JP2020067226A - 温度調整装置 - Google Patents

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功嗣 三浦
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康光 大見
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Takeshi Yoshinori
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Abstract

【課題】サーモサイフォン式の温度調整装置に関し、装置の傾斜に広く対応すると共に、対象機器の温度調整に関するばらつきを抑制可能な温度調整装置を提供する。【解決手段】温度調整装置1は、流体循環回路10における冷媒の相変化による自然循環によって、組電池BPの温度を調整する。流体循環回路10は、複数の蒸発器20と、凝縮器30と、気相流路部35と、液相流路部40とを有している。複数の蒸発器20は、車両前後方向に並んで配置されており、第1蒸発器20Aを含んでいる。第1蒸発器20Aは、凝縮器30が下方側に移動するように傾斜した際に、複数の蒸発器20のうち最も上方側に位置する。液相流路部40の液相連結配管45において、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位の高さは、複数の蒸発器20における他の蒸発器20に対して液相冷媒RLを流入させる部位よりも低く配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、サーモサイフォン式の温度調整装置に関する。
従来、対象機器の温度を調整する為に、ループ型のサーモサイフォン式の温度調整装置が用いられている。このような温度調整装置に関する発明として、例えば、特許文献1に記載された発明が知られている。
特許文献1に記載された電池温度調節装置は、電池温度調整部である蒸発器及び熱媒体冷却部である凝縮器を含むサーモサイフォン回路を有しており、対象機器である電池の温度を調整している。
当該電池温度調整装置のサーモサイフォン回路では、凝縮器は蒸発器よりも上方に配置されている。そして、当該電池温度調整装置は、蒸発器にて電池から吸熱して、作動流体としての冷媒を蒸発させると共に、蒸発した冷媒を上方に位置する凝縮器で凝縮させている。従って、電池温度調整装置は、作動流体を相変化させることで、作動流体の循環及び対象機器の冷却を行うように構成されている。
特開2015−041418号公報
特許文献1に記載されているように、サーモサイフォン式の温度調整装置は、車両等に搭載される場合があり、車両と共に傾斜する場合が想定される。例えば、車両が下り坂を降っている場合、車両の進行方向後方側が車両の進行方向前方側よりも上方に位置することになり、温度調整装置は、車両と同様に傾いた状態となる。
この時、温度調整装置における液相冷媒は、重力の影響を受けて、サーモサイフォン回路の下方側に集まってしまう。即ち、温度調整装置が傾斜した場合には、その傾斜の程度によっては、作動流体の循環が阻害され、温度調整装置の動作不全を起こしてしまうことが想定される。
又、温度調整装置が傾斜した場合に、凝縮器の一部が液相冷媒で満たされた状態でなることも想定される。この場合、凝縮器における凝縮面積が減ってしまい、温度調整装置の性能が低下することが懸念される。
これらの場合、傾斜した状態で上方側となる部分で作動流体の蒸発潜熱を利用できず、対象機器を冷却することができなくなる為、傾斜した状態の上方側と下方側にて、対象機器の温度調整にばらつきが生じてしまう。
本発明は、これらの点に鑑みてなされており、サーモサイフォン式の温度調整装置に関し、装置の傾斜に広く対応すると共に、対象機器の温度調整に関するばらつきを抑制可能な温度調整装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の温度調整装置は、
作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(BP)の温度を調整するサーモサイフォン式の温度調整装置(1)であって、
予め定められた配列方向に並んで配置され、対象機器の冷却時に当該対象機器から吸熱して液相の作動流体を蒸発させる複数の蒸発器(20)と、
複数の蒸発器に対し重力方向上方に配置され、対象機器の冷却時に蒸発器にて蒸発した気相の作動流体を凝縮させる凝縮器(30)と、
複数の蒸発器で蒸発した気相の作動流体を凝縮器に導く気相流路部(35)と、
複数の蒸発器における流入口(22)を連結する液相連結配管(45)を含み、凝縮器にて凝縮した液相の作動流体を複数の蒸発器に導く液相流路部(40)と、を有し、
凝縮器が重力方向下方側に移動するように傾斜した際に、複数の蒸発器のうち最も重力方向上方側に位置する蒸発器を第1蒸発器(20A)とした場合に、
液相連結配管において、第1蒸発器に対して液相の作動流体を流入させる部位の高さは、複数の蒸発器における他の蒸発器に対して液相の作動流体を流入させる部位よりも低く配置されている。
当該温度調整装置は、複数の蒸発器と、凝縮器と、気相流路部と、液相流路部とを有しており、複数の蒸発器にて作動流体を蒸発させ、凝縮器にて当該作動流体を凝縮させることで、作動流体の液相と気相との相変化により対象機器の温度を調整することができる。
そして、当該温度調整装置の液相連結配管において、第1蒸発器に対して液相の作動流体を流入させる部位の高さは、複数の蒸発器における他の蒸発器に対して液相の作動流体を流入させる部位よりも低く配置されている。
これにより、当該温度調整装置によれば、凝縮器が重力方向下方側に移動するように大きく傾斜した場合であっても、温度調整装置における液相の作動流体を適正に循環させることができ、複数の蒸発器に対して液相の作動流体を確実に供給することができる。即ち、当該温度調整装置によれば、凝縮器が重力方向下方側に移動するように大きく傾斜した場合にも対応して、複数の蒸発器における冷却性能の均一化を図ることができる。
又、請求項2に記載の温度調整装置は、
作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(BP)の温度を調整するサーモサイフォン式の温度調整装置(1)であって、
予め定められた配列方向に並んで配置され、対象機器の冷却時に当該対象機器から吸熱して液相の作動流体を蒸発させる複数の蒸発器(20)と、
複数の蒸発器に対し重力方向上方に配置され、対象機器の冷却時に蒸発器にて蒸発した気相の作動流体を凝縮させる凝縮器(30)と、
複数の蒸発器で蒸発した気相の作動流体を凝縮器に導く気相流路部(35)と、
複数の蒸発器における流入口(22)を連結する液相連結配管(45)を含み、凝縮器にて凝縮した液相の作動流体を複数の蒸発器に導く液相流路部(40)と、を有し、
凝縮器が重力方向下方側に移動するように傾斜した際に、複数の蒸発器のうち最も重力方向上方側に位置する蒸発器を第1蒸発器(20A)とし、複数の蒸発器のうち、第1蒸発器に対して凝縮器の側で隣り合う蒸発器を第2蒸発器(20B)とした場合に、
液相連結配管は、前記第1蒸発器と第2蒸発器の間において、第2蒸発器の側における配管よりも第1蒸発器の側が重力方向下方に位置するように形成された段差部(49)を有し、
段差部は、第1蒸発器と第2蒸発器の間における液相連結配管のうち、第2蒸発器の側に偏った位置に配置されている。
当該温度調整装置は、複数の蒸発器と、凝縮器と、気相流路部と、液相流路部とを有しており、複数の蒸発器にて作動流体を蒸発させ、凝縮器にて当該作動流体を凝縮させることで、作動流体の液相と気相との相変化により対象機器の温度を調整することができる。
そして、当該温度調整装置の液相連結配管は、前記第1蒸発器と第2蒸発器の間に段差部を有しており、当該段差部は、第1蒸発器と第2蒸発器の間における液相連結配管のうち、第2蒸発器の側に偏った位置に配置されている。
これにより、当該温度調整装置によれば、段差部の第2蒸発器側の配管を第1蒸発器から離すことで、凝縮器が重力方向下方側に移動するように傾斜した場合における液相流路部で最も高い部位の高さを低くすることができる。
即ち、当該温度調整装置によれば、凝縮器が重力方向下方側に移動するように大きく傾斜した場合にも対応して、液相流路部の内部における液相の作動流体を適正に循環させることができ、複数の蒸発器に対して液相の作動流体を確実に供給して、各蒸発器における冷却性能の均一化を図ることができる。
そして、請求項3に記載の温度調整装置は、
作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(BP)の温度を調整するサーモサイフォン式の温度調整装置(1)であって、
予め定められた配列方向に並んで配置され、対象機器の冷却時に当該対象機器から吸熱して液相の作動流体を蒸発させる複数の蒸発器(20)と、
複数の蒸発器に対し重力方向上方に配置され、対象機器の冷却時に蒸発器にて蒸発した気相の作動流体を凝縮させる凝縮器(30)と、
複数の蒸発器で蒸発した気相の作動流体を凝縮器に導く気相流路部(35)と、
複数の蒸発器における流入口(22)を連結する液相連結配管(45)を含み、凝縮器にて凝縮した液相の作動流体を複数の蒸発器に導く液相流路部(40)と、を有し、
凝縮器は、当該凝縮器にて凝縮された液相の作動流体が流出する流体出口(32)と、流体出口よりも重力方向上方側に配置され、気相流路部を通過した気相の作動流体が流入する流体入口(31)と、を有し、
凝縮器が重力方向下方側に移動するように傾斜した際に、複数の蒸発器のうち最も重力方向上方側に位置する蒸発器を第1蒸発器(20A)とした場合に、
液相流路部のうち、第1蒸発器の流入口よりも配列方向における凝縮器の側に位置する部分は、凝縮器の流体出口と第1蒸発器の流入口とを結んだ仮想線(VL)よりも重力方向下方に配置されている。
当該温度調整装置は、複数の蒸発器と、凝縮器と、気相流路部と、液相流路部とを有しており、複数の蒸発器にて作動流体を蒸発させ、凝縮器にて当該作動流体を凝縮させることで、作動流体の液相と気相との相変化により対象機器の温度を調整することができる。
そして、当該温度調整装置の液相流路部のうち、第1蒸発器の流入口よりも配列方向における凝縮器の側に位置する部分は、仮想線よりも重力方向下方に配置されている。従って、当該温度調整装置によれば、凝縮器が重力方向下方側に移動するように大きく傾斜した場合であっても、液相流路部におけるヘッドを確保することができる。
この為、当該温度調整装置は、凝縮器が重力方向下方側に移動するように傾斜した場合でも、液相流路部の内部における液相の作動流体を適正に循環させることができ、複数の蒸発器に対して液相の作動流体を確実に供給することができる。
又、当該温度調整装置によれば、凝縮器が重力方向下方側に移動するように傾斜した場合に、凝縮器内部における液相の作動流体の液面は、少なくとも流体出口よりも下方に位置することになる。この為、このように傾斜した場合であっても、凝縮器の凝縮面積を確保することができ、当該凝縮器の凝縮性能を充分に維持することができる。
又、請求項4に記載の温度調整装置は、
作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(BP)の温度を調整するサーモサイフォン式の温度調整装置(1)であって、
予め定められた配列方向に並んで配置され、対象機器の冷却時に当該対象機器から吸熱して液相の作動流体を蒸発させる複数の蒸発器(20)と、
複数の蒸発器に対し重力方向上方に配置され、対象機器の冷却時に蒸発器にて蒸発した気相の作動流体を凝縮させる凝縮器(30)と、
複数の蒸発器で蒸発した気相の作動流体を凝縮器に導く気相流路部(35)と、
複数の蒸発器における流入口(22)を連結する液相連結配管(45)を含み、凝縮器にて凝縮した液相の作動流体を複数の蒸発器に導く液相流路部(40)と、を有し、
凝縮器は、当該凝縮器にて凝縮された液相の作動流体が流出する流体出口(32)と、流体出口よりも重力方向上方側に配置され、気相流路部を通過した気相の作動流体が流入する流体入口(31)と、を有し、
凝縮器が重力方向下方側に移動するように傾斜した際に、複数の蒸発器のうち最も重力方向上方側に位置する蒸発器を第1蒸発器(20A)とした場合に、
