JP2020082875A - 車両の歩行者保護装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の下方への歩行者の下脚部の潜り込みを防止する。【解決手段】バンパービーム11は、車体フレーム3の前方に配置されて車幅方向に延び、車体フレーム3に対して固定される。バンパ13は、車両1の前端下部で車幅方向に延びる。傾動部材14は、バンパービーム11の前下端縁部15の高さ位置よりも上方の上部領域14aと、バンパービーム11の前下端縁部15の高さ位置よりも下方の下部領域14bとを有し、バンパ13の後方に配置されて前上方から後下方へ向かって延びる。歩行者との衝突時にバンパ13が後方へ押圧されると、バンパ13が傾動部材14の上部領域14aを後方へ押圧する。傾動部材14の上部領域14aがバンパービーム11の前下端縁部15を軸として後方へ傾動すると、それに伴って傾動部材14の下部領域14bがバンパービーム11の前下端縁部15を軸として前方へ傾動する。【選択図】図3
Description
本開示は、車両の歩行者保護装置に関する。
特許文献1には、衝突時に人体脚部がバンパ本体の下方へ入り込むのを抑制するバンパ構造が記載されている。バンパは、一般的にPP又はポリウレタンから形成され、断面略C字状のバンパ本体と、バンパ本体の下部にバンパ本体と一体に形成された板状のスカート部とから構成されている。そして硬質発泡ウレタンから形成されたエネルギー吸収部材を介在させた状態で、バンパ本体とレインホースメントとが間接的に当接している。フロントアンダープロテクタの壁部は、バンパのスカート部の裏面と対向している。フロントアンダープロテクタの壁部のスカート部に対向する表面には、スカート部の軟質感を発現させるためのクッション部が貼着され、スカート部の裏面に当接している。人体脚部とバンパ本体とがある程度以上の衝撃力で衝突し、その衝撃によりエネルギー吸収部材が潰れてバンパ本体がレインホースメントに近接する方向へ移動すると、クッションの弾性変形によりスカート部はある程度移動するものの、フロントアンダープロテクタの存在によりそれ以上の移動が規制される。これにより、バンパのスカート部の後方への変位量をバンパ本体の変位量よりも小さく抑え、脚部の動的曲げ角度を小さく抑えて靭帯裂離などの障害の発生を抑制している。
特許文献1に記載のバンパ構造では、人体脚部とバンパ本体との衝突時に、フロントアンダープロテクタ及びクッションによってバンパのスカート部の後方への移動を抑え、歩行者の脚部を保護している。しかし、バンパの形状は車両によって様々であり、例えば、衝突前の通常の状態においてバンパのスカート部がバンパ本体に対して比較的後方に位置する場合には、歩行者との衝突時にバンパのスカート部の後方への移動を抑えたとしても、車両の下方への歩行者の下脚部の潜り込みを防止することが難しいので、歩行者の脚部の折れ曲がりを抑制することができない可能性がある。
そこで、本開示は、車両の下方への歩行者の下脚部の潜り込みを防止することが可能な車両の歩行者保護装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様の車両の歩行者保護装置は、バンパと内部部材と後方支持部材とを備える。バンパは、車両の前端下部で車幅方向に延びる。内部部材は、バンパの後方に配置されて前上方から後下方へ向かって延びる。後方支持部材は、内部部材の後方、且つ内部部材の上端と下端との間の所定の高さ位置に配置される支持部を有し、車体側に固定的に設けられる。後方支持部材の支持部は、バンパが後方へ向かって押圧されて内部部材を後方へ押圧すると、上記所定の高さ位置で内部部材を後方から支持する。内部部材が後方支持部材の支持部に後方から支持された状態で内部部材のうち上記所定の高さ位置よりも上方の上部領域が後方へ押圧されると、後方支持部材の支持部を軸として上記上部領域が後方へ傾動するとともに、内部部材のうち上記所定の高さ位置よりも下方の下部領域が前方へ傾動する。
上記構成では、バンパが後方へ向かって押圧されて内部部材を後方へ押圧すると、後方支持部材の支持部が上記所定の高さ位置で内部部材を後方から支持し、内部部材が後方支持部材の支持部に後方から支持された状態で内部部材のうち上記所定の高さ位置よりも上方の上部領域が後方へ押圧されると、後方支持部材の支持部を軸として上部領域が後方へ傾動するとともに、内部部材のうち上記所定の高さ位置よりも下方の下部領域が前方へ傾動する。このため、車両と歩行者との衝突時に内部部材の下部領域を前方へ傾動させることができるので、前方へ移動した際の内部部材の下部領域の前後位置が所望の位置(例えば、バンパと略同じ前後位置)となるように内部部材の形状を適切に設定することによって、車両と歩行者との衝突時に車両の下方への歩行者の下脚部(歩行者の脚部のうちバンパに当接する部分よりも下方の脚部)の潜り込みを防止することができ、歩行者の脚部の折れ曲がりを抑制することができる。
