(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図はずれ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図はずれ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(はずれ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「はずれ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「はずれ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチはずれ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチはずれ」となる)ことがある。また、表示結果が「はずれ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチはずれ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチはずれ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、はずれ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「はずれ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「はずれ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「はずれ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部149SGに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部149SGにおける遊技機につき、図8−1〜図8−13を参照して説明する。
まず、図8−1は、本実施の形態の特徴部149SGにおけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。尚、前述した基本説明と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付しており、これら同一の符号を付した部分についての説明は省略する。
特徴部149SGにおけるパチンコ遊技機1は、図8−1に示すように、遊技領域の中央部に、表示面積が比較的大きいLCD(液晶表示装置)からなる画像表示装置5が配置されている。
画像表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口149SG2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口149SG2cには枠状のセンター飾り枠149SG51が設けられている。また、画像表示装置5の上方位置には、方形状であって「AAA」の文字が表示される左パネル149SG400Lと、「7」の外形形状を有する中パネル149SG400Cと、方形状であって「XXX」の文字が表示される右パネル149SG400Rとから成る発光表示ユニット149SG400(ロゴパネルともいう)が、遊技者から視認可能に設けられている。
これら発光表示ユニット149SG400は、図2に示すように、ランプ制御基板14に接続されており、その点灯状態と点灯態様とが、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120からの指示に基づいて、ランプ制御基板14により制御される。
(発光表示ユニット)
次に、発光表示ユニット149SG400の詳細について、図8−3〜図8−4に基づいて説明する。図8−3は、発光表示ユニット149SG400の構造を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図8−4は、発光表示ユニット149SG400の構造を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。
図8−3〜図8−4に示すように、発光表示ユニット149SG400は、数字の「7」を模した形状の中パネル149SG400Cに対応した第1領域149SG801A、該中パネル149SG400Cの左側に配置され正面視横長長方形状をなす左パネル149SG400Lに対応した第2領域149SG801B及び中パネル149SG400Cの右側に配置され正面視横長長方形状をなし左パネル149SG400Lよりも大きい右パネル149SG400Rに対応した第3領域149SG801Cを有するLED基板149SG801と、LED基板149SG801の背面149SG801Dを被覆可能な背面カバー149SG802と、LED基板149SG801における第1領域149SG801Aの前面側に配置される第1インナーレンズ149SG803と、第2領域149SG801Bの前面側に配置される第2インナーレンズ149SG804と、第3領域149SG801Cの前面側に配置される第3インナーレンズ149SG805と、発光表示ユニット149SG400の外形を構成する枠部材149SG806と、第1インナーレンズ149SG803の前面側に配置される第1アウターレンズ149SG807と、第2インナーレンズ149SG804の前面側に配置される第2アウターレンズ149SG808と、第3インナーレンズ149SG805の前面側に配置される第3アウターレンズ149SG809と、から構成される。
LED基板149SG801は、電子部品の実装面となる前面149SG801F及び背面149SG801Dは白色に着色されており、前面149SG801Fにおける第1領域149SG801Aには、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれに発光可能な発光素子を有することで多色(フルカラー)に発光可能なフルカラーLED149SG811が、数字の「7」の外形を形成する第1領域801Aの周縁内側に沿って、後述するように54個、実装されている。また、フルカラーLED149SG811が実装されている第1領域149SG801Aの内側の領域には、後述するように12個の白色に発光可能な白色LED149SG810が、「7」の文字内部を万遍なく照らすことができるように、分散して実装されている。
前面149SG801Fにおける第2領域149SG801Bにも、後述するように6個の白色に発光可能な白色LED149SG812が、左パネル149SG400Lを万遍なく照らすことができるように、第2領域149SG801Bの左右上下方向に分散して実装されている。また、前面149SG801Fにおける第3領域149SG801Cにも、後述するように9個の白色に発光可能な白色LED149SG813が、右パネル149SG400Rを万遍なく照らすことができるように、第3領域149SG801Cの左右上下方向に分散して実装されている。
