JP2020104781A - 自己昇降式台船 - Google Patents

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Abstract

【課題】離底の直後における漂流を抑制することができる自己昇降式台船を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る自己昇降式台船100は、台船本体10と、台船本体10から海底に向かって延び台船本体10を昇降させるためのレグ20と、台船本体10に設けられた推進装置30と、海底に着いたレグ20を海底から離す離底の所定時間前から離底までの期間である離底準備期間に、台船本体10に加わる外乱力に対抗する外乱対抗力を推進装置30から発生させる制御装置50と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、自己昇降式台船に関する。
自己昇降式台船は、海上で作業を行うための船であり、台船本体と、台船本体に設けられたレグとを備えている(特許文献1参照)。レグは台船本体から海底に向かって送り出すことができ、レグの下端が海底に着いた後、さらにレグを送り出すことにより台船本体を持ち上げることができる。台船本体を海面よりも高い位置にまで持ち上げれば、波の影響が軽減して台船本体が安定する。
特開2013−123936号公報
上記の自己昇降式台船において、台船本体から海底に向かってレグを送り出す際には、台船本体を目標位置に保持する定点保持制御が行われる。定点保持制御では、目標位置と台船本体の現在位置の偏差がゼロになるように推進装置を制御する。この定点保持制御を行えば、海底から離れたレグを海底に着ける「着底」を安定して行うことができる。
同様にして、海底に着いたレグを海底から離す「離底」を行う際にも定点保持制御を行うことが考えられる。しかしながら、定点保持制御によって最終的に台船本体が目標位置に保持されるとしても、離底の直後は台船本体に加わる力が急激に変化するため、また、推進装置には機械的な作動遅れが生じるため、台船本体は潮流、風、および波などの外乱によって流されて漂流するおそれがある。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、離底の直後における漂流を抑制することができる自己昇降式台船を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る自己昇降式台船は、台船本体と、前記台船本体から海底に向かって延び前記台船本体を昇降させるためのレグと、前記台船本体に設けられた推進装置と、海底に着いたレグを海底から離す離底の所定時間前から離底までの期間である離底準備期間に、前記台船本体に加わる外乱力に対抗する外乱抗力を前記推進装置から発生させる制御装置と、を備えている。
この構成によれば、離底準備期間に台船本体に加わる外乱力に対抗する外乱対抗力を推進装置から発生させるため、離底の直後における台船本体に加わる力の変化が抑制される結果、台船本体の漂流を抑制することができる。
上記の自己昇降式台船において、前記制御装置は、離底後に、所定の目標位置と前記台船本体の現在位置との差分がゼロとなるように前記推進装置を制御する定点保持制御を行い、前記定点保持制御の開始時には、前記離底準備期間における前記外乱対抗力に対応する制御信号が前記推進装置に初期値として入力されるようにしてもよい。
この構成によれば、離底の後に定点保持制御を行う際、制御開始時に離底準備期間において発生させた外乱対抗力が維持されるため、離底の直後における台船本体の漂流を抑制することができる。
上記の自己昇降式台船において、前記制御装置は、前記離底準備期間に、前記台船本体に加わる外乱力を算出し、算出した外乱力に対応する外乱対抗力を前記推進装置から発生させるようにしてもよい。
この構成によれば、適切な外乱対抗力を推進装置から発生させることができる。
上記の自己昇降式台船において、外乱測定部を備え、前記制御装置は、前記外乱測定部が測定した測定結果に基づいて、前記台船本体に加わる外乱力を算出し、前記外乱測定部は、前記台船本体に対する潮流の相対速度及び相対流れ方向の測定が可能な潮流計、前記台船本体に対する風の相対速度及び相対風向の測定が可能な風向風速計、及び、前記台船本体に対する波の相対速度及び相対進行方向の測定が可能な波高計のうちの少なくとも1つを有する、ようにしてもよい。
