JP2020080633A - アクチュエータ装置およびそのアクチュエータ装置の製造方法 - Google Patents

アクチュエータ装置およびそのアクチュエータ装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱部材と作動部材との間の熱抵抗が作動部材に対する加熱に起因して増大することを回避することが可能なアクチュエータ装置を提供する。【解決手段】ポリマ繊維12は、ポリマ繊維12と電熱線14との間に発生する接触応力がポリマ繊維12の弾性限度以下にとどまる範囲内で、温度変化に応じて変形する。これにより、ポリマ繊維12が温度変化に応じて変形しても、上記接触応力に起因してポリマ繊維12に塑性変形が生じることを回避することが可能である。従って、電熱線14によってポリマ繊維12が加熱された後にその加熱が解除された場合には、ポリマ繊維12は、電熱線14による加熱前の元の形状に戻る。そのため、電熱線14とポリマ繊維12との間の熱抵抗がポリマ繊維12に対する加熱に起因して増大することを回避することが可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、温度変化に応じた作動部材の変形を動力として出力するアクチュエータ装置と、そのアクチュエータ装置の製造方法とに関するものである。
従来、この種のアクチュエータ装置として、例えば特許文献1に記載されるようなポリマーファイバーアクチュエータが知られている。特許文献1に記載のポリマーファイバーアクチュエータは、電気加熱や白色加熱による温度変化により、捩りまたは引張作動を発生することができる熱駆動式のものである。
特開2016−42783号公報
特許文献1のポリマーファイバーアクチュエータのような熱駆動式のアクチュエータ装置では、作動部材が加熱部材によって加熱されるようになっており、その作動部材は、作動部材の温度変化に応じて変形する。この作動部材の変形がアクチュエータ装置の動力として出力される。
このようなアクチュエータ装置では、加熱部材は、作動部材に対して伝熱可能に連結している。そして、作動部材は加熱により熱膨張し、加熱部材は、その加熱部材の構成によっては、その作動部材の熱膨張を妨げるように機械的に作用する場合がある。例えば、加熱部材が作動部材に巻き付けられた状態で、作動部材が加熱部材を引き延ばすように熱膨張したとすれば、加熱部材は、その作動部材の熱膨張を妨げるように機械的に作用する。
このように加熱部材が作動部材の熱膨張を妨げるように機械的に作用する場合、作動部材は加熱部材に押圧されることにより変形することになるが、その変形を生じさせる応力が作動部材の弾性限度を超えれば作動部材は塑性変形する。そして、作動部材の熱膨張に伴い加熱部材に押圧されて作動部材が塑性変形した後に加熱部材による加熱が解除されると、例えば、その塑性変形に起因して加熱部材と作動部材との間に空隙が生じ、加熱部材と作動部材との間の熱抵抗が増大する。発明者らの詳細な検討の結果、以上のようなことが見出された。
本発明は上記点に鑑みて、加熱部材と作動部材との間の熱抵抗が作動部材に対する加熱に起因して増大することを回避することが可能なアクチュエータ装置とそのアクチュエータ装置の製造方法とを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載のアクチュエータ装置は、
温度変化に応じて変形する作動部材(12)と、
作動部材に熱を与える加熱部材(14)とを備え、
作動部材は、その作動部材と加熱部材との間に発生する応力(P)が作動部材の弾性限度(Ps)以下にとどまる範囲内で、温度変化に応じて変形する。
このようにすれば、作動部材が温度変化に応じて変形しても、作動部材と加熱部材との間に発生する応力に起因して作動部材に塑性変形が生じることを回避することが可能である。従って、加熱部材によって作動部材が加熱された後にその加熱が解除された場合には、作動部材は、加熱部材による加熱前の元の形状に戻る。そのため、加熱部材と作動部材との間の熱抵抗が作動部材に対する加熱に起因して増大することを回避することが可能である。
また、請求項8に記載のアクチュエータ装置は、
温度変化に応じて変形する線材状の作動部材(12)と、
作動部材の外周に巻き付けられ、作動部材に熱を与える加熱部材(14)と、
加熱部材を作動部材へ押し付けるように付勢する付勢部材(20)とを備えている。
このようにすれば、作動部材がその作動部材の熱膨張に伴って加熱部材に押圧されることにより塑性変形したとしても、加熱部材が作動部材へ押し付けられた状態は付勢部材の付勢力によって維持される。そのため、加熱部材と作動部材との間の熱抵抗が作動部材に対する加熱に起因して増大することを回避することが可能である。
また、請求項9に記載のアクチュエータ装置は、
温度変化に応じて変形する線材状の作動部材(12)と、
作動部材の外周に巻き付けられ、作動部材に熱を与える加熱部材(14)とを備え、
加熱部材は、その加熱部材の径方向(DRsr)に弾性変形する弾力性を有し、その弾力性により作動部材を押圧する。
このようにすれば、作動部材がその作動部材の熱膨張に伴って加熱部材に押圧されることにより塑性変形したとしても、加熱部材が作動部材を押圧する状態は、その加熱部材の弾力性によって維持される。そのため、加熱部材と作動部材との間の熱抵抗が作動部材に対する加熱に起因して増大することを回避することが可能である。
また、請求項10に記載のアクチュエータ装置は、
温度変化に応じて変形する線材状の作動部材(12)と、
作動部材に熱を与える加熱部材(14)とを備え、
作動部材は、その作動部材の温度が高くなるほど作動部材の径方向(DRr)に膨張し、
加熱部材は、作動部材の軸方向(DRa)に沿って延びるように設けられている。
このようにすれば、加熱部材は、作動部材が径方向に膨張することを妨げないので、加熱部材による作動部材の塑性変形を回避することが可能である。従って、加熱部材によって作動部材が加熱された後にその加熱が解除された場合には、作動部材は、加熱部材による加熱前の元の形状に戻る。そのため、加熱部材と作動部材との間の熱抵抗が作動部材に対する加熱に起因して増大することを回避することが可能である。
また、請求項11に記載のアクチュエータ装置の製造方法は、
温度変化に応じて変形する線材状の作動部材(12)と、その作動部材に熱を与える加熱部材(14)とを備え、所定の下限温度(TL)と、その下限温度よりも高い所定の上限温度(TH)との間で作動部材が温度変化させられるアクチュエータ装置(10)の製造方法であって、
作動部材として、その作動部材の温度が高くなるほど作動部材の径方向(DRr)には膨張し且つ作動部材の軸方向(DRa)には収縮するものを用意することと、
加熱部材を用意することと、
作動部材および加熱部材の用意後に、加熱部材を、作動部材の外周上に想定される加熱部材の巻付け軌跡(14a)に従って作動部材の外周に巻き付けることとを含み、
