JP2020143964A - 親水性粒子、該親水性粒子を含む免疫学的凝集反応用組成物及びキット、並びに該親水性粒子の製造方法 - Google Patents

親水性粒子、該親水性粒子を含む免疫学的凝集反応用組成物及びキット、並びに該親水性粒子の製造方法 Download PDF

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則彦 大河内
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康彦 勝原
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琢磨 馬塲
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達郎 田所
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Abstract

【課題】本開示は、高感度と非特異的凝集抑制とを両立した免疫学的凝集反応用の粒子を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一態様は、水不溶性粒子と、前記水不溶性粒子の表面上に配置された、ポリシロキサンを含むプライマー層と、前記プライマー層上に配置された親水性ポリマー層と、前記親水性ポリマー層上に配置された被固定化物質とを少なくとも含み、前記親水性ポリマー層が、前記被固定化物質が共有結合を介して連結されたポリエチレングリコール鎖と、前記被固定化物質が連結されていないポリエチレングリコール鎖とを含み、前記被固定化物質が連結されていないポリエチレングリコール鎖の末端基が、非イオン性又は陽イオン性の不活性基である、親水性粒子に関する。本発明の別の一態様は、親水性粒子の製造方法、免疫学的凝集反応用組成物及び免疫学的凝集反応キットにも関する。【選択図】図1

Description

本開示は、イムノアッセイ、特にラテックス凝集法の使用に好適な親水性粒子、該親水性粒子を含む免疫学的凝集反応用組成物及びキット、並びに該親水性粒子の製造方法に関する。
抗原抗体反応を利用して検体中の微量成分を検出又は定量するイムノアッセイは、臨床検査に不可欠な測定法となっている。なかでもラテックス凝集法は、汎用自動分析装置を用いて簡便に測定できるため、病院の検査室又は臨床検査センター等で広く利用されている。
ラテックス凝集法は、免疫複合体が形成されたときに生じるラテックス粒子の凝集現象を利用している。ここで免疫複合体とは、ラテックス粒子の表面に固定化された抗体(又は抗原)と検体に含まれる抗原(又は抗体)とが反応(結合)したものである。ラテックス粒子にはいくつかの種類が知られている。なかでも疎水性のポリスチレン系粒子が、ラテックス粒子として汎用されている(例えば、非特許文献1参照)。その理由として、抗体又は抗原の固定化が容易であること、粒径の制御が比較的容易であること、及び自然沈降が起こりにくいこと等を挙げることができる。
しかしながら、従来のポリスチレン系粒子は、検体に含まれる夾雑物の影響による非特異的な凝集(以下、「非特異的凝集」とも記載する)を起こす場合がある。このような場合、本来陰性と判定されるべき検体が誤って陽性(偽陽性)と判定されることになる。その原因として、少なくとも3つの可能性が指摘されている(例えば、特許文献1参照)。
1つ目は、抗体又は抗原を固定化したラテックス粒子の表面が部分的に露出しており、その露出した部分に非特異的凝集を引き起こす物質が吸着するという説明である。このような非特異的凝集は、露出部にブロッキング剤(BSA又はスキムミルク等)を吸着させることにより、ある程度防ぐことができる。
2つ目は、検体中にブロッキング剤と反応するヒト抗体が含まれ、それがラテックス粒子表面に吸着したブロッキング剤と反応するという説明である。この場合、ブロッキング剤を別のブロッキング剤に変更することにより、解決することがある。
3つ目は、検体中に動物抗体(例えば、マウス抗体)と反応するヒト抗体が含まれ、それがラテックス粒子表面に固定化した動物抗体と反応するという説明である。この場合、ラテックス粒子表面に固定化する抗体を、キメラ抗体又はヒト化抗体に変更することにより、解決することがある。
しかしながら、前記で説明したいずれの方法でも解決できない原因不明の非特異的凝集も多い。そのような非特異的凝集を減らすため、親水性のラテックス粒子の使用が検討されている。
例えば、特許文献1には、ポリエチレングリコール(以下、PEG)鎖を表面に含むラテックス粒子が開示されている。具体的には、フェニル基を有する重合性単量体(例えば、スチレン)、フェニル基及びスルホン酸塩を有する重合性単量体(例えば、スチレンスルホン酸ナトリウム)、及び重合性PEG単量体(例えば、PEGモノメタクリレート)を成分として含み、重合性PEG単量体の粒子表面に占める密度が0.05〜0.5 μmol/m2であることを特徴とするラテックス粒子が開示されている。
非特異的凝集の抑制効果は不明であるが、類似の親水性ラテックス粒子は多数知られている。
例えば、特許文献2には、混合PEGと抗体又は抗原がランダムに表面に共固定されたラテックス粒子であって、混合PEGが長鎖PEG分子群(例えば、数平均分子量2000〜8000)と短鎖PEG分子群(例えば、数平均分子量1500〜4000)からなり、前記共固定は、それぞれラテックス粒子表面上のカルボキシル基と混合PEG及び抗体の対応するアミノ基を介する共有結合の形成により達成されるラテックス粒子が開示されている。
また、特許文献3には、使用される総モノマー重量当たり、a)片末端に重合可能なエチレン性基を有し、他の片末端側に親水性ポリマーセグメントを有する第1のマクロマー(例えば、ビニルベンゼン-PEG-NH2)及び第2のマクロマー(例えば、PEGメチルエーテルメタクリレート)0.5〜99.5重量%、及び、b)1種若しくは2種以上のラテックス形成に関与するモノマー(例えば、スチレン)0.5〜99.5重量%の重合によって得られる高分子材料であって、動的光散乱光度計で測定した場合に平均粒径0.01〜5 μmを有し、粒子の表層領域に親水性ポリマーセグメント(例えば、PEG鎖)が存在することを特徴とするポリマーラテックス粒子が開示されている。
特許第5676498号公報 特許第5430804号公報 国際公開第2010/082681号 国際公開第2004/056895号
坪田宣之著、「ラテックス凝集反応を利用した測定法」、医用電子と生体工学、(一社)日本生体医工学会、1984年、22巻、44号、p.267-273
しかしながら、特許文献1では、高感度と非特異的凝集抑制とがトレードオフの関係になるという問題があった。すなわち、PEG鎖密度を高くすると非特異的凝集は抑制できるが感度が低下し、逆にPEG鎖密度を低くすると感度は向上するが非特異的凝集を抑制できなかった。
また、特許文献2及び3では、非特異的凝集の抑制効果は不明であった。
前記問題に鑑み、本開示は、高感度と非特異的凝集抑制とを両立した免疫学的凝集反応用の粒子を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、高感度と非特異的凝集抑制とを両立するためには、粒子の表面の親水性ポリマー層を構成するPEG鎖の末端に大量の被固定化物質が連結されていること、且つ被固定化物質が連結されていないPEG鎖の末端基が非イオン性又は陽イオン性の不活性基であることの2個の特徴を同時に満たす必要があることを突き止め、本発明を完成した。
すなわち、本開示の要旨は、以下の態様及び実施形態を包含する。
(1) 水不溶性粒子と、
前記水不溶性粒子の表面上に配置された、ポリシロキサンを含むプライマー層と、
前記プライマー層上に配置された親水性ポリマー層と、
前記親水性ポリマー層上に配置された被固定化物質と、
を少なくとも含み、
前記親水性ポリマー層が、前記被固定化物質が共有結合を介して連結されたポリエチレングリコール鎖と、前記被固定化物質が連結されていないポリエチレングリコール鎖とを含み、
前記被固定化物質が連結されていないポリエチレングリコール鎖の末端基が、非イオン性又は陽イオン性の不活性基である、親水性粒子。
(2) 前記非イオン性又は陽イオン性の不活性基が、ヒドロキシル基、アルコキシ基、メチリジン基、tert-ブトキシカルボニル(Boc)基、アジド基及びアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種の基である、前記実施形態(1)に記載の親水性粒子。
(3) 前記アルコキシ基が、メトキシ基又はエトキシ基である、前記実施形態(2)に記載の親水性粒子。
(4) 前記ポリエチレングリコール鎖の数平均分子量が、1000以上且つ10000以下の範囲である、前記実施形態(1)〜(3)のいずれかに記載の親水性粒子。
(5) 前記水不溶性粒子が、表面にヒドロキシル基を含む無機粒子である、前記実施形態(1)〜(4)のいずれかに記載の親水性粒子。
(6) 前記水不溶性粒子の直径が、0.05〜10 μmの範囲である、前記実施形態(1)〜(5)のいずれかに記載の親水性粒子。
