以下、図面を参照して、本発明の例示的な実施形態を説明する。図面において同様の要素または対応する要素には同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化することがある。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係るPOS(Point of sales)システム1の全体構成例を示す概略図である。図2乃至図4は、POSシステム1に用いられるPOS装置10の構成を示す概略図である。図5は、POS装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
POSシステム1は、商品を販売する店舗に導入された情報処理システムである。図1に示すように、POSシステム1は、POS装置10と、店舗サーバ11と、アクセスポイント12とを有する。POS装置10、店舗サーバ11およびアクセスポイント12は、例えばLAN(Local Area Network)であるネットワーク13に接続されている。
POS装置10は、店員用端末100と、顧客用端末200と、置台300と、周辺機器400とを有する情報処理装置である。本実施形態において、POS装置10は、店舗のレジカウンタに設置されている。なお、POS装置10の台数は、特に限定されるものではなく、店舗の規模等に応じて、任意に増設することができる。
店員用端末100は、店員がレジカウンタ等において操作する端末であって、顧客用端末200および周辺機器400と連携して会計処理を実行する。店員用端末100は、置台300に着脱自在に設けられている。すなわち、店員用端末100が置台300に支持されて電気的に接続された状態(以下、「接続状態」という。)および置台300から取り外された状態(以下、「取り外し状態」という。)のどちらの場合でも、店員は店員用端末100を使用できる。
接続状態の店員用端末100は、置台300に設けられた有線通信機器315(図5参照)を介して有線でネットワーク13に接続する。これにより、店員用端末100は、有線通信でネットワーク13を介して店舗サーバ11その他の外部機器とのデータの送受信を行うことが可能になっている。なお、接続状態の店員用端末100とネットワーク13との接続は、これに限定されるものではない。
一方、取り外し状態の店員用端末100は、アクセスポイント12との無線通信により無線でネットワーク13に接続する。これにより、取り外し状態の店員用端末100は、無線通信でネットワーク13を介して店舗サーバ11その他の外部機器とのデータの送受信を行うことが可能になっている。
顧客用端末200は、レジカウンタにおいて顧客に対して情報を提供する表示部としての機能と、顧客からの入力を受け付ける入力部としての機能を備える端末である。本実施形態の顧客用端末200は、店員用端末100が会計処理を実行できない状態にある場合、店員用端末100の代わりに会計処理を実行できる。会計モードの切換については、後述する。
置台300は、店員用端末100および顧客用端末200を支持する支持体である。本実施形態では、店員用端末100は、置台300と着脱自在に設けられ、かつ、顧客用端末200および置台300は、一体に設けられているものとする。
周辺機器400は、置台300に接続される。周辺機器400は、後述する非接触IC(Integrated Circuit)リーダライタ401、プリンタ402、キャッシュドロア403、コードスキャナ404等を含む(図2乃至図5参照)。店員用端末100は、置台300を介して周辺機器400を制御できる。
このように、置台300は、これに取り付けられた店員用端末100の機能を拡張する拡張ユニットであるクレードルまたはドッキングステーションとしても機能する。
店舗サーバ11は、例えば、店舗で販売される商品の情報管理、販売データの集計、売り上げの管理、在庫の管理等を行い、POSシステム1の運用を管理するストアコントローラである。店舗サーバ11は、例えば、店舗のバックヤードに設置されている。
アクセスポイント12は、取り外し状態の店員用端末100と無線通信を行って、店員用端末100をネットワーク13に接続する無線通信機器である。アクセスポイント12は、例えば、店舗の天井等に設置されている。また、アクセスポイント12は、例えば、店舗の規模、無線環境等に応じて、1台または複数台設置できる。
また、図2乃至図4に示すように、本実施形態におけるPOS装置10は、店員用端末100と、顧客用端末200と、店員用端末100を着脱可能に支持する置台300とを有している。ここで、図2は、店員用端末100が置台300と接続状態にあるとき、POS装置10を店員用端末100の前面側から見た斜視図である。図3は、図2に示すPOS装置10を顧客用端末200の前面側から見た斜視図である。図4は、店員用端末100が置台300と取り外し状態にあるとき、POS装置10を店員用端末100の前面側から見た斜視図である
店員用端末100には、商品の売り上げ登録機能、会計機能、商品情報登録機能、在庫管理機能等を有するPOSアプリケーションプログラムがインストールされている。このため、店員用端末100はPOS装置10の一部として機能する。
また、店員用端末100は、接続状態と取り外し状態とで異なる又は同一の使用目的で使用される。店員用端末100は、置台300から取り外されると、その機能が切り替わる。例えば、取り外し状態の店員用端末100は、在庫管理処理を実行するハンディーターミナルとして機能する。取り外し状態の店員用端末100は、店員によりレジカウンタから店舗における倉庫等の場所に持ち出された場合、在庫管理処理を実行する。在庫管理処理には、検品、商品登録、棚卸、発注等が含まれる。
店員用端末100は、略矩形状のオペレータディスプレイ101を有している。オペレータディスプレイ101は、タッチパネル102を有する(図5参照)。これにより、オペレータディスプレイ101は、第1の表示部および第1の入力部として機能する。店員用端末100においてアプリケーションプログラムが起動されると、オペレータディスプレイ101は、店員に対して種々の情報を表示する。そして、店員は、オペレータディスプレイ101に対するタッチ入力により、アプリケーションプログラムを操作できる。
置台300は、本体部301と、ホルダ部302とを有する(図4参照)。本体部301は、店員用端末100と顧客用端末200とを支持する支持体として機能する。さらに、本体部301は、後述する電源部313、外部I/F(Interface)314等を収容する筐体としても機能する。
本体部301は、レジカウンタ等の設置場所に置かれる土台部303と、土台部303の一端部から上方に向かって延在する板状の脚部304とを有している。脚部304の上側部分は、鉛直方向に対して、土台部303の他端部の側に傾斜した傾斜部305になっている。
顧客用端末200は、略矩形状のカスタマーディスプレイ201を有している。図2乃至図4の例では、顧客用端末200は、カスタマーディスプレイ201が斜め上方を向くように、置台300の傾斜部305の上端部に取り付けられている。
