JP2020075561A - 走行範囲取得システム、車両制御システムおよび走行範囲取得プログラム - Google Patents
走行範囲取得システム、車両制御システムおよび走行範囲取得プログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020075561A JP2020075561A JP2018208767A JP2018208767A JP2020075561A JP 2020075561 A JP2020075561 A JP 2020075561A JP 2018208767 A JP2018208767 A JP 2018208767A JP 2018208767 A JP2018208767 A JP 2018208767A JP 2020075561 A JP2020075561 A JP 2020075561A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vehicle
- travel
- range
- traveling
- target trajectory
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 25
- 238000000034 method Methods 0.000 description 21
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 4
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 3
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 2
- 230000001276 controlling effect Effects 0.000 description 2
- 230000000875 corresponding Effects 0.000 description 2
- 230000002457 bidirectional Effects 0.000 description 1
- 239000000284 extract Substances 0.000 description 1
- 238000010606 normalization Methods 0.000 description 1
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 1
Abstract
【課題】走行可能な目標軌道を生成できる可能性を高める技術の提供。【解決手段】車両の過去の走行軌跡を取得する走行軌跡取得部と、道路の幅方向における前記走行軌跡の分布に基づいて、前記幅方向において前記車両の現在以後の目標軌道が存在し得る走行範囲を取得する走行範囲取得部と、を備える走行範囲取得システムを構成する。【選択図】図1
Description
本発明は、走行範囲取得システム、車両制御システムおよび走行範囲取得プログラムに関する。
従来、車両を自動的に運転させる際に参照する等のために、車両の目標軌道を取得する技術が知られている。例えば、特許文献1においては、手動運転中に取得された車両の位置の履歴から車両の走行軌跡を作成し、平均化することによって目標軌道を設定する技術が開示されている。
従来技術においては、走行軌跡が平均化されるため、道路における目標軌道は1本の軌道に限定される。しかし、車両の車速などの走行状態は一様ではないため、目標軌道が限定されていると、当該目標軌道に合わせて車両を走行させることが困難になる場合があった。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたものであり、走行可能な目標軌道を生成できる可能性を高める技術を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたものであり、走行可能な目標軌道を生成できる可能性を高める技術を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、走行範囲取得システムは、車両の過去の走行軌跡を取得する走行軌跡取得部と、道路の幅方向における走行軌跡の分布に基づいて、幅方向において車両の現在以後の目標軌道が存在し得る走行範囲を取得する走行範囲取得部と、備える。
また、上記の目的を達成するため、走行範囲取得プログラムは、コンピュータを、車両の過去の走行軌跡を取得する走行軌跡取得部、道路の幅方向における走行軌跡の分布に基づいて、幅方向において車両の現在以後の目標軌道が存在し得る走行範囲を取得する走行範囲取得部、として機能させる。
すなわち、走行範囲取得システムおよび走行範囲取得プログラムにおいては、道路の幅方向に1地点ではなく、幅方向において複数の地点を選択し得る走行範囲を取得する。当該走行範囲は、目標軌道が存在し得る範囲である。従って、当該走行範囲から目標軌道を取得すれば、車両の状態に変化があったとしても、走行可能な目標軌道を生成できる可能性を高めることができる。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)システム構成:
(2)走行範囲取得処理:
(3)目標軌道取得処理:
(4)他の実施形態:
(1)システム構成:
(2)走行範囲取得処理:
(3)目標軌道取得処理:
(4)他の実施形態:
(1)システム構成:
図1は、本発明の一実施形態である車両制御システムとして機能するナビゲーションシステム10と、本発明の一実施形態である走行範囲取得システムとして機能するサーバ100との構成を示すブロック図である。本実施形態においてナビゲーションシステム10は、サーバ100と通信可能である。なお、ナビゲーションシステム10は、複数個存在し得る。
図1は、本発明の一実施形態である車両制御システムとして機能するナビゲーションシステム10と、本発明の一実施形態である走行範囲取得システムとして機能するサーバ100との構成を示すブロック図である。本実施形態においてナビゲーションシステム10は、サーバ100と通信可能である。なお、ナビゲーションシステム10は、複数個存在し得る。
本実施形態にかかるナビゲーションシステム10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20および記録媒体30を備えており、制御部20は、当該ROMや記録媒体30に記録された種々のプログラムを実行することができる。さらに、ナビゲーションシステム10は、通信部40、GNSS受信部41、車速センサ42、ジャイロセンサ43、車両制御ECU44、カメラ45を備えている。GNSS受信部41は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置であり、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在地を算出するための信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の現在地を取得する。車速センサ42は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ43は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ42およびジャイロセンサ43等は、車両の走行軌跡を特定するために利用され、本実施形態においては、車両の出発地と走行軌跡とに基づいて現在地が特定され、当該出発地と走行軌跡とに基づいて特定された車両の現在地がGNSS受信部41の出力信号に基づいて補正される。
