以下に添付図面を参照して、本発明に係る飲料抽出装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1〜図4は、それぞれ本発明の実施の形態である飲料抽出装置が適用された飲料供給装置を示すものであり、図1は、外観構成を示す斜視図であり、図2は、一部の構成要素を分離させて示す斜視図であり、図3は、一部の構成要素の図示を省略して示す正面図であり、図4は、特徴的な制御系を示すブロック図である。
ここで例示する飲料供給装置1は、例えばコンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店舗に設置されるものであり、装置本体2を備えている。
装置本体2は、本体キャビネット3及び前面扉4を備えて構成してある。本体キャビネット3は、前面に開口(以下、前面開口ともいう)3aを有した略直方状の形態を成すものである。この本体キャビネット3の内部には、飲料供給部10、飲料調理部20、飲料抽出部(飲料抽出装置)30及びファンボックス40が設けてある。
飲料供給部10は、本体キャビネット3の前方下部に設けてあり、ステージ11を有している。ステージ11は、例えばカップ等の容器Cを載置させるものであり、円弧状のストッパ11aが設けてある。かかるステージ11の下部には、図には明示しないが、飲料等の排水を貯留する排水トレイが設置してある。
上記ステージ11の上方にはノズル12が設けてある。ノズル12は、飲料調理部20や飲料抽出部30に接続された状態で、図示せぬ支持部材を介して本体キャビネット3に取り付けてある。
飲料調理部20は、飲料原料である粉末原料と、供給された湯とから飲料を調理するものであり、粉末原料キャニスタ21及びミキシングボウル(撹拌容器)22を備えて構成してある。
粉末原料キャニスタ21は、複数(図示の例では3つ)設けてあり、左右に並ぶよう設置してある。これら粉末原料キャニスタ21は、それぞれ異なる種類の粉末原料を収納するものである。
ミキシングボウル22は、複数(図示の例では3つ)設けてある。そのようなミキシングボウル22は、対応する粉末原料キャニスタ21から投入された粉末原料と、粉末原料キャニスタ21の後方に設置された図示せぬ湯タンクから投入された湯とを撹拌するものである。ここで湯タンクは、供給された水を加熱して湯として貯留するものである。
そのような飲料調理部20では、電気的に接続された制御部50から与えられる指令により、次のように飲料を調理する。
ここで制御部50は、電気的に接続された記憶部51に記憶されたプログラムやデータにしたがって飲料供給装置1の各部の動作を統括的に制御するものである。尚、制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
上記飲料調理部20では、いずれかの粉末原料キャニスタ21から吐出された粉末原料をミキシングボウル22に投入するとともに、湯タンクに貯留された湯をミキシングボウル22に投入する。ミキシングボウル22では、投入された粉末原料と湯とを撹拌して調理し、調理した飲料をノズル12に送出する。ノズル12は、送出された飲料を、ステージ11に載置された容器Cに吐出して供給する。
飲料抽出部30は、飲料原料である例えばコーヒー豆等の抽出原料と、湯タンクから送出される湯とからコーヒー等の飲料を抽出するものであり、図5に示すように、抽出原料キャニスタ31、ミル32及び抽出機構部33とを備えて構成してある。
抽出原料キャニスタ31は、飲料原料である抽出原料を収納するものである。ミル32は、抽出原料キャニスタ31の下方に設置してあり、該抽出原料キャニスタ31から吐出された抽出原料を粉砕するものである。
抽出機構部33は、ミル32の下方に設置してあり、該ミル32から投入された粉砕済みの抽出原料(以下、粉砕後抽出原料ともいう)と、湯タンクから投入された湯から飲料を抽出するものである。かかる抽出機構部33の構成については後述する。
