JP2020122264A - 天井下地の施工方法 - Google Patents
天井下地の施工方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020122264A JP2020122264A JP2019012768A JP2019012768A JP2020122264A JP 2020122264 A JP2020122264 A JP 2020122264A JP 2019012768 A JP2019012768 A JP 2019012768A JP 2019012768 A JP2019012768 A JP 2019012768A JP 2020122264 A JP2020122264 A JP 2020122264A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ceiling
- ceiling base
- field
- field edge
- building
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)
Abstract
【課題】効率的に作業を行うことができ、作業に伴う肉体的な負担を軽減することもできる天井下地の施工方法を提供する。【解決手段】床2を構築する床構築工程と、床2の上で天井下地7を組む天井下地組立工程と、柱11を施工する柱施工工程と、柱11の上方に梁12を施工する梁施工工程と、天井下地7を上方に持ち上げる天井下地持上工程と、上方に持ち上げられた天井下地7を梁12の下方に仮固定する天井下地仮固定工程と、壁14を構築する壁構築工程と、壁14の上側部分であって、梁12の下方に仮固定された天井下地7よりも下側となる部分に、側野縁15を取り付ける側野縁取付工程と、天井下地7の仮固定を外し、天井下地7の端部が側野縁15に載る位置まで天井下地7を下降させる天井下地下降工程とを経て天井下地7を施工する。【選択図】 図14
Description
本発明は、建物における天井下地の施工方法に関する。
一般的な家屋における天井下地は、特許文献1の図2に示されるように、互いに平行に配された複数本の野縁受14(同図では1本のみが図示されている。)と、野縁受14の下面側に取り付けられ、互いに略平行に配された複数本の野縁15(同図では2本のみが図示されている。)とで構成される。野縁受14と野縁15は、互いに直交する状態に配される。野縁受14は、梁(図示省略)等から垂下された吊木13の下端部に固定される。天井板16は、天井下地(野縁15)の下面に固定される。
この種の天井下地は、通常、
[手順1] 吊木を梁に固定する。
[手順2] 吊木の下端部に野縁受を取り付ける。
[手順3] 野縁受の下面側に野縁を取り付ける。
という手順を経て施工される。
しかし、上記手順1〜3はいずれも、脚立等の不安定な足場上で上を見上げながらの作業となるため、作業効率が悪くなることに加えて、肉体的な負担が大きかった。
[手順1] 吊木を梁に固定する。
[手順2] 吊木の下端部に野縁受を取り付ける。
[手順3] 野縁受の下面側に野縁を取り付ける。
という手順を経て施工される。
しかし、上記手順1〜3はいずれも、脚立等の不安定な足場上で上を見上げながらの作業となるため、作業効率が悪くなることに加えて、肉体的な負担が大きかった。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、効率的に作業を行うことができ、作業に伴う肉体的な負担を軽減することもできる天井下地の施工方法を提供するものである。
上記課題は、
床を構築する床構築工程と、
床の上で天井下地を組む天井下地組立工程と、
柱を施工する柱施工工程と、
柱の上方に梁を施工する梁施工工程と、
天井下地を上方に持ち上げる天井下地持上工程と、
上方に持ち上げられた天井下地を梁の下方に仮固定する天井下地仮固定工程と、
壁を構築する壁構築工程と、
壁の上側部分であって、梁の下方に仮固定された天井下地よりも下側となる部分に、側野縁を取り付ける側野縁取付工程と、
天井下地の仮固定を外し、天井下地の端部が側野縁に載る位置まで天井下地を下降させる天井下地下降工程と
を経ることを特徴とする天井下地の施工方法
を提供することによって解決される。
床を構築する床構築工程と、
床の上で天井下地を組む天井下地組立工程と、
柱を施工する柱施工工程と、
柱の上方に梁を施工する梁施工工程と、
天井下地を上方に持ち上げる天井下地持上工程と、
上方に持ち上げられた天井下地を梁の下方に仮固定する天井下地仮固定工程と、
壁を構築する壁構築工程と、
壁の上側部分であって、梁の下方に仮固定された天井下地よりも下側となる部分に、側野縁を取り付ける側野縁取付工程と、
