以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。操作装置1は、浴槽の排水口(図示せず)に対応して設けられた栓蓋(図示せず)を遠隔操作し、当該栓蓋を上下動させることで前記排水口を開閉するためのものである。本実施形態において、操作装置1は、図1に示すように、浴槽100の側壁部上部から外側に向けて突出形成されたフランジ部101に取付けられている。フランジ部101は、平面視、前記栓蓋から外れた位置に設けられるものであり、本実施形態では、フランジ部101が取付対象物に相当する。また、フランジ部101は、その板厚方向に貫通する平面視円形状の取付孔102を備えている。
尚、浴槽100の底部には、前記排水口を通過した排水が流れ込む所定の配管(図示せず)が固定されている。当該配管は、排水の流れ込む筒状の流路部と、当該流路部の外周から突出し、内部が前記流路部の内部と連通した状態の被接続筒部(それぞれ不図示)とを備えた構成とされている。
操作装置1は、筒状部2、継手部4、ガイドチューブ5、保持部6、操作側機構部7、操作部としての操作ボタン8及び伝達部材9を備えている。
筒状部2は、筒状をなしており、自身の中心軸CLが取付孔102のほぼ中心を通るようにして、取付孔102に挿通されている。筒状部2は、筒状本体部21及び鍔部22を有し、上部が径方向外側に突出する一方で下部がやや窄んだ円筒状をなす部材と、当該部材に取付けられるナット部23とを備えている。
筒状本体部21は、その長手方向に沿った上端部から中央部にかけての部位が一定の内径であり、その長手方向に沿った中央部から下端部にかけての部位が段階的に縮径するという形状をなしている。筒状本体部21は、前記一定の内径を有する部位の外周に所定の雄ねじ部24を有している。
また、筒状本体部21は、その下側部分の外周に、外側に突出するとともに、筒状本体部21の周方向に沿って延びる環状の被係止部25を備えている。さらに、筒状本体部21の外周における前記縮径する部位と被係止部25との間には、筒状本体部21の周方向に沿って延びる取付溝部26が設けられている。取付溝部26は、筒状本体部21の周方向に沿って連続した状態で設けられており、筒状本体部21の周方向全域に亘って延びる環状をなしている。
鍔部22は、筒状本体部21の上端部において外側に突出した形状をなしており、フランジ部101の表面上に配置されている。尚、本実施形態において、鍔部22は、強度確保のため比較的厚肉とされているが、鍔部22を薄肉とし、フランジ部101の表面からの鍔部22の突出量がより小さなものとなるように構成してもよい。この場合には、美観や安全性、衛生性の向上を図ることができる。
また、筒状部2は、次述するようにフランジ部101へと取付けられるところ、フランジ部101へと取付けられた状態において、鉛直方向に延びた状態、すなわち自身の中心軸CLが鉛直方向と平行な状態となるように構成されている。加えて、筒状部2は、フランジ部101の表面側においてその上部が開口した状態となっており、筒状部2の内部へと水が浸入可能となっている。
ナット部23は、筒状部2をフランジ部101へと取付けるために用いられるものであり、上部が鍔状に形成された円筒状をなしている。ナット部23の内周には、前記雄ねじ部24を螺合可能な雌ねじ部231が形成されている。そして、筒状本体部21を取付孔102に挿通した状態で雄ねじ部24を雌ねじ部231に螺合し、鍔部22及びナット部23の上端面によりフランジ部101を挟み込んだ状態とすることで、筒状部2がフランジ部101に取付けられた状態となっている。
尚、ナット部23の上端面とフランジ部101の裏面との間には、フランジ部101に対する筒状部2の取付安定性を高めるべく、弾性変形可能な材料により形成された環状の緩衝部材11が配置されている。また、本実施形態では、緩衝部材11とナット部23の上端面との間に、緩衝部材11の裏面全域と接触する薄板リング部12が設けられている。尚、水密性の向上を図るべく、鍔部22の裏面とフランジ部101の表面との間にシール部材を設けることとしてもよい。