そのような飲料抽出部30では、電気的に接続された制御部50から与えられる指令により、次のように飲料を抽出する。すなわち、ミル32で抽出原料キャニスタ31から吐出された抽出原料を粉砕して、その粉砕後抽出原料を抽出機構部33に投入するとともに、湯タンクに貯留された湯を抽出機構部33に投入する。かかる抽出機構部33で飲料を抽出し、抽出した飲料をノズル12に送出する。ノズル12は、送出された飲料を、ステージ11に載置された容器Cに吐出して供給する。
上記飲料抽出部30の下方には、収容箱55が設置してある。この収容箱55は、飲料抽出部30での飲料の抽出により生じた抽出滓K(図15等参照)を収容するものである。かかる収容箱55は、本体キャビネット3の前面開口3aが後述するように開成された場合に、該前面開口3aを通じて取り出すことが可能なものである。
この収容箱55の設置領域には、図6にも示すように、収容箱センサ(収容箱検知手段)56が設けてある。収容箱センサ56は、収容箱55の有無を検知するものであり、本体キャビネット3の前面開口3aの近傍に設置してある。つまり、収容箱センサ56は、設置領域に設置された収容箱55が前面開口3aを通じて該収容箱55の底面の半分以上が前方に引き出された場合に、収容箱55の無しを検知するものである。かかる収容箱センサ56は、検知結果を、電気的に接続された制御部50に与えるものである。
ファンボックス40は、飲料調理部20と飲料抽出部30との間であって、本体キャビネット3の後方下部に配設してある。このファンボックス40は、略直方状の形態を成しており、排気ファン41を内蔵している。
排気ファン41は、制御部50に電気的に接続してあり、該制御部50から与えられる指令に応じて駆動するものである。またファンボックス40の前面には、図示せぬフィルタ開口が形成してあり、このフィルタ開口を通じてファンフィルタ42が挿脱可能に装着してある。
上記ファンボックス40は、図7に示すように、吸引路構成部材43を通じて飲料調理部20の各ミキシングボウル22に接続してある。吸引路構成部材43は、図8及び図9に示すように、吸引ホース43aと合流ダクト(合流部)43bとを備えており、ファンボックス40とミキシングボウル22とを連通する吸引路を内部に構成するものである。
吸引ホース43aは、一端がファンボックス40に連結され、他端が合流ダクト43bに連結されている。合流ダクト43bは、直方体状の形態を成しており、ダクトベース431とダクトカバー432とを備えている。ダクトベース431は、合流ダクト43bの下部を構成しており、吸引ホース43aに連結される部分である。
ダクトカバー432は、下面が開口した箱状の形態を成し、該下面の開口がダクトベース431に閉塞されることで合流ダクト43bを構成している。かかるダクトカバー432は、図10に示すように、化粧ネジ433を取り外すことにより、ダクトベース431から離脱可能となるもので、該ダクトベース431と着脱可能に連結してある。このダクトカバー432の前面には、各ミキシングボウル22の排気口22aに連通する通過口432aが形成してある。
ところで、上記合流ダクト43bにおいては、該合流ダクト43bの内部における吸引路を閉塞する態様でメッシュ材434が設けてある。メッシュ材434は、例えば板金等の金属製材料から構成されるものである。
このメッシュ材434は、化粧ネジ433を外してダクトカバー432をダクトベース431から離脱させることにより、ダクトベース431から取り外すことができるものであり、合流ダクト43bに対して着脱可能に設置してある。かかるメッシュ材434には、複数の貫通孔434aが形成してある。これら貫通孔434aの径の大きさや間隔等は、各ミキシングボウル22で生じた蒸気を均一に吸引できるように調整されている。
