JP2020137077A - 通信装置、車両制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】同時に駆動される複数のアンテナの通信領域の重複する部分に、信号不感帯が生じるのを簡単な構成で抑制する。【解決手段】車載通信装置10は、携帯機20に対してLF信号を送信する複数の車内用LFアンテナ3a、3bと、各アンテナ3a、3bに対応する矩形波状の駆動信号を出力する制御部1と、制御部1から出力された各駆動信号に応じて各車内用LFアンテナ3a、3bに正弦波電流を供給する複数の車内用送信回路4a、4bとを備える。車内用LFアンテナ3a、3bは同時に駆動され、これらのアンテナ3a、3bの通信領域は一部重複する。制御部1は、各車内用LFアンテナ3a、3bの駆動信号のデューティ比を制御することにより、各車内用送信回路4a、4bから各車内用LFアンテナ3a、3bに供給される正弦波電流の位相と振幅とを調整して、各車内用LFアンテナ3a、3bから異なる位相と異なる振幅でLF信号を送信する。【選択図】図1

Description

本発明は、複数のアンテナから信号を送信する通信装置と、該通信装置を備えた車両制御システムとに関する。
車両に搭載された通信装置(以下、「車載通信装置」という。)と、利用者が携帯する携帯機との間で行われる無線通信に基づいて、車両に搭載された車両制御装置が車載機器の動作を制御する車両制御システムがある。車載通信装置の一部と車両制御装置とは、ECU(電子制御装置)から構成されている。また、車載通信装置の一部と車両制御装置の両方の機能を有した単一のECUもある。携帯機は、たとえばリモコン型の通信端末から構成されている。
車載通信装置は、たとえばポーリング方式で応答要求信号を送信する。携帯機は、応答要求信号を受信すると、応答信号を車載通信装置へ返信する。そして、車載通信装置で応答信号が受信されると、車載通信装置または車両制御装置が、応答信号に含まれるIDコードに基づいて携帯機の認証を行い、該認証が成功すると、車両制御装置が車載機器の動作を制御する。具体的には、たとえば車両のドアの施解錠もしくは開閉動作、車両の電源のオン・オフ、エンジンの駆動・停止、照明の点灯、またはセンサ類の起動・停止などを実行する。一般に、車載通信装置から送信される応答要求信号はLF(Low Frequency:長波)信号であり、携帯機から送信される応答信号はUHF(Ultra High Frequency:高周波)信号である。
制御対象の車載機器によって、携帯機が車両の外部にあるか内部にあるかを判断する必要がある。このため、車載通信装置には、車両の外部にある携帯機に対して信号を送受信する複数の車外用アンテナと、車両の内部にある携帯機に対して信号を送受信する複数の車内用アンテナとが設けられている。
また、携帯機が車内にあることを正確に判断するためには、車内用アンテナを複数設けるだけでなく、車内全域がいずれかの車内用アンテナの通信領域に含まれるように、各車内用アンテナを配置する必要がある。この場合、複数の車内用アンテナの通信領域が一部重複する(たとえば、特許文献1および特許文献2)。
また、車載通信装置では、処理時間短縮のため、複数の車内用アンテナを同時に駆動して応答要求信号を送信することがある。しかしこの場合、複数の車内用アンテナの通信領域の重複部分で、複数の車内用アンテナから放射される向きの異なった磁束が干渉して、磁束のレベルが極めて低くなるNull点が生じてしまう。このNull点の近傍に携帯機が存在した場合、携帯機は車載通信装置から送信された応答要求信号を受信することができなくなる。すなわち、Null点の近傍は、信号不感帯となる。
そこで、特許文献1では、車内用アンテナに正弦波電流を供給するハーフブリッジ出力回路と、該ハーフブリッジ出力回路に入力する信号を切り替えるAND素子とを、複数の車内用アンテナに1対1で対応するように通信部(送受信回路)に設けている。そして、ECUから各AND素子に対して、アンテナ選択信号や2進情報信号などの制御信号とともに、位相が異なる矩形波の搬送波を入力することにより、各車内用アンテナから位相の異なる応答要求信号を同時に送信して、Null点を抑制(または解消)している。
また、特許文献2では、複数の車内用アンテナに1対1で対応する送受信部と、制御部と、これらとは別の位相制御部とを設けている。そして、各送受信部で応答要求信号を所定の搬送波で変調する際に、位相制御部で各車内用アンテナに対応する搬送波の位相をずらすことにより、各車内用アンテナから位相の異なる応答要求信号を同時に送信して、Null点を抑制している。
特開2009−278360号公報 特開2010−236346号公報
特許文献1のように、各車内用アンテナに対応させて複数のAND素子を通信部に設けて、ECUから通信部に対して、複数の制御信号に加えて、各車内用アンテナに対応した位相の搬送波を出力する場合、構成する電子部品やECUの出力ポートや配線の数が多くなる。然も、アンテナの数が増えたり、位相が異なる搬送波の数が増えたりするに連れて、ECUの出力ポートや配線の数が増大するとともに、ECUに高機能を有するCPUやICなどの高価な素子を設ける必要がある。また、特許文献2のように、送受信部および制御部とは別に、位相制御部を設けた場合は、CPUやICなどの高価な素子の数が多くなる。このように、構成要素が多くなったり、高価な素子を用いたりすると、コストが嵩んでしまう。
