以下、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という。)について説明する。以下の説明では、図面に矢印Xで示す方向を装置幅方向、矢印Yで示す方向を装置高さ方向とする。また、装置幅方向及び装置高さ方向のそれぞれに直交する方向(矢印Z方向)を装置奥行き方向とする。
〔第1実施形態〕
図1には、第1実施形態のトナー搬送装置150を備えた画像形成装置10の一例が示されている。まず、本実施形態の画像形成装置(図1参照)について説明する。次いで、現像装置100及びトナー搬送装置150について説明する。
<画像形成装置の全体構成>
図1に示されるように、画像形成装置10は、記録媒体収容部12と、トナー像形成部14と、転写装置16と、記録媒体搬送装置18と、定着装置20と、制御部70と、を含んで構成される電子写真方式の装置である。
記録媒体収容部12は、画像が形成される前の記録媒体の一例としての用紙Pを収容する機能を有する。
トナー像形成部14は、帯電、露光、現像の各工程を行って、転写装置16を構成する後述する中間転写ベルト30が保持するトナー像を形成する機能を有する。トナー像形成部14は、一例として、それぞれ異なる色(Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒))のトナーを用いて各感光体22にトナー像を形成する単色ユニット21Y、21M、21C、21Kを備えている。また、トナー像形成部14は、例えば、画像データに応じて、複数色で構成されるトナー像を形成可能とされている。ここで、感光体22は、像保持体の一例である。
単色ユニット21Y、21M、21C、21Kは、それぞれが形成するトナー像の色以外は同様の構成とされている。以下、単色ユニット21Y、21M、21C、21K及びその構成要素を区別する必要がない場合、単色ユニット21Y、21M、21C、21Kのアルファベット(Y、M、C、K)を省略して説明する。各単色ユニット21は、感光体22と、帯電装置24と、露光装置26と、現像装置100と、クリーニング装置28と、を含んで構成されている。
転写装置16は、各単色ユニット21で形成された各色のトナー像を保持して、搬送される用紙Pに転写する機能を有する。転写装置16は、中間転写ベルト30と、4本の転写ロール32と、駆動ロール38と、二次転写部36と、テンションロール34と、を備えている。中間転写ベルト30は、無端状とされている。4本の転写ロール32は、それぞれ中間転写ベルト30を挟んで各感光体22とニップを形成している。中間転写ベルト30は、駆動ロール38により矢印方向に周回移動している。本実施形態では、一例として、中間転写ベルト30の周回移動方向の上流側から下流側に向かって、単色ユニット21Y、21M、21C、21Kの順で配置されている。これにより、単色ユニット21Y、21M、21C、21Kで形成された感光体22上のトナー像が、転写ロール32により中間転写ベルト30に重ねて転写されるようになっている。
二次転写部36は、中間転写ベルト30のトナー像が保持される面に接触する転写ロール54と、中間転写ベルト30を挟んで転写ロール54と対向して配置される対向ロール56と、を備えている。二次転写部36では、中間転写ベルト30に保持されている各色のトナー像が、搬送されている用紙Pに転写されるようになっている。
記録媒体搬送装置18は、用紙Pが二次転写部36のニップN1及び定着装置20のニップN2を通過するように、用紙Pを搬送する機能を有する。記録媒体搬送装置18は、複数の搬送ロール44と、搬送ベルト46と、を備えている。搬送ロール44は、接触状態で配置された一対のロールで構成されている。搬送ロール44は、記録媒体収容部12に収容されている用紙Pを、搬送経路18Aに沿って搬送するようになっている。
搬送ベルト46は、離れて配置された一対のロールに無端状のベルトが巻き掛けられた構成とされている。搬送ベルト46は、用紙Pの搬送方向における二次転写部36の下流側であって、定着装置20の上流側に配置されている。搬送ベルト46は、二次転写部36でトナー像が転写された用紙Pを搬送経路18Aに沿って定着装置50に搬送するようになっている。
