JP2020019450A - エアバッグ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】望ましい膨張形状にすることで、乗員の保護を一層向上させるエアバッグ及びその製造方法を提供する。また、膨張時にガスが漏れにくいエアバッグ及びその製造方法を提供する。【解決手段】経糸6及び緯糸7からなる織布4,5と、織布4,5が二重に織られて無縫製の袋状をなす袋部3と、を備えるエアバッグ1であって、袋部3は、一方の織布4によって形成された第1織布部10と、他方の織布5によって形成され、第1織布部10に対向した第2織布部20と、経糸6又は緯糸7からなり、第1織布部10と第2織布部20との間の距離を規制する複数のテザー糸30,40と、を有し、複数のテザー糸30,40は、袋部3の膨張時において、それぞれが同方向に指向している構成とされている。【選択図】図1
Description
本発明は、エアバッグ及びその製造方法に関する。
乗物用の安全装置として、エアバッグが広く用いられている。エアバッグは、乗物が衝突等することで外部から所定値以上の衝撃が加えられた際に、小さく折り畳まれていた袋状の袋部が膨張展開して乗員を衝撃から保護する装置である。そしてエアバッグには、袋部が過度に膨張しないように、膨張時の袋部の形状を規制するためのテザーが取り付けられていることがある。例えば、特許文献1に記載のエアバッグには、膨出展開させた状態でエアバッグの長手方向に直交させて切断した断面を見るときに、エアバッグの中央部分を長手方向に沿って複数のチャンバに区切る複数のテザーが設けられている。
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、エアバッグ(袋部)にテザーを縫製しているため、袋部がガスによって膨張すると、その縫い目からガスが外部に漏れてしまうことがある。また、ワンピースウーブン(One Piece Woven:OPW)方式にて袋部とテザーとを一体的に製織することも考えられるが、テザーの向きや、袋部の形状によっては、膨張したエアバッグに凹凸形状が形成され、望ましい膨張形状に至らない場合がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、望ましい膨張形状にすることで、乗員の保護を一層向上させるエアバッグ及びその製造方法を提供することを目的の一つとする。また、膨張時にガスが漏れにくいエアバッグ及びその製造方法を提供することをさらなる目的の一つとする。
本発明は、経糸及び緯糸からなる織布と、前記織布が二重に織られて無縫製の袋状をなす袋部と、を備えるエアバッグであって、前記袋部は、一方の前記織布によって形成された第1織布部と、他方の前記織布によって形成され、前記第1織布部に対向した第2織布部と、前記経糸又は前記緯糸からなり、前記第1織布部と前記第2織布部との間の距離を規制する複数のテザー糸と、を有し、前記複数のテザー糸は、前記袋部の膨張時において、それぞれが同方向に指向していることに特徴を有する。
このようなエアバッグによると、衝突等によって袋部が膨張したとしても、テザー糸によって無縫製の袋部を所定の形状に規制することができる。また、袋部の膨張時において、テザー糸がそれぞれ同方向に指向しているので、テザー糸ごとに織布を引っ張る方向が異なってしまうことが無い。すなわち、袋部が膨張したとしても、織布に対して同一方向に張力がかかるので、エアバッグに凹凸が発生しにくい。
上記構成において、前記複数のテザー糸は、その全てが、前記第1織布部又は前記第2織布部から、前記第2織布部又は前記第1織布部へ、織り込まれる構成とされていることとすることができる。袋部の膨張時は、緯糸又は経糸からなり、テザー糸が架けられるアンカー糸と、当該アンカー糸よりも袋部の端部側の経糸とに対し外側方向の力がかかる。すると、当該部分において目ずれが生じてガスが漏れる可能性が考えられる。しかし、上記のようなエアバッグによると、複数のテザー糸は、その全てが、第1織布部(又は第2織布部)から第2織布部(又は第1織布部)へ織り込まれる構成とされており、元の織布に戻るように織り込まれることが無い。従って、アンカー糸から外側の織布が、テザー糸によって補強されるので、上記目ずれを抑制することができる。