本発明の課題は、同時に駆動される複数のアンテナの通信領域が重複する部分に、信号不感帯が生じるのを簡単な構成で抑制することである。
本発明による通信装置は、受信機に対して所定の信号を送信する複数のアンテナと、各アンテナを駆動するための矩形波状の駆動信号を出力する制御部と、制御部から出力された駆動信号に応じて各アンテナに正弦波電流を供給する複数の送信回路とを備える。複数のアンテナは同時に駆動され、複数のアンテナによる通信領域は一部重複する。制御部は、各アンテナに対応する駆動信号のデューティ比を制御することにより、各送信回路から各アンテナに供給される正弦波電流の位相と振幅とを調整して、各アンテナから異なる位相と異なる振幅で所定の信号を送信する。
また、本発明による車両制御システムは、上記通信装置と、上記受信機を構成しかつ上記通信装置との間で信号を送受信する携帯機と、車両に搭載された車載機器の動作を制御する車両制御装置とから構成されている。上記通信装置は、車両に搭載され、携帯機から送信された信号を受信する受信回路をさらに備え、上記複数のアンテナにより携帯機に対して応答要求信号を送信し、携帯機が応答要求信号の受信に応じて返信する応答信号を受信回路により受信する。車両制御装置は、上記通信装置が受信した応答信号に基づいて、車載機器の動作を制御する。
上記によると、通信装置の複数のアンテナから位相と振幅を異ならせた信号を同時に送信するので、複数のアンテナの通信領域の重複部分で、各アンテナから送信された信号の強度を確実に異ならせることができる。このため、当該通信領域の重複部分に、通信装置から送信された信号を受信機が受信できない信号不感帯(Null点)が生じるのを確実に抑制することが可能となる。然も、通信装置の制御部が各アンテナに対応する駆動信号のデューティ比を個別に制御して、該駆動信号を各送信回路に出力する。このため、各送信回路から各アンテナに供給される正弦波電流と、各アンテナから同時に送信される信号の、位相と振幅を個別に微調整し、該調整の自由度を高めることができる。そして、各アンテナの通信領域の設定の自由度も高めて、信号不感帯が生じるのを一層確実に抑制することができる。また、制御部は駆動信号のデューティ比を制御すればよく、制御部から出力される駆動信号のポート数はアンテナの数と同数で済むので、制御部として、高機能で多数の出力ポートを有する高価な素子を用いる必要はない。また、駆動信号を送信回路に入力するための配線や、正弦波電流を送信回路からアンテナに供給するための配線の数を、アンテナの数に応じて少なく抑えることができる。このため、通信装置の構成を簡単にすることが可能となる。
本発明では、上記通信装置において、制御部は、各アンテナに対応する駆動信号のデューティ比をパルス幅変調により制御してもよい。
また、本発明では、上記通信装置において、各送信回路から各アンテナにかけて直列共振回路が形成され、制御部は、駆動信号の周波数を直列共振回路の共振周波数と同一に設定してもよい。あるいは、制御部は、駆動信号の周波数を直列共振回路の共振周波数の半分に設定してもよい。
さらに、本発明では、上記車両制御システムにおいて、車両の内部に、複数のアンテナから送信される各信号の通信領域が一部重複した重複部分が形成されていてもよい。
本発明によれば、同時に駆動される複数のアンテナの通信領域が重複する部分に、信号不感帯が生じるのを簡単な構成で抑制することができる。
本発明の実施形態による車両制御システムの構成図である。 図1の車載通信装置の車内用LFアンテナの通信領域を示した図である。 図1の車載通信装置の車内用送信回路から車内用LFアンテナにかけて構成される直列共振回路を示した図である。 図1の車内用LFアンテナの特性を示した図である。 図1の車内用LFアンテナの駆動信号を示した図である。 図1の車内用LFアンテナの駆動信号と正弦波電流の関係を示した図である。 図1の車内用LFアンテナの正弦波電流の位相と振幅の変化を示した図である。 図1の車内用LFアンテナの信号送信状態を示した図である。 従来の信号送信方法を、図1の車内用LFアンテナに適用した状態を示した図である。 従来の信号送信方法を、図1の車内用LFアンテナに適用した状態を示した図である。 他の信号送信方法を、図1の車内用LFアンテナに適用した状態を示した図である。 本発明の他の実施形態における車内用LFアンテナの正弦波電流の位相と振幅の変化を示した図である。 本発明の他の実施形態における直列共振回路を示した図である。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部分または対応する部分には、同一符号を付してある。
まず、実施形態の車両制御システム100について説明する。
図1は、車両制御システム100の構成図である。図2は、車両制御システム100を搭載した車両50内の通信領域を示した図である。図2では、車両50を上方から見た状態を示している。車両50は自動四輪車から成る。
