以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。以下の説明に用いる各図面は模式的に示すものであり、各構成要素を図面上で認識できる程度の大きさで示すために、各部材の寸法関係や縮尺等を構成要素毎に異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、各図面に記載された各構成要素の数量や各構成要素の形状や各構成要素の大きさの比率や各構成要素の相対的な位置関係等に関して、図示の形態のみに限定されるものではない。
本発明の一実施形態は、例えば撮像光学系により結像された光学像を、例えばCCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子)イメージセンサーやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor;相補性金属酸化膜半導体)型イメージセンサー等の光電変換素子等(以下、撮像素子という)を用いて順次光電変換し、これにより得られた画像信号を所定の形態の画像データ(例えば静止画像又は動画像を表わすデジタル画像データ)として記憶媒体に記録すると共に、この記憶媒体に記録されたデジタル画像データに基いて静止画像又は動画像を再生表示する画像表示装置、例えば液晶表示ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL;Organic Electro-Luminescence:OEL)ディスプレイ等を備えて構成された撮像装置、例えばデジタルカメラやビデオカメラ等を例示するものである。
なお、本実施形態においては、撮像装置の各面について以下のように定義する。撮像装置の使用時において被写体に対向する面を前面というものとする。また、撮像装置の使用時に使用者(ユーザ)が対面する面を背面というものとする。そして、撮像装置に設けられる複数の操作部材のうち、例えば電子ビューファインダーが配設されている部位に近い面を上面というものとする。さらに、撮像装置の上面に対向する面を底面というものとする。また、撮像装置の通常の使用姿勢(横位置撮影時の姿勢)で両側に配置される面を左側面及び右側面というものとする。この場合における左右の判別は、使用者が撮像装置の背面に向かって見たときの左側又は右側をそれぞれ左又は右として区別するものとする。
また、本実施形態において、撮像光学系の光軸を符号Oで表す。この光軸Oに沿う方向において、撮像装置の前面に対向する被写体のある側を前方というものとし、撮像装置の背面側に配置される表示装置のある側を後方というものとする。
[一実施形態]
まず、本発明の一実施形態の撮像装置の概略構成を、図1〜図5を用いて以下に説明する。
以下に説明する本実施形態の撮像装置は、撮像装置本体に対してレンズ鏡筒ユニットが着脱自在に構成される形態の、いわゆるレンズ交換式撮像装置として例示している。しかしながら、本発明を適用し得る撮像装置の形態としては、この種のレンズ交換式撮像装置に限られることはない。例えば、撮像装置本体とレンズ鏡筒ユニットとが一体に設けられる形態の、いわゆるレンズ一体式撮像装置に対しても、全く同様に適用することができる。
図1〜図5は、本発明の一実施形態の撮像装置を示す図である。このうち、図1は本発明の一実施形態の撮像装置の前面の平面図である。図2は本実施形態の撮像装置の背面の平面図である。図3は本実施形態の撮像装置の右側面の平面図である。図4は本実施形態の撮像装置の底面の平面図である。図5は本実施形態の撮像装置の電気的な内部構成の概略を示すブロック構成図である。
なお、図1,図3においては、撮像装置の前面に配設される複数の操作部材(詳細後述)を明示するために、当該撮像装置の前面に着脱自在に若しくは一体に装着されるレンズ鏡筒ユニットの図示を省略している(後述する図6以下においても同様)。
本実施形態の撮像装置1は、図1〜図4及び図5に示すように、ボディ筐体10と、このボディ筐体10の外表面上の所定の部位にそれぞれ配設される各種の構成部材(図1〜図4等参照)と、当該ボディ筐体10の内部の所定の部位にそれぞれ配設される各種の構成部材(図5参照)等によって構成されている。
ボディ筐体10は、本撮像装置1の基本構造体であって、本撮像装置1を構成する各種の構成ユニットの外部を覆うように構成され、かつ内部空間には、それらの各種構成ユニットが収納される筐体である。ボディ筐体10は、正面から見て略正方形状に近い形状に形成されている。なお、図示を省略しているが、ボディ筐体10の前面には、レンズ鏡筒ユニットが装着されている。
ボディ筐体10の外表面上には、所定の部位に各種の構成部材が配設されている(図1〜図4参照)。例えば、ボディ筐体10の外表面には、第1グリップ11(第1把持部)と、第2グリップ21(第2把持部)と、複数の操作部材(12〜18,22〜28,33)と、マウントリング32と、電子ビューファインダー(EVF)34と、背面モニター35等が配設されている。
第1グリップ11は、ボディ10の一側面近傍に設けられ、横位置撮影時に使用者が右手で把持する第1の把持部である。ここで、撮像装置1の横位置撮影時の姿勢を通常使用時の基準姿勢とする。そして、この通常使用時の基準姿勢(横位置撮影時の姿勢)を、以下の説明においては、第1姿勢というものとする。この第1姿勢は、撮像装置1の上面を上側に、底面を下側に配置した状態となる(図1参照)。
つまり、第1グリップ11は、撮像装置1を第1姿勢としたときに、当該撮像装置1の背面から見て右側面寄りの一側面近傍に配設されている。
ここで、第1グリップ11は、全体として当該撮像装置1の前面から前方へ向けて突出するように形成されている。さらに、第1グリップ11の前面側において、上面寄りの所定の領域(図1,図3の符号A1参照)は、それ以外の領域(図1,図3の符号B1参照)における上面寄りの部位に対して前方に突出するように形成されている。
この構成により、第1グリップ11は、撮像装置1の前面側において、上面寄りの所定の領域A1と、それ以外の領域B1との間で第1段差部11aが形成されている。この第1段差部11aは、詳細は後述するが、使用者が第1グリップ11を右手で把持したときに、当該右手の中指の付け根近傍から第二,第三関節近傍が当接して当該撮像装置1の保持状態を維持するための第1前面支持部として機能する部位である(図6〜図8参照)。
また、第1グリップ11は、撮像装置1の背面において、右側縁部のやや上面寄りの所定の領域(図2,図3の符号C1参照)に、後方に向けて突出する第1背面突出部である第1サムグリップ11bが形成されている。ここで、当該第1サムグリップ11bは、図3に示すように、撮像装置1の上面から底面に向けてなだらかに下降傾斜する傾斜面11bbを有して形成されている。この第1サムグリップ11bは、詳細は後述するが、使用者が第1グリップ11を右手で把持したときに、当該右手の親指の付け根近傍から第二関節近傍が当接して当該撮像装置1の保持状態を維持するための第1背面支持部として機能する部位である(図7〜図10参照)。
このように、第1グリップ11を右手で把持して行う際の撮影が横位置撮影となり、このときの撮像装置1の姿勢が第1姿勢である。
第2グリップ21は、ボディ10の一側面に対して略直交する他側面近傍に設けられ、内部にバッテリーパックを複数個収納可能に形成され、縦位置撮影時に使用者が右手で把持する第2の把持部として機能するいわゆるバッテリーグリップの形態に形成されている部位である。そのために、第2グリップ21は、第1グリップ11よりも奥行き方向(前後方向)における幅寸法が若干幅広となるように形成されている。
ここで、撮像装置1の縦位置撮影時の姿勢は、第1グリップ11が上側に配置される姿勢であって、上記第1姿勢に対して光軸O周りに角度略90度回転した姿勢である。そして、このときの姿勢を、以下の説明においては、第2姿勢というものとする。この第2姿勢は、撮像装置1の右側面を上側に左側面を下側に配置した状態である(後述する図11等参照)。
なお、以下の説明では、当該撮像装置1が図1に示す第1姿勢の状態にあるものとして、上下左右を示すものとする。
第2グリップ21は、撮像装置1を第1姿勢としたときに、当該撮像装置1の背面から見て底面(右側面に対して略直交する他側面)近傍に配設されている(図1,図9等参照)。換言すると、第2グリップ21は、撮像装置1を第2姿勢としたときには、当該撮像装置1の背面から見て右側面近傍に配設されている(図11,図14等参照)。
ここで、第2グリップ21は、第1グリップ11と略同様に、全体として当該撮像装置1の前面から前方へ向けて突出するように形成されている。さらに、第2グリップ21は、撮像装置1の前面側において、第1姿勢にあるときの底面寄りの所定の領域(図1,図4の符号A2参照)が、それ以外の領域(図1,図4の符号B2参照)における(背面から見て)右寄りの部位に対して前方に突出するように形成されている。
