JP2020076620A - 磁気エンコーダ - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気エンコーダの融雪剤耐性と耐熱性能を両立させながら、製造コストを低減する。【解決手段】磁気エンコーダ1Aは、自動車のホイール支持用軸受装置Aに用いるものであり、回転体11に取り付けるための鋼板製円環状支持部材2と、前記円環状支持部材に固定された樹脂製円環状磁石部材3とからなる。円環状磁石材料3のベース樹脂として熱可塑性樹脂を用いた樹脂製磁気エンコーダ1Aにおいて、樹脂製円環状磁石部材3のベース樹脂をポリケトンにした。【選択図】図2
Description
本発明は、回転体の回転速度(回転数)の検出に用いる磁気エンコーダに関わり、特に外部雰囲気に曝される環境での使用に好適な、自動車のホイール支持用軸受装置に用いる樹脂製磁気エンコーダに関する。
回転体の回転速度(回転数)を検出する際に用いられる磁気エンコーダ装置は、回転体に取り付けられる磁気エンコーダと、非回転体に取り付けられるセンサとからなる。
前記磁気エンコーダは、回転体に取り付けるための円環状支持部材と、前記円環状支持部材に固定され、N極とS極を一定間隔で周方向に多極に着磁した円環状磁石部材とからなる。前記円環状支持部材と前記円環状磁石部材との間には、接着剤層がある場合(例えば、特許文献1参照)と、接着剤層がない場合(例えば、特許文献2参照)がある。
前記センサは、前記円環状磁石部材の回転を検知するために、前記円環状磁石部材に対向する。
前記磁気エンコーダは、回転体に取り付けるための円環状支持部材と、前記円環状支持部材に固定され、N極とS極を一定間隔で周方向に多極に着磁した円環状磁石部材とからなる。前記円環状支持部材と前記円環状磁石部材との間には、接着剤層がある場合(例えば、特許文献1参照)と、接着剤層がない場合(例えば、特許文献2参照)がある。
前記センサは、前記円環状磁石部材の回転を検知するために、前記円環状磁石部材に対向する。
前記磁気エンコーダは、光を遮るような埃や油分などの汚染に弱い光学エンコーダと異なり、塵や埃などの粉塵や泥水等が存在する環境下でも使用できるため、自動車のホイール支持用軸受装置(ハブベアリング)等において外部雰囲気に曝される環境で使用される場合がある(例えば、特許文献1の図4及び図8参照)。
前記円環状磁石材料は、ゴム又は樹脂等の弾性素材に磁性体粉を混入させた弾性磁性材料が用いられる(例えば、特許文献1の[0004]参照)。
前記円環状磁石材料のベース樹脂(バインダ)として熱可塑性樹脂を用いた樹脂製磁気エンコーダにおいて、前記ベース樹脂には、例えば、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)、又はポリフェニレンサルファイド(PPS)等が用いられる(例えば、特許文献1及び2参照)。
前記円環状磁石材料のベース樹脂(バインダ)として熱可塑性樹脂を用いた樹脂製磁気エンコーダにおいて、前記ベース樹脂には、例えば、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)、又はポリフェニレンサルファイド(PPS)等が用いられる(例えば、特許文献1及び2参照)。
外部雰囲気に曝される環境で使用される磁気エンコーダにおいて、前記円環状磁石材料のベース樹脂としては、融雪剤耐性と磁気特性を両立させる為、PA11又はPA12を用いることが多い。
PA11及びPA12の融点は180℃前後と低いことから、例えば自動車のホイール支持用軸受装置の仕様においてブレーキディスクの放熱を受けて前記ベース樹脂が非常に高温になった場合には、前記ベース樹脂が溶融状態に近い状態となる。それにより、前記円環状磁石材料の形状を維持することができず、磁気エンコーダは機能喪失に陥る。
