JP2020068700A - 水草刈取船の結合構造及び水草刈取船 - Google Patents
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Description
一方、小型の船体の水草刈取船を複数隻用いて作業を行うと、刈り残しが起きないように、作業した経路にオーバーラップを設ける必要が生じ、効率が悪くなるという問題があった。
本発明は、小型の船体で、運搬が容易でありながら、高い作業効率の水草刈取船を提供することにある。
また、前記固定手段のロック手段として、前記係止手段を係止するために船体を前後に移動させるウインチを備えることも好ましい。
また、前記一対の水草刈取船は、前記推進手段としてそれぞれ左右舷側に突出した推進用のパドルホイールを備え、一対の水草刈取船を結合する場合には、相互に干渉しないように前記パドルホイールを移動させるパドルホイール移動手段を備えることも好ましい。
さらに、前記油圧回路接続手段は、相互に結合した一対の水草刈取船の推進用のパドルホイールを同期するように一対の水草刈取船を推進させる推進用パドルホイール操作手段を備えることが好ましい。
そして、上記水草刈取船の結合構造を備えた一対の水草刈取船が好ましい。
図1〜3に示すように、水草刈取船1は、フロートとなる前後方向に長い概ね直方体の船体4と、船体4の船首41に配置された刈取ヘッド5を備える。船体4の中央部に配置され、刈取ヘッド5により刈り取られた水草を搬送し貯蔵する貯蔵部6を備える。船体4の船尾42に配置され、貯蔵部6に貯蔵された刈り取られた水草を外部に搬送して搬出する搬出部7を備える。これらはコンベアで連続して水草を搬送可能に構成されている。
<船体4>
船体4は、ステンレス製で、全体が、前後に長く、概ね扁平な直方体のフロートとして水面に浮遊可能に気密な構造となっている。
刈取ヘッド5は、船体4に支持されるフレーム52と、このフレーム52に支持されるバケット53と、このバケット53の底面に配設される取込コンベア54とから構成される。
フレーム52は、上方に直線状に延びる左右一対の後アーム52a/52aと、この後アーム52aと下端部近傍で分岐しておよそ50度程度前側に直線状に延びる左右一対の前アーム52b/52bを備える。左右の前アーム52bと後アーム52aの上端をそれぞれ連結する上アーム52cが設けられる。このように後アーム52aと前アーム52bと上アーム52cによりトラス構造となっている。
バケット53は、水平な底面53aと、底面53aの左右両側に垂直に設けられた側壁53b/53bを備える。側壁53b/53bは、前部が概ね直角二等辺三角形の形状で、後部は底面53aに平行な前部より低い壁面が形成されている。この側壁53b/53bの前部の頂点近傍は、前水平アーム52eの両端に設けられた前支持部53c(図3)に支持されている。また、側壁53b/53bの後端部は、後アーム52a/52aの中央部から架け渡すように設けられたバケット支持部52hに、底面53aの後支持部53d(図2)が、載置されるように支持されている。したがって、通常は、バケット53は、フレーム52と一体に回動する。
取込コンベア54は、バケット53の底面53aの内側に配設される。ステンレス製のメッシュ状のチェーンが無端状のコンベアベルト54aを形成し、一対の搬送ローラにより駆動され(不図示)、刈り取った水草を船体の中央部の運転台8の下の貯蔵部6に搬送する。
貯蔵部6には、取込コンベア54と同様の構成の搬送コンベア60が配設されている。搬送コンベア60は、取込コンベア54により搬送された刈り取った水草をさらに後方に搬送する。この時、搬出部7が搬出の動作をしていないときには、搬送コンベア60により搬送された水草は、搬出部7との境界で搬送が停止され、この部分に水草が貯蔵されていく。
搬出部7は、船尾42から後方に突出するように形成された樋状の構成で、底面70aと、この底面70aの両側に形成された垂直な側壁70b/70bを備える。側壁70b/70bの前側下端には、その一端部が船体4に設けられた支持部(不図示)に軸支される軸部73が設けられ、搬出部7は、この軸部73を中心に後部が上方に揺動可能に支持される。
<運転台>
運転台8は、貯蔵部6を左右に跨ぐように構成される。このため、搬送コンベア60が水草を搬送し、貯蔵することには差支えがない。運転台8の後部には、機械室9が設けられ、エンジンや油圧ポンプ(不図示)が収容される。機械室9の前方には、運転席81が設けられ、オペレータが着座する椅子が設けられるとともに、その前方には、油圧回路を制御する操作コラム82が操作可能に配置される。その前方には、安全のための安全柵83が配置されている。