液相流路部のうち、第1蒸発器の流入口よりも配列方向における凝縮器の側に位置する部分は、凝縮器の流体入口と第1蒸発器の流入口とを結んだ基準線(SL)よりも重力方向下方に配置されている。
当該温度調整装置は、複数の蒸発器と、凝縮器と、気相流路部と、液相流路部とを有しており、複数の蒸発器にて作動流体を蒸発させ、凝縮器にて当該作動流体を凝縮させることで、作動流体の液相と気相との相変化により対象機器の温度を調整することができる。
そして、当該温度調整装置の液相流路部のうち、第1蒸発器の流入口よりも配列方向における凝縮器の側に位置する部分は、基準線よりも重力方向下方に配置されている。従って、当該温度調整装置によれば、凝縮器が重力方向下方側に移動するように大きく傾斜した場合であっても、液相流路部にて最も高い部位よりも液相の作動流体の液面を高く位置させることができる。
この為、当該温度調整装置は、凝縮器が重力方向下方側に移動するように傾斜した場合でも、液相流路部の内部における液相の作動流体を適正に循環させることができ、複数の蒸発器に対して液相の作動流体を確実に供給することができる。
尚、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態に係る温度調整装置の全体構成図である。 温度調整装置における蒸発器に対する組電池の配置を示す斜視図である。 図1におけるIII−III断面を示す断面図である。 図1におけるIV−IV断面を示す断面図である。 比較例に係る温度調整装置の作動限界状態を示す模式図である。 第1実施形態に係る温度調整装置の作動限界状態を示す模式図である。 比較例に係る温度調整装置の適正作動限界状態を示す模式図である。 第1実施形態に係る温度調整装置の適正作動限界状態を示す模式図である。 第2実施形態に係る温度調整装置の全体構成図である。 第3実施形態に係る温度調整装置の全体構成図である。 第4実施形態に係る温度調整装置の全体構成図である。 第5実施形態に係る温度調整装置の全体構成図である。 図12におけるXIII−XIII断面を示す断面図である。 第6実施形態に係る温度調整装置の全体構成図である。 第7実施形態に係る温度調整装置の全体構成図である。 第8実施形態に係る温度調整装置の全体構成図である。 第9実施形態に係る温度調整装置の全体構成図である。 第10実施形態における蒸発器に対する組電池の配置を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。以下の実施形態において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。又、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。
以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
先ず、本発明の第1実施形態について、図1〜図8を参照しつつ説明する。第1実施形態に係るサーモサイフォン式の温度調整装置1(以下、温度調整装置1という)は、車両に搭載された組電池BPの温度を調整する装置として適用されている。
そして、以下の説明で前後左右上下の方向を用いて説明するときは、温度調整装置が搭載される車両に搭乗した乗員から見た前後左右上下の方向を示すものとする。そして、各図に適宜示す矢印についても同様の定義を用いており、車両幅方向とは左右方向に相当している。
当該温度調整装置1が搭載される車両としては、例えば、組電池BPを電源として図示しない走行用電動モータによって走行可能な車両を挙げることができる。具体的には、電気自動車、ハイブリッド自動車の組電池BPを対象機器として、温度調整装置1を適用することができる。
図2に示すように、組電池BPは、直方体形状の複数の電池セルBCを積層配置した積層体で構成されており、対象機器として機能する。当該組電池BPにおいて、複数の電池セルBCは電気的に直列に接続されている。各電池セルBCは、充放電可能な二次電池(例えば、リチウムイオン電池、鉛蓄電池)で構成されている。
尚、電池セルBCの外形は、直方体形状に限定されるものではなく、円筒形状等の他の形状であっても良い。又、組電池BPは、電気的に並列に接続された電池セルBCを含んで構成されていてもよい。
このように構成された組電池BPは、車両の走行中等における電力供給等によって自己発熱する。組電池BPが自己発熱によって過度に高温になると、電池セルBCの劣化が促進されてしまう。
このことから、組電池BPの利用に際して、自己発熱が少なくなるように、電池セルBCの出力及び入力を制限する必要がある。換言すると、電池セルBCの出力及び入力を確保する為には、組電池BPを所定の温度範囲内に維持する必要がある。
又、組電池BPにおいて、各電池セルBCの温度にばらつきがあると、各電池セルBCの劣化の進行度合いに偏りが生じてしまう。当該組電池BPは、電池セルBCの直列接続体を含んでいる為、組電池BP全体の入出力特性は、各電池セルBCのうち、最も劣化が進行した電池セルBCの電池特性に応じて決定される。
即ち、各電池セルBCの劣化の進行度合いに偏りが生じた場合、組電池BP全体の入出力特性が、最も劣化が進行した電池セルBCによって低下してしまう。この為、組電池BPを長期間にわたって所望の性能を発揮させる為には、各電池セルBCの温度のばらつきを低減させる均温化が重要となる。
第1実施形態に係る温度調整装置1は、対象機器としての組電池BPの温度調整及び均温化を実現する為に適用されており、作動流体としての冷媒が循環する流体循環回路10を有している。
次に、第1実施形態に係る温度調整装置1の具体的構成について、図1〜図4を参照しつつ説明する。第1実施形態に係る温度調整装置1において、流体循環回路10は、作動流体としての冷媒の蒸発及び凝縮により熱移動を行うヒートパイプであり、気相冷媒が流れる流路と、液相冷媒が流れる流路とが分離されたループ型のサーモサイフォンとして構成されている。
図1に示すように、当該流体循環回路10は、複数の蒸発器20と、凝縮器30と、気相流路部35と、液相流路部40を含んで構成されている。流体循環回路10は、複数の蒸発器20、凝縮器30、気相流路部35及び液相流路部40を互いに接続することで、閉じられた環状の流体回路を構成している。そして、流体循環回路10の内部には、その内部を真空排気した状態で、作動流体としての冷媒が封入されている。
流体循環回路10を循環する作動流体としての冷媒は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルで利用されるフロン系冷媒(例えば、R134a、R1234yf等)が用いられている。この作動流体としては、フロン系冷媒だけでなく、二酸化炭素等の他の冷媒や不凍液等を用いることも可能である。
蒸発器20は、対象機器である組電池BPの温度調整を行う際に、蒸発器20の内部の冷媒と、組電池BPとを熱交換させる熱交換器である。当該蒸発器20は、対象機器である組電池BPの冷却時に、組電池BPから吸熱して液相冷媒を蒸発させる。
図1に示すように、第1実施形態に係る温度調整装置1は、複数の蒸発器20として、第1蒸発器20A、第2蒸発器20B、第3蒸発器20C、第4蒸発器20Dを有している。当該温度調整装置1では、車両後方から前方に向かって、第1蒸発器20A、第2蒸発器20B、第3蒸発器20C、第4蒸発器20Dの順に配置されている。従って、車両の前後方向が配列方向に相当する。
又、第1実施形態においては、第1蒸発器20A〜第4蒸発器20Dは、重力方向において同じレベルに配置されている。即ち、第1蒸発器20A〜第4蒸発器20Dは、同一の水平平面上に配置されている。
尚、第1蒸発器20A〜第4蒸発器20Dは、車両前後方向(即ち、配列方向)の位置関係を区別する為の名称であり、その構成は同一である。そして、特に配列方向における位置関係を区別する必要がない場合等においては、蒸発器20を総称として使用する。
ここで、各蒸発器20の具体的構成について説明する。当該蒸発器20は、中空の直方体状に形成された本体部21と、流入口22と、流出口23とを有している。本体部21は、例えば、アルミニウムや銅等の熱伝導性に優れた金属材料によって構成されている。尚、本体部21の構成材料としては、熱伝導性に優れた材料であれば、金属以外の材料を用いることも可能である。
流入口22は、組電池BPの冷却時において、流体循環回路10を循環する液相冷媒RLが蒸発器20の本体部21内部に供給される部分である。当該流入口22には、液相流路部40が接続されている。
第1実施形態に係る蒸発器20では、流入口22は、本体部21の一側面(例えば、右側側面)において、重力方向の下側部分に配置されている。流体循環回路10における液相冷媒RLは、流入口22を介して、液相流路部40から蒸発器20の本体部21へ供給される。
そして、流出口23は、組電池BPの冷却時において、組電池BPからの吸熱にて蒸発した気相冷媒RGが蒸発器20の外部へ流出する部分である。当該流出口23には、気相流路部35が接続されている。
流出口23は、本体部21の一側面(例えば、右側側面)において、重力方向の上側部分に配置されている。従って、当該蒸発器20の本体部21の一側面において、流出口23は、流入口22に対して重力方向上方側に配置されている。
図2等に示すように、蒸発器20の本体部21は、配列方向である前後方向に並んだ組電池BPの間に配置されており、対象機器である組電池BPと、作動流体である冷媒とを熱交換させる部分である。
箱状に形成された本体部21の前側側面及び後側側面に沿って、組電池BPが配置されている。本体部21の前側側面及び後側側面は、電池接触面を構成している。組電池BPは、各電池セルBCにおける一つの側面が本体部21の電池接触面に対して熱的に接触するように配置されている。
図2に示すように、各電池セルBCにおける端子CTが設けられた面と反対側の面が、熱伝導シートを介して電池接触面に接触するように配置されている。組電池BPを構成する各電池セルBCは、重力方向に交差する方向に並べられている。
これにより、対象機器である組電池BPと、本体部21内部の液相冷媒RLとの熱交換が可能となる為、温度調整装置1は、液相冷媒RLの蒸発潜熱によって、対象機器である組電池BPを冷却することができる。
尚、本体部21の電池接触面には、熱伝導シートが配置されている。当該熱伝導シートは、本体部21と組電池BPとの間の絶縁を保障すると共に、本体部21と組電池BPとの間の熱抵抗を抑えている。
図1に示すように、凝縮器30は、当該温度調整装置1において、複数の蒸発器20よりも車両前方で、且つ、複数の蒸発器20よりも重力方向上方に配置されている。当該凝縮器30は、組電池BPの冷却時に、蒸発器20の内部で蒸発した気相冷媒RGを放熱させることで凝縮させる放熱部として機能する熱交換器である。
第1実施形態に係る凝縮器30は、空気‐冷媒熱交換器にて構成されており、流体循環回路10を流れる気相冷媒RGと車室外の空気とを熱交換させることで、気相冷媒RGの熱を車室外の空気へ放熱させている。
そして、当該凝縮器30は、例えば、アルミニウム、銅等の熱伝導性に優れた金属や合金で構成されている。尚、凝縮器30の構成材料としては、熱伝導性に優れた材料であれば、金属以外の材料を用いることも可能である。この場合に、凝縮器30のうち、少なくとも空気と熱交換する部位については、熱伝導性に優れた材料によって構成することが望ましい。
当該凝縮器30における重力方向の上方側には、流体入口31が配置されている。当該流体入口31には、気相流路部35における重力方向上方側の端部が接続されている。従って、流体入口31では、複数の蒸発器20にて蒸発した気相冷媒RGが気相流路部35を介して凝縮器30の内部へ流入する。
そして、凝縮器30における重力方向の下方側には、流体出口32が配置されている。流体出口32は、流体入口31に対して重力方向下方側に位置している。当該流体出口32には、液相流路部40における重力方向の上方側を構成する流出配管41の端部が接続されている。従って、流体出口32では、凝縮器30の内部にて凝縮した液相冷媒RLが液相流路部40へ流出する。
気相流路部35は、複数の蒸発器20にて蒸発した気相冷媒を凝縮器30に導く冷媒流路である。図1に示すように、気相流路部35は、気相連結配管36と、複数の気相側接続配管37とを有している。
