以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下では記載された数値の後に「(H)」と付している場合は16進法の数値を表し、「(D)」と付している場合は10進法の数値を表し、「(B)」と付している場合は2進法の数値を表している。また、特に断りなく単に数値のみが記載されている場合は10進法の数値を表している。
[筐体の外部構成に関する説明]
図1に、本発明の一実施形態であるスロットマシン10の外観斜視図を示す。スロットマシン10の筐体は、各種装置を収容する本体部12と、本体部12の前面側(遊技者側)に開閉可能に設けられた前面扉(遊技扉)14とによって構成されている。この前面扉14のほぼ中央部には、フロントパネル20が設けられ、その略中央には表示窓21が形成されている。本体部12の内部には3個のリール40L,40C及び40Rが回転自在に設けられ、表示窓21から各リールの図柄を視認できるようになっている。
リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が水平方向の同一直線上に並ぶように設置されている。各リールの形状はリング状になっており、その外周面には均等に区分された20個の図柄領域に、各々1つずつ図柄が印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示窓21から、各リールに印刷された20個の図柄のうち各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。これにより、表示窓21には3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに停止表示される連続する3つの図柄のうち、最も上側の図柄が停止表示される位置(停止表示位置ともいう)を上段U、中央の図柄が停止表示される位置を中段M、最も下側の図柄が停止表示される位置を下段Dという。
3つのリールが停止したときに何らかの役が入賞したか否かは、上述した9つの図柄のうち、所定の停止表示位置に停止表示された図柄の組合せ(以下、「図柄組合せ」という。)によって判断され、これらの停止表示位置を結ぶ線を入賞ラインという。本実施形態では、左リール40L、中リール40C及び右リール40Rの各中段Mを結ぶライン(中段水平ライン)が入賞ラインLとなる。これにより、現在の遊技においてベットすることができるメダル枚数(規定数)のメダルが賭けられた状態で遊技が行われると、入賞ラインLに停止表示された図柄組合せによって入賞したか否かが判断される。
ここで、入賞ラインとなっている停止表示位置のことを、「入賞停止位置」ともいう。また、入賞ラインLとは別に、左リール40L、中リール40Cおよび右リール40Rの上段Uを結ぶ線を上段ライン、左リール40L、中リール40Cおよび右リール40Rの下段Dを結ぶ線を下段ラインという。また、左リール40Lの下段D、中リール40Cの中段Mおよび右リール40Rの上段Uを結ぶ線を右上がりライン、左リール40Lの上段U、中リール40Cの中段Mおよび右リール40Rの下段Dを結ぶ線を右下がりラインという。なお、以下では、単に「図柄組合せが停止表示された」または「図柄組合せが揃った」と記載されている場合は、その図柄組合せが入賞ライン上に停止表示された(すなわち、図柄組合せに対応する役が入賞した)ことを意味する。
フロントパネル20には、表示窓21の他に遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプおよび表示器が設けられている。まず、表示窓21の右側には後述するAT中に点灯するATランプALPが設けられている。ATランプALPの発光源は、フロントパネル20の背面に設けられた2つのLEDであり、これらLEDの光が図1中、破線で示す透光領域を透過することによって発光する。
表示窓21の下側には、クレジット数表示器27(以下、「クレジット枚数表示器27」、「貯留枚数表示器27」ともいう。)、および、獲得枚数表示器28(以下、「払出枚数表示器28」ともいう。)が設けられている。クレジット数表示器27は、2桁の8セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(以下、「貯留」ともいう。)されているメダルの枚数(上限は50枚)を表示する。スロットマシン10にクレジットされているメダルの枚数は、記憶したデータを書き換え可能な不揮発性メモリ(RWM:リードライトメモリ)に記憶されている。
8セグメント表示器は、図15(a)に示すように(特にクレジット数表示器27の上位桁参照)、セグメントa〜gおよびセグメントDPからなる表示器である。クレジット数表示器27の下位桁のセグメントDPは、後述する有利区間ランプ(以下、「有利区間LED」、「有利区間表示器」、「区間表示器」ともいう。)として使用される。ここで、セグメントa〜gを7セグメント表示部、セグメントDPをドットセグメント表示部ともいう。なお、クレジット数表示器27のセグメントDPではなく、獲得枚数表示器28の下位桁のセグメントDPを有利区間ランプとして使用してもよい。
スロットマシン10で遊技を行うためにベットするメダルは、遊技媒体の一種である。遊技媒体は、メダルに限らず、遊技球(いわゆるパチンコ球)であってもよいし、磁気カード、非接触式ICカードまたはコインに埋設されたICチップなどの記録媒体に記録された価値を示す情報であってもよい。これらの記録媒体は、スロットマシン10に直接投入することができるようになっていてもよいし、スロットマシン10以外の外部装置に投入し、記録媒体に記録された価値を示す情報が外部装置を介して、スロットマシン10に投入することができるようになっていてもよい。スロットマシン10は、規定数のメダルがベットされると1回の遊技が可能となる。
獲得枚数表示器28は、図15(b)に示すように、2桁の8セグメント表示器からなり、入賞した役に応じて遊技者へ払い出される(遊技者が獲得する)メダルの枚数を表示する。なお、獲得枚数表示器28は必ずしも8セグメント表示器で構成する必要は無く、セグメントDPを使用しない場合には、セグメントa〜gのみからなる7セグメント表示器を採用してもよい。以下では、8セグメント表示器および7セグメント表示器の総称として「セグメント表示器」ともいう。
フロントパネル20の下側には、スロットマシン10の全幅に亘って概略水平に形成され、遊技者方向に突出した操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。また、スロットマシン10の内部には、投入されたメダルを選別する為のセレクタ80(後述する)が設けられ、セレクタ80内のメダルセンサ(投入センサ811,812)が、メダル投入口32から投入されたメダルを検出すると、後述する主制御手段100へメダル検出信号を出力する。主制御手段100は、入力されたメダル検出信号に基づいて、投入されたメダル枚数のカウントや、メダル投入時の不正行為などの異常の検出(以下、「エラーの検出」ともいう。)を行っている。
操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10にベットする(換言すると、賭数を設定する)ためのベットスイッチ34,35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてベットする。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち、現在の遊技における規定数のメダルを、遊技の賭けの対象としてベットする。また、規定数を越えるメタルがメダル投入口32に投入されると、その投入されたメダルはクレジットされる。具体的には、主制御手段100のRWMに投入されたメダルの枚数が記憶される。規定数のメダルがベットされており、かつ、クレジット(RWMに記憶)された枚数が上限(50枚)に達した状態で、メダル投入口32にメダルが投入されたときは、そのメダルは後述するメダル払出口60から受け皿61に戻される。
メダル投入口32と最大ベットスイッチ35との間には、遊技者がスロットマシン10へ情報を入力するための選択スイッチ(「方向スイッチ」ともいう。)38および決定スイッチ(「メニュースイッチ」ともいう。)39が設けられている。選択スイッチ38は、上下左右の方向を指定する上スイッチ、下スイッチ、左スイッチおよび右スイッチの4つのスイッチで構成されている。そして、操作されたスイッチに対応して、上方向、下方向、左方向または右方向のいずれかが指定される。
ここで、上スイッチ、下スイッチ、左スイッチおよび右スイッチは、各スイッチに個々に対応するボタンを設けて、個別にオン/オフできるようにしてもよいし、十字型のキートップ(十字キー)を設けて十字キーを傾倒操作した方向のスイッチがオンにされるようにしてもよい。十字キーにより上スイッチ、下スイッチ、左スイッチおよび右スイッチをオン/オフ可能とする場合、隣り合った2つのスイッチ(上と右、右と下、下と左、左と上)は同時にオンすることが可能であるが、対向するスイッチ(上と下、右と左)については同時にオンすることができないようにしてもよい。決定スイッチ39は、光が透過する部材で形成され、その内部にはLEDなどの光源が設けられており、決定スイッチ39の操作が無効になっているときはスイッチ内部の光源が消灯し、有効になっているときは点滅(点灯でもよい)するようになっている。
操作パネル部30の正面左側には、リールを回転させるためのスタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。スタートスイッチ36は、遊技者がスロットマシン10に規定数のメダルがベットされると操作が有効となる。ただし、後述する再遊技に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃った(再遊技役が入賞した)ときは、そのときにベットされていたメダルと同じ枚数のメダルが次の遊技(再遊技)で自動的にベットされて、スタートスイッチ36の操作が有効となる。なお、この自動的にベットされた状態でメダル投入口32へメダルが投入された場合は、そのメダルを受け皿61に返却するようにしてもよいし、上限(50枚)に達するまでクレジットするようにしてもよい。
スタートスイッチ36の操作が有効になった状態で、遊技者がスタートスイッチ36を傾動操作すると、3つのリール40L,40C及び40Rが回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、原則として、表示窓21内を上から下へと変動(スクロール)表示されるが、フリーズ演出中は、図柄が下から上へと変動表示される場合がある。フリーズ演出は、遊技の進行が遅延している状態において実行される演出であり、特に、スタートスイッチが操作された直後に遊技の進行を遅延させる場合は、リール40L,40C,40Rを適宜回転させることで、遊技の興趣を向上させるフリーズ演出を実行することができる。
ここで、フリーズ中にリール40L,40C,40Rを回転させる演出のことを「リール演出」ともいう。リール演出としては、例えば、通常の回転方向(上から下)とは逆方向(下から上)にリールを回転させたり、リールを所定の図柄数分だけ上から下または下から上に回動させて特定の図柄組合せを停止表示したり、複数のリールのうち所定のリールを停止させたまま、他のリールを回転させたり、リールの回転速度を変化させたり、遊技者の操作に応じてリールの動作を変化させたりしてもよい。
操作パネル部30の正面中央部には、リールの回転を停止させるためのストップスイッチが設けられている。具体的には、ストップスイッチ37L,37C及び37Rが、リール40L,40C及び40Rに対応して設けられている。ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、いわゆる自照式の押しボタンスイッチであり、押しボタンの部分が発光するとともに、その発光色が変化し得る構造になっている。例えば、ストップスイッチの操作が無効(受け付けられない状態)になっているときは、そのストップスイッチの押しボタン部分が赤い発光色となり、操作が有効(受け付け可能な状態)になっているときは青い発光色となる。なお、遊技者のストップスイッチに対する操作が無効になっている間は、ストップスイッチを赤く発光させる代わりに消灯させてもよい。
ここで、例えば、リールの回転中に1−ベットスイッチ34、最大ベットスイッチ35またはスタートスイッチ36が操作された場合、それらのスイッチが操作されている間は回転中のリールに対応するストップスイッチの操作が受け付けられない状態(無効)となる。また、既に停止しているリール対応するストップスイッチが操作されている場合にも、未だ回転しているリールに対応するストップスイッチの操作が受け付けられない状態となる。これと同様に、遊技が終了してメダルの投入が可能なときに、いずれかのストップスイッチまたはスタートスイッチ36が操作されている場合は、その間1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35の操作が受け付けられない状態となる。また、規定数のメダルが投入されている状態で、1−ベットスイッチ34、最大ベットスイッチ35またはいずれかのストップスイッチが操作されている場合は、その間スタートスイッチ36の操作が受け付けられない状態となる。
ただし、リールの回転中に、後述する選択スイッチ38、決定スイッチ39または演出用スイッチ52が操作されていたとしても、それによってストップスイッチの操作は無効化されない。同様に、また、メダルの投入が可能なときに、選択スイッチ38、決定スイッチ39または演出用スイッチ52が操作されていたとしても、それにより1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35の操作は無効化されない。さらに規定数のメダルが投入されている状態で、選択スイッチ38、決定スイッチ39または演出用スイッチ52が操作されていたとしても、それによりスタートスイッチ36の操作は無効化されない。
ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、少なくともリール40L、40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば80回転/分。単に「定速」ともいう。)に達したことを条件として、遊技者の操作が有効となる。ここで、全リールの回転速度が定速に達し、かつ、すべてのリールのインデックス(後述する)を検出した(換言すると、後述する回胴センサ信号の立ち上がりを検出した)ことを、ストップスイッチの操作を有効にする条件としてもよい。また、遊技が開始されてリールが回転しているときに左ストップスイッチ37Lが押動操作されると、当該遊技において左リール40Lの停止制御が行われて回転が停止し、中ストップスイッチ37Cが押動操作されると、中リール40Cの停止制御が行われて回転が停止し、右ストップスイッチ37Rが押動操作されると、右リール40Rの停止制御が行われて回転が停止する。
以下では、ストップスイッチを操作することを「停止操作」といい、全リールが回転を開始してから最初の停止操作を第1停止操作、2番目の停止操作を第2停止操作、3番目(最後)の停止操作を第3停止操作または最終停止操作という。なお、リールおよびストップスイッチを各々4つずつ備えるスロットマシンの場合は、3番目の停止操作を第3停止操作、4番目(最後)の停止操作を第4停止操作または最終停止操作という。リール40L、40C及び40Rが停止するときは、各リールの外周面に設定された20個の図柄領域のうち表示窓21に停止表示された連続する3つの図柄領域の各中心位置が、上段U、中段Mおよび下段Dの各中央位置に一致するように停止する。ここで、図柄領域の中心位置と、停止表示位置の中央位置とが一致する位置を定位置ともいう。
操作パネル部30の左側には、清算スイッチ33が設けられており、受付期間内に操作されると(すなわち、精算条件が満たされると)、すでにベットされていたメダルとクレジットされていたメダルとがすべて払い戻され(返却され)、クレジット数表示器27の表示が「0」になる。ここで、「清算」の文言は「精算」と表記してもよい。上述した受付期間は、例えば、全てのリールが停止してから(メダルが払い出される場合は、メダルの払い出しが終了してから)、規定数のメダルがベットされてスタートスイッチ36の操作がなされたときまでの間とする。
上述した清算スイッチ33は、1回操作すると、ベットされたメダルとクレジットされていた全てのメダルが一度に払い戻されるようになっている。これに限らず、例えば、ベットされているメダルおよびクレジットされているメダルがあるときに清算スイッチ33が操作された場合は、ベットされていたメダルのみを払い戻し、この状態(メダルがベットされていない状態)で、再度、清算スイッチ33が操作された場合に、クレジットされているメダルを全て払い出すようにしてもよい。また、ある遊技で再遊技役が入賞し、次の遊技で再遊技を行うことが可能な状態になったときに、清算スイッチ33が操作された場合は、クレジットされているメダルのみを払い戻し、再遊技はそのまま実行可能な状態にするとよい。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の正面右側には、特定演出(後述する)の実行中に操作が有効となる押しボタン式の演出用スイッチ52が設けられている。
下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。例えば、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが小役(「入賞役」ともいう。)に対応していた場合、その小役に対応した枚数のメダルがクレジット(RWMに記憶)されるか、またはホッパー83(後述する)のホッパーモータ46が作動して、ホッパー83に貯留されているメダルのうち、入賞した入賞役に対応する枚数のメダルが実際に払い出される。また、メダルがクレジットされている状態で清算スイッチ33が操作された場合は、クレジットされていたメダルが実際に払い出される。そして、メダル払出口60から払い出されたメダルは受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上部には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示装置70が設けられている。この画像表示装置70は、主に抽せんの結果やストップスイッチの操作態様(操作タイミングまたは操作順序など)を報知するための演出画像(いわゆる演出画面)、スロットマシンの遊技の進行(メダルをベット→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リールの回転停止)に応じた演出画像(いわゆる演出画面)等を表示することができる。また、演出画像の他にも、総遊技回数(総ゲーム数ともいう)やボーナス役の総当せん回数等を表示するための遊技履歴用の画像(いわゆる遊技履歴画面)等を表示することもできる。さらに、遊技待機中に表示されるデモ用の画像(いわゆるデモ画面。遊技待機画面ともいう。)も表示することもできる。
加えて、例えば遊技が行われていないときに決定スイッチ39が操作されると画像表示装置70に複数の項目を含んだメニュー画面を表示し、表示されたメニュー画面において、選択スイッチ38の操作に応じて選択された項目に対応する情報を表示するようにしてもよい。このメニュー画面は、遊技者に提供する情報を選択させるための情報選択画面ともいえる。ここで、メニュー画面に含まれる項目としては、上述した各種遊技履歴に関するもの、遊技者が所定のサーバ(例えば、インターネットに接続され、スロットマシン10に関する各種サービスを提供するサーバ)から入手したパスワードの入力画面、パスワードの入力後からの遊技回数(ゲーム数ともいう)やボーナス役の当選回数等を含んだ二次元コードを表示するための二次元コードの画像(いわゆる二次元コード画面)などがある。
なお、画像表示装置70は、液晶ディスプレイパネルに限らず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中や非遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることができる。また、上述したメニュー画面に含まれる項目として、演出音の音量調整の項目や、演出時に点灯するランプ類の明るさ調整の項目を含めてもよく、これらの項目が選択されたときは、例えば遊技者が選択スイッチ38の上スイッチおよび下スイッチを操作することにより、音量や明るさを増減可能としてもよい。
画像表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が入賞した場合や、メダルが払い出されやすい状態(例えば、ボーナス遊技中やAT中のように、遊技者にとって有利な状態)になっている場合などに応じて、所定のパターンで点滅(または点灯)する演出用ランプ72が設けられている。
[筐体の内部構成に関する説明]
次に、図2を参照して、スロットマシン10の内部構成について説明する。なお、図2において、図1に示した各部と同じものについては同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図2は前面扉14を開けた状態を示しており、前面扉14の裏側(筐体内部側)と、本体部12の内側とを図示している。
図2において、前面扉14の上方、図1に示した画像表示装置70の裏側には、スロットマシン10で行われる遊技の演出の実行を制御する副制御手段200がケースに収容された状態で取り付けられている。副制御手段200は、後述する副制御基板202と画像制御基板204とによって構成される(図10参照)。これら各制御基板には、プリント基板上に実装されたCPUやその他IC等の電子部品を含む回路が構成されている。図2中、表示窓21の右側には、複数のLEDが設けられており、そのうちLED29a,29bは、図1に示したATランプALPの発光源になっている。
表示窓21の下側には、セレクタ80が設けられており、図1に示したメダル投入口32へ投入されたメダルの中から正規のメダルを選別する。例えば、投入されたメダルの外形寸法や材質などが所定の規格に合わなかった場合は、そのメダルを図1のメダル払出口60に連接する返却通路81aへと導き、受け皿61へ排出する。一方、投入されたメダルの外形寸法や材質などが所定の規格に適合していた場合は、そのメダルを後述するホッパー83のメダル貯留部90(メダルを貯留する容器)へ送るための受入通路81bへ導く。前面扉14の下側には、図1に示した透音孔62R,62Lの位置に、各々スピーカ64R,64Lが取り付けられている。
図3(a)は、セレクタ80の略下半分を覆う前面カバーを取り外した状態での内部構造を示す正面図である。セレクタ80は、硬質プラスチック等の合成樹脂で一体的に形成された矩形状のケース801を備える。セレクタ80は、ケース801の正面に位置するケース前面802と、図示しない前面カバーとが、間隙を有して対向して組み立てられる。そして、これらの間隙に図1のメダル投入口32に投入されたメダルが通過するメダル案内通路814が形成される。すなわち、メダル投入口32に投入されたメダルは、メダル入口814aから受け入れられ、正当なメダルであればメダル案内通路814を通ってメダル出口814bから受入通路81bへ至る。
セレクタ80のメダル入口814a付近には、規定以上の厚みを有するメダルを排除するための調整ネジ803が、ケース801のケース前面802(メダル案内通路814)から突出して設けられている。セレクタ80のメダル出口814b付近には、後述するブロッカ機構部820を通過したメダルを検知する第1投入センサ811および第2投入センサ812が設けられている。第1投入センサ811および第2投入センサ812は、各々、対向配置される反射部810で反射した光がメダルにより遮光されたときにオンになるフォトセンサによって構成される。以下、第1投入センサ811および第2投入センサ812の双方をまとめていう場合は、単に「投入センサ」という。また、第1投入センサ811および第2投入センサ812、並びに次に述べる通路センサ813から出力されるオン/オフ信号を、「メダル検出信号」ともいう。
また、少なくともブロッカ機構部820よりも上流側(メダル入口814a側)には、メダル案内通路814内で揺動可能なフラップを有する通路センサ813が設けられている。通路センサ813は、メダル入口814aから投入されたメダルの通過によるフラップの回動を検知するフォトセンサとして構成される。ブロッカ機構部820は、投入センサよりも上流側のメダル案内通路814に設けられ、メダルを受け入れる位置(メダル受入許可位置)と阻止する位置(メダル受入阻止位置)とを移動する少なくともブロッカ821を備えている。
ここで、図3(b),(c)は、図3(a)に示したブロッカ機構部820の動作を説明するために簡略化した縦断面図である。図3(b)はブロッカ821のメダル受入許可位置の状態(ブロッカON)を示し、図3(c)はブロッカ821のメダル受入阻止位置の状態(ブロッカOFF)を示す。図3(b),(c)に示すように、メダル案内通路814の下縁には、メダルの外周面を載せて転動させるためのレール部830がケース前面802から突出して形成されている。また、レール部830の前縁に沿うように、返却通路81aに向けてメダルを滑り落とすための傾斜板831がケース801に取り付けられている。
ブロッカ機構部820は、ケース前面802の背後に固定されるソレノイド45、軸ピン822を介してケース前面802に対し回動可能に軸支されるブロッカ821、および、下端側が支承されソレノイド45のオン/オフ(ON/OFF)で揺動する金属製の作動プレート823を主に備える。ブロッカ821は、図3(a)に示されるトーションバネ824を介して、ブロッカ爪821aがメダル案内通路814内へ進入する側(図3(b)に示される側)に常時付勢されている。また、作動プレート823は、図示しないバネを介して、ソレノイド45から離れる側(図3(c)に示される側)に常時付勢されている。
かかる構成のセレクタ80は次のように動作する。メダル入口814aから投入されたメダルは、一定の外径及び厚みを有するメダルのみが選別され、レール部830を転動してブロッカ機構部820へと移動する。図3(b)に示されるように、主制御手段100からブロッカ信号が出力されてソレノイド45が励磁(ON)になる「ブロッカオン」の状態では、ソレノイド45の磁力によって作動プレート823が引き付けられる。このとき、ソレノイド45側に作動プレート823が揺動し、その上部の押圧部823aがブロッカ821の上部の受圧部821bを当接して押圧する。これにより、ブロッカ821は、前部の開閉板821cがケース前面802と平行になるように閉じ、ブロッカ爪821aがメダル案内通路814から退避して静止する。
ブロッカ821が「メダル受入許可位置」にあるときは、図3(b)に示すようにブロッカ821の開閉板821cが閉じてメダル案内通路814を形成し、先端部であるブロッカ爪821aがメダル案内通路814から退避する位置にあることをいう。この位置では、ケース前面802とブロッカ821との間にメダルMを通過させるための空間であるメダル案内通路814が確保されるので、レール部830上を移動するメダルMはブロッカ機構部820を通過することができる。
一方、図3(c)に示されるように、ブロッカ信号の出力が停止されソレノイド45が非励磁(OFF)の「ブロッカオフ」の状態では、作動プレート823がソレノイド45から離れる位置で静止する。この状態では、作動プレート823上部の押圧部823aがブロッカ821上部の受圧部821bから離れ、トーションバネ824(図3(a)参照)の付勢力によりブロッカ821が傾いた状態となる。これにより、ブロッカ821は、開閉板821cが開きブロッカ爪821aをメダル案内通路814内へ突出させる位置で静止する。
ブロッカ821が「メダル受入阻止位置」にあるとは、図3(c)に示されるように開閉板821cが開きブロッカ爪821aがメダル案内通路814内に突出する位置にあることをいう。すなわち、このブロッカオフの位置では、レール部830上を移動するメダルがブロッカ爪821aに衝突して傾斜板831上を滑り落ち、返却通路81aに向けて排除される。
図2に戻り、本体部12内部の正面右上には、前面扉14の開閉を検出するドアスイッチ44が取り付けられている。ここで、図2ではドアスイッチ44が本体部12側に設けられているが、前面扉14側に設けてもよい。本体部12の内部、背板上方には、遊技の制御を行う主制御手段100のハードウェア部分を構成する主制御基板101を収容した主制御基板ケース102が取り付けられている。主制御基板ケース102の正面には、4つの8セグメント表示器からなる役比モニタ103(後述する)の表示を視認するための役比モニタ表示窓YMが形成されている。役比モニタ103は、スロットマシン10が遊技場に設置された後に、スロットマシン10が不正に改造されていないことを確認しやすくするために設けられるものである。役比モニタ103には、スロットマシン10の稼働実績に基づいてメダルの払出枚数や遊技状態に関する複数の情報を表示されるが、それらの表示内容については後に詳しく説明する。
ドアスイッチ44の下側には、外部集中端子基板86が設置されている。外部集中端子基板86は、スロットマシン10で行われている遊技に関する情報を含んだ信号を、外部の各種機器(いわゆるホールコンピュータや、遊技場に設置された遊技履歴表示装置など)に対して出力するための中継基板である。外部集中端子基板86から出力される信号には、スタートスイッチ36の操作に基づいて遊技に賭けられた(ベットされた)ベット数と同数のパルス信号が出力されるメダル投入信号、小役が入賞したことに基づいて払い出されたメダルの枚数と同数のパルス信号が出力されるメダル払出信号、1BB遊技中にオン状態となるBB信号、後述するAT中にオン状態となるAT信号等がある。AT信号に代えて、有利区間に滞在している間はオン状態になる有利区間信号としてもよい。
本体部12内の略中央には、リール40L,40C,40Rを内包するリールユニットが設置されている。リール40L,40C,40Rの内側には、各々対応するリールを回転させるためのステッピングモータ42L,42C,42Rと、対応するリールのインデックス(後述する)を検出するための回胴センサ43L,43C,43Rが設けられている。本実施形態では、各回胴センサが、表示窓21の中段Mにおける中央位置に設けられている。上述したインデックスは、回胴センサによって検出されるものであることから、「被検出部」ともいう。
本体部12内の下方には、図2中、左側から順に、電源ユニット82、ホッパー83およびメダル補助収容庫84が配設されている。電源ユニット82は、入力されたAC100Vを複数種類の直流電圧に変換し、スロットマシン10が備える各種装置に供給する。また、電源ユニット82の正面パネル面において、上方左側には、スロットマシン10の電源をオン/オフするためのロッカースイッチである電源スイッチ82aが設けられている。また、電源スイッチ82aの右側には、いわゆる設定値の変更を可能にするためのキースイッチ82bが設けられている。電源スイッチ82aの下側には、押しボタン式の設定/リセットスイッチ82cが設けられている。この設定/リセットスイッチ82cは、後述する各種異常(一部の異常は除く)が検知されたことによって遊技の進行(制御処理)が強制的に停止された場合に、再び遊技の進行(制御処理)を開始させる際に操作されるものである。
メダル補助収容庫84は上面に開口を有する箱状の部材であり、ホッパー83のメダル貯留部90に蓄積されたメダルが許容量を超えたことにより、メダル貯留部90から溢れ出たメダルを収容する。
ホッパー83は、遊技の結果、小役が入賞したとき、または、クレジットされていたメダルを遊技者へ返却するときに作動する、メダルを払い出す装置である。ホッパー83は、上側の開口部よりメダルを受け入れて貯留可能なメダル貯留部90と、メダル貯留部90の底部に位置する払出機構部92とを備えている。払出機構部92は、ホッパーモータ46を駆動し、回転捕捉板91を回転させることによってメダル貯留部90に貯留されたメダルを1枚ずつメダル排出口92aから外部へ放出して払い出す。
図4は、図2に示したホッパー83のメダル貯留部90を取り除いて矢印Aから見た場合の払出機構部92の外観図であって、回転捕捉板91の一部を破断して示している。図4に示すように、払出機構部92は、上述したメダル貯留部90に貯留されているメダルを捕捉する複数の捕捉孔91aが形成された回転捕捉板91と、当該回転捕捉板91の裏面に当接する搬送板93とが、上述のメダル貯留部90の底面の位置で、ホッパーモータ46により一体的に回転するように設けられている。
回転捕捉板91は、略円板状であり、メダルよりも若干大きな径を有して貫通する円孔である捕捉孔91aが周方向に等配分されて複数形成されている。回転捕捉板91の中心位置は、内蔵するホッパーモータ46の駆動軸46aに固定されている。搬送板93は、回転捕捉板91の裏面に当接するとともに、その中心位置でホッパーモータ46の回転軸420aに固定されている。すなわち、回転捕捉板91および搬送板93は、共通の駆動軸46aを介してホッパーモータ46の駆動トルクが直接的に伝達され、一体的に回転するように取り付けられている。
搬送板93には、捕捉孔91aの直下の位置から若干、中心軸方向に湾入して切り欠かれた湾入部93aと、互いに隣接する各湾入部93a間で半径方向に放射状に延び、その先端部分が回転方向(図4中、矢印A参照)とは逆方向に緩やかに曲がる押進突起93bとが形成されている。払出機構部92の傾斜する上面部には、回転捕捉板91および搬送板93の回転領域を含む略円形の搬送路面94が陥没して形成されている。かかる構成により、回転捕捉板91の捕捉孔91aを介して捕捉された一枚のメダルは、搬送路面94、搬送板93の湾入部93aおよび回転捕捉板91で画成される隙間空間に保持される。
搬送路面94の一部(図4においては左上部分)は、メダル排出口92aへと続く排出路面95と繋がっており、搬送路面94と排出路面95との境界付近には、固定ピンローラ96と可動ピンローラ97とが設けられている。可動ピンローラ97の軸は遮光ベース98に固定され、遮光ベース98は支軸98aを中心に回動自在に設けられている。また、遮光ベース98は、引張コイルバネ99によって図4に示す位置(初期位置)に復帰するように常時付勢されている。ここで、図4に示すように、可動ピンローラ97が初期位置にあるときの固定ピンローラ96および可動ピンローラ97の状態を「初期状態」という。また、固定ピンローラ96および可動ピンローラ97が初期状態のときは、遮光ベース98の遮光部98bが第1払出センサ47aを遮光する位置にある。
ホッパー83からメダルが排出されるときには、搬送板93の回転に伴い、前述した隙間空間に保持されたメダルが押進突起93bによって固定ピンローラ96と可動ピンローラ97との間に押しやられ、これにより可動ピンローラ97が図4中、矢印Bの方向へ移動する。可動ピンローラ97の移動によって遮光ベース98が支軸98aを中心にして回動し、これにより、遮光ベース98の遮光部98bが第1払出センサ47aを遮光する位置から第2払出センサ47bを遮光する位置へ移動する。固定ピンローラ96と可動ピンローラ97との間に押しやられたメダルが、押進突起93bによってさらに押し込まれると、やがて遮光部98bが第2払出センサ47bを遮光する位置に達する。そして引張コイルバネ99の付勢力によって遮光ベース98が元の位置に復帰する力により、メダルが排出路面95を通りメダル排出口92aから飛び出す。
[図柄および図柄配列の説明]
次に、図5を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。リール40L、40C及び40Rの各外周面には、図5(a)に示すように20個の図柄が印刷されている。なお、図5(a)に示す矢印は、遊技中(ただしフリーズ演出中を除く)でリール40L、40C及び40Rが回転しているときに、各リール上の図柄が表示窓21内でスクロールする方向を示している。