この構成によれば、台船本体に加わる外乱力を算出することができ、ひいては推進装置から適切な外乱対抗力を発生させることができる。
上記の自己昇降式台船において、前記台船本体と前記レグの間で発生する水平荷重の測定が可能な荷重計を備え、前記制御装置は、前記荷重計が測定した前記水平荷重に基づいて、前記台船本体に加わる外乱力を算出するようにしてもよい。
この構成によれば、台船本体に加わる外乱力を算出することができ、ひいては推進装置から適切な外乱対抗力を発生させることができる。
上記の自己昇降式台船において、前記レグと海底の間で発生する水平荷重の測定が可能な荷重計を備え、前記制御装置は、前記荷重計が測定した前記水平荷重に基づいて、前記台船本体に加わる外乱力を算出するようにしてもよい。
この構成によれば、台船本体に加わる外乱力を算出することができ、ひいては推進装置から適切な外乱対抗力を発生させることができる。
上記の自己昇降式台船において、前記レグのたわみ量を算出するたわみ量算出部を備え、前記制御装置は、前記たわみ量算出部が算出した前記たわみ量に基づいて、前記台船本体に加わる外乱力を算出するようにしてもよい。
この構成によれば、台船本体に加わる外乱力を算出することができ、ひいては推進装置から適切な外乱対抗力を発生させることができる。
上記の自己昇降式台船において、前記台船本体と前記レグの間で発生する水平荷重の測定が可能な荷重計を備え、前記制御装置は、前記離底準備期間に、前記荷重計が測定した水平荷重がゼロとなるように又は所定の目標水平荷重との差分がゼロとなるように前記外乱対抗力をフィードバック制御するようにしてもよい。
この構成によれば、制御上で何らかの誤差が発生したとしても、フィードバック制御により適切な外乱対抗力に修正することができる。
上記の自己昇降式台船において、前記レグと海底の間で発生する水平荷重の測定が可能な荷重計を備え、前記制御装置は、前記離底準備期間に、前記荷重計が測定した水平荷重がゼロとなるように又は所定の目標水平荷重との差分がゼロとなるように前記外乱対抗力をフィードバック制御するようにしてもよい。
この構成においても、制御上で何らかの誤差が発生したとしても、フィードバック制御により適切な外乱対抗力に修正することができる。
上記の自己昇降式台船において、前記レグのたわみ量を算出するたわみ量算出部を備え、前記制御装置は、前記離底準備期間に、前記たわみ量算出部が算出したたわみ量がゼロとなるように又は所定の目標たわみ量との差分がゼロとなるように前記外乱対抗力をフィードバック制御するようにしてもよい。
この構成においても、制御上で何らかの誤差が発生したとしても、フィードバック制御により適切な外乱対抗力に修正することができる。
上記の構成によれば、離底直後における漂流を抑制することができる自己昇降式台船を提供することができる。
図1は、第1実施形態に係る自己昇降式台船の概略図である。 図2は、離底準備期間における制御系のブロック図である。 図3は、離底後における制御系のブロック図である。 図4は、図3に示す推力算出部の詳細を示した図である。 図5は、第2実施形態の離底準備期間における制御系のブロック図である。 図6は、第2実施形態の変形例の離底準備期間における制御系のブロック図である。 図7は、第3実施形態の離底準備期間における制御系のブロック図である。 図8は、第3実施形態の変形例の離底準備期間における制御系のブロック図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について説明する。はじめに、第1実施形態に係る自己昇降式台船100について説明する。なお、以下で説明する力の概念には、前後方向における大きさ、左右方向における大きさ、及びモーメントが含まれる。
<自己昇降式台船の全体構成>
まず、自己昇降式台船100の全体構成について説明する。図1は、自己昇降式台船100の概略図である。図1に示すように、自己昇降式台船100は、台船本体10と、レグ20と、推進装置30と、を備えている。
