JP2020062822A - 潤滑皮膜被覆アルミニウム板 - Google Patents

潤滑皮膜被覆アルミニウム板 Download PDF

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陽介 太田
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【課題】潤滑性に優れる潤滑皮膜被覆アルミニウム板を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板10は、基板1と、前記基板1上に形成された第1潤滑皮膜21と、前記第1潤滑皮膜21上に形成された第2潤滑皮膜22と、を備え、前記第1潤滑皮膜21は、所定のポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有し、前記第1潤滑皮膜21の皮膜量は、0.3〜1.0g/m2であり、前記第2潤滑皮膜22は、石油系炭化水素を主成分とする液体油で構成され、前記第2潤滑皮膜22の皮膜量は、0.3〜1.0g/m2である。【選択図】図1

Description

本発明は、潤滑皮膜が被覆した潤滑皮膜被覆アルミニウム板に関する。
従来、金属板をプレス加工する際には、金型や金属板の破損を防止する目的として、また、金属板の成形性向上を目的として、金属板の表面に潤滑剤を塗布するという処理が施されている。
ここで、プレス加工の対象がアルミニウム板である場合、潤滑剤を塗布した状態でプレス加工を施すと、加工時の熱や圧力によって化学反応が進行し、潤滑剤中の脂肪酸のカルボキシル基や脂肪油のエステル基と、アルミニウム板や金型に由来する金属イオンとが結合した金属石鹸が生成する。その結果、アルミニウム板は、金属石鹸の生成に伴って変色や腐食が発生するだけでなく、変色や腐食が発生した箇所を起点として破損が生じ易くなってしまう。
このような問題を解決すべく、アルミニウム板に好適に用いることができるとともに、アルミニウム板の加工後に脱膜可能な潤滑皮膜、及び、当該潤滑皮膜が被覆したアルミニウム板に関して研究が進められ、以下のような技術が提案されている。
具体的には、特許文献1において、親水基を含有するアルカリ脱膜型ウレタン樹脂と、金属ジルコニウム換算で1〜50mg/m2の水溶性ジルコニウム化合物と、アルカリ脱膜型ウレタン樹脂100重量部に対して1〜30重量部であって0.1〜30μmの平均粒径を有する潤滑剤と、を含有する潤滑皮膜が、基板表面に塗装された潤滑皮膜塗装アルミニウム材が開示されている。そして、この潤滑皮膜塗装アルミニウム材は、アルカリ処理によって潤滑皮膜中のアルカリ脱膜型ウレタン樹脂及び潤滑剤が除去された後に、FT−IRスペクトルの1700cm−1台に現れるピークの最大吸収率が1%以下で、且つ、金属ジルコニウム換算で0.5mg/m以上のジルコニウム化合物層が残存する、と特許文献1に記載されている。
また、特許文献2において、HLB値が12以上であるポリオキシエチレンエーテルを含有する鉄鋼板及びアルミニウム合金板用塑性加工コート剤組成物が開示されている。そして、このポリオキシエチレンエーテルは、R−O−(CHCHO)−H(式中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキルフェニル基又はラノリン残基を表し、nは40〜60の整数を表す。)であり、Rの炭素数は16〜18のものが好ましい、と特許文献2に記載されている。
特開2011−5425号公報 特許第3092423号公報
特許文献1に係る潤滑皮膜塗装アルミニウム材の潤滑皮膜は、主な構成成分としてウレタン樹脂を含有するため、皮膜形成後の時間経過に伴い変質し易く、潤滑性が低下し易い。
特許文献2に係る塑性加工コート剤組成物は、接着性や脱脂性(脱膜性)に優れると説明されているものの、前記した所定の化学式を満たすポリオキシエチレンエーテルを用いていることから、潤滑性の点において、改良の余地が存在している。
そこで、本発明は、潤滑性に優れる潤滑皮膜被覆アルミニウム板を提供することを課題とする。
すなわち、本発明に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基板と、前記基板上に形成された第1潤滑皮膜と、前記第1潤滑皮膜上に形成された第2潤滑皮膜と、を備え、前記第1潤滑皮膜は、下記の式(1)に示すポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有し、前記第1潤滑皮膜の皮膜量は、0.3〜1.0g/mであり、前記第2潤滑皮膜は、石油系炭化水素を主成分とする液体油で構成され、前記第2潤滑皮膜の皮膜量は、0.3〜1.0g/mである。
Figure 2020062822
