以下に、本発明に係るノイズフィルタ及びワイヤハーネスの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係るノイズフィルタ及びワイヤハーネスの実施形態の1つを図1から図7に基づいて説明する。
図1から図4の符号1は、本実施形態のノイズフィルタを示す。このノイズフィルタ1は、2本の電線(第1電線WE1、第2電線WE2)の中間部分同士をフィルタ回路で繋いだノイズ低減装置であり、2本の電線の内の一方を接地させ、その内の他方に乗った電気的なノイズ成分をフィルタ回路で低減させる。その2本の電線は、例えば、車両のワイヤハーネスWHの幹線WTが備える複数本の電線の内の2本であって、一方の電線がアース線として接地され、他方の電線が電源線として利用される。その電源線には、例えば、デフォッガやハイマウントストップランプ等の負荷が電気的に接続されている。ノイズフィルタ1は、その2本の電線に接続することによって、ワイヤハーネスWHの構成要素の1つとなる。以下に例示するワイヤハーネスWHにおいては、第1電線WE1をアース線として利用し、第2電線WE2を電源線として利用する。第1電線WE1は、一方の端部が接地されている。また、第2電線WE2は、一方の端部が電源(例えば、車両の二次電池)に対して電気的に接続され、他方の端部が負荷に対して電気的に接続されている。第1電線WE1と第2電線WE2は、各々、導電性の芯線WEaと、この芯線WEaの外周面を覆う絶縁性の被覆WEbと、を備える。
ノイズフィルタ1は、ノイズ成分を低減させるフィルタ回路10を備えるノイズ低減装置であり(図1から図4)、例えば、第2電線WE2に乗った電気的なノイズ成分をフィルタ回路10で低減させる。更に、このノイズフィルタ1は、そのフィルタ回路10を収容する筐体20を備えている(図1から図4)。このノイズフィルタ1においては、その筐体20の収容室20a(図1)に並列配置状態で第1電線WE1と第2電線WE2とを収容して、その収容室20aの中で第1電線WE1と第2電線WE2とを併走させる。フィルタ回路10は、その併走させた第1電線WE1及び第2電線WE2の間に介装させる。ここでは、下記の第1電線WE1の中間接続部WEa1と第2電線WE2の中間接続部WEa2とが収容室20aに収容され、それぞれの中間接続部WEa1,WEa2の間にフィルタ回路10を介装させる。また、第1電線WE1と第2電線WE2は、それぞれの両端側が筐体20の外方に引き出される。
フィルタ回路10は、第1電線WE1の中間部分に位置している芯線WEaの一部分と第2電線WE2の中間部分に位置している芯線WEaの一部分との間に電気的に介在させる。以下においては、その第1電線WE1の中間部分に位置している芯線WEaの一部分を「中間接続部WEa1」と称し、かつ、第2電線WE2の中間部分に位置している芯線WEaの一部分を「中間接続部WEa2」と称する。また、以下においては、その第1電線WE1の芯線WEaの中間接続部WEa1のことを「第1電線WE1の中間接続部WEa1」と簡略化し、かつ、その第2電線WE2の芯線WEaの中間接続部WEa2のことを「第2電線WE2の中間接続部WEa2」と簡略化する。つまり、このフィルタ回路10は、第1電線WE1の中間接続部WEa1と第2電線WE2の中間接続部WEa2との間に電気的に介在させるものであり、それぞれの中間接続部WEa1,WEa2に対して電気的に接続させる(図1及び図2)。
フィルタ回路10は、ノイズ成分を低減させる少なくとも1つのノイズ低減素子11と、このノイズ低減素子11の第1接続部(以下、「第1素子接続体」という。)及び第1電線WE1の中間接続部WEa1に電気接続される導電性の第1接続部材(以下、「第1回路接続部材」という。)12と、そのノイズ低減素子11の第2接続部(以下、「第2素子接続体」という。)及び第2電線WE2の中間接続部WEa2に電気接続される導電性の第2接続部材(以下、「第2回路接続部材」という。)13と、を備える(図1から図4)。このフィルタ回路10においては、そのノイズ低減素子11が第1電線WE1及び第2電線WE2の間で第1電線WE1及び第2電線WE2の配列方向(並列配置方向)に沿って配置される。
以下において単に「軸線方向」と記した場合、それは、第1電線WE1及び第2電線WE2の軸線方向のことを示している。また、以下において単に「配列方向」と記した場合、それは、第1電線WE1及び第2電線WE2の配列方向のことを示している。
ノイズ低減素子11は、このノイズフィルタ1の回路構成でノイズの低減を図り得るものであれば、如何様なものを用いてもよい。例えば、ノイズ低減素子11としては、コンデンサやコイル等が考えられる。このフィルタ回路10では、ノイズ低減素子11として2つのコンデンサを備えており、この2つのコンデンサでノイズの低減を図ることができるように構成する(図1から図4)。このノイズ低減素子11としての2つのコンデンサは、略方体状に形成されており、筐体20に収容されているときに、配列方向で積層される。また、このノイズ低減素子11としてのコンデンサにおいては、筐体20に収容されているときに、軸線方向における一端に第1素子接続体としての第1外部電極が配置され、軸線方向における他端に第2素子接続体としての第2外部電極が配置される。つまり、このノイズ低減素子11は、軸線方向にて第1素子接続体と第2素子接続体とが対向配置されている。この例示のノイズ低減素子11は、例えば、第1素子接続体と第2素子接続体の対向配置方向を幅方向とし、その対向配置方向に対する或る1つの直交方向を奥行方向とし、その幅方向と奥行方向とに対する直交方向を厚さ方向とするものであり、その3方向の内、厚さ方向が最も薄くなっている。この例示の2つのノイズ低減素子11は、その厚さ方向を配列方向に向けて積層させている(図1から図4)。
