JP2020148423A - 温水製造システム - Google Patents

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Abstract

【課題】出湯温度に適した運転を行うことにより、CO2排出量削減効果を高めることや、ランニングコスト削減効果を高めることが可能な温水製造システムを提供すること。【解決手段】温水製造システム1であって、用水W1をヒートポンプ式給湯システム10の凝縮器92に流通させながら第1温度まで加温する第1加温手段2と、第1加温手段で加温された用水W1を蒸気ボイラ装置30で発生させた蒸気Sを利用して第1温度よりも高い第2温度まで昇温する第2加温手段3と、第2加温手段3から出湯する温水の目標出湯温度を設定する目標出湯温度設定部110と、設定された目標出湯温度に基づいて、第1加温手段2と第2加温手段3の出力分担情報を決定する出力分担情報決定部120と、決定された出力分担情報に基づいて、第1加温手段2を制御する第1加温手段制御部130と、を備える。【選択図】図9

Description

本発明は、温水製造システムに関するものである。
従来、温水製造システムが知られている。例えば特許文献1には、食品等のワークを温水洗浄または温水殺菌するために、ヒートポンプを用いて温水を製造するシステムが示されている。
特開2009−133522号公報
現在、工場・事業場の多くでは、代表的な温室効果ガスであるCOの排出量削減を目的として、化石燃料から脱却する「脱炭素」への取り組みが進められている。そこで、特許文献1に示されるように、温水を製造するシステムとして、ヒートポンプを用いたシステムを採用することが増えてきている。しかしながら、ヒートポンプは、出湯温度が低ければCOP(エネルギー消費効率)は高く、CO排出量の削減効果も高いが、出湯温度を高めて使用する場合は、COPは低くなり、CO排出量の削減効果も低下するという特性がある。また、出湯温度を高めて使用する場合は、COPが低いため、ランニングコストも高くなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、出湯温度に適した運転を行うことにより、CO排出量削減効果を高めることや、ランニングコスト削減効果を高めることが可能な温水製造システムを提供することにある。
本発明は、用水をヒートポンプ式給湯器の凝縮器に流通させながら第1温度まで加温する第1加温手段と、前記第1加温手段で加温された用水を蒸気ボイラで発生させた蒸気を利用して前記第1温度よりも高い第2温度まで昇温する第2加温手段と、前記第2加温手段から出湯する温水の目標出湯温度を設定する目標出湯温度設定部と、設定された前記目標出湯温度に基づいて、前記第1加温手段と前記第2加温手段の出力分担情報を決定する出力分担情報決定部と、決定された前記出力分担情報に基づいて、前記第1加温手段を制御する第1加温手段制御部と、を備える温水製造システムに関する。
また、前記出力分担情報は、前記第1加温手段から給湯する温水の目標給湯温度を示す目標給湯温度情報であることが好ましい。
また、前記出力分担情報は、システム全体のCO排出量が低くなるように、前記第1加温手段と前記第2加温手段の出力分担割合を指定するものであり、前記システム全体のCO排出量は、前記第1加温手段を所定の条件下で運転した場合のCOP予測値を用いて算出されたヒートポンプCO排出量と、前記第2加温手段を所定の条件下で運転した場合のボイラ効率予測値を用いて算出されたボイラCO排出量と、の合計であることが好ましい。
また、前記出力分担情報は、システム全体のランニングコストが低くなるように、前記第1加温手段と前記第2加温手段の出力分担割合を指定するものであり、前記システム全体のランニングコストは、前記第1加温手段を所定の条件下で運転した場合のCOP予測値を用いて算出されたヒートポンプランニングコストと、前記第2加温手段を所定の条件下で運転した場合のボイラ効率予測値を用いて算出されたボイラランニングコストと、の合計であることが好ましい。
また、本発明の温水製造システムは、前記凝縮器に供給される用水の温度を給水温度として検出する給水温度センサと、前記ヒートポンプ式給湯器の熱源温度を検出する熱源温度センサと、を備え、前記出力分担情報決定部は、(i)運転中の前記第1加温手段からCOP実測値を取得すると共に、運転中の前記第2加温手段からボイラ効率実測値を取得し、(ii)前記COP実測値に基づいて、前記出力分担情報の変更タイミングであるか否かを判定し、(iii)前記出力分担情報の変更タイミングであると判定した場合に、少なくとも、前記給水温度、前記熱源温度および前記ボイラ効率実測値に基づいて、前記出力分担情報を決定することが好ましい。
また、本発明の温水製造システムは、前記凝縮器から送出される用水の温度を給湯温度として検出する給湯温度センサと、前記凝縮器に供給される用水の流量を給水流量として検出する給水流量センサと、前記ヒートポンプ式給湯器の圧縮機の消費電力を検出する電力センサと、前記蒸気ボイラの給気温度を検出する給気温度センサと、前記蒸気ボイラの排ガス温度を検出する排ガス温度センサと、を備え、前記COP実測値は、前記給湯温度、前記給水温度、前記給水流量および前記消費電力に基づいて算出され、前記ボイラ効率実測値は、前記給気温度および前記排ガス温度に基づいて算出されることが好ましい。
また、本発明の温水製造システムは、CO削減優先モードと、ランニングコスト削減優先モードとを含む、複数の運転モードを切り替え可能な運転モード選択部を備え、前記出力分担情報決定部は、前記CO削減優先モードが選択された場合には、システム全体のCO排出量が低くなるような前記第1加温手段と前記第2加温手段の出力分担割合を、前記出力分担情報として指定し、前記ランニングコスト削減優先モードが選択された場合には、システム全体のランニングコストが低くなるような前記第1加温手段と前記第2加温手段の出力分担割合を、前記出力分担情報として指定することが好ましい。
また、本発明の温水製造システムは、システムの運転実績データを出力する運転実績データ出力部を備え、前記運転実績データ出力部は、前記第1加温手段のCOP実測値と、前記第2加温手段のボイラ効率実測値に基づいて、システムの動作中における複数のタイミングのCO排出量および/またはランニングコストを演算する演算部と、前記演算部により演算された複数のタイミングのCO排出量および/またはランニングコストに基づく運転実績データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された運転実績データを出力する出力部と、を備えることが好ましい。
本発明によれば、出湯温度に適した運転を行うことにより、CO排出量削減効果を高めることや、ランニングコスト削減効果を高めることが可能な温水製造システムを提供することができる。
本発明の第1実施形態の温水製造システムを示す概略図である。 上記実施形態の給湯器のヒートポンプ回路を示す図である。 上記実施形態の貫流ボイラおよびその周辺ラインを示す概略図である。 上記実施形態の制御部の構成を示す機能ブロック図である。 上記実施形態の第2加温手段制御部の構成を示す機能ブロック図である。 加温手段として蒸気ボイラ装置からの蒸気のみを用いて温水製造システムを構築した第1の比較例を示す模式的な図である。 加温手段としてヒートポンプ式給湯システムのみを用いて温水製造システムを構築した第2の比較例を示す模式的な図である。 上記実施形態の温水製造システムを示す模式的な図である。 上記実施形態の効果を示すグラフである。 上記実施形態の制御の流れを示すフローチャートである。 目標給湯温度を決定するために用いるテーブル群を示す図である。 ランニングコスト削減優先モード時において目標給湯温度を決定するために用いるテーブルの例を示す図である。 CO削減優先モード時において目標給湯温度を決定するために用いるテーブルの例を示す図である。 望ましい目標給湯温度を説明するためのグラフである。 望ましい目標給湯温度を説明するためのグラフである。 上記実施形態の貯湯制御の内容を説明するための概略図である。 上記実施形態の貯湯制御における、給湯器の運転台数および補給水総量を模式的に示した図である。 本発明の第2実施形態の制御部の構成を示す機能ブロック図である。 上記実施形態の運転実績データ出力部の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第3実施形態の温水製造システムを示す概略図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係る温水製造システム1について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
図1は、本実施形態の温水製造システム1を示す概略図である。
本実施形態の温水製造システム1は、用水W1をヒートポンプ式給湯器の凝縮器に流通させながら第1温度まで加温する第1加温手段2と、第1加温手段2で加温された用水W1を蒸気ボイラで発生させた蒸気Sを利用して第1温度よりも高い第2温度まで昇温する第2加温手段3と、を備える。
ここで、第1温度は、第1加温手段2を構成するヒートポンプ式給湯器から給湯する温水の目標給湯温度T4tに対応する温度であり、第2温度は、最終的に温水製造システムから出湯する温水の目標出湯温度T5tに対応する温度である。
第1加温手段2は、ヒートポンプ式給湯システム10により構成されており、複数のヒートポンプ式給湯器、本実施形態においては、第1ヒートポンプ式給湯器11、第2ヒートポンプ式給湯器12、第3ヒートポンプ式給湯器13(以下、第1給湯器11、第2給湯器12、第3給湯器13ともいう)を備えている。
ヒートポンプ式給湯器11、12、13(以下、給湯器11、12、13ともいう)はそれぞれ、好適には電気駆動の冷媒圧縮機を有し、後述の給水タンク60から供給された用水W1をヒートポンプ式給湯システム10の凝縮器に流通させて第1温度、例えば50〜70℃に加温する。例えば目標給湯温度T4tが70℃の場合は、給湯温度T4が70℃となるように用水W1を加温する。
ここで、複数の給湯器11、12、13はいずれも同じ構成であり、いずれの給湯器もヒートポンプ回路90を有する。
そこで、これらを代表して、第1給湯器11のヒートポンプ回路90について説明する。
図2に示されるように、第1給湯器11のヒートポンプ回路90は、冷媒圧縮機91と、凝縮器92と、膨張弁93と、蒸発器94を備える。これらの圧縮機91、凝縮器92、膨張弁93および蒸発器94は、冷媒循環ラインL7によって順次環状に接続されており、これによりヒートポンプ回路90が形成されている。
圧縮機91は、電気駆動の冷媒圧縮機である。圧縮機91は、駆動源としてのモータ95を有しており、フロンガス等のガス状の冷媒Rを断熱圧縮して高温高圧の冷媒にする。凝縮器92は、ヒートポンプ給水ラインL3を通じて送られてくる用水W1への放熱により、冷媒圧縮機91からの冷媒Rを凝縮液化する。膨張弁93は、凝縮器92から送られた冷媒Rを断熱膨張させることで、冷媒Rの圧力と温度とを低下させる。蒸発器94は、熱源水供給ラインL8を通じて送られてくる熱源水W8(熱源流体)からの吸熱により、膨張弁93から送られる冷媒Rを蒸発させる。
なお、図1においては、熱源水供給ラインL8は図示を省略している。
ヒートポンプ回路90の熱源としては、廃温水等の熱源水に限らず、工場設備からの排気ガス(燃焼ガスや排蒸気等)、廃熱を含んだ冷却用空気、廃熱を含まない外気等の各種熱源ガスを用いることが可能である。
なお、蒸発器の構造として、伝熱面が外部に露出されている場合、熱源ガスはファンにより伝熱面に供給(例えば、大気の通風)される。また、蒸発器の構造として、伝熱面が閉鎖空間(例えば、シェル)内に存在している場合、熱源ガスはブロワにより伝熱面に供給される。
このように、第1給湯器11のヒートポンプ回路90は、蒸発器94において、冷媒Rが外部から熱を吸熱して気化する一方、凝縮器92において、冷媒Rが外部へ放熱して凝縮している。このような原理を利用して、第1給湯器11のヒートポンプ回路90は、蒸発器94において、熱源水W8から熱を汲み上げ、凝縮器92において、ヒートポンプ給水ラインL3からの用水W1を加温する。そして、凝縮器92を通過することにより加温されて温水となった用水W1は、給湯ラインL1を通じて、後述の温水タンク40に供給される。
なお、この第1給湯器11のヒートポンプ回路90は、冷媒Rの過熱度(冷媒圧縮機91の入口冷媒温度)が一定になるように、あるいは冷媒Rの過冷却度(膨張弁93の入口冷媒温度)が一定になるように、膨張弁93の開度が調整される(過熱度一定制御/過冷却度一定制御)。
また、この第1給湯器11のヒートポンプ回路90は、その出力が変更可能となっていてもよい。例えば、インバータ制御により、冷媒圧縮機91のモータ95の回転数を変更できるように構成してもよい。
ここで、圧縮機91を駆動するモータ95には、圧縮機91の消費電力Pwを検出する電力センサ96が設けられている。
また、図2に示されるように、第1給湯器11のヒートポンプ給水ラインL3には、凝縮器92に供給される用水W1の温度を給水温度T3として検出する給水温度センサ14と、凝縮器92に供給される用水W1の流量を給水流量FM3として検出する給水流量センサ15が設けられている。そして、第1給湯器11の給湯ラインL1には、凝縮器92から送出される用水W1の温度を給湯温度T4として検出する給湯温度センサ16が設けられている。
