JP2020006096A - 血圧測定装置、方法及びプログラム - Google Patents

血圧測定装置、方法及びプログラム Download PDF

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達矢 小林
陽平 浅野
Yohei Asano
陽平 浅野
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Yasuhiro Kawabata
康大 川端
英之 山下
Hideyuki Yamashita
英之 山下
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Akito Ito
晃人 伊藤
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Abstract

【課題】正確な血圧を測定することが可能になる。【解決手段】血圧測定装置が、水頭圧袋に接続する水頭圧管内の水頭圧を水頭圧センサによって取得する取得部と、水頭圧袋に接触するカフと、カフに流体を注入するポンプと、カフから流体を排気する排気弁と、カフ内のカフ圧力を測定する圧力センサと、水頭圧とカフ圧力に基づいてユーザの血圧を測定する測定部と、を備え、水頭圧袋及び水頭圧センサのいずれかはユーザの特定の身体位置に配置される。【選択図】図1

Description

この発明は、血圧測定装置、方法及びプログラムに関する。
ユーザの血圧を測定する際には、生体の特定部位に装置を装着し測定することが一般的である。例えば、カフ式の血圧測定装置では、ユーザの上腕にカフを装着して、カフに流体を注入またはカフから流体を排出することによって、ユーザの血圧を測定する。他には、例えば、ユーザの手首に腕時計を装着し、腕時計またはベルトに内蔵された装置(例えば、カフまたは電極)によってユーザの血圧を測定する血圧測定装置もある。
このように血圧を測定する場合には、生体の装着位置の高さを適切に調整することが重要である。心臓の高さと測定位置の高さとの差に応じて、心臓から測定位置までの血管内の血液が重力を受けて生じる圧力(例えば、水頭圧で表す)に差が発生する。この結果、心臓の高さより測定位置の高さが低い場合には、心臓から測定位置までの血液が受ける重力による圧力が加わった状態で血圧が測定される。一方、心臓の高さより測定位置の高さが高い場合には、測定位置から心臓までの血液が受ける重力による圧力が減じられた状態で血圧が測定される。すなわち、心臓の位置と血圧を測定する生体の位置との高さを一致させることが、血圧の測定精度を確保するための条件として重要である。
ユーザの正確な血圧の測定を行うための血圧測定装置として、例えば、特許文献1には水頭圧に基づく手法が開示されている。
特許文献1では、内側カフにおける圧力は、心臓と被測定部位との間の水頭圧分が増加した圧力となるが、圧力検出部により検出される圧力は、圧力検出部と内側カフとの間の水頭圧分だけ減少するので、双方の水頭圧が打ち消し合って真の血圧値を検出する。この結果、特許文献1によれば、通常の血圧測定法に加えて予め圧力検出部を心臓の高さに保持することにより水頭圧の補正がなされる。
特開平7−136133号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の血圧測定装置は、圧力検出部を被検者の心臓の高さとほぼ同じ高さに維持し、内側及び外側カフを例えば人差し指に装着して測定を開始する、との記載しかない。特許文献1には、どのようにして圧力検出部の高さと心臓の高さとを同じ高さに維持するかについては述べられていない。また、特許文献1でこれらの高さを同じに維持するためには、カフにかかる内圧力を検出する圧力検出部をユーザが調整(上下動させる)する必要がある。したがって、少なくとも就寝中にはユーザは特許文献1に記載の血圧測定装置を使用することはできない。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、就寝中でも正確な血圧を測定することが可能な血圧測定装置、方法及びプログラムを提供することである。
本開示は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本開示の第1の側面に係る血圧測定装置は、水頭圧袋に接続する水頭圧管内の水頭圧を水頭圧センサによって取得する取得部と、前記水頭圧袋に接触するカフと、前記カフに流体を注入するポンプと、前記カフから前記流体を排気する排気弁と、前記カフ内のカフ圧力を測定する圧力センサと、前記水頭圧と前記カフ圧力に基づいてユーザの血圧を測定する測定部と、を備え、前記水頭圧袋及び前記水頭圧センサのいずれかは前記ユーザの特定の身体位置に配置される。
上記の構成では、水頭圧袋及び水頭圧センサのいずれかをユーザの特定の身体位置に置き、水頭圧袋に接続する水頭圧管内の圧力(水頭圧)を水頭圧センサによって取得することにより、血圧測定装置はこの特定の身体位置とユーザの姿勢または基準となる高さとの差を測定することができる。そして、血圧測定装置は、ユーザの姿勢または基準となる高さと、水頭圧袋に接触するカフ内のカフ圧力に基づいて、ユーザの血圧値を測定することができる。ここで、特定の身体位置は、ユーザの身体に対して位置がずれない場所であればどこでもよい。例えば、特定の身体位置は、上腕部の心臓に近い位置であり、水頭圧袋は血圧を測定するためのカフに接触して設置される。また、基準となる高さは、一定の高さであればどの高さでもよい。例えば、基準となる高さは、測定部が設置されている床面がある。他に、例えば、水頭圧袋をカフに付着させ上腕にカフを巻き、基準となる高さは測定部が設定されている床面として、測定部と同じ高さに水頭圧センサを設置してもよい。さらに他に、例えば、水頭圧袋を胸部の心臓に近い位置に設置し、水頭圧センサ及び測定部を手首に設置してもよいし、水頭圧袋と水頭圧センサ及び測定部とはこの逆の位置に設置してもよい。
基準となる高さは予め設定されるので、水頭圧センサで検出される圧力に応じて、血圧を測定する測定部の高さと基準となる高さとの差は決定されることが可能になる。したがって、水頭圧センサによって取得された圧力とカフ圧力に基づいて測定部がユーザの血圧を測定することによって、測定部で測定される圧力がユーザの本来の血圧よりも小さいか、大きいか、またはある範囲内で本来の値であるかを自動的に判定することができる。この結果、ユーザが機器を操作できない状態(例えば、就寝中)でも測定されたユーザの血圧が本来の値であるかどうか、本来の値から小さいか大きいかを含めて血圧を測定することが可能になる血圧測定装置を提供することができる。
上記の第2の側面に係る血圧測定装置では、前記測定部は、前記水頭圧に基づいて前記ユーザの姿勢を判定する判定部と、前記姿勢に基づいて前記ユーザの血圧を補正する血圧測定部と、を備える。
上記の構成では、水頭圧袋または水頭圧センサのいずれかを配置したユーザの身体位置の高さに基づいて、水頭圧センサが検出する圧力が変化する。この圧力の値はユーザの姿勢と対応付けることができるので、水頭圧センサが検出した圧力に基づいて判定部はユーザの姿勢を判定することができる。ユーザの姿勢によってユーザの血圧を測定する測定部の高さと水頭圧センサとの高さとの差は決定される。したがって、血圧測定部が姿勢に基づいてユーザの血圧を測定することによって、測定部で測定される圧力がユーザの本来の血圧よりも小さいか、大きいか、またはある範囲内で本来の値であるかを判定部が自動的に判定することができる。さらに、血圧測定部がこの判定に基づいてユーザの血圧を本来の血圧に補正することができる。また、この血圧測定装置によって就寝時のユーザの姿勢も判定して履歴を記録することができる。さらに、特定の姿勢の場合のみ、血圧測定部が動作するようにしてもよいし、または血圧の測定値を記録してもよい。
上記の第3の側面に係る血圧測定装置では、前記判定部は、前記水頭圧袋がユーザの上腕に配置される場合に、前記水頭圧が第1範囲に含まれる場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓と同一の高さにあると判定し、前記水頭圧が第1範囲の最大値よりも大きい値を含む第2範囲に含まれる場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓よりも上にあると判定し、前記水頭圧が第1範囲の最小値よりも小さい値を含む第3範囲に含まれる場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓よりも下にあると判定する。
上記の構成では、水頭圧センサが検出した圧力の値が第1範囲、第2範囲、第3範囲のいずれに含まれるかに応じて、水頭圧袋の高さとユーザの心臓の高さとの大小関係を判定することができる。この判定部の処理に基づいて、ユーザの血圧が正確に測定されている場合を識別することが可能になる。したがって、適切な高さで正確に測定されたユーザの血圧の値と測定時刻とを含むデータのみを抽出することができる。また、例えば、測定された血圧値が時刻に対応付けられれば、正確に測定されたユーザの血圧の値と測定した時刻とを関連付けたデータ(血圧値データとも称す)を血圧測定装置が記録することが可能になる。
上記の第4の側面に係る血圧測定装置では、前記判定部は、前記水頭圧が前記第1範囲、前記第2範囲、及び前記第3範囲のいずれかに含まれている場合には、前記ユーザが体を横たえている姿勢と判定し、前記水頭圧が前記第1範囲、前記第2範囲、及び前記第3範囲に含まれていない場合には、前記ユーザが体を横たえていない姿勢と判定する。
上記の構成では、水頭圧センサが検出した圧力の値に応じてユーザが体を横たえているかどうかを判定部が判定することができる。したがって、ユーザが就寝中であることを判定部が判定して、例えば、血圧測定部が就寝中の血圧値データを抽出することが可能になる。また、例えば、就寝中に目が覚め起き上がった際の血圧値データを判定部が識別して除外することができる。この結果、就寝中でもユーザが体を横たえている場合のみの血圧値データを抽出することができる。
上記の第5の側面に係る血圧測定装置では、前記判定部は、前記ユーザのある身体位置に固定して配置される加速度センサから該身体に対する加速度の向きを取得する向き取得部をさらに備え、前記判定部は、前記加速度の向きと前記水頭圧に基づいて前記ユーザの姿勢を判定する。
上記の構成では、水頭圧センサで検出する圧力に加え、ユーザの身体に固定して配置される加速度センサによって、この位置での加速度の向きを取得することができる。加速度センサはユーザの特定の身体位置に固定されているので、加速度センサによる加速度の向きによってユーザの体の向きを判定することができる。例えば、ユーザが就寝中である場合には、ユーザが寝返りを打っている間以外はほぼ静止しているので、加速度センサの値は重力加速度になる。加速度センサが配置される位置はユーザの身体に固定されているので、判定部はユーザが重力の向きに対してどちらを向いているかを判定することができる。
