JP2020142306A - ダイヤモンド被覆切削工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】CFRP材スタック材等の難削材に対して、長期にわたって十分な耐摩耗性と耐チッピング性を有しているダイヤモンド被覆工具を提供する。【解決手段】工具基体表面に、1層または2層以上のダイヤモンド皮膜を有する3〜25μmの厚さのダイヤモンド被覆層が被覆されたダイヤモンド被覆切削工具であって、前記ダイヤモンド皮膜における少なくとも1層は、ラマン分光測定により求められるsp3結合/sp2結合のピーク強度比率が0.8〜2.0であり、前記ダイヤモンド皮膜中のダイヤモンド結晶の平均結晶粒径が0.10〜0.50μmであり、前記ダイヤモンド皮膜中の窒素の含有割合が0.001〜0.010原子%とすることを特徴とするダイヤモンド被覆切削工具。【選択図】なし
Description
この発明は、CFRP材等の難削材の切削加工において、長期にわたって優れた耐摩耗性を発揮するダイヤモンド被覆切削工具に関するものである。
近年、航空機や自動車の構造材として、炭素繊維を束ねてエポキシ系の樹脂で固めたCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)(以下、CFRP材と称する)材やCFRP材とAl合金あるいはTi合金の合わせ材料(以下、スタック材と称する)が構造材に占める割合が大きくなっている。CFRP材の切削加工には、主にダイヤモンド被覆切削工具が使用されており、加工時間の短縮やコストの低減のための更なる寿命向上が求められている。
ダイヤモンド被覆切削工具を用いて、CFRP材、スタック材のような難削材を切削加工する際、ダイヤモンド皮膜の摩耗はアブレシブ摩耗が支配的である。このため、長期の使用により、脱粒に起因する摩耗面上の凹凸が大きくなり、これを起点としたチッピング等の異常損傷の発生、さらには、工具基体の露出が発生し、工具寿命をもたらす要因の一つとなって、被削材の加工面品質を低下させてしまう虞がある。そこで、ダイヤモンド皮膜の耐摩耗性の向上のために、従来から多くの提案がなされている。
例えば、特許文献1には、ダイヤモンド皮膜が、表面およびダイヤモンドの結晶成長方向と略直角な断面の結晶粒径が2μm以下となるように、核付着処理および結晶成長処理を繰り返して形成された微結晶の多層構造を成していることを特徴とするダイヤモンド被覆工具が記載されている。
前記特許文献1に記載されたダイヤモンド被覆工具では、チッピングおよび脱粒サイズの微小化による長寿命なダイヤモンド被覆工具を実現するため、結晶層と核生成層の積層構造化により皮膜の耐摩耗性を向上させているが、近年、航空機や自動車の構造材として使用割合が高まっているCFRP材、スタック材等の難削材に対して十分な耐摩耗性と耐チッピング性を有していない。
そこで、本発明が解決しようとする課題、すなわち、本発明の目的は、CFRP材、スタック材等の難削材に対して、長期にわたって十分な耐摩耗性と耐チッピング性を有するダイヤモンド被覆工具を提供することにある。
前記課題を解決すべく本発明者は鋭意検討を行ったところ、ダイヤモンド皮膜中に所定割合の窒素を含有させると、sp3結合/sp2結合のピーク強度比率を高めて、チッピングの原因となるダイヤモンド皮膜を構成するダイヤモンド結晶内の欠陥を低下させ、また、ダイヤモンド結晶の結晶粒径を小さくし、高耐摩耗性と微粒組織を兼ね備えた耐チッピング特性に優れたダイヤモンド皮膜となり、ダイヤモンド被覆工具の寿命を飛躍的に延ばすことができるという新規な知見を得た。
本発明は、この知見に基づくものであって、以下のとおりのものである。
「工具基体表面に、1層または2層以上のダイヤモンド皮膜を有する3〜25μmの厚さのダイヤモンド被覆層が被覆されたダイヤモンド被覆切削工具であって、
前記ダイヤモンド皮膜における少なくとも1層は、ラマン分光測定により求められるsp3結合/sp2結合のピーク強度比率が0.8〜2.0であり、
前記ダイヤモンド皮膜中のダイヤモンド結晶の平均結晶粒径が0.10〜0.50μmであり、
前記ダイヤモンド皮膜中の窒素の含有割合が0.001〜0.010原子%とする、
ことを特徴とするダイヤモンド被覆切削工具。」
「工具基体表面に、1層または2層以上のダイヤモンド皮膜を有する3〜25μmの厚さのダイヤモンド被覆層が被覆されたダイヤモンド被覆切削工具であって、
前記ダイヤモンド皮膜における少なくとも1層は、ラマン分光測定により求められるsp3結合/sp2結合のピーク強度比率が0.8〜2.0であり、
