Vreよりも大きいことを検知した場合(S25でYES)、ステップS3と同様にBGバッテリ202を選択する(S26)。一方、カメラ制御部153は、BGバッテリ電圧V2が復帰しきい値Vreよりも大きくないことを検知した場合(S25でNO)、ステップS5と同様に本体バッテリ201を選択する(S27)。
カメラ制御部153は、BGバッテリ202又は本体バッテリ201を選択すると(S23,S24,S26,S27)、例えば高負荷モード時と同様の制御周期でステップS21以降の処理を繰り返す。
以上の処理によると、両バッテリ201,202を電源として同時使用する場合が、高負荷モードにおいて各バッテリ電圧V1,V2が制御領域R1の上限値Vshと下限値Vuc間にある場合(S2でNO)に制限される(S7)。これにより、両バッテリ201,202の同時選択を行い過ぎず、デジタルカメラ100の電力を効率良く用いることができる。また、二つのバッテリ電圧V1,V2の少なくとも一方が上限値Vsh以上の場合(S1又はS2でYES)と併せて、高負荷モードで動作可能な機会を増やして、デジタルカメラ100を使い易くすることができる。
また、BGバッテリ電圧V2が上限値Vshよりも大きければ(S2でYES)、本体バッテリ電圧V1に拘らずBGバッテリ202が電源として使用される(S3)。このように、BGバッテリ202を本体バッテリ201よりも優先して使用することにより、本体バッテリ201による電力の消費を低減し、デジタルカメラ100を使い易くすることができる。
以上の説明では、BGバッテリ202が優先的に使用される処理例を説明した。本実施形態のデジタルカメラ100は、特にこれに限定されず、例えば本体バッテリ201を優先的に使用してもよいし、特に優先使用を行わなくてもよい。
また、上記のステップS21において、前回の制御周期に選択された電源が判断対象となる例を説明したが、これに代えて、デジタルカメラ100の前回の起動時に選択された電源が判断対象であってもよい。例えば、カメラ制御部153は、デジタルカメラ100の起動時又は停止時に、何れのバッテリを使用していたかを示すフラグをフラッシュメモリ156に格納しておき、次の起動時に当該フラグを参照して上記の判断を行うことができる。
2−3.強制停止処理
本実施形態のデジタルカメラ100は、例えば上記の電源選択処理(図4,5)と共に、各バッテリ201,202の電力が消費され過ぎた場合にデジタルカメラ100の動作を強制的に停止させる強制停止処理を行う。
デジタルカメラ100における強制停止処理について、図6を用いて説明する。図6に示す強制停止処理は、両バッテリ201,202が選択され(S7)、両バッテリ201,202の共有によってデジタルカメラ100が動作している場合に、例えば、電源選択処理(図4,5)と並行して、カメラ制御部153によって行われる。
まず、カメラ制御部153は、各電圧検出回路301,302の検出信号Sv1,Sv2に基づいて、本体バッテリ電圧V1とBGバッテリ電圧V2とのどちらかが、制御領域R1の下限値Vucよりも小さいか否かを検知する(S31)。カメラ制御部153は、両バッテリ電圧V1,V2が下限値Vuc以上である間(S31でNO)、所定の周期でステップS31の検知を繰り返す。
カメラ制御部153は、本体バッテリ電圧V1とBGバッテリ電圧V2とのどちらかが、制御領域R1の下限値Vucよりも小さいことを検知すると(S31でYES)、実行中の動作モードによる動作を停止するための各種処理を行う(S32)。例えば、各種動画モードの動作中にステップS31でYESに進むと、カメラ制御部153は、撮影済みの動画の画像データをメモリカード164に記録する。
カメラ制御部153は、ステップS32の処理を完了すると、デジタルカメラ100の動作を終了する。
以上の処理によると、各バッテリ電圧V1,V2が、負荷共有の制御領域R1にある状態から、下限値Vucを下回ったときに(S31でYES)、デジタルカメラ100の動作を強制的に停止させる(S32)。この際、各バッテリ201,202に残った下限値Vuc分の電力を用いて実行中の動作を完了させることができる。
3.まとめ