(式中、Rは炭素数20〜24のアルキル基を示し、nは繰り返し単位数であって40以上の数を示す。)
このように、本発明に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板は、所定のポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有する第1潤滑皮膜を所定の皮膜量で備えるとともに、所定の液体油で構成される第2潤滑皮膜を所定の皮膜量で備えることから、潤滑性に優れる。
また、本発明に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板は、前記第2潤滑皮膜の液体油の40℃における動粘度が1〜7cStであるのが好ましい。
また、本発明に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板は、自動車パネル用として好適に用いることができる。
本発明に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板は、所定の第1潤滑皮膜と第2潤滑皮膜とを備えていることによって、潤滑性に優れる。
本発明の実施形態に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板の断面図である。 本発明の実施形態に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板の製造方法を説明するフローチャートである。 実施例における潤滑皮膜被覆アルミニウム板の潤滑性の評価方法を説明する模式図である。
以下、適宜図面を参照して、本発明に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板を実施するための形態(実施形態)について説明する。
[潤滑皮膜被覆アルミニウム板]
本実施形態に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板は、図1に示すように、基板1と、基板1上に形成された2層構造の潤滑皮膜2と、を備える。そして、この潤滑皮膜2は、基板1上に形成された第1潤滑皮膜21と、第1潤滑皮膜21上に形成された第2潤滑皮膜22とを含んで構成される。
なお、図1では、潤滑皮膜被覆アルミニウム板10は、基板1の両面に潤滑皮膜2(第1潤滑皮膜21、第2潤滑皮膜22)が形成された構成を示しているが、ニーズに応じて、いずれか一方の面に潤滑皮膜2が形成された構成としてもよい。さらには、潤滑皮膜被覆アルミニウム板10は、潤滑皮膜2を基板1の表面(片面または両面)全体に備えなくてもよく、プレス加工領域等に限定的に形成されてもよいし、表面以外の領域(例えば、端部)に形成されてもよい。
以下、本実施形態に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板の基板、第1潤滑皮膜、第2潤滑皮膜について詳細に説明する。
[基板]
基板は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる。そして、基板は、潤滑皮膜被覆アルミニウム板の用途に応じて、例えば、JIS H 4000:2014等に規定される種々の非熱処理型アルミニウム合金又は熱処理型アルミニウム合金から適宜選択される。非熱処理型アルミニウム合金は、純アルミニウム(1000系)、Al−Mn系合金(3000系)、Al−Si系合金(4000系)、及び、Al−Mg系合金(5000系)である。熱処理型アルミニウム合金としては、Al−Cu−Mg系合金(2000系)、Al−Mg−Si系合金(6000系)、及び、Al−Zn−Mg系合金(7000系)である。
なお、基板の板厚は、潤滑皮膜被覆アルミニウム板の用途に応じて、適宜設定することができる。
潤滑皮膜被覆アルミニウム板を自動車(詳細には、自動車パネル)に用いる場合、基板は、0.2%耐力が100MPa以上の高強度のものであることが好ましい。このような高強度の基板を構成するアルミニウム合金としては、5000系、6000系、7000系等の耐力が比較的高い汎用合金が挙げられ、必要により調質されたものであってもよい。そして、本発明に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板の基板は、5000系、6000系のアルミニウム合金であるのが非常に好ましい。
(5000系のアルミニウム合金)
5000系のアルミニウム合金の組成の一例として、Mg:2.5〜5.5質量%を含有し、さらに適宜、Mn:0.60質量%以下、Cr:0.35質量%以下、Zr:0.50質量%以下、Cu:0.50質量%以下、Zn:0.50質量%以下、から選択される1種以上を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金が挙げられる。
