JP2020111383A - 歯磨き剤が収容される歯磨き剤用容器 - Google Patents

歯磨き剤が収容される歯磨き剤用容器 Download PDF

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Abstract

【課題】歯磨き剤を速やかに排出することができ、しかも、容器内への歯磨き剤の残存を有効に抑制することが可能な歯磨き剤用容器を提供する。【解決手段】歯磨き剤が収容される容器1であって、下端部が閉じられている筒状胴部3を有していると共に、上端に筒状胴部3に比して小径であり且つ蓋材11により閉じられる内容物排出口9aを有している歯磨き剤用容器1において、筒状胴部3、樹脂製内面3xを有しており、樹脂製内面3x上に、歯磨剤に対する滑り性を向上させるための潤滑液による液滴Aが分布していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、歯磨き剤用容器に関するものであり、より詳細には、内面に液滴が分布している筒状胴部を備えた歯磨き剤用容器に関するものである。
最近になって、ケチャップやマヨネーズに代表される粘稠な内容物を収容するための容器であって、この容器の内面に、内容物に対する滑り性を備えた液体(潤滑液)を存在させることにより、粘稠な内容物を速やかに排出させるという易滑落技術が、例えば特許文献1等で提案されている。
この特許文献1では、樹脂製の容器内面上に、油性液体の液滴を分布させることにより、粘稠な内容物に対する滑り性を高め、このような内容物の容器からの排出を速やかに行うことができるというものである。
ところで、歯磨き剤は、研磨剤等の固形部を多く含む粘稠なペースト状固形物であり、練り歯磨きとも呼ばれ、チューブ形状の容器に充填されて使用される。このような歯磨き剤が収容されている容器は、一般に、未使用時には、洗面台等に倒立状態に置かれて保存されることから理解されるように、常に、歯磨き剤を容器の排出口部分に充満させ、歯磨き剤を速やかに排出し得ることや、歯磨き剤が容器の底部に残存せずに、できるだけ、その全量を使い切ることができるようにすることが求められている。
前述した特許文献1では、歯磨き剤に関しては全く記載されていないが、本発明者等は、このような易滑落技術は、歯磨き剤用の容器にも有効に適用でき、さらに、歯磨き剤用容器の形態等を工夫することにより、易滑落技術による内容物の排出性を歯磨き剤に最大限に発揮させ得ることを見出した。
特許第5962879号公報
従って、本発明の目的は、歯磨き剤を速やかに排出することができ、しかも、容器内への歯磨き剤の残存を有効に抑制することが可能な歯磨き剤用容器を提供することにある。
本発明によれば、歯磨き剤が収容される容器であって、下端部が閉じられている筒状胴部を有していると共に、上端に該筒状胴部に比して小径であり且つ蓋材により閉じられる内容物排出口を有している歯磨き剤用容器において、
前記筒状胴部は、樹脂製内面を有しており、該樹脂製内面上に、歯磨剤に対する滑り性を向上させるための潤滑液による液滴が分布していることを特徴とする、歯磨き剤用容器が提供される。
本発明の歯磨き剤容器においては、
(1)前記液滴は、円相当径が25〜500μmの大きさを有しており、2000〜10000個/cmの密度で分布していること、
(2)前記液滴のなかでも、円相当径が300〜500μmの大きさを有するものが、100〜200個/cmの密度で分布していること、
(3)前記樹脂製内面が、オレフィン系樹脂層により形成されており、該オレフィン系樹脂層中に脂肪酸金属塩がブレンドされていること、
(4)前記歯磨き剤用容器に充填される歯磨き剤は、密度(23℃)が1.1〜1.6g/cmのペースト状の固形物であること、
(5)前記筒状胴部は、内面を形成している前記オレフィン系樹脂層に加え、外面を形成している外面層、及び中間層としてエチレン−ビニルアルコール共重合体層を含んでいること、
(6)歯磨き剤を充填せずに、容器内雰囲気が窒素置換され且つ相対湿度が100%に保持されるように密封された前記歯磨剤用容器についての酸素濃度を測定した時、22℃60%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が0.5%以下、かつ、40℃75%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が2%以下であること、
が好ましい、
さらに、本発明の歯磨き剤用容器は、下記の形態を有していることが好適である。
(7)前記筒状胴部の上端部には、前記排出口を備えている首部が、該筒状胴部と一体に形成されているか或いは該筒状胴部に嵌合もしくはヒートシールにより連なっていること。
(8)前記首部に形成されている前記排出口の下端部には、側断面でみて、軸線方向に対して30〜70度に傾斜した傾斜面が設けられていること。
(9)前記排出口の内径D1は、2〜8mmの範囲にあること。
(10)前記筒状胴部は、長さLと最大内径Dmaxとの比L/Dmaxが1〜4の範囲にあること。
(11)前記筒状胴部は、最大内径Dmaxと最小内径Dminとの比Dmax/Dminが1〜3の範囲にあること。
(12)前記排出口の閉塞に使用される蓋材は、該容器を倒立保持し得る大きさの水平面を有していること。
(13)前記筒状胴部は、少なくとも一部が、容器の中心軸線に対して非対称な形状を有していること。
(14)前記筒状胴部の厚みが400〜800μmの範囲にあること。
(15)前記排出口の内径D1に対する前記筒状胴部の最大内径Dmaxの比Dmax/D1が4〜30の範囲にあること。
(16)前記筒状胴部の下端を閉じている底部の内面が曲率面となっていること。
本発明によれば、さらに、歯磨き剤用容器に歯磨き剤が充填され、前記蓋材により前記排出口が閉塞された歯磨き剤製品が提供される。
本発明の歯磨き剤用容器は、歯磨き剤に対して滑り性を示す潤滑液が容器を構成している筒状胴部の内面に存在しているという基本構造を有している。即ち、この潤滑液が容器内容物である歯磨き剤と接触しているため、筒状胴部の内面への歯磨き剤の付着残存が有効に防止され、しかも、歯磨き剤の容器からの排出性が著しく高められ、歯磨き剤を速やかに排出することができる。
本発明では、上記の基本構造において、上記の潤滑液が、軽量の液滴として分布しているという特徴を有する。
即ち、上記のような基本構造を有する歯磨き剤用容器では、潤滑液が筒状胴部の内面に分布しているという状態で歯磨き剤が容器(筒状胴部)内に充填されるのであるが、筒状胴部の内面に潤滑液の層が設けられている場合には、歯磨き剤を充填する前に、潤滑液が筒状胴部の底部に落下してしまうという不都合を生じ易く、特に容器成形後、歯磨き剤が充填されるまでの時間が長い程、多くの潤滑液が筒状胴部の底部に落下し、潤滑液は、底部に液溜りの状態で存在するようになってしまい、潤滑液による歯磨き剤に対する滑落性が損なわれてしまう。しかるに、本発明では、潤滑液が軽量の液滴として筒状胴部の内面に分布している。このため、重力による潤滑液の落下が有効に抑制され、潤滑液の脱落による性能低下が有効に回避されている。例えば、後述する実施例では、ダイレクトブローボトルの内面に潤滑液の液滴を分布させた例が示されているが、このようなボトルの成形後、60日間、該ボトルを正立保持させた時にも、ボトルの底部に潤滑液の液溜りは生じず、ボトル内面に偏りなく潤滑液を保持できている。一方、この潤滑液を連続した層状に形成した比較例1のボトルでは、これを正立状態に保持して数日後には、ボトル底部に潤滑液の液溜りが観察され始め、60日後にはボトル底部に潤滑液が多く、ボトル胴部に潤滑液が少ない状態となってしまう。