以上のように、本実施形態のデジタルカメラ100は、第1のバッテリの一例である本体バッテリ201と第2のバッテリの一例である本体バッテリ202が装着され、被写体像を撮像して画像データを生成する。デジタルカメラ100は、デジタルカメラ100における種々の負荷部と、制御部の一例であるカメラ制御部153とを備える。負荷部は、デジタルカメラ100を動作させる。カメラ制御部153は、本体バッテリ201における第1バッテリ電圧である本体バッテリ電圧V1、及びBGバッテリ202における第2バッテリ電圧であるBGバッテリ電圧V2に基づき、負荷部に対する電力の供給を制御する。デジタルカメラ100は、負荷部に供給する電力が所定値(例えば15W)以上である高負荷モードと、所定値未満である低負荷モードとを有する。カメラ制御部153は、高負荷モードでは(S1でYES)、各バッテリ電圧V1,V2に応じて、本体バッテリ201と、BGバッテリ202と、両バッテリ201,202とのうちの何れか1つを選択して、負荷部に電力を供給させる(S2〜S11)。カメラ制御部153は、低負荷モードでは(S1でNO)、両バッテリ201,202は選択せずに、各バッテリ電圧V1,V2に応じて、本体バッテリ201とBGバッテリ202のうちの一方を選択して、負荷部に電力を供給させる(S21〜S27)。
以上のデジタルカメラ100によると、各バッテリ電圧V1,V2に応じて、高負荷モードでは2つのバッテリ201,202の一方又は両方が負荷部に電力を供給し、低負荷モードでは本体バッテリ201又はBGバッテリ202が電力を供給する。即ち、両バッテリ201,202から同時に電力を負荷部に供給するように制御される場合が高負荷モードに制限され、且つ各バッテリ電圧V1,V2に応じて制限される。これにより、両バッテリ201,202の同時選択における電力損失の影響を低減して、デジタルカメラ100において複数のバッテリによる電力を効率良く用いることができる。
本実施形態において、カメラ制御部153は、高負荷モードにおいて、本体バッテリ電圧V1とBGバッテリ電圧V2とが制御領域R1による所定範囲内である場合に、両バッテリ201,202を選択する(S7)。カメラ制御部153は、高負荷モードにおいて、本体バッテリ電圧V1とBGバッテリ電圧V2との少なくとも一方が、上記所定範囲外である場合には、両バッテリ201,202は選択せずに本体バッテリ201とBGバッテリ202のうちの一方を選択する(S3,S5,S10,S11)。
以上のデジタルカメラ100によると、両バッテリ201,202から同時に電力を負荷部に供給する場合が、特定の制御領域R1に従って制限され、両バッテリ201,202の同時選択における電力損失の影響を低減することができる。
本実施形態において、カメラ制御部153は、本体バッテリ電圧V1とBGバッテリ電圧V2との少なくとも一方が、制御領域R1の下限値Vucを下回る場合に(S6でNO)、高負荷モードの動作を制限する(S8)。例えば、負荷が低負荷モードと同程度になるまで動作の制限を行って、各バッテリ電圧V1,V2が減った場合にもデジタルカメラ100を動作可能にすることができる。
本実施形態において、カメラ制御部153は、両バッテリ201,202が選択された状態(S7)で、本体バッテリ電圧V1とBGバッテリ電圧V2との少なくとも一方が、制御領域R1の下限値Vucを下回る場合に(S31でYES)、デジタルカメラ100の動作を停止させる(S32)。これにより、両バッテリ201,202を共有して動作中に各バッテリ電圧V1,V2が顕著に減った場合にはデジタルカメラ100の使用を中断させることができる。
本実施形態において、カメラ制御部153は、高負荷モードにおいて、BGバッテリ電圧V2が制御領域R1の上限値Vshを上回る場合に(S2でYES)、BGバッテリ202を選択する(S3)。カメラ制御部153は、高負荷モードにおいて、BGバッテリ電圧V2が制御領域R1の上限値Vshを上回らずに(S2でNO)、本体バッテリ電圧V1が制御領域R1の上限値Vshを上回る場合に(S4でYES)、本体バッテリ201を選択する(S5)。これにより、BGバッテリ202を優先的に使用して、本体バッテリ201の電力を保持しておき、デジタルカメラ100の電力を効率良く用いることができる。
本実施形態において、本体バッテリ201は、デジタルカメラ100の内部に設けられる。BGバッテリ202は、デジタルカメラ100に取り付け可能な外部装置の一例であるバッテリグリップ103に設けられる。取り換え易いバッテリグリップ103中のBGバッテリ202を優先的に使用することで、デジタルカメラ100の電力を効率良く用いることができる。
本実施形態において、デジタルカメラ100の負荷部は、画像データを処理する画像処理部172、及び被写体像の撮像における露光時間を調整するシャッタ180の少なくとも一方を含んでもよい。本実施形態のデジタルカメラ100によると、例えば高画質動画モード、或いは高速連射モードといった高負荷モードの動作時に、各種負荷部に電力を供給可能にすることができる。
