JP2020026264A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】近年、環境負荷の低減の観点からタイヤの低燃費化が求められており、タイヤのさらなる軽量化が望まれていることから、ビードコアについて、強度等の性能を確保しつつ軽量化を図ることにより、軽量化を図った空気入りタイヤを提供することを目的とする。【解決手段】ビードコア2を備える空気入りタイヤ10である。ビードコア2が、0.75質量%を超える炭素を含有するスチールフィラメントを2〜15本にて撚り合わせてなる撚りコードにより構成されている空気入りタイヤである。【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、ビードコアの改良に係る空気入りタイヤに関する。
一般に、空気入りタイヤは、トレッド部と、その両側から延びる一対のサイドウォール部およびビード部とを備え、一対のビード部間にトロイド状に延在するカーカスプライを骨格とする。カーカスプライの両端部は、一対のビード部にそれぞれ埋設された一対のビードコアの周りに巻き上げられ若しくは巻き付けられ、または、分割されたビードコアにより挟み込まれるなどによって係止される。
このようなビードコアとしては、特許文献1に開示されているように、通常、ビードワイヤを環状に複数回巻いたものが使用される。
近年、環境負荷の低減の観点からタイヤの低燃費化が求められており、タイヤのさらなる軽量化が望まれている。これに伴い、ビードコアについても、強度等の性能を確保しつつ、軽量化を図ることが求められている。
そこで本発明の目的は、ビードコアの改良により強度を維持しながら軽量化を図った空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は、鋭意検討した結果、ビードコアを構成するビードワイヤを、1本のスチールフィラメントからなる単線コードから、複数本のスチールフィラメントを撚り合わせてなる撚りコードに変えることで、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の空気入りタイヤは、ビードコアを備える空気入りタイヤにおいて、
前記ビードコアが、0.75質量%を超える炭素を含有するスチールフィラメントを2〜15本にて撚り合わせてなる撚りコードにより構成されていることを特徴とするものである。
前記ビードコアが、0.75質量%を超える炭素を含有するスチールフィラメントを2〜15本にて撚り合わせてなる撚りコードにより構成されていることを特徴とするものである。
本発明のタイヤにおいては、前記撚りコードの撚り構造が、L+M構造または1×N構造であることが好ましく、1+6構造であることがより好ましい。また、本発明のタイヤにおいては、前記スチールフィラメントが、ブラスめっきされていることが好ましい。
本発明によれば、ビードコアの改良により強度を維持しながら軽量化を図った空気入りタイヤを実現することができた。
以下、本発明について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の空気入りタイヤの一好適例の乗用車用タイヤを示す幅方向断面図である。
図1は、本発明の空気入りタイヤの一好適例の乗用車用タイヤを示す幅方向断面図である。
図示する乗用車用空気入りタイヤ10は、接地部を形成するトレッド部11と、このトレッド部11の両側部に連続してタイヤ半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部12と、各サイドウォール部12の内周側に連続するビード部13と、を備えている。トレッド部11、サイドウォール部12およびビード部13は、一方のビード部13から他方のビード部13にわたってトロイド状に延びる1枚のカーカスプライ1からなるカーカスにより補強されている。また、図示する乗用車用タイヤ10においては、一対のビード部13にはそれぞれビードコア2が埋設され、カーカスプライ1は、このビードコア2の周りにタイヤ内側から外側に折り返して係止されている。
本発明においては、ビードコア2が、0.75質量%を超える炭素を含有するスチールフィラメントを、2〜15本にて撚り合わせてなる撚りコードにより構成されている点が重要である。ビードコアを構成するビードワイヤとして、従来使用されていた1本のスチールフィラメントからなる単線コードに代えて、上記高炭素鋼のスチールフィラメントからなる撚りコードを用いるものとしたことで、強度を維持しつつ、同一外径のビードワイヤとした場合におけるビードコア重量を低減でき、結果として強度を維持しながらタイヤの軽量化を図ることができるものとなった。また、従来使用されていた単線コードは伸線後に熱処理を施したスチールフィラメントからなるのに対し、上記撚りコードは伸線後に熱処理を施さないスチールフィラメントからなるので、より高い強度が得られる。よって、従来の単線コードを、同一外径の撚りコードに変えてスチール量を削減しても、ビードワイヤ自体の破断強度は向上するので、ビードコアとしての性能についても確保することができる。また、撚りコードからなるビードコア2としたことで、リムに対する嵌合性についても向上できる。
本発明において用いる上記スチールフィラメントの炭素含有量は、高強度を確保する観点から0.75質量%を超えることが必要であり、好適には0.80質量%以上、より好適には0.82質量%以上であって、好適には1.10質量%以下、より好適には1.02質量%以下である。
