JP2020063200A - N−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩及びそれを含むエポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
この様な二液型エポキシ樹脂組成物の問題点を解決する為、これまでに、幾つかの一液型エポキシ樹脂組成物用の潜在性硬化剤が提案されてきた。例えば、ジシアンジアミド、BF3アミン錯体及びイミダゾール化合物誘導体等の潜在性硬化剤を、エポキシ樹脂に配合したものが実用化されている。
しかし、これら潜在性硬化剤は、一般的に150℃以上の高い硬化温度を必要とし、硬化に高温又は長時間が必要であり、硬化促進剤の併用などにより、硬化温度を低下させようとすると貯蔵安定性が損なわれる。また、それらの硬化物は脆弱であったり、接着性が低いものであった(特許文献1)。
また近年、フィルム状成形品や、樹脂を基材に含浸した形態の製品の用途が広がりつつある。そのような使用形態の場合、有機溶剤や反応性希釈剤等を含有した配合物として取り扱う場合が多く、従来型の潜在性硬化剤をかかる配合品の硬化剤として用いた場合、潜在性硬化剤が有機溶剤や反応性希釈剤に溶解してしまうため十分な貯蔵安定性が得られず、貯蔵安定性の面から改善が求められていた。
上記観点から、比較的低い温度で硬化し、強靭性の高い硬化物を形成する硬化触媒として、ジメチルアミノピリジンを用いて硬化する技術が報告されている(非特許文献1、非特許文献2)。
上記事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、エポキシ樹脂に配合した場合に、優れた室温での保存安定性と比較的低い硬化温度での良好な硬化性を示し、優れた強靭性や接着性を示すエポキシ樹脂硬化触媒を提供することである。
[1]
下記一般式(I)
で表わされる、N−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩。
[2]
融点が80℃以上である、上記[1]に記載のN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩。
[3]
メチルエチルケトンに対する溶解性が80℃において5%以下である、上記[1]または[2]に記載のN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩。
[4]
上記[1]〜[3]のいずれか記載のN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩を含むエポキシ樹脂硬化触媒。
[5]
(A)エポキシ樹脂と、
(B)上記[1]〜[3]のいずれか記載のN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩と、
を含有する、エポキシ樹脂組成物。
[6]
(C)熱可塑性樹脂
をさらに含有する、上記[5]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[7]
(D)有機溶媒
をさらに含有する、上記[5]または[6]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[8]
上記[5]〜[7]のいずれか記載のエポキシ樹脂組成物を加熱して得られる接着フィルム。
本実施形態におけるN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩のN−アルキル置換アミノピリジン構造は、下記式(III)で表される。
本実施形態のN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩のフタル酸構造は下記の一般式(IV)で表される。
本実施形態のN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩は、下記一般式(1)で表される。
一般式(I)中のnは、1または2の整数である。nが2である場合、硬化反応に寄与する窒素原子の含有率が高まるため好ましい。
本実施形態のN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩は、室温で液状または固形であるが、融点が80℃以上であり、室温で固形であると、エポキシ樹脂組成物の保存安定性が優れる傾向にある。N−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩の融点は、保存安定性の観点から、より好ましくは100℃以上であり、さらに好ましくは150℃以上である。
本実施形態のN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩は、80℃におけるメチルエチルケトンへの溶解性が低いほど、有機溶媒を含有するエポキシ樹脂組成物を薄膜状にキャスティングした後、加熱してMEKを蒸発させる過程で組成物に溶解する量が低く、得られるエポキシ樹脂組成物の保存安定性が良好となる傾向にある。
上記観点から、本実施形態のN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩は、MEKに対する溶解性が80℃において5%以下であること好ましく、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.1%以下、特に好ましくは0.01%以下である。
本実施形態におけるエポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、上述した(B)N−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩と、を含有する。