台船本体10は、海上で作業を行う際の足場として機能する部分である。本実施形態の台船本体10は、平面視において矩形状の形状を有しているが、台船本体10の形状は、これに限定されない。台船本体10は、航行する際には海に浮かび、足場として機能する際には海面よりも高い位置に位置する。台船本体10が海面よりも高い位置に位置することにより、潮流の影響が軽減されて、台船本体10は安定する。
レグ20は、台船本体10から海底に向かって延びる柱状の部材である。本実施形態に係る自己昇降式台船100は4つのレグ20を備えている(図1では2つのみ図示)。各レグ20は、台船本体10の四隅付近を貫通するようにして台船本体10に設けられている。台船本体10が航行する際には、レグ20の下端を海底から離し、台船本体10が足場として機能する際には、レグ20の下端を海底に着ける。なお、以下では、海底に着いたレグ20の下端を海底から離すことを「離底」という。
レグ20は、台船本体10に対して上下方向に相対移動することができる。レグ20を台船本体10に対して下方に移動させてゆくとレグ20の下端は海底に着く。この状態でさらにレグ20を台船本体10に対して下方に移動させると、台船本体10が持ち上げられる。これとは反対に、台船本体10が海面よりも高い位置にあるときレグ20を台船本体10に対して上方に移動させると、台船本体10が下がって海面に着水する。この状態でさらにレグ20を台船本体10に対して上方に移動させるとレグ20の下端が海底から離れる、つまり離底することになる。
推進装置30は、台船本体10に設けられており、台船本体10を海上で推進させる装置である。本実施形態の推進装置30は、4つの旋回型のスラスタ31を備えている(図1では2つのみ図示)。つまり、4つのスラスタ31から発生する推力の合力が、推進装置30の推力となる。各スラスタ31の旋回角度及び回転速度を操作することによって、台船本体10の前後方向における位置及び速度、左右方向における位置及び速度、並びに、方位及び回頭(旋回)速度を制御することができる。
<離底準備期間における制御系の構成>
次に、自己昇降式台船100の制御系の構成について説明する。本実施形態に係る自己昇降式台船100の制御系の構成は、離底の所定時間前から離底までの期間である離底準備期間と、離底後とで異なる。まず、離底準備期間における制御系の構成について説明する。図2は、離底準備期間における制御系のブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る自己昇降式台船100は、外乱測定部40と、制御装置50と、を備えている。
外乱測定部40は、外乱(潮流、風、波)の台船本体10に対する相対速度等を測定する部分である。本実施形態の外乱測定部40は、潮流計、風向風速計、及び、波高計を有している。ただし、外乱測定部40は、これら計測機器のうち少なくとも1つを有していればよい。潮流計は、台船本体10に対する潮流の相対速度及び相対流れ方向の測定が可能な機器である。風向風速計は、台船本体10に対する風の相対速度及び相対風向の測定が可能な機器である。波高計は、台船本体10に対する波の相対速度及び相対進行方向の測定が可能な機器である。これらの機器は、市販されている公知の機器を使用することができる。外乱測定部40は、測定結果に関する測定信号を制御装置50に送信する。これにより、制御装置50は、各外乱の相対速度等を取得することができる。
制御装置50は、種々の演算を行い、その演算結果に基づいて台船本体10を制御する装置である。制御装置50は、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、及び、I/Oインターフェース等を有している。制御装置50は、機能的な構成として、推力算出部51と、推力配分部52と、を有している。
推力算出部51は、推進装置30から発生させる推力(推力指令値)を算出する部分である。離底準備期間においては、推力算出部51は、外乱力に対抗する外乱対抗力が推進装置30から発生するように、推進装置30の推力を算出する。つまり、推力算出部51では、外乱対抗力を算出し、それを推進装置30の推力とする。