また、本発明では、潤滑液が、連続した層としてではなく、液滴として分布しているにもかかわらず、歯磨き剤に対する優れた滑落性が、潤滑液が連続した層として存在している場合と同様に発揮される。即ち、潤滑液の液滴が分布している筒状胴部の内部に充填される歯磨き剤は、非常に高比重の粘稠なペースト状の固形物であるため、歯磨き剤の充填により、潤滑液の液滴は大きく押し広げられ、この結果、筒状胴部の内面に潤滑液が層状に分布するようになり、潤滑液の層を形成した場合と同様に優れた滑落性が発揮されることとなる。
本発明の歯磨き剤用容器の概略側断面(a)及び筒状胴部の概略平断面(b)構造を示す概念図。 本発明の歯磨き剤用容器の筒状胴部の内面の表面状態を説明するための図。 本発明の歯磨き剤用容器の筒状胴部の内面を形成している内面樹脂層の断面構造を示す図。 ダイレクトブロー成形により得られる本発明の歯磨き剤容器の形態の一例を示す側断面図。 ダイレクトブロー成形により得られる本発明の歯磨き剤容器における筒状胴部の形状の例を示す胴部側面断面図(a)及び胴部平面断面図(b)。
図1の概念図を参照して、本発明の歯磨き剤用容器は、全体として1で示されており、中空の筒状胴部3を有しており、この筒状胴部3の下端は、底部5により閉じられている(図1(a)参照)。この筒状胴部3の平断面は、円形であってもよいが、一般に、偏平した楕円形状を示し、その最大内径はDmax、最小内径はDminで示されている。また、この筒状胴部3の上部は、上方に向かって絞られた形状の首部7が設けられており、この首部7の上端には、内容物である歯磨き剤が排出される排出口9aを有する口部9が形成されている。
また、上記の排出口9aは、蓋材11によって閉じられる構造となっている。
この蓋材11は、天板11aと、天板11aから降下したスカート壁11bを有しており、天板11aの内面には、排出口9aをシールするためのシールリング11cが設けられている。このシールリング11cは、蓋材11を閉じたとき、排出口9aの面(口部9の内面)或いは首部7の外周面に密着することにより、シール構造を確保するものである。
尚、上記の蓋材11は、例えば、首部7の外面等に螺条を設け、螺子係合により着脱自在に容器1に装着するような形態としてもよいし、首部7にヒンジ連結された形態を有するものであってもよい。蓋材11が首部7にヒンジ連結される場合には、この蓋材11は、首部7と一体に成形される。
尚、図1において、首部7は、筒状胴部3の上端に一体に連なった形態で示されているが、この首部7は、この容器1の成形方法に応じて、筒状胴部3とは別体となっており、筒状胴部3にヒートシールや嵌め込み等によって接合された形態を有するものであってもよい。
このような容器は、ダイレクトブロー成形、押出チューブ成形、或いはラミネート成形を利用して成形することができ、首部7や蓋材11は、この成形方法に適した形態を有している。
例えば、ダイレクトブロー成形により筒状胴部3を成形する場合には、首部7は、筒状胴部3とは別個に成形され、筒状胴部3内に歯磨き剤を充填した後に、筒状胴部3の上端に嵌合固定される。あるいは、押出したパリソンを用いて、首部7と筒状胴部3を同時に成形し、これとは別に成形したキャップを嵌合固定した後、筒状胴部3の底部を切り、底部側の開口部から歯磨き剤を充填し、その後、この開口部をヒートシールにより閉じることで容器1を製造することができる。また、押出チューブ成形では、両端に開口を有する中空筒を押出成形により成形した後、一方の開口部に、別個に成形された首部7をヒートシール等により接合し、蓋材11により排出口9aを閉じた状態で、他方の開口から歯磨き剤を充填し、その後、この開口部をヒートシールにより閉じることにより容器1が製造される。また、ラミネート成形では、所定の層構造を有するラミネートシートを押出成形等により成形し、このシートの端部同士をヒートシールして筒状胴部となるチューブを作成し、このチューブの一方の開口部に、上記と同様に別個成形された首部をヒートシールや圧縮成形等により接合し、その後、他方の開口部から歯磨き剤を充填し、最後に開口部をヒートシールすることにより、目的とする容器1を製造することができる。
本発明では、上記のような基本形態の容器1に歯磨き剤が収容される。
この歯磨き剤は、炭酸カルシウムや水酸化アルミニウムなどの研磨剤、ラウリル酸ナトリウムなどの泡立て剤ないし発泡剤、グリセリン等の保湿剤、アルギン酸ナトリウムやカルボキシメチルセルロースなどの結合剤を基本成分として含み、さらにフッ化物などの薬効成分を含んでおり、親水性であり、極めて粘稠なペースト状の固形物であり、その密度(23℃)は、一般に、1.1〜1.6g/cmの範囲にあり、極めて高密度、高比重の物質である。
<筒状胴部3の内表面状態>
本発明の歯磨き剤用容器1の筒状胴部3の内表面状態を示す図2において、この筒状胴部3は、樹脂製の内面3xを有しており(即ち、内面3xが樹脂層20により形成されている)、この内面3xには、歯磨き剤に対して潤滑性を示す潤滑液の液滴Aが分布している。即ち、このように分布している液滴Aにより、この内面3xは、粘稠なペースト状の固形物である歯磨き剤に対して著しく優れた滑り性を示し、歯磨き剤を内面3xに付着させることなく、速やかに流動させて排出口9aから排出することができる。即ち、先にも述べたように、高比重で粘稠な歯磨き剤が内面3xを通過するとき、この液滴Aが押し広げられ、歯磨き剤は、常に液滴Aの拡がりにより形成された潤滑液層と接触しながら、内面3x上を通過するため、歯磨き剤に対しての滑り性が飛躍的に向上するというものである。
本発明において、内面3x上に分布している液滴Aの大きさは、円相当径(直径)が25〜500μm、特に50〜400μmの大きさを有していることが望ましい。即ち、液滴Aが大きすぎると、その重量が増大することに伴い液滴Aが重力の影響を受けやすくなるため、内面3xが直立したような状態での液滴Aの落下が生じ易くなり、この結果、液滴Aを形成する潤滑液による滑り性が経時的に低下し易くなり、本発明の利点を十分に発揮できなくなるおそれがある。また、液滴Aが小さ過ぎると、液滴Aの落下等を抑制する上では有利であるが、反面、歯磨き剤に対する滑り性が低下する傾向にある。歯磨き剤が内面3x上を通過する際、液滴Aが広がり難くなっているためと考えられる。
従って、本発明においては、液滴Aの円相当径(円相当直径)は、上記範囲に調整されていることが好適となる。