前記ダイヤモンド皮膜中のダイヤモンド結晶の平均結晶粒径が0.10〜0.50μmであり、
前記ダイヤモンド皮膜中の窒素の含有割合が0.001〜0.010原子%とする、
ことを特徴とするダイヤモンド被覆切削工具。」
本発明のダイヤモンド被覆切削工具は、チッピングサイズが最小限に抑えられ、また、優れた耐摩耗性を有しており、CFRP材等の難削材の切削加工において工具寿命を延ばすことができるという顕著な効果を奏する。
以下、本発明で規定する事項の最適な範囲の説明を含め、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書、特許請求の範囲において、数値範囲を「〜」を用いて表す場合、その範囲は上限および下限を含むもの、すなわち、以上、以下と同義とする。
なお、本明細書、特許請求の範囲において、数値範囲を「〜」を用いて表す場合、その範囲は上限および下限を含むもの、すなわち、以上、以下と同義とする。
ダイヤモンド被覆層の層厚:
本発明においてダイヤモンド被覆層は、ダイヤモンド皮膜を1層または2層以上有し、その厚さ(層厚)は、3〜25μmとする。ダイヤモンド被覆層の厚さをこの範囲とする理由として、下限値の3μmは、CFRP材等の難削材の切削加工において満足する工具寿命を得るためであり、一方、上限値の25μmは工具刃先の鋭利さを確保して、加工精度を得てバリや層間剥離を防ぎ、加工面品位を低下させないためである。ダイヤモンド被覆層の層厚は、5〜15μmとすることがより好ましい。
本発明においてダイヤモンド被覆層は、ダイヤモンド皮膜を1層または2層以上有し、その厚さ(層厚)は、3〜25μmとする。ダイヤモンド被覆層の厚さをこの範囲とする理由として、下限値の3μmは、CFRP材等の難削材の切削加工において満足する工具寿命を得るためであり、一方、上限値の25μmは工具刃先の鋭利さを確保して、加工精度を得てバリや層間剥離を防ぎ、加工面品位を低下させないためである。ダイヤモンド被覆層の層厚は、5〜15μmとすることがより好ましい。
なお、ダイヤモンド皮膜が複数層ある場合は、各層のダイヤモンド皮膜の厚さは特に制約はなく、ダイヤモンド被覆層が3〜25μmの厚さがあればよい。
ここで、ダイヤモンド被覆層の層厚は、工具基体に対して法線方向の断面(縦断面)の厚さであって、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)によって、50μm×50μmに観察範囲を設定して、3視野を観察し、各視野に任意で5点の観察点を設けて、各点における厚さを求めそれらの平均値を算出した値である。
ラマン分光測定により求められるsp3結合/sp2結合のピーク強度比率:
ラマン分光測定により求められるsp3結合/sp2結合のピーク強度比率とは、波長532nmのレーザー光で得られたラマンスペクトルを波形分離し、波形分離後の1332cm−1付近にみられるsp3結合のピーク強度と1580cm−1付近にみられるsp2結合のピーク強度を測定して、sp3結合/sp2結合のピーク強度比率を算出するものである。
ラマン分光測定により求められるsp3結合/sp2結合のピーク強度比率とは、波長532nmのレーザー光で得られたラマンスペクトルを波形分離し、波形分離後の1332cm−1付近にみられるsp3結合のピーク強度と1580cm−1付近にみられるsp2結合のピーク強度を測定して、sp3結合/sp2結合のピーク強度比率を算出するものである。
本発明では、このsp3結合/sp2結合のピーク強度比率を0.8〜2.0とする。この範囲とする理由は、0.8未満であると、sp2結合量が多くなりすぎて、耐摩耗性が低下し、一方、2.0を超えると、結晶粒が粗大化してチッピングサイズが大きくなり工具寿命が短くなる虞があるためである。sp3結合/sp2結合のピーク強度比率は、1.0〜1.8がより好ましい範囲である。
ダイヤモンド皮膜の平均結晶粒径:
ダイヤモンド皮膜の平均結晶粒径は、0.10〜0.50μmである。この範囲とする理由は、0.10μm未満であると、sp2結合量が多くなりすぎて、耐摩耗性が低下してしまう虞があり、一方、0.50μmを超えると、結晶粒が大きくなりすぎて、この結晶粒を起点としてチッピングが発生しやすくなる虞があるためである。
ダイヤモンド皮膜の平均結晶粒径は、0.10〜0.50μmである。この範囲とする理由は、0.10μm未満であると、sp2結合量が多くなりすぎて、耐摩耗性が低下してしまう虞があり、一方、0.50μmを超えると、結晶粒が大きくなりすぎて、この結晶粒を起点としてチッピングが発生しやすくなる虞があるためである。
