JP2020145095A - 双極型二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の実施形態に係る双極型二次電池の一例として、非水電解質二次電池の1種である双極型リチウムイオン二次電池について説明する。ここで、双極型リチウムイオン二次電池とは、直列接続された双極型電極を含み、正極と負極との間をリチウムイオンが移動することによって充電や放電を行う二次電池である。なお、以下の説明では、双極型リチウムイオン二次電池を単に「電池」とも称する。
図2及び図3に示すように、単セル20は、正極30aと、負極30bと、セパレータ40と、絶縁部材50とを備える。セパレータ40に電解質を保持することによって、電解質層が形成される。本実施形態の単セル20は、正極活物質層32a及び負極活物質層32bが電解液を含んでいる。
図4Aに示すように、ガス吸着剤80は、2つの単セル20の間、つまり、一の単セル20の正極集電体31aと、当該正極集電体31aと隣り合う他の単セル20の負極集電体31bとの間の非電極部70に配置される。本明細書中、非電極部70とは、正極活物質層32a及び負極活物質層32bが形成されていない領域(図4A中の破線で囲んだ領域)と定義する。正極集電体31a及び負極集電体31bの間にガス吸着剤80が配置されることにより、正極集電体31a及び負極集電体31bを透過して単セル20の外部へと排出されたガスが速やかにガス吸着剤80に吸着される。これにより、単セル20が貯留ガスにより圧迫されるのを防ぎ、非電極部70の歪みによって生じる集電体31の破断や、電極活物質層32の崩壊等による電池性能の低下が抑制される。また、ガス吸着剤80が単セル20の外部に配置されることにより、電解質(電解液)と接触することがなくなるため、ガス吸着量の低下を防ぐことができる。
図4Aに示すように、本発明の一実施形態に係る電池10は、外周部60に電圧検出端子90を有する。電圧検出端子90は、正極集電体31aの絶縁部材50に接しない側の表面と、負極集電体31bの絶縁部材50に接しない側の表面との間に配置される。電圧検出端子90は、リード線91が接続されている。リード線91は図示しないコントローラに接続され、検出信号がコントローラに入力される。
集電体31(正極集電体31a、負極集電体31b)は、正極活物質層32aと接する一方の面から、負極活物質層32bと接する他方の面へと電子の移動を媒介する機能を有する。また、集電体31は、充放電反応で発生したガスを単セル20の外部へと排出することができる。集電体31は、ガス透過性を有する樹脂集電体から構成される。樹脂集電体は、高分子材料に導電性フィラーが分散されてなる。
電極活物質層32(正極活物質層32a、負極活物質層32b)は、電極活物質(正極活物質又は負極活物質)及び電解液を含む。また、電極活物質層32は、必要に応じて、被覆剤(被覆用樹脂、導電助剤)、導電部材等を含んでもよい。さらに、電極活物質層32は、必要に応じてイオン伝導性ポリマー等を含んでもよい。
正極活物質としては、例えば、LiMn2O4、LiCoO2、LiNiO2、Li(Ni−Mn−Co)O2及びこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。より好ましくはリチウムとニッケルとを含有する複合酸化物が用いられる。さらに好ましくはLi(Ni−Mn−Co)O2及びこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの(以下、単に「NMC複合酸化物」とも称する)、又はリチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム複合酸化物(以下単に、「NCA複合酸化物」とも称する)などが用いられる。NMC複合酸化物は、リチウム原子層と遷移金属(Mn、Ni及びCoが秩序正しく配置)原子層とが酸素原子層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を有する。そして、遷移金属1原子あたり1個のLi原子が含まれ、取り出せるLi量が、スピネル系リチウムマンガン酸化物の2倍、つまり供給能力が2倍になり、高い容量を持つことができる。
負極活物質としては、例えば、グラファイト(黒鉛)、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、リチウム−遷移金属複合酸化物(例えば、Li4Ti5O12)、金属材料(スズ、シリコン)、リチウム合金系負極材料(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−シリコン合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−アルミニウム−マンガン合金等)などが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、炭素材料、リチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム合金系負極材料が、負極活物質として好ましく用いられる。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。また、(メタ)アクリレート系共重合体等の被覆用樹脂は特に炭素材料に対して付着しやすいという性質を有している。したがって、構造的に安定した電極材料を提供するという観点からは、負極活物質として炭素材料を用いることが好ましい。
