JP2020054333A - 藻類培養システム及び藻類培養方法 - Google Patents

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Keisuke Kojima
啓輔 小島
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Mitsuhiro Sumikura
光博 隅倉
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Masaharu Tazaki
雅晴 田▲崎▼
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Abstract

【課題】藻類の培養に適した環境が容易に得られる藻類培養システム及び藻類培養方法。【解決手段】含窒素有機物に加熱処理を施して、二酸化炭素とアンモニアと水とを含む第一のガスを得る熱処理装置2と、前記第一のガスから前記アンモニアを除去し、第二のガスを得るアンモニア除去装置3と、前記第二のガスに気液分離処理を施して、前記二酸化炭素を含む第三のガスと、前記水を含む第一の液体とを得る気液分離装置4と、前記第一の液体の全部又は一部と藻類とを含む培養液とし、前記藻類を培養する培養装置6と、を備える、藻類培養システム100。【選択図】図1

Description

本発明は、藻類培養システム及び藻類培養方法に関する。
近年、バイオマス燃料や食品の材料として微細藻類が注目されており、大規模な培養プラントにおける藻類培養が盛んである。藻類培養には、培養液の栄養分に大きなコストを要する。培養液の栄養分のコストを削減するために、炭素や窒素等の栄養分を含む廃棄物が用いられることがある。栄養分を多く含む廃棄物として下水汚泥が挙げられる。下水汚泥を藻類培養に用いる場合は、炭素や窒素等を藻類が利用できる形態にするために、加熱により固形成分を可溶化したり、電解パルスにより殺菌したりする等の前処理が必要になる。
例えば、特許文献1には、多糖類を含む汚泥に熱水処理を施した後、回収した固体成分に対して糖化を行い、糖化後の液体を使用して藻類の培養を行う藻類培養方法が提案されている。
特許第5696310号公報
しかしながら、汚泥中に過剰な栄養分が含まれていると、熱水処理後の液体成分を希釈する必要がある。特にアンモニアは過剰に存在すると藻類の培養を阻害するおそれがある。このため、特許文献1の藻類培養方法では、熱水処理後の液体成分を希釈して、藻類の培養環境を調節する必要がある。
そこで、本発明は、藻類の培養に適した環境が容易に得られる藻類培養システム及び藻類培養方法を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を有する。
[1]含窒素有機物に加熱処理を施して、二酸化炭素とアンモニアと水とを含む第一のガスを得る熱処理装置と、前記第一のガスから前記アンモニアを除去し、第二のガスを得るアンモニア除去装置と、前記第二のガスに気液分離処理を施して、前記二酸化炭素を含む第三のガスと、前記水を含む第一の液体とを得る気液分離装置と、前記第一の液体の全部又は一部と藻類とを含む培養液とし、前記藻類を培養する培養装置と、を備える、藻類培養システム。
[2]前記培養装置の前段に、前記第一の液体に調整剤を供給して調整液を得る調整装置をさらに備える、[1]に記載の藻類培養システム。
[3]前記第三のガスの全部又は一部を前記調整装置に供給する第一供給手段をさらに備える、[2]に記載の藻類培養システム。
[4]前記熱処理装置で得られる固形分の全部又は一部を前記調整装置に供給する第二供給手段をさらに備える、[2]又は[3]に記載の藻類培養システム。
[5]前記アンモニア除去装置で除去されたアンモニアの全部又は一部を前記調整装置に供給する第三供給手段をさらに備える、[2]〜[4]のいずれかに記載の藻類培養システム。
[6]前記第三のガスの全部又は一部を前記培養装置に供給する第四供給手段をさらに備える、[1]〜[5]のいずれかに記載の藻類培養システム。
[7]前記熱処理装置で得られる固形分の全部又は一部を前記気液分離装置に供給する第五供給手段をさらに備える、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の藻類培養システム。
[8]含窒素有機物に加熱処理を施して、二酸化炭素とアンモニアと水とを含む第一のガスを得る熱処理工程と、前記第一のガスから前記アンモニアを除去し、第二のガスを得るアンモニア除去工程と、前記第二のガスに気液分離処理を施して、前記二酸化炭素を含む第三のガスと、前記水を含む第一の液体とを得る気液分離工程と、前記第一の液体の全部又は一部と藻類とを含む培養液とし、前記藻類を培養する培養工程と、を備える、藻類培養方法。
[9]前記培養工程の前段に、前記第一の液体に調整剤を供給して調整液を得る調整工程をさらに備える、[8]に記載の藻類培養方法。
[10]前記調整工程は、前記第三のガスの全部又は一部を前記調整液に供給する第一供給操作をさらに備える、[9]に記載の藻類培養方法。