本発明において、ビードコア2に用いる上記撚りコードの具体的な撚り構造としては、L+M構造または1×N構造とすることができる。L+M構造としては、例えば、L=1〜3の整数であり、M=2〜9の整数であるものが挙げられる。L+M構造としては、具体的には、L本のコア部分とM本のシース部分とが同一線径のスチールフィラメントからなる場合、1+6構造、3+9構造、3+8構造等が挙げられ、L本のコア部分とM本のシース部分とが異線径のスチールフィラメントからなる場合、1+3構造、1+5構造、1+7構造、1+9構造、1+12構造等が挙げられる。また、1×N構造としては、例えば、N=2〜12の整数であるもの、特には、N=2〜5の整数であるものが挙げられ、具体的には、1×3構造、1×4構造、1×5構造、1×6構造、1×9構造、1×12構造等が挙げられる。本発明においては、特には、耐久性およびコード強力に優れる観点から、図2に示すような、同一線径の7本のスチールフィラメント21からなる1+6構造の撚りコード22を用いることが好ましい。
本発明において、上記スチールフィラメントとしては、炭素含有量の範囲を満足するものであれば、具体的な線径や物性値等については、所望のビードコア形状および性能に応じて適宜選択することができ、特に制限されない。例えば、上記スチールフィラメントの引張強さは、好適には2150MPa以上、より好適には2940MPa以上であって、好適には4300MPa以下、より好適には4000MPa以下である。また、ビードワイヤとしての撚りコードの破断強力は、タイヤ種にもよるが、好適には2300N以上、より好適には2420N以上であって、好適には3500N以下、より好適には3400N以下である。
また、上記スチールフィラメントには、ゴムとの接着性を向上するために、めっきが施されていることが好ましい。めっきの種類としては、特に制限はなく、ブラス(銅−亜鉛(Cu−Zn))めっき、亜鉛(Zn)めっき、スズ(Sn)めっき、ブロンズ(銅−スズ(Cu−Sn))めっき等の他、銅−亜鉛−スズ(Cu−Zn−Sn)めっきや銅−亜鉛−コバルト(Cu−Zn−Co)めっき等の三元めっきなどを挙げることができる。特には、ブラスめっきされたスチールフィラメントを用いることで、ゴムとの接着性がより向上するので、好ましい。ブロンズめっき等の場合、撚りコードにおけるスチールフィラメント間の隙間を、ブロンズめっきとの接着性に優れたゴム配合からなるインシュレーションゴムにより充填することが必要となるが、ブラスめっきを用いることで、ベルト等の他の部材に使用されるのと同様の汎用のコーティングゴムを用いても、接着性を確保できるメリットがある。
本発明のタイヤにおいては、ビードコアを、上記スチールフィラメントからなる撚りコードにより構成した以外の点については、特に制限されるものではなく、常法に従い構成することができる。また、図示するタイヤは乗用車用タイヤであるが、本発明においてはタイヤ種についても特に制限されず、トラック・バス用タイヤや、建設車両用タイヤ、二輪車用タイヤ、航空機用タイヤ、農業用タイヤ等にも好適に適用することができ、いかなるタイヤに適用するものであっても、本発明の所期の効果を得ることができる。
カーカスプライ1は、タイヤの骨格をなす部材であり、少なくとも1枚、例えば、1〜3枚で配置される。図示するタイヤ10においては、一対のビード部13にそれぞれビードコア2が埋設され、カーカスプライ1は、このビードコア2の周りにタイヤ内側から外側に折り返して係止されているが、カーカスプライ1の係止方法はこれには限定されない。カーカスプライ1の補強コードとしては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)やポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ナイロンなどの有機繊維コードを用いることができる。
図示するタイヤにおいては、カーカスプライ1のクラウン部タイヤ半径方向外側に、コード方向がタイヤ周方向に対して傾斜する2枚のベルト3a,3bからなるベルト層3が配置されている。ベルト層3は、少なくとも1枚、例えば、2〜4枚で配置され、2枚以上の場合には、少なくとも一部の層間でコード方向が交錯するよう配置される。ベルト層3の補強コードとしては、スチールコードの他、有機繊維コードを用いることもできる。
また、図示するタイヤにおいては、ベルト層3のタイヤ半径方向外側に、ベルト層3の全幅以上にわたって配置されるキャップ層4、および、ベルト層3の両端部を覆う領域に配置されるレイヤー層5のうちのいずれか一方または双方を設けることができる。キャップ層4およびレイヤー層5は、通常、多数本のコードを引き揃えてゴムにより被覆してなる一定幅のストリップを、タイヤ周方向に螺旋状に巻回することにより形成される。キャップ層4およびレイヤー層5はそれぞれ単独で設けてもよく、併用してもよい。また、2層以上のキャップ層4や2層以上のレイヤー層5の組み合わせであってもよい。
さらに、図示するタイヤにおいては、ビードコア2のタイヤ半径方向外側に、断面先細り状のビードフィラー6が配置されている。さらにまた、図示はしないが、タイヤの最内層には、通常、ゴム材料または樹脂材料からなるインナーライナーが配置されている。なお、タイヤに充填する気体としては、通常の、または酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