図1に示すように、車両制御システム100には、車載通信装置10、携帯機20、車両制御装置30、および車載機器40が備わっている。車載通信装置10、車両制御装置30、および車載機器40は、車両50に搭載されている。携帯機20は、車両50の利用者により携帯される。車両制御システム100では、車載通信装置10と携帯機20との間で行われる無線通信に基づいて、車両制御装置30が車載機器40の動作を制御する。
車載通信装置10には、制御部1、昇圧電源回路2、車内用LF(Low Frequency)アンテナ3a、3b、車内用送信回路4a、4b、車外用LFアンテナ5、車外用送信回路6、UHF(Ultra High Frequency)アンテナ7、受信回路8、およびインタフェイス9が備わっている。車載通信装置10のアンテナ3a、3b、5、7以外の部分は、ECU(電子制御装置)に設けられている。車載通信装置10は、本発明の「通信装置」の一例である。
制御部1は、CPUとメモリなどから構成されている。制御部1には、送信回路4a、4b、6と受信回路8とを制御して、各アンテナ3a、3b、5、7により携帯機20との間で信号を送受信するためのプログラムとデータが記憶されている。
車内用LFアンテナ3a、3bは、図2に示すように、車両50の内部に複数設けられている。詳しくは、一方の車内用LFアンテナ3aは、車両50内の前部に設置され、他方の車内用LFアンテナ3bは、車両50内の後部に設置されている。車内用LFアンテナ3a、3bは、本発明の「アンテナ」の一例である。
図1に示す車内用送信回路4a、4bは、車内用LFアンテナ3a、3bをそれぞれ駆動するために、車内用LFアンテナ3a、3bと1対1で対応するように複数設けられている。各車内用送信回路4a、4bには、P型FET(上側のFET)とN型FET(下側のFET)と抵抗Rxが含まれている。
各車内用送信回路4a、4bにおいて、P型FETのソースは、昇圧電源回路2に接続されている。P型FETのドレインとN型FETのドレインとは、互いに接続されているとともに、抵抗Rxの一端に接続されている。抵抗Rxの他端は、対応する車内用LFアンテナ3a、3bに接続されている。N型FETのソースは接地されている。P型FETのゲートとN型FETのゲートとは、互いに接続されている。一方の車内用送信回路4aのP型FETとN型FETの各ゲートは、制御部1の出力ポートPaに接続されている。他方の車内用送信回路4bのP型FETとN型FETの各ゲートは、制御部1の出力ポートPbに接続されている。
制御部1は、各車内用送信回路4a、4bのP型FETとN型FETのオン・オフを交互に切り替えることにより、各車内用LFアンテナ3a、3bを駆動して、各車内用LFアンテナ3a、3bからLF信号(LF帯域の信号)を送信する。
詳しくは、制御部1が、各出力ポートPa、Pbから各車内用LFアンテナ3a、3bを駆動するための矩形波状の駆動信号を出力する。このとき、制御部1は、各駆動信号のデューティ比をPWM(パルス幅変調)で制御する。制御部1から出力される各駆動信号に応じて、各車内用送信回路4a、4bのP型FETとN型FETのオン・オフが切り替わる。すると、各車内用送信回路4a、4bのP型FETのドレインから抵抗Rxを介して、各車内用LFアンテナ3a、3bに正弦波状の電流が供給される。抵抗Rxは、その正弦波電流を調整する。そして、各車内用送信回路4a、4bから供給される正弦波電流に応じて、各車内用LFアンテナ3a、3bで充放電が繰り返されて、各車内用LFアンテナ3a、3bから車両50内にLF信号が送信される。各車内用LFアンテナ3a、3bから送信されたLF信号は、車両50内に存在する携帯機20で受信される。
図2に示すように、一方の車内用LFアンテナ3aによる通信領域(LF信号の送信範囲)Ea(幅広のハッチング部分)は、車両50内の前部から中央部にわたっている。また、他方の車内用LFアンテナ3bによる通信領域Eb(幅狭のハッチング部分)は、車両50内の後部から中央部にわたっている。車内用LFアンテナ3aによる通信領域Eaと車内用LFアンテナ3bによる通信領域Ebとは、車両50内の中央部で一部重複している(クロスハッチングで示された重複部分Ec)。車内用LFアンテナ3a、3bは、本発明の「アンテナ」の一例であり、車内用送信回路4a、4bは、本発明の「送信回路」の一例である。
図1に示す車外用LFアンテナ5は、車両50の左右外側面または後面などに複数設けられている(詳細図示省略)。車外用送信回路6は、車外用LFアンテナ5を駆動するために、車外用LFアンテナ5に対応するように複数設けられていて、その回路構成と動作は、車内用送信回路4a、4bと同様である(詳細図示省略)。制御部1は、車外用送信回路6により車外用LFアンテナ5を駆動して、車外用LFアンテナ5から車両50の外部にLF信号を送信する。車外用LFアンテナ5から送信されたLF信号は、車両50の外部の車外用LFアンテナ5の通信領域(図示省略)に存在する携帯機20で受信される。
UHFアンテナ7は、車両50に1つまたは複数設けられている(詳細図示省略)。受信回路8は、UHFアンテナ7により受信したUHF信号(UHF帯域の信号)を信号処理する回路から構成されている。制御部1は、車両50の内外にある携帯機20から送信されたUHF信号を、UHFアンテナ7を介して受信回路8により受信する。UHFアンテナ7の通信領域(UHF信号の受信領域)は、LFアンテナ3a、3b、5の通信領域より広くなっている(図示省略)。