さらに、第1給湯器11の熱源水供給ラインL8には、熱源水W8の温度を熱源温度Thとして検出する熱源温度センサ17と、蒸発器94に供給される熱源水W8の流量を熱源流量FMhとして検出する熱源流量センサ18が設けられている。
なお、これらのセンサは、実質的に第1給湯器11に設けられていればよく、第1給湯器11内の各ラインに設けてもよいし、第1給湯器11の近傍の各ラインに設けられていてもよい。
これらのセンサによる検出値は、後述するヒートポンプ式給湯システム10のCOP(エネルギー消費効率)の実測値を算出する目的などで用いられる。
なお、前述のとおり、複数の給湯器11、12、13はいずれも同じ構成であり、いずれの給湯器にもこれらのセンサが設けられている。なお、図1においては、これらのセンサの図示は省略している。
複数の給湯器11、12、13により加温されて温水となった用水W1(以下、温水W1ともいう)は、給湯ラインL1によって合流した後、後述の温水タンク40に供給される。
次に、第2加温手段3について説明する。第2加温手段3は、蒸気ボイラ装置30と、温水タンク40と、蒸気ボイラ装置30で発生させた蒸気Sを温水タンク40に供給する昇温用給蒸ラインL2と、を備える。
第2加温手段3は、第1加温手段2で加温された用水W1を蒸気ボイラ装置30で発生させた蒸気Sを利用して第1温度よりも高い第2温度まで昇温する。
蒸気ボイラ装置30は、好適にはガス燃焼または油燃焼のバーナを有する蒸気ボイラであり、例えば、蒸気Sを発生させる複数台のボイラ、例えば複数台の貫流ボイラ31、32、33により構成される。
図3は、蒸気ボイラ装置30を構成する複数台の貫流ボイラ31、32、33のうち、例示的に一つの貫流ボイラ31およびその周辺ラインを示す概略図である。
貫流ボイラ31は缶体34を備え、この缶体34には、昇温用給蒸ラインL2に加えて、缶体34に燃焼用空気Aを供給する給気ラインL12と、缶体34からの燃焼ガス(排ガス)Eを排出する排ガスラインL13と、缶体34に燃料ガスFを供給する燃料供給ラインL14と、缶体34に用水をボイラ給水W4として供給するボイラ給水ラインL4が接続されている。
これらのラインはそれぞれ、システム全体として共通ラインを有し、この共通ラインを複数台の貫流ボイラ31、32、33に対応させて途中で分岐させているものであってもよい。なお、図1には、昇温用給蒸ラインL2、ボイラ給水ラインL4の共通ラインを除き、図示は省略している。
ここで、給気ラインL12には、ボイラの給気温度T1を検出する給気温度センサ35が設けられており、排ガスラインL13には、ボイラの排ガス温度T2を検出する排ガス温度センサ36が設けられている。また、ボイラ給水ラインL4には、ボイラに供給されるボイラ給水W4の温度を検出するボイラ給水温度センサ37が設けられている。
なお、これらのセンサは、実質的に蒸気ボイラ装置30に設けられていればよく、蒸気ボイラ装置30内の各ラインに設けてもよいし、蒸気ボイラ装置30の近傍の各ラインに設けられていてもよい。
これらのセンサによる検出値は、後述するボイラ効率実測値を算出する目的などで用いられる。
なお、複数の貫流ボイラ31、32、33はいずれも同じ構成であり、いずれの貫流ボイラにもこれらのセンサが設けられている。なお、図1においては、これらのセンサ類の図示は省略している。
昇温用給蒸ラインL2は、複数の貫流ボイラ31、32、33で発生した蒸気Sが集合する蒸気ヘッダ51と、貫流ボイラ31、32、33と蒸気ヘッダ51とを連結する連結ライン52と、蒸気ヘッダ51に集合した蒸気Sを温水タンク40に供給する蒸気供給ライン53と、を備える。そして、蒸気供給ライン53には、昇温用給蒸弁54が設けられている。また、蒸気ヘッダ51には、ヘッダ圧を検出するための圧力計55が設けられている。
温水タンク40は、第1加温手段2から供給される温水W1を貯留する。また、この温水タンク40内には、昇温用給蒸ラインL2を介して、蒸気ボイラ装置30からの蒸気Sが供給される。これにより、温水タンク40内に貯留されている温水TW(以下、貯留水TWともいう)は、第1温度よりも高い第2温度、例えば75〜95℃に昇温される。例えば目標出湯温度T5tが90℃の場合は、出湯温度T5が90℃となるように温水TWは加温される。
より具体的には、温水タンク40内に蒸気Sが吹き込まれることにより、温水タンク40内に貯留されている温水TWと、蒸気ボイラ装置30からの蒸気Sとの間で直接熱交換が行われ、その結果、温水タンク40内に貯留されている温水TWが昇温する。このとき、直接熱交換によって蒸気ボイラ装置30からの蒸気Sの全熱、すなわち顕熱および潜熱が利用されて、温水タンク40内に貯留されている温水TWは迅速に昇温する。
この温水タンク40は、貯留されている温水TWの温度を検知する貯湯温度センサ41と、貯留されている温水TWの水位WLを検知する第1水位センサ42を備える。
温水タンク40内で昇温された温水TWは、第2加温手段3から出湯する温水W6として、すなわち最終的に温水製造システム1から出湯する温水W6として、温水出湯ラインL6を通じて温水需要箇所に供給される。
図1に示すように、本実施形態の温水製造システム1は、用水を貯留する給水タンク60を備える。給水タンク60に貯留されている用水は、ヒートポンプ給水ラインL3を介して、給湯器11、12、13に供給される。
図2に示すように、各給湯器11、12、13には、各給湯器11、12、13に用水W1を供給するための給水ポンプ19が設けられている。
なお、給水ポンプ19は、実質的に給湯器11、12、13に設けられていればよく、給湯器11、12、13内の用水ラインに設けてもよいし、各給湯器11、12、13に対応して分岐した後のヒートポンプ給水ラインL3に設けてもよい。なお、図1においては、給水ポンプ19の図示は省略している。
給水ポンプ19はそれぞれ、例えばインバータ制御により回転数が調整されて駆動し、これにより、給湯器11、12、13への給水量が調整される。
なお、各給湯器11、12、13に対応させて流量調整弁を設けて、流量調整弁の開度を制御することにより、給湯器11、12、13への給水量を調整する構成を採用してもよい。この場合は、給水ポンプ19は、ヒートポンプ給水ラインL3の共通ラインに1つのみ設けてもよい。流量調整弁を設ける場合、給水ポンプ19は所定の回転数(駆動周波数一定)で駆動される。
図1に示すように、給水タンク60に貯留されている用水は、ボイラ給水ラインL4を介して、ボイラ給水W4として蒸気ボイラ装置30に供給される。
ボイラ給水ラインL4には、ボイラ給水ポンプ38が設けられている。図1は、ボイラ給水ラインL4の共通ラインに1つのボイラ給水ポンプ38を設けたときの例を示す図である。この場合は、各貫流ボイラ31、32、33に対応させて不図示の流量調整弁を設けて、流量調整弁の開度を制御することにより、各貫流ボイラ31、32、33への給水量を調整する構成を採用する。
なお、ボイラ給水ポンプ38は、実質的に蒸気ボイラ装置30に設けられていればよく、図1に示されるように、ボイラ給水ラインL4の共通ラインに1つのみ設けてもよいし、各貫流ボイラ31、32、33に対応して分岐した後のボイラ給水ラインL4に設けてもよい。また、各貫流ボイラ31、32、33内の用水ラインに設けてもよい。
ボイラ給水ポンプ38は、例えばインバータ制御により回転数が調整されて駆動し、これにより、各貫流ボイラ31、32、33への給水量が調整される。
なお、各貫流ボイラ31、32、33に対応させて、ボイラ給水ポンプに加えて流量調整弁をそれぞれ設けてもよい。流量調整弁を設ける場合、ボイラ給水ポンプは所定の回転数(駆動周波数一定)で駆動される。
さらに、本実施形態の温水製造システム1は、給水タンク60に貯留されている用水を直接温水タンク40に供給するためのバイパス給水ラインL5を備える。バイパス給水ラインL5には、バイパス給水ポンプ61と、バイパス給水弁62が設けられている。このバイパス給水弁62を開くと、給水タンク60に貯留されている用水が補給水として温水タンク40に補給される。このとき、バイパス給水ラインL5を通じて、冷水のままの用水W5(以下、冷水W5ともいう)が温水タンク40内に供給される。
本実施形態の温水製造システム1は、各種の制御を行うための制御部100を備える。図4Aは、制御部100の構成を示す機能ブロック図である。図4Aに示すように、制御部100は、目標出湯温度設定部110と、出力分担情報決定部120と、第1加温手段制御部130と、第2加温手段制御部140と、運転モード選択部150と、を備える。
さらに、第2加温手段制御部140は、図4Bに示すように、ボイラ制御部141と、給蒸制御部142と、貯湯制御部143を備える。
なお、制御部100は、上述のように複数の機能ブロックにより構成されているが、各ブロックは必ずしも物理的に分かれている必要は無く、複数のブロックの機能を1つのCPUで実現できるように構成してもよい。また、制御部100は、制御対象機器の配置や配線を考慮するなどして、2つ以上に分かれていてもよい。例えば、給湯器やボイラの自立制御の観点からは、各給湯器を制御する第1加温手段制御部130の機能は、各給湯器のローカル制御部に組み込むのが好ましく、ボイラ群を制御する第2加温手段制御部140の機能は、ボイラ群を制御対象とする台数制御盤に組み込むのが好ましい。
目標出湯温度設定部110は、第2加温手段3としての温水タンク40から出湯する温水W6、すなわち最終的に温水製造システム1から出湯する温水W6の目標出湯温度T5tを設定する。
例えば、この目標出湯温度T5tは、図示しない入力部にユーザが目標出湯温度T5tを入力することにより手動で設定される。あるいは、温水需要箇所の状況等、種々の状況に応じて、目標出湯温度T5tが自動的に設定される構成であってもよい。
出力分担情報決定部120は、設定された目標出湯温度T5tに基づいて、第1加温手段2と第2加温手段3の出力分担情報を決定する。例えば、出力分担情報としては、第1加温手段2からの給湯温度の目標値である目標給湯温度T4tが用いられる。
この出力分担情報決定部120が出力分担情報を決定する手順の詳細は、図9のフローチャートも用いて後述する。
第1加温手段制御部130は、決定された出力分担情報に基づいて、第1加温手段2を制御する。例えば、第1加温手段2から給湯する温水の目標給湯温度T4tを出力分担情報として用いる場合、第1加温手段制御部130は、第1加温手段2からの給湯温度T4が目標給湯温度T4tとなるように、第1加温手段2を制御する。
あるいは、出力分担情報が、第1加温手段2と第2加温手段3の具体的な出力分担の割合(出力%)を示す場合は、その割合に応じて、第1加温手段2の出力を設定してもよい。例えば、第1加温手段制御部130は、20℃の用水W1から所定の流量で90℃の温水W6を得るのに必要な総熱量を計算し、この総熱量を100%とした場合の第1加温手段2の出力%を設定する。そして、第1加温手段2は、第1加温手段制御部130により設定された出力%に相当する熱出力(=総熱量×出力%)で運転される。
具体的には、第1加温手段制御部130は、第1加温手段2を構成する給湯器11、12、13それぞれの運転の実行および停止等の動作に関する制御を行う。また、第1加温手段制御部130は、給湯温度センサ16によって検出された給湯温度T4に基づき、給水ポンプ19を制御して、給湯器11、12、13からの温水W1の給湯量を調整する。この給湯量の調整には、PIDアルゴリズムによるフィードバック制御を用いるのが好適である。
例えば、第1給湯器11について着目すると、第1加温手段制御部130は、給湯温度センサ16によって検出された給湯温度T4が、出力分担情報決定部120によって設定された目標給湯温度T4tとなるように、給水ポンプ19の回転数を制御して給湯量を調整する。第2給湯器12、第3給湯器13の制御についても同様である。
なお、各給湯器11、12、13に対応させて流量調整弁を設けて、流量調整弁の開度を制御することにより、給湯量の調整を行ってもよい。
これにより、給湯器11、12、13から供給される温水W1は、常に目標給湯温度T4tとなるように、目標給湯温度T4tに対応する第1温度まで加温される。
なお、熱源温度が低い場合など、ヒートポンプ回路に投入される熱量が少ない場合は、給湯量を絞ることにより、給湯温度T4が目標給湯温度T4tに維持されるように制御される。
ここで、目標給湯温度T4tは、出力分担情報決定部120による決定に基づき、目標出湯温度T5t以下の温度であって、例えば50〜85℃の範囲内の温度に設定される。ただし、目標給湯温度T4tは、この範囲外の温度に設定されてもよい。
第2加温手段制御部140は、目標出湯温度設定部によって設定された目標出湯温度T5tに基づいて、あるいは出力分担情報決定部120によって設定された出力分担情報に基づいて、第2加温手段3を制御する。
例えば、温水タンク40から出湯する温水が、目標出湯温度設定部によって設定された目標出湯温度T5tとなるように、第2加温手段3を制御する。
あるいは、出力分担情報が、第1加温手段2と第2加温手段3の具体的な出力分担の割合(出力%)を示す場合は、その出力分担の割合に応じて、第2加温手段3の出力を設定してもよい。例えば、第2加温手段制御部140は、20℃の用水W1から所定の流量で90℃の温水W6を得るのに必要な総熱量を計算し、この総熱量を100%とした場合の第2加温手段3の出力%を設定する。そして、第2加温手段3は、第2加温手段制御部140により設定された出力%に相当する熱出力(=総熱量×出力%)で運転される。