天井下地の仮固定を外し、天井下地の端部が側野縁に載る位置まで天井下地を下降させる天井下地下降工程と
を経ることを特徴とする天井下地の施工方法
を提供することによって解決される。
ここで、床構築工程における「床を構築する」とは、その上で人が作業をすることができる程度に床を構築することをいい、必ずしも床仕上材が張られた状態となるまで床を施工することを意味しない。床仕上材が張られていなくても、大引及び根太が組まれたり、床下地板(通常、合板)が張られたりしていて、その上で人が作業できる状態となるのであれば、「床を構築する」の概念に含まれるものとする。
また、天井下地組立工程における「床の上で天井下地を組む」とは、床に足を着けた状態(立った状態、屈んだ状態又は座った状態等)で天井下地を組むことをいい、必ずしも、天井下地の構成材(後述する野縁受や野縁等)を床に置いた状態で作業することを意味しない。天井下地の構成材を作業台等の上に置いて作業する場合であっても、床に足を着けた状態で作業できるのであれば、「床の上で天井下地を組む」の概念に含まれるものとする。
さらに、壁構築工程における「壁を構築する」とは、それに側野縁を取り付けることができる程度に壁を構築することをいい、必ずしも壁紙や漆喰塗等の仕上げが施された状態となるまで壁を施工することを意味しない。壁に仕上が施されていなくても、内壁下地用の石膏ボード等が張られていること等により、それに側野縁を取り付けることができる状態となるのであれば、「壁を構築する」の概念に含まれるものとする。
本発明の施工方法では、上記のように、天井下地を床の上で組むことができるため、天井下地を組む際には、脚立等の不安定な足場で作業する必要がないだけでなく、上側を見上げる必要もない。このため、天井下地の組立作業を効率的に行うことができる。また、作業に伴う肉体的な負担を軽減することもできる。さらに、天井下地組立工程を上棟日に行うことができ、工期を短縮することもできる。
本発明の施工方法において、天井下地組立工程で組まれる天井下地は、その構造を特に限定されないが、
互いに略平行に配された複数本の野縁受と、
野縁受の下面側に取り付けられ、野縁受に略直交する向きで互いに略平行に配された複数本の野縁と
で構成し、
天井下地下降工程において、野縁受の端部が側野縁に載るようにする
ことが好ましい。
互いに略平行に配された複数本の野縁受と、
野縁受の下面側に取り付けられ、野縁受に略直交する向きで互いに略平行に配された複数本の野縁と
で構成し、
天井下地下降工程において、野縁受の端部が側野縁に載るようにする
ことが好ましい。
というのも、野縁受と野縁から構成された天井下地は、既に述べたように、
[手順1] 吊木を梁に固定する。
[手順2] 吊木の下端部に野縁受を取り付ける。
[手順3] 野縁受の下面側に野縁を取り付ける。
という手順を経て施工される。このうち、例えば、上記手順3を行う場合には、複数本の野縁が略平行になり、且つ、隣り合う野縁の間隔が略一定となるように、野縁受に対して野縁を位置決めしていく必要があり、このような作業を不安定な足場上で上を見上げながら行うことは非常に大変である。したがって、このような構造の天井下地を施工する場合に本発明の施工方法を採用すると、本発明の施工方法を採用する意義が高まるからである。
[手順1] 吊木を梁に固定する。
[手順2] 吊木の下端部に野縁受を取り付ける。
[手順3] 野縁受の下面側に野縁を取り付ける。
という手順を経て施工される。このうち、例えば、上記手順3を行う場合には、複数本の野縁が略平行になり、且つ、隣り合う野縁の間隔が略一定となるように、野縁受に対して野縁を位置決めしていく必要があり、このような作業を不安定な足場上で上を見上げながら行うことは非常に大変である。したがって、このような構造の天井下地を施工する場合に本発明の施工方法を採用すると、本発明の施工方法を採用する意義が高まるからである。
本発明の施工方法において、天井下地を野縁受と野縁で構成する場合には、
天井下地を、隣り合う野縁の端部に跨った状態で当該端部の上面側に取り付けられる胴縁を備えたものとし、
天井下地下降工程において、野縁受の端部及び胴縁が側野縁に載るようにする
ことが好ましい。
天井下地を、隣り合う野縁の端部に跨った状態で当該端部の上面側に取り付けられる胴縁を備えたものとし、
天井下地下降工程において、野縁受の端部及び胴縁が側野縁に載るようにする
ことが好ましい。