[11]前記調整工程は、前記熱処理工程で得られる固形分の全部又は一部を前記調整液に供給する第二供給操作をさらに備える、[9]又は[10]に記載の藻類培養方法。
[12]前記調整工程は、前記アンモニア除去工程で除去されたアンモニアの全部又は一部を前記調整液に供給する第三供給操作をさらに備える、[9]〜[11]のいずれかに記載の藻類培養方法。
[13]前記培養工程は、前記第三のガスの全部又は一部を前記培養液に供給する第四供給操作をさらに備える、[8]〜[12]のいずれかに記載の藻類培養方法。
[14]前記気液分離工程は、前記熱処理工程で得られる固形分の全部又は一部を前記第一の液体に供給する第五供給操作をさらに備える、[8]〜[13]のいずれか一項に記載の藻類培養方法。
本発明の藻類培養システム及び藻類培養方法によれば、藻類の培養に適した環境が容易に得られる。
本発明の一実施形態に係る藻類培養システムの模式図である。 本発明の他の実施形態に係る気液分離装置の一例を示す模式図である。
<藻類培養システム>
本発明の藻類培養システムは、熱処理装置と、アンモニア除去装置と、気液分離装置と、培養装置とを備える。
以下に、本発明の一実施形態に係る藻類培養システムについて、図1に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の藻類培養システム100は、原料貯留装置1と、熱処理装置2と、アンモニア除去装置3と、気液分離装置4と、調整装置5と、培養装置6と、藻類回収装置7と、背圧弁B1と、配管L1〜L7とを備える。
藻類培養システム100は、さらに、固形分貯留装置21と、アンモニア貯留装置31と、第一調整剤貯留装置51と、第二調整剤貯留装置52と、第三調整剤貯留装置61と、藻類貯留装置71と、配管L20、L21、L30、L31、L40、L51、L52、L53、L61、L62、L70とを備える。
原料貯留装置1と熱処理装置2とは、配管L1によって接続されている。熱処理装置2とアンモニア除去装置3とは、配管L2によって接続されている。アンモニア除去装置3と気液分離装置4とは、配管L3によって接続されている。配管L3には、背圧弁B1が設けられている。気液分離装置4と調整装置5とは、配管L4で接続されている。調整装置5と培養装置6とは、配管L5で接続されている。培養装置6と藻類回収装置7とは、配管L6で接続されている。藻類回収装置7には、配管L7が接続されている。
固形分貯留装置21は、配管L20で熱処理装置2に接続されている。固形分貯留装置21は、配管L21で調整装置5に接続されている。
アンモニア貯留装置31は、配管L30でアンモニア除去装置3に接続されている。アンモニア貯留装置31は、配管L31で調整装置5に接続されている。
気液分離装置4には、配管L40が接続されている。配管L40は、分岐101で配管L53と配管L62とに接続されている。配管L53は、調整装置5に接続されている。配管L62は、培養装置6に接続されている。
第一調整剤貯留装置51は、配管L51で調整装置5に接続されている。
第二調整剤貯留装置52は、配管L52で調整装置5に接続されている。
第三調整剤貯留装置61は、配管L61で培養装置6に接続されている。
藻類貯留装置71は、配管L70で藻類回収装置7に接続されている。
原料貯留装置1は、含窒素有機物を貯留する装置である。
原料貯留装置1としては、含窒素有機物を貯留できればよく、下水処理施設の配水管の一部や含窒素有機物を一時貯留することができるタンクや、含窒素有機物を積載する車両等が挙げられる。
熱処理装置2は、含窒素有機物に加熱処理を施して、二酸化炭素とアンモニアと水とを含む第一のガスを得る装置である。
熱処理装置2としては、例えば、加熱ヒーターを備える耐圧容器が挙げられる。
加熱ヒーターとしては、熱処理装置2の内部を加熱可能なヒーターであればよく、例えば、高温の水蒸気を通流させるスチームヒーターや、ガスボイラー等が挙げられる。
耐圧容器としては、例えば、ステンレスやニッケル合金等の金属製の耐圧容器が挙げられる。
固形分貯留装置21は、熱処理装置2で得られた固形分を貯留する装置である。
固形分貯留装置21としては、例えば、固形分を一時貯留することができるタンクや、固形分を積載する車両等が挙げられる。
固形分は、含窒素有機物に加熱処理を施して得られる固体成分である。固体成分には、リン等の藻類の培養に必要なミネラルが含まれる。
アンモニア除去装置3は、第一のガスからアンモニアを除去し、第二のガスを得る装置である。すなわち、第二のガスは、第一のガスからアンモニアを分離して得られる残部である。
アンモニア除去装置3としては、例えば、第一のガス中のアンモニアを吸着する吸着剤が充填された耐圧容器が挙げられる。耐圧容器としては、例えば、ステンレスやニッケル合金等の金属製の耐圧容器が挙げられる。
アンモニア除去装置3には、加熱ヒーター、冷却部、又は、圧力調整バルブ等(不図示)が設けられていてもよい。
吸着剤としては、例えば、ゼオライト等、公知の吸着剤が挙げられる。また、アンモニアと反応してリン酸マグネシウムアンモニアを生成するリン酸マグネシウムを適用してもよい。
アンモニア貯留装置31は、アンモニア除去装置3で分離されたアンモニアを貯留する装置である。
