JP2020113648A - 希土類磁石、膜、積層体、希土類磁石の製造方法、モータ、発電機、及び、自動車。 - Google Patents

希土類磁石、膜、積層体、希土類磁石の製造方法、モータ、発電機、及び、自動車。 Download PDF

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大介 小川
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有紀子 高橋
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哲 広沢
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和博 宝野
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Abstract

【課題】優れた保磁力を有する希土類磁石、膜、積層体、希土類磁石の製造方法、モータ、発電機、及び、自動車を提供する。【解決手段】希土類磁石は、主相と主相の少なくとも一部を覆うように配置された粒界相とを有し、R1を、La、Pr、Sm、Nd、Eu、Tb、及び、Luからなる群より選択される少なくとも1種、R2をY、Er、Tm、Ce、Dy、Ho、Yb、Gd、及び、Zrからなる群より選択される少なくとも1種、TをFe、Co、及び、Niからなる群より選択される少なくとも1種、MをCu、Ga、Zn、Al、Mg、Sn、Ge、Au、Si、Ca、及び、Agからなる群より選択される少なくとも1種としたとき、全体組成が、(R1pR21−p)xMyT100−x−yで表され、少なくとも主相がThMn12型の結晶構造を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、希土類磁石、膜、積層体、希土類磁石の製造方法、モータ、発電機、及び、自動車に関する。
Rを希土類元素としたとき、R−Fe(鉄)−B(ホウ素)で表される化合物を用いた希土類磁石は、ハイブリット自動車、及び、電気自動車のモータ等に使用されており、特定の特性を向上させるため、種々の試みがなされている。なかでも、自動車モータ用としては、高温環境下でも所望の特性が発揮されるよう、重希土類(例えばDy(ジスプロシウム)等)を添加した希土類磁石が検討されてきた。
しかし近年、重希土類が希少な資源であることに鑑み、重希土類の使用量をできるだけ少なくした希土類磁石の開発が求められるようになってきた。そこで、希土類元素の使用量が少なくて済む、「ThMn12型」結晶構造を有する化合物からなる希土類磁石に注目が集まっている。
一方で、ThMn12型結晶構造は不安定である場合があり、これを安定化させるためにはTi等の元素でThMn12型結晶構造の一部を置換する方法が提案されている。しかし、上記の方法によれば、得られる希土類磁石の磁化が不十分である場合があった。
このような背景のもと、特許文献1には、Sm(Fe0.8Co0.212で表される化合物の単結晶が合成できること、また、得られた単結晶は、飽和磁化、異方性磁場、及び、キュリー温度等の固有磁気特性がいずれもNdFe14Bを上回る優れた特性を有することが記載されている。
Y. Hirayama, et al., Scr. Mater. 138 (2017) 62-65.
本発明者らは非特許文献1に記載された化合物を用いて磁石の作成を試みたところ、上記化合物は優れた固有磁気特性を有するものの、希土類磁石に適用した場合、保磁力に改善の余地があることを知見した。
そこで、本発明は、優れた保磁力を有する希土類磁石を提供することを課題とする。また、本発明は、膜、積層体、希土類磁石の製造方法、モータ、発電機、及び、自動車を提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1]主相と、上記主相の少なくとも一部を覆うように配置された粒界相と、を有する希土類磁石であって、Rを、La(ランタン)、Pr(プラセオジム)、Sm(サマリウム)、Nd(ネオジム)、Eu(ユウロピウム)、Tb(テルビウム)、及び、Lu(ルテチウム)からなる群より選択される少なくとも1種とし、RをY(イットリウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Ce(セリウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Yb(イッテルビウム)、Gd(ガドリニウム)、及び、Zr(ジルコニウム)からなる群より選択される少なくとも1種とし、TをFe(鉄)、Co(コバルト)、及び、Ni(ニッケル)からなる群より選択される少なくとも1種とし、MをCu(銅)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)、Al(アルミニウム)、Mg(マグネシウム)、Sn(スズ)、Ge(ゲルマニウム)、Au(金)、Si(ケイ素)、Ca(カルシウム)、及び、Ag(銀)からなる群より選択される少なくとも1種とし、xを100/13〜100/11の数とし、yを0を超え、10以下の数とし、pを0.5〜1の数としたとき、全体組成が、式1:(R 1−p100−x−yで表され、少なくとも上記主相がThMn12型の結晶構造を有し、上記粒界相は、エネルギー分散型X線分析法により得られる線分析プロファイルから特定される上記希土類磁石中の上記Mの原子数単位の含有量が極大値となる位置Pmaxを基準に、上記線分析プロファイルにおける上記位置Pmaxの前後において、上記含有量が初めて上記極大値の1/2となる2つの位置Pboundaryの間の領域として定義される、希土類磁石。
[2]上記主相の粒径が1μm以下である、[1]に記載の希土類磁石。
[3]上記主相が、Al、Si、Ti(チタニウム)、V(バナジウム)、Mo(モリブデン)、Nb(ニオブ)、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、C(炭素)、B、Mg、Cu、Zn、及び、W(タングステン)のいずれをも実質的に含有しない、[1]又は[2]に記載の希土類磁石。
[4]上記TがFe、及び、Coである、[1]〜[3]のいずれかに記載の希土類磁石。
[5]上記MがCu、及び、Gaからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]〜[4]のいずれかに記載の希土類磁石。
[6]所定の方向に沿って、上記主相の結晶方位、及び、磁化容易軸からなる群より選択される少なくとも一方が優先配向している[1]〜[5]のいずれかに記載の希土類磁石。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の希土類磁石を含有する膜。
[8]厚み方向に沿うように、上記主相の結晶方位、及び、磁化容易軸からなる群より選択される少なくとも一方が優先配向している[7]に記載の膜。
[9]下地層と、上記下地層に接するように形成された[1]〜[6]のいずれかに記載の希土類磁石を含有する希土類磁石層と、を有し、上記下地層は多結晶構造を有し、かつ、結晶方位が上記下地層の厚み方向に沿って優先配向している、積層体。
[10]上記希土類磁石層の上記主相の結晶方位が、上記希土類磁石層の厚み方向に沿って優先配向している[8]に記載の積層体。
[11]上記下地層が、更に支持体を有する支持体層付き下地層である、[9]又は[10]に記載の積層体。
[12]上記支持体層付き下地層が、上記下地層と、上記支持体との間に更にバッファ層を有する、[11]に記載の積層体。
[13]更にキャップ層を備える、[9]〜[12]のいずれかに記載の積層体。