カスタマーディスプレイ201は、特に限定されるものではなく、種々のディスプレイにより構成できる。例えば、カスタマーディスプレイ201は、液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、VFD(Vacuum Fluorescent Display)、FIP(Fluorescent Indicator Panel)等により構成されている。また、顧客用端末200のカスタマーディスプレイ201は、タッチパネル式であるため、顧客用端末200は、顧客によるカスタマーディスプレイ201に対するタッチ入力を受け付けることができる。
顧客用端末200は、店員用端末100による制御を受けて、カスタマーディスプレイ201に顧客画面を表示する。顧客画面は、顧客に対して会計情報等の各種の情報(カスタマー用データ)を提示するための画面である。顧客画面に表示される会計情報は、例えば、会計処理を行う商品の名称、商品の数量、販売金額、値引き金額、合計金額、税額、受領金額、釣銭金額等である。また、顧客用端末200は、店員用端末100による制御を受けて、顧客に対して広告、宣伝、イベント等に関する情報をカスタマーディスプレイ201に表示できる。
また、カスタマーディスプレイ201は、タッチパネル202を有する(図5参照)。これにより、カスタマーディスプレイ201は、第2の表示部および第2の入力部として機能する。店員用端末100または顧客用端末200においてアプリケーションプログラムが起動されると、カスタマーディスプレイ201は、顧客に対して種々の情報を表示する。そして、顧客は、カスタマーディスプレイ201に対するタッチ入力により、アプリケーションプログラムを操作できる。
また、置台300において、傾斜部305の上側の傾斜面上には、ホルダ部302が設けられている。本実施形態のホルダ部302は、カスタマーディスプレイ201の背面側において、カスタマーディスプレイ201に隣接して店員用端末100を着脱可能に支持する。
ホルダ部302は、載置部306と、載置部306の下端部に設けられた爪部307を有し、店員用端末100を支持する。店員用端末100がホルダ部302に支持されることにより、店員およびその相手方の顧客は、それぞれオペレータディスプレイ101およびカスタマーディスプレイ201を見ながら対面でのやりとりが可能である。なお、ホルダ部302が店員用端末100を着脱可能に保持する機構は、当該機構に限定されるものではなく、種々の機構を用いることができる。
さらに、ホルダ部302には、接続コネクタ308が設けられている。接続コネクタ308は、ホルダ部302に支持された店員用端末100を置台300に電気的に接続する。図4の例では、接続コネクタ308は、ホルダ部302の爪部307に設けられている。接続コネクタ308に対して、店員用端末100に設けられた接続コネクタ103が接続されることにより、店員用端末100が置台300を介して顧客用端末200に電気的に接続される。
接続コネクタ308は、ホルダ部302に取り付けられた店員用端末100とカスタマーディスプレイ201とを電気的に接続する。これにより、店員用端末100は、接続コネクタ103、308を介して接続されたカスタマーディスプレイ201の表示を制御できる。なお、接続コネクタ103、308の接続形式は、特に限定されるものではなく、種々の方式を採用できる。
また、本体部301の下側の側部には、周辺機器400を接続するために、複数のUSB(Universal Serial Bus)コネクタ309、通信コネクタ310、ディスプレイ端子311および電源コネクタ312が設けられている。また、本体部301において各端子が設けられる位置は、特に限定されるものではない。
USBコネクタ309には、周辺機器400として、例えば、非接触ICリーダライタ401、プリンタ402、キャッシュドロア403、コードスキャナ404等が接続される。
通信コネクタ310は、LANケーブル等の通信ケーブルを接続するための端子である。通信コネクタ310は、例えばRJ−45等のLANコネクタである。置台300は、通信コネクタ310に接続された通信ケーブルを介してネットワーク13に接続される。
ディスプレイ端子311は、外部ディスプレイを接続するための端子である。ディスプレイ端子311は、例えば、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)端子、DVI(Digital Visual Interface)端子、VGA(Video Graphics Array)端子等である。
電源コネクタ312は、電源を供給するための端子である。電源コネクタ312には、AC(Alternating Current)アダプタが接続される。ACアダプタは、商用電源からの交流電源を直流電源に変換して置台300に供給する。
図5は、POS装置10のハードウェア構成の一例を示している。図5に示すように、店員用端末100は、CPU(Central Processing Unit)104と、内部ストレージ105と、RAM(Random Access Memory)106とを有する。また、店員用端末100は、無線通信機器107と、カメラ108とを有する。また、店員用端末100は、ディスプレイコントローラ109と、オペレータディスプレイ101とを有する。また、店員用端末100は、接続コネクタ103と、外部I/F110と、USBコネクタ112とを有する。さらに、店員用端末100は、電源部113と、バッテリー114とを有する。
CPU104、内部ストレージ105、RAM106、無線通信機器107、カメラ108、接続コネクタ103、ディスプレイコントローラ109および外部I/F110は、バスライン111に接続されている。外部I/F110には、USBコネクタ112が接続されている。接続コネクタ103には、電源部113が接続されている。電源部113には、バッテリー114が接続されている。
CPU104は、内部ストレージ105に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、店員用端末100全体の動作を制御する。すなわち、CPU104は、第1の制御部として機能する。また、CPU104は、内部ストレージ105に記憶されたPOSアプリケーションプログラムを実行して、POS装置10としての各種処理を実行する。RAM106は、CPU104の動作に必要なメモリ領域を提供する。
CPU104は、非接触ICリーダライタ401、プリンタ402、キャッシュドロア403、コードスキャナ404等の周辺機器400の稼働状態を制御する。具体的には、稼働状態は、周辺機器400に電源が供給され、周辺機器400が通常動作可能な状態である。非稼働状態は、周辺機器400に電源が供給されていない電源オフ状態のほか、周辺機器400のリセット状態が保持された状態等の周辺機器400が通常動作しない状態を含む。
内部ストレージ105は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成される。内部ストレージ105は、CPU104により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU104により参照されるデータ等を記憶する。
無線通信機器107は、CPU104による制御に従って、例えば無線LANの規格によりアクセスポイント12等と無線通信を行う。無線LANの規格は、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)により策定されたIEEE802.11に準拠したWi−Fi(登録商標)等である。