本実施形態において、デジタルカメラ100は、電源選択回路300において、それぞれ第1、第2、第3、及び第4電源ラインの一例である電源ライン310,320,330,340と、第1及び第2の電圧変換部の一例であるDC/DCコンバータ321,341とを備える。電源ライン310は、本体バッテリ201と負荷部とを接続し、本体バッテリ201が選択されたときに負荷部に電力を供給する。DC/DCコンバータ321は、本体バッテリ201から本体バッテリ電圧V1を入力して変換電圧V10を生成する。電源ライン320は、DC/DCコンバータ321を介して本体バッテリ201と負荷部とを接続し、両バッテリ201,202が選択されたときに変換電圧V10に基づく電力を負荷部に供給する。電源ライン330は、BGバッテリ202と負荷部とを接続し、BGバッテリ202が選択されたときに負荷部に電力を供給する。DC/DCコンバータ341は、BGバッテリ202からBGバッテリ電圧V2を入力して変換電圧V20を生成する。電源ライン340は、DC/DCコンバータ341を介してBGバッテリ202と負荷部とを接続し、両バッテリ201,202が選択されたときに変換電圧V20に基づく電力を負荷部に供給する。
以上の電源選択回路300の電源ライン310〜340によると、本体バッテリ201とBGバッテリ202のうちの一方が選択された場合に、電圧変換ロスを伴うDC/DCコンバータ321,341が設けられた電源ライン320,340を用いずに、別の電源ライン310,330を用いて、各バッテリ201,202から供給する電力を効率良く用いることができる。
本実施形態において、電源選択回路300は、スイッチ回路としてのPMOSFET311,331等を備えてもよい。PMOSFET311は、電源ライン310に設けられ、本体バッテリ201が選択されたときに本体バッテリ201と同電源ライン310間を導通し、両バッテリ201,202が選択されたときに本体バッテリ201から同電源ライン310を遮断する。PMOSFET331は、電源ライン330に設けられ、BGバッテリ202が選択されたときにBGバッテリ202と同電源ライン330間を導通し、両バッテリ201,202が選択されたときにBGバッテリ202から同電源ライン330を遮断する。これにより、両バッテリ201,202の選択時には使用しない電源ライン310,330を遮断して、電源選択回路300が設けられた機器において負荷部に供給する電力を効率良く用いることができる。
本実施形態において、電源選択回路300は、両バッテリ201,202が選択されたときに、本体バッテリ201とBGバッテリ202間で負荷を共有させるように、電源ライン320,340に流す電流を制御する制御回路として負荷共有コントローラ350等をさらに備えてもよい。負荷共有コントローラ350の機能は、カメラ制御部153によって実現されてもよい。例えば電源選択回路300及びカメラ制御部153で構成される装置によると、複数のバッテリから負荷部に対する電源を選択する電源選択装置として、各バッテリによる電力を効率良く用いることができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置換、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
上記の実施の形態1では、電源選択回路300aをカメラ本体102に含み、電源選択回路300bをバッテリグリップ103に含んでおり、カメラ本体102にバッテリグリップ103を装着した時に、電源選択回路300として構成される。しかし、電源選択回路300を分割せずに、カメラ本体102またはバッテリグリップ103のどちらか片方に構成してもよい。また、カメラ本体102またはバッテリグリップ103の一方に(すなわち、1つの電子機器に)、各バッテリ201,202と電源選択回路300とを含めるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態1では、撮像装置の一例としてレンズ交換式のデジタルカメラについて説明したが、本実施形態の撮像装置は、特にレンズ交換式ではないデジタルカメラであってもよい。また、本開示の思想は、デジタルカメラのみならず、ムービーカメラ、カメラ付き携帯電話、パーソナルコンピュータのような、複数のバッテリを接続可能な種々の電子機器に適用可能である。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置換、付加、省略などを行うことができる。