インタフェイス9は、車両制御装置30と通信するための回路から構成されている。制御部1は、インタフェイス9により車両制御装置30と相互に通信して、情報を送受信する。
車両制御装置30は、ECUから構成されており、車載機器40の動作を制御する。車載機器40には、車両50のドアの施開錠装置、該ドアの開閉装置、電源装置や走行駆動源の始動停止装置、照明類、または電装品などが含まれる。
携帯機20は、リモコン型の通信端末であるFOBから構成されている。携帯機20には、制御部21、LFアンテナ23、受信回路24、UHFアンテナ25、および送信回路26などが備わっている。携帯機20は、本発明の「受信機」の一例である。
制御部21は、CPUとメモリなどから構成されている。制御部21には、受信回路24と送信回路26とを制御して、各アンテナ23、25により車載通信装置10との間で信号を送受信するためのプログラムとデータが記憶されている。
受信回路24は、LFアンテナ23により受信したLF信号を信号処理する回路から構成されている。送信回路26は、UHFアンテナ25を駆動して、UHF信号を送信するための回路から構成されている。制御部21は、車載通信装置10から送信されたLF信号を、LFアンテナ23を介して受信回路24により受信する。また、制御部21は、送信回路26とUHFアンテナ25により、UHF信号を車載通信装置10へ送信する。
車載通信装置10のLFアンテナ3a、3b、5から送信するLF信号として、携帯機20に対して応答を要求する応答要求信号がある。応答要求信号には、たとえば送信元のLFアンテナ3a、3b、5を識別するための情報が含まれている。制御部1は、ポーリング方式などで各LFアンテナ3a、3b、5により応答要求信号を所定の周期で間欠的に送信する。UHFアンテナ7により受信するUHF信号として、携帯機20が送信する応答信号がある。
携帯機20は、車載通信装置10のいずれかのLFアンテナ3a、3b、5から送信された応答要求信号をLFアンテナ23と受信回路24により受信すると、その都度送信回路26とUHFアンテナ25により応答信号を返信する。応答信号には、携帯機20のIDコードを示す情報が含まれている。また、応答信号には、受信した応答要求信号の送信元のLFアンテナ3a、3b、5の識別情報が含まれている。
車載通信装置10では、いずれかのLFアンテナ3a、3b、5から送信した応答要求信号に対する応答信号を、UHFアンテナ7を介して受信回路8により受信すると、制御部1が、当該応答信号に含まれる携帯機20のIDコードを検出する。そして、制御部1は、その検出したIDコードと、予め登録されていたIDコードとを照合して、携帯機20の認証を行う。このとき、制御部1は、両方のIDコードが一致すると、携帯機20の認証が成功したと判断し、両方のIDコードが一致しなければ、携帯機20の認証が成功しなかったと判断する。
また、制御部1は、各LFアンテナ3a、3b、5の駆動状態と、受信した応答信号に含まれる情報とに基づいて、携帯機20が車両50の外部(車室外)にあるか内部(車室内)にあるかの判定(内外判定)を行う。そして、制御部1は、携帯機20の認証と内外判定の結果をインタフェイス9により、車両制御装置30に送信する。
車両制御装置30は、車載通信装置10から受信した携帯機20の認証と内外判定の結果に基づいて、車載機器40の動作を制御する。具体的には、たとえば、携帯機20の認証が成功し、かつ携帯機20が車両50の外部にあった場合、車両制御装置30は、車両50のドアの施開錠や開閉動作などを実行する。また、携帯機20の認証が成功し、かつ携帯機20が車両50の内部にあった場合、車両制御装置30は、車両50の電源や走行駆動源(エンジンなど)の始動などを実行する。
次に、車載通信装置10の車内用LFアンテナ3a、3bについて説明する。
図3は、車載通信装置10の各車内用送信回路4a、4bから各車内用LFアンテナ3a、3bにかけて形成される等価回路を示した図である。各車内用送信回路4a、4b側には、前述した電流調整用の抵抗Rxがある。各車内用LFアンテナ3a、3b側には、巻線抵抗Ry、共振用キャパシタC、および共振用インダクタLがある。これらは直列に接続されている。つまり、各車内用送信回路4a、4bから各車内用LFアンテナ3a、3bにかけて、直列共振回路が形成されている。
図4は、車内用LFアンテナ3a、3bの特性を示した図である。図3に示した直列共振回路の共振周波数fは、次式で示すように、共振用キャパシタCと共振用インダクタLの値によって定まる。
Figure 2020137077
この共振周波数fで正弦波電流を直列共振回路に供給したときに、直列共振回路の直列抵抗値Rzは最小となり、その値は電流調整用抵抗Rxと巻線抵抗Ryの合成値となる(Rz=Rx+Ry)。このため、図4に示すように、共振周波数fで正弦波電流を供給したときに、車内用LFアンテナ3a、3bに流れる電流値は最大となる。そして、正弦波電流の周波数が共振周波数fより小さくなったり大きくなったりするに連れて、車内用LFアンテナ3a、3bに流れる電流値は小さくなる。このように、上記直列共振回路は、共振周波数fを中心としたフィルタのような特性を有する。