各元素の含有量の限定理由は以下のとおりである。
(Mg:2.5〜5.5質量%)
Mgは、母相内に固溶することにより加工硬化能を高め、アルミニウム合金素材板としての必要な強度や耐久性を確保する必須元素である。Mgの含有量が2.5質量%以上であれば、この作用効果を十分に発揮することができる。一方、Mgの含有量が5.5質量%以下であれば、耐粒界腐食性(耐食性)の低下を抑制することができる。
(Mn:0.60質量%以下)
Mnは、成形加工性向上に寄与する元素である。そして、Mnの含有量が0.60質量%以下であれば、この元素を含む粗大な晶出物や析出物が少なくなり、成形性が低下するのを抑制することができる。
(Cr:0.35質量%以下)
Crは、成形加工性向上に寄与する元素である。そして、Crの含有量が0.35質量%以下であれば、この元素を含む粗大な晶出物や析出物が少なくなり、成形性が低下するのを抑制することができる。
(Zr:0.50質量%以下)
Zrは、成形加工性向上に寄与する元素である。そして、Zrの含有量が0.50質量%以下であれば、この元素を含む粗大な晶出物や析出物が少なくなり、成形性が低下するのを抑制することができる。
(Cu:0.50質量%以下)
Cuは、固溶強化によりアルミニウム合金板の強度を高める効果を有する元素である。そして、Cuの含有量が0.50質量%以下であれば、製造面でもスラブに割れが生じるなどのスラブ鋳造性の低下は起こらず、圧延などに供する健全なスラブが採取できなくなるのを抑制することができる。
(Zn:0.50質量%以下)
Znは、固溶強化によりアルミニウム合金板の強度を高めるとともに、プレス加工性を向上させる効果を有する元素である。そして、Znの含有量が0.50質量%以下であれば、板製造後の時間経過とともに強度が上昇する時効硬化現象が顕著に生じてプレス加工性が低下するのを抑制することができる。
(不可避的不純物)
基板の残部はAl及び不可避的不純物である。そして、不可避的不純物としては、前記のMn、Cr、Zr、Cu、Znのほか、Fe、Si、Ti、V、Ni、Sn、In、Ga、B、Sc等が挙げられ、本発明の効果を妨げない範囲で含有されていてもよい。詳細には、Mn、Cr、Zr、Cu、Znは、前記の範囲で含有していてもよく、Feは0.7質量%以下、Siは0.4質量%以下、Tiは0.3質量%以下に規制され、これら以外の元素の含有量は個々に0.05質量%以下、合計で0.15質量%以下に規制される。
(6000系のアルミニウム合金)
6000系のアルミニウム合金の組成の一例として、Mg:0.2〜1.5質量%、Si:0.3〜2.3質量%、Cu:1.0質量%以下を含有し、さらに適宜、Ti:0.1質量%以下、B:0.06質量%以下、Be:0.2質量%以下、Mn:0.8質量%以下、Cr:0.4質量%以下、Fe:0.5質量%以下、Zr:0.2質量%以下、V:0.2質量%以下から選択される1種以上を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金が挙げられる。
各元素の含有量の限定理由は以下のとおりである。
(Mg:0.2〜1.5質量%)
Mgは、強度を向上させる効果がある。Mgの含有量が0.2質量%未満では、強度向上の効果が小さい。一方、Mgの含有量が1.5質量%を超えると、成形性を低下させる場合がある。
(Si:0.3〜2.3質量%)
Siは、強度を向上させる効果がある。Siの含有量が0.3質量%未満では、強度向上の効果が小さい。一方、Siの含有量が2.3質量%を超えると、成形性、熱間圧延性を低下させる場合がある。
(Cu:1.0質量%以下)
Cuは、強度を向上させる効果がある。しかし、Cuの含有量が1.0質量%を超えると、耐食性を低下させる場合がある。なお、Cuの含有量は0質量%を超えているのが好ましい。
(Ti:0.1質量%以下)
Tiは、鋳塊の結晶粒を微細にし、成形性を向上させる効果がある。しかし、Tiの含有量が0.1質量%を超えると、粗大な晶出物が形成されるため、成形性を低下させる場合がある。
(B:0.06質量%以下)
Bは、鋳塊の結晶粒や晶出物を微細にし、成形性を向上させる効果がある。しかし、Bの含有量が0.06質量%を超えると、粗大な晶出物が形成されるため、成形性を低下させる場合がある。
(Be:0.2質量%以下)
Beは、アルミニウム合金の熱間圧延性および成形性を向上させる効果がある。しかし、Beの含有量が0.2質量%を超えると、前記効果が飽和する。
(Mn:0.8質量%以下、Cr:0.4質量%以下、Fe:0.5質量%以下、Zr:0.2質量%以下、V:0.2質量%以下)
Mn、Cr、Fe、Zr、Vは、それぞれ強度を向上させる効果がある。しかし、これらの元素の含有量が所定値を超えると、具体的には、Mnは0.8質量%、Crは0.4質量%、Feは0.5質量%、Zrは0.2質量%、Vは0.2質量%をそれぞれ超えると、いずれも粗大な晶出物が形成されるため、成形性を低下させる場合がある。