また、歯磨き剤が内面3x上を通過するときの潤滑液による滑り性を最大限に発揮させると同時に、液滴Aの落下等による脱落を有効に回避するという点で、液滴Aは、2000〜10000個/cm、特に3000〜8000個/cmの密度で分布していることが好ましい。更には、液滴Aの中でも円相当径が300〜500μmの液滴が100〜200個/cm、特に、150〜200個/cmの密度で存在することが望ましい。即ち、液滴Aの密度が、大きすぎると、液滴A同士の合一化が生じ易くなり、この結果、液滴Aの落下等による脱落を生じ易くなってしまう。また、液滴Aの密度が小さ過ぎると、当然のことながら、潤滑液による滑り性を十分に発揮させることが困難となる傾向にある。特に、歯磨き剤に対しては、潤滑液の膜厚を大きくするために、円相当径が300〜500μmの大きな径を有する液滴を上記範囲にすることが優れた滑り性を十分に発揮させるために最適である。
このように、本発明においては、適度な大きさを有する潤滑液の液滴Aを、適度な密度で内面3x上に分布させることが、本発明の目的を達成する上で有利であるが、このような液滴Aの大きさや密度の調整は、液滴Aを形成する潤滑液を、内面3xを形成する樹脂にブレンドしておき、この内面3xを形成する樹脂層からのブリーディングにより、液滴Aを形成することにより実現することができる。即ち、スプレー噴霧等の外添により、上述した液滴Aを形成することはできない。液滴Aの密度が高くなり過ぎてしまうことで、液滴Aが合一し、大きくなり過ぎてしまうからである。
尚、上記のような大きさや密度を満足する液滴Aが分布した内面3xを形成するための手段については後述する。
<潤滑液>
液滴Aの形成に使用される潤滑液は、当然、大気圧下での蒸気圧が小さい不揮発性の液体、例えば沸点が200℃以上の高沸点液体でなければならない。揮発性液体を用いた場合には、容易に揮散して経時と共に消失し、液滴3を形成することが困難となってしまうからである。
液滴Aの形成に用いる潤滑液の具体例としては、上記のような高沸点液体であることを条件として、種々のものを挙げることができるが、歯磨き剤が親水性であり、このような親水性物質に対して滑り性を向上させるものであることから、食用油、脂肪酸トリグリセライド、フッ素系界面活性剤及びシリコーンオイルが代表的である。食用油としては、大豆油、菜種油、オリーブオイル、米油、コーン油、べに花油、ごま油、パーム油、ひまし油、アボガド油、ココナッツ油、アーモンド油、クルミ油、はしばみ油、サラダ油などが挙げられる。
<内面樹脂層20>
本発明においては、上記内面3xを形成する内面樹脂層20は、成形可能な樹脂、例えば熱可塑性樹脂を用いて成形される。このような熱可塑性樹脂としては、一般的には、オレフィン系樹脂、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、中或いは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンなどを挙げることができる。勿論、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体等であってもよい。本発明において、特に好適に使用される内面樹脂層20形成用オレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレンであり、ポリエチレンが最適である。特に、低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンを用いて内面樹脂層20を形成した場合には、筒状胴部3のスクイズ性も高く、粘稠な歯磨き剤の排出性の点でもより好適となる。
尚、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステルは、内面樹脂層20の形成用樹脂としては、あまり適当でない。このようなポリエステルは、潤滑液に対する濡れ性が高いが、潤滑液に対する保持性が乏しく、この潤滑液の液滴Aが流れ落ち易いからである。
ところで、先にも述べたとおり、この内面樹脂層20には、液滴Aを形成する潤滑液がブレンドされていることが必要であり、内面樹脂層20にブレンドされている潤滑液のブリーディングにより、液滴Aが形成される。
このような潤滑液の配合量は、一般に、内面3xを形成する上記の熱可塑性樹脂100質量部当り、2〜15質量部、特に3〜10質量部程度であり、用いる潤滑液の種類や熱可塑性樹脂の種類に応じて、かかる範囲から成形性が損なわれない程度に、適宜の量を設定すればよい。
また、本発明においては、上述した熱可塑性樹脂の中でも、潤滑液のブリーディングに適しており、且つ筒状胴部3に要求されるスクイズ性を満足するオレフィン系樹脂が好適に使用されるが、本発明では、特に、ブリード性添加剤をオレフィン系樹脂に配合し、このブレンド物に潤滑液を配合した樹脂組成物により、内面樹脂層20を形成することが好ましい。
ここで、ブリード性有機系添加剤は油性液体に不溶あるいは難溶であることが必要である。この性質を有するブリード性添加剤としては、常温で固体性状を示すものである。
図3を参照して、このようなブリード性添加剤が潤滑液と共に配合されている樹脂組成物を用いて内面樹脂層20を形成すると、筒状体3の内面3xには臨界表面張力の小さいブリード性添加剤の粒子21が分布・偏在することとなり、局所的な表面張力が一様でない混成表面が形成される。このような混成表面上においては、ブリード性添加剤の粒子21が集中して分布している表面に、全体に均一な厚みの潤滑液層を形成するにはエネルギー的に不安定な状況であるため、潤滑液が液滴状に存在することでエネルギー的に安定化された形態を形成していると考えられる。この結果、潤滑液が液滴状にブリーディングし、液滴Aが内面3x上に形成され易くなるわけである。
本発明において、上記のようなブリーディング性添加剤としては、常温で固体性状であることを条件として、内面樹脂層20の形成に使用される樹脂、特にオレフィン系樹脂よりも臨界表面張力の低い脂肪酸金属塩が好適に使用される。
このような脂肪酸金属塩としては、リチウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、亜鉛などの金属とC4〜C22の脂肪酸との金属塩が代表的である。
さらに、上記のブリーディング性添加剤を内面3xの近傍に偏在させるために、
内面樹脂層20を形成する樹脂:ブリード性添加剤
=100:0.03〜100:2
特に、 =100:0.05〜100:1
さらには、=100:0.1〜100:0.5
の質量比で使用することが最適である。
このようにして、液滴Aを前述した大きさ及び密度で、効果的に内面3x上に分布させることができる。
また、上述のブリーディング性添加剤の代わりに2種以上の樹脂のブレンドにより、内面3x上に液滴Aを形成することもできる。
ブレンドする樹脂としては、油性液体の表面張力を基準として、油性液体の表面張力よりも小さな臨界表面張力を有する樹脂αと、油性液体の表面張力よりも大きな臨界表面張力を有する樹脂βをブレンドすることで、内面3xは臨界表面張力の異なる樹脂αと樹脂βの混成表面となり、このような混成表面を用いることで、平滑な表面上において、油性液体が層状になることなく、液滴のまま保持されることが可能となる。
樹脂αとしては、臨界表面張力の小さいフッ素原子を含む樹脂、ケイ素原子を含む樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレンなどを用いることができる。もちろん、このような臨界表面張力が小さい物質で、内面3xに偏斥するものであれば、種々の材料を用いることができ、樹脂に限らず、オリゴマー、マクロモノマー等の中程度の分子量をもつ物質も利用することができる。