第2加温手段制御部140は、ボイラ制御部141と、給蒸制御部142と、貯湯制御部143を備える。
ボイラ制御部141は、蒸気ヘッダ51に設けられた圧力計55によって検出されたヘッダ圧力値に基づいて、蒸気ボイラ装置30の燃焼制御を行う。より具体的には、ヘッダ圧力値が目標蒸気圧力値となるように、ヘッダ圧力値と目標蒸気圧力値との偏差量を算出し、増減制御するボイラの台数および各ボイラの燃焼率を決定して制御する。
給蒸制御部142は、貯湯温度センサ41によって検出された検出温度に基づき、昇温用給蒸弁54の開度を制御する。より詳細には、給蒸制御部142は、貯湯温度センサ41によって検出された検出温度が、目標貯湯温度となるように、昇温用給蒸弁54の開度を制御して蒸気Sの供給量を調整する。
本実施形態においては、温水タンク40内の温水が、最終的に温水製造システム1から出湯する温水として用いられるため、目標貯湯温度は、目標出湯温度T5tと同じ温度として設定される。すなわち、給蒸制御部142は、温水タンク40に貯湯されている温水TWが、目標出湯温度設定部110により設定された目標出湯温度T5tとなるように、昇温用給蒸弁54の開度を制御して蒸気Sの供給量を調整する。
この供給量の調整にはフィードバック制御を用いるのが好適である。例えば、貯湯温度センサ41の検出温度が目標貯湯温度(目標出湯温度T5t)に収束するように、PIDアルゴリズムにより昇温用給蒸弁54に対する操作量が演算され、給蒸制御部142から昇温用給蒸弁54のアクチュエータ回路へ開度指定信号が出力される。
このような給蒸制御を行うことにより、温水タンク40内の温水TWの温度は、常に目標貯湯温度(目標出湯温度T5t)となるように、目標貯湯温度(目標出湯温度T5t)に対応する第2温度まで加温される。
温水タンク40内で目標貯湯温度(目標出湯温度T5t)まで昇温された温水TWは、温水出湯ラインL6を通じて、温水需要箇所に温水W6として供給される。
なお、第2加温手段制御部140は、貯湯制御部143も備えているが、この貯湯制御部143による制御内容については後述する。
運転モード選択部150は、CO削減優先モードと、ランニングコスト削減優先モードとを含む、複数の運転モードの切り替え制御を行う。
例えば、図示しない入力部を用いてユーザが所望の運転モードを選択すると、運転モード選択部150は、選択された運転モードとなるように運転モードを切り替える。なお、この運転モードの切り替えは手動に限らず、種々の状況に応じて自動的に行われる構成であってもよい。
そして、CO削減優先モードが選択された場合には、出力分担情報決定部120は、システム全体のCO排出量が低くなるような第1加温手段2と第2加温手段3の出力分担割合を、出力分担情報として指定する。一方、ランニングコスト削減優先モードが選択された場合には、出力分担情報決定部120は、システム全体のランニングコストが低くなるような第1加温手段2と第2加温手段3の出力分担割合を、出力分担情報として指定する。
以上のように、本実施形態の温水製造システム1は、用水W1をヒートポンプ式給湯システム10の凝縮器に流通させながら、第1温度まで加温する第1加温手段2と、第1加温手段2で加温された用水W1を蒸気ボイラ装置30で発生させた蒸気Sを利用して第1温度よりも高い第2温度まで昇温する第2加温手段3と、を備える。
ここで、出力分担情報決定部120による、第1加温手段2と第2加温手段3の出力分担を決定する具体的な制御内容を説明する前に、本実施形態の温水製造システム1が、第1加温手段2と第2加温手段3とを有する構成を採用していることによる効果について、以下に説明する。
図5は、加温手段として蒸気ボイラ装置30からの蒸気Sのみを用いて温水製造システムを構築した第1の比較例である。
温水需要箇所側が求める温水の温度は、その用途によって異なるが、例えば食品や薬品用のびんの洗浄、パストライザー殺菌(瓶詰の殺菌)等を行う場合は、75℃〜95℃程度の高温域の温水が求められることがある。そこで、温水製造システムが、高温域の温水、例えば90℃の温水を温水需要箇所側に供給するケースについて説明する。
図5の温水製造システム5は、加温手段として蒸気ボイラ装置30からの蒸気Sのみを利用している。ここで、蒸気ボイラは、ガス燃焼または油燃焼のバーナを有し、化石燃料を使用して蒸気を発生するものである。そのため、この温水製造システム5のCO排出量およびランニングコストは比較的高い値となっており、大幅な削減が求められている。
そこで加温手段として、化石燃料を使用せず、COP(エネルギー消費効率)が高い電気駆動のヒートポンプ式給湯システム10を用いた温水製造システムを採用することが考えられる。
図6は、加温手段として、ヒートポンプ式給湯システム10のみを用いて温水製造システム6を構築した第2の比較例である。電力のCO排出係数(0.51kgCO/kWh)は、都市ガス13AのCO排出係数(0.18kgCO/kWh)よりも大きいが、出力当たりのCO排出量で比較すると、COPの高いヒートポンプの方が蒸気ボイラよりも少なくなる。また、電力単価(15円/kWh程度)は、都市ガス13Aの燃料単価(6.2円/kWh程度)よりも高いが、出力当たりのランニングコストで比較すると、COPの高いヒートポンプの方が蒸気ボイラよりも安くなる。そのため、温水製造システム6は、図5の温水製造システム5よりは、CO排出量およびランニングコストが低下する。
ただし、ヒートポンプは、給湯温度が低ければCOPは相対的に高く、CO排出量の削減効果が高いものの、給湯温度を高めて使用する場合は、COPは相対的に低くなり、CO排出量の削減効果が低下する。
例えば、90℃の温水を給湯する場合におけるヒートポンプのCOPは、一例として2.8相当である。よって、加温手段として蒸気ボイラからの蒸気のみを利用する温水製造システム5と比較したときのCO排出量の削減効果(CO排出削減比)は10%程度に留まる。また、ランニングコストの削減効果(ランニングコスト削減比)も20%程度に留まる。
次に、本実施形態の温水製造システム1、すなわち、用水W1をヒートポンプ式給湯システム10の凝縮器に流通させながら第1温度まで加温する第1加温手段2と、第1加温手段2で加温された用水W1を蒸気ボイラ装置30で発生させた蒸気Sを利用して第1温度よりも高い第2温度まで昇温する第2加温手段3と、を備えるハイブリッド温水製造システムについて検討する。
図7に、このような温水製造システム1の概要を示す模式的な図を示す。
このような温水製造システム1であれば、第1加温手段2としてのヒートポンプ式給湯システム10が、高効率で運転できる温度帯まで、例えば70℃まで用水W1を加温し、この加温された温水W1を、蒸気ボイラ装置30からの蒸気Sを利用して高温域まで、例えば90℃まで昇温することが可能であり、高温域の温水を高効率で製造することができる。
ここで、給湯温度が70℃の場合におけるヒートポンプのCOPは、一例として4.2相当であり、非常に高い。本実施形態の温水製造システム1においては、ヒートポンプは、このような高いCOPを維持できる温度帯までの加温を受け持つ。
例えば、温水製造システム1として90℃の温水を製造したい場合において、ヒートポンプは70℃までの加温を受け持つ。このとき、ヒートポンプは、90℃の温水を製造するのに必要な総熱出力の60%〜80%(出力割合60%〜80%)程度を受け持つこととなる。
そして、70℃から90℃までの昇温は、蒸気ボイラが受け持つ。このとき、蒸気ボイラは、90℃の温水を製造するのに必要な総熱出力の20%〜40%(出力割合20%〜40%)程度を受け持つこととなる。
そして、ヒートポンプと蒸気ボイラをこのような組み合せで用いたときの温水製造システム1は、加温手段として蒸気ボイラからの蒸気のみを利用する温水製造システム5と比較して、CO排出量の削減効果が30%程度となり、その削減効果は非常に高い。また、ランニングコストの削減効果についても35%程度となり、その削減効果は非常に高い。
このように、本実施形態の温水製造システム1を使用することにより、出湯温度を高めた場合であっても、CO排出量、ランニングコストを極めて効果的に削減することができる。
図8は、本実施形態の温水製造システム1を用いて、例えば90℃の温水を製造して出湯する場合における、CO排出削減比およびランニングコスト削減比の一例を示すグラフである。
図8のグラフの横軸は、ヒートポンプの給湯温度である。そして、図8の折れ線グラフの縦軸は、CO排出削減比およびランニングコスト削減比である。
ここで、CO排出削減比は、加温手段として蒸気ボイラからの蒸気のみを利用する温水製造システム5のCO排出量を100%とした場合に、本実施形態の温水製造システム1で削減できたCO排出量の割合を示している。すなわち、CO排出削減比が25%であれば、温水製造システム1への転換を図ることで、100%のCO排出量を75%まで削減できることを意味している。
一方、ランニングコスト削減比は、加温手段として蒸気ボイラからの蒸気のみを利用する温水製造システム5のランニングコストを100%とした場合に、本実施形態の温水製造システム1で削減できたランニングコストの割合を示している。すなわち、ランニングコスト削減比が30%であれば、温水製造システム1への転換を図ることで、100%のランニングコストを70%まで削減できることを意味している。
そして、図8の棒グラフの縦軸は、ヒートポンプと蒸気ボイラの出力割合、すなわち、それぞれの熱出力の受け持ち分(出力分担)を示す。
ヒートポンプの出力割合を示す棒グラフには、そのヒートポンプの給湯温度におけるCOPが付記されている。給湯温度が高くなるほど、COPは低下する。
図8の折れ線グラフにおいて、ヒートポンプ給湯温度=90℃のデータと、ヒートポンプ給湯温度=50℃〜80℃のデータを比較すると、ヒートポンプのみを用いて90℃の温水を製造する場合(ヒートポンプ給湯温度=90℃のデータ)に比べて、ヒートポンプで50〜80℃まで加温し、その後蒸気を利用して90℃まで昇温した方が、明らかにCO削減効果が高く、またランニングコスト削減効果が高いことが理解できる。
すなわち、用水W1をヒートポンプ式給湯システム10の凝縮器に流通させながら、第1温度まで加温する第1加温手段2と、第1加温手段2で加温された用水W1を蒸気ボイラ装置30で発生させた蒸気Sを利用して第1温度よりも高い第2温度まで昇温する第2加温手段と、を備えたハイブリッド温水製造システムを使用することにより、CO排出量、ランニングコストを効果的に削減することができる。
本実施形態の温水製造システム1は、さらに出力分担情報決定部120を有する。この出力分担情報決定部120は、目標出湯温度設定部110により設定された目標出湯温度T5tに基づいて、第1加温手段2を構成するヒートポンプと第2加温手段3を構成する蒸気ボイラの出力分担、すなわちそれぞれの熱出力の受け持ち分を決定する。これにより、極めて効果的にCO排出量の削減、ランニングコストの削減を実現することが可能となっている。
出力分担情報決定部120は、運転モード選択部150において、運転モードとしてCO削減優先モードが選択された場合には、システム全体のCO排出量が低くなるような第1加温手段2と第2加温手段3の出力分担割合を、出力分担情報として指定する。
ここで、システム全体のCO排出量は、第1加温手段2を所定の条件下で運転した場合のCOP予測値を用いて算出されたヒートポンプCO排出量と、第2加温手段3を所定の条件下で運転した場合のボイラ効率予測値を用いて算出されたボイラCO排出量と、の合計である。
出力分担情報決定部120は、運転モード選択部150において、運転モードとしてランニングコスト削減優先モードが選択された場合には、システム全体のランニングコストが低くなるような第1加温手段2と第2加温手段3の出力分担割合を、出力分担情報として指定する。
ここで、システム全体のランニングコストは、第1加温手段2を所定の条件下で運転した場合のCOP予測値を用いて算出されたヒートポンプランニングコストと、第2加温手段3を所定の条件下で運転した場合のボイラ効率予測値を用いて算出されたボイラランニングコストと、の合計である。
図9は、運転モード選択部150による運転モードの選択から、出力分担情報決定部120による出力分担情報の決定および再設定処理を含む、本実施形態の制御の流れを説明するフローチャートである。
ステップS1において、運転モード選択部150は、CO削減優先モードと、ランニングコスト削減優先モードとを含む、複数の運転モードの切り替え制御を行う。
例えば、ユーザがCO削減優先モードを選択すると、運転モード選択部150は、CO削減優先モードとなるように運転モードを切り替える。一方、ユーザがランニングコスト削減優先モードを選択すると、運転モード選択部150は、ランニングコスト削減優先モードとなるように運転モードを切り替える。
ここでは、主にランニングコスト削減優先モードが選択された場合の処理について説明する。但し、CO削減優先モードが選択された場合についても、基本的には同様の制御の流れとなる。
ステップS2では、目標出湯温度設定部110は、第2加温手段3から出湯する温水の目標出湯温度T5tを設定する。
例えば、ユーザが目標出湯温度T5tとして90℃を入力した場合、目標出湯温度設定部110は、目標出湯温度T5tとして90℃を設定する。
目標出湯温度T5tとしては、例えば75〜95℃の範囲内の温度に設定される。ただし、この範囲外の温度であってもよい。
ここでは、目標出湯温度T5tとして90℃が設定された場合を例に説明する。