また、本発明におけるエアバッグの製造方法は、経糸及び緯糸からなり、二重に織られて互いに対向した一対の織布と、前記経糸又は前記緯糸からなり、前記一対の織布の間の距離を規制する複数のテザー糸と、をOPW方式で製織する製織工程と、前記一対の織布の端部を縫製して袋状の袋部を形成する縫製工程と、を備え、前記一対の織布は、前記緯糸又は前記経糸からなり、前記テザー糸が架けられるアンカー糸を有し、前記縫製工程は、前記一対の織布のうち、一方の織布を他方の織布に対して相対的に移動させることで、前記一方の織布と前記他方の織布とにおいて、前記一対の織布の端部となる部分から前記アンカー糸までの距離を等しくし、前記アンカー糸からその隣のアンカー糸までの距離を等しくした状態で前記一対の織布の端部を縫製することを特徴とする。
このようなエアバッグの製造方法によると、複数のテザー糸が、袋部の膨張時において、それぞれが同方向に(例えば、一対の織布の端部方向に対し垂直な方向に)指向しているエアバッグを容易に製造することができる。このようなエアバッグは、袋部の膨張時において、一対の織布が互いに対称な形状となったり、複数のテザー糸の織布を引っ張る方向が全て同一方向になったりするので、エアバッグに凹凸が発生しにくい。
尚、OPW(One Piece Woven)方式とは、ジャガード織機を用いて、織布を一重に織ったり二重に織ったりすることで、立体的な織布を無縫製かつ一工程で製織する方法である。
尚、OPW(One Piece Woven)方式とは、ジャガード織機を用いて、織布を一重に織ったり二重に織ったりすることで、立体的な織布を無縫製かつ一工程で製織する方法である。
本発明によれば、望ましい膨張形状にすることで、乗員の保護を一層向上させるエアバッグ及びその製造方法を提供することが可能となる。また、膨張時にガスが漏れにくいエアバッグ及びその製造方法を提供することが可能となる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図6によって説明する。尚、各図面にはX軸、Y軸およびZ軸を示しており、各軸方向が各図面で共通な方向となるように描かれている。図2に示すように、エアバッグ1を構成する経糸6(テザー糸を構成する)の延在方向に沿った方向をX軸方向とし、緯糸7(アンカー糸を構成する)の延在方向に沿った方向をY軸方向とする。また、図1に示すように、それらXY平面に直交する方向をZ軸方向とする。Z軸方向は、エアバッグ1の袋部3が膨張した際の厚み方向(上下方向)であるともいえる。
本発明の実施形態1を図1から図6によって説明する。尚、各図面にはX軸、Y軸およびZ軸を示しており、各軸方向が各図面で共通な方向となるように描かれている。図2に示すように、エアバッグ1を構成する経糸6(テザー糸を構成する)の延在方向に沿った方向をX軸方向とし、緯糸7(アンカー糸を構成する)の延在方向に沿った方向をY軸方向とする。また、図1に示すように、それらXY平面に直交する方向をZ軸方向とする。Z軸方向は、エアバッグ1の袋部3が膨張した際の厚み方向(上下方向)であるともいえる。
図1は、膨張したエアバッグ1を示す断面図(図2のA−A線断面)である。エアバッグ1は、例えば車両(乗物)に設けられたカーテンシールドエアバッグであり、通常時は、小さく折り畳まれた状態で、所定箇所(例えば、車両の内装材の内部)に収納されている。車両の衝突時等では、図示しないインフレーターから袋部3にガスが供給されることで、折り畳まれた状態の袋部3が展開して膨張する。
エアバッグ1は、経糸6及び緯糸7からなる織布4,5と、織布4,5が一重に織られた周端部2L,2Rと、織布4,5が二重に織られて無縫製の袋状をなす袋部3と、を備える。周端部2L,2Rや袋部3は、経糸6及び緯糸7から織布4,5を製織する際に、OPW方式によって一体的に製織されている。袋部3の周囲は、周端部2L,2Rによって閉じられている。
袋部3は、下側の織布(一方の織布)4によって形成された第1織布部10と、上側の織布(他方の織布)5によって形成され、第1織布部10に対向した第2織布部20と、経糸6からなり、第1織布部10と第2織布部20との間の距離を規制する複数のテザー糸30,40と、を有する。また、袋部3は、緯糸7からなり、テザー糸30,40が架けられるアンカー糸11,12,21,22を有する。尚、第1織布部10側に配されたアンカー糸(第1アンカー糸)11,12を黒丸で示し、第2織布部20側に配されたアンカー糸(第2アンカー糸)21,22を白丸で示している。