(不可避的不純物)
基板の残部はAl及び不可避的不純物である。そして、不可避的不純物としては、前記のTi、Mn、Cr、Fe、Zrのほか、Zn等が挙げられ、本発明の効果を妨げない範囲で含有されていてもよい。詳細には、Ti、Mn、Cr、Fe、Zrは、前記の範囲で含有していてもよく、Znは0.5質量%未満の範囲で含有していてもよい。
なお、基板の作製に際して、スクラップ材や低純度のアルミニウム地金などを大量に使用した場合には、これらの元素が必然的に混入してしまうため、前記のように本発明の効果を妨げない範囲での含有を許容している。
(表面粗さ)
基板は、表面が粗いほど、積み重ねられた基板同士の接触面積、及び、潤滑皮膜被覆アルミニウム板同士の接触面積が少ないので剥がし易くなる。具体的には、基板の算術平均粗さRaが0.10μm以上であると剥がし易さの効果が得られる。一方、基板の表面が粗くなり、算術平均粗さRaが1.50μmを超えると、潤滑皮膜被覆アルミニウム板の潤滑皮膜の脱膜後において塗装鮮鋭性が悪化し、自動車パネル等として不適となる。
したがって、基板の算術平均粗さRaは、0.10〜1.50μmであるのが好ましい。
基板の表面粗さ(算術平均粗さRa)は、例えば、仕上げ冷間圧延の最終パスのワークロールの表面粗さによって制御され、放電ダル(EDT:Electric Discharge Textured)加工ロール等を適用することができる。
なお、算術平均粗さRaはJIS B 0601:2013に規定されたものである。
[第1潤滑皮膜]
第1潤滑皮膜は、第1潤滑組成物を基板の表面に成膜(塗装等)した後、乾燥させることにより形成される皮膜である。
そして、第1潤滑皮膜は、2層構造の潤滑皮膜の内側の層(基板に近い側の層)であって、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有する。
(第1潤滑皮膜:ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、下記式(1)で示される脂肪族系グリコールエーテル化合物であり、第1潤滑皮膜(及び、当該皮膜を構成する第1潤滑組成物)に含まれる化合物である。
Figure 2020062822
(式中、Rは炭素数20〜24のアルキル基を示し、nは繰り返し単位数であって40以上の数を示す。)
式(1)中のエチレンオキシド(CHCHO)の繰り返し単位数であるnが40以上であると、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの主鎖が長くなり、加工時(例えば、プレス加工時)の基板と金型との間の摩擦を第1潤滑皮膜によって十分に低減させることができる。その結果、潤滑皮膜被覆アルミニウム板の加工時の潤滑性(言い換えると、成形性)が向上する。
したがって、式(1)中のエチレンオキシド(CHCHO)の繰り返し単位数nは、40以上である。
また、式(1)中の繰り返し単位数nが大きくなると、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの融点が高くなる。その結果、アルミニウム板の保管中における温度の上昇によって潤滑皮膜を介して板同士が固着してしまうといった現象の発生を抑制することができる、つまり、耐ブロッキング性を向上させることができる。加えて、式(1)中の繰り返し単位数nが大きくなると、前記した潤滑性についてさらに向上させることができる。
よって、耐ブロッキング性を向上させる観点から、式(1)中の繰り返し単位数nは60以上が好ましく、70以上がより好ましく、90以上がさらに好ましく、100以上が特に好ましい。
なお、融点は、JIS K 2235:2009に準拠して測定することができる。
一方、式(1)中の繰り返し単位数nの上限については特に限定されないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル自体の製造困難性やコスト上昇の観点から、例えば、450以下、300以下、200以下、150以下が挙げられる。
式(1)中のRはアルキル基であるが、炭素数が20未満であると、潤滑性が不十分となる。一方、炭素数が24を超えると、入手自体が困難となる。
したがって、式(1)中のRのアルキル基の炭素数は20〜24である。