図5は、制御部1から出力される車内用LFアンテナ3a、3bの駆動信号の波形を示した図である。この駆動信号は、所定の周期T、パルス幅d、および振幅Aを有する矩形波である。この矩形波のデューティ比Dは、D=d/Tで定義される。また、当該駆動信号V(t)は、基本周波数f(角周波数ω)を基本波成分とするフーリエ級数に展開でき、次式で表される。
Figure 2020137077
上記駆動信号V(t)の周波数finを、前述した直列共振回路の共振周波数fと同一にして(fin=f)、当該駆動信号を各車内LF送信回路4a、4bに入力する。すると、図4で示した特性により、基本波成分の周波数が共振周波数fと一致した正弦波電流が、最も効率良く各車内LF送信回路4a、4bから各車内LFアンテナ3a、3bに供給される。そして、車内用LFアンテナ3a、3bの出力、すなわち車内用LFアンテナ3a、3bから送信されるLF信号の強度(振幅)を最大にすることができる。各車内用LFアンテナ3a、3bの駆動信号の周波数の設定は、制御部1が行う。
図6は、上述した駆動信号と正弦波電流の関係を示した図である。図7は、駆動信号の周波数finを共振周波数fに設定した場合の、正弦波電流の位相と振幅の変化を示した図である。
図6に示すように、駆動信号のデューティ比Dが変化することで、車内用LFアンテナ3a、3bに供給される正弦波電流の位相φおよび振幅Aは変化する。
詳しくは、図7(a)に示すように、駆動信号のデューティ比と正弦波電流の位相は比例関係にある。駆動信号のデューティ比が大きくなるに連れて、正弦波電流の位相は大きくなる。そして、デューティ比が1のときに、正弦波電流の位相は最大値φgとなる。
また、図7(b)に示すように、駆動信号のデューティ比の変化に伴って、正弦波電流の振幅は二次関数的に変化する。駆動信号のデューティ比が50%程度で、正弦波電流の振幅は最大値Agとなり、該デューティ比を50%程度から小さくしたり大きくしたりするに連れて、正弦波電流の振幅は小さくなる。
車内用LFアンテナ3a、3bから送信されるLF信号の位相と振幅は、車内用LFアンテナ3a、3bに供給される正弦波電流の位相と振幅に応じて、正弦波電流と同様に変化する。制御部1は、組み込まれたソフトウェアプログラムにより、車内用LFアンテナ3a、3bの駆動信号のデューティ比を制御して、正弦波電流の位相と振幅を調整し、車内用LFアンテナ3a、3bから送信されるLF信号の位相と振幅も調整する。
図8は、車内用LFアンテナ3a、3bの信号送信状態を示した図である。図9および図10は、従来の信号送信方法を車内用LFアンテナ3a、3bに適用した場合の信号送信状態を示した図である。図11は、他の信号送信方法を車内用LFアンテナ3a、3bに適用した場合の信号送信状態を示した図である。
従来は、制御部1が、各車内送信回路4a、4bに出力する駆動信号のデューティ比を同一(たとえば50%)にしていた。これにより、各車内送信回路4a、4bから各車内用LFアンテナ3a、3bに供給される正弦波電流の位相および振幅が同一になる。そして、図9に示すように、車内用LFアンテナ3aから送信されるLF信号(応答要求信号)の位相φaおよび振幅Aaと、車内用LFアンテナ3bから送信されるLF信号(応答要求信号)の位相φbおよび振幅Abとが同一になる(φa=φb、Aa=Ab)。
また、携帯機20の検出時間短縮などのため、制御部1は、車内用LFアンテナ3a、3bを同時に駆動して、車内用LFアンテナ3a、3bからLF信号を同時に送信する。すると、図9(a)に示すように、車内用LFアンテナ3a、3bの中間点Pを基準として点対称に、車内用LFアンテナ3a、3bから磁束(矢印)が放射される。P点は、車内用LFアンテナ3a、3bの通信領域Ea、Ebの重複部分Ecにおける、各車内用LFアンテナ3a、3bからの距離が等しい位置である。
上記P点で観測される各車内用LFアンテナ3a、3bからのLF信号は、図9(b)に示す波形図のように、位相および振幅(磁界強度)が同一の正弦波状の信号になる。そして、P点では、各車内用LFアンテナ3a、3bから放射される磁束の向きが異なるので、該磁束同士が干渉する。このため、図9(b)に示すように、P点での車内用LFアンテナ3aからのLF信号の波形(Aa・cos(ωt+φa))と、車内用LFアンテナ3bからのLF信号の波形(Ab・cos(ωt+φb))との合成波形は、
Figure 2020137077
となり、振幅がほぼ0の消滅状態となる。
つまり、図9(a)のP点は、車内用LFアンテナ3a、3bからの磁束のレベルが極めて低くなるNull点となる。そして、このNull点Pの近傍は、携帯機20が車載通信装置10から送信されたLF信号(応答要求信号)を受信することができない信号不感帯となる。
なお、上記Null点は、同時に駆動された複数の車内用LFアンテナ3a、3bからの合成磁束のレベルが完全に0になる位置に限定されるものではなく、合成磁束が携帯機20の受信感度の限界以下に低下する位置を意味している。