図2は、エアバッグ1を上方から(第2織布部20側から)視た説明図である。テザー糸30,40は、経糸6からなる糸であって、X軸方向に延在しつつ、複数本がY軸方向に並んで配されている。一方、アンカー糸11,12,21,22は、緯糸7からなる糸であって、経糸6(テザー糸30,40)に垂直に交わるようにY軸方向に延在している。
図1及び図2に示すように、テザー糸30,40は、一点鎖線で示す第1テザー糸30と、破線で示す第2テザー糸40と、有する。第1テザー糸30と第2テザー糸40とは、架けられるアンカー糸11,12,21,22が異なっている。尚、テザー糸30,40以外の経糸6は、白線で示す。また、通常、テザー糸30,40とテザー糸30,40以外の経糸6とは、エアバッグ1の断面視において重なって視えるが、図1では、便宜上、エアバッグ1の内部へ層状をなすように示している。
複数のテザー糸30,40は、その全てが、第1織布部10から、袋部3の内部空間を経て第2織布部20へ、織り込まれる構成、又は、第2織布部20から、袋部3の内部空間を経て第1織布部10へ、織り込まれる構成のいずれか一方の構成とされている。複数のテザー糸30,40は、袋部3の左側では、第1織布部10に織り込まれており、袋部3の右側では、第2織布部20に織り込まれている。
また、テザー糸30,40は、第1織布部10と第2織布部20との間の部分であって、袋部3の内部空間を斜めに延伸する架橋部31,41を有する。架橋部31,41は、その一方の端部が第1アンカー糸11,12に、他方の端部が第2アンカー糸21,22にそれぞれ架けられている。第1テザー糸30の架橋部31は、第2テザー糸40の架橋部41よりも相対的に左側にずれて配されている。
第1テザー糸30の架橋部31と、第2テザー糸40の架橋部41とは、長さや傾きが互いに等しく、平行である(それぞれが同方向に指向している)。そして、架橋部31,41は、第1織布部10から第2織布部20に向かうほど(上側に向かうほど)、右側に傾いて延伸している。
図3は、第1織布部10において、第1テザー糸30が架けられた第1アンカー糸11を拡大した図である。第1テザー糸30は、第1アンカー糸11の左側(周端部2L側)において、第2テザー糸40と共に経糸6として緯糸7に編み込まれ、第1織布部10の一部を形成している。第1テザー糸30は、第1アンカー糸11まで編み込まれ、第1アンカー糸11の外側(下側)に回り込みつつ、第1アンカー糸11とその右側の緯糸7との間から袋部3の内部空間へ向けて右上方向に延伸している。
図4は、第2織布部20において、第1テザー糸30が架けられた第2アンカー糸21を拡大した図である。第1テザー糸30は、第2アンカー糸21の右側(周端部2R側)において、経糸6として緯糸7に編み込まれ、第2織布部20の一部を形成している。また、第1テザー糸30は、第2アンカー糸21の外側(上側)に回り込みつつ、第2アンカー糸21とその左側の緯糸7との間から袋部3の内部空間へ向けて左下方向に延伸している。
図5は、第1織布部10において、第2テザー糸40が架けられた第1アンカー糸12を拡大した図である。第2テザー糸40は、第1アンカー糸12の左側(周端部2L側)において、経糸6として緯糸7に編み込まれ、第1織布部10の一部を形成している。また、第2テザー糸40は、第1アンカー糸12の外側(下側)に回り込みつつ、第1アンカー糸12とその右側の緯糸7との間から袋部3の内部空間へ向けて右上方向に延伸している。
図6は、第2織布部20において、第2テザー糸40が架けられた第2アンカー糸22を拡大した図である。第2テザー糸40は、第2アンカー糸22の右側(周端部2R側)において、第1テザー糸30と共に経糸6として緯糸7に編み込まれ、第2織布部20の一部を形成している。また、第2テザー糸40は、第2アンカー糸22の外側(上側)に回り込みつつ、第2アンカー糸22とその左側の緯糸7との間から袋部3の内部空間へ向けて左下方向に延伸している。
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、経糸6及び緯糸7からなる織布4,5と、織布4,5が二重に織られて無縫製の袋状をなす袋部3と、を備えるエアバッグ1であって、袋部3は、一方の織布4によって形成された第1織布部10と、他方の織布5によって形成され、第1織布部10に対向した第2織布部20と、経糸6又は緯糸7からなり、第1織布部10と第2織布部20との間の距離を規制する複数のテザー糸30,40と、を有し、複数のテザー糸30,40は、袋部3の膨張時において、それぞれが同方向に指向している。