この対策として、耐熱性を上げるために、前記ベース樹脂をPA6又はPPSにすることが考えられる。
PA11及びPA12の融点は180℃前後と低いことから、例えば自動車のホイール支持用軸受装置の仕様においてブレーキディスクの放熱を受けて前記ベース樹脂が非常に高温になった場合には、前記ベース樹脂が溶融状態に近い状態となる。それにより、前記円環状磁石材料の形状を維持することができず、磁気エンコーダは機能喪失に陥る。
この対策として、耐熱性を上げるために、前記ベース樹脂をPA6又はPPSにすることが考えられる。
しかしながら、前記ベース樹脂をPA6にした場合、PA6には融雪剤耐性がないため、寒冷地での使用時において早期にケミカルストレスによる破損が生じる可能性が高くなる。
また、前記ベース樹脂をPPSにした場合、PPSはPA11及びPA12よりも大幅に高価であるため、製造コストが増大する。
また、前記ベース樹脂をPPSにした場合、PPSはPA11及びPA12よりも大幅に高価であるため、製造コストが増大する。
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするとする課題は、回転体に取り付けるための鋼板製円環状支持部材と、前記円環状支持部材に固定された樹脂製円環状磁石部材とからなる磁気エンコーダにおいて、融雪剤耐性と耐熱性能を両立させながら、製造コストを低減することである。
本発明の要旨は以下の通りである。
〔1〕回転体に取り付けるための鋼板製円環状支持部材と、前記円環状支持部材に固定された樹脂製円環状磁石部材とからなる、自動車のホイール支持用軸受装置に用いる磁気エンコーダであって、
前記樹脂製円環状磁石部材のベース樹脂がポリケトンであることを特徴とする、
磁気エンコーダ。
〔1〕回転体に取り付けるための鋼板製円環状支持部材と、前記円環状支持部材に固定された樹脂製円環状磁石部材とからなる、自動車のホイール支持用軸受装置に用いる磁気エンコーダであって、
前記樹脂製円環状磁石部材のベース樹脂がポリケトンであることを特徴とする、
磁気エンコーダ。
〔2〕前記ベース樹脂にガラス繊維強化材又は炭素繊維強化材を添加してなる、
前記〔1〕に記載の磁気エンコーダ。
前記〔1〕に記載の磁気エンコーダ。
〔3〕前記円環状支持部材と前記円環状磁石部材との間に接着剤層が介在する、
前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の磁気エンコーダ。
前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の磁気エンコーダ。
〔4〕前記円環状支持部材と前記円環状磁石部材との間に接着剤層が無く、
前記円環状磁石部材は、その外周側に、前記円環状支持部材の外周部を覆って内径方向へ回り込む回り込み成形部を有する形状を成す、
前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の磁気エンコーダ。
前記円環状磁石部材は、その外周側に、前記円環状支持部材の外周部を覆って内径方向へ回り込む回り込み成形部を有する形状を成す、
前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の磁気エンコーダ。
以上のような本発明に係る磁気エンコーダによれば、主に以下に示すような作用効果を奏する。
(1)ポリケトンには、融雪剤によるケミカルストレスで破損する要因となるアミド基が存在しない。
(2)ポリケトンの融点は220℃であるので、融点が180℃前後であるPA11及びPA12と比べて耐熱温度が高くなる。
(3)ポリケトンは、原料のモノマーが安価であるので、PA11及びPA12よりも安価になる。
(4)よって、磁気エンコーダの円環状磁石部材のベース樹脂をポリケトンにすることにより、融雪剤耐性と耐熱性能を両立させながら、製造コストを低減できる。それにより、特に外部雰囲気に曝される環境での使用に好適な磁気エンコーダが得られる。
