JP2020077844A - 低次元電子構造の物質から構成される電極を用いる有機トランジスタ素子と有機発光トランジスタ素子及びその製造方法 - Google Patents

低次元電子構造の物質から構成される電極を用いる有機トランジスタ素子と有機発光トランジスタ素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低次元電子構造素材電極基盤の有機発光トランジスタに関するものであって、より詳細には、根本的に平坦で容易に加工できる低次元電子構造のグラフェンをソース(又はドレイン)電極として使用する有機発光トランジスタを提供する。【解決手段】グラフェン基盤有機発光トランジスタ(Gr‐VOLET)は、極めて低い電力損失特性とともに、高い輝度でも150%以上の高度に向上した有効開口率(AReff)特性を有する。グラフェンソース電極からチャネル層へ正孔が注入されるトンネリング過程がゲート電圧で効率的に変調されるメカニズムを有し、このような優れた素子の動作原理を有する有機発光トランジスタは、次世代ディスプレイデバイス、一般照明応用及びその他の分野の実用的な発光トランジスタデバイスに用いることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、低次元電子構造の物質から構成される電極を備えた有機トランジスタ及び有機発光トランジスタに関するものであって、より詳細には、平坦で容易に加工できる低次元電子構造の物質電極をソース又はドレイン電極として用いる垂直型有機トランジスタと有機発光トランジスタ及びその製造方法に関するものである。
ここ数年、先端電子工学分野で有機半導体物質を利用する有機発光ダイオード(OLEDs)、太陽電池(solar cells)、トランジスタ(transistors)、センサー(sensor)等のような多様な高級デバイスの開発に成功した。その中でも、高品質なディスプレイ、照明及び光感知装置のための高輝度、高効率、フルカラー電界発光(electroluminescence、EL)放出を具現するために、OLED(organic light-emitting diode)とこれに関連する分野に集中的な開発が進んできた。このようなOLEDは、液晶ディスプレイ(LCD)のような従来の光電子素子に比べて視野角、応答時間、厚さ及びコントラスト比(contrast ratio)の側面で優れた特徴を有するものであるとよく知られている。ディスプレイ商品の一例として、優れた小型OLEDディスプレイがピクセルの状態を制御できる薄膜トランジスタ(TFT)スイッチアレイ上に構築されて生産されている。このようなアクティブマトリクス型(active matrix、AM)OLED(AM‐OLED)において、OLEDは電流モードで駆動されるため、一般的にOLED画素を選択するスイッチングTFT及びOLEDを動作させる駆動TFTを含む、少なくとも2つのTFTが一つの画素に求められる。これによって、AM‐OLEDの関連する主な課題として駆動TFTとOLEDの統合がイシューとして残っている。非晶質シリコン(amorphous Si、a-Si)TFTは低い電荷移動度によりOLEDに必要な電流量を満たすことができないため、高移動度の多結晶シリコン(polycrystalline Si、poly-Si)TFTが代案として使用されることができる。しかし、poly‐Siは、多結晶粒子の大きさ、結晶方位及び粒子数による大きな特性変化に関連する根本的な限界によりピクセル間の再現性が低い。従って、AM‐OLEDで数多い進歩がなされているにもかかわらず、精巧な工程手続きで製作される複雑なTFTデザインは、かなり制限された発光面積、すなわち、低い開口率(aperture ratio)を有するようになり、これはディスプレイの大きさの制限のみならず、装置性能の低下に関連する深刻な問題を引き起こしている。
AM‐OLEDのこのような問題を克服するために、今、多様な構造の素子が研究開発されている。その中でも、色々な有機発光トランジスタ(organic light-emitting transistor、OLET)、すなわち、静電誘導有機発光トランジスタ(SIT-OLET)、金属‐絶縁体‐半導体型有機発光トランジスタ(MIS-OLET)、横型有機発光トランジスタ(lateral OLET)及び垂直型有機発光トランジスタ(vertical OLET、VOLET)がOLEDの発光機能とトランジスタのスイッチング機能を一つの素子構造に統合する方向に開発された。このような統合は、駆動TFTの数を画期的に減少させることができるので、有機発光トランジスタはAM型ディスプレイとして応用できる画期的な技術となることができる。
一方、最近、炭素ナノチューブ(carbon nanotube、CNT)基盤のトランジスタを用いて、有機発光トランジスタを構成する、CNT基盤の有機発光トランジスタ(CNT‐VOLET)素子が開発されて報告された(McCarthy, M.A. 等 Science 332, 570-573, 2011)。ソース電極としてCNTネットワークを使用するCNT‐VOLET素子は、高いオン/オフ比率等のような幾つかの改善事項を達成した。このような素子の特性は、ソース電極の表面に横方向(又は、水平方向)ショットキー障壁高さ(lateral or horizontal Schottky barrier height)のゲート‐電圧‐誘導変調に起因したものである。これに関連する特許である韓国公開特許第10‐2013‐0130011号には、「アクティブマトリクス減殺ソースイネーブル型垂直有機発光トランジスタ」を記述しているが、このような従来技術は、炭素ナノチューブの凝集によって(参照文献:Lee, B. 等 J. Appl. Phys. 116, 144503 2014)、平坦で均一な表面を有するCNTネットワークソース電極の製作が難しく、素子の再現生産が困難であり、CNT‐VOLET素子の有効開口率(effective aperture ratio、AReff)が98%程度で依然として不十分であり、その素子の寄生電力消費が6.2%とさらに減少されるべき実情である(McCarthy, M. A. 等 Science 332, 570-573, 2011)。それ故に、低い電力消費と高い有効開口率を有し、製造信頼性の高い有機発光トランジスタの開発は、この分野で非常に重要な課題として残っている。
韓国公開特許 第10−2013−0130011号
本発明では、駆動TFTとOLEDの統合のために簡潔な製造工程を有する低次元電子構造の物質から構成される電極を基盤とした有機トランジスタと有機発光トランジスタ及びその製造方法を提供しようとする。
従来技術としてのAM‐OLEDは、数多い進歩がなされているにもかかわらず、精巧な工程過程を通じて複雑なTFTデザインで製作され、かなり制限された開口率(25〜34%)と関連するだけでなく、ディスプレイの大きさの増加及び装置性能水準の改善に関連する深刻な問題を引き起こしている。
これを解決するために、本発明で提案する低次元電子構造の物質から構成される電極を備えた有機トランジスタ及び有機発光トランジスタは、根本的に平坦で容易に加工できる低次元電子構造の物質をソース又はドレイン電極として用いる有機(発光)トランジスタを提供し、極めて低い電力損失特性とともに高い輝度でも高度に向上した有効開口率特性を有し、低次元電子構造体電極からチャネル層へ電荷が注入されるトンネリング過程をゲート電圧で効率的に変調するメカニズムで動作する素子を提供しようとする。
しかし、本発明で解決しようとする課題は、以上で触れた課題で制限されず、触れていない他の課題は、以下の記載から当業者に明らかに理解されることができるだろう。
本願発明は、低次元電子構造物質から構成される電極を有する有機トランジスタ及び有機発光トランジスタに関するものである。
本願発明は、前記低次元電子構造物質の電極としては、グラフェン、炭素ナノチューブ、金属ナノ線(nanowire、NW)、Ag‐NW、金属ハロゲン、MoS、TiS、WSe及びこれらの複合体から選ばれた1種の物質からなされたことを特徴とする有機発光トランジスタに関するものである。
本願発明は、前記低次元電子構造物質の電極としては、単一層又は多層構造のグラフェン基盤であるソース又はドレインであることを特徴とする有機トランジスタ及び有機発光トランジスタに関するものである。
本願発明は、前記低次元電子構造物質の電極としては、単一層グラフェン基盤であるソース又はドレインであることを特徴とする有機トランジスタ及び有機発光トランジスタに関するものである。以後、低次元電子構造物質のソース及びドレイン電極を代表して低次元電子構造物質のソース電極の特性を説明する。また、本願発明は、基板;前記基板上に積層された伝導層;前記伝導層上に積層された誘電体層;前記誘電体層上に積層された低次元電子構造物質から構成される正孔注入用ソース電極;前記ソース上に積層された発光層;及び前記発光層上に積層された電子注入用ドレイン;を含む有機発光トランジスタであることもある。
本願発明は、グラフェン基盤であるソース電極から正孔が注入されるトンネリング過程をゲート電圧で変調することを特徴とする有機トランジスタ及び有機発光トランジスタに関するものである。
また、基板;前記基板上に積層された伝導層;前記伝導層上に積層された誘電体層;前記誘電体層上に積層された低次元電子構造物質から構成される電子注入用ソース電極;前記ソース上に積層された発光層;及び前記発光層上に積層された正孔注入用ドレイン;を含む逆構造の有機発光トランジスタであることもある。