リール上の各図柄は、リールテープの長手方向において、20個に区画された各図柄領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄領域に表示される図柄の種類には、図5(b)に示すように、数字の7を白色および赤色で表した「白7」図柄および「赤7」図柄と、“BAR”の文字をあしらった「バー」図柄と、青色のプラムをモチーフとした「リプレイA」図柄および「リプレイB」図柄と、黄色のベルをモチーフとした「ベル」図柄と、緑色のスイカをモチーフとした「スイカA」図柄および「スイカB」図柄と、赤いサクランボをモチーフとした「チェリー」図柄と、樹木をモチーフにした「ブランク」図柄と、がある。
リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄領域には、図5(a)に示すように0〜19の図柄番号が予め定められており、各図柄番号に対応する図柄の種別コードが、主制御手段100のROMに記憶されている。各リールの図柄番号および対応する種別コードは、スロットマシン10が、各リールについて、表示窓21の各停止表示位置(上段U、中段M、下段D)に表示された図柄を認識する場合などに参照される。図5(a)に示す各リールテープは、図柄番号0と図柄番号1の間を切り離して展開した状態を示しており、各リールテープをリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けたときは、図柄番号0と図柄番号1の図柄が連続することになる。
[特典が付与される図柄組合せの説明]
次に、遊技者に対して特典を付与される図柄組合せについて図6〜図9を参照して説明する。図6〜図9に示す図柄組合せは、全リールが停止したときに入賞ラインL上に表示される図柄組合せを図示している。遊技者に対して付与される特典には、再遊技、入賞(メダルの払い出し)およびボーナス遊技の3種類があり、これらの特典に対して予め定められた図柄組合せが対応付けられている。以下では、再遊技が行われることとなる図柄組合せを再遊技役またはリプレイ役、入賞となる図柄組合せを小役または入賞役、ボーナス遊技が行われることとなる図柄組合せをボーナス役という。
ボーナス役の図柄組合せが入賞ラインL上に揃う(ボーナス役が入賞する)と、その図柄組合せに応じたボーナス遊技が開始される。本実施形態では、図6に示すように、ボーナス役の図柄組合せは、「白7」図柄で構成された図柄組合せと、「赤7」図柄で構成された図柄組合せとの2種類ある。ボーナス遊技が開始されると、次の遊技から所定の終了条件が成立するまで、遊技者に有利なRB遊技が繰り返し行われる。RB遊技中は抽せんにおいて小役が極めて高い確率(100%であってもよい)で当せんし、所定回数の遊技が行われるか、または、所定回数の小役が入賞するかの、いずれか早い方が達成されたときに終了する。本実施形態では、2回の遊技が行われたとき、および、小役が2回入賞したとき、が終了条件となっており、いずれか一方の終了条件が先に成立するか、双方の終了条件が同時に成立すると、RB遊技が終了する。
なお、RB遊技は第一種特別役物ともいい、RB遊技が繰り返し行われる(第一種特別役物が連続して作動する)ボーナス遊技のことを、第一種特別役物に係る役物連続作動装置または1BB遊技という。また、上述した1BB遊技では、1BB遊技の開始とともにRB遊技が連続して行われていたが、1BB遊技の開始後、RB遊技が開始されることとなる図柄組合せ(以下、「RB図柄組合せ」ともいう。)が表示された場合にRB遊技を開始するようにしてもよい。すなわち、1BB遊技中が開始されると、まず1BB遊技中の一般遊技(以下、「BB中一般遊技」という。)が開始され、BB中一般遊技中にRB図柄組合せが表示されるとRB遊技が開始される。そして、RB遊技の終了条件が成立すると再びBB中一般遊技中が開始され、以下、1BB遊技の終了条件が成立するまでBB中一般遊技またはRB遊技を行う。
また、BB中一般遊技中にRB図柄組合せが表示されてRB遊技が開始されると、再度RB遊技を行うか否かを決定する抽せん(以下、「RB抽せん」という。)を、当該RB遊技中に行うようにしてもよい。この場合、当該RB遊技の終了条件が成立すると、次の遊技から再びBB中一般遊技が開始されるが、RB遊技中に上述したRB抽せんに当せんしていた場合は、RB遊技後のBB中一般遊技中においてRB図柄組合せが表示可能な状態になっている。
1BB遊技中は、1回のRB遊技が終了すると引き続き次のRB遊技が開始され、これを1BB遊技が開始されてから所定枚数を越えるメダルが払い出されると1BB遊技が終了する。本実施形態では、「白7」図柄が入賞ライン上に揃った場合は、1BB遊技中に払い出されたメダルが100枚を超えると1BB遊技が終了し、「赤7」図柄が入賞ライン上に揃った場合は、1BB遊技中に払い出されたメダルが30枚を超えると1BB遊技が終了する。以下では、「白7」図柄が入賞ライン上に揃ったときに行われる1BB遊技を1BB−A遊技といい、「赤7」図柄が入賞ライン上に揃ったときに行われる1BB遊技を1BB−B遊技という。
次に、再遊技役の種類は、図6および図7に示すように、再遊技01〜再遊技06の6種類あり、各再遊技役について1つまたは複数の図柄組合せが対応付けられている。なお、以下では図柄組合せを表す場合、左リール、中リール、右リールの順に各リールにおける図柄の名称を記し、カギ括弧で括ることとする。例えば図6に示す再遊技02の1番目の図柄組合せは「チェリー−白7−リプレイA」と記す。
小役の図柄組合せが入賞ラインL上に揃うと、その図柄組合せに応じた枚数のメダルが遊技者に払い出される。小役の種類は、図8および図9に示すように、入賞01〜入賞18の18種類あり、各小役について1つまたは複数の図柄組合せが対応付けられている。入賞01〜入賞18の図柄組合せは、ボーナス役が当せんしていないとき(役物未作動時)、ボーナス役が当せんしているとき(BB内部中)、ボーナス遊技中(RB作動時)のいずれにおいても入賞する可能性がある。入賞時のメダル払出枚数は、入賞01〜入賞16が1枚、入賞17および入賞18が10枚になっている。
[制御手段の説明]
次に、図10に示す機能ブロック図を参照して、スロットマシン10の制御を行う制御手段について説明する。スロットマシン10の制御手段は、遊技の進行を制御する主制御手段100と、演出の実行を制御する副制御手段200とによって構成されている。主制御手段100は、遊技者の操作に応じて遊技を進行させる制御を行い、副制御手段200は、主制御手段100から送信された情報に基づき、遊技の進行に伴って実行される演出や各種情報の報知(表示等)を制御する。なお、主制御手段100と副制御手段200との間でやりとりされる情報の送信は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から主制御手段100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。
≪主制御手段の説明≫
<主制御手段およびその周辺のハードウェア構成>
主制御手段100は、CPU、ROM(リード・オンリー・メモリ)、RWM(リード・ライト・メモリ)、乱数生成手段(乱数回路)およびタイマカウント手段(タイマ回路)、入力ポートおよび出力ポート(両者をまとめて「I/Oポート」ともいう。)が1つのチップ内に構成されたものである。このチップを含め、主制御手段100の機能を実現するための回路は、一枚の主制御基板上に構成されている。
上述したCPUは、演算を行うためのアキュムレータ(Aレジスタ)と、複数の汎用レジスタ(Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、LレジスタおよびQレジスタ)と、フラグレジスタとを備えている。これらのレジスタはいずれも1バイト(8ビット)で構成されている。また、汎用レジスタのうち、BおよびCレジスタ、DおよびEレジスタ、HおよびLレジスタは、それぞれペアで用いて16ビット(2バイト)のレジスタとして使用することができる。なお、2つの汎用レジスタをペアで使用する場合は、各レジスタを表す2つのアルファベットをまとめて表記する。たとえば、HレジスタとLレジスタをペアで使用する場合は、HLレジスタと表記する。
また、フラグレジスタは各ビットがCPUによる演算結果に関する状態を示すフラグになっているものであるが、本実施形態のフラグレジスタには、キャリーフラグ、ゼロフラグおよび第2ゼロフラグが含まれている。ここで、キャリーフラグは、演算(加算)を行ったときに桁上がりが生じた場合、および演算(減算)を行ったときに桁下がりが生じた場合に「1」となるフラグである。ゼロフラグは、演算結果が「0」になったときに「1」となるフラグである。第2ゼロフラグは、ゼロフラグが「1」になったとき、および、LD命令を行ったときに「0」がセットされときに「1」となるフラグである。これらCPU内の各種レジスタ、および前述したROMとRWMとは、各々記憶手段ともいえる。
主制御手段100のI/Oポートは図1に示した各種ランプやスイッチおよび表示器および図2に示した各種装置との間で信号のやり取りを行う。I/Oポートを介して授受される主な信号としては以下のようなものがある。まず、図1に示した清算スイッチ33、1ベットスイッチ34、最大ベットスイッチ35、スタートスイッチ36およびストップスイッチ37L,37C,37Rは、遊技者に操作されるスイッチであり、これらをまとめて操作手段300と称する。主制御手段100は、操作手段300から出力される各スイッチのオン/オフ信号を取り込み、図1に示したクレジット数表示器27および獲得枚数表示器28に対して、各8セグメント表示器のセグメントa〜g(図15(a)参照)に関する点灯/消灯信号を出力する。
次に図2において、セレクタ80に対しては、第1投入センサ811、第2投入センサ812および通路センサ813から出力されるメダル検出信号を取り込み、ソレノイド45(図3(b),(c)参照)に対するオン/オフ信号を出力する。また、主制御手段100は、本体部12内に設けられたドアスイッチ44から出力される遊技扉14の開閉信号を取り込み、主制御基板に設けられた役比モニタ103を構成する4つの8セグメント表示器のセグメントa〜gに関する点灯/消灯信号を出力する。また、外部集中端子基板86に対しては、前述したメダル投入信号、メダル払出信号、BB信号、AT信号等を出力する。
本体部12内に設けられたステッピングモータ42L,42C,42Rに対しては、各相に対する励磁信号を出力し、回胴センサ43L,43C,43Rから各々出力される回胴センサ信号(後述する)を取り込む。ホッパー83については、ホッパーモータ46に対して駆動信号を出力し、第1払出センサ47aおよび第2払出センサ47bから出力されるメダル払出信号(後述する)を取り込む。
<主制御手段の機能ブロック>
主制御手段100は、抽せん手段110と、リール制御手段115と、抽せん状態制御手段120と、遊技区間制御手段125と、フリーズ制御手段130と、報知遊技制御手段135と、入賞判定手段140と、異常検出手段145と、LED表示制御手段150と、制御コマンド送信手段155と、外部信号送信手段160と、を含んでいる。これら各手段の機能は、主制御手段100が備えるCPUが、ROMに記憶された制御プログラムを実行する(制御処理を行う)ことで実現される。
(抽せん手段の説明)
抽せん手段110は、主制御手段100に含まれる乱数生成手段が発生する乱数(数値範囲:0〜65535)と、主制御手段100のROMに記憶されている抽せんテーブルとに基づく抽せんを行い、これにより作動する条件装置を決定する。ここで、抽せん手段110による抽せんの結果によって作動し得る条件装置の種類を図11に、抽せんテーブルの内容を図12に示す。
図11に示すように、各条件装置には1つまたは複数の図柄組合せが対応付けられており、抽せんによっていずれかの条件装置が作動すると、その条件装置に対応する図柄組合せを揃えることができる状態となる。たとえば、再遊技−Aの条件装置が作動した場合は、再遊技01の図柄組合せを揃えられる状態となる。また、再遊技−Cの条件装置が作動した場合は、再遊技01〜06のうち、いずれかの図柄組合せを揃えられる状態となる。
図11に示す各条件装置には各々固有の入賞及び再遊技条件番号(図11中、「イ」欄参照。)が対応付けられており、抽せんによっていずれかの条件装置が作動した場合は、その条件装置に対応する入賞及び再遊技条件番号に基づいてリール停止制御などが行われる。さらに各条件装置には演出グループ番号(図11中、「ア」欄参照。)が対応付けられており、作動した条件装置に対応する演出グループ番号が副制御手段200へ送信される。これにより、副制御手段200は、受信した演出グループ番号に応じた演出を行う。この演出グループ番号は、ストップスイッチの押し順に応じて遊技者が獲得する利益が異なってくる条件装置のグループ(詳しくは後述する)に対して1つの番号が付与されている。具体的には、入賞−A1〜A6に対しては演出グループ番号「4」が対応付けられている。
ボーナス役に対応する条件装置は、1BB−Aおよび1BB−Bがあり、いずれかの条件装置が作動した場合は、その条件装置と同名のボーナス役の図柄組合せが揃えられる状態になる。ボーナス役に関する条件装置には、再遊技役および小役に付与されている入賞及び再遊技当選番号の代わりにボーナス条件装置番号が付与されている。本実施形態では、1BB−A役の条件装置には「1」、1BB−B役の条件装置には「2」が付与されている(図8中、ウ欄参照)。ボーナス役に関する条件装置が作動した場合は、作動したボーナス役に関する条件装置に対応するボーナス条件装置番号と、演出グループ番号「0」とが副制御手段200へ送信される。
ここで、ある遊技で小役および再遊技役の条件装置が作動した場合は、その遊技が終了すると作動も終了するが、ボーナス役に関する条件装置は、対応するボーナス役の図柄組合せが揃うまで作動し続ける。すなわち、小役および再遊技役の条件装置が作動した場合は、その遊技でしか作動した条件装置に対応する図柄組合せを揃えることができないが、ボーナス役に関する条件装置が作動したときは、作動したボーナス役に関する条件装置に対応する図柄組合せを揃えることができるまで、その図柄組合せを揃えられる状態が継続する。以下、この状態を「ボーナス内部中」または単に「内部中」という。
内部中のときは、抽せんによって他のボーナス役の条件装置または同じボーナス役の条件装置が再び作動することはない。また、内部中に、抽せんによって何らかの小役または再遊技役の条件装置が作動したときは、作動した小役または再遊技役の条件装置に対応する演出グループ番号と、すでに作動しているボーナス役の条件装置に対応するボーナス条件装置番号とが副制御手段200へ送信される。
なお、ボーナス役に関する条件装置が作動していない状態で、図11に示すいずれかの条件装置が作動した場合は、作動した入賞及び再遊技条件番号に対応する演出グループ番号と、ボーナス条件装置番号「0」とが副制御手段200へ送信される。
次に、抽せん手段110が抽せんを行う際に参照する抽せんテーブルの内容を図9に示す。図12に示す抽せんテーブルは、主制御手段100の乱数生成手段が発生し得る乱数値の数(0から65535までの65536)のうち、各条件装置が作動することとなる乱数値の数(以下、「置数」という。)を示すものである。したがって、各条件装置に対応する置数を65536で割った値が、各条件装置が作動する確率を示す。
本実施形態では、非RT、1BB−A内部中、1BB−B内部中、1BB−A中および1BB−B中の、5つの抽せん状態があり、各条件装置に対して各抽せん状態に応じた置数が割り振られている。ここで、非RTは1BB−Aおよび1BB−Bのいずれの条件装置も作動しておらず、ボーナス遊技中でもない状態(「役物未作動時」ともいう。)である。1BB−A内部中は1BB−A役の条件装置が作動している状態であり、1BB−B内部中は1BB−B役の条件装置が作動している状態(これらの状態を合わせて「BB内部中」ともいう。)である。また、1BB−A中は1BB−A遊技が行われている状態であり、1BB−B中は1BB−B遊技が行われている状態(これらの状態を合わせて「RB作動時」ともいう。)である。
図12に示すように、1BB−A内部中、1BB−B内部中、1BB−A中、および1BB−B中は、ボーナス役の条件装置に対する置数が0となっているためこれらの条件装置が作動することはない。また、1BB−A中および1BB−B中は3枚のメダルを投入しなければ1回の遊技ができないが、非RT、1BB−A内部中および1BB−B内部中は、2枚または3枚のメダルを投入すれば1回の遊技を行うことができる。ここで、1BB−A内部中および1BB−B内部中は、メダルを2枚投入したときと3枚投入したときとで、各条件装置の作動確率に差はない。ただし、入賞−A1〜A6の作動装置が作動したときに、正解押し順が遊技者に対して報知されなかった場合(すなわち入賞−A1〜A6の作動装置が作動したときに、10枚のメダルが払い出される確率が1/6になる場合)は、出玉率が100%を下回るような抽せん確率になっている。
これに対して非RTにおいては、再遊技役および小役の条件装置についてはメダルの投入枚数に関わらず同じ作動確率になっているが、ボーナス役に関する条件装置の作動確率はメダルの投入枚数に応じて異なっている。具体的には、メダルを2枚投入して行う遊技(「2枚賭け遊技」ともいう。)では、1BB−A役の条件装置が作動することはないが(作動確率が0)、1BB−B役の条件装置は作動し得る(作動確率が約1/5.23)。これに対してメダルを3枚投入して行う遊技(「3枚賭け遊技」ともいう。)では、1BB−B役の条件装置が作動することはないが(作動確率が0)、1BB−A役の条件装置は作動し得る(作動確率が約1/5.23)。
なお、本実施形態では、出玉率(メダルの払い出されやすさ)を変えられるように、「設定値」(1〜6の整数)を指定することで、予め定められた条件装置の作動確率(換言すると抽せんの当せん確率)を最大6段階で変化させることが可能になっている。図12に示した抽せんテーブルは設定値が1のものであるが、他の設定値(設定値2〜6)においても同じ置数の抽せんテーブルを使用しており、設定値の値が大きくなる程、後述する有利区間移行抽せんにおいてATおよびチャンスゾーンへ移行する確率(当せん確率)が大きくなっている。ただし、必ずしも6段階の各段階毎に有利区間移行抽せんの当せん確率を異ならせなくてもよく、一部の設定値(例えば、設定値3と4)で同じ当せん確率であってもよい。
(リール制御手段の説明)
リール制御手段115は、リール40L,40C,40Rを回転および停止させるステッピングモータ42L,42C,42Rを駆動制御する。具体的には、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたことに基づいてリール40L,40C,40Rの回転を開始し、リール40L,40C,40Rの回転速度が前述した定速に達した後は、定速を維持する。そして、ストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリール(より正確にはステッピングモータ)について停止制御を行う。
リール制御手段115は、ストップスイッチが操作されてから対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる。これにより、本実施形態のように各リールに20図柄が設けられたリールを、定速(80回転/分)の状態から190ミリ秒以内にリールの回転を停止させる場合は、80(回転)/60(秒)×0.19(秒)×20(図柄)=約5.067図柄分が回動するまでにリールを停止させる。
また、リール制御手段115は、ストップスイッチが操作されたときに入賞ラインに係る停止表示位置(以下、「入賞停止位置」という。)を通過中の図柄は、その入賞停止位置に停止させないようにステッピングモータを制御する。したがって、停止操作されたときに、入賞停止位置を通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、4つ上流側に位置する図柄までのうち、いずれかの図柄を入賞停止位置に停止させることができる。ここで、「停止操作されたときに、入賞停止位置を通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、4つ上流側に位置する図柄まで」の範囲を「停止制御範囲」ともいう。
リール制御手段115は、抽せん手段110の抽せんによっていずれかの条件装置が作動すると、作動した条件装置に対応する図柄組合せが入賞ラインLに停止するようにリールの回転を停止させる(いわゆる引込制御を行う)。ただし、その図柄組合せを構成する図柄が停止制御範囲内に無かったときは、作動していない条件装置に対応する図柄組合せが入賞ラインLに揃わないようにリールを停止させる(いわゆる蹴飛ばし制御を行う)。また、抽せんでいずれの条件装置も作動しなかった場合も蹴飛ばし制御を行う。
例えば、図6に示した再遊技01の図柄組合せ(「リプレイA−リプレイA−リプレイA」および「リプレイB−リプレイA−リプレイA」)については、図5に示した各リールの図柄配列と上述した停止制御範囲との関係上、いずれか一方の図柄組合せを遊技者によるストップスイッチの操作タイミングに依らずに必ず入賞ラインL上に揃えることができる(いわゆる「取りこぼし」が無い)。これに対して、例えば図8に示した入賞01の図柄合せ(「リプレイA−リプレイA−白7」および「リプレイB−リプレイA−白7」)の場合、右リール40Rにおいて、停止制御範囲に「白7」図柄が存在しないタイミングで停止操作が行われると、引込制御によって「白7」図柄を入賞ライン上に停止させることができず、入賞01の図柄組合せを揃えることができない(すなわち、取りこぼす)。
また、入賞−A1〜A6のいずれかの条件装置が作動した場合、リール制御手段115は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが特定の順序で操作された場合、メダルの払出枚数が10枚となる小役の図柄組合せ(すなわち入賞17または入賞18)を入賞ラインL上に揃える引込制御を行う。以下、この特定の順序を「正解押し順」ともいう。具体的には、入賞−A1の条件装置が作動した場合の正解押し順は左→中→右(順押し)、入賞−A2の条件装置が作動した場合の正解押し順は左→右→中(ハサミ押し)、入賞−A3の条件装置が作動した場合の正解押し順は中→左→右(順中押し)、入賞−A4がの条件装置が作動した場合の正解押し順は中→右→左(逆中押し)、入賞−A5の条件装置が作動した場合の正解押し順は右→左→中(逆ハサミ押し)、入賞−A6の条件装置が作動した場合の正解押し順は右→中→左(逆押し)、となっている。
また、リール制御手段115は、入賞−A1〜A6のいずれかの条件装置が作動したときに、特定の順序以外の順序(以下、「不正解押し順」ともいう。)でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作された場合は、入賞17または18以外の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。この場合、ストップスイッチの操作タイミングによっては、いずれかの小役に対応する図柄組合せを揃えられず、取りこぼしとなる場合がある。取りこぼした場合、リール制御手段115は、図9に示すパターン01〜03のいずれかの図柄組合せが入賞ラインL上に表示されるようなリール停止制御を行う。
なお、ボーナス役に係る条件装置が作動した場合、リール制御手段115は、作動したボーナス役の条件装置に対応する図柄組合せについて引込制御を行うが、例えば内部中に小役または再遊技役の条件装置が作動したときは、作動した小役または再遊技役の条件装置に対応する図柄組合せを優先的に引込制御を行う。
(抽せん状態制御手段の説明)
図10に戻り、抽せん状態制御手段120は、前述した非RT、1BB−A内部中、1BB−B内部中、1BB−A中および1BB−B中という5つの抽せん状態を、所定の条件に基づいて移行させる。具体的には、図13に示すように、本実施形態における抽せん状態の初期状態は非RT(抽せん状態番号0)であり、非RTにおいて、抽せん手段110によって行われた抽せんの結果、1BB−A役の条件装置が作動すると抽せん状態が非RTから1BB−A内部中(抽せん状態番号1)へ移行し、1BB−B役の条件装置が作動すると1BB−B内部中(抽せん状態番号2)へ移行する。なお、遊技場のスタッフなどにより設定値の変更が行われると、現状の抽せん状態が1BB−A中および1BB−B中だった場合は設定値の変更後に非RTとなるが、それ以外の抽せん状態だった場合は現状の抽せん状態を維持する。
ここで、図12の抽せんテーブルに示したように、非RTにおいて2枚賭け遊技を行った場合の1BB−A役に係る条件装置の作動確率は0であり、3枚賭け遊技を行った場合の1BB−B役に係る条件装置の作動確率は0である。したがって、非RTにおいて2枚賭け遊技を行っている間は1BB−A内部中へ移行することはない。
1BB−A内部中において、1BB−Aの図柄組合せ(「白7−白7−白7」)が入賞ラインL上に揃うと1BB−A中(抽せん状態番号3)へ移行し(矢印B参照)、1BB−A中において1BB−A遊技の終了条件(100枚超のメダル払い出し)を満たすと非RTへ移行する(矢印C参照)。また、1BB−B内部中において、1BB−Bの図柄組合せ(「赤7−赤7−赤7」)が入賞ラインL上に揃うと1BB−B中(抽せん状態番号4)へ移行し(矢印E参照)、1BB−B中において1BB−B遊技の終了条件(30枚超のメダル払い出し)を満たすと非RTへ移行する(矢印F参照)。
このように、本実施形態の抽せん状態は、大別すると、非RT、内部中(1BB−Aまたは1BB−B)、ボーナス遊技中(1BB−A遊技または1BB−B遊技)の3つの抽せん状態を遷移するようになっている。
(遊技区間制御手段の説明)
図10に戻り、遊技区間制御手段125は、有利区間カウンタ126、純増枚数カウンタ127およびATカウンタ128を有し、通常区間と有利区間との間の移行、および有利区間内における性能(「遊技状態」ともいう)の変更(移行)を行う。ここで、「通常区間」とは、ストップスイッチの操作態様に応じて有利/不利が発生する抽せんの結果が決定された遊技において、有利なストップスイッチの操作態様を把握可能な情報(例えば、作動した入賞及び再遊技条件装置番号など)を、主制御手段100から副制御手段200へ送信することを禁止する遊技区間であり、かつ、ストップスイッチの有利な操作態様の報知を禁止する遊技区間をいう。
「有利区間」とは、ストップスイッチの操作態様に応じて有利/不利が発生する抽せんの結果が決定された遊技において、有利なストップスイッチの操作態様を把握可能な情報(例えば、作動した条件装置を表す入賞及び再遊技条件装置番号)を、主制御手段100から副制御手段200へ送信することが可能な遊技区間であり、かつ、ストップスイッチの有利な操作態様を遊技者に報知可能な区間をいう。有利区間にはさらに複数の性能(遊技状態)が存在し、有利区間に滞在中は所定の条件に従ってこれらの性能が遷移する。
また、有利区間カウンタ126は、通常区間から有利区間へ移行すると、有利区間において行われたすべての遊技回数のカウントを開始する。具体的には通常区間から有利区間へ移行するとカウント値の初期値として1500(D)がセットされ、有利区間で遊技が行われるごとに1ずつ減算される。純増枚数カウンタ127は、通常区間から有利区間へ移行すると、有利区間における純増枚数(メダルの払出枚数から投入枚数を引いた値)のカウントを開始する。具体的には、カウント値の初期値は0であり、このカウント値に対して、有利区間の各遊技におけるメダル投入枚数の値の減算とメダル払出枚数の値の加算とが行われる。
ATカウンタ128は、有利区間において後述するAT中という遊技状態へ移行すると、AT中に行われた遊技回数のカウントを開始する。具体的には有利区間においてAT中へ移行するとカウント値の初期値として抽せんによって決定された値(100(D)または30(D))がセットされ、AT中で遊技が行われるごとに1ずつ減算される。
以下、図14を参照して遊技区間制御手段125による遊技状態の移行制御について説明する。遊技区間制御手段125は、遊技区間の種類(通常区間または有利区間)を区間種別番号SCの値によって管理し、遊技状態を遊技状態番号(SG)の値に基づいて管理している。図14に示すように、通常区間の区間種別番号SCは0であり、有利区間の区間種別番号SCは1である。また、有利区間内の遊技状態(性能)は遊技状態番号GSの値によって管理しており、本実施形態では、「チャンスゾーン」(SG=1)、「AT中」(SG=2)、「上乗せチャンス」(SG=3)および「終了待機中」(SG=4)の4つの遊技状態が設けられている。
なお、通常区間に滞在しているときの遊技状態は「通常中」として扱われ、遊技状態番号GSは0となる。また、1BB−A遊技中および1BB−B遊技中は「ボーナス中」という1つの遊技状態として扱われ、遊技状態番号GSは5となる。なお、通常区間でボーナス遊技が開始された場合であっても、有利区間でボーナス遊技が開始された場合であっても、遊技状態は同じ「ボーナス中」として扱われる。
図14において、遊技区間の初期状態は通常区間(SC=0)かつ通常中(SG=0)である。通常中において、抽せん状態が非RTまたは1BB−B内部中のときに3枚賭け遊技が行われたときに、抽せん手段110による抽せんで所定の抽せん結果になると、有利区間移行抽せんが行われる。有利区間移行抽せんはハズレ、チャンスゾーンおよびATのいずれかを決定するものであり、スタートスイッチ36が操作されたことを契機として行われる。有利区間移行抽せんによりチャンスゾーンが決定された場合はチャンスゾーン(GS=1)へ移行し(矢印ア参照)、ATが決定された場合はAT中(GS=2)へ移行する(矢印イ参照)。
なお、これらの移行により区間種別番号SCも0から1へ移行する。また、有利区間カウンタ126には初期値として1500(D)がセットされ、純増枚数カウンタ127には「0」がセットされる。これに対して、有利区間移行抽せんによりハズレが決定された場合は、遊技状態番号GSおよび区間種別番号SCの値はいずれも0を維持する。また、有利区間へ移行すると、有利区間で行われた遊技回数および有利区間における純増枚数のカウントが開始される。
チャンスゾーンでは、抽せん状態が1BB−B内部中であり、かつ、3枚賭け遊技が行われた場合は、抽せん手段110による抽せん結果の如何にかかわらずAT中(GS=2)へ移行するか否かを決定するAT移行抽せんが行われる。そしてAT移行抽せんに当せんすると、抽せんによってATカウンタ128にセットされる初期値(100または30)が決定され、AT中(GS=2)へ移行する(矢印ウ参照)。これに対して、チャンスゾーンで10回の遊技を行ってもAT中へ移行することができなかった場合は、通常中(GS=0)へ戻る(矢印エ参照)。なお、有利区間移行抽せんによるチャンスゾーンまたはAT中への移行確率、およびAT移行抽せんによるAT中への移行確率は、前述した設定値応じて異ならせてもよい。たとえば、設定値が大きい程AT中(またはチャンスゾーン)への移行確率を高くしてもよい。
AT中へ移行すると、抽せん手段110による抽せんで入賞−A1〜A6のうちいずれかの条件装置が作動したときに、入賞17または入賞18の図柄組合せが入賞ラインL畳に揃うこととなるストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序(正解押し順)が遊技者に対して報知される。これにより、遊技者は報知された押し順に従ってストップスイッチ37L,37C,37Rを操作することで10枚のメダルを獲得することができる。また、AT中で遊技が行われるごとにATカウンタ128のカウント値から1が減算され、カウント値が「0」になると(すなわちAT中へ移行してからセットされた初期値の回数の遊技が行われると)、終了待機中(GS=4)へ移行する(矢印オ参照)。したがって、本実施形態ではAT中へ移行すると、1セットのAT遊技を行うことができる。
AT中において、抽せん手段110による抽せんで再遊技−B(スイカリプレイ)または再遊技−C(チェリーリプレイ)の条件装置が作動(換言すると、レア役が当せん)すると、主制御手段100は上乗せチャンス抽せんを行い、この抽せんに当せんすると上乗せチャンス(GS=3)へ移行する(矢印カ参照)。上乗せチャンスでは、5回の遊技が行われる間に抽せん手段110による抽せんで所定の条件装置(例えば入賞−B(共通ベル))が作動した場合は、主制御手段100のRWMに記憶されているATストックの値に1が加算(ATストックが上乗せ)される。また、入賞−A1〜A6のいずれかの条件装置が作動した遊技で、遊技者に対して敢えて正解押し順を報知せず、その状態で入賞17または入賞18の図柄組合せが揃った場合(すなわちストップスイッチが正解押し順で操作された場合)にATストックの値に1を加算してもよい。
上乗せチャンスで5回の遊技が行われると、再びAT中へ移行する(矢印キ参照)。なお、上乗せチャンスに滞在している間に行われた遊技回数は、AT遊技としてカウントしてもよいし(すなわち、上乗せチャンス中も遊技を行う毎にATカウンタ128の値を1ずつ減算する)、カウントしなくてもよい。なお、上乗せチャンスにおける遊技回数、さらには前述したチャンスゾーン(GS=1)における遊技回数をカウントするためのカウンタは、それぞれ専用に設けてもよいし、ATカウンタ128を流用してもよい。
AT中に50回の遊技が行われ、終了待機中へ移行すると、主制御手段100はRWMに記憶されているATストックの値を判断する。ATストックの値が1以上だった場合はその値から1を減算し、再びAT中へ移行する(矢印ク参照)。これにより、引き続き1セットのAT遊技を行うことができる。これに対してATストックの値が0だった場合は通常中へ移行する(矢印ケ参照)。有利区間から通常区間へ移行するときは、有利区間に関するすべての情報がクリアされる。クリアされる情報には、例えば有利区間中に行われた遊技回数、有利区間中の純増枚数、AT中における遊技回数、ATストック数などがある。
通常区間または有利区間においてボーナス遊技が開始された場合は、いずれの場合もボーナス中(GS=5)へ移行する(矢印コ参照)。そして、開始されたボーナス遊技が終了したときに、区間種別番号SCが0(通常区間)だった場合は通常中(GS=0)へ移行し(矢印サ参照)、区間種別番号SCが1(有利区間)だった場合はチャンスゾーン(GS=1)へ移行する(矢印シ参照)。
ここで、有利区間中にボーナス中へ移行した場合は、ボーナス中に行われた遊技回数についても有利区間中の遊技として有利区間カウンタ126でカウントされる。また、有利区間中にボーナス中へ移行し、ボーナス遊技が終了してチャンスゾーンへ移行したときは、チャンスゾーンにおける遊技回数が初期値からカウントし直される。これにより、10回の遊技が行われる間にAT中へ移行できなかった場合は通常中へ移行する。なお、有利区間中にボーナス中へ移行した場合、ボーナス遊技が終了したときに、チャンスゾーンへ移行するのではなく、ボーナス中へ移行する直前に滞在していた遊技状態に戻るようにしてもよい。
有利区間カウンタ126の値が0になると、すなわち、有利区間中に行われた遊技回数が1500回に達すると通常区間へ移行する(矢印ス参照)。また、純増枚数カウンタ127の値が2400(D)を超えると、すなわち、有利区間中の純増枚数が2400枚を超えると、通常区間へ移行する(矢印セ参照)。ここで、有利区間中の遊技回数が1500回に達する前であっても、純増枚数が2400枚を超えたときは通常区間へ移行し、有利区間中の純増枚数が2400枚を超える前であっても、遊技回数が1500回に達したときは通常区間へ移行する。なお、有利区間中の遊技回数が1500回に達する前であり、かつ、純増枚数が2400枚を超える前であっても、終了待機中(GS=4)においてATストックが0であると判断された場合は通常区間へ移行する。そして有利区間から通常区間へ移行する際に、前述したような有利区間に関するすべての情報がクリアされる。
また、本実施形態では、有利区間になっている(区間種別番号SC=1)ことを、有利区間ランプ(図15(a)に示すクレジット数表示器27上位桁のセグメントDP)を点灯させることで目視により確認することができる。このような有利区間ランプを設けたのは以下の理由による。
従来のスロットマシンの中には、所定の抽せんによって、遊技者に有利なストップスイッチの押し順(および/または操作タイミング)を報知可能なAT遊技を開始させるか否かを決定するものがあった。また、このようなスロットマシンにおいて、上述した所定の抽せん(以下、「AT抽せん」という。)でAT遊技を開始することが決定された場合であっても、直ちにそのことを遊技者に報知しないものがある。この種のスロットマシンでは、AT抽せんに当せんした旨の報知を遅らせて、その間AT遊技が開始されることへの遊技者の期待感を高める演出を行うことで、遊技の興趣を向上させようとするものもある。