また、バンパの後方に内部部材を配置し、内部部材の後方に後方支持部材を配置し、歩行者との衝突時にバンパの後方への移動を利用して内部部材を傾動させて、車両の下方への歩行者の下脚部の潜り込みを防止する。このため、例えば、車両の前方の歩行者を検出するカメラやレーダ等のセンサを設け、当該センサが検出した情報に基づいてアクチュエータを制御して潜り込み防止部材をバンパの下方へ移動する場合とは異なり、簡易な構造で車両の下方への歩行者の下脚部の潜り込みを防止することができる。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の車両の歩行者保護装置であって、内部部材が、バンパよりも高い剛性を有する。
上記構成では、内部部材は、バンパよりも高い剛性を有するので、内部部材を前方又は下方から覆うようにバンパを設けても、歩行者との衝突時にバンパを変形させながら内部部材の下部領域を前方へ傾動させることができる。このため、内部部材をバンパによって前方又は下方から覆い隠すことができ、車両の前端下部の外観上の見栄えの低下を抑えることができる。
本発明の第3の態様は、上記第1の態様または上記第2の態様の車両の歩行者保護装置であって、内部部材が、後方支持部材に支持される。
上記構成では、内部部材は、車体側に固定的に設けられる後方支持部材に支持されるので、バンパ側に支持される場合とは異なり、車両の走行時等のバンパの振動に伴った内部部材の振動を防止することができる。
本発明の第4の態様は、上記第3の態様の車両の歩行者保護装置であって、内部部材は、上記所定の高さ位置で車幅方向に延びる回転軸を中心として後方支持部材の支持部に傾動自在に支持される。
上記構成では、内部部材は、上記所定の高さ位置で車幅方向に延びる回転軸を中心として後方支持部材の支持部に傾動自在に支持されるので、歩行者との衝突時の内部部材の傾動軌跡を想定し易く、前方へ移動した際の内部部材の下部領域の前後位置が所望の位置となるように内部部材の形状等を設定し易い。
本発明の第5の態様は、上記第1の態様〜上記第4の態様のいずれかの車両の歩行者保護装置であって、後方支持部材は、車体側に支持されて車幅方向に延びるビームである。
上記構成では、後方支持部材が、車体側に支持されて車幅方向に延びるビームであるので、例えば、バンパの後方のバンパービームや車体フレームのファーストクロスメンバ(ビーム)等を後方支持部材として機能させることができる。このため、内部部材を後方から支持するための専用の後方支持部材を設ける必要がないので、部品点数の増加を抑えることができる。
本発明の第6の態様は、上記第1の態様〜上記第5の態様のいずれかの車両の歩行者保護装置であって、エネルギー吸収部材を備える。エネルギー吸収部材は、内部部材の上部領域の後方に配置される。後方支持部材は、エネルギー吸収部材を後方から支持する前面部を有する。エネルギー吸収部材は、内部部材の上部領域が後方へ押圧された際に内部部材の上部領域と後方支持部材の前面部との間で圧縮されて変形する。
上記構成では、内部部材の上部領域が後方へ押圧された際にエネルギー吸収部材が内部部材の上部領域と後方支持部材の前面部との間で圧縮されて変形するので、係るエネルギー吸収部材の変形によって車両と歩行者との衝突時に歩行者が受ける衝撃を緩衝することができる。
本開示によれば、車両の下方への歩行者の下脚部の潜り込みを防止することができる。
以下、本発明の第1実施形態に係る歩行者保護装置10を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、図3及び図4の一点鎖線は、歩行者の脚部を示す。また、以下の説明において、前後方向は車両の前後方向を意味し、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1に示すように、本実施形態に係る歩行者保護装置10を適用する車両1は、例えば、キャブ2が車体フレーム3に弾性支持されるフレーム付車両である。車体フレーム3は、車幅方向の両側で前後方向に延びる左右1対のサイドメンバ4(図1には、左側のサイドメンバ4のみを図示している。)と、車幅方向に延びて左右のサイドメンバ4同士を連結する複数のクロスメンバ5(図2参照)とを有するはしご形フレーム(ラダーフレーム)である。
図1〜図3に示すように、歩行者保護装置10は、バンパービーム(後方支持部材)11と、エネルギー吸収部材12と、バンパ13と、複数(本実施形態では7枚)の傾動部材(内部部材)14とを備える。