ここで、平均結晶粒径は、以下のように測定される。すなわち、ダイヤモンドの工具基体表面に平行な幅5μmの領域に対して、縦断面(工具基体表面に垂直な方向の断面)を集束イオンビーム(FIB)法により結晶粒と同程度の厚さ以下に加工する。加工面を透過型電子顕微鏡(TEM)に付属する結晶方位解析装置を用いて、加工面の法線方向に対して0.5〜1.0度に傾けた電子線をPrecession(歳差運動)照射しながら、電子線のビーム径1.6nm、1nm間隔でスキャンし、連続的に電子回折パターンを取り込み、個々の測定点の結晶方位を解析する。測定点の隣接点同士の方位差が5°以上離れている場合を粒界とし、粒界で囲まれた部分を結晶粒と定義した。そして、工具基体表面と平行な方向に5μmの線分を任意で5本画定し、それぞれの線分を横切る結晶粒の数で除した平均値とした。
ダイヤモンド皮膜中の窒素含有割合:
ダイヤモンド皮膜中の窒素含有割合、すなわち、窒素原子が炭素原子との原子比は、0.001〜0.010原子%とする。この範囲とする理由は、0.001原子%未満であると、ダイヤモンド結晶粒の微細化効果が得られず、0.010原子%を超えると、結晶粒の微粒化が過剰に進行しsp3結合が大幅に低下して(sp3結合/sp2結合のピーク強度比率が低下して)、耐摩耗性が損なわれてしまうためである。この窒素含有量は0.004〜0.008原子%がより好ましい範囲である。
ダイヤモンド皮膜中の窒素含有割合、すなわち、窒素原子が炭素原子との原子比は、0.001〜0.010原子%とする。この範囲とする理由は、0.001原子%未満であると、ダイヤモンド結晶粒の微細化効果が得られず、0.010原子%を超えると、結晶粒の微粒化が過剰に進行しsp3結合が大幅に低下して(sp3結合/sp2結合のピーク強度比率が低下して)、耐摩耗性が損なわれてしまうためである。この窒素含有量は0.004〜0.008原子%がより好ましい範囲である。
なお、ダイヤモンド皮膜中の窒素含有割合は、あらかじめ窒素濃度をイオン注入法により調整したダイヤモンド基板を二次イオン質量分析法(SIMS)で測定し、作成した検量線に基づき二次イオン質量分析法によって求める。
工具基体:
工具基体は、本発明の目的の達成を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、WCを主体とする公知の超硬合金基体を挙げることができる。
工具基体は、本発明の目的の達成を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、WCを主体とする公知の超硬合金基体を挙げることができる。
ダイヤモンド被覆層の製造方法:
本発明のダイヤモンド被覆層を構成するダイヤモンド皮膜の製造は、一般に広く知られている成膜法である高周波プラズマCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、熱フィラメントCVD法等の合成法を用いて製造可能である。
ダイヤモンド皮膜中に含有される窒素の源は、窒素原子を含むガスであり、例えば、窒素ガス、一酸化窒素ガスを例示することができる。
本発明のダイヤモンド被覆層を構成するダイヤモンド皮膜の製造は、一般に広く知られている成膜法である高周波プラズマCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、熱フィラメントCVD法等の合成法を用いて製造可能である。
ダイヤモンド皮膜中に含有される窒素の源は、窒素原子を含むガスであり、例えば、窒素ガス、一酸化窒素ガスを例示することができる。
次に、実施例について説明する。
ここでは、本発明に係るダイヤモンド被覆切削工具の具体例として、ダイヤモンド被覆ドリルについて述べるが、本発明はこれに限られるものではなく、ダイヤモンド被覆エンドミル、ダイヤモンド被覆インサート等のダイヤモンド切削工具に適用できることは言うまでもない。
ここでは、本発明に係るダイヤモンド被覆切削工具の具体例として、ダイヤモンド被覆ドリルについて述べるが、本発明はこれに限られるものではなく、ダイヤモンド被覆エンドミル、ダイヤモンド被覆インサート等のダイヤモンド切削工具に適用できることは言うまでもない。
(a)工具基体の製造工程
原料粉末として、0.5〜0.9μmの範囲内の所定の平均粒径を有するWC粉末、Co粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr3C2粉末を、表1に示される割合に配合し、さらにバインダーとしてパラフィンと溶剤としてトルエン、またはキシレン、またはメシチレン、またはテトラリン、またはデカリンを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した。その後、いずれも押出プレス成形し、直径が10mm、長さが150mmの丸棒圧粉体とし、これらの丸棒圧粉体を、1Paの真空雰囲気中、1380〜1500℃の温度で1〜2時間保持するという焼結条件で焼結して焼結体を得た。その後、前記焼結体を研磨加工することにより、WC基超硬合金焼結体を製造した。