上記巻き付けることでは、加熱部材を巻き付ける前の作動部材が下限温度とされた場合の巻付け軌跡の加熱前長さ(J)と、加熱部材を巻き付ける前の作動部材が上限温度とされた場合の巻付け軌跡の加熱後長さ(J1)との差(ΔJ)が作動部材の弾性限度(Ps)に基づいた所定の限度値以下になるように、巻付け軌跡を定める。
このようにすれば、アクチュエータ装置の作動部材の熱膨張に伴い加熱部材が引張られることに起因して作動部材と加熱部材との間に発生する応力が作動部材の弾性限度以下になるように、加熱部材を作動部材に巻き付けることが可能である。そのため、アクチュエータ装置において作動部材が温度変化に応じて変形しても、作動部材と加熱部材との間に発生する応力に起因して作動部材に塑性変形が生じることを回避することが可能である。つまり、加熱部材によって作動部材が加熱された後にその加熱が解除された場合には、作動部材は、加熱部材による加熱前の元の形状に戻る。従って、加熱部材と作動部材との間の熱抵抗が作動部材に対する加熱に起因して増大することを回避することが可能である。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態におけるアクチュエータ装置の概略構成を示した模式図である。 図1を部分的に拡大して示した拡大図である。 第1実施形態において、図1のIII部分を断面図示した断面図である。 比較例のアクチュエータ装置のうち図1のIII部分に相当する部分を拡大図示した断面図であって、ポリマ繊維および電熱線の状態が(a)から(b)、(b)から(c)へと遷移した例を示した図である。 第1実施形態において、電熱線がその電熱線の巻付け軌跡をポリマ繊維の外周上に残して且つポリマ繊維から取り除かれた仮想状態を想定した場合に、その仮想状態の下でポリマ繊維が下限温度とされた場合の巻付け軌跡の加熱前長さを、直角三角形の斜辺長さとして表した図である。 第1実施形態において、上記仮想状態を想定した場合に、その仮想状態の下でポリマ繊維が上限温度とされた場合の巻付け軌跡の加熱後長さを、直角三角形の斜辺長さとして表した図である。 第1実施形態において、ポリマ繊維が下限温度とされた場合の巻付け角度(すなわち、下限温度時の巻付け角度)と上限温度時の被押圧部圧力との関係を示した図である。 第1実施形態において、アクチュエータ装置の製造工程を示したフローチャートである。 第2実施形態におけるアクチュエータ装置の概略構成を示した模式図である。 図9のおけるX方向の矢視図である。 第3実施形態のアクチュエータ装置において、図1のIII部分を断面図示した断面図であって、図3に相当する図である。 第4実施形態のアクチュエータ装置において、図1のIII部分を断面図示した断面図であって、図3に相当する図である。 第5実施形態において、図1を部分的に拡大して示した拡大図である。 図13のXIV−XIV断面を示した断面図である。 第6実施形態のアクチュエータ装置において、図1のIII部分を断面図示した断面図であって、図3に相当する図である。
以下、図面を参照しながら、各実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態のアクチュエータ装置10は、所定の軸線CLに沿って延在するひも状に形成され、その軸線CLに直交する横断面が略円形状になるように形成されている。アクチュエータ装置10は、加熱による温度上昇に応じて、アクチュエータ装置10の軸方向の伸縮動作、または軸線CL周りの捩り動作として動力を出力することができる。
アクチュエータ装置10は、ポリマ繊維12と電熱線14とを備えている。
ポリマ繊維12は、ポリマ繊維12自体の温度変化に応じて変形する作動部材である。従って、ポリマ繊維12はアクチュエータ装置10の動力源として機能し、そのポリマ繊維12の変形動作がアクチュエータ装置10の出力になる。ポリマ繊維12は線材状であって、例えば上記の軸線CLに沿って延びている。その軸線CLは、ポリマ繊維12の中心軸線である。ポリマ繊維12は、例えば横断面が略円形状になるように形成されている。
なお、図1の矢印DRaはポリマ繊維12の軸方向DRaを示し、矢印DRrはポリマ繊維12の径方向DRrを示している。本実施形態では、アクチュエータ装置10の軸方向はポリマ繊維12の軸方向DRaと同じであり、アクチュエータ装置10の径方向はポリマ繊維12の径方向DRrと同じである。以下の説明では、ポリマ繊維12の軸方向DRaを繊維軸方向DRaと称する場合があり、ポリマ繊維12の径方向DRrを繊維径方向DRrと称する場合がある。
ポリマ繊維12は、例えば樹脂製の繊維で構成されている。ポリマ繊維12は、ポリマ繊維12自体の特性として、温度変化に応じて変形する特性を備えている。具体的には、ポリマ繊維12は、そのポリマ繊維12の温度が高くなるほど、捩り変形しつつ、繊維径方向DRrには膨張し且つ繊維軸方向DRaには収縮する。
例えば、ポリマ繊維12は、そのポリマ繊維12の温度が高くなるほどポリマ繊維12が電熱線14の巻付け方向と同方向へ捩れるように構成されている。なお、本実施形態の説明では、ポリマ繊維12の温度変化に応じた変形を、ポリマ繊維12の熱変形とも称する。
電熱線14は、ポリマ繊維12を変形させるためにそのポリマ繊維12に熱を与える加熱部材である。電熱線14は線材状であって、例えば金属線材などで構成されている。電熱線14は、ポリマ繊維12と比較して格段に細く、例えば横断面が略円形状になるように形成されている。
また、電熱線14は、所定の巻付け角度θで螺旋状にポリマ繊維12の外周に巻き付けられている。これにより、電熱線14は、ポリマ繊維12に対して伝熱可能に連結している。電熱線14の巻付け角度θは、詳細には、軸線CLに直交する仮想平面16に対して電熱線14が成す角度で表される。
例えば図2に示すように、ポリマ繊維12の外周上に電熱線14の巻付け軌跡14aを想定したとすれば、その巻付け軌跡14aは、ポリマ繊維12の外周上において、上記の巻付け角度θをもって螺旋状に延びるように形成される。そして、電熱線14は、ポリマ繊維12の外周上に想定される電熱線14の巻付け軌跡14aに従ってポリマ繊維12の外周に巻き付けられているとも言える。
確認的に述べるが、その電熱線14の巻付け軌跡14aはポリマ繊維12の外周上にあると想定されるので、ポリマ繊維12が変形すればそのポリマ繊維12の変形に追従して変形する。また、その巻付け軌跡14aはポリマ繊維12の外周上に想定される仮想のものであるので、ポリマ繊維12の外周上に物理的な形状を生成しているわけではない。
具体的には図1および図3に示すように、ポリマ繊維12は、そのポリマ繊維12のうち電熱線14が巻き付けられた被巻付け部122の一部分として、電熱線14が接触する被押圧部121を有している。そして、電熱線14は、ポリマ繊維12に密着するように巻き付けられており、ポリマ繊維12の被押圧部121を繊維径方向DRrの内側へ常に押圧している。すなわち、電熱線14は、ポリマ繊維12に対し常に接触圧を生じさせている。
これにより、電熱線14が発する熱はポリマ繊維12へ伝わりやすくなっている。そして、電熱線14は電流供給によって発熱し、ポリマ繊維12を加熱することができる。従って、ポリマ繊維12は、電熱線14から与えられる熱に応じて変形することで、繊維軸方向DRaの伸縮動作や軸線CLまわりの捩り動作を行うことができる。