(A)成分のエポキシ樹脂としては、特に限定されず、1分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物の例としてはフェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール類またはブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等のグリシジル化合物等が例示され、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する汎用的なエポキシ樹脂としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類および/またはナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性またはアルカリ性触媒の存在下で縮合または共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したフェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換または非置換のビフェノール、スチルベン系フェノール類等をエポキシ化したビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂;フェノール類および/またはナフトール類とジメトキシパラキシレンやビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂等をエポキシ化したフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸類のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;アニリン、イソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したグリシジル型またはメチルグリシジル型エポキシ樹脂;分子内のオレフィン結合をエポキシ化して得られるビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等の脂環型エポキシ樹脂;パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;フェノール類および/またはナフトール類とジシクロペンタジエンから合成される、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂のグリシジルエーテル;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテル;ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;ジフェニルメタン型エポキシ樹脂;硫黄原子含有エポキシ樹脂等が挙げられる。上記の中でも、硬化性と透明性のバランスの観点から、ビスフェノールA型およびビスフェノールF型のエポキシ樹脂が好ましい。
本実施形態におけるエポキシ樹脂組成物には、本発明の効果が発揮される範囲内で、硬化物への可撓性の付与、樹脂組成物をコーティングする際の良好な加工性を維持する等の観点から、熱可塑性樹脂をさらに含有させることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は、いずれか1種を使用しても2種以上を混合して用いてもよい。熱可塑性樹脂は、可撓性の付与やコーティング時のはじき防止の観点から、重量平均分子量が30,000以上であることが好ましく、50,000以上であることがより好ましい。一方で、重量平均分子量が大きすぎると、エポキシ樹脂との相溶性が低下する傾向があること等から、重量平均分子量は1,000,000以下であることが好ましく、800,000以下であることがより好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定することができる。
本実施形態におけるエポキシ樹脂組成物は、本発明の効果が発揮される範囲内で、適宜有機溶剤を含有させることができる。そのような有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。上記の中でも、MEK、酢酸エチル、DMF等が、溶解性が高く、またフィルム化する工程等において揮発し易い傾向にあるため好ましい。有機溶剤は、いずれか1種を単独で使用しても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態におけるN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩が固形の場合、その粒径が小さいほど得られるエポキシ樹脂組成物の硬化性が優れ、より均一な硬化物を形成する傾向にあるため好ましい。そのような観点から、好ましい粒径は100μm以下であり、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは10μm以下、さらにより好ましくは5μm以下であり、特に好ましくは3μm以下である。
本実施形態におけるエポキシ樹脂組成物には、さらに(E)エポキシ樹脂用の硬化剤を添加することができる。エポキシ樹脂用硬化剤としては、フェノール樹脂系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミドなどが挙げられる。