[14]ThMn12型の結晶構造を有する多結晶相であって、Rを、La、Pr、Sm、Nd、Eu、Tb、及び、Luからなる群より選択される少なくとも1種とし、RをY、Er、Tm、Ce、Dy、Ho、Yb、Gd、及び、Zrからなる群より選択される少なくとも1種とし、TをFe、Co、及び、Niからなる群より選択される少なくとも1種とし、xを100/13〜100/11の数とし、pを0.5〜1の数としたとき、式2:(R 1−p100−Xで表される化合物を主成分とする希土類磁石前駆体を形成する工程1と、上記希土類磁石前駆体の表面の少なくとも一部を覆うように、Cu、Ga、Zn、Al、Mg、Sn、Ge、Au、Si、Ca、及び、Agからなる群より選択される少なくとも1種の元素Mを含有する非強磁性元素含有層を配置し、非強磁性元素含有層付き希土類磁石前駆体を形成する工程2と、上記非強磁性元素含有層付き希土類磁石前駆体を加熱し、上記希土類磁石前駆体中に元素Mを拡散させ、[1]〜[6]のいずれかに記載の希土類磁石を得る工程3と、を有する希土類磁石の製造方法。
[15]上記工程1が、下地層上に希土類磁石前駆体を含有する希土類磁石前駆体層を形成する工程であり、上記下地層は多結晶構造を有し、かつ、結晶方位が上記下地層の厚み方向に沿って優先配向している、[13]に記載の希土類磁石の製造方法。
[16] [1]〜[6]のいずれかに記載の希土類磁石を有するモータ。
[17] [16]に記載のモータを有する自動車。
[18] [1]〜[6]のいずれかに記載の希土類磁石を有する発電機。
[19] [18]に記載の発電機を有する自動車。
本発明によれば、優れた保磁力を有する希土類磁石を提供できる。また、本発明によれば、膜、積層体、希土類磁石の製造方法、モータ、発電機、及び、自動車も提供できる。
本発明の実施形態に係る希土類磁石について、エネルギー分散型X線分析法により得られる線分析プロファイルの模式図である。 本発明の実施形態に係る積層体の模式図である。 本発明の実施形態に係るモータの模式図である。 本発明の実施形態に係る発電機の模式図である。 本発明の実施形態に係る自動車の発電、蓄電、及び、駆動機構を示す概念図である。 Sm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜のout of plane、及び、χ軸を調整して測定したXRD(X‐ray diffraction)パターンである。 Sm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜の断面TEM(Transmission Electron Microscope)像である。 Sm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜の面内TEM像である。 Sm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜のout of planeとin planeの磁化曲線である。 Sm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜の反磁場補正後の磁化曲線である。 Sm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜の(BH)−H曲線である。 本発明の実施形態に係る希土類磁石(Cu−Ga拡散処理したSm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜)のXRDパターンである。 Cu−Ga拡散処理したSm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜の面内TEM像である。 本発明の実施形態に係る希土類磁石(Cu−Ga拡散処理したSm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜)の面内ADF−STEM(Annular Dark Field ScanningTransmission Electron Microscope)像である。 本発明の実施形態に係る希土類磁石(Cu−Ga拡散処理したSm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜)のEDS(Energy dispersive X−ray spectrometry)マッピング像である。 図15のA−B線に沿った(面内)EDSラインスキャンプロファイルである。 図16における元素Mの含有量だけを抜き出したEDSラインスキャンプロファイルである。 本発明の実施形態に係る希土類磁石(Cu−Ga拡散処理したSm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜)の断面(面直)のEDSマッピング像である。 図18のC−D線に沿ったEDSラインスキャンプロファイルである。 図19における元素Mの含有量だけを抜き出したEDSラインスキャンプロファイルである。 本発明の実施形態に係る希土類磁石(Cu−Ga拡散処理したSm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜)の磁化曲線である。 拡散処理前後のSm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜の減磁曲線の比較である。 様々な非強磁性元素を拡散したSm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜の保磁力の熱処理温度依存性である。 Cu−Ga拡散前後の減磁過程におけるリコイル曲線である。 拡散処理前後のSm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜の保磁力の温度依存性である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、特に断らない限り「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含有する範囲を意味する。
[希土類磁石]
本発明の実施形態に係る希土類磁石は、主相と、上記主相の少なくとも一部を覆うように配置された粒界相と、を有する希土類磁石であって、Rを、La、Pr、Sm、Nd、Eu、Tb、及び、Luからなる群より選択される少なくとも1種とし、RをY、Er、Tm、Ce、Dy、Ho、Yb、Gd、及び、Zrからなる群より選択される少なくとも1種とし、TをFe、Co、及び、Niからなる群より選択される少なくとも1種とし、Mを、Cu、Ga、Zn、Al、Mg、Sn、Ge、Au、Si、Ca、及び、Agからなる群より選択される少なくとも1種とし、xを100/13〜100/11の数とし、yを0を超え、10以下の数とし、pを0.5〜1の数としたとき、全体組成が、式1:(R 1−p100−x−yで表され、少なくとも上記主相がThMn12型の結晶構造を有し、上記粒界相は、エネルギー分散型X線分析法により得られる線分析プロファイルから特定される上記希土類磁石中の上記Mの原子数単位の含有量が極大値となる位置Pmaxを基準に、上記線分析プロファイルにおける上記位置Pmaxの前後において、上記含有量が初めて上記極大値の1/2となる2つの位置Pboundaryの間の領域として定義される、希土類磁石である。
なお、x、y、及び、pはいずれも原子数基準である。
以下、本発明の実施形態に係る希土類磁石の構成について詳述する。
〔全体組成〕
本発明の実施形態に係る希土類磁石の全体組成は、(R 1−p100−x−yで表される。
本明細書において、「全体組成」は、エネルギー分散型X線分析法により求められ、その測定方法は実施例に記載したとおりである。具体的には、全体組成は、希土類磁石の断面をADF−STEMにより観察し、得られた画像と同一視野の元素組成の平均をエネルギー分散型X線分析法により分析する方法により特定するものとする。
・全体組成中のR