また、ポリマ繊維12の熱膨張および捩り変形により、電熱線14は、ポリマ繊維12の温度が高くなるほど引張られることになる。そのため、電熱線14は、ポリマ繊維12の温度が高くなるほど電熱線14がポリマ繊維12の変形に伴い引張られることに起因してポリマ繊維12の被押圧部121を繊維径方向DRrの内側へ強く押圧する。
ここで、図4を用いて比較例のアクチュエータ装置について説明する。その比較例のアクチュエータ装置は、本実施形態のポリマ繊維12に相当するポリマ繊維82と、本実施形態の電熱線14に相当する電熱線84とを備えている。比較例のアクチュエータ装置では、本実施形態のアクチュエータ装置10と同様に、電熱線84が螺旋状にポリマ繊維82の外周に巻き付けられている。図4の(a)〜(c)はそれぞれ、比較例のアクチュエータ装置のうち図1のIII部分に相当する部分を拡大図示した断面図である。
比較例において、図4の(a)に示されるポリマ繊維82は電熱線84による加熱前の状態にあり、その図4の(a)に示される状態では、ポリマ繊維82の温度は−30℃になっている。そして、電熱線84はポリマ繊維82に接触している。
図4の(b)は、図4の(a)の状態から、電熱線84に通電されることでポリマ繊維82が加熱され150℃になった状態を示している。このように、ポリマ繊維82の温度が上昇すると、ポリマ繊維82は繊維径方向DRrに熱膨張する一方で、ポリマ繊維82に巻き付けられた電熱線84がその熱膨張を妨げるようにポリマ繊維82を拘束する。そのため、図4の(b)の状態では、ポリマ繊維82のうち電熱線84に押圧される変形部位821が凹まされるように変形する。
図4の(c)は、図4の(b)の状態から、電熱線84の通電が遮断されることでポリマ繊維82が150℃から−30℃に戻った状態を示している。このように、ポリマ繊維82の温度が加熱前の温度に戻るとポリマ繊維82の直径も加熱前に戻る。
但し、図4の(b)に示されたポリマ繊維82の変形部位821の変形が全て弾性変形であれば、その変形部位821の形状も加熱前に戻る。しかしながら、その変形部位821の変形が塑性変形を含んでいる場合には、図4の(c)に示すように変形部位821の形状は加熱前に戻ることはない。比較例のアクチュエータ装置では、図4の(b)の状態でポリマ繊維82の変形部位821の変形が塑性変形を含むので、ポリマ繊維82が加熱前の温度に戻った場合には、図4の(c)に示すように、ポリマ繊維82と電熱線84との間に隙間Crを生じる。こうなると、電熱線84の熱がポリマ繊維82に伝わりにくくなる。
図1に戻り、本実施形態のアクチュエータ装置10は、上述した図4の(c)に示す隙間Crが発生することのないように構成されている。すなわち、図1および図3に示すように、本実施形態においてポリマ繊維12は塑性変形することなく、ポリマ繊維12と電熱線14との間に発生する接触応力Pがポリマ繊維12の弾性限度Ps以下にとどまる範囲内で、温度変化に応じて変形する。その接触応力Pは、別言すれば、ポリマ繊維12の被押圧部121が電熱線14から受ける圧力P、更に別言すれば、電熱線14による押圧によってその被押圧部121に発生する圧縮応力Pである。本実施形態の説明では、この接触応力Pをポリマ繊維12の被押圧部圧力Pとも称する。
具体的には、そのポリマ繊維12の被押圧部圧力Pをポリマ繊維12の弾性限度Ps以下にとどめるために、アクチュエータ装置10は、アクチュエータ装置10の仕様として予め設定された許容温度範囲内でポリマ繊維12の温度が変化するように使用される。すなわち、ポリマ繊維12は、電熱線14が発熱していないときの所定の下限温度TLと、その下限温度TLよりも高い所定の上限温度THとの間で温度変化させられる。その下限温度TLは、ポリマ繊維12の許容温度範囲における下限値であり、上限温度THは、その許容温度範囲における上限値である。
本実施形態では、ポリマ繊維12の温度が高くなるほどポリマ繊維12の被押圧部圧力Pは大きくなり、ポリマ繊維12が上限温度THとされた場合に発生する被押圧部圧力Pはポリマ繊維12の弾性限度Ps以下になる。
そして、ポリマ繊維12の被押圧部圧力Pがポリマ繊維12の弾性限度Ps以下にとどまるように、電熱線14の巻付け角度θが設定されている。このことを図5〜図7を用いて説明する。
ちなみに、上記の被押圧部圧力Pは、ポリマ繊維12の変形に伴って電熱線14が引張られることに起因して増大する。そこで、例えば電熱線14がその電熱線14の巻付け軌跡14aをポリマ繊維12の外周上に残して且つポリマ繊維12から取り除かれた仮想状態を想定する。その場合、その仮想状態の下で、ポリマ繊維12が熱により変形しても巻付け軌跡14aの長さが延びなければ、ポリマ繊維12の被押圧部圧力Pは増大しないと考えられる。このことを踏まえて、以下の説明を行う。
図5および図6に示すように、巻付け軌跡14aの長さJ、J1は、平面上に展開すれば、直角三角形TG、TG1の斜辺長さとして表すことができる。図5の直角三角形TGは、ポリマ繊維12の温度が下限温度TLである場合を示している。そして、その直角三角形TGの斜辺長さは、上記仮想状態の下でポリマ繊維12が下限温度TLとされた場合の巻付け軌跡14aの長さJ(すなわち、加熱前長さJ)となっている。
また、図6の直角三角形TG1は、ポリマ繊維12の温度が上限温度THである場合を示している。そして、その直角三角形TG1の斜辺長さは、上記仮想状態の下でポリマ繊維12が上限温度THとされた場合の巻付け軌跡14aの長さJ1(すなわち、加熱後長さJ1)となっている。
図5の直角三角形TGにおいて長さLcは下記式F1で示され、図5の加熱前長さJは下記式F2で示され、ポリマ繊維12が下限温度TLとされた場合の巻付け角度θである角度θaは下記式F3で示される。
Figure 2020080633
Figure 2020080633
Figure 2020080633
上記式F1、式F2、および式F3において、Nは、下限温度TLのポリマ繊維12に巻き付けられた電熱線14の巻き回数である。Lは、下限温度TLのポリマ繊維12のうち電熱線14が巻き付けられた被巻付け部122(図1参照)の軸方向長さ(すなわち、繊維軸方向DRaの長さ)、別言すればポリマ繊維12が下限温度TLにされた場合における被巻付け部122の軸方向長さである。そして、dは、下限温度TLのポリマ繊維12の直径、厳密に言えば下限温度TLとされた被巻付け部122の直径である。
また、図6の直角三角形TG1において長さLc1は下記式F4で示され、ポリマ繊維12が上限温度THにされた場合における被巻付け部122の軸方向長さL1は下記式F5で示され、図6の加熱後長さJ1は下記式F6で示される。
Figure 2020080633
Figure 2020080633
Figure 2020080633
