JP2020056461A - 液圧シリンダシステム - Google Patents
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Description
加圧された水系作動液を動力伝達媒体とする液圧シリンダと、前記液圧シリンダに対して水系作動液を給排する作動液給排装置とを備えており、
前記作動液給排装置は、
・水系作動液を貯留する作動液貯槽と、
・前記作動液貯槽に貯留された水系作動液を前記液圧シリンダに供給するとともに、前記液圧シリンダから排出された水系作動液を前記作動液貯槽に還流させる作動液給排通路と、
・前記作動液給排通路の一部をなす作動液供給通路に介設され、前記作動液貯槽に貯留されている水系作動液を吸入・加圧して吐出する作動液供給ポンプと、
・前記液圧シリンダと前記作動液供給ポンプの間において前記作動液給排通路に介設され、前記作動液給排通路における水系作動液の流れる方向を順方向及び逆方向に切り換える通路切換弁とを有し、
水系作動液は、水とポリアクリル酸ナトリウムとを含み、該水系作動液における水に対するポリアクリル酸ナトリウムの量が0.3〜1.5質量パーセント(好ましくは0.4〜1.35質量パーセント)の範囲であり、
水系作動液の水素指数がpH9〜pH11の範囲内に調整されている。
図1は、本発明に係る液圧シリンダシステムの一例を示す構成図である。液圧シリンダシステムSは、加圧された水系作動液を動力伝達媒体とする片ロッド形複動式の液圧シリンダ装置1と、液圧シリンダ装置1に対して水系作動液を給排する作動液給排装置2とを備えている。液圧シリンダ装置1は、略円筒形のシリンダ3と、シリンダ3の円柱形の中空部(以下「シリンダ中空部」)に嵌入又は挿入された略円柱形のピストン4と、ピストン4の一方の端部に取り付けられた細長い円柱形(丸棒状)のピストンロッド5とを備えている。液圧シリンダ装置1は、シリンダ3、ピストン4及びピストンロッド5の各中心軸が鉛直方向(上下方向)に伸びるように配置された縦置き型のものである。液圧シリンダ装置は、縦置き型のものに限定されるわけではなく、横置き型又は傾斜型のものであってもよい。
1.水系作動液とは
油圧シリンダ、油圧モータ等の油圧装置は、一般に、動力伝達媒体として鉱物油からなる作動油を用いているが、鉱物油は可燃性であるので、延焼、事故等により油圧装置に火災を発生させるおそれがある。また、油圧装置が河川の水門等に用いられた場合、震災時等における作動油の大量漏出により下流側の広い水域にわたって水環境が損なわれるおそれがある。そこで本発明は、作動油に代わる作動液として、火災を発生させるおそれがなく、かつ河川等に漏出した場合でも水環境を損なわない新規な水系作動液を提案するものである。
本発明者は、新規な水系作動液を開発する際に下記の事項について検討した。
(1)粘度(動粘度)が作動油と同等であること
(2)粘度の温度変化が小さいこと
(3)摺動部間の動摩擦係数が作動油を用いる場合と同等であること
(4)生体に対する毒性がないこと
(5)漏出・排出による環境汚染性が低いこと
(6)火災の可能性がないこと
(7)寒冷地では低温時に凍結しないこと
(8)酸化による劣化がほとんどないこと
(9)ゴムパッキンに対する腐食性が低いこと
(10)アルミ系材料及び鉄系材料に対する金属腐食性が低いこと
(11)空気中の水蒸気の混入による弊害がないこと
(12)液貯槽内での気泡分離性が良好なこと
(13)生物的劣化(腐敗)がほとんどないこと
(1)純水(蒸留水)
(2)増粘剤兼摺動摩擦低減剤(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム(PANa)、ポリアクリル酸)
(3)凍結防止剤(例えば、エタノール、プロピレングリコール)
(4)pH調整剤(例えば、水酸化ナトリウム)
(5)水系作動液のpH:9〜11
(1)オストワルド粘度計を用いて、純水に対するポリアクリル酸ナトリウム水溶液の相対粘度を測定し、この相対粘度と純水の粘度(周知)とから、ポリアクリル酸ナトリウム水溶液の粘度を算出した。
図3は、ポリアクリル酸ナトリウム水溶液の粘度と濃度の関係を示すグラフである。このグラフから、粘度と濃度はほぼ正比例の関係にあることが判る。また、その比例係数(勾配)は温度に応じて変化すると考えられる。
図4は、ポリアクリル酸ナトリウム水溶液の粘度と温度の関係を示すグラフである。このグラフから、ポリアクリル酸ナトリウム水溶液(1wt%)は、0℃〜50℃の温度範囲に渡って温度が高いほど、粘度は小さくなり、逆に温度が低いほど、粘度は大きくなることが判る。一方、作動油は、ポリアクリル酸ナトリウム水溶液よりも温度依存性が大きく、許容温度範囲もより狭いことが判る。