背面カバー149SG802は、白色よりも光の反射効率が低い黒色の非透過性合成樹脂材にてLED基板149SG801とほぼ同形に形成されている。
第1インナーレンズ149SG803は、無色透明の透過性合成樹脂材にて構成され、数字の「7」を象った形状をなす板状部149SG803Aと該板状部149SG803Aの前面周縁に立設される枠状の周壁部149SG803Bとにより前面が開口する箱状に形成されている。板状部149SG803Aは、正面視で第1領域149SG801Aを縮小した相似形状をなしているため、LED基板149SG801の前面149SG801Fにおける第1領域149SG801Aに配置したときに、枠状に配置されたフルカラーLED149SG811により囲まれて、周壁部803BがフルカラーLED149SG811の発光部にて照らされるようになっている。また、周壁部149SG803Bの外側面及び前端面には、断面視が一定ピッチの略三角波形状をなす凹凸部からなる光拡散部149SG803Cが長手方向に向けて形成されており、これにより周壁部149SG803Bの外側面(入光部)から入射されるフルカラーLED149SG811からの光が拡散して導光されるとともに、周壁部149SG803Bの前端面から出射される光が拡散されるようになっている。
第1アウターレンズ149SG807は、赤色の透過性合成樹脂材にて構成され、板状部149SG807Aと該板状部149SG807Aの背面周縁に立設される枠状の周壁部149SG807Bとにより背面が開口する箱状に形成されている。板状部149SG807Aは、数字の「7」を象った形状であって、正面視で第1領域149SG801Aとほぼ同形状とされており、第1インナーレンズ149SG803の前面側に配置されたときに、枠状に配置された複数のフルカラーLED149SG811の前方に周壁部149SG807Bが位置する。
板状部149SG807Aの前面は平坦面にて形成され、該前面における第1インナーレンズ149SG803に対応しない領域、つまり、フルカラーLED149SG811に対応する領域には、第1インナーレンズ149SG803に対応する領域よりも背面側に位置する凹部149SG807Eが周縁に沿うように枠状に形成されている。また、凹部149SG807Eに対応する前面には、他の部分よりも透過率が低い黒色の非透過層149SG807Cが形成されており、凹部149SG807Eから光が前方への出射されないようにしている(凹部149SG807Eに対応しない前面の一部にも非透過層149SG807Cが形成されている)。尚、非透過層149SG807Cの透過率は、非透過層149SG807C以外の透過層よりも低くなっている(透過率0%を含む)。
図8−4に示すように、板状部149SG807Aの背面における149SG凹部807Eに対応しない部分には、射出成型などによりダイヤカット形状に形成されることで光を拡散可能な光拡散部149SG807Dが形成されている。光拡散部149SG807Dは、ダイヤモンド形状の複数の凸部が規則的なパターン(例えば、左右方向に所定間隔おきに形成された複数の凸部からなる凹凸群が上下方向に複数列形成されるパターンなど)で配置されることにより形成されている。
このように構成される第1アウターレンズ149SG807の前面において、黒色の非透過層149SG807Cを除く透過領域は、所定の文字(例えば、数字の「7」など)を象った第1発光表示部149SG851を構成している。
次に、第2インナーレンズ149SG804は、無色透明の透過性合成樹脂材製であり、正面視横長長方形状をなす板状で、第2領域149SG801Bを被覆可能な大きさに形成されている。
図8−3に示すように、第2インナーレンズ149SG804の前面には、射出成型などによりダイヤカット形状に形成されることで光を拡散可能な光拡散部149SG804Aが形成されている。光拡散部149SG804Aは、ダイヤモンド形状の複数の凸部が規則的なパターン(例えば、左右方向に所定間隔おきに形成された複数の凸部からなる凹凸群が上下方向に所定間隔おきに複数列形成されるパターン)で配置されることにより形成されている。
図8−4に示すように、第2インナーレンズ149SG804の背面にも、射出成型などにより波紋カット形状に形成されることで光を拡散可能な光拡散部149SG804Bが形成されている。光拡散部149SG804Bは、円形状の複数の凸部が規則的なパターン(例えば、複数の同心円からなる波紋形状の凸部が左右方向に所定間隔おきに並設されるパターン)で配置されることにより形成されている。尚、光拡散部149SG804Bは、円形状の各波紋形状のうちいずれかが第2領域149SG801Bに実装された各白色LED149SG812に対応するように設けられている。
このように第2インナーレンズ149SG804は、前後面に凹凸形状が異なる、つまり、凸部の配置パターンが異なる光拡散部149SG804A,149SG804Bが形成されていることで、第2領域149SG801Bに実装された各白色LED149SG812から前方に出射された光を好適に拡散して前方に光を出射させることができるようになっている。
第2アウターレンズ149SG808は、無色透明の透過性合成樹脂製であり、正面視横長長方形状をなす板状に形成され、第2インナーレンズ149SG804を被覆可能な大きさに形成されている。
図8−3に示すように、第2アウターレンズ149SG808の前面には、所定の文字(例えば、アルファベットの「AAA」など)を象った透過層の周囲に黒色の非透過層149SG808Cが形成されることで、前記透過層により所定の文字を認識可能な第2発光表示部149SG852が形成されている。尚、非透過層149SG808Cの透過率は、非透過層149SG808C以外の透過層よりも低くなっている(透過率0%を含む)。
尚、本特徴部149SGでは、「AAA」の各アルファベットが互いに連接された一の透過層により一の第2発光表示部149SG852が構成されているが、「AAA」のアルファベットが各々独立した複数の透過層により一の第2発光表示部149SG852が構成されていてもよい。また、説明の便宜上、文字をアルファベットの「AAA」を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機1のタイトルやサブタイトルなど、機種に関連する文字列であってもよい。さらには、文字だけでなく、数字、記号、図柄、キャラクタ、マーク等により第2発光表示部149SG852を構成してもよい。
図8−4に示すように、第2アウターレンズ149SG808の背面には、射出成型などによりダイヤカット形状に形成されることで光を拡散可能な光拡散部149SG808Bが形成されている。光拡散部149SG808Bは、ダイヤモンド形状の複数の凸部が規則的なパターン(例えば、左右方向に所定間隔おきに形成された複数の凸部からなる凹凸群が上下方向に所定間隔おきに複数列形成されるパターン)で配置されることにより形成されている。