次いで、前記WC基超硬合金焼結体を、溝形成部の外径寸法が7mmとなるように研削加工することにより、WC超硬合金製ドリル工具基体(以下、単に「ドリル基体」または「基体」という)α、βを製造した。
原料粉末として、0.5〜0.9μmの範囲内の所定の平均粒径を有するWC粉末、Co粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr3C2粉末を、表1に示される割合に配合し、さらにバインダーとしてパラフィンと溶剤としてトルエン、またはキシレン、またはメシチレン、またはテトラリン、またはデカリンを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した。その後、いずれも押出プレス成形し、直径が10mm、長さが150mmの丸棒圧粉体とし、これらの丸棒圧粉体を、1Paの真空雰囲気中、1380〜1500℃の温度で1〜2時間保持するという焼結条件で焼結して焼結体を得た。その後、前記焼結体を研磨加工することにより、WC基超硬合金焼結体を製造した。
次いで、前記WC基超硬合金焼結体を、溝形成部の外径寸法が7mmとなるように研削加工することにより、WC超硬合金製ドリル工具基体(以下、単に「ドリル基体」または「基体」という)α、βを製造した。
前記ドリル基体α、βにダイヤモンド皮膜を成膜する前に、ダイヤモンド皮膜と基体との付着強度を向上させるため、アルカリ溶液(村上試薬)と酸溶液(Caro酸)を用いた2段階の化学処理を実施した。前記ドリル基体を、イソプロピルアルコールに粒径が1〜2μmのダイヤモンド粉末を含む溶液で10分間の超音波処理を施すことにより傷つけ処理をした。
続いて、前記ドリル基体α、βをプラズマCVD装置に装入し、表2に記載された成膜条件でダイヤモンド皮膜が1層(単層)のダイヤモンド被覆層を所望の膜厚になるように所定時間成膜した。なお、以下の「%」は、「容量(体積)%」であって、以下の数値範囲は表2に記載された成膜工程を示したものである。ドリル基体温度は放射温度計を用いて測温した。
ガス組成 CH4/H2:2.00%、N2/H2:0.01〜0.06%
ガス流量 CH4:30.00sccm、N2:0.20〜0.90sccm
H2:1500.00sccm
圧力 800〜1000Pa
ドリル基体温度 800〜900℃
プラズマ出力 1.5kW(2.45GHz)
ガス組成 CH4/H2:2.00%、N2/H2:0.01〜0.06%
ガス流量 CH4:30.00sccm、N2:0.20〜0.90sccm
H2:1500.00sccm
圧力 800〜1000Pa
ドリル基体温度 800〜900℃
プラズマ出力 1.5kW(2.45GHz)
この条件で、表4に示す本発明被覆工具1〜9を作製し、ダイヤモンド被覆層の厚さ、平均結晶粒径、ラマン分光測定により求められたsp3結合/sp2結合のピーク強度比率、窒素含有割合を求めた。
また、比較の目的で、前記ドリル基体に表3に記載された成膜条件で比較被覆工具1〜7を作製し、前記本発明被覆工具1〜9と同様にダイヤモンド被覆層の厚さ、平均結晶粒径、ラマン分光測定により求められたsp3結合/sp2結合のピーク強度比率、窒素含有割合を求めた。
次に、本発明被覆工具1〜9、および、比較被覆工具1〜7について、以下に示す被削材の貫通孔加工による切削試験を実施し、いずれも寿命到達切削穴数を測定した。
被削材:CFRP材
CFRP(PAN系クロス材、厚さ20mm)
送り:0.15mm/rev
切削速度:150m/min
表6に、切削試験の結果を示す。到達寿命穴数は、50回の穴あけごとに、工具刃先に基体の露出あるいは、欠損、チッピングを生じた時点で寿命とした。また、ワークの加工面にバリが発生しない、層間剥離が加工面より1mm以内に抑えられていれば寿命に到達していないとした。
被削材:CFRP材
CFRP(PAN系クロス材、厚さ20mm)
送り:0.15mm/rev
切削速度:150m/min
表6に、切削試験の結果を示す。到達寿命穴数は、50回の穴あけごとに、工具刃先に基体の露出あるいは、欠損、チッピングを生じた時点で寿命とした。また、ワークの加工面にバリが発生しない、層間剥離が加工面より1mm以内に抑えられていれば寿命に到達していないとした。