(2)ポリケトンの融点は220℃であるので、融点が180℃前後であるPA11及びPA12と比べて耐熱温度が高くなる。
(3)ポリケトンは、原料のモノマーが安価であるので、PA11及びPA12よりも安価になる。
(4)よって、磁気エンコーダの円環状磁石部材のベース樹脂をポリケトンにすることにより、融雪剤耐性と耐熱性能を両立させながら、製造コストを低減できる。それにより、特に外部雰囲気に曝される環境での使用に好適な磁気エンコーダが得られる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
本明細書において、自動車のホイール支持用軸受装置Aの回転軸の方向を「軸方向」、軸方向に直交する方向を「径方向」という。
また、自動車のホイール支持用軸受装置Aにおいて、自動車の車体から車輪側に向かう方向を「外方」、その反対方向を「内方」という。
本明細書において、自動車のホイール支持用軸受装置Aの回転軸の方向を「軸方向」、軸方向に直交する方向を「径方向」という。
また、自動車のホイール支持用軸受装置Aにおいて、自動車の車体から車輪側に向かう方向を「外方」、その反対方向を「内方」という。
<自動車のホイール支持用軸受装置>
図1の縦断面図に示すように、本発明の実施の形態に係る磁気エンコーダ1Aを備えた自動車のホイール支持用軸受装置Aは、外輪12に対して内輪11が回転する軸受10の他に、アキシャル型の磁気エンコーダ1A、軸受10の内方側端部及び外方側端部に配置したシール部材7,8、並びに磁気センサ9等を備える。
図1の縦断面図に示すように、本発明の実施の形態に係る磁気エンコーダ1Aを備えた自動車のホイール支持用軸受装置Aは、外輪12に対して内輪11が回転する軸受10の他に、アキシャル型の磁気エンコーダ1A、軸受10の内方側端部及び外方側端部に配置したシール部材7,8、並びに磁気センサ9等を備える。
軸受10は、外周面に内輪軌道面11Aが形成された内輪11、及び内周面に外輪軌道面12Aが形成された外輪12、並びに、内輪軌道面11A及び外輪軌道面12A間を転動する、ボールである転動体13,13,…等を有する。
自動車のホイール支持用軸受装置Aにおいて、磁気エンコーダ1Aは、シール部材7の内方(軸受10の密閉空間外)に配置されるので、外部雰囲気に曝される環境で使用される。
<磁気エンコーダ>
図1の縦断面図、及び図2の要部拡大縦断面図に示す磁気エンコーダ1Aは、回転体である内輪11に取り付けるための鋼板製円環状支持部材2と、円環状支持部材2に固定され、N極とS極を一定間隔で周方向に多極に着磁した、樹脂製円環状磁石部材3とにより構成される。
磁気エンコーダ1Aは、円環状支持部材2により内輪11に固定され、軸受10の内方側端部に位置する。
磁気エンコーダ1Aは、その円環状磁石材料のベース樹脂として熱可塑性樹脂を用いた樹脂製磁気エンコーダである。
図1の縦断面図、及び図2の要部拡大縦断面図に示す磁気エンコーダ1Aは、回転体である内輪11に取り付けるための鋼板製円環状支持部材2と、円環状支持部材2に固定され、N極とS極を一定間隔で周方向に多極に着磁した、樹脂製円環状磁石部材3とにより構成される。
磁気エンコーダ1Aは、円環状支持部材2により内輪11に固定され、軸受10の内方側端部に位置する。
磁気エンコーダ1Aは、その円環状磁石材料のベース樹脂として熱可塑性樹脂を用いた樹脂製磁気エンコーダである。
(円環状支持部材)
図3Aの縦断面図、及び図3Bの縦断面斜視図に示すように、円環状支持部材2は、円筒部2A及び円筒部2Aの端縁から径方向外方へ延びるフランジ部2Bからなる。
円環状支持部材2は、ステンレス鋼製の板材からプレス加工により成形される。
図3Aの縦断面図、及び図3Bの縦断面斜視図に示すように、円環状支持部材2は、円筒部2A及び円筒部2Aの端縁から径方向外方へ延びるフランジ部2Bからなる。