気相連結配管36は、気相流路部35において、複数の蒸発器20における流出口23に対向するように車両前後方向に伸びる部位である。そして、複数の気相側接続配管37は、複数の蒸発器20における流出口23と、気相連結配管36とを接続している。当該気相側接続配管37は、各蒸発器20の流出口23から水平に伸びている。
当該気相流路部35における気相連結配管36及び複数の気相側接続配管37は、重力方向において、同じ高さに位置しており、各蒸発器20の流出口23と同じレベルに配置されている。
従って、第1実施形態に係る温度調整装置1において、気相連結配管36は、各蒸発器20の流出口23から気相側接続配管37を通過した気相冷媒を集合させる。気相流路部35は、凝縮器30の流体入口31に接続されている為、気相連結配管36にて集合させた気相冷媒を、凝縮器30の流体入口31へ導く。
そして、液相流路部40は、凝縮器30にて凝縮した液相冷媒を複数の蒸発器20に導く冷媒流路である。当該液相流路部40は、流出配管41と、液相連結配管45とを有している。
図1に示すように、流出配管41は、液相流路部40における重力方向上方側を構成しており、凝縮器30の流体出口32に接続されている。当該流出配管41は、凝縮器30の流体出口32から、重力方向下方に向かって伸びている。従って、凝縮器30にて凝縮した液相冷媒RLは、先ず、液相流路部40における流出配管41を通過する。
当該流出配管41の下端部には、液相連結配管45が接続されている。液相連結配管45は、凝縮器30から流出配管41を通過した液相冷媒RLを複数の蒸発器20に供給する為の冷媒流路であり、分配用配管46と、複数の接続配管50を有している。分配用配管46は、凝縮器30にて凝縮した液相冷媒RLを複数の蒸発器20に分配する為の冷媒流路である。複数の接続配管50は、第1蒸発器20A〜第4蒸発器20Dの流入口22を、分配用配管46に対してそれぞれ接続する為の冷媒流路である。
分配用配管46は、流出配管41の下端部から配列方向に相当する車両前後方向に沿って伸びており、第1蒸発器20A〜第4蒸発器20Dの右側に位置している。第1実施形態に係る分配用配管46は、水平部47と、傾斜部48とを有している。
図1に示すように、分配用配管46の水平部47は、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dの流入口22の上方において、車両前後方向に一定の高さで水平に伸びるように配置されている。
そして、分配用配管46の傾斜部48は、直線状に伸びる冷媒配管であって、第2蒸発器20Bよりも車両後方側にて、更に車両後方に配置された第1蒸発器20Aへ向かうほど下方に位置するように傾斜している。
傾斜部48における車両前側の端部は、分配用配管46の水平部47に接続され、水平部47と同じ高さに位置している。そして、傾斜部48における車両後側の端部は、第1蒸発器20Aの流入口22に対向しており、第1蒸発器20Aの流入口22と同じ高さに位置している。
図1に示すように、接続配管50は、液相連結配管45の分配用配管46と各蒸発器20の流入口22とを接続している。第1実施形態においては、第1蒸発器20Aに対する接続配管50の構成と、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対する接続配管50の構成とが相違している。
図1、図3に示すように、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対する接続配管50は、水平接続部51と、鉛直部52とによって構成されている。この場合の水平接続部51は、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dの流入口22から車両左右方向へ水平に伸びている。そして、鉛直部52は、分配用配管46の下部から重力方向下方に伸びており、水平接続部51の端部に接続されている。
そして、第1蒸発器20Aに対する接続配管50は、水平接続部51によって構成されている。図4に示すように、この場合の接続配管50は、第1蒸発器20Aの流入口22から車両左右方向へ水平に伸び、当該流入口22に対向するように配置された分配用配管46の側面に接続されている。
従って、第1実施形態に係る温度調整装置1において、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを供給する分配用配管46の傾斜部48は、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対して液相冷媒RLを供給する為の分配用配管46の水平部47よりも重力方向下方側に位置する。
又、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対する接続配管50は、水平接続部51及び鉛直部52を有しており、第1蒸発器20Aに対する接続配管50は、水平接続部51にて構成されている。この為、第1蒸発器20Aの接続配管50は、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dの接続配管50よりも重力方向下方側に位置している。
ここで、流体循環回路10に対する冷媒の充填量は、各蒸発器20の本体部21の内部における冷媒の液面位置FLが適正液面となるように設定される。具体的には、各蒸発器20の本体部21の内部における冷媒の液面位置が、予め定められた目標液面となるように流体循環回路10の内部に冷媒が充填される。
そして、液相連結配管45は、各蒸発器20における本体部21の内部における目標液面以上の高さになるように配置されている。従って、当該温度調整装置1は、図1に示す状態において、各蒸発器20における液面位置FLに対応して、各接続配管50の内部に一定の量液相冷媒を貯留した状態になる。
図1に示すように、第1実施形態に係る温度調整装置1には、仮想線VLと、基準線SLが定められている。当該仮想線VLは、第1蒸発器20Aにおける流入口22の最上部と、凝縮器30における流体出口32の最上部とを結んだ直線によって構成されている。そして、基準線SLは、第1蒸発器20Aにおける流入口22の最上部と、凝縮器30における流体入口31の最上部とを結んだ直線によって構成されている。
次に、組電池BPを冷却する場合における温度調整装置1の作動について、詳細に説明する。尚、この説明においては、温度調整装置1は、図1に示すように、複数の蒸発器20が車両の前後方向に沿って水平に配置された通常状態であるものとする。
当該温度調整装置1において、組電池BPの自己発熱によって組電池BPの温度が上昇していくと、各蒸発器20の本体部21内部において、液相冷媒RLの一部が組電池BPからの熱によって蒸発する。この時、組電池BPは、各蒸発器20における液相冷媒RLの蒸発潜熱によって冷却され、組電池BPの温度は低下する。
各蒸発器20の内部において、冷媒は液相から気相へ相変化する為、その比重は小さくなる。従って、各蒸発器20にて蒸発した気相冷媒RGは、本体部21の内部を上方へ向かって移動して、流出口23から気相流路部35の気相側接続配管37に流出する。流出した気相冷媒RGは、気相連結配管36にて集合し、気相流路部35を介して、凝縮器30へ流入する。
そして、凝縮器30では、気相冷媒RGの熱が他の熱媒体(例えば、車室外の空気)に放熱される。これにより、凝縮器30の内部において、気相冷媒RGが凝縮し、液相冷媒RLとなる。この相変化によって冷媒の比重が増大する為、凝縮器30の内部で凝縮した液相冷媒RLは、その自重によって、凝縮器30の流体出口32から重力方向下方側へ流出する。
凝縮器30から流出した液相冷媒RLは、液相流路部40の流出配管41を介して、液相連結配管45に到達する。液相連結配管45の内部の液相冷媒RLは、複数の接続配管50を介して、各蒸発器20における流入口22へ移動し、各蒸発器20における本体部21の内部に流入する。蒸発器20内部の液相冷媒は、組電池BPの温度が冷媒の沸点よりも高い場合には、組電池BPからの熱によって蒸発する。
このように組電池BPの冷却時には、冷媒が気相状態と液相状態とに相変化しながら各蒸発器20と凝縮器30の間を循環することで、各蒸発器20から凝縮器30に熱を輸送することができる。そして、凝縮器30では、輸送された冷媒の熱を他の熱媒体へ放熱することができる。
即ち、当該温度調整装置1は、各蒸発器20で吸熱した組電池BPの熱を、作動流体である冷媒を介して、凝縮器30で他の熱媒体に放熱することができるので、組電池BPを冷却することができる。
続いて、温度調整装置1が上り傾斜状態にある場合における作動について説明する。ここで、上り傾斜状態とは、複数の蒸発器20について、車両前方側に位置する蒸発器20である程、重力方向上方に位置する状態を示している。
この上り傾斜状態は、例えば、当該温度調整装置1が搭載された車両が上り坂を上っている場合等に発生する。この時、温度調整装置1では、第4蒸発器20Dが最も高い位置に位置し、第1蒸発器20Aが最も低い位置に位置する状態である。
上り傾斜状態において、組電池BPを冷却する場合の温度調整装置1の動作について説明する。上り傾斜状態において、組電池BPの自己発熱によって組電池BPの温度が上昇していくと、液相冷媒の一部が組電池BPからの熱によって蒸発して、組電池BPが冷却される。
上り傾斜状態において、各蒸発器20から流出した気相冷媒は、気相流路部35の内部を凝縮器30の流体入口31へ向かって流れる。この時、上り傾斜状態においても、凝縮器30は、温度調整装置1における重力方向上方に位置している為、気相冷媒RGは、気相流路部35にて滞ることなく、凝縮器30に流入する。
凝縮器30では、気相冷媒の熱が車室外の空気に放熱され、気相冷媒RGが凝縮して液相冷媒RLとなる。凝縮した液相冷媒は、その自重によって、凝縮器30の流体出口32から重力方向下方側へ流出する。
凝縮器30から流出した液相冷媒は、液相流路部40の流出配管41を介して、液相連結配管45の分配用配管46に流入する。ここで、上り傾斜状態においては、分配用配管46は、温度調整装置1の姿勢に準じて、車両前方側ほど重力方向上方に位置するように傾斜する。つまり、分配用配管46を構成する水平部47及び傾斜部48の何れについても、車両前方側ほど上方に位置している。
この為、上り傾斜状態においては、分配用配管46に流入した液相冷媒RLは、その自重に従って、車両前方側から後方に向かって流れ、第1蒸発器20A〜第4蒸発器20Dに接続された各接続配管50に配分される。
これにより、当該温度調整装置1は、上り傾斜状態においても、各蒸発器20の内部に、十分な液相冷媒を供給することができ、液相冷媒の蒸発潜熱による組電池BPの冷却を安定して行うことができる。即ち、当該温度調整装置1は、上り傾斜状態においても、第1蒸発器20A〜第4蒸発器20Dにおける組電池BPの冷却性能のばらつきを抑え、組電池BPの入出力特性の低下を抑制することができる。
次に、当該温度調整装置が下り傾斜状態にある場合における作動について、図5等を参照しつつ説明する。下り傾斜状態とは、複数の蒸発器20について、車両前方側に位置する蒸発器20である程、重力方向下方に位置する状態を示している。
この下り傾斜状態は、例えば、当該温度調整装置1が搭載された車両が下り坂を下っている場合等に発生し、凝縮器30が重力方向下方側に移動するように傾斜した状態に相当する。図5等に示すように、当該温度調整装置1では、第4蒸発器20Dが最も低い位置に位置し、第1蒸発器20Aが最も高い位置に位置する状態である。
上述したように、当該温度調整装置1は、サーモサイフォン式で構成されている為、流体循環回路10における液相冷媒は、重力の影響を受けて、流体循環回路10の下部に集まってしまう。つまり、下り傾斜状態になった場合には、流体循環回路10の内部の液相冷媒RLは、車両前方の第4蒸発器20D側に集まってしまう。
又、当該温度調整装置1においては、凝縮器30で凝縮した液相冷媒RLの自重を利用して、流体循環回路10における冷媒を循環させている。この為、当該温度調整装置1では、下り傾斜状態に係る傾斜角度が大きくなると、最も上方に位置する液相連結配管45を液相冷媒RLが通過することができず、流体循環回路10における冷媒の循環が停止してしまうことが考えられる。この場合の傾斜角度を含めた下り傾斜状態を作動限界状態という。