この構成により、第2グリップ21は、撮像装置1の前面側において、第1姿勢にあるときの底面寄りの所定の領域A2と、それ以外の領域B2との間に、第2段差部21aが形成されている。この第2段差部21aは、詳細は後述するが、使用者が第2グリップ21を右手で把持したときに、上記第1グリップ11と同様に、当該右手の中指の付け根近傍から第二,第三関節近傍が当接して当該撮像装置1の保持状態を維持するための第2前面支持部として機能する部位である(図11〜図13参照)。
また、第2グリップ21は、撮像装置1の背面において、底面縁部のやや右側面寄りの所定の領域(図2,図4の符号C2参照)に、後方に向けて突出する第2背面突出部である第2サムグリップ21bが形成されている。ここで、当該第2サムグリップ21bは、図4に示すように、撮像装置1の第2姿勢にあるときの上側から下側に向けてなだらかに下降傾斜する傾斜面21bbを有して形成されている。この第2サムグリップ21bは、詳細は後述するが、使用者が第2グリップ21を右手で把持したときに、当該右手の親指の付け根近傍から第二関節近傍が当接して当該撮像装置1の保持状態を維持するための第2背面支持部として機能する部位である(図11〜図13参照)。
このように、第2グリップ21を右手で把持して行う際の撮影が縦位置撮影となり、このときの撮像装置1の姿勢が第2姿勢である。
ボディ筐体10の外表面上に設けられる構成部材のうちマウントリング32は、当該ボディ筐体10に対してレンズ鏡筒ユニット(不図示)を装着するための連結部材である。このマウントリング32は、図1に示すように、ボディ筐体10の前面側の略中央部近傍に形成される前面開口10aの周縁部に配設されている。
なお、ボディ筐体10の前面開口10aは、当該撮像装置1の前方にある被写体からの光束をレンズ鏡筒ユニットの撮像光学系(不図示)を介してボディ筐体10の内部に設けられる撮像素子31の受光面へと入射させるための開口である。そのために当該前面開口10aによって露呈される当該撮像装置1のボディ筐体10の内部には、撮像素子31が、その受光面を前方に向けて配設されている。
また、ボディ筐体10の外表面上に設けられる構成部材のうち電子ビューファインダー(EVF;Electronic View Finder)34及び背面モニター35は、撮像素子31を含む撮像ユニットである撮像部41(後述;図5参照)によって取得される画像データに基く画像を表示する表示装置である。また、電子ビューファインダー34及び背面モニター35は、これら画像データに基づく画像の表示に加えて、当該表示画像に重畳させて、当該表示中の画像データに関連する関連情報も表示する。さらに、電子ビューファインダー34及び背面モニター35は、各種の設定プログラムが起動される設定モード時には、設定メニューの一覧表示を行う。
このうち、電子ビューファインダー34は、例えば比較的小型の(例えば0.5型程度の)表示パネルを備え、拡大光学系を介して使用者が覗き込む形態に構成される表示装置である。また、背面モニター35は、例えば撮像装置1の背面部に固定若しくは可動自在に設けられ、比較的大型の(例えば3型程度の)表示パネルを備えて構成される表示装置である。
電子ビューファインダー34及び背面モニター35は、例えば液晶表示ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL;Organic Electro-Luminescence:OEL)ディスプレイ,プラズマディスプレイ(PDP;Plasma Display)等の表示パネルと、それらの駆動回路等を含んで構成されている。
なお、電子ビューファインダー34及び背面モニター35は、いずれも、略同等の機能を有する構成ユニットである。したがって、撮像装置1の使用時には、電子ビューファインダー34及び背面モニター35のいずれか一方が選択されて使用され、適宜切り換えて使用することができるように構成されている。
また、背面モニター35には、表示パネルの表示面上に操作部材としてのタッチパネルを設けて構成してもよい。ここで、タッチパネル(不図示)は、背面モニター35の表示パネルの表示面上に配置されて、使用者が表示パネルに表示中の画像に対応する所定領域や各種アイコン表示に相当する領域等に対してタッチ操作やスライド操作,ピンチ操作,スワイプ操作,フリック操作等を行って、各種の操作指示信号を発生するよう構成された操作部材である。このタッチパネルからの指示入力信号は、例えば制御部42(後述;図5参照)へと送られて対応する指示信号に応じた処理や制御が実行される。
本実施形態の撮像装置1のボディ筐体10の外表面上に設けられる複数の操作部材は、第1シャッターボタン12,第2シャッターボタン22と、第1フロントダイヤル13,第2フロントダイヤル23と、第1フロントAボタン14,第2フロントAボタン24と、第1フロントBボタン15,第2フロントBボタン25と、第1リアボタン16,第2リアボタン26と、第1リアダイヤル17,第2リアダイヤル27と、第1ジョイスティック18,第2ジョイスティック28と、レンズ取り外しボタン33等がある。
なお、本撮像装置1に設けられる操作部材としては、上述したもの以外にも存在するが、それらは、本発明に直接関連しない部材であるので、それらの詳細説明は省略する。
これらの操作部材のうち、第1シャッターボタン12,第2シャッターボタン22は、撮像動作の開始を指示する指示信号(自動露出開始信号,自動焦点調節信号,シャッターリリース信号等)を発生させる操作部材である。これら第1シャッターボタン12,第2シャッターボタン22は、例えば押圧操作式の操作部材(押しボタン部材)が適用される。
第1フロントダイヤル13,第2フロントダイヤル23及び第1リアダイヤル17,第2リアダイヤル27は、設定されている動作モードに関連するパラメータ値を変更指示する指示信号(AFターゲット選択設定,露出補正設定,ISO感度設定,ホワイトバランス設定,マルチファンクション設定(ハイライト&シャドウコントロール,カラークリエーター,拡大,アスペクト比設定の切り換え),フリッカースキャン設定,NDフィルター設定,シャッター速度値設定,絞り値設定等)を発生させる操作部材である。これら第1フロントダイヤル13,第2フロントダイヤル23及び第1リアダイヤル17,第2リアダイヤル27は、例えば回転式の操作部材(回転ダイヤル部材)が適用される。
第1フロントAボタン14,第2フロントAボタン24及び第1フロントBボタン15,第2フロントBボタン25は、所定の設定動作(露出補正設定,ISO感度設定,ホワイトバランス設定,AFホームポジション動作(AFターゲットを規定位置に戻す動作),画質設定切換動作(RAW+JPEG設定とJPEG設定との切換動作),試し撮り動作(記録を伴わない撮影動作),デジタルテレコン動作,デジタルシフト動作,フィッシュアイ補正動作,表示拡大動作,HDR撮影動作,ブラケット撮影動作(AE,WB,FL,ISO,ART),ピーキング表示,水準器表示,OVFシミュレーション表示,モニタ切換動作,AFリミッター切換動作,手振れ補正動作,プレビュー動作等)の開始又は解除の切り換え(オンオフ切り換え)を指示する指示信号を発生させる操作部材である。
このように、これら第1フロントAボタン14,第2フロントAボタン24及び第1フロントBボタン15,第2フロントBボタン25には、各種の機能を割り当てることができる。そして、これら第1フロントAボタン14,第2フロントAボタン24及び第1フロントBボタン15,第2フロントBボタン25は、例えば押圧操作式の操作部材(押しボタン部材)が適用される。
第1リアボタン16,第2リアボタン26は、主にAE(自動露出設定)ロック及びAF(オートフォーカス)ロックのオンオフ切り換えを行う指示信号を発生させる操作部材である。これら第1リアボタン16,第2リアボタン26は、押圧操作式の操作部材(押しボタン部材)が適用される。なお、第1リアボタン16,第2リアボタン26は、基本設定によって、その他の機能を割り当てることも可能である。
第1ジョイスティック18,第2ジョイスティック28は、固定面(ボディ筐体10の背面)に対して傾倒動作可能に軸支された軸状部材を、支持軸周りに傾倒操作することによって、二次元平面上の位置情報を入力すると共に、設定した情報を押圧操作にて決定する操作部材である。この第1ジョイスティック18,第2ジョイスティック28は、例えばフォーカスポイントの選択操作等に用いられる。これら第1ジョイスティック18,第2ジョイスティック28も、基本設定によって、その他の機能を割り当てることが可能である。
なお、上述した各操作部材については、撮像装置1が撮影動作モードにあるときと、再生動作モードにあるときとでは、異なる機能が割り宛てられている場合がある。しかしながら、本発明は、主に撮影動作モード時における操作性の向上を目的としていることから、各操作部材における再生動作モード時の機能についての説明は省略する。