本実施形態におけるN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩は、成分(A)エポキシ樹脂の硬化触媒として、或いは他の硬化剤と併用した場合の硬化促進剤としても使用することができる。従って、以下に説明する他の成分の存在又は不存在によって、その添加量を適宜調節することが好ましい。本実施形態の(B)N−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩の添加量は、樹脂が硬化しさえすれば特に限定はされないが、以下に説明する硬化剤を含まない系においては、成分(A)100重量部に対して0.05〜25重量部であることが好ましい。(B)成分の添加量が0.05重量部よりも多いと十分な硬化性が得られる傾向にあり、25重量部よりも少ないと貯蔵安定性が良好となる傾向にある。このような観点から、N−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩の添加量は、好ましくは0.1〜15重量部であり、より好ましくは1〜10重量部であり、さらに好ましくは2〜8重量部である。
一方、本実施形態におけるN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩は、硬化剤と併用する場合、硬化促進剤として良好な性能を発揮できるという観点から、その添加量は成分(A)100重量部に対して0.02〜15重量部であることが好ましく、より好ましくは0.05〜10重量部であり、さらに好ましくは0.1〜5重量部であり、特に好ましくは0.5〜3重量部である。
本実施形態におけるエポキシ樹脂組成物は、本発明の効果が発揮される範囲内で、上述した成分以外の有機および/又は無機の添加剤を含有することができる。そのような有機添加剤としては、例えば、シリコンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー等の有機充填剤、オルベン、ベントン等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレベリング剤、トリアゾール化合物、チアゾール化合物、トリアジン化合物、ポルフィリン化合物等の密着性付与剤等を挙げることができる。
本実施形態におけるエポキシ樹脂組成物の混合、混練方法としては特に限定されないが、例えば、攪拌翼つき反応器、プラネタリミキサー、ニーダー、ロール、ホモディスパー、イクストゥルーダー等を用いる方法が挙げられ、均一な組成の樹脂組成物が得られる観点から、2本ないし3本ロール、ホモディスパーを用いることが好ましい。
本実施形態においてエポキシ樹脂硬化物とは、上述したエポキシ樹脂組成物を特定の条件下で加熱することによってエポキシ樹脂の流動性がなくなり、硬化した固形物のことをいう。エポキシ樹脂硬化物は、エポキシ樹脂組成物を、硬化温度60〜250℃程度で硬化時間30秒〜15時間加熱することにより得ることができる。硬化温度が低いほどエポキシ樹脂硬化物の靱性が高く被着体との接着性が高い傾向があるため好ましい。硬化温度は、好ましくは80℃〜180℃、より好ましくは100℃〜150℃、さらに好ましくは120℃〜130℃である。硬化時間は短いほど工業的に好ましく、硬化時間が長いほど硬化反応が完全に進行するため好ましい。このような観点から、硬化時間は、好ましくは1分〜5時間、より好ましくは5分〜1時間、さらに好ましくは10分〜20分である。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物を加熱することにより接着フィルムを得ることができる。
接着フィルムの作製方法は特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂組成物を溶剤に分散させてワニス状のエポキシ樹脂組成物を得た後、このワニス状のエポキシ樹脂組成物を離型剤で処理されたPETフィルムの離型処理面上にダイコーターにて均一に塗布し、乾燥させることにより得ることができる。
このときの乾燥時間および乾燥温度は、50〜100℃で、5分〜60分乾燥させることが好ましい。
<エポキシ樹脂>
828EL(ジャパンエポキシレジン社製):液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量185g/eq
<熱可塑性樹脂(フェノキシ樹脂)>
YX6954(ジャパンエポキシレジン社製):高耐熱型フェノキシ樹脂、重量平均分子量40,00035wt%固形分のMEK溶液に調製して使用
<融点>
日立製作所社製TG/DTA7220を用いて、10℃/分の昇温速度で25℃から250℃まで測定し、DTA曲線の吸熱ピークの頂点を融点とした。
日本レーザー社製のレーザー回折式粒子径分布測定装置HELOS/BF−Mを使用して、乾式法にて測定した。
エポキシ樹脂組成物を所定条件で硬化し、硬化前後の発熱量より求めた。
発熱量は日立製作所社製TG/DTA7220を用いて、10℃/分の昇温速度で25℃から250℃まで測定し、硬化前後の発熱量より反応率(=(硬化前発熱量−硬化後発熱量)/硬化前発熱量*100)を求めた。反応率が高いほど硬化性に優れることを示す。
エポキシ樹脂組成物を25℃または5℃の温度で所定の期間保存した前後の粘度を測定し、粘度の上昇率(=保存後粘度/初期粘度)で評価した。粘度の上昇率が小さいほど保存安定性が良好であることを示す。保存後試料の粘度が測定範囲上限(3000Pas)を超えた場合は「ゲル化」とした。
エポキシ樹脂組成物にMEKを添加して固形分濃度80%に調製して得られたワニスを、5℃で1週間保存した前後の粘度を測定し、粘度上昇率(=保存後粘度/初期粘度)で評価した。粘度の上昇率が小さいほど保存安定性が良好であることを示す。保存後試料の粘度が測定範囲上限(3000Pas)を超えた場合は「ゲル化」とした。
フィルムを5℃で7日間保存し、保存試験前後の発熱量より求めた。
発熱量は日立製作所社製TG/DTA7220を用いて、10℃/分の昇温速度で25℃から250℃まで測定し、保存試験前後の発熱残存率(=保存後発熱量/保存前発熱量*100)を求めた。発熱残存率が70%以上の時に○、30%以上70%未満の時に△、30%未満の時に×とした。