第1回路接続部材12と第2回路接続部材13は、ノイズ低減素子11を介して互いを電気的に接続させる導電部材であり、2つのノイズ低減素子11を軸線方向で挟持するものとして金属等の導電性材料で成形されている。この例示の第1回路接続部材12と第2回路接続部材13は、各々、金属板を母材とするプレス成形品である。
第1回路接続部材12は、第1電線WE1の中間接続部WEa1に予め組み付けられ、この第1電線WE1と共に筐体20の収容室20aに収容される。この第1回路接続部材12は、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して物理的且つ電気的に接続させた電線側接続部12aと、ノイズ低減素子11の第1素子接続体に対して軸線方向に沿って接触させて電気接続させる第1接点(以下、「第1回路側接点」という。)12bと、を有する(図1から図4)。
この例示の電線側接続部12aは、間隔を空けて対向配置された2つの矩形の片部を第1電線WE1の中間接続部WEa1に巻き付けて加締め圧着させたものである(図5)。この電線側接続部12aは、このように第1電線WE1の中間接続部WEa1に組み付けることによって、その中間接続部WEa1に対して直接的に電気接続させる。
第1回路側接点12bは、筐体20に収容されているときに、軸線方向でノイズ低減素子11の第1素子接続体に対向配置させ、かつ、その第1素子接続体に軸線方向で接触させる。そこで、この第1回路側接点12bは、第1電線WE1の中間接続部WEa1に組み付けた電線側接続部12aから軸線方向に対する直交方向に突出させるように形成する。
この第1回路側接点12bは、矩形の平板状の基部12b1と、ノイズ低減素子11の第1素子接続体に電気接続させる接点部12b2と、を有する(図5)。基部12b1は、軸線方向に対する直交平面を有するものであり、筐体20に収容されているときに、一方の直交平面を軸線方向でノイズ低減素子11の第1素子接続体に間隔を空けて対向配置させる。接点部12b2は、その第1素子接続体との間での安定した接触荷重を得るべく、基部12b1の一方の直交平面から膨出させた膨出形状のものとして形成する。この接点部12b2は、ノイズ低減素子11毎に設け、筐体20に収容されているときに、軸線方向でノイズ低減素子11の第1素子接続体に対向配置させ、かつ、その第1素子接続体に軸線方向で接触させる。
第2回路接続部材13は、第2電線WE2の中間接続部WEa2に予め組み付けられ、この第2電線WE2と共に筐体20の収容室20aに収容される。この第2回路接続部材13は、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して物理的且つ電気的に接続させた電線側接続部13aと、ノイズ低減素子11の第2素子接続体に対して軸線方向に沿って接触させて電気接続させる第2接点(以下、「第2回路側接点」という。)13bと、を有する(図1から図4)。
この例示の電線側接続部13aは、電線側接続部12aと同様の部位であり、間隔を空けて対向配置された2つの矩形の片部を第2電線WE2の中間接続部WEa2に巻き付けて加締め圧着させたものである。この電線側接続部13aは、このように第2電線WE2の中間接続部WEa2に組み付けることによって、その中間接続部WEa2に対して直接的に電気接続させる。
第2回路側接点13bは、筐体20に収容されているときに、軸線方向でノイズ低減素子11の第2素子接続体に対向配置させ、かつ、その第2素子接続体に軸線方向で接触させる。そこで、この第2回路側接点13bは、第2電線WE2の中間接続部WEa2に組み付けた電線側接続部13aから軸線方向に対する直交方向に突出させるように形成する。
この第2回路側接点13bは、矩形の平板状の基部13b1と、ノイズ低減素子11の第2素子接続体に電気接続させる接点部13b2と、を有する(図5)。基部13b1は、軸線方向に対する直交平面を有するものであり、筐体20に収容されているときに、一方の直交平面を軸線方向でノイズ低減素子11の第2素子接続体に間隔を空けて対向配置させる。接点部13b2は、その第2素子接続体との間での安定した接触荷重を得るべく、基部13b1の一方の直交平面から膨出させた膨出形状のものとして形成する。この接点部13b2は、ノイズ低減素子11毎に設け、筐体20に収容されているときに、軸線方向でノイズ低減素子11の第2素子接続体に対向配置させ、かつ、その第2素子接続体に軸線方向で接触させる。