継手部4は、筒状部2及びガイドチューブ5間に介在される筒状部材であり、その内部に伝達部材9が配置されている。継手部4は、ガイドチューブ5と接続された状態で筒状部2へと取付けられるものであり、継手部4及びガイドチューブ5を1つの部品として捉えたときに、当該部品を筒状部2へと容易に接続するために機能する。また、継手部4は、保持部6の取付対象としての役割も有しており、結果的に、継手部4には保持部6を介して操作側機構部7が取付けられるようになっている。尚、継手部4の詳細な構成については、後に説明する。
ガイドチューブ5は、長尺円筒状をなしており、その内部に伝達部材9が配置されるものである。ガイドチューブ5は、一端部が継手部4に接続され、他端部が前記配管の前記被接続筒部へと接続されており、筒状部2側から前記栓蓋側に向けて伝達部材9を案内したり、筒状部2内に浸入した水を前記配管側へと流したりするといった役割を有している。尚、ガイドチューブ5は、所定の樹脂などによって比較的厚肉に形成されている等の理由から、比較的硬く重いものであり、また、曲げにくいものである。但し、本実施形態では、継手部4及び前記被接続筒部へと接続するために、ガイドチューブ5はその少なくとも一部が曲げられた状態となっている。また、ガイドチューブ5は、下側(前記栓蓋側)から上側(筒状部2側)へと斜め上方に延びた状態とされている。
保持部6は、操作側機構部7を保持しつつ、継手部4へと取付けられる部材である。保持部6は、円筒状の被摺動部61と、当該被摺動部61の端部から被摺動部61の軸方向と平行に延びる複数(例えば4本)の取付用脚部62と、被摺動部61の内面から突出する内鍔状の機構支持部63とを備えている。
被摺動部61は、その内周面及び外周面の双方が後述する往復部72と接触可能となっており、往復部72の往復移動をガイドする。また、被摺動部61の上端部(先端部)には、外側に突出する突部61Aが設けられている。
取付用脚部62は、継手部4に対し保持部6を取付けるために用いられる部位である。機構支持部63は、その内周に挿通された操作側機構部7を支持するためのものである。機構支持部63によって操作側機構部7が支持されるとともに、取付用脚部62が継手部4(後述する円筒接続部411)の内周の所定部位に取付けられることで、操作側機構部7が保持部6を介して継手部4の端部に取付けられた状態となっている。
尚、本実施形態において、各取付用脚部62の外周に設けられた突起部621が継手部4の上端内周に位置し筒状部2及び継手部4により形成された溝状部14(図3参照)に配置されるとともに、取付用脚部62が継手部4(後述する円筒接続部411)の内周に嵌合された状態となっている。その結果、保持部6は、基本的には(操作側機構部7及び保持部6を引き抜こうとしない限り)、筒状部2や継手部4に対し上下方向に沿った相対移動が規制された状態となっている。
加えて、機構支持部63の内周側上面には、機構支持部63の周方向に沿って複数の案内歯631が一定間隔で形成されている。案内歯631は、図2(図2は、案内歯631などの構成を示すための機構支持部63等の拡大展開図である)に示すように、機構支持部63の周方向に沿って、第一直交面部631A、第一傾斜部631B、第二直交面部631C及び第二傾斜部631Dをこの順序で備えている。第一直交面部631A及び第二直交面部631Cは、それぞれ鉛直方向(後述する往復部72の移動方向)に沿って延びる面となっており、第一傾斜部631B及び第二傾斜部631Dは、鉛直方向に対し傾斜する面となっている。また、第一傾斜部631B及び第二傾斜部631Dは、それぞれ同じ方向に傾斜している。
図1に戻り、操作側機構部7は、操作ボタン8を往復移動可能な状態で支持するための機構である。操作側機構部7は、ベース部71、往復部72、戻りばね73及び回転リング74を備えている。