上記の第6の側面に係る血圧測定装置では、前記判定部は、前記水頭圧袋がユーザの上腕に配置される場合に、前記水頭圧が第1範囲に含まれる場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓と同一の高さにあると判定し、前記水頭圧が第1範囲の最大値よりも大きい値を含む第2範囲に含まれ、かつ、前記向きが第1向きの場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓よりも上にあると判定し、前記水頭圧が第1範囲の最大値よりも大きい値を含む第2範囲に含まれ、かつ、前記向きが前記第1向きでない場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓よりも上にあると判定し、前記水頭圧が第1範囲の最小値よりも小さい値を含む第3範囲に含まれ、かつ、前記向きが前記第1向きと逆向きの場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓よりも下にあると判定する、前記水頭圧が第1範囲の最小値よりも小さい値を含む第3範囲に含まれ、かつ、前記向きが前記逆向きでない場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓と同一の高さにあると判定する。
上記の構成では、水頭圧センサが検出した圧力の値が第1範囲、第2範囲、及び第3範囲のいずれに含まれるか、さらに加速度の向きに応じて、水頭圧袋の高さとユーザの心臓の高さとの大小関係を圧力だけで判定するよりも正確に判定することができる。また、第1向きは、加速度センサがユーザの身体にどのように固定されて配置されるかに依存する。例えば、伏臥位である場合と仰臥位である場合で反対の向きを示すように加速度センサをユーザに配置する。第1向きと加速度センサの配置とは連動する。向きを判別することは容易なので、加速度センサの配置を優先してもよい。実装する際は、加速度センサの配置を決定し、その後に第1向きを定義することが望ましい。また、加速度センサの配置はある程度の自由度がある。例えば、加速度センサがユーザの重心に対して180度回転した位置に配置されれば、第1向きが回転前の向きとは逆向きになるので、これを考慮して向きを設定すればよい。
この判定部の処理に基づいて、ユーザの血圧が正確に測定されている場合を識別することが可能になる。したがって、正確に測定されたユーザの血圧値データのみを抽出することができる。また、例えば、正確に測定されたユーザの血圧の値と測定した時刻とを関連付けて記録することが可能になる。
上記の第7の側面に係る血圧測定装置では、前記判定部は、前記ユーザが体を横たえた姿勢である場合に、前記水頭圧が第1範囲に含まれ、かつ、前記向きが第1向きの場合には、前記姿勢が仰臥位であると判定し、前記水頭圧が第1範囲に含まれ、かつ、前記向きが前記第1向きでない場合には、前記姿勢が伏臥位であると判定する。
上記の構成では、水頭圧センサが検出した圧力と加速度センサが検出した重力加速度によって、ユーザが仰臥位であるか、または伏臥位であるかを正確に判定することができる。ユーザの就寝時の体位を正確に判定することができるので、ユーザの血圧値データの信頼性を正確に判定することが可能になる。
上記の第8の側面に係る血圧測定装置では、前記測定部は、前記水頭圧に基づいて前記水頭圧袋と前記水頭圧センサとの高低差を算出する算出部と、前記高低差に基づいて前記ユーザの血圧を補正する血圧測定部と、を備える。
上記の構成では、水頭圧センサが検出する圧力が水頭圧袋と水頭圧センサとの高さの差(高低差)に対応するので、算出部はこの圧力に基づいて高低差を算出することができる。圧力と高低差は比例の関係にあり、水頭圧袋が水頭圧センサよりも高いほど圧力が高くなり、水頭圧袋が水頭圧センサよりも低いほど圧力は低くなる。管理者、製造者、またはユーザが水頭圧センサを校正し、圧力の値と高低差を簡単な数式で表すことが可能である(より詳細には実施形態で説明する)。算出部はこの数式に基づいて高低差を算出する。したがって、血圧測定部が高低差に基づいてユーザの血圧を測定することによって、測定部で測定される圧力がユーザの本来の血圧よりも小さいか、大きいか、またはある誤差範囲内で本来の値であるかを血圧測定部が自動的に判定することができる。さらに、血圧測定部がこの判定に基づいてユーザの血圧を本来の血圧に補正することができる。また、この血圧測定装置によって就寝時のユーザの姿勢も判定して履歴を記録することができる。
上記の第9の側面に係る血圧測定装置では、脈波信号を検出する脈波検出部と、前記脈波信号の時間変動と、前記水頭圧袋と前記水頭圧センサとの高低差の時間変動とに基づいて、同一時間に測定された血圧の変動の原因を判定する判定部と、をさらに備える。
上記の構成では、脈波検出部が脈波信号の時間変動と、算出部が算出した、前記水頭圧袋と前記水頭圧センサとの高低差の時間変動とを、判定部が同一時間帯で比較することによって、脈波信号の時間変動部分が、水頭圧袋と水頭圧センサとの高低差の時間変動に起因しているかどうかを判定することができる。脈波信号の時間変動部分が高低差の時間変動に起因していない場合には、同一時間に測定された血圧の変動は、高低差に起因するものではないと判定することができる。
上記の第10の側面に係る血圧測定装置では、前記判定部は、前記脈波信号の時間変動する部分と、前記高低差の時間変動する部分とが同一時間に測定された場合には、前記脈波信号の時間変動した時間に測定された血圧はユーザの生理現象を反映していないと判定し、前記脈波信号の時間変動する部分と、前記高低差の時間変動する部分とが同一時間に測定されていない場合には、前記脈波信号の時間変動した時間に測定された血圧はユーザの生理現象を反映していると判定する。
上記の構成では、同一時間帯で脈波の時間変動と、高低差の時間変動を判定部が比較することによって、脈波信号の時間変動する部分と、前記高低差の時間変動する部分とが同一時間に測定された場合には、同一時間帯に測定された血圧変動は、高低差による時間変動である可能性が高いと見なすことができる。したがって、高低差による時間変動である可能性が高いと見なされた時間帯での血圧測定は、ユーザの生理現象を反映していないと判定することができる。一方、判定部が、脈波信号の時間変動する部分と、前記高低差の時間変動する部分とが同一時間に測定されなかった場合には、脈波信号が時間変動した時間帯に測定された血圧は、高低差による時間変動である可能性が低いと見なすことができる。したがって、高低差による時間変動である可能性が低いと見なされた時間帯での血圧測定は、ユーザの生理現象を反映している(すなわち、ユーザの本来の血圧を示す)と判定することができる。
上記の第11の側面に係る血圧測定装置では、前記算出部は、前記高低差に基づいて前記ユーザの姿勢を判定し、前記血圧測定部は、前記姿勢に基づいて前記ユーザの血圧を測定する。
上記の構成では、水頭圧袋と水頭圧センサとの高さの差(高低差)とそれぞれが設置されている位置が解れば、水頭圧によって水頭圧袋と水頭圧センサとの位置関係が判明する。また、水頭圧袋及び水頭圧センサのいずれかはユーザの特定の身体位置に配置されるので、高低差によってユーザに配置されているもの(すなわち、水頭圧袋または水頭圧センサ)の高さが判明する。したがって、水頭圧袋と水頭圧センサとの高低差によって、ユーザの姿勢を判定することができる。そして、血圧測定部は、ユーザの姿勢によって、測定部で測定される圧力がユーザの本来の血圧よりも小さいか、大きいか、またはある範囲内で本来の値であるかを自動的に判定することができる。また、特定の姿勢の場合のみ、血圧測定部が動作するようにしてもよい。他の形態として、血圧測定部は通常通り血圧値を測定し、血圧値データを記憶部が記憶し、測定後にユーザの測定時の姿勢に基づいて血圧値データから不要なデータを削除してもよい。
上記の第12の側面に係る血圧測定装置は、前記水頭圧袋は基準位置から一定の高さの高さ位置と前記身体位置とのうちの一方に配置され、前記水頭圧センサは前記高さ位置と前記身体位置とのうちの前記水頭圧袋とは異なる位置に配置される。
上記の構成では、基準位置から一定の高さの位置が固定されているので、この位置の高さともう一方のものとの差が、水頭圧センサが検出する圧力に反映される。例えば、水頭圧センサを含む装置が寝室の床面に配置され、ユーザはベッドに横たわり、水頭圧袋は横たわったユーザの心臓に最も近い胸部の特定の位置に配置される。この場合には、床面からのベッドのフレーム及びマット等の厚みがオフセット値になり、高低差はこのオフセット値以上になる。このように、水頭圧袋と水頭圧センサの一方の高さを固定すればオフセット値が決まるので、圧力の取り得る範囲が明確になり測定精度に寄与する可能性がある。例えば、圧力の取り得る範囲が明確になれば、この範囲以外の値になった場合に水頭圧センサもしくは水頭圧袋に不具合があることを発見しやすくなる。この結果、血圧測定装置のメンテナンスがしやすくなるという効果もある。
上記の第13の側面に係る血圧測定装置は、前記水頭圧袋に接触するカフをさらに備え、前記測定部は、前記カフ内にかかるカフ圧力から前記血圧を測定する。
上記の構成では、血圧を測定する際に使用するカフに水頭圧袋を接触させて付着することによって、ユーザに水頭圧袋を固定して設置することができる。
本発明によれば、正確な血圧を測定することが可能な血圧測定装置、方法及びプログラムを提供することができる。
実施の形態に係る血圧測定装置の適用場面の一例を模式的に例示する図。 実施の形態に係る血圧測定装置のハードウェア構成の一例を模式的に例示する図。 実施の形態に係る血圧測定装置の外観の一例を模式的に例示する図。 実施の形態に係る血圧測定装置で測定される水頭圧と水頭圧袋の高さとの関係の一例を例示する図。 実施の形態に係る血圧測定装置での、水頭圧、高さ、及び血圧値への影響と、姿勢との関係の一例を例示する図。 実施の形態に係る血圧測定装置での、水頭圧と高さとの関数関係と、ユーザの姿勢いとの関係の一例を例示する図。 実施の形態に係る血圧測定装置のソフトウェア構成の一例を例示する図。 実施の形態に係る血圧測定装置の処理手順の一例を模式的に例示する図。 図8のステップS810の動作の一例を例示する図。 実施の形態の変形例に係る血圧測定装置のハードウェア構成の一例を模式的に例示する図。 実施の形態の変形例に係る血圧測定装置での、水頭圧、加速度の向き、高さ、及び血圧値への影響と、姿勢との関係の一例を例示する図。 実施の形態の変形例に係る血圧測定装置のソフトウェア構成の一例を例示する図。 実施の形態の変形例に係る血圧測定装置の処理手順の一例を模式的に例示する図。 実施の形態の変形例に係る血圧測定装置のソフトウェア構成の変形例を例示する図。 カフの圧迫力と、脈振幅と、高さとの時間履歴の一例を示す、正常な血圧測定が可能と判定される一例の図。 高さ変動を伴う脈振幅の対応期間は正常な血圧測定が不可能と判定され、対応部分のデータを除外する一例を例示する図。 高さ変動を伴わない脈振幅の変動部分は正常な血圧測定が可能と判定される一例を例示する図。 高さ変動を伴う脈振幅の対応期間は正常な血圧測定が不可能と判定される一例を例示する図。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。