バンパービーム11は、車幅方向に延びる剛性が高い金属製の棒状のビームであって、車体フレーム3の前端部のクロスメンバ5の前方に配置されて車体フレーム3に対して固定される。
エネルギー吸収部材12は、金属製の薄板によってボックス状に形成されてバンパービーム11の前面部11aに固定されて車幅方向に延びる。エネルギー吸収部材12の剛性は、バンパービーム11の剛性よりも低い。エネルギー吸収部材12は、バンパービーム11の前面部11aに後方から支持され、車両1の前面部に衝突物(歩行者等)が衝突した際に、衝突物によって前方から押圧されて変形して衝突エネルギーを吸収する。エネルギー吸収部材12の下面部は、後述する傾動部材14に沿うようにバンパービーム11の前下端縁部(支持部)15から前上方へ向かって傾斜している。なお、本実施形態では、エネルギー吸収部材12を、金属製の薄板によって形成したが、エネルギー吸収部材12の材料はこれに限定されるものではない。例えば、エネルギー吸収部材12を樹脂や発泡材などの材料で形成してもよい。
バンパ13は、樹脂製の板状部材によって形成され、車両1の前端下部に配置されてバンパービーム11及びエネルギー吸収部材12の前方で車幅方向に延び、キャブ2に対して固定される。バンパ13は、エネルギー吸収部材12の前方で前後方向と交叉するバンパ前板部13aと、バンパ前板部13aの下端から後下方へ延びるバンパ下板部13bとを有する。バンパ前板部13aは、エネルギー吸収部材12から前方へ離間した位置に配置され、バンパービーム11及びエネルギー吸収部材12を前方から覆う状態で、キャブ2に対して固定される。バンパ下板部13bは、バンパ前板部13aと一体成形され、複数の傾動部材14、エネルギー吸収部材12、バンパービーム11、及び車体フレーム3の前端部から下方へ離間した位置に配置され、複数の傾動部材14、エネルギー吸収部材12、バンパービーム11、及び車体フレーム3の前端部を下方から覆う。バンパ下板部13bの後端は、バンパービーム11よりも後方に配置される。バンパ下板部13bの後方にはアンダーカバー16が設けられる。
アンダーカバー16は、車両1の前端下部に配置されて車両1の前端部を下方から覆って保護するカバーであって、金属製の板状部材によって形成され、車体フレーム3に対して固定される。アンダーカバー16は、バンパ下板部13bの後方から後下方へ延び、バンパ13の後方の空間17を下方から覆う。バンパ13の後方の空間17には、複数の傾動部材14、エネルギー吸収部材12、バンパービーム11、及び車体フレーム3の前端部等が配置される。アンダーカバー16は、車両1のアプローチアングルを構成する線(本実施形態では、バンパ13の下端と車両1の前タイヤ6の外周との接線7(図1参照))よりも上方に配置される。なお、本実施形態では、アンダーカバー16を、車両1のアプローチアングルを構成する線よりも上方に配置したが、これに限定されるものではなく、アンダーカバー16自体が車両1のアプローチアングルを構成してもよい。また、本実施形態では、アンダーカバー16を、金属製の板状部材によって形成したが、アンダーカバー16の材料はこれに限定されるものではない。例えば、アンダーカバー16を樹脂や発泡材などの材料で形成してもよい。
複数の傾動部材14は、幅方向よりも前上方から後下方へ向かって長尺に延びる板状部材であって、エネルギー吸収部材12よりも剛性が高い金属製の板材によって形成され、バンパ13の後方に配置される。複数の傾動部材14は、車両1の前端部のうち車体フレーム3の前方の領域(車体フレーム3の車幅方向の長さと略同じ範囲)に、車幅方向に互いに隣接した状態で並んで配置される。本実施形態では、複数の傾動部材14は、エネルギー吸収部材12の前方に車幅方向に並んで配置される。複数の傾動部材14は、バンパービーム11の前下端縁部15の高さ位置(所定の高さ位置)よりも上方の上部領域14aと、バンパービーム11の前下端縁部15の高さ位置よりも下方の下部領域14bとをそれぞれ有する。傾動部材14は、上部領域14aと下部領域14bとの境界で、バンパービーム11の前下端縁部15に接触している。すなわち、バンパービーム11の前下端縁部15は、傾動部材14が後方へ押圧された際に傾動部材14を後方から支持する。傾動部材14の上部領域14aは、バンパービーム11の前下端縁部15の高さ位置からエネルギー吸収部材12の下面部に沿って前上方へ延び、エネルギー吸収部材12に対して固定される。すなわち、傾動部材14は、エネルギー吸収部材12を介してバンパービーム11に対して固定されることによって、バンパービーム11に支持される。傾動部材14の上端部18は、バンパ前板部13aから後方へ離間し、且つエネルギー吸収部材12の前面の前方に配置される。傾動部材14の下部領域14bは、バンパービーム11の前下端縁部15の高さ位置から後下方へ延びる。傾動部材14の下端部19は、バンパ13のバンパ下板部13bの後端の上方近傍に配置される。傾動部材14の上部領域14aと下部領域14bとは、側面視において略直線状に延びる。この傾動部材14の形状は、後述する傾動部材14の傾動後の傾動部材14の下端部19の前後位置がバンパービーム11の前面部11aと略同じ前後位置(本実施形態では、バンパービーム11の前面部11aよりも僅かに後方)になるように設定される。