一方、特許文献1および特許文献2のように、同時に駆動される各車内用LFアンテナ3a、3bの駆動信号の位相だけを異ならせた場合は、図10に示すように、車内用LFアンテナ3a、3bからのLF信号の振幅Aa、Abは同一になる(Aa=Ab)が、位相φa、φbは異なる(φa≠φb、φa<φb)。そして、図10(a)に示すように、車内用LFアンテナ3a、3bから放射される磁束は、P点を基準として点対称になる。然るに、P点で観測される各車内用LFアンテナ3a、3bからのLF信号が、図10(b)に示す波形図のように、同一振幅で位相の異なる正弦波状になる。このため、P点での車内用LFアンテナ3a、3bからのLF信号の合成波形は、
Figure 2020137077
となって0にならず、一定の振幅を有する正弦波状になる。つまり、P点はNull点にならない。
また、図11に示すように、各車内用LFアンテナ3a、3bからのLF信号の位相φa、φbを同一にし(φa=φb)、振幅Aa、Abを異ならせた場合(Aa≠Ab、Aa>Ab)は、図11(a)に示すように、各車内用LFアンテナ3a、3bから同一距離のP点では、一方の車内用LFアンテナ3aからの磁束の強度が、他方の車内用LFアンテナ3bからの磁束の強度より大きくなる。このため、図11(b)に示す波形図のように、P点では、車内用LFアンテナ3a、3bからのLF信号の合成波形が0にならず、一定の振幅を有する正弦波状の信号になる。つまり、P点はNull点にならない。
然るに、各車内用LFアンテナ3a、3bからのLF信号の振幅Aa、Abは、伝送距離に応じて減衰するので、重複部分Ecには、図11(a)に示すように、各車内用LFアンテナ3a、3bからのLF信号の減衰後の振幅が同一になるQ点が生じる。なお、車両50内のような狭い領域では、車内用LFアンテナ3a、3bからのLF信号の伝送距離に応じて、該LF信号の位相φa、φbの回転が生じることはない。
上記Q点では、各車内用LFアンテナ3a、3bからのLF信号の減衰後の振幅をそれぞれBa、Bbとしたとき、図11(c)に示すように、車内用LFアンテナ3aからのLF信号の波形(Ba・cos(ωt+φa))と、車内用LFアンテナ3bからのLF信号の波形(Bb・cos(ωt+φb))との合成波形は、
Figure 2020137077
となり、振幅がほぼ0の消滅状態となる。つまり、Q点はNull点になり、Q点近傍が信号不感帯になる。
上記に対して、本発明の車載通信装置10では、制御部1が、各車内送信回路4a、4bに出力する駆動信号のデューティ比を異なるように制御して(たとえば、車内用LFアンテナ3aの駆動信号のデューティ比を50%、車内用LFアンテナ3bの駆動信号のデューティ比を75%)、各車内用LFアンテナ3a、3bを同時に駆動する。すると、各車内送信回路4a、4bから各車内用LFアンテナ3a、3bに供給される正弦波電流の位相および振幅が異なる。その結果、図8に示すように、車内用LFアンテナ3aから送信されるLF信号の位相φaおよび振幅Aaと、車内用LFアンテナ3bから送信されるLF信号の位相φbおよび振幅Abとが異なる(φa≠φb、φa<φb、Aa≠Ab、Aa>Ab)。
このため、図8(a)に示すように、各車内用LFアンテナ3a、3bから同一距離に位置するP点では、一方の車内用LFアンテナ3aからの磁束の強度が、他方の車内用LFアンテナ3bからの磁束の強度より大きくなる。そして、P点では、図8(b)に示す波形図のように、車内用LFアンテナ3a、3bからのLF信号の合成波形が0にならず、一定の振幅を有する正弦波状の信号になる。つまり、P点はNull点にならない。
また、各車内用LFアンテナ3a、3bからのLF信号の減衰後の振幅Ba、Bbが同一(Ba=Bb)になるQ点(図8(a))では、図8(c)に示すように、車内用LFアンテナ3a、3bからのLF信号の合成波形は、
Figure 2020137077
となって0にならず、一定の振幅を有する正弦波状の信号になる。つまり、Q点もNull点にならない。よって、車内用LFアンテナ3a、3bの通信領域Ea、Ebの重複部分Ecに、Null点や信号不感帯が生じなくなる。
以上の実施形態によると、車載通信装置10の複数の車内用LFアンテナ3a、3bから、位相と振幅を異ならせたLF信号を同時に送信するので、複数の各車内用LFアンテナ3a、3bの通信領域Ea、Ebの重複部分Ecで、各車内用LFアンテナ3a、3bからのLF信号の強度を確実に異ならせることができる。このため、当該通信領域Ea、Ebの重複部分Ecに、車載通信装置10からのLF信号を携帯機20が受信できない信号不感帯(Null点)が生じるのを確実に抑制することが可能となる。
然も、車載通信装置10の制御部1が各車内用LFアンテナ3a、3bに対応する駆動信号のデューティ比を個別に制御して、該駆動信号を各車内送信回路4a、4bに出力する。このため、各車内送信回路4a、4bから各車内用LFアンテナ3a、3bに供給される正弦波電流と、各車内用LFアンテナ3a、3bから同時に送信されるLF信号の、位相と振幅を個別に微調整し、該調整の自由度を高めることができる。そして、各車内用LFアンテナ3a、3bの通信領域Ea、Ebの設定の自由度も高めて、信号不感帯が生じるのを一層確実に抑制することができる。