円環状支持部材2は、ステンレス鋼製の板材からプレス加工により成形される。
(円環状磁石部材)
円環状磁石部材3は、そのベース樹脂(バインダ)がポリケトン(POK)であり、円環状支持部材2をインサート品として射出成形により成形される。
ポリケトン(POK)は、ポリマーの主鎖にケトン基を有する熱可塑性樹脂で、今回の用途に対しては、一酸化炭素とエチレンやエチレン・プロピレン等を原料とする、脂肪族ポリケトンを用いる。
円環状磁石部材3は、そのベース樹脂(バインダ)がポリケトン(POK)であり、円環状支持部材2をインサート品として射出成形により成形される。
ポリケトン(POK)は、ポリマーの主鎖にケトン基を有する熱可塑性樹脂で、今回の用途に対しては、一酸化炭素とエチレンやエチレン・プロピレン等を原料とする、脂肪族ポリケトンを用いる。
円環状磁石部材3の厚みは0.6〜1.2mm程度であり、円環状磁石部材3は、75重量%〜92重量%の範囲で磁性体粉を含むとともに、添加剤として、ガラス繊維強化材又は炭素繊維強化材を含む。
前記磁性体粉としては、インサート成形により製造された市販の磁気エンコーダのプラスチック磁石部に使用されている磁性体粉であればよく、例えば、ストロンチウムフェライトやバリウムフェライト等のフェライト系磁性粉末、ネオジム系やサマリウム系等の希土類磁性粉末が使用できる。また、フェライトの磁気特性を向上させるためにランタンとコバルト等を混入したり、フェライトの一部をネオジウム−鉄−ボロン、サマリウム−コバルト、サマリウム−鉄等の希土類磁性体粉に置き換えてもよい。これらの磁性体粉は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
前記磁性体粉としては、インサート成形により製造された市販の磁気エンコーダのプラスチック磁石部に使用されている磁性体粉であればよく、例えば、ストロンチウムフェライトやバリウムフェライト等のフェライト系磁性粉末、ネオジム系やサマリウム系等の希土類磁性粉末が使用できる。また、フェライトの磁気特性を向上させるためにランタンとコバルト等を混入したり、フェライトの一部をネオジウム−鉄−ボロン、サマリウム−コバルト、サマリウム−鉄等の希土類磁性体粉に置き換えてもよい。これらの磁性体粉は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
円環状支持部材2と円環状磁石部材3との間には接着剤層4がある。
接着剤層4となる熱硬化性樹脂接着剤は、例えば、フェノール樹脂系接着剤又はエポキシ樹脂系接着剤である。前記接着剤は、円環状支持部材2を金型にセットする前に、円環状支持部材2に塗布する。
接着剤層4となる熱硬化性樹脂接着剤は、例えば、フェノール樹脂系接着剤又はエポキシ樹脂系接着剤である。前記接着剤は、円環状支持部材2を金型にセットする前に、円環状支持部材2に塗布する。
円環状磁石部材3を、前記射出成形で円環状支持部材2と一体化した後、脱磁及び着磁を行って磁気エンコーダ1Aの完成品を得る。
(第1変形例)
図4の要部拡大縦断面図に示す第1変形例の磁気エンコーダ1Bには、図3Aの縦断面図、及び図3Bの縦断面斜視図に示す磁気エンコーダ1Aのような接着剤層4が無い。すなわち、円環状支持部材2と円環状磁石部材3との間に接着剤層が無い。
よって、磁気エンコーダ1Bの製造においては、前記接着剤を円環状支持部材2に塗布する工程は無い。
図4の要部拡大縦断面図に示す第1変形例の磁気エンコーダ1Bには、図3Aの縦断面図、及び図3Bの縦断面斜視図に示す磁気エンコーダ1Aのような接着剤層4が無い。すなわち、円環状支持部材2と円環状磁石部材3との間に接着剤層が無い。
よって、磁気エンコーダ1Bの製造においては、前記接着剤を円環状支持部材2に塗布する工程は無い。