船体4の上面45の右舷43及び左舷44には、推進用のパドル部10/10が配設される。パドル部10は、2枚の対向する六角形のサイドウォール10b/10bの間に、水を掻く板状のパドル10aが六角形の頂点から、内側が回転中心よりも回転方向にずれた位置にそれぞれ配設され固定されている。中央部は、回転軸に接続するためのハブ10cが形成され、パドルホイールとして構成されている。ハブ10cには、パドルモータ10fが接続されている。パドルホイールは、支持軸10dを介して、船体4の上面45の右舷43及び左舷44の取付部10eに、水平位置と垂直位置に回動可能に取り付けられている。支持軸10dの幅方向外側上部と、取付部10eの上部の間には、パドルシリンダ10gが取り付けられている。このため、パドルシリンダ10gが伸長すると支持軸10dが水平に変位し、パドルホイールは、水面に接触して、水草刈取船1を推進させることができる。一方、パドルシリンダ10gが収縮すると支持軸10dが垂直に跳ね上げられて、パドル部10が舷側に突出しない状態となる。支持軸10d及びパドルシリンダ10gが本発明のパドルホイール移動手段を構成する。
図9は、主たる水草刈取船(メイン)2の分離時の油圧回路の概略を概念的に示すものであり、正確な回路図ではない。実際には各回路には往路と復路が含まれ、各種の補器類を備える。ここでは「主たる水草刈取船(メイン)2」を「メイン2」と略記する。なお、「従たる水草刈取船(サブ)3」も「サブ3」と略記する。実施形態の水草刈取船1は、油圧回路により推進や刈取りなどの各種の動作するように構成されている。
図12は、メイン2とサブ3を結合した状態を示すメイン2の油圧回路を示す概略図である。メイン2とサブ3を結合した場合には、両者の油圧回路が連結される。メイン2の油圧回路Aは、ワンタッチカプラ26を介して、サブの油圧回路A´に接続される。図13は、メイン2とサブ3を結合した状態を示すサブ3の油圧回路を示す概略図である。サブ3では、サブ3のヘッドナイフモータ16の油圧回路A´と切替弁14oと接続したワンタッチカプラ26を外し、メイン2の油圧回路Aにワンタッチカプラ26を接続し、接続した回路A´はヘッドナイフモータ16に接続されている。つまり、メイン2の切替弁14aと切替弁14bは、連動しているため、メイン2のナイフヘッドモータ16とサブ3のナイフヘッドモータ16とは、同期して作動することになる。なお、同様の油圧回路を用いることで、実際に刈取ヘッド5を物理的な部材(不図示)で固定すれば、ストレスなしに厳密に同期させることができる。
一方、サブ3の右パドルモータ21、右パドルシリンダ23は、メイン2の油圧回路とは接続されていない。これは、メイン2とサブ3とが結合される場合には、予めメイン2の左のパドル部10と、サブ3の右のパドル部10とは、上に跳ね上げて動作させないからである。
図7は、図6に示す固定手段30を拡大した図である。図7を参照して一対の水草刈取船を固定するための固定手段30の概略を示す。一対の水草刈取船1は、メインを右に、サブを左にして結合するが、これらを結合するための固定手段30を備える。
<実施形態の作用>
以上のように構成された一対の水草刈取船1の作用について説明する。一対の水草刈取船1は、主たる水草刈取船(メイン)2と従たる水草刈取船(サブ)3に分離した状態で、湖沼などの作業地に、重機により吊り下げてトラックなどに積み込まれて搬送される。この時は、いずれも左右のパドル部10は、垂直に跳ね上げている。作業地においては、重機により吊り下げて作業をする水面に各自着水させる。着水後、パドル部10は水面に着水し、メイン2の左のパドル部10と、サブ3の右のパドル部10を跳ね上げて、メインの左舷とサブの右舷が近接するように移動させる。
図12,13に示すように、サブ3の油圧回路A´〜G´のワンタッチカプラの接続をサブ3の切替弁14o〜s、14u、14wから切り離し、メインの油圧回路A〜Gのワンタッチカプラをサブ3の油圧回路A´〜G´のワンタッチカプラとそれぞれ接続する。
オペレータは、メイン2の運転席81に着座し、操作コラム82を操作することで、一体になった一対の水草刈取船1を操作することができる。例えば、パドル部10の操作は、通常通り右のパドルホイールの操作コラム82を操作すれば、メイン2の右のパドルホイールを回転させることができ、左のパドルホイールの操作コラム82を操作すれば、サブ3の左のパドルホイールを回転させることができる。そのため、オペレータは、通常通りの操作をすればよい。この場合、右のパドルモータ21と左パドルモータ22、左右の油圧回路、切替弁14k,14lは同じ構成で、同一のオイルポンプ12により駆動されるため、基本的に同一操作をすれば、左右のパドルホイールは基本的に同期して回転する。この切替弁14k、14l等がパドルを同期させる推進用パドル操作手段を構成する。もちろんオペレータは、左右の操作コラム82(図1)をそれぞれ任意に操作することで、同期しない動作とすることができる。また水面の水草の状態で左右のパドルホイールの回転が同期しない場合があるが、そのときはオペレータの判断で同期するように修正する。
以上の手順で結合した水草刈取船では、図5、図6に示すように、メイン2の左舷44とサブ3の右舷43とが密接して一体化するため、基本的に一隻の大型船と同様な機能を奏する。特に図5に示すように隣接するメインの開口部55とサブの開口部55とは、一体になって、通過する経路の水草を漏れなく刈り取ることができる。