まず、推力算出部51は、台船本体10に加わる外乱力を算出(推定)する。外乱力は、潮流が台船本体10に加える潮流力、風が台船本体10に加える風力、及び、波が台船本体10に加える波漂流力を足し合わせることにより算出することができる。また、潮流力は潮流計が測定した測定結果に基づいて算出することができ、風力は風向風速計が測定した測定結果に基づいて算出することができ、波漂流力は波高計が測定した測定結果に基づいて算出することができる。
例えば、潮流力であれば、台船本体10の前後方向(正面方向)における力の大きさFx、左右方向(側面方向)における力の大きさFy、モーメント(旋回方向における潮流力)Mは、それぞれ下記の式1乃至3で算出することができる。なお、下記の式において、ρは海水密度、Axは水面下正面投影面積、Ayは水面下側面投影面積、Cxは水槽試験等に基づいて導出した前後方向流体力係数、Cyは水槽試験等に基づいて導出した前後方向流体力係数、Cnは水槽試験等に基づいて導出したモーメント係数、Vは台船本体10に対する潮流の相対速度、Loaは台船本体10の全長である。
Figure 2020104781
なお、風力については、ρを空気密度とすれば上記の式1乃至3と同様の式を用いて算出することができる。また、波漂流力についても公知の式を用いて算出することができる。
次に、推力算出部51は、算出した外乱力に基づいて、外乱対抗力を算出する。具体的には、外乱対抗力の各方向における大きさは外乱力の各方向における大きさと同じとし、外乱対抗力の各方向における作用方向は外乱力の各方向における作用方向と反対の方向とする。つまり、外乱対抗力は、外乱力と同じ大きさで作用方向が逆の力である。そして、この外乱対抗力を推進装置30の推力とする。なお、状況に応じて、推力(外乱対抗力)を外乱力に補正を加えた値としてもよい。
推力配分部52は、推力算出部51で算出した推力が推進装置30で発生するように、各スラスタ31に制御信号を送信する部分である。つまり、各スラスタ31から発生する推力の合力が、推力算出部51で算出した推力となるように、各スラスタ31に制御信号を送信する。
推進装置30(各スラスタ31)は、推力配分部52から送信された制御信号に基づいて推力を発生させる。つまり、推進装置30は、外乱力に対抗する外乱対抗力(推力)を発生させる。ただし、実際には推力算出部51が算出した推力(推力指令値)と推進装置30から実際に発生する推力(実推力)が一致しない場合もある。
前述のとおり、本実施形態では、離底準備期間において予め台船本体10に加わる外乱力に対抗する外乱対抗力を推進装置30から発生させるため、離底の直後における台船本体10に加わる力の変化が抑制される。その結果、離底の直後における台船本体10の漂流を抑制することができる。
<離底後における制御系の構成>
続いて、離底後における制御系の構成について説明する。離底後には、いわゆるフィードバック制御による定点保持制御が行われる。図3は、離底後における制御系のブロック図である。図3に示すように、自己昇降式台船100は、台船本体10の現在位置を測定する測位装置41を備えている。測位装置41として、例えばGPSを用いることができる。なお、以下における台船本体10の位置の概念には、前後方向位置、左右方向位置、及び、回頭方向位置(旋回方向位置)が含まれる。
離底後における推力算出部51は、所定の目標位置と測位装置41から取得した台船本体10の現在位置との差分がゼロとなるように推進装置30の推力を算出する。本実施形態では、上記の目標位置は、離底前における台船本体10の位置とする。つまり、推力算出部51は、離底前における台船本体10の位置が離底後も維持できるような推進装置30の推力を算出する。
図4は、離底後における推力算出部51の詳細を示した図である。推力算出部51は、積分部53と、比例部54と、微分部55とを備えており、いわゆるPID制御を行う。積分部53では、目標位置と現在位置の差分eに積分ゲインKiを掛けた値を積分して出力する。比例部54では、差分eに比例ゲインKpを掛けた値を出力する。微分部55では、差分eに微分ゲインKdを掛けた値を微分して出力する。そして、積分部53、比例部54、及び、微分部55から出力された値を全て足した値を推進装置30の推力(推力指令値)として、推力配分部52に出力する。
