JP2020136596A - プラズマ処理装置用電極板 - Google Patents
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Abstract
Description
この電極板において、長時間プラズマ処理を行うと、プラズマ反応による副生成物が固形物として表面に付着し(この付着物をデポ物という)、堆積したデポ物が脱落することによりパーティクルとなり、被処理基板に付着して不良の原因となることがあるため、パーティクルの発生を抑制した電極板が求められている。
特許文献1には、パーティクルがシリコン電極板を支持するシールド支持電極の支持突起部とシリコン電極板との接触部から発生するとの認識の下、表面の中心線表面粗さRaが1μm以下の鏡面を有する円板状のシリコン電極板において、少なくともシールド支持電極の支持部上面により覆われる部分の中心線表面粗さRaを1μm越え〜1.6μmの粗面にすることが記載されている。
特許文献2には、エッチングガスを流通させる通気孔の内面に付着したデポ物が脱落してパーティクルになるとの認識の下、通気孔(貫通細孔)の内壁面を、表面粗さが大きい面部分(粗面部分)と表面粗さが小さい面部分(平滑面部分)とから構成し、粗面部分を通気孔のエッチングガス流入側内壁面に形成し、平滑部分を通気孔のエッチングガス流出側内壁面に形成することが記載されている。この特許文献2では、粗面部分にデポ物を付着させて脱落しないようにしている。
この電極板10は厚さ8〜12mm、直径200〜600mmの円板である。各通気孔11の内径は直径0.5〜1.0mm、通気孔11同士の各中心間距離は5〜10mmである。
この通気孔11は、電極板10の外周部を除く中央部分の円形の領域に形成されている。この通気孔形成領域は直径199〜330mm程度である。また、電極板10の外周部は、図2に示すように、リング状のシールド支持電極20によりプラズマ処理装置(図示略)に固定されるようになっている。このシールド支持電極20は、円筒部21と、円筒部21の下端から半径方向内方に内向きフランジ状に延びる支持部22とが一体に形成された形状である。そして、電極板10は、シールド支持電極21の支持部22の上面に外周部が載置され、支持部22の内周縁より内側で通気孔11を開放状態として支持される。
また、シールド支持電極20の支持部22により覆われた状態となる電極板10の外周部を外周領域A4とすると、その中心線平均粗さRaは1.0μmを超え1.6μm以下に形成される。
また、エッチング工程では、スライス加工や通気孔形成加工において生じた表面のダメージ部(マイクロクラック等)をエッチングにより除去する。エッチング液としては、フッ酸(HF)、硝酸(HNO3)、酢酸(CH3COOH)を混合したフッ硝酢酸が用いられる。
次いで、粗面化工程では、素板の片面(プラズマ面10a)において、通気孔形成領域の外周縁よりも若干半径方向外側までの範囲の領域(平滑化領域A2)を除き、その外側部分に研削加工を施して粗面化する。この場合、前述した環状領域A3と、その外側の外周領域A4とでそれぞれ前述した表面粗さの範囲となるように、研削速度等を変えて加工する。研削加工に代えて、ブラスト処理等によって粗面化してもよい。ブラスト処理の場合も、環状領域A3と外周領域A4とでブラスト粒子の径を変えて行う。
そして、この電極板10がプラズマ処理装置に装着されると、その外周部がシールド支持電極20の支持部22に覆われた状態で、その内側の表面がプラズマ処理空間に露出することになる。この露出表面(プラズマ面10a)において、通気孔形成領域A1がプラズマ環境に晒される。この通気孔形成領域A1は、中心線平均粗さRaが0.5μm未満の平滑面に形成されているので、異常放電等の不具合の発生が防止されるとともに、この平滑面からのパーティクルの発生も抑制される。
このような環状領域A3を形成したことにより、長時間プラズマ処理を行っても、付着したデポ物の脱落が防止され、パーティクルの発生を抑えることができ、安定して高品質のプラズマ処理を行うことができる。
例えば、通気孔11の内周面の表面粗さをプラズマ面10a側と背面10b側とで異なるように形成したが、環状領域A3でデポ物を捕捉できるので、通気孔11の内周面は全長にわたって平滑面としてもよい。
さらに、通気孔形成領域A1から所定距離外側の環状領域A3と、プラズマ処理装置のシールド支持電極20の支持部22の上面に接触する外周領域A4とを研削することにより、表1に示される中心線平均粗さRaを有する粗面を形成した。外周領域A4については、すべての電極板共通で、表面粗さRa1.3μmとした。環状領域A3については、通気孔形成領域A1の外周縁からの距離Lとその幅(シールド支持電極20の支持部22の内周縁からの幅)Wが、表1に示す寸法となるように粗面を形成した。
チャンバー内圧力:10−1Torr
エッチングガス組成:90sccmCHF3+4sccmO2+150sccmHe
高周波電力:2kW
周波数:20kHz
の条件で、500時間プラズマエッチングを行なった。なお、sccmとは、standard cc/minの略であり、1atm(大気圧1013Pa)で、0℃あるいは25℃などの一定温度で規格化された1分間あたりの流量(cc)をいう。
その結果を表1に示す。
これに対し、環状領域と通気孔形成領域の中心線平均粗さRaが同一で、Ra5μmとなっている比較例1では、通気孔形成領域がプラズマにより損耗するため、また、Ra0.3μmとなっている比較例2では、環状領域にデポ物が付着しにくく脱落しやすいため、パーティクルが多く発生している。
また、環状領域と通気孔形成領域との距離が3mm未満となっている実施例4では、環状領域に付着したデポ物通気孔からのガスの流れに巻き込まれて脱落するため、エッチング初期の段階ではパーティクル発生は少ないが、長時間経過すると、実施例2と比べて、少しパーティクルが発生しやすくなっている。
通気孔形成領域の中心線平均粗さRaが0.5μm以上となっている実施例5では、異常放電が生じやすいため、実施例2と比べて、少しパーティクルが発生しやすくなっている。
環状領域の幅が5mm未満となっている実施例6では、エッチング初期の段階ではパーティクル発生は少ないが、デポ物を付着可能な面積が少ないため、長時間経過すると、実施例2と比べて、少しパーティクルが発生しやすくなっている。
11 通気孔
20 シールド支持電極
22 支持部
A1 通気孔形成領域
A2 平滑領域
A3 環状領域
A4 外周領域(外周部)
Claims (4)
- プラズマ処理装置にリング状のシールド支持電極により外周部が支持固定されるプラズマ処理装置用電極板であって、前記シールド支持電極に覆われる前記外周部の内周縁と、多数の通気孔が形成された通気孔形成領域の外周縁との間に、中心線平均粗さRaが前記通気孔形成領域よりも大きい0.5μm以上20μm以下の環状領域が周方向に沿って設けられていることを特徴とするプラズマ処理装置用電極板。
- 前記通気孔形成領域の外周縁から前記環状領域の内周縁までの距離は3mm以上であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置用電極板。
- 前記環状領域の半径方向の幅は5mm以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマ処理装置用電極板。
- 前記通気孔形成領域の中心線平均粗さは0.5μm未満であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のプラズマ処理装置用電極板。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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