エポキシ樹脂組成物の粘度は東機産業社製TV−22型粘度計により、コーンロータを用いて25℃で測定した。
JIS K6850に従って以下の条件で測定した。
試験装置:インストロン型引張試験機(AG−20/50KINIS MO、島津製作所社製)
被着体:軟鋼板、サイズ(25mmX100mmX3.2mm)
接着面積:12.5mmX25.0mm
クロスヘッドスピード:50mm/min、最大荷重:1t
強靭性は破壊靭性試験で評価した。破壊靭性値が大きいほど強靭であることを示す。
破壊靭性値は、ASTM E399−83に従って三点曲げ試験で測定した。
単結晶構造解析はリガク社製R−AXIS RAPID−IIを用い、X線源Cu−Kα、励起電圧は電圧50kV、電流40mA、露光時間120秒、2θ=11〜136°の条件で測定した。
ナス型フラスコに4−ジメチルアミノピリジン244重量部、イソフタル酸166重量部とメタノール120重量部を加え均一に溶解させた後、オイルバスを130℃に設定したエバポレーターで減圧下溶媒を留去させ405重量部の4−ジメチルアミノピリジンとイソフタル酸の2:1モル比の塩(以下「BDMAP−IPA」)を得た。BDMAP−IPAの1HNMRチャートを図1に示した。
得られたBDMAP−IPAは室温で固体であり、200℃以下に融点は検出されなかった。
また、単結晶構造解析反射パターンを図2に示した。4−ジメチルアミノピリジン中の窒素原子とイソフタル酸中のカルボン酸の水素原子の距離は1.5オングストロームであり、密度汎関数法による計算ではその水素結合エネルギーは90kJ/molであった。
80℃でのMEK溶解性は0.1%であった。
実施例1で得られたBDMAP−IPAをメノウ乳鉢で粉砕して平均粒径23μmの紛体を得て、エポキシ樹脂組成物の調製に用いた。液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(828EL、ジャパンエポキシレジン社製)100重量部に、BDMAP−IPA8重量部をロール分散させエポキシ樹脂組成物を調製した。接着性試験は接着面積が12.5mm×25.0mmとなるよう軟鋼板を重ね、Wクリップにて固定した後、硬化させて接着性試験サンプルを作製し評価した。評価結果を表1に示した。
BDMAP−IPA8重量部の代わりに4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)5重量部を用いたこと以外は実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。評価結果を表1に示した。
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「828EL」)100質量部とフェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「YX6954」)の35wt%固形分のMEK溶液60質量部を配合し、高速回転ミキサーにて混合した。
この混合系に、BDMAP−IPA8重量部及びMEK20質量部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、ワニス状のエポキシ樹脂組成物を得た。次に、このワニス状のエポキシ樹脂組成物を離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmになるよう、ダイコーターにて均一に塗布し、80℃で5分間乾燥させることにより、エポキシ樹脂フィルムを得た。
一方、ワニス状のエポキシ樹脂組成物を軟鋼板(25mm×100mm×3.2mm)上に塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、接着面積が12.5mm×25.0mmとなるよう軟鋼板を重ね、Wクリップにて固定した後、130℃、15分で硬化させて接着性試験サンプルを作製し、接着性を評価した。評価結果を表2に示した。
BDMAP−IPA8重量部の代わりに4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)5重量部を用いたこと以外は実施例3と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。評価結果を表2に示した。
Claims (8)
- 下記一般式(I)
で表わされる、N−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩。 - 融点が80℃以上である、請求項1に記載のN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩。
- メチルエチルケトンに対する溶解性が80℃において5%以下である、請求項1または2に記載のN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載のN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩を含むエポキシ樹脂硬化触媒。
- (A)エポキシ樹脂と、
(B)請求項1〜3のいずれか1項記載のN−アルキル置換アミノピリジン・フタル酸塩と、
を含有する、エポキシ樹脂組成物。 - (C)熱可塑性樹脂
をさらに含有する、請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物。 - (D)有機溶媒
をさらに含有する、請求項5または6に記載のエポキシ樹脂組成物。 - 請求項5〜7のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物を加熱して得られる接着フィルム。
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