[適用例]
まず、図1を用いて、本発明が適用される場面の一例について説明する。図1は、本適用例に係る血圧測定装置100の適用場面の一例を模式的に例示する。血圧測定装置100では、水頭圧袋101が典型的にはカフ105に付着されていて、カフ105がユーザに装着される位置を示すために水頭圧袋101が使用される。水頭圧センサ103が水頭圧管102を介して水頭圧袋101に接続し、水頭圧袋101の高さに応じた水頭圧を検出する。測定判定部104は、水頭圧センサ103が検出した水頭圧に基づいて水頭圧センサ103が設置されている位置と水頭圧袋101の位置との高さを推定し、ユーザの血圧を測定するために適した高さであるかどうかを判定する。血圧測定部110は、ポンプ108及び弁109を使用して、カフ105に流体(例えば、空気)を送り込みまたはカフ105から流体を排出してその際の圧力センサ107が検出したカフ内のカフ圧力に基づいて、ユーザの血圧を測定する。典型的には、測定判定部104が血圧を測定するのに適した高さであると判定した場合に、血圧測定部110がユーザの血圧を測定する。血圧測定部110が測定した血圧値データは、記憶部111に記憶される。
血圧測定装置100は、ユーザの血圧値を測定するもので、水頭圧袋101、水頭圧管102、及び水頭圧センサ103により決定される水頭圧に基づいて、ユーザの血圧値を測定する。図1に示される通り、血圧測定装置100は、生体に装着されて生体の血圧を測定するものであり、生体へ加圧及び減圧し生体から脈拍を取得するためのカフ105と、カフ105に付着される水頭圧袋101と、水頭圧管102を介して接続され水頭圧を検出する水頭圧センサ103と、水頭圧に基づいて血圧測定に適した状態であるかどうかを判定する測定判定部104と、カフ105を加圧及び減圧するためにカフ管106を介して使用されるポンプ108及び弁109と、カフ管106を介してカフ105の圧力を検出する圧力センサ107と、測定判定部104の判定に基づいてユーザの血圧を補正する血圧測定部110と、血圧測定部110が補正した血圧値データを記憶する記憶部111と、を備えている。
水頭圧袋101は、水頭圧管102を介して水頭圧センサ103に接続している。一方、カフ105は、カフ管106を介して、圧力センサ107、ポンプ108、弁109に接続している。水頭圧管102及びカフ管106はそれぞれ流体で満たされていて、例えば、水頭圧管102にはグリセリンが充填され、カフ管106には空気が充填されている。水頭圧管102とカフ管106とは図1では分離しているが、一体に形成されていてもよい。水頭圧センサ103は、水頭圧管102内の圧力(より正確には、水頭圧センサ103に接続している水頭圧管102の位置での圧力)を検出する。測定判定部104は、水頭圧センサ103が検出した水頭圧に基づいて、水頭圧センサ103が設置されている位置と水頭圧袋101の位置との高さを推定し、ユーザの血圧を測定するために適した高さであるかどうかを判定する。測定判定部104は、水頭圧センサ103で検出される水頭圧に基づいて、ユーザの姿勢を判定してユーザの血圧を測定するために適した姿勢であるかどうかを判定してもよい。
測定判定部104は、ユーザの正確な血圧値を取得できると判定した場合に、血圧値データを取得するように血圧測定部110に指示信号を送信する。また、測定判定部104は、測定判定部104が判定した水頭圧袋101の高さまたはユーザの姿勢に基づいて、ユーザの血圧測定の開始を指示してもよい。他に、血圧測定部110が測定判定部104の判定結果にかかわらず、ユーザの血圧値を測定し記憶部111に血圧値データを記憶させ、測定判定部104が判定した判定結果と判定した時刻とを記憶部111に記憶しておく。そして、血圧測定部110または記憶部111が、測定判定部104が判定した判定結果に基づいて、血圧値データのうち正確なデータと判定することができるデータのみを残し、他の正確なデータと判定されなかったデータを採用しなくてもよい(または削除してもよい)(このデータを補正されたデータとしてもよい)。記憶部111は、血圧測定部110が測定した血圧値データを記憶している。また、血圧値データと共に測定判定部104が判定した判定結果が記憶部111に記憶されてもよい。
図1の例では、カフへの加圧または減圧によって血圧を測定するオシロメトリック法が適用されている。オシロメトリック法では、カフ105、カフ管106、圧力センサ107、ポンプ108、弁109を使用して血圧測定装置100がユーザの血圧値を測定する。なお、血圧測定装置100は、本発明の「血圧測定装置」に対応する。
以上の通り、本適用例では、血圧測定装置は、水頭圧袋をユーザの特定の身体位置に置き、水頭圧袋に接続する水頭圧管内の圧力を水頭圧センサによって取得することにより、この特定の身体位置とユーザの姿勢または基準となる高さとの差を測定することができる。そして、血圧測定装置は、ユーザの姿勢または基準となる高さに基づいて、ユーザの血圧値を測定及び補正することができる。したがって、水頭圧センサによって取得された圧力に基づいて測定部がユーザの血圧を測定することによって、測定部で測定される圧力がユーザの本来の血圧よりも小さいか、大きいか、またはある範囲内で本来の値であるかを自動的に判定することができる。この結果、ユーザが機器を操作できない状態(例えば、就寝中)でも測定されたユーザの血圧が本来の値であるかどうか、本来の値から小さいか大きいかを含めて血圧を測定し補正することが可能になる血圧測定装置、方法及びプログラムを提供することができる。
[構成例]
(ハードウェア構成)
<血圧測定装置>
次に、図2を用いて、本実施形態に係る血圧測定装置200のハードウェア構成の一例について説明する。
図2に示される通り、本実施形態に係る血圧測定装置200は、出力装置211、入力装置212、制御部213、記憶部214、ドライブ215、外部インタフェース216、通信インタフェース217、電源218、及び計時装置223が電気的に接続されたコンピュータを含む。さらに血圧測定装置200は、圧力センサ219、ポンプ駆動回路220、ポンプ221、押圧カフ231、水頭圧センサ225、及び水頭圧袋227を備える。本実施形態に係る血圧測定装置200は、本発明の「血圧測定装置」に相当する。なお、図2では、通信インタフェース及び外部インタフェースをそれぞれ、「通信I/F」及び「外部I/F」と記載している。
制御部213は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行う。記憶部214は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置であり、制御部213で実行される水頭圧による測定判定及びカフ制御プログラム、血圧測定プログラム、及び/または血圧測定装置が測定した血圧のデータである血圧測定データ等を記憶する。
水頭圧による測定判定及びカフ制御プログラムは、水頭圧センサ225が検出した水頭圧に基づいて判定された状態(ユーザの姿勢、血圧測定点の高さ)に応じて正確な血圧を測定可能であるかを判定する処理(図8、図13)を実行させるためのプログラムである。また、血圧測定プログラムは、押圧カフ231を利用してカフを装着したユーザの血圧を測定する処理(図9)を実行させるためのプログラムである。さらに、血圧測定データは、血圧測定プログラムを実行することによって得られる血圧の時系列データである。詳細は後述する。
通信インタフェース217は、例えば、近距離無線通信(例えば、ブルートゥース(登録商標))モジュール、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、ネットワークを介した有線または無線通信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース217は、血圧測定装置200を外部装置(例えば、スマートフォン、ネットワーク上の通信機器)に接続するためのインタフェースである。通信インタフェース217は、制御部213によって制御される。通信インタフェース217は、ネットワークを介して受信した外部装置からの情報を制御部213へ受け渡す。このネットワークを介した通信は、無線または有線のいずれでもよい。なお、通信インタフェース217は、ネットワークを介して、情報を外部装置へ送信することができてもよい。ネットワークは、病院内LANのような他の種類のネットワークであってもよいし、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどを用いた1対1の通信であってもよい。通信インタフェース217は、マイクロUSBコネクタを含んでいてもよい。
入力装置212は、例えば、マウス、キーボード等の入力を行うための装置である。出力装置211は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等の出力を行うための装置である。外部インタフェース216は、USBポート等であり、例えば、圧力センサ219、水頭圧センサ225、及び/またはポンプ駆動回路220等の外部装置と接続するためのインタフェースである。
記憶部214は、コンピュータその他の装置、機械等が記録されたプログラム等の情報を読み取り可能なように、当該プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的または化学的作用によって蓄積する媒体である。血圧測定装置200は、この記憶部214から、測定判定及びカフ制御プログラム、血圧測定プログラム、及び/または血圧測定データ等を取得してもよい。
ドライブ215は、例えば、CD(Compact Disk)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ等であり、記憶媒体に記憶されたプログラムを読み込むための装置である。ドライブ215の種類は、記憶媒体の種類に応じて適宜選択されてよい。上記の測定判定及びカフ制御プログラム、血圧測定プログラム、及び/または血圧測定データは、この記憶媒体に記憶されていてもよい。ここでは、記憶媒体の一例として、CD、DVD等のディスク型の記憶媒体を例示している。しかしながら、記憶媒体の種類は、ディスク型に限定される訳ではなく、ディスク型以外であってもよい。ディスク型以外の記憶媒体として、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリを挙げることができる。