また、無線通信機器107は、CPU104による制御に従って、Bluetooth(登録商標)通信方式、赤外線通信方式等により、対応する無線通信機能を有する周辺機器400と無線通信も行う。これにより、CPU104は、無線通信機器107を介して周辺機器400を制御できる。
カメラ108は、CPU104による制御に従って、被写体を撮像して被写体の画像データを出力する。例えば、取り外し状態の店員用端末100は、商品等に付されたコードシンボルをカメラ108により撮像し、撮像された画像から情報を取得する画像スキャナとして機能することもできる。コードシンボルとしては、特に限定されるものではないが、例えば、バーコード等の一次元コード、QRコード(登録商標)等の二次元コード等が挙げられる。
ディスプレイコントローラ109は、CPU104による制御に従って、オペレータディスプレイ101に対する表示を制御するとともに、オペレータディスプレイ101(タッチパネル102)に対するタッチ入力を監視して、タッチ入力による入力データを取得する。
接続コネクタ103は、上述のように、店員用端末100が置台300に取り付けられた際に、置台300の接続コネクタ308に接続される。CPU104は、接続コネクタ103が接続コネクタ308に接続されることにより、顧客用端末200、置台300および周辺機器400を制御可能になる。
外部I/F110は、CPU104による制御に従って、USBコネクタ112を介したデータの送受信を制御する。USBコネクタ112には、必要に応じて、USB規格で接続可能な周辺機器400を着脱可能に接続できる。CPU104は、USBコネクタ112に接続された周辺機器400を制御できる。
電源部113は、バッテリー114から供給される電源を駆動用電源として店員用端末100の各部に供給する。取り外し状態の店員用端末100は、バッテリー114による駆動用電源により動作できる。
また、店員用端末100が接続状態である場合において、電源部113には、接続コネクタ103、308を介して置台300の電源部313から充電用電源および駆動用電源が供給される。電源部113は、電源部313から供給される充電用電源でバッテリー114を充電する。また、電源部113は、電源部313から供給される駆動用電源を店員用端末100の各部に供給する。接続状態の店員用端末100は、電源部313から供給される駆動用電源により動作する。
図5に示すように、顧客用端末200は、CPU203と、内部ストレージ204と、RAM205と、カスタマーディスプレイ201と、ディスプレイコントローラ206とを有する。各デバイス(203、204、205、201、206)は、店員用端末100のCPU104、内部ストレージ105、RAM106、オペレータディスプレイ101、ディスプレイコントローラ109と同様の機能を有する。ただし、顧客用端末200の動作は、店員用端末100が置台300に接続されている場合(接続状態)と店員用端末100が置台300から取り外されている場合(取り外し状態)とで異なる。
具体的には、店員用端末100が取り外し状態であるとき、CPU203は、内部ストレージ204に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、顧客用端末200全体の動作を制御する。すなわち、CPU203は、第2の制御部として機能する。また、CPU203は、内部ストレージ204に記憶されたPOSアプリケーションプログラムを実行して、POS装置10としての各種処理を実行する。RAM205は、CPU203の動作に必要なメモリ領域を提供する。
これに対し、店員用端末100が接続状態であるとき、顧客用端末200のCPU203は、店員用端末100のCPU104と連携して動作する。この場合、ディスプレイコントローラ206は、店員用端末100のCPU104による制御に従って、カスタマーディスプレイ201に対する表示を制御する。
また、上述したように、置台300は、接続コネクタ308と、USBコネクタ309と、通信コネクタ310と、ディスプレイ端子311と、電源コネクタ312とを有する。また、置台300は、電源部313と、外部I/F314と、有線通信機器315と、無線通信機器316と、着脱センサ317とを有する。
本実施形態では、顧客用端末200は置台300と一体に設けられている。このため、接続コネクタ308、外部I/F314、有線通信機器315および無線通信機器316は、CPU203と同様に、バスライン207に接続されている。接続コネクタ308には、電源部313が接続されている。電源部313には、電源コネクタ312が接続されている。外部I/F314には、USBコネクタ309が接続されている。有線通信機器315には、通信コネクタ310が接続されている。
電源部313は、電源コネクタ312に接続されたACアダプタにより供給される電源を駆動用電源として置台300の各部に供給する。また、電源部313は、ACアダプタにより供給される電源を駆動用電源として、USBコネクタ309に接続されたバスパワーで動作可能な周辺機器400に供給する。また、店員用端末100が接続状態であるとき、電源部313は、接続コネクタ103、308を介して店員用端末100の電源部113に充電用電源および駆動用電源を供給する。
外部I/F314は、CPU203による制御に従って、USBコネクタ309を介したデータの送受信を制御する。複数のUSBコネクタ309には、USB規格で接続可能な周辺機器400として、コードスキャナ404、非接触ICリーダライタ401、プリンタ402およびキャッシュドロア403が着脱可能に接続される。CPU203は、店員用端末100のCPU104と同様に、USBコネクタ309に接続された周辺機器400を制御できる。
有線通信機器315は、通信コネクタ310に接続された通信ケーブルによりネットワーク13に接続され、ネットワーク13を介してデータの送受信を行う。CPU203は、店員用端末100のCPU104と同様に、置台300の有線通信機器315を介して、ネットワーク13上の店舗サーバ11等とデータの送受信を行うことができる。
無線通信機器316は、CPU203による制御に従って、Bluetooth(登録商標)通信方式、赤外線通信方式等により、対応する無線通信機能を有する周辺機器400と無線通信も行う。
着脱センサ317は、店員用端末100の着脱状態を検出し、その着脱状態に応じた出力信号を出力する。着脱センサ317は、光学的方法、電気的方法、機械的方法その他の方法により店員用端末100の着脱を検出するものであってもよい。店員用端末100が置台300から取り外されると、店員用端末100と顧客用端末200との間で会計処理に関する連携が解除される。このため、CPU203は、着脱センサ317の出力信号に基づいて、店員用端末100が会計処理を実行できる状態であるか否かを判定できる。
非接触ICリーダライタ401は、CPU104またはCPU203による制御に従って動作し、顧客のスマートフォン等の機器またはカード等の媒体が有する非接触ICチップから、支払のためのクレジットカード情報、電子マネーカード情報を取得する。
プリンタ402は、CPU104またはCPU203による制御に従って動作し、レシート等を印字して出力する。キャッシュドロア403は、CPU104またはCPU203による制御に従って動作し、現金決済のための現金の授受の際に、硬貨、紙幣等を保管するドロアを開放する。