上記のように構成された歩行者保護装置10では、歩行者との衝突時に歩行者の脚部によってバンパ13が後方へ向かって押圧されると、バンパ13が後方へ移動して傾動部材14の上部領域14aに当接して傾動部材14の上部領域14aを後方へ押圧する。図4に示すように、バンパ13が傾動部材14の上部領域14aを後方へ押圧すると、傾動部材14の上部領域14aは、エネルギー吸収部材12をバンパービーム11の前面部11aへ向かって押圧して圧縮変形させるとともに、バンパービーム11の前下端縁部15を軸として後方へ傾動する。傾動部材14の上部領域14aがバンパービーム11の前下端縁部15を軸として後方へ傾動すると、それに伴って傾動部材14の下部領域14bがバンパービーム11の前下端縁部15を軸として前方へ傾動する。傾動部材14の下部領域14bがバンパービーム11の前下端縁部15を軸として前方へ傾動する際には、傾動部材14の下部領域14bの下端部19は、バンパ下板部13bの後端部に上方から当接した後、バンパ13を変形させながらバンパ下板部13bをバンパ前板部13aに対して前下方へ傾動させる。傾動後の傾動部材14の下端部19の前後位置は、バンパービーム11の前面部11aと略同じ前後位置(本実施形態では、バンパービーム11の前面部11aよりも僅かに後方)に位置する。このように、車両1と歩行者との衝突時に傾動部材14の下部領域14b及びバンパ13のバンパ下板部13bを前方へ傾動させることができるので、歩行者の下脚部(バンパ前板部13aに衝突する部分よりも下方の脚部)をバンパ下板部13bに当接させることができ、車両1の下方への歩行者の下脚部の潜り込みを防止することができる。このため、歩行者の脚部の折れ曲がりを抑制して、歩行者の脚部を保護することができる。
また、歩行者との衝突前の通常時(以下単に通常時という。)には、複数の傾動部材14は、エネルギー吸収部材12に固定されてバンパ下板部13bを前下方へ傾動させないので、通常時の車両1のアプローチアングルを確実に確保することができる。このため、通常時には車両1のアプローチアングルを確実に確保しつつ、歩行者との衝突時には傾動部材14の下部領域14b及びバンパ下板部13bを前下方へ傾動させてバンパ13の下方への歩行者の下脚部の潜り込みを防止することができる。
また、バンパ13とバンパービーム11との間に傾動部材14を配置し、歩行者との衝突時に後方へのバンパ13の移動を利用して傾動部材14を傾動させて、車両1の下方への歩行者の下脚部の潜り込みを防止する。このため、例えば、車両1の前方の歩行者を検出するカメラやレーダ等のセンサを設け、当該センサが検出した情報に基づいてアクチュエータを制御して潜り込み防止部材(車両1の下方への歩行者の下脚部の潜り込みを防止するための部材)をバンパ13の下方へ移動する場合とは異なり、簡易な構造で車両1の下方への歩行者の下脚部の潜り込みを防止することができる。
また、エネルギー吸収部材12は、歩行者との衝突時に傾動部材14の上部領域14aとバンパービーム11の前面部11aとの間で圧縮変形するので、係るエネルギー吸収部材12の変形によって車両1と歩行者との衝突時に衝突エネルギーを吸収して歩行者が受ける衝撃を緩衝することができ、歩行者の脚部を保護することができる。
従って、本実施形態によれば、簡易な構造で歩行者の下脚部を後方から支持して歩行者の脚部を保護することができる。
また、傾動部材14は、金属製であり、樹脂製のバンパ13に対して高い剛性を有するので、傾動部材14を下方から覆うようにバンパ13のバンパ下板部13bを設けても、歩行者との衝突時にバンパ13を変形させながら傾動部材14の下部領域14bを前方へ傾動させることができる。このため、通常時はバンパ13によって傾動部材14を覆い隠すことができ、車両1の前端下部の外観上の見栄えの低下を抑えることができる。
また、傾動部材14は、エネルギー吸収部材12を介してバンパービーム11に支持されるので、バンパ13側に支持される場合とは異なり、車両1の走行時等のバンパ13の振動に伴った傾動部材14の振動を防止することができる。