(7) 前記実施形態(1)〜(6)のいずれかに記載の親水性粒子を含む、免疫学的凝集反応用組成物。
(8) 分散剤をさらに含む、前記実施形態(7)に記載の免疫学的凝集反応用組成物。
(9) 前記実施形態(7)又は(8)に記載の免疫学的凝集反応用組成物、及び希釈液を含む、免疫学的凝集反応キット。
(10) 前記実施形態(1)〜(6)のいずれかに記載の親水性粒子を製造する方法であって、
水不溶性粒子を準備する、水不溶性粒子準備工程;
前記水不溶性粒子の表面上に、ポリシロキサンを含むプライマー層を形成する、プライマー層形成工程;
前記プライマー層上に、ポリエチレングリコール鎖を含む親水性ポリマー層を形成する、親水性ポリマー層形成工程;
前記親水性ポリマー層に含まれるポリエチレングリコール鎖の末端に活性基を導入する、活性基導入工程;
前記ポリエチレングリコール鎖の末端の活性基と被固定化物質とを連結反応させて、親水性ポリマー層上に被固定化物質を配置する、被固定化物質連結工程;
前記被固定化物質結合工程で被固定化物質と連結反応しなかった活性基と、反応性官能基を有する低分子化合物とを反応させて、被固定化物質が連結されていないポリエチレングリコール鎖の末端に、非イオン性又は陽イオン性の不活性基を形成する、不活性基形成工程;
を含む、前記方法。
(11) 前記反応性官能基を有する低分子化合物が、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、エタノールアミン、トリヒドロキシメチルアミノメタン、メトキシアミン及びエトキシアミンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である、前記実施形態(10)に記載の方法。
(12) 前記活性基導入工程の前に、親水性ポリマー層に含まれるポリエチレングリコール鎖の末端を改変する、ポリエチレングリコール鎖末端改変工程をさらに含む、前記実施形態(10)又は(11)に記載の方法。
本開示により、高感度と非特異的凝集抑制とを両立した免疫学的凝集反応用の粒子を提供することが可能となる。
前記以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、本発明の一態様の親水性粒子の好ましい一実施形態を示す図である。 図2は、本発明の一態様の親水性粒子の製造方法を模式的に示す図である。(a)は、水不溶性粒子準備工程の生成物を、(b)は、プライマー層形成工程の生成物を、(c)は、親水性ポリマー層形成工程の生成物を、(d)は、活性基導入工程の生成物を、(e)は、被固定化物質連結工程の生成物を、(f)は、不活性基形成工程の生成物を、それぞれ示す。 図3は、本発明の一態様の親水性粒子の製造方法を化学的に示す図である。(a)は、プライマー層形成工程、親水性ポリマー層形成工程、ポリエチレングリコール鎖末端改変工程及び活性基導入工程の反応及びそれらの生成物を、(b)は、被固定化物質連結工程及び不活性基形成工程の反応及びそれらの生成物を、それぞれ示す。 図4は、実施例2において、スライドガラス上に滴下した親水性粒子及びDダイマー抗原の混合物を位相差顕微鏡で観察した結果を示す図である。 図5は、実施例3において、スライドガラス上に滴下した親水性粒子及びDダイマー抗原の混合物を位相差顕微鏡で観察した結果を示す図である。 図6は、実施例4において、スライドガラス上に滴下した実施例4の親水性粒子及び非特異血清の混合物、又は従来品のラテックス粒子及び非特異血清の混合物を位相差顕微鏡で観察した結果を示す図である。(a)は、非特異血清Aとの混合物の結果を、(b)は、非特異血清Bとの混合物の結果を、(c)は、非特異血清Cとの混合物の結果を、(d)は、非特異血清Dとの混合物の結果を、それぞれ示す。また、(a)〜(d)の右側の写真は、実施例4の親水性粒子及び非特異血清の混合物の観察結果を、(a)〜(d)の左側の写真は、従来品のラテックス粒子及び非特異血清の混合物の観察結果を、それぞれ示す。 図7は、実施例5において、スライドガラス上に滴下した実施例5の親水性粒子及び非特異血清の混合物を位相差顕微鏡で観察した結果を示す図である。(a)は、非特異血清Aとの混合物の結果を、(b)は、非特異血清Bとの混合物の結果を、(c)は、非特異血清Cとの混合物の結果を、(d)は、非特異血清Dとの混合物の結果を、それぞれ示す。また、(a)〜(d)において、左側の写真から順に、活性基導入工程の反応時間が0、5、10又は45分間の条件で得られた親水性粒子及び非特異血清の混合物の観察結果を、それぞれ示す。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。図面では、明確化のために各部の寸法及び形状を誇張しており、実際の寸法及び形状を正確に描写してはいない。それ故、本発明の各態様の技術的範囲は、これら図面に表された各部の寸法及び形状に限定されるものではない。
<1. 親水性粒子>
本発明の一態様は、親水性粒子に関する。本態様の親水性粒子は、水不溶性粒子と、プライマー層と、親水性ポリマー層と、被固定化物質とを少なくとも含む。本態様の親水性粒子の好ましい一実施形態を図1に示す。以下、本態様の親水性粒子について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本態様の親水性粒子10は、水不溶性粒子11と、前記水不溶性粒子11の表面に配置されたプライマー層12と、前記プライマー層12上に配置された親水性ポリマー層13と、前記親水性ポリマー層13上に配置された被固定化物質16とを少なくとも含む。前記親水性ポリマー層13は、被固定化物質16が共有結合を介して連結されたポリエチレングリコール(PEG)鎖14aと、前記被固定化物質16が連結されていないPEG鎖14bとを含み、前記被固定化物質16が連結されていないPEG鎖14bの末端基は、非イオン性又は陽イオン性の不活性基15bである。
[1-1. 水不溶性粒子]
本態様の親水性粒子において、水不溶性粒子は、水に不溶な粒子であれば特に限定されない。水不溶性粒子は、通常は、以下において説明するプライマー層に含まれるポリシロキサンを連結する第一の連結部分を有する。第一の連結部分は、シロキサン結合(-(Si-O)-)であることが好ましい。水不溶性粒子を形成する材料としては、限定するものではないが、例えば、シリコン、シリカ、ガラス、チタン、酸化チタン、鉄、酸化鉄、アルミニウム、酸化アルミニウム、亜鉛、酸化亜鉛、ジルコニウム及びジルコニア等の無機材料、並びにポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、ABS樹脂及びポリフッ化ビニリデン等の有機材料を挙げることができる。水不溶性粒子において、前記で例示した材料は、水不溶性粒子の全体に亘って均質に存在していてもよく、水不溶性粒子の表面のみに局在していてもよい。水不溶性粒子は、表面にヒドロキシル基を含む無機粒子であることが好ましい。この場合、表面のヒドロキシル基の少なくとも一部は、プライマー層に含まれるポリシロキサンを連結する第一の連結部分、好ましくはシロキサン結合を形成し得る。前記特徴を有することにより、水不溶性粒子は、第一の連結部分を介して、ポリシロキサンを含むプライマー層をその表面に有することができる。
本態様の親水性粒子において、水不溶性粒子の材料は、例えば、X線マイクロアナライザー(XMA)、X線光電子分光分析(XPS)、ガスクロマトグラフィー(GC)、熱分解クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、紫外・可視・近赤外分光法(UV-Vis-NIR)、核磁気共鳴分析(NMR)、質量分析(MS)又はX線回析(XRD)等によって決定することができる。また、水不溶性粒子の第一の連結部分の構造は、例えば、X線光電子分光分析(XPS)、紫外可視近赤外分光法(UV-Vis-NIR)、核磁気共鳴分析(NMR)又は質量分析(MS)等によって決定することができる。
水不溶性粒子の直径は、特に限定されない。例えば、本態様の親水性粒子を、イムノアッセイ、特にラテックス凝集法に適用する場合、水不溶性粒子の直径は、0.05〜10 μmの範囲であることが好ましく、0.1〜0.5 μmの範囲であることがより好ましい。前記範囲の直径を有する水不溶性粒子を含むことにより、本態様の親水性粒子は、非特異的凝集を実質的に抑制することができる。
本態様の親水性粒子において、水不溶性粒子の直径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、動的光散乱法(DLS)又はレーザー回折法等によって決定することができる。例えば、本態様の親水性粒子が水溶液中に分散している状態の場合、水不溶性粒子の直径は、DLSによって決定することが好ましい。例えば、本態様の親水性粒子が乾燥している状態の場合、水不溶性粒子の直径は、SEMによって決定することが好ましい。
[1-2. プライマー層]