このように第2アウターレンズ149SG808は、背面にのみ光拡散部149SG808Bが形成されていることで、第2領域149SG801Bに実装されて各白色LED149SG812から第2インナーレンズ149SG804を通して前方に出射された光をさらに拡散して前方に光を出射させることができるようになっている。
次に、第3インナーレンズ149SG805は、無色透明の透過性合成樹脂材製であり、正面視横長長方形状をなす板状で、第3領域149SG801Cを被覆可能な大きさに形成されている。
図8−3に示すように、第3インナーレンズ149SG805の前面には、射出成型などによりダイヤカット形状に形成されることで光を拡散可能な光拡散部149SG805Aが形成されている。光拡散部149SG805Aは、ダイヤモンド形状の複数の凸部が規則的なパターン(例えば、左右方向に所定間隔おきに形成された複数の凸部からなる凹凸群が上下方向に所定間隔おきに複数列形成されるパターン)で配置されることにより形成されている。
図8−4に示すように、第3インナーレンズ149SG805の背面にも、射出成型などにより波紋カット形状に形成されることで光を拡散可能な光拡散部149SG805Bが形成されている。光拡散部149SG805Bは、円形状の複数の凸部が規則的なパターン(例えば、複数の同心円からなる波紋形状の凸部が左右方向に所定間隔おきに並設されるパターン)で配置されることにより形成されている。尚、光拡散部149SG805Bは、円形状の各波紋形状のうちいずれかが第3領域149SG801Cに実装された各白色LED149SG813に対応するように設けられている。
このように第3インナーレンズ149SG805は、前後面に凹凸形状が異なる、つまり、凸部の配置パターンが異なる光拡散部149SG805A,149SG805Bが形成されていることで、第3領域149SG801Cに実装された各白色LED149SG813から前方に出射された光を好適に拡散して前方に光を出射させることができるようになっている。
第3アウターレンズ149SG809は、無色透明の透過性合成樹脂製であり、正面視横長長方形状をなす板状に形成され、第3インナーレンズ149SG805を被覆可能な大きさに形成されている。
図8−3に示すように、第3アウターレンズ149SG809の前面には、所定の文字(例えば、アルファベットの「XXX」など)を象った透過層の周囲に黒色の非透過層149SG809Cが形成されることで、前記透過層により所定の文字を認識可能な第3発光表示部149SG853が形成されている。尚、非透過層149SG809Cの透過率は、非透過層149SG809C以外の透過層よりも低くなっている(透過率0%を含む)。
尚、本特徴部149SGでは、「XXX」の各アルファベットが互いに連接された一の透過層により一の第3発光表示部149SG853が構成されているが、「XXX」のアルファベット各々が独立した複数の透過層により一の第3発光表示部149SG853が構成されていてもよい。また、説明の便宜上、文字をアルファベットの「XXX」を適用した形態を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機1のタイトルやサブタイトルなど、機種に関連する文字列であってもよい。さらには、文字だけでなく、数字、記号、図柄、キャラクタ、マーク等により第3発光表示部149SG853を構成してもよい。
図8−4に示すように、第3アウターレンズ149SG809の背面には、射出成型などによりダイヤカット形状に形成されることで光を拡散可能な光拡散部149SG809Bが形成されている。光拡散部149SG809Bは、ダイヤモンド形状の複数の凸部が規則的なパターン(例えば、左右方向に所定間隔おきに形成された複数の凸部からなる凹凸群が上下方向に所定間隔おきに複数列形成されるパターン)で配置されることにより形成されている。
このように第3アウターレンズ149SG809は、背面にのみ光拡散部149SG809Bが形成されていることで、第3領域149SG801Cに実装されている各白色LED149SG813から第3インナーレンズ149SG805を通して前方に出射された光をさらに拡散して前方に光を出射させることができるようになっている。
以上のような構成を有することにより、本特徴部149SGのパチンコ遊技機1における発光表示ユニット149SG400は、図8−7に示すように、発光表示ユニット149SG400の中央に位置する中パネル149SG400Cの「7」の文字内部領域が、12個の白色LED149SG810からの白色光が赤色の第1アウターレンズ149SG807によって赤色に変更されることで、赤色に点灯するとともに、その左右に配置されている左パネル149SG400L並びに右パネル149SG400Rにおいて、「AAA」や「XXX」の表示文字が、左パネル149SG400Lに実装されている6個の白色LED149SG812や、右パネル149SG400Rに実装されている9個の白色LED149SG813によって白色にて発光するようになっている。
尚、本特徴部149SGでは、部品を共通化するとともに、中パネル149SG400Cにおける「7」の文字色を、特別に鮮やかな「赤色」とするために、中パネル149SG400Cにも12個の白色LED149SG810を実装し、第1インナーレンズ149SG803によって特別な赤色に変換(フィルター)する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら白色LED149SG810に代えて、赤色LEDを用いるようにしてもよい。
さらに、中パネル149SG400Cの「7」の文字の縁部分だけが、多色(フルカラー)にて発光可能とされており、左パネル149SG400L並びに右パネル149SG400Rの縁部は、多色(フルカラー)にて発光しない。これら中パネル149SG400Cの縁部の色や点滅等の発光態様が、図8−9に示すように、実行される可変表示の変動パターンに応じて変化することで、どのような可変表示が実行されるのかが示唆されるようになっている。
また、中パネル149SG400Cの縁部を発光させるフルカラーLED149SG811は、可変表示の開始とともに点灯が開始され、該可変表示中において点灯が継続し、可変表示の終了とともに消灯される。つまり、フルカラーLED149SG811は可変表示の実行期間においてだけ発光するように制御される。
一方、中パネル149SG400C、左パネル149SG400L並びに右パネル149SG400Rの白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813は、いずれも、可変表示の実行の有無等に関係なく、パチンコ遊技機1が稼働している期間において常時発光するように制御される。