本願発明は、グラフェン基盤であるソース電極から電子が注入されるトンネリング過程をゲート電圧で変調することを特徴とする逆構造有機トランジスタ及び有機発光トランジスタに関するものである。
以後、順構造有機トランジスタ及び有機発光トランジスタ並びに逆構造有機トランジスタ及び有機発光トランジスタを代表して順構造有機発光トランジスタの特性を説明する。
本願発明は、前記グラフェン電極は、窒素ドープ、Auドープ、Clドープ、Fドープ、1,1-dibenzyl-4,4-bipyridinium dichloride(ビオロゲン)ドープ、アルカリ金属炭酸化塩ドープ、tetrafluorotetracyanoquinodimethane(F4‐TCNQ)ドープ、fluoropolymer(CYTOP)ドープ等の物理化学的にp‐型又はn‐型ドープされたことを特徴とする有機トランジスタ及び有機発光トランジスタに関するものである。
本願発明は、前記グラフェン電極は、FeClでドープされたことを特徴とする有機トランジスタ及び有機発光トランジスタに関するものである。
本願発明は、前記FeClでドープされたグラフェンは、FeCl水溶液で処理して得られることを特徴とする有機発光トランジスタに関するものである。
本願発明は、前記低次元電子構造物質から構成される電極は、縦方向(垂直方向)にポテンシャル障壁の電気変調が可能であることを特徴とする有機トランジスタ及び有機発光トランジスタに関するものである。
以降からは、前記有機トランジスタ及び有機発光トランジスタを代表して、有機発光トランジスタの詳細な説明を記載する。
本願発明は、前記基板は、ガラス、強化ガラス、石英、パイレックス(登録商標)、シリコンの場合には、PET(polyethyleneterephthalate)、PEN(polyethylenenaphthalate)、PES(polyethersulfone)、PI(polyimide)、PC(polycarbonate)、PU(polyurethane)及びPTFE(polytetrafluoroethylene)のいずれか一つからなされたことを特徴とする有機発光トランジスタに関するものである。
本願発明は、前記伝導層は、ITO、IZO、SnO、ATO、FTO、GZO、IGZO、carbon nanotube、graphene、Ag nanowire、metal nanowire、conducting polymer、及びsolid electrolyteから選ばれたいずれか1種の物質からなされたことを特徴とする有機発光トランジスタに関するものである。
本願発明は、前記誘電体層は、SiOx(x≧1)、Al3、ZnO、Ta、Nb、HfO、TiO、In、SiNx(x≧1)、MgF、CaF、PET、PEN、PES、PI、PC、PU及びPTFEから選ばれた1種の物質からなされたことを特徴とする有機発光トランジスタに関するものである。
本願発明は、前記誘電体層は、Al3であることを特徴とする有機発光トランジスタに関するものである。
本願発明は、100cdm-2の発光輝度で有効開口率が100%以上である、有機発光トランジスタに関するものである。
本願発明は、基板上にゲート電極用伝導層を積層する段階;前記伝導層上に誘電体層を積層する段階;前記誘電体層上に低次元電子構造のソースを積層する段階;前記ソース上に発光層を積層する段階;前記発光層にドレインを積層する段階を含む有機トランジスタ及び有機発光トランジスタの製造方法に関するものである。
また、本願発明は、基板上にゲート電極用伝導層を積層する段階;前記伝導層上に誘電体層を積層する段階;前記誘電体層上に低次元電子構造物質から構成される正孔注入用ソース電極を積層する段階;前記ソース上に発光層を積層する段階;前記発光層に電子注入用ドレインを積層する段階を含む有機発光トランジスタの製造方法であることもある。
また、本願発明は、基板上にゲート電極用伝導層を積層する段階;前記伝導層上に誘電体層を積層する段階;前記誘電体層上に低次元電子構造物質から構成される電子注入用ソース電極を積層する段階;前記ソース上に発光層を積層する段階;前記発光層に正孔注入用ドレインを積層する段階を含む逆構造の有機発光トランジスタの製造方法であることもある。
本願発明は、前記低次元電子構造は、グラフェン基盤であるソースであることを特徴とする有機発光トランジスタの製造方法に関するものである。
本願発明は、前記低次元電子構造物質電極は、縦方向にポテンシャル障壁の電気変調が可能であることを特徴とする有機トランジスタ及び有機発光トランジスタの製造方法に関するものである。
本願発明は、前記グラフェンは、FeClでドープされたことを特徴とする有機トランジスタ及び有機発光トランジスタの製造方法に関するものである。
本願発明は、前記グラフェン基盤のソースを積層する段階は、FeCl水溶液でドープして得られることを特徴とする有機トランジスタ及び有機発光トランジスタの製造方法に関するものである。
本願発明は、前記基板は、ガラス、強化ガラス、石英、パイレックス(登録商標)、シリコンの場合には、PET、PEN、PES、PI、PC、PU及びPTFEのいずれか一つからなされたことを特徴とする有機発光トランジスタの製造方法に関するものである。
本願発明は、前記伝導層は、ITO、IZO、SnO、ATO、FTO、GZO、IGZO、CNT graphene、Ag-nanowire、metal nanowire、conducting polymer、及びsolid electrolyteから選ばれたいずれか1種の物質からなされたことを特徴とする有機発光トランジスタの製造方法に関するものである。
本願発明は、前記誘電体層は、SiOx(x≧1)、Al3、ZnO、Ta、Nb、HfO、TiO、In、SiNx(x≧1)、MgF、CaF、PET、PEN、PES、PI、PC及びPTFEから選ばれた1種の物質からなされたことを特徴とする有機トランジスタ及び有機発光トランジスタの製造方法に関するものである。
本発明では、根本的に平坦で容易に加工できる低次元電子構造の物質をソース電極として用いて製作される有機発光トランジスタを提供する。低次元電子構造材料の一つとして使用できるグラフェンは、炭素原子が六角形格子構造のsp形態で結合した2次元物質であって、平面構造によって単一層グラフェン(SLG、single-layer graphene)は優れた光透過率と電気伝導性を有する。
また、本発明では、グラフェン電極基盤の垂直型有機発光トランジスタ(Gr‐VOLET)にゲート電圧を適用することによって、素子性能を効率的に変調することができる。
また、本発明のGr‐VOLETは、極めて低い電力損失特性とともに、高い輝度でも150%以上の高度に向上した有効開口率特性を有し、グラフェンソース電極からチャネル層へ正孔が注入されるトンネリング過程をゲート電圧で効率的に変調する作動メカニズムを有する。かかる優れた素子の動作原理を有する本発明は、次世代ディスプレイデバイス、一般照明応用及びその他の分野の実用的な発光トランジスタデバイスに利用することができる。
図1は、グラフェン基盤の垂直有機発光トランジスタ(Gr‐VOLETs)の構造及び製作段階の概略図を示す。単一層グラフェン(single layer graphene、SLG)ソース及び有機発光チャネル層、Al金属ドレイン、機能層を有するGr‐VOLET構造及び製造段階の概略図とGr‐VOLET断面スライスのSEMイメージを示す。透明SLGソース及びAlゲート誘電体に分離されたITOゲートの上部に配置され、ITOはインジウムスズ酸化物である。
図2は、グラフェン基盤の垂直有機発光トランジスタ(Gr‐VOLETs)の動作特性を示す。3.8Vの固定ソース‐ドレイン電圧(VSD)で3つのゲート電圧(V)に対するGr‐VOLETの発光写真(発光ピクセル領域:4mm×2mm、白い四角形)である。左側と右側のイメージで、Gr‐VOLETは、各々V=−40Vと+40Vで完全につくかあるいは消えた状態である。比較のために、中間の図面は、V=0VでGr‐VOLETのグレー光放出を示す。
図3は、グラフェン基盤の垂直有機発光トランジスタ(Gr‐VOLETs)の動作特性として、波長による電界発光(electroluminescence、EL)スペクトル及び反応時間と印加電圧による輝度を示す。複数のV及び対照標準(control)ITO‐OLED(点線)に対するGr‐VOLET(実線)の電界発光スペクトルを示す。最大放出ピークは、550nmで現れる。発光チャネル層に用いられたSuper Yellow(SY)の分子構造がグラフの中の図面に記載した。
図4は、3.8Vの固定VSDでゲートに印加されたステップ電圧(V=±40V)に対するGr‐VOLETの応答時間特性を示す。
図5は、Gr‐VOLETの出力特性を示し、SLGソースの種類が異なるGr‐VOLETsのゲート電圧(V)依存性電流密度‐電圧(JSD‐VSD)(左側)及び輝度‐電圧(L‐VSD)(右側)特性である。SLGは(a)に該当し、SLGは(b)に該当し、SLGは(c)に該当する。比較のために、ゲート‐分離Gr‐VOLET(即ち、Gr‐OLED)の特性もさらに図示されている(点線になっている曲線は、OLED動作を意味する)。