また、制御部1は各車内用LFアンテナ3a、3bの駆動信号のデューティ比を制御すればよく、制御部1から出力される駆動信号のポート数は車内用LFアンテナ3a、3bの数と同数で済むので、制御部1として、高機能で多数の出力ポートを有する高価な素子を用いる必要はない。また、駆動信号を制御部1から車内送信回路4a、4bに入力するための配線や、正弦波電流を車内送信回路4a、4bから車内用LFアンテナ3a、3bに供給するための配線の数を、車内用LFアンテナ3a、3bの数に応じて少なく抑えることができる。このため、車載通信装置10の構成を簡単にすることが可能となる。
また、以上の実施形態では、制御部1が、組み込まれたソフトウェアプログラムにより、各車内用LFアンテナ3a、3bの駆動信号のデューティ比を、一般的なパルス幅変調により制御する。このため、駆動信号の生成が容易になり、制御部1の出力ポート数や、制御部1から車内用送信回路4a、4bまでの配線数や、制御部1内の構成要素数を少なく抑えて、制御部1やその周辺回路の構成を簡単にすることができる。
また、以上の実施形態では、各車内用送信回路4a、4bから各車内用LFアンテナ3a、3bにかけて直列共振回路が形成され、各車内用送信回路4a、4bに入力する駆動信号の周波数を、各直列共振回路の共振周波数と同一に設定している。このため、共振周波数と同一の周波数の正弦波電流が各車内用送信回路4a、4bから各車内用LFアンテナ3a、3bに効率良く供給されて、各車内用LFアンテナ3a、3bの出力を最大にすることができる。
さらに、以上の実施形態では、車両50の内部に、車内用LFアンテナ3a、3bから送信されるLF信号の通信領域Ea、Ebが一部重複した、重複部分Ecを形成している。このため、携帯機20が車載通信装置10からのLF信号を正常に受信することができない信号不感帯が、車両50の内部に生じるのを回避することができる。そして、車両50の内部において、車載通信装置10と携帯機20との通信性能を高めて、車載通信装置10と携帯機20との通信状態に基づいて、携帯機20が車両50の内部にあることを確実に検出することが可能となる。
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、以上の実施形態では、各車内用LFアンテナ3a、3bの駆動信号の周波数finを、車内用送信回路4a、4bから各車内用LFアンテナ3a、3bにかけて形成された直列共振回路(図3)の共振周波数fと同一に設定(fin=f)した例を示したが、本発明はこれのみに限定されるものではない。たとえば、駆動信号の周波数finを、上記共振周波数fの半分の周波数f/2に設定(fin=f/2)してもよい。
その場合、図12(a)に示すように、駆動信号のデューティ比と、車内用LFアンテナ3a、3bに供給される正弦波電流の位相は比例関係にあり、当該デューティ比が大きくなるに連れて正弦波電流の位相は大きくなる。そして、デューティ比が1のときに、正弦波電流の位相は最大値φg’となる。この最大値φg’は、図7(a)に示した正弦波電流の位相の最大値φgより大きくなる(φg<φg’)。
また、図12(b)に示すように、駆動信号のデューティ比の変化に伴って、正弦波電流の振幅は正弦波状に変化する。そして、駆動信号のデューティ比が25%程度で、正弦波電流の振幅は極値Ag’となり、駆動信号のデューティ比が75%程度で、正弦波電流の振幅は極値−Ag’となる。このAg’および−Ag’の絶対値|Ag’|は、図7(b)に示した正弦波電流の振幅の最大値Agより小さくなる(Ag>|Ag’|)。
上記のように、駆動信号の周波数finを共振周波数fに設定した場合(図7)と比べて、駆動信号の周波数finを共振周波数の半分f/2に設定した場合(図12)は、駆動信号のデューティ比の制御による正弦波電流の位相および振幅の調整幅を広くすることができる。このため、各車内用LFアンテナ3a、3bから送信されるLF信号の位相および振幅の調整幅も広くなり、各車内用LFアンテナ3a、3bの通信領域Ea、Ebの設定の自由度を一層高めることができる。そして、各車内用LFアンテナ3a、3bからのLF信号の振幅および位相を異ならせて、通信領域Ea、Ebの重複部分Ecに信号不感帯が生じるのを一層効果的に抑制することが可能となる。
他の例として、駆動信号の周波数finを、fやf/2以外の周波数に設定してもよい。また、車内用LFアンテナ3a、3bの通信領域Ea、Ebの設定の自由度を一層高めるために、複数の車内用LFアンテナ3a、3bの駆動信号の周波数を異ならせてもよい。
また、以上の実施形態では、駆動信号のデューティ比をPWMで制御した例を示したが、本発明はこれのみに限定されるものではない。たとえばPFM(パルス周波数変調)などのような、他の方式で駆動信号のデューティ比を制御してもよい。
また、他の例として、各車内用LFアンテナ3a、3bから送信された応答要求信号に対して、携帯機20から返信される応答信号(UHF信号)を車載通信装置10のUHFアンテナ7および受信回路8により受信したときに、その信号受信強度(RSSI)を測定する回路を、受信回路8(または制御部1)に設けてもよい。そして、その測定した信号受信強度に基づいて、各車内用LFアンテナ3a、3bの駆動信号のデューティ比を制御して、各車内用LFアンテナ3a、3bから送信されるLF信号の位相および振幅を調整してもよい。