ベース部71は、自身の中心に伝達部材9の挿通される貫通孔を備えた円筒状をなしており、その下側部分の外周が機構支持部63によって支持されている。さらに、ベース部71は、機構支持部63によって支持される部位よりも上方の外周であって案内歯631と相対向する位置に、複数の係合歯711を備えている。
係合歯711は、図2に示すように、鉛直方向(ベース部71の軸方向)に沿って延びる突起状をなしており、ベース部71の周方向に沿って等間隔に複数設けられている。また、隣接する係合歯711間には、鉛直方向に沿って延びる溝部712が形成されている。
加えて、各係合歯711は、その下端面(案内歯631側に位置する面)に、ベース部71の周方向に沿って、第一斜面部711A、直交面部711B及び第二斜面部711Cをこの順序で備えている。第一斜面部711A及び第二斜面部711Cは、それぞれ鉛直方向に対し傾斜する面であり、それぞれ前記第一傾斜部631B及び前記第二傾斜部631Dと同じ向きに傾斜している。直交面部711Bは、両斜面部711A,711C間において両者を連接するようにして鉛直方向に沿って延びる面である。
そして、溝部712及び第一斜面部711Aが第一傾斜部631Bと対向し、第一斜面部711A及び第二斜面部711Cが第二傾斜部631Dと対向するように、係合歯711及び案内歯631の相対位置関係が設定されている。
図1に戻り、ベース部71の上側中心部には、伝達部材9が挿通される円筒状の細筒部713が形成されており、当該細筒部713の周囲には、ベース部71の上面にて開口する円環窪み状の凹部714が形成されている。細筒部713は、戻りばね73の内周に挿通されることで当該戻りばね73を支持する等の役割を有する。凹部714は、戻りばね73などを収容するための空間として機能する。
一方、ベース部71の下側中心部には、伝達部材9が挿通される筒状のチューブ部材10の端部が取付けられている。
往復部72は、ベース部71の上方において、ベース部71に対し鉛直方向に沿って往復移動可能な状態で設けられるものである。往復部72は、円板部721と、当該円板部721の下面からそれぞれ下方に突出する外筒部722、内筒部723及び挿通筒部724とを備えている。外筒部722、内筒部723及び挿通筒部724は、外側から内側に向けてこの順序で同心円状に形成されている。
円板部721は、往復部72の最上部を構成する部位であって、往復部72の基部に相当する部位である。円板部721は、全体として円板状をなしており、操作ボタン8が載置されるようになっている。
外筒部722は、被摺動部61の外周に配置される部位であり、往復部72の往復移動時には、被摺動部61の外周面に沿って移動する。一方、内筒部723は、被摺動部61の内周に配置される部位であり、往復部72の往復移動時には、被摺動部61の内周面に沿って移動する。このように外筒部722及び内筒部723が被摺動部61に沿って移動することで、被摺動部61による往復部72のガイドがより確実に行われるようになっている。
また、外筒部722の先端部(下端部)には、内側に突出する突起部722Aが設けられている。当該突起部722Aは、往復部72が復動(上動)したときに、前記突部61Aと接触可能に構成されており、突起部722A及び突部61Aによって、往復部72の復動(上動)可能範囲が規定されている。また、突起部722A及び突部61Aによって、ベース部71からの往復部72の抜け防止も図られている。
挿通筒部724は、伝達部材9の一端部が挿通される比較的細い筒状の部位である。挿通筒部724は、往復部72の位置に関わらず常に細筒部713の内周に配置されるように構成されており、往復部72の往復移動時には細筒部713の内周面に沿って移動する。
戻りばね73は、往復部72や操作ボタン8に対しその復動(上動)方向の付勢力を付与するためのものである。戻りばね73は、伸縮変形可能なばねによって構成されており、その下側部分が凹部714内における細筒部713の外周に配置され、その上側部分が挿通筒部724の外周に配置された状態となっている。