コードスキャナ404は、CPU104またはCPU203による制御に従って動作し、会計処理を実行すべき商品等に付されたコードシンボルを読み取る。コードシンボルとしては、特に限定されるものではないが、例えば、上述したバーコード、QRコード(登録商標)等の一次元または二次元コード等が挙げられる。
置台300には、必要に応じて、上述のコードスキャナ404等以外の周辺機器400を接続して動作させることができる。他の周辺機器400としては、PIN(Personal Identification Number)パッド、自動釣銭機、プログラマブルキーボード等が例示される。
また、置台300は、店員用端末100や顧客用端末200と同様に、CPU、内部ストレージ、およびRAM等をさらに有していてもよい。この場合、置台300は、単独でコンピュータ装置として機能できる。
なお、図5に示されているハードウェア構成は例示であり、これら以外の装置が追加されていてもよく、一部の装置が設けられていなくてもよい。また、一部の装置が同様の機能を有する別の装置に置換されていてもよい。さらに、本実施形態の一部の機能がネットワーク13を介して他の装置により提供されてもよく、本実施形態の機能が複数の装置に分散されて実現されてもよい。
続いて、本実施形態に係るPOS装置10の作用および効果について図6乃至図10を参照しつつ説明する。
図6は、本実施形態に係るPOS装置10における通知処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えばPOS装置10の電源スイッチ(不図示)が押下されることで開始される。なお、図6の処理開始時点においては、店員用端末100が置台300と接続状態であるものとする。
ステップS101において、顧客用端末200のCPU203は、カスタマーディスプレイ201に顧客画面を表示する。
ステップS102において、顧客用端末200のCPU203は、顧客画面の中で顧客により追加注文タブ201aが選択されたか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203が、追加注文タブ201aが選択されたと判定した場合(ステップS102:YES)には、処理はステップS103に移る。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、追加注文タブ201aが選択されていないと判定した場合(ステップS102:NO)には、処理は終了する。
図7は、顧客用端末200のカスタマーディスプレイ201に表示される顧客画面の一例を示す図である。ここでは、カスタマーディスプレイ201に複数のタブが選択可能に表示されているときに、顧客が追加注文タブ201aを選択した場合を示している。追加注文タブ201aでは、店舗側からの提案商品だけでなく、店内で販売されている全ての商品を検索し、指定できると好適である。また、図7では、顧客の入力に基づいて商品が検索されると、商品名、価格、購入個数、商品画像IMGを含む確認画面が追加注文タブ201aの中に表示される場合が示されている。
ステップS103において、顧客用端末200のCPU203は、カスタマーディスプレイ201における入力に基づいて内部ストレージ204の中から追加注文の商品を検索する。
ステップS104において、顧客用端末200のCPU203は、顧客画面において追加注文が確定されたか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203は、顧客画面において追加注文が確定されたと判定した場合(ステップS104:YES)には、処理はステップS105に移る。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、顧客画面において追加注文が確定されていないと判定した場合(ステップS104:NO)には、処理はステップS103に戻る。
ステップS105において、顧客用端末200のCPU203は、着脱センサ317からの検出信号に基づいて、店員用端末100が取り外し状態であるか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203が、店員用端末100は取り外し状態であると判定した場合(ステップS105:YES)には、処理はステップS106に移る。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、店員用端末100は取り外し状態ではないと判定した場合(ステップS105:NO)には、処理はステップS107に移る。
ステップS106において、顧客用端末200のCPU203は、置台300から取り外された店員用端末100に対して追加注文情報を通知する。図8は、店員用端末100のオペレータディスプレイ101に表示される通知画面の一例を示す図である。ここでは、追加注文情報として、店員に対する作業指示(「1番レジでお待ちのお客様より追加注文がありました。至急、下記の商品を持参の上、会計処理を実行してください。」)と追加注文の具体的な内容(商品名、個数、陳列位置、商品画像)が表示される場合が示されている。なお、店員が確認ボタンを押下すると、通知に対する応答信号が店員用端末100から顧客用端末200に送信される。
ステップS107において、顧客用端末200のCPU203は、店員の携帯端末500に追加注文情報を通知する。なお、顧客の対面にいる店員は会計を担当しているため、店内における他の店員が所持する携帯端末500に対して通知を行うと好適である。
図9は、携帯端末500に表示される通知画面の一例を示す図である。ここでは、図8と同様に、追加注文情報として、店員に対する作業指示(「1番レジでお待ちのお客様より追加注文がありました。下記の商品をレジまで持ってきてください。」)と追加注文の具体的な内容(商品名、個数、陳列位置、商品画像)が表示される場合が示されている。なお、店員がOKボタンを押下すると、通知された追加注文情報に対応できることを示す応答信号が店員用端末100から顧客用端末200に送信される。逆に、店員がNGボタンを押下すると、通知された追加注文情報に対応できないことを示す応答信号が店員用端末100から顧客用端末200に送信される。
ステップS108において、顧客用端末200のCPU203は、所定時間以内に通知先の端末から緊急対応可の応答が有ったか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203が、通知先の端末から緊急対応可の応答有りと判定した場合(ステップS108:YES)には、処理は終了する。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、通知先の端末から緊急対応可の応答無しと判定した場合(ステップS108:NO)には、処理はステップS109に移る。
ステップS109において、顧客用端末200のCPU203が、未通知の携帯端末500に対して追加注文情報を通知すると、処理はステップS108に戻る。
図10は、本実施形態に係るPOS装置10における会計処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS201において、顧客用端末200のCPU203は、着脱センサ317からの検出信号に基づいて、店員用端末100が取り外し状態であるか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203が、店員用端末100は取り外し状態であると判定した場合(ステップS201:YES)には、処理はステップS202に移る。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、店員用端末100は接続状態であると判定した場合(ステップS201:NO)には、処理はステップS203に移る。