そのようなファンボックス40においては、制御部50から与えられる指令により排気ファン41が駆動することにより、各ミキシングボウル22で生じた蒸気を合流ダクト43bに吸引して合流させ、メッシュ材434の複数の貫通孔434aを通過させてから吸引ホース43aを通過させて吸引し、その後に吸引した蒸気を本体キャビネット3の後面下部に形成された図示せぬ排出部より外部に排出するものである。尚、ここではファンボックス40が吸引路構成部材43を通じて各ミキシングボウル22に接続されていることについて述べたが、かかるファンボックス40は、他の吸引ホースを通じて飲料抽出部30に接続され、排気ファン41の駆動により、飲料抽出部30で生じた蒸気を吸引してもよい。
前面扉4は、本体キャビネット3の前面開口3aを開閉する扉体であり、本体キャビネット3の前方側の左側縁部において、軸支部4aにより上下方向に沿って延在する軸部の中心軸回りに揺動可能に設けてある。
この前面扉4は、表示部61、開口部62及び開閉扉63を有している。表示部61は、例えば液晶タッチパネルにより構成されており、電気的に接続される制御部50からの指令に基づき各種情報を表示するとともに、タッチ操作等の入力操作が可能である。この表示部61は、タッチ操作等の入力操作が行われた場合、所定の信号を制御部50に与えるものである。
開口部62は、表示部61の下方側に設けられており、飲料供給部10を前方に向けて露出させるものである。開閉扉63は、例えば透明な樹脂等の透光性材料により構成されるものであり、開口部62を覆うのに十分な大きさを有している。この開閉扉63は、左側端部が前面扉4に軸支されており、前後方向に沿って揺動可能なものである。つまり開閉扉63は、飲料供給部10に対して近接離反する態様で前後方向に沿って揺動可能であり、飲料供給部10に近接する態様で後方に揺動する場合に開口部62を閉成させることが可能であり、飲料供給部10から離隔する態様で前方に揺動する場合に開口部62を開成させることが可能である。
図11は、図5に示した飲料抽出部30を構成する抽出機構部33の構成を縦断面で示す説明図である。図12は、図11に示した抽出機構部33を模式的に示す説明図である。
ここで例示する抽出機構部33は、シリンダ331と、フィルタブロック332、シリンダヘッド333及びスクレーパ334とを備えて構成してある。
シリンダ331は、円筒状を成す抽出容器であり、シリンダ支持部材335により支持されて設けてある。フィルタブロック332は、シリンダ331の下方に配置してある。このフィルタブロック332は、複数の抽出孔336aが形成された円板状の金属製のメッシュ部材336を備えている。かかるフィルタブロック332は、アクチュエータであるフィルタブロック駆動機構341が制御部50から与えられる指令により駆動することで、シリンダ331に対し近接離反する態様で上下に移動するものである。そして、フィルタブロック332は、最も上方に移動した場合に、シリンダ331の下面開口331aを閉塞するものである。
またフィルタブロック332には、抽出経路337が接続してある。抽出経路337は、フィルタブロック332を通過した飲料をノズル12に供給するための経路である。この抽出経路337には、抽出バルブ337aが設けてある。抽出バルブ337aは、制御部50から与えられる指令に応じて開閉する弁体であり、開成する場合に抽出経路337を飲料等の流体が通過することを許容する一方、閉成する場合に抽出経路337を流体が通過することを規制するものである。
シリンダヘッド333は、シリンダ331の上方に配置してある。このシリンダヘッド333は、第1投入孔333a、第2投入孔333b及びエア供給孔333cが形成してある。第1投入孔333aは、ミル32で粉砕された抽出原料を通過させるもので、シリンダ331に粉砕後抽出原料を投入させるためのものである。第2投入孔333bは、湯タンクからの湯を通過させるもので、シリンダ331に湯を投入させるためのものである。エア供給孔333cは、エア供給経路338より供給された加圧空気を通過させるもので、シリンダ331に加圧空気を供給させるためのものである。