また、バンパービーム11の前方に傾動部材14の上部領域14aを配置し、傾動部材14の上記所定の高さ位置をバンパービーム11の前下端縁部15によって後方から支持する。このように、バンパ13の後方のバンパービーム11を利用して傾動部材14を後方から支持することによって、傾動部材14を後方から支持するための専用の後方支持部材を設ける必要がないので、部品点数の増加を抑えることができる。
また、傾動部材14の上端部18をバンパ前板部13aから後方へ離間させ、傾動部材14の下端部19をバンパ下板部13bから上方へ離間させている。すなわち、通常時には傾動部材14を、車体フレーム3に弾性支持されるキャブ2側の部材(バンパ13)から離間させているので、走行時等のキャブ2の振動に伴うバンパ13と傾動部材14との干渉を防止することができる。
なお、本実施形態では、傾動部材14をエネルギー吸収部材12に固定したが、傾動部材14をバンパービーム11に固定してもよい。例えば、傾動部材14の上記所定の高さ位置をバンパービーム11の前下端縁部15に対して溶接等によって固定してもよい。
また、本実施形態では、傾動部材14をバンパービーム11に固定することによって、傾動部材14を車体フレーム3側(車体側)に固定したが、これに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、傾動部材14をバンパ13に固定することによって、傾動部材14をキャブ2側(車体フレーム3に弾性支持される側)に固定してもよい。この場合、通常時には傾動部材14を車体フレーム3側の部材(例えば、エネルギー吸収部材12)から離間させることによって、走行時等のキャブ2の振動に伴う傾動部材14と車体フレーム3側の部材との干渉を防止してもよい。
また、本実施形態では、傾動部材14の形状を、傾動後の傾動部材14の下端部19の前後位置がバンパービーム11の前面部11aよりも僅かに後方になるように設定したが、これに限定されるものではなく、傾動後の傾動部材14の下端部19の前後位置がバンパービーム11の前面部11aと略同じ前後位置になるように設定してもよい。
また、本実施形態では、傾動部材14を傾動させるために傾動部材14をバンパービーム11の前下端縁部(支持部)15によって後方から支持したが、これに限定されるものではなく、バンパービーム11の前下端縁部15以外の他の部分で傾動部材14を後方から支持してもよい。この場合、傾動部材14のうち、バンパービーム11の前下端縁部15以外の上記他の部分よりも上方が上部領域14aとなり、上記他の部分よりも下方が下部領域14bとなる。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の歩行者保護装置20は、傾動部材14を車体フレーム3側(車体側)に傾動自在に支持する点で第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6に示すように、バンパービーム11の前下端縁部15には、上記所定の高さ位置で車幅方向に延びる軸棒21を回転自在に支持する軸支持部(支持部)22が設けられる。軸支持部22は、軸棒21を介して傾動部材14を支持する。
傾動部材14は、軸棒21を介してバンパービーム11に対して傾動自在に支持される。傾動部材14の上部領域14aは、通常時の傾動を規制するためにエネルギー吸収部材12に対して固定される。すなわち、傾動部材14は、歩行者との衝突時に棒21の軸芯(回転軸)を中心として傾動可能に車体側に支持される。
上記のように構成された歩行者保護装置20では、歩行者との衝突時に歩行者の脚部によってバンパ13が後方へ向かって押圧されると、バンパ13が後方へ移動して傾動部材14の上部領域14aに当接して傾動部材14の上部領域14aを後方へ押圧する。バンパ13が傾動部材14の上部領域14aを後方へ押圧すると、傾動部材14の上部領域14aは、エネルギー吸収部材12をバンパービーム11の前面部11aへ向かって押圧して圧縮変形させるとともに、軸棒21の軸心を中心として後方へ傾動する。傾動部材14の上部領域14aが後方へ傾動すると、それに伴って傾動部材14の下部領域14bが軸棒21の軸心を中心として前方へ傾動する。傾動部材14の下部領域14bが前方へ傾動する際には、傾動部材14の下部領域14bの下端部19は、バンパ下板部13bの後端部に上方から当接した後、バンパ13を変形させながらバンパ下板部13bをバンパ前板部13aに対して前下方へ傾動させる。このように、車両1と歩行者との衝突時に傾動部材14の下部領域14b及びバンパ13のバンパ下板部13bを前方へ傾動させることができるので、歩行者の下脚部をバンパ下板部13bに当接させることができ、車両1の下方への歩行者の下脚部の潜り込みを防止することができる。このため、歩行者の脚部の折れ曲がりを抑制して、歩行者の脚部を保護することができる。