アンモニア貯留装置31としては、アンモニアを気体又は液体として貯留できる貯留槽やボンベ等が挙げられる。
気液分離装置4は、第二のガスに気液分離処理を施して、二酸化炭素を含む第三のガスと、水を含む第一の液体とを得る装置である。
気液分離装置4としては、例えば、熱交換器を備える凝縮器等が挙げられ、気体と液体とに分離できる装置であれば特に限定されない。
調整装置5は、第一の液体に調整剤を供給して調整液を得る装置である。
調整装置5としては、例えば、水槽と攪拌翼とを備える攪拌槽が挙げられる。
第一調整剤貯留装置51は、pH調整剤を貯留し、調整装置5にpH調整剤を供給する装置である。
第一調整剤貯留装置51としては、例えば、貯留容器や貯留槽等が挙げられ、開閉バルブや圧送ポンプが設けられていてもよい。
第二調整剤貯留装置52は、栄養剤を貯留し、調整装置5に栄養剤を供給する装置である。
第二調整剤貯留装置52としては、例えば、第一調整剤貯留装置51と同様の貯留容器や貯留槽等が挙げられる。
培養装置6は、第一の液体の全部又は一部と藻類とを含む培養液とし、藻類を培養する装置である。
培養装置6としては、例えば、水槽と攪拌翼とを備える攪拌槽が挙げられる。
培養装置6で培養される藻類としては、例えば、植物性プランクトン等の微細藻類が挙げられる。
第三調整剤貯留装置61は、pH調整剤を貯留し、培養装置6にpH調整剤を供給する装置である。
第三調整剤貯留装置61としては、例えば、第一調整剤貯留装置51と同様の貯留容器や貯留槽等が挙げられる。なお、第一調整剤貯留装置51が、第三調整剤貯留装置61を兼ねていてもよい。
藻類回収装置7は、培養液から培養された藻類を回収し、藻類と、処理水TWとを得る装置である。
藻類回収装置7としては、例えば、遠心分離機や膜ろ過装置等が挙げられる。
藻類貯留装置71は、藻類回収装置7で回収された藻類を貯留する装置である。
藻類貯留装置71としては、例えば、藻類を貯留できる貯留槽等が挙げられる。
藻類培養システム100は、第三のガスの全部又は一部を調整装置5に供給する第一供給手段をさらに備える。
藻類培養システム100が第一供給手段を備えることで、調整液に第三のガスの全部又は一部を供給でき、藻類の培養に必要な炭素成分を調整液に溶解できる。
加えて、調整液に第三のガスの全部又は一部を供給することで、調整液が第三のガスによって攪拌され、調整液の攪拌に要するエネルギーを軽減できる。
本実施形態の第一供給手段は、配管L40と配管L53とで構成されている。第一供給手段には、圧送ポンプやコンプレッサーが設けられてもよい。
藻類培養システム100は、固形分の全部又は一部を調整装置5に供給する第二供給手段をさらに備える。
藻類培養システム100が第二供給手段を備えることで、調整液に固形分の全部又は一部を供給でき、藻類の培養に必要なミネラルを調整液に溶解できる。
本実施形態の第二供給手段は、配管L21で構成されている。第二供給手段には、圧送ポンプやコンプレッサーが設けられてもよい。
藻類培養システム100は、アンモニア除去装置3で除去されたアンモニアの全部又は一部を調整装置5に供給する第三供給手段をさらに備える。
藻類培養システム100が第三供給手段を備えることで、調整液にアンモニアの全部又は一部を供給でき、藻類の培養に必要な窒素成分を調整液に溶解できる。
本実施形態の第三供給手段は、配管L31で構成されている。第三供給手段には、圧送ポンプやコンプレッサーが設けられてもよい。
藻類培養システム100は、第三のガスの全部又は一部を培養装置6に供給する第四供給手段をさらに備える。
藻類培養システム100が第四供給手段を備えることで、培養液に第三のガスの全部又は一部を供給でき、藻類の培養に必要な炭素成分を培養液に溶解できる。
加えて、培養液に第三のガスの全部又は一部を供給することで、培養液が第三のガスによって攪拌され、培養液の攪拌に要するエネルギーを軽減できる。
本実施形態の第四供給手段は、配管L40と配管L62とで構成されている。第四供給手段には、圧送ポンプやコンプレッサーが設けられてもよい。
藻類培養システム100は、背圧弁B1をさらに備える。
藻類培養システム100が背圧弁B1を備えることで、気液分離装置4における圧力調整を容易に行うことができ、第二のガスの気液分離処理に要するエネルギーを軽減できる。
<藻類培養方法>
本発明の藻類培養方法は、熱処理工程と、アンモニア除去工程と、気液分離工程と、培養工程とを備える。
藻類培養システム100を用いた藻類培養方法について、図1に基づいて説明する。
まず、原料(含窒素有機物)を原料貯留装置1から配管L1を介して、熱処理装置2に供給する。
本明細書において、含窒素有機物とは、窒素成分を含む有機物を指す。含窒素有機物としては、メタン発酵工程から排出されるアンモニア含有消化液、食品廃棄物、家畜排泄物、有機汚泥等のバイオマス廃棄物等が挙げられる。有機汚泥としては、下水処理によって得られる有機汚泥が挙げられ、生汚泥、余剰汚泥、濃縮汚泥、消化汚泥の他、下水汚泥や活性汚泥、畜産汚泥等が挙げられる。
熱処理装置2に供給された含窒素有機物は、加熱処理が施され、二酸化炭素とアンモニアと水とを含む第一のガスと、固形分とに分離される(熱処理工程)。