つまり、中パネル149SG400C、左パネル149SG400L並びに右パネル149SG400Rの白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813は常時発光するように制御されることから、可変表示の期間中においてのみ発光するように制御されるフルカラーLED149SG811に比較して、発光状態期間が長い発光手段であり、これら白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813が第2発光手段に相当し、フルカラーLED149SG811が第1発光手段に相当する。
また、文字表示に使用される白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813は、白色に発光可能なLED素子のみを内部に有するものであることから、図8−8に示すように、接続端子の数としては、+端子と−端子の2端子のみであるのに対し、中パネル149SG400Cの縁部の発光に使用されるフルカラーLED149SG811は、三原色のRGBの各々に対応する3つのLED素子を内部に有するものであり、RGBの各LED素子のそれぞれに+端子と−端子を有することから6端子とされている。このように、常時発光とされることで発光状態期間が長い白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813は、可変表示中のみ発光されることで発光状態期間が短いフルカラーLED149SG811よりも端子数が少ないLED(発行手段)とされている。
また、フルカラーLED149SG811によって発光する部分は、中パネル149SG400Cの縁部のみであるので、これらフルカラーLED149SG811によって発光する縁部が発光表示ユニット149SG400において占める面積は小さいが、白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813によって発光する部分は、「7」、「AAA」並びに「XXX」の文字部分の全体であるので、これら白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813によって発光する部分が発光表示ユニット149SG400において占める面積大きく、これら発光面積が大きい白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813により発光する文字部分の方が、フルカラーLED149SG811によって発光する縁部分よりも、輝度の変化が遊技者によって認識され易い。
また、フルカラーLED149SG811は、前述したように、中パネル149SG400Cの縁部の狭い領域に、54個という多数が配列されて実装されているため、単位発光面積に配置されているLED(発光手段)の数である配置密度(発光する縁部に相当する基板面積に実装されているLED(発光手段)の数である実装密度に同じ)が高いのに対し、白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813は、中パネル149SG400Cの縁部内部の「7」の文字部分や、左パネル149SG400L並びに右パネル149SG400Rの前面である比較的広い領域に、12個、6個、9個という比較的少数が分散されて実装されているため、配置密度がフルカラーLED149SG811よりも低く、1のLEDの輝度変化によって、全体の輝度も変化しやすい。
以上のように、文字部分については、発光面積が大きいことから輝度変化が遊技者によって認識され易いとともに、白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813の配置密度が低いことから、電圧変化が発生すると、輝度の変化が大きくなり易いために、後述するように、これら白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813を電圧変化による輝度変化の防止対象としている一方、中パネル149SG400Cの縁部分については、発光面積が小さいことから輝度変化が遊技者によって認識され難いとともに、フルカラーLED149SG811の配置密度を高くしていることから、電圧変化が発生しても輝度の変化が比較的生じ難いために、後述するように、これらフルカラーLED149SG811を電圧変化による輝度変化の防止対象としないようにしている。
(表示結果判定)
図8−5は、本特徴部149SGにおける表示結果判定テーブルの構成例を示している。本特徴部149SGでは、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、これに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしてもよい。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本特徴部149SGの表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本特徴部149SGの表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本特徴部149SGでは約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本特徴部149SGでは約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
尚、特に図示しないが、表示結果判定テーブルによって特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された場合には、大当り種別判定テーブルを用いて、該大当りの種別が、「非確変大当り」または「確変大当り」に決定される。尚、ここでは、大当り種別を「非確変大当り」と「確変大当り」とした形態を例示したが、これら大当り種別として、ラウンド数や確変制御或いは時短制御の回数等が異なる複数種類の大当りを設定するようにしてもよい。
(変動パターン)
次に、本特徴部149SGのパチンコ遊技機1における変動パターンについて簡潔に説明する。図8−6は、本特徴部149SGのパチンコ遊技機1における変動パターンを示している。本特徴部149SGでは、上記した表示結果判定テーブルを用いて可変表示結果が「はずれ」と決定された場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、上記した表示結果判定テーブルを用いて可変表示結果が「大当り」と決定された場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、可変表示結果が「はずれ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「はずれ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本特徴部149SGでは、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、これに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