このフィルタ回路10においては、軸線方向にて第1回路側接点12bと第2回路側接点13bとでノイズ低減素子11を挟み込み、第1回路側接点12bの接点部12b2とノイズ低減素子11の第1素子接続体とを軸線方向で接触させ、かつ、第2回路側接点13bの接点部13b2とノイズ低減素子11の第2素子接続体とを軸線方向で接触させる。これにより、このフィルタ回路10は、第1回路側接点12bを介してノイズ低減素子11の第1素子接続体を第1電線WE1の中間接続部WEa1に電気接続させ、かつ、第2回路側接点13bを介してノイズ低減素子11の第2素子接続体を第2電線WE2の中間接続部WEa2に電気接続させる。
筐体20は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この筐体20は、フィルタ回路10と第1電線WE1と第2電線WE2とを収容する収容室20aを内方に有する(図1)。その収容室20aには、少なくともフィルタ回路10と第1電線WE1の中間接続部WEa1と第2電線WE2の中間接続部WEa2とが収容される。この筐体20においては、第1電線WE1におけるそれぞれの端部側が内方の収容室20aから外方へと引き出され、かつ、第2電線WE2におけるそれぞれの端部側が内方の収容室20aから外方へと引き出される。この筐体20は、第1筐体部材21と第2筐体部材22とを互いに嵌め合わせることによって、収容室20aを形成する。
この筐体20においては、フィルタ回路10と第1電線WE1と第2電線WE2とを第1筐体部材21に設置し、その第1筐体部材21に対して第2筐体部材22を嵌合させる。第1筐体部材21と第2筐体部材22は、軸線方向と配列方向とに対する直交方向に沿って嵌合させる。以下においては、その直交方向のことを「嵌合方向」と称する。
第1筐体部材21は、主壁体21aと、この主壁体21aの周縁部から立設させた複数の周壁体21b−21eと、を有する(図3)。この例示の第1筐体部材21は、矩形の平板状の主壁体21aと、この主壁体21aの4つの辺部から各々同じ向きに垂設させた平板状の第1から第4の周壁体21b−21eと、を有している。この第1筐体部材21では、第1周壁体21bと第2周壁体21cとが対向配置され、第3周壁体21dと第4周壁体21eとが対向配置されている。この第1筐体部材21においては、主壁体21aと第1から第4の周壁体21b−21eとで囲まれた空間が収容室20aとなり、その収容室20aにフィルタ回路10と第1電線WE1と第2電線WE2とが開口21fから収容される。その開口21fとは、第1から第4の周壁体21b−21eの縁部で矩形に形成される収容室20aの開口のことである。
第2筐体部材22は、その収容室20aの開口21fを塞ぐべく用意されている。この第2筐体部材22は、第1筐体部材21との組付けが完了している状態で開口21fを塞ぐ閉塞壁体22aを有する(図3及び図4)。また、この第2筐体部材22は、その閉塞壁体22aの周縁部から立設させた複数の周壁体22b−22eを有する(図4)。この例示の第2筐体部材22は、矩形の平板状の閉塞壁体22aと、この閉塞壁体22aの4つの辺部から各々同じ向きに垂設させた平板状の第1から第4の周壁体22b−22eと、を有している。この第2筐体部材22では、第1周壁体22bと第2周壁体22cとが対向配置され、第3周壁体22dと第4周壁体22eとが対向配置されている。
この例示の筐体20においては、第1筐体部材21と第2筐体部材22との組付けが完了しているときに、それぞれの第1周壁体21b,22b同士を対向配置させ、かつ、それぞれの第2周壁体21c,22c同士を対向配置させ、かつ、それぞれの第3周壁体21d,22d同士を対向配置させ、かつ、それぞれの第4周壁体21e,22e同士を対向配置させる。
この筐体20においては、対向配置状態の第1周壁体21b,22と対向配置状態の第2周壁体21c,22cから第1電線WE1と第2電線WE2とを外方に引き出させる。そこで、それぞれの第1周壁体21b,22bには、各々、第1電線WE1の一方の端部側を外方に引き出させる第1引出口21b1,22b1と、第2電線WE2の一方の端部側を外方に引き出させる第2引出口21b2,22b2と、が形成されている(図3及び図4)。それぞれの第1周壁体21b,22bにおいては、第1引出口21b1,22b1同士を対向配置させ、かつ、第2引出口21b2,22b2同士を対向配置させる。また、それぞれの第2周壁体21c,22cには、各々、第1電線WE1の他方の端部側を外方に引き出させる第3引出口21c1,22c1と、第2電線WE2の他方の端部側を外方に引き出させる第4引出口21c2,22c2と、が形成されている(図3及び図4)。それぞれの第2周壁体21c,22cにおいては、第3引出口21c1,22c1同士を対向配置させ、かつ、第4引出口21c2,22c2同士を対向配置させる。
この筐体20においては、2つのノイズ低減素子11と、第1回路接続部材12が組み付けられた第1電線WE1の中間接続部WEa1と、第2回路接続部材13が組み付けられた第2電線WE2の中間接続部WEa2と、が開口21fから収容室20aに収容される。その第1電線WE1と第2電線WE2の収容に際して、第1筐体部材21においては、第1電線WE1が第1引出口21b1と第3引出口21c1とに挿入され、第2電線WE2が第2引出口21b2と第4引出口21c2とに挿入される。筐体20においては、開口21fを塞ぎ、かつ、第1電線WE1を第1引出口22b1と第3引出口22c1とに挿入させると共に、第2電線WE2を第2引出口22b2と第4引出口22c2とに挿入させるように、第2筐体部材22を第1筐体部材21に組み付ける。例えば、このノイズフィルタ1は、第1電線WE1及び第2電線WE2と共に幹線WTに粘着テープ(図示略)等で固定して、その幹線WTに抱きかかえさせる。これにより、第1電線WE1と第2電線WE2へのノイズフィルタ1の取り付けが完了する。