(1)図2に示す動摩擦係数測定装置を用いて、ポリアクリル酸ナトリウム(PANa)水溶液を用いたときの摺動部間の動摩擦係数を測定した。この動摩擦係数測定装置は、テーブルと、テーブルの上を自由に走行する台車と、台車のフロント部に糸を介して接続された重りと、糸を案内する滑車と、台車のリア部にナイロンラインを介して接続された可動物体と、可動物体が摺動するチャンネルと、ナイロンラインの張力を測定するテンションゲージなどを備える。
内周面を平滑面としたステンレススチール製の「コ」の字型チャンネル
幅50mm 高さ25mm 長さ1500mm
チャンネルの溝部内に収容され、チャンネル長手方向に摺動可能な、外周面が平滑面であるステンレススチール製の「コ」の字型チャンネル
幅40mm 高さ30mm 長さ100mm 質量92g
チャンネルの両端を閉止し、チャンネルの溝部内に水系作動液を注入して可動物体を入れ、台車で可動物体をチャンネル長手方向に一定の速度で引っ張り、テンションゲージで張力を測定し、張力の測定値を可動物体の質量(重量)で除算して動摩擦係数を算出した。
台車に積載する重りの質量を増減することにより、台車及び可動物体の移動速度を一定にした。台車及び可動物体の移動速度は、可動物体に対する水系作動液の流動抵抗を実質的に無視しうるレベルまで低減できるよう非常に小さくした(2cm/秒以下)。
図5は、ポリアクリル酸ナトリウム水溶液の動摩擦係数と濃度の関係を示すグラフである。下記の表2は、測定データを示す。このグラフから、濃度PANa量:0.75wt%〜1.0wt%において動摩擦係数は最小値0.011になり、これは作動油の動摩擦係数に匹敵するレベルである。そこから濃度が増加または減少するほど、動摩擦係数は増加するが、せいぜい0.022程度に収まり、充分に実用レベルであることが判る。
ポリアクリル酸ナトリウム濃度と粘度の関係およびその温度依存性は、図3と図4に示される。また、ポリアクリル酸ナトリウム濃度と摺動摩擦係数の関係は、図5に示される。そこで、a)適切な粘度を10〜50mPa・sに設定した場合、図3のグラフを参照して、対応するポリアクリル酸ナトリウム濃度は0.3〜1.5wt%となる。また、b)適切な摺動摩擦係数を0.02以下に設定した場合、図5のグラフを参照して、対応するポリアクリル酸ナトリウム濃度は0.2〜1.5wt%となる。その結果、両方の条件a),b)を満たす濃度は、0.3〜1.5wt%となる。
また、c)適切な摺動摩擦係数をより好ましく0.015以下に設定した場合、図5のグラフを参照して、対応するポリアクリル酸ナトリウム濃度は0.4〜1.35wt%となる。その結果、両方の条件a),c)を満たす濃度は、0.4〜1.35wt%となる。
(1)ポリアクリル酸ナトリウム水溶液に、凍結防止剤としてエタノール又はプロピレングリコールを添加することが好ましい。ただし、プロピレングリコールの添加量が多い場合は、低温時に粘度が急増することがある。なお、エタノールを添加した場合は、低温時でも粘度はさほど上昇しないことが判明している。
図6は、エタノール水溶液およびプロピレングリコール水溶液について凝固点と濃度の関係を示すグラフである。このグラフから、両方の水溶液とも濃度0wt%(即ち、水)で凝固点は0℃であり、そこから濃度が増加するほど、凝固点が低下することが判る。従って、ポリアクリル酸ナトリウムを含む水系作動液においても、水に対する凍結防止剤添加量は、0℃〜凍結防止剤凝固点の温度範囲内で予め設定されたシステム使用下限温度を凝固点とする凍結防止剤水溶液における水に対する凍結防止剤添加量と同量か、又はこれより多くすることが好ましい。
(1)圧縮性
液圧シリンダの作動液は非圧縮性であることが必須であるが、水系作動液も作動油も非圧縮性である。
作動液の粘度(動粘度)は、液圧シリンダにおけるピストンとシリンダの摺動部での液漏れ防止の観点からは高いのが好ましいが、作動液通路における圧力損失低減の観点からは低いのが好ましい。両者を両立させるため、一般に、作動液の常温での粘度は10〜50mPa・s程度に設定される。
液圧シリンダのピストンとシリンダの摺動部、あるいは作動液給排系統のギヤポンプの歯車噛合部での摩耗を低減するために、摺動部での摺動摩擦係数は小さければ小さい方が好ましい。この点については、水系作動液は作動油と同等である。