また、レンズ取り外しボタン33は、当該撮像装置1のボディ筐体10の前面開口10aのマウントリング32に対して装着状態にあるレンズ鏡筒ユニット(不図示)を取り外す際に、装着係止状態を解除するための操作部材である。このレンズ取り外しボタン33は、前面開口10aの周縁部近傍に配設されている。
上述した複数の操作部材のうち、第1シャッターボタン12,第2シャッターボタン22と、第1フロントダイヤル13,第2フロントダイヤル23と、第1リアボタン16,第2リアボタン26と、第1リアダイヤル17,第2リアダイヤル27とは、第1グリップ11及び第2グリップ21のそれぞれの表面上において、各所定の位置にそれぞれ配設されている。
ここで、第1シャッターボタン12と、第1フロントダイヤル13と、第1リアボタン16と、第1リアダイヤル17とは、第1グリップ11における領域A1(図1,図3参照)の範囲内に設けられている。このような配置により、これらの操作部材(12,13,16,17)は、本撮像装置1を第1姿勢とする通常の横位置撮影時に、使用者が主に右手の指を用いて操作する操作部材となっている。
具体的には、第1シャッターボタン12と第1フロントダイヤル13とは、第1グリップ11における領域A1のうち主に上面側若しくは前面側の所定の領域に配設されている。この場合において、第1シャッターボタン12と第1フロントダイヤル13とは、主に使用者の右手の人差し指を用いて操作される。
そのために、第1シャッターボタン12と第1フロントダイヤル13とは、第1グリップ11の領域A1における上面側若しくは前面側領域のうち、第1グリップ11を右手で把持した状態のときに、同右手の人差し指が届く範囲内の領域に配設されている。特に、第1シャッターボタン12及び第1フロントダイヤル13は、使用者が第1グリップ11を右手で把持した状態で、同右手人差し指が無理なく自然に動かして操作することのできる範囲内に配設されている。
一方、第1リアボタン16と第1リアダイヤル17とは、第1グリップ11における領域A1のうち主に背面の所定の領域に配設されている。この場合において、第1リアボタン16と第1リアダイヤル17とは、主に使用者の右手の親指を用いて操作される。
そのために、第1リアボタン16と第1リアダイヤル17とは、第1グリップ11の領域A1における背面領域のうち、第1グリップ11を右手を用いて把持した状態のときに、同右手の親指が届く範囲内の領域に配設されている。特に、第1リアボタン16及び第1リアダイヤル17は、使用者が第1グリップ11を右手で把持した状態で、同右手親指が無理なく自然に動かして操作することのできる範囲内に配設されている。これにより、第1リアボタン16及び第1リアダイヤル17とを第1背面操作部材というものとする。
また、第2シャッターボタン22と、第2フロントダイヤル23と、第2リアボタン26と、第2リアダイヤル27とは、第2グリップ21における領域A2(図1,図4参照)の範囲内に設けられている。このような配置により、これらの操作部材(22,23,26,27)は、本撮像装置1を第2姿勢とする縦位置撮影時に、使用者が主に右手の指を用いて操作する操作部材となっている。
具体的には、第2シャッターボタン22と第2フロントダイヤル23とは、第2グリップ21における領域A2のうち主に上面側若しくは前面側の所定の領域に配設されている。この場合において、第2シャッターボタン22と第2フロントダイヤル23とは、主に使用者の右手の人差し指を用いて操作される。
そのために、第2シャッターボタン22と第2フロントダイヤル23とは、第2グリップ21の領域A2における上面側若しくは前面側領域のうち、第2グリップ21を右手で把持した状態のときに、同右手の人差し指が届く範囲内の領域に配設されている。特に、第2シャッターボタン22及び第2フロントダイヤル23は、使用者が第2グリップ21を右手で把持した状態で、同右手人差し指が無理なく自然に動かして操作することのできる範囲内に配設されている。
このように、第1シャッターボタン12と第2シャッターボタン22とは同じ機能を有しており、かつ、第1姿勢にあるときの第1シャッターボタン12と、第2姿勢にあるときの第2シャッターボタン22とは、ボディ筐体10の表面上において略同様の形態となるように配置されている。
同様に、第1フロントダイヤル13と第2フロントダイヤル23とに同じ機能を割り当てれば、第1姿勢にあるときの第1フロントダイヤル13と、第2姿勢にあるときの第2フロントダイヤル23とはボディ筐体10の表面上において略同様の形態となるように配置されるので、縦位置撮影時と横位置撮影時とで操作性を略同様にすることができる。
一方、第2リアボタン26と第2リアダイヤル27とは、第2グリップ21における領域A2のうち主に背面の所定の領域に配設されている。この場合において、第2リアボタン26と第2リアダイヤル27とは、主に使用者の右手の親指を用いて操作される。
そのために、第2リアボタン26と第2リアダイヤル27とは、第2グリップ21の領域A2における背面領域のうち、第2グリップ21を右手を用いて把持した状態のときに、同右手の親指が届く範囲内の領域に配設されている。特に、第2リアボタン26及び第2リアダイヤル27は、使用者が第2グリップ21を右手で把持した状態で、同右手親指が無理なく自然に動かして操作することのできる範囲内に配設されている。これにより、第2リアボタン26及び第2リアダイヤル27とを第2背面操作部材というものとする。
このように、第1リアボタン16と第2リアボタン26とに同じ機能を割り当てれば、第1姿勢にあるときの第1リアボタン16と、第2姿勢にあるときの第2リアボタン26とは、ボディ筐体10の表面上において略同様の形態となるように配置されるので、縦位置撮影時と横位置撮影時とで操作性を略同様にすることができる。
同様に、第1リアダイヤル17と第2リアダイヤル27とに同じ機能を割り当てれば、第1姿勢にあるときの第1リアダイヤル17と、第2姿勢にあるときの第2リアダイヤル27とはボディ筐体10の表面上において略同様の形態となるように配置されるので、縦位置撮影時と横位置撮影時とで操作性を略同様にすることができる。
次に、第1フロントAボタン14及び第2フロントAボタン24と、第1フロントBボタン15及び第2フロントBボタン25と、レンズ取り外しボタン33とは、ボディ筐体10の前面において、前面開口10aの周縁部近傍にそれぞれ配設されている。
ここで、レンズ取り外しボタン33は、前面開口10aの周縁部近傍において、第1グリップ11が設けられている側とは反対側の領域に配設されている。
一方、第1フロントAボタン14と第1フロントBボタン15とは、前面開口10aの周縁部(レンズ鏡筒装着部の周縁部)近傍のうち、第1グリップ11近傍の領域にそれぞれ配設されている(図1参照)。このような配置により、第1フロントAボタン14と第1フロントBボタン15とは、本撮像装置1を第1姿勢とする通常の横位置撮影時に、使用者が主に右手の指を用いて操作する操作部材となっている。これにより、第1フロントAボタン14と第1フロントBボタン15とを第1前面操作部材というものとする。
そして、この場合において、第1フロントAボタン14と第1フロントBボタン15とは、第1グリップ11を把持する右手の中指及び薬指を用いて操作される。そのために、第1フロントAボタン14と第1フロントBボタン15とは、第1グリップ11を右手を用いて把持した状態のときに、ボディ筐体10の前面において、同右手の中指及び薬指が届く範囲内の領域に配設されている。
他方、第2フロントAボタン24と第2フロントBボタン25とは、前面開口10aの周縁部(レンズ鏡筒装着部の周縁部)近傍のうち、第2グリップ21近傍の領域にそれぞれ配設されている(図1参照)。このような配置により、第2フロントAボタン24と第2フロントBボタン25とは、本撮像装置1を第2姿勢とする縦位置撮影時に、使用者が主に右手の指を用いて操作する操作部材となっている。これにより、第2フロントAボタン24と第2フロントBボタン25とを第2前面操作部材というものとする。
そして、この場合において、第2フロントAボタン24と第2フロントBボタン25とは、第2グリップ21を把持する右手の中指及び薬指を用いて操作される。そのために、第2フロントAボタン24と第2フロントBボタン25とは、第2グリップ21を右手を用いて把持した状態のときに、ボディ筐体10の前面において、同右手の中指及び薬指が届く範囲内の領域に配設されている。
このように、第1フロントAボタン14と第2フロントAボタン24とは同じ機能を有しており、かつ、第1姿勢にあるときの第1フロントAボタン14と、第2姿勢にあるときの第2フロントAボタン24とは、ボディ筐体10の表面上において略同様の形態となるように配置されている。
同様に、第1フロントBボタン15と第2フロントBボタン25とは同じ機能を有しており、かつ、第1姿勢にあるときの第1フロントBボタン15と、第2姿勢にあるときの第2フロントBボタン25とは、ボディ筐体10の表面上において略同様の形態となるように配置されている。