図8−6に示すように、本特徴部149SGにおけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本特徴部149SGにおけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本特徴部149SGでは、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に可変表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
また、本特徴部149SGにおいては、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値のみを用いて決定するようにしているが、これに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしてもよい。
尚、可変表示の変動パターンは、前述した基本構成において示したように、該可変表示の開始時において実行される変動パターン設定処理(S111)において、図8−6に示す変動パターンのうちのいずれかに決定される。
(フルカラーLED149SG811の発光態様による変動パターンの示唆)
このようにして決定された変動パターンが、本特徴部149SGにおいては、中パネル149SG400Cに設けられたフルカラーLED149SG811の発光態様にて示唆されるようになっており、これらフルカラーLED149SG811の発光態様と変動パターンとの関係を、図8−9を用いて説明する。
尚、フルカラーLED149SG811の発光態様は、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される、変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)により特定される変動パターンと図示しない発光態様決定テーブルと発光態様決定乱数とにもとづいて、演出制御用CPU120によって図8−9に示す割合にて、決定された変動パターン種別に応じて決定される。尚、発光態様決定テーブルには、各変動パターン種別に対応付けて、発光態様決定乱数の判定値が各発光態様のそれぞれに、図8−9に示す割合となるように設定されている。
決定された変動パターン種別が「非リーチはずれ」である場合には、「発光なし」が90%、「青」の非点滅発光態様が9%、「黄」の非点滅発光態様が1%、「赤」の非点滅発光態様および「赤点滅」の発光態様が0%の割合で決定される。
決定された変動パターン種別が「ノーマルリーチはずれ」である場合には、「発光なし」が60%、「青」の非点滅発光態様が25%、「黄」の非点滅発光態様が10%、「赤」の非点滅発光態様が5%、「赤点滅」の発光態様が0%の割合で決定される。
決定された変動パターン種別が「スーパーリーチはずれ」である場合には、「発光なし」が30%、「青」の非点滅発光態様が20%、「黄」の非点滅発光態様が30%、「赤」の非点滅発光態様が15%、「赤点滅」の発光態様が5%の割合で決定される。
決定された変動パターン種別が「大当り」である場合には、「発光なし」が10%、「青」の非点滅発光態様が10%、「黄」の非点滅発光態様が20%、「赤」の非点滅発光態様が35%、「赤点滅」の発光態様が25%の割合で決定される。
このように決定されることで、フルカラーLED149SG811によって中パネル149SG400Cの縁部が発光しない場合よりも発光した場合の方が、リーチやスーパーリーチや大当りとなる可能性(割合)が高くなるため、中パネル149SG400Cの縁部が発光することによって、リーチやスーパーリーチや大当りとなることが示唆(予告)され、当該可変表示においてリーチやスーパーリーチや大当りとなることへの遊技者の期待感を効果的に高めることができるようになっている。
また、スーパーリーチとなる割合並びに大当りとなる割合は、「発光なし」<「青」の非点滅発光態様<「黄」の非点滅発光態様<「赤」の非点滅発光態様<「赤点滅」の発光態様の関係となっており、「赤点滅」の発光態様の場合が最もスーパーリーチや大当りとなる割合が高い。このような関係により、中パネル149SG400Cの縁部の発光態様によって、スーパーリーチや大当りとなることが示唆(予告)されるようになっているため、これら中パネル149SG400Cの縁部の発光態様を遊技者が注目するようになるため、遊技興趣が向上する。
尚、スーパーリーチとなる信頼度または期待度は、スーパーリーチとなる場合において各発光態様が実行される確率を、スーパーリーチとなる場合とスーパーリーチとならない場合において各発光態様が実行される確率にて除したものであり、大当りとなる信頼度または期待度は、大当りとなる場合において各発光態様が実行される確率を、大当りとなる場合と大当りとならない場合(はずれの場合)において各発光態様が実行される確率にて除したものであるが、本特徴部149SGにおいては、これらスーパーリーチや大当りとなる信頼度または期待度は、上記したスーパーリーチとなる割合並びに大当りとなる割合を同じく、「発光なし」<「青」の非点滅発光態様<「黄」の非点滅発光態様<「赤」の非点滅発光態様<「赤点滅」の発光態様の関係となっている。
(輝度変化対策)
このように、本特徴部149SGにおいては、「7」の数字を象った中パネル149SG400Cの縁部の発光態様によって、スーパーリーチや大当りとなることが示唆(予告)されるため、遊技者は、発光表示ユニット149SG400に注目するようになるので、これら発光表示ユニット149SG400を構成し、常時点灯される中パネル149SG400Cの文字内部や左パネル149SG400Lや右パネル149SG400Rの輝度が、消費電力が比較的大きなソレノイド81、82等が動作すること等により電圧変化が生じることによって変化してしまうと、これら輝度変化が変動パターンの示唆ではないかと遊技者に誤認されてしまう畏れがある。
しかしながら、対策前においては、図8−10(a)に示すように、図示しない電源基板に実装されているAC/DCコンバータ149SG70によって、外部から入力される交流(AC)24Vから生成される直流(DC)34Vの直流電圧VSLが、ソレノイド81、82とともに、発光表示ユニット149SG400に設けられている白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813並びにフルカラーLED149SG811にも、図8−10(b)に示すように供給されていた。