ここで、このノイズフィルタ1には、フィルタ回路10と第1電線WE1及び第2電線WE2との間の電気接続状態を保持するための保持構造30を設けている(図1から図4)。その保持構造30は、軸線方向に沿う押圧力で第1回路接続部材12の第1回路側接点12bと第2回路接続部材13の第2回路側接点13bの内の少なくとも一方をノイズ低減素子11に押し付ける押圧構造である。この保持構造30は、その押圧力による押し付けに伴い、軸線方向での第1回路側接点12bと第2回路側接点13bとによるノイズ低減素子11の挟持状態を保持し、これにより、第1回路側接点12bとノイズ低減素子11の第1素子接続体との間及び第2回路側接点13bとノイズ低減素子11の第2素子接続体との間のそれぞれの電気接続状態を保持するものとして形成する。
具体的に、本実施形態のノイズフィルタ1においては、保持構造30を筐体20に設ける。本実施形態の保持構造30は、第1回路側接点12bと第2回路側接点13bの内の一方に作用させた軸線方向の押圧力で第1回路側接点12bと第2回路側接点13bの内の一方をノイズ低減素子11に押し付ける押圧体31と、ノイズ低減素子11を介して押圧体31の押圧力が作用している第1回路側接点12bと第2回路側接点13bの内の他方を軸線方向で係止して押圧力を受ける係止体32と、を備える(図1及び図2)。本実施形態の保持構造30においては、押圧体31と係止体32の内の一方を第1筐体部材21に設け、その内の他方を第2筐体部材22に設ける。
この例示では、押圧体31を第2筐体部材22に設け(図1、図2、図4、図6及び図7)、係止体32を第1筐体部材21に設けている(図1から図3及び図7)。また、この例示では、第2回路側接点13bをノイズ低減素子11に押し付けるものとして押圧体31が設けられ、押圧体31からの押圧力が伝えられてきた第1回路側接点12bを係止するものとして係止体32が設けられている。
この例示の押圧体31は、第2筐体部材22の閉塞壁体22aの内壁面から立設させた弾性変形不能な基部31aと、この基部31aに連接された弾性変形可能な押圧部31bと、を有する(図2、図6及び図7)。
この例示の基部31aは、閉塞壁体22aの内壁面側を固定端とする片持ち形状の矩形の片部として形成されたものである。この基部31aは、第1筐体部材21と第2筐体部材22との組付けが完了しているときに、軸線方向で第2回路側接点13bの基部13b1における他方の直交平面に間隔を空けて対向配置される。ここでは、それぞれの基部13b1,31aの直交平面同士を対向配置させる。
一方、この例示の押圧部31bは、第1筐体部材21と第2筐体部材22との組付けが完了しているときに、軸線方向で第2回路側接点13bの基部13b1における他方の直交平面に対向配置させ、その他方の直交平面に弾性変形状態で接触させる。この押圧部31bは、基部31aの自由端側を固定端とする片持ち形状の弾性片部として形成されたものであり、軸線方向でそれぞれの基部13b1,31aの間に介在させる。
この例示では、第1回路接続部材12が収容室20aに収容されているときに、第1筐体部材21の第2周壁体21cが軸線方向で第1回路側接点12bの基部12b1に対向配置されている。そこで、この例示では、その第2周壁体21cを係止体32として利用する。ここでは、第2周壁体21cにおける第3引出口21c1と第4引出口21c2の間の内壁面に、第1回路側接点12bの基部12b1における他方の直交平面を係止させる。
本実施形態の保持構造30においては、第1筐体部材21と第2筐体部材22の組付けが始まり、その組付け動作が進むと、押圧体31の押圧部31bが第2回路側接点13bの基部13b1における他方の直交平面に接触し、かつ、第1回路側接点12bの基部12b1が係止体32によって係止状態となる。この保持構造30においては、その組付け動作が更に進むことで、係止体32からの反力が押圧体31の押圧部31bに伝わり、その押圧部31bが弾性域内で撓みながら第2回路側接点13bの基部13b1に軸線方向の押圧力を作用させる。
この保持構造30においては、第1筐体部材21と第2筐体部材22との組付けが完了しているときに、押圧体31と係止体32とが軸線方向で第1回路側接点12bの基部12b1と第2回路側接点13bの基部13b1とを挟持し、その挟持状態を保ち続けることができる。これにより、フィルタ回路10においては、第1回路側接点12bの接点部12b2と第2回路側接点13bの接点部13b2とでのノイズ低減素子11の挟持状態を保ち続けることができる。よって、このフィルタ回路10においては、第1回路側接点12bの接点部12b2とノイズ低減素子11の第1素子接続体との間及び第2回路側接点13bの接点部13b2とノイズ低減素子11の第2素子接続体との間の電気的な接続状態を保ち続けることができる。そして、これに伴い、このフィルタ回路10は、ノイズ低減素子11の第1素子接続体と第1電線WE1の中間接続部WEa1との間の電気接続状態を保つことができ、かつ、ノイズ低減素子11の第2素子接続体と第2電線WE2の中間接続部WEa2との間の電気接続状態を保つことができる。従って、本実施形態のノイズフィルタ1は、フィルタ回路10と第1電線WE1及び第2電線WE2との間の通電品質を向上させることができる。