更に、当該温度調整装置1によれば、下り傾斜状態に係る傾斜角度によっては、凝縮器30の内部に液相冷媒RLが満たされた状態になることが考えられる。この場合、凝縮器30の内部において、各蒸発器20から流入した気相冷媒RGと、車室外の空気が熱交換して凝縮する凝縮面積が減少することを意味する。
即ち、当該温度調整装置1は、下り傾斜状態に係る傾斜角度によっては、凝縮器30の凝縮性能が低下した状態で、組電池BPの冷却を行うことになり、温度調整装置1による組電池BPの冷却が十分に行うことができない可能性がある。この場合の傾斜角度を含めた下り傾斜状態を、組電池BPの適正な冷却作動の限界を示すものとして、適正作動限界状態という。
換言すると、サーモサイフォン式の温度調整装置によれば、下り傾斜状態における対象機器(例えば、組電池BP)の冷却は、液相流路部40の構成によって定められる傾斜の範囲内にて実行することができる。この範囲内の下り傾斜状態であれば、温度調整装置1は、上述した通常状態、上り傾斜状態と同様に作動する。
下り傾斜状態における作動限界状態の温度調整装置1に関して、図5、図6を参照しつつ比較例と比較して説明する。図5は、比較例に係る温度調整装置1の全体構成図で、比較例における作動限界状態を示している。
図5に示す比較例に係る温度調整装置1は、基本的に、第1実施形態に係る温度調整装置1と同様に構成されている。比較例に係る温度調整装置1と、第1実施形態に係る温度調整装置1との相違点は、第2蒸発器20Bよりも車両後方側における液相連結配管45の構成にある。図1等に示すように、第1実施形態に係る温度調整装置1では、第1蒸発器20Aと第2蒸発器20Bの間における分配用配管46を傾斜部48で構成している。
一方、図5に示す比較例に係る温度調整装置1では、第1蒸発器20Aと第2蒸発器20Bの間における分配用配管46を水平部47Aで構成している。図5にて破線で示すように、当該水平部47Aは、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20D側の水平部47Aを真っ直ぐに延長して構成されている。
そして、第1実施形態に係る温度調整装置1では、図4に示すように、第1蒸発器20Aに対する接続配管50は、水平接続部51によって構成されている。一方、比較例に係る温度調整装置1では、第1蒸発器20Aに対する接続配管50は、水平接続部51及び鉛直部52Aによって構成されている。
先ず、比較例に係る温度調整装置1の作動限界状態について、図5を参照しつつ説明する。上述したように、作動限界状態とは、温度調整装置1の下り傾斜状態において、最も上方に位置する液相連結配管45を液相冷媒RLが通過することができず、流体循環回路10における冷媒の循環が停止してしまう状態を意味する。
サーモサイフォン式の温度調整装置1は、凝縮器30で凝縮した液相冷媒RLの自重を利用して、流体循環回路10における冷媒を循環させている。この為、当該温度調整装置1では、液相冷媒RLの液面位置FLよりも高い位置に位置する液相連結配管45や蒸発器20に対して、液相冷媒RLを供給することはできない。
又、当該温度調整装置1では、凝縮器30にて、気相冷媒RGが凝縮して液相冷媒RLとなる為、最も上方となる液相冷媒RLの液面位置FLは、下り傾斜状態においても、凝縮器30の流体入口31を含む位置となる。
温度調整装置1が下り傾斜状態になった場合、複数の蒸発器20のうち最も上方に位置する蒸発器20は第1蒸発器20Aである。この時、液相流路部40の液相連結配管45に関しては、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位が最も上方に位置する。
ここで、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位は、液相連結配管45における第2蒸発器20Bよりも車両後方側に配置された部分であり、分配用配管46の水平部47Aと、接続配管50の水平接続部51及び鉛直部52Aによって構成されている。
水平部47Aは、第2蒸発器20Bと第1蒸発器20Aの間に位置しており、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dの右側に配置された水平部47と同じ高さになるように構成されている。そして、第1蒸発器20Aの流入口22に接続された接続配管50は、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dと同じ構成である。
従って、比較例に係る温度調整装置1の液相連結配管45において、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位は、水平状態であれば、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対して液相冷媒RLを流入させる部位と重力方向に関して同じ位置に位置する。
そして、下り傾斜状態における比較例の温度調整装置1にて、液相連結配管45における第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位が凝縮器30の流体入口31よりも上方に位置する場合、液相冷媒RLは、液相冷媒RLの液面位置FLの上方に位置する液相連結配管45を通過することができず、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを供給することができなくなってしまう。
従って、下り傾斜状態の温度調整装置1における作動限界状態とは、液相連結配管45における第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位と、凝縮器30の流体入口31とが同じ高さに位置する状態ということができる。
図5に示すように、比較例に係る温度調整装置1の作動限界状態は、分配用配管46の水平部47Aと接続配管50の鉛直部52Aとの接続部分が、凝縮器30の流体入口31と同じ高さにある状態となる。
次に、第1実施形態に係る温度調整装置1の作動限界状態について、図6を参照しつつ説明する。第1実施形態に係る温度調整装置1においても、下り傾斜状態の液相連結配管45に関しては、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位が最も上方に位置する。この場合、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位は、分配用配管46の傾斜部48と、接続配管50の水平接続部51とによって構成されている。
従って、第1実施形態に係る温度調整装置1において、下り傾斜状態における作動限界状態とは、図6に示すように、分配用配管46の傾斜部48と接続配管50の水平接続部51との接続部分が、凝縮器30の流体入口31と同じ高さにある状態となる。言い換えると、第1実施形態における作動限界状態は、温度調整装置1に定められた基準線SLが凝縮器30の流体入口31を含む液面位置FLに一致した状態ということができる。
第1実施形態に係る温度調整装置1の分配用配管46において、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを供給する傾斜部48は、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対して液相冷媒RLを供給する水平部47よりも重力方向下方に位置している。
又、第1蒸発器20Aに対する接続配管50は、水平接続部51にて構成されており、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対する接続配管50は、水平接続部51及び鉛直部52にて構成されている。
つまり、第1実施形態に係る温度調整装置1の液相連結配管45において、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位は、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対して液相冷媒RLを流入させる部位よりも重力方向下方に位置している。
図5、図6に示すように、第1実施形態にて第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位は、比較例にて第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位よりも重力方向下方に位置する。この為、第1実施形態に係る温度調整装置1は、比較例に係る温度調整装置1に比べ、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位の高低差に応じて、下り傾斜状態における作動限界状態となるまでの傾斜角度を大きくすることができる。
又、図1、図6に示すように、当該温度調整装置1の液相連結配管45は、基準線SLよりも重力方向下方に位置している。従って、基準線SLが液相冷媒RLの液面位置FLと一致するような下り傾斜状態になった場合であっても、液相連結配管45のうち第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位は、凝縮器30の流体入口31と同じ高さに位置する。
第1実施形態に係る温度調整装置1によれば、下り傾斜状態において基準線SLが液面位置FLに一致する状態になった場合でも、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを供給することができる。これにより、当該温度調整装置1は、図6に示す下り傾斜状態においても、複数の蒸発器20を用いた組電池BPの均温化を図ることができる。
続いて、比較例に係る温度調整装置1の適正作動限界状態について、図7を参照しつつ説明する。適正作動限界状態とは、温度調整装置1の下り傾斜状態において、凝縮器30の凝縮性能を充分に維持しつつ、複数の蒸発器20による組電池BPの冷却を実行できる状態を意味する。
上述したように、下り傾斜状態になった場合、流体循環回路10における液相冷媒は、重力の影響を受けて、流体循環回路10の下部に集まる為、凝縮器30の内部に液相冷媒RLが満たされた状態になることが考えられる。この場合、凝縮器30の内部において、各蒸発器20から流入した気相冷媒RGと、車室外の空気が熱交換して凝縮する凝縮面積が減少し、凝縮器30の凝縮性能が低下してしまう。
凝縮器30の凝縮性能を維持する為には、凝縮器30の内部が液相冷媒RLで満たされていない状態を想定する必要がある。従って、凝縮器30の下方に配置された流体出口32の上部に、液相冷媒RLの液面位置FLが位置する状態であれば、下り傾斜状態であっても、凝縮器30の凝縮性能を維持することができる。
そして、当該温度調整装置1が下り傾斜状態になった場合、液相流路部40の液相連結配管45に関しては、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位が最も上方に位置する。
図7に示すように、比較例に係る温度調整装置1にて、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる液相連結配管45の部位は、分配用配管46の水平部47Aと、接続配管50の水平接続部51及び鉛直部52Aによって構成されている。
そして、下り傾斜状態における比較例の温度調整装置1にて、液相連結配管45における第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位が凝縮器30の流体出口32よりも上方に位置する場合、液相冷媒RLの液面位置FLが上昇してしまう。この結果、凝縮器30の内部が液相冷媒RLで満たされた状態になり、凝縮器30の凝縮性能が低下することになる。
つまり、下り傾斜状態の温度調整装置1における適正作動限界状態とは、液相連結配管45における第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位と、凝縮器30の流体出口32とが同じ高さに位置する状態ということができる。
図7に示すように、比較例に係る温度調整装置1の作動限界状態は、分配用配管46の水平部47Aと接続配管50の鉛直部52Aとの接続部分が、凝縮器30の流体出口32と同じ高さにある状態となる。