電源218は、電力を供給可能なものであれば何でもよく、例えば、充電可能な2次電池または通常のコンセントから取得可能な交流電源である。電源218は、血圧測定装置200本体に搭載されている各要素へ電力を供給する。電源218は、例えば、出力装置211、入力装置212、制御部213、記憶部214、ドライブ215、外部インタフェース216、通信インタフェース217、圧力センサ219、ポンプ駆動回路220、ポンプ221、弁222、計時装置223、及び水頭圧センサ225へ電力を供給する。
圧力センサ219は、例えば、ピエゾ抵抗式圧力センサである。圧力センサ219は、第1流路を構成するカフ管(例えば、可撓性チューブ)241及び流路形成部材242を介して、押圧カフ231内の圧力を検出する。圧力センサ219は、圧力データ(例えば、圧力値の時系列データ)を制御部213へ出力する。
ポンプ駆動回路220は、制御部213からの制御信号に基づいて、ポンプ221を駆動または制動する(つまり、ポンプ221をオンまたはオフする)。ポンプ駆動回路220は、流体を注入すると判定された場合に、押圧カフ231に流体を注入するポンプ221を駆動する。
ポンプ221は、例えば、圧電ポンプである。ポンプ221は、第1流路を介して、押圧カフ231に流体が流通可能に接続されている。ポンプ221は、第1流路を通して、押圧カフ231に流体(例えば、空気)を供給することができる。なお、ポンプ221には、ポンプ221のオンまたはオフに伴って開閉が制御される弁222が搭載されている。すなわち、この弁222は、ポンプ221がオンされると閉じて、押圧カフ231内に空気を封入する。一方、この弁222は、ポンプ221がオフされると開いて、押圧カフ231内の空気を、第1流路を通して大気中へ排出させる。なお、この弁222は、逆止弁の機能を有し、排出される空気が逆流することはない。また、これとは異なり、制御部213が、ポンプ221のオンまたはオフの制御と、弁222の開閉の制御とを別々に行うようにしてもよい。
水頭圧センサ225は圧力センサ219と同様な機構でもあってよい。水頭圧センサ225は、流路を構成する水頭圧管226を介して、水頭圧管226内の圧力を検出する。水頭圧センサ225は、圧力データ(例えば、圧力値の時系列データ)を制御部213へ出力する。水頭圧袋227及び水頭圧管226には流体としてグリセリン(例えば、密度1.26g/cm)が充填される。なお、水頭圧管226は、精度良く高さを測定するために、カフ管241よりも硬い素材(例えば、PTFE:polytetrafluoroethylene)が使用される。カフ管241は、比較的柔らかい素材(例えば、PVC:polyvinyl chloride)からできていて、ユーザビリティに優れる。
計時装置223は、時間を計測する装置であり、日時を計測できる。例えば、計時装置219はカレンダーを含む時計であり、現在の日時の情報を制御部213へ渡す。
なお、血圧測定装置200の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部213は、複数のプロセッサを含んでもよい。血圧測定装置200は、複数台の情報処理装置で構成されてもよい。また、血圧測定装置200は、提供されるサービス専用に設計された情報処理装置の他、汎用のデスクトップPC(Personal Computer)、タブレットPC等が用いられてもよい。
<血圧測定装置の外観の一例>
図3に示される通り、血圧測定装置200は、例えば、上腕式の電子血圧計である。血圧測定装置200は、本体100A、押圧カフ231、及びカフ管241を含む。
本体100Aは、出力装置211(ここでは表示部)及び入力装置212(ここでは操作部)を含む。出力装置211は、例えば、測定された血圧値を表示する。また、出力装置211は、血圧測定に適した状態であるかどうかを表示してもよい。入力装置212は、例えば、電源ボタン140A及び操作ボタン140Bを含む。
電源ボタン140Aは、電源をオン/オフする指示を受け付ける。また、電源ボタン140Aは、血圧計測のための準備をする指示を受け付ける。すなわち、電源ボタン140Aが押下された場合、血圧計測の準備動作が行われた状態と判定される。準備動作は、例えば、現在の状態が、水頭圧センサ103及び測定判定部104を使用した血圧測定に適した状態であるかどうかを判定する動作がある。
一方、操作ボタン140Bは、血圧計測のための準備動作が行われた状態で操作(1度押下)される場合、血圧の測定開始の指示を受け付ける。また、操作ボタン140Bは、血圧計測のための準備動作が行われていない状態で操作(1度押下)される場合、他の指示を受け付けてもよい(例えば、服薬情報を記録するための指示)。
操作部140は、タッチパネル等のソフトウェアボタンでもよいし、ハードウェアボタン、すなわち、物理的な構成要素のボタンとして設けられてもよい。
押圧カフ231には、水頭圧袋227及び流体袋180が設けられる。流体袋180は、ユーザの被測定部位を圧迫する。押圧カフ231がユーザの上腕に装着されることで、ユーザの血圧値が測定される。また、押圧カフ231がユーザの上腕に装着された場合、水頭圧袋227によるユーザの姿勢、またはカフの高さ等の検出により、有用な血圧を測定することができるかどうかを判定することができる。
カフ管241は、フレキシブルであり、押圧カフ231と本体100Aとを接続する。このカフ管241を介して、本体100Aの内部に設けられたポンプ221から流体袋180に空気が送り込まれる。また、図3に示すようにカフ管241の内部には水頭圧管226が配管されていてもよいが、カフ管241と水頭圧管226は別体に配管されていてもよい。
<高さと水頭圧の関係>
図4に示すように、水頭圧袋101が位置する高さと、水頭圧センサ103が検出する水頭圧とは一般に関係がある。この図4に示すグラフは、水頭圧センサ103が配置される高さよりも水頭圧袋101の位置が高い場合である。ここでは、水頭圧袋101がユーザの上腕に装着され、水頭圧センサ103が一定の高さの位置に固定して配置されることを想定している。この場合には、水頭圧センサ103の高さが高いほど水頭圧管226の内部にある流体による水頭圧が大きくなる。したがって、図4に示すように、高さが大きいほど水頭圧が高くなる(この逆も正しい)。なお、水頭圧センサ103がユーザの上腕等に装着され基準の高さに水頭圧袋101が配置されていてもよい。この場合には、水頭圧センサ103が検出する水頭圧と高さとの関係は、図4とは異なり、横軸が高さで縦軸が水頭圧とすると右下へ下がる直線になる。すなわち、水頭圧袋101と水頭圧センサ103の配置は相対的であり、原理的にはどちらかをユーザに装着して、もう一方を基準の高さになる位置に設置してよい。
図4には2つの直線が示されている。直線401は、水頭圧袋101と水頭圧センサ103とが同一の高さにある場合を水頭圧±0(mbar)として高さと水頭圧との関係を示している。直線401は、例えば、(圧力(mbar))=1.185×(高さ(cm))−0.8388で表現できる。直線402は、水頭圧袋101が水頭圧センサ103の高さよりも約20cmだけ高い位置を高さ0として基準の位置に定義する場合の、基準の位置からの高さと水頭圧との関係を示している。直線402は、例えば、ベッドサイドに血圧測定装置200の本体を配置して、ユーザの上腕に押圧カフ231を巻いて、ユーザが仰臥位になる場合に水頭圧袋227が上腕の上面に配置される場合の関係式(例えば、(圧力(mbar))=1.185×(高さ(cm))+19.1612)になる。換言すれば、水頭圧袋227が上腕のうちの天井に面する位置に配置される。この場合には、例えば、ユーザが伏臥位になる場合には水頭圧袋227が床に面する位置になる。
直線402は、ユーザの腕の厚み(胴体の厚み(胸から背中までの厚み)にほぼ等しい)が約20cmで、かつ仰臥位になる場合に水頭圧袋227が上腕の上面に配置される場合に使用する関係である。直線402は、直線401を約20cm分だけオフセットされたものである。以下の実施形態では、この直線402の関係式を使用した水頭圧と高さを使用する。また、水頭圧袋227は、仰臥位になる場合に上腕の上面に配置されるように設定されているとする。
<姿勢の違いによる特徴量(水頭圧、高さ、血圧)への影響>
図5に示すように、ユーザが異なる姿勢を取る場合には、水頭圧、高さ、血圧値への影響が異なることが解る。
仰臥位と伏臥位では、水頭圧、高さ、血圧値への影響は同様であり、心臓の高さにほぼ同様な位置に押圧カフ231が配置されるので、血圧値を測定する場合には理想的な姿勢である。したがって、この位置を高さ0として基準の高さに設定している。
側臥位かつ押圧カフ231を装着している腕が床面側にある場合には、押圧カフ231の高さは基準よりも低くなるので、水頭圧は低くなり、血圧値は基準の高さで測定した場合よりも高くなる。
伏臥位かつ押圧カフ231を装着している腕が天井側にある場合には、押圧カフ231の高さは基準よりも高くなるので、水頭圧は高くなり、血圧値は基準の高さで測定した場合よりも低くなる。
以上により、血圧を測定する場合には、仰臥位または伏臥位である場合(すなわち、水頭圧が約10mbar(ミリバール)以上30mbar以下)に測定することが望ましいことが解る。この結果をまとめたグラフが図6である。
図6によれば、ユーザが仰臥位または伏臥位である場合、腕が胴体より下にある側臥位(腕下)の場合、腕が胴体より上にある側臥位(腕上)の場合、その他の腕がベッド床面よりも低くなっている場合(腕下げ)、その他の腕が胴体の側面よりも挙がっている場合(腕挙げ)を、水頭圧によって判定することができることが解る。
(ソフトウェア構成)
<血圧測定装置>
次に、図7を用いて、本実施形態に係る血圧測定装置200のソフトウェア構成の一例を説明する。
血圧測定装置200の制御部213は、必要なプログラムを実行する際に、記憶部214に記憶された、水頭圧による測定判定及びカフ制御プログラム、及び/または血圧測定プログラムをRAMに展開する。そして、制御部213は、RAMに展開された、水頭圧による測定判定及びカフ制御プログラム、及び/または血圧測定プログラムをCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。これによって、図7に示される通り、本実施形態に係る血圧測定装置200は、水頭圧取得部701、姿勢判定部702、カフ圧力取得部703、及び血圧測定部704を備えるコンピュータとして機能する。
入力装置212がユーザから指示信号を受け、制御部213にこの指示信号を与え、血圧測定装置200を動作させる。通信インタフェース217は、例えば、血圧測定装置200で測定した血圧等の情報を外部の装置へ送信したり、外部の装置から情報または信号等、例えば、血圧測定装置200の動作の開始及び終了の指示信号、血圧測定装置200の制御部213のプログラムのアップデートが行われる。