式1中、Rは、La、Pr、Sm、Nd、Eu、Tb、及び、Luからなる群より選択される少なくとも1種(以下、「特定希土類元素」ともいう。)である。Rの特定希土類元素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する希土類磁石が得られる点で、Rとしては、Sm、La、Pr、Nd、及び、Luからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、Sm、La、及び、Luからなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましく、Smが特に好ましい。
また、特定希土類元素を併用する場合、少なくとも、Sm、La、Tb、及び、Luからなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、Sm、La、及び、Luからなる群より選択される少なくとも1種を含有することが更に好ましく、Smを含有することが特に好ましい。
特定希土類元素のうち、Smは、スティーブンス因子が正で、基底状態では後述するTで表される原子と強磁性的な結合をすると推測され、RがSmを含有すると、得られる希土類磁石はより優れた本発明の効果を有する。
なお、スティーブンス因子とは、希土類元素の内殻にある4f電子の電化密度(形状)に関する物理量である。これが負であると対称軸に対して縮んだ形、正であると球対称から伸びた形になる。4f電子雲は周りのイオンからの結晶場を受けて、その安定方向が決まるため、電子運の形状は磁気異方性の向きを決定づける。
特定希土類元素のうち、La、及び、Luは、それ自体は磁性を持たない元素であるものの、Rが上記を含有することによって、得られる希土類磁石は優れた安定性を有する。
特定希土類元素のうち、Nd、及び、Prは、2次のスティーブンス因子が負であるものの、後述するTと強磁性的な結合をするため、磁化がより増加し、結果としてより優れた本発明の効果を有する希土類磁石が得られる。
・全体組成中のR
式1中、Rは、Y、Er、Tm、Ce、Dy、Ho、Yb、Gd、及び、Zrからなる群より選択される少なくとも1種(以下、「特定元素」ともいう。)である。Rの特定元素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する希土類磁石が得られる点で、Rとしては、Y、Ce、Gd、及び、Zrからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
特定元素のうち、Y、及び、Ce(中でも、Ce(IV)が好ましい。)は、それ自体は磁性を有さない元素であるものの、Rが上記を含有することによって、得られる希土類磁石は優れた安定性を有する。
特定元素のうち、Gd、及び、Zrは、得られる希土類磁石の安定性をより向上させる機能を有し、特に、RがSmを含有する場合に、その効果がより顕著である。
式1中、xは、100/13〜〜100/11の数であれば特に制限されない。pとしては0.5〜1の数であれば特に制限されない。なお、Rとして、2種以上の元素を用いる場合には、その合計含有量が上記pの範囲内となることが好ましい。また、Rとして2種以上の元素を用いる場合には、その合計含有量が上記1−pの範囲内となることが好ましい。
・式1中のT
式1中、Tは、Fe、Co、及び、Niからなる群より選択される少なくとも1種である。これらは鉄族元素に分類され、常温、及び、常圧において、強磁性を示す点で共通の性質を有する。従って、TとしてのFe、Co、及び、Niは互いに置換可能であり、Tとしては上記鉄族元素を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Tとしては、より優れた本発明の効果を有する希土類磁石が得られる点で、Fe、及び、Coからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、Fe、及び、Coを併用することが好ましい。TとしてCoを含有する場合、希土類磁石の磁化がより向上し、キュリー温度がより上昇する。
すなわち、Tは、Fe、及び、Coであることが好ましい。すなわち、式1としては、式:(R 1−p(FeCo1−q100−x−yで表されることが好ましい。このとき、qは、0.5〜0.9の数である。
なかでもより優れた本発明の効果を有する希土類磁石が得られる点で、式1としては、式:(Sm 1−p(FeCo1−q100−x−yで表されることがより好ましい。
・全体組成中のM
式1中、Mは、Cu、Ga、Zn、Al、Mg、Sn、Ge、Au、Si、Ca、及び、Agからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。
なお、Mは、上記元素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Mは、いずれも非強磁性元素である。
なかでも、Cu(1084℃)、Zn(419℃)、Al(660℃)、Mg(650℃)、Ge(938℃)、Au(1064℃)、Si(1414℃)、Ca(842℃)、及び、Ag(961℃)からなる群より選択される少なくとも1種の高融点元素Mhighは、後述する主相との親和性がより低く、粒界相により偏在しやすく、結果として、より優れた保磁力を有する希土類磁石が得られやすい。
なお、本明細書において、高融点元素Mhighは、単体の融点が400℃以上であって、かつ、希土類元素以外の元素を意味する。
また、上記説明において(カッコ)内の数値は各単体の融点である。
また、MのうちGa(29℃)、及び、Sn(231℃)からなる群より選択される少なくとも1種の低融点元素Mlowを含有する場合、より優れた本発明の効果を有する希土類磁石を、後述する製造方法によりより簡便に得ることができる。
なお、本明細書において、低融点元素Mlowは、単体の融点が400℃未満であって、かつ、希土類元素以外の元素を意味する。
また、上記説明において(カッコ)内の数値は各単体の融点である。
Mが上記元素の2種類以上からなる場合、Mhigh、及び、Mlowからそれぞれ1種以上含有することが好ましく、なかでも、複数のM同士の組み合せで考えたとき、より低い共晶温度の合金を形成可能な組み合わせが好ましい。
より具体的には、Mとしては、より優れた本発明の効果を有する希土類磁石が得られる点で、Cu、Zn、Al、Mg、Sn、及び、Gaからなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、2種以上のMを含有する場合には、Cu、又は、Znの少なくとも一方を含有し、かつ、La、Al、Mg、Sn、及び、Gaからなる群より選択される少なくとも1種を更に含有することが好ましい。なかでも、Cu、及び、Gaからなる群より選択される少なくとも1種を含有することがより好ましくCu、及び、Gaを含有することが更に好ましい。
〔主相〕
本発明の実施形態に係る希土類磁石は、すでに説明した全体組成で表され、かつ、主相と、上記主相の少なくとも一部を覆うように配置された粒界相とを有する。粒界相は主相の少なくとも一部を覆うように配置されていればよいが、主相の全体を覆うように配置されていてもよい。
本発明の実施形態に係る希土類磁石において、少なくとも主相は、ThMn12型結晶構造を有する。すなわち、本希土類磁石は、ThMn12型結晶構造を有する結晶粒同士の粒界の少なくとも一部に粒界相が存在する形態である。
このとき、結晶粒の粒径としては特に制限されないが、より優れた保磁力を有する希土類磁石が得られる点で、1μm以下が好ましく、500nm以下がより好ましく、200nm以下が更に好ましく、100nm以下が特に好ましく、50nm以下が最も好ましい。なお、下限としては特に制限されないが、一般に10nm以上が好ましい。