上記式F4、式F5、および式F6において、αは、繊維径方向DRrにおけるポリマ繊維12の熱膨張係数(すなわち、径方向熱膨張係数)であり、βは、繊維軸方向DRaにおけるポリマ繊維12の熱膨張係数(すなわち、軸方向熱膨張係数)である。tは、下限温度TLと上限温度THとの温度差である。そして、γは、下限温度TLのポリマ繊維12が上限温度THまで温度上昇した場合に捩れるポリマ繊維12の捩り角度、厳密に言えば下限温度TLのポリマ繊維12が上限温度THまで温度上昇した場合に捩れる被巻付け部122の捩り角度である。この捩り角度γは、アクチュエータ装置10の仕様として予め設定される角度である。
但し、熱膨張係数α、βは何れも、ポリマ繊維12が熱膨張する膨張側を正方向として定められている。つまり、ポリマ繊維12は温度上昇するほど繊維径方向DRrには矢印Arのように膨張し且つ繊維軸方向DRaには矢印Aaのように収縮するので、径方向熱膨張係数αは正の値であり、軸方向熱膨張係数βは負の値である。
また、被巻付け部122の上記捩り角度γの単位は「deg」であり、その捩り角度γは、ポリマ繊維12が電熱線14の巻付け方向と同方向へ捩れる捩り変形を正方向として上記式F4、式F6に用いられる。別言すれば、ポリマ繊維12に巻き付けられた電熱線14の巻き回数を増やす側にポリマ繊維12が捩れる方向が、捩り角度γの正方向とされている。
また、上記式F2および式F6から、巻付け軌跡14aの加熱前長さJと加熱後長さJ1との差ΔJは、下記式F7、式F8で示される。本実施形態の説明では、その差ΔJを、加熱前後の軌跡長差ΔJと称する場合がある。
Figure 2020080633
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その加熱前後の軌跡長差ΔJは、下限温度TLから上限温度THへポリマ繊維12が温度上昇した場合におけるポリマ繊維12の被押圧部圧力Pの増大分ΔPと下記式F9で表される関係にある。そして、その式F9と、上記式F2、式F8とを組み合わせることにより、下記式F10が導き出される。下記式F9、式F10においてEは、ポリマ繊維12と電熱線14との複合材として構成されたアクチュエータ装置10の等価ヤング率であるので、定数である。
Figure 2020080633
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また、上限温度THとされたポリマ繊維12における被押圧部圧力PをPhとすれば、その上限温度時の被押圧部圧力Phは下記式F11で示され、その式F11と式F10とから下記式F12が導き出される。下記式F11、式F12においてP0は、下限温度TLとされたポリマ繊維12における被押圧部圧力Pである。なお、本実施形態では、ポリマ繊維12の温度が下限温度TLである場合にも、電熱線14はポリマ繊維12の被押圧部121を押圧している。すなわち、下限温度TLとされたポリマ繊維12における被押圧部圧力P0である下限温度時の被押圧部圧力P0は零よりも大きい。
Figure 2020080633
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このように導出された上記式F12と式F3とを用いれば、ポリマ繊維12が下限温度TLとされた場合の巻付け角度θa(すなわち、下限温度時の巻付け角度θa)と上限温度時の被押圧部圧力Phとの関係は、図7の曲線Lxで示される。そして、その曲線Lxが示す上限温度時の被押圧部圧力Phがポリマ繊維12の弾性限度Psを超える圧力過大領域では、ポリマ繊維12が上限温度THになった場合にポリマ繊維12の被押圧部121に塑性変形が生じる。従って、その圧力過大領域では、電熱線14がポリマ繊維12から離れる浮きが発生する。
そこで、本実施形態では、下限温度時の巻付け角度θaが図7の巻付け角度許容範囲Wθ内に入るように、電熱線14はポリマ繊維12に巻き付けられている。これにより、ポリマ繊維12の被押圧部圧力Pをポリマ繊維12の弾性限度Ps以下にとどめながら、ポリマ繊維12を、下限温度TLと上限温度THとの間の温度変化に応じて変形させることができる。要するに、電熱線14の巻付け角度θを適正化し、ポリマ繊維12に過大な応力が発生しないようにすることが可能である。図7の巻付け角度許容範囲Wθは、図7のグラフにおいて、上限温度時の被押圧部圧力Phがポリマ繊維12の弾性限度Ps以下になる下限温度時の巻付け角度θaの範囲を示している。
例えば、アクチュエータ装置10の製造工程において、ポリマ繊維12の温度を下限温度TLにした上で、そのポリマ繊維12に電熱線14を巻き付ければ、その下限温度時の巻付け角度θaが巻付け角度許容範囲Wθ内に入るようにすることは容易である。そのようにした場合には、下限温度時の巻付け角度θaはアクチュエータ装置10の組立て時における巻付け角度であり、上記式F12の被押圧部圧力P0はその組立て時における被押圧部圧力(すなわち、初期被押圧部圧力)であると言える。
また、本実施形態のアクチュエータ装置10では、上限温度時の被押圧部圧力Phはポリマ繊維12の弾性限度Ps以下になるので、上記式F11から得られる下記の不等式F13を満たしているとも言える。そして、上記式F9を用いて下記の不等式F13を変形すると、下記の不等式F14が得られる。すなわち、下記の不等式F14を満たすことにより、ポリマ繊維12の被押圧部圧力Pをポリマ繊維12の弾性限度Ps以下にとどめながら、ポリマ繊維12を、下限温度TLと上限温度THとの間の温度変化に応じて変形させることができる。
Figure 2020080633
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上記の不等式F14において、左辺の「(Ps−P0)J/E」は、加熱前後の軌跡長差ΔJに対する所定の限度値JLとしてポリマ繊維12の弾性限度Psに基づいて定められる値であり、加熱前後の軌跡長差ΔJはその限度値JL以下になっている。この場合、上記式F11、式F13、および不等式F14から判るように、その限度値JLは、上限温度時の被押圧部圧力Phが弾性限度Psに一致する場合の軌跡長差ΔJである。その上限温度時の被押圧部圧力Phが弾性限度Psに一致する場合の軌跡長差ΔJとは、別言すれば、ポリマ繊維12が上限温度THにされることに伴ってポリマ繊維12の被押圧部圧力Pが弾性限度Psになる場合の軌跡長差ΔJである。なお、上記の不等式F13は、上記式F11において上限温度時の被押圧部圧力Phにポリマ繊維12の弾性限度Psを代入して得られた関係式に基づいている。
次に、上述したアクチュエータ装置10の製造工程(言い換えれば、組立工程)について、図8を用いて説明する。先ず、準備工程としてのステップS01では、ポリマ繊維12と電熱線14とを用意する。
ステップS01に続く巻付け工程としてのステップS02では、ポリマ繊維12の外周上に想定される電熱線14の巻付け軌跡14a(図2参照)に従って電熱線14を所定の巻付け角度θで螺旋状に、ポリマ繊維12の外周に巻き付ける。例えば、ポリマ繊維12の温度を下限温度TLにした上で、そのポリマ繊維12に電熱線14を巻き付ける。