第1潤滑皮膜(及び、当該皮膜を構成する第1潤滑組成物)に含まれるポリオキシエチレンアルキルエーテルは、1種類であってもよいが、分子量や分子鎖長が異なる2種類以上を含有していてもよい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルが2種類以上である場合、其々のnの値が、前記したnの値の所定範囲内となるのが好ましいが、nの平均値が前記したnの値の所定範囲内となっていればよい。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが2種類以上である場合、其々のRのアルキル基の炭素数の値が、前記した炭素数の所定範囲内となるのが好ましいが、炭素数の平均値が前記した炭素数の所定範囲内となっていればよい。
なお、nの平均値や炭素数の平均値は、例えば、クロマトグラフ等の分析によって同定したのち算出すればよい。
分子量や分子鎖長が異なるポリオキシエチレンアルキルエーテルを2種類以上使用することにより、第1潤滑組成物の融点(凝固点)を調節して、金型の形状やプレス温度、プレス圧力等、プレス加工条件に好適な潤滑性を有する第1潤滑組成物を得ることができる。また、第1潤滑組成物の融点を調節して、気温、地理的要因、保管環境等に好適な第1潤滑組成物を得ることができる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの第1潤滑組成物中における含有量は特に限定されないものの、例えば、1〜50質量%である。
また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの第1潤滑皮膜中における含有量も特に限定されないものの、例えば、50〜100質量%(溶媒が乾燥等により除去され、以下に示すその他の成分を含まない場合は100質量%)である。
(第1潤滑皮膜:その他の成分)
第1潤滑皮膜を構成する第1潤滑組成物は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが奏する効果を妨げない範囲で、例えば、酸化防止剤、導電性添加剤、界面活性剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、乾燥剤、安定剤、皮張り防止剤、かび防止剤、防腐剤、凍結防止剤等を適宜含有していてもよい。
なお、第1潤滑組成物の溶媒は、水、アルコール類、ケトン類等を用いればよい。
酸化防止剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの熱分解を防止するため、第1潤滑組成物に含有させるのが好ましい。詳細には、基板に第1潤滑皮膜を形成する際、第1潤滑組成物を加熱溶融して長時間保持すると、ポリオキシエチレンアルキルエーテル構造中のエチレンオキシドが周囲の酸素と反応して徐々に酸化して分解していくが、酸化防止剤は、この分解反応を抑制することができる。
酸化防止剤としては、例えば、セミカルバジド基を有するものやフェノール基を有するものが挙げられる。具体的には、ビュレット−トリ(ヘキサメチレン−N,N−ジメチルセミカルバジド)、1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−メチルセミカルバジド)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)等を挙げることができる。そして、酸化防止剤の含有量は、第1潤滑組成物全体に対して2〜3質量%が好ましい。
(第1潤滑皮膜:皮膜量)
第1潤滑皮膜の皮膜量が0.3g/m以上であると、十分な潤滑性を確保することができる。一方、第1潤滑皮膜の皮膜量が1.0g/mを超えると、潤滑性の向上の効果が飽和するとともに、塗装ムラが発生し易くなるおそれもある。
したがって、第1潤滑皮膜の皮膜量は、0.3〜1.0g/mである。そして、第1潤滑皮膜の皮膜量は、潤滑性の向上の観点から、0.4g/m以上が好ましく、塗装ムラの発生を抑制する観点から、0.8g/m以下が好ましく、0.6g/m以下がより好ましい。
[第2潤滑皮膜]
第2潤滑皮膜は、第2潤滑組成物である液体油を第1潤滑皮膜の表面に成膜(塗装等)して形成される皮膜である。
そして、第2潤滑皮膜は、2層構造の潤滑皮膜の外側の層(基板に遠い側の層)であって、石油系炭化水素を主成分とする液体油で構成される。
(第2潤滑皮膜:成分)
第2潤滑皮膜は、石油系炭化水素を主成分とする液体油で構成される。なお、「石油系炭化水素を主成分とする」とは、詳細には、液体油における石油系炭化水素の含有量が50質量%以上のことであり、60質量%以上が好ましく、70質量%以上、80質量%以上がより好ましい。
石油系炭化水素は特に限定されないが、例えば、炭素数8〜18の鎖式飽和炭化水素等が挙げられる。また、液体油中の石油系炭化水素以外の物質としては、例えば、脂肪酸エステル、防錆剤、極圧剤、界面活性剤等が挙げられる。
(第2潤滑皮膜:皮膜量)
第2潤滑皮膜の皮膜量が0.3g/m以上であると、十分な耐変色性(錆等に基づく基板の変色に対する耐性)を確保することができる。一方、第2潤滑皮膜の皮膜量が1.0g/mを超えると、耐変色性の向上の効果が飽和するとともに、塗装ムラが発生し易くなるおそれもある。