なお、本明細書において、「粒径」とは、透過電子顕微鏡の明視野像において、視野内における10個の主相の長手方向の長さtを測定して算術平均して得られる値を意味する。主相の画像上の形状(典型的には断面形状)が楕円形の場合は、その長軸の長さをtとする。主相の断面が四角形の場合は、長い方の対角線の長さをtとする。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する希土類磁石が得られる点で、主相は、Al、Si、Ti、V、Mo、Nb、Cr、Mn、C、B、Mg、Cu、Zn、及び、W(以下、「除外元素」ともいう。)のいずれをも実質的に含有しないことが好ましい。主相中に上記を実質的に含有しない希土類磁石はより優れた保磁力を有する。
なお、本明細書において、実質的に含有しないとは、エネルギー分散型X線分析によって主相中に含まれるを分析した場合に、除外元素の含有量が、全原子中の0.01原子%以下であることを意味し、0.001原子%以下であることがより好ましく、0.0001原子%以下がであることが更に好ましい、
なお、上記主相が2種以上の除外元素を含有する場合、上記2種以上の除外元素の合計が上記数値範囲内であることが好ましい。
〔粒界相〕
粒界相は、主相の少なくとも一部を覆うように配置された相であり、言い換えれば、粒界相は、主相の周囲に存在する相である。
粒界相は、エネルギー分散型X線分析法により得られる線分析プロファイルから特定される希土類磁石中の元素Mの原子数単位の含有量が極大値となる位置Pmax(以下、「極大位置」ともいう。)を基準に、上記線分析プロファイルにおける上記極大位置の前後において、上記含有量が初めて上記極大値の1/2となる2つの位置Pboundary(以下、「境界位置」ともいう。)の間の領域として定義される。
図1は、本発明の実施形態に係る希土類磁石について、エネルギー分散型X線分析法により得られる線分析プロファイルの模式図である。図1の線分析プロファイルにおいて横軸は位置(距離、単位:nm)、縦軸は元素Mの原子数基準の含有量(at.%)を示している。図1を用いて、粒界相の特定手順について説明する。
(1.位置Pmax−極大位置の特定)
まず、線分析プロファイルから極大位置を特定する。図1では、Max〜Maxにおける位置(横軸の値)がその候補となるが、本明細書における極大値とは、すでに説明した全体組成における元素Mの含有量より大きいものを意味し、図1で言えば、Max及びMaxは極大値となり、Max及びMaxは極大値としない。
極大位置は極大値Max及びMaxを与える位置Pmax−1及びPmax−2として特定される。
(2.2つの位置Pboundary−境界位置の特定)
次に、上記極大位置を基準にこれを挟む2つの境界位置を特定する。図1の極大位置Pmax−1を例に説明する。まず、極大位置Pmax−1における原子数基準の元素Mの含有量(極大値:Max)が線分析プロファイルにより特定され、その1/2の量が特定される。次に、線分析プロファイルから、Pmax−1の前後、すなわち、横軸の正方向、及び、負方向において元素Mの含有量が初めて上記1/2の量となる境界位置が特定される。上記境界位置は、極大位置を基準に横軸の正方向、及び、負方向にそれぞれ1点ずつ存在する。図1では、Pboundary−1及び、Pboundary−2がそれぞれの境界位置に該当する。
(3.粒界相の特定)
上記から、粒界相が特定される。粒界相は手順2において特定した2つの境界位置の間の領域であって、極大位置を含む領域として定義される。図1では、Pboundary−1〜Pboundary−2の領域が粒界相として定義され、境界位置Pboundary−1及び、Pboundary−2自体も粒界相に含まれる。
上記と同様に、Pmax−2に対して、粒界相は、Pboundary−3〜Pboundary−4が定義される。
上記の様に定義される領域が粒界相であり、本明細書における主相は、上記粒界相以外の領域を意味する。図1では、Pboundary−2〜Pboundary−3の領域、〜Pboundary−1の領域、及び、Pboundary−4〜の領域が主相に該当する。なお、境界位置自体は主相には含まれない。
粒界相中におけるMの具体的な含有量(原子%)は、適宜調整可能であるが、例えば、粒界相の全原子数を100原子%としたとき、3.0原子%以上が好ましく、4.0原子%以上がより好ましく、5.0原子%以上が更に好ましく、6.0原子%以上が特に好ましい。
粒界相中におけるMの含有量の上限としては特に制限されないが、一般に30原子%以下が好ましい。
粒界相の厚みとしては特に制限されないが、上記方法により定義される2つの境界位置の間隔が1〜5nmであることが好ましく、2〜5nmがより好ましい。
粒界相の厚みが上記数値範囲内であると、希土類磁石はより優れた本発明の効果を有する。
粒界相は、結晶構造を有していてもよいし、結晶構造を有していなくても(アモルファス)であってもよい。
粒界相は、Mを含有していれば、その他の元素を含有していてもよい。その他の元素としては、すでに説明した、式1中のR、R、及び、Tとして説明した元素が挙げられる。
粒界相がRを含有する場合、Rの含有量としては特に制限されないが、粒界相中の全原子に対して、一般に100/13〜100/11原子%が好ましい。
また、粒界相がRを含有する場合、Rの含有量としては特に制限されないが、Rとの合計で上記数値範囲内であることが好ましい。このとき、RとRの含有量比は主相と同様であることが好ましい。
また、粒界相がTを含有する場合、Tの含有量としては特に制限されないが、粒界相の全原子に対して、一般に30〜70原子%が好ましい。
また、粒界相は、上記以外のその他の元素を含有していてもよい。その他の元素としては、Na(ナトリウム)、Rb(ルビジウム)、In(インジウム)、Cs(セシウム)、及び、Hg(水銀)からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。上記元素はいずれも単体の融点が低く、Mの元素との間でより低い共晶温度の合金を作りやすく、結果として、主相中におけるMの含有量をより少なく、粒界相中におけるMの含有量をより多くし、優れた保磁力を有する希土類磁石が得られやすい。
本発明の実施形態に係る希土類磁石の主相は、すでに説明したとおりThMn12型結晶構造を有するが、上記主相の結晶方位、及び、磁化容易軸の配向状態としては特に制限されない。
なかでも、最大エネルギー積(BH)maxがより大きくなりやすい点で、結晶方位、及び、磁化容易軸からなる群より選択される少なくとも一方が、所定の方向に沿って優先配向していることが好ましい。結晶方位、及び、磁化容易軸からなる群より選択される少なくとも一方が所定の方向に沿って優先配向した希土類磁石を、本明細書においては、希土類異方性磁石ともいう。
すなわち、本発明の実施形態に係る希土類磁石は、希土類異方性磁石であることが好ましい。
例えば、Sm(Fe0.8Co0.212は、(001)が磁化容易軸であり、上記が所定の方向に優先配向している場合、より優れた最大エネルギー積(BH)maxを有する希土類(異方性)磁石が得られる。
なお、本明細書において、「優先配向」とは、XRD(X‐ray diffraction)のin plane測定、又は、out of plane測定において、所定の結晶方位、及び、磁化容易軸からなる群より選択される少なくとも一方に由来するピーク以外のピークが実質的に検出されないことを意味する。
なお、実質的に検出されないとは、所定の結晶方位、及び、磁化容易軸からなる群より選択される少なくとも一方に由来するピークのピーク強度の合計に対する、他のピークのピーク強度の合計が、1%以下であることを意味し、0.1%以下であることが好ましく、0.01%以下であることがより好ましく、他のピークが検出されないことが更に好ましい。
本発明の実施形態に係る希土類磁石は、上記の特性を有していれば、その形態等は特に制限されない。希土類磁石の形態としては、例えば、粒子状であってもよいし、平板状であってもよいし、曲面を有する3次元形状であってもよい。
また、希土類磁石は平板状(膜)であってもよい。
〔希土類磁石の用途〕