次に、第1ジョイスティック18は、ボディ筐体10の背面において、第1グリップ11の第1サムグリップ11bの近傍(領域C1近傍)に配設されている(図2参照)。このような配置により、第1ジョイスティック18は、本撮像装置1を第1姿勢とする通常の横位置撮影時に、使用者が右手の親指を用いて操作する操作部材となっている。そのために、第1ジョイスティック18は、第1グリップ11を右手を用いて把持した状態のときに、ボディ筐体10の背面において、同右手の親指が無理なく届く範囲内の領域に配設されている。これにより、第1ジョイスティック18も第1背面操作部材に含まれるものとする。
第2ジョイスティック28は、ボディ筐体10の背面において、第2グリップ21の第2サムグリップ21bの近傍(領域C2近傍)に配設されている(図2参照)。このような配置により、第2ジョイスティック28は、本撮像装置1を第2姿勢とする縦位置撮影時に、使用者が右手の親指を用いて操作する操作部材となっている。そのために、第2ジョイスティック28は、第2グリップ21を右手を用いて把持した状態のときに、ボディ筐体10の背面において、同右手の親指が無理なく届く範囲内の領域に配設されている。これにより、第2ジョイスティック28も第2背面操作部材に含まれるものとする。
次に、本実施形態の撮像装置1の電気的な内部構成の概略を、図5を用いて以下に簡単に説明する。
図5に示すように、本実施形態の撮像装置1は、撮像部41(撮像ユニット)と、制御部42と、操作部43と、通信部44と、記録部45と、姿勢検出部46と、電源部47と、電子ビューファインダー(EVF)34及び背面モニター35等を有して構成されている。
撮像ユニットである撮像部41は、撮像光学系48と、撮像素子31等を含んで構成される構成ユニットである。ここで、撮像光学系48は、撮像対象物(被写体)からの光を透過させて、当該被写体の光学像を結像させる複数の光学レンズ等によって構成される構成ユニットである。この撮像光学系48は、レンズ鏡筒ユニット(不図示)に含まれている。
なお、図5においては、撮像光学系48と撮像素子31とを同一ブロックとして図示しているが、撮像光学系48と撮像素子31とは、別体の構成ユニットとして構成されていてもよい。例えば撮像光学系48は、ボディ筐体10とは別体に構成され、当該ボディ筐体10に対し着脱自在に形成されるレンズ鏡筒ユニットに含めて構成する一方、撮像素子31は、ボディ筐体10の内部に配設するといった構成、即ちレンズ交換式撮像装置等が考えられる。
撮像素子31は、撮像光学系48によって結像された被写体像を受光して光電変換処理を行い、所定の画像信号を取得する電子部品である。当該撮像素子31によって取得される画像信号に基づいて表示される画像は長方形状の画像である。
この撮像素子31は、例えばCCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子)等の回路素子を用いたCCDイメージセンサー若しくはMOS(Metal Oxide Semiconductor;金属酸化膜半導体)等を用いたMOS型イメージセンサー等の固体撮像素子である光電変換素子等が適用される。撮像素子31によって生成されたアナログ画像信号は、後述する制御部42の画像処理部42aへと出力されてデジタル変換された後、各種の画像信号処理が行なわれる。
制御部42は、撮像装置1の全体を統括的に制御する制御回路及びソフトウエアプログラムを含む構成部である。制御部42は例えばCPU(Central Processing Unit;中央処理装置)等を用いたプロセッサ(processor;処理装置)を含む複数の電気部品等によって構成される電子回路である。
制御部42は複数の制御回路等と対応する各種ソフトウエアプログラムを含んで構成されている。即ち、制御部42は、画像処理部42aと、動作モード変更制御部42bと、パラメータ制御部42cと、表示制御部42dと、通信制御部42eと、記録制御部42fと、姿勢判定部42gと、電源制御部42h等を有して構成されている。
画像処理部42aは、撮像素子31からの出力信号を受けて、各種の画像信号処理、例えば表示用画像データや記録用画像データ等を生成する処理を施す処理回路及びソフトウエアプログラム等を含む構成部である。この画像処理部42aにおいて生成された画像データは、例えば、表示制御部42d等において所定の処理が行われた後、表示装置(34,35)等へと出力されて画像として表示される。
動作モード変更制御部42bは、複数の操作部材のうちの所定の操作部材が操作されることにより発生する動作モード変更指示信号を受けて、当該指示信号に対応する動作モードの変更処理を制御する制御回路及びソフトウエアプログラム等を含む構成部である。
パラメータ制御部42cは、パラメータ設定動作時に、指定された設定動作に対応する所定のパラメータ値の変更を指示する指示信号を受けて、対応するパラメータ値の変更処理を制御する制御回路及びソフトウエアプログラム等を含む構成部である。
表示制御部42dは、電子ビューファインダー(EVF)34及び背面モニター35を制御して、所定の表示(画像表示や設定メニュー表示,警告表示等の各種の表示)処理を制御する制御回路及びソフトウエアプログラム等を含む構成部である。
通信制御部42eは、通信部44を制御して外部通信機器(不図示)との間での通信処理を制御する制御回路及びソフトウエアプログラム等を含む構成部である。
記録制御部42fは、画像処理部42aにて処理後の画像信号を圧縮処理し、圧縮後の画像を記録部45へと出力して記録させる信号処理を行ったり、記録部45に含まれる記録媒体の駆動制御等を行って、記録媒体に記録済みの画像データの読込処理や、記録媒体への画像データの書込処理等を行う制御処理回路及びソフトウエアプログラム等を含む構成部である。
姿勢判定部42gは、姿勢検出部46からの出力信号を受けて、当該撮像装置1のボディ筐体10の姿勢(例えば横位置撮影の第1姿勢又は縦位置撮影の第2姿勢等)を判定する回路部及びソフトウエアプログラム等を含む構成部である。
電源制御部42hは、電源部47に含まれる電源用バッテリに関する各種の制御を行う制御回路及びソフトウエアプログラム等を含む構成部である。
操作部43は、上述の複数の操作部材(12〜18,22〜28等)に各対応する複数のスイッチ部材などを含む構成部である。
通信部44は、通信制御部42eに制御されることにより、当該撮像装置1と外部通信機器(不図示)との間で、有線通信手段若しくは無線通信手段を介して各種の制御信号若しくは画像データ信号を含む各種の情報信号等の相互通信を行うための回路部及びソフトウエアプログラム等を含む構成部である。
通信部44としては、例えば、USB規格の有線通信やWifi(登録商標)等の無線LAN,ブルートゥース(登録商標)等による無線通信等を可能とするように構成している。
記録部45は、撮像素子31から出力され画像処理部42aにて処理済みの画像データを受けて、これを所定の形態に変換する信号処理回路部や、この信号処理回路部によって生成された画像データを記録する記録媒体、当該記録媒体を駆動制御する制御回路及びソフトウエアプログラム等を含んで構成される構成ユニットである。
この記録部45にて実行される画像信号変換処理としては、例えば信号圧縮処理等を含む記録画像データへの変換処理や、記録媒体に記録済みの画像データを読み込んで伸長処理等を施して所定の形態の画像信号に復元させる信号処理等である。なお、記録部45に含まれる記録媒体は、例えばカード形状に形成され、撮像装置1のボディ筐体10に対して着脱自在に構成した、カード型半導体メモリを主に想定している。しかしながら,記録媒体の構成例としては、この種の形態に限られることはない。例えば、撮像装置1の内部電気基板(不図示)上に実装される内部固定メモリ等を記録媒体として用いるような構成としてもよい。
なお、上述の圧縮伸長処理については、記録部45に含まれる信号処理回路部で実行する形態に限られることはない。このような画像データの圧縮伸張処理は、例えば制御部42内に同様の信号処理回路部を設けるといった形態としても実現できる。
また、記録部45には、撮像素子31によって取得された画像データ等を一時的に記録しておく一時記憶回路部のほか、本撮像装置1において動作させる各種のプログラム等を記憶しておく記憶媒体を設けて構成してもよい。この場合に用いられる記憶回路部としては、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory),RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等を適用することができる。
姿勢検出部46は、当該撮像装置1のボディ筐体10の姿勢を検出する検出素子、例えば加速度センサやジャイロセンサ等によって構成される構成ユニットである。