<筒状胴部3の層構造>
本発明の容器1を構成する筒状胴部3は、前述した液滴Aが分布した内面3xが形成されている限り、前述した内面樹脂層20の単層構造を有するものであってもよいが、内面樹脂層20に液滴Aを形成する潤滑液がブレンドされていることから、この潤滑液の内面3x上へのブリーディング量を適度なものとし、前述した大きさ及び密度で液滴Aを安定に形成するというために、この潤滑液の浸透拡散を防止するための液拡散防止層を、内表面層の下側に設けた多層構造とすることが望ましい。
上記の内面樹脂層20の下側に隣接して設けられる液拡散防止層は、潤滑液の浸透・拡散を遮断するものであり、このような層を形成することにより、潤滑液を内面3x上にブリーディングさせて液滴Aを効果的に分布させることができる。
このような液拡散防止層の材質は、内面樹脂層20からの潤滑液の浸透拡散を防止し得るものであり、且つ筒状胴部3への成形が可能である限り、特に制限されず、例えば金属箔、金属蒸着膜、セラミックス類などの無機材料から形成されていてもよいし、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)蒸着膜、熱硬化性樹脂などで形成されていてもよいが、これらの材料により液拡散防止層を形成する場合には、筒状胴部3の成形が面倒であり、その形態が制限され、さらには且つコストの増大などの問題があるため、一般的には、熱可塑性樹脂により形成されていることが好ましい。
上記のような液拡散防止層を形成するための熱可塑性樹脂としては、密度が1.00g/cm以上であり且つガラス転移点(Tg)が35℃以上のもの、あるいは、結晶化度が0.5以上のものが使用される。即ち、このような熱可塑性樹脂は緻密であり、樹脂中での潤滑液の移動拡散が非常に制限されると考えられるため、潤滑液の浸透拡散を有効に抑制することができる。例えば、密度及びガラス転移点(Tg)が上記範囲を下回る樹脂では、液拡散防止層がルーズな層となり、潤滑液の移動拡散の制限が弱まってしまい、潤滑液の浸透拡散を効果的に防止することが困難となる。また、結晶化度が0.5未満の樹脂では、樹脂中での潤滑液の移動拡散を制限する結晶成分が少なく、制限が弱まってしまうため、潤滑液の浸透拡散を効果的に防止することが困難となる。
尚、上記の熱可塑性樹脂は金属箔、金属蒸着膜などの無機材料と比較すると、液拡散防止性能は劣るため、液拡散防止層の厚みを比較的厚くする必要があり、例えば2μm以上、特に5〜80μm程度の厚みで液拡散防止層を形成することが好ましい。即ち、この厚みが薄すぎると液拡散防止能が不満足となってしまうおそれがあり、また過度に厚くしても、筒状胴部3が不必要に厚肉となってしまい、コスト的にもメリットが無いからである。
本発明において、上記のような密度及びガラス転移点(Tg)を有する熱可塑性樹脂は特に制限されないが、一般的には、エチレン・ビニルアルコール共重合体(エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物)、芳香族ポリアミド及び環状ポリオレフィンなどのガスバリア性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸や液晶ポリマーのようなポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。例えば、このようなガスバリア性樹脂により液拡散防止層を形成した場合には、液拡散防止層に酸素などのガスの透過を防止するガス遮断性をも付与することができ、容器1内に収容された歯磨き剤の酸化劣化を防止することができ、極めて有利となる。中でもエチレン・ビニルアルコール共重合体は、特に優れた酸素バリア性を示すため、最も好適である。
上記のようなエチレン・ビニルアルコール共重合体としては、一般に、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が好適であり、これらの中から、密度且つガラス転移点(Tg)が前述した範囲にあるものを選択的に使用するのがよい。
尚、前述したガスバリア性樹脂は、それぞれ単独で使用することもできるし、また、密度やガラス転移点(Tg)が前記範囲内にある限り、ポリエチレン等のポリオレフィンとガスバリア性樹脂とをブレンドして液拡散防止層を形成することもできる。
また、上記のようなエチレン・ビニルアルコール共重合体により液拡散防止層を形成する場合には、そのガスバリア性を十分に発揮させるために、この筒状胴部3での酸素透過度が、2.0cc/20μm・m・24hrs・atm以下となるように、その厚みを設定することが好適である。
ところで、上記のようなガスバリア性樹脂を液拡散防止層として用いる場合には、内面樹脂層20との接着性を高め、デラミネーションを防止するために、液拡散防止層に隣接して接着樹脂層を設けることが好ましい。これにより、液拡散防止層をしっかりと内面樹脂層に接着固定することができる。
接着樹脂層の形成に用いる接着剤樹脂はそれ自体公知であり、例えば、カルボニル基(>C=O)を主鎖若しくは側鎖に1乃至100meq/100g樹脂、特に10乃至100meq/100g樹脂の量で含有する樹脂、具体的には、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸もしくはその無水物、アミド、エステルなどでグラフト変性されたオレフィン樹脂;エチレン−アクリル酸共重合体;イオン架橋オレフィン系共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;などが接着性樹脂として使用される。このような接着剤樹脂層の厚みは、適宜の接着力が得られる程度でよく、一般的には、0.5乃至20μm、好適には1乃至8μm程度の厚みでよい。
また、本発明において、液拡散防止層としては、金属箔なども使用することができるが、このような場合には、接着剤樹脂として、例えば、ドライラミネーション用やアンカーコート用、プライマー用として一般に用いられるものも使用することができる。例えば、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、セルロース系樹脂、イソシアネート樹脂などを用いることができる。これら接着剤樹脂は単独で使用してもよいし、また必要に応じ、ブレンドしてもよい。
さらに、本発明においては、上述した液拡散防止層を中間層とし、内面樹脂層20とは反対側に外面層を設けた多層構造を採用することもできる。
この多層構造は、接着剤樹脂層をAD、液拡散防止層をBARとして、以下のようなものである。
内面樹脂層20/AD/BAR/AD/外面層
この外面層の材質は、一般的には、各種熱可塑性樹脂や紙などから形成され、特に、低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンを用いて外面層が形成される。この場合、外面が上記の低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンにより形成されていることを条件として、外面層中に、適宜、接着剤樹脂層を介してガスバリア性樹脂層(液拡散防止層としても機能する)を設けることもできる。
<容器の形態>