車両制御ECU44は、車両の挙動を制御するためのECU(Electronic Control Unit)である。車両制御ECU44は、制御部20から制御量を取得し、当該制御量で制御対象を制御する。制御対象は、種々の装置であって良く、例えば、図示しないステアリング、エンジン(スロットル等)、モーター、ブレーキ、変速機等が挙げられる。むろん、制御量を特定するために、カメラ45や各種のセンサ、例えば、ミリ波レーダーやレーザーレーダー等を備えていて良く、制御部20が出力する制御量と異なる制御量が適宜追加される(例えば、障害物の回避等が行われる)構成等であっても良い。
カメラ45は、車両が走行する道路上の左右の区画線を視野に含むように車両に対して固定されたカメラであり、所定の周期で画像を撮影し、撮影された画像を示す画像情報を生成して出力する。制御部20は、カメラ45が出力する画像情報を取得する。画像情報は、種々の用途に利用されて良い。本実施形態において、制御部20は、画像情報に含まれる車線の区画線を特定し、区画線の種類から車両が走行中の車線を特定することができる。
記録媒体30には、予め地図情報30aが記録されている。地図情報30aには、経路案内および車両制御に利用される情報が含まれている。また、記録媒体30には、サーバ100から送信された走行範囲情報300bが記録される。地図情報30aは、走行予定経路の案内に利用される情報であり、車両の位置や案内対象の施設の特定、車線の特定等に利用される。具体的には、地図情報30aは、車両が走行する道路上に設定されたノードの位置等を示すノードデータ,ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ,ノード同士の連結を示すリンクデータ,道路やその周辺に存在する地物の位置等を示すデータ等を含んでいる。また、本実施形態において、リンクデータは道路区間上での車両の進行方向毎に定義されており、進行方向が対応づけられている。このため、双方向通行の道路においては、各方向に対応してリンクが1本ずつ定義されることになる。
さらに、本実施形態においては、リンクデータに対してレーンデータが対応づけられている。レーンデータは、道路上に存在する車線を示す情報であり、道路上に存在する車線の数と車線の位置と車線の幅を示す情報が含まれている。また、リンクデータが示す道路区間上で車線構成が変化する場合、レーンデータにはそれぞれの車線構成を示す情報が含まれている。例えば、交差点直前以外の区間では車線数が2であるが、交差点直前では車線数が増加して3になる道路区間においては、車線数が2から3に変化する位置と、変化前後の車線数を示す情報とがレーンデータに含まれている。
また、レーンデータには、各車線において選択可能な進行方向が対応づけられている。例えば、あるリンクデータがあるノードへの進入道路を示しており、当該あるノードが存在する交差点への進入道路上に3個の車線が存在し、左車線、中央車線、右車線のそれぞれにおいて、直進および左折が可能、直進が可能、右折が可能である場合、これらを示す情報がレーンデータに含まれている。なお、レーンデータには、車線の左右両側に存在する区画線の態様(実線、または破線)が含まれていても良い。ただし、区画線の態様がレーンデータに含まれていなくても、通常は、道路の左右端における区画線が実線であり、これら以外は破線であるため、車線の数に基づいて区画線の種類を特定することも可能である。
走行範囲情報300bは、車両の目標軌道が存在し得る走行範囲を示す情報であり、本実施形態においては、道路上の車線毎、および道路上での車両の車速毎に定義される。なお、本実施形態において、走行範囲は複数個存在する。すなわち、本実施形態における走行範囲は、通常の走行において利用される推奨走行範囲と、推奨走行範囲内を走行できない場合に利用される許容走行範囲とによって構成されている。走行範囲情報300bは、これらの走行範囲を示しており、本実施形態において走行範囲情報300bはサーバ100で生成される。走行範囲を生成する際の詳細は後述する。
走行範囲情報300bは、推奨走行範囲と許容走行範囲とのそれぞれを示していれば良く、本実施形態においては、各車線において道路が延びる方向に一定距離毎に設定された各位置について幅方向の範囲を示している。図2は、推奨走行範囲Z1と許容走行範囲Z2との例を示す図であり、図2の右側に示す1車線の道路Rについて、推奨走行範囲Z1を薄いグレー、許容走行範囲Z2を濃いグレーで着色して示している。なお、推奨走行範囲Z1と許容走行範囲Z2とは、道路が延びる方向に一定距離毎に設定された各位置について定義されるため、離散的な位置について定義されるが、それらを道路幅方向に連続した値であると見なすことにより、図2のような走行範囲と見なすことが可能である。むろん、走行範囲情報300bの定義態様は種々の態様であってよく、例えば、画像データ等で定義されていてもよい。
本実施形態における走行範囲情報300bにおいて、走行範囲は車両の目標軌道が存在し得る範囲であり、これらの走行範囲の中から目標軌道が生成される。本実施形態においては、目標軌道として推奨される軌道が予めサーバ100によって生成され、走行範囲情報300bに含まれている。図2においては、道路上の推奨走行範囲Z1に対して黒い矢印で示す目標軌道を重ねて示している。
本実施形態において制御部20は、図示しないナビゲーションプログラムの機能により、車両の走行予定経路を探索することができる。ナビゲーション機能を実行する際、制御部20は、ナビゲーションプログラムの機能により、図示しないユーザI/F部の入力部(ボタンやタッチパネル等)を介して運転者による目的地の入力を受け付ける。また、制御部20は、GNSS受信部41、車速センサ42、ジャイロセンサ43の出力信号に基づいて車両の現在地を取得する。そして、制御部20は、地図情報30aを参照し、現在地を出発地とし、目的地まで走行するための経路を探索し、走行予定経路として取得する。
走行予定経路が特定された状態で車両の走行が開始されると、制御部20は、ナビゲーションプログラムの機能により、GNSS受信部41、車速センサ42、ジャイロセンサ43の出力信号に基づいて一定期間毎に現在地を特定する。また、制御部20は、カメラ45が出力する画像情報に基づいて車両が走行している車線を特定する。そして、制御部20は、ユーザI/F部の出力部(ディスプレイやスピーカー等)に制御信号を出力し、現在地が走行予定経路に沿って移動するように経路案内を行う。経路案内実行の可否は利用者によって決定されて良く、車両の自動制御が行われている場合に経路案内が行われない構成等であっても良い。
本実施形態において、ナビゲーションシステム10は、車両の位置と、車両が走行した車線と、車速とを走行軌跡情報として収集することができる。すなわち、制御部20は、GNSS受信部41、車速センサ42、ジャイロセンサ43の出力信号に基づいて特定した一定期間毎の現在地を位置の履歴として収集する。また、制御部20は、車両の現在地が取得された段階でカメラ45の出力に基づいて特定された車線を、車両の各位置に対応づける。さらに、制御部20は、車両の現在地が取得された段階で車速センサ42の出力に基づいて特定された車速を、車両の各位置に対応づける。そして、制御部20は、通信部40を介して車両の位置と、車両が走行した車線と、車速とを、任意のタイミングにおいて走行軌跡情報としてサーバ100に送信する。
ナビゲーションプログラムには、走行予定経路に沿って車両を自動走行させる機能が含まれている。車両を自動走行させる機能は、車両制御プログラム21によって実現される。車両制御プログラム21は、走行予定経路に沿って車両を走行させる機能を制御部20に実行させる当該機能を実行するため、目標軌道取得部21aと車両制御部21bを備えている。