電源部47は、当該撮像装置1の内部に収納される電源用バッテリを含み、この電源用バッテリからの供給電力、若しくは外部商用電源からケーブル接続によって供給される電力を受けて、当該撮像装置1の各構成ユニットに対して電源制御部42hの制御下において適宜必要な電力を供給する構成ユニットである。本実施形態の撮像装置1における電源部47は、例えば第2グリップ21の内部に配設されている。
電子ビューファインダー(EVF)34及び背面モニター35は、制御部42の表示制御部42dによって制御される表示装置である。電子ビューファインダー(EVF)34及び背面モニター35は、例えば撮像素子31によって取得され、制御部42の画像処理部42aによって所定の処理が施された画像データに基いてライブビュー画像を表示したり、記録部45に記録済みの画像データに基いて画像の再生表示を行ったり、記録部45等に予め用意された各種アイコンデータ等に基くアイコンやメニュー画面等を表示する。
換言すると、電子ビューファインダー(EVF)34及び背面モニター35は、撮影モード時には表示制御部42dの制御下において、撮像素子31によって取得され画像処理部42aを経て処理済み画像データに基いて順次連続的にリアルタイムの画像を表示し続けることによって、撮影範囲の観察や確認をリアルタイムで行なうためのモニタ装置として機能する一方、再生モード時には表示制御部42dの制御下において記録済みの画像データに基く画像を再生表示する表示装置として機能する。
このように構成される本実施形態の撮像装置1の作用を、図6〜図15及び図16,図17を用いて以下に説明する。
図6〜図10は、本発明の一実施形態の撮像装置を第1姿勢としたときに、使用者が右手によって第1グリップを把持している様子を示す図である。このうち、図6は撮像装置の前面の平面図である(図1に相当)。図7は撮像装置の右斜め上方から前面側を見た際の斜視図である。図8は撮像装置の右側面の平面図である(図3に相当)。図9,図10は撮像装置の背面の平面図である(図2に相当)。ここで、図9は右手親指で第1ジョイスティック(18)を操作している状態を示している。また、図10は右手親指で第1リアボタン(16)を操作している状態を示している。
図11〜図15は、本発明の一実施形態の撮像装置を第2姿勢としたときに、使用者が右手によって第2グリップを把持している様子を示す図である。このうち、図11は撮像装置の前面の平面図である。図12は撮像装置の右斜め上方から前面側を見た際の斜視図である。図13は撮像装置の底面の平面図である(図4に相当)。図14,図15は撮像装置の背面の平面図である。ここで、図14は右手親指で第2ジョイスティック(28)を操作している状態を示している。また、図15は右手親指で第2リアボタン(26)を操作している状態を示している。
また、図16は、本発明の一実施形態の撮像装置の作用の流れを概略的に示すフローチャートである。図17は、図16のフローチャートのうちステップS16の処理(モード設定,撮像パラメータ調節制御処理)の詳細を示すフローチャートである。
本実施形態の撮像装置1を手に持って撮影を行う際には、使用者は、撮像装置1の第1グリップ11又は第2グリップ21を右手100で把持することになる。
この場合において、横位置撮影を行う際には、撮像装置1を第1姿勢とし、第1グリップ11を右手100で把持する(図6〜図10参照)。また、縦位置撮影を行う際には、撮像装置1を第2姿勢とし、第2グリップ21を右手100で把持する(図11〜図15参照)。なお、この場合においては、同時に左手をレンズ鏡筒ユニット(不図示)に添えて、両手で保持するのが、撮像装置1の一般的な構え方となる。しかしながら、本発明の主旨は、右手の手指を用いて操作する操作部材の配置に着目したものである。したがって、本実施形態の説明及び図面においては、左手についての説明及び図示を省略している。
まず、本実施形態の撮像装置1を用いて横位置撮影を行う際に、当該撮像装置1を第1姿勢として第1グリップ11を右手100で把持する場合の作用を説明する(図6〜図10参照)。
撮像装置1を第1姿勢として第1グリップ11を右手100で把持した場合、図6〜図8に示すように、右手の中指103(特に第2関節辺り)を第1段差部11aの下縁に沿わせて配置して、中指103,薬指104,小指と手のひらを用いて第1グリップ11の領域B1部分を包み込むように把持する。また、このとき、右手100の人差し指102は、第1グリップ11の領域A1の上面側若しくは前面側近傍に軽く添えるように載置する。これと同時に、図7〜図10に示すように、右手100の親指101(特に付け根辺り)を第1サムグリップ11bの傾斜面11bbに沿わせて配置し、親指101の腹を第1グリップ11の領域A1の背面に押し当てるように支持する。
ここで、第1グリップ11の領域A1の上面側若しくは前面側近傍には、上述したように、第1グリップ11を右手100を用いて把持した状態のときに、右手100の人差し指102を無理せずに動かして操作できる範囲内に、第1シャッターボタン12と第1フロントダイヤル13とが配置されている。
また、第1グリップ11の領域A1における背面領域には、上述したように、第1グリップ11を右手100を用いて把持した状態のときに、右手100の親指101を無理せずに動かして操作できる範囲内に、第1リアボタン16と第1リアダイヤル17と第1ジョイスティック18とが配置されている(図9,図10の矢印R1参照)。
したがって、撮像装置1を第1姿勢として第1グリップ11を右手100で把持したとき、その把持状態を維持しつつ、右手100の人差し指102を用いて第1シャッターボタン12と第1フロントダイヤル13とを、必要に応じて無理なく操作することができると共に、かつ、右手100の親指101を用いて第1リアボタン16と第1リアダイヤル17と第1ジョイスティック18とを、必要に応じて無理なく操作することができる配置となっている。
さらに、この状態(第1グリップ11を右手で把持した状態)においては、図6に示すように、右手100の中指103,薬指104の指先の近傍に、第1フロントAボタン14と第1フロントBボタン15とが配置されている。
したがって、撮像装置1を第1姿勢として第1グリップ11を右手100で把持したとき、その把持状態を維持しつつ、右手100の中指103,薬指104を用いて第1フロントAボタン14と第1フロントBボタン15とを、必要に応じて無理なく操作することができる配置となっている。
この状態においては、右手の中指103は第1グリップ11の前面側の第1段差部11aによって支持されていると共に、同右手の親指101は第1グリップ11の背面側の第1サムグリップ11bによって支持されている。これにより、当該撮像装置1は使用者の手によって確実に保持されていると同時に、人差し指102は第1シャッターボタン12と第1フロントダイヤル13とを操作することができ、中指103及び薬指104は第1フロントAボタン14と第1フロントBボタン15とを操作することができ、親指101は第1リアボタン16と第1リアダイヤル17と第1ジョイスティック18とを操作することができる。
一方、本実施形態の撮像装置1を用いて縦位置撮影を行う際に、当該撮像装置1を第2姿勢として第2グリップ21を右手100で把持する場合の作用を説明する(図11〜図15参照)。
撮像装置1を第2姿勢として第2グリップ21を右手100で把持した場合、図11〜図13に示すように、右手の中指103(特に第2関節辺り)を第2段差部21aの下縁に沿わせて配置して、中指103,薬指104,小指と手のひらを用いて第2グリップ21の領域B2部分を包み込むように把持する。また、このとき、右手100の人差し指102は、第2グリップ21の領域A2の上面側若しくは前面側近傍に軽く添えるように載置する。これと同時に、図12〜図15に示すように、右手100の親指101(特に付け根辺り)を第2サムグリップ21bの傾斜面21bbに沿わせて配置し、親指101の腹を第2グリップ21の領域A2の背面に押し当てるように支持する。
ここで、第2グリップ21の領域A2の上面側若しくは前面側近傍には、上述したように、第2グリップ21を右手100を用いて把持した状態のときに、右手100の人差し指102を無理せずに動かして操作できる範囲内に、第2シャッターボタン22と第2フロントダイヤル23とが配置されている。
また、第2グリップ21の領域A2における背面領域には、上述したように、第2グリップ21を右手100を用いて把持した状態のときに、右手100の親指101を無理せずに動かして操作できる範囲内に、第2リアボタン26と第2リアダイヤル27と第2ジョイスティック28とが配置されている(図14,図15の矢印R2参照)。
したがって、撮像装置1を第2姿勢として第2グリップ21を右手100で把持したとき、その把持状態を維持しつつ、右手100の人差し指102を用いて第2シャッターボタン22と第2フロントダイヤル23とを、必要に応じて無理なく操作することができ、ると共に、かつ、右手100の親指101を用いて第2リアボタン26と第2リアダイヤル27と第2ジョイスティック28とを、必要に応じて無理なく操作することができる配置となっている。