熱処理工程における熱処理装置2の内部温度(以下、熱処理温度ともいう。)は、水の沸点(100℃)以上であり、水の臨界温度(374℃)以上が好ましく、374℃以上500℃以下がより好ましく、400℃以上450℃以下がさらに好ましい。熱処理温度が上記下限値以上であると、含窒素有機物を十分に酸化分解することができる。熱処理温度が上記上限値以下であると、アンモニアへの転化率を向上しやすい。このため、後述するアンモニア除去工程で、含窒素有機物に含まれる窒素成分をアンモニアとして分離しやすい。加えて、熱処理温度が上記上限値以下であると、加熱処理を施す際のエネルギーを節約しやすい。
熱処理温度は、加熱ヒーター等により調整できる。
熱処理工程における熱処理装置2の内部圧力(以下、熱処理圧力ともいう。)は、特に限定されず、含窒素有機物の炭素成分が二酸化炭素まで分解される圧力であればよい。熱処理圧力としては、例えば、5MPa以上20MPa以下が好ましく、10MPa以上20MPa以下がより好ましく、10MPa以上15MPa以下がさらに好ましい。熱処理圧力が上記下限値以上であると、含窒素有機物を十分に酸化分解することができる。熱処理圧力が上記上限値以下であると、熱処理装置2にかかる負荷を低減しやすい。
なお、熱処理圧力は、水の臨界圧力(22MPa)以上であってもよい。
熱処理圧力は、高圧ポンプ等により調整できる。
含窒素有機物は水分を含んでおり、通常、脱水してから焼却等が行われる。
本実施形態の藻類培養システム100では、熱処理装置2を高温高圧にして含窒素有機物を酸化分解するため、脱水工程及び焼却工程が不要である。
なお、熱処理工程で生成する含窒素有機物の固形分は、排出ポンプ等を用いて、配管L20を介して固形分貯留装置21へと供給される。
含窒素有機物の含水率は、90質量%以上98質量%以下が好ましい。含窒素有機物の含水率が上記下限値以上であると、原料貯留装置1から熱処理装置2への流動性に優れ、藻類培養システム100を連続して運転できるため、藻類培養システム100の処理効率を向上しやすい。含窒素有機物の含水率が上記上限値以下であると、含窒素有機物の処理量を低減できるため、加熱処理を施す際のエネルギーを節約しやすい。
熱処理工程における加熱処理が施される時間(以下、熱処理時間ともいう。)は、1分以上30分以下が好ましく、1分以上20分以下がより好ましく、1分以上15分以下がさらに好ましい。熱処理時間が上記下限値以上であると、含窒素有機物を十分に酸化分解することができる。熱処理時間が上記上限値以下であると、アンモニアへの転化率を向上しやすい。このため、後述するアンモニア除去工程で、含窒素有機物に含まれる窒素成分をアンモニアとして分離しやすい。加えて、熱処理時間が上記上限値以下であると、加熱処理を施す際のエネルギーを節約しやすい。
第一のガスには、主に窒素、二酸化炭素、アンモニア、水が含まれる。熱処理工程で生成された第一のガスは、配管L2を介してアンモニア除去装置3へと流入する。
アンモニア除去装置3に流入した第一のガスは、アンモニアが除去され、アンモニアの濃度が所定値以下の第二のガスとなる(アンモニア除去工程)。
第二のガスは、アンモニアの濃度が所定値以下であるため、藻類の培養を阻害するおそれが軽減される。
アンモニアの濃度の所定値は、予め任意に定められた値である。アンモニアの濃度の所定値は、培養する藻類種によって定めてもよい。培養する藻類種が、例えば、クロレラ(Palachlorella kessleri NIES-2160)の場合、アンモニアの濃度の所定値としては、後述する培養液のアンモニア性窒素の濃度が400mg/L以下となるアンモニアの濃度が好ましい。例えば、培養液の流量1.25m/hに対して、第二のガスが5000m/h発生する場合、アンモニアの濃度の所定値としては、アンモニア発生量が0.1mg/L以下となる濃度が挙げられる。アンモニアの濃度の所定値が上記上限値以下であると、藻類の培養を阻害するおそれが軽減される。
なお、アンモニアの濃度の所定値は、培養液の流量1.25m/hに対して、第二のガスが5000m/h発生する場合、アンモニア発生量が0mg/Lとなる濃度であってもよい。
アンモニアの発生量は、発生したガス中のアンモニア濃度を、例えば、ガスクロマトグラフィーで測定することにより求められる。また、アンモニアの発生量は、培養液に溶存するアンモニア性窒素の濃度を、例えば、イオンクロマトグラフィーで測定することにより求められる。
アンモニア除去工程では、第一のガスに含まれるアンモニアが、吸着剤によって選択的に吸着され、除去される。
アンモニア除去工程におけるアンモニア除去装置3の内部温度(以下、除去温度ともいう。)は、20℃以上300℃以下が好ましく、20℃以上200℃以下がより好ましく、20℃以上100℃以下がさらに好ましい。除去温度が上記下限値以上であると、第一のガスに含まれるアンモニアが吸着剤に吸着されやすい。除去温度が上記上限値以下であると、吸着剤の吸着能を維持しやすい。
除去温度は、アンモニア除去装置3に設けられた加熱ヒーター又は冷却部(不図示)により調整できる。