このため、遊技者の中には、AT抽せんに当選しているのにもかかわらず、そのことに気が付かず、AT抽せんに当選したことを報知する前に遊技を止めてしまう者がいた。特に、初心者にその傾向が見られた。その一方で、そもそも自力でAT抽せんに当選させる気がなく、所定回数の遊技だけ行って既にAT抽せんに当選しているスロットマシンを見つけ出して遊技を行う者もいる。このような状況において、AT抽せんに当選したときに遊技を行っていた者(AT抽せんに当選させた者)がAT遊技を行わず、AT抽せんの当選に何等寄与していない第三者がATに関する遊技を行うのは不条理ではないかという声があった。
一方、有利区間ランプを点灯させることで目視により有利区間に滞在していることを確認可能としたが、遊技場の経営者の観点から、翌日の遊技場の営業開始時に有利区間中の状態から開始させたくない場合も有り得る。このような場合には、遊技場のスタッフがスロットマシン10の有利区間ランプを確認し、点灯していた場合は設定値の変更操作をすることで、遊技状態が初期化されて通常区間(SC=0)および通常中(GS=0)から遊技が開始されることとなる。
このような声に応えるため、ストップスイッチの押し順(および/または操作タイミング)を報知可能な有利区間へ移行するか否かを決定する移行抽せんに当選したことに気付かずに、その後の遊技を止めてしまう虞を少なくすることができるスロットマシンを提供する必要があった。
また、従来のスロットマシンには有利区間ランプに相当するようなランプが備えられていなかったため、現在の状態が遊技者にとって有利な遊技状態(例えばチャンスゾーン)なのか否かをスタッフが判別できなかった。このため、例えば遊技場のスタッフが、同じ設定値を翌日も使いたいが、遊技状態をリセットしたい場合は、すべてのスロットマシン対して設定値を変更する作業を行って、RWMを初期化することにより遊技状態をリセットしていた。そして、同じ設定値を使うスロットマシンに対しては、既に設定されている設定値と同じ設定値を再度設定するという作業を行っていた。これに対して、有利区間ランプを備えることにより、同じ設定値(設定値データ)を翌日も使いたい場合、有利区間ランプが消灯しているスロットマシンについては設定値を変更する作業が不要であることが分かるため、スタッフの作業の手間を省くことができる。
ここで、有利区間ランプは、通常区間から有利区間へ移行したときに点灯させてもよい。ただし、通常区間から有利区間へ移行したときに、移行後の遊技状態における出玉率が100%未満のとき(1回の遊技におけるメダルの獲得枚数の期待値が投入枚数よりも下回っているとき)は、必ずしも有利区間ランプを点灯させなくてもよい。例えば図14に示した遊技状態の遷移図において、チャンスゾーン(GS=1)の出玉率が100%未満だった場合、通常中からチャンスゾーンへ移行したときに有利区間ランプを点灯しなくてもよい。ただし、チャンスゾーンにおいて、遊技者に対してストップスイッチの押し順など何らかの指示を行う場合は、有利区間ランプを点灯させるのが望ましい。また、一旦有利区間ランプを点灯させたときは、以後、通常区間へ移行するまで点灯状態を維持するのが望ましい。
本実施形態では、図14に示した遊技状態の遷移図において、チャンスゾーン(GS=1)の出玉率が100%未満であり、AT中の出玉率が100%以上に設定されているものとして、通常中からチャンスゾーンへ移行したとき(図14矢印ア参照)は有利区間ランプを点灯させないが、通常中からAT中へ移行したとき(図14矢印イ参照)およびチャンスゾーンからAT中へ移行したとき(図14矢印ウ参照)に有効ランプを点灯させる。
このように、通常中からチャンスゾーン(出玉率が100%未満)へ移行したときは有利区間ランプを点灯させないことにより、次のような利点がある。例えば、有利区間ランプが点灯しているときにスロットマシンの電源がオフにされた場合は、再度電源がオンにされたときに有利区間ランプを点灯させる必要がある。一方、有利区間に滞在しているときに設定変更を行うと、設定変更によりRWMの初期化が行われ、通常区間に戻ってしまうことにより、有利区間ランプが消灯することになる。このため、前日の遊技場の営業終了時に有利区間ランプが点灯したにもかかわらず、翌日の営業開始時に有利区間ランプが消灯していたとすると、前日の営業終了後に設定変更が行われたことが遊技者に知られてしまう。
そのような事態をできるだけ避けるため、通常区間から有利区間へ移行すると直ちに有利区間ランプを点灯させるのではなく、有利区間へ移行しても遊技者に有利とはいえない遊技状態(例えば出玉率が100%未満)のときは有利区間ランプを点灯させず、有利区間において遊技者に有利な遊技状態(例えば出玉率が100%以上)となったときに、有利区間ランプを点灯させるようにしている。
前述したように、本実施形態では、クレジット数表示器27上位桁のセグメントDPを有利区間ランプとして利用するようにしている。これにより、遊技者がクレジットにメダルが残っていないか確認する際に、併せて現在の遊技状態が有利な遊技状態になっているか否かを確認できるようになっている。さらに、クレジット数表示器27の未使用セグメントを利用することで、別途LEDを設ける必要がなく、コストが増えることもない。
なお、有利区間ランプとして、図15(b)に示す獲得枚数表示器28の8セグメント表示器におけるセグメントDPを使用してもよい。この場合、獲得枚数表示器28をクレジット数表示器27と横並び、または上下に並べて設けることが好ましい。これにより、遊技者がクレジットにメダルが残っていないか確認する際に、併せて現在の遊技状態が有利な遊技状態になっているか否かを確認できるようになるからである。さらに、獲得枚数表示器28を決定スイッチ39の近傍に設け、通常区間から有利区間へ移行することを決定した際は、決定スイッチ39の操作が有効になる前に有利区間ランプを点灯させることが好ましい。これにより、例えば1遊技の終了後(メダルの払い出しがない場合はすべてのリールの停止後であり、メダルの払い出しがある場合は払い出し後)や非遊技中に決定スイッチ39が操作されると、遊技履歴画面や二次元コード画面を画像表示装置70に表示するスロットマシン10では、遊技者が有利区間ランプの点灯を見落としにくくなる。
具体的には、1遊技の終了後や非遊技中に決定スイッチ39が操作されると、メニュー画面を画像表示装置70に表示する。そして、メニュー画面が表示されている状況下では、選択スイッチ38の操作により、遊技履歴画面、パスワード入力するためのパスワード入力画面、二次元コード画面のうち、次にどの画面を表示するか選択可能となっている。すなわち、遊技者は遊技を終えるときに、遊技履歴を確認するため、または携帯端末に備わっている二次元コードリーダーを起動させて二次元コードを取得するため、決定スイッチ39を操作することになる。
そして、獲得枚数表示器28を決定スイッチ39の近傍に設けていることにより、決定スイッチ39を操作する際に、その視界には獲得枚数表示器28が入っているため、有利区間ランプが点灯していれば、点灯に気づかないことは稀であると言える。すなわち、次の遊技から有利区間に移行することに気付かず遊技を終えてしまうことを抑制することができる。もちろん、クレジット数表示器27のセグメントDPを、有利区間ランプとして使用する場合も、クレジット数表示器27は決定スイッチ39の近傍に設け、通常区間から有利区間へ移行することが決定した際は、決定スイッチ39の操作が有効になる前に有利区間ランプを点灯させることが好ましい。
なお、有利区間ランプを点灯させるタイミングは、清算スイッチ33の操作が有効になる前が望ましい。一般に、大半の遊技者は遊技をやめる際に、クレジットにメダルが残っていないか確認をする。そして、クレジットにメダルが残っていたときは、清算スイッチ33を操作することになる。したがって、遊技者が清算スイッチ33を操作する(遊技をやめる)前に、有利区間ランプを点灯させて、区間移行抽せんに当選したことを報知することにより、誤って(区間移行抽せんに当選していることに気が付かず)遊技をやめてしまうことを抑止できる。
また、本実施形態では、従来のいわゆる天井機能のように、通常区間における遊技回数が特定の値(例えば1000ゲーム)に達したことに基づいて有利区間へ移行とするような機能を設けていないため、通常区間においてどの遊技回数から遊技を始めても遊技者にとって有利度が変わることはない。
(フリーズ制御手段の説明)
図10に戻り、フリーズ制御手段130は、所定の状況になると遊技の進行を遅延させるフリーズ制御を実行する。本実施形態では、上乗せチャンス(GS=4)においてATストックが上乗せされる可能性がある場合に、スタートスイッチ36が操作されてから所定時間だけフリーズさせる。具体的には、上乗せチャンスにおいて入賞−Bの条件装置が作動すると、スタートスイッチ36の操作を契機として2秒間のフリーズが発生する。このフリーズが発生する際、画像表示装置70には「!」という記号がごく短時間表示される演出(いわゆるインサート演出)が実行される。そして、フリーズが開始してから所定時間が経過すると、フリーズが解除されてリール40L,40C,40Rが一斉に回転する。
また、例えば入賞−A1〜A6のいずれかの条件装置が作動した遊技で、遊技者に対して敢えて正解押し順を報知せず、その状態で入賞17または入賞18の図柄組合せが揃った場合(すなわちストップスイッチが正解押し順で操作された場合)にATストックの値に1を加算する場合、フリーズが発生している間、ストップスイッチを正解押し順で操作できればATストックが上乗せされることを画像表示装置70に表示してもよい。この場合、正解押し順の第1停止操作のみを遊技者に報知し、第2停止操作を遊技者に当てさせるようにしてもよい(正解押し順となる確率は1/2)。
また、フリーズ中に、ストップスイッチを正解押し順で操作できればATストックが上乗せされることを画像表示装置70に表示し、その後フリーズを解除し、遊技者が報知に依らず自力で正解押し順の第1停止操作を行った場合は、再度フリーズを発生させる。このフリーズ中は第2停止操作が無効化される。そして、このフリーズの間、第2停止操作を遊技者に報知するようにしてもよい(正解押し順となる確率は1/3)。
(報知遊技制御手段の説明)
報知遊技制御手段135は、有利区間に移行すると、滞在している遊技状態と作動した条件装置とに応じてストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序(「押し順」ともいう。)を報知する。押し順の報知は、指示番号という数値を図1に示した獲得枚数表示器28に表示することによって行われる。具体的には、図15(b)および(c)に示すように、獲得枚数表示器28の上位桁に「=」(指示番号であることを示す記号)を表示し、下位桁に操作態様(押し順)に応じた数値を表示する。ここでは、「1」は左→中→右(順押し)、「2」は左→右→中(ハサミ押し)、「3」は中→左→右(順中押し)、「4」は中→右→左(逆中押し)、「5」は右→左→中(逆ハサミ押し)、「6」は右→中→左(逆押し)の押し順に対応している。
遊技者に指示する押し順は、AT中において入賞−A1〜入賞−A6の条件装置が作動したときに、作動した条件装置に対応する正解押し順であるが、入賞−Bの条件装置が作動した場合も1つの押し順が指示される。すなわち、入賞−Bの条件装置が作動したときは、ストップスイッチが任意の押し順で操作されても入賞17または入賞18の図柄組合せが入賞ラインLに揃うことになるが、6通りの押し順のうち1つが適宜選択され、選択された押し順に対応する指示番号が獲得枚数表示器28に表示される。
また、図12に示したように、本実施形態では非RT、1BB−A内部中および1BB−B内部中においては2枚賭け遊技および3枚賭け遊技のいずれも可能であるが、獲得枚数表示器28を用いて遊技者に対して何らかの指示を行うのは、3枚賭け遊技が行われたときだけである(すなわち、2枚賭け遊技では遊技者に対する指示は行われない。)。そこで、本実施形態では、2枚賭け遊技および3枚賭け遊技のいずれも可能な抽せん状態において、メダルの投入枚数(2枚または3枚)を指示する場合がある(詳しくは後述する。)。
ここで、遊技者に対して2枚賭け遊技を指示する場合は、獲得枚数表示器28の上位桁に「=」を表示し、下位桁に「A」を表示する。また、3枚賭け遊技を指示する場合は、獲得枚数表示器28の上位桁に「=」を表示し、下位桁に「C」を表示する。このように、獲得枚数表示器28には遊技者に対する指示内容が表示されるため、獲得枚数表示器28のことを指示モニタとも称する。
遊技者に対するメダルの投入枚数の指示は、抽せん状態が非RTのときに3枚賭け遊技が行われたときに、その遊技が終了してから次の遊技を行うためのメダル投入が可能になるまでの間に、獲得枚数表示器28に「=A」が表示されるとともに画像表示装置70に「2枚賭けせよ!」と表示される。また、抽せん状態が1BB−B内部中に3枚賭け遊技が行われたときに、その遊技が終了してから次の遊技を行うためのメダル投入が可能になるまでの間に、獲得枚数表示器28に「=C」が表示されるとともに画像表示装置70に「3枚賭けせよ!」と表示される。
なお、投入枚数に関する指示(メッセージ)を画像表示装置70に表示した場合、そのメッセージの表示を終了するタイミングとしては、(i)メッセージを表示した遊技においてスタートスイッチ36が操作されたとき、(ii)メッセージを表示した遊技において全リールが停止したとき、(iii)メッセージを表示後、指示した投入枚数と同じ投入枚数でスタートスイッチ36が操作されたとき、(iv)メッセージを表示後、指示した投入枚数と同じ投入枚数で遊技が行われて全リールが停止したとき、(v)2枚賭けのメッセージの表示後、2枚賭けで行われた遊技で1BB−Bの条件装置が作動したとき、(vi)2枚賭けのメッセージの表示後、2枚賭けで行われた遊技で1BB−Bの条件装置が作動し、かつ、作動した遊技で全リールが停止したとき、などが考えられる。
上述した(iii)〜(vi)については、表示終了の条件が満たされるまで複数の遊技にまたがって、画像表示装置70に投入枚数の指示メッセージが表示されることとなるが、これを実現するには、主制御手段100によって表示制御される指示モニタにおいても、同様の表示終了条件が成立するまで指示内容を表示し続ける必要がある。したがって、(iii)〜(vi)の表示終了タイミングを実現するには、本実施形態のように、指示モニタを獲得枚数表示器28と兼用せずに、専用の指示モニタを設けるとよい。
ここで、本実施形態では、押し順の指示は「1」〜「6」の数字を用いて行うため、投入枚数の指示にはアルファベットを用いることで、指示する内容が押し順と区別し易いようにしている。なお、投入枚数の指示はアルファベットに限らず、7つのセグメントのうち特定の1または複数のセグメントを点灯させる(ただし表示態様は、数字、記号、アルファベットなど何らかの意味を持たないようにする)ようにしてもよい。
また、遊技者に対して指示する押し順やメダルの投入枚数を獲得枚数表示器28に表示したときは、それに併せて表示した指示内容が遊技者に理解されやすい表示態様(図15(c),「液晶表示」欄参照)を画像表示装置70に表示する。例えば押し順については、「1」、「2」、「3」の3つの丸数字を画面の横方向に並べて画像表示装置70に表示する。画面の横方向に並べた3つの丸数字の表示位置は、一番左の丸数字が左ストップスイッチ37Lの操作順序を示し、真ん中の丸数字が中ストップスイッチ37Cの操作順序を示し、一番右の丸数字が右ストップスイッチ37Rの操作順序を示している。
また、丸数字の値は操作すべき順序を示しており、「1」の丸数字は最初に操作(第1停止操作)すべきこと(第1停止操作)を示し、「2」の丸数字は2番目に操作(第2停止操作)すべきことを示し、「3」の丸数字は最後に操作(第3停止操作)すべきことを示している。さらに、操作すべき順序に応じて丸数字の大きさも異なっており、「1」の丸数字が最も大きく、「3」の丸数字が最も小さく、「2」の丸数字がそれらの中間の大きさで表示される。したがって、例えば獲得枚数表示器28に「=5」を表示して逆ハサミ押し(右→左→中)を指示した場合、画像表示装置70の画面において一番右側に最も大きい丸数字「1」が表示され、一番左側に2番目に大きい丸数字「2」が表示され、真ん中に一番小さい丸数字「3」が表示される。
獲得枚数表示器28によってメダルの投入枚数を指示する場合は、画像表示装置70の画面にメダルの投入枚数を指示するメッセージを表示する。例えば獲得枚数表示器28に「=A」を表示して2枚のメダルを投入することを指示した場合、画像表示装置70の画面に「2枚賭けせよ!」というメッセージを表示する。また、獲得枚数表示器28に「=C」を表示して3枚のメダルを投入することを指示した場合、画像表示装置70の画面に「3枚賭けせよ!」というメッセージを表示する。
本実施形態では、獲得枚数表示器28に、メダルの払出枚数と、エラーコード(後述する)と、遊技者に対する指示内容とを表示するため、遊技者に対する指示内容を表示する際には、メダルの払出枚数およびエラーコードを表示するときには表示されない「=」を表示することで、表示されている情報の種類(指示内容であるか否か)を遊技者が判断できるようにしている。したがって、獲得枚数表示器28に表示される他の情報との区別が付けば良く、例えば、上位桁に指示内容(1〜6,A,C)を表示し、下位桁を無表示としてもよい。このように、少なくとも数字以外の文字または記号と共に指示番号を表示することで、小役が入賞したときの払出枚数の表示とは区別することができる。ただし、必ずしも遊技者に対する指示であることを示す記号(「=」)と共に指示番号を表示する必要は無く、指示番号のみを表示するようにしてもよい。
また、押し順を指示するときの表示態様として、敢えて押し順を伏せていることを遊技者に示す場合は、「=0」を表示してもよいし、無表示としてもよい。無表示の態様としては、8セグメント表示器の全セグメント消灯させることなどが考えられる。ただし、8セグメント表示器の全セグメントのうち、有利区間ランプとして使用しているセグメントがあれば、そのセグメントは消灯させない。また、無表示の代わりに上位桁と下位桁の双方に「=」を表示してもよい。
さらに、遊技者に対して押し順を指示する態様として、例えば、押し順を示す数字を獲得枚数表示器28の上位桁に表示しておき、現に操作すべきストップスイッチを示す番号(例えば、左ストップスイッチ37Lは1番(「1」)、中ストップスイッチ37Cは2番(「2」)、右ストップスイッチ37Rは3番(「3」))を下位桁に順次表示するようにしてもよい。例えばハサミ押し(左→右→中)を指示する場合、抽せん手段110による抽せん後に獲得枚数表示器28の上位桁に「2」を、下位桁に左ストップスイッチ37Lを示す「1」を表示する。これにより遊技者が左ストップスイッチ37Lを第1停止操作すると、獲得枚数表示器28の上位桁に「2」を表示したまま、下位桁に右ストップスイッチ37Rを示す「3」を表示する。そして、遊技者が右ストップスイッチ37Rを第2停止操作すると、獲得枚数表示器28の上位桁に「2」を表示したまま、下位桁に中ストップスイッチ37Cを示す「2」を表示する。なお、上位桁に表示する内容(押し順)と下位桁に表示する内容(操作すべきストップスイッチ)とを入れ替えてもよい。
(入賞判定手段の説明)
図7に戻り、入賞判定手段140は、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、図6〜図9に示した図柄組合せのいずれかに対応するか否かを判定する。これにより、1BB−Aまたは1BB−Bの図柄組合せが入賞ラインLに表示されたと判定された場合は、次の遊技から表示された図柄組合せに対応するボーナス遊技が開始される。また、再遊技01〜再遊技06の図柄組合せが入賞ラインLに表示されたと判定された場合は、次の遊技で再遊技が行われ、入賞01〜入賞18の図柄組合せが入賞ラインLに表示されたと判定された場合は、表示された図柄組合せに対応する枚数のメダルが払い出される。ここで、メダルの払い出しは、クレジット枚数の上限値(例えば50枚)に達するまでは、入賞した小役に対応するメダル枚数を現在のクレジット枚数に加算し、クレジット枚数の上限(例えば50枚)に達した後は、図1に示したメダル払出口60からメダルを排出するようにしてもよい。
(異常検出手段の説明)
異常検出手段145は、遊技が行われていないときや遊技中にスロットマシン10で発生し得る異常な状態や遊技の進行の障害となる事態を検出し、検出した異常または障害(以下、まとめて「エラー」ともいう。)に対応するエラーコードを、獲得枚数表示器28に表示する。異常検出手段145が検出するエラーの種類には、電断復帰エラー、エンプティエラー、メダル詰まりエラーおよびドア開放エラーがある。
電断復帰エラー(エラーコード:E1)は、スロットマシン10の電源をON(以下、「オン」または「投入」ともいう。)したときに、主制御手段100のRWMの内容が正常でないとき(例えば、電源遮断時のRWMの内容と、電源投入時のRWMの内容とが一致しない(パリティチェックエラー)など)に検出されるエラーであるが、出荷後、初めて電源をONしたときにも検出され得る。エンプティエラー(エラーコード:CA)は、本体部12内のホッパーに貯留されているメダルが無くなったときに検出されるエラーである。メダル滞留エラー(エラーコード:C1)は、図3(a)に示した第1投入センサ811がOFF状態になった後、第2投入センサ812のON状態が所定時間を超えて継続した場合に検出されるエラーである。ドア開放エラー(エラーコード:Cd)は、スロットマシン10の前面扉14が開放されているときに検出されるエラーである。
また、これらのエラーが検出されると、検出されたエラーに対応するエラーコードが後述するLED表示制御手段150によって獲得枚数表示器28に表示され、エラーが発生したことが報知される。ここで、何らかの異常を検出したときに、検出した異常に対応するエラーコードを副制御手段200へ送信し、副制御手段200が受信したエラーコードに対応する報知を行ってもよい。
上述したエラーのうち、電源復帰エラーは、スロットマシン10の電源投入時に検出され得るエラーであり、エンプティエラー、メダル滞留エラーおよびドア開放エラーは、非遊技中(エンプティエラーは除く)および遊技中に検出され得るエラーである。また、各エラーが検出されると、主制御手段100は、遊技の進行が不可能な状態(以下、「遊技不可能状態」ともいう。)となるが、遊技不可能状態から遊技の進行を再開する方法(復帰する方法)は、エラーの種類に応じて異なっている。
まず、エンプティエラー、メダル滞留エラーまたはドア開放エラーが発生したことによって遊技不可能状態になった場合は、エラー要因が解消され、本体部12内に設けられた設定/リセットスイッチ82c(図2参照)を操作することによって遊技の制御処理が再開することができる。このように、エンプティエラー、メダル滞留エラーおよびドア開放エラーは設定/リセットスイッチ82cの操作によって遊技の制御処理を再開(復帰)させることができるため、復帰可能エラーと称する。
これに対して、電源投入直後に検出され得る電断復帰エラーが発生した場合は、一旦スロットマシン10の電源をオフにして、本体部12内に設けられたキースイッチ82b(図2参照)をオンにした状態で、電源の再投入を行う必要がある。これにより、設定変更処理の状態となり、このときRWMの所定の記憶領域がクリア(すなわちRWMが初期化)される。このように、電断復帰エラーは遊技の制御処理を再開(復帰)させることができないため、復帰不可能エラーと称する。
復帰不可能エラーが発生した時は、復帰時にRWMの所定記憶領域がクリアされ、クリアされた記憶領域に記憶されていた遊技に関する情報は維持されないため、初期状態(例えば、抽せん状態は非RT、区間種別番号SCは「0」(通常区間)、遊技状態番号GSは「0」(通常中))から遊技が行われることになる。このため、有利区間ランプが点灯している状態で復帰不可能エラーが発生した場合や設定変更作業を行った場合は、復帰したときに有利区間ランプが消灯することになる。
(LED表示制御手段の説明)
LED表示制御手段150は、主制御手段100のROMに記憶されたLEDセグメントテーブルに基づいて、クレジット数表示器27および獲得枚数表示器28(指示モニタでもある。)の表示制御を行う。LEDセグメントテーブルは、数字、アルファベット、記号などを8セグメント表示器に表示するために、各セグメントa〜g(図15(a)参照)のいずれを点灯させるのかを示すデータであり、換言すると、予め8セグメント表示器の表示態様を定めているデータともいえる。また、LED表示制御手段150は、有利区間ランプ(クレジット数表示器27の下位桁におけるセグメントDP)の点灯制御も行っている。なお、図1に示したATランプALPの点灯制御は、副制御手段200が行っている。
(制御コマンド送信手段の説明)
制御コマンド送信手段155は、主制御手段100の各部で決定された遊技に関する各種情報を副制御手段200へ送信する。主制御手段100と副制御手段200との間でやり取りされる情報は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から主制御手段100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。主制御手段100から副制御手段200へ送信される情報は、シリアル通信によって制御コマンドによって送信される。
制御コマンドは、送信する情報の種別を示す第1制御コマンド(1バイト)と、送信する情報の内容を示す第2制御コマンド(1バイト)とで構成されている。なお、シリアル通信に限らず、パラレル通信(例えば16本のハーネス)によって制御コマンドを送信してもよい。
主制御手段100から副制御手段200へ送信される制御コマンドによって送信される情報のうち、主要なものとしては、設定値に関するもの、遊技状態に関するもの、投入されたメダルの枚数に関するもの、抽せんの結果に関するもの、遊技区間の移行や有利区間内の性能(遊技状態)の移行制御に関するもの(遊技回数、遊技区間制御手段125内の各種カウンタの値や遊技状態の移行に関する各種抽せん結果など)、各種スイッチ操作に関するもの、リールの停止制御に関するもの、遊技の結果に関するもの、発生したエラーの種類を示すもの等がある。
遊技状態に関する情報としては、図13に示した各抽せん状態(非RT、1BB−A内部中、1BB−B内部中、1BB−A中、1BB−B中)および図14に示した区間種別番号SCと遊技状態番号GSを示す情報などがある。また、抽せんの結果に関するものとしては、演出グループ番号、ボーナス条件装置番号および指示番号などがある。また、各種スイッチ操作に関するものとしては、清算スイッチ33、スタートスイッチ36およびストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されたことを示す情報などがある。リールの停止制御に関するものとしては、停止表示させる図柄およびいわゆる滑りコマ数を示す情報などがある。遊技の結果に関するものとしては、停止表示させた図柄や払い出すメダル枚数を示す情報などがある。
エラーの種類を示すコマンドとしては、前述した異常検出手段145によって検出される、電断復帰エラー、エンプティエラーおよびドア開放エラーなどがある。これにより、副制御手段200がエラーの種類を示すコマンドを受信すると、受信したコマンドによって示されるエラーの種類に応じた画像表示や音声を発生する。例えば、副制御手段200がドア開放エラーが発生したことを示すコマンドを受信した場合、画像表示装置70に「扉が開いています」というメッセージを表示する。
また、副制御手段200は、前面扉14が開いているときに、本体部12内に設けられたキースイッチ82bがオンにされると、管理者モードへ移行する。この管理者モードは、遊技場のスタッフによってスロットマシン10に関する各種設定が可能となるモードであり、例えば、演出中に発生する演出音の音量調整、遊技待機画面を表示しているときの演出用ランプ72の点滅パターンのテスト、遊技者に対して遊技に関する各種情報を表示するか否かの選択が可能となる。
なお、演出音の調整や演出時におけるランプ類の光量調整については、管理者モードへ移行したときに表示装置70に表示されるメニュー画面に含まれている演出音の音量調整やランプ類の光量調整に対応した項目を選択することで、音量や光量を可能としてもよいし、管理者モードへ移行するとメニュー画面を経ることなく、選択スイッチ38を操作することで調整可能としてもよい。この場合、例えば選択スイッチ38の上下スイッチを操作することで演出音の増減を可能とし、左右スイッチを操作することでランプの光量の増減を可能としてもよい。
(外部信号送信手段の説明)
外部信号送信手段160は、主制御手段100において所定周期(2.235ミリ秒毎)で実行されるタイマ割込処理(後述する)により外部集中端子基板86を介して、前述したメダル投入信号、メダル払出信号、BB信号、および、AT信号等を外部へ出力する。本実施形態では、ボーナス役の図柄組合せ(図3参照)が入賞ラインL上に揃うとBB信号がオンになり、ボーナス遊技が終了するとBB信号がオフになる(レベル出力)。また、AT中へ移行するとAT信号がオンになり、AT中から他の遊技状態へ移行するとオフ状態となる(レベル出力)。上述した各種信号の出力処理(外部信号出力処理)は、図21に示すタイマ割込処理のステップS520で実行される。
(役比モニタの説明)
図10に示す役比モニタ103は、図16(a)に示すように4つの8セグメント表示器からなり、その表示内容は図2に示した主制御基板ケース102の役比モニタ表示窓YMから視認することができる。4つの8セグメント表示器のうち、上位2桁(図16(a)中、左側2つ)の8セグメント表示器は、比率表示部RAに表示された比率の種類(以下、「識別子」ともいう。)を表示する識別子表示部IDになっており、下位2桁(図16(a)中、右側の2つ)の8セグメント表示器は、各種の比率(後述する)を表す数値を表示する比率表示部RAになっている。
役比モニタ103には、(i)有利区間比率または指示込み役物比率、(ii)中期間連役比、(iii)中期間役比、(iv)累計連役比、(v)累計役比という5種類の情報が、1つずつ循環的に順次切り替えられて表示される。ここで、(i)有利区間比率または指示込み役物比率は、スロットマシンの仕様に応じていずれか一方が表示される。具体的には、有利区間移行抽せんにおいて、通常区間から有利区間へ移行する確率が設定値に応じて変動する仕様のスロットマシンにおいては指示込み役物比率を表示し、変動しない仕様のスロットマシンにおいては有利区間比率を表示する。本実施形態のスロットマシンは、通常区間から有利区間へ移行する確率が設定値に応じて変動する仕様であり、指示込み役物比率を表示するものとする。
(i)の有利区間比率は、識別子が「7U」であり、総ゲーム数に対する有利区間中のゲーム数の割合を2桁の百分率で表した値である。また(i)の指示込み役物比率は、識別子が「7P」であり、原則として直近の6000ゲーム中に払い出されたメダル枚数のうち遊技者に対して正解押し順が報知された遊技および役物作動中(1BB−A遊技、1BB−B遊技)に払い出されたメダル枚数の割合を、2桁の百分率で表した値である。
(ii)の中期間連役比は、識別子が「6y」であり、原則として直近の6000ゲーム中に払い出されたメダル枚数のうち第一種特別役物(いわゆるRB)の作動中に払い出されたメダル枚数の割合を2桁の百分率で表した値である。(iii)の中期間役比は、識別子が「7y」であり、原則として直近の6000ゲーム中に払い出されたメダル枚数のうち第一種特別役物、第二種特別役物(いわゆるCB)および普通役物(いわゆるSB)の作動中に払い出されたメダル枚数の割合を2桁の百分率で表した値である。本実施形態では、第二種特別役物および普通役物が搭載されていないため、中期間役比の値は(ii)の中期間連役比と同じ値になる。
(iv)の累計連役比は、識別子が「6A」であり、総ゲーム数で払い出されたメダル枚数のうち第一種特別役物の作動中に払い出されたメダル枚数の割合を2桁の百分率で表した値である。(v)の累計役比は、識別子が「7A」であり、総ゲーム数で払い出されたメダル枚数のうち第一種特別役物、第二種特別役物および普通役物の作動中に払い出されたメダル枚数の割合を2桁の百分率で表した値である。本実施形態では、第二種特別役物および普通役物が搭載されていないため、累計役比の値は(iv)の累計連役比と同じ値になる。
上述した各種情報は、指示込み役物比率(または有利区間比率)→中期間連役比→中期間役比→累計連役比→累計役比という順で、循環的に表示され、各情報は各々5秒間(許容差±10%)ずつ表示される。また、役比モニタ103に上述した各情報を表示しているときは、識別子表示部IDの下位桁側の8セグメント表示器において、小数点を表すセグメントDPを点灯させる。これにより、識別子表示部IDの表示態様は「7P.」→「6y.」→「7y.」→「6A.」→「7A.」→「7U.」→……と遷移し、比率表示部RAには表示された識別子に対応する百分率の値が表示される。
図16(b)に示す比率表示部RAの表示態様は、一例として有利区間比率(7U)が70%、指示込み役物比率(7P)が70%、中期間連役比(6y)が60%、中期間役比(7y)が70、累計連役比(6A)が60%、累計役比(7A)が70%であることを示している。なお、比率表示部RAに表示される百分率の値は小数点以下を切り捨てた値であり、算出された比率が100%であるときには、比率表示部RAに「99」が表示されるように制御される。
また、指示込み役物比率、中期間連役比および中期間役比を表示する際に、たとえば稼働を開始してから日が浅いなどの理由で、総ゲーム数が6000回に満たない状態であった場合は、識別子表示部IDに表示する識別子(「7P」,「6y」,「7y」)を点滅させる。また、有利区間比率、累計連役比および累計役比を表示するときに、総ゲーム数が17500回に満たない状態であった場合は、識別子表示部IDに表示する識別子(「7U」,「6A」,「7A」)を点滅させる。これらの場合における点滅表示は、点灯期間と消灯期間の合計時間が0.6秒間(許容差±10%)であり、点灯期間のデューティ比が50%とされる。すなわち、点灯期間が約0.3秒、消灯期間が約0.3秒となるように制御される。
なお、有利区間比率(識別子:7U)を表示するタイプのスロットマシンにおいて、例えば第一種特別役物、第二種特別役物、普通役物および第一種特別役物に係る役物連続作動装置を一切搭載されていなかった場合は、中期間連役比、中期間役比、累計連役比および累計役比を算出することができない。したがって、役比モニタ103の識別子表示部IDに表示される識別子は、前述したように「7U.」→「6y.」→「7y.」→「6A.」→「7A.」→「7U.」→……と遷移するが、情報が存在しない識別子に対応する比率表示部RAの表示態様は「−−」と表示される。ただし、「−−」と表示する代わりに、存在しない情報の表示を省略するようにしてもよい。例えば、普通役物は備えているが、第一種特別役物、第二種特別役物および第一種特別役物に係る役物連続作動装置を搭載していないスロットマシンの場合、役比モニタ103の表示内容を「7U.」→「7y.」→「7A.」→「7U.」→…と遷移させて、有利区間比率、中期間役比および累計役比の3種類の情報だけを表示するようにしてもよい。
また、役比モニタ103を構成する4つの8セグメント表示器は、スロットマシン10の電源が投入されると、不具合を起こしているセグメントの有無をチェックし易くするためのテストパターンの表示として、全セグメントが所定時間(例えば5秒間)点灯するようになっている。また、役比モニタ103に表示する各項目(前述した(i)〜(v))の演算処理が行われる直前に、電源断処理(後述する図31のステップS508参照。)が実行された場合、電源が復帰して上述したテストパターンを表示しつつ役比モニタ103に表示する各項目の演算処理を実行し、テストパターンの表示終了後に演算後の値を参照して役比モニタ103に表示するようにしてもよい。さらに、設定値を変更するための操作が行われたときに、役比モニタ103におけるテストパターンの表示を所定時間(例えば5秒間)行ってもよく、この間に役比モニタ103へ表示する各項目の演算処理を実行してもよい。