ステップS202において、顧客用端末200のCPU203が、取り外し状態の店員用端末100に対して接続要請を行うと、処理はステップS201に戻る。
ステップS203においては、店員用端末100は置台300に接続された状態であることから、店員用端末100のCPU104が、店員によるコードスキャナ404の操作に応じて購入商品の登録処理を実行する。
ステップS204において、店員用端末100のCPU104は、店員が使用する端末(店員用端末100、携帯端末500、バックヤードに設置されたPC等)に対して追加注文情報を通知していたか否かを判定する。ここで、店員用端末100のCPU104が、店員が使用する端末に対して追加注文情報を通知済みと判定した場合(ステップS204:YES)には、処理はステップS205に移る。これに対し、店員用端末100のCPU104が、店員が使用する端末に対して追加注文情報を通知していないと判定した場合(ステップS204:NO)には、処理はステップS208に移る。
ステップS205において、店員用端末100のCPU104は、追加注文商品が未受領であるか否かを判定する。具体的には、追加注文情報を参照した店員によって追加注文商品がレジカウンタに届けられ、商品のバーコードがコードスキャナ404によって読み取られたか否かを判定する。ここで、店員用端末100のCPU104が、追加注文商品は未受領であると判定した場合(ステップS205:YES)には、処理はステップS206に移る。これに対し、店員用端末100のCPU104が、追加注文商品は受領済みであると判定した場合(ステップS205:NO)には、処理はステップS207に移る。
ステップS206において、店員用端末100のCPU104は、プリンタ402を制御し、追加注文商品の引換証を発行する。この場合、レジカウンタにおいて追加注文商品のバーコードを読み取れないが、追加注文商品の商品データは決済データに追加されるものとする。
ステップS207において、店員用端末100のCPU104は、追加注文商品を含めて会計処理を実行する。すなわち、店員の使用する端末に対して追加注文情報を通知された場合には、店員用端末100が会計処理を実行できる状態になったときに、顧客自身がレジカウンタまで持参した商品と追加注文商品とを纏めて会計する。
ステップS208において、店員用端末100のCPU104は、登録された商品の会計処理を実行する。顧客用端末200において顧客からの追加注文が行われていないことから、顧客自身がレジカウンタまで持参した商品のみが会計処理の対象となる。
本実施形態に係るPOS装置10は、店員用端末100と置台300との着脱状態に基づいて店員用端末100が会計処理を実行できる状態であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて店員に対して商品の追加注文に関する情報を効率的に通知できる。
[第2実施形態]
以下、第2実施形態に係るPOSシステム1について説明する。なお、第1実施形態の図中において付与した符号と共通する符号は同一の対象を示す。このため、第1実施形態と共通する箇所の説明は省略し、異なる箇所について詳細に説明する。
本実施形態は、店員用端末100が会計処理を実行できる状態であるか否かを判定する方法のみが第1実施形態と異なっている。図11は、本実施形態に係るPOS装置10における通知処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS301において、顧客用端末200のCPU203は、カスタマーディスプレイ201に顧客画面を表示する。
ステップS302において、顧客用端末200のCPU203は、顧客画面の中で顧客により追加注文タブ201aが選択されたか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203が、追加注文タブ201aが選択されたと判定した場合(ステップS302:YES)には、処理はステップS303に移る。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、追加注文タブ201aが選択されていないと判定した場合(ステップS302:NO)には、処理は終了する。
ステップS303において、顧客用端末200のCPU203は、カスタマーディスプレイ201における入力に基づいて内部ストレージ204の中から追加注文の商品を検索する。
ステップS304において、顧客用端末200のCPU203は、顧客画面において追加注文が確定されたか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203は、顧客画面において追加注文が確定されたと判定した場合(ステップS304:YES)には、処理はステップS305に移る。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、顧客画面において追加注文が確定されていないと判定した場合(ステップS304:NO)には、処理はステップS303に戻る。
ステップS305において、顧客用端末200のCPU203は、着脱センサ317からの検出信号に基づいて、店員用端末100が接続状態であるか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203が、店員用端末100は接続状態であると判定した場合(ステップS305:YES)には、処理はステップS306に移る。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、店員用端末100は取り外し状態であると判定した場合(ステップS305:NO)には、処理はステップS308に移る。
ステップS306において、顧客用端末200のCPU203は、店員用端末100がロック状態であるか否かを判定する。店員用端末100が置台300から取り外されたときと同様に、店員用端末100がロック状態のときも店員用端末100と顧客用端末200との間で会計処理に関する連携が解除された場合に該当する。ここで、顧客用端末200のCPU203が、店員用端末100はロック状態であると判定した場合(ステップS306:YES)には、処理はステップS307に移る。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、店員用端末100はロック解除状態であると判定した場合(ステップS306:NO)には、処理はステップS308に移る。
ステップS307において、顧客用端末200のCPU203は、店員の携帯端末500に対して追加注文情報を通知する(図9参照)。
ステップS308において、顧客用端末200のCPU203は、店員用端末100に対して追加注文情報を通知する(図8参照)。
ステップS309において、顧客用端末200のCPU203は、顧客用端末200のCPU203は、所定時間以内に通知先の端末からの応答が有ったか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203が、通知先の端末からの応答有りと判定した場合(ステップS309:YES)には、処理は終了する。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、通知先の端末からの応答無しと判定した場合(ステップS309:NO)には、処理はステップS310に移る。