というのも、野縁は、最終的(上記の天井下地下降工程を終えた後)には、側野縁と同じ高さとされる。このため、野縁の端部下面は、側野縁の上面よりも下側に位置するようになり、野縁の端部下面を側野縁の上面に載せることができない。したがって、天井下地は、その4辺のうち、野縁受の端部が位置する2辺でのみ側野縁に支持され、野縁の端部が位置する他の2辺では側野縁に支持されなくなる。よって、天井下地の安定性が悪くなる。この点、上記のように、野縁の端部上面に胴縁を取り付けることで、前記他の2辺(野縁の端部が位置する2辺)では、胴縁を側野縁に載せることで、天井下地の安定性を高めることが可能になるからである。
また、本発明の施工方法において、天井下地を野縁受と野縁で構成する場合には、
野縁受の中途部分の下面側に、野縁を嵌合するための野縁嵌合凹部を設け、
野縁受の端部の下面側に、側野縁を嵌合するための側野縁嵌合凹部を設ける
ことも好ましい。
野縁受の中途部分の下面側に、野縁を嵌合するための野縁嵌合凹部を設け、
野縁受の端部の下面側に、側野縁を嵌合するための側野縁嵌合凹部を設ける
ことも好ましい。
というのも、野縁受の下面側に野縁をそのまま取り付ける場合には、野縁受の下面と野縁の下面と高さに差が生じるため、野縁の下面に取り付けた天井板(通常、石膏ボードや合板)のつなぎ目部分を塞ごうとすると、天井板のつなぎ目部分につなぎ受材を取り付ける等、別途、つなぎ目処理を行う必要がある。この点、上記のように、野縁受の下面側に設けた野縁嵌合凹部に野縁を嵌合することにより、野縁受の下面と野縁の下面とを同じ高さとし、別途つなぎ目処理を行わなくても、天井板のつなぎ目部分を塞ぐことが可能になるからである。また、天井下地を軽量化することも可能になる。
本発明の施工方法において、天井下地組立工程における天井下地の組立は、複数の室(部屋等)に跨った状態で天井下地を組んでもよい。しかし、天井下地は、建物の室ごとに組んだ方が天井下地組立工程における作業や、その後に行われる天井下地持上工程や天井下地下降工程における作業を効率的に行うことが可能になる。
以上のように、本発明によって、効率的に作業を行うことができ、作業に伴う肉体的な負担を軽減することもできる天井下地の施工方法を提供することが可能になる。
本発明の天井下地の施工方法の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。本実施態様において、天井下地は、基礎施工工程と、床構築工程と、天井下地組立工程と、柱施工工程と、梁施工工程と、天井下地持上工程と、天井下地仮固定工程と、壁を構築する壁構築工程と、側野縁取付工程と、天井下地下降工程と、天井下地本固定工程とを経て施工される。以下、各工程につき、順に詳しく説明する。
[基礎施工工程]
図1は、基礎施工工程を終えた状態の建物の一部を示した斜視図である。図2は、基礎施工工程を終えた状態の建物の一部を示した断面図である。基礎施工工程は、図1及び図2に示すように、建物の基礎1を施工する工程である。基礎1は、基礎構築用の型枠内に鉄筋を配置してコンクリートを流し込み、該コンクリートを養生させた後、型枠を撤去することにより構築される。基礎1は、立ち上がり部1aの内側の区画に底版部1bが設けられていない「布基礎」であってもよいが、本実施態様では、立ち上がり部1aの内側の区画に底版部1bが設けられた「べた基礎」を採用している。これにより、建物の耐震性をさらに向上することができる。
図1は、基礎施工工程を終えた状態の建物の一部を示した斜視図である。図2は、基礎施工工程を終えた状態の建物の一部を示した断面図である。基礎施工工程は、図1及び図2に示すように、建物の基礎1を施工する工程である。基礎1は、基礎構築用の型枠内に鉄筋を配置してコンクリートを流し込み、該コンクリートを養生させた後、型枠を撤去することにより構築される。基礎1は、立ち上がり部1aの内側の区画に底版部1bが設けられていない「布基礎」であってもよいが、本実施態様では、立ち上がり部1aの内側の区画に底版部1bが設けられた「べた基礎」を採用している。これにより、建物の耐震性をさらに向上することができる。
[床構築工程]
図3は、床構築工程を終えた状態の建物の一部を示した斜視図である。図4は、床構築工程を終えた状態の建物の一部を示した断面図である。床構築工程は、図3及び図4に示すように、床2を構築する工程である。本実施態様においては、基礎施工工程で施工された基礎1の上に土台3を固定し、大引4及び根太5を組んだ後、根太5の上に床下地板6を張ることで、床2を構築している。床下地板6としては、合板が用いられることが多い。このように床2を構築することにより、その上で人が作業をすることが可能になる。根太5は、必ずしも組む必要はなく、大引4の上に床下地板6を直接張るようにしてもよい。
