JP2019521344A - エスケープメント・メカニズム - Google Patents

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Abstract

本発明は、エスケープメント・メカニズムであって、エスケープメント・メカニズムは、ストリップ・スプリング(2)を介して、駆動源から時計の振動調整器へ、機械的エネルギーのインパルスを伝達するように設計されており、ストリップ・スプリング(2)は、変曲ポイントの周りのバックリングによって作用し、前記ストリップ・スプリング(2)は、2つのインパルスの間に駆動源によって放出されるエネルギーを蓄積することができ、また、それぞれのインパルスにおいて、ワインディング・レバー(3)によって、振動調整器にエネルギーを伝達することができ、ワインディング・レバー(3)は、ストリップ・スプリング(2)およびディテント・レバー(20)と相互作用し、ディテント・レバー(20)は、駆動源からのエネルギーを受け取る少なくとも1つのエスケープメント・ホイール(28)と相互作用するのに適切であり、エスケープメント・ホイール(28)の回転を間欠的にブロックするようになっている、エスケープメント・メカニズムにおいて、ワインディングおよびディテント・レバーならびにエスケープメント・ホイールは、エスケープメント・ホイール(28)のロック機能および解放機能、ならびに、ストリップ・スプリング(2)のワインディング機能が別々となるように、前記ストリップ・スプリング(2)に対して配置されている、エスケープメント・メカニズムに関する。

Description

本発明は、機械的な時計学の分野に関する。本発明は、より具体的には、時計の駆動源から振動調整器へストリップ・スプリングを介して機械的エネルギーのインパルスを伝達するように設計されたエスケープメント・メカニズムに関し、ストリップ・スプリングは、変曲ポイントの周りのバックリングによって作用する。ストリップ・スプリングは、2つのインパルスの間の駆動源からのエネルギーを蓄積し、それぞれのインパルスにおいて、第1および第2のレバーを介して、前記振動調整器にそれを伝達することができる。
そのようなメカニズムは、とりわけ、文献の国際公開第99/64936号に説明されている。この文献は、より一般的には、バックリングによって作用するストリップ・スプリングを介して、駆動源から振動調整器へ機械的エネルギーのインパルスを伝達するための方法を開示している。より具体的には、この方法は、とりわけ、図1に図示されているエスケープメント・メカニズムによって実装され、エスケープメント・メカニズムは、たとえばシリンダーなどのような駆動源(図1には見ることができない)から受け取るエネルギーをストリップ・スプリング2を介して調整器に送達することによって、調整器(たとえば、スパイラルに関連付けられたペンデュラム1から構成されている)の振動をサポートすることが意図されており、ストリップ・スプリング2の端部は、それが第2のモードのバックリングに対応する安定した位置を占有するように位置決めされている。ストリップ・スプリング2は、ワインディング・レバー3およびディテント・レバー4を介して、ワインディング・フェーズの間の駆動源からのエネルギーを蓄積し、ロッキング・フェーズの間に強化された状態のままであり、インパルス・フェーズの間に、蓄積されたエネルギーを前記振動調整器へ戻すようになっている。
ディテント・レバー4は、実質的にその中央の変曲ポイントのレベルにおいて、ストリップ・スプリング2に動力学的に接続されている。ディテント・レバー4は、一方の端部において、ブラケットを含み、ブラケットは、プレート6およびインパルス・ピン7と相互作用することが意図されており、インパルス・ピン7は、ペンデュラム1を構成している。
ワインディング・レバー3は、中央部分および2つの対称的なウィングを含み、ウィングの端部は、ストリップ・スプリング2に動力学的に接続されている。中央部分は、第1のロッキング・パレット8および第2のロッキング・パレット9を含み、それらは、第1のエスケープメント・ホイール10および第2のエスケープメント・ホイール11とそれぞれ相互作用することが意図されている。
2つのレバー3および4は、互いに対して自由に回転できるように装着されている。
ホイール10および11は、フィニッシング・ギヤ・トレインの最後のホイール12とギヤで噛み合ったピニオンをそれぞれ含み、ホイール10および11が同期させられた様式で枢動するようになっている。ホイール10および11は、特定のギヤリングを含み、その形状は、ワインディング・レバー3の第1のロッキング・パレット8および第2のロッキング・パレット9と相互作用するように適合されており、一方では、エネルギーをこのワインディング・レバー3に伝達し、他方では、機能化フェーズ(それは、下記に要約されることとなる)にしたがって、エスケープメント・ホイール10および11の回転をブロックする。さらなる詳細に関して、導入部において引用された文献を参照することが可能である。