定着装置20は、転写装置16により用紙Pに転写(二次転写)されたトナー像をニップN2で定着させる機能を有する。定着装置20は、無端状のベルトが周回移動する加熱部62と、加熱部62に圧接される加圧ロール64と、を備えている。加熱部62と加圧ロール64とのニップN2に用紙Pが搬送されることで、用紙P上のトナー像が加熱及び加圧により定着されるようになっている。
制御部70は、画像形成装置10の各部を制御する機能を有する。例えば、制御部70は、外部装置(図示省略)から受け取ったジョブデータに応じて、画像形成装置10の各部を制御する(各部にそれぞれの動作をさせる)ようになっている。ここで、ジョブデータには、各単色ユニット21にトナー像を形成させる画像データ(画像情報)、その他の画像形成動作に必要なデータが含まれている。
<画像形成装置の動作>
次に、画像形成装置10の動作について説明する。
外部装置(図示省略)からジョブデータを受け取った制御部70は、トナー像形成部14、転写装置16、記録媒体搬送装置18及び定着装置20を作動させる。トナー像形成部14では、各帯電装置24により各感光体22が帯電され、各露光装置26により各感光体22が露光されることで静電潜像が形成され、各現像装置100により各感光体22の静電潜像がトナー像として現像される。その結果、各感光体22には、各トナー像が形成される。
次いで、各転写ロール32に、電源(図示省略)から電圧(一次転写電圧)が印加される。また、駆動源(図示省略)により駆動される駆動ロール38は、中間転写ベルト30を矢印方向に周回させる。その結果、中間転写ベルト30には、各色のトナー像が重ねて一次転写される。
さらに、周回する中間転写ベルト30に保持されている各色のトナー像がニップN1に到達するタイミングに合わせて、記録媒体搬送装置40は、ニップN1に用紙Pを送り込む。二次転写部36では、対向ロール56の外周に接触する給電ロール(図示省略)に、電源(図示省略)から電圧(二次転写電圧)が印加されることで、ニップN1を通過する用紙Pに各色のトナー像が二次転写される。
次いで、記録媒体搬送装置40は、各色のトナー像が二次転写された用紙PをニップN2に送り込む。その結果、定着装置20により、ニップN2を通過する用紙Pに各色のトナー像が定着されることで、用紙Pに画像が形成される。その後、用紙Pは、搬送ロール44により排出部66に排出される。
<現像装置>
次に、現像装置100について説明する。
図2に示すように、現像装置100は、現像剤Gが収容されたハウジング102と、現像剤Gが保持される現像ロール106と、現像ロール106の外周面の現像剤Gの層の厚みを規制する現像剤規制部材の一例としてのトリマー108と、現像剤攪拌搬送部125と、を有している。現像剤攪拌搬送部125は、第一攪拌搬送室123と、第一攪拌搬送室123に隣接する第二攪拌搬送室124と、を有している。また、第一攪拌搬送室123には第一オーガ109が設けられ、第二攪拌搬送室124には第二オーガ111が設けられている。
図2に示すように、現像剤Gは、一例として、負極性に帯電する帯電粒子の一例としてのトナーTと、正極性に帯電する磁性粒子の一例としての磁性キャリアCAと、を含む2成分現像剤で構成されている。
ハウジング102は、容器本体103と、容器本体103の上部を塞ぐカバー部材104と、を含んで構成されている。また、ハウジング102は、現像ロール106が収容される現像ロール室122と、現像ロール室122の斜め下方側に設けられた現像剤攪拌搬送部125(第一攪拌搬送室123と第二攪拌搬送室124)と、を有している。
容器本体103は、第一攪拌搬送室123と第二攪拌搬送室124とを仕切る仕切壁103Aを備えている。容器本体103には、仕切壁103AのZ方向の両端部で第一攪拌搬送室123と第二攪拌搬送室124とに繋がる流入口(図示省略)が設けられている。
カバー部材104は、第二攪拌搬送室124上に配置される上壁104Aと、上壁104Aの左端部から左斜め上方へ延びて現像ロール室122を覆う傾斜壁104Bと、上壁104Aの端部から下方に延びて容器本体103に嵌め込まれる嵌合部104Cと、を有している。傾斜壁104Bの内側面には、トリマー108が取り付けられている。
また、上壁104Aには、第二攪拌搬送室124の上側に現像剤補給口136が設けられている。この現像剤補給口136には、新しいトナーTを補給するための後述する鉛直搬送路154(図4参照)の下端部154Bが連結されている。カバー部材104と鉛直搬送路154とは一体的に形成してもよいし、別体で形成してカバー部材104と鉛直搬送路154とを接着等により接合してもよい。