被削材:CFRP/Al合金スタック材
CFRP(PAN系クロス材、厚さ10mm)
送り:0.15mm/rev
切削速度:150m/min
Al合金(A7075、厚さ10mm)
送り:0.1mm/rev
切削速度:60m/min
切削速度は、150m/minで切削を開始し、CFRPを貫通する2.0mm手前から切削速度を低下させ、Al合金の切削時には60m/minになるようにした。
表7に、切削試験の結果を示す。到達寿命穴数は、50回の穴あけごとに、工具刃先に基体の露出あるいは、欠損、チッピングを生じた時点で寿命とした。また、ワークの加工面にバリが発生しない、層間剥離が加工面より1mm以内に抑えられていれば寿命に到達していないとした。
CFRP(PAN系クロス材、厚さ10mm)
送り:0.15mm/rev
切削速度:150m/min
Al合金(A7075、厚さ10mm)
送り:0.1mm/rev
切削速度:60m/min
切削速度は、150m/minで切削を開始し、CFRPを貫通する2.0mm手前から切削速度を低下させ、Al合金の切削時には60m/minになるようにした。
表7に、切削試験の結果を示す。到達寿命穴数は、50回の穴あけごとに、工具刃先に基体の露出あるいは、欠損、チッピングを生じた時点で寿命とした。また、ワークの加工面にバリが発生しない、層間剥離が加工面より1mm以内に抑えられていれば寿命に到達していないとした。
表6および表7に示される結果から明らかなように、本発明のダイヤモンド被覆切削工具(本発明被覆工具)はCFRP材、スタック材等の難削材に対して、長期にわたって十分な耐摩耗性と耐チッピング性を有している。これに対して、本発明のダイヤモンド被覆切削工具を規定する事項を一つでも満足しない比較被覆工具は、CFRP材、スタック材等の難削材の切削加工において、短期で寿命に至っている。
前述のように、本発明の被覆工具は、CFRP材、スタック材等の難削材の切削加工だけでなく、各種の被削材の被覆工具として用いることができ、しかも、長期の使用にわたって優れた切削性能を発揮することで、切削装置の高性能化並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらには低コスト化に十分に満足できる対応が可能である。
Claims (1)
- 工具基体表面に、1層または2層以上のダイヤモンド皮膜を有する3〜25μmの厚さのダイヤモンド被覆層が被覆されたダイヤモンド被覆切削工具であって、
前記ダイヤモンド皮膜における少なくとも1層は、ラマン分光測定により求められるsp3結合/sp2結合のピーク強度比率が0.8〜2.0であり、
前記ダイヤモンド皮膜中のダイヤモンド結晶の平均結晶粒径が0.10〜0.50μmであり、
前記ダイヤモンド皮膜中の窒素の含有割合が0.001〜0.010原子%とする、
ことを特徴とするダイヤモンド被覆切削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019038322A JP2020142306A (ja) | 2019-03-04 | 2019-03-04 | ダイヤモンド被覆切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019038322A JP2020142306A (ja) | 2019-03-04 | 2019-03-04 | ダイヤモンド被覆切削工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020142306A true JP2020142306A (ja) | 2020-09-10 |
Family
ID=72355113
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019038322A Pending JP2020142306A (ja) | 2019-03-04 | 2019-03-04 | ダイヤモンド被覆切削工具 |
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Country | Link |
---|---|
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2019
- 2019-03-04 JP JP2019038322A patent/JP2020142306A/ja active Pending
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