図6は、Gr‐VOLETsでの電荷注入過程に関するものであって、(a)は、V=0VでSLG乃至SLGのGr‐VOLETに対し、(b)は、多様なVでSLGのGr‐VOLETに対するファウラー・ノルドハイムプロット、ln(J/VSD )対1/VSDのグラフである。Vは、正孔注入メカニズムがショットキー熱イオン放出からトンネリングに変える転移電圧を示す。(a)は、SLGとSYチャネル層の間の界面の垂直方向に沿ったSLG/SY界面での熱イオン放出及びトンネリングの概略エネルギーバンドダイアグラムを示す。Φは、SLGのフェルミ準位(E)とSYのHOMO(highest occupied molecular orbital)準位の間の界面ポテンシャル障壁高さであり、(b)の実線は、トンネリング電流モデルを基盤とした理論的なフィッティングを示す。(c)は、正孔‐優勢領域で実験曲線の分析から抽出されたゲートバイアス‐変調トンネル障壁高さΦ、ΔΦは、V=±40Vでゲート電圧によって誘導されたΦの変調を示す。
図7は、SLGの仕事関数のゲートバイアス誘導変調及びGr‐VOLETsの動作メカニズムを示す。(a)の左図は、SLGの仕事関数のゲートバイアス誘導変調に関するものであり、(a)の右図は、所与のVSDに対する3つのVGSでGr‐VOLETのエネルギー準位を示す。(b)は、所与のVSD=3.2VでGr‐VOLETのJSD‐V(上図)及びL‐V(下図)伝送特性カーブを示す。上方及び下方の挿入図は、各々Gr‐VOLETのJ‐V特性(上図)、所与のVSDに対する0VのVでGr‐VOLETピクセルの写真で二重安定スイッチング動作(下図)を示す。
図8は、対照標準(control)ITO‐OLED素子及びGr‐VOLETs素子の比較を示す。ITO基盤の対照標準OLEDに対して、「オン状態」(V=−40V)でSLG(上)、SLG(中)、SLG(下)ソースを有するGr‐VOLETsの電流密度‐輝度‐電圧(J‐L‐V)(a)及び電流効率‐輝度(η‐L)(b)を示した。ここで、ITO‐OLED=ITO‐OLED=(ITO/SY/CsF/Al)及びITO‐OLED=(ITO/PEDOT:PSS/SY/CsF/Al)を意味する。
図9は、本発明のVOLET基板上のSLG乃至SLGのラマンスペクトルを示す。
図10は、Gr‐VOLETsに用いられたSLGの特性を示す。(a)は、KPFMで測定したVOLET基板上の3つのSLGの仕事関数分布図に関するものである。写真は、該当SLGのAFMイメージ(5μm×5μm)を示す。(b)は、VDS=−100mVである時、液体ゲート型Gr‐FETのSLGの輸送特性に関するものであり、(c)は、V=0Vである時、VOLET基板上のSLGのフェルミ・ディラックコーン(Fermi-Dirac cone)の図式エネルギーバンドダイアグラムを示す。Wは、仕事関数、Eは、SLGのディラックポイントエネルギーに関するものであり、Xは、Alの電子親和力(〜1.0eV)であり、ΔEFDは、ディラックポイントエネルギー(E)を基準としてフェルミ準位(E)を意味する。
図11は、横型FET基板及び液体ゲート型Gr‐FET基板の構造に関する図面である。
図12は、Gr‐VOLETの電気的特性の温度依存性に関するグラフである。
以下、添付の図面を参照して本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本願の具現例を詳細に説明する。しかし、本願は、色々な相違する形態で具現されることができ、ここで説明する具現例に限定されない。そして、図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略した。
本願明細書の全体において、いずれの部分がいずれの構成要素を「含む」とする時、これは特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
以下、添付の図面を参照して本願の具現例を詳細に説明する。しかし、本願がこのような具現例と図面に制限されるものではない。
既存アクティブマトリクス(active-matrix type, AM type)有機発光ダイオード(organic light-emitting diode, OLED)ディスプレイは、本質的に複雑な構造と、それによる低い開口率によってディスプレイの大きさのみならず、装置性能も深刻に制限されている。これに対して、面発光性有機発光トランジスタ(organic light-emitting transistor、OLET)がAM型ディスプレイの代案になることができる。
本発明では、低次元電子構造物質の一つであるグラフェンを基盤とした垂直型OLET(Gr‐OLET)を提供し、その向上した特性を説明する。発光性チャネル層とともにドープされたグラフェンソース電極から構成されたGr‐OLET素子は、ゲート電圧印加で〜10程度の高い輝度オン/オフ比率の全面発光特性を発現することができ、500cdm−2の発光輝度で有効開口率が150%以上に大きく増加し、寄生電力消費は、〜5%に大きく減少する効果を有している。また、グラフェンソース電極からチャネル層へ正孔が注入されるトンネリング過程を経て、ゲート電圧を効率的に変調するメカニズムを有し、このような優れた素子の動作原理を有する本発明は、次世代ディスプレイデバイス、一般照明応用及びその他の分野の実用的な発光トランジスタデバイスに利用することができる。
本願発明の有機発光トランジスタは、低次元電子構造物質電極から構成されることができ、ここで、低次元電子構造物質電極というものは、グラフェン基盤であるソースであることもある。グラフェン基盤であるソースから正孔が注入されるトンネリング過程は、ゲート電圧で変調されることができる。
ここで、縦方向に電気変調が可能な低次元トランジスタが横方向である場合より優れた効果を有する。既存のCNT‐VOLETの場合、CNTがnetworkの形態で絡まって電極を形成するが、このようなネットワーク構造、すなわち、上下部の重なりによって縦方向に置いたCNTの間では、ゲート電界効果が遮蔽(screen)され、ポテンシャル障壁の縦方向変調が発することができない(参考文献:Liu, B. 等 Adv. Mater. 20, 3605-3609, 2008)。単に、横方向に、CNTとCNTに隣り合う半導体物質の間で横方向だけにポテンシャル障壁の変調が可能である。このためには、CNT電極構造が網状組織のように多孔性の不均質であるべきである。従って、多孔性組織を諸ピックセルで同一に構成することは非常に難しいので、生産性が非常に劣り、ひいては、これを最適化するための工程も非常にややこしい短所がある。これに反して、本発明の均質で平坦な形態の低次元素材(グラフェン)電極は遮蔽効果がないので、容易に簡単な構造で縦方向にポテンシャル障壁を変調することができる。ただ、トンネリング現象を利用してこそ、大量の電荷注入を可能にすることができる。
また、グラフェン基盤であるソースから正孔が注入されるトンネリングによって得られる効果について説明する。正孔又は電荷の注入には、熱イオン注入や、トンネリング注入がある。この2つの中で、電界発光に適用するほど大きな電流密度の流れを引き起こすことができる注入はトンネリング現象である。従って、トンネリング現象で大量の電荷を注入又は調節できてこそ、高い輝度でも容易に発光状態を調整することができるので、トンネリング現象の変調が非常に重要である。
グラフェン電極は、窒素ドープ、Auドープ、Clドープ、Fドープ、1,1-dibenzyl-4,4-bipyridinium dichloride(ビオロゲン)ドープ、アルカリ金属炭酸化塩ドープ、tetrafluorotetracyanoquinodimethane(F4‐TCNQ)ドープ、fluoropolymer(CYTOP)ドープから選ばれたいずれか一つの物理化学的ドープから得られることができる。
特に、グラフェンは、FeClでドープされる時、発光特性が向上でき、ドープする一つの方法として、FeCl水溶液で処理して得られることができるが、これに限定することではない。例えば、グラフェン電極は、AuClでドープされることもある。
本願発明の有機発光トランジスタは、基板;前記基板上に積層されたゲート電極用透明伝導層;前記伝導層上に積層された誘電体層;前記誘電体層上に積層された低次元電子構造から構成されたソース;前記ソース上に積層された発光層;及び前記発光層上に積層されたドレイン;を含むことができる。
基板は、ガラス、強化ガラス、石英、パイレックス(登録商標)、シリコンの場合には、PET(polyethyleneterephthalate)、PEN(polyethylenenaphthalate)、PES(polyethersulfone)、PI(polyimide)、PC(polycarbonate)、PU(polyurethane)及びPTFE(polytetrafluoroethylene)のいずれか一つを用いることができるが、これに限らない。
本願発明の伝導層は、ITO、IZO、SnO、ATO、FTO、GZO、IGZO、カーボンナノチューブ、グラフェン、銀ナノワイヤ、金属ナノワイヤ、伝導性ポリマー及び固体電解質から選ばれたいずれか1種の物質からなされることができ、透明性と電気伝導性を有する物質を使用すれば良い。伝導層は、このような特性を満たすために、10〜100nmの厚さで形成されることができ、基板によって伝導層は100℃〜300℃の温度で形成されることができる。