具体的には、中パネル149SG400Cの縁部を発光させるフルカラーLED149SG811の場合には、図8−10(b)に示すように、54個のフルカラーLED149SG811が6個ずつ、9つの系統に分けられ、これら各系統に分けられた6個のフルカラーLED149SG811に搭載された各色のLEDの−端子と+端子とが交互に接続されるとともに、終端のLEDの+端子がVSL(DC34V)に接続されることで、VSL(DC34V)に直列接続されて駆動されていた。つまり、6個のフルカラーLED149SG811に含まれる三原色の「赤色(R)」に発光するLED素子の−端子と+端子とが交互に接続されるとともに、終端のLEDの+端子がVSLに接続され、三原色の「緑色(G)」に発光するLED素子の−端子と+端子とが交互に接続されるとともに、終端のLEDの+端子がVSLに接続され、三原色の「青色(B)」に発光するLED素子の−端子と+端子とが交互に接続されるとともに、終端のLEDの+端子がVSLに接続される。
よって、6つのフルカラーLED149SG811に含まれるR、G、Bの各色に発光するLED素子の各々には、DC34Vを6で除した5.7V程度の直流電圧がほぼ均等に印加されて駆動される。尚、6つのフルカラーLED149SG811に含まれるR、G、Bの各色に発光する始端のLED素子の−端子は、前述したランプ制御基板14に実装されているフルカラー(FC)用LEDドライバICに接続されており、該フルカラー(FC)LEDドライバICによって、−端子のGNDへの接続のON/OFFが制御されることによってフルカラーLED149SG811に含まれる各色のLED素子の非発光・発光が制御されることで、フルカラーLED149SG811の発光色が変化する。尚、フルカラーLED149SG811はフルカラー発光が可能であるが、本特徴部149SGでは、前述したように、青、黄色、赤の3色にて発光できればよいので、各色のLED素子の非発光・発光のみを制御して、フルカラーLED149SG811を、青の場合には、R、G、Bのうち「B」のみを点灯させ、黄色の場合には、R、G、Bのうち「RとG」を点灯させ、赤色の場合には、R、G、Bのうち「R」のみを点灯させることで、マルチカラー発光させるようにしているが、これに限定されるものではなく、フルカラー(FC)LEDドライバICによって、例えば、フルカラーLED149SG811に含まれる各色のLED素子に供給される電流を制御することで、各色の発光強度を調整することで、フルカラー発光を行うようにしてもよい。
また、中パネル149SG400Cの「7」の文字内部を発光させる白色LED149SG810、左パネル149SG400Lの白色LED149SG812、右パネル149SG400Rの白色LED149SG813の場合には、図8−10(b)に示すように、これら合計27個(12個+6個+9個)の白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813(以下、これらを総称して単に白色LED149SGと表記する場合がある)が、3つの系統のいずれかに9個ずつ割り当てられ、これら各系統に分けられた9個の白色LED149SGの−端子と+端子とが交互に接続されるとともに、終端の白色LEDの+端子がVSL(DC34V)に接続されることで、各系統の9つの白色LED149SGがVSL(DC34V)により直列駆動されていた。よって、各系統における9つの白色LED149SGの各々には、DC34Vを9で除した3.8V程度の直流電圧がほぼ均等に印加されて駆動されていた。尚、各系統の9つの白色LED149SGの始端となる白色LED149SGの−端子は、前述したランプ制御基板14に実装されている白色用LEDドライバICに接続されており、該白色用LEDドライバICによって−端子のGNDへの接続のON/OFFによって、白色LED149SGの点灯/消灯が制御可能とされている。
このように、対策前においては、白色LED149SG並びにフルカラーLED149SG811が、ソレノイド81、82とともに、VSL(DC34V)に複数個が直列に接続されていたため、図8−11に示すように、ソレノイド81、82が動作することによってVSLの電圧が34Vから低下すると、常時点灯している白色LED149SGの輝度も低下して、ちらつきが生じてしまい、上述したように、遊技者に誤認を与えてしまう畏れがある。
これに対し、対策後においては、図8−12(a)に示すように、常時点灯する白色LED149SGをVSLに直接接続するのではなく、該VSLから該VSLの電圧であるDC34Vよりも低いDC12VのVDLを生成するDC/DCコンバータ149SG71を介して接続することで、該DC/DCコンバータ149SG71にて生成したVDL(DC12V)により、白色LED149SGを駆動するようにしている。
具体的には、VDL(DC12V)は、対策前のVSL(DC34V)の半分以下の低電圧であるため、対策前のように、1系統に9個の白色LED149SGを直列接続してしまうと、1個の白色LED149SGには、1.3V(12V÷9)しか電圧が印加されなくなってしまい、白色LED149SGが良好に発光しなくなってしまうことから、対策前の電圧である3.8Vと同様の印加電圧を確保するために、1系統に割り当てる個数を3個として、これら3個の白色LED149SGの−端子と+端子とを交互に直列接続するとともに、電圧調整用の調整抵抗Rを直列接続することで、各系統に含まれる3個の白色LED149SGに、対策前の電圧である3.8Vと同様の電圧が印加されるようにしている。
よって、図8−12(b)に示すように、中パネル149SG400Cの12個の白色LED149SG810は、3個ずつ4系統に振り分けられ、各系統の3個の白色LED149SG810と調整抵抗Rとが直列接続されるともに、これら各系統がVDL(DC12V)に接続されることで、VDL(DC12V)によって駆動される。
また、左パネル149SG400Lの6個の白色LED149SG812も、3個ずつ2系統に振り分けられ、各系統の3個の白色LED149SG812と調整抵抗Rとが直列接続されるともに、これら各系統がVDL(DC12V)に接続されることで、VDL(DC12V)によって駆動される。
また、右パネル149SG400Rの9個の白色LED149SG813も、3個ずつ3系統に振り分けられ、各系統の3個の白色LED149SG813と調整抵抗Rとが直列接続されるともに、これら各系統がVDL(DC12V)に接続されることで、VDL(DC12V)によって駆動される。
尚、対策後の白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813は、いずれも、対策前と同じく、ランプ制御基板14に実装されている白色用LEDドライバICによって、GRDとの接続がON/OFFされることにより、点灯/消灯が制御可能とされている。