アンモニア除去工程におけるアンモニア除去装置3の内部圧力(以下、除去圧力ともいう。)は、水の臨界圧力(22MPa)未満が好ましく、1MPa以上20MPa以下がより好ましく、1MPa以上15MPa以下がさらに好ましく、1MPa以上10MPa以下が特に好ましい。除去圧力が上記下限値以上であると、第一のガスに含まれるアンモニアが吸着剤に吸着されやすい。除去圧力が上記上限値以下であると、アンモニア除去装置3にかかる負荷を低減しやすい。
除去圧力は、アンモニア除去装置3に設けられた圧力調整バルブ等(不図示)により調整できる。
第二のガスは、配管L3及び背圧弁B1を介して気液分離装置4へと流入する。
背圧弁B1を介することで、第二のガスは常圧(0.1MPa)まで減圧される。第二のガスには、主に窒素、二酸化炭素、水が含まれる。
気液分離装置4に流入した第二のガスは、0℃超100℃未満に冷却されることにより、二酸化炭素を含む第三のガスと、水を含む第一の液体とに分離される(気液分離工程)。
第一の液体は、一度気化して凝集した液体であるため、不純物が少ない清浄な水である。第一の液体を培養装置6で用いることにより、藻類の培養により適した環境が得られやすい。
加えて、第一の液体は、一度加熱処理が施されているため、含窒素有機物に含まれる雑菌が殺菌されている。このため、第一の液体を培養装置6で用いることにより、コンタミネーションのおそれがない、藻類の培養により適した環境が得られやすい。
第一の液体は、配管L4を介して調整装置5へと流入する。
調整装置5へと流入した第一の液体は、第一調整剤貯留装置51及び第二調整剤貯留装置52から調整剤が供給され、混合されて調整液となる(調整工程)。
調整液は、第一の液体の全部又は一部と調整剤とを含む。
本実施形態の藻類培養方法は、後述する培養工程の前段に、調整工程を備えることで、藻類の培養に適した環境(培養液)がより容易に得られる。
調整剤としては、pH調整剤、藻類に栄養分を供給する栄養剤等が挙げられる。
調整剤は、粉体でもよく、液体でもよく、粉体を水に溶解した水溶液であってもよい。
第一の液体に供給しやすく、容易に混合される観点から、調整剤は、液体又は水溶液であることが好ましい。
pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア及びこれらの水溶液等の塩基性物質;硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸、コハク酸及びこれらの水溶液等の酸性物質が挙げられる。
栄養剤としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、リン、鉄、ビタミン類及びこれらの水溶液等のミネラルが挙げられる。
なお、第一の液体は、清浄な水であるため、殺菌剤を添加しないことが好ましい。
殺菌剤としては、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、オゾン及びこれらの水溶液等が挙げられる。
また、第一の液体には調整剤が供給されなくてもよく、第一の液体を調整液としてもよい。
調整装置5では、第一調整剤貯留装置51から配管L51を介してpH調整剤が供給される。調整装置5内の調整液は、pHがモニタリングされ、藻類の培養に適したpHを保つことができる。
調整工程が、後述する第一供給操作を備える場合、調整液には、二酸化炭素を含む第三のガスが供給されるため、調整液は酸性になりやすい。このため、pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及びこれらの水溶液等の塩基性物質が好ましい。
調整装置5に供給されるpH調整剤の種類や添加量は、藻類の培養に適したpHに応じて、適宜設定できる。
培養する藻類種がChlorella sorokiniana NIES-2169の場合、調整液のpHは、例えば、6.8〜8.3が好ましい。
調整工程では、第一の液体に栄養剤が添加されてもよい。第一の液体に栄養剤が添加されることにより、藻類の培養により適した調整液が得られる。
栄養剤は、第二調整剤貯留装置52から配管L52を介して、調整装置5に供給される。
調整装置5に供給される栄養剤の種類や添加量は、藻類の培養に適した環境に応じて、適宜設定できる。
本実施形態の調整工程は、第三のガスの全部又は一部を調整液に供給する第一供給操作をさらに備える。
第三のガスには、主に窒素、二酸化炭素が含まれる。本実施形態の調整工程は、第一供給操作を備えることで、調整液に窒素成分、炭素成分を供給できる。これらの窒素成分、炭素成分は、藻類の培養に必要な成分であるため、第一供給操作を備えることで、藻類の培養により適した環境が得られやすい。
加えて、第一供給操作を備えることで、調整液が第三のガスによって攪拌され、調整液の攪拌に要するエネルギーを軽減できる。
第一供給操作では、第三のガスは、配管L40、分岐101、配管L53を介して調整装置5に供給される。
本実施形態の調整工程は、熱処理工程で得られる固形分の全部又は一部を調整液に供給する第二供給操作をさらに備える。