図3は、床構築工程を終えた状態の建物の一部を示した斜視図である。図4は、床構築工程を終えた状態の建物の一部を示した断面図である。床構築工程は、図3及び図4に示すように、床2を構築する工程である。本実施態様においては、基礎施工工程で施工された基礎1の上に土台3を固定し、大引4及び根太5を組んだ後、根太5の上に床下地板6を張ることで、床2を構築している。床下地板6としては、合板が用いられることが多い。このように床2を構築することにより、その上で人が作業をすることが可能になる。根太5は、必ずしも組む必要はなく、大引4の上に床下地板6を直接張るようにしてもよい。
[天井下地組立工程]
図5は、天井下地組立工程を終えた状態の建物の一部を示した斜視図である。図6は、天井下地組立工程を終えた状態の建物の一部を示した断面図である。天井下地組立工程は、図5及び図6に示すように、床2の上で天井下地7を組む工程である。このように、安定した床2の上で天井下地7を組むことができるため、天井下地7を組む作業を効率的に行うことができる。また、上側を見上げながら作業する必要もないため、肉体的な負担を軽減することができる。加えて、この天井下地組立工程は、通常、上棟日に実施することができるため、工期を短縮することもできる。
図5は、天井下地組立工程を終えた状態の建物の一部を示した斜視図である。図6は、天井下地組立工程を終えた状態の建物の一部を示した断面図である。天井下地組立工程は、図5及び図6に示すように、床2の上で天井下地7を組む工程である。このように、安定した床2の上で天井下地7を組むことができるため、天井下地7を組む作業を効率的に行うことができる。また、上側を見上げながら作業する必要もないため、肉体的な負担を軽減することができる。加えて、この天井下地組立工程は、通常、上棟日に実施することができるため、工期を短縮することもできる。
本実施態様においては、天井下地7として、図7に示す構造のものを使用している。図7は、天井下地7を組み立てている状態を示した斜視図であり、図7(a)は、天井下地7を各部に分解した状態を、図7(b)は、天井下地7を組み立てた後の状態を示している。この天井下地7は、互いに略平行に配された複数本の野縁受8と、野縁受8に略直交する向きで互いに略平行に配された複数本の野縁9とで構成されている。野縁8は、野縁受9の下面側に取り付けられる。野縁受8と野縁9との固定は、通常、ビス打ちにより行われる。
また、本実施態様においては、野縁9の両側の端部には、当該端部の上面側から一対の胴縁10が取り付けられる。胴縁10は、野縁9における一方の端部と他方の端部とに、それぞれ跨った状態に配される。この胴縁10は、後述する天井下地下降工程において、側野縁15(図12)に載せるための部分となっている。野縁9と胴縁10の固定は、野縁受8と野縁9との固定と同様、通常、ビス打ちにより行われる。
天井下地7は、通常、室ごとに組み立てられる。この天井下地7は、後述する天井下地持上工程において、室内で上方に持ち上げられる。このため、天井下地7の外寸法は、その天井下地7が配される室の内寸法よりもやや小さく設定される。具体的には、天井下地7における野縁受8に平行な方向での幅W1(図7)は、その室を区画する四方の内壁面(後述する内壁下地板17(図12)の内側の面。以下同じ。)のうち、野縁受8の一端側に配された内壁面と野縁受8の他端側に配された内壁面との幅W2(図12)よりもやや小さく設定され、天井下地7における野縁9に平行な方向での幅W3(図7)は、その室を区画する四方の内壁面のうち、野縁9の一端側に配された内壁面と野縁9の他端側に配された内壁面との幅W4(図12)よりもやや小さく設定される。これにより、後述する天井下地持上工程で、天井下地7が内壁下地板17等に干渉しないようにすることができる。
天井下地7の外寸法(上記の幅W1又は幅W3のこと。以下同じ。)は、その天井下地7が配される室の内寸法(上記の幅W2又は幅W4のこと。以下同じ。)よりも5mm以上小さく設定することが好ましく、10mm以上小さく設定することが好ましい。ただし、天井下地7の外寸法W1,W3を室の内寸法W2,W4よりも小さくしすぎると、後述する天井下地下降工程で天井下地7を側野縁15(図12)に載せようとすると、側野縁15の幅を広く確保する必要が生じる。このため、天井下地7の外寸法W1,W3は、室の内寸法W2,W4よりも50mmを超えて小さくしないことが好ましい。本実施態様において、天井下地7の外寸法W1,W3は、室の内寸法W2,W4よりも約20mm小さくしている。
[柱施工工程及び梁施工工程]
図8は、柱施工工程及び梁施工工程を終えた状態の建物の一部を示した斜視図である。図8においては、図示の便宜上、紙面手前側にある柱11等の構造材の一部(同図において破線で示した部分)を破断して描いている。図9は、柱施工工程及び梁施工工程を終えた状態の建物の一部を示した断面図である。図8及び図9に示すように、柱施工工程は、柱11を施工する工程となっており、梁施工工程は、柱施工工程で施工された柱11の上方に梁12を施工する工程となっている。この柱施工工程及び梁施工工程は、通常、上棟日に実施される。本実施態様においては、梁12を施工した後に、梁12に吊木13を取り付けている。吊木13は、梁12から下方に垂下した状態に設けられる。この吊木13には、後述する天井下地本固定工程で、天井下地7が固定される。