回転リング74は、円環状をなしており、内筒部723の下側内周において回転可能な状態で支持されている。尚、回転リング74は、往復部72の移動方向に沿った内筒部723に対する相対移動が規制された状態とされており、往復部72の移動時には、往復部72とともに往復移動する。
さらに、回転リング74は、自身の内周面に、自身の中心軸側(内側)に突出する複数の被係合突部741(図2参照)を備えている。被係合突部741は、回転リング74の周方向に沿って等間隔に設けられており、それぞれ同一形状とされている。本実施形態において、被係合突部741は、回転リング74の中心軸側から見たときに、台形状をなすように構成されている。
操作ボタン8は、前記排水口の開閉状態を切換える際に使用者による操作対象となる部位であり、本実施形態では、円板状の押しボタンによって構成されている。操作ボタン8は、その裏面に窪みを備えており、当該窪みに前記円板部721が配置された状態で、筒状部2の内側において前記円板部721に載置されている。そして、操作ボタン8は、往復部72とともに、浴槽100(フランジ部101)に対し相対変位可能とされている。本実施形態では、操作ボタン8を押圧操作することによって、操作ボタン8及び往復部72が往動(下動)し、一方、戻りばね73からの付勢力によって、往復部72及び操作ボタン8が復動(上動)する。
伝達部材9は、例えば所定のワイヤなどによって構成されており、操作ボタン8の変位による駆動力を前記栓蓋側へと伝達するためのものである。伝達部材9は、筒状のチューブ部材10の内周において往復移動可能な状態で配設されている。伝達部材9は、その一端部が往復部72(より詳しくは、挿通筒部724の底を構成する部位)と接触可能とされており、操作ボタン8の押圧操作に伴い往復部72が往動(下動)することで往動する。
次いで、前記排水口の開閉状態を切換えるときにおける操作装置1の動作について、図2を参照して説明する。尚、図2では、移動する被係合突部741を二点鎖線で示し、また、被係合突部741の移動方向を太線矢印で示している。
まず、前記排水口を閉状態から開状態へと切換える場合の動作について説明する。本実施形態では、前記排水口が閉状態であるとき、溝部712に被係合突部741が配置された状態となっている。このような状態で、操作ボタン8が押圧操作されて往復部72が往動(下動)すると、往復部72とともに回転リング74が往動する。そして、回転リング74の往動に伴い被係合突部741が第一傾斜部631Bへと接触しつつ当該第一傾斜部631Bを摺動することで、被係合突部741が第二直交面部631Cと接触するまで回転リング74が回転する。尚、操作ボタン8の押圧操作に伴い伝達部材9が往動することで、当該伝達部材9によって前記栓蓋(図示せず)が持ち上げられる。その結果、前記排水口が開状態とされる。
この状態で操作ボタン8に対する押圧力が解除されると、戻りばね73からの付勢力により回転リング74や往復部72が復動する。これにより、被係合突部741が第一斜面部711Aへと接触しつつ当該第一斜面部711Aを摺動し、被係合突部741が直交面部711Bと接触するまで回転リング74が回転する。そして、被係合突部741が直交面部711Bに接触した状態になると、被係合突部741が係合歯711へと係合された状態となる。これにより、回転リング74及び往復部72は最大限往動した位置から若干復動した位置でロックされた状態となる。そして、往復部72のロックにより、伝達部材9は往動した状態で維持され、ひいては前記排水口が開状態のままで維持される。
次に、前記排水口を開状態から閉状態に切換える場合の動作について説明する。前記排水口が開状態(被係合突部741が係合歯711へと係合された状態)であるときに、操作ボタン8が押圧操作されると、回転リング74や往復部72が往動(下動)し、被係合突部741が第二傾斜部631Dへと接触する。そして、被係合突部741が第二傾斜部631Dと接触しつつ当該第二傾斜部631Dを摺動することで、回転リング74が若干回転する。