目標軌道取得部21aは、車両の目標軌道を取得する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。本実施形態において、目標軌道は、走行範囲情報300bに含まれており、サーバ100で生成される。そこで、制御部20は、通信部40を介してサーバ100から走行範囲情報300bを取得し、記録媒体30に記録させる。
なお、本実施形態においては、走行範囲情報300bには目標軌道を示す情報が含まれているが、当該目標軌道は、後述するように、走行軌跡のヒストグラムの頂点を結んだ線である。そして、通常は、当該目標軌道に沿って車両が移動するように車両制御が行われる。しかし、車両の状態(車速や、種々の回避行動等によって例外的な軌道を走行しているなど)によっては、走行範囲情報300bに含まれる目標軌道に沿って車両を走行させることが出来ない場合がある。
このため、本実施形態においては、ナビゲーションシステム10側で目標軌道を生成(サーバ100が生成した目標軌道を修正)することが可能である。この意味で、本実施形態においては、サーバ100、ナビゲーションシステム10の双方が目標軌道を取得する機能を有しているが、むろん、いずれか一方に存在し、何れか一方で取得された目標軌道が利用される構成であっても良い。
なお、制御部20は、走行範囲情報300bに含まれる目標軌道に沿って走行可能であるか否かを、車両に作用する前後方向の加速度および横方向の加速度に基づいて特定する。すなわち、本実施形態においては、前後方向の加速度や横方向の加速度に対して予め上限値(例えば、0.2G:Gは重力加速度)が決められており、制御部20は、当該上限値を超えない範囲で目標軌道上を車両が走行可能である場合に、目標軌道に沿って走行可能であると見なす。
このため、制御部20は、走行範囲情報300bに含まれる目標軌道を所定の規則で走行した場合に、車両に作用する前後方向および横方向の加速度を算出する。当該加速度は、車両の状態に基づいて特定される。例えば、制御部20が、目標軌道上の複数の位置毎の車速を特定し、当該車速で車両の重量の物体を移動させる場合に作用する加速度を算出するなどして取得可能である。なお、位置毎の車速は、種々の手法で特定されて良く、例えば、車両の車速が維持されることが想定されても良いし、所定の規則で車速を変化される(例えば、カーブ前での減速等)ことが想定されても良い。
走行範囲情報300bに含まれる目標軌道に沿って走行可能でない場合、制御部20は、推奨走行範囲内で車両の軌道を仮設定する。仮設定される軌道は種々の手法で特定されて良く、例えば、推奨走行範囲内で車両が最もスムーズに走行できるように、車両の現在位置から所定距離前方の目標軌道上の位置までを滑らかに接続する曲線を仮設定するなどして実現可能である。なお、当該区間を滑らかに接続する曲線は、種々の曲線であって良く、例えば、クロソイド曲線やベジェ曲線等が挙げられる。
軌道が仮設定されると、制御部20は、当該軌道上を走行可能であるか否か判定する。当該判定は、走行範囲情報300bに含まれる目標軌道における判定と同様であってよい。例えば、前後方向や横方向に対して上限値を超える加速度が作用しない場合に走行可能であると判定される構成等を採用可能である。仮設定された軌道を走行可能であると判定された場合、制御部20は、当該軌道を目標軌道と見なす。すなわち、車両が推奨走行範囲内を走行可能である場合、制御部20は、推奨走行範囲内で目標軌道を取得する。
車両が推奨走行範囲内で走行可能でない場合、制御部20は、許容走行範囲内で目標軌道を取得する。すなわち、制御部20は、一部が許容走行範囲内に含まれる得る目標軌道であって、車両に作用する加速度を極小化する目標軌道を取得する。例えば、カーブする軌道や左右方向に車両が移動する軌道において、横加速度が極小化されるように(曲率が最小になるように)目標軌道を設定する。
いずれにしても、目標軌道が取得されると、制御部20は、車両制御部21bの機能により、当該目標軌道に沿って車両を走行させる。すなわち、制御部20は、目標軌道を制御目標とし、当該目標軌道と現在の状況との差分を解消するための制御量を特定する。例えば、制御部20がGNSS受信部41、車速センサ42、ジャイロセンサ43の出力信号に基づいて車両の現在地を取得し、目標軌道と差異がある場合に車両の現在地から目標軌道に移動していくための制御軌道を生成する。そして、制御部20は、車両が制御軌道に沿って移動するための制御量を取得する。むろん、目標軌道と現在の状況との差分は他のセンサ、例えばカメラ45や図示しないミリ波レーダー、レーザーレーダー等によって特定されても良い。なお、現在地が目標軌道上である場合、制御量は、車両が目標軌道に沿って移動するための制御量である。
制御量が取得されると、制御部20は、当該制御量を車両制御ECU44に対して出力する。車両制御ECU44が当該制御量に基づいて制御対象を制御すると、車両は制御軌道に沿って移動し、車両が目標軌道上に達すると、車両は目標軌道に沿って移動する。すなわち、車両は走行範囲内を走行し、走行予定経路に沿って走行する。以上の構成においては、道路の幅方向に1地点ではなく、幅方向において複数の地点を選択し得る走行範囲(推奨走行範囲および許容走行範囲)が取得される。そして、本実施形態においては、走行範囲内に目標軌道が設定されるため、多様な選択肢から目標軌道を設定することができる。従って、車両の状態に変化があったとしても、走行可能な目標軌道を生成できる可能性を高めることができる。
本実施形態にかかるサーバ100は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部200を備えており、制御部200は、当該ROMや記録媒体300に記録された種々のプログラムを実行することができる。さらに、サーバ100は、通信部400および記録媒体300を備えている。通信部400は、外部の装置と無線通信をするための装置であり、制御部200は、通信部400を介してナビゲーションシステム10と通信することができる。
本実施形態において、制御部200は、走行範囲取得プログラム210を実行することができる。制御部200は、走行範囲取得プログラム210の機能により、走行範囲を取得することができる。このような処理を行うため、走行範囲取得プログラム210は、走行軌跡取得部210a、走行範囲取得部210b、目標軌道取得部210cを備えている。
走行軌跡取得部210aは、車両の過去の走行軌跡を取得する機能を制御部200に実行させるプログラムモジュールである。本実施形態において、ナビゲーションシステム10は任意のタイミングで走行軌跡情報を送信する。制御部200は、通信部400を介して当該走行軌跡情報を取得し、記録媒体300に走行軌跡情報300aとして記録する。本実施形態において、ナビゲーションシステム10は、複数台稼働していることが想定されている。従って、走行軌跡情報300aは、複数の車両の走行軌跡を示す情報として記録媒体300に蓄積されていく。
走行範囲取得部210bは、道路の幅方向における走行軌跡の分布に基づいて、幅方向において車両の現在以後の目標軌道が存在し得る走行範囲を取得する機能を制御部200に実行させるプログラムモジュールである。また、目標軌道取得部210cは、車両の目標軌道を取得する機能を制御部200に実行させるプログラムモジュールである。本実施形態において、制御部200は、走行範囲取得部210bおよび目標軌道取得部210cの機能によって走行範囲情報300bを生成する。
このために、本実施形態において、制御部200は、走行軌跡情報300aが示す走行軌跡(位置の履歴)を道路が延びる方向に沿って一定距離毎にヒストグラムを生成する。すなわち、道路が延びる方向における各位置に置いて走行軌跡は道路の幅方向に分布する。制御部200は、既定のタイミングで走行軌跡情報300aに基づいてヒストグラムを生成する。