固形分には、藻類の培養に必要なミネラルが含まれる。本実施形態の調整工程は、第二供給操作を備えることで、調整液にミネラルを供給できる。ミネラルは、藻類の培養に必要な成分であるため、第二供給操作を備えることで、藻類の培養により適した環境が得られやすい。
第二供給操作では、固形分は、固形分貯留装置21から、配管L21を介して調整装置5に供給される。
本実施形態の調整工程は、アンモニア除去工程で除去されたアンモニアの全部又は一部を調整液に供給する第三供給操作をさらに備える。
アンモニアには、藻類の培養に必要な窒素成分が含まれる。本実施形態の調整工程は、第三供給操作を備えることで、調整液にアンモニアを供給できる。このため、第三供給操作を備えることで、藻類の培養により適した環境が得られやすい。
また、第三供給操作を備えることで、アンモニアをpH調整剤として利用でき、第一調整剤貯留装置51からのpH調整剤の供給を省略できる。
なお、第三供給操作で供給されるアンモニアの濃度は、藻類の培養に必要な窒素成分の濃度に応じて適宜設定できる。
第三供給操作では、アンモニアは、アンモニア貯留装置31から、配管L31を介して調整装置5に供給される。
調整工程で得られた調整液は、配管L5を介して培養装置6へと流入する。
培養装置6へと流入した調整液は、藻類が添加されることにより培養液となる。培養液は、調整液の全部又は一部と藻類とを含む。すなわち、培養液は、第一の液体の全部又は一部と藻類とを含む。本実施形態の藻類培養方法は、藻類の培養により適した調整液を用いているため、藻類の培養に適した環境(培養液)がより容易に得られやすい。
このように、培養装置6では、第一の液体の全部又は一部と藻類とを含む培養液を用いて藻類が培養される(培養工程)。
本実施形態の培養工程は、第三のガスの全部又は一部を培養液に供給する第四供給操作をさらに備える。
本実施形態の培養工程は、第四供給操作を備えることで、培養液に窒素成分、炭素成分を供給できる。これらの窒素成分、炭素成分は、藻類の培養に必要な成分であるため、第四供給操作を備えることで、藻類の培養により適した環境が得られやすい。
加えて、第四供給操作を備えることで、培養液が第三のガスによって攪拌され、培養液の攪拌に要するエネルギーを軽減できる。
第四供給操作では、第三のガスは、配管L40、分岐101、配管L62を介して培養装置6に供給される。
培養工程が、第四供給操作を備える場合、培養液には、二酸化炭素を含む第三のガスが供給されるため、培養液は酸性になりやすい。このため、培養装置6では、培養液のpHがモニタリングされ、第三調整剤貯留装置61から配管L61を介してpH調整剤が供給されることが好ましい。pH調整剤を添加された培養液は、藻類の培養に適したpHを保つことができる。
pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及びこれらの水溶液等の塩基性物質が好ましい。
培養装置6に供給されるpH調整剤の種類や添加量は、藻類の培養に適したpHに応じて、適宜設定できる。
培養装置6で、目的の量まで藻類を培養したら、培養液は、配管L6を介して、藻類回収装置7へと供給される。
藻類回収装置7に供給された培養液は、藻類が分離され、処理水TWとなる(藻類回収工程)。
分離された藻類は、配管L70を介して藻類貯留装置71へと供給され、貯留される。
処理水TWは、配管L7を介して、藻類培養システム100の系外に排出される。処理水TWは、下水処理等、適切な処理を施し、種々の用途に利用できる。
本実施形態の藻類培養システム100によれば、第三のガスを利用することで、藻類の培養に必要な炭素成分の供給と、調整液又は培養液の攪拌を同時に行うことができる。
本実施形態の藻類培養システム100によれば、含窒素有機物に加熱処理を施すことで雑菌が殺菌されるため、コンタミネーションのおそれがない、藻類の培養により適した環境が得られやすい。
本実施形態の藻類培養システム100によれば、一度気化した水を凝集して利用するため、不純物が少ない清浄な水が得られる。この水を培養液として培養装置6で用いることにより、藻類の培養により適した環境が得られやすい。
本実施形態の藻類培養システム100によれば、固形分や栄養剤を添加する量を調整できるため、含窒素有機物の性状によって、藻類の増殖を左右されない。
本実施形態の藻類培養システム100によれば、アンモニア除去装置3で除去しきれなかったアンモニアを藻類の培養に活用できる。
本実施形態の藻類培養システム100によれば、加熱処理を施した水を培養液として利用しているため、培養液の温度を一定に保ちやすく、藻類の安定した培養が可能となる。
本実施形態の藻類培養システム100によれば、アンモニアを除去した水を培養液として利用しているため、アンモニアを希釈するために培養液に添加する水を必要としない。
以上、本発明の藻類培養システム及び藻類培養方法について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本実施形態の藻類培養システム100は、調整装置5を備えるが、藻類培養システムは、調整装置を備えなくてもよい。
藻類の培養に適した環境がより容易に得られる観点から、藻類培養システムは、調整装置を備えることが好ましい。