図1は、インパルス・フェーズの直後の、および、ワインディング・フェーズの始まりのときの、先行技術のエスケープメント・メカニズムを表しており、ペンデュラム1は、反時計回り方向に回転し、インパルス・ピン7は、ブラケットから出てきており、第1のロッキング・パレット8は、ホイール10から出現するようになり、スプリング2は、第2のモードのバックリングに対応する安定した位置になる。ワインディング・フェーズの間に、ペンデュラム1がその追加的な円弧を描く間に、第1のエスケープメント・ホイール10は自由に回転し、第2のエスケープメント・ホイール11は、ワインディング・レバー3の第2のロッキング・パレット9と相互作用し、第2のホイール11の歯が第2のロッキング・パレット9に当接するまで、それを反時計回り方向に枢動させる。同時に、ストリップ・スプリング2は、第2のモードのバックリングに対応するその初期の安定した位置から逸脱しており、第4のモードのバックリングに対応する不安定状態の近くの準安定状態にそれが到達するまで、ワインディング・レバー3の作用の下で変形させられる。したがって、ストリップ・スプリング2のワインディングは最大になっている。
その後のロッキング・フェーズの間に、エスケープメント・ホイール10、11は停止させられ、第2のホイール11の歯は、第2のロッキング・パレット9に当接させられている。ピン7がディテント・レバー4のブラケットに衝突するまで(それは、インパルス・フェーズの開始をマークする)、ペンデュラム1は、その振動を継続する。
インパルス・フェーズの間に、ディテント・レバー4は、ストリップ・スプリング2の上の作用によって枢動し、ストリップ・スプリング2は、したがって、先行のものとは反対側に、その不安定な位置から、第2のモードのバックリングに対応する安定状態へ突然変わる。この状態の変化は、ワインディング・レバー3を枢動させ、第2のエスケープメント・ホイール11の第2のロッキング・パレット9がクリアすることにつながる。第1のロッキング・パレット8が第1のエスケープメント・ホイール10に出会うまで、ワインディング・レバー3は枢動する。ストリップ・スプリング2の状態の変化の間に、ストリップ・スプリング2は、ディテント・レバー4にも作用し、したがって、ペンデュラム1に連通し、ストリップ・スプリング2のワインディングの間に、エネルギーがブラケットを介して蓄積される。
次の回転の間に、上記に説明されているフェーズが、ペンデュラム1、ディテント・レバー4、およびワインディング・レバー3の回転軸線、ならびに、ストリップ・スプリング2の変曲ポイントを通過する平面に対して対称的に再現される。
そのようなエスケープメント・メカニズムは、とりわけ、エネルギー供給源のトルク変動から独立して、パワー・リザーブの全体期間にわたって、ペンデュラムの振動を一定に維持することを可能にする。
ワインディング・レバー3の第1のロッキング・パレット8および第2のロッキング・パレット9の上でのエスケープメント・ホイール10および11の引き抜きは、エスケープメント・ホイールのロッキング機能を確実にすることを可能にする。引き抜き力は、非意図的な解放を回避するために十分に大きくなければならず、非意図的な解放は、たとえば、通常使用時の時計によって受ける加速度から結果として生じる可能性があり、また、それは、時計のパワーの前進およびエネルギーの過大消費につながることとなる。逆に、解放を実現するために必要なエネルギーを限定するために、したがって、パワー・リザーブを最適化するために、引き抜き力は、可能な限り弱くなければならない。十分なロッキング力およびエネルギーの適度な消費をともに取得するように、エスケープメント・ホイール10および11の引き抜きを満足に調節することは可能でなかったということが観察されている。
本発明は、少なくとも部分的にこれらの不利益を克服することを目的とする。
この目的は、エスケープメント・メカニズムを使用して実現され、その特徴は、特許請求の範囲に詳述されている。
より具体的には、本発明のエスケープメント・メカニズムは、ストリップ・スプリングを介して、駆動源から時計の振動調整器へ、機械的エネルギーのインパルスを伝達するように設計されており、ストリップ・スプリングは、変曲ポイントの周りのバックリングによって作用し、ストリップ・スプリングは、2つのインパルスの間に駆動源からのエネルギーを蓄積することができ、また、それぞれのインパルスにおいて、ワインディング・レバーおよびディテント・レバーを介して、前記振動調整器にエネルギーを伝達することができ、ディテント・レバーは、駆動源からのエネルギーを受け取る少なくとも1つのエスケープメント・ホイールと相互作用し、エスケープメント・ホイールの回転を間欠的にブロックすることができる。