なお、ぱちんこ遊技機においても性能表示モニタという表示器を設け、役比モニタ103に類似する表示を行っている。ここで、スロットマシンにおける役比モニタと、ぱちんこ遊技機における性能表示モニタを、合わせて「管理情報表示LED」ともいう。性能表示モニタでは、遊技球を60000個発射するごとに、100個のアウト球に対するセーフ球の個数の割合(「ベース」ともいい、アルファベットの“B”で表す)の値を、前々回の60000個発射時のベースと、前回の60000個発射時のベースと、現在のベースとを、順次切り換えて循環的に表示する。この性能表示モニタにおいても、テストパターンの表示と、その間における表示する項目に関する演算処理とを、前述した役比モニタ103と同様に実行してもよい。
<主制御手段のRWMに記憶される情報の説明>
次に図17および図18を参照して、主制御手段100のRWMに記憶される各種情報の一部と、それら情報が記憶されるアドレスについて説明する。図17および図18に示す情報は、RWM記憶されるデータの一部を示すものであり、これらデータの他にも遊技を制御する上で必要となるデータがRWMに記憶されることはいうまでもない。図17はI/Oポートから取り込んだ各種信号の状態を示す情報であり、図18は各種タイマの値や抽せん手段110の抽せん結果、ステッピングモータ42L,42C,42Rを駆動制御するための各種情報である。なお、本実施形態に用いられているRWMは、各アドレスに1バイトのデータを格納することができる。また、図17および図18を参照して説明する際のアドレスの値は全て16進法の数で表記しており、アドレスを表す16進法の4桁の数値には、末尾に付与する「H」の文字を省略している。
また、図17および図18の「アドレス」欄において、16進法の4桁の数値で表すアドレス値の下に記載されたかっこ内の数値は、そのアドレスに記憶されているデータのバイト数を示している。本実施形態のRWMは、1つのアドレスに1バイト(8ビット)のデータしか記憶できないため、2バイトのデータをRWMに記憶するときは上位1バイトと下位1バイトに分けて、連続する2つのアドレスに各々記憶し、「アドレス」欄において2バイトのデータであることを示すために「(2)」と記す。
まず図17に示すように、アドレスF00Aには入力ポート0レベルデータが記憶される。具体的には、D0ビットは設定/リセットスイッチ82cのオン/オフ状態を表す設定/リセットスイッチ信号、D1ビットは設定キースイッチ82bのオン/オフ状態を表す設定キースイッチ信号、D2ビットはドアスイッチ44のオン/オフ状態を表すドアスイッチ信号、D5ビットは電源断検知信号、D6ビットは満杯検知信号の値を示す。
D0〜D2ビットにおける各スイッチ信号は、対応するスイッチがオンのときはその値が「1」となり、オフのときは「0」となる。D5ビットにおける電源断検知信号は、主制御基板上に設けられた電源監視回路(図示略)から出力されており、電源電圧が正常値であるときは「1」となり、電源電圧が所定値を下回ったとき(電源断を検知したとき)は「0」となる。D6ビットにおける電源断検知信号は、メダル補助収容庫84内にも設けられたメダル検出手段(図示略)から出力されており、メダル補助収容庫84に蓄積されたメダルが所定量以上になったときは「1」となり、所定量未満のときは「0」となる。なお、D3ビット、D4ビットおよびD7ビットは未使用である。
アドレスF00Bには入力ポート1レベルデータが記憶される。具体的には、D0〜D2ビットは各ストップスイッチのオン/オフ状態を示すスイッチセンサ信号に対応し、D0ビットは右ストップスイッチ27Rに対応する右ストップスイッチセンサ信号、D1ビットは中ストップスイッチ27Cに対応する中ストップスイッチセンサ信号、D2ビットは左ストップスイッチ27Lに対応する左ストップスイッチセンサ信号の値を示す。D3およびD4ビットは各ベットスイッチのオン/オフ状態を示す投入センサ信号に対応し、D3ビットは最大ベットスイッチ35に対応する3枚投入センサ信号、D4ビットは1−ベットスイッチ34に対応する1枚投入センサ信号の値を示す。
D5ビットは清算スイッチ33のオン/オフ状態を表す清算スイッチ信号、D6ビットはスタートスイッチ36のオン/オフ状態を表すスタートスイッチセンサ信号の値を示す。D0〜D6ビットにおける各スイッチ信号の値は、対応するスイッチがオンのときは「1」となり、オフのときは「0」となる。なお、D7ビットは未使用である。
アドレスF00Cには、入力ポート2レベルデータが記憶される。具体的には、D0ビットは回胴センサ43Lから出力される左リール回胴センサ信号、D1ビットは回胴センサ43Cから出力される中リール回胴センサ信号、D1ビットは回胴センサ43Rから出力される右リール回胴センサ信号の値を示す。各回胴センサ信号は、対応するリールのインデックス(後述する)を検出すると「1」となり、インデックスを検出していないときは「0」となる。
D3ビットは第1払出センサ47aから出力される第1払出センサ信号、D4ビットは第2払出センサ47bから出力される第2払出センサ信号の値を示す。各払出センサ信号の値は、図4に示した遮光部98bを検出すると「1」となり、遮光部98bを検出していないときは「0」となる。D5ビットは第1投入センサ811から出力される第1投入センサ信号、D6ビットは第2投入センサ812から出力される第2投入センサ信号、D7ビットは通路センサ813から出力されるメダル通路センサ信号の値を示す。これらのセンサ信号の値は、セレクタ80のメダル案内通路814を通過するメダルを検出すると「1」となり、メダルを検出していないときは「0」となる。
RWMのアドレスF00Dには、入力ポート2に入力された第1投入センサ信号および第2投入センサ信号の立ち下がりデータが記憶される。ここで、立ち下がりデータとは、対応する信号がオン状態からオフ状態に変化したときに1となり、対応する信号のオン/オフ状態が維持している(換言すると、変化しない)とき、および、オフ状態からオン状態に変化したときは0となるデータをいう。D0ビットには第1投入センサ信号、D1ビットには第2投入センサ信号の、各立ち下がりデータが記憶される。なお、D2〜D7ビットは未使用である。
RWMのアドレスF00Eには、入力ポート1に入力された各信号の立ち上がりデータが記憶される。ここで、立ち上がりデータとは、対応する信号がオフ状態からオン状態に変化したときに1となり、対応する信号のオン/オフ状態が維持している(換言すると、変化しない)とき、および、オン状態からオフ状態に変化したときは0となるデータをいう。D0ビットには右ストップスイッチセンサ信号、D1ビットには中ストップスイッチセンサ信号、D2ビットには左ストップスイッチセンサ信号、D3ビットには3枚投入センサ信号、D4ビットには1枚投入スイッチ信号、D5ビットには清算スイッチ信号、D6ビットにはスタートスイッチセンサ信号の、各立ち上がりデータが記憶される。なお、D7ビットは未使用である。
アドレスF00Fには、入力ポート2に入力された各信号の立ち上がりデータが記憶される。具体的には、D0ビットには左リール回胴センサ信号、D1ビットには中リール回胴センサ信号、D2ビットには右リール回胴センサ信号、D3ビットには第1払出センサ信号、D4ビットには第2払出スイッチ信号の立ち上がりデータ、D5ビットには第1投入センサ信号、D6ビットには第2投入センサ信号、D7ビットにはメダル通路センサ信号の、各立ち上がりデータが記憶される。
なお、入力ポート0〜2の各種信号は、後述するタイマ割込処理が行われるごとに読み取られ、アドレスF00A〜F00Fに記憶されている各ビットの値が更新される。また、アドレスF00EおよびF00Fに保存される各種立ち上がりデータの値は、対応する信号のレベルデータの変化(具体的には信号電圧がローレベルからハイレベルへ変化したとき)がタイマ割込処理で検出されると「1」にされ、次のタイマ割込処理で「0」に戻される。
次に図18に示すように、RWMのアドレスF03Aには「最小遊技時間(ウエイト時間)」の値が記憶される。この値は、前回の遊技でリールが回転を開始してから最小遊技時間(4.1秒間)を計時するための計数値が格納される。すなわち、リールが回転を開始するとこのアドレスに初期値が記憶され、後述するタイマ割込処理が行われる毎にデクリメントされ、値が0になると4.1秒が経過したことになる。本実施形態ではタイマ割込処理が2.235ミリ秒毎に行われるため、初期値として1835(D)が記憶される。また、前述したように、本実施形態のRWMは1つのアドレスに1バイトのデータしか記憶できないため、最小遊技時間の初期値(1835(D)=11100101011(B))を記憶する際は、下位1バイトの値(00101011(B))をアドレスF03Aに記憶し、上位1バイトの値(00000111(B))をアドレスF03Bに記憶させる。これにより図18の「アドレス」欄において、アドレス値の下に「(2)」と表記している。
アドレスF048およびF049には、それぞれ抽せん手段110による抽せんの結果、作動することとなった条件装置の番号が記憶される。具体的には、再遊技または入賞に係る条件装置が作動した場合は、図11のイ欄に示された数値がアドレスF048に記憶される。また、ボーナスに係る条件装置が作動した場合は、図11のウ欄に示された数値がアドレスF049に記憶される。なお、アドレスF048に記憶された値は、次の遊技が開始されるまでにリセットされるが、F049に記憶された値は、対応する図柄組合せが揃うまでは維持され、いわゆる「ボーナス持ち越し中(内部中)」となる。
アドレスF04E〜アドレスF056(厳密にはF057)には、左リール40Lを回転/停止させるステッピングモータ42Lを駆動制御するための各種データが記憶される。まずアドレスF04Eには、左リールの駆動状態、すなわち、ステッピングモータ42Lの現在の駆動状態番号が格納される。本実施形態では、図19に示すようにステッピングモータの回転開始から停止するまで6つの駆動状態があり、各駆動状態に対して番号(駆動状態番号)を付与している。具体的には、駆動状態番号「0」は「停止中」、「1」は「回転開始待機」、「2」は「減速中」、「3」は「減速開始」、「4」は「加速中」、「5」は「定速中」となっている。図10に示したリール制御手段115は、この駆動状態番号に基づいて現状に応じたステッピングモータの駆動制御を行っている。
「停止中」は、リールが停止している状態を示しており、このときステッピングモータは、4相すべての相が励磁されていない状態になっている。「回転開始待機」は、スタートスイッチ36が操作された後、ステッピングモータの加速処理を開始するまで待機している状態を示すものである。この待機期間は、リール駆動状態が「停止中」から「加速中」へ移行するまでの期間になっている。具体的には、リールの駆動状態が「加速中」になった時点から最小遊技時間(約4.1秒)が経過する前に、次の遊技のスタートスイッチが操作された場合は、「回転開始待機」の状態となる。
「加速中」は、リールが静止している状態から定速に至るまで加速している状態である。本実施形態では、「加速中」は図20に示す加速パターンに従って各ステッピングモータの励磁する相を切り替える。図20に示す加速パターンにおいて、「切替回数」は、ステッピングモータが定速に達するまでに励磁する相を切り替える回数を示している。したがって、図20の加速パターンでは、リールの停止状態から定速に達するまで励磁する相を9回切り換えることになる。また、「割込回数」はステッピングモータの各相に対して現在励磁している状態を維持する期間を示すものである。
例えば、1回転当たり336ステップのステッピングモータについて、図20に示す加速パターンに基づく加速処理を、約2.235ミリ秒ごとに実行されるタイマ割込処理によって行う場合、加速処理が開始されると「切替回数」の値が「9」となり、ステッピングモータの所定の相が励磁される。そして、50回のタイマ割込処理が行われると(すなわち約111.75ミリ秒が経過すると)、「切替回数」の値が「8」となり、励磁する相が切り替えられる。この励磁状態のままタイマ割込処理が14回行われると(すなわち約31.29ミリ秒が経過すると)、「切替回数」の値が「7」となり、励磁する相が切り替えられる。このようにして、図20の加速パターンにおいて「切替回数」の値が「1」になると、次のタイマ割込処理で(すなわち約2.235ミリ秒後に)励磁する相が切り替わり、駆動状態が「加速中」から「定速中」へ移行する。
「定速中」は、リールの回転速度が定速になっている状態であり、この状態では、ステッピングモータの励磁する相はタイマ割込処理が行われるごとに切り替わる。すなわち、1回転当たり336ステップのステッピングモータについて2.235ミリ秒周期でタイマ割込処理を行った場合は、回転速度が1/(2.235ミリ秒×336ステップ)×60=79.90(回転/分)となる。
「減速開始」は、遊技者によってストップスイッチが操作されてから、停止制御を開始するまでの状態を示すものである。「減速開始」の期間は、ストップスイッチが操作されたときに表示窓21の中段Mを通過している図柄(停止操作受付図柄ともいう)と、中段Mに停止させる図柄とに基づいて定まる。ここで、中段Mに停止させる図柄は、作動した条件装置に応じた停止制御テーブルや、ストップスイッチの押し順およびストップスイッチの操作タイミングなどに基づいて定められる。なお、本実施形態において「中段Mを通過している図柄」とは、上段Uの定位置を通過した直後から中段Mの定位置までの間に存在する図柄をいう。
「減速中」は、「減速開始」の期間が終了すると、リールの回転を停止すべくステッピングモータの4相すべてを励磁(すなわち4相励磁)し続ける状態である。そして、「減速中」へ移行してから所定時間が経過すると、前述した「停止中」の駆動状態へ移行する。
図18に戻り、アドレスF04Fには駆動パルス出力カウンタの値が記憶される。具体的には、対応するステッピングモータの各相について現在励磁している状態を維持する割込回数(例えば図20の「割込回数」の値)が格納される。ここで、割込回数の最大値は「90」になっているが、この値は駆動状態が「減速中」になっている期間(リールの回転を停止させるためにステッピングモータを4相励磁する期間)に対応している。
アドレスF050には駆動パルス切替え回数、すなわち、1つの駆動状態において励磁する相を切り替える回数(例えば図20の「切替回数」の値)が記憶される。アドレスF051には、1図柄のステップ数、すなわち、現在中段Mを通過している図柄番号のステップ数が記憶される。ここで本実施形態のステッピングモータは、336ステップで1回転し、1つのリールに20個の図柄が付されているため、16ステップの図柄が4個、17ステップの図柄が16個となる。ここでは、図柄番号「0」,「5」,「10」,「15」の図柄が16ステップの図柄で、その他の図柄番号が17ステップの図柄とする。アドレスF052には、図柄番号(通過位置用)、すなわち、現在、中段Mを通過している左リール40L上の図柄の図柄番号(停止操作受付図柄番号)が記憶される。ここで、スタートスイッチ36が操作され、ステッピングモータ42Lが回転を開始してから、回胴センサ43Lによってリール40Lのインデックスが検出されるまでの間は、FFHの値が記憶される。
アドレスF053には、図柄番号(停止位置用)、すなわち、ストップスイッチ37Lが操作されたときに、作動した条件装置の種類やストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序などに応じて、中段Mに停止させる図柄の図柄番号(停止図柄番号)が記憶される。なお、左リール40Lが回転を開始してからストップスイッチ37Lが未だ操作されていない場合など、中段Mに停止させる図柄番号が決定されていないときは、FFHの値が記憶される。アドレスF054には、回転不良検出カウンタの値、すなわち、ステッピングモータ42Lが定速で回転しているときに脱調を起こしたか否かを検出するためのカウント値が記憶される。このアドレスに記憶されている値は、左ステッピングモータ42Lが2ステップ回動するごとに値が1ずつ増加し、回胴センサ43Lによってリール40Lのインデックスが検出されると、記憶されている値が「0」にクリアされる。
本実施形態のステッピングモータ42L,42C,42Rの1回転当たりのステップ数は336であるから、タイマ割込処理が行われる毎に1ステップ回動する定速で回転しているときは、アドレスF054に格納された値の最大値は「168」となる。したがってこの値を超えた場合は、ステッピングモータの1回転当たりのステップ数と、1回転当たりの割込回数とに食い違いが生じ、脱調を起こしていることになる。しかしながら、ステッピングモータの脱調は様々な要因によって起こり得るため、脱調の判定を厳密にしてしまうと、遊技を行う上で問題とならない脱調が発生しても回転不良と判定されてしまい、スロットマシン10の稼働を低下させてしまう。そこで、本実施形態ではステッピングモータの1回転当たりのステップ数と、1回転当たりの割込回数と差に許容範囲を設けて、回転不良検出カウンタの値が「184」以内であれば脱調として扱わないようにしている。
アドレスF055には、駆動パルスデータ検索用カウンタの値が記憶される。この値は、リールが定速に達しているときにはタイマ割込処理が行われる毎に「1」つずつ増加し、「255」に達すると次のタイマ割込処理で「0」にクリアされる。そして、アドレスF055に記憶される値のうち下位3ビットの値(0〜7)は、ステッピングモータの各相のうち励磁する相を指定するデータとして用いる。本実施形態は、4相(φ0,φ1,φ2,φ3)のステッピングモータを1−2相励磁しているため、励磁する相は、φ0、φ0・φ1、φ1、φ1・φ2、φ2、φ2・φ3、φ3、φ3・φ0の8パターンある。これにより、0から7までの数値範囲内で、励磁する相のパターンに対して固有の値を対応付けることで、上述した下位3ビットの値によって励磁する相を指定することができる。
アドレスF056およびF057には、回転開始待機カウンタの値、すなわち、スタートスイッチ36が操作されてから図20に示した加速パターンに従って左ステッピングモータ42Lの加速処理を開始するまでの待機時間を計時するための値が格納される。この値は、タイマ割込処理が行われると「1」減算され、「0」になると上述した加速処理が開始される。したがって、通常の遊技では、スタートスイッチ36が操作されると「1」がセットされ、直後のタイマ割込処理で「0」となり加速処理が開始される。これに対して、フリーズを発生させる場合は、リールの回転開始を遅延させる時間に応じた数値がセットされる。
上述した駆動状態(F04E)、駆動パルス出力カウンタ(F04F)、駆動パルス切替え回数(F050)、1図柄のステップ数(F051)、図柄番号(通過位置用)(F052)、図柄番号(停止位置用)(F053)、回転不良検出カウンタ(F054)、駆動パルスデータ検索用カウンタ(F055)および回転開始待機カウンタ(F056,F057)は、左リール40Lに関するものであるが、中リール40Cおよび右リール40Rについても同様の情報が記憶されている(図示略)。
また、左リール40L、中リール40Cおよび右リール40Rに関する上述した各種情報について、各リール間で互いに対応する情報が格納されるアドレス番地は、一定の間隔を置いて設けられている。例えば、左リールの駆動状態はアドレスF04Eに格納され、中リールの駆動状態は、アドレスF04Eから10番地分離れたアドレスF058に格納される。さらに、右リールの駆動状態は、アドレスF058から10番地分離れたアドレスF062に格納される。また、左リールの回転不良検出カウンタはアドレスF054に格納され、中リールの回転不良検出カウンタはそこから10番地離れたアドレスF05Eに格納され、さらに右リールの回転不良検出カウンタはそこから10番地離れたアドレスF068に格納される。
≪副制御手段の説明≫
<副制御手段およびその周辺のハードウェア構成>
副制御手段200は、副制御基板202と、画像制御基板204とを含んで構成されている。副制御基板202は、CPU、ROMおよびRWM等で構成され、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて、実行する演出を制御する。画像制御基板204は、CPU、ROM、RWMおよびVDP(Video Display Processor)で構成され、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて、画像表示装置70、スピーカ64L,64R、および、演出用ランプ72などの演出手段を駆動する。なお、ATランプALPなどの一部の演出手段の駆動を副制御基板202が担ってもよい。
<副制御基板の機能ブロック>
副制御基板202は、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出または報知の内容を決定し、決定した演出または報知を実行するためのサブ制御コマンドを生成する演出制御手段210と、主制御手段100から送信された制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段220と、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを画像制御基板204へ送信するサブ制御コマンド送受信手段230とを含んで構成されている。
(演出制御手段の説明)
演出制御手段210は、遊技に応じた演出を制御する手段であって、演出抽せん手段212および演出状態制御手段214を含んで構成されている。ここで、遊技に応じた演出とは、設定値、抽せん状態(図13参照)、抽せん手段110による抽せんの結果、区間種別番号SC(図14参照)、遊技状態番号GS(図14参照)、遊技状態番号の移行に関わる各種カウンタ(図10参照)の値等や各種抽せんの結果などに応じた演出をいう。また、選択スイッチ38および決定スイッチ39が操作されたか否かを示すオン/オフ信号に応じて、遊技履歴に関する情報や、図6〜図9に示した各種図柄組み合わせ(以下、「配当組合せ」や「配当表」ともいう。)などを、画像表示装置70に表示する。
さらに、演出用スイッチ52が操作されたか否かを示すオン/オフ信号に応じて、前述した「特定演出」を実行しているときに演出用スイッチ52が操作された場合は、その操作に応じて実行中の演出内容を変化させる。ここで、選択スイッチ38、決定スイッチ39および演出用スイッチ52の各オン/オフ信号は副制御手段200に入力されて処理されるので、これらのスイッチをまとめて「サブスイッチ」ともいう。
演出制御手段210は、主制御手段100から受信した制御コマンドと、現在の演出状態とに応じた演出を抽せんによって決定する演出抽せん手段212と、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出状態の移行制御を行う演出状態制御手段214とを有している。ここで、演出状態制御手段214によって制御される演出状態は、主制御手段100における区間種別番号SC(0または1)および遊技状態番号GS(0〜5)に対応する演出状態を設け(ただし、必ずしも1対1で対応していなくてよい。)、演出状態制御手段214によって遊技区間制御手段125と同様の移行制御を行ってもよい。
(制御コマンド受信手段の説明)
制御コマンド受信手段220は、主制御手段100からシリアル通信で送信された制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に副制御手段200が有するコマンドバッファ(例えばRWMの記憶領域の一部)に蓄積していく。これにより、演出制御手段210は、コマンドバッファに蓄積されている制御コマンドのうち、最先に蓄積された制御コマンドに基づく処理を順次行っていく。
(サブ制御コマンド送受信受手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段230は、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを、所定周期(例えば1ミリ秒)ごとにシリアル通信によって画像制御基板204に送信する。また、サブ制御コマンド送受信手段230は、後述するサブ制御コマンド送受信手段240から送信されたコマンドを受信する。
<画像制御基板の機能ブロック>
画像制御基板204は、サブ制御コマンド送受信手段240と、画像/サウンド出力手段250とを含み、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて画像表示装置70、スピーカ64L,64Rおよび各種ランプ(ATランプALP、演出用ランプ72)を駆動制御し、演出制御手段210によって決定された演出を実行する。
(サブ制御コマンド送受信手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段240は、サブ制御コマンド送受信手段230からシリアル通信で送信されたサブ制御コマンドを受信し、受信したサブ制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に、サブコマンドバッファに蓄積していく。また、サブ制御コマンド送受信手段240は、画像制御基板204が正常に作動しているか否かを示すコマンドや、サブ制御コマンド送受信手段230から送信されたコマンドを正常に受信できたか否かを示すコマンドを、サブ制御コマンド送受信手段230に送信する。これにより、副制御基板202は、画像制御基板204で発生した異常を検知することができ、画像制御基板204がサブ制御コマンドの受信に失敗した場合は、そのサブ制御コマンドを再送することができる。
(画像/サウンド出力手段の説明)
画像/サウンド出力手段250は、画像制御基板204で生成された演出用の画像信号および音声信号を、画像表示装置70およびスピーカ64L,64Rへ出力する。これにより、画像表示装置70には演出画像が表示され、スピーカ64L,64Rから音声が発生する。一方、画像表示装置70およびスピーカ64L、64Rからは、正常に作動可能な状態であるか否かを示す正常作動信号が画像制御基板204(または副制御基板202)に対して出力される。正常作動信号が受信できない場合には、画像/音声信号を送ることなく保持してもよいし、遊技の進行に伴い破棄するようにしてもよい。
[制御手段による処理の説明]
≪主制御手段における制御処理の説明≫
以下、図15〜図21に示すフローチャートを参照して、主制御手段100が実行する遊技制御の処理内容について説明する。
<遊技進行メイン処理の説明>
まず、図21に示すフローチャート参照して、スロットマシン10で実行される遊技の進行の制御を行うための遊技進行メイン処理の内容について説明する。まず、主制御手段100は、遊技開始処理を行う(ステップS10)。この遊技開始処理では、遊技待機(いわゆるデモ画面を表示する状態)になるまでの時間の設定や、副制御手段200に対して、現在の設定値、遊技状況(次の遊技が再遊技やボーナス遊技中であるか否か)、現在の抽せん状態、現在の区間種別番号SCおよび遊技状態番号GSなどの情報が送信される。
次に主制御手段100は、遊技を行うためのメダルが投入されているか否かを判断する(ステップS12)。投入されたメダルがなかった場合は、判断結果がNOとなって、本体部12内に設けられたキースイッチ82bのオン/オフ状態に応じて現在の設定値を確認可能とする遊技メダル投入待機時表示処理を行う(ステップS14)。この遊技メダル投入待機表示処理では、キースイッチ82bがオフからオンに変化したことが検出されると、設定値の表示を開始することを示す設定値表示開始コマンドを副制御手段200へ送信するとともに、設定確認モードへ移行して、獲得枚数表示器28の下位桁に現在の設定値を表示する。このとき、獲得枚数表示器28の上位桁は消灯してもよいし、下位桁に設定値を表示していることを示す表示態様を表示してもよい。また、設定値を表示しているときに、キースイッチ82bがオンからオフに変化したことが検出されると、現在の設定値の表示を終了して、設定値の表示を終了することを示す設定値表示終了コマンドを副制御手段200へ送信する。なお、獲得枚数表示器28における設定値の表示を終了した後は、設定値を表示する前の表示内容に戻してもよいし、消灯してもよいし、「0」を表示してもよい。また、設定確認モードへの移行条件は、キースイッチ82bがオンになったことの他、前回の遊技で再遊技役が入賞していないこと、遊技扉14が開放されていること、設定/リセットスイッチ82cがオンにされたことなどのいずれかであってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。
ステップS12の判断結果がYESになった(メダルが投入されていた)場合、または、ステップS14の処理を終えると、主制御手段100は、メダルの投入に伴う処理(遊技メダル管理処理)を行う(ステップS16)。この処理としては、例えば、清算スイッチ33が操作された場合の清算処理、メダル投入口32に投入されたメダルの検出処理(詳しくは後述する)などが含まれる。次に主制御手段100は、スタートスイッチ36の操作が受付可能状態になり、かつ、スタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS18)。ここで、スタートスイッチ36の操作は、規定数のメダルが投入された場合または前回の遊技で再遊技役が入賞した場合に受付可能状態になる。また、2枚賭け遊技および3枚賭け遊技のいずれも可能な抽せん状態(具体的には非RT、1BB−A内部中および1BB−B内部中)においては、少なくとも2枚のメダルが投入された場合に受付可能状態になる。
ステップS18の判断処理で、スタートスイッチ36が操作されていない場合はステップS18の判断結果がNOとなって、ステップS12の処理に戻る。一方、スタートスイッチ36が操作された(YES)と判断したときは、セレクタ80のソレノイド45(図3(b),(c)参照)をオフにして、メダル投入口32からのメダル投入を無効にする(ステップS20)。そして、現在の設定値および抽せん状態に応じた抽せんテーブル(図12参照)に基づいて、作動する条件装置を決定するための抽せん処理を行う(ステップS22)。次いで、抽せんで決定された抽せん結果や、現在の区間種別番号SCおよび遊技状態番号GSに応じて図14に示した各種遊技区間および遊技状態の移行制御を行うための各抽せんが行われる遊技区間抽せん処理を行う(ステップS24)。この遊技区間抽せん処理では、後述する有利区間移行抽せん処理(図24参照)も行われる。
次に主制御手段100は、AT中(GS=2)において、抽せんによって入賞−A1〜A6のいずれかの条件装置が作動した場合は、作動した条件装置に対応する正解押し順を獲得枚数表示器28に表示するための指示表示処理を行う(ステップS26)。そして、遊技区間関連情報を副制御手段200へ送信する(ステップS28)。ここで、遊技区間関連情報は、現在の区間種別番号SC、遊技状態番号GSおよび抽せん状態における遊技に関する情報であり、例えば、遊技区間制御手段125が有する各カウンタの値、ATストック数、ステップS22の抽せん処理、およびステップS24の遊技区間抽せん処理で行われた各種抽せん結果に関する情報などが該当する。
次に主制御手段100は、抽せんで決定された入賞及び再遊技条件装置番号に応じて副制御手段200で実行される演出を指示するための演出グループ番号を生成するマスク処理を行う(ステップS30)。そして、抽せんの結果に応じたボーナス条件装置番号および演出グループ番号などの情報を含む抽せん関連情報を副制御手段200へ送信する(ステップS32)。次に主制御手段100は、リール40L,40C,40Rの回転を開始する前に行うリール回転開始準備処理を行った後(ステップS34)、リール停止管理処理を行う(ステップS36)。
このリール停止管理処理では、後述する図27に示すリール回転開始処理などを行って、リール40L,40C,40Rの回転を開始し、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールについて停止制御を行う。ここで、リールの停止制御は、入賞及び再遊技条件装置番号およびボーナス条件装置番号に基づいて行われる。また、ストップスイッチが操作される毎に、操作されたストップスイッチを示す情報や、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止したことを副制御手段200へ送信する。
次に、全てのリールが停止すると、主制御手段100は、図6〜図9に示した図柄組合せ(配当組合せ)のいずれかに一致するか否かを判断する表示判定処理を行い、表示判定処理の結果に基づいて、表示された図柄組合せに関する情報を副制御手段200へ送信する(ステップS38)。入賞ライン上に停止表示された図柄組合せが、小役の図柄組合せのいずれかに一致していた場合は、表示された図柄組合せに対応するメダル払出枚数をRWMの所定記憶領域に記憶する。そして、クレジットへの加算処理またはホッパーモータ46を駆動して、ホッパー83によりメダルを払い出すための払出処理(詳しくは後述する。)を行う(ステップS40)。また、クレジットへの加算またはメダルの払い出し開始時と、クレジットへの加算または払い出し終了時に、そのことを示す情報を副制御手段200に対して送信する。
そして、現在の抽せん状態に応じて、表示された図柄組合せの種類、ボーナス役に係る条件装置の作動の有無、ボーナス遊技が行われている場合はそのボーナス遊技の終了条件が成立したか否かの判断などに基づいて、図13に示した抽せん状態の移行処理を行う(ステップS42)。次いで、現在の区間種別番号SCおよび遊技状態番号GSに応じて、所定の条件装置の作動状況や、遊技状態番号GSの移行に関連する各種抽せん結果、ATストックの有無、遊技区間制御手段125が有する各カウンタの値などに基づいて、図14に示した遊技状態番号の移行を制御する遊技区間移行処理を行う(ステップS44)。この遊技区間移行処理では、後述する有利区間クリアカウンタ管理の処理(図29、図30参照)も行われる。
なお、ステップS44の遊技区間移行処理によって遊技状態番号GSが更新されたとしても、更新後の遊技状態番号GSに係る処理を実行するのは、次の遊技におけるスタートスイッチ36の操作時以降である。したがって、次の遊技でスタートスイッチ36が操作されるまでは、更新後の遊技状態番号GSに係る処理は実行しない。
次に主制御手段100は、外部集中端子基板86を介して外部へ出力する各種信号のオン/オフ制御や、副制御手段200に対して遊技が終了したことを示す情報の送信制御などの処理を含む遊技終了チェック処理を行う(ステップS46)。この遊技終了チェック処理において、今回の遊技の抽せん状態が非RTであり、3枚賭け遊技が行われていた場合は、遊技者に対して2枚賭け遊技を指示する「=A」の表示態様を指示モニタ(獲得枚数表示器28)に表示する。このとき副制御手段200は、画像表示装置70に「2枚賭けせよ!」というメッセージを表示する。
また、抽せん状態が1BB−B内部中のときに2枚賭け遊技が行われた場合は、その次に3枚賭け遊技が行われたときに3枚賭け遊技を指示する「=C」の表示態様を指示モニタに表示する。なお、このとき副制御手段200は、画像表示装置70に「3枚賭けせよ!」というメッセージを表示する。ここで、後述するように1BB−B内部中においては、2枚賭け遊技が行われたときは有利区間移行抽せんが行われないが、3枚賭け遊技が行われたときは有利区間移行抽せんが行われる。したがって、2枚賭け遊技が行われた場合、3枚賭け遊技を行うように遊技者に指示することで、遊技者にとってより有利な条件で遊技が行われるように誘導することができる。
ここで、メダルの投入枚数を指示するタイミングとしては、すべてのリールが停止した後からスタートスイッチ36が操作されるまでの間、より望ましくは、メダルの投入が可能となる前および再遊技の開始に伴う自動ベットが行われる前までが望ましい。このとき、小役の図柄組合せが表示されてメダルが払い出される場合は、獲得枚数表示器28に表示したメダルの払出枚数をクリア(具体的には消灯)した後、メダルの投入枚数に関する指示を表示するのが望ましい。ただし、獲得枚数表示器28を指示モニタとして流用せずに専用の指示モニタを設けた場合は、獲得枚数表示器28におけるメダルの払出枚数の表示に併行して、専用の指示モニタにメダルの投入枚数に関する指示を表示してもよい。