水頭圧取得部701は、水頭圧センサ225が検出した水頭圧の値を取得する。
姿勢判定部702は、水頭圧取得部701が取得した水頭圧に基づいてユーザの姿勢を判定する。上述したように図5または図6に示す関係に基づいて、ユーザの姿勢を判定する。すなわち、仰臥位または伏臥位の姿勢の場合を基準の高さとし、姿勢判定部702は水頭圧に基づいてユーザの姿勢を判定する。ユーザが横たわっている場合には、水頭圧袋227が押圧カフ231に配置されているとすると、水頭圧によって測定される高さは数種類しかないと見なすことができるので、ユーザの姿勢を特定することは他の姿勢を考慮する場合と比較して容易に可能である。図5の例では、水頭圧によって測定される高さに対応するユーザの姿勢は、側臥位または伏臥位、側臥位(腕下)、及び側臥位(腕上)の3通りがある。図6では、ユーザの姿勢は、この3通りに加えて、側臥位(腕下)よりも水頭圧が低い場合の「腕下げ」と、側臥位(腕上)よりも水頭圧が高い場合の「腕挙げ」がある。
カフ圧力取得部703は、圧力センサ219が検出した押圧カフ231内のカフ圧力を取得する。
血圧測定部704は、姿勢判定部702が判定したユーザの姿勢情報に基づいて、血圧測定の実行可否を判定したり、実行可否の判定はせず計時装置223による時刻情報と共に姿勢情報を血圧測定部704に出力してもよい。血圧測定部704は、例えば、オシロメトリック法によって血圧を測定する(より詳しくは図9及びその説明を参照)。血圧測定部704は、ポンプ駆動回路220が押圧カフ231に圧力を印加してユーザの血圧測定を開始し、圧力センサ219が測定した押圧カフ231の圧力値を、カフ圧力取得部703を介して受け取る。血圧測定部704が測定した血圧値(収縮期血圧値、及び拡張期血圧値)は、姿勢情報と共に記憶部214に記憶される。血圧測定装置200は計時装置223を使用して、血圧値と共に測定した時刻も取得してもよい。記憶部214には、例えば、血圧値の時系列データが記憶される。また、血圧測定部704は、血圧測定を行うものであれば、血圧測定方式は何でもよい。
<その他>
血圧測定装置200の動作に関しては後述する動作例で詳細に説明する。なお、本実施形態では、血圧測定装置200の制御部213はいずれも汎用のCPUによって実現されてもよい。しかしながら、以上の機能の一部または全部が、1または複数の専用のプロセッサにより実現されてもよい。また、血圧測定装置200の構成に関して、実施形態に応じて、適宜、省略、置換及び追加が行われてもよい。
[動作例]
次に、図8を用いて、血圧測定装置200の動作例を説明する。図8は、血圧測定装置200の処理手順の一例を例示するフローチャートである。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
(起動)
まず、ユーザは血圧測定装置200を起動し、起動した血圧測定装置200に水頭圧による測定判定及びカフ制御プログラムを実行させる。血圧測定装置200の制御部213は、以下の処理手順にしたがって、水頭圧を計測し、計測された水頭圧に基づいてユーザの姿勢を判定し、判定に応じてユーザの血圧を測定、記録、または記録した血圧を採用する。
(ステップS801)
ステップS801では、制御部213は、水頭圧取得部701として動作し、水頭圧センサ225からの水頭圧データを取得する。
(ステップS802)
ステップS802では、制御部213は、姿勢判定部702として動作し、水頭圧取得部701が取得した水頭圧が特定の範囲内の値であるかどうかを判定する。姿勢判定部702は、例えば、水頭圧が10mbar以上かつ30mbar以下である場合にはステップS803へ処理を進め、水頭圧が10mbar以上かつ30mbar以下に該当しない場合にはステップS804へ処理を進める。
(ステップS803)
ステップS803では、制御部213は、姿勢判定部702として動作し、ユーザが仰臥位または伏臥位であると判定し、その後ステップS810へ処理を進める。
(ステップS804)
ステップS804では、制御部213は、姿勢判定部702として動作し、水頭圧取得部701が取得した水頭圧が特定の範囲内の値であるかどうかを判定する。姿勢判定部702は、例えば、水頭圧が30mbarより大きい場合にはステップS805ヘ処理を進め、水頭圧が30mbarより大きくない場合にはステップS806へ処理を進める。
(ステップS805)
ステップS805では、制御部213は、姿勢判定部702として動作し、水頭圧取得部701が取得した水頭圧が特定の範囲内の値であるかどうかを判定する。姿勢判定部702は、例えば、水頭圧が60mbarより大きい場合にはステップS807ヘ処理を進め、水頭圧が60mbarより大きくない場合にはステップS808へ処理を進める。
(ステップS806)
ステップS806では、制御部213は、姿勢判定部702として動作し、水頭圧取得部701が取得した水頭圧が特定の範囲内の値であるかどうかを判定する。姿勢判定部702は、例えば、水頭圧が0mbarより小さい場合にはステップS807ヘ処理を進め、水頭圧が0mbarより小さくない場合にはステップS809へ処理を進める。
(ステップS807)
ステップS807では、制御部213は、姿勢判定部702として動作し、このステップに該当した場合には、ユーザが起床した状態であるとして、ユーザの血圧の測定を中止するように血圧測定部704に指示する、もしくは、ユーザの血圧値として血圧測定部704が取得したデータを破棄するもしくは使用しないように血圧測定部704及び記憶部214に指示する。
(ステップS808)
ステップS808では、制御部213は、姿勢判定部702として動作し、ユーザが側臥位(腕上)であると判定し、その後ステップS810へ処理を進める。側臥位(腕上)とは、水頭圧袋227が装着されている腕がユーザの胴体よりも上方にある状態を示す。ここで、上方とは重力がかかる向きとは逆の向きの成分を含むベクトルの向きである。
(ステップS809)
ステップS809では、制御部213は、姿勢判定部702として動作し、ユーザが側臥位(腕下)であると判定し、その後ステップS810へ処理を進める。側臥位(腕上)とは、水頭圧袋227が装着されている腕がユーザの胴体よりも下方にある状態を示す。ここで、下方とは重力がかかる向きの成分を含むベクトルの向きである。
(ステップS810)
ステップS810では、制御部213は、血圧測定部704として動作し、ユーザの血圧を測定し、ユーザの血圧値データを記憶部214に記憶させる。
次に、図8のステップS810で血圧測定を実施する場合に、血圧測定装置200がユーザの血圧値を測定することについて図9を参照して説明する。血圧測定装置200は、制御部213によって、例えば、図9のフローチャートにしたがってオシロメトリック方式によりユーザの血圧値を測定する。
(起動)
図8のステップS810で、血圧測定装置200が血圧測定プログラムを実行させる。血圧測定装置200の制御部213は、以下の処理手順にしたがってユーザの血圧値を測定する。ここではオシロメトリック方式による血圧測定を説明するが、ユーザの血圧値を測定できれば他の方式でも構わない(具体例は変形例を参照)。
一般的なオシロメトリック法に従って血圧を測定する場合、次のような動作が行われる。まず、ユーザの被測定部位(例えば、上腕)に予め押圧カフ231が巻き付けられる。測定が開始されると、ポンプ221及び弁222を制御してカフ圧が最高血圧より高く加圧され、その後、徐々に減圧される。
(ステップS901)
ステップS901では、制御部213は、血圧測定部704として機能し、血圧測定部704がポンプ駆動回路220を介して加圧せよとの指示を渡し、ポンプ221を使用して押圧カフ231を加圧する(つまり、押圧カフ231に流体を注入する)ように指示し、加圧が開始される。
ハードウェア的には、血圧測定開始に際して、制御部213は、RAMの処理用メモリ領域を初期化し、ポンプ駆動回路220に制御信号を出力する。ポンプ駆動回路220は、制御信号に基づいて、ポンプ221の弁222を開放して押圧カフ231内の空気を排気する。続いて、制御部213は、圧力センサ219の±0mmHgの調整を行う制御を行う。そして、ポンプ駆動回路220がポンプ221の弁222を閉鎖し、その後、ポンプ駆動回路220がポンプ221を駆動して、押圧カフ231に流体を注入する制御を行う。これにより、押圧カフ231は同一圧力に加圧されて膨張する。
(ステップS902)
ステップS902では、制御部213は、血圧測定部704として機能し、圧力センサ219が押圧カフ231の圧力を検出し、予め設定されている目標とする圧力値に達したかどうかを判定する。目標とする圧力値に達していない場合にはステップS901へ戻り、目標とする圧力値に達した場合には次のステップへ進む。ここで、目標とする圧力値とは、ユーザの収縮期血圧値よりも十分高い圧力値(例えば、収縮期血圧値+30mmHg)であり、予め記憶部214に記憶されているか、押圧カフ231の加圧中に制御部213が収縮期血圧値を所定の算出式により推定して決定する。
(ステップS903)
ステップS903では、制御部213は、血圧測定部704として機能し、押圧カフ231が加圧されて予め設定される目標とする圧力値に達すると、制御部213は、ポンプ駆動回路220を介してポンプ221を停止し、その後、ポンプ221の弁222を徐々に開放する制御を行う。これにより、押圧カフ231を収縮させると共に徐々に減圧して行く。
(ステップS904)
ステップS904では、制御部213は、血圧測定部704として機能し、ステップS903から開始された減圧過程において、圧力センサ219が押圧カフ231の圧力値を検出してカフ圧信号を出力する。この減圧する過程において、カフ圧が検出され、被測定部位の動脈で発生する動脈容積の変動が脈波信号として取り出される。このときのカフ圧の変化に伴う脈波信号の振幅の変化(主に、立ち上がり及び立ち下がり)が取得される。また、減圧速度については、押圧カフ231の加圧中に目標となる目標減圧速度を設定し、その目標減圧速度になるように血圧測定部704がポンプ221の弁222の開口度を制御する。
(ステップS905)
ステップS905では、制御部213は、血圧測定部704として機能し、このカフ圧信号に基づいて、オシロメトリック方式により公知のアルゴリズムを適用して血圧値(収縮期血圧値と拡張期血圧値)を算出する。より詳しくは、カフ圧の変化に伴う脈波信号の振幅の変化(主に、立ち上がり及び立ち下がり)に基づいて、最高血圧(Systolic Blood Pressure)及び最低血圧(Diastolic Blood Pressure)が算出される。血圧測定部704は、血圧値を算出すると、算出した血圧値を記憶部214へ保存する制御を行う。測定が終了すると、血圧測定部704は、ポンプ駆動回路220を介してポンプ221の弁222を開放し、押圧カフ231の空気を排気する制御を行う。なお、血圧値の算出は、減圧過程に限らず、加圧過程において行われてもよい。