本願発明の誘電体層は、SiOx(x≧1)、Al3、ZnO、Ta、Nb、HfO、TiO、In、SiNx(x≧1)、MgF、CaF、PET、PEN、PES、PI、PC及びPTFEから選ばれた1種を用いることができ、Al3がより好ましく用いられることができる。
本願発明の有機発光トランジスタは、500cdm-2の発光輝度で有効開口率が150%以上、さらに好ましくは160%以上、最も好ましくは170%以上を得ることができる。
本願発明の有機発光トランジスタの製造方法は、基板上にゲート電極用伝導層を積層する段階;前記伝導層上に誘電体層を積層する段階;前記誘電体層上にグラフェン基盤のソースを積層する段階;前記ソース上に発光層を積層する段階;前記発光層にドレインを積層する段階を含むことができる。
本願発明の前記基板は、ガラス、強化ガラス、石英、パイレックス(登録商標)、シリコンの場合には、PET(polyethyleneterephthalate)、PEN(polyethylenenaphthalate)、PES(polyethersulfone)、PI(polyimide)、PC(polycarbonate)、PU(polyurethane)及びPTFE(polytetrafluoroethylene)のいずれか一つからなされたことを特徴とする有機発光トランジスタの製造方法を提供する。
以下、実験例及び実施例を用いて本願をさらに具体的に説明するが、本願がこれに制限されるものではない。
[実験例1]Gr‐VOLETの動作特性
図1は、Gr‐VOLETの構造に関する図であって、インジウムスズ酸化物(indium tin oxide、ITO)の下部ゲート(Bottom-gate)、Alゲート誘電体層、SLGソース電極、有機発光チャネル層及びAl金属ドレイン電極を含むGr‐VOLETの概略的な構造を示す。Gr‐VOLETの動作で、SLGソースから正孔が発光チャネル層へ注入され、また、Alドレインから電子が発光チャネル層へ注入される。Gr‐VOLETの動作で、SLGソースから正孔注入は、ゲート電圧、VGS(又はV)印加で変調されることができ、V印加は本質的にチャネル層で発生する電界発光プロセスに影響を及ぼすことができる。
図2は、−3.8Vの固定ソース‐ドレイン電圧(VDS)(又はVSD=3.8V)下で、諸Vで動作するGr‐VOLET試料のEL光放出を示す。図2に示されたように、EL発光は、(−)ゲート電圧、0ゲート電圧、(+)ゲート電圧に対して、画素全領域にかけて均一に明るい状態(オン状態)、灰色及び暗い状態(オフ)を示す。
図3は、測定されたEL放出スペクトルを示し、既存ITO‐OLEDのものとほぼ同一である。
図4は、時間による印加電圧と輝度を示す。3.8Vの固定VSDでGr‐VOLETのゲートに印加されたステップ電圧(V=±40V)に対するGr‐VOLETの応答時間は、上昇及び下降時間が各々4.7msと2.8msと非常に速かったし、これは既存LCDより速い。このような優れた効果を有するGr‐VOLET素子の特性を明確に理解するためにソース電極として3つの類型のSLG材料(下記実施例1乃至3)を使用して分析した。
[実施例1]
電子化学的に洗浄された固有特性を有するSLG(以下、「SLG」という)
[実施例2]
FeCl3でp‐typeドープされたSLG(以下、「SLG」という)
[実施例3]
ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)正孔注入層(hole-injection layer、HIL)がコーティングされたSLG(以下、「SLG」という)
前記SLG乃至SLGの基本物性に関しては、図9乃至11及び表2を通じて確認することができる。
図5は、実施例1乃至3であるSLG乃至SLGをソース電極として用いたGr‐VOLETプロトタイプ素子の出力特性を分析した結果である。素子のゲート電極が外部回路から分離された状態のGr‐VOLETsの特性、すなわち、ダイオード(Gr‐OLED)の特性も比較のために観察した。図5から分かるように、3つのGr‐VOLETのJSD‐VSD及びL‐VSD特性には、下記3つの主要な固有の特徴がある。
(1)素子のオンセット電圧(Vonset)は、比較素子Gr‐OLEDのVonsetよりはるかに低いことがある。
(2)低いVSDでもJSD及びLいずれも増加することがある。
(3)Vをスイッチングすることによって、EL発光が明るい発光状態から暗い状態に変調されることがある。
ここで、3つのGr‐VOLETの中で、SLGソース電極を有するGr‐VOLET(Gr‐VOLET、図5b)がGr‐OLEDより非常に優れた素子性能を示す。例えば、V=−40VでJSD値は、Gr‐OLEDの値より高く、輝度は2.3Vの低いVonsetとともに、VSDが6.0Vである場合、輝度Lが2,000cdm−2に達し、これはGr‐OLEDの2倍(L〜740cdm−2及びVonset=2.5V)に達する。このような結果は、V印加によって、SLGソース電極から電荷(正孔)注入が改善され、均衡を有することを示す。対照的にV=+40VでGr‐VOLETのJSD及びLは、SLGソースで正孔注入のスイッチオフによって急激に減少する。V=±40VでJSD及びLの最大オン/オフの比率の最も高い値は、各々約10及び10と観察された。従って、ドープされたSLGソースを用いるGr‐VOLETでゲート電圧で誘導される正孔注入変調は、SLGソース(Gr‐VOLET)又はSLGソース(Gr‐VOLET)を用いた他のGr‐VOLETよりさらに効率的であることが分かる。
[実験例2]SLGソースで電荷注入過程
SLGソースからSYチャネル層への正孔注入メカニズムを確認した。正孔がSLG/SY界面を通じて注入されるためには、(1)熱イオン放出過程又は(2)トンネリング注入過程で境界面のポテンシャル障壁を克服すべきである。図6aは、V=0Vで3つのGr‐VOLETのファウラー・ノルドハイム(Fowler-Nordheim、FN)、すなわち、ln(J/VSD )に対する1/VSDを示す。グラフから2つの明らかな電荷注入が転移電圧(V)に対し進むことが分かる。すなわち、1/VSD>1/Vである時は、主電荷キャリア(正孔)の注入プロセスは、ショットキー熱イオン放出に従う。しかし、1/VSD<1/Vである時は、全てのGr‐VOLETsで負勾配のグラフ特性を示すトンネリングプロセスに正孔注入プロセスが転移される。
図6bは、多様なVに対するGr‐VOLETのF‐N図示を示す。図に示されたように、Vはショットキー熱イオン放出とトンネリングプロセスの両方に影響を及ぼす。従って、Vは、Vに強く依存している。Gr‐VOLETのEL発光は、Vより大きいVSD(>Vonset)である時発生するため、EL発光に責任のある主な正孔注入工程は、トンネリング注入過程であると分析される。改善されたトンネリング電流モデルによると、金属/高分子接合部で三角障壁を通過する単一電荷キャリアのトンネリング電流密度(J)は、ポテンシャル障壁高さΦと温度Tに関連がある。
すなわち、ln(J/VSD )=−P/VSD+ln(P/VSD)−ln[sin(P/VSD)]であり、Φ=(3/2)πkT(P/P)である。ここで、Jは電流密度(JSD)であり、kはBoltzmann定数、PはΦと関連するパラメータである(参照文献:Koehler, M. & Hummelgen, I. A. Appl. Phys. Lett. 70, 3254-3256, 1997)。
前記関係式を使用してF‐N曲線を分析して得たポテンシャル障壁高さΦsは(図6c)文献の値とほぼ一致する。その中のSLG/SY界面で、界面の垂直方向(縦方向)に沿ってゲート電圧によって誘導されたΦの最も大きな変調を観測することができる。
すなわち、V=±40VでΔΦは約110meVであり、SLG/SY(〜60meV)及びSLG/SY(〜20meV)素子のΔΦ値より非常に大きい。
参考として、VSD>Vonsetである時、AlドレインからSYチャネル層へ少数キャリア(電子)注入によって、理論的な予測が実験データから外れ始める。それにもかかわらず、SLG/SY界面でEL発光と関連するVSD>Vonsetである場合の主要正孔注入工程はトンネリング過程であることが明らかである。他の正孔注入過程であるショットキー熱イオン注入は、Tに大きく依存するため、Gr‐VOLETのJSD‐VSDの弱いT依存性検査から、トンネリング過程が主要な効果であることを確認することができる(図12参照)。
従って、本発明のトンネリング分析は、ショットキー熱イオン注入の変調に起因する既存のグラフェン基盤トランジスタ素子や横型(水平方向)バリア高さ変調に基盤したCNT‐VOLETと異なる原理で動作することが明らかである。
次に、SLGのフェルミ準位(仕事関数)に対するゲートバイアス‐誘導変調効果を調査した。図7aに示されたように、V変化は、SLGの仕事関数の変調を誘導する。SLGソースの場合、Vの変化によって仕事関数の変化が4.44eVから5.00eVと観察され、SLGソースの場合、仕事関数の下向移動された変調が4.72eVから5.29eVと観察され、これはSYチャネル層のHOMO水準(〜5.3eV)に近接する値である。また、大きなヒステリシスが観測され、これは使用されたAl層の電荷トラッピングに起因したものと分析される(Li, Y. 等, J. Nanosci. Nanotechnol. 9, 4116−4120, 2009)。これとは対照的に、SLGは小さな仕事関数の変調を示す。これは図6cにも示されたように、SLGソースのPEDOT:PSS HILで負に荷電されたPSSに起因したものと分析されるが(参照文献:Greczynski, G. 等 Thin Solid Films 354, 129-135, 1999)、これはPSSが強い静電気場を誘導し、ゲート‐電位効果を弱化させることができる。