図4に示す第1変形例の磁気エンコーダ1Bにおいて、円環状磁石部材3は、その外周側に、円環状支持部材2の外周部6を覆って内径方向へ回り込む回り込み成形部5を有する形状を成す。このような形状の回り込み成形部5により、円環状支持部材2と円環状磁石部材3は、機械的に固定される。
図4に示す第1変形例の磁気エンコーダ1Bにおいても、円環状磁石部材3のベース樹脂はポリケトン(POK)である。
図4に示す第1変形例の磁気エンコーダ1Bにおいても、円環状磁石部材3のベース樹脂はポリケトン(POK)である。
<作用効果>
(1)ポリケトンには、融雪剤によるケミカルストレスで破損する要因となるアミド基が存在しない。
(2)ポリケトンの融点は220℃であるので、融点が180℃前後であるPA11及びPA12と比べて耐熱温度が高くなる。
(3)ポリケトンは、原料のモノマーが安価であるので、PA11及びPA12よりも安価になる。
(4)よって、磁気エンコーダ1A,1Bの円環状磁石部材3のベース樹脂をポリケトンにすることにより、融雪剤耐性と耐熱性能を両立させながら、製造コストを低減できる。それにより、特に外部雰囲気に曝される環境での使用に好適な磁気エンコーダ1A,1Bが得られる。
(1)ポリケトンには、融雪剤によるケミカルストレスで破損する要因となるアミド基が存在しない。
(2)ポリケトンの融点は220℃であるので、融点が180℃前後であるPA11及びPA12と比べて耐熱温度が高くなる。
(3)ポリケトンは、原料のモノマーが安価であるので、PA11及びPA12よりも安価になる。
(4)よって、磁気エンコーダ1A,1Bの円環状磁石部材3のベース樹脂をポリケトンにすることにより、融雪剤耐性と耐熱性能を両立させながら、製造コストを低減できる。それにより、特に外部雰囲気に曝される環境での使用に好適な磁気エンコーダ1A,1Bが得られる。
以上のとおり、円環状磁石部材3のベース樹脂をポリケトンにした磁気エンコーダは、特に外部雰囲気に曝される環境での使用に好適なものであるが、外部雰囲気に曝されない環境で使用してもよい。以下に示す第2変形例は、磁気エンコーダが外部雰囲気に曝されない環境で使用される場合の一例である。
(第2変形例)
<自動車のホイール支持用軸受装置>
図5の縦断面図に示す自動車のホイール支持用軸受装置Aは、外輪12に対して内輪11が回転する軸受10の他に、ラジアル型の磁気エンコーダ1C、軸受10の内方側端部及び外方側端部に配置したシール部材7,8、並びに磁気センサ9等を備える。
<自動車のホイール支持用軸受装置>
図5の縦断面図に示す自動車のホイール支持用軸受装置Aは、外輪12に対して内輪11が回転する軸受10の他に、ラジアル型の磁気エンコーダ1C、軸受10の内方側端部及び外方側端部に配置したシール部材7,8、並びに磁気センサ9等を備える。
軸受10は、外周面に内輪軌道面11Aが形成された内輪11、及び内周面に外輪軌道面12Aが形成された外輪12、並びに、内輪軌道面11A及び外輪軌道面12A間を転動する、テーパーローラである転動体13,13,…等を有する。
<磁気エンコーダ>
図5の縦断面図、及び図6の要部拡大縦断面図に示す第2変形例の磁気エンコーダ1Cは、回転体である内輪11に取り付けるための鋼板製円環状支持部材2と、円環状支持部材2に固定され、N極とS極を一定間隔で周方向に多極に着磁した、樹脂製円環状磁石部材3とにより構成される。
磁気エンコーダ1Cは、円環状支持部材2により内輪11に固定され、軸受10の軸方向に離間する2列の転動体13,13の間に位置する。
磁気エンコーダ1Cは、その円環状磁石材料のベース樹脂として熱可塑性樹脂を用いた樹脂製磁気エンコーダである。
図5の縦断面図、及び図6の要部拡大縦断面図に示す第2変形例の磁気エンコーダ1Cは、回転体である内輪11に取り付けるための鋼板製円環状支持部材2と、円環状支持部材2に固定され、N極とS極を一定間隔で周方向に多極に着磁した、樹脂製円環状磁石部材3とにより構成される。