本態様の親水性粒子において、プライマー層は、ポリシロキサンを少なくとも含む。本発明の各態様において、ポリシロキサンは、シロキサン結合(-(Si-O)-)の繰り返し単位を含むポリマーを意味する。ポリシロキサンは、通常は、シロキサン結合の繰り返し単位を含むポリマー部分と、水不溶性粒子と連結する第一の連結部分と、親水性ポリマー層に含まれるPEG鎖と連結する第二の連結部分とを有する。前記特徴を有するポリシロキサンを含むプライマー層は、通常は、以下において説明するプライマー層形成工程を実施することにより、シランカップリング剤を縮合して形成することができる。このため、プライマー層に含まれるポリシロキサンは、通常は、以下において説明するプライマー層形成工程で使用されたシランカップリング剤に対応する構造を有する。プライマー層に含まれるポリシロキサンの主鎖は、シロキサン結合の繰り返し単位を含む構造であることが好ましい。また、プライマー層に含まれるポリシロキサンの側鎖は、-OH、-OCH3又は-OCH2CH3を含む構造であることがより好ましい。プライマー層に含まれるポリシロキサンの第一の連結部分は、シロキサン結合であることが好ましい。プライマー層に含まれるポリシロキサンの第二の連結部分は、-(CH2)3-O-CH2-CH(OH)-CH2-、-(CH2)3-O-CH2-又は-(CH2)2-C6H9(OH)-であることが好ましい。前記特徴を有するプライマー層を含むことにより、本態様の親水性粒子は、高感度と非特異的凝集抑制とを両立することができる。
本態様の親水性粒子において、プライマー層に含まれるポリシロキサンの構造は、例えば、X線光電子分析(XPS)又は飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)によって決定することができる。
[1-3. 親水性ポリマー層]
本態様の親水性粒子において、親水性ポリマー層は、PEG鎖を少なくとも含む。本発明の各態様において、PEGは、エチレンオキシドの繰り返し単位を含むポリマーを意味する。親水性ポリマー層において、PEG鎖は、通常は、エチレンオキシドの繰り返し単位の主鎖を含むポリマー部分と、ポリマー部分の主鎖の一端においてプライマー層に含まれるポリシロキサンと連結する第二の連結部分とを有する。PEG鎖は、通常は、直鎖状であるが、分岐状であってもよい。また、図1に示すように、PEG鎖は、ポリマー部分の主鎖の他端において被固定化物質16が共有結合を介して連結されたPEG鎖14aと、ポリマー部分の主鎖の他端において被固定化物質16が連結されていないPEG鎖14bとを少なくとも含む。
ポリマー部分の主鎖の他端において被固定化物質が共有結合を介して連結されたPEG鎖は、被固定化物質と連結する第三の連結部分を有する。第三の連結部分は、アミド結合、エステル結合、チオエステル結合、チオエーテル結合、ジスルフィド結合又はウレタン結合である共有結合を含むことが好ましい。この場合、前記で例示した共有結合は、被固定化物質に含まれるアミノ基(例えば、1級アミノ基、2級アミノ基又は3級アミノ基)、チオール基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシド基、アジド基及びシアノ基等からなる群より選択される官能基と、PEG鎖のポリマー部分の末端ヒドロキシル基又は該ヒドロキシル基に連結された二価基の末端基との間で形成された共有結合であることが好ましい。前記二価基は、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、マレイミド基、ヨードアセチル基、ブロモアセチル基及びアルデヒド基からなる群より選択される末端基を有する直鎖状又は分岐状のC1〜C6アルキレンであることが好ましい。前記特徴を有する第三の連結部分を有することにより、親水性ポリマー層に含まれるPEG鎖は、被固定化物質を安定的に連結することができる。
親水性ポリマー層は、PEG鎖以外の1個以上のさらなる親水性ポリマーを含んでいてもよい。1個以上のさらなる親水性ポリマーとしては、限定するものではないが、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリ(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルアクリレート)及びポリビニルピロリドンを挙げることができる。
本態様の親水性粒子において、親水性ポリマー層に含まれるPEG鎖及び場合により1個以上のさらなる親水性ポリマーの構造は、例えば、質量分析(MS)又は核磁気共鳴分析(NMR)によって決定することができる。
本態様の親水性粒子において、親水性ポリマー層に含まれるPEG鎖の数平均分子量は、親水性粒子の水分散性、及び/又はイムノアッセイ、特にラテックス凝集法に親水性粒子を適用する際の感度に、直接的に影響する可能性がある。本態様の親水性粒子が、水中で十分な分散性を維持するためには、PEG鎖の数平均分子量は、1000以上であることが好ましく、1500以上がより好ましい。PEG鎖の数平均分子量が1000未満である場合、PEG鎖の末端に大量の被固定化物質(例えば、免疫グロブリンG(IgG)抗体)が連結されていることから、本態様の親水性粒子全体として疎水性が高くなり、自己凝集が起こる可能性がある。また、本態様の親水性粒子が、以下において説明するラテックス凝集法で十分な感度を得るためには、PEG鎖の数平均分子量は、10000以下であることが好ましく、6000以下であることがより好ましい。PEG鎖の数平均分子量が10000を超える場合、本態様の親水性粒子における被固定化物質の固定化量が少なくなることから、ラテックス凝集法における本態様の親水性粒子の感度が著しく低下する可能性がある。前記事項に鑑み、本態様の親水性粒子において、PEG鎖の数平均分子量は、1000以上且つ10000以下の範囲であることが好ましく、1500以上且つ6000以下の範囲であることがより好ましい。前記範囲の数平均分子量を有するPEG鎖を親水性ポリマー層に含む場合、本態様の親水性粒子は、高感度と非特異的凝集抑制とを両立することができる。
本態様の親水性粒子において、親水性ポリマー層に含まれるPEG鎖の数平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、浸透圧法又は光散乱法等によって決定することができる。
[1-4. 被固定化物質]
本態様の親水性粒子は、被固定化物質を含む。本態様の親水性粒子において、被固定化物質は、親水性ポリマー層上に配置されており、共有結合を介してPEG鎖の一方の末端に連結されている。被固定化物質は、限定するものではないが、通常は、当該技術分野において、固相担体を用いるイムノアッセイ、特にラテックス凝集法で固相化される物質から適宜選択することができる。被固定化物質としては、限定するものではないが、例えば、タンパク質(例えばIgG等の抗体)、ペプチド、糖類、核酸(DNA又はRNA)、脂質、補酵素、細胞、ウイルス及び細菌、前記物質の複合体、並びに人工抗体等を挙げることができる。本発明の各態様において、抗体は、ある抗原に対して特異的な結合活性を示す免疫グロブリン及びその断片を意味する。抗体は、必要に応じて化学修飾等が施されていてもよい。
被固定化物質は、該被固定化物質に含まれる官能基とPEG鎖の一方の末端の官能基との間で形成される共有結合を含む第三の連結部分を介してPEG鎖の一方の末端に連結されている。被固定化物質に含まれる、共有結合を形成し得る官能基としては、限定するものではないが、例えば、アミノ基(例えば、1級アミノ基、2級アミノ基又は3級アミノ基)、チオール基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシド基、アジド基及びシアノ基等を挙げることができる。被固定化物質に含まれる、共有結合を形成し得る官能基は、アミノ基が好ましい。被固定化物質に含まれる、共有結合を形成し得る官能基は、被固定化物質に存在する官能基であってもよく、当該技術分野で公知の手段によって導入された官能基であってもよい。前記で例示した官能基とPEG鎖の一方の末端の官能基との間で形成される共有結合としては、限定するものではないが、例えば、アミド結合、エステル結合、チオエステル結合、チオエーテル結合、ジスルフィド結合及びウレタン結合等を挙げることができる。
本態様の親水性粒子において、被固定化物質の種類及び構造(例えば、第三の連結部分の構造)は、例えば、質量分析(MS)、核磁気共鳴分析(NMR)、液体クロマトグラフィー(LC)、エドマン分解法、DNAシーケンサー又は培養法等によって特定することができる。例えば、被固定化物質がペプチド又はタンパク質である場合、MS又はエドマン分解法によって該被固定化物質の種類及び構造を特定することが好ましい。例えば、被固定化物質が核酸である場合、DNAシーケンサーによって該被固定化物質の種類及び構造を特定することが好ましい。例えば、被固定化物質が細胞、ウイルス又は細菌である場合、培養法によって該被固定化物質の種類及び構造を特定することが好ましい。
前記特徴を有する本態様の親水性粒子は、該親水性粒子をイムノアッセイ、特にラテックス凝集法に使用する際に、高い感度を発現し得る量の被固定化物質を有する。本態様の親水性粒子において、被固定化物質の固定化量は、通常は、被覆率で1〜100%の範囲であり、特に、10〜50%の範囲である。