ステップS3では、出力分担情報決定部120が、目標出湯温度設定部110により設定された目標出湯温度T5tに基づいて、第1加温手段2を構成するヒートポンプと第2加温手段3を構成する蒸気ボイラの出力分担、すなわちそれぞれの熱出力の受け持ち分を決定する。
ここでは、ステップS1においてランニングコスト削減優先モードが選択されているため、出力分担情報決定部120は、システム全体のランニングコストが低くなるような第1加温手段2と第2加温手段3の出力分担割合を、出力分担情報として指定する。
出力分担情報としては、例えば、第1加温手段2から給湯する温水の目標給湯温度T4tが用いられる。
なお、CO削減優先モードが選択されている場合は、出力分担情報決定部120は、システム全体のCO排出量が低くなるような第1加温手段2と第2加温手段3の出力分担割合を、出力分担情報として指定する。
ここで、設定された目標出湯温度T5tに応じて、出力分担情報としての目標給湯温度T4tを何℃にするべきかについては、予めヒートポンプ回路の冷凍サイクル計算によるシミュレーションによって作成されたテーブル等に基づいて決定される。
図10〜12は、出力分担情報としての給湯温度を決定するためのテーブルを説明するための図である。
図10はテーブル群を示す図であり、このようなテーブル群が、運転モード、目標出湯温度毎に存在している。図10は、運転モードがランニングコスト削減優先モード、目標出湯温度T5tが90℃である場合のテーブル群の例を示す図である。このテーブル群の中から、現時点のボイラ効率実測値ηBに応じてテーブルが選択される。例えば、現時点のボイラ効率実測値ηBが98%の場合、テーブルLが選択される。
図11は、テーブルL(ランニングコスト削減優先モード、目標出湯温度T5t=90℃、ボイラ効率実測値ηB=98%)を説明するための図である。現時点の給水温度T3と熱源温度Thに応じて、このテーブルLの中から、テーブルデータとしての目標給湯温度T4tが抽出される。例えば、現時点の給水温度T3が20℃、熱源温度Thが35℃の場合、テーブルLの中から、「TR90−14」が抽出される。この「TR90−14」は、該当する給水条件、熱源条件のときに、ランニングコスト削減比が最大となる目標給湯温度T4tの指定値である。例えば、「TR90−14」が70℃であれば、出力分担情報決定部120は、出力分担情報としての目標給湯温度T4tを70℃に設定する。
なお、図12は、運転モードがCO削減優先モードの場合のテーブルの例を示すものである。基本的には図11のテーブルと同様の形態のテーブルであるが、例えば、「TC90−14」が60℃であるなど、テーブルデータの具体的な値が異なっている。
なお、運転モード選択時や目標出湯温度T5t設定時における出力分担情報(目標給湯温度T4t)の決定は、現時点のボイラ効率実測値ηB、給水温度T3、熱源温度Thは取得せず、予め定められた標準的なボイラ効率、給水温度、熱源温度の情報等に基づいて行ってもよい。ボイラおよびヒートポンプの動作環境条件が比較的安定している場合には、これらの標準的な情報を用いることで、出力分担情報の決定プロセスをシンプルにすることができる。
あるいは、ボイラおよびヒートポンプの動作環境条件が固定化されているようなケースでは、選択された運転モードの情報と、設定された目標出湯温度T5tの情報とから、簡易的に出力分担情報(目標給湯温度T4t)を決定する構成としてもよい。
図13は、一例として、目標出湯温度T5tが90℃の場合、目標給湯温度T4tを70℃に設定することが望ましいケースについて説明するためのグラフである。なお、このグラフは、図8に示すグラフとは、熱源温度Thなどの諸条件が異なっている。
図13におけるランニングコスト削減比を示す折れ線グラフを参照すると、給湯温度T4が70℃である場合に、最もランニングコスト削減比が高くなること、すなわち、システム全体のランニングコストが低くなることが確認できる。
すなわち、ランニングコスト削減優先モードにおいては、ランニングコスト削減効果を最大化する上で、目標給湯温度T4tを70℃に設定することが望ましいことが確認できる。
なお、CO排出削減比を示す折れ線グラフを参照すると、給湯温度T4が60℃である場合に、最もCO削減比が高くなること、すなわち、システム全体のCO排出量が低くなることが確認できる。よって、CO削減優先モードが選択されている場合においては、CO排出量削減効果を最大化する上で、目標給湯温度T4tを60℃に設定することが望ましいことが確認できる。
図9に戻ると、ステップS4では、決定した出力分担情報に基づいて、第1加温手段制御部130が第1加温手段2を制御し、第2加温手段制御部140が第2加温手段3を制御する。
具体的には、目標出湯温度T5tが90℃であり、出力分担情報としての目標給湯温度T4tが70℃である場合、第1加温手段制御部130は、第1加温手段2からの給湯温度T4が70℃となるように第1加温手段2を制御し、第2加温手段制御部140は、第2加温手段3からの出湯温度T5が90℃となるように第2加温手段3を制御する。
ステップS5では、第1加温手段制御部130が、熱源流量センサ18により検出される熱源流量FMhのモニタリングを行い、熱源流量FMhが規定範囲に入っているか否かの判定を行う。
ここで、熱源流量FMhが規定範囲に入っていない場合は、ステップS6に移り、熱源流量FMhが規定範囲に入っていないことを示すアラームを出力する。例えば、設定流量に対して±10%を超過した場合は、アラームを出力する。
熱源流量FMhが後述のCOP実測値ηHに影響を与える状態での出力分担の変更は、ランニングコスト削減比(CO削減優先モードが選択されている場合は、CO排出削減比)を最大化できない可能性があるので、熱源流量FMhが規定範囲外のときはアラームを出力し、出力分担の変更は実施しない。すなわち、出力分担変更禁止処理を行う。
一方、熱源流量FMhが規定範囲に入っている場合は、ステップS7に移る。
ステップS7では、出力分担情報決定部120は、運転中の第1加温手段2からCOP実測値ηHを取得し、このCOP実測値ηHに基づいて、前記出力分担情報の変更タイミングであるか否かを判定する。
例えば、出力分担情報決定部120は、運転中の第1加温手段2のCOP実測値ηHのモニタリングを行い、所定割合を超過する変動が生じたか否かの判定を行う。具体的には、最新の取得データについて、過去の取得データから±20%超過の変動が認められた場合は、COP実測値ηHが変動したと判定する。最新の取得データと比較される過去の取得データは、連続サンプリングの場合は所定時間前の取得データ、周期サンプリングの場合は所定回数前の取得データである。
このCOP実測値ηHの変動は、給水温度T3、熱源温度Th、熱源流量FMh等の条件が変動したときに生じ得る。COP実測値ηHが変動した場合、最適な出力分担が変化している可能性があるため、その後の処理で、出力分担の見直しを図る。
ここで、COP実測値ηH[−]は、給水温度センサ14により検出された給水温度T3[℃]と、給湯温度センサ16により検出された給湯温度T4[℃]と、給水流量センサ15により検出された給水流量FM3[kg/h]とによって算出される出熱Qh[kW]、並びに圧縮機91の電力センサ96により検出された消費電力Pw[kW]に基づいて、以下の式(1)により算出される。
ηH=Qh/Pw=((T4−T3)×FM3/860)/Pw …(1)
なお、第1加温手段2を構成する給湯器が複数設定されている場合、好ましい態様としては、複数の給湯器のうち、運転中の給湯器のCOP実測値ηHの平均値を用いて判定を行う。
COP実測値ηHの変動を検知した場合、ステップS8に移る。ステップS8では、出力分担情報決定部120が、出力分担情報を再設定するためのパラメータとして、運転中の第2加温手段3からボイラ効率実測値ηBを取得し、さらに、現時点の給水温度T3、熱源温度Thの情報を取得し、ステップS9に移る。
一方、COP実測値ηHの変動を検知しない場合は、ステップS5に戻る。
なお、ステップS5の熱源流量FMhのモニタリングと、ステップS7のCOP実測値ηHのモニタリングは、同時に行ってもよい。
ここで、出力分担情報決定部120は、ステップS8で、現時点のボイラ効率実測値ηB[%]を取得している。本実施形態では、ボイラ効率実測値ηBは、JIS B8222「陸用ボイラ−熱勘定方式」に規定された“熱損失法”と呼ばれる算定方式を用いており、以下の式(2)により算出される。
ηB=(1−Q/H1)×100 …(2)
ここで、Qは排ガス損失熱量[MJ/Nm]、H1は燃料の低位発熱量[MJ/Nm]を示す。
上記式(2)の排ガス損失熱量Qは、以下の式(3)により算出される。
Q=1.38×10−3×G×(T2−T1) …(3)
ここで、Gは実際湿り排ガス量[Nm/Nm]、T2はボイラの排ガス温度[℃]、T1はボイラの給気温度[℃]を示す。
上記式(3)の実際湿り排ガス量Gは、以下の式(4)により算出される。
G=Go+Gw+(m−1)×A
=(2.93×H1/10)+(m−1)×(2.68×H1/10) …(4)
ここで、Go+Gwは理論湿り排ガス量[Nm/Nm]、mは空気比、Aは理論空気量[Nm/Nm]を示す。
上記式(4)の空気比mは、以下の式(5)により算出される。
m=21/(21−O%) …(5)
ここで、O%は排ガス中のO濃度を示す。
上記式(2)〜(5)の、低位発熱量H1、理論湿りガス量Go+Gw、理論空気量Aといった燃料種情報と、排ガス中のO濃度の情報は、例えばユーザが燃料種などを入力することによって定まる入力値である。よって、ボイラ効率実測値ηBは、これらの入力値に加えて、給気温度センサ35により検知したボイラの給気温度T1と、排ガス温度センサ36により検知した排ガス温度T2とを用いることにより算出することができる。すなわち、“熱損失法”に基づくボイラ効率実測値ηBは、給気温度T1および排ガス温度T2に基づいて算出される。
なお、蒸気ボイラ装置30が複数のボイラにより構成されている場合、好ましい態様としては、複数のボイラのうち、運転中のボイラのボイラ効率実測値ηBの平均値を用いてこれ以降の処理を行う。
また、ボイラ効率実測値ηBの計算には、JIS B8222「陸用ボイラ−熱勘定方式」に規定された“入出熱法”と呼ばれる算定方式を用いることもできる。
ステップS9では、出力分担情報決定部120が、少なくともボイラ効率実測値ηB、給水温度T3、熱源温度Thの情報を用いて、再設定に用いる出力分担情報としての目標給湯温度T4tを決定する。このとき、予めヒートポンプ回路の冷凍サイクル計算によるシミュレーションによって作成されたテーブルを用いて、再設定する目標給湯温度T4tを決定する。
以下、前述の図10、11に示すテーブルを用いて、再設定する目標給湯温度T4tの決定方法について説明する。
ステップS8において取得したボイラ効率実測値ηBが例えば98%の場合、図10に示されるテーブル群の中から、テーブルLが選択される。
そして、ステップS8において取得した給水温度T3と熱源温度Thに応じて、図11に示されるテーブルLの中から、目標給湯温度T4tを抽出する。例えば、熱源温度Thが35℃から25℃に低下し、取得した給水温度T3が20℃、熱源温度Thが25℃の状態となっている場合、テーブルLの中から、「TR90−12」が抽出される。そして、「TR90−12」が60℃であれば、出力分担情報決定部120は、出力分担情報としての目標給湯温度T4tを60℃に再設定する。
図14は、この状況を説明するためのグラフである。熱源温度Thが35℃から25℃に低下することにより、図13の状態に比べて、ヒートポンプのCOPは低下する。
そして、ランニングコスト削減比を示す折れ線グラフを参照すると、給湯温度T4が60℃である場合に、最もランニングコスト削減比が高くなること、すなわち、システム全体のランニングコストが低くなることが確認できる。
よって、ランニングコスト削減モード選択時において、熱源温度Thが35℃から25℃に変化し、その結果、ヒートポンプのCOPが低下しているような状況下においては、目標給湯温度T4tを70℃(図13参照)から60℃(図14参照)に変更することにより、ランニングコスト削減の効果を最大化することができる。
なお、図13のCO削減比を示す折れ線グラフを参照すると、最もCO削減比が高くなる給湯温度T4は60℃である一方、図14のCO削減比を示す折れ線グラフを参照すると、最もCO削減比が高くなる給湯温度T4は50℃である。よって、CO削減優先モード選択時において、熱源温度Thが35℃から25℃に変化し、その結果、ヒートポンプのCOPが低下しているような状況下においては、目標給湯温度T4tを60℃(図13参照)から50℃(図14参照)に変更することにより、CO排出量削減の効果を最大化することができる。
ステップS10では、再設定された出力分担情報に基づいて、第1加温手段制御部130が第1加温手段2を制御し、第2加温手段制御部140が第2加温手段3を制御する。
具体的には、出力分担情報としての目標給湯温度T4tが65℃に再設定された場合、第1加温手段制御部130は、第1加温手段2からの給湯温度T4が65℃となるように第1加温手段2を制御する。
なお、目標出湯温度T5tは変更されていないため、第2加温手段制御部140は、第2加温手段3からの出湯温度T5が引き続き90℃となるように第2加温手段3を制御する。
このようにして、第1加温手段2と第2加温手段3の出力分担が変更される。このステップS9における出力分担情報の再設定も、出力分担情報の決定に含まれる。