磁気エンコーダ1Cは、円環状支持部材2により内輪11に固定され、軸受10の軸方向に離間する2列の転動体13,13の間に位置する。
磁気エンコーダ1Cは、その円環状磁石材料のベース樹脂として熱可塑性樹脂を用いた樹脂製磁気エンコーダである。
(円環状支持部材)
図6の要部拡大縦断面図に示すように、円環状支持部材2は、円筒部2A、円筒部2Aの端縁から径方向外方へ延びるフランジ部2B、及びフランジ部2Bの端縁から屈曲して、磁気エンコーダ1Cの回転を検知する磁気センサ9に対向するセンサ対向部2Cからなる、径方向及び軸方向を含む平面で切断した断面形状が略U字状のものである。
円環状支持部材2は、ステンレス鋼製の板材からプレス加工により成形される。
図6の要部拡大縦断面図に示すように、円環状支持部材2は、円筒部2A、円筒部2Aの端縁から径方向外方へ延びるフランジ部2B、及びフランジ部2Bの端縁から屈曲して、磁気エンコーダ1Cの回転を検知する磁気センサ9に対向するセンサ対向部2Cからなる、径方向及び軸方向を含む平面で切断した断面形状が略U字状のものである。
円環状支持部材2は、ステンレス鋼製の板材からプレス加工により成形される。
(円環状磁石部材)
円環状磁石部材3は、そのベース樹脂(バインダ)がポリケトン(POK)であり、円環状支持部材2をインサート品として射出成形により成形される。
円環状磁石部材3は、そのベース樹脂(バインダ)がポリケトン(POK)であり、円環状支持部材2をインサート品として射出成形により成形される。
以上の第2変形例のラジアル型の磁気エンコーダ1Cは外部雰囲気に曝されない環境で使用されるものであるが、ラジアル型の磁気エンコーダ1Cを、外部雰囲気に曝される環境で使用してもよい。円環状磁石部材3のベース樹脂をポリケトン(POK)にしていることから、融雪剤耐性と耐熱性能を両立させながら、製造コストを低減できるので、外部雰囲気に曝される環境での使用に好適である。
以上の実施の形態の記載はすべて例示であり、これに制限されるものではない。本発明の範囲から逸脱することなく種々の改良及び変更を施すことができる。
1A,1B,1C 磁気エンコーダ
2 円環状支持部材
2A 円筒部
2B フランジ部
2C センサ対向部
3 円環状磁石部材
4 接着剤層
5 回り込み成形部
6 外周部
7,8 シール部材
9 磁気センサ
10 軸受
11 内輪
11A 内輪軌道面
12 外輪
12A 外輪軌道面
13 転動体
A 自動車のホイール支持用軸受装置
2 円環状支持部材
2A 円筒部
2B フランジ部
2C センサ対向部
3 円環状磁石部材
4 接着剤層
5 回り込み成形部
6 外周部
7,8 シール部材
9 磁気センサ
10 軸受
11 内輪
11A 内輪軌道面
12 外輪
12A 外輪軌道面
13 転動体
A 自動車のホイール支持用軸受装置
Claims (4)
- 回転体に取り付けるための鋼板製円環状支持部材と、前記円環状支持部材に固定された樹脂製円環状磁石部材とからなる、自動車のホイール支持用軸受装置に用いる磁気エンコーダであって、
前記樹脂製円環状磁石部材のベース樹脂がポリケトンであることを特徴とする、
磁気エンコーダ。 - 前記ベース樹脂にガラス繊維強化材又は炭素繊維強化材を添加してなる、
請求項1に記載の磁気エンコーダ。 - 前記円環状支持部材と前記円環状磁石部材との間に接着剤層が介在する、
請求項1又は2に記載の磁気エンコーダ。 - 前記円環状支持部材と前記円環状磁石部材との間に接着剤層が無く、
前記円環状磁石部材は、その外周側に、前記円環状支持部材の外周部を覆って内径方向へ回り込む回り込み成形部を有する形状を成す、
請求項1又は2に記載の磁気エンコーダ。
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