図2においては、道路Rの4箇所におけるヒストグラムが例示されている。すなわち、図2の左側に示すグラフはヒストグラムを曲線で模式的に示しており、道路R上の位置P1〜位置P4のヒストグラムが上から下に並べて示されている。このように、制御部200は、道路Rが延びる方向の複数の位置において、幅方向のヒストグラムを生成する。なお、本実施形態においては、車両が走行した車線および車両の車速毎に走行範囲を定義するように構成されている。このため、制御部200は、走行軌跡情報300aを車線および車速毎に抽出し、車線および車速毎にヒストグラムを生成する。以後、ヒストグラムの解析は車線および車速毎に行われる。
ヒストグラムが生成されると、その頂点の位置が道路の幅方向において車両が最も頻繁に走行した位置になる。従って、当該頂点を道路の幅方向に垂直な方向に結んだ線は、最も多くの車両が走行した位置の集合で形成された走行軌跡となる。このため当該線を目標軌道とすることが妥当である。そこで、制御部200は、目標軌道取得部210cの機能により、各位置のヒストグラムを幅方向に比較し、最大値を頂点として特定する。そして、制御部200は、当該頂点を幅方向に垂直な方向に結んだ線を取得し、目標軌道とする。
なお、頂点(ヒストグラムが上に凸である極大部分)は、2箇所以上存在し得る。例えば、図2に示す道路R上においては、直進および左折予定の車両が左側に寄り、右折予定の車両が右側に寄るため、位置P1に示すようにヒストグラムに頂点が2箇所形成される。本実施形態において制御部200は、統計精度の基準を満たす頂点を目標軌道として妥当であると見なし、統計精度の基準が満たされるならば、2箇所以上であっても頂点を取得する。
なお、統計精度は、種々の手法で定義されて良く、本実施形態においては、走行頻度が基準を満たす場合に統計精度が高いと見なされる。従って、ヒストグラムにおける度数が最大値となる頂点が、統計精度の基準を満たすと見なされる。本実施形態においては、さらに、ヒストグラムにおける度数が最大値ではない頂点の度数が閾値(例えば、度数の最大値に係数C(C<1)を乗じた閾値)以上である場合に、当該頂点が統計精度の基準を満たすと見なされる。むろん、統計精度は他の手法で定義されて良く、例えば、頂点から既定の範囲(例えば±σの範囲)の面積が既定の基準以上であるような頂点が取得されるような構成等を採用可能である。
本実施形態において制御部200は、このような、ヒストグラムにおける度数が最大値ではない頂点を結ぶ線についても目標軌道として取得する。なお、このようにして取得された目標軌道は、車両の走行予定経路に応じて選択されればよい。走行予定経路が異なることに起因して頂点が複数になり、各頂点を結ぶ目標軌道が生成される構成は、図2に示すような構成以外にも、種々の場面で利用可能である。例えば、交差点を右左折によって通過する場面において、交差点への進入車線が同一の車線であるが、交差点からの退出車線が異なる(退出車線が複数個存在する)場合、頂点が複数個存在することが許容されていると、各退出車線に進入するための目標軌道を生成することができる。
さらに、走行予定経路が異なることに起因して頂点が複数になり、各頂点を結ぶ目標軌道が生成される構成によれば、より実態に即した目標軌道を取得することが可能になる。例えば、1車線の道路上において、直進する車両と左折する車両が道路の左端を走行し、右折する車両が道路の右端を走行する場合、幅方向の中央における走行軌跡の度数分布は少ない。この場合において、走行軌跡が平均化されて目標軌道が取得されると、目標軌道が中央に位置してしまう。このため、多くの車両が左端または右端を走行している道路で中央を走行する軌道が目標軌道になってしまう。しかし、本実施形態によれば、幅方向に複数個の頂点が生成されることが許容され、各頂点を結ぶ目標軌道が生成されることが許容されている。従って、実態に即した目標軌道を取得することが可能である。
目標軌道が取得されると、制御部200は、走行軌跡の分布、すなわち、ヒストグラムに基づいて走行範囲を取得する。具体的には、本実施形態において制御部200は、分布の標準偏差を取得する。そして、制御部200は、各頂点を中心にして正負の方向に標準偏差だけ離れた位置を推奨走行範囲の境界とすることによって推奨走行範囲を定義する。図2においては、各位置P1〜P4のヒストグラムにおいて、分布の頂点V1(および頂点V2)から正負の方向に標準偏差σ1だけ離れた位置が境界として設定された推奨走行範囲Z1が薄いグレーで示されている。
なお、標準偏差σ1は種々の手法で算出されて良く、幅方向のヒストグラム全体が対象として標準偏差σ1が算出されても良いし、特定の範囲のヒストグラムに基づいて標準偏差σ1が算出されても良い。本実施形態において、制御部200は、幅方向に頂点が2箇所以上存在する場合、既定の位置、例えば各頂点の周囲の分布を各頂点の中間の位置や下に凸の位置で切り分けて区別し、それぞれの分布の標準偏差σ1を取得する。従って、本実施形態においては、ヒストグラムに複数の頂点が存在する場合、各頂点で標準偏差σ1の値が異なり得る(位置P1についてのヒストグラム参照)。
制御部200が、道路上の各位置について推奨走行範囲Z1を取得すると、制御部200は、さらに、分布の標準偏差に基づいて許容走行範囲を取得する。本実施形態において制御部200は、頂点を中心にして正負の方向に標準偏差の2倍だけ離れた位置を推奨走行範囲の境界とすることによって推奨走行範囲を定義する。図2においては、各位置P1〜P4のヒストグラムにおいて、分布の頂点V1(および頂点V2)から正負の方向に標準偏差σ2の2倍だけ離れた位置が境界として設定された許容走行範囲Z2が薄いグレーで示されている。なお、頂点が複数個存在する場合、既に推奨走行範囲Z1に設定されている範囲は、推奨走行範囲Z1となる。
ここでも、標準偏差σ2は種々の手法で算出されて良く、幅方向のヒストグラム全体が対象として標準偏差σ2が算出されても良いし、特定の範囲のヒストグラムに基づいて標準偏差σ2が算出されても良い。本実施形態において、制御部200は、幅方向のヒストグラム全体を対象として標準偏差σ2を算出する。従って、本実施形態においては、、ヒストグラムに複数の頂点が存在する場合、標準偏差σ1と標準偏差σ2が異なり得る(位置P1についてのヒストグラム参照)。
以上のように、本実施形態における許容走行範囲Z2は、頂点から正負の方向に標準偏差の2倍だけ移動した位置が境界となる。従って、走行軌跡の大半は許容走行範囲Z2内に含まれる。すなわち、本実施形態において、許容走行範囲は、車両の走行が許容される最大限の範囲を示す範囲であり、標準偏差の2倍の範囲に存在する走行軌跡が統計的に分布の大半になることを利用して許容走行範囲が設定されている。また、本実施形態において推奨走行範囲Z1は、頂点から正負の方向に標準偏差だけ移動した位置が境界となる。このため、走行軌跡の多くが統計的に推奨走行範囲Z1に含まれるように、推奨走行範囲Z1が設定されている。
以上のようにして目標軌道と、推奨走行範囲Z1および許容走行範囲Z2とが取得されると、制御部200は、解析対象である車線および車速における推奨走行範囲Z1および許容走行範囲Z2を示す走行範囲情報300bを生成し、目標軌道を対応づけて記録媒体300に記録する。このように、走行範囲情報300bが記録媒体300に記録された状態でナビゲーションシステム10から任意のタイミングで送信要求が行われると、制御部200は、通信部400を介して走行範囲情報300bをナビゲーションシステム10に対して送信する。
(2)走行範囲取得処理:
次に、走行範囲取得プログラム210による走行範囲取得処理を説明する。図3は走行範囲取得処理を示すフローチャートである。走行範囲を取得するための処理は、任意のタイミングで実行されてよいが、本実施形態においては、ナビゲーションシステム10から走行軌跡情報が送信された場合に走行範囲取得処理が実行される。
次に、走行範囲取得プログラム210による走行範囲取得処理を説明する。図3は走行範囲取得処理を示すフローチャートである。走行範囲を取得するための処理は、任意のタイミングで実行されてよいが、本実施形態においては、ナビゲーションシステム10から走行軌跡情報が送信された場合に走行範囲取得処理が実行される。
走行範囲取得処理が開始されると、制御部200は、走行軌跡取得部210aの機能によって走行軌跡情報を取得する(ステップS100)。すなわち、制御部200は、通信部400を介して走行軌跡情報を取得し、記録媒体300に走行軌跡情報として記録させる。
次に、制御部200は、走行範囲取得部210bの機能により、走行軌跡のヒストグラムを取得する(ステップS105)。すなわち、制御部200は、ステップS100において取得された走行軌跡情報に含まれている車線および車速のそれぞれについてヒストグラムを取得する。なお、本実施形態においては、予め車速が複数の範囲に分類されており、各分類に属する車速が同一のヒストグラムに算入される。例えば、車速が0〜40km/h、40〜60km/h、60km/h以上などと予め分類されており、位置毎の車速を各グループに分類し、車速の分類毎にヒストグラムが取得される。この結果、例えば、図2の左側のグラフに示す実線の曲線のように、道路が延びる方向の複数の位置においてヒストグラムが取得される。
次に、制御部200は、目標軌道取得部210cの機能により、目標軌道を取得する(ステップS110)。すなわち、制御部200は、ヒストグラムが示す幅方向の各位置における度数を比較し、最大値を頂点として取得する。また、最大値以外にも上に凸の部位が存在する場合、制御部200は、当該上に凸の部位の極大値が予め決められた統計精度の基準を満たす場合に、頂点として取得する。制御部200は、最大値の頂点を道路が延びる方向に接続した線を生成して目標軌道として取得する。この結果、図2の右側に示す黒い矢印の線のような目標軌道が取得される。幅方向に複数の頂点が存在する場合(例えば、図2に示す位置P1等)、制御部200は、最大値以外の頂点(例えば、2番目に大きい頂点)を道路が延びる方向に接続した線を生成して目標軌道として取得する。
次に、制御部200は、走行範囲取得部210bの機能により、推奨走行範囲を取得する(ステップS115)。すなわち、制御部200は、ステップS105で取得された幅方向のヒストグラムに基づいて頂点周りの分布を対象にした標準偏差σ1を取得する。幅方向において頂点が複数個存在する場合、各頂点について標準偏差σ1が取得される。そして、制御部200は、ステップS110の処理過程で取得された幅方向のヒストグラムの頂点から正負の方向に標準偏差σ1だけ移動した位置を境界とする範囲を推奨走行範囲Z1として取得する。この結果、図2において薄いグレーで示されるような推奨走行範囲Z1が特定される。
次に、制御部200は、走行範囲取得部210bの機能により、許容走行範囲を取得する(ステップS120)。すなわち、制御部200は、ステップS105で取得された幅方向のヒストグラムに基づいて幅方向の分布全体を対象にした標準偏差σ2を取得する。そして、制御部200は、ステップS110の処理過程で取得された幅方向のヒストグラムの頂点から正負の方向に標準偏差σ2だけ移動した位置を境界とする範囲を許容走行範囲Z2として取得する。この結果、図2において濃いグレーで示されるような許容走行範囲Z2が特定される。
以上のようにして、目標軌道と、推奨走行範囲Z1および許容走行範囲Z2が特定されると、制御部200は、推奨走行範囲Z1および許容走行範囲Z2を示す情報に目標軌道を対応づけ、走行範囲情報300bとして記録媒体300に記録する。
(3)目標軌道取得処理:
次に、車両制御プログラム21による目標軌道取得処理を説明する。利用者が図示しないユーザI/F部を操作することによって目的地を選択して経路探索を指示すると、制御部20は、地図情報30aに基づいて走行予定経路を取得する。走行予定経路が取得された状態で利用者が図示しないユーザI/F部を操作することによって目的地までの自動運転の開始を指示すると、制御部20は、車両制御部21bの機能によって車両を制御し、車両を自動走行させる。
次に、車両制御プログラム21による目標軌道取得処理を説明する。利用者が図示しないユーザI/F部を操作することによって目的地を選択して経路探索を指示すると、制御部20は、地図情報30aに基づいて走行予定経路を取得する。走行予定経路が取得された状態で利用者が図示しないユーザI/F部を操作することによって目的地までの自動運転の開始を指示すると、制御部20は、車両制御部21bの機能によって車両を制御し、車両を自動走行させる。
すなわち、制御部20は、目標軌道を制御目標とし、当該目標軌道と現在の状況との差分を解消するための制御量を特定する。具体的には、制御部20は、車両の現在地と目標軌道とに差異がある場合に車両の現在地から目標軌道に移動していくための制御軌道を生成する。車両の現在地と目標軌道とに差異がない場合、目標駆動と制御軌道は一致する。そして、制御部20は、車両が制御軌道に沿って移動するための制御量を取得する。制御量が取得されると、制御部20は、当該制御量を車両制御ECU44に対して出力する。車両制御ECU44が当該制御量に基づいて制御対象を制御すると、車両は制御軌道に沿って移動する。
このような自動制御を行うため、自動制御中において目標軌道は随時更新されていく。このため、本実施形態においては、一定期間(例えば、100ms)毎に図4に示す走行範囲取得処理が行われる。走行範囲取得処理は、車両の現在地から前方に既定範囲内の目標軌道を取得するための処理であり、制御部20が目標軌道取得部21aの機能によって実行する。なお、目標軌道取得処理は、走行範囲情報300bがサーバ100から送信され、記録媒体30に記録済の状態で実行される。
走行範囲取得処理が開始されると、制御部20は、車速を取得する(ステップS200)。すなわち、制御部20は、車速センサ42の出力信号に基づいて現在の車速を取得する。次に、制御部20は、走行車線を取得する(ステップS205)。すなわち、制御部20は、カメラ45が出力した画像情報に基づいて車両の左右に存在する区画線を取得する。さらに、制御部20は、GNSS受信部41、車速センサ42、ジャイロセンサ43の出力信号に基づいて車両の現在地を取得し、現在地が存在する道路の車線数を地図情報30aに基づいて特定する。そして、制御部20は、車線数に基づいて車線の左右の区画線を特定し(例えば、左端の車線の場合、左の区画線が実線、右の区画線が破線等)、カメラ45が出力した画像情報から特定された区画線と比較することによって走行車線を特定する。むろん、走行車線の特定法は種々の手法が採用されてよく、車線変更の履歴に基づいて特定されても良いし、ミリ波レーダー、レーザーレーダー等の出力に基づいて特定されても良いし、地図情報30aのレーンデータが示す区画線の態様が参照されても良い。
次に、制御部20は、走行予定経路を取得する(ステップS210)。すなわち、制御部20は、自動制御の対象として設定されている走行予定経路を取得する。次に、制御部20は、目標軌道を走行可能であるか否かを判定する(ステップS215)。すなわち、制御部20は、走行範囲情報300bを参照し、ステップS200〜S210で取得された車速、走行車線、走行予定経路に適合した目標軌道を車両が走行可能であるか否か判定する。
具体的には、走行範囲情報300bにおいては、道路上の各位置の走行範囲が、車速および車線毎に定義されている。そこで、制御部20は、車両の現在地以後の走行範囲情報300bであって、ステップS200で取得された車速とステップS205で取得された走行車線について生成された走行範囲情報300bを取得する。