さらに、この状態(第2グリップ21を右手で把持した状態)においては、図11に示すように、右手100の中指103及び薬指104の指先の近傍に、第2フロントAボタン24と第2フロントBボタン25とが配置されている。
したがって、撮像装置1を第2姿勢として第2グリップ21を右手100で把持したとき、その把持状態を維持しつつ、右手100の中指103及び薬指104を用いて第2フロントAボタン24と第2フロントBボタン25とを、必要に応じて無理なく操作することができる配置となっている。
この状態においては、右手の中指103は第2グリップ21の前面側の第2段差部21aによって支持されていると共に、同右手の親指101は第2グリップ21の背面側の第2サムグリップ21bによって支持されている。これにより、当該撮像装置1は使用者の手によって確実に保持されていると同時に、人差し指102は第2シャッターボタン22と第2フロントダイヤル23とを操作することができ、中指103及び薬指104は第2フロントAボタン24と第2フロントBボタン25とを操作することができ、親指101は第2リアボタン26と第2リアダイヤル27と第2ジョイスティック28とを操作することができる。
なお、図8に示すように、撮像装置1を第1姿勢として第1グリップ11を右手100で把持した場合に、右手の中指103で支持される第1グリップ11の第1段差部11aと同右手の親指101で支持される第1グリップ11の第1サムグリップ11bとの間隔寸法を符号D1aで示すものとする。
同様に、図13に示すように、撮像装置1を第2姿勢として第2グリップ21を右手100で把持した場合に、右手の中指103で支持される第2グリップ21の第2段差部21aと同右手の親指101で支持される第2グリップ21の第2サムグリップ21bとの間隔寸法を符号D1bで示すものとする。
この場合において、本実施形態の撮像装置1においては、間隔寸法D1aと間隔寸法D1bとは略同寸法となるように設定されている。ここで、間隔寸法D1a,D1bは、具体的には、例えば平均的な手のひらサイズを考慮して約60mm程度に設定されるのが望ましい。
また、図6に示すように、第1グリップ11の前面幅寸法を符号D2aで示し、第1グリップ11の右側面から第1フロントAボタン14及び第1フロントBボタン15までの間隔寸法を符号D3aで示すものとする。
同様に、図11に示すように、第2グリップ21の前面幅寸法を符号D2bで示し、第2グリップ21の右側面から第2フロントAボタン24及び第2フロントBボタン25までの間隔寸法を符号D3bで示すものとする。
この場合において、本実施形態の撮像装置1においては、間隔寸法D2aと間隔寸法D2bとが略同寸法となるように設定されている。ここで、間隔寸法D2a,D2bは、主に中指103及び薬指104によって把持される部位である。そこで、具体的には、例えば平均的な中指103及び薬指104の長さを考慮して約35mm程度に設定されるのが望ましい。
同様に、間隔寸法D3aと間隔寸法D3bとが略同寸法となるように設定されている。ここで、間隔寸法D3a,D3bは、主に中指103及び薬指104を伸長させた際の範囲内の部位である。そこで、間隔寸法D3a,D3bは、具体的には、例えば平均的な手のひらサイズ及び中指103及び薬指104の長さを考慮して約50mm程度に設定されるのが望ましい。
さらに、図10に示すように、撮像装置1を第1姿勢として第1グリップ11を右手100で把持した場合に、右手の親指101で支持される第1グリップ11の第1サムグリップ11bと第1リアボタン16との間隔寸法を符号D4aで示すものとする。
同様に、図15に示すように、撮像装置1を第2姿勢として第2グリップ21を右手100で把持した場合に、右手の親指101で支持される第2グリップ21の第2サムグリップ21bと第2リアボタン26との間隔寸法を符号D4bで示すものとする。
この場合において、本実施形態の撮像装置1においては、間隔寸法D4aと間隔寸法D4bとは略同寸法となるように設定されている。ここで、間隔寸法D4a,D4bは、具体的には、例えば平均的な親指101の長さを考慮して約35mm程度に設定されるのが望ましい。
なお、ここで、本実施形態の撮像装置1においては、右手の親指101の指先によって操作される操作部材は、第1姿勢の時には第1リアボタン16のほかに第1リアダイヤル17と第1ジョイスティック18がある。また、第2姿勢の時には第2リアボタン26のほかに第2リアダイヤル27と第2ジョイスティック28である。したがって、これらの操作部材(16〜18,26〜28)は、いずれも右手の親指101の届く範囲内に配置されている必要がある。
ここで、間隔寸法D4a,D4bを、第1サムグリップ11b及び第2サムグリップ21bと第1リアボタン16及び第2リアボタン26との各間隔としているのは、本撮像装置1の配置例においては、第1リアボタン16,第2リアボタン26が第1サムグリップ11b及び第2サムグリップ21bのそれぞれから最も遠い位置に配置されていることが理由である。したがって、各操作部材の配置によっては、間隔寸法D4a,D4bは、第1サムグリップ11b及び第2サムグリップ21bのそれぞれから最も遠くに配置される操作部材との間隔として設定すればよい。
次に、本実施形態の撮像装置1の作用の流れの概略を、図16,図17のフローチャートを用いて以下に説明する。
まず、本実施形態の撮像装置1は、電源がオン状態とされて起動している状態にあるものとする。この状態にあるとき、図16のステップS11において、制御部42は、現在設定されている動作モードが撮像モードであるか否かの確認を行う。ここで、撮像モードに設定されている場合には、ステップS12の処理に進む。また、撮像モード以外が設定されている場合には、ステップS19の処理に進む。
ステップS12において、制御部42は、姿勢判定部42gを介して姿勢検出部46からの出力信号を確認して、現在の撮像装置1の姿勢が、横位置撮影に対応する第1姿勢であるか、縦位置撮影に対応する第2姿勢であるかを判定する。ここで、横位置撮影に対応する第1姿勢であると判定された場合には、ステップS13の処理に進む。また、縦位置撮影に対応する第2姿勢であると判定された場合には、ステップS14の処理に進む。
ステップS13において、制御部42は、横位置撮影用に適したユーザーインターフェース(UI)設定処理を実行する。ここで行われる設定処理は、例えば、横位置撮影用の操作部材(例えば複数の操作部材のうち符号12〜18で示す操作部材)を有効化し、縦位置撮影用の操作部材(例えば複数の操作部材のうち符号22〜28で示す操作部材)の機能を無効化する等の処理である。なお、ここで説明した例は、横位置撮影用ユーザーインターフェース設定処理の単なる一例であって、これに限られるものではない。その後、ステップS15の処理に進む。
一方、ステップS14において、制御部42は、縦位置撮影用に適したユーザーインターフェース(UI)設定処理を実行する。この縦位置撮影用ユーザーインターフェース設定処理は、上述の横位置撮影用ユーザーインターフェース設定処理と、略同様の処理である。その後、ステップS15の処理に進む。
続いて、ステップS15において、制御部42は、操作部43を監視して、所定の指示信号(モード設定指示信号,撮像パラメータ信号)
が発生したか否かの確認を行う。ここで、当該所定の指示信号の発生が確認された場合には、ステップS16の処理に進む。また、当該所定の指示信号の発生が確認されない場合には、ステップS17の処理に進む。
ステップS16において、制御部42は、上述のステップS15の処理にて確認された指示信号に応じた制御処理(モード設定制御処理,撮像パラメータ調整制御処理)を実行する。当該処理が完了したら、ステップS17の処理に進む。
ステップS17において、制御部42は、記録処理の指示がなされたか否かの確認を行う。ここで記録処理とは、例えばシャッターボタンの押圧指示信号の発生をトリガーとして開始される撮像動作処理(撮像光学系の焦点距離調整、撮像素子による露出制御処理、画像信号の取得(キャプチャ)処理、取得画像信号の各種画像処理、取得した画像データの記録媒体への記録処理などの一連の処理)をさすものとする。ここで、記録処理の指示が確認された場合には、ステップS18の処理に進む。また、記録処理の指示が確認されない場合には、ステップS11の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS18において、制御部42は、所定の記録処理を実行する。その後、ステップS11の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