ステップS310において、顧客用端末200のCPU203が、未通知の携帯端末500を特定すると、処理はステップS307に戻る。
本実施形態に係るPOS装置10によれば、店員用端末100と置台300との着脱状態だけでなく、店員用端末100のロック状態に基づいて店員用端末100が会計処理を実行できる状態であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて店員に対して商品の追加注文に関する情報を効率的に通知できる。
[第3実施形態]
以下、第3実施形態に係るPOSシステム1について説明する。なお、第1実施形態の図中において付与した符号と共通する符号は同一の対象を示す。このため、第1実施形態と共通する箇所の説明は省略し、異なる箇所について詳細に説明する。
上述した第1および第2実施形態では、店員用端末100のCPU104の制御に従って会計処理が実行されていた。これに対し、本実施形態は、店員用端末100と置台300との着脱状態に応じて、会計処理のモードが切り替わる点で第1実施形態と異なっている。以下の説明では、店員用端末100が会計処理を実行する、または、店員用端末100と顧客用端末200とが連携して会計処理を実行するモードを“第1の会計モード”という。また、顧客用端末200が会計処理を実行するモードを“第2の会計モード”というものとする。
図12は、本実施形態に係るPOS装置10における会計モードの切換処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えばPOS装置10の電源スイッチ(不図示)が押下されることで開始される。なお、図12の処理開始時点においては、店員用端末100が置台300と接続状態であるものとする。
ステップS401において、店員用端末100のCPU104は、第1の会計モードで起動する。このとき、顧客用端末200は、置台300を介して店員用端末100に電気的に接続されているため、店員用端末100と同時に起動する。起動後、顧客用端末200のカスタマーディスプレイ201には、顧客画面が表示される。
ステップS402において、顧客用端末200のCPU203は、着脱センサ317からの検出信号に基づいて、店員用端末100が置台300から取り外されたか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203が、店員用端末100は置台300から取り外されたと判定した場合(ステップS402:YES)には、処理はステップS403に移る。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、店員用端末100は置台300から取り外されていないと判定した場合(ステップS402:NO)には、処理は終了する。
ステップS403において、顧客用端末200のCPU203は、カスタマーディスプレイ201に会計モード選択画面(図示省略)を表示する。例えば、会計モード選択画面の中で“セルフ会計”ボタンと“係員を呼び出して会計”ボタンのどちらかを選択できるものとする。“セルフ会計”ボタンは、顧客自身が商品登録から決済までの操作を顧客自身が行う“第2の会計モード”に対応する。これに対し、“係員を呼び出して会計”ボタンは、商品登録から決済までの操作を店員が行う“第1の会計モード”に対応する。
ステップS404において、顧客用端末200のCPU203は、会計モード選択画面の中で会計方法として“セルフ会計”が選択されたか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203が、会計方法として“セルフ会計”が選択されたと判定した場合(ステップS404:YES)には、処理はステップS405に移る。これに対し、会計方法として“係員を呼び出して会計”が選択されたと判定した場合(ステップS404:NO)には、処理はステップS406に移る。
ステップS405において、顧客用端末200のCPU203は、POS装置10における第2の会計モードに切り換える。具体的には、CPU203が内部ストレージ204に記憶されている会計処理用のアプリケーションプログラムを起動することで、顧客用端末200における会計処理を実行可能にする。
ステップS406において、顧客用端末200のCPU203は、置台300から取り外された店員用端末100に対して接続要請を行う。
ステップS407において、顧客用端末200のCPU203は、店員用端末100が置台300に再接続されたか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203が、店員用端末100は置台300に再接続されたと判定した場合(ステップS407:YES)には、処理は終了する。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、店員用端末100は置台300に再接続されていないと判定した場合(ステップS407:NO)には、店員用端末100が置台300に接続されるまでステップS407の処理が繰り返される。
以上のように、店員用端末100が置台300から取り外された場合には、店員用端末100は会計処理を実行できない状態であるため、顧客用端末200が店員用端末100の代わりに会計処理を実行可能に制御する。
図13は、本実施形態に係るPOS装置10の通知処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、POS装置10が対面型POSからセルフ型POSに切り換わることで実行される。
ステップS501において、顧客用端末200のCPU203は、カスタマーディスプレイ201にセルフ会計画面を表示する。セルフ会計画面は、図6に示した顧客画面と同様であるが、顧客に商品データの登録を促す商品登録タブ(図示省略)も表示されるものとする。
ステップS502において、顧客用端末200のCPU203は、セルフ会計画面の中で顧客により追加注文タブ201aが選択されたか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203が、追加注文タブ201aが選択されたと判定した場合(ステップS502:YES)には、処理はステップS503に移る。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、追加注文タブ201aが選択されていないと判定した場合(ステップS502:NO)には、処理は終了する。
ステップS503において、顧客用端末200のCPU203は、カスタマーディスプレイ201における入力に基づいて内部ストレージ204の中から追加注文の商品を検索する。
ステップS504において、顧客用端末200のCPU203は、顧客画面において追加注文が確定されたか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203は、顧客画面において追加注文が確定されたと判定した場合(ステップS504:YES)には、処理はステップS505に移る。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、顧客画面において追加注文が確定されていないと判定した場合(ステップS504:NO)には、処理はステップS503に戻る。