したがって、第2潤滑皮膜の皮膜量は、0.3〜1.0g/mである。そして、第2潤滑皮膜の皮膜量は、耐変色性の向上の観点から、0.4g/m以上が好ましく、塗装ムラの発生を抑制する観点から、0.8g/m以下が好ましく、0.6g/m以下がより好ましい。
(第2潤滑皮膜:動粘度)
第2潤滑皮膜を構成する液体油の40℃における動粘度が1cSt未満であると、塗装時の皮膜量の均一性が確保できなくなるおそれがある。一方、第2潤滑皮膜を構成する液体油の40℃における動粘度が7cStを超えると、常温での静電塗布方式等での塗装がし難くなってしまう。
したがって、第2潤滑皮膜を構成する液体油の40℃における動粘度は、1〜7cStであるのが好ましい。そして、第2潤滑皮膜を構成する液体油の40℃における動粘度は、皮膜量の均一性の観点から、2cSt以上がより好ましく、塗装の容易性の観点から、6cSt以下がより好ましい。
このような液体油としては、JX製のPD4000T(動粘度2cSt)、スギムラ化学工業製のプレトンR303P(動粘度4cSt)等が挙げられる。
(各測定方法)
第1潤滑皮膜、第2潤滑皮膜の皮膜量の測定方法は特に限定されないものの、例えば、潤滑皮膜被覆アルミニウム板の質量を測定した後、第2潤滑皮膜のみを溶解させる溶剤を使用することにより、基板(又は基板と化成処理皮膜)+第1潤滑皮膜となった状態の質量を測定し、さらに、第1潤滑皮膜を溶解させる溶剤を使用することにより、基板(又は基板と化成処理皮膜)のみとなった状態の質量を測定し、各質量の差に基づいて算出するという方法が挙げられる。
また、第2潤滑皮膜を構成する液体油の40℃における動粘度の測定方法は特に限定されないものの、例えば、JIS K 2283:2000に記載の方法等が挙げられる。
[その他の層:化成処理皮膜]
図1に示す潤滑皮膜被覆アルミニウム板10は、基板1と第1潤滑皮膜21との間に、化成処理皮膜(図示省略)を備える構成であってもよい。
基板1の表面に化成処理皮膜を形成させることにより、潤滑皮膜2(第1潤滑皮膜21)の密着性を向上させることができ、また、化成処理皮膜が環境中の水分の基板1への接触を防止することにより、耐変色性(耐食性)をより向上させることができる。
化成処理皮膜は、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)等を無機物として含有する無機酸化物、又は、無機−有機複合化合物からなる化成処理皮膜が挙げられる。
化成処理皮膜の皮膜量、膜厚は特に限定されないが、皮膜量は金属(Cr、Zr、Ti)換算で1〜100mg/mであることが好ましく、5〜80mg/m2であることがより好ましく、膜厚は1〜100nmであることが好ましい。化成処理皮膜の膜厚が100nmを超えると、潤滑皮膜被覆アルミニウム板の加工性が低下する場合がある。
化成処理皮膜である無機酸化物皮膜は、基板に、リン酸クロメート処理、リン酸ジルコニウム処理、クロム酸クロメート処理等を施して表面に形成される。また、化成処理皮膜である無機−有機複合化合物皮膜は、塗布型クロメート処理または塗布型ジルコニウム処理を行うことにより形成され、アクリル−ジルコニウム複合体等が挙げられる。
なお、化成処理皮膜を形成する化成処理は、前記のものに限定されず、従来公知の処理、例えば、TiZr処理、有機シラン系処理、有機リン系(例えばビニルホスホン酸)処理等であってもよい。
[用途]
本実施形態に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板は、軽量であるとともに、潤滑性(成形性)に優れることから、これらの特性が要求される自動車の構成部材、特に自動車用パネルとして好適に用いることができる。
[潤滑皮膜被覆アルミニウム板の製造方法]
次に、本実施形態に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板の製造方法について、図2、及び適宜図1を参照して説明する。
図2に示すように、潤滑皮膜被覆アルミニウム板の製造方法は、基板作製工程S1と、第1潤滑皮膜形成工程S2と、第2潤滑皮膜形成工程S3と、を含む。
以下、各工程について詳細に説明する。
(基板作製工程)
基板作製工程S1は、圧延によって基板1を作製する工程である。具体的には、以下の様な手順で基板1を作製することができる。