一方、上述のステップS11の処理にて撮像モード以外の動作モードが設定されているものと判断されて、ステップS19の処理に進むと、このステップS19において、制御部42は、現在設定されている動作モードが通信設定モードであるか否かの確認を行う。ここで、通信設定モードに設定されている場合には、ステップS20の処理に進む。また、通信設定モード以外が設定されている場合には、ステップS21の処理に進む。
ステップS20において、制御部42は、所定の通信設定処理を実行する。その後、ステップS21の処理に進む。
ステップS21において、制御部42は、現在設定されている動作モードが再生モードであるか否かの確認を行う。ここで、再生モードに設定されている場合には、ステップS22の処理に進む。また、再生モード以外が設定されている場合には、ステップS11の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS22において、制御部42は、所定の画像再生処理を実行する。その後、ステップS23の処理に進む。
ステップS23において、制御部42は、現在設定されている動作モードが外部送信モードであるか否かの確認を行う。ここで、外部送信モードに設定されている場合には、ステップS24の処理に進む。また、外部送信モードが設定されていない場合には、ステップS25の処理に進む。
ステップS24において、制御部42は、所定の外部送信モードによる動作を実行する。例えば、選択指定された画像データを、通信制御部42eを介して通信部44を制御して、外部通信機器(不図示)への送信処理を実行する。処理が完了したら、ステップS25の処理に進む。
ステップS25において、制御部42は、再生動作の終了指示信号が発生したか否かの確認を行う。ここで、再生終了指示信号が確認された場合には、ステップS11の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。また、再生終了指示信号が確認されない場合には、ステップS23の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
次に、上述の図16のステップS16の処理、即ちモード設定制御処理若しくは撮像パラメータ調整制御処理の詳細を以下に説明する。
図17のステップS31において、制御部42は、モード変更指示信号が発生しているか否かの確認を行う。このモード変更指示信号は、例えば、設定メニュー(ソフトウエアプログラム)及び所定の操作部材を用いて行われる操作に応じて出力される指示信号のうち、各種の動作モードの変更を指示する指示信号である。また、モード変更指示信号としては、複数の操作部材に含まれるモード変更ダイヤル等(不図示)を操作することによって発生する指示信号も含まれる。
ここで、モード変更指示信号が確認された場合には、ステップS32の処理に進む。また、モード変更指示信号が確認されない場合には、ステップS33の処理に進む。
ステップS32において、制御部42は、上述のステップS31の処理にて確認されたモード変更指示信号に応じたモード変更制御処理を実行する。当該処理の完了後、元の処理に戻り、図16のステップS17の処理に進む(リターン)。
一方、ステップS33において、制御部42は、ダイヤル機能切り換え指示信号が発生しているか否かの確認を行う。このダイヤル機能切り換え指示信号は、例えば設定メニュー(ソフトウエアプログラム)及び所定の操作部材を用いて行われる操作に応じて出力される指示信号のうち、各種のダイヤル操作部材に割り当てられている機能の切り換えを行うための指示信号である。ダイヤル機能切り換え設定の具体的な例としては、例えばフロントダイヤルとリアダイヤルとのそれぞれに割り当てられている所定の機能の切り換えを行う等である。
ここで、ダイヤル機能切り換え指示信号が確認された場合には、ステップS34の処理に進む。また、ダイヤル機能切り換え指示信号が確認されない場合には、ステップS35の処理に進む。
ステップS34において、制御部42は、ダイヤル機能切り換え設定処理を実行する。当該処理の完了後、元の処理に戻り、図16のステップS17の処理に進む(リターン)。
ステップS35において、制御部42は、複数の操作部材のうち所定のダイヤル操作部材による操作が行われたか否かの確認を行う。ここで、所定のダイヤル操作部材は、第1フロントダイヤル13,第2フロントダイヤル23,第1リアダイヤル17,第2リアダイヤル27を想定している。これら第1フロントダイヤル13,第2フロントダイヤル23,第1リアダイヤル17,第2リアダイヤル27は、上述したように、設定されている動作モードに関連するパラメータ値の設定値を、所望のパラメータ値へと変更し調整するための操作部材である。
これらの第1フロントダイヤル13,第2フロントダイヤル23,第1リアダイヤル17,第2リアダイヤル27を用いてパラメータ値の設定変更操作を行う動作モードとしては、例えば、AFターゲット選択設定,露出補正設定,ISO感度設定,ホワイトバランス設定,マルチファンクション設定(ハイライト&シャドウコントロール,カラークリエーター,拡大,アスペクト比設定の切り換え),フリッカースキャン設定,NDフィルター設定,シャッター速度値設定,絞り値設定等がある。
ここで、所定のダイヤル操作部材の操作が確認された場合には、ステップS36の処理に進む。また、所定のダイヤル操作部材の操作が確認されない場合には、元の処理に戻り、図16のステップS17の処理に進む(リターン)。
ステップS36において、制御部42は、操作が確認されたダイヤル操作部材の操作量(例えば回転量)を検出し、当該操作量に応じてパラメータ値の変更を切り換える処理を実行する。当該処理の完了後、元の処理に戻り、図16のステップS17の処理に進む(リターン)。
ここで、例えば、一実施形態の撮像装置1を用いて、人物ポートレート撮影を行う際の作用を考えてみる。
一般に、人物ポートレート撮影においては、撮像装置1を第2姿勢とする縦位置撮影が多用される。したがって、このような場合における基準姿勢としては第2姿勢となる。そこで、撮像装置1を第2姿勢として手に持って被写体に向かって構える場合においても、当該撮像装置1の通常使用時の(本来の)基準姿勢として設定されている横位置撮影時の第1姿勢で使用する場合と同等の操作性が確保されているのが望ましい。
上述したように、本実施形態の撮像装置1においては、第2グリップ21を右手で把持して使用すれば、第1グリップ11を把持して使用する通常の場合と同等の操作性を得ることができるように構成されている。
ここで、人物ポートレート撮影を行う場合には、例えば、撮影現場の状況に応じて、AFターゲットの設定,露出補正設定,ISO感度設定,ホワイトバランス設定,シャッター速度値設定,絞り値設定等を適宜変更しながら、かつ迅速に撮影を進めることになる。
そこで、上述のような各種の設定を、簡単な操作で、かつファインダー(EVF34)を覗きながらであっても、迅速に変更し得るように構成されているのが望ましい。
本実施形態の撮像装置1においては、例えば、第2グリップ21を把持しつつ、ファインダー(電子ビューファインダー(EVF)34)を覗いたままの状態で、所望の設定変更操作を行ない得ることができる。
例えば、第2フロントAボタン24に「露出補正設定」を、第2フロントBボタン25に「ISO感度設定」を割り当ててあるものとする。なお、各操作ボタンへの所望の機能の割り当て設定は、設定メニューモードから設定メニュー(ソフトウエアプログラム)及び所定の操作部材を用いて、予め行っておくものとする。
このように設定された撮像装置1を用いて、例えば人物ポートレート撮影を行うものとする。使用者は、撮像装置1の第2グリップ21を把持して第2姿勢で構える。このとき、使用者は、ファインダー(EVF34)を覗きながら構図決定を行う。このとき、周囲環境に応じて、適宜露出補正設定を加えたり、ISO感度設定を変更したりすることが必要となる。
ここで、露出補正設定を行うためには、例えば、第2フロントAボタン24を右手の中指103の指先で押圧しながら、その押圧状態を保持したまま、同右手の親指101にて第2リアダイヤル27を回転操作する。この第2リアダイヤル27の回転方向によって、露出補正のプラス側(+)又はマイナス側(−)を設定できる。また、第2リアダイヤル27の回転量によって、露出補正のパラメータ値を調整できる。設定されるパラメータ値は、ファインダー(EVF34)の表示画面内の所定の領域に表示される。使用者は、この表示を見ながら所望のパラメータ値となるように、第2リアダイヤル27の回転操作を調整する。
また、ファインダー(EVF34)には、露出補正設定操作で変更されたパラメータ値を反映するライブビュー画像が表示される。使用者は、ファインダー(EVF34)を覗きながら露出補正設定操作を行うことにより、ファインダー(EVF34)のライブビュー画像の変化と、同表示画面内のパラメータ値の変化を見ながら、パラメータ値の調整を行うので、直感的な設定操作を行うことができる。