本態様の親水性粒子において、被固定化物質の固定化量は、例えば、被覆率によって定義することができる。本発明の各態様において、被覆率は、本態様の親水性粒子の総表面積に対する被固定化物質の総結合量の百分率を意味する。本態様の親水性粒子の総表面積は、例えば、前記で説明した手段によって決定された水不溶性粒子の直径に基づき、決定することができる。また、本態様の親水性粒子に結合している被固定化物質の総結合量は、例えば、被固定化物質がペプチド又はタンパク質である場合はBCA法、Bradford法又はLowry法により、被固定化物質が核酸である場合は吸光分析法、蛍光分析法又はリアルタイムPCR法により、被固定化物質が細胞、ウイルス又は細菌である場合は光学顕微鏡又は電子顕微鏡により、それぞれ決定することができる。前記手段によって被固定化物質の総結合量を決定する場合、本態様の親水性粒子をアルカリ加水分解処理することによってプライマー層を溶解させ、被固定化物質を遊離させた後で、該遊離した被固定化物質の総量を前記手段によって決定することが好ましい。
[1-5. 非イオン性又は陽イオン性の不活性基]
本態様の親水性粒子において、被固定化物質が連結されていないPEG鎖の末端基は、非イオン性又は陽イオン性の不活性基である。本発明の各態様において、非イオン性の不活性基は、生理的条件下で安定であり且つ電荷を帯びない基を意味し、陽イオン性の不活性基は、生理的条件下で安定であり且つ正電荷を帯びた基を意味する。非イオン性の不活性基は、限定するものではないが、例えば、ヒドロキシル基、アルコキシ基、メチリジン基(-C≡CH)、tert-ブトキシカルボニル(Boc)基及びアジド基等を挙げることができる。陽イオン性の不活性基は、限定するものではないが、例えば、アミノ基等を挙げることができる。非イオン性又は陽イオン性の不活性基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、メチリジン基、tert-ブトキシカルボニル(Boc)基、アジド基及びアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種の基であることが好ましく、ヒドロキシル基又はアルコキシ基であることがより好ましい。非イオン性又は陽イオン性の不活性基がアルコキシ基である場合、該アルコキシ基は、メトキシ基又はエトキシ基であることが好ましい。例えば、被固定化物質が連結されていないPEG鎖の末端基が、カルボキシル基のような陰イオン性の基である場合、該陰イオン性の基は、非特異的凝集を引き起こす物質との間で静電相互作用して、非特異的凝集を引き起こす可能性がある(例えば、実施例5参照)。或いは、例えば、被固定化物質が連結されていないポリエチレングリコール鎖の末端基が、以下において説明する活性基である場合、該活性基は、水中で加水分解されて陰イオン性の基を形成する、且つ/又は他の物質との間で非特異的結合を形成する可能性がある。それ故、本態様の親水性粒子において、被固定化物質が連結されていないPEG鎖の末端基が、非イオン性又は陽イオン性の不活性基であることにより、非特異的凝集及び/又は非特異的結合を実質的に抑制することができる。
本態様の親水性粒子において、非イオン性又は陽イオン性の不活性基の構造は、例えば、質量分析(MS)、核磁気共鳴分析(NMR)又は赤外分光法(IR)等によって特定することができる。前記手段によって非イオン性又は陽イオン性の不活性基の構造を特定する場合、本態様の親水性粒子をアルカリ加水分解処理することによってプライマー層を溶解させ、PEG鎖を遊離させた後で、該遊離したPEG鎖の末端に結合した非イオン性又は陽イオン性の不活性基の構造を前記手段によって特定することが好ましい。
本態様の親水性粒子は、イムノアッセイ、特にラテックス凝集法に使用する際、高感度と非特異的凝集抑制とを両立することができる。それ故、本態様の親水性粒子をイムノアッセイ、特にラテックス凝集法に適用することにより、親水性粒子の非特異的凝集を実質的に抑制しつつ、高感度で対象の抗体又は抗原を検出することができる。
本態様の親水性粒子における非特異的凝集抑制効果は、限定するものではないが、例えば、以下の手順で評価することができる。本態様の親水性粒子の分散液と、対象の抗体又は抗原とを混合する。所定量の混合物を、スライドガラス上に滴下する。所定時間経過後、位相差顕微鏡を用いて、親水性粒子の凝集の程度を観察する。
<2. 親水性粒子の製造方法>
本発明の別の一態様は、本発明の一態様の親水性粒子を製造する方法に関する。本態様の方法は、水不溶性粒子準備工程、プライマー層形成工程、親水性ポリマー層形成工程、活性基導入工程、被固定化物質連結工程及び不活性基形成工程を含む。本発明の一態様の親水性粒子の製造方法を模式的に示す図を図2に示す。図中、(a)は、水不溶性粒子準備工程の生成物を、(b)は、プライマー層形成工程の生成物を、(c)は、親水性ポリマー層形成工程の生成物を、(d)は、活性基導入工程の生成物を、(e)は、被固定化物質連結工程の生成物を、(f)は、不活性基形成工程の生成物を、それぞれ示す。以下、本態様の方法の各工程について詳細に説明する。
[2-1. 水不溶性粒子準備工程]
本態様の方法は、水不溶性粒子を準備する、水不溶性粒子準備工程を含む。図2(a)に示すように、本工程を実施することにより、水不溶性粒子11を得ることができる。
本工程において準備される水不溶性粒子は、通常は、前記で説明した特徴を有する。本工程において準備される水不溶性粒子は、通常は、表面にシランカップリング剤と反応し得る官能基を含む。前記官能基は、ヒドロキシル基であることが好ましい。表面にシランカップリング剤と反応し得る官能基を含むことにより、以下において説明するプライマー層形成工程において、該官能基とシランカップリング剤とを反応させて、ポリシロキサンを連結する第一の連結部分を形成することができる。
本工程は、前記で説明した特徴を有する水不溶性粒子を購入等して準備してもよく、前記で説明した特徴を有する水不溶性粒子を調製して準備してもよい。いずれの場合も、本工程の実施形態に包含される。
水不溶性粒子を調製して準備する実施形態の場合、本工程は、当該技術分野で公知の種々の方法により実施することができる。例えば、本工程において準備される水不溶性粒子を形成する材料がシリカである場合、本工程は、珪酸塩法、ゾルゲル法、エマルション法又は乾式法等により実施することができる。例えば、本工程において準備される水不溶性粒子を形成する材料がポリスチレンである場合、本工程は、乳化重合法、ソープフリー重合法又は分散重合法等により実施することができる。例えば、本工程において準備される水不溶性粒子を形成する材料が酸化チタンである場合、本工程は、硫酸法又はゾルゲル法等により実施することができる。
[2-2. プライマー層形成工程]
本態様の方法は、水不溶性粒子の表面上に、ポリシロキサンを含むプライマー層を形成する、プライマー層形成工程を含む。図2(b)に示すように、本工程を実施することにより、水不溶性粒子11の表面上に、ポリシロキサンを含むプライマー層12を配置することができる。
本工程において形成されるプライマー層は、通常は、前記で説明した特徴を有する。
本工程は、通常は、水不溶性粒子とシランカップリング剤とを接触させることにより、実施することができる。これにより、水不溶性粒子の表面に存在する官能基とシランカップリング剤とを縮合反応させて、水不溶性粒子の表面上において、第一の連結部分を介してポリシロキサンが連結されたプライマー層を形成することができる。
本工程において使用されるシランカップリング剤は、PEG又はその誘導体の末端の官能基と反応して第二の連結部分を形成可能な官能基を、分子内に含むことが好ましい。そのような官能基としては、限定するものではないが、例えば、スクシンイミジルオキシカルボニル基、(1H-イミダゾール-1-イル)カルボニル基、グリシジル基、エポキシ基、アルデヒド基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、アジド基、シアノ基、1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシカルボニル基、ペンタフルオロフェニルオキシカルボニル基、パラニトロフェニルオキシカルボニル基、ハロゲン化カルボニル基、イソシアネート基及びマレイミド基等を挙げることができる。前記シランカップリング剤に含まれる官能基は、グリシジル基又はエポキシ基であることが好ましい。グリシジル基又はエポキシ基を官能基として含むシランカップリング剤としては、限定するものではないが、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、及び2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等を挙げることができる。グリシジル基又はエポキシ基を官能基として含むシランカップリング剤は、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン又は3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランであることが好ましい。前記で例示したシランカップリング剤を使用することにより、本工程において、水不溶性粒子の表面上に、ポリシロキサンを含むプライマー層を形成することができる。