このとき、電熱線14の巻付け軌跡14aは、上記式F8から得られる加熱前後の軌跡長差ΔJが所定の限度値JL以下になるように定められる。その限度値JLは、上記式F14の説明で上述した通りである。すなわち、完成したアクチュエータ装置10においてポリマ繊維12の被押圧部圧力Pがポリマ繊維12が上限温度THにされることに伴ってポリマ繊維12の弾性限度Psになる場合の軌跡長差ΔJを、その限度値JLとして用いる。
例えば本実施形態では、巻付け軌跡14aの加熱前長さJ(図5参照)と巻付け軌跡14aの加熱後長さJ1(図6参照)とが互いに同じまたは略同じになる巻付け角度θで、電熱線14はポリマ繊維12の外周に巻き付けられる。
また、ステップS02の実施前には、電熱線14はポリマ繊維12に未だ巻き付けられていないので、ステップS02では、図5の巻付け軌跡14aの加熱前長さJと、図6の巻付け軌跡14aの加熱後長さJ1とを、それぞれ次のように言い換えることができる。すなわち、ステップS02では、図5の巻付け軌跡14aの加熱前長さJは、電熱線14を巻き付ける前のポリマ繊維12が下限温度TLとされた場合の上記巻付け軌跡14aの長さであると言える。そして、図6の巻付け軌跡14aの加熱後長さJ1は、電熱線14を巻き付ける前のポリマ繊維12が上限温度THとされた場合の上記巻付け軌跡14aの長さであると言える。
以上が、アクチュエータ装置10の製造工程である。
上述したように、本実施形態によれば、ポリマ繊維12は、ポリマ繊維12と電熱線14との間に発生する図3の接触応力P(言い換えれば、ポリマ繊維12の被押圧部圧力P)がポリマ繊維12の弾性限度Ps以下にとどまる範囲内で、温度変化に応じて変形する。これにより、ポリマ繊維12が温度変化に応じて変形しても、ポリマ繊維12の被押圧部圧力Pに起因してポリマ繊維12に塑性変形が生じることを回避することが可能である。従って、電熱線14によってポリマ繊維12が加熱された後にその加熱が解除された場合には、ポリマ繊維12は、電熱線14による加熱前の元の形状に戻る。そのため、電熱線14とポリマ繊維12との間の熱抵抗がポリマ繊維12に対する加熱に起因して増大することを回避することが可能である。
また、本実施形態によれば、図8のステップS02では、電熱線14を、ポリマ繊維12の外周上に想定される電熱線14の巻付け軌跡14a(図2参照)に従ってそのポリマ繊維12の外周に巻き付ける。そして、その電熱線14の巻付け軌跡14aは、上記式F8から得られる加熱前後の軌跡長差ΔJがポリマ繊維12の弾性限度Psに基づいた所定の限度値JL以下になるように定められる。これにより、アクチュエータ装置10のポリマ繊維12の熱膨張に伴い電熱線14が引張られることに起因して発生するポリマ繊維12の被押圧部圧力Pがポリマ繊維12の弾性限度Ps以下になるように、電熱線14をポリマ繊維12に巻き付けることが可能である。従って、上記のように、電熱線14とポリマ繊維12との間の熱抵抗がポリマ繊維12に対する加熱に起因して増大することを回避することが可能である。
また、本実施形態によれば、図1および図3に示すように、電熱線14は、ポリマ繊維12の外周に巻き付けられている。そして、電熱線14は、ポリマ繊維12の温度が高くなるほど電熱線14が引張られることに起因してポリマ繊維12の被押圧部121を繊維径方向DRrの内側へ強く押圧する。また、ポリマ繊維12が上限温度THとされた場合に被押圧部121に発生する圧縮応力P(すなわち、被押圧部圧力P)はポリマ繊維12の弾性限度Ps以下である。従って、電熱線14をポリマ繊維12の外周に巻き付けることで構成されたアクチュエータ装置10において、電熱線14によるポリマ繊維12の塑性変形を回避することが可能である。
また、本実施形態によれば、加熱前後の軌跡長差ΔJは、ポリマ繊維12の弾性限度Psに基づいた所定の限度値JL以下になっている。従って、ポリマ繊維12に対する電熱線14の巻付け方によって、ポリマ繊維12の被押圧部圧力Pをポリマ繊維12の弾性限度Ps以下にとどめることが可能である。
また、本実施形態によれば、加熱前後の軌跡長差ΔJは、上記式F8によって得られる。従って、上記式F8と式F14とを用いることにより、ポリマ繊維12の被押圧部圧力Pがポリマ繊維12の弾性限度Ps以下にとどまるように、ポリマ繊維12に対する電熱線14の巻付け方を決めることができる。そして、その電熱線14の巻付け方を予め決めてから、電熱線14をポリマ繊維12に巻き付けることが可能である。
また、本実施形態によれば、上記の限度値JLは、ポリマ繊維12が上限温度THにされることに伴ってポリマ繊維12の被押圧部圧力Pがポリマ繊維12の弾性限度Psになる場合の加熱前後の軌跡長差ΔJとされている。従って、電熱線14によるポリマ繊維12の塑性変形を回避することを可能にすると共に、電熱線14の巻付け方の許容範囲を最大限広くすることができる。
また、本実施形態によれば、例えば巻付け軌跡14aの加熱前長さJ(図5参照)と巻付け軌跡14aの加熱後長さJ1(図6参照)とが互いに同じまたは略同じになる巻付け角度θで、電熱線14はポリマ繊維12の外周に巻き付けられている。このようにすれば、下限温度TLと上限温度THとの間でポリマ繊維12が温度変化しても、ポリマ繊維12の被押圧部圧力Pが殆ど変動しない。そのため、電熱線14によるポリマ繊維12の塑性変形を回避し易い。
また、本実施形態によれば、下限温度時の被押圧部圧力P0は零よりも大きい。そのため、ポリマ繊維12が下限温度TLから上限温度THまでの何れの温度になっても、電熱線14は、ポリマ繊維12に対し常に接触圧を生じさせることになる。従って、電熱線14とポリマ繊維12との間に隙間Crが生じ得る場合と比較して、ポリマ繊維12に対する電熱線14の接触圧により、電熱線14とポリマ繊維12との間の熱抵抗を常に低く維持することが可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の実施形態の説明においても同様である。
図9および図10に示すように、本実施形態のアクチュエータ装置10では、電熱線14はポリマ繊維12の外周に巻き付けられていない。具体的には、電熱線14は、繊維軸方向DRaに沿って延びるように設けられている。例えば、その電熱線14は、ポリマ繊維12に接触し、繊維軸方向DRaに対して平行に配置されている。ポリマ繊維12に対する電熱線14の接触はポリマ繊維12が熱変形しても維持されるように、例えば電熱線14はポリマ繊維12に対して接合されている。
また、電熱線14は複数設けられている。その複数の電熱線14は、ポリマ繊維12の外周に沿ってポリマ繊維12の軸線CLまわりに相互間隔を空けて並ぶように配置されている。
本実施形態によれば、電熱線14はポリマ繊維12の外周に巻き付けられておらず、繊維軸方向DRaに沿って延びるように設けられている。これにより、電熱線14は、ポリマ繊維12が繊維径方向DRrに膨張することを妨げないので、ポリマ繊維12と電熱線14との間に発生する接触応力Pは略零である。すなわち、ポリマ繊維12は、ポリマ繊維12と電熱線14との間に発生する接触応力Pがポリマ繊維12の弾性限度Ps以下にとどまる範囲内で、温度変化に応じて変形する。そのため、電熱線14によるポリマ繊維12の塑性変形を回避することが可能である。