また、傾動部材14は、上記所定の高さ位置で車幅方向に延びる回転軸(軸棒21の軸芯)を中心として車体側に傾動自在に支持されるので、歩行者との衝突時の傾動部材14の傾動軌跡を想定し易い。このため、前方へ移動した際の傾動部材14の下部領域14bの前後位置が所望の位置となるように傾動部材14の形状等を設定し易い。
なお、本実施形態では、傾動部材14を傾動自在に支持する軸支持部(支持部)22をバンパービーム11の前下端縁部15に設けたが、前下端縁部15以外の他の部分に軸支持部22を設けてもよい。この場合であっても、傾動部材14のうち軸棒21よりも上方が上部領域14aとなり、軸棒21よりも下方が下部領域14bとなる。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、車幅方向に互いに隣接した状態で配置される複数の傾動部材14を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、車体フレーム3の車幅方向の長さと略同じ長さの1つの傾動部材14を設けてもよい。
また、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、バンパービーム11の前方にエネルギー吸収部材12を設けたが、エネルギー吸収部材12を設けなくてもよい。この場合、通常時の傾動部材14の傾動を規制するために傾動部材14をバンパービーム11に固定してもよい。
また、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、傾動部材14の上部領域14aと下部領域14bとを、側面視において略直線状に延びるように形成したが、これに限定されるものではなく、上部領域14aに対して下部領域14bを傾斜させてもよい。また、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、傾動部材14を板状部材によって形成したが、棒状部材等によって形成してもよい。
また、バンパ13の形状は上記に限定されるものではない。例えば、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、複数の傾動部材14、エネルギー吸収部材12、バンパービーム11、及び車体フレーム3の前端部を下方から覆うバンパ下板部13bをバンパ13に設けたが、バンパ下板部13bを設けなくてもよい。この場合、傾動部材14の下部領域14bは、通常時には車両1のアプローチアングルを確保可能な位置に配置され、歩行者との衝突時には、バンパ13の下方へ向かって傾動してもよい。
また、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、傾動部材14の下部領域14bを前方へ傾動する際に、バンパ13を変形させながらバンパ下板部13bをバンパ前板部13aに対して前下方へ傾動させたが、これに限定されるものではない。例えば、歩行者との衝突時に、傾動部材14の下部領域14bは、バンパ下板部13bを破壊しながら前方へ傾動してもよい。
また、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、車体フレーム3の前方にバンパービーム11を設け、バンパービーム11を、歩行者との衝突時に傾動部材14を後方から支持する後方支持部材として機能させたが、後方支持部材はバンパービーム11に限定されるものではない。例えば、バンパービーム11を設けず、車体フレーム3の前端部で車幅方向に延びる剛性が高い金属製のクロスメンバ(ビーム)5を後方支持部材として機能させてもよい。或いは、バンパービーム11またはクロスメンバ5ではなく、歩行者との衝突時に傾動部材14を後方から支持するための専用の後方支持部材を設けてもよい。
また、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、本開示に係る歩行者保護装置10,20をフレーム付車両に適用したが、フレーム付車両以外の車両に適用してもよい。
本開示に係る歩行者保護装置は、様々な車両に広く適用することができる。
1:車両
10,20:歩行者保護装置
11:バンパービーム(後方支持部材)
11a:バンパービームの前面部
12:エネルギー吸収部材
13:バンパ
14:傾動部材(内部部材)
14a:傾動部材の上部領域
14b:傾動部材の下部領域
15:バンパービームの前下端縁部(支持部)
22:軸支持部(支持部)
10,20:歩行者保護装置
11:バンパービーム(後方支持部材)
11a:バンパービームの前面部