このようなエアバッグ1によると、衝突等によって袋部3が膨張したとしても、テザー糸30,40によって無縫製の袋部3を所定の形状に規制することができる。また、袋部3の膨張時において、テザー糸30,40がそれぞれ同方向に指向しているので、テザー糸30,40ごとに織布4,5を引っ張る方向が異なってしまうことが無い。すなわち、袋部3が膨張したとしても、織布4,5に対して同一方向に張力がかかるので、エアバッグ1に凹凸が発生しにくい。
上記構成において、複数のテザー糸30,40は、その全てが、第1織布部10又は第2織布部20から、第2織布部20又は第1織布部10へ、織り込まれる構成とされている。袋部3の膨張時は、アンカー糸11,12,21,22と、当該アンカー糸11,12,21,22より袋部3の周端部(端部)2L,2R側の経糸6とに対し外側方向の力がかかる。すると、当該部分において目ずれが生じてガスが漏れる可能性が考えられる。しかし、上記のようなエアバッグ1によると、複数のテザー糸30,40は、その全てが、第1織布部10又は第2織布部20から第2織布部20又は第1織布部10へ織り込まれる構成とされており、元の織布に戻るように織り込まれることが無い。従って、アンカー糸11,12,21,22から周端部2L,2R側の織布が、テザー糸30,40によって補強されるので、上記目ずれを抑制することができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図7および図9によって説明する。本実施形態では、実施形態1とはテザー糸の構成等が異なるエアバッグ201及びその製造方法を例示する。なお、本実施形態では、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
次に、本発明の実施形態2を図7および図9によって説明する。本実施形態では、実施形態1とはテザー糸の構成等が異なるエアバッグ201及びその製造方法を例示する。なお、本実施形態では、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
エアバッグ201は、図9に示すように、経糸206及び緯糸207からなり、互いに対向した一対の織布204,205と、織布204,205によって袋状をなす袋部203と、を備える。袋部203は、経糸206からなり、一対の織布204,205の間の距離を規制する複数のテザー糸230,240を有する。袋部203及びテザー糸230,240は、経糸206及び緯糸207から織布204,205を製織する際に、OPW方式によって一体的に製織されている。一対の織布204,205は、その周端部202L,202Rが縫製されている。これにより、周端部202L,202Rで閉じられた袋部203が形成されている。
テザー糸230,240は、一対の織布204,205の間の部分であって、袋部203の内部空間をZ軸方向に(周端部202L,202R方向に対し垂直に)延伸する架橋部231,241を有する。架橋部231,241は、その一方の端部が第1アンカー糸211,212に、他方の端部が第2アンカー糸221,222にそれぞれ架けられている。第1テザー糸230の架橋部231と、第2テザー糸240の架橋部241とは、長さや傾きが互いに等しく、平行である(それぞれが同方向に指向している)。
ここで、一対の織布204,205のうち、下側の織布(一方の織布)204において、左側の周端部202Lから第1アンカー糸211までの距離をL1、第1アンカー糸211からその右隣の第1アンカー糸212までの距離をL2、第1アンカー糸212から右側の周端部202Rの距離をL3とする。また、一対の織布204,205のうち、上側の織布(他方の織布)205において、左側の周端部202Lから第2アンカー糸221までの距離をL4、第2アンカー糸221からその右隣の第2アンカー糸222までの距離をL5、第2アンカー糸222から右側の周端部202Rの距離をL6とする。すると、各距離の関係は、L1=L4、L2=L5、L3=L6となる。
続いて、エアバッグ201の製造方法について図7から図9を用いて説明する。エアバッグ201の製造方法は、大別すると、経糸206及び緯糸207からなり、二重に織られて互いに対向した一対の織布204,205と、経糸206又は緯糸207からなり、一対の織布204,205の間の距離を規制する複数のテザー糸230,240と、をOPW方式で製織する製織工程と、一対の織布204,205の周端部202L,202Rを縫製して袋状の袋部203を形成する縫製工程と、を備える。