そのようなシリンダヘッド333は、アクチュエータであるシリンダヘッド駆動機構342が制御部50から与えられる指令により駆動することで、シリンダ331に対し近接離反する態様で前後に移動するものである。より詳細に説明すると、シリンダヘッド333は、図11及び図12に示すように、最も後方に配置される場合には、シリンダ331から最も離隔しており、シリンダ331の上面開口331bの上方には、第1投入孔333a及び第2投入孔333bが位置している。そして、詳細は後述するが、最も前方に配置される場合には、シリンダ331に最も近接しており、該シリンダ331の上面開口331bを閉塞している。この場合、上面開口331bには、第2投入孔333b及びエア供給孔333cが臨んでいる。
スクレーパ334は、スクレーパ本体334aとスクレーパ作用部334bとを備えて構成してある。スクレーパ本体334aは、矩形枠状に形成されており、上下に貫通する矩形状の通過孔334cが形成してある。この通過孔334cは、上記フィルタブロック332の通過を許容する大きさを有している。スクレーパ作用部334bは、例えばゴム等の樹脂材料から構成してあり、スクレーパ本体334aの前端部より下方に突出する態様で設けてある。
そのようなスクレーパ334は、アクチュエータであるスクレーパ駆動機構343が制御部50から与えられる指令により駆動することで、前後方向に沿って移動するものである。より詳細には、スクレーパ334は、スクレーパ作用部334bがフィルタブロック332よりも後方となる後端位置(第1位置)と、スクレーパ作用部334bがフィルタブロック332よりも前方となる前端位置(第2位置)との間で、前後方向に沿って移動可能に設置してある。そして、スクレーパ334は、後端位置と前端位置との一方から他方へ移動することにより、最も下方に移動したフィルタブロック332のメッシュ部材336の上面をスクレーパ作用部334bの先端が摺接することが可能であり、メッシュ部材336に載置された抽出滓Kを除去するものである。
上記スクレーパ334の位置(後端位置及び前端位置)を検知するための後端検知センサ344及び前端検知センサ345が設けてある。後端検知センサ344は、スクレーパ334が後端位置に配置されたか否かを検知するもので、スクレーパ334が後端位置に配置されたことを検知した場合に、検知信号を制御部50に与えるものである。前端検知センサ345は、スクレーパ334が前端位置に配置されたか否かを検知するもので、スクレーパ334が前端位置に配置されたことを検知した場合に、検知信号を制御部50に与えるものである。
このように後端検知センサ344及び前端検知センサ345を備えているので、スクレーパ334の移動の開始位置は、飲料の抽出毎に後端位置と前端位置とのいずれかに設定可能である。本実施の形態では、開始位置は、飲料の抽出毎に後端位置と前端位置との交互に設定されているものとする。
尚、上述した抽出機構部33においては、フィルタブロック駆動機構341、シリンダヘッド駆動機構342及びスクレーパ駆動機構343が個別に設けられているものとして説明したが、本発明においては、フィルタブロック駆動機構341、シリンダヘッド駆動機構342及びスクレーパ駆動機構343は、必ずしも個別に設けられている必要はなく、連係ギア等を介在させることによりいずれかが共通化されていても構わない。
次に、上記抽出機構部33(飲料抽出部30)による飲料の抽出動作について説明する。前提として、フィルタブロック332は最も下方に移動しており、シリンダヘッド333は、最も後方に配置され、スクレーパ334が後端位置に配置されているものとする。
飲料供給部10のステージ11に容器Cが載置されて表示部61がタッチ操作されることにより、制御部50は、フィルタブロック駆動機構341に駆動指令を与えて該フィルタブロック駆動機構341を駆動させ、図13に示すように、フィルタブロック332を上方に移動させてシリンダ331の下面開口331aを閉塞させる。その後、制御部50は、第1投入孔333aを通じて粉砕後抽出原料をシリンダ331の内部に投入させるとともに、第2投入孔333bを通じて湯をシリンダ331の内部に投入させる。
制御部50は、シリンダ331の内部に粉砕後抽出原料及び湯が投入されたら、フィルタブロック332に接続された図示せぬ撹拌エア供給経路よりシリンダ331の内部に撹拌エアを所定時間供給し、粉砕後抽出原料と湯とを撹拌させる。