以上示した本実施形態のノイズフィルタ1は、中間電線の影響を受けることのないものとなっている。つまり、従来のノイズフィルタは、前述したように、ノイズ低減対象電線とフィルタ回路との間に中間電線を介在させている。その中間電線は、ノイズフィルタへの組付け作業性や車両への配索経路等を考慮して、長さに関する許容公差が大きく取られている。このため、従来のノイズフィルタは、その長さに応じた中間電線のノイズ成分をも考慮に入れて、フィルタ回路特性(共振点やノイズ低減性能等)の調整を行う必要がある。しかしながら、本実施形態のノイズフィルタ1においては、ワイヤハーネスWHの幹線WTに束ねられている第1電線WE1の中間接続部WEa1と第2電線WE2の中間接続部WEa2との間にフィルタ回路10を電気的に介在させることで、そのフィルタ回路10をそれぞれの中間接続部WEa1,WEa2に対して電気的に接続している。よって、このノイズフィルタ1は、従来のような幹線からの分岐電線(中間電線)の影響を考慮に入れたフィルタ回路特性の調整が不要になる。即ち、このノイズフィルタ1は、中間電線の影響を受けることのないものとなっている。
更に、本実施形態のノイズフィルタ1においては、併走状態の第1電線WE1と第2電線WE2に第1回路接続部材12の電線側接続部12aと第2回路接続部材13の電線側接続部13aとが各々予め組み付けられている。そして、このノイズフィルタ1においては、そのそれぞれの電線側接続部12a,13aの間にノイズ低減素子11を配置し、かつ、第1回路接続部材12における第1回路側接点12bの接点部12b2とノイズ低減素子11の第1素子接続体との間及び第2回路接続部材13における第2回路側接点13bの接点部13b2とノイズ低減素子11の第2素子接続体との間を軸線方向で電気接続させる。従って、このノイズフィルタ1は、嵌合方向(第1電線WE1及び第2電線WE2の配列方向と第1電線WE1及び第2電線WE2の軸線方向に対する直交方向)における体格の小型化を図ることができる。また、このノイズフィルタ1は、軸線方向で第1回路側接点12bの接点部12b2とノイズ低減素子11の第1素子接続体との間及び第2回路側接点13bの接点部13b2とノイズ低減素子11の第2素子接続体との間を電気的に接続させるので、配列方向における体格の小型化も図ることができる。
また更に、このノイズフィルタ1は、ノイズ低減素子11を軸線方向で第1回路接続部材12の第1回路側接点12bと第2回路接続部材13の第2回路側接点13bとの間に挟持させることによって、第1回路側接点12bの接点部12b2とノイズ低減素子11の第1素子接続体との間及び第2回路側接点13bの接点部13b2とノイズ低減素子11の第2素子接続体との間の電気的な接続を図っている。そして、このノイズフィルタ1は、その電気的な接続状態を保持構造30で保ち続けることができる。このため、このノイズフィルタ1の電気的な接続構造は、従来のような雌雄の端子部の嵌合構造となっているものと比較して、小型化が可能になる。よって、このノイズフィルタ1は、軸線方向における体格の大型化を抑えることができる。また、そのような従来の接続構造は形状如何で原価の高騰を招く虞があるが、このノイズフィルタ1は、そのような簡便な接続構造であるが故に、原価の高騰を抑えることができる。
また更に、本実施形態のノイズフィルタ1は、一方の端部を接地させる第1電線WE1の中間接続部WEa1に対してフィルタ回路10を電気的に接続させるので、例えば、幹線WTの周囲に接地可能な導電体が存在しておらずとも、また、自らの設置対象物が合成樹脂等の絶縁性材料で成形されていたとしても、容易にアースを取ることができる。つまり、従来のノイズフィルタは、導電性の設置対象物に取り付けた際に当該設置対象物にアース端子を接続することによって、その設置対象物を介してアースを取っている。よって、従来のノイズフィルタにおいては、アース端子と設置対象物との固定作業を容易にするために、アース端子を筐体から食み出させている。しかしながら、このノイズフィルタ1は、そのようなアース端子を備えずとも、アースを取ることができる。従って、このノイズフィルタ1は、体格の小型化や軽量化を図ることができる。
また、本実施形態のワイヤハーネスWHは、そのようなノイズフィルタ1を具備するものであり、このノイズフィルタ1が得られる効果を奏することができる。
ところで、保持構造30は、図示しないが、係止体32を押圧体31に置き換えて、2つの押圧体31で第1回路側接点12bの基部12b1と第2回路側接点13bの基部13b1とを挟持させ、その挟持状態を保持させ続けるものとして構成してもよい。つまり、保持構造30は、第1回路側接点12bと第2回路側接点13bの内の一方に作用させた軸線方向の押圧力で第1回路側接点12bと第2回路側接点13bの内の一方をノイズ低減素子11に押し付ける第1押圧体31と、第1回路側接点12bと第2回路側接点13bの内の他方に作用させた軸線方向の押圧力で第1回路側接点12bと第2回路側接点13bの内の他方をノイズ低減素子11に押し付ける第2押圧体31と、を備えるものであってもよい。本実施形態のノイズフィルタ1及びワイヤハーネスWHは、このような保持構造30を用いたとしても、先の例示と同様の効果を得ることができる。