所定の組成を有するアルミニウム合金を連続鋳造により溶解、鋳造して鋳塊を製造し(溶解鋳造工程)、前記製造された鋳塊に、均質化熱処理を施す(均質化熱処理工程)。次に、前記均質化熱処理された鋳塊に、熱間圧延を施して熱延板を製造する(熱間圧延工程)。次に、熱延板に300〜580℃で荒焼鈍または中間焼鈍を行い、最終冷間圧延率5%以上の冷間圧延を少なくとも1回施して、所定の板厚の冷延板(基板1)を製造する(冷間圧延工程)。荒焼鈍または中間焼鈍の温度を300℃以上とすることで、成形性向上の効果がより発揮され、580℃以下とすることで、バーニングの発生による成形性の低下を抑制し易くなる。最終冷間圧延率を5%以上とすることで、成形性の向上の効果がより発揮される。なお、均質化熱処理、熱間圧延の条件は、特に限定されるものではなく、熱延板を通常得る場合の条件でよい。また、中間焼鈍は行わなくてもよい。
また、上記冷間圧延後に、板平坦度の矯正のためのスキンパス圧延や表面粗さ制御のための放電ダル(EDT:Electric Discharge Textured)加工ロールを用いた圧延等の低加工率の冷間圧延を行ってもよい。
(第1潤滑皮膜形成工程)
第1潤滑皮膜形成工程S2は、基板1の上に第1潤滑皮膜21を形成する工程である。
第1潤滑皮膜21を形成する方法としては、塗装法が挙げられる。工業的には、ロールコート等によって第1潤滑組成物を水溶液の状態で基板1に塗装し、その後、乾燥させることにより、第1潤滑皮膜21が形成される。
ロールコート方式は、コーターパンに入った水溶液となっている塗料をピックアップロールで持ち上げ、これを直接アプリケーターロールに転写する、またはトランスファーロールに一度転写してからアプリケーターロールに転写し、連続通板させている基板1にアプリケーターロールで塗装を行う方法である。ロールコート方式は幅方向および長手方向に均一に塗装できる方式である。
なお、第1潤滑皮膜21の皮膜量(膜厚)を制御する方法としては、塗料の濃度(水系溶媒による希釈濃度)を調整すればよい。すなわち、高濃度に調整された塗料を塗装すれば皮膜量が多く(皮膜が厚く)なり、低濃度に調整された塗料を塗装すれば皮膜量が少なく(皮膜が薄く)なる。また、ロールコート時のピックアップロールとアプリケーターロール(またはトランスファーロール)とのニップ圧を高くすると皮膜が厚くなり、ニップ圧を低くすると皮膜が薄くなる。
潤滑皮膜を形成する方法として塗装法(ロールコート式)を説明したが、特にこの方法に限定されず、例えば、間接帯電式(ベル式)静電塗布法、スプレー式(電界なし)塗布方法、浸漬方法等、従来公知の方法を採用することができる。
基板1に塗装された塗料は、炉等で溶媒である水分を揮発乾燥させて塗膜(第1潤滑皮膜21)とする。このとき、加熱温度が高いと塗料(潤滑組成物)中のエチレンオキシドが熱分解するので、基板1の到達温度としては120℃程度以下とすることが好ましく、効率的に揮発乾燥させるために70℃程度以上とすることが好ましい。
(第2潤滑皮膜形成工程)
第2潤滑皮膜形成工程S3は、第1潤滑皮膜21の上に第2潤滑皮膜22を形成する工程である。
第2潤滑皮膜22を形成する方法としては、第1潤滑皮膜21を形成する方法と同様、塗装法等の従来公知の方法が挙げられる。ただし、第2潤滑皮膜22を形成する方法は第1潤滑皮膜21を形成する方法と異なり、第2潤滑皮膜22を第1潤滑皮膜21の上に塗装した後において、積極的に加熱し乾燥させる作業は行わない。
(その他の工程)
潤滑皮膜被覆アルミニウム板の製造方法は、以上説明したとおりであるが、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間、または前後に、他の工程を含めてもよい。
例えば、基板作製工程S1において、冷間圧延(スキンパス圧延等も含む)後に、予備時効処理を施す予備時効処理工程を設けてもよい。予備時効処理は、冷間圧延終了後72時間以内に40〜120℃で8〜36時間の低温加熱することにより行うことが好ましい。この条件で予備時効処理することにより、潤滑皮膜被覆アルミニウム板10(基板1)の成形性、および、潤滑皮膜2を脱膜して塗装し、加熱(ベーキング)した後における強度向上を図ることができる。
また、基板作製工程S1の後、第1潤滑皮膜形成工程S2の前に、前記した化成処理皮膜を形成させる化成処理工程を設けてもよい。
また、基板作製工程S1の後、第1潤滑皮膜形成工程S2の前に、長尺の基板1を枚葉状に切断する切断工程を設けてもよい。この場合、第1潤滑皮膜形成工程S2、第2潤滑皮膜形成工程S3で、基板1の切断面(端面)にも第1潤滑皮膜21、第2潤滑皮膜22を形成してもよい。
また、基板や樹脂皮膜の表面の異物を除去する異物除去工程や、不良品を除去する不良品除去工程を設けてもよい。
次に、本発明に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板について、本発明の要件を満たす実施例と本発明の要件を満たさない比較例とを比較して、具体的に説明する。
[供試材作製]
(基板)
基板として、平均厚さ1mmの5154合金−0調質材であるアルミニウム合金板を準備し、幅25mm×長さ200mmに切り出した。この基板を、40℃でpH0〜1に調製した硝酸水溶液に10秒間浸漬することによって洗浄し、純水ですすいだ後、乾燥させた。