当該走行範囲情報300bには、サーバ100で生成された目標軌道が対応づけられている。幅方向のヒストグラムにおいて頂点が複数個存在する場合、同一の車線上であっても、例えば、図2に示すように目標軌道が複数個存在し得る。そこで、制御部20は、ステップS210で取得された走行予定経路に沿って走行する際に選択すべき目標軌道を取得する。
目標軌道が取得されると、制御部20は、車両の現在の車速に基づいて、目標軌道を走行可能であるか否か判定する。すなわち、制御部20は、車両の現在地から前方の既定範囲内において、目標軌道に沿って車両が自動走行した場合の車速を目標軌道上の複数の位置について取得する。さらに、制御部20は、車両の重量の物体が各位置で各車速となるように移動させる場合に作用する加速度を算出するなどして車両の前後方向および左右方向に作用する加速度を取得する。そして、当該加速度が予め決められた上限値以内である場合、制御部20は、目標軌道を走行可能であると判定する。なお、車両が目標軌道上に存在しない場合には、目標軌道を走行可能であると判定されない。
ステップS215において、目標軌道を走行可能であると判定された場合、制御部20は、目標軌道取得処理を終了する。すなわち、制御部20は、走行範囲情報300bが示す目標軌道に基づいて車両制御を実行する。
一方、ステップS215において、目標軌道を走行可能であると判定されない場合、制御部20は、推奨走行範囲内で車両の軌道を仮設定する(ステップS220)。すなわち、制御部20は、走行範囲情報300bを参照して車両の現在地の前方に存在する推奨走行範囲Z1を取得する。そして、制御部20は、車両の現在位置から所定距離前方の目標軌道上の位置までを滑らかに接続する線を生成し、仮設定された軌道として取得する。図2においては、道路R上において破線の黒い曲線によって仮設定された軌道Otを示している。
次に、制御部20は、推奨走行範囲内を走行可能であるか否かを判定する(ステップS225)。本実施形態において制御部20は、ステップS220において仮設定された軌道を車両が走行可能である場合、推奨走行範囲内を走行可能であると判定する。そこで、制御部20は、ステップS220で仮設定された軌道について、ステップS215と同様の判定を行う。すなわち、仮設定された軌道に沿って車両が自動走行した場合の車速を仮設定された軌道上の複数の位置について取得する。さらに、制御部20は、車両の重量の物体が各位置で各車速となるように移動させる場合に作用する加速度を算出するなどして車両の前後方向および左右方向に作用する加速度を取得する。そして、当該加速度が予め決められた上限値以内である場合、制御部20は、仮設定された軌道を走行可能であると判定する。なお、車両が推奨走行範囲内に存在しない場合には、目標軌道を走行可能であると判定されない。
ステップS225において、推奨走行範囲内を走行可能であると判定された場合、制御部20は、推奨走行範囲内を走行する目標軌道を取得する(ステップS230)。すなわち、制御部20は、ステップS220で仮設定された軌道を目標軌道として取得する(ステップS230)。この場合、制御部20は、ステップS230で目標軌道として取得された軌道に基づいて車両制御を実行する。
ステップS225において、推奨走行範囲内を走行可能であると判定されない場合、制御部20は、許容走行範囲内を走行する目標軌道を取得する(ステップS235)。すなわち、ステップS225で仮設定された車両の軌道を走行できない場合、制御部20は、許容走行範囲内を少なくとも一部が通過することを許容し、車両に作用する加速度を極小化する目標軌道を取得する。例えば、制御部20は、カーブする軌道や左右方向に車両が移動する軌道において、横加速度が極小化されるように(曲率が最小になるように)目標軌道を設定する。なお、許容走行範囲内を走行する目標軌道であっても、車両に作用する加速度が上限値以下にならない場合には、自動運転のための車両制御が停止されてもよいし、利用者に警告されても良い。
(4)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、走行軌跡の分布に基づいて目標軌道が存在し得る走行範囲が取得される限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、走行範囲取得システムは、サーバ100以外の装置、例えば、ナビゲーションシステム10、車両制御ECU44等で実現されても良い。また、ナビゲーションシステム10は、車両等に搭載された装置であっても良いし、可搬型の端末によって実現される装置であっても良いし、複数の装置(例えば、クライアントとサーバ)によって実現されるシステムであっても良い。
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、走行軌跡の分布に基づいて目標軌道が存在し得る走行範囲が取得される限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、走行範囲取得システムは、サーバ100以外の装置、例えば、ナビゲーションシステム10、車両制御ECU44等で実現されても良い。また、ナビゲーションシステム10は、車両等に搭載された装置であっても良いし、可搬型の端末によって実現される装置であっても良いし、複数の装置(例えば、クライアントとサーバ)によって実現されるシステムであっても良い。
また、目標軌道取得部21a、車両制御部21b、走行軌跡取得部210a、走行範囲取得部210b、目標軌道取得部210cの少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在してもよい。例えば、ナビゲーションシステム10がサーバ100に対して通信を介して要求を行うことによって推奨走行範囲内の目標軌道の生成や許容走行範囲内の目標軌道の生成等がサーバ100で行われてもよい。むろん、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。
走行軌跡取得部は、車両の過去の走行軌跡を取得することができればよい。すなわち、車両が実際に走行した位置の分布に基づいて走行範囲を取得するために、走行軌跡取得部は、分布を解析するための基になる情報として走行軌跡を取得することができればよい。走行軌跡は、車両が実際に走行した位置の軌跡を示していれば良く、不特定の車両の走行軌跡であっても良いし、特定の車両の走行軌跡であっても良いが、統計精度を高めるためには前者であることが好ましい。
走行軌跡は、車両が過去に実際に走行した位置を示していれば良いが、各種の条件下における車両の過去の走行軌跡であっても良い。例えば、車両が自動運転されていない場合における走行軌跡が取得される構成等であっても良い。
走行範囲取得部は、道路の幅方向における走行軌跡の分布に基づいて、幅方向において車両の現在以後の目標軌道が存在し得る走行範囲を取得することができればよい。すなわち、車両が道路上で走行する幅方向の位置には選択の余地があるが、その分布を解析すれば、多くの車両が走行する範囲とほとんどの車両が走行しない範囲とが存在し得る。そして、分布度数が多い位置であるほど、通常の車両の走行に適した位置であると推定することができる。従って、走行軌跡の分布を解析すれば、車両の走行に適した範囲と適していない範囲とを特定することが可能である。
走行軌跡の分布は幅方向における分布であれば良いが、走行軌跡は道路が延びる方向に沿って続くため、幅方向の分布を道路が延びる方向に沿って連続させることにより、走行範囲は道路上で2次元的に広がると見なすことができる。分布は、走行頻度を示していれば良く、度数分布であっても良いし、度数分布において規格化等の調整が行われた後の分布等であってもよい。