推力算出部51は、以上のような制御を行うことにより、台船本体10は目標位置に保持される。ただし、離底の前後で推進装置30の制御方法が変わるため、離底の直後は適切な推力が推力算出部51から出力されず、台船本体10が漂流するおそれがある。そこで、本実施形態では、離底後における定点保持制御の開始時に、離底準備期間における推進装置30の推力(外乱対抗力)を積分部53に入力している。これにより、離底の直後の制御方法が切り替わった時点において、離底前の推力又はこれに近い推力が推力算出部51から出力されることになる。つまり、離底準備期間における外乱対抗力に対応する制御信号が初期値として推進装置30に入力される。
推力配分部52は、離底準備期間と同様に、推力算出部51で算出した推進装置30の推力が推進装置30で発生するように、各スラスタ31に制御信号を送信する。上記のとおり、推進装置30は、離底準備期間における外乱対抗力に対応する制御信号を初期値として取得するため、制御開始時に離底準備期間において発生させた外乱対抗力が維持される。これにより、離底の直後における台船本体の漂流を抑制することができる。
なお、台船本体10は、推進装置30により操作されて、台船本体10の現在位置が測位装置41で測定される。そして、測位装置41で測定した台船本体10の現在位置は、推力算出部51に入力される。本実施形態では、このようにして離底後にフィードバック制御による定点保持制御が行われる。なお、本実施形態では、定点保持制御としてPID制御を行う場合について説明したが、定点保持制御としてPID制御以外の制御を用いてもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る自己昇降式台船200について説明する。第2実施形態に係る自己昇降式台船200は、離底準備期間における制御系の構成が第1実施形態に係る自己昇降式台船100と異なる。それ以外の点については、基本的に第1実施形態に係る自己昇降式台船100と同じである。そのため、以下では、第2実施形態に係る自己昇降式台船200の離底準備期間における制御系の構成について説明し、第1実施形態における説明と重複する説明は省略する。
図5は、第2実施形態に係る自己昇降式台船200の離底準備期間における制御系のブロック図である。図5に示すように、本実施形態に係る自己昇降式台船200は、外乱測定部40(図2参照)を備えておらず、これに代えて荷重計42を備えている。
荷重計42は、台船本体10と各レグ20の間に設けられており、これらの間で発生する水平方向の荷重(水平荷重)を測定する機器である。荷重計42は、各レグ20が台船本体10から受ける水平荷重を測定し、測定信号を推力算出部51に出力する。なお、荷重計42は、台船本体10と各レグ20の間の全てに設ける必要はなく、これらのうちの1箇所にのみ設けてもよい。
推力算出部51は、まず、各レグ20が台船本体10から受けた水平荷重に基づいて、台船本体10に加わる外乱力を算出する。具体的には、前後方向における外乱力の大きさは、各レグ20が台船本体10から受けた前後方向における水平荷重の大きさを足し合わせることで算出することができる。また、左右方向における外乱力の大きさは、各レグ20が台船本体10から受けた左右方向における水平荷重の大きさを足し合わせることで算出することができる。さらに、外乱のモーメントは、各レグ20について、台船本体10から受けた水平方向荷重に台船本体10の重心からの距離をかけた値を算出し、その値を足し合わせることで算出することができる。なお、上記の算出方法では、各レグ20が外乱から受けた荷重が考慮されていないが、各レグ20が外乱から受けた荷重が考慮されるような補正を行ってもよい。
推力算出部51は、続いて、算出した外乱力に基づいて、外乱対抗力を算出する。具体的には、外乱対抗力の各方向における大きさは外乱力の各方向における大きさと同じとし、外乱対抗力の各方向における作用方向は外乱力の各方向における作用方向と反対の方向とする。そして、この外乱対抗力を推進装置30の推力(推力指令値)とする。
推力配分部52は、第1実施形態と同様に、推力算出部51で算出した推進装置30の推力が推進装置30で発生するように、各スラスタ31に制御信号を送信する。つまり、各スラスタ31から発生する推力の合力が、推力算出部51で算出した推力(外乱対抗力)となるように、各スラスタ31に制御信号を送信する。これにより、離底準備期間において台船本体10に加わる外乱力に対抗する外乱対抗力が推進装置30から発生する。その結果、離底の直後における台船本体10に加わる力の変化が抑制され、台船本体10の漂流を抑制することができる。