本発明の実施形態に係る希土類磁石は、Nd−Fe−B系磁石と比較して、より優れた保磁力を有し、中でも、保磁力の温度係数がより小さいため、より高温特性に優れる。本発明の実施形態に係る希土類磁石は、高温環境下においてより優れた保磁力が要求される高性能永久磁石として、自動車モータ、及び、省エネ電化製品等に好ましく用いることができる。
[希土類磁石の製造方法]
本発明の実施形態に係る希土類磁石の製造方法としては特に制限されず、公知の希土類磁石の製造方法が適用できる。公知の希土類磁石の製造方法としては、例えば、後述する希土類磁石前駆体(例えば、Sm(Fe0.8Co0.212を作成し、上記希土類磁石前駆体を粉砕して粉末を作成し、粒界相を形成するための非強磁性元素(例えば、Cu)を含有する粉末を作成し、上記2種類の粉末を混合して成形して成形体を得て、上記成形体を必要に応じて磁場印加のもと、加熱、及び/又は、加圧することにより製造することもできる。
上記の様な製造方法としては、例えば、特開2017−50396号公報等が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する希土類磁石が得られる点で、希土類磁石の製造方法としては、以下の工程1〜3を有する希土類磁石の製造方法が好ましい。
工程1は、ThMn12型の結晶構造を有する多結晶相であって、Rを、La、Pr、Sm、Nd、Eu、Tb、及び、Luからなる群より選択される少なくとも1種とし、RをY、Er、Tm、Ce、Dy、Ho、Yb、Gd、及び、Zrからなる群より選択される少なくとも1種とし、TをFe、Co、及び、Niからなる群より選択される少なくとも1種とし、xを100/13〜100/11の数とし、pを0.5〜1の数としたとき、
式2:(R 1−p100−X
で表される化合物を主成分とする希土類磁石前駆体を形成する工程である。
工程2は、希土類磁石前駆体の表面の少なくとも一部を覆うように、Cu、Ga、Zn、Al、Mg、Sn、Ge、Au、Si、Ca、及び、Agからなる群より選択される少なくとも1種の元素Mを含有する非強磁性元素含有層を配置し、非強磁性元素含有層付き希土類磁石前駆体を形成する工程である。
工程3は、非強磁性元素含有層付き希土類磁石前駆体を加熱し、希土類磁石前駆体中に元素Mを拡散させ、希土類磁石を得る工程である。以下では、各工程について詳述する。
(工程1)
工程1は、所定の構造を有する化合物を主成分とする希土類磁石前駆体を形成する工程である。上記希土類磁石前駆体はThMn12型結晶構造し、多数の結晶粒が集合した多結晶相である。
上記希土類磁石前駆体は、すでに説明した除外元素を実質的に含有しないことが好ましく、全原子中の0.01原子%以下であることを意味し、0.001原子%以下であることがより好ましく、0.0001原子%以下がであることが更に好ましい。
希土類磁石前駆体を形成する方法としては特に制限されず、焼結法、超急冷凝固法、蒸着法、及び、HDDR(Hydrogenation Decomposition Desorption Recombination)法等が適用可能である。なかでも、より簡易に、希土類磁石前駆体(層)を形成できる点で、スパッタリング法により支持体上に形成することが好ましい。
スパッタリング法により希土類磁石前駆体層を形成する形態について詳述する。
支持体としては特に制限されず、公知の支持体を使用可能である。なかでも、より優れた本発明の効果を有する希土類磁石が得られる点で、支持体としては、シリコン、低温焼成セラミックス、Al、LiTaO、LiNbO、水晶、SiC、GaAs、GaN、及び、ガラス等が挙げられる。
また、上記支持体は別の元素がドープされたものであってもよく(例えば、ヒ素、及び/又は、リンがドープされたシリコン)、複数の層を有する積層体であってもよい(例えば、熱酸化膜付きシリコン)。
スパッタリングを行う際の成膜装置のチャンバ内の圧力としては特に制限されないが、得られる希土類磁石前駆体中における意図しない成分の混入をより減少させる観点で、10−6Pa以下が好ましく、10−8Pa以下がより好ましい。また、支持体上に希土類磁石前駆体を積層する前に、支持体表面を清浄化することが好ましい。支持体表面を清浄化する方法としては特に制限されないが、例えば、支持体自体をスパッタリングする方法等が挙げられる。上記によれば支持体上に形成された支持体の酸化被膜、及び、有機物等を除去できる。
スパッタリングの方法としては特に制限されないが、より低圧のAr雰囲気でスパッタリングが可能となるマグネトロン・スパッタリング法が好ましい。ここで、ターゲット材の厚みを調整することで、マグネトロン・スパッタリングの漏れ磁束の低減をより抑制し、スパッタリングをより容易にできる。スパッタリングの電源は、DC、及び、RFどちらでも使用可能であり、ターゲット材に応じて適宜選択できる。
希土類磁石前駆体の支持体加熱温度、成膜レート、及び、成膜時間としては特に制限されず、必要な希土類磁石前駆体の厚みに応じて適宜調整すればよい。成膜レートは、スパッタリングのパワー、及び/又は、時間により調整可能である。
工程1は、上記に加えて、希土類磁石前駆体を形成する前に、更に、支持体上にバッファ層、及び/又は、下地層を形成する工程を更に有していてもよい。
下地層は、支持体と希土類磁石前駆体との間に形成される層であって、希土類磁石前駆体と直接接するように形成されることが好ましい。
すなわち、希土類磁石前駆体は、支持体上に形成された下地層上に形成されることが好ましい。
下地層上に希土類磁石前駆体を形成することにより、希土類磁石前駆体の結晶配向を制御できる点で好ましい。
下地層の材料としては特に制限されないが、その後に形成される希土類磁石前駆体との格子ミスマッチによる格子欠陥を低減し、結晶性を改善できる形態が好ましい。すなわち、下地層の材料は、希土類磁石前駆体の格子定数と同程度であるものがより好ましい。
下地層の材料成分としては、特に制限されず、その後に形成される希土類磁石前駆体に応じて適宜選択すればよいが、例えば、より結晶性が高い、及び/又は、より配向性の高い結晶が得られる点で、MgO、及び、V等を含有することが好ましい。
なお、下地層の材料は、上記の材料成分の1つ以上を含有することが好ましいが、2つ以上を含んでもよい。その場合、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物、及び、これらの混合物のいずれであってもよいし、積層体であってもよい。すなわち、下地層は、複数の層の積層体であってもよい。
下地層の材料は、多結晶であることが好ましい。多結晶である下地層を用いることにより、その後に形成される希土類磁石前駆体も多結晶相を形成しやすく、結果として、より優れた本発明の効果を有する希土類磁石が得られる。
下地層の形成方法としては特に制限されず、公知の方法が適用可能である。なかでも、より簡便に下地層を形成できる点で、すでに説明した希土類磁石前駆体(層)の形成方法と同様の方法が好ましい。
バッファ層は、典型的には支持体とすでに説明した下地層との間に配置される層である。バッファ層の材料成分としては特に制限されないが、一般に高熱伝導性の材料を用いることが好ましく、具体的には、アモルファスNiTa等が挙げられる。
また、バッファ層の形成方法としては特に制限されないが、すでに説明した希土類磁石前駆体と同様の方法が適用できる。
(工程2)
工程2は、上記希土類磁石前駆体の表面の少なくとも一部を覆うように、Cu、Ga、Zn、Al、Mg、Sn、Ge、Au、Si、Ca、及び、Agからなる群より選択される少なくとも1種の元素Mを含有する非強磁性元素含有層を配置し、非強磁性元素含有層付き希土類磁石前駆体を形成する工程である。
工程2は、典型的には、支持体上に形成された希土類磁石前駆体(層)の表面の少なくとも一部を覆うように非強磁性元素含有層を形成する工程である。
非強磁性元素含有層は、希土類磁石前駆体の表面積の51%以上を覆うよう形成されることが好ましく、80%以上を覆うように形成されることがより好ましく、希土類磁石前駆体の表面積の全体を覆うように形成されることが更に好ましい。