導電助剤は、被覆用樹脂とともに電極活物質の表面を被覆する被覆剤として用いられる。導電助剤は、被覆剤中で電子伝導パスを形成し、電極活物質層32の電子移動抵抗を低減することで、電池の高レートでの出力特性向上に寄与し得る。
導電部材は、電極活物質層32中で電子伝導パスを形成する機能を有する。特に、導電部材の少なくとも一部が、電極活物質層32の2つの主面同士を電気的に接続する導電通路を形成していることが好ましい。このような形態を有することで、電極活物質層32中の厚さ方向の電子移動抵抗がさらに低減されるため、電池の高レートでの出力特性をより一層向上しうる。なお、導電部材の少なくとも一部が、電極活物質層32の2つの主面同士を電気的に接続する導電通路を形成しているか否かは、SEMや光学顕微鏡を用いて電極活物質層32の断面を観察することにより確認することができる。
セパレータ40は、電解質を保持し、正極活物質層32aと負極活物質層32bとの間にあって両者が直接に接触することを防止する。本実施形態のセパレータ40に使用される電解質は、特に制限はなく、例えば、電解液又はゲルポリマー電解質などが挙げられる。これらの電解質を用いることで、高いリチウムイオン伝導性が確保されうる。
図1及び図2に示す本実施形態では、外装体12は、可撓性を備えるラミネートフィルムによって袋状に構成されているが、これに限定されず、例えば、剛性を有する材料から形成されたセルケースなどを用いてもよい。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点からは、外装体12は、ラミネートフィルムによって構成することが好ましく、アルミニウムを含むラミネートフィルムが特に好ましい。アルミニウムを含むラミネートフィルムには、例えば、ポリプロピレン(PP)、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。
正極集電体及び負極集電体として、ポリプロピレン(PP)にアセチレンブラックが分散されたガス透過性を有する樹脂集電体を用い、ガス吸着剤として活性炭を用いて、双極型二次電池を製造した。
ガス吸着剤として塩化銅(CuCl2)を用いたこと以外は、実施例1と同様に、双極型二次電池を製造した。
ガス吸着剤を配置しないこと以外は、実施例1と同様に、双極型二次電池を製造した。
表1に、実施例1、実施例2、及び比較例1の双極型二次電池に充放電試験を行った後のセル破損の有無に関する結果を示す。表1に示すように、実施例1及び実施例2のようにガス透過性を有する樹脂集電体を用い、ガス吸着剤を特定の位置に配置することにより、充放電反応によるセル破損が抑制されること示された。一方、比較例1のように、ガス透過性を有する樹脂集電体を用いた場合であっても、ガス吸着剤を配置しない場合は、充放電反応後によってセル破損が生じ、電池性能を維持することができなかった。
11 発電要素、
12 外装体、
20 単セル、
30 電極、
30a 正極、
30b 負極、
31 集電体、
31a 正極集電体、
31b 負極集電体、
32 電極活物質層、
32a 正極活物質層、
32b 負極活物質層、
34a 正極集電板(正極タブ)、
34b 負極集電板(負極タブ)
35 双極型電極、
40 セパレータ、
50 絶縁部材、
60 外周部、
70 非電極部、
80 ガス吸着剤、
90 電圧検出端子、
91 リード線。
Claims (3)
- 正極集電体に正極活物質層が形成された正極と、
負極集電体に負極活物質層が形成された負極と、
前記正極活物質層及び前記負極活物質層に挟持されたセパレータと、
前記正極集電体、前記負極集電体及び前記セパレータの外周部に配置され、前記正極集電体と前記セパレータとの間に前記正極活物質層を封止し、前記負極集電体と前記セパレータとの間に前記負極活物質層を封止する絶縁部材と、
を備える単セルを複数積層した発電要素が外装体の内部に封止された構造を有し、
前記正極集電体及び前記負極集電体はガス透過性を有し、
前記正極活物質層及び前記負極活物質層が形成されていない非電極部において、一の前記単セルの前記正極集電体と、当該正極集電体と隣り合う他の前記単セルの前記負極集電体との間にガス吸着剤が配置された、双極型二次電池。 - 積層方向において、前記ガス吸着剤の厚さは、前記正極活物質層の厚さと、前記負極活物質層の厚さとの和以下である、請求項1に記載の双極型二次電池。
- 面方向において、前記ガス吸着剤の幅は、前記負極活物質層の端部から前記絶縁部材の端部まで距離以下である、請求項1又は2に記載の双極型二次電池。
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WO2022044558A1 (ja) | 2020-08-28 | 2022-03-03 | 株式会社Nttドコモ | 端末、基地局及び通信方法 |
WO2022250144A1 (ja) * | 2021-05-27 | 2022-12-01 | Apb株式会社 | 組電池 |
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---|---|---|---|---|
JP2008097940A (ja) * | 2006-10-10 | 2008-04-24 | Nissan Motor Co Ltd | 双極型二次電池 |
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