下記の表1,2中に示す条件に従って、下側から順次、3本、4本、4本、4本にて、外径1.26mmのビードワイヤを並べて形成した列を積層したビードコアについて、検討を行った。各ビードコアの条件としては、ビードワイヤに使用するスチールフィラメントには下記表1,2中に示すめっきを施し、各ビードワイヤは、下記表1,2中に示す被覆ゴムにより被覆するものとした。実施例1および比較例1の撚りコードは同一外径0.42mmのスチールフィラメントを7本用いた構造であり、実施例2〜5の撚りコードはそれぞれ外径の異なる2種のスチールフィラメントを用いた構造であり、実施例6〜10の撚りコードはそれぞれ同一外径のスチールフィラメントを用いた構造である。
下記の表1,2中に示す条件に従って、下側から順次、3本、4本、4本、4本にて、外径1.26mmのビードワイヤを並べて形成した列を積層したビードコアについて、検討を行った。各ビードコアの条件としては、ビードワイヤに使用するスチールフィラメントには下記表1,2中に示すめっきを施し、各ビードワイヤは、下記表1,2中に示す被覆ゴムにより被覆するものとした。実施例1および比較例1の撚りコードは同一外径0.42mmのスチールフィラメントを7本用いた構造であり、実施例2〜5の撚りコードはそれぞれ外径の異なる2種のスチールフィラメントを用いた構造であり、実施例6〜10の撚りコードはそれぞれ同一外径のスチールフィラメントを用いた構造である。
図3に、実施例1のビードコアの概略断面図を、図4に、従来例1のビードコアの概略断面図を、それぞれ示す。図示する実施例1のビードコア30は、スチールフィラメント31を撚り合わせた撚りコード32からなり、従来例1のビードコア40は、スチールフィラメント41よりなる単線コード42からなる。
上記条件に従う各ビードワイヤの破断強力および各ビードコアの重量を算出して、重量については従来例1のビードコアを100とする指数にて示した。これらの結果を、下記の表1,2中に併せて示す。
次に、上記条件に従う実施例1および従来例1のビードコアを試作して、これらを用いて、タイヤサイズ205/55 R16の供試タイヤを作製した。試作した各ビードコアの重量および各供試タイヤの重量を実測した結果を、それぞれ従来例1を100とする指数にて、下記の表3中に示す。
上記表中に示すように、本発明によれば、ビードコアの強度を確保しつつ、重量を低減することができ、これを用いることで、従来よりも軽量化を図った空気入りタイヤが得られることが確かめられた。
1 カーカス
2,30,40 ビードコア
3 ベルト層
3a,3b ベルト
4 キャップ層
5 レイヤー層
6 ビードフィラー
10 乗用車用空気入りタイヤ
11 トレッド部
12 サイドウォール部
13 ビード部
21,31,41 スチールフィラメント
22,32 撚りコード
42 単線コード
2,30,40 ビードコア
3 ベルト層
3a,3b ベルト
4 キャップ層
5 レイヤー層
6 ビードフィラー
10 乗用車用空気入りタイヤ
11 トレッド部
12 サイドウォール部
13 ビード部
21,31,41 スチールフィラメント
22,32 撚りコード
42 単線コード
Claims (4)
- ビードコアを備える空気入りタイヤにおいて、
前記ビードコアが、0.75質量%を超える炭素を含有するスチールフィラメントを2〜15本にて撚り合わせてなる撚りコードにより構成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記撚りコードの撚り構造が、L+M構造または1×N構造である請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記撚りコードの撚り構造が、1+6構造である請求項2記載の空気入りタイヤ。
- 前記スチールフィラメントが、ブラスめっきされている請求項1〜3のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2019/029519 WO2020031761A1 (ja) | 2018-08-09 | 2019-07-26 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018150821 | 2018-08-09 | ||
JP2018150821 | 2018-08-09 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020026264A true JP2020026264A (ja) | 2020-02-20 |
Family
ID=69621840
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019096263A Pending JP2020026264A (ja) | 2018-08-09 | 2019-05-22 | 空気入りタイヤ |
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2019
- 2019-05-22 JP JP2019096263A patent/JP2020026264A/ja active Pending
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