上述した筒状胴部3を備えた本発明の歯磨き剤容器1は、図1に示されている基本形態を有しており、首部7の内面には、排出口9aに連なる傾斜面7aが形成されるが、この傾斜面7aの軸線方向に対する傾斜角θは、30〜70度の範囲にあることが好適であり、このような傾斜角度の傾斜面が形成されていることにより、例えば、この容器1を倒立状態に保持した時、内容物である歯磨き剤が、より速やかに排出口9aに向かって流れ、優れた排出性を確保することできる。例えば、この傾斜角度θが30度よりも小さい場合には、首部のハイトが必要以上に長くなり、好ましくない。また、傾斜角度θが70度よりも大きくなると、内容物が排出口9aに向かって流れにくくなる。
また、上記の排出口9aの内径D1は、2〜8mmの範囲にあることが好ましい。この内径D1が2mmよりも小さくなると、筒状胴部3の外面を押圧して歯磨き剤を押し出す際、大きな押圧力が必要となってしまい、使用性が低下するおそれがある。また、内径D1が8mmを超えると、歯磨き剤量が少なくなってきたときに、筒状胴部3の外面を押圧して歯磨き剤を押し出すと、歯磨き剤と共に空気が一緒に押し出され、歯磨き剤が飛び散ってしまうという不都合を生じ易くなる。
さらに、筒状胴部3は、長さLと最大内径Dmaxとの比L/Dmaxが1〜4の範囲にあることが、歯磨き剤を押し出す上で最も好ましい。ここで、筒状胴部3の長さLとは、絞られていない部分、即ち、最大内径Dmaxを示す領域での長さであり、上方の首部7や底部5の領域を含まない部分での長さを意味する。
即ち、L/Dmaxが上記範囲内にあるときに、筒状胴部3の外面全体をほぼ均等に把持して押圧することができ、この押圧により、容器1内に収容されている歯磨き剤が偏在してしまう不都合を有効に防止することできる。歯磨き剤が偏在していると、歯磨き剤と共に空気が一緒に押し出され、歯磨き剤が飛び散ってしまうという不都合を生じ易くなるが、L/Dmaxが上記範囲内に設定することにより、このような不都合をより確実に防止することができる。
また、上記の筒状胴部3の最大内径Dmaxと最小内径Dminとの比(Dmax/Dmin)は、1〜3の範囲にあることが、押圧による内容物の押出排出性の点で好ましい。
さらに、本発明において、蓋材11の天板11aの上面は、この容器1を倒立したとき、倒立状態が安定に保持し得るような大きさの水平面が形成されていることが好適である。
上述した形態を有する容器1(及び蓋材11)は、先にも述べたように、潤滑液がブレンドされた樹脂組成物を用いて内面樹脂層20を形成する限り、ダイレクトブロー成形、押出チューブ成形、ラミネート成形により製造される。特に筒状胴部3を、歯磨き剤の排出に最も適した形態に成形し易いという観点から、ダイレクトブロー成形が最も適している。また、ラミネート成形は、前述した液拡散防止層として、アルミ箔などを用いることができるという利点がある。
図4には、このようなダイレクトブロー成形により成形された歯磨き剤用容器1の側断面形状が示されている。
この歯磨き剤用容器1は、基本的な構造は図1に示されているとおりであるが、底部5により閉じられている筒状胴部3は、ダイレクトブロー成形により成形されており、筒状胴部3の上端は、若干絞られて小径となっている嵌合部3aが形成されている。この嵌合部3aに、別個成形された首部7が嵌合固定されている。
図4において、上記の首部7には、排出口9aを備えた口部9が形成されており、この首部7には、蓋材11がヒンジバンド30により首部7と一体に成形されている。即ち、この蓋材11は、倒立保持に適したフラットな水平面を有する天板11a及びスカート部11bを備えており、天板11aの内面には、シールリング11cが形成されており、蓋材11を旋回して閉じたとき、このシールリング11cが排出口9aの面に密着して、密封性が確保されるようになっている。
このようなダイレクトブロー成形により得られる筒状胴部3は、すべての層が熱可塑性樹脂で形成されており、この筒状胴部3の厚みが400〜800μmの範囲にあることが好適である。即ち、厚みがこのような範囲にあることにより、筒状胴部3を押圧することにより、該胴部3が速やかに凹んで内容物である歯磨き剤が排出口9aから押し出され、押圧を停止すると、胴部3は凹んだ状態から初期形状に速やかに復帰し、胴部3内が負圧となり、排出口9aの近辺に存在している歯磨き剤が筒状胴部3内に落下することとなる。
このような筒状胴部3の形状復元性をもたせるために、筒状胴部3の層構成中、30〜80%、好ましくは40〜70%の厚みをポリプロピレン系樹脂層で形成させておくことがよい。ポリプロピレンは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどと比較し、適度な剛性を持ち、筒状胴部3の厚みが400〜800μmの範囲において、適度な押圧性と復元性をもたせることができる。
このようなダイレクトブロー成形により得られる容器1において、首部7及び蓋材11は、オレフィン系樹脂により形成されるが、これらの内面には、液滴Aは存在していない。
また、本発明では、排出口9aの内径D1に対する筒状胴部3の最大内径Dmaxの比Dmax/D1が4〜30の範囲にあることが好適である。即ち、この比が4よりも小さいと、胴部3を押圧した時に、大量の歯磨き剤が一気に排出され、飛散してしまうおそれがある。また、上記の比が30よりも大きいと、この胴部3を把持し難くなり、使用性が低下してしまうこととなる。
従って、かかる容器では、上記の点を考慮して、一般に、排出口9aの内径D1が2〜8mm、筒状胴部3の最大径Dmaxが20〜60mm程度に設定される。
また、図4の容器においては、筒状胴部3の下端を閉じている底部5の内面が曲率面となっていることが好適である。即ち、底部5を曲率面とすることにより、底部5の内面と接触している歯磨き剤が、容易に排出口9a側に落下し、歯磨き剤を残存させることなく、より確実に使い切ることができる。また、このような曲率面とすることにより、一般の使用者は、この歯磨き剤容器1が倒立保持に適していることを視認することができる。
尚、このような底部5の曲率面形状を形成するためには、押出チューブ成形やラミネート成形では2次加工が必要となるが、エア等の吹込みにより賦形を行うダイレクトブロー法では、2次加工を行うことなく、このような形態を形成することができる。
さらに、本発明においては、図5に示すように、筒状胴部3の少なくとも一部を、容器の中心軸線Oに対して非対称な形状とすることができる。
即ち、筒状胴部3を非対称な形状としたとき、倒立形状に保持されている容器1の筒状胴部3を押圧して歯磨き剤を排出するとき、歯磨き剤には偏荷重が加わることとなり、大きな荷重が加わる部分が生じるため、筒状胴部3の内面から歯磨き剤の一部が離脱(剥離)し、筒状胴部3の内面と歯磨き剤との間に微小な空隙が形成される。この結果、歯磨き剤の押出に際して、エアが底部5側に流れ易くなり、粘稠な歯磨き剤の排出をより速やかに行うことができる。
このように、筒状胴部3の内面に潤滑液の液滴Aが形成されている本発明の歯磨き剤用容器1は、上記のような形状とすることにより、粘稠なペースト状固形物である歯磨き剤の排出を、よりスムーズに行い、且つ容器1内への歯磨き剤の残存も有効に抑制することができる。
本発明の優れた効果を、次の実験例により説明する。