次に、第1実施形態に係る温度調整装置1の適正作動限界状態について、図8を参照しつつ説明する。第1実施形態に係る温度調整装置1においても、下り傾斜状態の液相連結配管45に関しては、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位が最も上方に位置する。この場合、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位は、分配用配管46の傾斜部48と、接続配管50の水平接続部51とによって構成されている。
図8に示すように、第1実施形態に係る温度調整装置1において、下り傾斜状態における適正作動限界状態とは、分配用配管46の傾斜部48と接続配管50の水平接続部51との接続部分が、凝縮器30の流体出口32と同じ高さにある状態となる。換言すると、第1実施形態における作動限界状態は、温度調整装置1に定められた仮想線VLが凝縮器30の流体出口32を含む液面位置FLに一致した状態ということができる。
そして、第1実施形態に係る温度調整装置1の液相連結配管45において、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位は、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対して液相冷媒RLを流入させる部位よりも重力方向下方に位置している。
図7、図8に示すように、第1実施形態にて第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位は、比較例にて第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位よりも重力方向下方に位置する。
この為、第1実施形態に係る温度調整装置1は、比較例に係る温度調整装置1に比べ、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位の高低差に応じて、ヘッドを確保しておくことができ、下り傾斜状態における適正作動限界状態となるまでの傾斜角度を大きくすることができる。
又、図1、図8に示すように、当該温度調整装置1の液相連結配管45は、仮想線VLよりも重力方向下方に位置している。従って、仮想線VLが液相冷媒RLの液面位置FLと一致するような下り傾斜状態になった場合であっても、液相連結配管45のうち第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位は、凝縮器30の流体出口32と同じ高さに位置する。
第1実施形態に係る温度調整装置1によれば、下り傾斜状態において仮想線VLが液面位置FLに一致する状態になった場合でも、凝縮器30の凝縮性能を維持したまま、複数の蒸発器20を用いた組電池BPの冷却を行うことができ、各組電池BPの均温化を図ることができる。
そして、第1実施形態に係る温度調整装置1においては、図4に示すように、第1蒸発器20Aに対する接続配管50は、水平接続部51によって構成されており、第1蒸発器20Aの流入口22と同じ高さで分配用配管46に接続されている。第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対する接続配管50は、水平接続部51及び鉛直部52にて構成されており、流入口22の上方に位置する分配用配管46と各流入口22を接続している。
従って、第1実施形態に係る温度調整装置1によれば、液相連結配管45をこのように構成することで、下り傾斜状態において、作動限界状態に対する傾斜角度、適正作動限界状態に対する傾斜角度の何れについても大きくすることができ、より急な傾斜角度であっても、組電池BPを均等に冷却することができる。
以上説明したように、第1実施形態に係る温度調整装置1は、複数の蒸発器20と、凝縮器30と、気相流路部35と、液相流路部40とを有しており、複数の蒸発器20にて冷媒を蒸発させ、凝縮器30にて冷媒を凝縮させることで、作動流体としての冷媒の液相と気相との相変化により組電池BPの温度を調整することができる。
そして、当該温度調整装置1の液相連結配管45において、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位の高さは、複数の蒸発器20における他の蒸発器20(即ち、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20D)に対して液相冷媒RLを流入させる部位よりも低く配置されている。
これにより、当該温度調整装置1によれば、凝縮器30が重力方向下方側に移動するような下り傾斜状態においても、流体循環回路10の内部における液相冷媒RLを適正に循環させることができ、より大きく傾斜した場合であっても、複数の蒸発器20に対して液相冷媒RLを確実に供給することができる。
即ち、当該温度調整装置1によれば、凝縮器30が重力方向下方側に移動するように大きく傾斜した下り傾斜状態の場合にも対応して、複数の蒸発器20における冷却性能の均一化を図ることができる。
図1等に示すように、当該温度調整装置1の液相流路部40のうち、第1蒸発器20Aの流入口22よりも配列方向における凝縮器30の側に位置する部分(即ち、第1蒸発器20Aの流入口22よりも車両前方側に位置する部分)は、仮想線VLよりも重力方向下方に配置されている。
従って、図6、図8に示すように、当該温度調整装置1によれば、凝縮器30が重力方向下方側に移動するように大きく傾斜した場合であっても、液相流路部40におけるヘッドを確保することができる。即ち、当該温度調整装置1は、液相流路部40の内部における液相冷媒RLを適正に循環させることができ、複数の蒸発器20に対して液相冷媒RLを確実に供給することができる。
又、図8に示すように、この場合、凝縮器30内部における液相冷媒RLの液面位置FLは、少なくとも流体出口32よりも下方に位置することになる。この為、このように傾斜した場合であっても、凝縮器30の凝縮面積を確保することができ、当該凝縮器30の凝縮性能を充分に維持することができる。
又、当該温度調整装置1の液相流路部40のうち、第1蒸発器20Aの流入口22よりも配列方向における凝縮器30の側に位置する部分(即ち、第1蒸発器20Aの流入口22よりも車両前方側に位置する部分)は、基準線SLよりも重力方向下方に配置されている。従って、当該温度調整装置1によれば、凝縮器30が重力方向下方側に移動するように大きく傾斜した下り傾斜状態であっても、液相流路部40にて最も高い部位よりも液相冷媒RLの液面位置FLを同じ高さ以上に位置させることができる。
この為、当該温度調整装置1は、凝縮器30が重力方向下方側に大きく移動するように傾斜した下り傾斜状態でも、液相流路部40の内部における液相冷媒RLを適正に循環させることができ、複数の蒸発器20に液相冷媒RLを確実に供給することができる。
又、当該温度調整装置1において、第1蒸発器20Aに対する接続配管50は、水平接続部51によって構成されており、第1蒸発器20Aの流入口22と同じ高さで分配用配管46に接続されている。そして、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対する接続配管50は、水平接続部51及び鉛直部52にて構成されており、流入口22の上方に位置する分配用配管46と各流入口22を接続している。
従って、当該温度調整装置1は、液相連結配管45をこのように構成することで、下り傾斜状態において、作動限界状態に対する傾斜角度、適正作動限界状態に対する傾斜角度の何れについても大きくすることができ、より急な傾斜角度であっても、組電池BPを均等に冷却することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る温度調整装置1について、図9を参照しつつ説明する。第2実施形態に係る温度調整装置1は、上述した第1実施形態に対して、液相連結配管45における分配用配管46の構成を変更したものである。
具体的には、第2実施形態では、第1蒸発器20Aと第2蒸発器20Bの間における分配用配管46の構成が第1実施形態と相違している。従って、その他の構成については、上述した各実施形態と同様である為、その説明を省略する。
図9に示すように、第2実施形態に係る温度調整装置1において、分配用配管46の水平部47は、第4蒸発器20Dから、第2蒸発器20Bと第1蒸発器20Aの間となる位置まで伸びている。そして、分配用配管46の傾斜部48は、第2蒸発器20Bと第1蒸発器20Aの間に位置する水平部47の後端部から伸びている。
つまり、第2実施形態においては、分配用配管46の傾斜部48が第1実施形態よりも短くなるように構成されている。図9に示すように、第2実施形態に係る温度調整装置1においても、液相連結配管45は、基準線SL及び仮想線VLよりも重力方向下方側に配置されている。
従って、第2実施形態に係る温度調整装置1は、下り傾斜状態において、より大きな傾斜角度に対応することが可能となり、凝縮器30の凝縮性能を維持しつつ、複数の蒸発器20の全てに対して液相冷媒RLを供給することができる。この点については、上述した実施形態と同様である。
以上説明したように、第2実施形態に係る温度調整装置1によれば、分配用配管46における傾斜部48を短く構成した場合であっても、第1実施形態と共通の構成及び作動から奏される作用効果を、第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態に係る温度調整装置1について、図10を参照しつつ説明する。第3実施形態は、上述した第1実施形態に対して、液相連結配管45の構成を変更したものである。その他の構成については、上述した各実施形態と同様である為、その説明を省略し、相違点について詳細に説明する。
図10に示すように、第3実施形態に係る温度調整装置1において、分配用配管46の水平部47は、第4蒸発器20Dから第3蒸発器20Cまで伸びている。そして、第3実施形態に係る傾斜部48は、第3蒸発器20Cの車両後方側から第1蒸発器20Aまで、車両後方側ほど下方に位置するように傾斜して配置されている。
そして、第3実施形態において、第2蒸発器20Bに対する接続配管50は、第1実施形態と同様に、水平接続部51及び鉛直部52によって構成されている。この点、第3実施形態における鉛直部52は、第1実施形態における鉛直部52よりも短く形成されており、第2蒸発器20Bの流入口22とその上方に位置する傾斜部48との高低差に応じた長さになっている。
従って、第3実施形態に係る温度調整装置1は、下り傾斜状態において、より大きな傾斜角度に対応することが可能となり、凝縮器30の凝縮性能を維持しつつ、複数の蒸発器20の全てに対して液相冷媒RLを供給することができる。この点については、上述した実施形態と同様である。
以上説明したように、第3実施形態に係る温度調整装置1によれば、分配用配管46における傾斜部48を長く構成した場合であっても、第1実施形態と共通の構成及び作動から奏される作用効果を、第1実施形態と同様に得ることができる。
又、傾斜部48の途中に接続配管50を配置した構成にした場合であっても、第1実施形態と共通の構成及び作動から奏される作用効果を、第1実施形態と同様に得ることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る温度調整装置1について、図11を参照しつつ説明する。第4実施形態に係る温度調整装置1は、上述した第1実施形態に対して、第1蒸発器20A〜第4蒸発器20Dにおける流入口22の位置及び、各流入口22に接続される接続配管50の構成を変更したものである。
具体的には、第1実施形態において、各蒸発器20の流入口22は、本体部21の下側部分に配置されていたが、第4実施形態における流入口22は、第1実施形態における流入口22よりも高く、且つ、分配用配管46よりも低い位置に配置されている。第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対する接続配管50において、鉛直部52は、第1実施形態よりも短く形成されている。
図11に示すように、このように構成した場合であっても、液相連結配管45において、第1蒸発器20Aに液相冷媒RLを流入させる部位は、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対して液相冷媒RLを流入させる部位よりも低く配置されている。液相連結配管45は、基準線SL及び仮想線VLよりも重力方向下方に位置している。