現像ロール106は、円柱状に形成されると共にシャフト106Cを介して容器本体103に固定支持されたマグネットロール106Aと、マグネットロール106Aの外側で周回移動可能に支持された円筒状の現像スリーブ106Bと、を有している。マグネットロール106Aには、外周面(周方向)に沿って複数の磁極が設けられている。
第一攪拌搬送室123内の現像剤Gは、現像スリーブ106B上に保持された状態で、現像スリーブ106Bの+R方向の回転により搬送される。そして、現像スリーブ106B上に保持された現像剤Gは、現像スリーブ106Bの外周面とトリマー108の先端部108Aとの間へ進入することで層の厚みが規制され、感光体22(図1参照)と対向する現像領域に搬送される。
第一オーガ109は、Z方向に沿って配置された回転軸109Aと、回転軸109Aの外周に支持されたらせん状の搬送羽根109Bと、を備えている。第一オーガ109は、例えば、−R方向に回転することで、現像剤Gを攪拌しながら搬送する。
第二オーガ111は、Z方向に沿って配置された回転軸111Aと、回転軸111Aの外周に支持されたらせん状の搬送羽根111Bと、を有している。第二オーガ111は、例えば、+R方向に回転することで、第一オーガ109とは逆方向に現像剤Gを攪拌しながら搬送する。第一オーガ109と第二オーガ111との回転により、第一攪拌搬送室123及び第二攪拌搬送室124の現像剤GがZ軸方向に互いに逆方向に搬送されることで、現像剤Gが循環される。そして、第一オーガ109で搬送される現像剤Gが現像ロール106に供給される。
<トナー搬送装置>
次に、第1実施形態のトナー搬送装置150について説明する。
図1に示されるように、画像形成装置10は、それぞれ異なる色(Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒))のトナーを収容する複数のトナーカートリッジ140Y、140M、140C、140Kを備えている。また、画像形成装置10は、トナーカートリッジ140Y、140M、140C、140Kから単色ユニット21Y、21M、21C、21Kの現像装置100に各色のトナーTを搬送する複数のトナー搬送装置150Y、150M、150C、150Kを備えている。ここで、トナーカートリッジ140Y、140M、140C、140Kは、トナー収容部の一例である。
トナー搬送装置150Y、150M、150C、150K及びトナーカートリッジ140Y、140M、140C、140Kは、収容又は搬送されるトナーの色以外は同様の構成とされている。以下、トナー搬送装置150Y、150M、150C、150K及びトナーカートリッジ140Y、140M、140C、140Kは、トナーの色を区別する必要がない場合、アルファベット(Y、M、C、K)を省略して説明する。
図3に示されるように、トナー搬送装置150は、トナーカートリッジ140の下部に連結される筒状の横搬送路152と、横搬送路152のトナーカートリッジ140と反対側の端部に連結される筒状の鉛直搬送路154と、を備えている。トナーカートリッジ140は、筒状とされており、内部にトナーを搬送するアジテータ142を備えている。アジテータ142は、一例として、らせん状の部材が回転する構成とされている。
横搬送路152は、画像形成装置10の横方向、すなわち水平方向に沿って配置されている。横搬送路152は、トナーカートリッジ140と鉛直搬送路154とを連結する構成とされている。ここで、横搬送路152は、搬送路の一例である。横搬送路152の上流側端部152Aは、トナーカートリッジ140の軸方向の端部140Aに連結されている。横搬送路152は、鉛直搬送路154の上方で鉛直搬送路154と交差する方向(本実施形態では、水平方向)に延びている。横搬送路152の内部には、横搬送路152に沿ってトナーTを搬送する搬送部材156が設けられている。横搬送路152は、上流側端部152Aから下流側端部152Bに向かって若干下り勾配となるように配置されていてもよい。
搬送部材156は、横搬送路152の長手方向(Z方向)に沿って配置された回転軸156Aと、回転軸156Aの外周に支持されたらせん状の搬送羽根156Bと、を有している。搬送部材156は、回転軸156Aの回転により、トナーカートリッジ140から導入されたトナーを鉛直搬送路154に向けて搬送する。