また、全リールが停止した後にフリーズを発生させるときに、次の遊技の投入枚数を指示するタイミングとしては、次の(ア)〜(ウ)が考えられる。なお、全リールが停止した後にフリーズを発生させる場合としては、例えば、ボーナス遊技やAT遊技などの特別遊技が行われた場合に、その最後の遊技が終了したときにエンディング画面(獲得枚数の表示を含む)を表示するためにフリーズを発生させる場合などがある。
(ア)全リール停止後、フリーズ開始前に投入枚数の指示を指示モニタに表示する。
この場合、遊技者をフリーズ中の演出(例えば上述したエンディング画面の表示)に集中させることができ、フリーズ中の演出に対する注意を逸らさせないという効果が期待できる。
(イ)フリーズ中に投入枚数の指示を指示モニタに表示する。
この場合、遊技者がメダルを投入する前に投入枚数を指示することができるので、遊技者が指示された投入枚数で遊技を行う可能性が高くなる。また、フリーズ中に指示を行うことで、時間を掛けて指示内容を確実に遊技者へ知らせることができる。なお、指示モニタへの表示制御は、後述するタイマ割込処理(図21)で行われ、このタイマ割込処理はフリーズ中も実行されるので、フリーズ中であっても指示モニタの表示制御は可能である。
(ウ)フリーズが解除されたときに投入枚数の指示を指示モニタに表示する。
この場合、フリーズ中に遊技者に対する指示が行われないため、遊技者をフリーズ中の演出に集中させることができ、かつ、次の遊技の開始直前にメダルの投入枚数を指示するので、遊技者が指示された投入枚数で遊技を行う可能性が高くなることが期待できる。
なお、また、非RTにおいて3枚賭け遊技が行われ、再遊技役が入賞した場合は、2枚賭け遊技の指示を行ったとしても、再遊技は3枚賭け遊技で行われてしまう(すなわち、再遊技においてメダルの投入枚数を変更することはできない)が、遊技者に2枚賭け遊技を行うべきだったことを気付かせることが期待できる。また、この場合、副制御手段200は、例えば画像表示装置70に、再遊技の次の遊技では2枚賭けをするように指示してもよい。また、これとは別に、そもそも再遊技役が入賞した場合は、再遊技における自動ベットが行われる前にメダル投入枚数の指示を実行しないようにしてもよい。
以上のような処理を行うことによって1回の遊技が終了すると、主制御手段100は、再びステップS10の遊技開始処理に戻って次の遊技のための処理を行う。
(投入されたメダルの検出処理の説明)
次に図21(遊技進行メイン)のステップS16(遊技メダル管理)で行われるメダルの検出処理について、図22および図23を参照して説明する。ここで、図22および図23では、メダルMが通過する過程を分かり易くするためセレクタ80を簡略化して図示している。また、図23に示す(a)〜(f)のタイミングは、図22の(a)〜(f)に各々対応している。まず、図1に示したメダル投入口32から投入されたメダルMは、遊技扉14の裏面に取り付けられたセレクタ80のメダル入口814a(図3(a)参照)からセレクタ内に入り、ほぼ垂直にメダル案内通路814を落下する。ここで、図22(a)に示すようにメダルMの全体がセレクタ80内に入り切った瞬間(正面視でメダルが視認できなくなった瞬間)を、便宜上、「メダル投入時」という。
メダル案内通路814に侵入したメダルMが、通路センサ813によって検出されるとメダル通路センサ信号が「1」となり、メダルMが通路センサ813の位置を通り過ぎて検出されなくなるとメダル通路センサ信号が「0」となる。メダル案内通路814は、図3(a)に示したようにほぼL字状になっているため、メダルMが通路センサ813の位置を通過するとメダル案内通路814は傾斜路となり、図22(b)に示すようにメダルMは第1投入センサ811に向けて転動していく。ここで、図23に示すように、メダル投入時から第1投入センサ811によってメダルMが検出されるまでは、第1投入センサ信号および第2投入センサ信号は、いずれもOFF(「0」)になっている。
そして、図22(c)に示すようにメダルMが第1投入センサ811によって検出されると、第1投入センサ信号のみがON(「1」)となって立ち上がり、さらにメダルMか転動すると、図22(d)に示すようにメダルMが第1投入センサ811のみならず、第2投入センサ812によっても検出される。これにより、第2投入センサ信号もON(「1」)となって立ち上がり、第1投入センサ信号および第2投入センサ信号は、いずれもON(「1」)になる。
そして、図22(e)に示すようにメダルMが第1投入センサ811を通過すると第1投入センサ信号のみがOFF(「0」)となり、第1投入センサ信号が立ち下がる。主制御手段100は、第2投入センサ信号がONになっている状態(アドレスF00CのD6ビットが「1」)で第1投入センサ信号の立ち下がりを検出する(アドレスF00DのD0ビットが「1」)と、投入されたメダルの加算処理を行う(図23参照)。例えば、投入されたメダルの枚数が規定数に達していなければ、投入されたメダルの枚数を1つ加算し、投入されたメダルの枚数が規定数に達していれば、クレジットしているメダルの枚数を1つ加算する。
さらにメダルMが転動して第2投入センサ812を通過すると、図22(f)に示すように第2投入センサ信号もOFF(「0」)となり、第2投入センサ信号が立ち下がって、第1投入センサ信号および第2投入センサ信号は、いずれもOFF(「0」)になる。主制御手段100は、第1投入センサ信号がOFFになっている状態(アドレスF00CのD5ビットが「0」)で第2投入センサ信号の立ち下がりを検出する(アドレスF00DのD1ビットが「1」)と、副制御手段200に対してメダルが投入されたことを示す制御コマンドを送信し、これにより、副制御手段200はスピーカ64L,64Rからメダルの投入音を発生させる(図23参照)。
このように、第1投入センサ信号および第2投入センサ信号がともにOFFになったタイミングでメダルの加算処理を行うのではなく、第1投入センサ信号および第2投入センサ信号がONになっている状態から第1投入センサ信号のみがOFFになったときに、メダルの加算処理を行うことで、投入されたメダルをより正確にカウントすることができる。すなわち、前述したように、スロットマシン10にクレジットすることができるメダルの枚数は50枚であるが、例えば49枚がクレジットされている状態で、50枚目と51枚目のメダルが連続してメダル投入口32に投入されたとする。
この場合、50枚目のメダルはセレクタ80のメダル出口814b(図3(a)参照)から受入通路81b(図2参照)へ通過させる必要があるが、51枚目のメダルはソレノイド45をOFFにして傾斜板831(図3参照)から返却通路81a(図2参照)へ落下させなくてはならない(図3(c)参照)。そのような状況で、第1投入センサ信号および第2投入センサ信号が共にOFFになったとき(より詳しくは、第1投入センサ信号がOFFの状態で第2投入センサ信号がONからOFFに立ち下がったとき)にメダルの加算処理を行ったとする。
このような加算処理を行う場合、たとえば50枚目と51枚目のメダルが連なってメダル案内通路814を通過したとすると、50枚目のメダルがカウントされたときにソレノイド45をOFFにしても、51枚目のメダルを傾斜板831に落下させることができるタイミングに間に合わず、メダル出口814bから受入通路81bへ通過してしまう虞がある。そして、そのようなことが生じた場合、51枚目のメダルはクレジットされず、かつ、遊技者に返却されないことになり、いわゆる「飲み込んで」しまうことになる。
したがって、本実施形態では少しでも早いタイミングでメダルの加算処理を行って、メダルのクレジット枚数が上限に達したときに、直ちにソレノイド45をOFFにして51枚目のメダルを返却通路81aに落下させることができるように(「飲み込んで」しまわないように)している。すなわち、第2投入センサ信号がONの状態で第1投入センサ信号が立ち下がったときに、メダルの加算処理を行うようにしている。ここで、図22(e)に示すように、第2投入センサ信号がONの状態で第1投入センサ信号が立ち下がった段階では、メダルMは未だ受入通路81bに達していない状態ではあるが、メダルMがこの位置まで到達すれば、その後、受入通路81bに至る可能性が極めて高いため、メダルの加算処理を行っても支障はない。
このように、第2投入センサ信号がONの状態で第1投入センサ信号が立ち下がったときにメダルの加算処理を行うことで、例えば、前述したメダル滞留エラー(第1投入センサ811がOFF状態で、第2投入センサ812が所定時間以上ON状態)が検出されたとしても、滞留したメダルに関する加算処理は既に行われているため、そのメダルを「飲み込んで」しまうことがない。
また、本実施形態では、第1投入センサ信号がOFFの状態で第2投入センサ信号が立ち下がったときにメダルの投入音を発生させているため、例えば、前述したメダル滞留エラーが発生した場合、投入音よりも先にエラー報知が行われるため、異常が起きたことを遊技者にいち早く知らせることができる。また、メダル滞留エラーが報知された後に、滞留していたメダルを取り除き、設定/リセットスイッチ82cを操作して復帰したことによって第2投入センサ信号が立ち下がったときに、メダルの投入音を発生させるようにすることで、滞留していたメダルが投入されたことを遊技者に知らせることができる。
なお、メダルの投入音は、メダルの加算処理と同様、第2投入センサ信号がONの状態で第1投入センサ信号が立ち下がったときに発生させてもよい。このようなタイミングで投入音を発生させることで、メダルの加算処理(例えば、クレジット数表示器27に表示するクレジット数の更新)と投入音とを一致させることができるので、遊技者に違和感を与えることがない。また、メダル滞留エラーが発生した場合、そのエラー報知が行われる前にメダルの投入音が発生するので、遊技者が投入したメダルの取り扱いについて安心感を与えることができる。また、このようなタイミングでメダルの投入音を発生させる場合は、第2投入センサ信号がOFFになってからスタートスイッチ36の操作を有効にするとよい。これにより、メダルの投入音と、スタートスイッチ36が操作されたことによって発生する演出音とが被ってしまうことがなくなり、いずれか一方の音が聴き取りにくくなってしまうのを避けることができる。
さらに、第2投入センサ信号がONの状態で第1投入センサ信号が立ち下がったときにメダル投入音を発生させる場合において、第1投入センサ信号と第2投入センサ信号とが共にON状態になっており、第1投入センサ信号が立ち下がる前(すなわち投入音が発生する前)にメダルが滞留してメダル滞留エラーが検出された場合は、滞留したメダルを取り除き、メダル滞留エラーを解除したときに、メダル投入音を発生させてもよい。
(有利区間移行抽せん処理の説明)
次に図21(遊技進行メイン)のステップS24(遊技区間抽せん処理)で実行される有利区間移行抽せん処理の内容について、図24に示すフローチャートを参照して説明する。この有利区間移行抽せん処理では、抽せん状態および遊技を行う際に投入されたメダル枚数に応じて通常区間から有利区間へ移行するか否かを決定するための抽せんを行う。
まず、主制御手段100は、現在の抽せん状態が非RTまたは1BB−B内部中のいずれかであるか否かを判断する(ステップS100)。現在の抽せん状態が非RTまたは1BB−B内部中のいずれでもなかった場合はステップS100の判断結果がNOとなり、図24の有利区間移行抽せん処理を終了する。これに対して、現在の抽せん状態が非RTまたは1BB−B内部中だった場合は、ステップS100の判断結果がYESとなり、次に主制御手段100は、今回の遊技が3枚賭け遊技であったか否かを判断する(ステップS102)。2枚賭け遊技であった場合は判断結果がNOとなり、図24の有利区間移行抽せん処理を終了する。
これに対して、3枚賭け遊技であった場合はステップS102の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図21のステップS22(抽せん処理)によって得られた抽せん結果が、有利区間移行抽せんの対象とされていたか否かを判断する(ステップS104)。すなわち、図21のステップS22の処理によって作動した条件装置が、有利区間移行抽せんを行う契機として予め定められていた条件装置(以下、「移行抽せん契機条件装置」ともいう。)であるか否かを判断する。ここで、本実施形態では、再遊技−B(スイカリプレイ)、再遊技−C(チェリーリプレイ)、入賞−A1〜A6(6択ベル)の条件装置が、移行抽せん契機条件装置に定められているものとする。
ステップS104において、作動した条件装置が移行抽せん契機条件装置でなかった場合、判断結果がNOとなり、図24の有利区間移行抽せん処理を終了する。これに対して、作動した条件装置が移行抽せん契機条件装置だった場合はステップS104の判断結果がYESとなり、作動した条件装置が再遊技−Bまたは再遊技−Cの条件装置だったか否かをさらに判断する(ステップS106)。作動した条件装置が6択ベルだった場合は判断結果がNOとなり、有利区間移行抽せんを行う(ステップS108)。この有利区間移行抽せんは、ハズレ、チャンスゾーン(以下、「CZ」ともいう。)またはATのいずれかを決定するものであり、AT→チャンスゾーン→ハズレの順に確率が高く設定されている。また、設定値の値が大きくなる程、チャンスゾーンまたはATとなる確率が高くなっている。
ステップS108で有利区間移行抽せんを行うと、次に主制御手段100は有利区間移行抽せんでハズレが決定されたか否かを判断する(ステップS110)。有利区間移行抽せんの結果がハズレとなった場合は判断結果がYESとなり、そのまま図24の有利区間移行抽せん処理を終了する。一方、有利区間移行抽せんの結果がチャンスゾーン(CZ)またはATとなった場合は、判断結果がNOとなり、後述するAT抽せん処理を行ってから(ステップS112)、図24の有利区間移行抽せん処理を終了する。
ステップS106において、作動した条件装置が再遊技−B(スイカリプレイ)または再遊技−C(チェリーリプレイ)だった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、有利区間移行抽せんの結果をATに決定する(ステップS114)。この場合、必ずATが決定される抽せんテーブルを用いて有利区間移行抽せんを行ってもよいし、有利区間移行抽せんを行わずに、有利区間移行抽せんの結果を記憶しているRWMのアドレスにATが決定されたことを示す情報を直接記憶させてもよい。そして、上述したステップS112のAT抽せん処理を行った後、図24の有利区間移行抽せん処理を終了する。
なお、ステップS108の有利区間移行抽せんでは、抽せん結果としてハズレも含まれていたが、ATまたはチャンスゾーンのいずれかを決定するもの(すなわち、有利区間への移行確率が100%)であってもよい。また、抽せん状態が非RTのときと1BB−B内部中のときとで、抽せん結果や抽せん確率が異なっていてもよい。本実施形態では、1BB−B内部中のときの有利区間移行抽せんでは、抽せん結果がハズレ、チャンスゾーンまたはATのいずれかとなるが、非RTではハズレまたはチャンスゾーンのいずれかしか決定されないものとする。この場合、1BB−B内部中のときにチャンスゾーンへ移行したときは遊技者にATへの移行に対する期待を高める演出を行うが、非RTのときにチャンスゾーンへ移行したときは演出上は通常中(GS=0)と同様の演出を行うことで(すなわち演出上は変化が生じない)、遊技者にチャンスゾーンへ移行したことが認識されにくくしてもよい。
また、抽せん状態が非RTのときと1BB−B内部中のときとで、遊技状態の移行先が異なる有利区間移行抽せんを行ってもよい。例えば、図14に示した有利区間(SC=1)に「非チャンスゾーン」(GS=6)という遊技状態を追加し、1BB−B内部中の有利区間移行抽せんでは、チャンスゾーンまたはAT中へ移行する可能性があるが、非RTの有利区間移行抽せんでは、非チャンスゾーンのみ移行し得るようにしてもよい。この非チャンスゾーンでは、通常中と同様の演出を行い、所定遊技回数が行われると再び通常中へ移行するようにしてもよい。
さらに、ステップS100の判断処理において、抽せん状態が非RTまたは1BB−B内部中のときに判断結果がYESとなって、有利区間移行抽せんが行われる可能性が発生していたが、非RTのときは判断結果がNOになるようにして、1BB−B内部中のときにだけ、有利区間移行抽せんが行われ得るようにしてもよい。
(AT抽せん処理の説明)
次に図25のフローチャートを参照して、図24のステップS112で行われるAT抽せん処理の内容について説明する。図24のステップS110の判断結果がNO(有利区間移行抽せんの結果がCZまたはAT)であった場合、またはステップS114の処理によって有利区間移行抽せんの結果がATにされた場合、主制御手段100は図25のAT抽せん処理を開始する。
AT抽せん処理を開始すると、まず主制御手段100は、有利区間移行抽せんの結果がATとなったか否かを判断する(ステップS120)。有利区間移行抽せんの結果がATだった場合はステップS120の判断結果がYESとなり、メイン遊技状態をATにセットする(ステップS122)。すなわち、区間種別番号SCを「0」から「1」へ更新するとともに、遊技状態番号GSを0から2へ更新する。そして、主制御手段100は後述するATゲーム数抽せん処理を行ってから(ステップS124)、図25のAT抽せん処理を終了する。
ステップS120の判断処理において、有利区間移行抽せんの結果がATではなかった場合は判断結果がNOとなり、主制御手段100はメイン遊技状態をCZにセットする(ステップS126)。すなわち、区間種別番号SCを0から1へ更新するとともに、遊技状態番号GSを0から1へ更新する。そして、図25のAT抽せん処理を終了する。
(ATゲーム数抽せん処理の説明)
次に図26のフローチャートを参照して、図25のステップS124で行われるATゲーム数抽せん処理の内容について説明する。図25のステップS122でメイン遊技状態がATにセットされると、主制御手段100は、図21(遊技進行メイン)のステップS22の抽せん処理による抽せん結果が確定役となった(確定役の条件装置が作動した)か否かを判断する(ステップS130)。ここで、確定役の条件装置は再遊技−C(チェリーリプレイ)の条件装置とする。再遊技−Cの条件装置が作動した場合はステップS130の判断結果がYESとなって、ATカウンタ128に初期値として100(D)をセットする(ステップS132)。
一方、再遊技−C以外の条件装置が作動した場合はステップS130の判断結果がNOとなって、ATカウンタ128に初期値として30(D)をセットする(ステップS134)。そして、ステップS132またはS134の処理によりATカウンタ128に初期値をセットすると、図26のATゲーム数抽せん処理を終了する。
なお、チャンスゾーンにおいては、毎ゲーム、図21に示す遊技進行メインのステップS24において、図24の有利区間移行抽せん処理と同様の処理が行われる。具体的には、ステップS104の判断処理が省略され、ステップS108における有利区間移行抽せんではATかハズレかの二者択一の抽せんが行われる。この有利区間移行抽せんにおけるATの当せん確率は、図24のステップS108における有利区間移行抽せんにおけるATの当せん確率とは別途定められたものであってもよい。このように、チャンスゾーンでは通常中よりもAT中へ移行する可能性が高くなっている。
(リール回転開始処理の説明)
次に図21(遊技進行メイン)のステップS36(リール停止管理)で行われるリール回転開始処理の内容について、図27を参照して説明する。まず主制御手段100は、回転を開始するリールがあるか否かを判断する(ステップS150)。例えば、規定数のメダルが投入されて、スタートスイッチ36が操作された場合は、3つのリール全てが回転を開始するリールとなる。回転を開始するリールがあった場合は判断結果がYESとなり、ストップスイッチ37L,37C,37Rの発光色を赤くするためのデータをRWMに記憶する(ステップS152)。ここで、全リールに対応するストップスイッチを赤く発光させるためのデータをRWMに記憶する理由は、以下のステップS154〜S174の処理を実行している間は、少なくとも遊技者によるストップスイッチの操作を受付けられない期間であり、それを遊技者に報知するためである。例えば左リール、中リールは定速に達しているものの、右リールについて脱調を検出したときは右リールのみ再度加速処理が実行されることになるが、このような場合であっても全リールについてストップスイッチの操作が受け付けられないことを報知する。
そして主制御手段100は、回転を開始するリールに対応したビットデータをCPUのAレジスタにセットする(ステップS154)。ここで、スタートスイッチ36の操作後に最初にステップS154の処理を行う場合は、左リール40L,中リール40C,右リール40Rの全てが後述するステップS162〜S168の処理によって加速処理を行うための初期化を行う対象となるため、ステップS160の処理でBレジスタにセットされたデータ11100000(B)をAレジスタに読み込む。ここでは、最上位ビットが右リール40Rに対応し、その1つ下位のビットが中リール40Cに対応し、さらにその1つ下位ビットが左リール40Lに対応している。
次にスロットマシン10に設けられたリールの個数(すなわち「3」)をCPUのBレジスタにセットして(ステップS156)、後述するタイマ割込処理(図31参照)の実行を禁止する(ステップS158)。そして主制御手段100は、以後の処理により右リール40R、中リール40C、左リール40Lの順に、加速処理を開始するための各種初期値をセットする。まず、CPUのレジスタにリールの駆動状態として駆動状態番号「1」(回転開始待機。図19参照)をセットする(ステップS162)。次に主制御手段100は、初期値をセットしているリールに対応するRWMのアドレスに記憶されている駆動パルス出力カウンタの値(左リールについてはF04F)およびリール駆動パルス切替え回数の値(左リールについてはF050)を初期化する(ステップS164)。
次に主制御手段100は、処理対象のリールに対応するRWMのアドレスに記憶されている図柄番号(通過位置用)の値(左リールについてはF052)および図柄番号(停止位置用)の値(左リールについてはF053)を初期値に更新する(ステップS166)。さらに主制御手段100は、処理対象のリールに対応するRWMのアドレスに記憶されている回転不良検出カウンタの値(左リールについてはF054)を初期値に更新する(ステップS168)。そして次の処理対象のリールについて、上述したステップS162〜S168の処理を行うために次のリールに関する各種駆動制御データが格納されているRWMのアドレス(例えば中リールであればF04E+A=F058)をCPUのレジスタにセットする(ステップS170)。
ここで、前述したステップS160の判断処理で、主制御手段100が回転を開始するリールではない(NO)と判断したときは、ステップS162〜S168の処理を行うことなく、直ちにステップS170の処理へ移行する。
そして、回転を開始する全てのリールについてステップS162〜S168の処理を行ったか否かを判断する(ステップS172)。初期値をセットすべきリールが残っていた場合は判断結果がNOとなり、主制御手段100は、再びステップS160の処理に戻り、次のリールについて各種初期値をセットする処理を行う。これに対して、回転を開始する全てのリールについて各種初期値をセットしたときは判断結果がYESとなって、ステップS158の処理で禁止したタイマ割込処理の実行を許可する(ステップS174)。
このように、ステップS162〜S168の処理によって各種初期値を設定する際にタイマ割込処理の実行を禁止しているのは、回転を開始する全てのリールについて初期値を設定し終わらないうちにタイマ割込処理が実行されて加速処理が開始されてしまうと、ステッピングモータを正常に加速させることができなくなる虞があるためである。例えば、ステップS166の処理を行っているときに、リール駆動パルス出力カウンタの値は初期化されたが、リール駆動パルス切替回数の値が初期化されていない状態で、タイマ割込処理が実行されて加速処理が行われてしまうと、ステッピングモータを本来の加速パターンに従って加速させることができなくなり、脱調などの回転不良を起こしてリールを定速へ移行させことができなくなる虞がある。そこで本実施形態では、一連の初期値を設定している間に加速処理が開始されないようにするため、ステップS158の処理によってタイマ割込処理の実行を禁止することで、支障なく加速処理を開始させることができる。
そして主制御手段100は、これから行う処理の対象となる左リール40Lを示すビットデータと、「加速中」を示す駆動状態番号「4」とを、CPUのレジスタにセットする(ステップS176)。具体的には、HLレジスタに左リールの駆動状態番号を格納しているアドレスF04Eをセットし、Bレジスタに00100000(B)(左リールを示すビットデータ)、Cレジスタに00000100(B)(駆動状態番号「4」)をセットする。なお、前述したステップS150の判断処理で、回転を開始するリールが無かった場合は判断結果がNOとなり、主制御手段100は、ステップS152〜S174の処理を行わず、直ちにステップS176の処理へ移行する。
次に主制御手段100は、左リール40Lが定速で回転中であるか否かを判断する(ステップS178)。具体的には、ステップS176の処理でHLレジスタにセットされたアドレス(F04E)に格納されているデータが「4」であるか否かを判断する。左リール40Lが定速で回転していた場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、左リールに対応するリール回転不良検出カウンタの値をRWM(アドレスF054)から取得して(ステップS180)、リールが正常に回転しているか否か、すなわち定速回転中に脱調を起こしていないかを判定する(ステップS182、S184)。具体的には、HLレジスタにセットされているアドレス値(F04E)に「6」を加算したアドレス値(F054)に記憶されているデータに基づいて判断する。そして、主制御手段100は、リール回転不良検出カウンタの値が「184」を超えていたときは、脱調を起こしたと判断する。このように、本実施形態では、リール回転不良検出カウンタの値と、所定値との比較という簡単な処理によってステッピングモータの脱調を判断することができる。
リールが回転不良を起こしていた場合はステップS184の判断結果がYESとなってステップS150の処理へ戻り、ステップS154の処理において、回転不良を起こしたと判断したリールのビットデータをCPUのレジスタにセットする。そして、ステップS156以降の処理を行うことで、当該リールについて再び加速処理を行うための初期値をセットする。ここで、Bレジスタの値が00100000(B)であることから、左リールのみ初期値がセットされるようになっている。例えば、中リールについて判定処理を行っているときは、Bレジスタの値が01000000(B)となることから、中リールのみ初期値がセットされる。また、右リールついて判定処理を行っているときは、Bレジスタの値が10000000(B)となることから、右リールのみ初期値がセットされる。
これに対して、ステップS184またはS178の判断結果がNOであった場合は、次のリールの駆動制御データが格納されているRWMのアドレスをCPUのHLレジスタにセットする(ステップS186)。ここで、ステップS178〜S190の処理は、左リールL→中リール40C→右リール40Rの順で行われるため、左リール40Lの処理が終了したときの「次のリール」は中リール40Cであり、中リール40Cの処理が終了したときの「次のリール」は右リール40Rとなる。
また、ステップS186の処理では、現在のセットされているHLアドレスの値に10(D)の値を加算することで、次のリールの駆動制御データが格納されているRWMのアドレスをセットする。例えば、上述した場合はCPUのHLレジスタにF04Eがセットされているため、これに10(D)(16進法で「A」)の値を加えてF058とし、中リールの駆動状態番号を格納したアドレスを指定する。なお、最後の右リールについてステップS178〜S184の処理を行った後に、ステップS186の処理を行ったときにも、HLレジスタにセットされている右リールの駆動状態番号を格納したアドレスF062に10(D)が加算されて以後の処理とは関係無いアドレスがセットされるが、そのアドレスに基づいて何らかの処理が行われることはないため、以後の処理に支障を来すことはない。
そして、上述した「次のリール」を示すビットデータをCPUのBレジスタにセットする(ステップS188)。具体的には、現在のBレジスタの値を上位ビット側に1ビットシフトさせる処理を行った値をレジスタにセットする。例えば、Bレジスタの値が00100000(B)であるとき、ステップS188の処理により上位ビット側に1ビットシフトされるので、Bレジスタの値は01000000(B)となる。また、Bレジスタの値が10000000(B)である場合(右リールについて処理を行った場合)は、ステップS188の処理によってBレジスタの値が00000000(B)となる。このとき、最上位ビット(第7ビット)の値は、「1」がシフトされることによって「0」となり、このシフト処理によって桁上がりが生じるため、フラグレジスタのキャリーフラグがオンとなる。
その後、全てのリールについて定速回転中の不良検出を行ったか否かを判断する(ステップS190)。当該判断処理は、本実施形態では前述したキャリーフラグがあったか否かによって判断している。つまり、ビット列を用いることで再度加速処理を実行しなければならないリールを特定することができる。さらに、当該ビット列により全リールの判定が完了したか否かを判断することができる。また、全リールを加速する場合(通常の加速処理)と、脱調等により特定のリールのみについて再度加速処理を実行する場合とで、同一の処理を用いることができるため、プログラム処理を簡素化できる。全てのリールについて定速回転中の不良検出を行っていない(NO)と、主制御手段100が判断したときは、ステップS178の処理へ戻り、ステップS186およびS188でセットしたアドレスとビットデータに基づいて、次のリールについて不良を起こしたか否かの検出を行う。そして、ソフト乱数の更新処理を行い(ステップS192)、図27に示したリール回転開始処理を終了する。
(ホッパーによるメダルの払い出しに関する説明)
次に図21(遊技進行メイン)のステップS40(払出処理)によってメダルが払い出されるときのホッパーの動作について、図28を参照して説明する。ここで、図28(a)〜(c)の各図は、図4と同じ位置から見た場合の払出機構部92を図示したものであるが、回転捕捉板91の図示を省略し、搬送路面94のうち遮光ベース98の周辺を破断して示している。
まず、メダル貯留部90に貯留されているメダルMは、回転捕捉板91の捕捉孔91a(図示略)から、搬送路面94、搬送板93の湾入部93aおよび回転捕捉板91の裏面で画成される隙間空間Sに保持される。図28(a)では、隙間空間Sの領域を大まかに示しており、かつ、図示を簡略化するため一箇所だけ示しているが、搬送板93に形成されている各湾入部93aについて隙間空間Sが形成されているのはいうまでもない。そして、上述した払出処理が開始され、ホッパーモータ46が駆動されると、搬送板93が図中、矢印の方向に回転し、保持されているメダルMが押進突起93bに押されて搬送路面94の外周面94aに沿って周回し、メダル排出口92aに繋がる排出路面95に向けて搬送される。
押進突起93bに押されたメダルMは、図28(a)に示すように、やがて初期状態にある固定ピンローラ96および可動ピンローラ97に当接するが、この状態では遮光ベース98は初期状態にあるため、遮光部98bが第1払出センサ47aを遮る位置にある。したがって、第1払出センサ47aから出力される第1払出センサ信号はON状態になっており、第2払出センサ47bから出力される第2払出センサ信号はOFF状態になっている。
図28(a)に示す状態から、さらに押進突起93bによって押圧力が加えられてメダルMが排出路面95へと押しやられると、図28(b)に示すように可動ピンローラ97が引張コイルバネ99の付勢力に抗しながら矢印方向に移動し、固定ピンローラ96との間隔が広がっていく。これにより遮光ベース98が徐々に回動していき、遮光部98bが第1払出センサ47aを遮光する位置から脱すると、第1払出センサ信号はON状態からOFF状態へ立ち下がる。また、この段階では遮光部98bが未だ第2払出センサ47bを遮光する位置に達していないため、第2払出センサ信号はOFF状態を維持する。
搬送板93がさらに回転し、図28(c)に示すようにメダルMの中心が固定ピンローラ96と可動ピンローラ97との各軸を結ぶ線に達すると、固定ピンローラ96と可動ピンローラ97との間は最も離れた状態となる。このとき、遮光部98bが第2払出センサ47bを遮光する位置に到達し、第2払出センサ47bから出力される第2払出センサ信号はOFF状態からON状態に立ち上がる。また、第1払出センサ信号はOFF状態を維持している。
そして、メダルMの中心が固定ピンローラ96と可動ピンローラ97との各軸を結ぶ線を超えると、引張コイルバネ99の弾性収縮力が遮光ベース98作用し、遮光ベース98が初期状態に戻るように回動させる。この遮光ベース98の動きによって、初期位置に戻ろうとする可動ピンローラ97がメダルMを弾き飛ばし、排出路面95を通ってメダル排出口92aから排出されたメダルMは、図2に示したメダル孔81dを通って図1のメダル払出口60から受け皿61へ排出される。
また、遮光部98bは、第2払出センサ47bを遮光する位置から脱した後、遮光ベース98が初期状態に戻ると第1払出センサ47aを遮光する位置に達する。これにより、第2払出センサ信号はON状態からOFF状態へ立ち下がり、遮光ベース98が初期状態に戻った後もOFF状態を維持する。また、第1払出センサ信号は遮光ベース98が初期状態に戻るとOFF状態からON状態に立ち上がり、以後、ON状態を維持する。
これにより、遮光ベース98が初期状態から1枚のメダルを排出して再び初期状態に戻るまでの第1払出センサ信号のON/OFF状態は、ON(OFF)→OFF(OFF)→OFF(ON)→OFF(OFF)→ON(OFF)と変遷する。ここで、かっこ内は第2払出センサ信号のON/OFF状態の変遷を示している。
なお、上述した実施形態では、第1払出センサ47aおよび第2払出センサ47bは、各々透過型フォトセンサから構成されるが、検知対象物(この場合メダル)からの反射光によりオンとなる反射型フォトセンサであってもよい。また、上述した実施形態では、回転捕捉板91および搬送板93を別部材で構成しているが、メダルを捕捉する捕捉孔と搬送する湾入部とが一体で成形された1つの回転部材により実現してもよい。
(有利区間クリアカウンタ管理の説明)
次に図21(遊技進行メイン)のステップ44(遊技区間移行処理)で実行される有利区間クリアカウンタ管理に関する処理の内容について、図29のフローチャートを参照して説明する。有利区間クリアカウンタ管理では、図10に示した有利区間カウンタ126および純増枚数カウンタ127の各カウント値を更新し、各カウント値が有利区間の終了条件を満たしたか否かを判断している。
まず、主制御手段100は、有利区間カウンタ126の値が記憶されているRWMのアドレスをHLレジスタにセットする(ステップS200)。ここで、有利区間カウンタ126の値は、通常区間においては常時0となっており、通常区間から有利区間へ移行したときに初期値として1500がセットされる。次に主制御手段100は、HLレジスタにセットされた値が示すRWMのアドレスから有利区間カウンタ126の値を読み出してAレジスタにセットし、その値から1を減算する(ステップS202)。
このとき、有利区間カウンタ126の値が2以上であれば単に値が1つ減るだけだが、有利区間カウンタ126の値が1だった場合は、そこから1が減算されて0となり、ゼロフラグがオフからオンになるが、キャリーフラグはオフのままとなる。また、有利区間カウンタ126の値が0だった場合は、そこから1が減算されるとキャリーフラグがオフからオンになるが、ゼロフラグはオンにはならない。なお、本実施形態ではキャリーフラグがオンになると、有利区間カウンタ126の値を0にする処理が行われる。