(第1潤滑皮膜)
第1潤滑皮膜を構成する第1潤滑組成物の原料として表1に示すP1〜P3、L1のいずれかを、水に混ぜて固形分濃度が5%〜10%程度の水溶液となるように容器に投入し、均一に混合した状態になるまで攪拌して塗料(潤滑組成物)とした。
調製した塗料を基板の一方の面に滴下して、バーコーター#2〜#4を用いて塗装した後、基板の到達温度が80℃となるように炉内で乾燥(30秒)させて、第1潤滑皮膜を形成した。同様に、基板の他方の面にも同じ条件で第1潤滑皮膜を形成した。
なお、供試材No.5は、他の供試材と異なり、第1潤滑皮膜を形成させなかった。
(第2潤滑皮膜)
第2潤滑皮膜を構成する第2潤滑組成物として表1に示すL2を、第1潤滑皮膜が形成された基板の一方の面に滴下して、バーコーター#0.5を用いて塗装し、第2潤滑皮膜を形成した。同様に、第1潤滑皮膜が形成された基板の他方の面にも同じ条件で第2潤滑皮膜を形成した。
以下、表1には、潤滑組成物の構成を示す。なお、表1の炭素数R、繰り返し単位数nは、平均値である。
Figure 2020062822
次に、皮膜量の測定方法、並びに、潤滑性の評価方法及び評価基準を示す。
[測定方法]
(皮膜量)
供試材の作製時において、第1、2潤滑皮膜を形成する前の状態(基板のみ)の質量、第1潤滑皮膜形成後の状態(基板+第1潤滑皮膜)の質量、第2潤滑皮膜形成後の状態(基板+第1潤滑皮膜+第2潤滑皮膜)の質量を測定し、各質量の差に基づいて皮膜量(g/m)を算出した。
[評価方法]
(潤滑性)
幅25mm×長さ200mmの供試材で平板摺動試験を実施した。平板摺動試験の概要を図3において模式的に示す。
供試材を、長さ32mm程度の平坦部を有する一対の金型で両面側から挟み込み、両側から4000Nに加圧した状態で、供試材を長さ方向に金型から引き抜くように速度500mm/分で50mm移動させた。そして、平板摺動試験において、面圧が5MPa(=4000N/(25mm×32mm))の摩擦係数を算出した。
なお、算出した摩擦係数が0.13以下を示す供試材を、潤滑性が優れると評価した。
以下、表2には、各供試材の構成、及び、評価結果を示す。
Figure 2020062822
[結果の検討]
供試材1〜3については、本発明の規定する要件を全て満たしていた。よって、供試材1〜3は、潤滑性が優れるとの結果となった。
一方、供試材4は、第1潤滑皮膜が本発明の規定する要件を満たしていなかったため、潤滑性が優れないとの結果となった。
また、供試材5は、第1潤滑皮膜を備えていなかったため、潤滑性が優れないとの結果となった。
本発明に係る潤滑皮膜被覆アルミニウム板について実施の形態及および実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されることなく、その権利範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて解釈されなければならない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて改変、変更することができることは言うまでもない。
1 基板
2 潤滑皮膜
21 第1潤滑皮膜
22 第2潤滑皮膜
10 潤滑皮膜被覆アルミニウム板(アルミニウム板)
S1 基板作製工程
S2 第1潤滑皮膜形成工程
S3 第2潤滑皮膜形成工程

Claims (3)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基板と、前記基板上に形成された第1潤滑皮膜と、前記第1潤滑皮膜上に形成された第2潤滑皮膜と、を備え、
    前記第1潤滑皮膜は、下記の式(1)に示すポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有し、
    前記第1潤滑皮膜の皮膜量は、0.3〜1.0g/mであり、
    前記第2潤滑皮膜は、石油系炭化水素を主成分とする液体油で構成され、
    前記第2潤滑皮膜の皮膜量は、0.3〜1.0g/mであることを特徴とする潤滑皮膜被覆アルミニウム板。
    Figure 2020062822
    (式中、Rは炭素数20〜24のアルキル基を示し、nは繰り返し単位数であって40以上の数を示す。)
  2. 前記第2潤滑皮膜の液体油は、40℃における動粘度が1〜7cStであることを特徴とする請求項1に記載の潤滑皮膜被覆アルミニウム板。
  3. 自動車パネル用であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の潤滑皮膜被覆アルミニウム板。
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