従って、Gr‐VOLETの動作原理をエネルギー‐準位図表で図示することができる。所与のVSDで正のゲートバイアスは、(V>0V)Φを増加させる方向にSLGソースのフェルミ準位の上向移動を誘導し、減少されたトンネリングと、これによるSYチャネル層のHOMO準位への正孔注入を減少させる。
反対に、負のゲート電圧は、(V<0V)SLGソースのフェルミ準位の下向移動を誘発し、Φをかなり減少させ(トンネリングを向上させる)、増加された正孔注入及び改善されたEL性能を引き起こす。それ故に、Gr‐VOLETの主要な動作メカニズムは、バンドバンディング効果のみならず、正孔トンネリング注入のゲートバイアス誘導変調である。
Gr‐VOLETの伝送特性を説明する。図7bに示されたように、低いゲート漏洩電流密度(J)で、Gr‐VOLETは一般的に負のVで「ON状態」であり、正のVで「OFF状態」となる(図7bの上段)。また、伝達曲線に注目に値する履歴曲線が観察され、2つのV=0Vに対するGr‐VOLETの二重‐安定性(Bistable)スイッチング動作(又はメモリ効果)も確認された(図7bの下段)。
[実験例3]Gr‐VOLETの有効開口率及び電力損失
ITO陰極上に同一の工程を使用して製作された対照標準(control)OLED(ITO‐OLED)と比較して、Gr‐VOLETの有効開口率、AReff及び電力損失を推定した。
図8aは、ON状態にあるGr‐VOLETと各々の対照標準ITO‐OLEDのEL性能を比較したものである。これらのGr‐VOLETの中で、Gr‐VOLETのみがVSD<4.0Vのソース‐ドレイン電圧領域で、対照標準ITO‐OLED(ITO/SY/CsF/Al)より高い輝度特性を示す。例えば、VSD=3.8Vで、Gr‐VOLETは490cdm−2の輝度を放出する反面、対照標準ITO‐OLEDは455cdm−2の輝度を放出する。
図8bは、Gr‐VOLETとその対照標準ITO‐OLEDの「電流効率(ηCs)」を比較したものである。ここで、Gr‐VOLETは他のGr‐VOLETの結果と対照的に、ITO‐OLEDよりさらに効率的である。例えば、500cdm−2の輝度で、Gr‐VOLETは対照標準ITO‐OLEDにより達成されたη比率の約154%の効率でEL光を放出した。
これは、Gr‐VOLETは全面で光を放出するため、Gr‐VOLETのAReff値は、154%であると推定することができる。また、2000cdm−2の輝度でもGr‐VOLETは〜162%の向上したAReffを維持する。従って、Gr‐VOLETは他の素子と比較しても(下記表1参照)、高輝度でも非常に向上したAReff水準を示す。このようなGr‐VOLETの向上したAReffは他の重要な長所を提供する。
即ち、向上したAReff水準は、有効発光面積の増加と解釈されることができる。従って、低いJSDでも素子の明るさを維持することができる。従って、素子の寿命が〜1/Jに比例するため(Tsujioka, T. 等 Jpn. J. Appl. Phys. 40, 2523-2526, (2001).)、このような低いJSDは素子の寿命を増大させることもできる。
次に、Gr‐VOLETの「寄生電力消費」を推論する。前記説明から分かるように、Gr‐VOLETは、VSD=3.82Vで輝度水準が500cdm−2であり、AReff比率が154%である。対照標準ITO‐OLEDがこのようなGr‐VOLETの輝度と一致するようにするには、154%の開口を通じて、対照標準ITO‐OLEDは324cdm−2を放出すべきであり、この時、要求される印加電圧は3.62Vであった。
従って、Gr‐VOLETでは、VSDの3.82Vの中で0.2Vが統合されたトランジスタ素子要素によって低下し、これから寄生電力消費が単に5.2%程度に極めて小さいことが分かる。このようなGr‐VOLETの寄生電力消費水準は、既存のCNT‐VOLETの水準(6.2%)であるが、TFT‐OLED及びMIS‐OLETの水準(>50%)より非常に低い。
また、オフ状態(V=+40V)でもGr‐VOLETの電力消費も非常に低い。VSD=3.82VとV=−40Vで500cdm−2の明るいON‐状態輝度を発揮することに対し、V=+40Vでオフ状態の電流密度は〜0.58mAcm−2であって、50インチディスプレイパネルの大きさを仮定する場合を考慮すれば、全てのピクセルがオフ状態である時の消費電力は、〜15Wと推定され、これは既存CNT‐VOLET(〜67W)及び同一のパネル大きさのLCD(100〜200W)より非常に低い(参照文献: McCarthy, M. A. 等, Science 332, 570-573, 2011)。
それ故に、Gr‐VOLETの150%を超過する向上した有効開口率と5%と大きく低い寄生電力消耗特性は、OLETで今まで観測された最高及び最低値である(下記表1参照)。下記表1は、輝度500cdm−2で多様な素子の間の有効開口率及び寄生電力損失比較表である。
上段の*素子は、緑色燐光発光体Ir(ppy)を使用した。†は有効開口率(AReff)に関するものであって、開口率が100%である素子の電流効率と対照標準素子ITO‐OLEDの電流効率の比率と定義され、ここで開口率は、スイッチングTFT及びアドレッシングラインを除外した素子の総面積と比較した素子の発光面積の比率と定義される。‡は、光発生に寄与しない素子の駆動トランジスタ素子で消費される電力の百分率、明るさ(L)は輝度(L)をL=L×AReffと定義することができる。
以上のGr‐VOLET素子は、下記の特性をさらに保有することができる。(1)素子の性能が向上することができる。素子の発光性能は、使用された材料の追加的な最適化を通じてさらに向上できる。具体的には、発光材料として使用されたSYの代わりに、赤色、緑色及び青色の発光蛍光又は燐光ドーパントを含む低分子材料を使用することができる。また、有機高分子半導体材料のみならず、量子点など無機半導体材料及びペロブスカイトなどこれらのハイブリッド材料を使用することもできる。これから、高い開口率の非常に明るく効率的なGr‐VOLETの製造を可能にすると期待される。
(2)使用された厚いAl誘電体層の代わりに、原子層蒸着(atomic layer deposition、ALD)のような他の蒸着方法で成長した薄い層を用いることができる。これは5V未満の低いVレベルで動作する効率的なGr‐VOLETの製作を可能にして、a‐SiTFTバックプレーン(backplane)の利用もできるだろう。
(3)正孔を注入する低次元電子構造のグラフェンソース電極を採用した前記のGr‐VOLETに対し、低次元電子構造のグラフェン電極の仕事関数を調節して、電子を注入するドレイン電極として採用すれば、逆構造のGr‐VOLET素子も具現できると期待される。
従って、本発明のドープされたSLGソースを有するGr‐VOLET素子の向上した開口率、低い電力消費及び信頼性のあるスイッチング性能の進歩が高い水準でも実現して、優れた発光トランジスタ機能を有する。このような本発明の素子は、新たな電圧駆動型発光素子及び発光型表示素子として応用するに適合する。
本発明は、均一なSLGソース、発光チャネル層及びAlドレインから構成されたGr‐VOLETに関するものであって、簡単なGr‐VOLET構造でゲート電圧印加によって素子性能を効率的にスイッチングすることができる。
即ち、FeClがドープされたSLGソースを用いて、低電圧動作と高い明暗比を実現することができる。また、Gr‐VOLETの有効開口率は150〜160%と大きく向上し、消費電力も大幅減少した。Gr‐VOLETのこのような特性は、SLGソースのゲート電圧によって誘導されたフェルミ準位移動で、SLGソースから発光チャネル層への正孔トンネリング注入過程が効率的に変調される。
従って、本発明は、単純な構造と加工容易性を有する全面発光性Gr‐VOLETは、先端発光素子及び次世代ディスプレイ素子を開発できる新たなプラットフォームとして利用可能である。
[実験例4]VOLET基板上のSLG電極のラマンスペクトル
SLGのラマンスペクトルは、2つの強い特性ピークを有する。sp結合炭素原子のEg振動モードに起因した1596〜1600cm−1付近のGバンド及びバンド境界でフォノン(phonones)の散乱による2次振動類型である2650〜2664cm−1付近の2Dバンドがある。1330cm−1付近にディスオーダー(disorder)‐誘導されたsp結合のDバンドが非常に小さいことが観察できるが、これは実施例の欠陥が少ないためであることを示す。ラマンピーク強度から、SLG及びSLG(FeCl‐doped SLGs)で2Dバンドに対するGバンドのラマン強度の比は約1.8〜1.7であり、これは研究されたSLGが高品質な単一層グラフェンであることを示す。また、ピーク位置観測値から、SLGのG及び2Dピークは、各々1579cm−1及び〜2669cm−1に位置する反面、SLGのG及び2Dピーク位置は、各々1585cm−1及び〜2677cm−1と上向変位された。また、SLGと同様に、PEDOT:PSS HILコーティングされたSLGは、〜1585cm−1にGピークを有し、〜2674cm−1に2Dピークを有するということが確認された。グラフェンのGと2Dピーク位置の間の関係についての従来技術(Q. H. Wang 等, Nat. Chem. 4, 724-732, 2012)と比較して、本発明のSLGがきれいなグラフェンの類型である反面、SLG及びSLGはp‐タイプのドープされたグラフェンであることを確認した(図9参照)。