本工程において使用されるシランカップリング剤は、予め、酸又は塩基を用いて加水分解されていてもよい。
本工程は、例えば、水不溶性粒子準備工程で準備された水不溶性粒子を溶媒中に分散させ、該分散液とシランカップリング剤とを混合する(例えば、該分散液にシランカップリング剤を添加する)ことにより、実施することができる。前記溶媒としては、限定するものではないが、例えば、水、アルコール、アセトン及びトルエン等を挙げることができる。前記溶媒は、アルコールが好ましい。
本工程において、所望により、水不溶性粒子準備工程で準備された水不溶性粒子及びシランカップリング剤の混合物に、トリエチルアミン又はN,N-ジイソプロピルエチルアミン等の塩基をさらに添加してもよい。
前記条件下で本工程を実施することにより、前記特徴を有する中間体の粒子を得ることができる。
[2-3. 親水性ポリマー層形成工程]
本態様の方法は、プライマー層上に、PEG鎖を含む親水性ポリマー層を形成する、親水性ポリマー層形成工程を含む。図2(c)に示すように、本工程を実施することにより、プライマー層12上に、PEG鎖14を含む親水性ポリマー層13を配置することができる。
本工程において形成される親水性ポリマー層は、通常は、前記で説明した特徴を有する。
本工程は、通常は、プライマー層形成工程で得られた中間体の粒子とPEG又はその誘導体とを接触させることにより、実施することができる。これにより、プライマー層形成工程で得られた中間体の粒子のプライマー層に含まれるポリシロキサンの官能基とPEG又はその誘導体の末端の官能基とを反応させて、プライマー層上において、第二の連結部分を介してPEG鎖が連結された親水性ポリマー層を形成することができる。
本発明の各態様において、PEG誘導体は、PEG分子の一方又は両方の末端に官能基を有する構造を有する化合物を意味する。PEG誘導体における末端官能基としては、限定するものではないが、例えば、スクシンイミジルオキシカルボニル基、(1H-イミダゾール-1-イル)カルボニル基、グリシジル基、エポキシ基、アルデヒド基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、アジド基、シアノ基、マレイミド基、アクリロイル基、トシル基、ヒドラジド基、アルコキシシリル基、1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシカルボニル基、ペンタフルオロフェニルオキシカルボニル基、パラニトロフェニルオキシカルボニル基、ハロゲン化カルボニル基及びイソシアネート基等を挙げることができる。本工程において、前記で例示した末端官能基を有するPEG誘導体を使用することにより、プライマー層に含まれるポリシロキサンの官能基及び/又は被固定化物質に含まれる官能基との反応性を向上させることができる。
本工程は、例えば、プライマー層形成工程で得られた中間体の粒子とPEG又はその誘導体とを混合する(例えば、PEG又はその誘導体の原液又はそれらの溶液に中間体の粒子を分散させる)ことにより、実施することができる。PEG又はその誘導体の溶液を使用する場合、溶媒としては、限定するものではないが、例えば、水、アルコール、アセトン及びトルエン等を挙げることができる。前記溶媒は、アルコールが好ましい。本工程の反応は、所望により、濃硫酸、p-トルエンスルホン酸、4-ジメチルアミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン及びN,N-ジイソプロピルエチルアミンからなる群より選択される1種類以上の触媒の存在下で実施してもよい。また、本工程の反応は、室温又は加熱条件下(例えば、30〜150℃の範囲)で実施することができる。
前記条件下で本工程を実施することにより、前記特徴を有する中間体の粒子を得ることができる。
[2-4. ポリエチレングリコール鎖末端改変工程]
本態様の方法は、所望により、活性基導入工程の前に、親水性ポリマー層に含まれるPEG鎖の末端を改変する、PEG鎖末端改変工程をさらに含むことができる。本工程を実施することにより、PEG鎖のポリマー部分の末端ヒドロキシル基に、末端基を有する二価基を連結することができる。
本工程において形成される末端基を有する二価基は、通常は、前記で説明した特徴を有する。
本工程は、親水性ポリマー層形成工程において、PEGを使用した場合(すなわち、PEG誘導体を使用しない場合)に実施することが好ましい。この場合、親水性ポリマー層形成工程で得られた中間体の粒子において、親水性ポリマー層に含まれるPEG鎖は、末端にヒドロキシル基を有する。それ故、本工程を実施することにより、PEG鎖の末端ヒドロキシル基を、前記二価基に由来する末端基に改変することができる。
本工程は、通常は、親水性ポリマー層形成工程で得られた中間体の粒子と末端基を有する二価基の前駆体化合物とを接触させることにより、実施することができる。末端基を有する二価基の前駆体化合物としては、限定するものではないが、例えば、無水コハク酸及び無水グルタル酸を挙げることができる。本工程において、前記で例示した末端基を有する二価基の前駆体化合物を使用することにより、PEG鎖のポリマー部分の末端ヒドロキシル基に、前記で説明した特徴を有する末端基を有する二価基を連結することができる。
本工程は、例えば、特開2009-15686号公報に記載の方法に基づき実施することができる。本工程は、例えば、親水性ポリマー層形成工程で得られた中間体の粒子と末端基を有する二価基の前駆体化合物とを混合する(例えば、末端基を有する二価基の前駆体化合物の溶液に中間体の粒子を分散させる)ことにより、実施することができる。PEG又はその誘導体の溶液を使用する場合、溶媒としては、限定するものではないが、例えば、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン、キシレン及びジクロロメタン等を挙げることができる。前記溶媒は、トルエンが好ましい。本工程の反応は、所望により、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ピリジン、トリエチルアミン及びN,N-ジイソプロピルエチルアミンからなる群より選択される1種類以上の塩基の存在下で実施してもよい。また、本工程の反応は、室温又は加熱条件下(例えば、30〜150℃の範囲)で実施することができる。
前記条件下で本工程を実施することにより、前記特徴を有する中間体の粒子を得ることができる。
[2-5. 活性基導入工程]
本態様の方法は、親水性ポリマー層に含まれるポリエチレングリコール鎖の末端に活性基を導入する、活性基導入工程を含む。図2(d)に示すように、本工程を実施することにより、親水性ポリマー層13に含まれるPEG鎖14の末端に、活性基15aを導入することができる。
本工程で導入される活性基は、PEG鎖のポリマー部分の末端に結合しており、被固定化物質に含まれる官能基と反応して共有結合を形成し得る基である。活性基としては、限定するものではないが、例えば、スクシンイミジルオキシカルボニル基、(1H-イミダゾール-1-イル)カルボニル基、グリシジル基、エポキシ基、アルデヒド基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、アジド基、シアノ基、マレイミド基、アクリロイル基、トシル基、ヒドラジド基、アルコキシシリル基、1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシカルボニル基、ペンタフルオロフェニルオキシカルボニル基、パラニトロフェニルオキシカルボニル基、ハロゲン化カルボニル基及びイソシアネート基を挙げることができる。活性基は、スクシンイミジルオキシカルボニル基又は(1H-イミダゾール-1-イル)カルボニル基であることが好ましい。前記で例示した活性基を導入することにより、本態様の親水性粒子において、被固定化物質を安定的に連結することができる。
本工程は、通常は、親水性ポリマー層形成工程又は場合によりPEG鎖末端改変工程で得られた中間体の粒子と活性基の前駆体化合物とを接触させることにより、実施することができる。活性基の前駆体化合物としては、限定するものではないが、例えば、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt)、1-エチル-3-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)、1,1'-カルボニルジイミダゾール(CDI)、炭酸ジ(N-スクシンイミジル)(DSC)、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)、BOP試薬、及び4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMT-MM)を挙げることができる。本工程において、前記で例示した活性基の前駆体化合物を使用することにより、PEG鎖の末端に、前記で説明した特徴を有する活性基を導入することができる。