ステップS11では、所定時間、出力分担情報変更禁止処理、すなわち目標給湯温度T4tの変更を禁止する処理を行う。目標給湯温度T4tを変更すると、COP実測値ηHが変化するため、目標給湯温度T4tの変更に応じて変化するCOP実測値ηHが安定するまでの時間は、目標給湯温度T4tの変更を禁止する。また、目標給湯温度T4tの変更を禁止する際、併せて目標出湯温度設定部110による目標出湯温度T5tの変更を禁止してもよい。例えば1時間を所定時間とし、その間、目標給湯温度T4tまたは目標出湯温度T5tの変更を禁止する。
以上が、運転モード選択部150による運転モードの選択から、出力分担情報決定部120による出力分担情報の決定および再設定処理を含む、本実施形態の制御の流れである。
ここで、ステップS3、ステップS9で使用するテーブルのテーブルデータとして目標給湯温度T4t(出力分担情報)を設定する方法について説明する。このテーブルデータは予め設定され、例えば制御部100の記憶部に記憶されている。
まず、ランニングコスト削減優先モード時に使用するテーブルの目標給湯温度T4tの設定方法について説明する。
システム全体のランニングコストは、第1加温手段2を所定の条件下で運転した場合のCOP予測値を用いて算出されたヒートポンプランニングコストと、第2加温手段3を所定の条件下で運転した場合のボイラ効率予測値を用いて算出されたボイラランニングコストと、の合計である。
よって、ボイラ燃料単価および電力単価の情報等を利用して、システム全体のランニングコストが最も低くなるような目標給湯温度T4tを出力分担情報として算出し、これをテーブルデータとしてテーブルに設定する。
ここで、温水製造システム1全体に対する第1加温手段2(ヒートポンプ)の出力割合εH[%]、第2加温手段3(ボイラ)のランニングコストRB[円/kWh]、第1加温手段2(ヒートポンプ)のランニングコストRH[円/kWh]、総ランニングコストRT[円/kWh]はそれぞれ、以下の式(6)〜(9)により算出される。
εH=(T4´−T3´)/(T5´−T3´) …(6)
RB=MB/(H1×1000)×3600/(ηB´/100)×(1−εH) …(7)
RH=MH/ηH´×εH …(8)
RT=RB+RH …(9)
これらの式において、T3´は第1加温手段2への給水温度[℃]、T4´は第1加温手段2からの給湯温度[℃]、T5´は第2加温手段3からの出湯温度[℃]を示す。また、ηB´は第2加温手段3のボイラ効率予測値[%]、ηH´は第1加温手段2のヒートポンプのCOP予測値[−]を示す。そして、MBはボイラ燃料単価[円/Nm]、MHは電力単価[円/kWh]、H1はボイラ燃料の低位発熱量[MJ/Nm]を示す。ここで、T3´〜T5´は、センサによる検出値等ではなく予測計算上の変数となっている。
上記の式(6)〜(9)を用いて、総ランニングコストRTが最小になる給湯温度T4´を、目標給湯温度T4tとして算出し、これをテーブルデータとしてテーブルに設定する。
ここで、ボイラ燃料単価MB、電力単価MH、ボイラ燃料の低位発熱量H1は、例えば燃料・電力購入契約や燃料種によって定まる値である。
よって、それ以外の情報として、出湯温度T5´、給水温度T3´、ボイラ効率予測値ηB´およびCOP予測値ηH´の数値を代入すれば、総ランニングコストRTが最小になる給湯温度T4´を算出することができる。
COP予測値ηH´は、ヒートポンプ回路の冷凍サイクル計算によって求められる。冷凍サイクル計算では多数の条件変数が存在するが、冷媒の劣化、蒸発器・凝縮器の汚れ、圧縮機の性能低下などが生じていなければ、COPの変動要因として特に大きいのは、給水温度および熱源温度の2つである。そのため、COP予測値ηH´に替わる条件変数として、給水温度および熱源温度の2つを採用することができる。
熱源温度は、式(1)のCOPの計算式には直接的に表出していないが、熱源温度が変化すると、前述した過熱度一定制御もしくは過冷却度一定制御により膨張弁93の開度が調整されるので冷媒流量が変化し、これにより圧縮機91の消費電力Pwが変化する。
なお、熱源流量もCOPに影響を与えるが、熱源水供給ポンプなどの故障がない限りその影響度は相対的に小さいため、ここでは条件変数として用いていない。COP予測値ηH´に対する条件変数に熱源流量を加えると図11等のテーブルが複雑化するが、制御部100のメモリに余裕があれば条件変数を増やしてもよく、この場合には目標給湯温度T4tをより的確に指定することができる。
以上より、本実施形態では、総ランニングコストRTが最も低くなるような目標給湯温度T4tを、出湯温度T5´、ボイラ効率予測値ηB´、給水温度T3´および熱源温度の4つの条件変数を用いて予測計算し、その結果をテーブルに反映させる手法を採用している。
このようにして総ランニングコストRTが最も低くなるような目標給湯温度T4tを算出することができるが、テーブル作成時においては、出湯温度T5´、ボイラ効率予測値ηB´、給水温度T3´および熱源温度の各値を振ったときの目標給湯温度T4tを各々算出し、これをテーブルデータとしてテーブルに設定する。
本実施形態においては、運転モード(ランニングコスト削減優先モード)と、目標出湯温度T5tと、ボイラ効率実測値ηBとに基づいて選択されるテーブルを複数作成している。そして、給水温度T3と、熱源温度Thとに基づいて求まる目標給湯温度T4tを、テーブルデータとしてテーブルに設定している(例えば、図10、11を参照。)。
そして、このテーブルを用いて、出力分担情報決定部120が実際に目標給湯温度T4tを決定するときは、設定されている運転モードと、設定されている目標出湯温度T5tと、ボイラ効率実測値ηBとに基づいてテーブルを選択し、このテーブルと、センサによる計測値としての給水温度T3および熱源温度Thに基づいて、目標給湯温度T4tを決定する。
なお、出力分担情報として、目標給湯温度T4tに換えて、目標給湯温度T4tの決定に伴って定まる温水製造システム1全体に対する第1加温手段2の出力割合εHなどを用いてもよい。
なお、第1加温手段2を構成するヒートポンプが複数台の場合や、第2加温手段3を構成するボイラが複数台の場合は、この点も加味してシステム全体のランニングコストが最も低くなるようなテーブルを作成する。
次に、CO削減優先モード時に使用するテーブルの目標給湯温度T4tの設定方法について説明する。
システム全体のCO排出量は、第1加温手段2を所定の条件下で運転した場合のCOP予測値を用いて算出されたヒートポンプCO排出量と、第2加温手段3を所定の条件下で運転した場合のボイラ効率予測値を用いて算出されたボイラCO排出量と、の合計である。
よって、CO排出係数当の情報等を利用して、システム全体のCO排出量が最も低くなるような目標給湯温度T4tを出力分担情報として算出し、これをテーブルデータとして設定する。
ここで、温水製造システム1全体に対する第1加温手段2(ヒートポンプ)の出力割合εH[%]、第2加温手段3(ボイラ)のCO排出量CB[kg/kWh]、第1加温手段2(ヒートポンプ)のCO排出量CH[kg/kWh]、総CO排出量CT[kg/kWh]はそれぞれ、以下の式(10)〜(13)により算出される。
εH=(T4´−T3´)/(T5´−T3´) …(10)
CB=αB/(ηB´/100)×(1−εH) …(11)
CH=αH/ηH´×εH…(12)
CT=CB+CH…(13)
これらの式で、T3´は第1加温手段2への給水温度[℃]、T4´は第1加温手段2からの給湯温度[℃]、T5´は第2加温手段3からの出湯温度[℃]を示す。また、ηB´は第2加温手段3のボイラ効率予測値[%]、ηH´は第1加温手段2のヒートポンプのCOP予測値[−]を示す。そして、αBはボイラ燃料のCO排出係数[kg/kWh]、αHは電力のCO排出係数[kg/kWh]を示す。ここで、T3´〜T5´は、センサによる検出値等ではなく予測計算上の変数となっている。
上記の式(10)〜(13)を用いて、総CO排出量CTが最小になる給湯温度T4´を、目標給湯温度T4tとして算出し、これをテーブルデータとして設定する。
ここで、ボイラ燃料のCO排出係数αB、電力のCO排出係数αHは、温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度(環境省)において指定された算定方法に基づいて計算された値である。
よって、それ以外の情報として、出湯温度T5´、給水温度T3´、ボイラ効率予測値ηB´およびCOP予測値ηH´の数値を代入すれば、総CO排出量CTが最小になる給湯温度T4´を算出することができる。
前述したように、COP予測値ηH´は、ヒートポンプ回路の冷凍サイクル計算によって求められる。COP予測値ηH´に替わる条件変数は、ランニングコスト削減優先モードと同様の考え方で選択することができる。
以上より、本実施形態では、総CO排出量CTが最も低くなるような目標給湯温度T4tを、出湯温度T5´、ボイラ効率予測値ηB´、給水温度T3´および熱源温度の4つの条件変数を用いて予測計算し、その結果をテーブルに反映させる手法を採用している。
このようにして総CO排出量CTが最も低くなるような目標給湯温度T4tを算出することができるが、テーブル作成時においては、出湯温度T5´、ボイラ効率予測値ηB´、給水温度T3´および熱源温度の各値を振ったときの目標給湯温度T4tを各々算出し、これをテーブルデータとしてテーブルに設定する。
本実施形態においては、運転モード(CO削減優先モード)と、目標出湯温度T5tと、ボイラ効率実測値ηBとに基づいて選択されるテーブルを複数作成している。そして、給水温度T3と、熱源温度Thとに基づいて求まる目標給湯温度T4tを、テーブルデータとしてテーブルに設定している(例えば、図12を参照。)。
そして、このテーブルを用いて、出力分担情報決定部120が実際に目標給湯温度T4tを決定するときは、設定されている運転モードと、設定されている目標出湯温度T5tと、ボイラ効率実測値ηBとに基づいてテーブルを選択し、このテーブルと、センサによる計測値としての給水温度T3および熱源温度Thに基づいて、目標給湯温度T4tを決定する。
なお、ボイラ効率予測値ηB´、COP予測値ηH´、出力分担情報として、どのような情報を用いることができるのかなどについては、ランニングコスト削減優先モード時と同様である。
以上の方法により、ステップS3、ステップS9で使用するテーブルのテーブルデータとして目標給湯温度T4t(出力分担情報)を設定することができる。
なお、図13、14に示されるグラフは、給湯温度T4を10℃刻みで計算したグラフとなっているが、さらに細かい温度刻みで計算することも可能である。例えば、図11、12のテーブルを用いて決定する目標給湯温度T4tは、1℃単位等、細かい温度刻みであってもよい。また、図11、12のテーブルの給水温度T3および熱源温度Thについても、制御部100のメモリに余裕がある場合には、1℃刻み等、さらに細分化したテーブルとしてもよい。
なお、ヒートポンプ式給湯システム10が停止し、蒸気ボイラ装置30の単独運転となった時が、CO排出量、ランニングコストが最大となる。よって、ヒートポンプ式給湯システム10が停止しないような条件のテーブルを作成しておくことが好ましい。そのためには、目標給湯温度T4t≧給水温度T3+ΔTの条件を満たす必要がある。また、ヒートポンプ式給湯システム10の給湯温度T4を一定とする制御では、インバータポンプや比例制御弁を用いて給水流量を制御するので、最大駆動周波数や最大開度付近での制御を避けるために、ΔTとして十分な温度差を確保する必要がある。よって、例えば、10℃<給水温度T3≦20℃であるとき、最低の目標給湯温度T4tが30℃となるようなテーブルを作成しておくことが好ましい。
なお、テーブル上の目標給湯温度T4tは、温水製造システム1の目標出湯温度T5tが上限となるため、目標出湯温度T5tを超える目標給湯温度T4tが選ばれる場合は制限をかける必要がある。具体的には、給湯器の出力分担を100%としつつ、目標出湯温度T5tに合わせて、目標給湯温度T4tを目標出湯温度T5tまで下げる。
なお、本実施形態においては、出力分担情報(目標給湯温度T4t)を、ボイラ効率ηB、給水温度T3、熱源温度Thの3つのパラメータに基づいて決定しているが、これに、熱源流量FMhといった他のパラメータを加えてもよい。外乱による変動量が大きいパラメータは給水温度T3と熱源温度Thであるが、より適切に出力分担情報を決定するために、熱源流量FMhといった他のパラメータを加えてもよい。
なお、目標給湯温度T4tの決定は、テーブルを用いる方法に限らず、目標給湯温度T4t=f(T3,Th)といった2変数関数式等、複数の変数を有する関数式を用いる方法でもよい。また、テーブルと関数式を組み合わせて目標給湯温度T4tを決定してもよい。
なお、本実施形態においては、選択された運転モードの情報と、設定された目標出湯温度T5tの情報に基づいて、出力分担情報(目標給湯温度T4t)を決定しているが、運転モードの選択ができないシステムにおいても適用可能である。この場合は、設定された目標出湯温度T5tの情報に基づき、システム全体のCO排出量またはランニングコストが低くなるように、あるいは両方のバランスを考慮するなどして、出力分担情報(目標給湯温度T4t)を決定する。
なお、本実施形態においては、設定された目標出湯温度T5tに基づいて、出力分担情報としての目標給湯温度T4tを決定しているが、例えば、設定された目標出湯温度T5tに基づく制御により実際に出湯する温水の出湯温度T5に応じて、出力分担情報としての目標給湯温度T4tを決定する態様であってもよい。