[作用と効果]
以上のように、本実施形態では、ステップS801で水頭圧取得部701が水頭圧を取得して、ステップS802、S804、S805、S806で取得した水頭圧の大きさに基づいてユーザの姿勢を判定することができる。そして、本実施形態では、ステップS803、S806、S805等でユーザの姿勢に応じてユーザの血圧測定を実行するかどうかを判定して、ユーザの血圧測定を正確に行うことができる姿勢であると判定した場合には血圧測定を行う(ステップS810、詳細には図9の各ステップ)。したがって、本実施形態によれば、ユーザの本来の血圧よりも小さいか、大きいか、またはある範囲内で本来の値であるかをユーザの姿勢によって自動的に判定することができる。
また、本実施形態では、水頭圧によって高さを推定することができ、この水頭圧に基づく高さはユーザの血圧値の高低に影響を及ぼす(具体的には水頭圧と高さとは線型の関係にある)ので、水頭圧による高さの大きさに応じてユーザの血圧値データの信頼性を判定してもよい。この結果、本実施形態によれば、ユーザの本来の血圧よりも小さいか、大きいか、またはある範囲内で本来の値であるかを水頭圧に応じた高さによって自動的に判定することができる。
[変形例]
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。また、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合せ可能である。
<1>
(ハードウェア構成)
<血圧測定装置>
次に、図10を用いて、本実施形態の変形例に係る血圧測定装置1000のハードウェア構成の一例について説明する。
図10に示される通り、本変形例に係る血圧測定装置1000は、図2の血圧測定装置200の構成に、加速度センサ1001をさらに含む。
加速度センサ1001は、加速度を検出するセンサであり、例えば3軸加速度センサであり、生体の加速度を線型独立な3軸(例えば、互いに直交した3軸)に関して検出する。そして、加速度センサ1001は、3方向の加速度を表す加速度信号を制御部213へ出力する。
加速度センサ1001は、一般的なものであり、ユーザの姿勢を判定するために使用する。加速度センサ1001は、地球上で静的な状態において使用される場合には、重力加速度を検出することができる。実際は、加速度センサ1001は、信号処理を利用して特定の周波数成分を除去することができるため、一定でない多少の加速度があっても重力加速度をある精度内で検出することができる。逆に、一定の加速度が加速度センサ1001に働いていると、加速度センサ1001は、その加速度と重力加速度とを区別することができず、重力加速度を精度良く検出できない。本実施形態の血圧測定装置1000は、例えば、就寝中で使用するためユーザが動くのは寝返り程度であり一定でない加速度が時々働くと想定されるので、良い精度で重力加速度を検出することができる。したがって、本実施形態では、加速度センサ1001は、重力の向き(すなわち、重力加速度の向き)を検出することができる。
<2>
<姿勢の違いによる特徴量(水頭圧、加速度、高さ、血圧)への影響>
図11に示すように、ユーザが異なる姿勢をとる場合には、水頭圧、加速度の向き、高さ、血圧値への影響が異なることが解る。
図5で説明した場合とは異なり、図11の例では加速度の向きが判明しているので、図5の場合よりも姿勢の違いによる血圧への影響をより詳細に考慮することができる。加速度センサの向きを固定して押圧カフ231に装着していれば、加速度センサの向きを検出することによって、装着部位が重力加速度の向きに対してどちらに向いているかを識別することができる。
腕が胴体より下にある側臥位(腕下)の場合は、水頭圧がほぼ同じでも加速度の向きによって押圧カフ231の高さの違いを識別することができる。加速度の向きが下の場合よりも加速度の向きが横の方が押圧カフ231の位置が低くなる可能性が高くなる。図11の例では、加速度の向きが下の場合と比較して、10cmだけ加速度の向きが横の方が低く、そのため加速度の向きが横の方が血圧値は8mmHgだけ高くなる。
腕が胴体より上にある側臥位(腕上)の場合も、水頭圧がほぼ同じでも加速度の向きによって押圧カフ231の高さの違いを識別することができる。加速度の向きが横の場合よりも加速度の向きが上の方が押圧カフ231の位置が低くなる可能性が高くなる。図11の例では、加速度の向きが横の場合と比較して、25cmだけ加速度の向きが上の方が低く、そのため加速度の向きが上の方が15mmHgだけ高くなる。
仰臥位と伏臥位の場合には、加速度の向きは逆になるので、それぞれの姿勢を識別することができる。しかし、仰臥位と伏臥位の場合には、高さは共に±0cmであり、血圧値への影響は共に±0mmHgである。
以上のように、ユーザの身体に固定して配置される加速度センサ1001(例えば、押圧カフ231に装着)によって、この位置での加速度の向きを取得することができる。加速度センサ1001はユーザの特定の身体位置に固定されているので、加速度センサ1001による加速度の向き(重力加速度の向き)によってユーザの体の向きを判定することができる。加速度センサが配置される位置はユーザの身体に固定されているので、判定部はユーザが重力の向きに対してどちらを向いているかを判定することができる。この結果、重力加速度の向きを考慮することによって、水頭圧だけに基づくよりも詳細にユーザの姿勢を判定することができる。ユーザの姿勢を詳細に識別することができ、姿勢に応じたユーザの血圧値データの信頼度を水頭圧だけに基づくよりも詳細に算出することができる。
<3>
(ソフトウェア構成)
<血圧測定装置>
次に、図12を用いて、本実施形態の変形例に係る血圧測定装置1000のソフトウェア構成の一例について説明する。
図12に示される通り、本変形例に係る血圧測定装置1000の制御部213は、図7の制御部213の構成に、向き取得部1201をさらに含む。血圧測定装置1000の制御部213は、必要なプログラムを実行する際に、記憶部214に記憶された、水頭圧及び加速度による測定判定及びカフ制御プログラム、及び/または血圧測定プログラムをRAMに展開する。そして、制御部213は、RAMに展開された、水頭圧及び加速度による測定判定及びカフ制御プログラム、及び/または血圧測定プログラムをCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。これによって、図12に示される通り、本実施形態に係る血圧測定装置1000は、向き取得部1201、水頭圧取得部701、姿勢判定部1202、カフ圧力取得部703、及び血圧測定部704を備えるコンピュータとして機能する。
向き取得部1201は、加速度センサ1001が検出した重力加速度の向きを取得し、その向き情報を姿勢判定部702に渡す。向き情報は、加速度センサ1001が装着されている押圧カフ231の向きが重力加速度の向きに対してどちらへ向いているかを示す。向き情報は、例えば、4通りの向き、すなわち、上下左右の向きに規格化される。この場合、向き情報は、押圧カフ231の向きと重力加速度の向きとの角度が角度範囲(0から2πラジアン)を4等分した角度範囲のいずれに含まれるかによって上下左右であるとする。これとは異なり、向き情報は例えば、重力加速度の向きとの差を角度で示したものでもよい。
姿勢判定部1202は、向き取得部1201からの向き情報と、水頭圧取得部701からの水頭圧とを取得し、これらの情報に基づいてユーザの姿勢を判定し、血圧測定に適した姿勢かどうか、または血圧値への姿勢の影響を評価する。具体的には、姿勢判定部1202は、ユーザが就寝している場合には、例えば、図11に示すように6通りの就寝状態のいずれの状態であるかを判定する。
血圧測定部704は、姿勢判定部1202からのユーザの姿勢に基づいて、血圧測定を開始するか否かを判定したり、血圧測定は実行しつつ時刻情報と共にユーザの姿勢情報及び血圧値を記録し、記憶部214に記憶させる。
<その他>
血圧測定装置1000の動作に関しては後述する動作例で詳細に説明する。なお、本実施形態では、血圧測定装置1000の制御部213はいずれも汎用のCPUによって実現されてもよい。しかしながら、以上の機能の一部または全部が、1または複数の専用のプロセッサにより実現されてもよい。また、血圧測定装置200の構成に関して、実施形態に応じて、適宜、省略、置換及び追加が行われてもよい。
<4>
[動作例]
次に、図12を用いて、血圧測定装置1000の動作例を説明する。図13は、血圧測定装置1000の処理手順の一例を例示するフローチャートである。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
(起動)
まず、ユーザは血圧測定装置1000を起動し、起動した血圧測定装置1000に水頭圧及び加速度による測定判定及びカフ制御プログラムを実行させる。血圧測定装置1000の制御部213は、以下の処理手順にしたがって、水頭圧及び加速度を計測し、計測された水頭圧及び加速度に基づいてユーザの姿勢を判定し、判定に応じてユーザの血圧を測定、記録、または記録した血圧を採用する。
(ステップS1301)
ステップS1301では、制御部213は、水頭圧取得部701及び向き取得部1201として動作しそれぞれが、水頭圧センサ225からの水頭圧データ、加速度センサ1001からの加速度データを取得する。
(ステップS1302)
ステップS802で水頭圧が特定の範囲内(例えば、水頭圧が10mbar以上かつ30mbar以下)の値であると判定された場合に、ステップS1302へ進む。
ステップS1302では、制御部213は、姿勢判定部1202として動作し、加速度センサ1001が取得した加速度データにより、押圧カフ231の配置に対する重力加速度の向きを判定する。
(ステップS1303)
ステップS1303では、制御部213は、姿勢判定部1202として動作し、加速度センサ1001が取得した加速度データにより、押圧カフ231に対する重力加速度の向きが上方であると判定し、ユーザが仰臥位であり、血圧測定装置1000からの高さが±0cmであると判定する。
(ステップS1304)
ステップS1304では、制御部213は、姿勢判定部1202として動作し、加速度センサ1001が取得した加速度データにより、押圧カフ231に対する重力加速度の向きが上方でないと判定することによって、ユーザが伏臥位であり、血圧測定装置1000からの高さが±0cmであると判定する。
(ステップS1305)
ステップS802で水頭圧が特定の範囲内(例えば、水頭圧が10mbar以上かつ30mbar以下)の値ではないと判定され、かつ、ステップS804で水頭圧が特定の範囲内(例えば、水頭圧が30mbarより大きい)の値であると判定され、かつ、ステップS805で水頭圧が特定の範囲内(例えば、水頭圧が60mbarより大きい)の値ではないと判定された場合に、ステップS1305へ進む。