撹拌エアの供給終了後、制御部50は、シリンダヘッド駆動機構342を駆動させてシリンダヘッド333を前方に移動させ、図14に示すように、最も前方に配置させることでシリンダ331の上面開口331bを閉塞する。そして、制御部50は、エア供給孔333cを通じてシリンダ331に加圧空気を供給するとともに抽出バルブ337aを開成させて、飲料を抽出し、抽出経路337を通じて飲料をノズル12に送出する。これにより、ノズル12から飲料が吐出されて容器Cに供給される。
飲料の抽出後、制御部50は、抽出バルブ337aを閉成させてからフィルタブロック駆動機構341を駆動させてフィルタブロック332を下方に移動させつつ、シリンダヘッド駆動機構342を駆動させてシリンダヘッド333を後方に移動させる。これにより飲料の抽出により生じた抽出滓Kがフィルタブロック332のメッシュ部材336の上面に載置される。
フィルタブロック332が最も下方に移動した後、制御部50は、図15に示すように、スクレーパ駆動機構343を駆動させてスクレーパ334を後端位置から前端位置に移動させる。これにより、スクレーパ作用部334bがメッシュ部材336の上面に摺接することで、該メッシュ部材336の上面に載置された抽出滓Kを掻き取り、図16に示すように、収容箱55に放出することができる。
そして、前端検知センサ345がスクレーパ334が前端位置に配置されたことを検知した場合に、制御部50は、スクレーパ駆動機構343を駆動停止にさせてスクレーパ334を前端位置に配置させる。
その後、飲料供給部10のステージ11に別の容器Cが載置されて表示部61がタッチ操作されることにより、制御部50は、フィルタブロック駆動機構341に駆動指令を与えて該フィルタブロック駆動機構341を駆動させ、図17に示すように、フィルタブロック332を上方に移動させてシリンダ331の下面開口331aを閉塞させる。その後、制御部50は、第1投入孔333aを通じて粉砕後抽出原料をシリンダ331の内部に投入させるとともに、第2投入孔333bを通じて湯をシリンダ331の内部に投入させる。
制御部50は、シリンダ331の内部に粉砕後抽出原料及び湯が投入されたら、撹拌エア供給経路よりシリンダ331の内部に撹拌エアを所定時間供給し、粉砕後抽出原料と湯とを撹拌させる。
撹拌エアの供給終了後、制御部50は、シリンダヘッド駆動機構342を駆動させてシリンダヘッド333を前方に移動させ、図18に示すように、最も前方に配置させることでシリンダ331の上面開口331bを閉塞する。そして、制御部50は、エア供給孔333cを通じてシリンダ331に加圧空気を供給するとともに抽出バルブ337aを開成させて、飲料を抽出し、抽出経路337を通じて飲料をノズル12に送出する。これにより、ノズル12から飲料が吐出されて容器Cに供給される。
飲料の抽出後、制御部50は、抽出バルブ337aを閉成させてからフィルタブロック駆動機構341を駆動させてフィルタブロック332を下方に移動させつつ、シリンダヘッド駆動機構342を駆動させてシリンダヘッド333を後方に移動させる。これにより飲料の抽出により生じた抽出滓Kがフィルタブロック332のメッシュ部材336の上面に載置される。
フィルタブロック332が最も下方に移動した後、制御部50は、図19に示すように、スクレーパ駆動機構343を駆動させてスクレーパ334を前端位置から後端位置に移動させる。これにより、スクレーパ作用部334bがメッシュ部材336の上面に摺接することで、該メッシュ部材336の上面に載置された抽出滓Kを掻き取り、図20に示すように、収容箱55に放出することができる。
そして、後端検知センサ344がスクレーパ334が後端位置に配置されたことを検知した場合に、制御部50は、スクレーパ駆動機構343を駆動停止にさせてスクレーパ334を後端位置に配置させる。
次に、所定のタイミング(飲料の抽出回数が所定回数に達したタイミングや、所定時間毎のタイミング)で、湯を洗浄湯として抽出機構部33のシリンダ331等を洗浄するリンス処理について説明する。