この状態で操作ボタン8に対する押圧操作が解除されると、戻りばね73からの付勢力により回転リング74や往復部72が復動(上動)する。そして、戻りばね73からの付勢力によって、被係合突部741が第二斜面部711Cに接触しつつ当該第二斜面部711Cを摺動し、ひいては回転リング74が若干回転する。その結果、被係合突部741は第二斜面部711Cから外れて溝部712に入り込むこととなり、回転リング74や往復部72のロックが解除される。また、ロック解除に伴い、戻りばね73からの付勢力によって、突部61Aに突起部722Aが接触するまで回転リング74や往復部72が復動(上動)する。さらに、ロック解除に伴い、前記栓蓋の自重などにより伝達部材9が復動するとともに前記栓蓋が下動し、その結果、前記排水口が閉状態とされる。
次いで、図1及び図3を参照して継手部4の詳細な構成について説明する。継手部4は、屈曲筒部41及びCリング42を備えている。尚、図3では、保持部6や操作側機構部7等の記載を省略している。
屈曲筒部41は、全体として鈍角状に屈曲する筒状部材であり、鉛直方向に延びる円筒接続部411と、当該円筒接続部411の延びる方向と交差する方向に延びるチューブ被接続部412とを有している。
円筒接続部411は、その周壁に、内外に貫通する貫通孔411A(図3参照)を有しており、当該貫通孔411Aは、円筒接続部411の周方向に沿って間隔をあけて複数設けられている。また、円筒接続部411の外周であって、貫通孔411Aの形成箇所に対応する位置に、前記Cリング42が取付けられている。そして、Cリング42の内周部分の一部が、貫通孔411Aを通って円筒接続部411の内周面から突出した状態となっている。本実施形態では、Cリング42の内周部分のうち円筒接続部411の内周面から突出する部位によって係止部421が構成されている。そして、円筒接続部411及びCリング42によって、回動接続部43が構成されている。
また、円筒接続部411(回動接続部43)は、係止部421によって、筒状部2に対し直列的に接続されている。より詳しくは、円筒接続部411(回動接続部43)の内側に筒状部2の下部を挿通するとともに、前記取付溝部26へと係止部421を配置し被係止部25へと係止部421を係止することで、円筒接続部411(回動接続部43)が筒状部2に対し直列的に接続されている。
尚、円筒接続部411(回動接続部43)及び筒状部2間には、環状のシール部材13が配置されており、当該シール部材13によって円筒接続部411(回動接続部43)及び筒状部2間からの漏水防止が図られている。
さらに、前記取付溝部26が筒状本体部21の周方向に沿って連続した状態で設けられていること等により、円筒接続部411(回動接続部43)は、例えばチューブ被接続部412が浴槽100等に接触する等の回動を規制するような事態が生じない限り、筒状部2に対し自由に(360度)回動可能となっている。尚、筒状部2に対する円筒接続部411(回動接続部43)の回動容易性を高めるべく、前記シール部材13を断面X形状のXリング等により構成してもよい。
また、円筒接続部411(回動接続部43)の下部には、底部413が設けられており、当該底部413の内面(継手部4の内部側に位置する面)は、水平面状をなしている。そして、底部413の内面は、チューブ被接続部412の内面に連なった状態とされている。
チューブ被接続部412は、円筒状をなしており、円筒接続部411の側部すなわち回動接続部43の側部から突出している。本実施形態において、チューブ被接続部412は、円筒接続部411(回動接続部43)の側部から円筒接続部411(回動接続部43)に対し斜めとなる向きで下方に延びる形状とされている。そして、チューブ被接続部412がガイドチューブ5に挿通され、チューブ被接続部412の外周にガイドチューブ5が嵌着されることで、チューブ被接続部412に対しガイドチューブ5が接続された状態となっている。
尚、筒状部2、継手部4及びガイドチューブ5が直列的に接続された状態になるため、筒状部2の内部に浸入した水は継手部4及びガイドチューブ5を通って前記配管側へと流れることとなる。