尚、以下の実施例等で行った各種の特性、物性等の測定方法及び歯磨き剤用容器(ボトル、キャップ)の成形に用いた樹脂等は次の通りである。
1.潤滑液分布量の測定
後述の方法で作製した歯磨き剤用容器(ボトル)を用いて、22℃60%RHの環境下で所定の期間、正立で保管した。所定の期間保管した後のボトルを、底からの高さが1cm、4cm、7cm、10cmの位置で切断し、底からの高さが7〜10cmのものをa、4〜7cmのものをb、1〜4cmのものをc、底〜1cmのものをdとし、4つの部位に分けた。これらの部位に対し、おのおのの内面にある潤滑液の液滴(あるいは液層)を、潤滑液と混和性の溶剤(ヘプタン)10mLで回収し、エバポレーターを用いて濃縮した後、残留物を蒸発皿へ移し取り、潤滑液の重さを求めた。成形直後区における部位aの潤滑液の量を1として、経時によりその量がどのように変化するのかを評価した。経時区で、a〜dにおいて、値が大きくなれば、潤滑液の量が多くなることを示している。
2.容器表面の顕微鏡観察および液滴の分布状態評価
後述の方法で作製した多層容器の胴部から20mm×40mmの試験片を切り出し、試験片の内面側の表面状態をデジタルマイクロスコープ(Leica DVM5000HD、Leica microsystem社製)にて観察し、画像を撮影した。撮影した画像を同デジタルマイクロスコープ搭載の画像解析ソフトで、液滴の分布状態を解析した。解析項目としては、表面に形成された各々の液滴に対し、円相当径(円相当直径)をもとめ、1cmあたりの分布状態(サイズ、密度)を評価した。
3.容器の層構成および筒状胴部の厚み測定
後述の方法で成形した歯磨き剤用容器(ボトル)の底から70mmの位置での筒状胴部の水平断面における層構成を偏光顕微鏡にて観察し、各層の厚みを求めた。断面に対し、0°、30°、60°、90°、120°、150°、180°、210°、240°、270°、300°、330°の位置での構成を観察し、12方向での平均値を容器(ボトル)の層構成比を求めた。また、底から70mm位置において、断面に対し0°、90°、180°、270°での筒状胴部の厚みをマイクロメーターで測定し、4方向の平均値を胴部の厚みとした。さらに、内面樹脂層表面と液拡散防止層との間隔を測定した。
4.液層被覆量の測定
後述の方法で作製した歯磨き剤用容器(ボトル)を用いて、容器内面に形成された液滴(あるいは液層)を、潤滑液と混和性の溶剤(ヘプタン)30mLで回収し、エバポレーターを用いて濃縮した後、残留物を蒸発皿へ移し取り、液層成分の重さを求めた。得られた重さを容器内面の面積で除し、ボトル内面における液層被覆量(g/m)とした。この値が小さい程、容器内面には薄い液層が形成されている。
5.酸素透過性評価
後述の方法で成形した歯磨き剤用容器(ボトル)の酸素透過性を評価するため、ボトルを6本用意した。6本のボトル内に各々蒸留水2mLを入れてボトル内の相対湿度が100%に保持されるようにすると共に、初期酸素濃度が0.06%以下となるようにボトル内雰囲気を窒素置換し、ポリエチレン(内層)/アルミ箔/ポリエステル(外層)からなるシール材でヒートシールして密封し、22℃60%RH、および40℃75%RHで各条件3本ずつ保存した。上記2つの保管条件での保管期間30日における多層ボトル内の酸素濃度をガスクロマトグラフィー(GC−14A、(株)島津製作所製)を用いて測定し、そこから初期酸素濃度を減じた値の平均値を酸素濃度増加とした。酸素濃度増加が小さい程、酸素透過性が小さく、酸素バリア性に優れている。
6.容器内歯磨き剤残量の測定
後述の方法で作製した歯磨き剤用容器(ボトル、キャップ)を準備した。
初めに、ボトルとキャップを合わせた重量(空容器重量)を測定した。
次に、後述する歯磨き剤A、Bのいずれかを90gボトル口部より充填した。充填後、キャップを装着した後、キャップ天面側を下側にし、23℃の環境下にて1日保管した。保管後、キャップを開け、容器の筒状胴部を押し、歯磨き剤を30g取り出して、一旦キャップを閉めて放置した。
その後、キャップを開け、筒状胴部を押して1回4gずつ歯磨き剤を取り出し、キャップを閉め、キャップ天面側を下側にして1時間保管する、といった動作を繰り返し行った。筒状胴部を押し4g取り出せなくなった時の歯磨き剤用容器の重量(A)を測定し記録した。
この後、キャップを下側にし、歯磨き剤用容器のキャップ天面を実験台に10回連続で軽く叩き(タッピング)、再度筒状胴部を押して1回4gずつ歯磨き剤を取り出し、キャップを閉め、キャップ天面側を下側にして実験台上で1時間保管する動作を繰り返し行い、筒状胴部を押し4g取り出せなくなった時の歯磨き剤用容器の重量(B)を測定し、記録した。
上記で測定される各重量から、初期残量及びタッピング残量を測定し、残量評価の目安とした。
初期残量=重量(A)−(空容器重量)
タッピング残量=(B)−(空容器重量)
上記の値が小さいほど、歯磨剤残量は少なく、排出性に優れている。
<歯磨き剤>
歯磨き剤A;
ペースト状固形物、密度(23℃)=1.28g/cm
複素粘度η*(0.1rad/s)=4600Pa・s
tanδ(0.1rad/s)=0.39
歯磨き剤B;
ペースト状固形物、密度(23℃)=1.24g/cm
複素粘度η*(0.1rad/s)=9900Pa・s
tanδ(0.1rad/s)=0.33
上記の密度(23℃)は振動式密度計を用いて測定した。
上述の複素粘度η*、tanδは、レオメーターARES−G2(TA instruments社製)を用いて測定した。測定条件を下記に示す。
ジオメトリー:40mm平行平板
クリアランス:0.7mm
温度:23℃
歪み:5%
角周波数:0.1rad/s
尚、tanδは得られたデータから、損失弾性率G”を貯蔵弾性率G’で除した値である。
<液滴形成用油性液体(潤滑液)>
中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)
表面張力:28.8mN/m(@23℃)
粘度:30mPa・s(@23℃)
沸点:210℃以上
引火点:242℃(参考値)
尚、液体の表面張力は固液界面解析システムDropMaster700(協和界面科学(株)製)を用いて23℃にて測定した値を示した。なお、液体の表面張力測定に必要な液体の密度は、密度比重計DA−130(京都電子工業(株)製)を用いて23℃で測定した値を示した。また、液体の粘度はレオメーター(ARES−G2、TA instruments社製)を用い、ボブ&カップのジオメトリー、シェアレイト=40s−1にて23℃で測定した値を示した。
<内面樹脂層形成用材料>
樹脂1:低密度ポリエチレン(LDPE)
密度:0.922g/cm
臨界表面張力:31mN/m
樹脂2:ランダムポリプロピレン(rPP)
密度:0.900g/cm
臨界表面張力:29mN/m
樹脂3:環状オレフィン系共重合体
臨界表面張力:31mN/m以上
<最外層形成用樹脂>
ポリプロピレン(PP)
密度:0.900g/cm
<接着層形成用樹脂>
無水酸変性ポリエチレン
<中間層形成用樹脂>
エチレン−ビニルアルコール共重合体
密度:1.20g/cm
Tg:60℃
<メイン層形成用樹脂>
ポリプロピレン(PP)
MFR:1.6g/10min(230℃、2.16Kg)