図8は、柱施工工程及び梁施工工程を終えた状態の建物の一部を示した斜視図である。図8においては、図示の便宜上、紙面手前側にある柱11等の構造材の一部(同図において破線で示した部分)を破断して描いている。図9は、柱施工工程及び梁施工工程を終えた状態の建物の一部を示した断面図である。図8及び図9に示すように、柱施工工程は、柱11を施工する工程となっており、梁施工工程は、柱施工工程で施工された柱11の上方に梁12を施工する工程となっている。この柱施工工程及び梁施工工程は、通常、上棟日に実施される。本実施態様においては、梁12を施工した後に、梁12に吊木13を取り付けている。吊木13は、梁12から下方に垂下した状態に設けられる。この吊木13には、後述する天井下地本固定工程で、天井下地7が固定される。
[天井下地持上工程及び天井下地仮固定工程]
図10は、天井下地持上工程及び天井下地仮固定工程を終えた状態の建物の一部を示した斜視図である。図11は、天井下地持上工程及び天井下地仮固定工程を終えた状態の建物の一部を示した断面図である。図10及び図11に示すように、天井下地持上工程は、天井下地7を上方に持ち上げる工程となっており、天井下地仮固定工程は、上方に持ち上げられた天井下地7を梁12の下方に仮固定する工程となっている。
図10は、天井下地持上工程及び天井下地仮固定工程を終えた状態の建物の一部を示した斜視図である。図11は、天井下地持上工程及び天井下地仮固定工程を終えた状態の建物の一部を示した断面図である。図10及び図11に示すように、天井下地持上工程は、天井下地7を上方に持ち上げる工程となっており、天井下地仮固定工程は、上方に持ち上げられた天井下地7を梁12の下方に仮固定する工程となっている。
本実施態様において、天井持上工程では、図8及び図9に示すように床2の上にあった天井下地7を、図10及び図11に示すように、梁12の下面に当接する高さまで持ち上げるようになっている。天井下地7の持上作業は、
[1] 脚立等を利用して天井下地7を下側から押し上げる。
[2] 天井下地7にワイヤーロープ等の線材を取り付け、梁12の上にいる人がその線材を引っ張り上げる。
[3] 天井下地7にワイヤーロープ等の線材を取り付けて、その線材を梁12又は梁12付近に取り付けた滑車等に掛け回し、床2の上にいる人がその線材における天井下地7に取り付けられていない側の端部を引き下げる。
等の方法により行うことができる。
[1] 脚立等を利用して天井下地7を下側から押し上げる。
[2] 天井下地7にワイヤーロープ等の線材を取り付け、梁12の上にいる人がその線材を引っ張り上げる。
[3] 天井下地7にワイヤーロープ等の線材を取り付けて、その線材を梁12又は梁12付近に取り付けた滑車等に掛け回し、床2の上にいる人がその線材における天井下地7に取り付けられていない側の端部を引き下げる。
等の方法により行うことができる。
また、本実施態様において、天井下地仮固定工程では、天井下地7における野縁受8の下面側から上方にビス(図示省略)を打ち込み、野縁受8を梁12の下面に固定することで、天井下地7の仮固定を行うようになっている。ただし、天井下地7の仮固定は、この方法に限定されない。例えば、天井持上工程で、上記の[2]や[3]の方法で天井下地7を持ち上げた場合には、そのときに使用した線材における天井下地7に取り付けられていない側の端部を梁12等の構造材にくくりつけることで、天井下地7が下降しないように梁12の下方で仮固定することができる。
[壁構築工程及び側野縁取付工程]
図12は、壁構築工程及び側野縁取付工程を終えた状態の建物の一部を示した斜視図である。図13は、壁構築工程及び側野縁取付工程を終えた状態の建物の一部を示した断面図である。図12及び図13に示すように、壁構築工程は、壁14を構築する工程であり、側野縁取付工程は、壁14の上側部分に側野縁15を取り付ける工程である。
図12は、壁構築工程及び側野縁取付工程を終えた状態の建物の一部を示した斜視図である。図13は、壁構築工程及び側野縁取付工程を終えた状態の建物の一部を示した断面図である。図12及び図13に示すように、壁構築工程は、壁14を構築する工程であり、側野縁取付工程は、壁14の上側部分に側野縁15を取り付ける工程である。