所望のパラメータ値が設定されたら、右手の親指101による第2リアダイヤル27の回転操作を止めると共に、右手の中指103による第2フロントAボタン24から指先を離して押圧操作を止める。これにより、所望のパラメータ値の設定が確定する。
同様に、ISO感度設定の変更を行なうためには、例えば、第2フロントBボタン25を右手の中指103の指先で一度押圧する。これにより、ISO感度変更モードに切り換わる。この状態で、続いて、同右手の親指101にて第2リアダイヤル27を回転操作する。この第2リアダイヤル27の回転操作によって、ISO感度の数値が順に切り換わる。このとき切り換わるパラメータ値は、ファインダー(EVF34)の表示画面内の所定の領域に表示される。使用者は、この表示を見ながら所望のパラメータ値となるように、第2リアダイヤル27の回転操作を調整する。
所望のパラメータ値が設定されたら、右手の親指101による第2リアダイヤル27の回転操作を止めると共に、右手の中指103によって第2フロントBボタン25を再度押圧操作する。これにより、ISO感度設定変更モードが解除されて、所望のパラメータ値の設定が確定する。
使用者は、これらの全ての操作を、ファインダー(EVF34)を覗いた状態で、確実かつ迅速に行うことができる。この場合において、各操作部材(12〜18,22〜28)は、2つのグリップ(11,21)のうちそれぞれ対応するグリップ近傍に配置され、当該グリップを把持しつつ、把持手と同じ手指を用いて所望の操作を無理なく自然に行うことができるように配置されている。したがって、使用者は撮影に集中することができるようになる。
以上説明したように上記一実施形態によれば、長方形状の画像を取得する撮像装置1であって、撮像光学系48によって結像された光学像を受けて画像データを取得する撮像部41(撮像ユニット)と、少なくとも撮像部41(撮像ユニット)を内部に収納するボディ筐体10と、ボディ筐体10の外表面上における各所定の位置に配設される複数の操作部材(12〜18,22〜28)とを具備し、ボディ筐体10は、ボディ筐体10を第1姿勢としたときに把持される第1グリップ11(第1把持部)が右側面(一側面)近傍に設けられ、ボディ筐体10を第2姿勢としたときに把持される第2グリップ21(第2把持部)がボディ筐体10の右側面(一側面)に対して略直交する底面(他側面)近傍に設けられている。
そして、複数の操作部材のうち、ボディ筐体10の前面において第1グリップ11(第1把持部)の近傍に第1前面操作部材(14,15)が設けられ、ボディ筐体10の前面において第2グリップ21(第2把持部)の近傍に第2前面操作部材(24,25)が設けられ、ボディ筐体10の背面において第1グリップ11(第1把持部)の近傍に第1背面操作部材(16,17,18)が設けられ、ボディ筐体10の背面において第2グリップ21(第2把持部)の近傍に第2背面操作部材(26,27,28)が設けられている。
また、第1グリップ11(第1把持部)の第1段差部11a(第1前面支持部)は、当該第1グリップ11(第1把持部)を把持する親指以外の手指(中指)によって支持され、第1サムグリップ11b(第1背面支持部)は、当該第1グリップ11(第1把持部)を把持する親指によって支持される。第2グリップ21(第2把持部)の第2段差部21a(第2前面支持部)は、当該第2グリップ21(第2把持部)を把持する親指以外の手指(中指)によって支持され、第2サムグリップ21b(第2背面支持部)は、当該第2グリップ21(第2把持部)を把持する親指によって支持される。
この場合において、第1段差部11a(第1前面支持部)と第1前面操作部材(14,15)との間隔と、第2段差部21a(第2前面支持部)と第2前面操作部材(24,25)との間隔とが均等に形成されている。また、第1サムグリップ11b(第1背面支持部)と第1背面操作部材(16,17,18)との間隔と、第2サムグリップ21b(第2背面支持部)と第2背面操作部材(26,27,28)との間隔とが均等に形成されている。
このように構成することにより、ボディ筐体10を第1姿勢で保持した場合と、ボディ筐体10を第2姿勢で保持した場合とで、複数の操作部材を操作する際の操作性を同等とすることができる。
このことから、例えば、ファインダー(EVF34)を覗いた状態のまま、操作部材を操作する手元を見ることなく、横位置か縦位置かに関わりなく、各種の操作を自然に行うことができ、常に良好な操作性を得ることができる。
また、ボディ筐体10が第1姿勢で保持されるときには、第1グリップ11の第1段差部11aが親指以外の手指(中指)によって支持され、第1サムグリップ11bが親指以外の手指(中指)によって支持される。ボディ筐体10が第2姿勢で保持されるときには、第2グリップ21の第2段差部21aが親指以外の手指(中指)によって支持され、第2サムグリップ21bが親指によって支持される。
このように構成することにより、ボディ筐体10を確実に保持しながら、各グリップ(11,21)を把持する手指を用いて、各対応する操作を自在に行うことができる。また、横位置で把持したときと、縦位置で把持したときの把持感覚(グリップ性)が同じであり、撮影に関わる操作も同等のものとすることができるので、縦位置と横位置とを頻繁に持ち替えて使用したり、撮像装置1の姿勢を変えることが少ない状況であったとしても、撮像装置1の姿勢に関わらず、常に慣れた位置に操作部材が配置されているので、使用者は、撮像装置1の使用時には、意識せずとも、また操作部材を目視することなく、直感的に手探り(指探り)によっても、正しい操作を行うことができるので、操作ミスを軽減することができる。
なお、プログラムで構成した部分を適宜、回路に置き換えることも可能である。上述の一実施形態の説明中において、「部」(セクションやユニット)として記載した部分は、専用の回路や、複数の汎用の回路を組み合わせて構成してもよく、必要に応じて、予めプログラムされたソフトウェアに従って動作を行うマイコン、CPUなどのプロセッサ、あるいはFPGAなどシーケンサを組み合わせて構成されてもよい。また、その制御の一部または全部を外部の装置が引き受けるような設計も可能で、この場合、有線や無線の通信回路が介在する。通信は、ブルートゥース(登録商標)やWiFi(登録商標)、電話回線などで行えばよく、USBなどで行っても良い。専用の回路、汎用の回路や制御部を一体としてASICとして構成してもよい。機械的に位置制御される部位(例えば移動部など)は、様々なアクチュエータと、必要に応じて移動用の連結メカニズムによって構成されており、ドライバ回路によってアクチュエータが作動する。このドライブ回路もまた、特定のプログラムに従ってマイコンやASICなどが制御する。こうした制御は各種センサやその周辺回路が出力する情報によって、詳細な補正、調整などが行われても良い。
また、上述の一実施形態で説明した各処理シーケンスは、その性質に反しない限り、手順の変更を許容し得る。したがって、上述の処理シーケンスに対して、例えば各処理ステップの実行順序を変更したり、複数の処理ステップを同時に実行させたり、一連の処理シーケンスを実行する毎に、各処理ステップの順序が異なるようにしてもよい。即ち、特許請求の範囲,明細書及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。また、これらの動作フローを構成する各ステップにおいては、発明の本質に影響しない部分について適宜省略することもできることは言うまでもない。
また、ここで説明した技術のうち、主にフローチャートで説明した制御や機能は、多くがソフトウエアプログラムにより設定できることが多くあり、そのソフトウエアプログラムをコンピュータが読み取り実行することで上述した制御や機能を実現することができる。そのソフトウエアプログラムは、コンピュータプログラム製品として、予め製品製造過程において上記記憶媒体や記憶部等、具体的には例えばフレキシブルディスク CD−ROM等 不揮発性メモリ等の可搬媒体やハードディスク 揮発性メモリ等の記憶媒体に、その全体あるいは一部を記憶又は記録されている電子データである。また、これとは別に、製品出荷時又は可搬媒体或いは通信回線を介して流通又は提供ができるものである。利用者は、製品出荷後であっても、自ら通信ネットワークやインターネット等を介して、それらのソフトウエアプログラムをダウンロードしてコンピュータにインストールしたり、あるいは記憶媒体からコンピュータにインストールすることで、動作させるようにすることができ、これによって容易に本実施形態の撮像装置を実現することができる。
本発明は上述した一実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施することができることは勿論である。さらに、上記一実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。この発明は、添付のクレームによって限定される以外にはそれの特定の実施態様によって制約されない。