本発明のエスケープメント・メカニズムは、ワインディング・レバーおよびディテント・レバー、ならびに、エスケープメント・ホイールが、一方では、エスケープメント・ホイールのロック機能および解放機能、ならびに、他方では、ストリップ・スプリングのワインディング機能が別々となるように、ストリップ・スプリングに対して設計されていることを特徴とする。
本発明のメカニズムの特徴的には、ディテント・レバーは、ロッキング・レバーを含み、ロッキング・レバーは、
− 調整器と作用することができるブラケットおよび先端部と、
− ロッキング・フェーズの間にエスケープメント・ホイールをブロックするように設計されている少なくとも2つのロッキング・ラグと
を含み、
ロッキング・レバーの解放が、解放からのエネルギーの伝送において、ストリップ・スプリングから独立して、前記ブラケットに対する調整器の作用によってトリガーされるようになっている。
好ましくは、エスケープメント・ホイールは、ピニオンを含み、ピニオンは、前記エスケープメント・ホイールを駆動源に動力学的にリンク接続するのに適切である。
本発明のある実施形態では、エスケープメント・ホイールは、ロッキング・ホイールを含み、ロッキング・ホイールは、複数の機能的ゾーンを含み、複数の機能的ゾーンは、ロッキング平面をそれぞれ有しており、ロッキング平面は、ディテント・レバーのラグと相互作用し、ロッキング・フェーズの間にエスケープメント・ホイールをブロックすることが意図されている。それに加えて、エスケープメント・ホイールは、ワインディング・カムも含む。
本発明の特定の実施形態によれば、ワインディング・レバーは、少なくとも1つのレバーを含み、少なくとも1つのレバーは、前記少なくとも1つのエスケープメント・ホイールのワインディング・カムと相互作用することができる。
有利には、エスケープメント・メカニズムは、少なくとも1つの前記エスケープメント・ホイールを含み、ワインディング・レバーは、必要である場合には、たとえば、カウンタ・スプリングに関連付けられた少なくとも1つのレバーを含み、少なくとも1つのレバーは、前記エスケープメント・ホイールのワインディング・カムと相互作用し、ワインディング・カムは、N個の機能的ゾーンを含み、360/N°のオフセットとともにインデックスされている。それに加えて、レバーは、また、前記ワインディング・カムと接触した状態になるようにサイズ決めおよび位置決めされている。
特定の実施形態では、レバーは、ワインディング・レバーに固着されたアームの上に設計されており、前記レバーは、また、少なくとも1つのワインディング・カムと接触した状態になるようにサイズ決めおよび位置決めされている。
好ましくは、レバーおよびワインディング・カムは、その軸線の周りの回転におけるその極限位置のうちの1つに到達したときに、ワインディング・レバーの非自発的な角度的な移動を制限するように形状決めされている。
本発明の他の特徴は、添付の図面を参照して以下の説明を読むと、より明確になることとなる。
先行技術を示す図である。 本発明によるエスケープメント・メカニズムの機能化の異なるフェーズを示す図である。 本発明によるエスケープメント・メカニズムの機能化の異なるフェーズを示す図である。 本発明によるエスケープメント・メカニズムの機能化の異なるフェーズを示す図である。 本発明によるエスケープメント・メカニズムの機能化の異なるフェーズを示す図である。 本発明によるエスケープメント・メカニズムの機能化の異なるフェーズを示す図である。 本発明によるエスケープメント・メカニズムにおいて有用なエスケープメント・ホイールおよびディテント・レバーの特定の詳細を示す図である。 本発明によるエスケープメント・メカニズムにおいて有用なエスケープメント・ホイールおよびディテント・レバーの特定の詳細を示す図である。 本発明によるエスケープメント・メカニズムにおいて有用なワインディング・レバーの例を示す図である。
図2では、エスケープメント・メカニズムが表されており、エスケープメント・メカニズムは、駆動源から、時計の、とりわけ、ペンデュラム1タイプの振動調整器へ、ストリップ・スプリング2を介して、機械的エネルギーのインパルスを伝達するように設計されており、ストリップ・スプリング2は、変曲ポイントの周りのバックリングによって作用する。ストリップ・スプリング2は、任意の適切な手段によって、その端部においてバックリングすることを強制され、たとえば、フレームに固着されており、フレームは、前記ストリップ・スプリングを限定するようにサイズ決めされ、また、時計のブリッジもしくはプレートの上に固定されることができ、または、時計の前記ブリッジの上にもしくはプレートの上に直接的に単純に固定されており、ストリップ・スプリング2は、2つのインパルスの間に駆動源からのエネルギーを蓄積し、それぞれのインパルスにおいて、ディテント・レバー25を介して振動調整器へエネルギーを伝達することができ、ディテント・レバー25は、ストリップ・スプリング2の変曲ポイントと組み合わせられた軸線X1の周りに枢動するように装着されている。ワインディング・レバー3は、2つの接続アーム31を含み、2つの接続アーム31は、軸線X1から延在するストリップ・スプリング2にリンク接続しており、2つの接続アーム31は、前記軸線X1の反対側にあるその端部の間に、ピン13aをそれぞれ含み、ピン13aは、ストリップ・スプリング2に固着されるアイレット13bと相互作用する。