本実施態様において、壁構築工程では、柱11の外面側に外壁下地板16を張るとともに、柱11の内面側に内壁下地板17を張ることにより、壁2を構築している。内壁下地板17としては、通常、石膏ボードや合板が用いられる。また、隣り合う柱11の隙間には、筋交や間柱が組まれ、断熱材等が収容されるが、筋交や間柱や断熱材は、図示を省略している。一方、側野縁取付工程では、側野縁15を、梁の下方に仮固定された天井下地よりも下側となる部分に略水平に設けられる。側野縁15は、通常、廻り縁のように、室の四方を周回するように設けられる。本実施態様において、側野縁15は、内壁下地板17にビス打ち又は釘打ちすることにより壁14に固定している。
[天井下地下降工程及び天井下地本固定工程]
図14は、天井下地下降工程び天井下地本固定工程を終えた状態の建物の一部を示した斜視図である。図15は、天井下地下降工程び天井下地本固定工程を終えた状態の建物の一部を示した断面図である。図14及び図15に示すように、天井下地下降工程は、天井下地7の仮固定(本実施態様においては、吊木13に対する仮固定)を外し、天井下地7をその端部が側野縁15に載る位置まで天井下地7を下降させる工程であり、天井下地本固定工程は、側野縁15に載せられた天井下地7を建物の構造材に本固定する工程である。
図14は、天井下地下降工程び天井下地本固定工程を終えた状態の建物の一部を示した斜視図である。図15は、天井下地下降工程び天井下地本固定工程を終えた状態の建物の一部を示した断面図である。図14及び図15に示すように、天井下地下降工程は、天井下地7の仮固定(本実施態様においては、吊木13に対する仮固定)を外し、天井下地7をその端部が側野縁15に載る位置まで天井下地7を下降させる工程であり、天井下地本固定工程は、側野縁15に載せられた天井下地7を建物の構造材に本固定する工程である。
天井下地7は、上述したように、天井下地仮固定工程で梁12の直下にビス打ちして仮固定していたところ、天井下地下降工程では、そのビスを外して仮固定を外す。天井下地7の下降は、天井下地7が勢いよく落下しないように、上側又は下側から天井下地7を支えながらゆっくりと降ろす。このとき、天井下地7の四辺のうち一部の辺部しか側野縁15に載っていないと、天井下地7が傾く等、天井下地7の安定性が低下する。このため、天井下地7の四辺全てが側野縁15の上面に略均等に載るように天井下地7の位置を微調整する。
具体的には、図14に示すように、野縁受8の端部が、当該端部側の側野縁15に載り、胴縁10の外方の側縁部が、その胴縁10側の側野縁15に載るようにするとともに、野縁受8の端部と側野縁15との重なり幅と、胴縁10の側縁部と側野縁15との重なり幅が略均一になるようにする。天井下地7が側野縁15にバランスよく支持されたことを確認すると、天井下地7の本固定を行う。
本実施態様においは、天井下地7の本固定は、野縁受8の中途部分を吊木13の下端部に固定するとともに、野縁受8の端部を側野縁15に固定し、胴縁10の側縁部を側野縁15に固定することにより行っている。野縁受8と吊木13との固定方法や、野縁受8と側野縁15との固定方法や、胴縁10と側野縁15との固定方法は、特に限定されないが、通常、ビス打ちや釘打ちが採用される。天井下地7における野縁9の下側には、通常、天井板(図示)が張られる。天井板としては、通常、石膏ボードや合板が用いられる。
以上で、天井下地7の施工が完了する。天井下地7の施工が完了すると、その後は、一般的な手順により、建物を完成させることができる。
[複数階建ての建物における上階の天井下地の施工方法]
以上では、建物が平屋(1階建て)である場合について説明したが、建物が複数階建てであり、2階以上の室の天井下地7を施工する場合には、上記の床構築工程と、天井下地組立工程と、柱施工工程と、梁施工工程と、天井下地持上工程と、天井下地仮固定工程と、壁を構築する壁構築工程と、側野縁取付工程と、天井下地下降工程と、天井下地本固定工程とを下側の下位から繰り返し行う。ただし、1階の床構築工程では、基礎1の上に床2を構築したが、2階の床構築工程では、1階の梁12の上側に床を構築する。
以上では、建物が平屋(1階建て)である場合について説明したが、建物が複数階建てであり、2階以上の室の天井下地7を施工する場合には、上記の床構築工程と、天井下地組立工程と、柱施工工程と、梁施工工程と、天井下地持上工程と、天井下地仮固定工程と、壁を構築する壁構築工程と、側野縁取付工程と、天井下地下降工程と、天井下地本固定工程とを下側の下位から繰り返し行う。ただし、1階の床構築工程では、基礎1の上に床2を構築したが、2階の床構築工程では、1階の梁12の上側に床を構築する。
[その他]