12:エネルギー吸収部材
13:バンパ
14:傾動部材(内部部材)
14a:傾動部材の上部領域
14b:傾動部材の下部領域
15:バンパービームの前下端縁部(支持部)
22:軸支持部(支持部)
Claims (6)
- 車両の前端下部で車幅方向に延びるバンパと、
前記バンパの後方に配置されて前上方から後下方へ向かって延びる内部部材と、
前記内部部材の後方、且つ前記内部部材の上端と下端との間の所定の高さ位置に配置される支持部を有し、車体側に固定的に設けられる後方支持部材と、を備え、
前記後方支持部材の前記支持部は、前記バンパが後方へ向かって押圧されて前記内部部材を後方へ押圧すると、前記所定の高さ位置で前記内部部材を後方から支持し、
前記内部部材が前記後方支持部材の前記支持部に後方から支持された状態で前記内部部材のうち前記所定の高さ位置よりも上方の上部領域が後方へ押圧されると、前記後方支持部材の前記支持部を軸として前記上部領域が後方へ傾動するとともに、前記内部部材のうち前記所定の高さ位置よりも下方の下部領域が前方へ傾動する
ことを特徴とする車両の歩行者保護装置。 - 請求項1に記載の車両の歩行者保護装置であって、
前記内部部材は、前記バンパよりも高い剛性を有する
ことを特徴とする車両の歩行者保護装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両の歩行者保護装置であって、
前記内部部材は、前記後方支持部材に支持される
ことを特徴とする車両の歩行者保護装置。 - 請求項3に記載の車両の歩行者保護装置であって、
前記内部部材は、前記所定の高さ位置で車幅方向に延びる回転軸を中心として前記後方支持部材の前記支持部に傾動自在に支持される
ことを特徴とする車両の歩行者保護装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の車両の歩行者保護装置であって、
前記後方支持部材は、車体側に支持されて車幅方向に延びるビームである
ことを特徴とする車両の歩行者保護装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の車両の歩行者保護装置であって、
前記内部部材の前記上部領域の後方に配置されるエネルギー吸収部材を備え、
前記後方支持部材は、前記エネルギー吸収部材を後方から支持する前面部を有し、
前記エネルギー吸収部材は、前記内部部材の前記上部領域が後方へ押圧された際に前記内部部材の前記上部領域と前記後方支持部材の前記前面部との間で圧縮されて変形する
ことを特徴とする車両の歩行者保護装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018216926A JP2020082875A (ja) | 2018-11-20 | 2018-11-20 | 車両の歩行者保護装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018216926A JP2020082875A (ja) | 2018-11-20 | 2018-11-20 | 車両の歩行者保護装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020082875A true JP2020082875A (ja) | 2020-06-04 |
Family
ID=70905925
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018216926A Pending JP2020082875A (ja) | 2018-11-20 | 2018-11-20 | 車両の歩行者保護装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020082875A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024082182A1 (zh) * | 2022-10-19 | 2024-04-25 | 浙江吉利控股集团有限公司 | 前保险杠总成和具有其的前车身结构及车辆 |
-
2018
- 2018-11-20 JP JP2018216926A patent/JP2020082875A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024082182A1 (zh) * | 2022-10-19 | 2024-04-25 | 浙江吉利控股集团有限公司 | 前保险杠总成和具有其的前车身结构及车辆 |
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