本工程は、例えば、親水性ポリマー層形成工程又は場合によりPEG鎖末端改変工程で得られた中間体の粒子と活性基の前駆体化合物とを混合する(例えば、中間体の粒子を溶媒中に分散させ、該分散液に活性基の前駆体化合物の溶液を添加する)ことにより、実施することができる。この場合、溶媒としては、限定するものではないが、例えば、水、アルコール、アセトン及びトルエン等を挙げることができる。前記溶媒は、水が好ましい。本工程の反応は、所望により、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt)、1-エチル-3-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)、1,1'-カルボニルジイミダゾール(CDI)、炭酸ジ(N-スクシンイミジル)(DSC)、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)、BOP試薬、及び4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMT-MM)からなる群より選択される1種類以上の縮合剤の存在下で実施してもよい。また、本工程の反応は、室温又は加熱条件下(例えば、30〜150℃の範囲)で実施することができる。
前記条件下で本工程を実施することにより、前記特徴を有する中間体の粒子を得ることができる。
[2-6. 被固定化物質連結工程]
本態様の方法は、PEG鎖の末端の活性基と被固定化物質とを連結反応させて、親水性ポリマー層上に被固定化物質を配置する、被固定化物質連結工程を含む。図2(e)に示すように、本工程を実施することにより、親水性ポリマー層13に含まれるPEG鎖14の末端に被固定化物質16を連結することができる。
本工程において連結される被固定化物質は、通常は、前記で説明した特徴を有する。
本工程は、例えば、活性基導入工程で得られた中間体の粒子と被固定化物質とを混合する(例えば、被固定化物質の溶液に中間体の粒子を分散させる)ことにより、実施することができる。この場合、溶媒としては、限定するものではないが、例えば、水、アルコール、アセトン及びトルエン等を挙げることができる。前記溶媒は、水が好ましい。本工程の反応は、所望により、濃硫酸、p-トルエンスルホン酸、4-ジメチルアミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン及びN,N-ジイソプロピルエチルアミンからなる群より選択される1種類以上の触媒の存在下で実施してもよい。また、本工程の反応は、室温又は加熱条件下(例えば、30〜150℃の範囲)で実施することができる。
前記条件下で本工程を実施することにより、前記特徴を有する中間体の粒子を得ることができる。
[2-7. 不活性基形成工程]
本態様の方法は、被固定化物質結合工程で被固定化物質と連結反応しなかった活性基と、反応性官能基を有する低分子化合物とを反応させて、被固定化物質が連結されていないポリエチレングリコール鎖の末端に、非イオン性又は陽イオン性の不活性基を形成する、不活性基形成工程を含む。図2(f)に示すように、本工程を実施することにより、親水性ポリマー層13に含まれるPEG鎖14a, 14bのうち、被固定化物質16が連結されていないPEG鎖14bの末端に、非イオン性又は陽イオン性の不活性基15bを導入することができる。
本工程は、通常は、被固定化物質連結工程で得られた中間体の粒子と反応性官能基を有する低分子化合物とを接触させることにより、実施することができる。反応性官能基を有する低分子化合物は、通常は、アミノ基、ヒドロキシル基、スクシンイミジルオキシカルボニル基、(1H-イミダゾール-1-イル)カルボニル基、グリシジル基、エポキシ基、アルデヒド基、チオール基、カルボキシル基、アジド基、シアノ基、マレイミド基、アクリロイル基、トシル基、ヒドラジド基、アルコキシシリル基、1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシカルボニル基、ペンタフルオロフェニルオキシカルボニル基、パラニトロフェニルオキシカルボニル基、ハロゲン化カルボニル基及びイソシアネート基からなる群より選択される1個以上の反応性官能基を有する親水性化合物であり、特に、前記1個以上の反応性官能基を有する、10以下、好ましくは5以下の炭素数を有する化合物である。炭素数が11以上の化合物の場合、全体として疎水性が高くなる、及び/又はPEG鎖の末端の活性基との反応性が低下する可能性がある。反応性官能基を有する低分子化合物としては、限定するものではないが、例えば、2-(2-アミノエトキシ)エタノール(別称ジグリコールアミン、DGA)、2-アミノエタノール、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、3-メトキシプロピルアミン、3-エトキシプロピルアミン、2-[2-(2-プロピニルオキシ)エトキシ]エチルアミン、N-(tert-ブトキシカルボニル)-2,2′-(エチレンジオキシ)ジエチルアミン、メチル-PEG4-アミン、アジド-PEG4-アミン、及び1,2-ビス(2-アミノエトキシ)エタンを挙げることができる。本工程において、前記特徴を有する反応性官能基を有する低分子化合物を使用することにより、PEG鎖の末端に、前記で説明した特徴を有する非イオン性又は陽イオン性の不活性基を導入することができる。
本工程は、例えば、被固定化物質連結工程で得られた中間体の粒子と反応性官能基を有する低分子化合物とを混合する(例えば、中間体の粒子を溶媒中に分散させ、該分散液に反応性官能基を有する低分子化合物の溶液を添加する)ことにより、実施することができる。この場合、溶媒としては、限定するものではないが、例えば、水、アルコール、アセトン及びトルエン等を挙げることができる。前記溶媒は、水が好ましい。本工程の反応は、所望により、濃硫酸、p-トルエンスルホン酸、4-ジメチルアミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン及びN,N-ジイソプロピルエチルアミンからなる群より選択される1種類以上の触媒の存在下で実施してもよい。また、本工程の反応は、室温又は加熱条件下(例えば、30〜150℃の範囲)で実施することができる。
本工程は、被固定化物質連結工程で得られた中間体の粒子を、後処理を行わずにそのまま使用する、すなわち被固定化物質連結工程と本工程とを連続的に実施することが好ましい。本実施形態の場合、被固定化物質連結工程において、被固定化物質の溶液に中間体の粒子を分散させて連結反応させ、その後、得られた分散液に反応性官能基を有する低分子化合物の溶液を添加することにより、本工程を連続的に実施することが好ましい。例えば、被固定化物質連結工程で得られた中間体の粒子を含む分散液に対し、遠心分離を用いる洗浄処理のような後処理を実施する場合、中間体の粒子が自己凝集する可能性がある。このような場合、自己凝集した中間体の粒子を再分散させることは非常に困難であるため、本態様の親水性粒子の収量が低下する可能性がある。それ故、被固定化物質連結工程と本工程とを連続的に実施することにより、本態様の親水性粒子を高収量で得ることができる。
<3. 免疫学的凝集反応用組成物>
本発明の別の一態様は、本発明の一態様の親水性粒子を含む、免疫学的凝集反応用組成物に関する。
本発明の各態様において、免疫学的凝集反応試薬は、イムノアッセイ、特にラテックス凝集法に使用するための試薬又はキットを意味する。免疫学的凝集反応試薬は、通常は、ラテックス粒子及び該ラテックス粒子を希釈するための希釈液を少なくとも含む。
本態様の免疫学的凝集反応用組成物は、イムノアッセイ、特にラテックス凝集法におけるラテックス粒子として、本発明の一態様の親水性粒子を含む。前記で説明したように、本発明の一態様の親水性粒子は、非特異的凝集を実質的に抑制し得る。また、本発明の一態様の親水性粒子は、被固定化物質を高い固定化量で有する。それ故、本態様の免疫学的凝集反応用組成物は、イムノアッセイ、特にラテックス凝集法に使用する際、高感度と非特異的凝集抑制とを両立することができる。
本態様の免疫学的凝集反応用組成物は、分散剤をさらに含むことが好ましい。本実施形態において、分散剤は、ラテックス凝集法に使用するための免疫学的凝集反応試薬の成分として通常使用される種々の分散剤、特に保護コロイドとして使用し得る種々の分散剤から適宜選択することができる。分散剤としては、限定するものではないが、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)、卵白アルブミン(OVA)、カゼイン及びゼラチン等を挙げることができる。前記で例示した分散剤を含むことにより、本態様の免疫学的凝集反応用組成物において、本発明の一態様の親水性粒子が自己凝集することを実質的に抑制することができる。
<4. 免疫学的凝集反応キット>
本発明の別の一態様は、本発明の一態様の免疫学的凝集反応用組成物を含む、免疫学的凝集反応キットに関する。