[実験例5]Gr‐VOLETsに使用されたSLGの特性
図10は、VOLET基板の画素領域で測定したSLGの物理的、電気的特性を示す。図10aは、KPFMで測定したSLGの仕事関数分布を示す。SLGの仕事関数(WSLG)は、SLGと基準HOPG(highly ordered pyrolitic graphite, HOPG, ZYB, Optigraph GmbH)でKPFMで測定された表面接触電位差(VCPDs)を比較して得た。即ち、WSLG=WHOPG+[VCPD(HOPG)−VCPD(SLG)]、ここでWHOPGは、HOPGの仕事関数である(〜4.6eV)。VOLET基板上のSLGの予想平均仕事関数は、約4.70±0.10eVであり、これは単層グラフェンの本来の仕事関数4.5〜4.8eVと合理的によく一致する。SLGと違って、SLGの仕事関数は5.21±0.07eVと増加するが、これは主としてFeClドープに起因する。SLGと同様に、SLGの仕事関数は約5.21±0.06eVであった。
同時に、SLGのAFM形状を観測した(図10aの挿図写真)。AFM形状によって、SLGはVOLET基板上でかなり平坦な表面を示す。全てのSLGは1.4〜2.0nmの小さなRMS粗さで互いにほぼ同一のAFM形態を示した。
図10bで、SLGチャネル(チャネル長さ50μm、図11参照)を有する液体ゲート型Gr‐FETを評価してSLGの伝送特性を観察した。SLGチャネルの場合、Gr‐FETは0.09V/VAg/AgClの電荷中性点ゲート電圧(又はディラックポイント、VDirac)を有する明確な対称型V字形IDS‐V曲線を示し、SLGがドープされていないことを明らかに確認した(図10bの上段のグラフ)。SLGのVDiracによると、真空準位に対するDiracポイント(E)のエネルギー準位は、フェロセン基準物質の酸化還元電位を基準として、次の関係を通じて分かる。E=[−(eVG,Dirac−E1/2(Fc/Fc+))−4.8]eV、ここで4.8eVは、真空レベルに対するフェロセン/フェロセニウム(Fc/Fc+)酸化還元の絶対エネルギー準位及びE1/2(Fc/Fc+)=0.45eVである。前記の関係から、SLGに対する〜0.09V/VAg/AgClのVDirac値は、〜4.44eVのディラックポイントエネルギー(E)を提供する。この4.44eVのE値は、エピタキシャル(epitaxial)単層グラフェンの値が〜4.49eVとよく一致し、本発明で使用されたSLGのソースは確実にドープされていないSLGであることが再び確認できた。SLGチャネルとは違って、SLGチャネルはディラックポイント電位(VDirac〜0.54V/VAg/AgC)のかなり大きな移動によって、明確な非対称型V字特性を示した(図10bの中間のグラフ)。VDiracの正の移動変化は、SLGがFeClによる塩素化でp型(正孔)でドープされたグラフェンであることを示す。SLGで推定されるEは、約4.89eVであった。この4.89eVのE値は、単一層エピタキシャル法で製作したグラフェンのものよりはるかに高く(〜4.49eV)、従って、SLGがp型ドープされたことが分かる。SLGと同様に、SLGチャネルもVDirac値が〜0.63V/VAg/AgClである明確な非対称型V字曲線を示した(図10bの下段のグラフ)。VDiracを使用して、SLGのE予想値が約4.98eVであることを確認した。従って、SLGの仕事関数とディラックポイントエネルギーがSLGの結果と類似しており、PEDOT:PSS HILがSLGをp型でドープできることが分かる。
伝達特性からSLGのキャリア移動度、μは、μ=(L/WCDS)(ΔIDS/ΔV)の関係を使用して推定された。ここで、L、W及びCは、チャネル長さ(50μm)、幅(1600μm)であり、グラフェンのトップゲートキャパシタンスは(〜1.9μFcm−2)(参考文献:Y. Ohno 等 Nano Lett. 9, 3318-3322, 2009)である。SLGの正孔及び電子移動度は、各々〜580cm−1−1及び〜530cm−1−1程度である。これは、SLGの〜410cm−1−1、SLGの〜530cm−1−1の正孔移動度より高い(下記表2参照)。
下記表2は、SLG乃至SLGの基本属性に関するものである。
前記の観察を通じて我々はV=0VでVOLET基板で研究されたSLGのエネルギーバンドダイアグラムを推論することができる(図10c参照)。ダイアグラムでΔEFDは、ディラックポイントエネルギーEに対するフェルミ準位を示す。SLGの場合、ΔEFDは約0.26eVであり、実施例2の場合の0.32eVより低いが、SLGの場合の0.23eVと類似している。また、ITO/Al/SLG界面に対する電位差(Δ)も類推された。Δ値は、実施例1の場合、0.50eVであり、実施例2及びSLGの場合、いずれも−0.01eVであり、SLGのドープ後、界面での電位差が顕著に減少することが分かる。
[実験例6]横型FET基板及び液体ゲート型Gr‐FET
図11の左図は、横型FET基板の構造であって、L(チャネル長さ)は、50μm、W(チャネル幅)は、1600μmである。図11の右図は、ACN(アセトニトリル)と、100mMのTBAPF(テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート)を含有した非水性電解質から構成される液体‐ゲート型Gr‐FETの構造である。ACN電解質溶液でSLGチャネルをVDS=100mVで30mVs−1の速度で−0.8から+0.8Vまで連続的にゲート電圧をAg/AgCl基準電極で変化して測定した。一般的に、液体ゲートは、後面ゲートより高いキャパシタンスを有するので、従来の後面ゲートGr‐FETより優れた伝達特性を発現する(参考文献:Y. Ohno 等 Nano Lett. 9, 3318-3322, 2009)。
[実験例7]Gr‐VOLETの電気的特性の温度依存性
図12は、諸温度でのV=0V(左側)及びV=−40V(右側)の電圧に対して、SLGのGr‐VOLETのJSD‐VSDに関するものである。JSD‐VSD特性曲線は、観測された温度範囲内で、SLG/SY界面での電荷注入がVSD>V(〜0.5〜1.0V)範囲で温度依存性が小さいことが分かる。
本発明のグラフェンを基盤した有機発光トランジスタの製造方法は、次のようである。
[製造例]グラフェンを基盤した有機発光トランジスタの製造方法
本発明のグラフェンを基盤した有機発光トランジスタの製造方法は、根本的に平坦で容易に加工できる低次元電子構造のグラフェンをソース電極として用いて製作される有機発光トランジスタを提供する。これは、低次元電子構造材料の一つであるグラフェンが炭素原子が六角形格子構造のsp形態で結合した2次元物質であって、平面構造によって単一層グラフェン(SLG、single-layer graphene)は優れた光透過率と電気伝導性を有するためである。
また、本発明のグラフェン基盤有機発光トランジスタ(Gr‐VOLET)は、ゲート電圧で素子性能を効率的に変調可能である。製造されたGr‐VOLETは、極めて低い電力損失特性とともに、高い輝度でも150%以上の高度に向上した有効開口率特性を有し、グラフェンソース電極からチャネル層へ正孔が注入されるトンネリング過程を経て、ゲート電圧を効率的に変調するメカニズムを有する。
本発明のグラフェン基盤、有機発光トランジスタの製造方法の段階は、(1)基板準備→(2)グラフェン転写→[必要によって適切な(3)SLGの洗浄及び脱‐ドープ又は追加ドープ→](4)VOLET素子の製作の段階を経て製造された。
[製造例1]基板の準備
用いられた垂直型有機発光トランジスタ(vertical-type organic light-emitting transistor、VOLET)基板は、ガラス基板上に80nm厚さのインジウムスズ酸化物(ITO、30Ω/sqシート抵抗)から構成された事前パターン化されたバックゲート電極と、ゲート電極上のゲート誘電体層としてスパッタ蒸着されたアルミニウム酸化物(Al、400nm)上部層とから構成されている:(ガラス/ITO/Al)。製作されたVOLET基板は、グラフェン基盤の素子製造直前にアルコールで事前洗浄した後、5分間紫外線処理を遂行した。これとともに、VOLET基板上に5.5nm厚さのクロム(Cr)層と、50nm厚さの金(Au)層で横方向にパターン化された金属ソース及びドレイン電極を形成し、横型FET(field-effect transistor)基板が準備された。電極は真空蒸着工程でシールドマスクを用いて形成された。FETのチャネル長さ(L)と幅(W)は、各々50μmと1600μmであった(図11参照)。
[製造例2]グラフェン転写
FET基板、VOLET基板又はガラス基板のターゲット基板上に化学気相蒸着(chemical vapour deposition、CVD)方法で成長させたグラフェン(Gr)を転写することに、下記の工程で進行された。