ステップS505において、顧客用端末200のCPU203は、取り外された店員用端末100に対して追加注文情報を通知する(図8参照)。
ステップS506において、顧客用端末200のCPU203は、所定時間以内に通知先の端末からの応答が有ったか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203が、通知先の端末からの応答有りと判定した場合(ステップS506:YES)には、処理は終了する。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、通知先の端末からの応答無しと判定した場合(ステップS506:NO)には、処理はステップS507に移る。
ステップS507において、顧客用端末200のCPU203が、未通知の携帯端末500に対して追加注文情報を通知すると(図9参照)、処理はステップS506に戻る。
図14は、本実施形態に係るPOS装置10の会計処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、POS装置10がセルフ型POSとして動作しているときに実行される。
ステップS601において、店員用端末100は置台300から取り外されていることから、顧客用端末200のCPU203が、顧客によるコードスキャナ404の操作に応じて購入商品の登録処理を実行する。
ステップS602において、顧客用端末200のCPU203は、店員が使用する端末(店員用端末100や携帯端末500など)に対して追加注文情報を通知していたか否かを判定する。ここで、店員用端末100のCPU104が、店員が使用する端末に対して追加注文情報を通知済みと判定した場合(ステップS602:YES)には、処理はステップS603に移る。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、店員が使用する端末に対して追加注文情報を通知していないと判定した場合(ステップS602:NO)には、処理はステップS606に移る。
ステップS603において、顧客用端末200のCPU203は、追加注文商品が未受領であるか否かを判定する。具体的には、追加注文情報を参照した店員によって追加注文商品がレジカウンタに届けられ、商品のバーコードが顧客の操作するコードスキャナ404によって読み取られたか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203が、追加注文商品は未受領であると判定した場合(ステップS603:YES)には、処理はステップS604に移る。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、追加注文商品は受領済みであると判定した場合(ステップS603:NO)には、処理はステップS606に移る。
ステップS604において、顧客用端末200のCPU203は、プリンタ402を制御し、追加注文商品の引換証を発行する。この場合、レジカウンタにおいて追加注文商品のバーコードを読み取れないが、追加注文商品の商品データは決済データに追加されるものとする。
ステップS605において、顧客用端末200のCPU203は、決済データに追加注文商品を含めて会計処理を実行する。
ステップS606において、顧客用端末200のCPU203は、登録された商品の会計処理を実行する。顧客用端末200において顧客からの追加注文が行われていないことから、顧客自身がレジカウンタまで持参した商品のみが会計処理の対象となる。
本実施形態に係るPOSシステム1は、店員用端末100と置台300との着脱状態に基づいて店員用端末100が会計処理を実行できる状態であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて対面型POSとセルフ型POSを適切なタイミングで切換可能である。
上述したように、店員用端末100が置台300から取り外された場合、POS装置10は対面型POSとして会計処理を実行できなくなる。しかし、会計処理を実行する端末が店員用端末100から顧客用端末200に切り換るため、POS装置10はセルフ型POSとして会計処理を実行可能になる。そして、POS装置10がセルフ型POSとして動作している場合にも、顧客がカスタマーディスプレイ201上で追加注文を行うことが可能である。これにより、顧客は、買い忘れた商品が有る場合でも、セルフ会計を実行している間に追加注文を行える。すなわち、顧客は、レジに再度並ばずに、追加注文商品の分も纏めて会計処理を完了できるため、顧客にとって使い易いセルフ型POSの提供が可能になる。
[第4実施形態]
以下、第4実施形態に係るPOSシステム1について説明する。なお、第1実施形態の図中において付与した符号と共通する符号は同一の対象を示す。このため、第1実施形態と共通する箇所の説明は省略し、異なる箇所について詳細に説明する。
図15は、本実施形態に係るPOS装置10の通知先の決定方法を説明する図である。(A)の欄には、追加注文の商品の位置情報として、陳列位置(棚No/段/列)と、店内における2次元座標を示す店内位置情報が示されている。なお、店内位置情報は、店舗の階数を含んでもよい。
図15の(B)の欄では、端末位置情報が示されている。ここでは、端末位置情報のデータ項目として、端末ID,端末種別、作業モード、店内位置情報、移動距離が例示されている。例えば、端末IDが“POS_002”の店員用端末100は、端末種別が“POS端末”、作業モードが“会計”、店内位置情報(2次元座標)が“[X1,Y1]”、注文商品までの移動距離が“[距離_1]”である。(B)の欄におけるデータは、移動距離が短い順に出力されているものとする。移動距離は、通路の構造等も考慮して算出されてもよいし、商品と端末間の直線距離としてもよい。
そして、図15の(C)の欄では、上述した(A)・(B)の情報と、所定の通知先条件とに基づく通知先判定結果が示されている。(B)の欄では、端末IDが“POS_002”の端末が商品から最も近いことが示されているが、同端末の作業モードが“会計”であることから、商品を取りに行ける状況ではないとみなせる。このため、2番目に近い端末(端末IDが“POS_003”)を最優先に通知することが示されている。
図16は、本実施形態に係るPOS装置10における通知先の特定処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS701において、顧客用端末200のCPU203は、追加注文商品の位置情報を取得する。追加注文商品の位置情報は、店舗サーバ11のデータベース(図示省略)や内部ストレージ204などから取得できる。
ステップS702において、顧客用端末200のCPU203は、店舗内において店員が使用する全端末の位置情報を取得する。例えば、携帯端末500や取り外し状態の店員用端末100の位置情報は、店内に複数設置されたアクセスポイント12と、各端末との無線通信によって取得できる。
ステップS703において、顧客用端末200のCPU203は、所定の通知先条件を満たす端末を抽出する。通知先条件については、例えば、(1)レジカウンタにおいて接客中の店員が所持する携帯端末500を除外する、(2)デスクトップPC等の固定された端末よりも携帯端末500やタブレット端末などの移動可能な端末の方を優先的に通知する、など任意の条件を設定できる。