本実施形態の藻類培養システム100は、調整剤を調整装置5に供給する第一調整剤貯留装置51と第二調整剤貯留装置52とを備える。藻類培養システムは、第一調整剤貯留装置及び第二調整剤貯留装置の双方又はいずれか一方を備えなくてもよい。
藻類の培養に適した環境がより容易に得られる観点から、藻類培養システムは、第一調整剤貯留装置及び第二調整剤貯留装置の双方又はいずれか一方を備えることが好ましい。
本実施形態の藻類培養システム100は、調整装置5から調整液を連続して培養装置6に供給している。藻類培養システムは、バッチ式で調整液を培養装置に供給してもよい。加熱処理をより効率よく行う観点から、調整液を連続して培養装置に供給することが好ましい。
本実施形態の藻類培養システム100は、調整剤を培養装置6に供給する第三調整剤貯留装置61を備えるが、藻類培養システムは、第三調整剤貯留装置を備えなくてもよい。
藻類の培養に適した環境がより容易に得られる観点から、藻類培養システムは、第三調整剤貯留装置を備えることが好ましい。
培養装置は、栄養剤を培養液に供給する調整剤貯留装置と接続されていてもよい。
本実施形態の藻類培養システム100は、熱処理装置で得られる固形分の全部又は一部を調整装置5に供給する第二供給手段を備える。藻類培養システムは、固形分の全部又は一部を培養装置に供給する供給手段を備えてもよい。藻類培養システムは、固形分の全部又は一部を気液分離装置に供給する供給手段を備えてもよい。
藻類培養システムが、固形分の全部又は一部を気液分離装置に供給する供給手段を備える場合について説明する。
例えば、図2に示すように、気液分離装置4Aは、第五供給手段M41を有する。第五供給手段M41は、支柱42と、固定糸43と、袋44とを備える。袋44には、熱処理装置2で得られた固形分が収容される。
支柱42としては、特に限定されず、気液分離装置4の内部に固定できるものであればよい。固定糸43としては、公知の糸、紐、ロープ、化学繊維、金属線等が挙げられる。袋44は、透水性を有し、かつ、収容された固形分を袋44の外部に漏出しないものであればよい。袋44の素材としては、布、不織布、樹脂フィルム等が挙げられる。
固形分には、藻類の成長に必要なリンやカリウム等の栄養素が豊富に含まれる。このため、藻類培養システムが第五供給手段M41を備えることで、藻類の成長に必要な栄養素をより有効に利用できる。
藻類培養システムが、固形分の全部又は一部を気液分離装置に供給する供給手段を備える場合の藻類培養方法について説明する。
熱処理工程で得られる固形分を袋44に収容し、固定糸43で、袋44の開口部を縛り、支柱42に固定する。固形分を収容した袋44を気液分離工程で得られる第一の液体中に浸漬する(第五供給操作)。
すなわち、藻類培養方法の気液分離工程は、熱処理工程で得られる固形分の全部又は一部を第一の液体に供給する第五供給操作を備える。気液分離工程が第五供給操作を備えることで、気液分離装置4Aの内部の液体(すなわち、第一の液体)により多くの栄養素を供給でき、藻類の培養に適した環境がより得られやすい。
第五供給操作において、第一の液体に供給する固形分の質量は、第一の液体1L/hrに対して、例えば、1〜500gが好ましく、1〜300gがより好ましく、1〜100gがさらに好ましい。第一の液体に供給する固形分の質量が上記下限値以上であると、第一の液体により多くの栄養素を供給しやすい。第一の液体に供給する固形分の質量が上記上限値以下であると、固形分が袋44の外部に漏出することを抑制しやすい。
第五供給操作において、固形分を第一の液体に浸漬する時間は、例えば、1〜72時間が好ましく、1〜48時間がより好ましく、1〜24時間がさらに好ましい。固形分を第一の液体に浸漬する時間が上記下限値以上であると、第一の液体により多くの栄養素を供給しやすい。固形分を第一の液体に浸漬する時間が上記上限値以下であると、固形分から第一の液体に栄養素を供給する速度を速めやすい。固形分を第一の液体に浸漬する時間は、固形分に含まれる栄養素の量に応じて決定できる。
第五供給操作において、固形分を第一の液体に浸漬する温度は、例えば、10〜100℃が好ましく、20〜60℃がより好ましく、40〜60℃がさらに好ましい。固形分を第一の液体に浸漬する温度が上記下限値以上であると、第一の液体により多くの栄養素を供給しやすい。固形分を第一の液体に浸漬する温度が上記上限値以下であると、水蒸気等によって系外に排出される水分や熱を抑制しやすい。
なお、固形分をそのまま気液分離装置4Aに投入すると、固形分が第一の液体中に分散し、培養装置6において充分に光が透過せず、藻類が充分に光合成を行うことができない。このため、第五供給操作では、固形分を袋44に収容し、固形分が第一の液体中に分散しないようにすることが好ましい。
また、第一の液体は、pH調整剤を供給する前の液体であるため、調整液や培養液に比べてpHが低い。このため、固形分の栄養素は調整液や培養液よりも第一の液体に溶出しやすい。固形分の栄養素としては、上述したリンやカリウムのほか、鉄やマグネシウム等の栄養塩が挙げられる。これらの栄養塩は、調整液や培養液に比べてpHが低い第一の液体に溶出しやすい。