<キャップ用樹脂>
ランダムポリプロピレン(rPP)
MFR=25(230℃、2.16kg)
<実施例1>
40mm押出機Aに最外層形成材料として、ポリプロピレン(PP)、50mm押出機にメイン層形成用樹脂として、ポリプロピレン(PP)を、30mm押出機Aに接着層形成用樹脂として無水酸変性ポリエチレンを、30mm押出機Bに中間層形成用樹脂としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を、30mm押出機Cに内面樹脂層形成用材料として低密度ポリエチレン(LDPE)とランダムポリプロピレン(rPP)と中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)のブレンド物をそれぞれ供給し、温度210℃の多層ダイヘッドより溶融パリソンを押し出し、金型温度22℃にて公知のダイレクトブロー成形法により内容量150mL、重量12gの5種9層の、筒状胴部が容器の中心軸線に対して対称な形状の多層ボトルを作製した。
このボトルの筒状胴部の層構成と容器胴部のトータル厚みは下記の通りである。
層構成(厚み比(%)):
最外層/接着層/中間層/接着層/メイン層/接着層/中間層/接着層/内面樹脂層
=17.6/1.9/3.6/1.9/52.9/1.5/2.0/2.3/16.3
トータル厚み:960μm
また、射出成形機を用い、排出口の内径D1が5.5mm、側断面でみて、軸線方向に対して90度の面が設けられているヒンジキャップを作製した。
これらのボトルとキャップを用い、潤滑液分布量の測定、容器表面の顕微鏡観察および液滴の分布状態評価、液層被覆量の測定、容器内歯磨き剤残量の測定を行った。
潤滑液分布量の測定結果を表1に、液滴の分布状態評価の結果を表2に、液層被覆量の測定および容器内歯磨き剤残量の測定結果を表3に示す。
<比較例1>
40mm押出機Aに最外層形成材料として、ポリプロピレン(PP)、50mm押出機にメイン層層形成用樹脂として、ポリプロピレン(PP)を、30mm押出機Aに接着層形成用樹脂として無水酸変性ポリエチレンを、30mm押出機Bに中間層形成用樹脂としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を、30mm押出機Cに内面樹脂層形成用材料として低密度ポリエチレン(LDPE)と中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)のブレンド物をそれぞれ供給し、温度210℃の多層ダイヘッドより溶融パリソンを押し出し、金型温度22℃にて公知のダイレクトブロー成形法により内容量150mL、重量12gの5種9層の、筒状胴部が容器の中心軸線に対して対称な形状の多層ボトルを作製した。
このボトルの筒状胴部の層構成と容器胴部のトータル厚みは下記の通りである。
層構成(厚み比(%)):
最外層/接着層/中間層/接着層/メイン層/接着層/中間層/接着層/内面樹脂層
=18.2/2.2/3.5/1.5/53.2/1.6/2.0/2.2/15.6
トータル厚み:960μm
また、射出成形機を用い、排出口の内径D1が5.5mm、側断面でみて、軸線方向に対して90度の面が設けられているヒンジキャップを作製した。
これらのボトルとキャップを用い、前述の潤滑液分布量の測定を行った。
潤滑液分布量の測定結果を表1に示す。
表1より、潤滑液の形状が滴状である実施例1では、潤滑液分布量の測定において、部位a〜dの各部位において、60日後も潤滑液が保持出来ていることが分かる。一方、潤滑液の形状が層状である比較例1では、30日後に、部位a〜cの全てで値が小さくなり、潤滑液量が減少していること、および部位dで値が大きくなり、潤滑液量が増加していることが分かる。
すなわち、比較例1では、正立保管30日後、60日後において、胴部a〜cの潤滑液量は低下した分、底部である部位dに液溜まりが形成されてしまうのに対し、実施例1では、正立保管60日後においても底溜まりが有効に抑制され、部位に依らず潤滑液量が保持できていることが理解出来る。
表2より、本発明の歯磨き剤用容器の筒状胴部では、潤滑液が滴状に分布しており、さらに、その液滴(油滴)密度として、円相当径が25μm以上500μm未満のものが1cmあたり5000個以上保持できていることが確認できる。さらに、本発明においては、円相当径が300μm以上500μm未満の極めて大きな油性液体の液滴(油滴)が1cmあたり100個以上も保持出来ていることが分かる。このことは、歯磨き剤を滑らせるための潤滑液の膜厚を大きく設定することができ、本発明の特徴の1つである。
<実施例2>
40mm押出機Aに最外層形成材料として、ポリプロピレン(PP)、50mm押出機にメイン層層形成用樹脂として、ポリプロピレン(PP)を、30mm押出機Aに接着層形成用樹脂として無水酸変性ポリエチレンを、30mm押出機Bに中間層形成用樹脂としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を、30mm押出機Cに内面樹脂層形成用材料として低密度ポリエチレン(LDPE)とランダムポリプロピレン(rPP)と環状オレフィン系共重合体と中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)のブレンド物をそれぞれ供給し、温度210℃の多層ダイヘッドより溶融パリソンを押し出し、金型温度22℃にて公知のダイレクトブロー成形法により内容量100mL、重量9.5gの5種9層の胴部形状が非対称で、底部の内面が曲率面となっている多層ボトルを作製した。
このボトルの筒状胴部の層構成と容器胴部のトータル厚みは下記の通りである。
層構成(厚み比(%)):
最外層/接着層/中間層/接着層/メイン層/接着層/中間層/接着層/内面樹脂層
=17.4/2.7/2.7/2.1/53.1/1.8/3.9/2.1/14.2
トータル厚み:564μm
また、射出成形機を用い、排出口の内径D1が8mm、側断面でみて、軸線方向に対して50度の傾斜面が設けられているヒンジキャップを作製した。
これらのボトルとキャップを用い、液層被覆量の測定、容器内歯磨き剤残量、酸素透過性評価の測定を行った。結果をまとめて表3に示す。
<比較例2>
30mm押出機Cに内面樹脂層形成用材料として低密度ポリエチレンを用いる以外は実施例1と同様に多層ボトルとキャップを作製し、容器内歯磨き剤残量の測定を行った。結果を表3に示す。
<比較例3>
30mm押出機Cに内面樹脂層形成用材料として低密度ポリエチレンを用いる以外は実施例2と同様に多層ボトルとキャップを作製し、容器内歯磨き剤残量の測定を行った。結果を表3に示す。
表3より、容器内面に潤滑液が滴状に存在する実施例1、2は、容器内面に潤滑液が存在しない比較例2、3に比べ、歯磨き剤の残量が大幅に低下しており(比較例では10g以上に対し、実施例では10g未満)、優れた歯磨剤の残量低減効果が発現していることが確認できる。
潤滑液による残量低減効果の確認できた実施例1と2を比べてみると、筒状胴部の形状が容器中心軸線に対し対称であり、かつ排出口首部が軸線方向に対し90°の垂直面を有している実施例1に比べ、筒状胴部の形状が容器中心軸線に対し非対称であり、かつ排出口首部が軸線方向に対し50°の垂直面を有している実施例2が歯磨き材のタッピング残量が低減できており、容器内面に潤滑液を滴状に存在させ、かつ、筒状胴部の形状を容器中心軸線に対し非対称にし、さらに排出口首部を軸線方向に対し50°の傾斜面とすることで、歯磨き剤の残量を極めて小さくできることが分かる。