本態様のキットは、本発明の一態様の免疫学的凝集反応用組成物に加えて、通常は、希釈液を含む。本態様のキットにおいて、希釈液は、ラテックス凝集法に使用するための免疫学的凝集反応試薬の成分として通常使用される種々の希釈液から適宜選択することができる。希釈液の成分としては、限定するものではないが、例えば、緩衝剤、凝集促進剤、防腐剤、界面活性剤及び保護コロイド等を挙げることができる。
本態様のキットは、通常は、本発明の一態様の免疫学的凝集反応用組成物及び希釈液を別々の容器に封入した形態で提供される。前記形態で本態様のキットを提供することにより、使用者は、本態様のキットをイムノアッセイ、特にラテックス凝集法に使用する直前に、本発明の一態様の免疫学的凝集反応用組成物及び希釈液を混合することができる。これにより、本発明の一態様の親水性粒子が自己凝集することを実質的に抑制することができる。
本態様のキットは、該キットを使用するための説明書をさらに含むことが好ましい。
本発明の一態様の親水性粒子、又は該親水性粒子を含む本発明の一態様の免疫学的凝集反応用組成物若しくはキットをイムノアッセイ、特にラテックス凝集法に適用する場合の感度は、限定するものではないが、例えば、以下の手順で評価することができる。本発明の一態様の親水性粒子、又は該親水性粒子を含む本発明の一態様の免疫学的凝集反応用組成物を希釈液と混合して、所定濃度に希釈し、これと対象の抗体又は抗原とを混合する。混合液を、所定時間(例えば、1〜10分間)静置する。その後、混合液の吸光度(例えば、主波長500〜800 nm)を測定し、混合直後の混合液の吸光度からの変化量を算出する。それぞれの親水性粒子、免疫学的凝集反応用組成物又はキットで算出された測定値を比較することにより、感度を評価することができる。
以上、詳細に説明したように、本発明の一態様の親水性粒子は、非特異的凝集を実質的に抑制することができる。また、本発明の一態様の親水性粒子は、被固定化物質を高密度で結合する。それ故、本発明の一態様の親水性粒子、又は該親水性粒子を含む本発明の一態様の免疫学的凝集反応用組成物若しくはキットをイムノアッセイ、特にラテックス凝集法に適用する際、高感度と非特異的凝集抑制とを両立することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
<I:親水性粒子の製造>
[実施例1]
本発明の一態様の親水性粒子の製造方法を化学的に示す図を図3に示す。図3(a)に示すように、本発明の一態様の親水性粒子の製造中間体である、被固定化物質を含まない親水性粒子を以下のように調製した。まず、80 mLのエタノール、9 gの30%アンモニア水、及び6 gのオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を混合し、室温で一晩撹拌した(水不溶性粒子準備工程)。得られたシリカビーズ(直径約0.4 μm)をエタノールで洗浄した後、50 mLのエタノールに分散した。ここに、900 μLの3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)加水分解物(酸触媒)を添加し、室温で15分間静置した(プライマー層形成工程)。得られた粒子をエタノールで洗浄した後、PEG4000原液(触媒量の濃硫酸を含む)に分散した。これを、100℃で30分間加熱した(親水性ポリマー層形成工程)。得られた粒子を純水で洗浄した後、50 mLのカルボキシル化試薬に分散した。ここで、カルボキシル化試薬とは、50 mMの無水コハク酸及び50 mMの4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)を溶解したトルエン溶液である。この分散液を、100℃で30分間加熱した(ポリエチレングリコール鎖末端改変工程)。得られた粒子を、DMSO及び純水で洗浄した後、10 mLの純水に分散した。ここに、10 mLの活性化試薬を添加し、混合物を、室温で45分間撹拌した。ここで、活性化試薬とは、0.4 Mの1-エチル-3-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)及び0.2 MのN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を溶解した水溶液である(活性基導入工程)。得られた粒子を純水で3回洗浄した後、希塩酸(pH 3)で10%(w/v)の固形濃度に調整し、氷中で保存した。
[実施例2]
図3(b)に示すように、実施例1で調製した被固定化物質を含まない親水性粒子に、抗Dダイマー抗体を固定化して、本発明の一態様の親水性粒子を調製した。まず、1 mgの実施例1で調製した中間体の粒子を、20 μLの抗Dダイマー抗体(0〜2.8 mg/mL)に懸濁し、室温で15分間静置した(被固定化物質連結工程)。この懸濁液に、反応性官能基を有する低分子化合物として20 μLのDGA水溶液(1 mol/L、pH 9.6)を添加し、10分間静置した。これにより、抗体と連結反応せずに残った活性基がDGAと反応して、非イオン性の不活性基(すなわち、ヒドロキシル基)に変換された(不活性基形成工程)。以上の手順により、本発明の一態様の親水性粒子を得た。
前記手順で調製した親水性粒子に、一定濃度のDダイマー抗原を添加したときの反応性(凝集性)を、以下のように評価した。実施例2の親水性粒子を、PBS / 0.1% TritonX-100で洗浄し、500 μLの1%BSA/PBSに分散した。このうち20 μLを、等量のDダイマー抗原(0又は9.7 μg/mL)と混合し、スライドガラス上に20 μLの混合物を滴下した。20分後、スライドガラスを軽く揺動してから、位相差顕微鏡(総合倍率400倍)で粒子の凝集を観察した。スライドガラス上に滴下した親水性粒子及びDダイマー抗原の混合物を位相差顕微鏡で観察した結果を図4に示す。
図4に示すように、期待通り、抗Dダイマー抗体の濃度が減少するにつれて、親水性粒子の凝集性が低下した。このことは、親水性粒子の表面に固定化した抗Dダイマー抗体とDダイマー抗原とが免疫複合体を形成することによって、親水性粒子の凝集が起こったことを示唆する。
[実施例3]
実施例2と同様に、実施例1で調製した被固定化物質を含まない親水性粒子に、抗Dダイマー抗体を固定化して、本発明の一態様の親水性粒子を調製した。まず、1 mgの実施例1で調製した中間体の粒子を、20 μLの抗Dダイマー抗体(1.4 mg/mL)に懸濁し、室温で15分間静置した(被固定化物質連結工程)。この懸濁液に、反応性官能基を有する低分子化合物として20 μLのDGA水溶液(0.5 mol/L、pH 9.6)を添加し、10分間静置した。これにより、抗体と連結反応せずに残った活性基がDGAと反応して、非イオン性の不活性基(すなわち、ヒドロキシル基)に変換された(不活性基形成工程)。以上の手順により、本発明の一態様の親水性粒子を得た。
前記手順で調製した親水性粒子に、濃度の異なるDダイマー抗原(8濃度)を添加したときの反応性(凝集性)を、以下のように評価した。実施例3の親水性粒子を、PBS / 0.1% TritonX-100で洗浄し、500 μLの1%BSA/PBSに分散した。このうち20 μLを、等量のDダイマー抗原(0〜19.2 μg/mLの8濃度)と混合し、スライドガラス上に20 μLの混合物を滴下した。20分後、スライドガラスを軽く揺動してから、位相差顕微鏡(総合倍率400倍)で粒子の凝集を観察した。スライドガラス上に滴下した親水性粒子及びDダイマー抗原の混合物を位相差顕微鏡で観察した結果を図5に示す。
図5に示すように、期待通り、Dダイマー抗原の濃度が増加するにつれて、親水性粒子の凝集性が増大した。このことは、本発明の一態様の親水性粒子の凝集の程度を評価することによって、Dダイマー抗原を定量可能であることを示す。
[実施例4]
実施例1で調製した被固定化物質を含まない親水性粒子に、梅毒トレポネーマ由来抗原を固定化して、本発明の一態様の親水性粒子を調製した。まず、1 mgの実施例1で調製した中間体の粒子を、20 μLの梅毒トレポネーマ由来抗原(0.1 mg/mL)に懸濁し、室温で60分間静置した(被固定化物質連結工程)。この懸濁液に、反応性官能基を有する低分子化合物として20 μLのDGA水溶液(0.5 mol/L、pH 9.6)を添加し、10分間静置した。これにより、抗体と連結反応せずに残った活性基がDGAと反応して、非イオン性の不活性基(すなわち、ヒドロキシル基)に変換された(不活性基形成工程)。以上の手順により、本発明の一態様の親水性粒子を得た。
梅毒検査用ラテックス試薬(従来品)を用いた検査で偽陽性となった非特異血清(A、B、C及びD)を用いて、前記手順で調製した親水性粒子の非特異的凝集抑制効果を、以下のように評価した。実施例4の親水性粒子を、PBS / 0.1% TritonX-100で洗浄し、100 μLの1%BSA/PBSに分散した。このうち5 μLを、40 μLの希釈液(1%BSA/PBS)及び5 μLの非特異血清(A、B、C又はD)と混合し、スライドガラス上に20 μLの混合物を滴下した。20分後、スライドガラスを軽く揺動してから、位相差顕微鏡(総合倍率400倍)で粒子の凝集を観察した。