なお、本実施形態においては、COP実測値ηHの変動を検知した場合に、出力分担情報を再設定するための処理を実行しているが、COP実測値ηHの変動を検知することに換えて、給水温度T3の変動、熱源温度Thの変動、熱源流量FMhの変動、圧縮機の消費電力Pwの変動といった、COPに影響を及ぼすパラメータの変動を検知した場合に、出力分担情報を再設定するための処理を実行してもよい。
なお、COP実測値ηHは、時系列で複数回に亘って取得されるCOPを意味し、必ずしも短時間の時間周期で取得されるものには限らない。例えば、COPの変動を検知する上で、10〜30分周期で取得する場合や、1時間周期で取得する場合なども含まれる。
ここで、本実施形態の第2加温手段制御部140は、貯湯制御部143も備えているため、ここで、図15、16を用いて、貯湯制御部143についても説明する。
貯湯制御部143は、第1水位センサ42の検出結果に基づき、バイパス給水弁62、昇温用給蒸弁54、給湯器11、12、13の制御を行う。
図15に示されるように、第1水位センサ42は、複数の電極棒を備える電極式水位検出器により構成されており、第1電極棒421と、第2電極棒422と、第3電極棒423と、第4電極棒424と、第5電極棒425と、を備えている。また、図示はしていないが、共通電極を構成する電極棒や、異常水位を検知するための電極棒をさらに備えていてもよい。
各電極棒421〜425は、その下端部が水に浸るか否かにより、温水タンク40内の貯留水TWの水位WLが各電極棒の下端部まで来ているか否かを検出する。
ここで、第1電極棒421が検出する水位を水位LL、第2電極棒422が検出する水位を水位L、第3電極棒423が検出する水位を水位M、第4電極棒424が検出する水位を水位H、第5電極棒425が検出する水位を水位HHとする。そして、図15に示されるように、各電極棒は、下端部の高さ位置が低い方から順に、第1電極棒421、第2電極棒422、第3電極棒423、第4電極棒424、第5電極棒425となるように、温水タンク40内に挿入されている。これらの電極棒が検出する水位は、給湯器11、12、13の運転台数等の変更制御を行うための複数段階の水位閾値となる。
本実施形態においては、第1水位センサ42の検出結果に基づき、貯湯制御部143が、バイパス給水弁62、昇温用給蒸弁54、給湯器11、12、13の制御を行う。より詳細には、貯湯制御部143は、第1水位センサ42が水位LLを下回ったことを検出したときは、バイパス給水弁62を開放する。また、貯湯制御部143は、温水タンク40内の水位下降時は、第1水位センサ42の検出水位が水位閾値を1段階下回るたびに給湯器の運転台数を1台ずつ増加させる台数制御を実行し、温水タンク40内の水位上昇時は、第1水位センサ42の検出水位が水位閾値を1段階上回るたびに給湯器の運転台数を1台ずつ減少させる台数制御を実行する。この台数制御は、水位下降時においては、例えば水位H、水位M、水位Lにおいて、水位上昇時においては、例えば水位M、水位H、水位HHにおいて行われる。
なお、貯湯制御部143は、給蒸制御部142を介して昇温用給蒸弁54を制御してもよい。また、貯湯制御部143は、第1加温手段制御部130を介して給湯器11、12、13を制御してもよい。
ここで、温水タンク40内の水位WLが、例えば図15に示される水位LL〜水位Lの範囲内に位置している状況から変動する場合について具体的に説明する。
温水タンク40に貯留されている貯留水TWは、温水出湯ラインL6を通じて、不図示の温水需要箇所に供給される。そして、温水タンク40から温水需要箇所に供給される温水W6の量が、第1加温手段2としての複数の給湯器11、12、13から温水タンク40に供給される温水W1および蒸気ボイラ装置30から温水タンク40に供給される蒸気Sの水分の量を上回ると、温水タンク40内の水位WLは下降していく(図15の矢印Aを参照。)。そしてあるタイミングにおいて、第1電極棒421の下端部が水面から露出すると、第1水位センサ42は、水位WLが水位LLを下回ったことを検出する。
貯湯制御部143は、水位WLが水位LLを下回ったことを検出すると、温水タンク40が渇水直前の状態になったと判断し、給湯器11、12、13を3台全て運転状態として温水タンク40に可能な限りの温水W1を供給すると共に、バイパス給水弁62を開放し、給水タンク60に貯留されている冷水W5を直接温水タンク40に補給する。さらに、冷水W5が供給されることにより温水タンク40内の貯留水TWの温度が低下することを考慮し、昇温用給蒸弁54を全開にして、温水タンク40に可能な限りの蒸気Sを供給する。なお、給蒸制御部142は、このときにおいては、貯湯温度センサ41が検出した温度によらずに、昇温用給蒸弁54の開度を全開とする制御を行う。
このように、水位WLが水位LLを下回ったとき、すなわち、温水タンク40が渇水直前の状態になった場合は、第1加温手段2により加温された温水W1を供給すると共に、第1加温手段2を介していない冷水W5も供給することにより、迅速に水位WLの回復を図る。また、昇温用給蒸弁54を全開として蒸気Sを供給することにより、冷水W5の供給により温度の低下した温水タンク40内の貯留水TWを、極力早期に昇温する。
このような制御を行うことにより、水位WLは回復していく(図15の矢印Bを参照。)。そして、水面が第2電極棒422と接触し、第2電極棒422の先端が水面の中に浸ると、第1水位センサ42は、水位WLが水位Lを上回ったことを検出する。
貯湯制御部143は、水位WLが水位Lを上回ったこと(水位L〜水位Mの範囲内に入ったこと)を検出すると、温水タンク40が渇水直前の状態からは脱したと判断し、バイパス給水弁62を閉じる。また、昇温用給蒸弁54の制御を、貯湯温度センサ41の検出温度に基づく通常の温度制御に戻す。なお、この時点では、依然として水位WLは高いとはいえない状況であるため、給湯器11、12、13については、3台全ての運転を継続する。
次に、さらに水位WLが上昇し、第3電極棒423の先端が水面の中に浸ると、第1水位センサ42は、水位WLが水位Mを上回ったこと(水位M〜水位Hの範囲内に入ったこと)を検出する。
このとき、貯水量に少し余裕がでてきたと判断し、3台中1台の給湯器の運転を停止し、2台の給湯器のみ、運転を継続する。例えば、給湯器11、12、13のうち、第3給湯器13の運転を停止し、第1、第2給湯器11、12のみ運転を継続する。なお、バイパス給水弁62は閉じたままの状態を維持する。また、昇温用給蒸弁54の制御も、給蒸制御部142による通常の温度制御状態を維持する。
次に、さらに水位WLが上昇し、第4電極棒424の先端が水面の中に浸ると、第1水位センサ42は、水位WLが水位Hを上回ったこと(水位H〜水位HHの範囲内に入ったこと)を検出する。
このとき、貯水量にさらに余裕がでてきたと判断し、3台中2台の給湯器の運転を停止し、1台の給湯器のみ、運転を継続する。例えば、給湯器11、12、13のうち、第2、第3給湯器12、13の運転を停止し、第1給湯器11のみ運転を継続する。なお、バイパス給水弁62は閉じたままの状態を維持する。また、昇温用給蒸弁54の制御は給蒸制御部142による通常の温度制御状態を維持する。
次に、さらに水位WLが上昇し、第5電極棒425の先端が水面の中に浸ると、第1水位センサ42は、水位WLが水位HHを上回ったことを検出する。
このとき、貯水量は十分な量になったと判断し、さらにもう1台の給湯器の運転を停止する。すなわち、給湯器11、12、13全ての運転を停止する。なお、バイパス給水弁62は閉じたままの状態を維持する。また、昇温用給蒸弁54の制御は、給蒸制御部142による通常の温度制御状態を維持する。
次に、この状態から、水位WLが下降していく場合について説明する。
水位WLが下降し(図15の矢印Cを参照。)、第4電極棒424の下端部が水面から露出すると、第1水位センサ42は、水位WLが水位Hを下回ったこと(水位M〜水位Hの範囲内に入ったこと)を検出する。
貯湯制御部143は、水位WLが水位Hを下回ったことを検出すると、3台の給湯器のうち、1台の給湯器のみ運転を再開する。例えば、給湯器11、12、13のうち、第1給湯器11の運転を再開する。
ここで、水位WLが水位Hを下回った後、仮に水位WLが上昇し、第5電極棒425の先端が水面の中に浸ると、すなわち水位WLが水位HHを上回ったことを検出すると、貯水量は再び十分な量になったと判断し、前述と同様、給湯器11、12、13全ての運転を停止する。
一方、水位WLが水位Hを下回った後、水位WLがさらに下降し(図15の矢印Dを参照。)、第3電極棒423の下端部が水面から露出すると、第1水位センサ42は、水位WLが水位Mを下回ったこと(水位L〜水位Mの範囲内に入ったこと)を検出する。
貯湯制御部143は、水位WLが水位Mを下回ったことを検出すると、3台の給湯器のうち、2台の給湯器のみ運転を実行する。例えば、給湯器11、12、13のうち、第1、第2給湯器11、12の運転を実行する。
この状態から、水位WLがさらに下降し、第2電極棒422の下端部が水面から露出すると、第1水位センサ42は、水位WLが水位Lを下回ったこと(水位LL〜水位Lの範囲内に入ったこと)を検出する。
貯湯制御部143は、水位WLが水位Lを下回ったことを検出すると、3台全ての給湯器11、12、13の運転を実行する。
この状態から、水位WLがさらに下降し、第1電極棒421の下端部が水面から露出した場合、すなわち水位WLが水位LLを下回ったことを検出した場合は、貯湯制御部143は、温水タンク40が渇水直前の状態になったと判断し、前述と同様、給湯器11、12、13を3台全て運転状態とすると共に、バイパス給水弁62を開放する。さらに、昇温用給蒸弁54を全開にする。
このように、温水タンク40内の水位WLに応じて給湯器の運転台数を増減させるため、適切に温水タンク40内の水位WLの管理を行うことができる。また、消費電力を抑えることができる。
なお、貯湯制御部143は、図15に示されるように、所定の水位帯における給湯器の運転台数を、水位上昇時と水位下降時とでずらしている。例えば、水位L〜水位Mの間の水位帯においては、水位上昇時の運転台数が3台である一方、水位下降時の運転台数が2台となっている。これは、水位WLが水位閾値付近で変動する場合において、給湯器の運転開始と運転停止が頻繁に実行されてしまう状況を防ぐためである。これにより、給湯器および温水供給の給水制御機器(給水ポンプや給水弁等)の故障リスクが低減する。
なお、所定の水位帯における給湯器の運転台数を、水位上昇時と水位下降時とでずらすことに換えて、状態確認時間を設けてもよい。すなわち、水位WLが所定の水位閾値を下回っている状態が第1所定時間継続したと判定された場合に、給湯器の運転台数を切り替える等の制御を実行する構成としてもよい。
例えば、図15の矢印Cに示されるような水位WLの下降過程において、水位WLが水位HHを下回っている状態が所定時間継続したと判定された場合に、給湯器の運転台数を0台から1台に切り替える。このように状態確認時間を設けることにより、例えば所定の水位帯としての水位H〜水位HHの水位帯における給湯器の運転台数を、水位上昇時と水位下降時とで同じにしても、給湯器の運転開始と運転停止が頻繁に実行されてしまう状況を防ぐことができる。なお、他の水位閾値においても同様に状態確認時間を設ける。
なお、水位WLが所定の水位閾値を上回っている状態が第2所定時間継続したと判定された場合に、給湯器の運転台数の切り替える等の制御を実行する構成を採用してもよい。例えば、図15の矢印Bに示されるような水位WLの上昇過程において、水位WLが水位LLを上回っている状態が所定時間継続したと判定された場合に、バイパス給水弁62を閉じ、昇温用給蒸弁54の制御を温度制御に戻してもよい。さらに水位WLが上昇し、水位Lを上回っている状態が所定時間継続したと判定された場合に、給湯器の運転台数を3台から2台に切り替えてもよい。なお、他の水位閾値においても同様に状態確認時間を設ける。
このような制御により、水位WLの下降継続の状態確認時間、または上昇継続の状態確認時間に基づいて、給湯器の運転台数の変更等の制御を行うことができる。
そして、状態確認時間の設定値は、調整可能となっていることが好ましい。状態確認時間の設定値を調整可能とすることにより、水位閾値を下回ったときに、温水タンク40の断面積による水位の下降速度の違いを考慮して、水位の下降継続の確認に必要な水位幅に対応する遅延時間としての第1所定時間を設定することができる。または、水位閾値を上回ったときに、温水タンク40の断面積による水位の上昇速度の違いを考慮して、水位の上昇継続の確認に必要な水位幅に対応する遅延時間としての第2所定時間を設定することができる。
状態確認時間の設定値は、手動または自動で調整可能であり、0よりも大きい値を設定することができる。なお、状態確認時間の計測は、制御部100の内部タイマ等を用いて実施する。
なお、第1水位センサ42は、電極式水位検出器に限らず、各種の水位検出器を採用することが可能である。例えばフロート式の水位検出器を5つ設けて、各水位閾値を検出できるようにしてもよい。また、電極式水位検出器とフロート式の水位検出器を組み合わせて使用してもよい。さらに、連続的な水位を測定可能な圧力式水位センサ等の水位検出部を用いて、複数の水位閾値を検出してもよい。なお、検出する水位閾値の数は、5つに限らない。
図16は、水位上昇時における、給湯器11、12、13の運転台数および補給水総量を模式的に示した16である。横軸が温水タンク40内の水位WL、縦軸が補給水総量となっている。図16においては、第1ヒートポンプ式給湯器11から供給される温水量を「HP1」、第2ヒートポンプ式給湯器12から供給される温水量を「HP2」、第3ヒートポンプ式給湯器13から供給される温水量を「HP3」と表記している。