鉛直搬送路154は、鉛直方向に沿って配置されている。鉛直搬送路154の上端部154Aは、横搬送路152の下流側端部152Bの下壁に連結されている。鉛直搬送路154の下端部154Bは、現像装置100の第二攪拌搬送室124の上壁104Aに連結(接続)されている(図2参照)。すなわち、鉛直搬送路154の上端部154Aは上流側端部であり、鉛直搬送路154の下端部154Bは下流側端部である。図示を省略するが、鉛直搬送路154の下端部154Bは、現像装置100の第二攪拌搬送室124の長手方向(Z方向)の上流側端部に連結されている。なお、図3では、現像装置100の内部構成を省略している。鉛直搬送路154は、横搬送路152から搬送されたトナーを上端部154Aから落下させることで、トナーを鉛直方向の下方の現像装置100に導く(供給する)ようになっている。
ここで、鉛直搬送路154は、中心部の方向(軸方向)が鉛直方向に配置された場合のほか、中心部の方向(軸方向)が鉛直方向に対して定められた角度でずれている場合も含む。例えば、鉛直搬送路154の鉛直方向に対する角度θは、0°以上20°以下であることが好ましく、0°以上10°以下であることがより好ましい。この場合、鉛直搬送路154の上端部の貫通部と鉛直搬送路154の下端部の貫通部とが、上下方向に重なっている構成とすることが好ましい。すなわち、本発明の鉛直搬送路における「(トナーを)鉛直方向の下方に導く」とは、鉛直方向の成分があるものであれば、水平方向にずれているものも含まれる。
図4及び図5(A)、(B)に示されるように、鉛直搬送路154は、鉛直方向に沿って配置された筒状の側壁部160と、側壁部160の内側に設けられた貫通部162とを備えており、鉛直搬送路154の貫通部162をトナーが搬送されるようになっている。ここで、側壁部160は、筒壁の一例である。本実施形態では、鉛直搬送路154の側壁部160は、円形状とされている。鉛直搬送路154の下端部154Bの直径D1は、鉛直搬送路154の上端部154Aの直径D2よりも大きい(図4参照)。言い換えると、鉛直搬送路154は、鉛直方向の下端部154B側の貫通部162(トナーの出口)の開口面積が鉛直方向の上端部154A側の貫通部162(トナーの入口)の開口面積よりも大きい。本実施形態では、鉛直搬送路154の貫通部162の内径は、上端部154Aから下端部154Bに向かって徐々に(連続的に)大きくなる。
鉛直搬送路154の下端部154B側の貫通部162(トナーの出口)の開口面積に対する鉛直搬送路154の上端部154A側の貫通部162(トナーの入口)の開口面積の割合は、鉛直搬送路154の上下方向の長さによって変更してもよい。例えば、鉛直搬送路154の上下方向の長さが長い場合は、鉛直搬送路154の上下方向の長さが短い場合よりも、鉛直搬送路154の下端部154B側の貫通部162の開口面積に対する鉛直搬送路154の上端部154A側の貫通部162の開口面積の割合を小さくしてもよい。
また、鉛直搬送路154の側壁部160の上端部154A側には、矢印Aに示すように鉛直搬送路154の内部に空気を流入させる流入管158が設けられている。流入管158の内側には、鉛直搬送路154の貫通部162と繋がる貫通孔159が設けられている(図5(B)及び図6参照)。ここで、流入管158は、流入口の一例である。流入管158は、鉛直搬送路154の側壁部160の法線方向に沿って設けられている。また、流入管158は、鉛直搬送路154の側壁部160から水平方向に沿って延びている。
図3に示されるように、画像形成装置10には、現像装置100内の空気を鉛直搬送路154の内部に導入する循環手段の一例としての循環装置170を有している。循環装置170は、現像装置100と鉛直搬送路154の流入管158(図4参照)とを接続する配管172を有している。画像形成装置10では、一般的に現像装置100の内圧は、画像形成装置10内の現像装置100の外部の圧力及び鉛直搬送路154の内圧よりも高い。このため、現像装置100の内圧により、現像装置100内の空気が配管172を介して流入管158から鉛直搬送路154の内部に導入される、すなわち空気が循環されるようになっている。一般的に現像装置では、現像装置の内圧を下げるために圧抜き孔が設けられているが、本実施形態の現像装置100では、循環装置170を設けることで、圧抜き孔を設ける必要がない。