従って、電熱線14によってポリマ繊維12が加熱された後にその加熱が解除された場合には、ポリマ繊維12は、電熱線14による加熱前の元の形状に戻る。つまり、本実施形態でも、電熱線14とポリマ繊維12との間の熱抵抗がポリマ繊維12に対する加熱に起因して増大することを回避することが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図11に示すように、本実施形態のアクチュエータ装置10は弾性部材18を備えている。この点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。
具体的に、弾性部材18は、例えばシリコンゴム等で構成され、高い弾力性と共に高い熱伝導性を備えている。詳細には、弾性部材18はポリマ繊維12よりも柔らかく、弾性部材18の弾力性はポリマ繊維12の弾力性よりも高い。そして、電熱線14は図1のように巻き付けられているが、詳細には図11に示すように、電熱線14は、ポリマ繊維12と電熱線14との間に弾性部材18を挟んでポリマ繊維12の外周に巻き付けられている。
例えば、この弾性部材18は、ポリマ繊維12の被巻付け部122(図1参照)の全長にわたってポリマ繊維12と電熱線14との間に介在している。従って、電熱線14の熱は弾性部材18を介してポリマ繊維12へ伝わるようになっている。
また、弾性部材18は、ポリマ繊維12の温度変化に応じた変形に伴ってポリマ繊維12と電熱線14とに圧縮されることにより弾性変形する。従って、弾性部材18の弾力性によって、電熱線14とポリマ繊維12との間に隙間Cr(図4参照)が空かないようにすることが可能である。そして、弾性部材18を介して電熱線14の熱をポリマ繊維12へ伝えることができると共に、ポリマ繊維12が電熱線14に押圧されることに起因して塑性変形することを弾性部材18の弾性変形により回避することが可能である。
このような弾性部材18が奏する作用効果により、下限温度時の巻付け角度θaが図7の巻付け角度許容範囲Wθ内に入るように電熱線14をポリマ繊維12に巻き付けるという制約は、本実施形態には無い。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図12に示すように、本実施形態のアクチュエータ装置10は付勢部材20を備えている。この点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。
本実施形態の付勢部材20は、例えば伸縮可能な樹脂製のフィルムで構成されている。すなわち、付勢部材20はフィルム状であり、その付勢部材20の表面に沿った向き伸縮可能な高い弾力性を備えている。
そして、付勢部材20は、ポリマ繊維12の外周に巻き付けられた電熱線14に対する繊維径方向DRrの外側に、軸線CL(図1参照)まわりの周方向へ引き延ばされた状態で巻き付けられている。そのため、付勢部材20は、電熱線14をポリマ繊維12へ押し付けるように常に付勢している。従って、その付勢部材20の付勢力によって、電熱線14とポリマ繊維12との間に隙間Cr(図4参照)が空かないようにすることが可能である。
例えば、付勢部材20は、ポリマ繊維12の被巻付け部122(図1参照)の全長にわたって電熱線14に対する繊維径方向DRrの外側に巻き付けられている。
上述したように、本実施形態によれば、アクチュエータ装置10の付勢部材20は、電熱線14をポリマ繊維12へ押し付けるように付勢している。従って、ポリマ繊維12がそのポリマ繊維12の熱膨張に伴って電熱線14に押圧されることにより塑性変形したとしても、電熱線14がポリマ繊維12へ押し付けられた状態は付勢部材20の付勢力によって維持される。そのため、電熱線14とポリマ繊維12との間の熱抵抗がポリマ繊維12に対する加熱に起因して増大することを回避することが可能である。
このような付勢部材20が奏する作用効果により、下限温度時の巻付け角度θaが図7の巻付け角度許容範囲Wθ内に入るように電熱線14をポリマ繊維12に巻き付けるという制約は、本実施形態には無い。そして、本実施形態では、ポリマ繊維12の被押圧部121がポリマ繊維12の熱膨張に伴って電熱線14に押圧されることにより塑性変形する場合があってもよい。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態または第3実施形態と組み合わせることも可能である。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図13および図14に示すように、本実施形態では、電熱線14の構成が第1実施形態と異なっている。
具体的に、本実施形態の電熱線14は単純に延びる線材ではなく、電熱線14は、その電熱線14の長手方向に延伸するコイルバネ状に構成されている。そして、そのコイルバネ状の電熱線14が、ポリマ繊維12の外周に巻き付けられている。従って、電熱線14は、その電熱線14の径方向DRsrに弾性変形する弾力性を有し、その弾力性によりポリマ繊維12の被押圧部121を常に押圧している。
このような構成により、ポリマ繊維12がそのポリマ繊維12の熱膨張に伴って電熱線14に押圧されることにより塑性変形したとしても、電熱線14がポリマ繊維12を押圧する状態は、その電熱線14の弾力性によって維持される。すなわち、電熱線14の弾力性によって、電熱線14とポリマ繊維12との間に隙間Cr(図4参照)が空かないようにすることが可能である。そのため、電熱線14とポリマ繊維12との間の熱抵抗がポリマ繊維12に対する加熱に起因して増大することを回避することが可能である。
また、このような電熱線14の弾力性が奏する作用効果により、下限温度時の巻付け角度θaが図7の巻付け角度許容範囲Wθ内に入るように電熱線14をポリマ繊維12に巻き付けるという制約は、本実施形態には無い。そして、本実施形態では、ポリマ繊維12の被押圧部121がポリマ繊維12の熱膨張に伴って電熱線14に押圧されることにより塑性変形する場合があってもよい。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2〜第4実施形態の何れかと組み合わせることも可能である。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図15に示すように、本実施形態のアクチュエータ装置10はグリス22を備えている。この点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。
具体的に、本実施形態のグリス22は、熱を伝える熱伝導グリスであり、例えば高い熱伝導性を備えた熱伝導材料として機能する。そして、電熱線14は図1のように巻き付けられているが、詳細には図15に示すように、電熱線14は、ポリマ繊維12と電熱線14との間にグリス22を介在させてポリマ繊維12の外周に巻き付けられている。