以上で述べた実施態様において、天井下地7は、図7に示す構造のものを用いていた。しかし、図7の天井下地7では、野縁9の上側に野縁受8が完全に載った状態となり、野縁受8の下側から野縁9が突き出た状態となる。このため、野縁9の下面に天井板を取り付けたときに、隣り合う天井板のつなぎ目部分を塞ごうとすると、天井板の裏側空間(隣り合う野縁9の隙間)につなぎ受材を取り付ける等、別途、つなぎ目処理を行う必要があり、煩わしい。また、図7に示す天井下地7は、野縁9が野縁受8と同じ太さのものとなっており、重量も嵩む。
以上で述べた実施態様において、天井下地7は、図7に示す構造のものを用いていた。しかし、図7の天井下地7では、野縁9の上側に野縁受8が完全に載った状態となり、野縁受8の下側から野縁9が突き出た状態となる。このため、野縁9の下面に天井板を取り付けたときに、隣り合う天井板のつなぎ目部分を塞ごうとすると、天井板の裏側空間(隣り合う野縁9の隙間)につなぎ受材を取り付ける等、別途、つなぎ目処理を行う必要があり、煩わしい。また、図7に示す天井下地7は、野縁9が野縁受8と同じ太さのものとなっており、重量も嵩む。
このような実状に鑑みて、天井下地7は、図16に示す構造のものを用いることもできる。図16は、他の態様の天井下地17を組み立てている状態を示した斜視図であり、図16(a)は、天井下地7を各部に分解した状態を、図16(b)は、天井下地7を組み立てた後の状態を示している。図16の天井下地7は、複数本の野縁受8と複数本の野縁9とで構成されていることや、野縁9の端部に胴縁10が取り付けられる等、基本的な構造は、図7の天井下地7と同様である。
ただし、図16の天井下地7は、野縁受8の中途部分の下面側に、野縁9を嵌合するための野縁嵌合凹部8aが複数個所に設けられており、野縁受8と野縁9とを組む際に、この野縁嵌合凹部8a内に野縁9を嵌合することができるようになっている。野縁9は、野縁嵌合凹部8a内に収まるように、野縁受8より細く形成されている。これにより、野縁受8の下面と野縁9の高さとが同じになるようにし、上記のつなぎ目処理を別途行わなくても、天井下地7の下面側に張られる天井板のつなぎ目を塞ぐことが可能になる。また、天井下地7を軽量化することも可能になる。
図16の天井下地7において、野縁受8の両端部の下面側には、上述した天井下地下降工程で天井下地7を側野縁15に載せる際に、側野縁15を嵌合するための側野縁嵌合凹部8bが設けられている。これにより、天井下地7を側野縁15に載せた際に、野縁9の下面と側野縁15の下面とが同じ高さとなるようにすることが可能となっている。
[用途]
本発明の天井下地の施工方法は、各種の建物を建築する際に採用することができる。なかでも、木造の建物を建築する際に好適に採用することができ、特に、在来工法の建物を建築する際に好適に採用することができる。本発明の天井下地の施工方法は、住宅等の家屋を建築する際に好適に採用することができる。
本発明の天井下地の施工方法は、各種の建物を建築する際に採用することができる。なかでも、木造の建物を建築する際に好適に採用することができ、特に、在来工法の建物を建築する際に好適に採用することができる。本発明の天井下地の施工方法は、住宅等の家屋を建築する際に好適に採用することができる。
1 基礎
1a 立ち上がり部
1b 底版部
2 床
3 土台
4 大引
5 根太
6 床下地板
7 天井下地
8 野縁受
8a 野縁嵌合凹部
8b 側野縁嵌合凹部
9 野縁
10 胴縁
11 柱
12 梁
13 吊木
14 壁
15 側野縁
16 外壁下地板
17 内壁下地板
1a 立ち上がり部
1b 底版部
2 床
3 土台
4 大引
5 根太
6 床下地板
7 天井下地
8 野縁受
8a 野縁嵌合凹部
8b 側野縁嵌合凹部
9 野縁
10 胴縁
11 柱
12 梁
13 吊木
14 壁
15 側野縁
16 外壁下地板
17 内壁下地板
Claims (5)
- 床を構築する床構築工程と、
床の上で天井下地を組む天井下地組立工程と、
柱を施工する柱施工工程と、
柱の上方に梁を施工する梁施工工程と、
天井下地を上方に持ち上げる天井下地持上工程と、
上方に持ち上げられた天井下地を梁の下方に仮固定する天井下地仮固定工程と、
壁を構築する壁構築工程と、
壁の上側部分であって、梁の下方に仮固定された天井下地よりも下側となる部分に、側野縁を取り付ける側野縁取付工程と、
天井下地の仮固定を外し、天井下地の端部が側野縁に載る位置まで天井下地を下降させる天井下地下降工程と
を経ることを特徴とする天井下地の施工方法。
- 天井下地組立工程で組まれる天井下地が、
互いに略平行に配された複数本の野縁受と、
野縁受の下面側に取り付けられ、野縁受に略直交する向きで互いに略平行に配された複数本の野縁と
で構成され、
天井下地下降工程において、野縁受の端部が側野縁に載るようにした
請求項1記載の天井下地の施工方法。