DC/DCコンバータ149SG71は、市販のDC/DCコンバータを使用することができるが、好ましくは、電圧平滑化のコンデンサーだけではなく、内部に電圧安定化用のコンデンサーを有することで、DC12Vを安定して出力することのできる入力下限電圧が低いものを用いることが好ましい。具体的に本特徴部149SGにおいては、供給されるVSLの電圧が、34Vから所定の下限電圧(例えば、DC17V)以下に低下しない限りは、12Vを安定出力できるものを使用している。つまり、DC/DCコンバータ149SG71は、VSLの下限電圧までの電圧変化を吸収して出力電圧であるVDL(DC12V)を安定化することができるようになっており、該DC/DCコンバータ149SG71が電圧安定化手段に相当する。
このように、本特徴部149SGでは、DC/DCコンバータ149SG71により、VSL(DC34V)から変換されたVDL(DC12V)を用いて白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813を直列駆動する用に対策することで、図8−13に示すように、ソレノイド81、82が動作することによってVSLの電圧が34Vから低下しても、VDL(DC12V)の電圧は殆ど変化しないため、常時点灯している白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813の輝度も殆ど変化しないので、これら常時点灯されることで発光状態期間が長い白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813の発光輝度が、特定電子部品であるソレノイド81、82の動作によって変化してちらつきが生じてしまうことを防ぐことができるので、遊技者に誤認を与えてしまうことを防ぐことができる。
また、本特徴部149SGによれば、電圧安定化手段となるDC/DCコンバータ149SG71を備えるので、白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813の発光輝度が変化してちらつきが生じてしまうことを、より一層防ぐことができる。
また、本特徴部149SGによれば、端子数が2端子と少ない白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813を輝度変化(ちらつき)の対策対象とし、端子数が6端子と多いフルカラーLED149SG811については輝度変化(ちらつき)の対策対象としていないので、LED基板149SG801の配線パターンが複雑化してしまことを防ぐことができる。つまり、対策によって、1つの系統に振り分けられるLEDの数が9個から3個に減少することで、系統の数が3系統から9系統に著しく増加するため、端子数が多いフルカラーLED149SG811を対策対象とすると、端子数が多いフルカラーLED149SG811を直列接続する配線パターンを、各系統の各々に形成する必要が生じて、配線パターンの数が著しく増加してしまい、LED基板149SG801の配線パターンが複雑化してしまうが、これら端子数が多いフルカラーLED149SG811を対策対象から除外することで、LED基板149SG801の配線パターンが複雑化してしまことを防ぐことができる。
また、本特徴部149SGによれば、特定部材である発光表示ユニット149SG400に設けられた第1発光手段であるフルカラーLED149SG811と、第2発光手段である白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813のうち、発光面積が大きいことで輝度変化が遊技者に認識され易い第2発光手段である白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813を対策対象としているので、発光輝度変化(ちらつき)を認識され難くできる。
また、本特徴部149SGによれば、対策対象としていないフルカラーLED149SG811(第1発光手段)の配置密度(実装密度)を、対策対象としている白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813(第2発光手段)の配置密度(実装密度)よりも高めているので、フルカラーLED149SG811(第1発光手段)の発光輝度の変化をより認識され難くできる。
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、上記した本特徴部149SGにおいては、VSL(DC34V)の電圧変化を、一定電圧の低下までは吸収することができる、つまり、VSL(DC34V)の電圧変化を非線形に圧縮できるDC/DCコンバータ149SG71を、電圧安定化手段として設けた形態としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、DC/DCコンバータ149SG71に代えて、VSLのDC34VをDC11.4V(3.8V×3)に低下させる抵抗を設け、該抵抗によって低下したDC11.4Vを、各系統に振り分けられて直列接続された3つの白色LED149SGに供給して駆動することで、VSL(DC34V)の電圧変化を、DC11.4V/DC34V=33.5%に線形的に圧縮することで、白色LED149SGの輝度変化(ちらつき)を防ぐようにしてもよい。つまり、電圧安定化手段としては、高圧側(VSL)の電圧変化の大きさよりも、低圧側(VDL)の電圧変化を小さくできる機能を有するものであれば、どのような構成のものであってもよい。
また、上記した本特徴部149SGにおいては、LED基板149SG801の配線パターンが複雑化してしまことを防ぐために、端子数が6端子と多いフルカラーLED149SG811については輝度変化(ちらつき)の対策対象としていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらフルカラーLED149SG811についても、例えば、例えば、異なる静電容量のコンデンサー等から構成されていることで、VSL(DC34V)の電圧は変換しないが電圧変化を低減可能な第2電圧安定化手段を設け、これら第2電圧安定化手段にて安定化されたVSL(DC34V)にて、フルカラーLED149SG811を駆動することで、例えば、可変表示中においてフルカラーLED149SG811が赤色に非点滅点灯しているときに、可変入賞球装置6Bのソレノイド81が動作することで、点滅点灯していることで、最も大当りとなる割合が高いことが示唆されていると遊技者に誤認されてしまうことを防ぐことができるようにしてもよい。
また、上記した本特徴部149SGにおいては、特定電子部品をソレノイド81、82とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特定電子部品は、第1電圧であるVSL(DC34V)にて駆動され、比較的、電力消費の大きい電子部品であればよく、例えば、可動体(リール、ギミック、役物、操作ボタン)等を駆動する駆動モータや、アクチュエーター等であってもよい。