水位LLを下回った後、水位WLが上昇している場合においては、図16に示されるように、水位WLが水位Lを上回るまでは、3台の給湯器11、12、13から温水W1が供給され、かつ給水タンク60から冷水W5が直接供給され、さらに昇温用給蒸弁54が全開の状態で、蒸気ボイラ装置30からの蒸気Sが供給される。このときの補給水総量は、図16の縦軸に示されるとおりである。
その後、水位WLが水位Lを上回ると、バイパス給水弁62を閉じ、昇温用給蒸弁54の制御を温度制御に戻す。よって、補給水総量は、図16に示されるように減少する。
さらにその後、水位WLが水位Mを上回ると、第3給湯器13の運転を停止し、第1、第2給湯器11、12の運転のみを継続する。よって、補給水総量は、図16に示されるようにさらに減少する。また、給水タンク60から直接供給された冷水W5の影響も減ってくるため、温水タンク内の貯湯温度に基づいて調整される蒸気Sの供給量も徐々に減少する。
さらにその後、水位WLが水位Hを上回ると、さらに第2給湯器12の運転を停止し、第1給湯器11の運転のみを継続する。よって、補給水総量は、図16に示されるようにさらに減少する。
そして、水位WLが水位HHを上回ると、第1給湯器11の運転も停止し、3台全ての給湯器の運転を停止する。ただし、このときも昇温用給蒸弁54の温度制御は継続しているため、蒸気ボイラ装置30からの蒸気Sの供給は継続している。
なお、本実施形態においては、給湯器11、12、13からの給湯温度は一定となるように制御されている。例えば、目標給湯温度が70℃に設定されている。給湯器11、12、13は、この目標給湯温度に対応する第1温度の温水W1を給湯する。
なお、上述の給湯器の運転の停止には、給水ポンプ19の駆動を停止することや、各給湯器11、12、13に対応する流量調整弁を閉じることなど、給湯器からの給湯を停止する動作も含まれる。また、冷媒圧縮機91の駆動を停止して、ヒートポンプ回路の冷媒循環を停止することも含まれる。
なお、給湯器11、12、13のうち、どの給湯器の運転停止/再開を優先して実行するかについては、各給湯器の状態や動作履歴等を踏まえて、適宜決定する構成を採用してもよい。また、予め定めておいても良い。
このように、温水タンク40内の水位WLに応じて給湯器の運転台数を増減する等の制御を行うため、適切に温水タンク40内の水位WLの管理を行うことができる。また、消費電力を抑えることができる。
以上のように、本実施形態の温水製造システム1、すなわち、用水W1をヒートポンプ式給湯システム10の凝縮器に流通させながら、第1温度まで加温する第1加温手段2と、第1加温手段2で加温された用水W1を蒸気ボイラ装置30で発生させた蒸気Sを利用して第1温度よりも高い第2温度まで昇温する第2加温手段と、を備えたハイブリッド温水製造システムを使用することにより、システムとしての出湯温度を高める場合であっても、CO排出量、ランニングコストを効果的に削減することができる。
さらに、本実施形態においては、出力分担情報決定部120が、目標出湯温度設定部110により設定された目標出湯温度T5tに基づいて、第1加温手段2を構成するヒートポンプと第2加温手段3を構成する蒸気ボイラの出力分担、すなわちそれぞれの熱出力の受け持ち分を決定している。これにより、極めて効果的にCO排出量の削減、ランニングコストの削減を実現することが可能となっている。
そして、本実施形態の温水製造システム1の第1加温手段2は、用水W1をヒートポンプ式給湯器の凝縮器に貫流させながら、第1温度まで加温している。
第2加温手段3で加温された温水が凝縮器に再び戻ることなく、貫流させる構成、すなわち一過流通させる構成を採用することにより、第1加温手段2により加温された第1温度の温水W1が常に追加的に供給され、これを第2加温手段3で昇温する構成となる。よって、温水需要箇所が要求する出湯量が多い場合においても、常に安定した温度の温水を出湯することが容易となる。
また、温水タンク40を備える場合においては、温水タンク40内の水位WLが低下してきても、その低下のレベルに応じて、第1加温手段2により加温された第1温度の温水W1が常に追加的に温水タンク40内に供給される。よって、この構成であれば、温水タンク40内に冷水W5を供給せざるを得ない状況が発生する頻度が少なくなる。したがって、冷水W5の供給により、温水タンク40内の貯留水TWの温度が極端に低下することも少ない。
そして、本実施形態の温水製造システム1の第2加温手段3は、第1加温手段2で加温された用水W1を蒸気ボイラ装置30で発生させた蒸気Sと直接熱交換させて第1温度よりも高い第2温度まで昇温している。
このように、第1加温手段2で加温された用水W1を蒸気ボイラ装置30で発生させた蒸気Sと直接熱交換させることにより、第1加温手段2で加温された用水W1は迅速に昇温する。すなわち、蒸気Sの全熱(顕熱および潜熱)が利用されることにより、第1加温手段2で加温された用水W1は迅速に昇温する。よって、出湯温度の制御応答性も向上する。
なお、このような効果を得る上で、給湯器として、電気駆動の冷媒圧縮機を有するヒートポンプ式給湯器を用い、蒸気ボイラとして、ガス燃焼または油燃焼のバーナを有する蒸気ボイラを用いることが特に好ましい。
このように、電気駆動の冷媒圧縮機を有するヒートポンプ式給湯器と、化石燃料を燃焼させるバーナを有する蒸気ボイラを組み合わせ、それぞれで加温する温度範囲を適切に設定することで、ヒートポンプ式給湯器単独で、あるいは蒸気ボイラ単独で高温水を製造する場合に比べて、高いCO排出量の削減効果と高いランニングコストの削減効果を得ることができる。
なお、本実施形態の温水製造システム1は、第2加温手段3として、温水タンク40を備えていることが好ましいが、温水タンク40を設けず、給湯ラインL1を流れる温水W1に直接給蒸を行う構成を採用してもよい。
なお、ヒートポンプ式給湯システム10を構成する給湯器は、1台であってもよい。1台の場合は、本実施形態において説明した複数台の給湯器による制御は行わない。この場合、出力分担情報決定部120による目標給湯温度T4tの決定は、比較的シンプルな処理で実行できる。
なお、蒸気ボイラ装置30を構成するボイラは、1台であってもよい。1台の場合は、測定された蒸気圧力値と、目標蒸気圧力値に基づき、燃焼率の制御等が行われてもよい。この場合、出力分担情報決定部120による目標給湯温度T4tの決定は、比較的シンプルな処理で実行できる。
なお、製造した温水は、食品や薬品用のびんの洗浄用、パストライザー殺菌用に限らず、各種の用途に使用することができる。
例えば、食品・飲料分野における温水利用であれば、原材料・加工品の加温、洗びん、製造機器の定置洗浄(CIP)などの用途に利用することができる。
また、食品・飲料分野における蒸気利用であれば、蒸気ボイラ装置30で発生させた蒸気Sを高温調理(揚げ物、蒸し物、炒め物)、レトルト釜殺菌(パウチや缶詰の殺菌)、製造設備の定置殺菌(SIP)、温水製造のバックアップなどに利用することができる。
そして、機械分野における温水利用であれば、湯洗・脱脂などの用途に利用することができる。
これらの用途においても、75℃〜95℃程度の高温域の温水が求められることがあり、このような高温域の温水を必要とする場合において、本実施形態の温水製造システム1は特に好適に利用可能である。
以上説明した本実施形態の温水製造システム1によれば、以下のような効果が奏される。
(1)本実施形態の温水製造システム1は、用水W1をヒートポンプ式給湯システム10の凝縮器92に流通させながら第1温度まで加温する第1加温手段2と、第1加温手段2で加温された用水W1を蒸気ボイラ装置30で発生させた蒸気Sを利用して第1温度よりも高い第2温度まで昇温する第2加温手段3と、第2加温手段3から出湯する温水W6の目標出湯温度T5tを設定する目標出湯温度設定部110と、設定された目標出湯温度T5tに基づいて、第1加温手段2と第2加温手段3の出力分担情報を決定する出力分担情報決定部120と、決定された出力分担情報に基づいて、第1加温手段2を制御する第1加温手段制御部130と、を備える。
これにより、目標出湯温度T5tに応じて決定された、第1加温手段2と第2加温手段3の出力分担度情報に基づいて第1加温手段2が制御されるため、システムとして、出湯温度に適した運転を行うことが可能となり、CO排出量削減効果を高めることや、ランニングコスト削減効果を高めることが可能となる。
(2)出力分担情報は、第1加温手段2から給湯する温水W1の目標給湯温度T4tを示す目標給湯温度情報である。
このように、出力分担情報として、目標給湯温度T4tを用いることにより、制御が容易となる。
(3)出力分担情報は、システム全体のCO排出量が低くなるように、第1加温手段2と第2加温手段3の出力分担割合を指定するものであり、システム全体のCO排出量は、第1加温手段2を所定の条件下で運転した場合のCOP予測値を用いて算出されたヒートポンプCO排出量と、第2加温手段3を所定の条件下で運転した場合のボイラ効率予測値を用いて算出されたボイラCO排出量と、の合計である。
これにより、CO排出量を考慮した適切な出力分担情報が決定され、CO排出量削減効果を高めることができる。
(4)出力分担情報は、システム全体のランニングコストが低くなるように、前記第1加温手段2と前記第2加温手段3の出力分担割合を指定するものであり、システム全体のランニングコストは、第1加温手段2を所定の条件下で運転した場合のCOP予測値を用いて算出されたヒートポンプランニングコストと、第2加温手段3を所定の条件下で運転した場合のボイラ効率予測値を用いて算出されたボイラランニングコストと、の合計である。
これにより、ランニングコストを考慮した適切な出力分担情報が決定され、ランニングコスト削減効果を高めることができる。
(5)凝縮器92に供給される用水W1の温度を給水温度T3として検出する給水温度センサ14と、ヒートポンプ式給湯システム10の熱源温度Thを検出する熱源温度センサ17と、を備え、出力分担情報決定部120は、(i)運転中の第1加温手段2からCOP実測値を取得すると共に、運転中の第2加温手段3からボイラ効率実測値を取得し、(ii)COP実測値に基づいて、出力分担情報の変更タイミングであるか否かを判定し、(iii)出力分担情報の変更タイミングであると判定した場合に、少なくとも、給水温度T3、熱源温度Thおよびボイラ効率ηB実測値に基づいて、出力分担情報を決定する。
これにより、システムの動作中に第1加温手段2のCOPが変動しても、その変動に追従して、常に適切な出力分担情報を更新することができる。
(6)凝縮器92から送出される用水W1の温度を給湯温度T4として検出する給湯温度センサ16と、凝縮器92に供給される用水W1の流量を給水流量FM3として検出する給水流量センサ15と、ヒートポンプ式給湯システム10の圧縮機91の消費電力Pwを検出する電力センサ96と、蒸気ボイラの給気温度T1を検出する給気温度センサ35と、蒸気ボイラの排ガス温度T2を検出する排ガス温度センサ36と、を備え、COP実測値は、給湯温度T4、給水温度T3、給水流量FM3および消費電力Pwに基づいて算出され、ボイラ効率実測値は、給気温度T1および排ガス温度T2に基づいて算出される。
これにより、正確なCOP実測値、ボイラ効率実測値を算出することができるため、正確な出力分担情報を決定することができる。
(7)CO削減優先モードと、ランニングコスト削減優先モードとを含む、複数の運転モードを切り替え可能な運転モード選択部150を備え、出力分担情報決定部120は、CO削減優先モードが選択された場合には、システム全体のCO排出量が低くなるような第1加温手段2と第2加温手段3の出力分担割合を、出力分担情報として指定し、ランニングコスト削減優先モードが選択された場合には、システム全体のランニングコストが低くなるような第1加温手段2と第2加温手段3の出力分担割合を、出力分担情報として指定する。
これにより、選択された運転モードに応じて、適切な出力分担情報が決定され、CO排出量削減効果を高めることや、ランニングコスト削減効果を高めることが可能となる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について、図17A、17Bを参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
図17Aは、本実施形態の制御部100の構成を示す機能ブロック図である。図17Bは、本実施形態の運転実績データ出力部160の構成を示す機能ブロック図である。
本実施形態においては、図17Aに示すように、制御部100は、システムの運転実績を表示する運転実績データ出力部160を備える。また、図17Bに示すように、運転実績データ出力部は、演算部161と、記憶部162と、出力部163とを備える。
演算部161は、第1加温手段2のCOP実測値と、第2加温手段3のボイラ効率ηB実測値に基づいて、システムの動作中における複数のタイミングのCO排出量や、ランニングコストを演算する。
より具体的には、温水製造システム1の運転中、演算部161は、リアルタイム(例えば、10〜30分周期)のCO排出量およびランニングコストを、COP実測値ηHとボイラ効率実測値ηB、CO排出係数(入力値)、電力・燃料単価(入力値)等の情報から演算する。