- 天井下地が、隣り合う野縁の端部に跨った状態で当該端部の上面側に取り付けられる胴縁を備え、
天井下地下降工程において、野縁受の端部及び胴縁が側野縁に載るようにした
請求項2記載の天井下地の施工方法。
- 野縁受の中途部分の下面側に、野縁を嵌合するための野縁嵌合凹部が設けられ、
野縁受の端部の下面側に、側野縁を嵌合するための側野縁嵌合凹部が設けられた
請求項2又は3記載の天井下地の施工方法。
- 天井下地組立工程において、天井下地を建物の室ごとに組む請求項1〜4いずれか記載の天井下地の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019012768A JP2020122264A (ja) | 2019-01-29 | 2019-01-29 | 天井下地の施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019012768A JP2020122264A (ja) | 2019-01-29 | 2019-01-29 | 天井下地の施工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020122264A true JP2020122264A (ja) | 2020-08-13 |
Family
ID=71992841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019012768A Pending JP2020122264A (ja) | 2019-01-29 | 2019-01-29 | 天井下地の施工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020122264A (ja) |
-
2019
- 2019-01-29 JP JP2019012768A patent/JP2020122264A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2019232888B2 (en) | A void platform and a method for providing a platform support across a building void | |
KR20130045711A (ko) | 실내장식용 커튼월 시공장치 | |
JP6850665B2 (ja) | 階段構造及び鋼製階段の製造方法 | |
KR20110009082A (ko) | 코너 패널을 사용하여 건물을 시공하는 방법 | |
RU2457298C2 (ru) | Способ строительства здания с использованием угловых панелей | |
JP2017214739A (ja) | 建物ユニットの製造方法 | |
JP2020122264A (ja) | 天井下地の施工方法 | |
GB2573741A (en) | A void platform and a method for providing a platform support across a building void | |
KR101835280B1 (ko) | 실내용 복층 구조물 시공 방법 | |
JP2000154597A (ja) | 建物の建築工法と、それに使用する部屋ユニット | |
KR101775102B1 (ko) | 실내용 복층 구조물 시공 방법 | |
JP7310502B2 (ja) | 開口部の施工方法 | |
JP2020041311A (ja) | 階段構造及びユニット建物 | |
JP2728339B2 (ja) | 建物ユニット | |
EP3721026B1 (en) | Improved construction panel | |
US2288052A (en) | Fabricated wood beam | |
RU145603U1 (ru) | Многоэтажное здание | |
JP2600581Y2 (ja) | 強固なユニットルーム | |
JP2003313941A (ja) | 建物用パネル及び木造家屋の構築工法 | |
US1644869A (en) | Steel interior for houses | |
JP2840140B2 (ja) | 家屋の床構造 | |
JP2019132126A (ja) | 建物の施工方法及び建築用壁パネルセット | |
JPH07259239A (ja) | 天井下地木軸の構造 | |
JP2004324309A (ja) | 木質建物 | |
JP2005240321A (ja) | 踊り場支持用増壁パネルの構造 |