ステップS1305では、制御部213は、姿勢判定部1202として動作し、加速度センサ1001が取得した加速度データにより、押圧カフ231の配置に対する重力加速度の向きを判定する。
(ステップS1306)
ステップS1306では、制御部213は、姿勢判定部1202として動作し、加速度センサ1001が取得した加 速度データにより、押圧カフ231に対する重力加速度の向きが上方であると判定し、ユーザが、腕が胴体より上方にある側臥位の状態にあり、血圧測定装置1000からの高さが50cmであると判定する。
(ステップS1307)
ステップS1307では、制御部213は、姿勢判定部1202として動作し、加速度センサ1001が取得した加速度データにより、押圧カフ231に対する重力加速度の向きが上方でないと判定することによって、ユーザが、腕が胴体より上方にある側臥位であり、血圧測定装置1000からの高さが25cmであると判定する。
(ステップS1308)
ステップS804で水頭圧が特定の範囲内(例えば、水頭圧が30mbarより大きい)の値ではないと判定され、かつ、ステップS806で水頭圧が特定の範囲内(例えば、水頭圧が0mbarより小さい)の値ではないと判定された場合に、ステップS1308へ進む。
ステップS1308では、制御部213は、姿勢判定部1202として動作し、加速度センサ1001が取得した加速度データにより、押圧カフ231の配置に対する重力加速度の向きを判定する。
(ステップS1309)
ステップS1309では、制御部213は、姿勢判定部1202として動作し、加速度センサ1001が取得した加速度データにより、押圧カフ231に対する重力加速度の向きが下方であると判定し、ユーザが、腕が胴体より下方にある側臥位の状態にあり、血圧測定装置1000からの高さが−10cmであると判定する。
(ステップS1310)
ステップS1310では、制御部213は、姿勢判定部1202として動作し、加速度センサ1001が取得した加速度データにより、押圧カフ231に対する重力加速度の向きが下方でないと判定することによって、ユーザが、腕が胴体より下方にある側臥位であり、血圧測定装置1000からの高さが±0cmであると判定する。
(ステップS1311)
ステップS1311では、制御部213は、血圧測定部704として動作し、ユーザの血圧を測定し、ユーザの血圧値データを記憶部214に記憶させる。一方、前のステップでのユーザの姿勢に基づいて、血圧値を測定しない、もしくは、測定しても信頼度が低いデータとして扱う等と姿勢判定部1202が判定して血圧測定部704に指示してもよい。例えば、ユーザによって特定の姿勢の時は、ユーザが動く場合が多く、測定される血圧の信頼度が低い場合には、その旨の信頼度を血圧値データに付加して、信頼度のしきい値を別途設定ししきい値以上の場合の血圧値データのみを信頼したデータと見なしてもよい。なお、ステップS1311でのユーザの血圧を測定する処理は、ステップS810での処理と同様である。
また、使用する血圧計の測定精度に応じて、血圧値データの信頼度を決めてもよい。例えば、ユーザの姿勢によって、水頭圧による高さが異なるので、血圧計の測定精度範囲内と同等の高さ変動の場合には、血圧値データを信頼する。具体的には、血圧計の精度が±8mbar場合には、この血圧精度に対応する高さ(この場合には10cm)程度までは、誤差の範囲内として血圧値データを信頼する。本実施形態の血圧測定装置1000の場合では、高さが±10cm程度までは信頼できる血圧値データと見なす。この場合には、ステップS1304、S1303、S1309、及びS1310の場合の血圧値データを信頼し、ステップS1306及びS1307の場合の血圧値データは信頼できないと判定することになる。
以上によれば、水頭圧センサが検出した圧力の値が設定された複数の範囲のいずれに含まれるか、さらに加速度の向きに応じて、水頭圧袋の高さとユーザの心臓の高さとの大小関係を圧力だけで判定するよりも正確に判定することができる。
この判定部の処理に基づいて、ユーザの血圧が正確に測定されている場合を識別することが可能になる。したがって、正確に測定されたユーザの血圧値データのみを抽出することができる。また、例えば、正確に測定されたユーザの血圧の値と測定した時刻とを関連付けて記録することが可能になる。
<5>
(ソフトウェア構成)
<血圧測定装置>
次に、図14を用いて、本実施形態の変形例に係る血圧測定装置200のソフトウェア構成の一例について説明する。
図14に示される通り、本変形例に係る血圧測定装置200の制御部213は、図7の姿勢判定部702に代えて、高さ判定部1401を含む。血圧測定装置200の制御部213は、必要なプログラムを実行する際に、記憶部214に記憶された、水頭圧の高さ判定による測定判定及びカフ制御プログラム、及び/または血圧測定プログラムをRAMに展開する。そして、制御部213は、RAMに展開された、水頭圧の高さ判定による測定判定及びカフ制御プログラム、及び/または血圧測定プログラムをCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。これによって、図14に示される通り、本実施形態に係る血圧測定装置200は、水頭圧取得部701、高さ判定部1401、カフ圧力取得部703、及び血圧測定部704を備えるコンピュータとして機能する。
高さ判定部(算出部とも称す)1401は、水頭圧取得部701が取得した水頭圧に基づいて、水頭圧センサ225が検出した水頭圧に対応する高さを算出し、算出した高さがユーザの血圧を適切に測定することができる高さであるかを判定する。高さ判定部1401は、例えば、図4に示す直線402(または直線401)にしたがって、水頭圧から高さを算出し、高さがある範囲内であれば測定される血圧値データは正確であると判定する。
本変形例の血圧測定装置200は、高さがある範囲内である場合には、そのときに測定された血圧値データは信頼度が高く正確であるとして採用する。例えば、図6に示す側臥位(腕上)、仰臥位/伏臥位、及び側臥位(腕下)に対応する高さ、図6の場合では、高さが0cmから40cmまでの場合の血圧値データは、正確であるとして採用する。
水頭圧センサが検出する圧力が水頭圧袋と水頭圧センサとの高さの差(高低差)に対応するので、算出部はこの圧力に基づいて高低差を算出することができる。圧力と高低差は比例の関係にあり、水頭圧袋が水頭圧センサよりも高いほど圧力が高くなり、水頭圧袋が水頭圧センサよりも低いほど圧力は低くなる。したがって、血圧測定部が高低差に基づいてユーザの血圧を測定することによって、測定部で測定される圧力がユーザの本来の血圧よりも小さいか、大きいか、またはある誤差範囲内で本来の値であるかを血圧測定部が自動的に判定することができる。また、この血圧測定装置によって就寝時のユーザの姿勢も判定して履歴を記録することができる。
<6>
<血圧値の信頼性の判定(血圧変動の原因による)>
次に、図15、図16、図17、及び図18を参照して血圧値の信頼性の判定の一例について説明する。
血圧測定装置200が、圧力センサ219、カフ圧力取得部703、血圧測定部704を使用して、押圧カフ231にかかる圧力(圧迫力と称す)を算出し、押圧カフ231のカフ圧力を減圧する過程で圧力センサ219が圧力を検出すると共に、その変動成分として脈波信号を血圧測定部(脈波検出部とも称す)704が取得することができる。また、血圧測定部704は、その脈波信号から脈波の振幅(脈振幅と称す)を算出する。また、血圧測定装置200は、水頭圧センサ225から水頭圧取得部701が取得した水頭圧によって、水頭圧センサ225が検出した水頭圧に対応する高さ(図での「高さ」に対応する)を高さ判定部1401が算出する。
したがって、血圧測定装置200は、血圧測定部704によって圧迫力及び脈振幅を取得でき、水頭圧取得部701によって高さを取得することができる。この結果、血圧測定装置200は、図15−18に示すような、圧迫力、脈振幅、及び高さの時間履歴のグラフを得ることができる。
図15では、押圧カフ231への圧迫力が減衰するうちで、正常な脈振幅を有する脈波が発生し、その脈波が発生している間は、高さが一定であることを示している。このため、図15に示すような場合には、血圧測定装置(判定部とも称す)200は正常な血圧値を測定することができると判定できる。
図16では、押圧カフ231への圧迫力が減衰するうちで、脈振幅が変動している部分が発生する(図の点線部分)。この点線部分は、図16によれば、同一時間帯に高さが変動し低くなっていることが解る。したがって、図16の脈振幅の変動している脈波部分は、ユーザの血圧値が変動したために発生したものではなく、高さが変動したことが原因で発生したことが判明する。図16の場合には、高さが変化している時間帯に対応する脈振幅のグラフの点線部分のデータを除外し、この時間帯の前後の血圧値データから脈振幅データを補間して血圧値を算出してもよい。
図17では、図16と同様に、押圧カフ231への圧迫力が減衰するうちで、脈振幅が変動している部分が発生するが、高さはこの変動している時間帯を含め全く変動していない。したがって、図17の脈振幅の変動している部分は、高さ変動に起因するのではなく、血圧値の変動が外的要因ではなくユーザの生理現象が原因になって変動していることを示している。一方、図18は、図16と同様であり、高さの変化に連動して脈振幅が変動しているので、この脈振幅はユーザの生理現象が原因で変動している訳ではないことを示している。
以上に示したように、血圧測定装置200は、脈振幅と共に高さをモニタしていれば、脈振幅の変動がユーザの生理現象で変動しているかどうかを判定することができ、この判定に基づいて正常な脈波かどうかを判定することができる。この結果、血圧測定装置200は、信頼性の高い血圧値データを取得することができるだけでなく、ユーザにとって危険な脈波を抽出することも可能になる。
<7>
上記の実施形態では、押圧カフ231を上腕に巻いてユーザの血圧を測定していたが、これに限定せず、例えば、手首式の血圧計を使用してもよい。この場合には、水頭圧袋227は、例えば、心臓近くの胴体表面上に装着する。他に、水頭圧袋227は、血圧測定時に心臓と同一の高さになる上腕の位置に配置してもよい。手首式の血圧計の近傍(もしくは内部)に水頭圧センサ225を設置して、水頭圧管226が水頭圧センサ225と水頭圧袋227との間を接続し、水頭圧センサ225が水頭圧を測定し心臓との高さの差がある範囲内にある場合に、血圧計は正確な血圧値データを取得することができる。
この手首式の血圧計は、加速度センサをさらに組み込み加速度の向きを考慮して血圧値データの精度を判定してもよい。
<8>