なお、荷重計42は、レグ20と海底の間に設け、これらの間で発生する水平荷重を測定するようにしてもよい。この場合、荷重計42が測定した水平荷重は、台船本体10が外乱から直接受ける力とレグ20を介して受ける力を合わせた力と等しいため、これに基づいて外乱力を算出すれば、推進装置30からより適切な外乱対抗力を発生させることができる。
図6は、第2実施形態の変形例の離底準備期間における制御系のブロック図である。図6に示すように、第2実施形態における荷重計42(図5参照)に代えて、たわみ量算出部43を用いてもよい。たわみ量算出部43は、レグ20のたわみ量を算出する部分である。たわみ量算出部43は、レグ20に設けたひずみゲージであってもよく、高精度の測位装置を利用しても良い。
この場合、推力算出部51は、たわみ量算出部43が算出したたわみ量に基づいて、台船本体10に加わる外乱力を算出する。具体的には、レグ20のたわみ量、レグ20の長さ、レグ20の縦弾性係数、レグ20の断面2次モーメントに基づいて、レグ20が台船本体10から受ける水平荷重を算出する。そして、荷重計42を用いた場合と同じ方法を用いることで、各レグ20が台船本体10から受けた水平荷重に基づいて、台船本体10に加わる外乱力を算出することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る自己昇降式台船300について説明する。第3実施形態に係る自己昇降式台船300は、離底準備期間における制御系の構成が第1実施形態に係る自己昇降式台船100と異なる。それ以外の点については、基本的に第1実施形態に係る自己昇降式台船100と同じである。そのため、以下では、第3実施形態に係る自己昇降式台船300の離底準備期間における制御系の構成について説明し、第1実施形態における説明と重複する説明は省略する。
図7は、第3実施形態に係る自己昇降式台船300の離底準備期間における制御系のブロック図である。第3実施形態に係る自己昇降式台船300は、離底後のみならず、離底準備期間においてもフィードバック制御を行う。ただし、離底後においては台船本体10の位置に基づいてフィードバック制御を行うのに対し、離底準備期間においては台船本体10とレグ20の間に発生する水平荷重に基づいてフィードバック制御を行う。
図7に示すように、本実施形態に係る自己昇降式台船300は、台船本体10とレグ20の間に発生する水平荷重を測定する荷重計42を備えている。そして、推力算出部51は、目標水平荷重と荷重計42から取得した水平荷重(現在水平荷重)との差分がゼロとなるような推進装置30の推力を算出する。なお、本実施形態では目標水平位置をゼロとする。つまり、台船本体10に加わる外乱力と推進装置30が発生する推力(潮力対抗力)が釣り合うようにする。
第1実施形態及び第2実施形態では、推力算出部51が算出した推力と推進装置30が実際に発生した推力で誤差が生じた場合、その誤差が修正されることなく推進装置30は制御される。一方、本実施形態ではフィードバック制御を行っているため、算出した推力(推力指令値)と実推力に誤差が生じたとしたとしても、推力算出部51から出力される実推力が修正される。つまり、本実施形態では、制御上の誤差が発生したとしても、適切な外乱対抗力を発生させることができる。
なお、荷重計42は、台船本体10とレグ20の間ではなく、レグ20と海底の間に設け、これらの間で発生する水平荷重を測定するようにしてもよい。この場合、荷重計42が測定した荷重は、台船本体10が外乱から直接受ける力と台船本体10がレグ20を介して受ける力を合わせた力と等しいため、これに基づいてフィードバック制御を行えば、推進装置30からより適切な推力(外乱対抗力)を発生させることができる。
図8は、第3実施形態の変形例の離底準備期間における制御系のブロック図である。図8に示すように、第3実施形態における荷重計42(図7参照)に代えて、たわみ量算出部43を用いてもよい。