作動液は、酸化反応(とくに高温時)による劣化が生じにくいことが必須である。水系作動液は、基本的には水とポリアクリル酸ナトリウムとからなるが、ポリアクリル酸ナトリウムはその燃焼温度(数百℃)未満では酸素と化合しないので、水系作動液に酸化による劣化は生じない。他方、鉱物油からなる作動油は、必然的に酸化により劣化し、劣化速度は温度が高いほど大きくなる。
一般に、油圧シリンダのパッキンの材料はニトリルゴムであるが、ポリアクリル酸ナトリウムはニトリルゴムを劣化させることはないので、ニトリルゴム製のパッキンを用いることができる。
液圧シリンダ及び作動液給排装置は、一般にアルミニウム合金又は鉄合金で作成されるが、アルミニウム合金以外の液圧装置の金属材料は、pH9以上では酸(水素イオンH+)による腐食は起こらず、またアルカリ(水酸化物イオンOH−)による腐食も起こらない。アルミニウム合金は、pH11以上ではアルカリ(水酸化物イオンOH−)による腐食が生じる可能性がある。水系作動液のpHが9〜11の範囲では、たとえ液圧シリンダ又は作動液給排装置にアルミニウム合金製の部品が使用されても、ほとんど腐食が起こることはない。そこで、水系作動液のpHを9〜11に調整することが好ましい。なお、作動油は、硫黄分が入っていない限り、金属腐食性は比較的低い。
液圧装置は、おおむね閉鎖系であり、外部から土塵や埃等の異物が侵入しない構造となっているが、完全な密閉系ではないので、大気中からの水蒸気の侵入は防ぐことができない。このため、油圧装置では、大気中から作動油に水蒸気が混入し、作動油の劣化や白濁が生じる。水系作動液は大半が水であるので、大気中からの水蒸気の侵入は、とくには不具合を生じさせない。
水系作動液は大半が水であるので不燃性であり、水系作動液を用いる液圧シリンダシステムに火災が発生する可能性はなく、防火の点で極めて有利である。一方、鉱物油からなる作動油は可燃性であるので、延焼、事故等により油圧シリンダシステムに火災が発生する可能性がある。
ポリアクリル酸ナトリウムないしはポリアクリル酸は、食品や化粧品の製造分野で増粘剤として用いられているものであり、生体に対する毒性は極めて低いものである。したがって、水系作動液の生体に対する毒性は極めて低いものであり、たとえ河川等に流出しても水中の生態系に悪影響を及ぼすものではない。
一般に、液圧シリンダシステムの作動液は、作動液貯槽内で常時空気と接触しているので、ほぼ飽和溶解度まで空気が溶解している。空気飽和溶解度は、おおむね作動液の圧力に比例して変化する。このため、作動液の循環回路内で作動液が減圧状態(大気圧未満)になるところ(例えば、ポンプ吸込口)では、作動液中に溶解していた空気の一部が溶解できなくなり微小な気泡が発生する。これらの気泡は、作動液の圧力が再び上昇したときに作動液に溶解することになるが、気泡が作動液に完全に溶解するには、ある程度の時間を必要とする。このため、残留している気泡によって、ポンプのキャビテーションや部品のエロージョンが発生することがある。
水系作動液の主原料であるポリアクリル酸ナトリウムないしはポリアクリル酸は炭素、水素あるいは酸素を含む有機化合物であり、基本的には微生物の栄養源となりうるものである。したがって、微生物の増殖に必要な窒素化合物、リン化合物等が十分に供給された場合は、水系作動液は微生物によって生物分解される(腐敗する)可能性はある。
液圧シリンダシステムが寒冷地に設置される場合、作動液は冬季に凍結しないことが必須である。この場合、水系作動液に、凍結防止剤としてエタノール又はプロピレングリコールを添加して凍結を防止することが好ましい。エタノール又はプロピレングリコールの添加量は、使用温度に応じて調整する。
1.水系作動液の原料の特性
(1)ポリアクリル酸ナトリウム又はポリアクリル酸
合成系の薬剤であるが、生体に対する毒性ないしは有害性は極めて低く、品質が食品添加レベルのポリアクリル酸ナトリウム又はポリアクリル酸は、食品分野で増粘剤として使用されている。ポリアクリル酸ナトリウム又はポリアクリル酸の使用が、生体の保護の観点から法的に規制されることはない。
エタノールは、医薬品や飲料として用いられているものであり、生体に対する毒性ないしは有害性は極めて低いものである。
プロピレングリコールは、医薬品や、化粧品や、麺や米飯などの食品に品質改善剤として用いられているものであり、生体に対する毒性ないしは有害性は極めて低いものである。なお、プロピレングリコールは、可燃性であることから消防法では危険物第4類に分類されているが、加工水のプロピレングリコール濃度は可燃限界濃度よりはるかに低い。よって、加工水が、プロピレングリコールを含むことに起因して消防法による規制を受けることはない。