製織工程では、図7に示すように、経糸206及び緯糸207から一対の織布204,205を製織する際に、OPW方式によってテザー糸230,240を無縫製かつ一工程で製織する。得られた一対の織布204,205を上下方向に広げると、テザー糸230,240の架橋部231,241が、下側の織布204から上側の織布205に向かうほど(上側に向かうほど)、右側に傾いて延伸した形状となっている。
縫製工程では、図8に示すように、一対の織布204,205のうち、上側の織布205を下側の織布204に対して相対的に左方へ移動させる。そして、上側の織布205の第2アンカー糸221,222が、下側の織布204の第1アンカー糸211,212の真上の位置になるように、上側の織布205をずらす。
このとき、下側の織布204と上側の織布205とにおいて、周端部202L,202Rとなる部分からアンカー糸211,212,221,222までの距離を等しくし(L1=L4,L3=L6)、アンカー糸211,221からその隣のアンカー糸212,222までの距離を等しくした(L2=L5)状態にする。より具体的には、下側の織布204における左側の周端部202Lから第1アンカー糸211までの距離L1は、上側の織布205における左側の周端部202Lから第2アンカー糸221までの距離L4と等しくする。また、下側の織布204における右側の周端部202Rから第1アンカー糸212までの距離L3は、上側の織布205における右側の周端部202Rから第2アンカー糸222までの距離L6と等しくする。また、下側の織布204における第1アンカー糸211からその隣の第1アンカー糸212までの距離L2は、上側の織布205における第2アンカー糸221からその隣の第2アンカー糸222までの距離L5と等しくする。
そして、上記の状態を保ったまま、一対の織布204,205の周端部202L,202Rを縫製する。すると、図9に示すように、テザー糸230,240によって一対の織布204,205の間の距離が規制された袋部203が形成される。このようにして、エアバッグ201の製造が完了する。
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態におけるエアバッグ201の製造方法は、経糸206及び緯糸207からなり、二重に織られて互いに対向した一対の織布204,205と、経糸206又は緯糸207からなり、一対の織布204,205の間の距離を規制する複数のテザー糸230,240と、をOPW方式で製織する製織工程と、一対の織布204,205の周端部(端部)202L,202Rを縫製して袋状の袋部203を形成する縫製工程と、を備え、一対の織布204,205は、緯糸207又は経糸206からなり、テザー糸230,240が架けられるアンカー糸211,212,221,222を有し、縫製工程は、一対の織布204,205のうち、上側(一方)の織布205を下側(他方)の織布204に対して相対的に移動させることで、上側の織布205と下側の織布204とにおいて、一対の織布204,205の周端部202L,202Rとなる部分からアンカー糸211,212,221,222までの距離を等しくし、アンカー糸211,221からその隣のアンカー糸212,222までの距離を等しくした状態で一対の織布204,205の周端部202L,202Rを縫製する。
このようなエアバッグ201の製造方法によると、複数のテザー糸230,240が、袋部203の膨張時において、それぞれが同方向に(一対の織布204,205の周端部202L,202R方向に対し垂直な方向に)指向しているエアバッグ201を容易に製造することができる。このようなエアバッグ201は、袋部203の膨張時において、一対の織布204,205が互いに対称な形状となったり、複数のテザー糸230,240の織布を引っ張る方向が全て同一方向になったりするので、エアバッグ201に凹凸が発生しにくい。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態以外にも、織布の構成は適宜変更可能である。上記実施形態では、織布を構成する経糸及び緯糸は、X軸方向に延在するものを経糸とし、Y軸方向に延在するものを緯糸としたが、これに限られない。例えば、織布を構成する経糸及び緯糸は、X軸方向に延在するものを緯糸とし、Y軸方向に延在するものを経糸としてもよい。この場合、テザー糸は、緯糸からなり、アンカー糸は、経糸からなるものとされる。