この場合、推力算出部51は、所定の目標たわみ量とたわみ量算出部43から取得したレグ20のたわみ量との差分がゼロとなるような推進装置30の推力を算出する。なお、本実施形態では目標たわみ量をゼロとする。つまり、台船本体10に加わる外乱力と推進装置30が発生する推力(外乱対抗力)が釣り合うような推力(推力指令値)を算出する。なお、以上では、目標水平荷重及び目標たわみ量がゼロである場合について説明したが、目標水平荷重及び目標たわみ量がゼロ以外の値であってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の構成は上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態では、離底後に定点保持制御を行う場合について説明したが、離底後に定点保持制御を行わず航行を始めてもよい。
10 台船本体
20 レグ
30 推進装置
40 外乱測定部
41 測位装置
42 荷重計
43 たわみ量算出部
50 制御装置
51 推力算出部
100、200、300 自己昇降式台船

Claims (10)

  1. 台船本体と、
    前記台船本体から海底に向かって延び前記台船本体を昇降させるためのレグと、
    前記台船本体に設けられた推進装置と、
    海底に着いたレグを海底から離す離底の所定時間前から離底までの期間である離底準備期間に、前記台船本体に加わる外乱力に対抗する外乱対抗力を前記推進装置から発生させる制御装置と、を備えた自己昇降式台船。
  2. 前記制御装置は、離底後に、所定の目標位置と前記台船本体の現在位置との差分がゼロとなるように前記推進装置を制御する定点保持制御を行い、
    前記定点保持制御の開始時には、前記離底準備期間における前記外乱対抗力に対応する制御信号が前記推進装置に初期値として入力される、請求項1に記載の自己昇降式台船。
  3. 前記制御装置は、前記離底準備期間に、前記台船本体に加わる外乱力を算出し、算出した外乱力に対応する外乱対抗力を前記推進装置から発生させる、請求項1又は2に記載の自己昇降式台船。
  4. 外乱測定部を備え、
    前記制御装置は、前記外乱測定部が測定した測定結果に基づいて、前記台船本体に加わる外乱力を算出し、
    前記外乱測定部は、前記台船本体に対する潮流の相対速度及び相対流れ方向の測定が可能な潮流計、前記台船本体に対する風の相対速度及び相対風向の測定が可能な風向風速計、及び、前記台船本体に対する波の相対速度及び相対進行方向の測定が可能な波高計のうちの少なくとも1つを有する、請求項3に記載の自己昇降式台船。
  5. 前記台船本体と前記レグの間で発生する水平荷重の測定が可能な荷重計を備え、
    前記制御装置は、前記荷重計が測定した前記水平荷重に基づいて、前記台船本体に加わる外乱力を算出する、請求項3に記載の自己昇降式台船。
  6. 前記レグと海底の間で発生する水平荷重の測定が可能な荷重計を備え、
    前記制御装置は、前記荷重計が測定した前記水平荷重に基づいて、前記台船本体に加わる外乱力を算出する、請求項3に記載の自己昇降式台船。
  7. 前記レグのたわみ量を算出するたわみ量算出部を備え、
    前記制御装置は、前記たわみ量算出部が算出した前記たわみ量に基づいて、前記台船本体に加わる外乱力を算出する、請求項3に記載の自己昇降式台船。
  8. 前記台船本体と前記レグの間で発生する水平荷重の測定が可能な荷重計を備え、
    前記制御装置は、前記離底準備期間に、前記荷重計が測定した水平荷重がゼロとなるように又は所定の目標水平荷重との差分がゼロとなるように前記外乱対抗力をフィードバック制御する、請求項1又は2に記載の自己昇降式台船。
  9. 前記レグと海底の間で発生する水平荷重の測定が可能な荷重計を備え、
    前記制御装置は、前記離底準備期間に、前記荷重計が測定した水平荷重がゼロとなるように又は所定の目標水平荷重との差分がゼロとなるように前記外乱対抗力をフィードバック制御する、請求項1又は2に記載の自己昇降式台船。
  10. 前記レグのたわみ量を算出するたわみ量算出部を備え、
    前記制御装置は、前記離底準備期間に、前記たわみ量算出部が算出したたわみ量がゼロとなるように又は所定の目標たわみ量との差分がゼロとなるように前記外乱対抗力をフィードバック制御する、請求項1又は2に記載の自己昇降式台船。
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