上述の実施形態では、押圧カフ231を使用してオシロメトリック方式によりユーザの血圧値を測定している。しかしながら、血圧値を測定するだけの場合にはこれに限らなくてもよい。例えば、圧脈波を心拍ごとに検出する圧脈波センサを備え、被測定部位(例えば、左手首)を通る橈骨動脈の圧脈波を検出して血圧値(収縮期血圧値と拡張期血圧値)を測定してもよい(トノメトリ方式)。圧脈波センサは、被測定部位(例えば、左手首)を通る橈骨動脈の脈波をインピーダンスの変化として検出して血圧値を測定してもよい(インピーダンス方式)。圧脈波センサは、被測定部位のうち対応する部分を通る動脈へ向けて光を照射する発光素子と、その光の反射光(または透過光)を受光する受光素子とを備えて、動脈の脈波を容積の変化として検出して血圧値を測定してもよい(光電方式)。また、圧脈波センサは、被測定部位に当接された圧電センサを備えて、被測定部位のうち対応する部分を通る動脈の圧力による歪みを電気抵抗の変化として検出して血圧値を測定してもよい(圧電方式)。さらに、圧脈波センサは、被測定部位のうち対応する部分を通る動脈へ向けて電波(送信波)を送る送信素子と、その電波の反射波を受信する受信素子とを備えて、動脈の脈波による動脈とセンサとの間の距離の変化を送信波と反射波との間の位相のずれとして検出して血圧値を測定してもよい(電波照射方式)。なお、血圧値を算出することができる物理量を観測することができれば、これらの以外の方式を適用してもよい。
水頭圧センサ225は血圧を測定する測定部位の近傍に配置させ、水頭圧袋227は心臓の近くには位置させておく。そして、水頭圧センサ225は、水頭圧袋227と水頭圧管226で接続し水頭圧を測定することによって心臓との高さの差を検出することができる。したがって、血圧計は、この差が小さい範囲内でユーザの血圧値を高精度で測定することができる。
<9>
本発明の装置は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体(または記憶媒体)に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
また、以上の各装置及びそれらの装置部分は、それぞれハードウェア構成、またはハードウェア資源とソフトウェアとの組み合せ構成のいずれでも実施可能となっている。組み合せ構成のソフトウェアとしては、予めネットワークまたはコンピュータ読み取り可能な記録媒体(または記憶媒体)からコンピュータにインストールされ、当該コンピュータのプロセッサに実行されることにより、各装置の機能を当該コンピュータに実現させるためのプログラムが用いられる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
また、「及び/または」とは、「及び/または」でつながれて列記される事項のうちの任意の1つ以上の事項という意味である。具体例を挙げると、「x及び/またはy」とは、3要素からなる集合{(x),(y),(x,y)}のうちのいずれかの要素という意味である。もう1つの具体例を挙げると、「x、y、及び/またはz」とは、7要素からなる集合{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちのいずれかの要素という意味である。
(付記)
水頭圧袋に接続する水頭圧管内の水頭圧を水頭圧センサによって取得する取得部(701)と、
前記水頭圧袋に接触するカフ(231)と、
前記カフに流体を注入するポンプ(221)と、
前記カフから前記流体を排気する排気弁(222)と、
前記カフ内のカフ圧力を測定する圧力センサ(219)と、
前記水頭圧と前記カフ圧力に基づいてユーザの血圧を測定する測定部(704)と、
を備え、
前記水頭圧袋及び前記水頭圧センサのいずれかは前記ユーザの特定の身体位置に配置される血圧測定装置(100、200、1000)。
100…血圧測定装置
101…水頭圧袋
102…水頭圧管
103…水頭圧センサ
104…測定判定部
105…カフ
106…カフ管
107…圧力センサ
108…ポンプ
109…弁
110…血圧測定部
111…記憶部
200…血圧測定装置
211…出力装置
212…入力装置
213…制御部
214…記憶部
214…予め記憶部
215…ドライブ
216…外部インタフェース
217…通信インタフェース
218…電源
219…圧力センサ
219…計時装置
220…ポンプ駆動回路
221…ポンプ
222…弁
223…計時装置
225…水頭圧センサ
226…水頭圧管
227…水頭圧袋
231…押圧カフ
231…予め押圧カフ
241…カフ管
242…流路形成部材
100A…本体
140…操作部
140A…電源ボタン
140B…操作ボタン
180…流体袋
401…直線
402…直線
701…水頭圧取得部
702…姿勢判定部
703…カフ圧力取得部
704…血圧測定部
1000…血圧測定装置
1001…加速度センサ
1201…向き取得部
1202…姿勢判定部
1401…高さ判定部

Claims (14)

  1. 水頭圧袋に接続する水頭圧管内の水頭圧を水頭圧センサによって取得する取得部と、
    前記水頭圧袋に接触するカフと、
    前記カフに流体を注入するポンプと、
    前記カフから前記流体を排気する排気弁と、
    前記カフ内のカフ圧力を測定する圧力センサと、
    前記水頭圧と前記カフ圧力に基づいてユーザの血圧を測定する測定部と、
    を備え、
    前記水頭圧袋及び前記水頭圧センサのいずれかは前記ユーザの特定の身体位置に配置される血圧測定装置。
  2. 前記測定部は、
    前記水頭圧に基づいて前記ユーザの姿勢を判定する判定部と、
    前記姿勢に基づいて前記ユーザの血圧を補正する血圧測定部と、
    を備える請求項1に記載の血圧測定装置。
  3. 前記判定部は、前記水頭圧袋がユーザの上腕に配置される場合に、
    前記水頭圧が第1範囲に含まれる場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓と同一の高さにあると判定し、
    前記水頭圧が第1範囲の最大値よりも大きい値を含む第2範囲に含まれる場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓よりも上にあると判定し、
    前記水頭圧が第1範囲の最小値よりも小さい値を含む第3範囲に含まれる場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓よりも下にあると判定する、
    請求項2に記載の血圧測定装置。
  4. 前記判定部は、
    前記水頭圧が前記第1範囲、前記第2範囲、及び前記第3範囲のいずれかに含まれている場合には、前記ユーザが体を横たえている姿勢と判定し、
    前記水頭圧が前記第1範囲、前記第2範囲、及び前記第3範囲に含まれていない場合には、前記ユーザが体を横たえていない姿勢と判定する、
    請求項3に記載の血圧測定装置。
  5. 前記判定部は、前記ユーザのある身体位置に固定して配置される加速度センサから該身体に対する加速度の向きを取得する向き取得部をさらに備え、
    前記判定部は、前記加速度の向きと前記水頭圧に基づいて前記ユーザの姿勢を判定する、
    請求項2に記載の血圧測定装置。
  6. 前記判定部は、前記水頭圧袋がユーザの上腕に配置される場合に、
    前記水頭圧が第1範囲に含まれる場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓と同一の高さにあると判定し、
    前記水頭圧が第1範囲の最大値よりも大きい値を含む第2範囲に含まれ、かつ、前記向きが第1向きの場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓よりも上にあると判定し、
    前記水頭圧が第1範囲の最大値よりも大きい値を含む第2範囲に含まれ、かつ、前記向きが前記第1向きでない場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓よりも上にあると判定し、
    前記水頭圧が第1範囲の最小値よりも小さい値を含む第3範囲に含まれ、かつ、前記向きが前記第1向きと逆向きの場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓よりも下にあると判定する、
    前記水頭圧が第1範囲の最小値よりも小さい値を含む第3範囲に含まれ、かつ、前記向きが前記逆向きでない場合には、前記水頭圧袋の位置が心臓と同一の高さにあると判定する、
    請求項5に記載の血圧測定装置。
  7. 前記判定部は、前記ユーザが体を横たえた姿勢である場合に、
    前記水頭圧が第1範囲に含まれ、かつ、前記向きが第1向きの場合には、前記姿勢が仰臥位であると判定し、
    前記水頭圧が第1範囲に含まれ、かつ、前記向きが前記第1向きでない場合には、前記姿勢が伏臥位であると判定する、
    請求項6に記載の血圧測定装置。
  8. 前記測定部は、
    前記水頭圧に基づいて前記水頭圧袋と前記水頭圧センサとの高低差を算出する算出部と、
    前記高低差に基づいて前記ユーザの血圧を補正する血圧測定部と、
    を備える請求項1に記載の血圧測定装置。
  9. 脈波信号を検出する脈波検出部と、
    前記脈波信号の時間変動と、前記水頭圧袋と前記水頭圧センサとの高低差の時間変動とに基づいて、同一時間に測定された血圧の変動の原因を判定する判定部と、
    をさらに備える請求項1または8に記載の血圧測定装置。
  10. 前記判定部は、
    前記脈波信号の時間変動する部分と、前記高低差の時間変動する部分とが同一時間に測定された場合には、前記脈波信号の時間変動した時間に測定された血圧はユーザの生理現象を反映していないと判定し、
    前記脈波信号の時間変動する部分と、前記高低差の時間変動する部分とが同一時間に測定されていない場合には、前記脈波信号の時間変動した時間に測定された血圧はユーザの生理現象を反映していると判定する、
    請求項9に記載の血圧測定装置。
  11. 前記算出部は、前記高低差に基づいて前記ユーザの姿勢を判定し、
    前記血圧測定部は、前記姿勢に基づいて前記ユーザの血圧を測定する、
    請求項8に記載の血圧測定装置。
  12. 前記水頭圧袋は基準位置から一定の高さの高さ位置と前記身体位置とのうちの一方に配置され、
    前記水頭圧センサは前記高さ位置と前記身体位置とのうちの前記水頭圧袋とは異なる位置に配置される、
    請求項1乃至11のいずれか1項に記載の血圧測定装置。
  13. 水頭圧袋に接続する水頭圧管内の水頭圧を水頭圧センサによって取得し、
    前記水頭圧に基づいてユーザの血圧を測定する、
    ことを備え、
    前記水頭圧袋及び前記水頭圧センサのいずれかは前記ユーザの特定の身体位置に配置される血圧測定方法。
  14. コンピュータを、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の血圧測定装置が備える各部として機能させるためのプログラム。
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