従って、第4実施形態に係る温度調整装置1は、下り傾斜状態において、より大きな傾斜角度に対応することが可能となり、凝縮器30の凝縮性能を維持しつつ、複数の蒸発器20の全てに対して液相冷媒RLを供給することができる。この点については、上述した実施形態と同様である。
以上説明したように、第4実施形態に係る温度調整装置1によれば、各蒸発器20における流入口22の位置を全体的に変更した場合であっても、第1実施形態と共通の構成及び作動から奏される作用効果を、第1実施形態と同様に得ることができる。
(第5実施形態)
続いて、第5実施形態に係る温度調整装置1について、図12、図13を参照しつつ説明する。第5実施形態は、第1実施形態に対して、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dにおける流入口22の位置、及び、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対する接続配管50の構成を変更したものである。従って、その他の構成については、上述した実施形態と同様である為、その説明を省略する。
図12に示すように、第5実施形態に係る温度調整装置1において、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dにおける流入口22は、その側方に配置された分配用配管46の水平部47と同じ高さとなるように配置されている。
そして、第5実施形態においても、第1蒸発器20Aの流入口22は、第1実施形態と同様に、本体部21の下側部分に配置されている。従って、第5実施形態では、第1蒸発器20Aの流入口22は、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dの流入口22よりも重力方向下方側に位置している。
第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対する接続配管50は、水平接続部51によって構成されている。図13に示すように、第2蒸発器20Bの流入口22と分配用配管46の水平部47は同じ高さに配置されている為、当該水平接続部51は、第2蒸発器20Bの流入口22と、分配用配管46における水平部47の側面を直管にて接続している。尚、第3蒸発器20C及び第4蒸発器20Dにおける接続配管50の構成は、第2蒸発器20Bと同じであり、図13と同様に構成されている。
又、第5実施形態における第1蒸発器20Aの接続配管50は、第1実施形態と同様であり、図4と同様に構成されている。即ち、当該第1蒸発器20Aの接続配管50は、水平接続部51によって構成されており、第1蒸発器20Aの流入口22と、傾斜部48の後端部を接続している。
図12に示すように、第1蒸発器20Aの流入口22は、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dの流入口22のそれぞれよりも重力方向下方側に配置されている。そして、第1蒸発器20Aの流入口22と、第1蒸発器20Aに対する接続配管50の水平接続部51は、同じ高さに配置されている。
従って、第5実施形態に係る温度調整装置1において、液相連結配管45のうち、第1蒸発器20Aに液相冷媒RLを流入させる部位は、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対して液相冷媒RLを流入させる部位よりも重力方向下方側に位置している。又、図12に示すように、第5実施形態における液相連結配管45は、基準線SLよりも重力方向下方に配置されている。
第5実施形態に係る温度調整装置1によれば、第1実施形態と同様に、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位の高低差に応じて、下り傾斜状態における作動限界状態となるまでの傾斜角度を大きくすることができる。これにより、当該温度調整装置1は、下り傾斜状態においても、複数の蒸発器20を用いた組電池BPの均温化を図ることができる。
そして、第5実施形態に係る温度調整装置1は、第1実施形態と同様に、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位の高低差に応じて、ヘッドを確保しておくことができ、下り傾斜状態における適正作動限界状態となるまでの傾斜角度を大きくすることができる。
第5実施形態に係る温度調整装置1によれば、下り傾斜状態において仮想線VLが液面位置FLに一致する状態になった場合でも、凝縮器30の凝縮性能を維持したまま、複数の蒸発器20を用いた組電池BPの冷却を行うことができ、各組電池BPの均温化を図ることができる。
以上説明したように、第5実施形態に係る温度調整装置1によれば、上述した実施形態と共通の構成及び作動から奏される作用効果を、上述した実施形態と同様に得ることができる。
つまり、第5実施形態に係る温度調整装置1によれば、凝縮器30が重力方向下方側に移動するような下り傾斜状態においても、流体循環回路10の内部における液相冷媒RLを適正に循環させることができ、より大きく傾斜した場合であっても、複数の蒸発器20に対して液相冷媒RLを確実に供給することができる。
即ち、当該温度調整装置1によれば、凝縮器30が重力方向下方側に移動するように大きく傾斜した下り傾斜状態の場合にも対応して、複数の蒸発器20における冷却性能の均一化を図ることができる。
図12に示すように、当該温度調整装置1の液相流路部40のうち、第1蒸発器20Aの流入口22よりも配列方向における凝縮器30の側に位置する部分(即ち、第1蒸発器20Aの流入口22よりも車両前方側に位置する部分)は、仮想線VLよりも重力方向下方に配置されている。
従って、当該温度調整装置1によれば、凝縮器30が重力方向下方側に移動するように大きく傾斜した場合であっても、液相流路部40におけるヘッドを確保して、複数の蒸発器20に対して液相冷媒RLを適正に供給することができる。
この場合、凝縮器30内部における液相冷媒RLの液面位置FLは、少なくとも流体出口32よりも下方に位置することになる。この為、凝縮器30の凝縮面積を確保することができ、当該凝縮器30の凝縮性能を充分に維持することができる。
又、当該温度調整装置1の液相流路部40のうち、第1蒸発器20Aの流入口22よりも配列方向における凝縮器30の側に位置する部分(即ち、第1蒸発器20Aの流入口22よりも車両前方側に位置する部分)は、基準線SLよりも重力方向下方に配置されている。
この為、当該温度調整装置1は、凝縮器30が重力方向下方側に大きく移動するように傾斜した下り傾斜状態でも、液相流路部40の内部における液相冷媒RLを適正に循環させることができ、複数の蒸発器20に液相冷媒RLを確実に供給することができる。
又、当該温度調整装置1において、第1蒸発器20Aに対する接続配管50は、水平接続部51によって構成されており、第1蒸発器20Aの流入口22と同じ高さで分配用配管46に接続されている。そして、第1蒸発器20Aの流入口22は、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dの流入口22よりも、重力方向下方側に配置されている。
従って、当該温度調整装置1は、液相連結配管45をこのように構成することで、下り傾斜状態において、作動限界状態に対する傾斜角度、適正作動限界状態に対する傾斜角度の何れについても大きくすることができ、より急な傾斜角度であっても、組電池BPを均等に冷却することができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態に係る温度調整装置1について、図14を参照しつつ説明する。第6実施形態は、上述した第5実施形態に対して、第2蒸発器20Bにおける流入口22の配置及び、分配用配管46の構成を変更したものである。その他の構成については、上述した各実施形態と同様である為、その説明を省略する。
図14に示すように、第6実施形態に係る温度調整装置1において、分配用配管46の傾斜部48は、第3蒸発器20Cの車両後方側から第1蒸発器20Aの流入口22に向かって伸びており車両後方側ほど下方に位置するように傾斜して配置されている。つまり、第6実施形態の傾斜部48は、第5実施形態の傾斜部48よりも長く形成されている。
そして、第6実施形態において、第2蒸発器20Bの流入口22は、第1蒸発器20Aの流入口22よりも上方で、第3蒸発器20C、第4蒸発器20Dの流入口22よりも下方に位置するように配置される。第2蒸発器20Bの流入口22は、分配用配管46の傾斜部48の側方に位置するように配置される。
これにより、第6実施形態に係る温度調整装置1は、下り傾斜状態において、より大きな傾斜角度に対応することが可能となり、凝縮器30の凝縮性能を維持しつつ、複数の蒸発器20の全てに対して液相冷媒RLを供給することができる。この点については、上述した実施形態と同様である。
以上説明したように、第6実施形態に係る温度調整装置1によれば、分配用配管46における傾斜部48の長さを変更した場合であっても、第5実施形態と共通の構成及び作動から奏される作用効果を、第5実施形態と同様に得ることができる。又、傾斜部48の途中に接続配管50を配置した構成とした場合であっても、第5実施形態と共通の構成及び作動から奏される作用効果を、第1実施形態と同様に得ることができる。
尚、分配用配管46における傾斜部48を短く構成した場合についても、温度調整装置は、第5実施形態と共通の構成及び作動から奏される作用効果を、第5実施形態と同様に得ることができる。
(第7実施形態)
続いて、第7実施形態に係る温度調整装置1について、図15を参照しつつ説明する。第7実施形態は、上述した第5実施形態に対して、第1蒸発器20Aにおける流入口22の配置及び、分配用配管46における傾斜部48の構成を変更したものである。従って、その他の構成については、上述した各実施形態と同様である為、その説明を省略する。
図15に示すように、第7実施形態に係る温度調整装置1において、第1蒸発器20Aの流入口22は、第5実施形態における第1蒸発器20Aの流入口22よりも高い位置に配置されている。
具体的には、第7実施形態における第1蒸発器20Aの流入口22は、本体部21の下側部分よりも上方であって、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dにおける流入口22の位置(即ち、分配用配管46の水平部47と同じ高さ)よりも下方に配置されている。
そして、第7実施形態においては、第1蒸発器20Aの流入口22が、第5実施形態よりも上方に位置している。この為、第7実施形態に係る分配用配管46の傾斜部48は、第5実施形態よりも緩やかな傾斜を示す。
これにより、第7実施形態に係る温度調整装置1は、下り傾斜状態において、より大きな傾斜角度に対応することが可能となり、凝縮器30の凝縮性能を維持しつつ、複数の蒸発器20の全てに対して液相冷媒RLを供給することができる。この点については、上述した第5実施形態と同様である。
以上説明したように、第7実施形態に係る温度調整装置1によれば、蒸発器20における流入口22の位置を変更した場合であっても、上述した第5実施形態と共通の構成及び作動から奏される作用効果を、上述した第5実施形態と同様に得ることができる。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態に係る温度調整装置1について、図16を参照しつつ説明する。第8実施形態は、上述した実施形態に対し、分配用配管46の構成を変更したものである。その他の構成については、上述した実施形態と同様である為、その説明を省略する。
図16に示すように、第8実施形態に係る温度調整装置1において、液相連結配管45の分配用配管46は、各蒸発器20の下側部分に沿って伸びている。当該分配用配管46は、車両前後方向における各蒸発器20の間となる位置に、複数の段差部49を有している。
段差部49は、高段側配管49Aと低段側配管49Bとを上下方向に伸びる冷媒配管で接続し、段状に構成されている。低段側配管49Bは、各蒸発器20の下側部分と同じ高さに配置された分配用配管46である。高段側配管49Aは、分配用配管46における液相冷媒RLの流れに関して、低段側配管49Bの上流側(即ち、車両前方側)に位置しており、低段側配管49Bよりも重力方向上方側に配置されている。