制御部50は、フィルタブロック駆動機構341に駆動指令を与えて該フィルタブロック駆動機構341を駆動させ、フィルタブロック332を上方に移動させてシリンダ331の下面開口331aを閉塞させる。その後、制御部50は、シリンダヘッド駆動機構342に駆動指令を与えてシリンダヘッド333を前方に移動させ、図21に示すように、第2投入孔333b及びエア供給孔333cが上面開口331bの上方に位置するよう、シリンダヘッド333を上面開口331bから僅かに離隔した位置に配置させる。
そして、制御部50は、第2投入孔333bを通じて湯を洗浄湯としてシリンダ331の内部に投入させる。制御部50は、第2投入孔333bより投入する洗浄湯を、図22に示すように上面開口331bから溢れさせる。
その後、制御部50は、洗浄湯の投入を停止させて、抽出バルブ337aを開成させて、抽出経路337に洗浄湯を通過させる。制御部50は、シリンダ331の内部の洗浄湯の水位がシリンダ331の上下方向の中間レベルに達した場合に、すなわちシリンダ331の内部の洗浄湯残量が半分以下となった場合に、抽出バルブ337aを閉成させて、図23に示すように、フィルタブロック駆動機構341に駆動指令を与えて該フィルタブロック駆動機構341を駆動させ、フィルタブロック332を下方に移動させてリンス処理を終了する。
ところで、上述したように飲料の抽出による飲料の供給回数が予め決められた回数行われると、飲料供給装置1は、収容箱55が抽出滓Kで満杯になったものと判断して、表示部61に表示、あるいはブザー音等により店舗の従業員に報知する。これにより、従業員等の作業者は、前面扉4を開く方向に揺動させて前面開口3aを開成させ、収容箱55の抽出滓Kの廃棄作業を行う。この場合に、制御部50は、次のような収容箱取出処理を実施する。
図24は、図4に示した制御部50が実施する収容箱取出処理の処理内容を示すフローチャートである。
この収容箱取出処理において制御部50は、収容箱センサ56が収容箱55の無し検知をしたか否か、すなわち収容箱55の無し検知が有るか否かを判断する(ステップS101)。収容箱55の無し検知が有る場合(ステップS101:Yes)、すなわち収容箱55が少なくとも底面の半分以上が前方に引き出された場合、制御部50は、内蔵する時間計測部により予め設定された設定時間(例えば5〜10分間)の計測を開始し(ステップS102)、設定時間の経過待ちとなる(ステップS103)。一方、収容箱55の無し検知が無い場合(ステップS101:No)、制御部50は、ステップS101の処理を繰り返す。
設定時間が経過した場合(ステップS103:Yes)、制御部50は、設定時間の計測を終了して(ステップS104)、収容箱55の満杯検知のリセット操作を有効化させ(ステップS105)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
ここで収容箱55の満杯検知のリセット操作としては、表示部61に対するタッチ操作や、装置本体2に設けられたリセットボタンの押下操作等が挙げられ、リセット操作の有効化としては、リセット操作により飲料の抽出による供給回数を零にすることである。
以上説明したように、本発明の飲料供給装置1や飲料抽出部30では、次のような作用効果を奏する。
上記飲料供給装置1においては、吸引路構成部材43を構成する合流ダクト43bに、各ミキシングボウル22とファンボックス40とを連通する吸引路を閉塞する態様で複数の貫通孔434aが形成されたメッシュ材434を設置したので、排気ファン41の駆動により、各ミキシングボウル22で生じた蒸気がメッシュ材434に当接して一部が貫通孔434aを通過することになる。これにより、蒸気に微粉として含まれる粉末原料をメッシュ材434の貫通孔434a以外の部分に付着させることができ、該貫通孔434aを追加した蒸気に含まれる粉末原料の割合を低減させることができるとともに、該蒸気の湿度も低下させることができる。よって、メッシュ材434の下流側となる吸引ホース43aの吸引路の壁面に付着する粉末原料の量を低減させるとともに、ファンフィルタ42に付着する粉末原料の量を低減させることができる。