対照として、梅毒検査用ラテックス試薬(従来品)を用いて、実施例4の親水性粒子を用いた場合と同様の評価を行った。まず、6.25 μLのラテックス試薬(R2)を、43.5 μLの検体希釈液(R1)及び4 μLの非特異血清(A、B、C又はD)と混合し、スライドガラス上に20 μLの混合物を滴下した。20分後、スライドガラスを軽く揺動してから、カバーグラスを設置し、位相差顕微鏡(総合倍率400倍)でラテックス粒子の凝集を観察した。
スライドガラス上に滴下した実施例4の親水性粒子及び非特異血清の混合物、又は従来品のラテックス粒子及び非特異血清の混合物を位相差顕微鏡で観察した結果を図6に示す。図中、(a)は、非特異血清Aとの混合物の結果を、(b)は、非特異血清Bとの混合物の結果を、(c)は、非特異血清Cとの混合物の結果を、(d)は、非特異血清Dとの混合物の結果を、それぞれ示す。また、(a)〜(d)の右側の写真は、実施例4の親水性粒子及び非特異血清の混合物の観察結果を、(a)〜(d)の左側の写真は、従来品のラテックス粒子及び非特異血清の混合物の観察結果を、それぞれ示す。図中、○は、凝集が観察されなかったことを、△は、僅かに凝集が観察されたことを、×は、凝集が観察されたことを、それぞれ示す。
図6に示すように、期待通り、実施例4の親水性粒子では、非特異的凝集が全く認められなかった(図6(a)〜(d)の右側の写真)。これに対し、従来品のラテックス粒子では、非特異血清A及びDとの混合物で僅かな非特異的凝集が認められ、非特異血清B及びCとの混合物ではかなりの非特異的凝集が認められた(図6(a)〜(d)の左側の写真)。以上の結果より、本発明の一態様の親水性粒子は、非特異的凝集の抑制に優れた効果を有することが明らかとなった。
[実施例5]
実施例1の手順において、活性基導入工程の反応時間を0、5、10又は45分間に変更した他は前記と同様の手順で被固定化物質を含まない親水性粒子を調製した。得られた4種類の中間体の粒子を用いて、実施例4と同様の評価を行った。スライドガラス上に滴下した実施例5の親水性粒子及び非特異血清の混合物を位相差顕微鏡で観察した結果を図7に示す。図中、(a)は、非特異血清Aとの混合物の結果を、(b)は、非特異血清Bとの混合物の結果を、(c)は、非特異血清Cとの混合物の結果を、(d)は、非特異血清Dとの混合物の結果を、それぞれ示す。また、(a)〜(d)において、左側の写真から順に、活性基導入工程の反応時間が0、5、10又は45分間の条件で得られた親水性粒子及び非特異血清の混合物の観察結果を、それぞれ示す。
図7に示すように、評価したすべての非特異血清(A、B、C及びD)について、活性基導入工程の反応時間が短い程、結果として得られた本発明の一態様の親水性粒子による非特異的凝集を抑制する効果が著しく低下することが明らかとなった。このことは、親水性ポリマー層に含まれるPEG鎖の末端にカルボキシル基が残っていると、その残存カルボキシル基が、非特異的凝集を引き起こす物質と静電相互作用し得ることを示唆する。
[実施例6]
実施例4の手順において、不活性基形成工程の反応性官能基を有する低分子化合物を下記の13種類の化合物に変更した他は前記と同様の手順で本発明の一態様の親水性粒子を調製した。不活性基形成工程における反応性官能基を有する低分子化合物の濃度は、いずれも0.1 mol/Lとした。得られた13種類の親水性粒子を用いて、実施例4と同様の評価を行った。不活性基形成工程において使用した反応性官能基を有する低分子化合物、該工程で形成された不活性基、並びにそれぞれの親水性粒子及び非特異血清(A、B、C又はD)の混合物の観察結果を、表1に示す。表中、○は、凝集が観察されなかったことを、△は、僅かに凝集が観察されたことを、×は、凝集が観察されたことを、それぞれ示す。
表1に示すように、非イオン性又は陽イオン性の不活性基がヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、メチリジン基又はアジド基である親水性粒子は、評価した全ての非特異血清(A、B、C及びD)に対して非特異的凝集を効果的に抑制した。また、非イオン性又は陽イオン性の不活性基がBoc基又はアミノ基である親水性粒子も、ある程度の非特異的凝集抑制効果を示した。一方、不活性基がスルホ基(-SO3H)又はチオール基(-SH)である親水性粒子は、評価した全ての非特異血清(A、B、C及びD)に対して非特異的凝集を著しく誘発した。このことは、本発明の一態様の親水性粒子における不活性基が非イオン性又は陽イオン性の場合に、非特異的凝集を抑制する効果を奏することを示す。
なお、本発明は、前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除及び/又は置換をすることが可能である。
10…本発明の一態様の親水性粒子
11…水不溶性粒子
12…プライマー層
13…親水性ポリマー層
14a…被固定化物質が連結されたポリエチレングリコール(PEG)鎖
14b…被固定化物質が連結されていないポリエチレングリコール(PEG)鎖
15a…活性基
15b…非イオン性又は陽イオン性の不活性基
16…被固定化物質

Claims (12)

  1. 水不溶性粒子と、
    前記水不溶性粒子の表面上に配置された、ポリシロキサンを含むプライマー層と、
    前記プライマー層上に配置された親水性ポリマー層と、
    前記親水性ポリマー層上に配置された被固定化物質と、
    を少なくとも含み、
    前記親水性ポリマー層が、前記被固定化物質が共有結合を介して連結されたポリエチレングリコール鎖と、前記被固定化物質が連結されていないポリエチレングリコール鎖とを含み、
    前記被固定化物質が連結されていないポリエチレングリコール鎖の末端基が、非イオン性又は陽イオン性の不活性基である、親水性粒子。
  2. 前記非イオン性又は陽イオン性の不活性基が、ヒドロキシル基、アルコキシ基、メチリジン基、tert-ブトキシカルボニル(Boc)基、アジド基及びアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種の基である、請求項1に記載の親水性粒子。
  3. 前記アルコキシ基が、メトキシ基又はエトキシ基である、請求項2に記載の親水性粒子。
  4. 前記ポリエチレングリコール鎖の数平均分子量が、1000以上且つ10000以下の範囲である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の親水性粒子。
  5. 前記水不溶性粒子が、表面にヒドロキシル基を含む無機粒子である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の親水性粒子。
  6. 前記水不溶性粒子の直径が、0.05〜10 μmの範囲である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の親水性粒子。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の親水性粒子を含む、免疫学的凝集反応用組成物。
  8. 分散剤をさらに含む、請求項7に記載の免疫学的凝集反応用組成物。
  9. 請求項7又は8に記載の免疫学的凝集反応用組成物、及び希釈液を含む、免疫学的凝集反応キット。
  10. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の親水性粒子を製造する方法であって、
    水不溶性粒子を準備する、水不溶性粒子準備工程;
    前記水不溶性粒子の表面上に、ポリシロキサンを含むプライマー層を形成する、プライマー層形成工程;
    前記プライマー層上に、ポリエチレングリコール鎖を含む親水性ポリマー層を形成する、親水性ポリマー層形成工程;
    前記親水性ポリマー層に含まれるポリエチレングリコール鎖の末端に活性基を導入する、活性基導入工程;
    前記ポリエチレングリコール鎖の末端の活性基と被固定化物質とを連結反応させて、親水性ポリマー層上に被固定化物質を配置する、被固定化物質連結工程;
    前記被固定化物質結合工程で被固定化物質と連結反応しなかった活性基と、反応性官能基を有する低分子化合物とを反応させて、被固定化物質が連結されていないポリエチレングリコール鎖の末端に、非イオン性又は陽イオン性の不活性基を形成する、不活性基形成工程;
    を含む、前記方法。
  11. 前記反応性官能基を有する低分子化合物が、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、エタノールアミン、トリヒドロキシメチルアミノメタン、メトキシアミン及びエトキシアミンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記活性基導入工程の前に、親水性ポリマー層に含まれるポリエチレングリコール鎖の末端を改変する、ポリエチレングリコール鎖末端改変工程をさらに含む、請求項10又は11に記載の方法。
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