さらに、本実施形態では、チューブ被接続部412の内面のうち底部413の内面に連なる面が、筒状部2の下部開口の鉛直下方に位置するように構成されている。すなわち、チューブ被接続部412は、平面視したときに、自身の内面の一部と筒状部2の下部開口とが重なる位置関係となるような形状とされている。
尚、本実施形態において、上記操作装置1の設置は次のようにして行われる。まず、円筒接続部411の外周にCリング42を予め配置するとともに、チューブ被接続部412にガイドチューブ5を接続し、さらに、操作側機構部7を保持した保持部6を円筒接続部411(回動接続部43)の内周に取付けた状態とする。その上で、操作側機構部7を筒状部2内へと入れつつ、筒状部2の外周へと円筒接続部411(回動接続部43)を押し入れて、最終的に、取付溝部26へと係止部421を配置し被係止部25へと係止部421を係止した状態とする。これにより、筒状部2へと継手部4がワンタッチで接続されることとなり、その結果、筒状部2、継手部4及びガイドチューブ5が直列的に接続された状態になるとともに、操作側機構部7が筒状部2内に配設された状態となる。そして最後に、円板部721上に操作ボタン8を載置することで、操作装置1を設置することができる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、継手部4は、回動接続部43及びチューブ被接続部412を有しており、全体として屈曲筒状をなすように構成されている。ここで、ガイドチューブ5及び継手部4を一続きの部品と考えたとき、従前、前記部品の折り曲げは、ガイドチューブ5を折り曲げることのみでなされているが、本実施形態では、前記部品の折り曲げを、継手部4及びガイドチューブ5の双方によって担うことができる。そのため、ガイドチューブ5における折り曲げ量を効果的に減らすことができ、ガイドチューブ5へと大きな力を加えることなく、筒状部2に対する継手部4の接続作業を行うことができる。これにより、筒状部2に対する継手部4の接続を非常に容易に行うことができるとともに、接続時において筒状部2に対する継手部4の接続状態が不完全なものとなってしまうことをより確実に防止できる。
また、回動接続部43は筒状部2に対し回動可能な状態とされるため、チューブ被接続部412は、自然とガイドチューブ5の折り曲げ量を減じる方向に向くこととなる。従って、接続後におけるガイドチューブ5で生じる復元力を効果的に低減させることができ、接続後において筒状部2に対する継手部4の接続状態が不完全なものとなってしまうことをより確実に防止できる。
さらに、ガイドチューブ5の折り曲げ量を減らすことができるため、ガイドチューブ5をより直線に近い形とすることができ、ひいてはガイドチューブ5の占有空間を小さくすることができる。これにより、ガイドチューブ5が邪魔になることを抑制して、ガイドチューブ5の近傍に配置される各種部品(例えば給水給湯管や追い炊き配管など)を適切な位置へと容易に配置することができる。また、回動接続部43が筒状部2に対し回動可能な状態であるため、ガイドチューブ5の配置位置を細かに調節することが可能となり、ガイドチューブ5をより確実に狙いの位置に配置することができる。
加えて、チューブ被接続部412は、回動接続部43に対し斜めとなる向きで下方に延びる筒状をなしており、ガイドチューブ5(特に筒状部2側に配置される部位)における一般的な延び方向に対応するものとされている。従って、ガイドチューブ5における折り曲げ量をより効果的に減らすことができる。その結果、筒状部2に対する継手部4の接続を一層容易に行うことができるとともに、接続時及び接続後において筒状部2に対する継手部4の接続状態が不完全なものとなってしまうことを一層確実に防止できる。
また、回動接続部43の底部413内面は、水平面状をなし、チューブ被接続部412の内面に連なるものとされている。従って、筒状部2内を通って回動接続部43内に浸入した水を、底部413内面を伝わるようにしてチューブ被接続部412内へと比較的スムーズに流すことができる。これにより、継手部4内における残水をより生じにくくすることができ、衛生性の向上を図ることができる。