そして、第8実施形態に係る段差部49は、各蒸発器20の間となる位置において、各蒸発器20の下側部分と同じ高さの分配用配管46から、高段側配管49Aを通過して、低段側配管49Bへ至るように、凸状に形成されている。
図16に示すように、第2蒸発器20Bと第1蒸発器20Aの間において、段差部49は、車両前方側に配置された第2蒸発器20Bの側に偏って配置されている。即ち、段差部49を構成する低段側配管49Bが、第1蒸発器20Aと第2蒸発器20Bの間における中間位置よりも車両前方側に配置されている。
同様に、第3蒸発器20Cと第2蒸発器20Bの間では、段差部49は、第3蒸発器20Cの側に偏って配置されており、第4蒸発器20Dと第3蒸発器20Cの間において、段差部49は、第4蒸発器20Dの側に偏って配置されている。
そして、第8実施形態において、第1蒸発器20A〜第4蒸発器20Dにおける流入口22は、何れも本体部21の下側部分に配置されている。又、第1蒸発器20A〜第4蒸発器20Dに対する接続配管50は、何れも水平接続部51によって構成されている。
ここで、当該温度調整装置1が下り傾斜状態となった場合、液相流路部40の液相連結配管45の車両後方側(つまり、第1蒸発器20Aの側)である程、上方に位置することになる。段差部49が液相連結配管45における車両後方側に位置している程、段差部49の高段側配管49Aが、液相冷媒RLの液面位置FLよりも上方に位置してしまう可能性が高くなる。
従って、当該温度調整装置1では、下り傾斜状態において、第1蒸発器20Aと第2蒸発器20Bの間における段差部49の高段側配管49Aに起因して、より小さな傾斜角度で、作動限界状態や適正作動限界状態となることが想定される。
この点、第8実施形態に係る温度調整装置1において、第1蒸発器20Aと第2蒸発器20Bの間の段差部49は、液相連結配管45の分配用配管46にて第2蒸発器20Bの側に偏って配置されている。
即ち、当該段差部49は、第1蒸発器20Aから車両前方側へ離れた位置に位置している。この為、当該温度調整装置1が下り傾斜状態になった場合であっても、段差部49の高段側配管49Aが液相冷媒RLの液面位置FLよりも高くなることを抑制できる。
第8実施形態に係る温度調整装置1によれば、第1蒸発器20Aと第2蒸発器20Bの間における分配用配管46にて、段差部49を第2蒸発器20Bの側に偏って配置することで、下り傾斜状態における作動限界状態及び適正作動限界状態となるまでの傾斜角度を大きくすることができる。
図16に示すように、当該温度調整装置1において、液相連結配管45は、基準線SL及び仮想線VLに対して、重力方向下方に配置されている。従って、下り傾斜状態において基準線SLが液面位置FLに一致する状態になった場合でも、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを供給することができる。これにより、当該温度調整装置1は、下り傾斜状態においても、複数の蒸発器20を用いた組電池BPの均温化を図ることができる。
又、当該温度調整装置1によれば、下り傾斜状態において仮想線VLが液面位置FLに一致する状態になった場合でも、凝縮器30の凝縮性能を維持したまま、複数の蒸発器20を用いた組電池BPの冷却を行うことができる。
図16に示すように、第1蒸発器20Aの流入口22と、第1蒸発器20Aに対する接続配管50は、同じ高さで接続されている。この為、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位を、段差部49の高段側配管49Aよりも低くすることができる。
従って、第8実施形態に係る温度調整装置1は、下り傾斜状態において、より大きな傾斜角度に対応することが可能となり、凝縮器30の凝縮性能を維持しつつ、複数の蒸発器20の全てに対して液相冷媒RLを供給することができる。
以上説明したように、第8実施形態に係る温度調整装置1によれば、上述した実施形態と共通の構成及び作動から奏される作用効果を、上述した実施形態と同様に得ることができる。第8実施形態に係る温度調整装置1において、第1蒸発器20Aと第2蒸発器20Bの間における分配用配管46にて、段差部49は第2蒸発器20Bの側に偏って配置されている。
これにより、当該温度調整装置1は、凝縮器30が重力方向下方側に移動するような下り傾斜状態においても、流体循環回路10の内部における液相冷媒RLを適正に循環させることができ、より大きく傾斜した場合であっても、複数の蒸発器20に対して液相冷媒RLを確実に供給することができる。
図16に示すように、当該温度調整装置1の液相流路部40のうち、第1蒸発器20Aの流入口22よりも配列方向における凝縮器30の側に位置する部分(即ち、第1蒸発器20Aの流入口22よりも車両前方側に位置する部分)は、仮想線VLよりも重力方向下方に配置されている。
従って、当該温度調整装置1によれば、凝縮器30が重力方向下方側に移動するように大きく傾斜した場合であっても、液相流路部40におけるヘッドを確保でき、複数の蒸発器20に対して液相冷媒RLを確実に供給することができる。
この場合、凝縮器30内部における液相冷媒RLの液面位置FLは、少なくとも流体出口32よりも下方に位置することになる。この為、凝縮器30の凝縮面積を確保することができ、当該凝縮器30の凝縮性能を充分に維持することができる。
当該温度調整装置1の液相流路部40のうち、第1蒸発器20Aの流入口22よりも配列方向における凝縮器30の側に位置する部分(即ち、第1蒸発器20Aの流入口22よりも車両前方側に位置する部分)は、基準線SLよりも重力方向下方に配置されている。
当該温度調整装置1によれば、凝縮器30が重力方向下方側に移動するように大きく傾斜した下り傾斜状態であっても、液相流路部40の内部における液相冷媒RLを適正に循環させることができ、複数の蒸発器20に液相冷媒RLを確実に供給することができる。
そして、当該温度調整装置1において、第1蒸発器20Aに対する接続配管50は、水平接続部51によって構成されており、第1蒸発器20Aの流入口22と同じ高さで分配用配管46に接続されている。
当該温度調整装置1は、液相連結配管45をこのように構成することで、下り傾斜状態において、作動限界状態に対する傾斜角度、適正作動限界状態に対する傾斜角度の何れについても大きくすることができ、より急な傾斜角度であっても、組電池BPを均等に冷却することができる。
(第9実施形態)
続いて、第9実施形態に係る温度調整装置1について、図17を参照しつつ説明する。第9実施形態は、上述した第8実施形態に対して、各蒸発器20における流入口22の位置、及び分配用配管46における段差部49の位置を変更したものである。従って、その他の構成については、上述した実施形態と同様である為、その説明を省略する。
図17に示すように、第9実施形態においては、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dにおける流入口22の配置が第8実施形態と相違している。第9実施形態に係る第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dの流入口22は、第8実施形態の位置よりも重力方向上方に位置している。
尚、第9実施形態に係る第1蒸発器20Aの流入口22は、第8実施形態と同様に、本体部21の下側部分に配置されている。従って、第9実施形態に係る温度調整装置1において、第1蒸発器20Aの流入口22は、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dの流入口22よりも重力方向下方に位置している。
そして、第9実施形態に係る温度調整装置1においては、段差部49が、分配用配管46にて複数の蒸発器20の間となる部分に配置されている。第9実施形態において、各段差部49は、第8実施形態の段差部49よりも車両前方側に位置している。
具体的には、第9実施形態において、段差部49の高段側配管49Aは、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dの流入口22にそれぞれ対向するように配置されており、接続配管50の水平接続部51によって、当該流入口22に対してそれぞれ接続されている。
各段差部49は、第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dの本体部21における車両後方側の側面に沿うように下方に曲がり、当該本体部21の下側部分にて低段側配管49Bを構成している。つまり、第9実施形態において、各段差部49は、車両前後方向に並んだ蒸発器20の間となる分配用配管46において、最も車両前方側に位置している。
具体的に、第1蒸発器20Aと第2蒸発器20Bの間における段差部49を例に挙げて説明する。この場合、車両前後方向に並んだ蒸発器20の間となる分配用配管46とは、分配用配管46のうち、第2蒸発器20Bに対する接続配管50の接続部分から、第1蒸発器20Aに対する接続配管50までの部分を意味する。
第1蒸発器20Aと第2蒸発器20Bの間において、段差部49は、その高段側配管49Aが第2蒸発器20Bの流入口22に対向するように配置されている。従って、この場合の段差部49は、分配用配管46における第1蒸発器20Aと第2蒸発器20Bの間にて、最も車両前方側(即ち、第2蒸発器20Bの側)に位置する。
この結果、第9実施形態に係る温度調整装置1によれば、下り傾斜状態において、より大きな傾斜角度に対応することが可能となり、凝縮器30の凝縮性能を維持しつつ、複数の蒸発器20の全てに対して液相冷媒RLを供給することができる。この点については、上述した第8実施形態と同様である。
以上説明したように、第9実施形態に係る温度調整装置1によれば、複数の蒸発器20の間の分配用配管46における段差部49の配置を変更した場合であっても、上述した第8実施形態と共通の構成及び作動から奏される作用効果を、上述した第8実施形態と同様に得ることができる。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態に係る温度調整装置1について、図18を参照しつつ説明する。第10実施形態は、上述した実施形態に対して、蒸発器20に対する組電池BPの配置を変更したものである。従って、その他の構成は上述した実施形態と同様である為、その説明を省略し、蒸発器20に対する組電池BPの配置に係る相違点について説明する。
図18に示すように、第10実施形態において、組電池BPは、組電池を構成する各電池セルBCの端子CTが重力方向上方側となるように配置されている。そして、当該組電池BPは、端子CTが配置された面に垂直な側面が、熱伝導シートを介して、蒸発器20の本体部21における電池接触面に接触している。
このように構成した場合であっても、組電池BPの自己発熱によって、蒸発器20における本体部21の内部にて、液相冷媒が蒸発する為、蒸発潜熱によって、組電池BPを冷却することができる。即ち、第10実施形態に係る温度調整装置1は、上述した各実施形態と同様の効果を発揮することができる。
(他の実施形態)
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではない。即ち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、上述した各実施形態を適宜組み合わせても良いし、上述した実施形態を種々変形することも可能である。
(1)上述した実施形態においては、温度調整装置1の流体循環回路10に、第1蒸発器20A〜第4蒸発器20Dという4つの蒸発器20を有する構成としていたが、この態様に限定されるものではない。温度調整装置1の流体循環回路を構成する蒸発器20の数は、2個以上であれば適宜変更することができる。
又、上述した実施形態においては、温度調整装置1を配列方向(即ち、車両前後方向)に沿って、複数の蒸発器20を一列に並べて構成していたが、この態様に限定されるものではない。複数の蒸発器20を列状に並べて構成された蒸発器の組を、配列方向に交差する方向(例えば、車両左右方向や車両上下方向)に並べて構成しても良い。
(2)上述した実施形態においては、図2等に示すように、蒸発器20における本体部21の右側面部に、流入口22と流出口23を配置していたが、この態様に限定されるものではない。