(2)上記実施形態以外にも、テザー糸の構成は適宜変更可能である。上記実施形態では、複数のテザー糸は、袋部の左側では、第1織布部に織り込まれており、袋部の右側では、第2織布部に織り込まれているものとしたが、これに限られない。例えば、複数のテザー糸は、袋部の左側では、第2織布部に織り込まれており、袋部の右側では、第1織布部に織り込まれているものであってもよい。この場合、架橋部は、第1織布部から第2織布部に向かうほど(上側に向かうほど)、左側に傾いて延伸している。また、上記実施形態では、第1テザー糸30の架橋部31と、第2テザー糸40の架橋部41とが、長さや傾きが互いに等しく、平行であるものを示したが、必ずしも平行である必要はなく、互いに傾きが若干異なっていても良く、それぞれが同方向に指向していれば良い。
(3)上記実施形態以外にも、袋部の構成は適宜変更可能である。上記実施形態では、袋部は、架橋部の位置のちがいによって、第1テザー糸と、第2テザー糸と、の2種類のテザー糸を有するものとしたが、これに限られない。例えば、袋部は、第1テザー糸と、第2テザー糸と、第3テザー糸と、の3種類のテザー糸、もしくは、それよりも多い種類のテザー糸を有するものであってもよい。これらは、架橋部の位置が相対的にずれて配されているものとされる。
(4)上記実施形態では、エアバッグとしてカーテンシールドエアバッグを例示したが、これに限られない。例えば、サイドエアバッグ、ニーエアバッグ、運転席エアバッグ、助手席エアバッグ等の車両用エアバッグに対しても、上記発明を適用することができる。
(5)上記実施形態で例示したエアバッグ及びその製造方法は、車両用に提供されるもの限られず、種々の乗物において提供されるものであってもよい。例えば、地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物についても上記エアバッグ及びその製造方法を適用することができる。
1,201…エアバッグ、2L,2R,202L,202R…周端部(端部)、3,203…袋部、4,5,204,205…織布、6,206…経糸、7,207…緯糸、10…第1織布部、11,12,211,212…第1アンカー糸(アンカー糸)、20…第2織布部、21,22,221,222、第2アンカー糸(アンカー糸)、30,230…、第1テザー糸(テザー糸)、40,240…、第2テザー糸(テザー糸)
Claims (3)
- 経糸及び緯糸からなる織布と、
前記織布が二重に織られて無縫製の袋状をなす袋部と、を備えるエアバッグであって、
前記袋部は、
一方の前記織布によって形成された第1織布部と、
他方の前記織布によって形成され、前記第1織布部に対向した第2織布部と、
前記経糸又は前記緯糸からなり、前記第1織布部と前記第2織布部との間の距離を規制する複数のテザー糸と、を有し、
前記複数のテザー糸は、前記袋部の膨張時において、それぞれが同方向に指向していることを特徴とするエアバッグ。 - 前記複数のテザー糸は、その全てが、前記第1織布部又は前記第2織布部から、前記第2織布部又は前記第1織布部へ、織り込まれる構成とされていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
- 経糸及び緯糸からなり、二重に織られて互いに対向した一対の織布と、前記経糸又は前記緯糸からなり、前記一対の織布の間の距離を規制する複数のテザー糸と、をOPW方式で製織する製織工程と、
前記一対の織布の端部を縫製して袋状の袋部を形成する縫製工程と、を備え、
前記一対の織布は、前記緯糸又は前記経糸からなり、前記テザー糸が架けられるアンカー糸を有し、
前記縫製工程は、前記一対の織布のうち、一方の織布を他方の織布に対して相対的に移動させることで、前記一方の織布と前記他方の織布とにおいて、前記一対の織布の端部となる部分から前記アンカー糸までの距離を等しくし、前記アンカー糸からその隣のアンカー糸までの距離を等しくした状態で前記一対の織布の端部を縫製することを特徴とするエアバッグの製造方法。
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JP2018146602A JP2020019450A (ja) | 2018-08-03 | 2018-08-03 | エアバッグ及びその製造方法 |
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