ステップS704において、顧客用端末200のCPU203は、抽出された端末のうち、商品からの距離が最も近い端末を特定する。
ステップS705において、顧客用端末200のCPU203は、特定された端末に追加注文情報を通知する。顧客用端末200のCPU203は、端末の位置情報および購入対象商品の陳列位置情報に基づいて、複数の端末のうち、購入対象商品の陳列位置までの距離が相対的に近い端末を優先して追加注文に関する情報を通知する。
ステップS706において、顧客用端末200のCPU203は、顧客用端末200のCPU203は、所定時間以内に通知先の端末からの応答が有ったか否かを判定する。ここで、顧客用端末200のCPU203が、通知先の端末からの応答有りと判定した場合(ステップS706:YES)には、処理は終了する。これに対し、顧客用端末200のCPU203が、通知先の端末からの応答無しと判定した場合(ステップS706:NO)には、処理はステップS707に移る。
ステップS707において、顧客用端末200のCPU203は、未通知の端末のうち、追加注文の商品の陳列場所から最も近い端末を特定すると、処理はステップS705に戻る。
本実施形態に係るPOS装置10は、商品から最も近い端末を特定して通知するため、追加注文情報の通知を受けた店員が商品を手配するまでの時間を短縮化できる。
[第5実施形態]
図17は、第5実施形態に係る情報処理システム5の機能ブロック図である。図17に示すように、情報処理システム5は、店員用端末51と、顧客用端末52と、制御部53とを備える。店員用端末51は、顧客の購入対象商品の会計処理を実行する。顧客用端末52は、顧客の購入対象商品の追加注文の入力を受け付ける。制御部53は、店員用端末51が会計処理を実行できない状態である場合に、店員が使用する端末に対して追加注文に関する情報を通知する。
本実施形態に係る情報処理システム5は、会計処理を実行できない状態においても、店員に対して商品の注文に関する情報を効率的に通知できる。
[変形実施形態]
本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
上述の実施形態では、顧客用端末200のCPU203が制御部として機能し、追加注文に関する通知処理を行う場合を説明した。しかし、当該通知処理を実行する制御部は、顧客用端末200のCPU203に限定されない。例えば、店舗サーバ11、店員用端末100、置台300に設けられた制御装置(CPU)が制御部として機能し、追加注文に関する通知処理を行ってもよい。
上述の実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記憶媒体に記録させ、記憶媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記憶媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記憶媒体だけでなく、そのプログラム自体も各実施形態に含まれる。また、上述の実施形態に含まれる1または2以上の構成要素は、各構成要素の機能を実現するように構成されたASIC、FPGA等の回路であってもよい。
該記憶媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disk)−ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また該記憶媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
上述の各実施形態の機能により実現されるサービスは、SaaS(Software as a Service)の形態でユーザに対して提供することもできる。
なお、上述の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
上述の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
顧客の購入対象商品の会計処理を実行する店員用端末と、
前記顧客の前記購入対象商品の追加注文の入力を受け付ける顧客用端末と、
前記店員用端末が前記会計処理を実行できない状態である場合に、店員が使用する端末に対して前記追加注文に関する情報を通知する制御部と、
を備える情報処理システム。
(付記2)
前記制御部は、前記店員用端末と前記顧客用端末との間で前記会計処理に関する連携が解除された場合に、前記店員用端末が前記会計処理を実行できないと判定する
付記1に記載の情報処理システム。
(付記3)
前記店員用端末および前記顧客用端末に接続され、かつ、前記店員用端末を着脱可能に支持する置台をさらに備え、
前記制御部は、前記店員用端末が前記置台から取り外されたことを検知したとき、前記店員用端末に対して前記追加注文に関する情報を通知する
付記1または2に記載の情報処理システム。
(付記4)
前記制御部は、前記店員用端末に前記店員の認証情報が所定時間入力されていない場合に、前記端末に対して前記追加注文に関する情報を通知する
付記1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(付記5)
前記制御部は、前記店員用端末が前記会計処理と異なる処理を実行している場合に、前記端末に対して前記追加注文に関する情報を通知する
付記1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(付記6)
前記店員用端末が前記会計処理を実行できない状態から実行可能な状態になった場合に、前記店員用端末は、前記顧客用端末で受け付けた前記追加注文を含めて前記会計処理を実行する
付記1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(付記7)
前記追加注文に関する情報は、前記購入対象商品の識別情報、購入数、店舗内における前記購入対象商品の陳列位置情報を含む
付記1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
(付記8)
店舗における複数の前記端末の位置情報および前記追加注文に係る前記購入対象商品の前記陳列位置情報をそれぞれ取得する位置情報取得部をさらに備え、
前記制御部は、前記端末の位置情報および前記購入対象商品の前記陳列位置情報に基づいて、複数の前記端末のうち、前記購入対象商品の陳列位置までの距離が相対的に近い前記端末を優先して前記追加注文に関する情報を通知する
付記7に記載の情報処理システム。
(付記9)
店員用端末によって顧客の購入対象商品の会計処理を実行するステップと、
顧客用端末によって前記顧客の前記購入対象商品の追加注文の入力を受け付けるステップと、
前記店員用端末が前記会計処理を実行できない状態である場合に、店員が使用する端末に対して前記追加注文に関する情報を通知するステップと、
を備える情報処理方法。
(付記10)
コンピュータに、
店員用端末によって顧客の購入対象商品の会計処理を実行するステップと、
顧客用端末によって前記顧客の前記購入対象商品の追加注文の入力を受け付けるステップと、
前記店員用端末が前記会計処理を実行できない状態である場合に、店員が使用する端末に対して前記追加注文に関する情報を通知するステップと、
を実行させるプログラム。