(1)銅ホイルに単層グラフェンをCVD方法で成長させる。予め洗浄した銅ホイルを石英チューブ・チャンバーに入れて、Ar条件(10sccm)で温度を1000℃に上げる。グラフェンの成長のためにCH(30sccm)とH(10sccm)のガス混合物を〜2.7×10−2Pa条件で使用した。
(2)ポリメチルメタクリレート(PMMA)溶液(950PMMAC4、MicroChem)を銅ホイルの上のCVDグラフェン上に3000rpmで60s間スピンコートした。銅の後面で成長したグラフェンフィルムは大気圧酸素プラズマで除去した。次いで、50℃で食刻溶液として使用されたFeCl水溶液(UN2582、Transene Co.Inc.)上に幅4mm及び長さ20mmのPMMAコーティングされたCu/Gr(Cu/Gr/PMMA)切れ端を浮遊させた。銅ホイルを完全にエッチングするために10分間処理し、次いで、FeCl溶液上でPMMA‐コーティングされたGr(Gr/PMMA)切れ端に対する浮遊を追加10分間維持して、FeClでGrフィルムをドープした。その後、Gr/PMMAブロックを脱イオン水(DI)で2〜5度(10分)濯いだ。対象基板に転写した後、単一層グラフェン(SLG)が転写された基板を1時間の間、減圧(〜1Pa)で乾燥させ、一日大気中に放置乾燥した。次いで、PMMAをクロロホルム(60分)、モノクロロベンゼン(30分)及びクロロホルム(30分)を順に順次的に溶解させることによってPMMA支持層を除去した。
[製造例3]SLGの洗浄及び脱‐ドープ
基板上のSLGの洗浄及び脱‐ドープするために、100mMのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート(TBAPF6、>99.0%、Aldrich)を有するアセトニトリル(ACN、99.8%、Aldrich)の非水性電解質でバブル‐フリー電気化学(electrochemical、EC)処理方法を使用した。基板上に転写されたSLG(4mm×20mm)を作業電極として、白金ワイヤを参照電極として、Ag/AgCl電極(3.5M KCl)を基準電極として使用した。
EC洗浄処理は、10分間0.5Vs−1の電圧変化速度で、負の電圧範囲(0.0〜−0.7V/VAg/AgCl)下に新たに製造されたSLGを使用して遂行された。洗浄工程後、処理されたSLGを純粋なACN及び脱イオン水を使用して複数回濯いで、次いで、Nガスで乾燥してSLG表面から電解質を除去した。電極電位を補正するためにferrocene(98%、Sigma Aldrich)を酸化還元基準物質として使用した。
[製造例4]VOLET素子の製作
SLGソースを有するVOLET(Gr‐VOLET)の構造及び製造段階を説明する(図1参照)。Gr‐VOLETは、VOLET基板上に透明SLGソース接触部、光放出物質層(EML)を含む有機半導体機能性チャネル層及び金属ドレイン電極から構成され、VOLET基板には、ITOゲート電極とその上にAlゲート誘電体層は予め形成された。Gr‐VOLETを構成するために、前述のようにVOLET基板上に面積が4mm×20mmである略0.36nm厚さのSLGを転写した。使用されたSLG接触部はECで洗浄されたSLG又はFeClがドープされたSLGであった。次に、有機半導体物質がソース電極領域上に形成された。発光性スーパーイエロー(SY、ポリ(パラ‐フェニレンビニレン)共重合体、Merck OLED Materials GmbH、70nm厚さ)層がスピンコート方法で発光チャネル層として形成された。必要によっては、正孔注入層(HIL)として、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS、 CLEVIOSTM 4083、HC Starck Inc.)がSY層の成膜以前にスピンコート方法でECで洗浄されたSLGソースの上に形成されることができる。次に、SY膜の上部に2nm厚さのCsF電子注入層(EIL)とAlドレイン電極(65nm厚さ)を蒸着速度0.05nms−1未満で真空蒸着製造する(2.7×10−4Pa)。製造されたデバイスは窒素が充填されたグローブボックス内でエポキシ樹脂及びガラスカバースリップで最終的にカプセル化された。
[製造例5]SLG及びSLG基盤素子の特性
基板上のSLGの表面粗さ及び表面電位の変化は、非接触式AFM及び同時KPFM(FlexAFM, Nanosurf AG)を使用して測定し、この時、18kHz周波数で1VのAC電圧を印加したPt/Irコーティングシリコンチップを使用した。
この時、SLGの仕事関数測定を補正するために高度に指向された熱分解黒鉛(highly ordered pyrolitic graphite、HOPG、ZYB、Optigraph GmbH)が基準面として使用された。準備されたSLGの場合、514.5nmで動作するレーザー(試料表面で〜1mW出力)光源の共焦点ラマンシステム(LabRam Aramis、Horida Jobin-Yvon)を使用してラマン分光を測定した。
SLGの輸送特性と関連して、EC洗浄処理で使用されたものと同一のACN電解質を使用して液体‐ゲート型横型グラフェンFET(Gr‐FET)を製造した。FET基板上部にSLGのチャネルを有するGr‐FETに対して、SLGチャネルはAg/AgCl基準電極の電位を−0.8から0、+0.8Vへ30mVs−1の速度でゲート電圧を変化することによってACN電解質を通じてゲーティングした。この時印加されたVDSは、100mVと設定した。Gr‐FETの電気的特性は、ソースメータ(Keithley 2400)で測定した。
Gr‐VOLETの装置性能は、2つのソースメータ(Keithley 2400)とともにクロマメータ(CS-2000、Konica Minolta)を使用して測定した。Gr‐VOLETの動作の間、‐ソース‐ドレイン電圧VDS(=−VSD)及びゲート電圧VGS(又はV)が接地電位に維持されたSLGソース接点に対し印加された。
UV‐可視光分光システム(8453、Agilent)を使用して機能層及び素子の光学特性を調査した。可視光線領域(400〜800nm)でVOLET基板上のSLGソースの平均光透過率(〜92%)はITOがコーティングされたガラス基板の〜92%と類似していることを確認した。装置の放出特性は積分球のあるLED測定システム(LCS-100、SphereOptics Inc.)を使用して調査された。
本発明は、従来技術の有機発光ダイオード(OLED)の電流駆動に対する代案として平坦で容易に加工できるグラフェン基盤のソース電極を適用した垂直型有機発光トランジスタ(Gr‐VOLET)に関するものである。グラフェンは、炭素系六角形格子構造を有する単一層の形態で代表的な2次元物質であって、単一層グラフェンソース電極と発光チャネル層をGr‐VOLETに使用して、ゲート電圧印加でGr‐VOLET素子の動作を効率的に変調し、面発光型性能を効率的に変調する。FeClがドープされたSLGソースのGr‐VOLETでゲート電圧によって全面の電界発光が〜10程度に高い輝度オン/オフ比率(コントラスト比、contrast ratio)でよく制御されることができる。
また、低電圧動作と高い明暗比、向上した輝度がドープされたSLGソースの導入で実現されることができる。
本発明のGr‐VOLET素子では、ゲート電圧で誘導されたSLGソースのフェルミ準位の移動を通じて発光チャネル層へホールトンネリング注入が効果的に変調されることができる。また、Gr‐VOLETは、高い輝度でも150%を超過する非常に高い有効開口率を有し、寄生電力消耗が極めて低く、アクティブマトリクス(AM)タイプディスプレイにGr‐VOLETsを適用することができる。従って、電圧駆動型Gr‐VOLETsは、既存アクティブマトリクスOLED(AM‐OLED)の本質的に複雑な構造をなくして、低い開口率を除去することによって、AM‐OLEDの短所を補完可能である。
本発明では、発光素子の新たなプラットフォームとしてp型ドープされたSLGソースを基盤とした新たな効率的な面発光型発光トランジスタを提供する。また、電荷注入特性の変調がSLG表面の電位障壁のトンネリングに対する詳細な理解を提供することによって、新たな小型、高性能、低費用のグラフェン基盤光電子素子の開発を誘導し、次世代ディスプレイ、先端照明システム等に適用することができる。
前述の本願の説明は例示のためのものであり、本願が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本願の技術的思想や必須的な特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変形が可能であることを理解できるだろう。それ故に、以上で記述した実施例は、あらゆる面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。
本願の範囲は、前記詳細な説明よりは後述する特許請求範囲によって示され、特許請求範囲の意味及び範囲、且つ、その均等概念から導出されるあらゆる変更又は変形された形態が本願の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。

Claims (26)

  1. 低次元電子構造物質から構成される電極を有し、
    電荷注入が電界誘導トンネリング現象で動作する有機発光トランジスタ。
  2. 請求項1の有機発光トランジスタにおいて、