非強磁性元素含有層が含有する非強磁性元素は、元素Mを含有していればその形態及び組織は特に制限されず、上記Mの単体であってもよいし、複数のMの固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物、及び、これらの混合物であってもよい。
なお、Mの形態としては希土類磁石の成分として説明したMと同様である
なかでも、Mが高融点元素を含有すると、希土類磁石前駆体と親和性がより低く(より固溶しにくく)後述する工程3において、希土類磁石前駆体の結晶中にはMが拡散しにくいため、結果として、より優れた保磁力を有する希土類磁石が得られやすい。
また、Mがの低融点元素を含有すると、後述する工程3において、希土類磁石前駆体の結晶構造の変化(例えば融解)が起こりにくいような温度で処理した場合であっても、Mが希土類磁石前駆体の結晶粒界により拡散しやすいため、結果としてより優れた保磁力を有する希土類磁石が得られやすい。
また、上記Mの2種類以上を用いる場合、すでに説明した高融点元素Mhighと低融点元素Mlowとからそれぞれ1種以上含有することが好ましく、なかでも、Mの組み合せで考えたとき、より低い共晶温度の合金を形成可能な組み合わせが好ましい。
より優れた本発明の効果を有する希土類磁石が得られる点で、MとしてCu、Zn、Al、Mg、Sn、及び、Gaからなる群より選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。Mとしては、Cu、又は、Znの少なくとも一方と、Al、Mg、Sn、及び、Gaからなる群より選択される少なくとも一種とを併用することが好ましい。なかでも、Mとしては、Cu、及び、Gaからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、Cu、及び、Gaを用いることが好ましい。
また、Mとして2種以上の非強磁性元素を用いる場合、上記2種類の非強磁性元素を希土類磁石前駆体上に積層させてもよい。すなわち、非強磁性元素含有層は積層体であってもよい。
非強磁性元素含有層の形成方法としては特に制限されないが、例えば、すでに説明した希土類磁石前駆体の形成方法と同様の方法を適用できる。
(工程3)
工程3は、非強磁性元素含有層付き希土類磁石前駆体層を加熱し、希土類磁石前駆体へと、非強磁性元素を拡散させ、希土類磁石を得る(本明細書において、上記処理を「拡散処理」という場合がある)工程である。
加熱の方法としては特に制限されず、公知の方法が適用できる。
加熱の温度としては特に制限されないが、一般に250〜450℃が好ましく、350〜450℃がより好ましい。
また、加熱の時間としては特に制限されないが、一般に0.5〜3時間が好ましく、0.5〜1時間がより好ましい。
また、加熱の際の雰囲気としては特に制限されないが、一般に不活性ガス雰囲気が好ましく、不活性ガスとしては例えば、Ar(アルゴン)等が挙げられる。
本工程により、希土類磁石前駆体の結晶粒界を拡散経路の一つとして、非強磁性元素Mが希土類磁石前駆体中に拡散する。その結果、主相及び粒界相が形成され、優れた保磁力を有する希土類磁石が得られる。
本発明の実施形態に係る希土類磁石の製造方法は、上記工程以外にも本発明の効果を奏する範囲内において別の工程を有していてもよい。別の工程としては例えば、キャップ層形成工程が挙げられる。
キャップ層は希土類磁石を保護し、及び/又は、希土類磁石の変性(例えば、酸化)等を防止する目的で形成される層である。
従って、本発明の実施形態に係る希土類磁石の製造方法は、工程3の後にキャップ層形成工程を有することが好ましい。
キャップ層の材料成分としては特に制限されないが、すでに説明した下地層と同様の材料を用いることができる。また、キャップ層の形成方法としては特に制限されないが、すでに説明した希土類磁石前駆体と同様の方法が適用できる。
[膜]
本発明の実施形態に係る膜は、すでに説明した希土類磁石を含有する膜である。
本発明の実施形態に係る膜中における希土類磁石の含有量としては特に制限されないが、一般に、50体積%以上が好ましく、60体積%以上がより好ましく、70体積%以上が更に好ましく、80体積%以上が特に好ましい。
本発明の実施形態に係る希土類磁石を含有する膜としては、すでに説明した希土類磁石を含有すれば、本発明の効果を奏する限りにおいて他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、バインダ等が挙げられる。
バインダとしては特に制限されず、公知の材料を使用でき、無機材料、有機材料、及び、これらの複合材料が使用できる。公知のバインダとしては例えば、エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の実施形態に係る膜は、本発明の効果を奏する範囲内において、他の成分を含有していてもよく、他の成分としては式1おいてR、R、T、及び、Mとして説明した各元素を少なくとも1つを含有する化合物が挙げらられる。
上記膜中における希土類磁石の主相は、すでに説明したとおりThMn12型結晶構造を有する多結晶相であるが、上記主相の結晶方位、及び、磁化容易軸からなる群より選択される少なくとも一方の配向状態としては特に制限されない。
なかでも、最大エネルギー積(BH)maxがより大きくなりやすい点で、結晶方位、及び、磁化容易軸からなる群より選択される少なくとも一方が、厚み方向に沿って優先配向していることが好ましい。
すなわち、上記膜は、厚み方向に沿って結晶方位、及び、磁化容易軸からなる群より選択される少なくとも一方が優先配向した希土類(異方性)磁石を含有する膜であることが好ましい。
[積層体]
本発明の実施形態に係る積層体は、下地層と、上記下地層に接するように形成された、すでに説明した希土類磁石を含有する希土類磁石層と、を有し、上記下地層は多結晶構造を有し、かつ、結晶方位が下地層の厚み方向に沿って優先配向している積層体である。
本積層体について、図2をもとに説明する。積層体10は、キャップ層11から順に、希土類磁石層12、第1下地層13と第2下地層14からなる下地層15、バッファ層16、及び、支持体17とを有している。
積層体10は、キャップ層11、バッファ層16、及び、支持体17を有しているが、本積層体としては、下地層15と希土類磁石層12とを有していればよい。
また、積層体10における下地層15は、第1下地層13と第2下地層14との積層体であるが、本積層体としては上記に制限されず、下地層は単一の層であってもよい。
希土類磁石層は、上記希土類磁石を含有していればその形態としては特に制限されないが、例えば、上記膜であることが好ましく、その好適形態も同様である。またその他の層の構成も希土類磁石の製造方法において説明したのと同様であり、好適形態も同様である。
本発明の実施形態に係る希土類磁石は、優れた保磁力を有するため、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)分野、エナジーハーベスト(環境発電)等エネルギー分野、及び、医療機器分野等に適用可能である。
[モータ]
本発明の実施形態に係るモータは、上記希土類磁石を有するモータである。図3には、本発明の実施形態に係るモータとして、永久磁石モータ20を示した。永久磁石モータ20は、固定子21と、固定子21内に回転可能に配置された回転子24とを有する。回転子24は、芯材22と、芯材22中に配置された複数の希土類磁石23とを有する。
図3は永久磁石モータであるが、本発明の実施形態に係るモータとしては上記に制限されず、可変磁束モータ等にも適用可能である。
[発電機]
本発明の実施形態に係る発電機は、上記希土類磁石を有する発電機である。図4には、本発明の実施形態に係る発電機を示した。