例えば、このグリス22は、ポリマ繊維12の被巻付け部122(図1参照)の全長にわたってポリマ繊維12と電熱線14との間に介在している。従って、電熱線14の熱はグリス22を介してポリマ繊維12へ伝わるようになっている。すなわち、グリス22によって、電熱線14とポリマ繊維12との間に隙間Cr(図4参照)が空かないようにすることが可能である。
そして、ポリマ繊維12が電熱線14に押圧されることに起因して塑性変形することを、ポリマ繊維12と電熱線14との間でグリス22が流動することにより回避することが可能である。
このようなグリス22が奏する作用効果により、下限温度時の巻付け角度θaが図7の巻付け角度許容範囲Wθ内に入るように電熱線14をポリマ繊維12に巻き付けるという制約は、本実施形態には無い。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2〜第5実施形態の何れかと組み合わせることも可能である。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態において、図1のポリマ繊維12は、そのポリマ繊維12の温度が高くなるほど、捩り変形しつつ、繊維径方向DRrには膨張し且つ繊維軸方向DRaには収縮するが、これは一例である。ポリマ繊維12の温度変化に応じた変形の仕方は、そのような変形に限られる必要はない。例えば、ポリマ繊維12は、捩り変形しなくてもよい。
(2)上述の各実施形態では図1に示すように、ポリマ繊維12は、直線状に延びているが、その図1のように直線状に延びていなくても差し支えない。例えばポリマ繊維12は螺旋形状になっていてもよい。その場合、繊維軸方向DRaは、その螺旋形状に沿った方向になる。
(3)上述の各実施形態では、アクチュエータ装置10において作動部材はポリマ繊維12であるが、その作動部材はポリマ繊維12以外の物で構成されていても差し支えない。また、アクチュエータ装置10において加熱部材は電熱線14であるが、その加熱部材は電熱線14以外の物で構成されていても差し支えない。更に言えば、その加熱部材は、通電以外の手段により発熱しても構わない。
(4)上述の各実施形態では図1および図3に示すように、電熱線14は線材状であるが、それに限らず、例えば帯状であっても差し支えない。
(5)なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、作動部材は、その作動部材と加熱部材との間に発生する応力が作動部材の弾性限度以下にとどまる範囲内で、温度変化に応じて変形する。
また、第2の観点によれば、加熱部材は線材状であって、作動部材の外周に巻き付けられており、作動部材の温度が高くなるほど加熱部材が引張られることに起因して作動部材の被押圧部を作動部材の径方向の内側へ強く押圧する。また、上記応力は、加熱部材による押圧によって被押圧部に発生する圧縮応力である。作動部材が上限温度とされた場合に被押圧部に発生する圧縮応力は弾性限度以下である。従って、加熱部材を作動部材の外周に巻き付けることで構成されたアクチュエータ装置において、加熱部材による作動部材の塑性変形を回避することが可能である。
また、第3の観点によれば、作動部材は線材状であって、作動部材の温度が高くなるほど作動部材の径方向には膨張し且つ作動部材の軸方向には収縮する。加熱部材は線材状であって、作動部材の外周に巻き付けられている。また、作動部材は、所定の下限温度と、その下限温度よりも高い所定の上限温度との間で温度変化させられるものである。そして、加熱部材がその加熱部材の巻付け軌跡を作動部材の外周上に残して且つ作動部材から取り除かれた仮想状態を想定する。その場合、その仮想状態の下で作動部材が下限温度とされた場合の巻付け軌跡の加熱前長さと、その仮想状態の下で作動部材が上限温度とされた場合の巻付け軌跡の加熱後長さとの差である軌跡長差は、上記弾性限度に基づいた所定の限度値以下になっている。
従って、作動部材に対する加熱部材の巻付け方によって、作動部材と加熱部材との間に発生する応力を作動部材の弾性限度以下にとどめることが可能である。
また、第4の観点によれば、作動部材は、作動部材の温度が高くなるほど、捩り変形しつつ、径方向には膨張し且つ軸方向には収縮する。加熱部材は、所定の巻付け角度で螺旋状に作動部材の外周に巻き付けられている。そして、上記軌跡長差は上記式F8のΔJとして得られる。
従って、上記式F8を用いることにより、作動部材と加熱部材との間に発生する応力が作動部材の弾性限度以下にとどまるように、作動部材に対する加熱部材の巻付け方を決めることができる。そして、その加熱部材の巻付け方を予め決めてから、加熱部材を巻き付けることが可能である。
また、第5の観点によれば、上記限度値は、作動部材が上限温度にされることに伴って上記応力が弾性限度になる場合の軌跡長差とされている。従って、加熱部材による作動部材の塑性変形を回避することを可能にすると共に、加熱部材の巻付け方の許容範囲を最大限広くすることができる。
また、第6の観点によれば、作動部材は線材状である。加熱部材は線材状であって、作動部材と加熱部材との間に弾性部材を挟んで作動部材の外周に巻き付けられている。そして、弾性部材は弾力性を有し、作動部材の温度変化に応じた変形に伴って作動部材と加熱部材とに圧縮されることにより弾性変形する。従って、弾性部材を介して加熱部材の熱を作動部材へ伝えることができると共に、作動部材が加熱部材に押圧されることに起因して塑性変形することを弾性部材の弾性変形により回避することが可能である。
また、第7の観点によれば、作動部材は線材状である。そして、加熱部材は線材状であって、作動部材と加熱部材との間にグリスを介在させて作動部材の外周に巻き付けられている。従って、グリスを介して加熱部材の熱を作動部材へ伝えることができる。そして、作動部材が加熱部材に押圧されることに起因して塑性変形することを、作動部材と加熱部材との間でグリスが流動することにより回避することが可能である。
また、第8の観点によれば、アクチュエータ装置は、温度変化に応じて変形する線材状の作動部材と、作動部材の外周に巻き付けられ作動部材に熱を与える線材状の加熱部材と、加熱部材を作動部材へ押し付けるように付勢する付勢部材とを備えている。
また、第9の観点によれば、アクチュエータ装置は、温度変化に応じて変形する線材状の作動部材と、作動部材の外周に巻き付けられ作動部材に熱を与える線材状の加熱部材とを備えている。そして、加熱部材は、その加熱部材の径方向に弾性変形する弾力性を有し、その弾力性により作動部材を押圧する。
また、第10の観点によれば、アクチュエータ装置は、温度変化に応じて変形する線材状の作動部材と、作動部材に熱を与える加熱部材とを備える。そして、作動部材は、その作動部材の温度が高くなるほど作動部材の径方向に膨張し、加熱部材は、作動部材の軸方向に沿って延びるように設けられている。