また、以上の実施形態では、図3に示した直列共振回路のうち、電流調整用の抵抗Rxを車内用送信回路4a、4b側に設け、巻線抵抗Ry、共振用キャパシタC、および共振用インダクタLを車内用LFアンテナ3a、3bに設けた例を示したが、本発明はこれのみに限定されるものではない。これ以外に、たとえば図13に示すように、電流調整用の抵抗Rxと共振用キャパシタCとを車内用送信回路4a、4b側に設け、巻線抵抗Ryと共振用インダクタLとを車内用LFアンテナ3a、3bに設けてもよい。
また、以上の実施形態では、車内用LFアンテナ3a、3bの駆動信号のデューティ比を制御して、車内用LFアンテナ3a、3bから送信されるLF信号の位相および振幅を異ならせた例を示したが、本発明はこれのみに限定されるものではない。これ以外に、たとえば複数の車外用LFアンテナ5の駆動信号のデューティ比を制御して、各車外用LFアンテナ5から送信されるLF信号の位相および振幅を異ならせてもよい。(車外用LFアンテナ5や車外用送信回路6の特性は、図3〜図11に示した車内用LFアンテナ3a、3bや車内用送信回路4a、4bの特性と同様である。)また、駆動信号のデューティ比を制御するアンテナの数は3つ以上でもよいし、送信回路の数もアンテナの数に応じて適宜設定すればよい。さらに、LF帯域以外の周波数帯域の無線信号を送信する場合にも、本発明は適用することが可能である。
また、以上の実施形態では、車載通信装置10と車両制御装置30とを別々のECUで構成した例を示したが、本発明はこれのみに限定されるものではない。たとえば、車載通信装置10と車両制御装置30とを、1台のECUで構成してもよい。
さらに、以上の実施形態では、自動四輪車から成る車両50に搭載される車載通信装置10と車両制御システム100とに、本発明を適用した例を挙げた。然るに、たとえば自動二輪車や大型自動車などの他の車両に搭載される車載通信装置や車両制御システムに対しても、本発明は適用することは可能である。また、車両用以外の通信装置に対しても、本発明は適用することは可能である。
1 制御部
3a、3b 車内用LFアンテナ(アンテナ)
4a、4b 車内用送信回路(送信回路)
7 UHFアンテナ
8 受信回路
10 車載通信装置(通信装置)
20 携帯機(受信機)
30 車両制御装置
40 車載機器
50 車両
100 車両制御システム
Ea、Eb 通信領域
Ec 重複部分

Claims (6)

  1. 受信機に対して所定の信号を送信する複数のアンテナと、
    前記各アンテナを駆動するための矩形波状の駆動信号を出力する制御部と、
    前記制御部から出力された駆動信号に応じて前記各アンテナに正弦波電流を供給する複数の送信回路と、を備え、
    前記複数のアンテナは同時に駆動され、当該複数のアンテナによる通信領域が一部重複する通信装置において、
    前記制御部は、前記各アンテナに対応する前記駆動信号のデューティ比を制御することにより、前記各送信回路から前記各アンテナに供給される前記正弦波電流の位相と振幅とを調整して、前記各アンテナから異なる位相と異なる振幅で前記所定の信号を送信する、ことを特徴とする通信装置。
  2. 請求項1に記載の通信装置において、
    前記制御部は、前記各アンテナに対応する前記駆動信号のデューティ比をパルス幅変調により制御する、ことを特徴とする通信装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の通信装置において、
    前記各送信回路から前記各アンテナにかけて直列共振回路が形成され、
    前記制御部は、前記駆動信号の周波数を前記直列共振回路の共振周波数と同一に設定する、ことを特徴とする通信装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の通信装置において、
    前記各送信回路から前記各アンテナにかけて直列共振回路が形成され、
    前記制御部は、前記駆動信号の周波数を前記直列共振回路の共振周波数の半分に設定する、ことを特徴とする通信装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の通信装置と、
    前記受信機を構成し、かつ前記通信装置との間で信号を送受信する携帯機と、
    車両に搭載された車載機器の動作を制御する車両制御装置と、から構成された車両制御システムであって、
    前記通信装置は、
    前記車両に搭載され、
    前記携帯機から送信された信号を受信する受信回路をさらに備え、
    前記複数のアンテナにより前記携帯機に対して応答要求信号を送信し、前記携帯機が前記応答要求信号の受信に応じて返信する応答信号を前記受信回路により受信し、
    前記車両制御装置は、前記通信装置が受信した前記応答信号に基づいて、前記車載機器の動作を制御する、ことを特徴とする車両制御システム。
  6. 請求項5に記載の車両制御システムにおいて、
    前記車両の内部に、前記複数のアンテナから送信される各信号の通信領域が一部重複した重複部分が形成される、ことを特徴とする車両制御システム。
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