複数のタイミングのCOP実測値ηH、ボイラ効率実測値ηB、CO排出量、ランニングコストは、例えば第1実施形態で用いた算出式を用いて算出する。
記憶部162は、演算部161により演算された複数のタイミングのCO排出量やランニングコスト等の運転実績データを記憶する。また、運転実績データとして、CO排出量やランニングコストに加えて、COP実測値ηH、ボイラ効率実測値ηB、出力分担情報(目標給湯温度T4t)、各種センサによる計測値等、種々の情報を記憶してもよい。
出力部163は、記憶部162に記憶された運転実績データを出力する。例えば、出力部163を表示器や管理装置により構成し、運転実績データをユーザが適宜閲覧できるようにしてもよい。
この場合、複数のタイミングで取得したCO排出量やランニングコストといった運転実績データを、時系列データとしてグラフ形式で表示できるようにすることが好ましい。また、所定期間における積算値などの情報も表示可能とすることが好ましい。また、表示する情報を、種々の運転実績データ(例えば、CO排出量、ランニングコスト、COP実測値、ボイラ効率実績値、出力分担情報、各種センサによる計測値等)の中から、ユーザによって選択可能とすることが好ましい。
なお、出力部163の出力先は、サーバなどの記憶手段であってもよい。サーバに記憶された運転実績データは、必要時にユーザによって取得され、各種の分析処理や、表示処理等に用いられる。
このように、本実施形態の運転実績データ出力部160は、第1加温手段2のCOP情報と、第2加温手段3のボイラ効率情報と、所定の設定情報(CO排出係数、電力・燃料単価情報等)に基づいて、システムの動作中における複数のタイミングのCO排出量および/またはランニングコストを演算し、このCO排出量および/またはランニングコストを含む運転実績データを、表示部等の出力部に出力する。よって、ユーザによる運転実績の管理が可能となる。
以上説明した本実施形態の温水製造システム1によれば、(1)〜(7)に加えて、以下のような効果が奏される。
(8)本実施形態の温水製造システム1は、システムの運転実績データを出力する運転実績データ出力部160を備え、運転実績データ出力部160は、第1加温手段2のCOP実測値と、第2加温手段3のボイラ効率実測値に基づいて、システムの動作中における複数のタイミングのCO排出量および/またはランニングコストを演算する演算部161と、演算部161により演算された複数のタイミングのCO排出量および/またはランニングコストに基づく運転実績データを記憶する記憶部162と、記憶部162に記憶された運転実績データを出力する出力部163と、を備える。
これにより、ユーザによる運転実績の管理が可能となる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について、図18を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
第1実施形態においては、第2加温手段3は、第1加温手段2で加温された用水W1を蒸気ボイラ装置30で発生させた蒸気Sと直接熱交換させて第1温度よりも高い第2温度まで昇温していた。
本実施形態においては、第2加温手段3は、第1加温手段2で加温された用水W1を蒸気ボイラ装置30で発生させた蒸気Sと間接熱交換させて第1温度よりも高い第2温度まで昇温する。
なお、出力分担情報決定部120が、目標出湯温度設定部110により設定された目標出湯温度T5tに基づいて、第1加温手段2を構成するヒートポンプと第2加温手段3を構成する蒸気ボイラの出力分担、すなわちそれぞれの熱出力の受け持ち分を決定する点については、第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、複数の給湯器11、12、13により加温されて温水となった用水W1は、給湯ラインL1によって合流した後、間接熱交換を行う第2加温手段3によってさらに加温されて、後述の温水タンク40に供給される。
間接熱交換を行う第2加温手段3は、蒸気ボイラ装置30と、昇温用熱交換器210と、蒸気ボイラ装置30で発生させた蒸気Sを昇温用熱交換器210に供給する昇温用給蒸ラインL2と、を備えている。昇温用給蒸ラインL2は、蒸気ヘッダ51に集合した蒸気Sを昇温用熱交換器210に供給する。
給湯ラインL1には、上述の昇温用熱交換器210が設けられている。昇温用熱交換器210は間接熱交換器であり、給湯ラインL1を流通する第1加温手段2からの温水W1と、昇温用給蒸ラインL2を流通する蒸気ボイラ装置30からの蒸気Sとの間で間接熱交換を行う。これにより、第1加温手段2で第1温度まで加温された温水W1は、昇温用熱交換器210によって第1温度よりも高い第2温度まで昇温する。この間接熱交換においては、蒸気Sの主に顕熱が利用される。
昇温用熱交換器210により加温された温水W1は、給湯ラインL1を通じて、温水タンク40に供給される。この温水タンク40は、貯留されている温水TWの温度を検知する貯湯温度センサ41を備える。
給蒸制御部142は、貯湯温度センサ41によって検出された検出温度に基づき、昇温用給蒸弁54の開度を制御する。より詳細には、給蒸制御部142は、貯湯温度センサ41によって検出された検出温度が、目標出湯温度T5tとなるように、昇温用給蒸弁54の開度を制御して蒸気Sの供給量を調整する。この供給量の調整にはフィードバック制御を用いるのが好適である。例えば、貯湯温度センサ41の検出温度が目標貯湯温度に収束するように、PIDアルゴリズムにより昇温用給蒸弁54に対する操作量が演算され、給蒸制御部142から昇温用給蒸弁54のアクチュエータ回路へ開度指定信号が出力される。
このような給蒸制御を行うことにより、温水タンク40内の貯留水TWの温度が常に目標貯湯温度となるように、昇温用熱交換器210において、温水W1と蒸気Sとの間で間接熱交換が行われる。これにより、温水W1は目標貯湯温度に対応する第2温度まで加温される。
このように、熱交換の方法として間接熱交換を採用することで、用水W1に蒸気Sを直接供給することなく用水W1を昇温することができる。すなわち、用水W1に蒸気Sを混ぜることがないため、温水タンク40内に清缶剤等のボイラ薬品が混入するのを避けることが可能となる。よって、用水W1の品質を維持することができる。また、温水タンク40の貯湯制御について、蒸気Sを直接供給するときに起こり得るような外乱の影響を受けにくい。
そして、このような構成であっても、第1実施形態と同様、出湯温度に適した運転を行うことにより、CO排出量削減効果を高めることや、ランニングコスト削減効果を高めることが可能な温水製造システムを提供することができる。
以上説明した本実施形態のシステム1によれば、(1)〜(8)に加えて、以下のような効果が奏される。
(9)本実施形態における第2加温手段3は、第1加温手段2で加温された用水W1を蒸気ボイラ装置30で発生させた蒸気Sと間接熱交換させて第1温度よりも高い第2温度まで昇温する。
これにより、用水W1に蒸気Sを直接供給することなく用水W1を昇温することができる。よって、用水W1に蒸気Sを混ざることがないため、温水タンク40内に清缶剤等のボイラ薬品が混入するのを避けることが可能となる。
そして、このような構成であってもCO排出量削減効果を高めることや、ランニングコスト削減効果を高めることが可能な温水製造システムを提供することができる。
以上、本発明の温水製造システムの好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。また、複数の実施形態を組み合わせることも可能である。
1…温水製造システム
2…第1加温手段
3…第2加温手段
10…ヒートポンプ式給湯システム
11…第1ヒートポンプ式給湯器
12…第2ヒートポンプ式給湯器
13…第3ヒートポンプ式給湯器
14…給水温度センサ
15…給水流量センサ
16…給湯温度センサ
17…熱源温度センサ
18…熱源流量センサ
30…蒸気ボイラ装置
31、32、33…貫流ボイラ
35…給気温度センサ
36…排ガス温度センサ
40…温水タンク
41…貯湯温度センサ
90…ヒートポンプ回路
91…冷媒圧縮機
92…凝縮器
93…膨張弁
94…蒸発器
100…制御部
110…目標出湯温度設定部
120…出力分担情報決定部
130…第1加温手段制御部
140…第2加温手段制御部
150…運転モード選択部
160…運転実績データ出力部
161…演算部
162…記憶部
163…出力部
L1…給湯ライン
L2…昇温用給蒸ライン
L3…ヒートポンプ給水ライン
L4…ボイラ給水ライン
L6…温水出湯ライン
L7…冷媒循環ライン
L8…熱源水供給ライン
L12…給気ライン
L13…排ガスライン
W1…用水(温水)
W6…温水
S…蒸気
R…冷媒

Claims (8)

  1. 用水をヒートポンプ式給湯器の凝縮器に流通させながら第1温度まで加温する第1加温手段と、
    前記第1加温手段で加温された用水を蒸気ボイラで発生させた蒸気を利用して前記第1温度よりも高い第2温度まで昇温する第2加温手段と、
    前記第2加温手段から出湯する温水の目標出湯温度を設定する目標出湯温度設定部と、
    設定された前記目標出湯温度に基づいて、前記第1加温手段と前記第2加温手段の出力分担情報を決定する出力分担情報決定部と、
    決定された前記出力分担情報に基づいて、前記第1加温手段を制御する第1加温手段制御部と、を備える温水製造システム。
  2. 前記出力分担情報は、前記第1加温手段から給湯する温水の目標給湯温度を示す目標給湯温度情報である、請求項1に記載の温水製造システム。
  3. 前記出力分担情報は、システム全体のCO排出量が低くなるように、前記第1加温手段と前記第2加温手段の出力分担割合を指定するものであり、
    前記システム全体のCO排出量は、前記第1加温手段を所定の条件下で運転した場合のCOP予測値を用いて算出されたヒートポンプCO排出量と、前記第2加温手段を所定の条件下で運転した場合のボイラ効率予測値を用いて算出されたボイラCO排出量と、の合計である、請求項1または請求項2に記載の温水製造システム。
  4. 前記出力分担情報は、システム全体のランニングコストが低くなるように、前記第1加温手段と前記第2加温手段の出力分担割合を指定するものであり、
    前記システム全体のランニングコストは、前記第1加温手段を所定の条件下で運転した場合のCOP予測値を用いて算出されたヒートポンプランニングコストと、前記第2加温手段を所定の条件下で運転した場合のボイラ効率予測値を用いて算出されたボイラランニングコストと、の合計である、請求項1または請求項2に記載の温水製造システム。
  5. 前記凝縮器に供給される用水の温度を給水温度として検出する給水温度センサと、
    前記ヒートポンプ式給湯器の熱源温度を検出する熱源温度センサと、を備え、
    前記出力分担情報決定部は、
    (i)運転中の前記第1加温手段からCOP実測値を取得すると共に、運転中の前記第2加温手段からボイラ効率実測値を取得し、
    (ii)前記COP実測値に基づいて、前記出力分担情報の変更タイミングであるか否かを判定し、
    (iii)前記出力分担情報の変更タイミングであると判定した場合に、少なくとも、前記給水温度、前記熱源温度および前記ボイラ効率実測値に基づいて、前記出力分担情報を決定する、請求項1〜4のいずれかに記載の温水製造システム。
  6. 前記凝縮器から送出される用水の温度を給湯温度として検出する給湯温度センサと、
    前記凝縮器に供給される用水の流量を給水流量として検出する給水流量センサと、
    前記ヒートポンプ式給湯器の圧縮機の消費電力を検出する電力センサと、
    前記蒸気ボイラの給気温度を検出する給気温度センサと、
    前記蒸気ボイラの排ガス温度を検出する排ガス温度センサと、を備え、
    前記COP実測値は、前記給湯温度、前記給水温度、前記給水流量および前記消費電力に基づいて算出され、
    前記ボイラ効率実測値は、前記給気温度および前記排ガス温度に基づいて算出される、請求項5に記載の温水製造システム。
  7. CO削減優先モードと、ランニングコスト削減優先モードとを含む、複数の運転モードを切り替え可能な運転モード選択部を備え、
    前記出力分担情報決定部は、
    前記CO削減優先モードが選択された場合には、システム全体のCO排出量が低くなるような前記第1加温手段と前記第2加温手段の出力分担割合を、前記出力分担情報として指定し、
    前記ランニングコスト削減優先モードが選択された場合には、システム全体のランニングコストが低くなるような前記第1加温手段と前記第2加温手段の出力分担割合を、前記出力分担情報として指定する、請求項1〜6のいずれかに記載の温水製造システム。
  8. システムの運転実績データを出力する運転実績データ出力部を備え、
    前記運転実績データ出力部は、
    前記第1加温手段のCOP実測値と、前記第2加温手段のボイラ効率実測値に基づいて、システムの動作中における複数のタイミングのCO排出量および/またはランニングコストを演算する演算部と、
    前記演算部により演算された複数のタイミングのCO排出量および/またはランニングコストに基づく運転実績データを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された運転実績データを出力する出力部と、を備える、請求項1〜7のいずれかに記載の温水製造システム。
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