流入口22は、本体部21における重力方向下側部分であれば、本体部21の他の部分に配置することも可能である。同様に、本体部21における重力方向下側部分であれば、本体部21の他の部分に配置することも可能である。従って、蒸発器20において、流入口22と流出口23を、本体部21における異なる側面に配置することも可能である。
(3)又、上述した実施形態においては、凝縮器30として、流体循環回路10における気相冷媒の熱を車室外の空気に放熱する空気‐冷媒熱交換器を用いていたが、この態様に限定されるものではない。凝縮器30としては、流体循環回路10における気相冷媒の熱を放熱することができれば、種々の態様を採用できる。
例えば、凝縮器として、作動流体としての冷媒の熱を冷凍サイクルの低温低圧冷媒に放熱する冷媒―冷媒熱交換器を用いても良いし、他の機器を冷却する為の冷却水回路を循環する冷却水と熱交換する水−冷媒熱交換器を用いても良い。又、凝縮器として、通電により冷熱を発生させるペルチェ素子等の電子冷却装置と熱交換する熱交換器を用いることも可能である。
(4)そして、上述した実施形態においては、凝縮器30は、各蒸発器20よりも上方であって、車両前方側に配置されていたが、この配置態様に限定されるものではない。凝縮器30の配置は、上述した実施形態のように車両前方側に配置されていることが望ましいが、各蒸発器20よりも上方であればよい。蒸発器20よりも上方であれば、凝縮器30を、例えば、車両前後方向(即ち、配列方向)に関して、複数の蒸発器20よりも車両後方側に配置することも可能である。
凝縮器30が車両前方側に配置されていることが望ましい理由としては、上述した実施形態では、組電池BPの電力にて走行する車両に温度調整装置1を搭載している為、組電池BPの発熱量は、下り坂を下っている場合に代表される下り傾斜状態よりも、車両が上り坂を上っている場合に代表される上り傾斜状態となる方が大きくなる。その為、上り坂を上る際に、温度調整装置1による組電池BPの冷却をより確実に行う為、凝縮器30がより上方に移動する車両前方側に配置されていることが望ましい。
(5)又、上述した実施形態においては、流体循環回路10に関して、複数の蒸発器20に対して一つの凝縮器30を用いた構成であったが、この態様に限定されるものではない。複数の蒸発器20に対して2つ以上の凝縮器30を用いても良い。
この時、流体循環回路10において、2つ以上の凝縮器30を並列に接続して、複数の蒸発器20よりも車両前方側に配置してもよい。この場合、少なくとも1つの凝縮器30と、これに接続された液相流路部40に関して、各実施形態で説明した関係を満たしていれば良い。
(6)そして、上述した実施形態においては、温度調整の対象となる対象機器として、組電池BPを挙げているが、これに限定されるものではない。対象機器としては、機器の冷却や暖機が必要なものであれば良く、例えば、モータ、インバータ、充電器等を採用することも可能である。
(7)又、上述した実施形態においては、液相流路部40のうち、第1蒸発器20Aの流入口22よりも配列方向における凝縮器30の側(即ち、車両前方側)に位置する部分の構成が各実施形態で説明した関係を満たしていれば良い。即ち、下り傾斜状態に対応する為の構成として、液相流路部40において、配列方向にて凝縮器30の逆側(即ち、車両後方側)に位置する構成を加えることも可能である。
(8)上述した第1実施形態〜第7実施形態においては、第1蒸発器20Aの流入口22に接続される接続配管50を、水平接続部51にて構成していたが、この態様に限定されるものではない。第1蒸発器20Aに対する接続配管50を、水平接続部51及び鉛直部52で構成することも可能である。
この場合、第1蒸発器20Aに対する接続配管50の鉛直部52は、液相連結配管45のうち、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位(即ち、第2蒸発器20Bの流入口22よりも下流側にあたる分配用配管46及び接続配管50)の高さが第2蒸発器20B〜第4蒸発器20Dに対して液相冷媒RLを流入させる部位よりも低くなるように形成される。従って、このように構成した場合も、第1実施形態〜第7実施形態と同様の効果を発揮することができる。
尚、このように構成した場合、液相連結配管45のうち、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位の一部が仮想線VLや基準線SLよりも上方に位置するが、下り傾斜状態における液相冷媒RLの流れを完全に遮断する程ではない。
つまり、液相連結配管45のうち、第1蒸発器20Aに対して液相冷媒RLを流入させる部位の一部が仮想線VLや基準線SLよりも上方に位置する構成であっても、下り傾斜状態における液相冷媒RLの流れを確保することができれば、上述した実施形態と同様の効果を期待できる。
(9)そして、上述した第8実施形態及び第9実施形態では、液相連結配管45の分配用配管46において、各蒸発器20の間となる部分に段差部49を配置していたが、この態様に限定されるものではない。
分配用配管46において、少なくとも第1蒸発器20Aと第2蒸発器20Bの間となる部分に、段差部49が配置されていればよく、第2蒸発器20Bと第3蒸発器20Cの間など、他の蒸発器20の間にあたる部分に関して、段差部49を省略した構成を採用することができる。
1 温度調整装置
10 流体循環回路
20 蒸発器
20A 第1蒸発器
30 凝縮器
35 気相流路部
40 液相流路部
45 液相連結配管
50 接続配管
BP 組電池

Claims (7)

  1. 作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(BP)の温度を調整するサーモサイフォン式の温度調整装置(1)であって、
    予め定められた配列方向に並んで配置され、前記対象機器の冷却時に当該対象機器から吸熱して液相の作動流体を蒸発させる複数の蒸発器(20)と、
    前記複数の蒸発器に対し重力方向上方に配置され、前記対象機器の冷却時に前記蒸発器にて蒸発した気相の作動流体を凝縮させる凝縮器(30)と、
    前記複数の蒸発器で蒸発した気相の作動流体を前記凝縮器に導く気相流路部(35)と、
    前記複数の蒸発器における流入口(22)を連結する液相連結配管(45)を含み、前記凝縮器にて凝縮した液相の作動流体を前記複数の蒸発器に導く液相流路部(40)と、を有し、
    前記凝縮器が重力方向下方側に移動するように傾斜した際に、前記複数の蒸発器のうち最も重力方向上方側に位置する蒸発器を第1蒸発器(20A)とした場合に、
    前記液相連結配管において、前記第1蒸発器に対して液相の作動流体を流入させる部位の高さは、前記複数の蒸発器における他の蒸発器に対して液相の作動流体を流入させる部位よりも低く配置されている温度調整装置。
  2. 作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(BP)の温度を調整するサーモサイフォン式の温度調整装置(1)であって、
    予め定められた配列方向に並んで配置され、前記対象機器の冷却時に当該対象機器から吸熱して液相の作動流体を蒸発させる複数の蒸発器(20)と、
    前記複数の蒸発器に対し重力方向上方に配置され、前記対象機器の冷却時に前記蒸発器にて蒸発した気相の作動流体を凝縮させる凝縮器(30)と、
    前記複数の蒸発器で蒸発した気相の作動流体を前記凝縮器に導く気相流路部(35)と、
    前記複数の蒸発器における流入口(22)を連結する液相連結配管(45)を含み、前記凝縮器にて凝縮した液相の作動流体を前記複数の蒸発器に導く液相流路部(40)と、を有し、
    前記凝縮器が重力方向下方側に移動するように傾斜した際に、前記複数の蒸発器のうち最も重力方向上方側に位置する蒸発器を第1蒸発器(20A)とし、前記複数の蒸発器のうち、前記第1蒸発器に対して前記凝縮器の側で隣り合う蒸発器を第2蒸発器(20B)とした場合に、
    前記液相連結配管は、前記第1蒸発器と第2蒸発器の間において、前記第2蒸発器の側における配管よりも前記第1蒸発器の側が重力方向下方に位置するように形成された段差部(49)を有し、
    前記段差部は、前記第1蒸発器と前記第2蒸発器の間における液相連結配管のうち、第2蒸発器の側に偏った位置に配置されている温度調整装置。
  3. 作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(BP)の温度を調整するサーモサイフォン式の温度調整装置(1)であって、
    予め定められた配列方向に並んで配置され、前記対象機器の冷却時に当該対象機器から吸熱して液相の作動流体を蒸発させる複数の蒸発器(20)と、
    前記複数の蒸発器に対し重力方向上方に配置され、前記対象機器の冷却時に前記蒸発器にて蒸発した気相の作動流体を凝縮させる凝縮器(30)と、
    前記複数の蒸発器で蒸発した気相の作動流体を前記凝縮器に導く気相流路部(35)と、
    前記複数の蒸発器における流入口(22)を連結する液相連結配管(45)を含み、前記凝縮器にて凝縮した液相の作動流体を前記複数の蒸発器に導く液相流路部(40)と、を有し、
    前記凝縮器は、当該凝縮器にて凝縮された液相の作動流体が流出する流体出口(32)と、前記流体出口よりも重力方向上方側に配置され、前記気相流路部を通過した前記気相の作動流体が流入する流体入口(31)と、を有し、
    前記凝縮器が重力方向下方側に移動するように傾斜した際に、前記複数の蒸発器のうち最も重力方向上方側に位置する蒸発器を第1蒸発器(20A)とした場合に、
    前記液相流路部のうち、前記第1蒸発器の流入口よりも前記配列方向における前記凝縮器の側に位置する部分は、前記凝縮器の流体出口と前記第1蒸発器の流入口とを結んだ仮想線(VL)よりも重力方向下方に配置されている温度調整装置。
  4. 作動流体の液相と気相との相変化により対象機器(BP)の温度を調整するサーモサイフォン式の温度調整装置(1)であって、
    予め定められた配列方向に並んで配置され、前記対象機器の冷却時に当該対象機器から吸熱して液相の作動流体を蒸発させる複数の蒸発器(20)と、
    前記複数の蒸発器に対し重力方向上方に配置され、前記対象機器の冷却時に前記蒸発器にて蒸発した気相の作動流体を凝縮させる凝縮器(30)と、
    前記複数の蒸発器で蒸発した気相の作動流体を前記凝縮器に導く気相流路部(35)と、
    前記複数の蒸発器における流入口(22)を連結する液相連結配管(45)を含み、前記凝縮器にて凝縮した液相の作動流体を前記複数の蒸発器に導く液相流路部(40)と、を有し、
    前記凝縮器は、当該凝縮器にて凝縮された液相の作動流体が流出する流体出口(32)と、前記流体出口よりも重力方向上方側に配置され、前記気相流路部を通過した前記気相の作動流体が流入する流体入口(31)と、を有し、
    前記凝縮器が重力方向下方側に移動するように傾斜した際に、前記複数の蒸発器のうち最も重力方向上方側に位置する蒸発器を第1蒸発器(20A)とした場合に、
    前記液相流路部のうち、前記第1蒸発器の流入口よりも前記配列方向における前記凝縮器の側に位置する部分は、前記凝縮器の流体入口と前記第1蒸発器の流入口とを結んだ基準線(SL)よりも重力方向下方に配置されている温度調整装置。
  5. 前記液相連結配管において、前記第1蒸発器に対して液相の作動流体を流入させる部位の高さは、前記複数の蒸発器における他の蒸発器に対して液相の作動流体を流入させる部位よりも低く配置されている請求項3又は4に記載の温度調整装置。
  6. 前記液相連結配管は、前記凝縮器にて凝縮した液相の作動流体を前記複数の蒸発器に分配する為の分配用配管(46)と、前記分配用配管と前記複数の蒸発器における各流入口を接続する複数の接続配管(50)と、を有しており、
    前記第1蒸発器に対する前記接続配管の高さは、前記第1蒸発器における前記流入口の高さと同じ高さである請求項1ないし5の何れか1つに記載の温度調整装置。
  7. 前記第1蒸発器における前記流入口の高さは、前記複数の蒸発器の内の他の蒸発器における前記流入口の高さよりも低く配置されている請求項1ないし6の何れか1つに記載の温度調整装置。
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