従って、本実施の形態である飲料供給装置1によれば、粉末原料の除去等のメンテナンス作業を低減させて作業者の負担を軽減させることができる。
しかも、メッシュ材434が合流ダクト43bに対して着脱可能に設置してあるので、容易にメッシュ材434の清掃等の作業を行うことができる。特に、メッシュ材434が金属製材料から構成されているので、高温の蒸気等に接触しても変形等する虞れがない。
またメッシュ材434に形成された貫通孔434aの径の大きさや間隔等は、各ミキシングボウル22で生じた蒸気を均一に吸引できるように調整されているので、排気ファン41の駆動により、各ミキシングボウル22で発生した蒸気を偏りなく均一に排出することができる。
また、上記飲料供給装置1においては、収容箱55の有無を検知する収容箱センサ56が本体キャビネット3の前面開口3aの近傍に設置してあるので、収容箱55が前面開口3aから前方に十分に引き出されないと収容箱55の無し検知がされない。
従って、本実施の形態である飲料供給装置1によれば、抽出滓Kの廃棄作業を確実に行わせることができる。
更に、制御部50が、収容箱センサ56による収容箱55の無し検知が予め設定された設定時間継続して行われた場合に、収容箱55の満杯検知のリセット操作を有効化させるので、抽出滓Kの廃棄作業をより確実に行わせることができる。
上記飲料抽出部30においては、スクレーパ334の移動の開始位置が飲料の抽出毎に後端位置と前端位置とのいずれかに設定されるので、収容箱55の形状等に応じて開始位置をフレキシブルに設定することができ、収容箱55に抽出滓Kが偏って収容される虞れがない。
従って、本実施の形態である飲料抽出部(飲料抽出装置)30によれば、収容箱55に抽出滓Kを偏りなく堆積させて、抽出滓Kの廃棄作業の低減化を図ることができる。
上記飲料抽出部30においては、制御部50が、シリンダ331を洗浄するリンス処理を行う場合に、フィルタブロック332を上方に移動させて該フィルタブロック332で下面開口331aを閉塞させてから該シリンダ331に湯を洗浄湯として投入して上面開口331bから溢れさせ、その後にメッシュ部材336を通じてシリンダ331の内部の洗浄湯の一部を吸引し、更にフィルタブロック332をシリンダ331から離隔させるので、シリンダ331の上面開口331b近傍の内表面だけでなく、外表面も洗浄湯で洗浄することができ、しかもシリンダ331に貯留された洗浄湯でフィルタブロック332のメッシュ部材336の周縁部も洗浄することができる。
従って、本発明の実施の形態である飲料抽出部(飲料抽出装置)30によれば、シリンダ331等を良好に洗浄することができる。
しかも、制御部50は、リンス処理を行う際に、シリンダヘッド333を上面開口331bから離隔させて該上面開口331bから溢れた洗浄湯で該シリンダヘッド333を洗浄させるので、シリンダヘッド333も良好に洗浄することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態では、メッシュ材434が合流ダクト43bに設置してあるが、本発明においては、メッシュ材が吸引路を閉塞する態様で設置されていれば、その設置個所は特に限定されない。
上述した実施の形態では、スクレーパ334の移動の開始位置が、飲料の抽出毎に後端位置と前端位置との交互に設定されていたが、本発明では次のように変更することができる。例えば、スクレーパの移動の開始位置を2回連続して後端位置とし、その後に前端位置としてもよい。つまり、抽出毎の開始位置を2回連続して後端位置として、抽出後に抽出滓を収容箱の前側に放出してから、次の抽出の開始位置を1度だけ前端位置として、抽出後に抽出滓を収容箱の後側に放出してもよい。このようなスクレーパの移動の開始位置は、収容箱の形状等に応じて設定してもよいし、抽出する飲料の種類に応じて予め割り付けたものを設定するようにしてもよい。