流入管158から鉛直搬送路154の内部に導入された空気は、横搬送路152の下流側端部152Bではトナーの搬送によりトナー密度が高くなっているため、横搬送路152側には流れにくい。このため、流入管158から鉛直搬送路154の内部に導入された空気は、現像装置100側に流れる。そして、現像装置100から循環装置170の配管172を通って鉛直搬送路154の内部に空気が導入されることで、空気が現像装置100と鉛直搬送路154とを循環されるようになっている。
図6に示されるように、流入管158から鉛直搬送路154の内部に矢印A方向に導入された空気は、流入管158と対向する側壁部160の内壁161に当たり、側壁部160の内壁161に沿って矢印B方向に分流される。鉛直搬送路154の上端部154Aから下端部154B側に向けてトナーが落下すると、トナーが落下途中で流入管158から導入された空気に衝突するようになっている。
<作用及び効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
トナー搬送装置150には、トナーカートリッジ140から横搬送路152を介して搬送されるトナーを鉛直方向の下方に導く筒状の鉛直搬送路154が設けられており、鉛直搬送路154は、鉛直方向の下端部154Bで現像装置100と連結されている。横搬送路152の内部には搬送部材156が設けられており、トナーカートリッジ140から横搬送路152に導入されたトナーは、搬送部材156の回転により鉛直搬送路154に向けて搬送される。横搬送路152の下流側端部152Bでは、搬送部材156によるトナーの搬送に伴ってトナー密度が上昇する。
横搬送路152から鉛直搬送路154の上端部154Aにトナーが搬送されると、トナーは鉛直搬送路154の上端部154Aから下端部154B側に向けて落下する。鉛直搬送路154の上端部154A側には、流入管158が設けられており、流入管158から鉛直搬送路154の内部に空気が導入(流入)される。鉛直搬送路154の内部に導入された空気は、鉛直搬送路154の中央部に向けて流れ、落下するトナーに衝突する。例えば、横搬送路152から搬送されるトナーに凝集トナーが含まれている場合、流入管158から導入された空気に凝集トナーが衝突することで、空気撹拌により凝集トナーが解(ほぐ)され、すなわち、凝集トナーが崩され、鉛直搬送路154にトナーが詰まりにくくなる。
上記のトナー搬送装置150では、トナー収容部のトナーが鉛直搬送路内を落下することで現像装置に供給される構成において、鉛直搬送路が閉じている単なる管(流入口を有しない単なる管)であるものと比較して、鉛直搬送路154を落下するトナーの詰まりが抑制される。
また、トナー搬送装置150では、鉛直搬送路154は、鉛直方向の下端部154B側のトナーの出口の開口面積が鉛直方向の上端部154A側のトナーの入口の開口面積よりも大きい。トナー搬送装置150では、鉛直搬送路内をトナーが単に落下するものに比べて、鉛直搬送路154内に導入された空気によりトナーが解られ、広い範囲にトナーが着地しやすい。このため、トナー搬送装置150では、鉛直搬送路の内径が上下方向に沿って一定の構成と比較して、鉛直搬送路154の下端部154Bにトナーが詰まりにくい。
また、トナー搬送装置150では、鉛直搬送路154の上方で鉛直搬送路154と交差する方向に延び、トナーカートリッジ140に連結される横搬送路152が設けられている。横搬送路152の内部には、搬送部材156が設けられており、搬送部材156によって横搬送路152をトナーが搬送される。このため、トナー搬送装置150では、鉛直搬送路154へのトナー搬送に伴ってトナー密度が上昇する構成において、トナーの詰まりが抑制される。
また、トナー搬送装置150では、空気を導入する流入管158が鉛直搬送路154の側壁部160の法線方向に沿って設けられている。これにより、流入管158から鉛直搬送路154の中央部に向けて空気が流れ、鉛直搬送路154を落下するトナーが空気に衝突する。このため、トナー搬送装置150では、鉛直搬送路の上部から下方に向かって空気を導入する構成と比較して、凝集トナーが解されやすい。
また、画像形成装置10では、トナー搬送装置150の鉛直搬送路154で解されたトナーが現像装置100に供給される。これにより、新しいトナーが補給された現像剤Gが現像装置100内で撹拌されやすくなり、トナーの撹拌不足によりトナーが低帯電となることが抑制される。このため、画像形成装置10では、トナー収容部のトナーが鉛直搬送路内を落下することで現像装置に供給される構成において、鉛直搬送路が閉じている単なる管であるものと比較して、トナーの撹拌不足による画質低下が抑制される。