水酸化ナトリウムは、水中ではナトリウムイオン(Na+)と水酸化物イオン(OH−)とに電離しており、水中の水酸化物イオン濃度が高いとアルカリ性は強くなるものの、両イオンとも元々生体内に存在するイオンであり、物質としては生体にとって有毒ないしは有害なものではない。よって、アルカリ性ないしはpHに基づく規制を受けることはさておき、水酸化ナトリウムの使用自体が、生体の保護の観点から法的に規制されることはない。
水系作動液は、耐用年数の経過後に水域に排出され又は廃棄されるものであるが、公共用水域(河川、湖沼、海)に排出される場合は水質汚濁防止法ないしはその上乗せ条例によって規制される可能性があり、公共下水道に排出される場合は下水道法ないしはその上乗せ条例によって規制される可能性がある。水質汚濁防止法又は下水道法ないしはその上乗せ条例は、事業場等から排出される排出水又は汚水が、健康項目に係る所定の有害物質(28種類)を含む場合は、排出量の大小にかかわらず、排出水又は汚水の有害物質の濃度が排出基準以下となるように規制している。
P3 第3ポート、 P4 第4ポート、 1 液圧シリンダ装置、
2 作動液給排装置、 3 シリンダ、 4 ピストン、 5 ピストンロッド、
6 負荷、 7 第1液室、 8 第2液室、 11 通路路切換弁、
12 第1作動液通路、 13 第2作動液通路、 14 作動液供給路、
15 作動液還流路、 16 作動液貯槽、 17 フィルタ、 18 紫外線灯、
19 電動機、 20 作動液供給ポンプ、 21 第1バイパス通路、
22 リリーフ弁、 23 作動液加熱装置、 24 冷却器、
25 第1パイロット操作式逆止弁、 26 第1逆止弁付流量調整弁、
26a 流量調整弁、 26b 逆止弁、 27 第2パイロット操作式逆止弁、
28 第2逆止弁付流量調整弁、 28a 流量調整弁、 28b 逆止弁、
30 第1開閉弁、 31 第2開閉弁、 32 第2バイパス通路、
33 第3開閉弁。
Claims (5)
- 加圧された水系作動液を動力伝達媒体とする液圧シリンダと、前記液圧シリンダに対して水系作動液を給排する作動液給排装置とを備えている液圧シリンダシステムであって、
前記作動液給排装置は、
・水系作動液を貯留する作動液貯槽と、
・前記作動液貯槽に貯留された水系作動液を前記液圧シリンダに供給するとともに、前記液圧シリンダから排出された水系作動液を前記作動液貯槽に還流させる作動液給排通路と、
・前記作動液給排通路の一部をなす作動液供給通路に介設され、前記作動液貯槽に貯留されている水系作動液を吸入・加圧して吐出する作動液供給ポンプと、
・前記液圧シリンダと前記作動液供給ポンプの間において前記作動液給排通路に介設され、前記作動液給排通路における水系作動液の流れる方向を順方向及び逆方向に切り換える通路切換弁とを有し、
水系作動液は、水とポリアクリル酸ナトリウムとを含み、該水系作動液における水に対するポリアクリル酸ナトリウムの量が0.3〜1.5質量パーセントの範囲であり、
水系作動液の水素指数がpH9〜pH11の範囲内に調整されていることを特徴とする液圧シリンダシステム。 - 水系作動液における水に対するポリアクリル酸ナトリウムの量が0.4〜1.35質量パーセントの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の液圧シリンダシステム。
- 水系作動液の水素指数が、水酸化ナトリウムを添加することによりpH9〜pH11の範囲内に調整されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の液圧シリンダシステム。
- 水系作動液がプロピレングリコールを含み、該水系作動液における水に対するプロピレングリコール添加量が、0℃より低温側でありかつプロピレングリコールの凝固点より高温側の温度範囲内で予め設定されたシステム使用下限温度を凝固点とするプロピレングリコール水溶液における水に対するプロピレングリコール添加量と同量であるか又はこれより多いことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の液圧シリンダシステム。
- 水系作動液がエタノールを含み、該水系作動液における水に対するエタノール添加量が、0℃より低温側でありかつエタノールの凝固点より高温側の温度範囲内で予め設定されたシステム使用下限温度を凝固点とするエタノール水溶液における水に対するエタノール添加量と同量であるか又はこれより多いことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の液圧シリンダシステム。
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