目標軌道は、車両が現在以後に走行すべき走行軌道であれば良く、例えば、道路が延びる方向に沿って存在する複数の位置または連続した位置等が目標軌道に該当する。目標軌道は、種々の用途に利用されて良く、上述のような自動運転の目標となる構成以外にも、例えば、目標軌道が案内される構成等が挙げられる。
走行範囲は、目標軌道が存在し得る範囲であれば良く、道路上で車両が走行し得る範囲またはその内部が走行範囲となればよい。ただし、走行範囲は、走行軌跡の分布に基づいて取得されるので、実際に車両が走行した履歴から車両が走行し得る位置が特定され、走行範囲が決定される。すなわち、走行軌跡の分布を解析すれば、例外的な位置の軌跡と典型的な位置の軌跡を区別することができるため、前者は走行範囲から除外される。
目標軌道取得部は、車両の目標軌道を取得することができればよい。すなわち、目標軌道取得部は、走行範囲内で車両が走行すべき位置を道路が延びる方向に沿って特定することで目標軌道を取得することができればよい。走行範囲内でどの位置を目標軌道とすべきであるかは、種々の要素によって決められて良い。すなわち、走行範囲は過去に車両が走行した位置が含まれる範囲であるため、当該走行範囲内であれば、車両の走行が可能であると推定される。従って、例えば、車両の状態等に基づいて目標軌道が決定されれば良い。
また、走行範囲が走行軌跡の分布範囲に応じて細分化される場合、細分化された後の走行範囲の分類数は、上述の実施形態のように2個に限定されず、3個以上であっても良い。細分化する際の指標は、上述のように通常の走行において推奨される推奨走行範囲とその周囲の許容走行範囲とに限定されない。例えば、走行予定経路(右折、左折、直進等)に応じて走行範囲が細分化される構成等であっても良い。
走行範囲を選択するための車両の状態としては、上述のような車両の車速に限定されず、加速度等であっても良いし、重量等の車両諸元等であっても良いし、同乗者の有無や同乗者の年齢等であっても良く、種々の要素を車両の状態とすることができる。
推奨走行範囲は、通常の走行において目標軌道が存在し得る範囲として定義されていれば良い。すなわち、車両の状況が例外的な状況でない場合には、推奨走行範囲から目標軌道が取得されるように推奨走行範囲が決定される。従って、走行軌跡の分布において、走行軌跡の分布が他の道路上の位置と比較して相対的に多い位置が推奨走行範囲となり得る。
許容走行範囲は、推奨走行範囲の周囲に存在し車両の走行が許容される最大限の範囲を示す範囲である。従って、許容走行範囲は、通常の走行においては目標軌道とされないが、車両の状況によって目標軌道が生成されてもよい範囲である。このため、多くの場合、推奨走行範囲の左右両側に許容走行範囲が存在するが、道路の形状や走行経路等に応じて推奨走行範囲の片側に許容走行範囲が存在しても良い。
推奨走行範囲と、許容走行範囲とは予め決められた規則によって区別されて定義されれば良い。従って、上述のように標準偏差に基づいて推奨走行範囲と許容走行範囲とが取得されても良いが、分散等に基づいて走行範囲が取得されても良い。むろん、これら以外にも、種々の統計指標、例えば、分布の半値幅、尖度等に基づいて推奨走行範囲と、許容走行範囲とが決められる構成等であっても良い。
車両が推奨走行範囲内を走行可能であるか否かは車両の状態に応じて決められる。そして、推奨走行範囲内の少なくとも一部を通過可能であるが、車両の横方向加速度が過度に大きいなどの危険な状況での走行は走行可能な状況に含まれない。すなわち、物理的に走行不可能である状況は走行可能である状況から当然に除外されるが、車両が予め決められた状態で走行可能でない場合には走行可能ではないとされて良い。従って、上述の実施形態のように、加速度が、前後方向、横方向の少なくとも一方について予め決められた基準の範囲内に含まれる場合に走行可能であると見なされる構成以外にも種々の構成を採用可能である。例えば、車両の車速が基準の範囲内に含まれる場合に走行可能であると見なされる構成等であっても良いし、ステアリングの操作角度が基準の範囲内に含まれる場合に走行可能であると見なされる構成等であっても良い。
ヒストグラムの頂点は、ヒストグラムが上に凸の形状を有している部位であれば良く、走行軌跡のヒストグラムが最大値となる道路上の位置であるが、むろん、多少の誤差は許容され、ヒストグラムが最大値となる道路上の位置から多少変動した位置であっても良い。
さらに、本発明のように、走行軌跡の分布に基づいて目標軌道が存在し得る走行範囲が取得される手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合や、複数の装置によって実現される場合が想定可能であり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような手段を備えたナビゲーションシステムや方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
10…ナビゲーションシステム、20…制御部、21…車両制御プログラム、21a…目標軌道取得部、21b…車両制御部、30…記録媒体、30a…地図情報、40…通信部、41…GNSS受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、44…車両制御ECU、45…カメラ、100…サーバ、200…制御部、210…走行範囲取得プログラム、210a…走行軌跡取得部、210b…走行範囲取得部、210c…目標軌道取得部、300…記録媒体、300a…走行軌跡情報、300b…走行範囲情報、400…通信部
Claims (7)
- 車両の過去の走行軌跡を取得する走行軌跡取得部と、
道路の幅方向における前記走行軌跡の分布に基づいて、前記幅方向において前記車両の現在以後の目標軌道が存在し得る走行範囲を取得する走行範囲取得部と、
を備える走行範囲取得システム。 - 前記車両の前記目標軌道を取得する目標軌道取得部をさらに備え、
前記走行範囲取得部は、前記走行軌跡の分布範囲に応じて細分化された複数の前記走行範囲を取得し、
前記目標軌道取得部は、複数の前記走行範囲の中から前記車両の状態に応じて前記走行範囲を選択し、選択された前記走行範囲内で前記目標軌道を取得する、
請求項1に記載の走行範囲取得システム。 - 前記走行範囲には、
推奨走行範囲と、前記推奨走行範囲の周囲に存在し前記車両の走行が許容される最大限の範囲を示す許容走行範囲と、が含まれ、
前記目標軌道取得部は、
前記車両が前記推奨走行範囲内を走行可能である場合には前記推奨走行範囲内で前記目標軌道を取得し、
前記車両が前記推奨走行範囲内を走行可能でない場合には前記許容走行範囲内で前記目標軌道を取得する、
請求項2に記載の走行範囲取得システム。 - 前記走行範囲取得部は、
前記走行軌跡の前記幅方向におけるヒストグラムの頂点を前記幅方向に垂直な方向に結んだ線を取得し、前記線を含み前記線の周囲に存在する前記推奨走行範囲を取得し、
前記目標軌道取得部は、
前記車両が前記線上を走行可能である場合には前記線を前記目標軌道として取得し、
前記車両が前記線上を走行可能でない場合には前記推奨走行範囲内で前記車両が走行可能な軌道を前記目標軌道として取得する、
請求項3に記載の走行範囲取得システム。 - 前記走行範囲取得部は、
前記幅方向において、統計精度の基準を満たす前記頂点を取得し、
前記幅方向に前記頂点が複数個存在する場合、前記頂点のそれぞれを含む複数の前記推奨走行範囲を取得し、
前記目標軌道取得部は、
前記車両の走行予定経路に基づいて前記推奨走行範囲を選択する、