さらに、画像形成装置10では、現像装置100の内圧により現像装置100内の空気を配管172を介して流入管158から鉛直搬送路154の内部に導入する循環装置170が設けられている。このため、画像形成装置10では、鉛直搬送路の内部に空気を導入する専用の導入手段を有する構成と比較して、構造が簡単である。さらに、画像形成装置10では、鉛直搬送路の内部に空気を導入する専用の導入手段を有する構成と比較して、消費エネルギーが小さくなる。
〔第2実施形態〕
図7には、第2実施形態のトナー搬送装置180の一例が示されている。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図7に示されるように、トナー搬送装置180は、第1実施形態の循環装置170(図3参照)に代えて、鉛直搬送路154の内部に空気を導入する導入手段の一例としてのエアポンプ182を備えている。エアポンプ182は、配管184を介して鉛直搬送路154の流入管158に接続されている。エアポンプ182は、図示しないファンを備えており、ファンの回転により空気が配管184及び流入管158を介して鉛直搬送路154の内部に導入される。
上記のトナー搬送装置180では、第1実施形態のトナー搬送装置150(図3参照)と同様の構成による作用及び効果に加えて、以下の作用及び効果を有する。
トナー搬送装置180では、配管184及び流入管158を介して空気を鉛直搬送路154の内部に導入するエアポンプ182が設けられており、エアポンプ182により空気が鉛直搬送路154の内部に導入される。このため、トナー搬送装置180では、エアポンプ182によって、鉛直搬送路154の内部に空気を導入することができる。また、エアポンプ182により、導入する空気量の設定及び調整が可能となる。
〔第3実施形態〕
図8〜図10には、第3実施形態のトナー搬送装置190に用いられる鉛直搬送路192が示されている。なお、前述した第1及び第2実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図8〜図10に示されるように、トナー搬送装置190は、鉛直搬送路192の側壁部160の上端部154A側に、鉛直搬送路192の内部に矢印C方向に空気を導入する流入管194を備えている。流入管194の内側には、貫通孔195が形成されており、貫通孔195は、鉛直搬送路192の貫通部162と繋がっている。ここで、流入管194は、流入口の一例である。流入管194の貫通孔195は、鉛直搬送路192の側壁部160の内壁196に沿って設けられている(図10参照)。なお、トナー搬送装置190の他の構成は、第1実施形態のトナー搬送装置150と同じである。
上記のトナー搬送装置190では、第1実施形態のトナー搬送装置150(図3参照)と同様の構成による作用及び効果に加えて、以下の作用及び効果を有する。
図10に示されるように、流入管194から鉛直搬送路192の内部に矢印C方向に導入された空気は、鉛直搬送路192の円形状の内壁196を伝って矢印D方向に渦状に流れる。このため、トナーが凝集している場合でも、渦流により鉛直搬送路192を落下する凝集トナーが解される(崩される)。このため、トナー搬送装置190では、鉛直搬送路の上部から下方に向かって空気を導入する構成と比較して、鉛直搬送路192を落下する凝集トナーが解されやすい。特に、トナー搬送装置190の流入管194を鉛直搬送路192の内壁196に沿って設ける構成は、トナー搬送装置150の流入管158を鉛直搬送路154の法線方向に沿って設ける構成(図4等参照)と比較して、鉛直搬送路192の内径が小さい場合に有効である。
〔第4実施形態〕
図11には、第4実施形態のトナー搬送装置200に用いられる鉛直搬送路202が示されている。なお、前述した第1〜第3実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図11に示されるように、トナー搬送装置200は、鉛直搬送路202の側壁部160の上端部154A側と上下方向の中間部に、鉛直搬送路202の内部に空気を導入する複数の流入管158を備えている。本実施形態では、流入管158は、鉛直搬送路202の上下方向に離れた2箇所に設けられている。また、2つの流入管158は、鉛直搬送路202の上下方向に沿って位置を合わせて配置されている。2つの流入管158は、鉛直搬送路202の側壁部160の法線方向に沿って設けられている。なお、トナー搬送装置190の他の構成は、第1実施形態のトナー搬送装置150と同じである。