次に主制御手段100は、ステップS202の減算処理を行う前の有利区間カウンタ126の値が0だったか否かを判断する(ステップS204)。換言すると通常区間に滞在しているか否かを判断する。具体的には、キャリーフラグのオン/オフ状態に基づいてステップS204の判断処理が行われる。すなわち、減算処理の結果、有利区間カウンタ126の値が0になった場合、減算処理が行われる前の値は0または1ということになるが、前述したように、減算処理の前の値が1であればゼロフラグがオンになり、減算処理の前の値が0(すなわち通常区間に滞在中)であればキャリーフラグがオンになる。したがって、キャリーフラグがオンになっていた場合はステップS204の判断結果がYESとなり、後述するステップS230の処理へ移行する。
これに対してキャリーフラグがオフ(すなわち有利区間に滞在中)になっていた場合はステップS204の判断結果がNO(減算処理前の値は0以外)となり、次に主制御手段100は、ステップS202の減算処理によって有利区間カウンタ126の値が1から0に変化したか否かを判断する(ステップS206)。換言すると有利区間の終了条件が成立した遊技(すなわち、有利区間へ移行してから1500ゲーム目の遊技)であったか否かを判断する。この判断は、ゼロフラグのオン/オフ状態によって判断され、ゼロフラグがオンになっていた場合は、有利区間カウンタ126の値が1から0に変化したことを意味するため、ステップS206の判断結果がYESとなり、後述するステップS228の処理へ移行する。
これに対してゼロフラグがオフになっていた(すなわち有利区間の最終ゲームではない)場合は、ステップS206の判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、純増枚数カウンタの値を更新するための処理を行う。まず、RWMの所定記憶領域に記憶されている純増枚数カウンタ127の値を取得して、HLレジスタにセットする(ステップS208)。ここで、Hレジスタの値は純増枚数カウンタ127の値の上位1バイトを示し、Lレジスタの値は純増枚数カウンタ127の値の下位1バイトを示すものとする。
そして、今回の遊技で再遊技役の図柄組合せが入賞ラインLに表示されたか否かを判断する(ステップS210)。再遊技役の図柄組合せが入賞ラインLに表示された場合はステップS210の判断結果がYESとなって、後述するステップS226へ移行する。これにより、再遊技役が入賞した場合は純増枚数カウンタ127の更新処理が回避される。
一方、再遊技役の図柄組合せが入賞ラインLに表示されなかった場合はステップS210の判断結果がNOとなって、純増枚数カウンタ127の更新処理が行われる。まず、ステップS212〜S218の処理によって、今回の遊技におけるメダル投入枚数およびメダル払出枚数を純増枚数カウンタ127の値に反映させるための差枚数演算処理を行う。まず、今回の遊技で遊技者に払い出されたメダルの枚数(払出枚数)をRWMの所定記憶領域から読み出してAレジスタにセットする(ステップS212)。ここで、メダルが払い出されなかった場合はAレジスタに0がセットされる。そして、Aレジスタの値(払出枚数)をHLレジスタにセットされている純増枚数カウンタ127の値に加算する(ステップS214)。
次に、今回の遊技で遊技者が投入したメダルの枚数(投入枚数)をRWMの所定記憶領域から読み出してAレジスタにセットし(ステップS216)、HLレジスタの値からAレジスタの値(投入枚数)を減算する(ステップS218)。この減算処理によってHLレジスタの値が0未満になった場合は、キャリーフラグがオンになるとともに、少なくともHレジスタの最上位ビットの値が1となる。そして、減算処理の結果、HLレジスタの値が0未満になったか否かを判断する(ステップS220)。この判断は、キャリーフラグのオン/オフ状態に基づいて行ってもよいし、Hレジスタ(純増枚数カウンタ127の値の上位1バイト)の特定ビットの値に基づいて行ってもよい。
ここで、有利区間の終了条件が成立するのは純増枚数カウンタ127の値が2400(D)を超えたときである。すなわち、HLレジスタの値が0000100101100000(B)を超えたときであるため、通常であればHLレジスタ(より厳密にはHレジスタ)の上位4ビットの値が1になることはない。したがって、Hレジスタの上位4ビットのいずれか1つまたは複数の値が1であった場合に、ステップS218の減算結果が0未満になったと判断してもよい。
ステップS218の減算結果が0未満になった場合はステップS220の判断結果がYESとなり、HLレジスタの値をクリア(0)にして(ステップS222)、HLレジスタの値をRWMの所定記憶領域(純増枚数カウンタの値が記憶されているアドレス)に記憶する(ステップS224)。これに対してステップS218の減算結果が0未満にならなかった場合はステップS220の判断結果がNOとなり、ステップS222の処理を行わずにステップS224へ移行するため、ステップS218の減算結果の値がRWMの所定記憶領域に記憶される。
次に主制御手段100は、純増枚数カウンタ127の値が2400(D)(上限値)を超えたか否かを判断する(ステップS226)。具体的には、HLレジスタの値と2401(D)との比較演算を行い、HLレジスタの値の方が小さかった(上限値を超えなかった)場合はキャリーフラグがオフとなり、HLレジスタの値の方が大きかった(上限値を超えた)場合はキャリーフラグがオンとなる。なお、この比較演算によってHLレジスタの値が変化することはない。
前述したように、ステップS210の判断処理で、再遊技役が入賞した場合(判断結果がYES)はステップS212〜S224の処理が行われず、純増枚数カウンタ127の値が変わらないので、通常であればステップS226の判断結果はNOとなるはずである。しかしながら、何らかの不正行為によって純増枚数の値が変化させられてしまう虞もあるため、本実施形態では、再遊技役が入賞した場合であっても純増枚数カウンタ127の値が上限値を超えたか否かの判断処理を行うようにしている。
ステップS226の判断処理において、2401(D)の値よりもHLレジスタの値の方が大きかった場合は、純増枚数カウンタ127の値が上限値を超えたことを意味するため判断結果がYESとなり、主制御手段100はRWMに記憶されている有利区間に関する各種の情報(図13参照)をクリアする(ステップS228)。次に主制御手段100は、RWMの所定記憶領域に記憶されている区間種別番号SCの値が0(通常区間)であるか否かを判断する(ステップS230)。RWMに記憶されている区間種別番号SCの値が0でなかった場合は、ステップS230の判断結果がNOとなり、HLレジスタの値によって示されるRWMのアドレスに1500(D)の値を記憶して(ステップS232)、図29の有利区間クリアカウンタ管理の処理を終了する。
ここで、ステップS230の判断結果がNOとなり得るのは、ステップS204の判断結果がNOとなった場合だけである。より詳細には、前回の遊技においても有利区間カウンタ126の値が0でありながら、区間種別番号SCの値が有利区間を示す1になっていた場合であり、すなわち、当該遊技において通常区間から有利区間へ移行したことを意味することから、ステップS232の処理によって有利区間カウンタ126に初期値である1500(D)をセットするのである。また、この場合HLレジスタには、ステップS200の処理によって有利区間カウンタ126の値が記憶されているRWMのアドレスがセットされている。
また、前述したステップS226の判断結果がNOとなった(純増枚数カウンタ127の値が上限値を超えなかった)場合は、RWMに記憶されている有利区間カウンタの値おと有利区間に関する各種の情報とを維持したまま図29の有利区間クリアカウンタ管理の処理を終了する。また、ステップS230の判断結果がYES(区間種別番号の値が0(通常区間))となった場合は、有利区間カウンタ126に初期値をセットせずに図29の有利区間クリアカウンタ管理の処理を終了する。
(有利区間クリアカウンタ管理の変形例の説明)
次に、図29に示した有利区間クリアカウンタ管理の変形例を示す。図29に示した有利区間クリアカウンタ管理では、ステップS212〜S218に示したように、純増枚数カウンタ127の値に払出枚数を加算した後に投入枚数を減算している。これに対して、本変形例では、純増枚数カウンタ127の値から先に投入枚数を減算し、その後払出枚数を加算する。
以下、本変形例について図30に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、図30に示す有利区間クリアカウンタ管理では、図29の有利区間クリアカウンタ管理におけるステップS212〜S218の処理(純増枚数カウンタ127の値に各遊技での投入枚数と払出枚数とを反映させる処理)の代わりに、ステップS250〜S256の処理を行う点である。したがって、ステップS250〜S256以外のステップについては、図29の有利区間クリアカウンタ管理と同じ符号を付し、それらのステップに関する詳しい説明を省略する。
ステップS210の判断結果がNO(今回の遊技で再遊技役の図柄組合せが表示されなかった)と判断されると、主制御手段100は、今回の遊技で遊技者が投入したメダルの枚数(投入枚数)をRWMの所定記憶領域から読み出してAレジスタにセットし(ステップS250)、HLレジスタの値からAレジスタの値(投入枚数)を減算する(ステップS252)。
次いで、今回の遊技で遊技者に払い出されたメダルの枚数(払出枚数)をRWMの所定記憶領域から読み出してAレジスタにセットする(ステップS254)し、Aレジスタの値(払出枚数)をHLレジスタにセットされている純増枚数カウンタ127の値に加算する(ステップS256)。
ステップS256の処理を行うと、ステップS220へ進み、HLレジスタの値が0未満になったか否かの判断を行う。ここで、図29の有利区間クリアカウンタ管理では、キャリーフラグの値か、またはHレジスタの上位4ビットのいずれか1つまたは複数のビットの値が1になっているか否かで、HLレジスタの値が0未満になったか否かを判断することができたが、本変形例においてはキャリーフラグの値によってHLレジスタの値が0未満になったか否かを判断することはできない。
例えば、ステップS252の処理により、HLレジスタの値(純増枚数カウンタ127の値)から投入枚数を減算したときにHLレジスタの値が0未満になったとすると、キャリーフラグがオンとなる。そして、引き続きステップS256の処理により、HLレジスタの値に払出枚数が加算されたときにHLレジスタの値が0未満から0以上に変化した場合は、やはりキャリーフラグがオンとなる。したがって、キャリーフラグがオンになっている場合であっても、HLレジスタの値が0未満であるとは限らない。
また、ステップS252の処理により、HLレジスタの値(純増枚数カウンタ127の値)から投入枚数を減算したときにHLレジスタの値が0未満にならなかった場合は、ステップS256の加算処理によってHLレジスタの値が0未満になることはないので、キャリーフラグはオフのままである。一方、HLレジスタの値から投入枚数を減算したときにHLレジスタの値が0未満になった場合は、キャリーフラグがオンになるが、続いて払出枚数が加算されたときにHLレジスタの値が0以上にならなかった場合は、キャリーフラグがオフになる。したがって、キャリーフラグがオフになっている場合であっても、HLレジスタの値が0以上であるとは限らない。
以上のことから、キャリーフラグに基づいてステップS220におけるHLレジスタの値が0未満であるか否かの判断を行うことができないため、本変形例においてはHレジスタの上位4ビットの値に基づいてHLレジスタの値が0未満であるか否かを判断する。
なお、本実施形態では、有利区間中であってもAT中でなければ入賞−A1〜A6のいずれかの条件装置が作動したときに、その条件装置に対応する正解押し順を報知しないが、例えば、純増枚数カウンタ127とは別に、マイナスの値もカウント可能な純増枚数カウンタを設け、このカウンタの値に基づいて有利区間へ移行した後の所定ゲーム数の間の出玉率が特定の値を下回ったと判断された場合は、AT中でなくても有利区間に滞在していれば、入賞−A1〜A6のいずれかの条件装置が作動したときに、その条件装置に対応する正解押し順を報知してもよい。
また、例えば小役の押し順役として、ストップスイッチを特定の操作順序(例えば左→中→右)で停止操作したときは10枚のメダルが払い出される図柄組合せを表示し、所定の操作順序(例えば左→右→中)で停止操作したときは3枚のメダルが払い出される図柄組合せを表示し、それ以外の操作順序で停止操作したときは1枚のメダルが払い出される図柄組合せを停止操作のタイミングに応じて表示する(すなわち停止操作のタイミングによっては取りこぼす)条件装置を複数種類設けておく。そして、有利区間カウンタ126の値は上限に達していないが、純増枚数カウンタ127の値が上限に達する直前であった場合は、上述した条件装置が作動したときに、3枚のメダルが払い出される図柄組合せが表示される操作順序を指示する。このような指示を行うことで、3枚のメダルを投入して3枚のメダルが払い出される遊技が繰り返される(すなわち純増枚数が増加しない)ようになる。これにより、有利区間カウンタ126の上限値に達するまでメダルの消費を抑えつつ、ボーナスに係る条件装置が作動するのを待つことが可能となる。
これとは逆に、上述したマイナスの値もカウント可能な純増枚数カウンタの値に基づいて、有利区間へ移行した後の所定ゲーム数の間の出玉率が所定値を上回った場合は、たとえAT中であっても、入賞−A1〜A6のいずれかの条件装置が作動したときに、その条件装置に対応する正解押し順を報知しなくてもよい。
また、投入されたメダルの枚数に応じて有利区間中に行う処理の実行/不実行を制御してもよい。例えば、有利区間中において、3枚賭け(第1規定数)で遊技が行われた場合は、純増枚数カウンタ127およびATカウンタ128の更新処理を行い、2枚賭け(第2規定数)で遊技が行われた場合は、純増枚数カウンタ127の更新処理は行うが、ATカウンタ128の更新処理は行わないようにしてもよい。
また、AT中の終了条件を遊技回数でなく、AT中の純増枚数によって定める場合、AT中の純増枚数をカウントするためのカウンタ(仮に「AT純増枚数カウンタ」という。)を設けたとする。このような場合でも、有利区間中において、3枚賭け(第1規定数)で遊技が行われた場合は、純増枚数カウンタ127およびAT純増枚数カウンタの更新処理を行い、2枚賭け(第2規定数)で遊技が行われた場合は、純増枚数カウンタ127の更新処理は行うが、AT純増枚数カウンタの更新処理は行わないようにしてもよい。
上述したカウンタの更新処理以外にも、例えば、2枚賭け(第2規定数)で遊技が行われた場合は、有利区間カウンタ126および純増枚数カウンタ127の更新処理や、抽せん状態の移行制御は行うが、有利区間移行抽せん処理、指示モニタによる指示内容の表示制御、遊技状態番号の移行制御などは行わないようにしてもよい。
ここで、有利区間中において最大ベットスイッチ35が操作されたときはクレジットされたメダルから3枚のメダルが投入され、通常区間において最大ベットスイッチ35が操作されたときは2枚のメダルが投入されるようにしてもよい。この場合において、通常区間のときに先に1枚のメダルをメダル投入口32へ投入し、次いで最大ベットスイッチ35が操作されたときは2枚のメダルを追加投入して、3枚賭け遊技を実行可能にしてもよい。
<タイマ割込処理の説明>
次に、図31を参照して、主制御手段100において所定の周期ごとに実行されるタイマ割込処理の内容について説明する。このタイマ割込処理は、約2.235ミリ秒の周期で繰り返し実行され、各種8セグメント表示器およびLEDの表示制御処理、図10に示した操作手段300の各スイッチに対する操作の検出処理、副制御手段200に対する制御コマンドの送信処理、外部集中端子基板86に対する外部信号の出力処理、ステッピングモータ42L,42C,42Rの駆動制御処理(各種制御信号の生成および出力、乱数の値やタイマとして用いる各種カウンタ値の更新など)等の各種処理を行っている。
主制御手段100は、自己が備えるタイマカウント手段(タイマ回路)から割込要求信号(発生周期:約2.235ミリ秒)が出力されるごとに、図31に示すタイマ割込処理を開始する。タイマ割込処理が実行されると、図21の遊技進行メイン処理等において、実行していた処理の戻り番地等がスタック領域に記憶される。これにより、タイマ割込処理が終了した後に、スタック領域に記憶された戻り番地に基づいて、遊技進行メイン処理などで実行していた処理の続きから処理を再開することができる。
図31のタイマ割込処理が開始されると、まず、主制御手段100は、これから実行するタイマ割込処理の初期処理を行う(ステップS500)。例えば、CPUの各レジスタにセットされていたデータをRWMのスタック領域に格納し、これから行うタイマ割込処理中に、新たなタイマ割込処理が開始されないように割込禁止フラグをオンにする。
次に主制御手段100は、電源断検知信号に基づいて電源断(電源電圧が所定値よりも下回ったこと)が検知されたか否かを判断する(ステップS502)。この電源断検知信号は、主制御手段100が備えている電源監視回路(図示略)から出力されるものとする。この電源監視回路は、図32に示すように、スロットマシン10に供給される電源電圧の値を監視しており、正常な電源(電圧値Vcc)が供給されているときに何らかの原因で電源が遮断された場合、電源電圧が低下していき、その電圧値がV1になると電源断検知信号を出力する。そして、さらに電源電圧が低下していき電圧値がV2になった場合は、スロットマシン10はその作動を停止する。なお、図2に示した電源ユニット82は、電源断が発生してから電源電圧の値がV1に低下するまで、少なくともt2の時間(図32参照)を確保できるように設計されている。
ステップS502の判断処理において、電源断が検知された場合は判断結果がYESとなり、電源断が発生した回数をカウントする(ステップS504)。具体的にはRWMに記憶されていた変数CNTOFFの値に1を加算する。そして、変数CNTOFFの値が1を上回った(2以上になった)か否かを判断し(ステップS506)、変数CNTOFFの値が1を上回っていた場合は判断結果がYESとなって電断時に行う電源断処理を行う(ステップS508)。
この電源断処理を開始すると、まず、主制御手段100からスロットマシン10内の各装置へ制御信号等を出力するための出力ポート(後述するステップS522参照)の値をクリアする。この処理を行うことで、すべての出力ポートの全ビットの値が「0」となり、これにより、例えばセレクタ80ソレノイド45がオフになって、メダル投入口32へ投入されたメダルはレール部830から傾斜板831へ落下し(図3(c)参照)、返却通路81aを通って受け皿61へ返却されるようになる。
また、ホッパーモータ46が回転していた場合は、その回転が停止することになるため、搬送板93が惰性で回転してメダルがホッパー83から払い出されてしまうのを阻止することができる。さらに電源断処理では、SPレジスタ(スタックとして使用するRWMの記憶領域のアドレスを格納しているレジスタ)の値をRWMの所定アドレス(例えば前述したスタックポインタ一時記憶領域)に記憶し、電源断処理を行ったことを示す電源断処理済みフラグをセットし、RWMの所定アドレス範囲のチェックサムを算出して、その結果に基づいた値(2の補数)をRWMの所定の記憶領域に記憶する。また、RWMへのアクセスを禁止し、外部から入力されるリセット信号の待機状態となる。
ステップS502の判断処理で電源断が検出されなかった場合は、判断結果がNOとなり、前述した変数CNTOFFの値を「0」にリセットする(ステップS510)。このような処理を行うことで、例えば、電源断が検出されて(ステップS502,YES)、ステップS510の処理により変数CNTOFFの値が「0」から「1」に加算されたとしても、次の割込要求信号によってタイマ割込処理を行ったときに電源断が検出されなければ(ステップS502,NO)、電源断処理が行われることはない。
また、電源断が検出されなければステップS510の処理によって変数CNTOFFの値がリセットされるので、前回のタイマ割込処理で電源断が検出され、さらに今回のタイマ割込処理で電源断が検出されなければ(すなわち、電源断が2回連続して検出されなければ)、電源断処理が行われない。なお、電源断処理が行われることとなる電源断の連続検出回数は、2回に限らず適宜定めることができる。このように電源断が1回検出されただけでは電源断処理が行われないので、例えばノイズなどの影響によって電源が瞬間的に遮断された(すなわち電源断の状態から瞬時に復帰する)ような場合にまで電源断処理が行われてしまうのを避けることができる。
ステップS510の処理を行った後、または、ステップS506の判断結果がNOとなった場合は、主制御手段100は、クレジット数表示器27や獲得枚数表示器28などの表示制御を行うLED表示処理を実行する(ステップS512)。次に主制御手段100は、所定時間を計時するために汎用的に利用されるタイマの計数値を更新するタイマ計測処理を行う(ステップS514)。このタイマ計測処理では、主制御手段100のRWMにおける所定記憶領域に保存されている各種計時用のカウント値が減算される。これにより、例えば、遊技待機(いわゆるデモ画面を表示する状態)になるまでの時間や、最小遊技時間(4.1秒間)や、各種センサが検出している時間を計時することができる。
ここで、最小遊技時間は、規定数のメダルが賭けられた状況でスタートスイッチ36が操作された後にセットされる時間であって、時間値(カウント値)として1835(D)がRWMに記憶される。そして、記憶された時間値がタイマ割込処理が行われるごとに1ずつ減算されていき、時間値が「0」になる(2.235×10−3×1835=4.101225秒が経過する)まで、次の遊技を開始するためのスタートスイッチ36の操作があったとしても、リールを回転開始するための回転開始制御が実行されないようになっている。
また、各種センサの検出時間には、メダル投入口32から投入されたメダルがセレクタ80内で滞留(メダル詰まり)したか否かを判断するためのメダル通過時間を計測するためのタイマ値や、メダルがホッパー83内で滞留したか否かを判断するためのメダル通過時間等がある。さらに、クレジット数が上限(50枚)に達しているときに小役が入賞した場合には、小役に対応したメダルの払出枚数をホッパー83から払い出すが、このときメダルが払い出されていないか否かを判断するためのメダル未払い時間等もある。
次に主制御手段100は、入力ポートに入力された外部からの各種信号(操作手段300からのオン/オフ信号など)を読み込んでRWMの所定アドレスに各々保存する入力ポート読み込み処理を行い(ステップS516)、リール40L,40C,40Rの回転を制御するために、ステッピングモータ42L,42C,42Rの各々について、後述するリール駆動管理処理を行う(ステップS518)。そして、全てのステッピングモータについてリール駆動管理処理を行ったか否かを判断し(ステップS520)、全てのステッピングモータについてリール駆動管理処理を行っていない場合は判断結果がNOとなって、再度ステップS518のリール駆動管理処理を行う。
全てのステッピングモータについてリール駆動管理処理が行われると、ステップS520の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、RWMに記憶されているデータ等に基づいて、各種表示器の表示データや、各ステッピングモータ42L,42C,42Rに対する制御信号、ソレノイド45の駆動信号、ホッパーモータ46の駆動信号など、各種装置を制御するための信号を出力ポートから出力するポート出力処理を実行する(ステップS522)。
次に主制御手段100は、RWM内に設定されているリングバッファ領域に保存されている制御コマンドのうち、最先に保存された制御コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS524)。そして、外部集中端子基板86を介して外部へ出力する各種信号を出力する外部信号出力処理を行った後(ステップS526)、ステップS500の初期処理によってRWMの所定アドレス(スタック領域)に格納していた各種レジスタの値等を元に戻す復帰処理を行って(ステップS528)、図31のタイマ割込処理を終了する。
(電断検知時間とセレクタにおけるメダルの検出時間との関係について)
図32に示したように、本実施形態においては電源断が発生してから電源断が発生したと検知されるまで(換言すると、電源電圧がV1に低下するまで)時間t2を要する。また、図23に示したように、セレクタ80のメダル案内通路814を通過しているメダルMが第1投入センサ811に検出されて(第1投入センサ信号がON)から、第2投入センサ812によって検出されなくなる(第2投入センサ信号がOFF)まで時間t1かかっている。そして、本実施形態では時間t1が時間t2よりも短くなっている(すなわち、t1<t2)。
このような構成は、図23において第2投入センサ信号がON状態からOFF状態に立ち下がったときにメダルを加算処理を行う場合に次の様な長所がある。例えば第1投入センサ信号がOFF状態からON状態に立ち上がったときに電源断が発生した場合、第2投入センサ信号がON状態からOFF状態に立ち下がる前に電源断処理を開始してしまうと、検出したメダルに関する加算処理が行われず、またメダルを返却するためにソレノイド45をオフにするのが間に合わない(すなわち、メダルがセレクタ80を通過してホッパー83のメダル貯留部90に達してしまう)虞があり、その場合はメダルを「飲み込んで」しまうことになる。したがって、時間t1を時間t2よりも短くすることで、投入されたメダルについて確実に加算処理を行うことが可能となる。
なお、t1<t2の関係を実現する方法としては、例えば電源ユニット82において、コンデンサなどを用いて電源断が発生したときに電源電圧がVccからV1まで低下する時間を長引かせることでt2の長期化を図ったり、第1投入センサ811と第2投入センサ812との設置間隔を短くしたり、メダル案内通路814の傾斜角度を大きくするなどしてt1の短縮を図ったりすることが考えられる。
また、本実施形態では、メダル投入時(メダルMの全体がセレクタ80内に入り切った瞬間。図22(a)参照)から第1投入センサ信号がONになるまでの時間t1’(図23参照)が時間t2よりも長くなっている(すなわち、t1’>t2)。これにより、たとえばメダル投入時に電源断が発生した場合、第1投入センサ811がメダルを検出する前に電源断処理が開始されるため、メダルがセレクタ80を通過してしまう前に、ソレノイド45をオフにしてメダルを返却通路81aから受け皿61へ返却することができる。
さらに本実施形態では、図28(b)に示したように第1払出センサ信号がON状態からOFF状態に立ち下がってから、図28(b)に示したように第2払出センサ信号がOFF状態からON状態に立ち上がるまでの時間をt1”とした場合、t1”<t2の関係が成り立つようになっている。これにより、たとえばメダルを排出しようとしている途中で電源断が発生した場合、電源断処理が行われる前にそのメダルを払い出すことができる。これにより、図21に示した遊技進行メイン処理のステップS40(払出処理)において、実際にメダルが払い出されたにも関わらず、メダルの払出枚数がカウントされない(すなわち、遊技場側の損失につながる)という事態を回避することができる。
上述した電源断が発生してから電源断処理が開始されるまでの時間t2と、各種検出時間との関係については、ぱちんこ遊技機に対しても適用することができる。たとえば、いわゆる特別図柄の変動表示を開始させるための始動口(および/または大入賞口(いわゆるアタッカー))に遊技球が入球したことを検出してから、その遊技球がパチンコ遊技機から排出されたことを検知するまでの時間をtp1とした場合、tp1<t2の関係が成り立つようにする。
また、大入賞口の内部に設けられた特定領域(遊技球が通過すると大当たり終了後、確変状態となる領域)を、遊技球が通過したことを検出してから、その遊技球がパチンコ遊技機から排出されたことを検知するまでの時間をtp2とした場合、tp2<t2の関係が成り立つようにしてもよい。
このような構成にすることで、始動口および/または大入賞口への入球や特定領域の通過と同時に電源断が発生しても、電源断を検知するまでにそれら遊技球の排出をカウントできるため、入球もしくは通過した遊技球の数と排出された遊技球の数との整合性を保つことができる。
(リール駆動管理処理の説明)
次に図33に示すフローチャートを参照して、図31(タイマ割込処理)のステップS518で実行されるリール駆動管理処理の内容について説明する。図33に示すリール駆動管理処理では、リール40L,40C,40Rに対応する各ステッピングモータを、右ステッピングモータ42R→中ステッピングモータ42C→左ステッピングモータ42Lの順番で、個別に駆動制御を行っている。
図33のリール駆動管理処理を開始すると、主制御手段100は、CPUのレジスタにリールの個数(「3」)をCPUのCレジスタにセットする(ステップS540)。Cレジスタにセットした値は、リール40L,40C,40Rのうち、特定のリールを指定するデータとしても用いられる。ここでは、「1」のときは左リール40L、「2」のときは中リール40C、「3」のときは右リール40Rを指定している。
そして、リール制御データアドレスセット処理(ステップS542)を行うことによって、まず、右リール40Rに関する各種駆動制御データを格納しているRWMの先頭アドレス(具体的にはリール駆動状態番号を記憶しているアドレス)を指定するデータをCPUのHLレジスタにセットする。そして、HLレジスタにセットされたアドレスに基づいて、右ステッピングモータ42Rを制御するためのリール駆動制御処理を行い(ステップS544)、全てのステッピングモータについてステップS544のリール駆動制御処理を行ったか否かを判断する(ステップS546)。この判断処理は、Cレジスタの値(リールの個数としてセットされた値)から「1」減算する処理を行い、減算した結果が「0」か否か(ゼロフラグの値が「1」か否か)を判定する。
この時点では、Cレジスタの値は「2」となるから判断結果はNOとなり、再びステップS542のリール制御データアドレスセット処理を行う。ステップS542の処理で、主制御手段100は、中リール40Cに関する各種駆動制御データを格納しているRWMの先頭アドレスを指定するデータを、CPUのHLレジスタにセットする。これにより、主制御手段100は中ステッピングモータ42CについてステップS544のリール駆動制御処理を行った後、ステップS546の判断処理へ移行して、再び全てのステッピングモータについてステップS544のリール駆動制御処理を行ったか否かを判断する。
この時点では、ステップS546においてCレジスタの値は「1」となることからステップS556の判断結果はNOとなり、さらにステップS542のリール制御データアドレスセット処理を行う。そして、左リール40Lに関する各種駆動制御データを格納しているRWMの先頭アドレスを指定するデータを、CPUのHLレジスタにセットする。これにより、主制御手段100は左ステッピングモータ42LについてステップS544のリール駆動制御処理を行う。そして、Cレジスタの値は「0」となるからステップS546の判断結果がYESとなり、図33のリール駆動管理処理を終了して図31のステップS522(ポート出力処理)へ移行する。
(リール駆動制御処理の説明)
次に図34および図35に示すフローチャートを参照して、図33のステップS544で実行されるリール駆動制御処理の内容について説明する。このリール駆動制御処理は、前述したように、右リール40R→中リール40C→左リール40L(より具体的には、右ステッピングモータ42R→中ステッピングモータ42C→左ステッピングモータ42L)の順で、各リールについて各々実行される処理である。以下では、ステッピングモータの駆動状態番号ごとに駆動制御の処理内容を説明する。
(1)「停止中」のときのリール駆動制御処理
まず、主制御手段100は、RWMに格納されている、制御対象となるリールの駆動状態番号の値が「0」(停止中)であるか否かを判断する(ステップS550)。駆動状態番号「0」であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は図33のリール駆動制御処理を終了して図33に示したリール駆動管理処理のステップS546に示した判断処理を行う。
(2)「回転開始待機」のときのリール駆動制御処理
ステップS550の判断処理で、主制御手段100が駆動状態番号が「0」ではない(NO)と判断したときは、次に駆動状態番号が「1」(回転開始待機)であるか否かを判断する(ステップS552)。ここで、駆動状態が「停止中」から「回転開始待機」への移行は、図21の遊技進行メイン処理において、スタートスイッチ36の操作が受け付けられた後に行われるものとする。そして、駆動状態番号が「1」であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、回転開始待機カウンタの値が記憶されているRWMのアドレス(左リールの場合はF056)にアクセスし、記憶されている値から「1」を減算する(ステップS554)。
次に主制御手段100は、回転開始待機カウンタの値が「0」になったか否かを判断し(ステップS556)、「0」でなかったときは判断結果がNOとなり、図33のリール駆動制御処理を終了して図33に示したリール駆動管理処理のステップS546に示した判断処理を行う。これに対してステップS558の判断処理で、回転開始待機カウンタの値が「1」だった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、RWMの所定アドレス(左リールの場合はF055)に記憶されているリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値を補正する(ステップS558)。
この補正は次のような理由で行われる。物理的なリールが実際に停止しているステップ位置と、リール駆動パルスデータ検索用カウンタが示す値(パルス出力するための基本となるデータ)とは、相違していることがあり、相違していた場合はリールの加速がスムーズにいかず、リールが「ガクッ」とした動きを示す場合が多い。このため、ステップS558の補正処理において、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値を1ステップ分、減算することでリールをスムーズに加速させている。
次に主制御手段100は、副制御手段200に対してリールが回転を開始したことを知らせるためのコマンド(リール回転開始コマンド)の出力要求をCPUのレジスタにセットし(ステップS560)、リール回転開始コマンドをRWMのリングバッファに記憶する(ステップS562)。ここで、リングバッファに記憶されたリール回転開始コマンドは、図31に示したタイマ割込処理のステップS524(制御コマンド送信処理)の処理によって副制御手段200へ送信される。そして、CPUのレジスタに駆動状態番号「4」(加速中)をセットして(ステップS564)、現在リール駆動制御を行っているリール(以下、「制御対象リール」ともいう。)の駆動状態番号が記憶されているアドレスにアクセスし、記憶されている値(駆動状態番号)をステップS564でレジスタにセットされた値(「4」)に更新する(ステップS566)。
次に主制御手段100は、制御対象リールのリール駆動パルス出力カウンタの値が記憶されているアドレス(左リールの場合はF04F)にアクセスし、図27(リール回転開始処理)のステップS164で記憶されたリール駆動パルス出力カウンタの初期値から「1」を減算する(ステップS568)。そして、リール駆動パルス出力カウンタの値が「0」になったか否かを判断し(ステップS570)リール駆動パルス出力カウンタの値が「0」でなかった場合は判断結果がNOとなり、図34のリール駆動制御処理を終了する。この場合、ステップS566の処理によって駆動状態番号が「4」に更新されているため、次のタイマ割込処理が実行されたときは、駆動状態が「加速中」のリール駆動制御が行われる。なお、ステップS570の判断結果がYES(リール駆動パルス出力カウンタの値が「0」)になった場合の処理については次の「加速中」の処理において説明する。
(3)「加速中」のときのリール駆動制御処理
リール駆動状態が「加速中」(駆動状態番号が「4」)になっているときに図34のリール駆動制御処理を開始すると、まず、ステップS550およびS552の判断結果が共にNOとなり、ステップS566を経てステップS568の処理へ移行し、制御対象リールに対応するリール駆動パルス出力カウンタのアドレスに格納されていた値から「1」を減算する。そして、格納されている値が「0」(YES)と判断されるまで、タイマ割込処理が行われるごとにステップS550(NO)→S552(NO)→S566〜S570(NO)→リターンの処理を繰り返し実行する。