また、上記した本特徴部149SGにおいては、第1電圧をDC34Vとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら電圧は、適宜に決定すればよく、第2電圧についても、第1電圧よりも低い電圧であれば、DC12Vと異なる電圧としてもよい。
また、上記した本特徴部149SGにおいては、遊技媒体として遊技球を使用して遊技を行うパチンコ遊技機1を遊技機として例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技機を、遊技媒体としてメダルを使用して遊技を行うスロットマシンとしてもよい。
また、上記した本特徴部149SGにおいては、特定部材を画像表示装置5の上方にもうけられた発光表示ユニット149SG400とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特定部材を、例えば、スロットマシンの場合であれば、スロットマシンの前面下方に設けられて、常時点灯されるロゴパネルやタイトルパネルや、リールのバックライトとしてもよく、この場合には、第1発光手段は、これらロゴパネル、タイトルパネル、リールバックライトとは異なる部材に設けられていてもよい。また、これら特定部材は、単数ではなく、複数であってもよい。
また、上記した本特徴部149SGにおいては、フルカラーLED149SG811の配置密度を、白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813よりも高いものとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、フルカラーLED149SG811(第1発光手段)の配置密度を、白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813(第2発光手段)と同じか、或いは、低いものとしてもよい。
また、上記した本特徴部149SGにおいては、フルカラーLED149SG811(第1表示手段)と、白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813(第2発光手段)とが共に、発光表示ユニット149SG400に設けられている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、フルカラーLED149SG811(第1表示手段)と、白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813(第2発光手段)とが、各々、異なる部材に設けられていてもよい。つまり、第1表示手段は、発光表示ユニット149SG400の周期に設けられた他の部材に設けられた演出用LEDであってもよい。
また、上記した本特徴部149SGにおいては、フルカラーLED149SG811(第1表示手段)による発光面積が、白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813(第2発光手段)の発光面積よりも小さい形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、フルカラーLED149SG811(第1表示手段)による発光面積が、白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813(第2発光手段)の発光面積と同じか、或いは、大きいものであってもよい。
また、上記した本特徴部149SGにおいては、第1発光手段を、端子数が多いフルカラーLED149SG811とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1発光手段を、白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813と同じ、2端子の白色LEDとしてもよい。
また、上記した本特徴部149SGにおいては、発光しているものと遊技者が認識可能な発光状態に制御されている発光状態期間が長いものとして常時点灯の形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら発光状態期間が長いものとしては、遊技機の稼働中において、点灯(発光)していない期間を有するものであってもよい。また、発光状態期間が短いものとして、可変表示中を発光状態期間とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら短い発光状態期間としては、変動表示が実行されていない期間や、変動表示に関係なく、大当り遊技の開始または終了において実行される特別な演出の実行期間や、大当り遊技における特定のラウンド期間や、特定の演出の実行期間であってもよい。
尚、本発明における「発光状態」は、発光しているものと遊技者が認識可能な状態であれば該当し、例えば、LED等の発光素子において発光輝度を低減するために実施されるDUTY制御において、ミリ秒程度のごく短い非点灯期間を含む状態であっても、遊技者が発光していると認識できる状態であれば、本発明の発光状態に含まれる。
また、上記した本特徴部149SGにおいては、第2発光手段を、発光表示ユニット149SG400における白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第2発光手段を、例えば、遊技盤に設けられ、遊技球の発射方向を示すために点灯される発射方向指示器や、遊技機に係わるキャラクタ等のギミックを点灯するLED等であってもよい。
また、上記した本特徴部149SGにおいては、発光手段としてLEDを用いた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら発光手段は、可視光を発光可能なものであれば、電球や冷陰極管やEL等のLED以外のものであってもよい。
また、上記した本特徴部149SGにおいては、フルカラーLED149SG811を第1発光手段とし、第2発光手段を白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、白色LED149SG810、白色LED149SG812、白色LED149SG813を第1発光手段とし、フルカラーLED149SG811を第2発光手段としてもよい。また、第1発光手段と第2発光手段とが共にフルカラーLEDであったり、第1発光手段と第2発光手段とが共に白色LEDであってもよいし、第1発光手段と第2発光手段とが共にフルカラーLEDと白色LEDとを含むものであってもよい。
また、上記した本特徴部149SGにおいては、第1発光手段と第2発光手段との違いを、発光状態期間が長短とした形態を例示しているが、これらの違いを、非点灯等の輝度が変化する回数(機会)の違いとしてもよい。つまり、第2発光手段は、点灯態様の変化が第1発光手段よりも少ないものとしてもよい。