上記のトナー搬送装置200では、第1実施形態のトナー搬送装置150(図3参照)と同様の構成による作用及び効果に加えて、以下の作用及び効果を有する。
トナー搬送装置200では、鉛直搬送路202の側壁部160に2つの流入管158が設けられている。これにより、鉛直搬送路202をトナーが落下するときに、上下方向の離れた位置に配置された2つの流入管158から導入された空気に衝突する。このため、トナー搬送装置200では、鉛直搬送路に空気の流入口が1つだけ設けられている構成と比較して、鉛直搬送路202を落下する凝集トナーが解されやすい。
〔第5実施形態〕
図12には、第5実施形態のトナー搬送装置210に用いられる鉛直搬送路212が示されている。なお、前述した第1〜第4実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図12に示されるように、トナー搬送装置210は、鉛直搬送路212の側壁部160の上端部154A側と上下方向の中間部に、鉛直搬送路212の内部に空気を導入する2つの流入管158、194を備えている。本実施形態では、2つの流入管158、194は、鉛直搬送路212の側壁部160に上下方向の位置をずらして配置されている。一方の流入管158は、鉛直搬送路212の側壁部160の法線方向に沿って設けられている。また、他方の流入管194の貫通孔195は、鉛直搬送路192の側壁部160の内壁(図示省略)に沿って設けられている。なお、トナー搬送装置190の他の構成は、第1実施形態のトナー搬送装置150と同じである。
上記のトナー搬送装置210では、第1実施形態のトナー搬送装置150(図3参照)と同様の構成による作用及び効果に加えて、以下の作用及び効果を有する。
トナー搬送装置210では、2つの流入管158、194は、鉛直搬送路212の側壁部160に上下方向の位置をずらして配置されている。これにより、鉛直搬送路202をトナーが落下するときに、上下方向の位置をずらして配置された2つの流入管158、194から導入された空気に衝突する。このため、トナー搬送装置210では、鉛直搬送路の上下方向の同じ位置に複数の流入口が設けられている構成と比較して、鉛直搬送路212を落下する凝集トナーが解されやすい。
〔第6実施形態〕
図13及び図14には、第6実施形態のトナー搬送装置220に用いられる鉛直搬送路222が示されている。なお、前述した第1〜第5実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図13及び図14に示されるように、トナー搬送装置220は、鉛直搬送路222の上端部154A側に側壁部160から斜め上方に延びた流入管224を備えている。流入管224の内側には、鉛直搬送路222の貫通部162と繋がる貫通孔225が設けられている。ここで、流入管224は、流入口の一例である。流入管224から鉛直搬送路222の内部に導入された空気は、流入管224の流れ方向に沿って鉛直搬送路222の斜め下方側に流れ、鉛直搬送路222の貫通部162の内壁に当たり、分流される。鉛直搬送路222の上下方向上側の仮想線に対する流入管224の角度は、0より大きく60°より小さいことが好ましく、10°より大きく45°より小さいことがより好ましい。
上記のトナー搬送装置220では、第1実施形態のトナー搬送装置150(図3参照)と同様の構成による作用及び効果に加えて、以下の作用及び効果を有する。
トナー搬送装置220では、鉛直搬送路222の側壁部160から斜め上方に延びた流入管224が設けられている。これにより、流入管224から鉛直搬送路222の内部に導入された空気は、流入管224の流れ方向に沿って鉛直搬送路222の斜め下方側に流れ、鉛直搬送路222を落下するトナーに衝突する。このため、トナー搬送装置220では、鉛直搬送路の筒壁から斜め下方に延びている構成と比較して、鉛直搬送路222を落下する凝集トナーが解されやすい。
〔第7実施形態〕
図15には、第7実施形態のトナー搬送装置230が示されている。なお、前述した第1〜第6実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