さらに、チューブ被接続部412の内面の一部が、筒状部2における下部開口の鉛直下方に位置するため、筒状部2の下部開口から流れ落ちた水がチューブ被接続部412内へと入りやすくなる。これにより、チューブ被接続部412やガイドチューブ5を通った排水をより確実に行うことができ、衛生性を一層向上させることができる。
加えて、本実施形態では、継手部4を回動させたときに、保持部6を介して継手部4に取付けられた操作側機構部7が継手部4とともに回動する。従って、継手部4を回動させたときに、操作側機構部7と接触する伝達部材9や操作側機構部7に取付けられたチューブ部材10に過度な負荷が加わってしまうことをより確実に防止できる。その結果、伝達部材9やチューブ部材10の異常な変形や破損をより確実に防ぐことができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態において、操作装置1は、浴槽100のフランジ部101に取付けられているが、取付対象物は浴槽100のフランジ部101に限られるものではない。例えば、浴槽以外の槽体(例えば、洗面ボウルや流し台など)を取付対象物としてもよい。また、槽体の近傍に設けられた構造物(例えば、浴槽や洗面ボウル等の近傍に設けられたカウンタなど)を取付対象物としてもよい。
(b)上記実施形態では、操作部として操作ボタン8を挙げているが、操作部はこれに限られるものではなく、回動可能な操作ハンドルやスライド移動可能な操作スライダなどを操作部として用いることとしてもよい。
(c)上記実施形態において、回動接続部43は、回動を規制するような事態が生じない限り、筒状部2に対し自由に(360度)回動可能に構成されているが、筒状部2に対し回動接続部43を所定角度範囲内でのみ回動可能に構成してもよい。例えば、取付溝部26を筒状本体部21の周方向に沿って非連続的に設け、係止部421を回動接続部43の周方向に沿った所定範囲内でのみ移動可能とすることにより、筒状部2に対し回動接続部43を所定角度範囲内でのみ回動可能としてもよい。
(d)上記実施形態において、回動接続部43の底部413の内面は水平面状をなしているが、底部413の内面を、チューブ被接続部412に向けて徐々に下がり、チューブ被接続部412の連なる傾斜面状をなすように構成してもよい。
(e)上記実施形態において、ガイドチューブ5の他端部は前記配管(前記被接続筒部)に接続されるように構成されているが、ガイドチューブ5の他端部を前記配管に接続しない構成としてもよい。例えば、ガイドチューブ5の他端部を、浴槽100の下方に配設された所定の防水パン上に設置するような構成としてもよい。
(f)上記実施形態では、回動接続部43の内側に筒状部2が配置された状態で被係止部25へと係止部421が係止されることにより、回動接続部43及び筒状部2が接続されている。これに対し、例えば、筒状部の内側に回動接続部が配置された状態で、筒状部の内周に設けられた被係止部へと回動接続部の外周に設けられた係止部が係止されることにより、回動接続部及び筒状部が接続されるように構成してもよい。また、例えば、ナット部の外周に被係止部を設け、当該被係止部へと回動接続部の内周に設けられた係止部が係止されることにより、回動接続部及び筒状部が接続されるように構成してもよい。勿論、筒状部に設けられた被係止部へと回動接続部に設けられた係止部が係止されることにより、回動接続部及び筒状部が相対回動可能な状態で接続されるのであれば、上記以外の手法を用いてもよい。
(g)上記実施形態における回動接続部43に対するチューブ被接続部412のなす角度(継手部4の屈曲角度)は一例であり、当該角度を適宜変更してもよい。例えば、回動接続部43の側部から回動接続部43と直交する向きで延びるようにチューブ被接続部412を構成することで、回動接続部43に対するチューブ被接続部412のなす角度(継手部4の屈曲角度)が90度となるように構成してもよい。