発電機30は、上記希土類磁石を有する固定子31と、回転可能に設けられた回転子32とを有する。回転子32は、固定子31の内側に配置されており、回転子32は、シャフト34により、タービン33に接続されている。タービン33は、例えば、外部から供給される流体により回転し、上記回転によって発生した起電力が、発電機30の出力として取り出される。なお、発電機30は、他の部材であって公知の物、例えば、相分離母線、主変圧器、及び、帯電除去用のブラシ等を有していてもよい。
また、上記発電機30の回転子32には、タービン33の回転が伝達されているが本発明の実施形態に係る発電機としては上記に制限されず、自動車の回生エネルギー等を入力することもできる。
[自動車]
本発明の実施形態に係る自動車は、上記モータ、及び/又は、発電機を有する自動車である。
図5は、本発明の実施形態に係る自動車の発電、蓄電、及び、駆動機構を示す概念図である。自動車40は、車輪41と、モータ42とを有し、これらが車軸45で連結されている。モータ42は、すでに説明した希土類磁石を有するモータであり、このモータの出力により車輪41が回転する。
モータ42は蓄電池43と電気的に接続されており、モータ42へ蓄電池43から電気エネルギが入力される。蓄電池43は発電機44と電気的に接続されており、発電機44で発生した電力が蓄電池43へと供給される。なお、上記発電機44はすでに説明した希土類磁石を有する発電機である。
発電機44は、図示しないエンジンとシャフトにより接続されており、エンジンから生じた機械的エネルギにより発電機44の回転子が回転するよう構成されている。
自動車40においては、モータ42、及び、発電機44のいずれもが希土類磁石を有しているが、本発明の実施形態に係る自動車としては上記に制限されず、希土類磁石と発電機のいずれか一方が希土類磁石を有していればよい。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
(希土類磁石前駆体の形成)
熱酸化膜付きSi基板(支持体に該当する)上にアモルファスNiTa(10nm)をDCマグネトロンスパッタ法を用いて室温で成膜し、アモルファスNiTa層(バッファ層に該当する)を得た。次に、上記アモルファスNiTa層上に多結晶MgO(10nm)を同様の方法で成膜し、多結晶MgO層(第2下地層に該当する)を得た。次に、上記多結晶MgO層上にV(10nm)を同様の方法で成膜し、V層(第1下地層に該当する)を形成し、下地層付き支持体を得た。
次に、上記下地層付き支持体を400℃に加熱して、Sm、Fe、及び、Coターゲットをそれぞれ同時スパッタすることにより下地層上に希土類磁石前駆体(Sm(Fe0.8Co0.212の多結晶相の層)を成膜した。更に、希土類磁石前駆体上に、キャップ層としてV(10nm)を積層した。
上記で作成した希土類磁石前駆体の面外(out of plane)、及び、χ軸を調整して測定(図中に「tune χ」と記載した。)したXRDパターンを図6に示した。out of plane測定結果によれば、希土類磁石前駆体に由来するパターンとしては、(002)、及び、(004)回折パターンが観測され、Sm(Fe0.8Co0.212多結晶が膜の厚み方向に沿うようにc軸配向していることわかった。更に、χ軸を調整することによりThMn12型結晶構造の超格子ピークである(132)、(332)回折ピークが観測された。
上記の結果から、上記希土類磁石前駆体は、膜の厚み方向に沿ってc軸が優先配向した、ThMn12型結晶構造を有するSm(Fe0.8Co0.212多結晶であることが確認できた。
図7には上記試料の断面TEM像を示し、図8には、その面内TEM像を示した。断面TEM像よりコラム状のSm(Fe0.8Co0.212粒子が下地層上に成長している様子がわかる。また面内TEM像より30nm程度の粒径を有する多結晶構造であることがわかる.制限視野回折からも(001)配向が示唆された。
図9には、希土類磁石前駆体(Sm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜)のout of plane、及び、面内(in plane)の磁化曲線を示した。
上記希土類磁石前駆体は、強い垂直磁気異方性を示しており、これは、XRD測定により示された主相のc軸配向に由来していると推測される。このとき飽和磁化は1.61T、保磁力は0.48Tだった。
図10をもとに、反磁場係数0.45で反磁場補正をした後に(BH)−H曲線をプロットしたところ(図11)、(BH)maxは267kJ/mと見積もられた。
(希土類磁石の形成)
希土類磁石前駆体上にキャップ層を形成しなかったこと以外は上記と同様にして、下地層付き支持体上に、希土類磁石前駆体層を形成した。次に、室温で非強磁性元素M(Cu、Sm−Cu、La−Cu、Cu−Ga、Zn、Al−Zn、Mg−Zn、及び、Sn−Zn)をそれぞれ成膜し、その後、支持体ごと300〜600°Cで加熱(30分間)し、下地層上に本発明の実施形態に係る希土類磁石(積層体)を得た。
なお、本段落における「−」は合金、又は、2種の金属の積層体を示している。
図12には、非強磁性元素Mとして、Cu−Ga(3nm)成膜後、450℃で加熱して(以下、「拡散処理」ともいう。)得られた希土類磁石のXRDパターンを示す.加熱前と同様に1−12相の(002)、及び、(004)ピークが観測された。
図13にはCu−Ga拡散処理後の面内TEM像を示した。Cu−Ga拡散処理後も拡散処理前とほぼ同様の多結晶構造が保たれている。
図14にはCu−Ga拡散処理後の積層体の面内のADF−STEM像を示した。また、図15には、同一視野のSm、Fe、Co、Cu、及び、Ga元素のEDSマッピング(エネルギー分散型X線分析法により得られる線分析プロファイル)を示した。このとき、主相の組成はSm(Fe0.77Co0.2Cu0.01Ga0.0210.6と計算され,ほぼ1−12相(1−12結晶構造)の組成に対応していた。なお、主相に加えてSm−Gaリッチ相、及び、Fe−Coリッチ相の存在も確認された。また、Cuは、主相の結晶粒界(粒界相)に選択的に分布している様子がわかる。
図16には、図15の結晶粒界における(A→Bの方向に沿った)EDSラインスキャンプロファイル(線分析プロファイル)を示した。図中、破線で挟まれた領域が粒界相と定義され、粒界相の組成は主相と比べてFe濃度が小さく、Cu、及び、Ga濃度が大きくなっている。図17には図16の線分析プロファイルにおける元素Mに該当するCu及びGaの濃度の合計を示した。
図18にはCu−Ga拡散処理後の積層体の断面についてADF−STEMで観察した同一視野のEDSマッピングを示した。Cu、及び、GaがFe濃度の小さい粒界相に拡散している様子がわかる。
この視野全体からエネルギー分散型X線分析法により全体組成を求めると、Sm8.18Fe67.64Co18.95Cu3.29Ga1.94(各数値は原子数基準の含有量(at.%)である。)であった。
図19には、断面像から得られた結晶粒界における(C→Dの方向に沿った)EDSラインスキャンプロファイル(線分析プロファイル)を示した。図15の面内像におけるEDSラインスキャンプロファイルと同様の傾向が得られ,粒界相では、Fe濃度が小さくCu、及び、Ga濃度が大きくなっている.図20には、図19の線分析プロファイルにおける元素Mに該当するCu及びGaの濃度の合計を示した。
図21にCu−Ga拡散処理後の希土類磁石のout of plane、及び、in planeの磁化曲線を示した。拡散処理前と同様に強い垂直磁気異方性を示すことがわかった。このとき、飽和磁化は1.61Tであった。一方、保磁力は0.84Tに増大し、所望の効果が得られることがわかった。反磁場補正をすると(BH)maxは375kJ/mと計算された。
図22にはCu−Ga拡散処理前後の減磁曲線を比較したものを示した。Cu−Ga拡散処理後の試料は、Cu−Gaを成膜していない希土類磁石前駆体(Sm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜)の熱処理前後の試料に比べて保磁力が0.48Tから0.84Tに増加している様子がわかった。