[変形例]
図8から図12の符号2は、本変形例のノイズフィルタを示す。また、その各図のWHは、本変形例のワイヤハーネスを示す。このノイズフィルタ2とワイヤハーネスWHは、前述した実施形態のノイズフィルタ1において、フィルタ回路10を下記のフィルタ回路110)に置き換え、かつ、筐体20を下記の筐体120に置き換えたものである(図8から図12)。
本変形例のフィルタ回路110は、実施形態のフィルタ回路10と同様に、少なくとも1つのノイズ低減素子11と第1回路接続部材112と第2回路接続部材113とを備える(図8から図12)。
本変形例のフィルタ回路110は、実施形態のフィルタ回路10と同様に、ノイズ低減素子11としての2つの略方体状のコンデンサを備えている。但し、その2つのノイズ低減素子11は、筐体120に収容されているときに、軸線方向で間隔を空けて互いの第1素子接続体を対向配置させた状態で積層させている(図8から図12)。この例示の2つのノイズ低減素子11は、実施形態のフィルタ回路10と同様に、最も薄くなっている厚さ方向を配列方向に向けて積層させている(図8から図11)。
第1回路接続部材112及び第2回路接続部材113は、実施形態の第1回路接続部材12及び第2回路接続部材13と同じように、ノイズ低減素子11を介して互いを電気的に接続させる導電部材であり、金属板を母材にしてプレス成形されている。
第1回路接続部材112は、第1回路接続部材12と同じように、第1電線WE1の中間接続部WEa1に予め組み付けられ、この第1電線WE1と共に筐体120の収容室120aに収容される。この第1回路接続部材112は、第1電線WE1の中間接続部WEa1に対して物理的且つ電気的に接続させた電線側接続部112aと、ノイズ低減素子11の第1素子接続体に対して軸線方向に沿って接触させて電気接続させる第1接点(以下、「第1回路側接点」という。)112bと、を有する(図8から図11)。
この例示の電線側接続部112aは、第1回路接続部材12の電線側接続部12aと同様の形状のものとして形成されている。よって、この例示の第1回路接続部材112は、その電線側接続部112aを第1電線WE1の中間接続部WEa1に加締め圧着させて組み付けることによって、その中間接続部WEa1に対して直接的に電気接続させる(図13及び図14)。
一方、この例示の第1回路側接点112bは、筐体120に収容されているときに、2つのノイズ低減素子11のそれぞれの第1素子接続体の間に配置して、そのそれぞれの第1素子接続体に対して軸線方向で接触させる。そこで、この例示の第1回路接続部材112においては、第1電線WE1の中間接続部WEa1に組み付けた電線側接続部112aから第1回路側接点112bを軸線方向に対する直交方向に突出させるように形成する(図13)。
この例示の第1回路側接点112bは、2枚の対向配置された矩形の平板112b11を有するU字状の基部112b1と、ノイズ低減素子11毎の2つの接点部112b2と、を有する(図13及び図14)。基部112b1のそれぞれの平板112b11は、軸線方向に対する直交平面を有するものである。この基部112b1においては、筐体120に収容されているときに、一方の平板112b11における一方の直交平面を一方のノイズ低減素子11の第1素子接続体に間隔を空けて対向配置させ、かつ、他方の平板112b11における一方の直交平面を他方のノイズ低減素子11の第1素子接続体に間隔を空けて対向配置させる。接点部112b2は、一方の平板112b11における一方の直交平面と一方のノイズ低減素子11の第1素子接続体との間及び他方の平板112b11における一方の直交平面と他方のノイズ低減素子11の第1素子接続体との間に少なくとも1つずつ設ける。接点部112b2は、第1素子接続体との間での安定した接触荷重を得るべく、基部112b1の一方の直交平面から膨出させた膨出形状のものとして形成する。
第2回路接続部材113は、第2回路接続部材13と同じように、第2電線WE2の中間接続部WEa2に予め組み付けられ、この第2電線WE2と共に筐体20の収容室20aに収容される。この第2回路接続部材113は、第2電線WE2の中間接続部WEa2に対して物理的且つ電気的に接続させた電線側接続部113aと、軸線方向で2つのノイズ低減素子11を挟み込み、その2つのノイズ低減素子11の第2素子接続体に対して軸線方向に沿って各々接触させて電気接続させる2つの第2接点(以下、「第2回路側接点」という。)113bと、を有する(図8から図12)。
この例示の電線側接続部113aは、第2回路接続部材13の電線側接続部13aと同様の部位であり、間隔を空けて対向配置された2つの矩形の片部を第2電線WE2の中間接続部WEa2に巻き付けて加締め圧着させたものである。この電線側接続部113aは、このように第2電線WE2の中間接続部WEa2に組み付けることによって、その中間接続部WEa2に対して直接的に電気接続させる。