そして、リール駆動パルス出力カウンタの値が「0」になるとステップS570の判断結果がYESとなり、制御対象リールを駆動しているステッピングモータの全ての相をオフにするためのデータ(駆動パルスクリアデータ)と、リール駆動状態を「停止中」にするためのデータとを兼ねたデータを、CPUのレジスタにセットする(ステップS572)。具体的には00(H)のデータをレジスタにセットする。そして、このデータが駆動状態番号が記憶されているRWMのアドレスに記憶されると、「停止中」(駆動状態番号「0」)を意味することになる。また、このデータの下位4ビットを、ステッピングモータのφ0〜φ3の各相に対する励磁(「1」)/非励磁(「0」)の状態を指示するデータとして用いた場合は、全相の非励磁を指示する意味となる。
次に主制御手段100は、現在のリール駆動状態が「減速中」(駆動状態番号「2」)であるか否かを判断する(ステップS574)。ここでは、リール駆動状態が「加速中」になっているので、ステップS612の判断結果はNOとなり、制御対象リールのリール駆動パルス出力カウンタの値に「1」を加算して(ステップS580)、リール駆動状態が「定速中」であるか否かを判断する(ステップS582)。上述したように、リール駆動状態は「加速中」であるからステップS582の判断結果はNOとなり、制御対象リールに対応するステッピングモータに出力している駆動パルスを更新する(ステップS588)。
具体的には、制御対象リールのリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が記憶されているRWMアドレス(左リールの場合はF055)にアクセスし、記憶されている値に「1」を加算する。ここで、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値の下位3ビットは、駆動パルスデータとして用いられる。駆動パルスデータは、ステッピングモータの各相(φ0〜φ3)のうち励磁すべき相(励磁パターン)を指定するデータである。
本実施形態では、駆動パルスデータが0(H)のときφ3とφ0の励磁を指定し、1(H)のときφ0の励磁を指定し、2(H)のときφ0とφ1の励磁を指定し、3(H)のときφ1の励磁を指定し、4(H)のときφ1とφ2の励磁を指定し、5(H)のときφ2の励磁を指定し、6(H)のときφ2とφ3の励磁を指定し、7(H)のときφ3の励磁を指定するものとする。したがって、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が奇数のときは1つの相が励磁され、偶数のときは2つの相が励磁されることになる。このように、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値を「1」加算することで駆動パルスデータも更新され、その結果、制御対象リールに対応するステッピングモータが1ステップ分回動することになる。
次に主制御手段100は、制御対象リールのリール駆動状態が記憶されているアドレス値と、記憶させる値(駆動状態番号)として「5」(定速中)とを、CPUのレジスタにセットする(ステップS590)。そして、制御対象リールのリール駆動状態番号が記憶されているRWMアドレスにアクセスし、記憶されている値が「4」(加速中)であるか否かを判断する(ステップS592)。この時点ではリール駆動状態が「加速中」になっていることからステップS592の判断結果はYESとなり、制御対象リールのリール駆動パルス切替回数の値が記憶されているRWMアドレスにアクセスし、記憶されている値から「1」を減算する(ステップS594)。
そして、リール駆動パルス切替回数の値が「0」になったか否かを判断し(ステップS596)、「0」になっていなければ判断結果がNOとなって、ステップS590の処理でCPUのレジスタにセットされていたアドレスの値を、制御対象リールのリール駆動パルス出力カウンタの値が記憶されているRWMアドレスの値に更新する(ステップS598)。次に、ステップS594の処理によって「1」減算されたパルス切替回数をRWMから取得して(ステップS600)、主制御手段100内のROMに記憶されている加速パターン情報(図20参照)の先頭アドレス(図20において、切替回数「9」に対応する割込回数が記憶されているアドレス)の値をCPUのレジスタにセットする(ステップS602)。
そして、ステップS600で取得した切替回数に対応する割込回数が記憶されているROMアドレスをCPUのレジスタにセットする(ステップS604)。これにより、ROMから次の割込回数の値を取得して、ステップS598でセットしたRWMアドレスに記憶して(ステップS606)、図34のリール駆動制御処理を終了する。このステップS606の処理によって、ステップS580で「1」を加算されたリール駆動パルス出力カウンタの値は、ROMから取得した割込回数の値に更新される。
主制御手段100は、次のタイマ割込処理からステップS550(NO)→S552(NO)→S566〜S570(NO)→リターンの処理を繰り返し、ステップS570の処理で、ステップS606で更新されたリール駆動パルス出力カウンタの値が「0」になると、ステップS570の判断結果がYESとなって、前述したステップS572→S574(NO)→S580→S582(NO)→S588→S590→S592(YES)→S594→S596(NO)→S598〜S606→リターンの処理が行われ。これにより、図20に示した加速パターン情報における、次のリール駆動パルス出力カウンタおよびリール駆動パルス切替回数の値が更新される。
以上の処理により、例えば、図20に示した加速パターンに従ってリールを加速する場合、図27に示したリール回転開始処理のステップS164の処理により、RWMの所定アドレスに記憶されているリール駆動パルス出力カウンタの値が初期値として50(D)に更新され、リール駆動パルス切替回数の値が初期値として9(D)に更新される。そして、割込処理が許可されると以後に繰り返し実行されるタイマ割込処理において、ステップS550(NO)→S552(NO)→S566〜S570(NO)→リターンの処理を繰り返し、ステップS568の処理によって、リール駆動パルス出力カウンタの値が「1」ずつ減算される。
そして、加速を開始してから50回の割込処理が行われると、リール駆動パルス出力カウンタの値が「0」になり、ステップS570の判断結果がYESとなって、ステップS572→S574(NO)→S580→S582(NO)の処理を経て、ステップS588で制御対象リールに対応するステッピングモータに出力している駆動パルスが更新される。そして、ステップS590→S592(YES)となって、ステップS594でRWMに記憶されているリール駆動パルス切替回数の値が「1」減算されて「8」となる。その後、ステップS596(NO)→S598〜S604の処理を経てステップS606で、図20の加速パターンから、ステップS594によって更新された切替回数(「8」)に対応する割込回数(「14」)が読み込まれて、リール駆動パルス切替回数の値が「14」に更新される。そして、これらの処理をステップS596で切替回数が「0」となるまで繰り返す。
これにより、図36(a)に示すように、加速を開始してから111.75ミリ秒後に(すなわちタイマ割込処理が50回行われると)ステッピングモータが1ステップ分回動し、その31.29ミリ秒後に(すなわちタイマ割込処理が14回行われると)ステッピングモータが1ステップ分回動し、さらにその6.705ミリ秒後に(すなわちタイマ割込処理が3回行われると)ステッピングモータが1ステップ分回動する。その後、4.47ミリ秒経過する毎に(すなわちタイマ割込処理が2回行われる毎に)ステッピングモータが1ステップ分ずつ回動していき、切替回数が9回になると2.235ミリ秒後に(すなわちタイマ割込処理が1回行われると)ステッピングモータが1ステップ分回動して、加速処理が完了する。
図20の加速パターン情報において、最後の切替回数について処理を終えると、ステップS596の判断結果がYESとなって直ちにステップS606の処理を行う。すなわち、ステップS598〜604の処理を行わないため、CPUのアドレスには、ステップS590の処理によってCPUのレジスタにセットされた、制御対象リールのリール駆動状態が記憶されたアドレスの値と、駆動状態番号の値(「5」:定速中)とが、上書きされずに残っている。したがって、ステップS606の処理により、制御対象リールの駆動状態が記憶されているRWMアドレスに、駆動状態番号「5」が記憶されることになる。これにより、次のタイマ割込処理からリール駆動状態が「定速中」のときの駆動制御が開始される。また、このときステップS598〜604の処理が行われないため、リール駆動パルス出力カウンタの値もステップS580によって「1」加算された値(すなわち「1」)が維持される。
(4)「定速中」のときのリール駆動制御処理
リール駆動状態が「定速中」へ移行した次のタイマ割込処理で図34のリール駆動制御処理が行われると、ステップS550(NO)→S552(NO)→S566の処理を経て、ステップSS568の処理によってリール駆動パルス出力カウンタの値が「1」減算される。ここで、リール駆動状態が「加速中」のときに最後に行われたステップS580の処理によってリール駆動パルス出力カウンタの値が「1」になっていることから、「定速中」へ移行して最初のステップS568の処理によって、リール駆動パルス出力カウンタの値は「0」になる。これにより、ステップS570の判断結果がYESとなり、ステップS572の処理を経てステップ574の判断結果がNOとなって、ステップS580の処理によりリール駆動パルス出力カウンタの値が再び「1」になる。
次に、ステップS582の判断処理では、現在のリール駆動状態が「定速中」であることから判断結果はYESとなる。これにより主制御手段100は、制御対象リールのリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が記憶されているRWMアドレスにアクセスし、記憶されていた値が偶数であるか否かを判断する(ステップS584)。リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が偶数であった場合は、判断結果がYESとなり、主制御手段100は、RWMに記憶されているリール回転不良検出カウンタの値に「1」を加算する(ステップS586)。
ステップS584およびS586の処理により、制御対象リールに対応するステッピングモータが2ステップ分回動する毎に、リール回転不良検出カウンタの値が「1」ずつ増加することになる。これにより、ステッピングモータの1回転当たりのステップ数(「336」)が1バイトで表すことができる値(すなわち256)を超えていたとしても、リール回転不良検出カウンタの値を1バイトで管理することができる。なお、リール回転不良カウンタの値に「1」を加算する条件として、「回胴センサ信号の値が「0」のとき」という条件を追加してもよい。この条件を追加した場合、例えばインデックスの検出を、回胴センサ信号の立ち上がりでなく、レベルによって判断している場合、回胴センサがインデックスを検出している期間は回胴センサ信号の値が「1」の状態まま維持され、リール回転不良カウンタの値が増加しないため、その期間にリールが再加速されることはない。
ステップS586の処理を終えると、主制御手段100はステップS588およびS590の処理を行い、ステップS592で現在のリール駆動状態が「加速中」であるか否かを判断する。この時点では「定速中」になっていることから、ステップS592の判断結果はNOとなる。これにより、主制御手段100は図35のステップS610の処理へ移行し、制御対象リールに関する1図柄のステップ数(16または17)が記憶されているRWMアドレス値をCPUのレジスタにセットし、現在のリール駆動状態が「定速中」であるか否かを判断する(ステップS612)。現時点では「定速中」であることから判断結果がYESとなって、図31(タイマ割込処理)のステップS516の処理によって入力ポートから取り込まれ、RWMの所定アドレスに記憶された回胴センサ信号の値(「0」または「1」)を取得する(ステップS614)。具体的には、アドレスF00Cに記憶されている入力ポート2レベルデータおよびアドレススF00Fに記憶されている入力ポート2立ち上がりデータ(図17参照)を取得する。
そして主制御手段100は、入力ポート2立ち上がりデータを参照して、制御対象リールの回胴センサ信号が立ち上がったか否かを判断する(ステップS616)。このように、本実施形態ではリール駆動状態が「定速中」のときのみ回胴センサ信号の立ち上がりをチェックし、「加速中」、「減速開始」、「減速中」のときには、回胴センサ信号の立ち上がりをチェックしていない。
ステップS616の判断処理において、回胴センサ信号が立ち上がっていた場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、基準ステップ数の補正処理を行う(ステップS618)。具体的には、基準ステップ数補正値を決定し、決定した基準ステップ数補正値に基づいて基準ステップ数を生成して所定のRWMアドレスに記憶する。ここで、基準ステップ数とは、図柄番号「19」と図柄番号「0」との境界線の位置を「0」とし、ステッピングモータが1ステップ分だけ回動するごとに「1」ずつ増加していく値をいう(詳しくは後述する)。
上述した基準ステップ数補正値は、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が奇数だった場合は「3」となり、偶数だった場合は「4」となる。本来、回胴センサ信号の立ち上がり直後は、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が偶数または奇数のいずれか一方で一定しているはずである。しかしながら、回胴センサの精度の関係でインデックスの検出位置にばらつきが生じてしまうため、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が偶数であったり奇数であったりする。このようなばらつきに対応するために、上述したようにリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が偶数か奇数かに応じてセットする補正値を異ならせている。
次に主制御手段100は、リールのインデックスを検出した時の図柄番号(以下、「基準図柄番号」という。)を、中段Mを通過中の図柄としてRWMの所定アドレスに記憶納する(ステップS620)。ここで、本実施形態では、基準図柄番号を「0」としている。このように、本実施形態においては、制御対象リールのインデックスが検出されると、制御対象リールの回転位置に関する情報(具体的には、基準ステップ数および基準図柄番号)がRWMに記憶される。そして、制御対象リールのリール回転不良検出カウンタの値が記憶されているRWMアドレスにアクセスして、記憶されていた値を「0」に初期化し(ステップS622)、図35に示すリール駆動制御処理を終了する。
これに対して、ステップS616の判断処理で、制御対象リールに対応する回胴センサ信号が立ち上がっていなかった場合は判断結果がNOとなり、主制御手段100は、制御対象リールが回転を開始した後、インデックスを検出しているか否か(換言すると、回胴センサ信号が立ち上がったか否か)を判断する(ステップS624)。そして、回胴センサが未だインデックスを検出していなかった場合は判断結果がNOとなり、図35のリール駆動制御処理を終了する。これに対して、ステップS624の判断処理で、回胴センサがインデックスを検出済みであった場合は判断結果がYESととなり、主制御手段100は、制御対象リールに対応する基準ステップ数の値に「1」を加算し、1図柄のステップ数が記憶されているRWMアドレスにアクセスし、記憶されている値から「1」を減算する(ステップS626)。
次いで主制御手段100は、ステップS626の処理によって減算された値が「0」になった(すなわち、1図柄分回動した)か否かを判断し(ステップS628)、「0」になった場合は判断結果がYESとなって、1図柄分の所定ステップ数(ここでは「17」とする)を、制御対象リールに関する1図柄のステップ数が記憶されているRWMアドレス(左リールの場合はF051)に記憶する(ステップS630)。このとき、RWMに記憶する1図柄のステップ数を、前述した基準ステップ数に基づいて修正してもよい。
次に主制御手段100は、制御対象リールの図柄番号(通過位置)のアドレスに記憶されている値を、次の図柄番号の値に更新する(ステップS632)。そして、制御対象リールに関する1図柄のステップ数が記憶されているRWMアドレスの値をCPUのレジスタにセットし(ステップS634)、制御対象リールに関する図柄番号(通過位置)のアドレスに記憶されている値が、図柄番号「0」、「5」、「10」、「15」のいずれかであったときは、ステップS634でセットしたRWMアドレスにアクセスし、格納されている値(「17」)を「16」に補正する(ステップS636)。
ステップS636の処理を終えると、または、ステップS628の判断結果がNOになると、RWMに記憶されている図柄番号(通過位置)の値が、図柄番号(停止位置)の値と一致しているか否かを判断する(ステップS638)。双方の値が一致していなかった場合は判断結果がNOとなり、図35に示すリール駆動制御処理を終了する。ここで、図柄番号(停止位置)の値は、ストップスイッチが操作されたときに所定のRWMアドレスに記憶される。また、図示は省略するが、本実施形態ではリール駆動状態が「定速中」のときに停止させる図柄番号が決定されることがないような処理を行っているため、ステップS638の判断結果がYESになることはない。
このように、リール駆動状態が「定速中」になっているときは、ステップS550(NO)→S552(NO)→S566〜S574(NO)→S580〜S584(→S586)→S588〜S592(NO)→S610〜S616の処理を行って、1回のタイマ割込処理を行う毎に、制御対象リールに対応するステッピングモータを1ステップ分回動させていく。そして、制御対象リールに対応する回胴センサがリールのインデックスを検出したとき(ステップS616,YES)は、ステップS620およびS622の処理を行って図35のリール駆動制御処理を終了する。これに対して、制御対象リールに対応する回胴センサがリールのインデックスを検出していないとき(ステップS616,NO)は、ステップS624〜S638の処理を行って、中段Mを通過している図柄番号(通過位置用)を更新していく。
(各リールのインデックスと、その検出位置に関する説明)
ここで、リールのインデックスと、それを検出する回胴センサの取付位置について、図37を参照して説明する。図37(a)は、リールの図柄番号と、ステッピングモータのステップの値との対応を示す図であり、この対応は3つのリール全てにおいて共通である。図37(b)は、リールに形成されるインデックスIDXの位置を示す図であり、図中、矢印aはリールの回転方向(表示窓21内において図柄が移動する方向)を示している。
まず、本実施形態におけるステッピングモータは、1周当たりステップ数が336であり、基準ステップ数は、図37(a),(b)に示すように、図柄番号「19」と「0」との境界を「0」として、ステッピングモータが1ステップ回動するごとに「1」ずつ増加していき、1回転すると再び「0」となる値である。したがって、基準ステップ数の値が「1」増加する毎に、リールは約1.07゜(360゜/336)ずつ回動しており、基準ステップ数とリールの回転角度は対応しているといえる。
本実施形態では、図柄番号「0」、「5」、「10」、「15」の図柄領域の円周方向における長さは16ステップ分となっており、その他の図柄番号の円周方向における長さは17ステップ分となっている。したがって、各図柄番号に対して対応付けられる基準ステップ数の数値範囲は、図37(a)に示す通りとなる。また、各図柄番号の図柄領域の中央位置に対応する基準ステップ数は、一つ下流側の図柄番号との境界における基準ステップ数に「8」を加算した値となる。したがって、図柄番号「0」の図柄領域の中央位置に対応する基準ステップ数は「8」(0+8=8)となり、図柄番号「1」の図柄領域の中央位置に対応する基準ステップ数は「24」(16+8=24)となる。
本実施形態では、図36に示したように、回胴センサ信号が立ち上がると、基準ステップ数の補正処理が行われるが(ステップS616,YES→S618)、この補正処理が行われるタイミングについて図38を参照して説明する。
まず、図38(a)に示すように、リールが矢印bの方向に回転しているときに、図柄番号「19」の図柄領域の回転方向における中央位置が、表示窓21の中段Mの中央位置に到達すると、すなわち図柄番号「19」の図柄が定位置に到達すると、「基準ステップ数」の値が「327」となる。そして、その位置からリールが1ステップずつ回動していき、やがて図38(b)に示すように、回胴センサによってインデックスIDXが検出されると、換言すると、回胴センサが制御対象リールの所定の回転位置を検出すると、回胴センサ信号がOFF状態からON状態に立ち上がる。
また、図37(b)に示したように、インデックスIDXの回転方向における長さが約2ステップ分になっているため、回胴センサ信号が立ち上がってからリールが2ステップ分回動すると、回胴センサ信号は、ON状態からOFF状態へ立ち下がる。なお、例えばインデックスIDXの回転方向における幅を、リールの半周に亘る長さとし、回胴センサ信号が立ち上がってからリールが半回転したときに立ち下がるようにしてもよい。
回胴センサ信号がOFF状態からON状態に立ち上がると、図35のステップS618の基準ステップ数補正処理が行われる。ここで、図37(b)に示すように、インデックスIDXの検出開始端dsの位置は、図柄番号「19」と「0」との境界から3ステップ分、上流側の位置になっている。したがって、実際のリールの回転角度と、基準ステップ数の値とにズレが無ければ、基準ステップ数の値は「3」となるが、本実施形態では、インデックスが検出されたときに基準ステップ数の値を「1」加算ステップ数の加算処理を行っていないため、その分を勘案して基準ステップ数の値を「4」とする。
また、このとき、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値を参照し、その値が奇数だった場合は「基準ステップ数」の値を「3」にセットし、偶数だった場合は「4」にセットする。したがって、回胴センサ信号が立ち上がった直後に対応するストップスイッチが操作されると、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が奇数だった場合はステッピングモータが6ステップ分回動したところでリールが停止し、偶数だった場合は5ステップ分回動したところでリールが停止するような減速処理が行われる。これにより、1−2相励磁によってステッピングモータを駆動している過程で、2つの相を励磁するタイミングのときに、リールを減速させるための4相励磁を開始しないようにすることができる。
このように、本実施形態の回胴センサは、図柄番号「0」の図柄が中段Mの定位置に到達したときにインデックスIDXを検出する(すなわち回胴センサ信号が立ち上がる)のではなく、定位置に達する前(より具体的には、5ステップ分上流側に位置するとき)にインデックスIDXが検出される。このため、回胴センサによってインデックスIDXが検出された直後にストップスイッチが操作された場合でも、時間的な余裕を設けることができ、インデックスを検出した時点における図柄番号の図柄を中段Mの定位置に停止させることが可能となる。
また、図柄番号「0」の図柄が中段Mの定位置から5ステップ分上流側に位置しているときに、回胴センサによってリールのインデックスが検出され、その直後にストップスイッチが操作された場合は、図柄番号「0」の図柄を中段Mの定位置に停止させることができる。これにより、図35のステップS620(回胴センサ通過時基準図柄番号保存)は、RWMに記憶されている値を「0」にリセットするだけで済むため、クリア処理において、回胴センサリールの駆動制御処理を簡素化することができる。
(リールのインデックスの検出時に行う補正処理の変形例)
上述した図37および図38に示した例では、インデックスIDXの検出時に基準ステップ数の値を補正し、基準ステップ数に基づいて1図柄のステップ数を補正する構成としていたが、インデックスIDXの検出時に直接、1図柄のステップ数を補正するようにしてもよい。ここで、インデックスIDXの検出時に1図柄のステップ数を補正する場合について、図39および図40を参照して説明する。ここで、図39は、リールに形成されるインデックスIDXの位置を示す図であり、図中、矢印cはリールの回転方向(表示窓21内において図柄が移動する方向)を示している。また、図40は回胴センサによってリールのインデックスIDXが検出されるタイミングを説明するための説明図である。
なお、この変形例においても、ステッピングモータの1周当たりステップ数が336であり、図柄番号「0」、「5」、「10」、「15」の図柄領域の円周方向における長さは16ステップ分、その他の図柄番号の円周方向における長さは17ステップ分となっている。
本実施形態では、図35のステップS628〜S636を参照して説明したように、図柄が表示窓22における中段Mの定位置に到達すると、1図柄のステップ数の値が「0」となって、次の図柄番号に更新され、次の図柄番号の図柄が中段Mの定位置に到達するまでのステップ数がRWMに記憶される。また、図35のステップS616〜S620を参照して説明したように、回胴センサ信号の立ち上がりが検出されると、図柄番号は「0」とされる。したがって、各図柄番号における図柄の位置と、1図柄のステップ数の値との対応は、図39に示す通りとなる。すなわち、図柄番号「0」の図柄が中段Mの定位置に達すると、1図柄ステップ数の値が「0」となり、次の図柄番号の図柄が中段Mの定位置に到達するまでのステップ数(「16」)がRWMに記憶される。
この変形例においても、インデックスIDXの検出開始端dsの位置は、図柄番号「19」と「0」の境界から3ステップ分、上流側になっている。したがって、回胴センサ信号の立ち上がりが検出された時点における1図柄のステップ数の値は、図39に示すように「5」となる。以上を踏まえて、回胴センサがリールのインデックスIDXを検出したことにより、回胴センサ信号が立ち上がったときに1図柄のステップ数の値を補正する場合について図40を参照して説明する。
まず、図40(a)に示すように、リールが矢印dの方向に回転しているときに、図柄番号「19」の図柄領域の回転方向における中央位置が、表示窓21の中段Mの中央位置に到達すると、すなわち図柄番号「19」の図柄が定位置に到達すると、「1図柄のステップ数」の値が「0」となり、図柄番号「19」のステップ数である「17」がセットされて、図柄番号の値が次の図柄番号である「0」に更新される。そして、リールが1ステップずつ回動していく毎に「1図柄のステップ数」の値が「1」ずつ減算されていき、やがて図38(b)に示すように、インデックスIDXが回胴センサによって検出されると、回胴センサ信号がOFF状態からON状態に立ち上がる。
回胴センサ信号がOFF状態からON状態に立ち上がると、まず、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値を参照し、その値が奇数だった場合は「1図柄のステップ数」の値を「6」にセットし、偶数だった場合は「5」にセットする。したがって、回胴センサ信号が立ち上がった直後に対応するストップスイッチが操作されると、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が奇数だった場合はステッピングモータが6ステップ分回動したところでリールが停止し、偶数だった場合は5ステップ分回動したところでリールが停止する。これにより、1−2相励磁によってステッピングモータを駆動している過程で、2つの相を励磁するタイミングのときに、リールを減速させるための4相励磁を開始しないようにすることができる。
このように、変形例における回胴センサは、図柄番号「0」の図柄が中段Mの定位置に達する前(より具体的には、5ステップ分上流側に位置するとき)にインデックスIDXが検出される。このため、回胴センサによってインデックスIDXが検出された直後にストップスイッチが操作された場合でも、時間的な余裕を設けることができ、その時点における図柄番号の図柄を中段Mの定位置に停止させることが可能となる。
また、図柄番号「0」の図柄が中段Mの定位置から5ステップ分上流側に位置しているときに、回胴センサによってリールのインデックスが検出され、その直後にストップスイッチが操作された場合は、図柄番号「0」の図柄を中段Mの定位置に停止させることができる。これにより、図35のステップS620(回胴センサ通過時基準図柄番号保存)は、RWMに記憶されている値を「0」にリセットするだけで済むため、クリアするにおいて、回胴センサリールの駆動制御処理を簡素化することができる。
なお、本実施形態では、リールのインデックスを検出する位置を表示窓21の中段Mとしているが、上段Uであってもよいし、下段Dであってもよい。また、図柄番号「0」の図柄領域における中央位置が、中段Mの中央位置(すなわち定位置)に到達する前にリールのインデックスを検出可能(本実施形態の場合は5ステップ手前で検出)であれば、回胴センサの取付位置およびリールのインデックスの形成位置は、本実施形態に限定されるものではない。
また、図35のステップS616の判断処理で、回胴センサ信号が立ち上がったか否かを判断しているが、リールの駆動状態に関係なく、リールが1回転する間に回胴センサ信号が複数回立ち上がったとしても、異常発生時の処理を実行しないようにしている。特に「加速中」においてはステップS616の判断処理を実行しないため、「加速中」に回胴センサ信号が複数回立ち上がったとしても、主制御手段100は、そのことによって特別な処理を行うことはない。したがって、「加速中」に回胴センサ信号が複数回立ち上がったとしても、異常が発生したと判断されることはない。また、仮に「加速中」において回胴センサ信号の立ち上がりを判断するようにしたとしても、「加速中」に回胴センサ信号が複数回立ち上がったときに異常発生時の処理を実行しないようにするのが好ましい。
例えば、インデックスの位置が回胴センサの位置に接近した状態(より顕著な例としては、回胴センサがインデックスを検出した位置)でリールが停止したとする。この状態で、次の遊技が開始されて、そのリールが回転を開始したときに、加速初期時におけるステッピングモータの不安定な動作によってリールの動きにブレが生じ、その結果、回胴センサがインデックスを複数回検出してしまう虞がある。
したがって、リールが1回転する間に回胴センサ信号が複数回立ち上がったとしても、異常発生時の処理を実行しないようにすることで、例えばリールの回転開始時に、リールにブレが生じたとしても異常が発生したとみなされることがなく、また、異常が発生したことにより、遊技が中断されてしまうこともない。これにより、ステッピングモータの駆動制御に関して設計上の余裕ができるとともに、スムーズな遊技の進行が可能となる。
また、前述したステップS616で説明したように、本実施形態では「加速中」、「減速開始」、「減速中」のときには、回胴センサ信号の立ち上がりをチェックしていないが、例えば「加速中」に回胴センサ信号の立ち上がりをチェックしてもよい。このようにした場合、より早い段階でストップスイッチの操作を有効(換言すると、受け付け可能な状態)にすることが可能となる。例えば、リールの回転速度が定速に達し、かつ、回胴センサ信号の立ち上がりが検出されたことを条件に、ストップスイッチの操作を有効したとする。
このとき、「加速中」は回胴センサ信号の立ち上がりをチェックしない場合は、例えば加速中に(すなわち定速に到達する前に)回胴センサがリールのインデックスを検出したとしても、リールが定速に到達し、その後、回胴センサがリールのインデックスを検出するまで、ストップスイッチの操作が有効にならない。したがって、リールが定速に達した後、リールがほぼ1回転した後に有効化されることになる。これに対して、「加速中」にも回胴センサ信号の立ち上がりをチェックするようにすれば、加速中に回胴センサがリールのインデックスを検出した場合、リールの加速が終了して定速に達したときに、ストップスイッチの操作を有効にすることができる。
ここで、「加速中」に回胴センサ信号の立ち上がりをチェックするように構成する場合において、所定の加速パターンに従ってリールの加速処理を行っている途中で回胴センサ信号の立ち上がりを検出した場合、基準図柄番号の記憶処理やリール回転不良検出カウンタの初期化を行った後に、引き続き検出時の状態から加速処理を再開させようとすると、加速処理に関する各種の値を検出時の状態に戻すために煩雑な処理を行わなくてはならない。
したがって、そのような場合に加速処理を再開するときは、加速パターンの予め定められた状態から加速処理を再開するとよい。例えば、「加速中」に回胴センサ信号の立ち上がりを検出したときは、図20に示した加速パターンにおいて、「切替回数」の値が「7」の状態から加速処理を再開すると定めたとする。この場合、例えば図36(b)に示すように、6回目の切替回数(すなわち「切替回数」の値が「4」)のときに、回胴センサ信号の立ち上がりが検出された場合は、次のタイマ割込処理で、「切替回数」の値が「7」の状態から加速処理を再開するようにする。
このように、所定の加速パターンに従って加速処理を行っているときに回胴センサ信号の立ち上がりを検出した場合は、所定の加速パターンにおける所定の状態から加速処理を再開することで、加速処理の再開時の処理を簡略化することができる。
(5)「減速開始」のときのリール駆動制御処理
リール駆動状態が「定速中」のときに、ストップスイッチの操作が受け付けられると、主制御手段100は、図21に示した遊技進行メイン処理のステップS36(リール停止管理)において、操作されたストップスイッチに対応するリールのリール駆動状態を「定速中」から「減速開始」に移行させる。この状態で図34および図35のリール駆動制御処理が行われると、「定速中」と同様に、ステップS550(NO)→S552(NO)→S566〜S574(NO)→S580→S582(NO)→S588〜S592(NO)→S610の処理を行って、制御対象となるステッピングモータを、1回のタイマ割込処理を行う毎に1ステップ分回動させていく。そして、リール駆動状態が「減速開始」であるためステップS612の判断結果がNOとなり、ステップS624〜S636の処理を行って、必要に応じて中段Mを通過中の図柄番号を更新する。
そして、ステップS638の判断処理で、RWMに記憶されている図柄番号(通過位置)の値と、図柄番号(停止位置)の値とが一致していなかった場合は判断結果がNOとなり、主制御手段100は、図35に示すリール駆動制御処理を終了する。これに対して、双方の値が一致した場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、4相減速時パルスデータ(制御対象のステッピングモータの全ての相を励磁するデータ)をCPUのレジスタにセットし(ステップS640)、4相減速時に対応するリール駆動パルス出力カウンタの所定値を、CPUのレジスタにセットする(ステップS642)。ここで、レジスタにセットするリール駆動パルス出力カウンタの値は、90割込み(約200ms)に相当する値とする。
次に主制御手段100は、制御対象リールに関するリール駆動状態が記憶されているRWMアドレスにアクセスし、記憶されている駆動状態番号を「2」に更新する(ステップS644)。そして、制御対象リールに関するリール駆動パルス出力カウンタの値が記憶されているRWMのアドレスに、CPUのレジスタにセットされている所定値(90割込みに相当)を記憶する(ステップS646)。次いで、副制御手段200に対してリールの回転を停止させることを知らせるためのコマンド(リール回転停止コマンド)の出力要求をCPUのレジスタにセットする(ステップS648)。これにより、リール回転停止コマンドがRWMのリングバッファに記憶され(ステップS650)、図31に示したタイマ割込処理のステップS524(制御コマンド送信処理)の処理によって副制御手段200へ送信される。