トナー搬送装置230は、横搬送路152の内部にトナーを搬送する搬送する搬送部材156を備えている。搬送部材156は、回転軸156Aと、回転軸156Aの外周に支持された螺旋状の搬送羽根156Bとを備えており、回転軸156Aの下流側端部近傍には、クランク232が形成されている。クランク232は、回転軸156Aに対して軸心が平行にずれたクランクピン232Aと、クランクピン232Aの両軸端部と回転軸156Aとを繋ぐアーム部232B、232Cと、を備えている。
また、鉛直搬送路154の側壁部160の内部には、線状の部材がコイル状に巻かれた崩し部材236が設けられている。崩し部材236の上流側端部には、U字形状に屈曲した屈曲部236Aが設けられている。屈曲部236Aは、搬送部材156のクランク232のクランクピン232Aに引っ掛けられている。
トナー搬送装置220では、図示していないモータ等で構成された駆動手段によって、横搬送路152の搬送部材156が回転する。搬送部材156が回転すると、トナーカートリッジ(図示省略)から供給されたトナーが、横搬送路152の上流側端部152Aから下流側端部152Bに向かって搬送される。トナーは、鉛直搬送路154に到達すると鉛直搬送路154を落下し、現像装置100に供給される。なお、図中の矢印Sは、トナーの搬送方向を示している。
また、横搬送路152の搬送部材156の回転軸156Aの回転に伴って、回転軸156Aのクランク232のクランクピン232Aに屈曲部236Aが取り付けられた崩し部材236が、上下動(上下方向に動作)する。
上記のトナー搬送装置210では、第1実施形態のトナー搬送装置150(図3参照)と同様の構成による作用及び効果に加えて、以下の作用及び効果を有する。
トナー搬送装置210では、鉛直搬送路154の内部に、トナーを崩すためのコイル状の崩し部材236が設けられている。このため、トナー搬送装置210では、鉛直搬送路が空洞であるものと比較して、鉛直搬送路154を落下する凝集トナーが解されやすい。
また、トナー搬送装置210では、搬送部材156の回転軸156Aの回転に伴って、崩し部材236が上下方向に動作する。このため、トナー搬送装置210では、崩し部材が回転する構成と比較して、鉛直搬送路154を落下する凝集トナーが解されやすい。
〔補足説明〕
第3〜第7実施形態のトナー搬送装置190、200、210、220、230では、鉛直搬送路に空気を導入する循環装置170が設けられているが、本発明はこの構成に限定するものではない。例えば、循環装置170に代えて、エアポンプ182などの導入手段により空気を鉛直搬送路に導入する構成でもよい。
第4実施形態のトナー搬送装置200では、鉛直搬送路202に2つの流入管158が設けられていたが、流入管158の数や位置は変更が可能である。例えば、鉛直搬送路に3つ以上の流入管を設けてもよい。
第5実施形態のトナー搬送装置210では、鉛直搬送路202に2つの流入管158、194が設けられていたが、流入管158、194の数、位置、種類などは変更してもよい。例えば、鉛直搬送路に上下方向の位置をずらして、3つ以上の同じ種類又は異なる種類の流入管を設けてもよい。
第6実施形態のトナー搬送装置220では、鉛直搬送路222から斜め上方に延びた流入管224が設けられているが、流入管224の数、位置、種類などは変更してもよい。例えば、鉛直搬送路から斜め上方に延びた流入管を上下方向に2つ以上設けてもよい。また、鉛直搬送路222の上下方向上側の仮想線に対する流入管224の角度を変更してもよい。また、鉛直搬送路から斜め上方に延びた流入管を鉛直搬送路の筒壁の内壁に沿って1又は2以上設けてもよい。
第1〜第7実施形態のトナー搬送装置150、180、190、200、210、220、230では、鉛直搬送路の内径は、上端部154Aから下端部154Bに向かって徐々に大きくなる構成であるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、鉛直搬送路の貫通部の内径を段階的に大きくする構成でもよいし、例えば、鉛直搬送路の貫通部の上下方向の一部に、下端部側に向けて内径が徐々に大きくなるテーパ部を備える構成でもよい。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。