第2回路側接点113bは、第2回路接続部材13の第2回路側接点13bと同じように、筐体120に収容されているときに、軸線方向でノイズ低減素子11の第2素子接続体に対向配置させ、かつ、その第2素子接続体に軸線方向で接触させる。そこで、この第2回路側接点113bは、第2電線WE2の中間接続部WEa2に組み付けた電線側接続部113aから軸線方向に対する直交方向に突出させるように形成する。この例示の第2回路側接点113bは、その電線側接続部113aの軸線方向における両端から突出させている。そして、その2つの第2回路側接点113bは、軸線方向で2つのノイズ低減素子11を挟持させるものとして形成する。
この第2回路側接点113bは、矩形の平板状の弾性変形不能な基部113b1と、軸線方向で対向配置されているノイズ低減素子11の第2素子接続体に接触させて電気接続させる接点部113b2と、を有する(図8、図9、図12及び図15)。
基部113b1は、軸線方向に対する直交平面を有するものであり、筐体120に収容されているときに、一方の直交平面を軸線方向でノイズ低減素子11の第2素子接続体に間隔を空けて対向配置させる。
接点部113b2は、軸線方向で対向配置されているノイズ低減素子11の第2素子接続体との間での安定した接触荷重を得るべく、基部113b1に対する軸線方向の弾性変形が可能な弾性接点部として形成する。この例示の接点部113b2は、筐体120に収容されているときに、軸線方向で基部113b1とノイズ低減素子11の第2素子接続体との間に配置する。この接点部113b2は、軸線方向で対向配置されているノイズ低減素子11の第2素子接続体とは逆側(つまり、自らが連なる基部113b1側)に弾性変形させ、かつ、その弾性変形に伴う反力を軸線方向の押圧力として対向配置状態のノイズ低減素子11の第2素子接続体に作用させるものとして形成及び配置して、実施形態の保持構造30と同様の保持構造130として利用する(図8、図9、図12及び図15)。つまり、2つの第2回路側接点113bのそれぞれの接点部113b2は、そのような弾性変形状態で軸線方向にて2つのノイズ低減素子11のそれぞれの第2素子接続体を挟持させるべく形成及び配置することによって、保持構造30と同様の保持構造130として作用させることができる。これにより、第2回路接続部材113においては、2つの第2回路側接点113bのそれぞれの接点部113b2を各々の対向配置状態のノイズ低減素子11の第2素子接続体に対して軸線方向で接触させることができる。
このフィルタ回路110においては、軸線方向で第2回路接続部材113における2つの第2回路側接点113bのそれぞれの接点部113b2が2つのノイズ低減素子11を挟持することによって、接点部113b2を対向配置状態のノイズ低減素子11の第2素子接続体に電気接続させ、かつ、第1回路接続部材112における第1回路側接点112bの接点部112b2を対向配置状態のノイズ低減素子11の第1素子接続体に電気接続させることができる。よって、このフィルタ回路110は、第1回路接続部材112を介して2つのノイズ低減素子11のそれぞれの第1素子接続体を第1電線WE1の中間接続部WEa1に電気接続させ、かつ、第2回路接続部材113を介して2つのノイズ低減素子11のそれぞれの第2素子接続体を第2電線WE2の中間接続部WEa2に電気接続させることができる。
更に、このフィルタ回路110においては、軸線方向で第2回路接続部材113における2つの第2回路側接点113bのそれぞれの接点部113b2が2つのノイズ低減素子11を挟持することによって、第1回路接続部材112と一方の第2回路接続部材113との間に一方のノイズ低減素子11を挟持し続けることができ、かつ、第1回路接続部材112と他方の第2回路接続部材113との間に他方のノイズ低減素子11を挟持し続けることができる。よって、このフィルタ回路110は、2つのノイズ低減素子11のそれぞれの第1素子接続体と第1電線WE1の中間接続部WEa1との間の電気接続状態を保つことができ、かつ、2つのノイズ低減素子11のそれぞれの第2素子接続体と第2電線WE2の中間接続部WEa2との間の電気接続状態を保つことができる。従って、本変形例のノイズフィルタ2は、フィルタ回路110と第1電線WE1及び第2電線WE2との間の通電品質を向上させることができる。
筐体120は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この筐体120は、実施形態の筐体20と同様に、第1筐体部材121と第2筐体部材122とを互いに嵌め合わせることによって、収容室120aを形成する(図8)。この筐体120においては、フィルタ回路110と第1電線WE1と第2電線WE2とを第1筐体部材121に設置し、その第1筐体部材121に対して第2筐体部材122を嵌合させる。
第1筐体部材121は、実施形態の第1筐体部材21と同様に、矩形の平板状の主壁体121aと、この主壁体121aの4つの辺部から各々同じ向きに垂設させた平板状の第1から第4の周壁体121b−121eと、を有している(図10)。この第1筐体部材121においては、主壁体121aと第1から第4の周壁体121b−121eとで囲まれた空間が収容室120aとなり、その収容室120aにフィルタ回路110と第1電線WE1と第2電線WE2とが開口121fから収容される。