上記実施形態の水草刈取船によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の水草刈取船1では、メイン2とサブ3を結合することで、一度の作業で、無駄なく広い範囲の水草を効率的に刈り取ることができる。小型の水草刈取船2隻でそれぞれ独立して作業を行うときのように、それぞれ作業した経路に刈り残しができないようにオーバーラップを取る必要がないため無駄がない。
(4)大型の水草刈取船と比較すると、本実施形態の水草刈取船1では、容易に分離して、それぞれ独立して作業することができるので、大型の水草刈取船が入れないような狭い河川などの作業でも、状況に応じて2隻に分けて作業をすることもできる。
(6)特に、舷側に沿ってメイン2とサブ3を前後に相対移動することで、簡単に係止部31を係合部32に、固定し、若しくは解放することができる。
(8)さらに、衝撃吸収装置33を設けたため、一対の水草刈取船1を結合する場合に、係止部31や係合部32に大きな衝撃を与えることがない。
(10)また、パドルホイールによる推進であるので、浅い湖沼などでも作業をすることができ、かつ結合するときには、パドルホイールを跳ね上げて、メイン2の左舷44とサブ3の右舷43とを当接した状態で、安定して結合することができる。
(12)また、対の水草刈取船1を結合するときには、一方のエンジンのみを用いて作業することができるので、騒音が少ない。
<変更例等>
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○各装備の駆動は、油圧回路に限定されるものではなく、内燃機関による駆動や、電気駆動でもよい。
○本実施形態では、2隻の水草刈取船を一対の水草刈取船としたが、さらに3台を連結するようなものでもよい。
Claims (10)
- 主たる水草刈取船と、従たる水草刈取船とからなる一対の水草刈取船を相互に結合する水草刈取船の結合構造であって、
一対の水草刈取船は、それぞれ
船体と、
船体の船首に設けられ、刈刃が配設された開口部を有する刈取ヘッドと、
当該刈取ヘッドを上下させる昇降手段と、
刈り取った水草を開口部から後方に搬送する取込コンベアと、
前記船体を推進する推進手段と
を備え、
前記一対の水草刈取船において、
相互の舷側に設けられ、前記開口部が相互に近接するように一対の水草刈取船を結合させる固定手段を備えたこと
を特徴とする水草刈取船の結合構造。 - 前記固定手段は、舷側に沿って前後に相対移動することで、固定し、若しくは解放する係止手段と、結合状態を維持するロック手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の水草刈取船の結合構造。
- 前記固定手段のロック手段として、前記係止手段を係止するために船体を前後に移動させるウインチを備えたことを特徴とする請求項2に記載の水草刈取船の結合構造。
- 前記固定手段は、固定時の衝撃を吸収する衝撃吸収装置を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の水草刈取船の結合構造。
- 前記一対の水草刈取船は、前記推進手段としてそれぞれ左右舷側に突出した推進用のパドルホイールを備え、
一対の水草刈取船を結合する場合には、相互に干渉しないように前記パドルホイールの位置を移動させるパドルホイール移動手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の水草刈取船の結合構造。 - 前記一対の水草刈取船は、油圧により駆動され、
前記一対の水草刈取船を固定手段により結合するときに、従たる水草刈取船の一部の動作を主たる水草刈取船において操作可能にするように、一対の水草刈取船の油圧回路を接続する油圧回路接続手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の水草刈取船の結合構造。 - 前記油圧回路接続手段は、主たる水草刈取船の操作手段のみで、従たる水草刈取船と一体に操作可能に構成されていることを特徴とする請求項6に記載の水草刈取船の結合構造。
- 前記油圧回路接続手段は、相互に結合した一対の水草刈取船の推進用パドルを同期するように一対の水草刈取船を推進させる推進用パドル操作手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の水草刈取船の結合構造。
- 前記油圧回路接続手段は、相互に結合した一対の水草刈取船の刈取ヘッドを同期させて上下させる刈取ヘッド昇降手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の水草刈取船の結合構造。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の水草刈取船の結合構造を備えた一対の水草刈取船。
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- 2018-10-30 JP JP2018204480A patent/JP7120883B2/ja active Active
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