    前記低次元電子構造物質から構成される電極は、グラフェン、炭素ナノチューブ、ナノ線(nanowire、NW)、Ag‐NW、金属ハロゲン、MoS、TiS及びWSeから選ばれた1種又は2種以上の物質からなされたソース又はドレインであることを特徴とする有機発光トランジスタ。
  3. 請求項1の有機発光トランジスタにおいて、
    前記低次元電子構造物質から構成される電極は、単一層又は多層構造のグラフェン基盤であるソース又はドレイン電極であり、
    グラフェン電極から電荷が注入されるトンネリング過程をゲート電圧で変調することを特徴とする有機発光トランジスタ。
  4. 請求項3の有機発光トランジスタにおいて、
    前記グラフェン電極は、窒素ドープ、Auドープ、Clドープ、Fドープ、1,1-dibenzyl-4,4-bipyridinium dichloride(ビオロゲン)ドープ、アルカリ金属炭酸化塩ドープ、tetrafluorotetracyanoquinodimethane(F4‐TCNQ)ドープ、fluoropolymer(CYTOP)ドープから選ばれたいずれか一つの物理化学的ドープから得られることを特徴とする有機発光トランジスタ。
  5. 請求項4の有機発光トランジスタにおいて、
    前記グラフェン電極は、FeCl又はAuClでドープされたことを特徴とする有機発光トランジスタ。
  6. 請求項1の有機発光トランジスタにおいて、
    前記低次元電子構造物質から構成される電極は、縦方向にポテンシャル障壁の電気変調が可能であることを特徴とする有機発光トランジスタ。
  7. 基板;
    前記基板上に積層された伝導層;
    前記伝導層上に積層された誘電体層;
    前記誘電体層上に積層された低次元電子構造物質から構成される正孔注入用ソース電極;
    前記ソース上に積層された発光層;及び
    前記発光層上に積層された電子注入用ドレイン;
    を含む有機発光トランジスタ。
  8. 請求項7の有機発光トランジスタにおいて、
    前記基板は、ガラス、強化ガラス、石英、パイレックス(登録商標)、シリコンの場合には、PET(polyethyleneterephthalate)、PEN(polyethylenenaphthalate)、PES(polyethersulfone)、PI(polyimide)、PC(polycarbonate)、PU(polyurethane)及びPTFE(polytetrafluoroethylene)のいずれか一つからなされたことを特徴とする有機発光トランジスタ。
  9. 請求項7の有機発光トランジスタにおいて、
    前記伝導層は、ITO、IZO、SnO、ATO、FTO、GZO、IGZO、カーボンナノチューブ、グラフェン、銀ナノワイヤ、金属ナノワイヤ、伝導性ポリマー及び固体電解質から選ばれたいずれか1種の物質からなされたことを特徴とする有機発光トランジスタ。
  10. 請求項7の有機発光トランジスタにおいて、
    前記誘電体層は、SiOx(x≧1)、Al3、ZnO、Ta、Nb、HfO、TiO、In、SiNx(x≧1)、MgF、CaF、PET、PEN、PES、PI、PC及びPTFEから選ばれた1種の物質からなされたことを特徴とする有機発光トランジスタ。
  11. 請求項7の有機発光トランジスタにおいて、
    前記発光層は、低分子材料、有機高分子半導体材料、量子点の無機半導体材料、ペロブスカイト又はこれらのハイブリッド材料であることを特徴とする有機発光トランジスタ。
  12. 請求項7乃至請求項10のいずれか1項の有機発光トランジスタにおいて、
    100cdm-2の発光輝度で有効開口率が100%以上である、有機発光トランジスタ。
  13. 基板上にゲート電極用伝導層を積層する段階;
    前記伝導層上に誘電体層を積層する段階;
    前記誘電体層上に低次元電子構造物質から構成される正孔注入用ソース電極を積層する段階;
    前記ソース上に発光層を積層する段階;
    前記発光層に電子注入用ドレインを積層する段階を含む有機発光トランジスタの製造方法。
  14. 請求項13の有機発光トランジスタの製造方法において、
    前記低次元電子構造物質から構成される電極は、グラフェン、炭素ナノチューブ、ナノ線(nanowire、NW)、Ag‐NW、金属ハロゲン、MoS、TiS及びWSeから選ばれた1種又は2種以上の物質からなされたソース又はドレインであることを特徴とする有機発光トランジスタの製造方法。
  15. 請求項13の有機発光トランジスタの製造方法において、
    前記低次元電子構造物質から構成される電極は、単一層又は多層構造のグラフェン基盤であるソース又はドレイン電極であり、
    グラフェン電極から電荷が注入されるトンネリング過程をゲート電圧で変調することを特徴とする有機発光トランジスタの製造方法。
  16. 第15項の有機発光トランジスタの製造方法において、
    前記グラフェン電極は、窒素ドープ、Auドープ、Clドープ、Fドープ、1,1-dibenzyl-4,4-bipyridinium dichloride(ビオロゲン)ドープ、アルカリ金属炭酸化塩ドープ、tetrafluorotetracyanoquinodimethane(F4‐TCNQ)ドープ、fluoropolymer(CYTOP)ドープから選ばれたいずれか一つの物理化学的ドープから得られることを特徴とする有機発光トランジスタの製造方法。
  17. 第16項の有機発光トランジスタの製造方法において、
    前記グラフェン電極は、FeCl又はAuClでドープされたことを特徴とする有機発光トランジスタの製造方法。
  18. 請求項13の有機発光トランジスタの製造方法において、
    前記基板は、ガラス、強化ガラス、石英、パイレックス(登録商標)、シリコンの場合には、PET(polyethyleneterephthalate)、PEN(polyethylenenaphthalate)、PES(polyethersulfone)、PI(polyimide)、PC(polycarbonate)、PU(polyurethane)及びPTFE(polytetrafluoroethylene)のいずれか一つからなされたことを特徴とする有機発光トランジスタの製造方法。
  19. 請求項13の有機発光トランジスタの製造方法において、
    前記伝導層は、ITO、IZO、SnO、ATO、FTO、GZO、IGZO、カーボンナノチューブ、グラフェン、銀ナノワイヤ、金属ナノワイヤ、伝導性ポリマー及び固体電解質から選ばれたいずれか1種の物質からなされたことを特徴とする有機発光トランジスタの製造方法。
  20. 請求項13の有機発光トランジスタの製造方法において、
    前記誘電体層は、SiOx(x≧1)、Al3、ZnO、Ta、Nb、HfO、TiO、In、SiNx(x≧1)、MgF、CaF、PET、PEN、PES、PI、PC及びPTFEから選ばれた1種の物質からなされたことを特徴とする有機発光トランジスタの製造方法。
  21. 基板;
    前記基板上に積層された伝導層;
    前記伝導層上に積層された誘電体層;
    前記誘電体層上に積層された低次元電子構造物質から構成される電子注入用ソース電極;
    前記ソース上に積層された発光層;及び
    前記発光層上に積層された正孔注入用ドレイン;
    を含む逆構造の有機発光トランジスタ。
  22. 請求項21の逆構造の有機発光トランジスタにおいて、
    前記基板は、ガラス、強化ガラス、石英、パイレックス(登録商標)、シリコンの場合には、PET(polyethyleneterephthalate)、PEN(polyethylenenaphthalate)、PES(polyethersulfone)、PI(polyimide)、PC(polycarbonate)及びPTFE(polytetrafluoroethylene)のいずれか一つからなされたことを特徴とする逆構造の有機発光トランジスタ。
  23. 請求項21の逆構造の有機発光トランジスタにおいて、
    前記伝導層は、ITO、IZO、SnO、ATO、FTO、GZO、IGZO、カーボンナノチューブ、グラフェン、銀ナノワイヤ、金属ナノワイヤ、伝導性ポリマー及び固体電解質から選ばれたいずれか1種の物質からなされたことを特徴とする逆構造の有機発光トランジスタ。
  24. 請求項21の逆構造の有機発光トランジスタにおいて、
    前記誘電体層は、SiOx(x≧1)、Al3、ZnO、Ta、Nb、HfO、TiO、In、SiNx(x≧1)、MgF、CaF、PET、PEN、PES、PI、PC及びPTFEから選ばれた1種の物質からなされたことを特徴とする逆構造の有機発光トランジスタ。
  25. 請求項21の逆構造の有機発光トランジスタにおいて、
    前記発光層は、低分子材料、有機高分子半導体材料、量子点の無機半導体材料、ペロブスカイト又はこれらのハイブリッド材料である逆構造の有機発光トランジスタ。
  26. 基板上にゲート電極用伝導層を積層する段階;
    前記伝導層上に誘電体層を積層する段階;
    前記誘電体層上に低次元電子構造物質から構成される電子注入用ソース電極を積層する段階;
    前記ソース上に発光層を積層する段階;
    前記発光層に正孔注入用ドレインを積層する段階を含む逆構造の有機発光トランジスタの製造方法。

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