図23に様々な非強磁性の元素Mを拡散処理した希土類磁石前駆体(Sm(Fe0.8Co0.212異方性多結晶膜)の保磁力の拡散処理における加熱温度と得られる希土類磁石の保磁力(すなわち、熱処理温度依存性)を示した。Cu拡散、Cu−Ga拡散、Mg−Zn拡散した試料では、保磁力がそれぞれ0.78T、0.84T、及び、0.87Tが得られた。拡散処理における加熱温度が350〜450℃であると、より優れた本発明の効果を有する希土類磁石が得られることがわかる。
図24にはCu−Ga拡散処理前後、すなわち、希土類磁石と希土類磁石前駆体との減磁過程におけるリコイル曲線を示した。拡散処理前(希土類磁石前駆体)では、0.7T以上の印加磁場におけるマイナーループにヒステリシスが見られた。
一方,Cu−Ga拡散後の試料(希土類磁石)では,1T以上の印加磁場においてもマイナーループにヒステリシスは見られず、傾きも小さかった。これは、拡散処理によって不可逆的な磁壁移動が小さくなったためであると推測される。
図25には、拡散処理前(希土類磁石前駆体)とCu、又は、Cu−Gaによる拡散処理後の希土類磁石の保磁力の温度依存性を示した。比較のため,Dyを含有する(又は含有しない)商用Nd−Fe−B焼結磁石の保磁力の温度依存性も併せて示した。保磁力の温度係数βは、拡散処理前の希土類磁石前駆体(Sm(Fe0.8Co0.212)は−0.31%/K、Cu拡散処理後では−0.18%/K、Cu−Ga拡散処理後では−0.20%/Kと計算された。これらの値は商用Nd−Fe−B焼結磁石の値(β=−0.6〜−0.4%/K)よりも優れていた。
本発明の実施形態に係る希土類磁石は、優れた保磁力を有するため、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)分野、エナジーハーベスト(環境発電)等エネルギー分野、及び、医療機器分野等に適用可能である。
なかでも、上記希土類磁石を有するモータ、及び、発電機は、優れた特性を有するため、自動車、及び、電車等の輸送用機械に好ましく用いることができる。
10 :積層体
11 :キャップ層
12 :希土類磁石層
13 :第1下地層
14 :第2下地層
15 :下地層
16 :バッファ層
17 :支持体
20 :永久磁石モータ
21 :固定子
22 :芯材
23 :希土類磁石
24 :回転子
30 :発電機
31 :固定子
32 :回転子
33 :タービン
34 :シャフト
40 :自動車
41 :車輪
42 :モータ
43 :蓄電池
44 :発電機
45 :車軸

Claims (19)

  1. 主相と、前記主相の少なくとも一部を覆うように配置された粒界相と、を有する希土類磁石であって、
    を、La、Pr、Sm、Nd、Eu、Tb、及び、Luからなる群より選択される少なくとも1種とし、
    をY、Er、Tm、Ce、Dy、Ho、Yb、Gd、及び、Zrからなる群より選択される少なくとも1種とし、
    TをFe、Co、及び、Niからなる群より選択される少なくとも1種とし、
    MをCu、Ga、Zn、Al、Mg、Sn、Ge、Au、Si、Ca、及び、Agからなる群より選択される少なくとも1種とし、
    xを100/13〜100/11の数とし、
    yを0を超え、10以下の数とし、
    pを0.5〜1の数としたとき、全体組成が、
    式1:(R 1−p100−x−yで表され、少なくとも前記主相がThMn12型の結晶構造を有し、
    前記粒界相は、エネルギー分散型X線分析法により得られる線分析プロファイルから特定される前記希土類磁石中の前記Mの原子数単位の含有量が極大値となる位置Pmaxを基準に、前記線分析プロファイルにおける前記位置Pmaxの前後において、前記含有量が初めて前記極大値の1/2となる2つの位置Pboundaryの間の領域として定義される、希土類磁石。
  2. 前記主相の粒径が1μm以下である、請求項1に記載の希土類磁石。
  3. 前記主相が、Al、Si、Ti、V、Mo、Nb、Cr、Mn、C、B、Mg、Cu、Zn、及び、Wのいずれをも実質的に含有しない、請求項1又は2に記載の希土類磁石。
  4. 前記TがFe、及び、Coである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の希土類磁石。
  5. 前記MがCu、及び、Gaからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の希土類磁石。
  6. 所定の方向に沿って、前記主相の結晶方位、及び、磁化容易軸からなる群より選択される少なくとも一方が優先配向している請求項1〜5のいずれか1項に記載の希土類磁石。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の希土類磁石を含有する膜。
  8. 厚み方向に沿うように、前記主相の結晶方位、及び、磁化容易軸からなる群より選択される少なくとも一方が優先配向している請求項7に記載の膜。
  9. 下地層と、前記下地層に接するように形成された請求項1〜6のいずれか1項に記載の希土類磁石を含有する希土類磁石層と、を有し、前記下地層は多結晶構造を有し、かつ、結晶方位が前記下地層の厚み方向に沿って優先配向している、積層体。
  10. 前記希土類磁石層の前記主相の結晶方位が、前記希土類磁石層の厚み方向に沿って優先配向している請求項9に記載の積層体。
  11. 前記下地層が、更に支持体を有する支持体層付き下地層である、請求項9又は10に記載の積層体。
  12. 前記支持体層付き下地層が、前記下地層と、前記支持体との間に更にバッファ層を有する、請求項11に記載の積層体。
  13. 更にキャップ層を備える、請求項9〜12のいずれか1項に記載の積層体。
  14. ThMn12型の結晶構造を有する多結晶相であって、
    を、La、Pr、Sm、Nd、Eu、Tb、及び、Luからなる群より選択される少なくとも1種とし、
    をY、Er、Tm、Ce、Dy、Ho、Yb、Gd、及び、Zrからなる群より選択される少なくとも1種とし、
    TをFe、Co、及び、Niからなる群より選択される少なくとも1種とし、
    xを100/13〜100/11の数とし、
    pを0.5〜1の数としたとき、
    式2:(R 1−p100−X
    で表される化合物を主成分とする希土類磁石前駆体を形成する工程1と、
    前記希土類磁石前駆体の表面の少なくとも一部を覆うように、Cu、Ga、Zn、Al、Mg、Sn、Ge、Au、Si、Ca、及び、Agからなる群より選択される少なくとも1種の元素Mを含有する非強磁性元素含有層を配置し、非強磁性元素含有層付き希土類磁石前駆体を形成する工程2と、
    前記非強磁性元素含有層付き希土類磁石前駆体を加熱し、前記希土類磁石前駆体中に元素Mを拡散させ、請求項1〜6のいずれか1項に記載の希土類磁石を得る工程3と、を有する希土類磁石の製造方法。
  15. 前記工程1が、下地層上に希土類磁石前駆体を含有する希土類磁石前駆体層を形成する工程であり、前記下地層は多結晶構造を有し、かつ、結晶方位が前記下地層の厚み方向に沿って優先配向している、請求項14に記載の希土類磁石の製造方法。
  16. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の希土類磁石を有するモータ。
  17. 請求項16に記載のモータを有する自動車。
  18. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の希土類磁石を有する発電機。
  19. 請求項18に記載の発電機を有する自動車。
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