比較例2と3を参照することで、筒状胴部の形状と排出口首部の形状の効果をみることができるが、潤滑液が存在しない状態では、歯磨剤残量の大幅な低減は確認できなかった。この結果から、歯磨き剤の容器内残量低減のためには、内面に潤滑液を存s在させ、さらに容器形状として、筒状胴部の形状が容器中心軸線に対し非対称であり、かつ排出口首部が軸線方向に対して30〜70度に傾斜した傾斜面を有していることが極めて有効であることが分かる。
さらには、本発明の歯磨き剤用容器では、22℃60%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が0.5%以下となっており、酸素バリア性に優れた歯磨き剤用容器を提供することが可能となったことが分かる。
A:液滴
1:歯磨き剤用容器
3:筒状胴部
3x:筒状胴部の内面
5:底部
7:首部
7a:傾斜面
9:口部
9a:排出口
11:蓋材
11a:天板
11b:スカート部
11c:シールリング
20:内面樹脂層
21:ブリーディング性添加剤の粒子
本発明の歯磨き剤用容器の概略側断面及び筒状胴部の概略平断面構造を示す概念図。 本発明の歯磨き剤用容器の筒状胴部の内面の表面状態を説明するための図。 本発明の歯磨き剤用容器の筒状胴部の内面を形成している内面樹脂層の断面構造を示す図。 ダイレクトブロー成形により得られる本発明の歯磨き剤容器の形態の一例を示す側断面図。 ダイレクトブロー成形により得られる本発明の歯磨き剤容器における筒状胴部の形状の例を示す胴部側面断面図(a)及び胴部平面断面図(b)。
図1の概念図を参照して、本発明の歯磨き剤用容器は、全体として1で示されており、中空の筒状胴部3を有しており、この筒状胴部3の下端は、底部5により閉じられている(図1参照)。この筒状胴部3の平断面は、円形であってもよいが、一般に、偏平した楕円形状を示し、その最大内径はDmax、最小内径はDminで示されている。また、この筒状胴部3の上部は、上方に向かって絞られた形状の首部7が設けられており、この首部7の上端には、内容物である歯磨き剤が排出される排出口9aを有する口部9が形成されている。

Claims (18)

  1. 歯磨き剤が収容される容器であって、下端部が閉じられている筒状胴部を有していると共に、上端に該筒状胴部に比して小径であり且つ蓋材により閉じられる内容物排出口を有している歯磨き剤用容器において、
    前記筒状胴部は、樹脂製内面を有しており、該樹脂製内面上に、歯磨剤に対する滑り性を向上させるための潤滑液による液滴が分布していることを特徴とする、歯磨き剤用容器。
  2. 前記液滴は、円相当径が25〜500μmの大きさを有しており、2000〜10000個/cmの密度で分布している、請求項1記載の歯磨き剤用容器。
  3. 前記液滴のなかでも、円相当径が300〜500μmの大きさを有するものが、100〜200個/cmの密度で分布している、請求項2に記載の歯磨き剤用容器。
  4. 前記樹脂製内面が、オレフィン系樹脂層により形成されており、該オレフィン系樹脂層中に脂肪酸金属塩がブレンドされている、請求項1〜3の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  5. 前記歯磨き剤用容器に充填される歯磨き剤は、密度(23℃)が1.1〜1.6g/cmのペースト状の固形物である、請求項1〜4の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  6. 前記筒状胴部は、内面を形成している前記オレフィン系樹脂層に加え、外面を形成している外面層、及び中間層としてエチレン−ビニルアルコール共重合体層を含んでいる、請求項1〜5の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  7. 歯磨き剤を充填せずに、容器内雰囲気が窒素置換され且つ相対湿度が100%に保持されるように密封された前記歯磨剤用容器についての酸素濃度を測定した時、22℃60%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が0.5%以下、かつ、40℃75%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が2%以下である、請求項1〜6の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  8. 前記筒状胴部の上端部には、前記排出口を備えている首部が、該筒状胴部と一体に形成されているか或いは該筒状胴部に嵌合もしくはヒートシールにより連なっている、請求項1〜7の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  9. 前記首部に形成されている前記排出口の下端部には、側断面でみて、軸線方向に対して30〜70度に傾斜した傾斜面が設けられている、請求項8に記載の歯磨き剤用容器。
  10. 前記排出口の内径D1は、2〜8mmの範囲にある、請求項9に記載の歯磨き剤用容器。
  11. 前記筒状胴部は、長さLと最大内径Dmaxとの比L/Dmaxが1〜4の範囲にある、請求項1〜10の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  12. 前記筒状胴部は、最大内径Dmaxと最小内径Dminとの比Dmax/Dminが1〜3の範囲にある、請求項1〜11の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  13. 前記排出口の閉塞に使用される蓋材は、該容器を倒立保持し得る大きさの水平面を有している、請求項1〜12の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  14. 前記筒状胴部は、少なくとも一部が、容器の中心軸線に対して非対称な形状を有している、請求項8〜13の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  15. 前記筒状胴部の厚みが400〜800μmの範囲にある、請求項8〜14の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  16. 前記排出口の内径D1に対する前記筒状胴部の最大内径Dmaxの比Dmax/D1が4〜30の範囲にある、請求項8〜15の何れかに記載の歯磨き剤容器。
  17. 前記筒状胴部の下端を閉じている底部の内面が曲率面となっている、請求項8〜16の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  18. 請求項13〜17の何れかに記載の歯磨き剤用容器に歯磨き剤が充填され、前記蓋材により前記排出口が閉塞された歯磨き剤製品。
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