請求項4に記載の走行範囲取得システム。 - 道路の幅方向における車両の過去の走行軌跡の分布に基づいて取得された、前記幅方向において前記車両の現在以後の目標軌道が存在し得る走行範囲に基づいて、前記走行範囲内で前記車両の前記目標軌道を取得し、前記目標軌道に沿って前記車両を走行させる車両制御部、
を備える車両制御システム。 - コンピュータを、
車両の過去の走行軌跡を取得する走行軌跡取得部、
道路の幅方向における前記走行軌跡の分布に基づいて、前記幅方向において前記車両の現在以後の目標軌道が存在し得る走行範囲を取得する走行範囲取得部、
として機能させる走行範囲取得プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018208767A JP2020075561A (ja) | 2018-11-06 | 2018-11-06 | 走行範囲取得システム、車両制御システムおよび走行範囲取得プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018208767A JP2020075561A (ja) | 2018-11-06 | 2018-11-06 | 走行範囲取得システム、車両制御システムおよび走行範囲取得プログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020075561A true JP2020075561A (ja) | 2020-05-21 |
Family
ID=70724828
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018208767A Pending JP2020075561A (ja) | 2018-11-06 | 2018-11-06 | 走行範囲取得システム、車両制御システムおよび走行範囲取得プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020075561A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021245721A1 (ja) * | 2020-06-01 | 2021-12-09 | 三菱電機株式会社 | 走行経路生成装置、自動走行制御装置および自動走行制御システム |
-
2018
- 2018-11-06 JP JP2018208767A patent/JP2020075561A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021245721A1 (ja) * | 2020-06-01 | 2021-12-09 | 三菱電機株式会社 | 走行経路生成装置、自動走行制御装置および自動走行制御システム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11275382B2 (en) | Autonomous driving system | |
KR20150066303A (ko) | 운전자의 주행 패턴을 반영하는 자율 주행 장치 및 그 방법 | |
US20200269871A1 (en) | Method and system for determining a driving maneuver | |
US20190263412A1 (en) | Vehicle control device and vehicle control method | |
EP3822142A1 (en) | Confidence levels along the same predicted trajectory of an obstacle | |
CN112498365A (zh) | 基于置信度水平和距离、响应于障碍物的自动驾驶车辆的延迟决策 | |
US10990108B2 (en) | Vehicle control system | |
CN112149487A (zh) | 一种用于自动驾驶的用于训练神经网络对象检测模型的用于确定锚框的方法 | |
JP2020075561A (ja) | 走行範囲取得システム、車両制御システムおよび走行範囲取得プログラム | |
CN113386752A (zh) | 用于确定辅助驾驶系统中最佳巡航车道的方法和装置 | |
EP3605025A1 (en) | Driving control method and driving control device | |
US20200307599A1 (en) | Traveling control apparatus, traveling control method, and non-transitory computer-readable storage medium storing program | |
CA3072401A1 (en) | Traffic lane information management method, running control method, and traffic lane information management device | |
US20200307597A1 (en) | Traveling control apparatus, traveling control method, and non-transitory computer-readable storage medium storing program | |
US20210116916A1 (en) | End dynamics and constraints relaxation algorithm on optimizing an open space trajectory | |
US20210139038A1 (en) | Low-speed, backward driving vehicle controller design | |
US20210331707A1 (en) | Autonomous driving control method and autonomous driving control system | |
US11285957B2 (en) | Traveling control apparatus, traveling control method, and non-transitory computer-readable storage medium storing program | |
US11254326B2 (en) | Automatic comfort score system based on human driving reference data | |
US11242057B2 (en) | Method for optimizing three-point turn of autonomous driving vehicles | |
US20210309223A1 (en) | Dynamic speed limit adjustment system based on perception results | |
US20210300427A1 (en) | Group and combine obstacles for autonomous driving vehicles | |
US20210206397A1 (en) | Autonomous vehicle park-and-go scenario design | |
US20210200222A1 (en) | Fastest lane determination algorithm under traffic jam | |
JPWO2020116264A1 (ja) | 車両の走行支援方法、車両走行支援装置及び自動運転システム |