この例示の第1筐体部材121においては、例えば、2つのノイズ低減素子11と第1回路接続部材112及び第1電線WE1の組付け体とを収容室120aに収容した上で、その収容室120aに第2回路接続部材113及び第2電線WE2の組付け体を収容しながら、その第2回路接続部材113の2つの第2回路側接点113bのそれぞれの接点部113b2で2つのノイズ低減素子11を挟み込んでいく。
そこで、この例示の第1筐体部材121には、2つの第2回路側接点113bのそれぞれの接点部113b2で2つのノイズ低減素子11を挟持する際に、接点部113b2からの押圧力によりノイズ低減素子11を第1筐体部材121に対して軸線方向に相対移動させることが可能なガイド部121gを設けている(図9及び図16)。そのガイド部121gは、主壁体121aの内壁面に設け、2つのノイズ低減素子11の厚さ方向の2つの壁面を配列方向で係止するための2つの立て壁121g1を有している。それぞれの立て壁121g1は、軸線方向に延在させることで、2つのノイズ低減素子11を軸線方向へと案内する。ここで、この例示のガイド部121gは、2つのノイズ低減素子11を収容室120aへと収容した際に、その2つのノイズ低減素子11の収容室120a内での位置決めを図るためのものとしても利用できる。
第2筐体部材122は、収容室120aの開口121fを塞ぐべく用意されている。この第2筐体部材122は、実施形態の第2筐体部材22と同様に、矩形の平板状の閉塞壁体122aと、この閉塞壁体122aの4つの辺部から各々同じ向きに垂設させた平板状の第1から第4の周壁体122b−122eと、を有している(図11)。
この例示の筐体120においては、第1筐体部材121と第2筐体部材122との組付けが完了しているときに、それぞれの第1周壁体121b,122b同士を対向配置させ、かつ、それぞれの第2周壁体121c,122c同士を対向配置させ、かつ、それぞれの第3周壁体121d,122d同士を対向配置させ、かつ、それぞれの第4周壁体121e,122e同士を対向配置させる。
この筐体120においては、対向配置状態の第1周壁体121b,122と対向配置状態の第2周壁体121c,122cから第1電線WE1と第2電線WE2とを外方に引き出させる。そこで、それぞれの第1周壁体121b,122bには、各々、第1電線WE1の一方の端部側を外方に引き出させる第1引出口121b1,122b1と、第2電線WE2の一方の端部側を外方に引き出させる第2引出口121b2,122b2と、が形成されている(図10及び図11)。それぞれの第1周壁体121b,122bにおいては、第1引出口121b1,122b1同士を対向配置させ、かつ、第2引出口121b2,122b2同士を対向配置させる。また、それぞれの第2周壁体121c,122cには、各々、第1電線WE1の他方の端部側を外方に引き出させる第3引出口121c1,122c1と、第2電線WE2の他方の端部側を外方に引き出させる第4引出口121c2,122c2と、が形成されている(図10及び図11)。それぞれの第2周壁体121c,122cにおいては、第3引出口121c1,122c1同士を対向配置させ、かつ、第4引出口121c2,122c2同士を対向配置させる。
この筐体120においても、収容室20aには、2つのノイズ低減素子11と、第1回路接続部材112が組み付けられた第1電線WE1の中間接続部WEa1と、第2回路接続部材113が組み付けられた第2電線WE2の中間接続部WEa2と、が開口121fから収容される。その第1電線WE1と第2電線WE2の収容に際して、第1筐体部材21においては、第1電線WE1が第1引出口121b1と第3引出口121c1とに挿入され、第2電線WE2が第2引出口121b2と第4引出口121c2とに挿入される。その際には、先に示したように、先ずは2つのノイズ低減素子11と第1回路接続部材112及び第1電線WE1の組付け体とが収容室120aに収容され、その後、その収容室120aに第2回路接続部材113及び第2電線WE2の組付け体が収容されていく。しかる後、筐体120においては、開口121fを塞ぎ、かつ、第1電線WE1を第1引出口122b1と第3引出口122c1とに挿入させると共に、第2電線WE2を第2引出口122b2と第4引出口122c2とに挿入させるように、第2筐体部材22を第1筐体部材21に組み付ける。例えば、このノイズフィルタ2は、第1電線WE1及び第2電線WE2と共に幹線WTに粘着テープ(図示略)等で固定して、その幹線WTに抱きかかえさせる。これにより、第1電線WE1と第2電線WE2へのノイズフィルタ2の取り付けが完了する。
以上示した本変形例のノイズフィルタ2は、実施形態のノイズフィルタ1と同様の効果を得ることができる。更に、本変形例のノイズフィルタ2は、第2回路接続部材113に保持構造130の機能を持たせているので、実施形態のノイズフィルタ1よりも筐体120の構造を簡易化できるので、原価の低減が可能になる。また、本変形例のワイヤハーネスWHは、そのようなノイズフィルタ2を具備するものであり、このノイズフィルタ2が得られる効果を奏することができる。