また、第11の観点によれば、アクチュエータ装置の製造方法は、作動部材と加熱部材とを用意することと、その用意後に、加熱部材を、作動部材の外周上に想定される加熱部材の巻付け軌跡に従ってその作動部材の外周に巻き付けることとを含む。そして、その巻き付けることでは、巻付け軌跡の加熱前長さと巻付け軌跡の加熱後長さとの差が作動部材の弾性限度に基づいた所定の限度値以下になるように、巻付け軌跡を定める。その巻付け軌跡の加熱前長さとは、加熱部材を巻き付ける前の作動部材が下限温度とされた場合の巻付け軌跡の長さである。また、巻付け軌跡の加熱後長さとは、加熱部材を巻き付ける前の作動部材が上限温度とされた場合の巻付け軌跡の長さである。
10 アクチュエータ装置
12 ポリマ繊維(作動部材)
14 電熱線(加熱部材)
Ps ポリマ繊維の弾性限度

Claims (11)

  1. アクチュエータ装置であって、
    温度変化に応じて変形する作動部材(12)と、
    前記作動部材に熱を与える加熱部材(14)とを備え、
    前記作動部材は、該作動部材と前記加熱部材との間に発生する応力(P)が前記作動部材の弾性限度(Ps)以下にとどまる範囲内で、温度変化に応じて変形する、アクチュエータ装置。
  2. 前記作動部材は線材状であって、所定の下限温度(TL)と、該下限温度よりも高い所定の上限温度(TH)との間で温度変化させられるものであり、前記加熱部材により押圧される被押圧部(121)を有し、
    前記加熱部材は、前記作動部材の外周に巻き付けられており、前記作動部材の温度が高くなるほど前記加熱部材が引張られることに起因して前記被押圧部を前記作動部材の径方向(DRr)の内側へ強く押圧し、
    前記応力は、前記加熱部材による押圧によって前記被押圧部に発生する圧縮応力であり、
    前記作動部材が前記上限温度とされた場合に前記被押圧部に発生する前記圧縮応力は前記弾性限度以下である、請求項1に記載のアクチュエータ装置。
  3. 前記作動部材は線材状であって、前記作動部材の温度が高くなるほど前記作動部材の径方向(DRr)には膨張し且つ前記作動部材の軸方向(DRa)には収縮し、
    前記加熱部材は、前記作動部材の外周に巻き付けられており、
    前記作動部材は、所定の下限温度(TL)と、該下限温度よりも高い所定の上限温度(TH)との間で温度変化させられるものであり、
    前記加熱部材が該加熱部材の巻付け軌跡(14a)を前記作動部材の外周上に残して且つ前記作動部材から取り除かれた仮想状態の下で前記作動部材が前記下限温度とされた場合の前記巻付け軌跡の加熱前長さ(J)と、前記仮想状態の下で前記作動部材が前記上限温度とされた場合の前記巻付け軌跡の加熱後長さ(J1)との差である軌跡長差(ΔJ)は、前記弾性限度に基づいた所定の限度値以下になっている、請求項1に記載のアクチュエータ装置。
  4. 前記作動部材は、前記作動部材の温度が高くなるほど、捩り変形しつつ、前記径方向には膨張し且つ前記軸方向には収縮し、
    前記加熱部材は、所定の巻付け角度(θ)で螺旋状に前記作動部材の外周に巻き付けられており、
    前記下限温度の前記作動部材に巻き付けられた前記加熱部材の巻き回数をN、前記下限温度の前記作動部材のうち前記加熱部材が巻き付けられた被巻付け部(122)の軸方向長さをL、前記下限温度とされた前記被巻付け部の直径をd、膨張側を正方向とした前記径方向における前記作動部材の熱膨張係数をα、膨張側を正方向とした前記軸方向における前記作動部材の熱膨張係数をβ、前記下限温度と前記上限温度との温度差をt、前記下限温度の前記作動部材が前記上限温度まで温度上昇した場合に捩れる前記被巻付け部の捩り角度をγとした場合に、前記軌跡長差は下記式1のΔJとして得られ、
    Figure 2020080633
    前記捩り角度は、前記作動部材が前記加熱部材の巻付け方向と同方向へ捩れる捩り変形を正方向とし且つ単位をdegとして前記式1に用いられる、請求項3に記載のアクチュエータ装置。
  5. 前記限度値は、前記作動部材が前記上限温度にされることに伴って前記応力が前記弾性限度になる場合の前記軌跡長差とされている、請求項3または4に記載のアクチュエータ装置。
  6. 弾力性を有する弾性部材(18)を備え、
    前記作動部材は線材状であり、
    前記加熱部材は、前記作動部材と前記加熱部材との間に前記弾性部材を挟んで前記作動部材の外周に巻き付けられており、
    前記弾性部材は、前記作動部材の温度変化に応じた変形に伴って前記作動部材と前記加熱部材とに圧縮されることにより弾性変形する、請求項1に記載のアクチュエータ装置。
  7. 熱を伝えるグリス(22)を備え、
    前記作動部材は線材状であり、
    前記加熱部材は、前記作動部材と前記加熱部材との間に前記グリスを介在させて前記作動部材の外周に巻き付けられている、請求項1に記載のアクチュエータ装置。
  8. アクチュエータ装置であって、
    温度変化に応じて変形する線材状の作動部材(12)と、
    前記作動部材の外周に巻き付けられ、前記作動部材に熱を与える加熱部材(14)と、
    前記加熱部材を前記作動部材へ押し付けるように付勢する付勢部材(20)とを備えている、アクチュエータ装置。
  9. アクチュエータ装置であって、
    温度変化に応じて変形する線材状の作動部材(12)と、
    前記作動部材の外周に巻き付けられ、前記作動部材に熱を与える加熱部材(14)とを備え、
    前記加熱部材は、該加熱部材の径方向(DRsr)に弾性変形する弾力性を有し、該弾力性により前記作動部材を押圧する、アクチュエータ装置。
  10. アクチュエータ装置であって、
    温度変化に応じて変形する線材状の作動部材(12)と、
    前記作動部材に熱を与える加熱部材(14)とを備え、
    前記作動部材は、該作動部材の温度が高くなるほど前記作動部材の径方向(DRr)に膨張し、
    前記加熱部材は、前記作動部材の軸方向(DRa)に沿って延びるように設けられている、アクチュエータ装置。
  11. 温度変化に応じて変形する線材状の作動部材(12)と、該作動部材に熱を与える加熱部材(14)とを備え、所定の下限温度(TL)と、該下限温度よりも高い所定の上限温度(TH)との間で前記作動部材が温度変化させられるアクチュエータ装置(10)の製造方法であって、
    前記作動部材として、該作動部材の温度が高くなるほど前記作動部材の径方向(DRr)には膨張し且つ前記作動部材の軸方向(DRa)には収縮するものを用意することと、
    前記加熱部材を用意することと、
    前記作動部材および前記加熱部材の用意後に、前記加熱部材を、前記作動部材の外周上に想定される該加熱部材の巻付け軌跡(14a)に従って該作動部材の外周に巻き付けることとを含み、
    前記巻き付けることでは、前記加熱部材を巻き付ける前の前記作動部材が前記下限温度とされた場合の前記巻付け軌跡の加熱前長さ(J)と、前記加熱部材を巻き付ける前の前記作動部材が前記上限温度とされた場合の前記巻付け軌跡の加熱後長さ(J1)との差(ΔJ)が前記作動部材の弾性限度(Ps)に基づいた所定の限度値以下になるように、前記巻付け軌跡を定める、アクチュエータ装置の製造方法。
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