藻類培養方法は、第五供給操作を備えることで、熱処理工程で得られる固形分の栄養素を有効利用できるため、より多くの藻類の培養が可能となる。加えて、藻類培養方法は、第五供給操作を備えることで、調整工程で供給する調整剤の量を節約できる。さらに、第五供給操作では、固形分が第一の液体中に分散しないため、培養工程において藻類の光合成を阻害しない。
このように、藻類培養方法が第五供給操作を備えることで、藻類の培養に適した環境がより容易に得られやすい。
本実施形態の藻類培養システム100は、アンモニア除去装置3で除去されたアンモニアの全部又は一部を調整装置5に供給する第三供給手段を備える。藻類培養システムは、アンモニアの全部又は一部を培養装置に供給する供給手段を備えてもよい。
本実施形態の藻類培養システム100は、背圧弁B1を備えるが、藻類培養システムは、背圧弁を備えなくてもよい。
第二のガスの気液分離処理に要するエネルギーを軽減できる観点から、藻類培養システムは、背圧弁を備えることが好ましい。
本実施形態の熱処理工程では、含窒素有機物の加熱処理は、水の臨界温度以上で、かつ、水の臨界圧力未満(いわゆる水の亜臨界条件)で行うことが好ましい。
熱処理工程は、水の亜臨界条件に満たない熱処理温度又は熱処理圧力で行ってもよく、水の超臨界条件で行ってもよい。
100…藻類培養システム、1…原料貯留装置、2…熱処理装置、3…アンモニア除去装置、4,4A…気液分離装置、5…調整装置、6…培養装置、7…藻類回収装置、21…固形分貯留装置、31…アンモニア貯留装置、51…第一調整剤貯留装置、52…第二調整剤貯留装置、61…第三調整剤貯留装置、71…藻類貯留装置、101…分岐、B1…背圧弁、L1〜L7,L20,L21,L30,L31,L40,L51〜L53,L61,L62,L70…配管、TW…処理水

Claims (14)

  1. 含窒素有機物に加熱処理を施して、二酸化炭素とアンモニアと水とを含む第一のガスを得る熱処理装置と、
    前記第一のガスから前記アンモニアを除去し、第二のガスを得るアンモニア除去装置と、
    前記第二のガスに気液分離処理を施して、前記二酸化炭素を含む第三のガスと、前記水を含む第一の液体とを得る気液分離装置と、
    前記第一の液体の全部又は一部と藻類とを含む培養液とし、前記藻類を培養する培養装置と、を備える、藻類培養システム。
  2. 前記培養装置の前段に、前記第一の液体に調整剤を供給して調整液を得る調整装置をさらに備える、請求項1に記載の藻類培養システム。
  3. 前記第三のガスの全部又は一部を前記調整装置に供給する第一供給手段をさらに備える、請求項2に記載の藻類培養システム。
  4. 前記熱処理装置で得られる固形分の全部又は一部を前記調整装置に供給する第二供給手段をさらに備える、請求項2又は3に記載の藻類培養システム。
  5. 前記アンモニア除去装置で除去されたアンモニアの全部又は一部を前記調整装置に供給する第三供給手段をさらに備える、請求項2〜4のいずれか一項に記載の藻類培養システム。
  6. 前記第三のガスの全部又は一部を前記培養装置に供給する第四供給手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の藻類培養システム。
  7. 前記熱処理装置で得られる固形分の全部又は一部を前記気液分離装置に供給する第五供給手段をさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の藻類培養システム。
  8. 含窒素有機物に加熱処理を施して、二酸化炭素とアンモニアと水とを含む第一のガスを得る熱処理工程と、
    前記第一のガスから前記アンモニアを除去し、第二のガスを得るアンモニア除去工程と、
    前記第二のガスに気液分離処理を施して、前記二酸化炭素を含む第三のガスと、前記水を含む第一の液体とを得る気液分離工程と、
    前記第一の液体の全部又は一部と藻類とを含む培養液とし、前記藻類を培養する培養工程と、を備える、藻類培養方法。
  9. 前記培養工程の前段に、前記第一の液体に調整剤を供給して調整液を得る調整工程をさらに備える、請求項8に記載の藻類培養方法。
  10. 前記調整工程は、前記第三のガスの全部又は一部を前記調整液に供給する第一供給操作をさらに備える、請求項9に記載の藻類培養方法。
  11. 前記調整工程は、前記熱処理工程で得られる固形分の全部又は一部を前記調整液に供給する第二供給操作をさらに備える、請求項9又は10に記載の藻類培養方法。
  12. 前記調整工程は、前記アンモニア除去工程で除去されたアンモニアの全部又は一部を前記調整液に供給する第三供給操作をさらに備える、請求項9〜11のいずれか一項に記載の藻類培養方法。
  13. 前記培養工程は、前記第三のガスの全部又は一部を前記培養液に供給する第四供給操作をさらに備える、請求項8〜12のいずれか一項に記載の藻類培養方法。
  14. 前記気液分離工程は、前記熱処理工程で得られる固形分の全部又は一部を前記第一の液体に供給する第五供給操作をさらに備える、請求項8〜13のいずれか一項に記載の藻類培養方法。
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