副制御手段200は、リール回転停止コマンドを受信すると、対応するリールの回転が停止するときの演出(例えば、リールの停止音の発生、テンパイ音の発生、バックランプの消灯など)を実行する。ここで、リール回転停止コマンドは、リール駆動状態が「減速開始」のとき(すなわち実際にリールが停止する前)に送信されることから、副制御手段200がリール回転停止コマンドの受信を契機としてリール停止時の演出処理を開始することで、実行する演出に関する処理、リールが停止する開始することができる。このため、演出の実行タイミングを実際のリールのタイミングに合わせ易くなるという利点がある。例えば、リール回転停止コマンドを受信してから直ちにリール停止時の演出を実行すると、リールが停止するタイミングよりも演出が行われるタイミングの方が早過ぎてしまう場合は、副制御手段200においてリール停止時の演出を所定時間待機させる処理を行うようにしてもよい。また、この待機時間の長さを調整可能にしてもよい。
次いで主制御手段100は、RWMの所定アドレスに記憶されている減速中フラグの値を「0」にクリアする(ステップS652)。そして、ステップS640の処理でCPUのレジスタにセットした制御対象リールに対応するステッピングモータの全ての相を励磁するデータを、RWMの所定アドレスに記憶して(ステップS654)、図35に示すリール駆動制御処理を終了する。
(6)「減速中」のときのリール駆動制御処理
図35のステップS644の処理によってリール駆動状態が「減速中」に移行すると、次の割込周期で実行されるタイマ割込処理で、ステップS550(NO)→S552(NO)→S566の処理を経て、ステップS568の処理において、ステップS646の処理によって制御対象リールに関するリール駆動パルス出力カウンタのアドレスに記憶された値(90割込分)から「1」が減算される。そして、ステップS570の判断処理で、リール駆動パルス出力カウンタの値が「0」になったか否かを判断し、以下、リール駆動パルス出力カウンタの値が「0」になるまで、ステップS550(NO)→S552(NO)→S566〜S570(NO)→リターンの処理を繰り返し実行する。この間、制御対象リールに対応するステッピングモータに対しては、4相励磁の駆動パルスが出力され続ける。
そして、ステップS570の判断処理において、リール駆動パルス出力カウンタの値が「0」になると判断結果がYESとなり、主制御手段100は、ステップS572の処理によって駆動状態番号「0」とするデータと、制御対象リールに対応するステッピングモータの全相を非励磁(オフ)にするデータとを兼ねた値(00H)を、CPUのレジスタスにセットする。次いでステップS574の判断処理では、現在のリール駆動状態が「減速中」になっていることから判断結果はYESとなり、CPUのレジスタにセットされている「0」のデータを、リール駆動状態を記憶するRWMの所定アドレスに記憶する(ステップS576)。これにより、リール駆動状態番号は「0」となり、リール駆動状態は「停止中」となる。そして、ステップS578のリール駆動パルスセット処理を行い、図35のリール駆動制御処理を終了する。
上述したように、図34および図35に示したリール駆動制御処理は、各リールの駆動状態に応じて処理内容が分岐している。このため、先述した図33のリール駆動管理処理におけるステップS542の処理によって、各リールについて図34および図35のリール駆動制御処理を行う際に最初に指定される先頭アドレスを、駆動状態番号を記憶するアドレスとすることで、必要なデータをRWMから効率良く読み出すことができる。
≪副制御手段における制御処理の説明≫
次に、本実施形態において、副制御手段200で行われる主な処理の内容について、図41〜図43に示すフローチャートを参照して説明する。図41は受信した制御コマンドを記憶する受信割込処理、図42は制御コマンドの送受信処理を行うメインループ処理、図43は各種スイッチ信号の処理を行うタイマ割込処理の内容を示している。図41〜図43に示す各処理は、所定の周期ごとに繰り返し実行される。
まず、図41の受信割込処理を開始すると、副制御手段200は、主制御手段100から送信された制御コマンドおよび画像制御基板204から送信されたサブ制御コマンドをRWMに設けられたバッファメモリに記憶する(ステップSs100)。また、受信割込処理を終了して他の処理を行う。また、図42のメインループ処理を開始すると、副制御手段200は、画像制御基板204に対してサブ制御コマンドを送信するサブ制御コマンド送信処理を行う(ステップSs110)。そして、上述したバッファメモリに記憶されている各種制御コマンドの解析処理を行い(ステップSs112)、図42のメインループ処理を終了して他の処理を行う。
図43のタイマ割込処理を開始すると、副制御手段200は、まず、決定スイッチ39に対する操作に応じた処理を行う決定スイッチ入力判定の処理を行い(ステップSs220)、次いで演出用スイッチ52に対する操作に応じた処理を行う演出用スイッチ入力判定の処理を行う(ステップSs202)。そして、選択スイッチ38に対する操作に応じた処理を行う選択スイッチ入力判定の処理を行うと(ステップSs204)、図43のタイマ割込処理を終了して他の処理を行う。
(決定スイッチ入力判定の処理の説明)
次に図44のフローチャートを参照して、図43(タイマ割込処理)のステップSs200で実行される決定スイッチ入力判定の処理内容について説明する。まず、副制御手段200は、現在、決定スイッチ39の有効期間(操作を受け付けることができる期間)であるか否かを判断する(ステップSs220)。ここで、決定スイッチ39の有効期間とは、全てのリールが停止してから(メダルを払い出す場合はメダルの払い出しが完了してから)、次の遊技を開始させるためにスタートスイッチ36が操作されるまでの期間をいう。決定スイッチ39の有効期間でなかった場合は、ステップSs220の判断結果がNOとなって、副制御手段200は、図44に示す決定スイッチ入力判定の処理を終了し、図43(タイマ割込処理)のステップSs202(演出用スイッチ入力判定)の処理へ移行する。
これに対して、ステップSs220の判断処理において、決定スイッチ39の有効期間だった場合は判断結果がYESとなり、副制御手段200は、決定スイッチ39のオン/オフ状態を示す入力信号(以下、「決定スイッチ信号」ともいう。)が、オフ状態からオン状態へ立ち上がったか否かを判断する(ステップSs222)。この入力信号は、決定スイッチ39が押下されていないときにオフ状態となり、押下されているときにオン状態となる。決定スイッチ信号が立ち上がっていなかった場合は、ステップSs222の判断結果がNOとなって、図44に示す決定スイッチ入力判定の処理を終了し、図43(タイマ割込処理)のステップSs202(演出用スイッチ入力判定)の処理へ移行する。
これに対して、ステップSs222の判断処理において、決定スイッチ信号が立ち上がっていた場合は判断結果がYESとなり、副制御手段200は、表示装置70にメニュー画面を表示させるためのメニューコマンドを生成する(ステップSs224)。そして、生成したメニューコマンドを送信用のバッファメモリに記憶して(ステップSs226)、図44に示す決定スイッチ入力判定の処理を終了し、図43(タイマ割込処理)のステップSs202(演出用スイッチ入力判定)の処理へ移行する。
ステップSs224の処理によってバッファメモリに記憶されたメニューコマンドは、図42(メインループ処理)のステップSs110の処理によって画像制御基板204へ送信される。そして、画像制御基板204においてメニューコマンドが受信されると、表示装置70にメニュー画面を表示するための処理が行われる。
(演出用スイッチ入力判定の処理の説明)
次に図45のフローチャートを参照して、図43(タイマ割込処理)のステップSs202で実行される演出用スイッチ入力判定の処理内容について説明する。まず、副制御手段200は、現在、演出用スイッチ52の有効期間であるか否かを判断する(ステップSs240)。ここで、演出用スイッチ52の有効期間とは、表示装置70において、前述した「特定演出」が実行されている期間をいう。また、「特定演出」とは、遊技者の期待を高めるための演出の一種であり、演出の開始前または演出の冒頭に、遊技者に対して演出用スイッチ52の操作を促すメッセージや音声が提示され、特定演出の実行中に演出用スイッチ52が操作されると、実行中の演出内容が変化する演出をいう。
演出用スイッチ52の有効期間でなかった場合は、ステップSs240の判断結果がNOとなって、副制御手段200は、図45に示す演出用スイッチ入力判定の処理を終了し、図43(タイマ割込処理)のステップSs204(選択スイッチ入力判定)の処理へ移行する。これに対して、演出用スイッチ52の有効期間だった場合は判断結果がYESとなり、副制御手段200は、演出用スイッチ52のオン/オフ状態を示す入力信号(以下、「演出用スイッチ信号」ともいう。)が、オン状態になっているか否かを判断する(ステップSs242)。この入力信号は、演出用スイッチ52が押下されていないときにオフ状態となり、押下されているときにオン状態となる。演出用スイッチ信号がオフ状態だった場合は、ステップSs242の判断結果がNOとなって、図45の演出用スイッチ入力判定の処理を終了し、図43(タイマ割込処理)のステップSs204(選択スイッチ入力判定)の処理へ移行する。
これに対して、ステップSs242の判断処理において、演出用スイッチ信号がオン状態になっていた場合は判断結果がYESとなり、副制御手段200は、実行中の演出内容を変化させるための演出コマンドを生成する(ステップSs244)。ここで、演出内容の変化としては、例えば、画像表示装置70に表示されたレベルメータのレベルを上昇させたり、画像表示装置70に表示された2つのキャラクタのうち一方が他方を攻撃したりするなど、様々な変化が考えられる。なお、演出用スイッチ52が所定時間、操作され続けた(いわゆる長押しされた)場合は、演出用スイッチ52が短時間かつ断続的に連続して操作されたときと同じ状態となる機能(いわゆるオート連打機能)を備えてもよい。
そして、副制御手段200は、生成した演出コマンドを送信用のバッファメモリに記憶してから(ステップSs246)、図45の演出用スイッチ入力判定の処理を終了し、図43(タイマ割込処理)のステップSs204(選択スイッチ入力判定)の処理へ移行する。
(選択スイッチ入力判定の処理の説明)
次に図46のフローチャートを参照して、図43(タイマ割込処理)のステップSs204で実行される選択スイッチ入力判定の処理内容について説明する。まず、副制御手段200は、現在、選択スイッチ38の有効期間であるか否かを判断する(ステップSs260)。ここで、選択スイッチ38の有効期間とは、表示装置70に対してメニュー画面の表示が開始されてから、メニュー画面の表示が終了するまでの間において、画面の切り替えや画面に表示されているカーソルの移動が可能な状態になっている期間をいう。
なお、選択スイッチ38の有効期間としてはこれだけでなく、例えば遊技待機中を選択スイッチ38の有効期間としてもよい。例えば、遊技待機中に選択スイッチ38の左右スイッチが操作されたときは演出音の音量を増減可能とし、上下スイッチが操作されたときは演出時に発光するランプ類の光量を増減可能としてもよい。さらには、演出音の音量調整およびランプ類の光量調整に限って、常時、選択スイッチ38の有効期間としてもよい。
選択スイッチ38の有効期間でなかった場合は、ステップSs260の判断結果がNOとなって、副制御手段200は、図464に示す選択スイッチ入力判定の処理を終了し、他の処理を行う。これに対して、選択スイッチ38の有効期間だった場合は判断結果がYESとなり、副制御手段200は、選択スイッチ38を構成する上スイッチのオン/オフ状態を示す入力信号(以下、「上スイッチ信号」ともいう。)が、オフ状態からオン状態に立ち上がったか否かを判断する(ステップSs262)。
ここで、上スイッチ信号は、上スイッチが押下されていないときにオフ状態となり、押下されているときにオン状態となる。また、上スイッチと共に選択スイッチ38を構成している下スイッチ、左スイッチ、右スイッチについても上スイッチと同様の入力信号が入力されており、下スイッチに対応する入力信号を下スイッチ信号、左スイッチに対応する入力信号を左スイッチ信号、右スイッチに対応する入力信号を右スイッチ信号という。
ステップSs262の判断処理において、上スイッチ信号が立ち上がっていた場合は判断結果がYESとなり、副制御手段200は、表示装置70に表示されている画像を、上スイッチが操作されたことに応じて変化させる(例えばカーソルの表示位置を移動させる等)ための上スイッチコマンドを生成する(ステップSs264)。そして、生成した上スイッチコマンドを含んだ方向コマンドを送信用のバッファメモリに記憶して(ステップSs278)、図46に示す選択スイッチ入力判定の処理を終了する。
これに対して、ステップSs262の判断処理において、上スイッチ信号が立ち上がっていなかった場合は判断結果がNOとなり、次に副制御手段200は、下スイッチ信号がオフ状態からオン状態に立ち上がったか否かを判断する(ステップSs266)。下スイッチ信号が立ち上がっていた場合は判断結果がYESとなり、副制御手段200は、表示装置70に表示されている画像を、下スイッチが操作されたことに応じて変化させるための下スイッチコマンドを生成する(ステップSs268)。そして、ステップSs278へ移行して、生成した下スイッチコマンドを含んだ方向コマンドを送信用のバッファメモリに記憶し、図46に示す選択スイッチ入力判定の処理を終了する。
上述したステップSs266の判断処理において、下スイッチ信号が立ち上がっていなかった場合は判断結果がNOとなり、次に副制御手段200は、左スイッチ信号がオフ状態からオン状態に立ち上がったか否かを判断する(ステップSs270)。左スイッチ信号が立ち上がっていた場合は判断結果がYESとなり、副制御手段200は、表示装置70に表示されている画像を、左スイッチが操作されたことに応じて変化させるための左スイッチコマンドを生成する(ステップSs272)。そして、ステップSs278へ移行して、生成した左スイッチコマンドを含んだ方向コマンドを送信用のバッファメモリに記憶し、図46に示す選択スイッチ入力判定の処理を終了する。
上述したステップSs270の判断処理において、左スイッチ信号が立ち上がっていなかった場合は判断結果がNOとなり、次に副制御手段200は、右スイッチ信号がオフ状態からオン状態に立ち上がったか否かを判断する(ステップSs274)。右スイッチ信号が立ち上がっていた場合は判断結果がYESとなり、副制御手段200は、表示装置70に表示されている画像を、右スイッチが操作されたことに応じて変化させるための右スイッチコマンドを生成する(ステップSs276)。そして、ステップSs278へ移行して、生成した右スイッチコマンドを含んだ方向コマンドを送信用のバッファメモリに記憶し、図46に示す選択スイッチ入力判定の処理を終了する。
なお、ステップSs274の判断処理において、右スイッチ信号が立ち上がっていなかった場合は判断結果がNOとなり、そのまま図46に示す選択スイッチ入力判定の処理を終了する。そして、図46に示す選択スイッチ入力判定の処理を終了すると、図43に示したタイマ割込処理も終了し、これにより副制御手段200は他の処理を実行する。
(サブスイッチの操作に応じた処理に関する説明)
次に図47を参照して、決定スイッチ39および演出用スイッチ52が操作されたときの処理内容について説明する。ここで、図47(a)は、決定スイッチ39が操作されたときの処理内容を示し、図47(b)は、決定スイッチ39および演出用スイッチ52が操作されたときの処理内容を示している。
まず、図47(a)において、遊技機が遊技待機中(ここでは、前回の遊技が終了して次の遊技のためのメダル投入が受付可能な状態)になっているときは、表示装置70は通常表示を行う。この通常表示は、前回の遊技終了時に行われていた演出画面(動画も含む)の表示であってもよいし、所定時間、遊技操作が行われなかったときに表示されるいわゆるデモ画面の表示でもよい。そして、規定数のメダルが投入されてスタートスイッチ36が操作されると、遊技中となって決定スイッチ39の有効期間が終了し、表示装置70には通常演出の演出画面が表示される。ここで通常演出とは、前述した特定演出以外の演出をいう。
前述したように、遊技中は決定スイッチ39の有効期間ではないため、決定スイッチ39が操作されて、決定スイッチ信号がONになったとしても、表示装置70にメニュー画面は表示されない。また、図44に示したように、決定スイッチ信号の立ち上がりによってメニューコマンドが生成されるため(ステップSs222,YES→Ss224)、遊技中に決定スイッチ信号がOFFからONに立ち上がり、ON状態のまま遊技が終了して遊技待機中(決定スイッチ39の有効期間)へ移行しても、表示装置70にメニュー画面は表示されない。
これにより、例えば遊技中に、決定スイッチ39や決定スイッチ信号の伝達経路において何かしらの不具合が生じて、決定スイッチ39に対する操作の有無に関わらず、決定スイッチ信号のON状態になり続けてしまった場合でも、その遊技の終了後に、遊技者の意思に関わらず表示装置70にメニュー画面が表示されないので、遊技者に煩わしさを感じさせてしまうことがない。また、メニュー画面が表示されることによって、そのときに行われていた演出が妨げられることがない。なお、図47(a)では、遊技が終了しても表示装置70は引き続き通常演出の画面を表示しているが、遊技終了と共に遊技中に行っていた演出とは異なる演出に切り換えてもよい。
遊技が終了して決定スイッチ39の有効期間になり、このときに決定スイッチ39が操作されると、決定スイッチ信号の立ち上がりによって表示装置70にメニュー画面が表示される。ここで、有効期間中であれば、1BBの条件装置に対応した図柄組合せが表示された後(すなわち、ボーナス役の入賞後)や、AT中、遊技扉14が開放しているときなど、それぞれの状況に対応した画像が表示装置70に表示されている場合であっても、決定スイッチ39の操作に応じてメニュー画面を表示するようにしてもよい。また、有効期間中に、ボーナス役の入賞後、AT中、遊技扉14の開放時など、それらの状況に対応した画像が表示装置70に表示されているときは、決定スイッチ39が操作された場合はメニュー画面を表示しなくてもよい。
また、例えば上述したように、何らかの不具合によって決定スイッチ信号のON状態が維持された状態になってしまったとする。この間に何らかの異常が発生した場合は、表示装置70の画面がメニュー画面から異常が発生したことを報知するためのエラー表示に切り替わる。さらに、異常状態から正常に復帰して遊技待機中になったときは、決定スイッチ信号のON状態が維持された状態であっても表示装置70は前述した通常表示を行う。
次に、図47(b)に示すように、遊技待機中に演出用スイッチ52が操作(長押しを含む)されたとしても、遊技待機中は演出用スイッチ52の有効期間ではないため、表示装置70の表示は何等変化しない。また、遊技中において、通常演出が実行されているときに演出用スイッチ52が操作(長押しを含む)されたとしても、演出用スイッチ52の有効期間ではないため、通常演出の内容は何等変化することがない。そして、遊技中において、特定演出が開始されると演出用スイッチ52の有効期間となり、図45に示したように、演出用スイッチ信号がON状態のときに演出コマンドが生成される(ステップSs242,YES→Ss244)ことにより、図47(b)にハッチングで示すように表示装置70に表示された特定演出の画像が変化する。
ここで、本実施形態では、演出用スイッチ信号がON状態であれば演出コマンドが生成される(ステップSs242→Ss244)。したがって、図47(b)に示すように、通常演出中に演出用スイッチ52が操作され、操作された状態で特定演出が開始された場合は、特定演出の開始時に演出用スイッチ52の操作が検出され、特定演出の内容が変化することになる。また、演出用スイッチ52が長押しされた場合は、オート連打機能により演出用スイッチ52が操作されている間、演出用スイッチ52を短時間かつ断続的に連続して操作した場合と同じ様に特定演出の画像が変化する。
ここで、図47(b)に示すように、特定演出中に演出用スイッチ52が操作されているときに、決定スイッチ39が操作されて決定スイッチ信号が立ち上がったとしても、表示装置70にメニュー画面は表示されず、演出用スイッチ52の操作に応じて特定画面の表示が変化する。このように、特定演出の実行中に演出用スイッチ52が操作されると、それに応じて演出内容が変化し、仮に何らかの不具合によって演出用スイッチ信号のON状態になり続けてしまった場合でも、オート連打機能によって特定演出を楽しむことができる。また、オート連打機能を備えていなかったとしても、演出用スイッチ信号がON状態になり続けることで特定演出の実行が妨げられることはないため、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
さらに図47(b)に示すように、遊技が終了しても(すなわち、決定スイッチ39の有効期間になっても)引き続き特定演出が行われているときに決定スイッチ39が操作されると、決定スイッチ信号の立ち上がりに応じて、表示装置70の表示が特定演出からメニュー画面に切り替わる。すなわち、特定演出がキャンセルされてメニュー画面が表示される。これにより、決定スイッチ39の有効期間中は、演出の実行中であっても、遊技者の意思に応じてメニュー画面を表示させることができる。なお、図47(b)では遊技の終了後に特定演出が継続する場合を示したが、遊技の終了後に通常演出が継続した場合でも同様にメニュー画面を表示してもよい。
選択スイッチ38、決定スイッチ39および演出用スイッチ52のうち、あるスイッチが操作された状態で、他のスイッチが操作された場合、他のスイッチの操作を無効にするか有効にするかについては、様々な組み合わせを採用することができる。ここで、図48にそれらの組み合わせを示す。図48は、決定スイッチ39、選択スイッチ38および演出用スイッチの各有効期間において、有効期間中ではないスイッチ(以下、「非有効化スイッチ」という。)が継続して操作されているときに、有効期間中のスイッチ(以下、「有効化スイッチ」という。)が操作された場合、有効化スイッチの操作が有効とされるか、無効とされるのかの組み合わせを示している。
ここで、図48に示す各スイッチの有効期間の欄に設けられた“A→B”という項目は、Aスイッチが操作されているときにBスイッチが操作された場合を意味し、そのときにBスイッチの操作が有効とされる場合は「○」となり、無効とされる場合は「×」となる。例えば、図47(b)に示したように、特定演出中(演出用スイッチ52の有効期間中)に決定スイッチ39が操作されている状態で演出用スイッチ52が操作されたときは、演出用スイッチ52の操作を受け付けて(有効にして)、演出用スイッチ52の操作に応じた処理を行っているが、このことを図48においては、「演出用スイッチ有効期間」欄の項目「決定→演出」を「○」とすることで表す。なお、「選択スイッチ有効期間」欄には項目「選択A→選択B」とあるが、これは選択スイッチ38を構成する上スイッチ、下スイッチ、左スイッチ、右スイッチのうち、あるスイッチが操作されているときに、他のスイッチが操作された場合を意味する。
これにより、例えば図48のパターン1では、決定スイッチ39の有効期間中において、選択スイッチ38のいずれかが操作されているときに決定スイッチ39が操作された場合(項目「選択→決定」に対応)、および、演出用スイッチ52が操作されているときに決定スイッチ39が操作された場合(項目「演出→決定」に対応)は、いずれも決定スイッチ39の操作が無効(「×」)にされる。
また、パターン1では、選択スイッチ38の有効期間中において、決定スイッチ39が操作されているときに選択スイッチ38のいずれかが操作された場合(項目「決定→選択」に対応)、演出用スイッチ52が操作されているときに選択スイッチ38のいずれかが操作された場合(項目「演出→選択」に対応)、および、選択スイッチ38のうち、あるスイッチが操作されているときに、他のスイッチが操作された場合(項目「選択A→選択B」に対応)、いずれも選択スイッチ38(選択スイッチ38の「他のスイッチ」)の操作が無効(「×」)とされる。
さらに、パターン1では、演出用スイッチ52の有効期間中において、決定スイッチ39が操作されているときに演出用スイッチ52が操作された場合(項目「決定→演出」に対応)、および、選択スイッチ38のいずれかが操作されているときに演出用スイッチ52が操作された場合(項目「選択→演出」に対応)は、いずれも演出用スイッチ52の操作が無効(「×」)にされる。
図48のパターン2については、決定スイッチ39および選択スイッチ38の有効期間中は、パターン1と同様になるが、演出用スイッチ52の有効期間中は、演出用スイッチ52の操作が有効(「○」)となる。以下、パターン3〜10については説明が煩雑となるため省略するが、例えばパターン9は、決定スイッチ39および選択スイッチ38の有効期間において、演出用スイッチ52の操作は、決定スイッチ39および選択スイッチ38の操作を妨げない一方で、演出用スイッチ52の有効期間中において、演出用スイッチ52の操作は、決定スイッチ39および選択スイッチ38の操作に妨げられてしまうことを意味している。また、パターン10については、パターン9と同様、決定スイッチ39および選択スイッチ38の有効期間において、演出用スイッチ52の操作は、決定スイッチ39および選択スイッチ38の操作を妨げず、演出用スイッチ52の有効期間中において、演出用スイッチ52の操作は、決定スイッチ39および選択スイッチ38の操作に妨げられないことを意味している。
なお、図48に示す表において、有効(「○」)とされるスイッチが所定時間以上操作され続けた場合は、いわゆるオート連打機能を実行するようにしてもよい。
次に、図49を参照して、選択スイッチ38および決定スイッチ39の有効期間中(例えば、メニュー画面の表示中)と、演出用スイッチ52の有効期間中(例えば、特定演出実行中)とにおいて、各々、有効となっているスイッチに対して特定の操作(例えば長押し)が行われた場合に、そのスイッチが断続的かつ連続して操作されたときと同様の作用を呈する(いわゆるオート連打が行われる)か否かの組み合わせについて説明する。ここで、図49において、「◎」はオート連打機能が実行されることを表し、「×」はオート連打機能が実行されないことを示している。
図49において、パターン1はメニュー画面表示中に、選択スイッチ38のいずれかが長押しされてもそのスイッチについてオート連打機能が実行されず、かつ、決定スイッチ39が長押しされても決定スイッチ39についてオート連打機能が実行されないことを表している。ここで、パターン5のメニュー画面表示中における選択スイッチ38および決定スイッチ39のオート連打機能についてもパターン1と同様であるが、パターン1においては、特定演出中に演出用スイッチ52が長押しされてもオート連打機能は実行されないのに対し、パターン5においてはオート連打機能が実行されるという違いがある。
また、パターン2については、メニュー画面表示中に、選択スイッチ38のいずれかが長押しされてもそのスイッチについてオート連打機能が実行されないが、決定スイッチ39が長押しされた場合は決定スイッチ39のオート連打機能が実行されること示されている。ここで、パターン6のメニュー画面表示中における選択スイッチ38および決定スイッチ39のオート連打機能についてもパターン2と同様であるが、パターン2においては、特定演出中に演出用スイッチ52が長押しされてもオート連打機能は実行されないのに対し、パターン6においてはオート連打機能が実行されるという違いがある。
また、パターン3については、メニュー画面表示中に、選択スイッチ38のいずれかが長押しされた場合はそのスイッチについてオート連打機能が実行されるが、決定スイッチ39が長押しされても決定スイッチ39のオート連打機能は実行されないことを示している。ここで、パターン7のメニュー画面表示中における選択スイッチ38および決定スイッチ39のオート連打機能についてもパターン3と同様であるが、パターン3においては、特定演出中に演出用スイッチ52が長押しされてもオート連打機能は実行されないのに対し、パターン7においてはオート連打機能が実行されるという違いがある。
さらに、パターン4については、メニュー画面表示中に、選択スイッチ38のいずれかが長押しされるとそのスイッチについてオート連打機能が実行され、決定スイッチ39が長押しされた場合も決定スイッチ39のオート連打機能が実行されること示されている。ここで、パターン8のメニュー画面表示中における選択スイッチ38および決定スイッチ39のオート連打機能についてもパターン4と同様であるが、パターン4においては、特定演出中に演出用スイッチ52が長押しされてもオート連打機能は実行されないのに対し、パターン8においてはオート連打機能が実行されるという違いがある。
なお、選択スイッチ38、決定スイッチ39および演出用スイッチ52の操作を有効にするか、無効にするかについては、次のようなことも考えられる。
(1)例えば、複数の被選択項目(例えば遊技者に提供する情報の名称)が含まれるメニュー画面が表示されているときに、選択スイッチ38のいずれかが操作されると、被選択項目を選択するためのカーソルの表示が、操作されたスイッチに対応する方向に移動し、決定スイッチ39が操作されると、カーソルによって指定されている被選択項目に対応する情報を表示するものとする。
この場合において、メニュー画面の表示中(選択スイッチ38の有効期間)に、選択スイッチ38のいずれかが操作されている状態で、決定スイッチ39が操作された場合は、決定スイッチ39の操作を有効にする(すなわち、カーソル表示によって指定されている被選択項目に対応する情報を表示する)。一方、決定スイッチ39が操作されている状態で、選択スイッチ38のいずれかが操作された場合は、選択スイッチ38の操作を無効にする(すなわち、カーソルの表示を移動させない)。
(2)上述した(1)と同様のメニュー画面を表示する場合において、メニュー画面の表示中(選択スイッチ38の有効期間)に、決定スイッチ39が操作されている状態で、選択スイッチ38のいずれかが操作された場合は、選択スイッチ38の操作を有効にする(すなわち、カーソルの表示を移動させる)。一方、選択スイッチ38のいずれかが操作されている状態で、決定スイッチ39が操作された場合は、決定スイッチ39の操作を無効にする(すなわち、カーソル表示によって指定されている被選択項目に対応する情報を表示しない)。
(3)メニュー画面が表示されている場合において、選択スイッチ38、決定スイッチ39および演出用スイッチ52のうち、複数のスイッチが操作されている状況下では選択スイッチ38、決定スイッチ39および演出用スイッチ52の操作による処理を無効にしており、複数のスイッチが操作されている状況下において1つのスイッチに対する操作を維持したまま、他のスイッチの操作をやめた場合は、操作を維持している1つのスイッチに対する操作を有効にしてもよい。具体的には選択スイッチ38と決定スイッチ39を同時に操作している状況下において、決定スイッチ39を離すと選択スイッチの操作が有効になりカーソルが移動するよう構成している。このように構成することで、演出用スイッチ52が故障で常にオンとなっている状況であっても他のスイッチをオン→オフとすることで、演出用スイッチ52の立ち上がりデータを作成することができる。
(4)選択スイッチ38、決定スイッチ39および演出用スイッチ52に各々対応するスイッチ信号の立ち上がりによって、各スイッチに対する操作を判断する場合において、複数のスイッチが同時に操作され続けている間、操作されているスイッチに対応するスイッチ信号について、OFF状態からON状態への立ち上がりを、タイマ割込処理などによって周期的に生成するようにしてもよい。
(5)図48に示したパターン5において、決定スイッチ39と、演出用スイッチ52とを個別に設ける代わりに、1つのスイッチで兼用してもよい。
(6)例えば、表示装置70にメニュー画面が表示されている場合(選択スイッチ38および決定スイッチ39の操作有効期間)において、選択スイッチ38のいずれかが操作されている間はその選択スイッチ38の方向に連続的にカーソルが移動し、この状態で決定スイッチ39が操作された場合は、その操作を無効としてもよい。このように構成することで、決定スイッチ39が操作されたときに、カーソルによって選択されている項目が遊技者の意思に反して決定されないようにすることができる。また、メニュー画面が表示されているときに、決定スイッチ39が操作されている間は決定処理を繰り返し連続して行われるように構成している場合において、決定スイッチ39が操作されている状況下で選択スイッチ38が操作されると、選択スイッチ38の操作を有効としてもよい。これにより、繰り返し連続して行われていた決定処理が終了して、カーソル移動処理へ移行するようになる。このように構成することで、カーソルが連続的に移動しているときに決定スイッチ39の操作を無効とすることで、誤って遊技履歴がクリアされることを防ぐことができ、また、決定処理を繰り返し行われているときに選択スイッチ38の操作を有効にすることで決定スイッチ39が故障で常にオンとなっていても項目を選択することができるようになる。
(7)メニュー画面の表示中(選択スイッチ38の有効期間)において、選択スイッチ38のいずれかが操作され続けた場合、メニュー画面内のカーソル表示を、操作されたスイッチの方向に移動し続けるようにしてもよい。また、この状態で遊技扉14が開放されるとカーソル表示の移動を停止し、遊技扉14が再び閉じられるとカーソル表示の移動を再開してもよい。このように、遊技扉14の開放中はサブスイッチの操作を無効とすることにより、例えばホッパー83にメダルを補給する場合など、営業中に遊技扉14を開放する際に、不用意にサブスイッチが操作されてしまい副制御部200に記憶されていた遊技履歴などの情報を誤って消去してしまう虞がない。
(8)例えば遊技中(決定スイッチ39の無効期間中)に、主制御手段100から送信された制御コマンドが、副制御手段200において受信できない状態になり、その状態で、全リールが停止して遊技が終了し、遊技待機中へ移行してから再び副制御手段200が制御コマンドを受信できる状態になったとする。ここで、副制御手段200が制御コマンドを受信できない状態としては、例えば主制御手段100および副制御手段200はいずれも正常な動作をしているが、双方を接続する信号線やそのコネクタの不具合により、制御コマンドが正しく伝達できない状態などがある。このような状況下では、副制御手段200は、全リールが停止したことを示す制御コマンドを受信していないので、副制御手段200においては遊技中の状態となっている。したがって、決定スイッチ39が操作されたとしても、その操作は無効とされて表示装置70にメニュー画面は表示されない。
また、このような状況下において、例えば遊技場のスタッフが、前述した設定確認モードへ移行させて獲得枚数表示器28に現在の設定値を表示し、その後、設定確認モードを終了したとする。そのような状況で、決定スイッチ39が操作された場合は、やはりその操作は無効とされて表示装置70にメニュー画面は表示されない。しかしながら、図1に示した清算スイッチ33が操作されたことにより、クレジットされていたメダルの払い出しが開始された以降に決定スイッチ39が操作された場合は、表示装置39にメニュー画面を表示するようにしてもよい。例えば、クレジットされていたメダルが払い出されている最中であっても決定スイッチ39が操作されたことによりメニュー画面を表示してもよいし、クレジットされていたメダルが払い出されている最中は決定スイッチ39が操作されてもメニュー画面を表示せず、すべてのメダルの払い出しが完了した後に決定スイッチ39が操作されるとメニュー画面を表示してもよい。
これにより、設定値の確認や、エラー解除、遊技扉14の開放、電源断からの復帰などの操作は、遊技者が行うことができないが、不正行為とは関連性のないコマンド通信の異常が発生した場合は、遊技者が操作可能な清算スイッチ33を操作することで復帰可能としている。ただし、設定値の確認等を行った後にコマンド通信の異常からの復帰操作が行われた場合は、設定値に関する不正行為、不正行為によるエラーの発生及び解除、遊技扉開放による不正行為、電源断を介した不正行為等が行われた可能性があるため、正常に復帰させない方が望ましい。