ディテント・レバー25自身は、
− ロッキング・レバー20(図8に詳細に表されている)であって、ロッキング・レバー20も、軸線X1の周りに枢動するように装着されており、また、一方の端部において、ブラケット24を含み、ブラケット24は、調整器のプレート・ピンと相互作用することができる、ロッキング・レバー20と、
− インパルス・レバー4であって、インパルス・レバー4は、ストリップ・スプリング2に固着されており、センター・ボルトEと同じ1つの平面の中に延在しており、インパルス・レバー4は、一方の端部において、ブラケット41をさらに含み、ブラケット41は、前記センター・ボルトと相互作用することができ、ディテント・レバー25をその極限位置に位置決めすることを確実にする、インパルス・レバー4と、
− 先端部22であって、先端部22は、その回転のそれぞれにおいて、調整器のプレート溝部と従来通りに相互作用することが意図されている、先端部22と
を含む。
ロッキング・レバー20は、有利には、フロント・ラグ26aおよびリア・ラグ26bを介して、ストリップ・スプリング2のエスケープメント・ホイール28と相互作用し、このエスケープメント・ホイール28の回転を間欠的にブロックし、前記エスケープメント・ホイール28は、駆動源と動力学的にリンク接続されている。
ロッキング・レバー20は、インパルス・レバー4に固着されており、また、先端部22に固着されており、それらは、ピンまたは任意の他の手段によって組み立てられ、それは、確実な様式で軸線X1の周りのそのそれぞれの角度的な位置決めを確実にする。好ましくは、ロッキング・レバー20、インパルス・レバー4、および先端部22は、長手方向に沿ってそれぞれ延在しており、それらの長手方向は、軸線X1を通過する1つの同じ垂直方向の平面の中に位置している。
一方では、ワインディング・レバー3、および、他方では、ディテント・レバー25は、軸線X1と組み合わせられた材料枢動軸線の上で、互いに対して、回転に関して自由に装着されており、ストリップ・スプリング2は、ワインディング・レバーおよびディテント・レバー25の事実上の枢動には寄与しない。
図7に表されているように、エスケープメント・ホイール28は、ピニオン32を含み、ピニオン32によって、エスケープメント・ホイール28は、時計のフィニッシング・ギヤ・トレインに動力学的に接続されており、フィニッシング・ギヤ・トレインは、エネルギー供給源からエネルギーを受け入れるためのエスケープメント・メカニズムを含み、たとえば、1つまたは複数のシリンダーから構成されている。エスケープメント・ホイール28は、1つの同じ軸線の上にスタックされたワインディング・カム36およびロッキング・ホイール38をさらに含み、ワインディング・カム36は、たとえば、凸形カム平面を備えた三角形のカムであり、その役割は、下記に説明されている。ワインディング・カム36およびロッキング・ホイール38は、複数の機能的ゾーンをそれぞれ含み、その角度的な位置は、互いに対して調節されている。
ロッキング・ホイール38のそれぞれの機能的ゾーンは、ロッキング平面40を含み、ロッキング平面40は、ロッキング・レバー20と相互作用することが意図されている。ロッキング平面40は、好ましくは、ロッキング・ホイール38の平面の中に位置しており、したがって、それは、容易に製造され得る。
とりわけ図8に示されているように、ロッキング・レバー20は、ブラケット24を含む。従来のSwiss anchorによってエスケープメントと相互作用する調整システムの場合のように、このブラケット24は、調整器1と相互作用するのに適切であり、より具体的には、調整器1の図2から図6に表されているように、インパルス・ピン7と相互作用するのに適切である。
また、ロッキング・レバー20は、フロント・ロッキング・ラグ26aおよびリア・ロッキング・ラグ26bを含み、フロント・ロッキング・ラグ26aおよびリア・ロッキング・ラグ26bは、ロッキング・ホイール38のロッキング平面40と作用することによって、ロッキング・フェーズの間にエスケープメント・ホイール28をブロックするように設計されている。
機能するときには、図2において、ディテント・レバー25がストリップ・スプリング2のバックリング・モードの変化によって位置決めされたときのメカニズムが図示されている。したがって、ディテント・レバー25およびワインディング・レバー3は、フロント・ロッキング・ラグ26aおよびロッキング・ホイール38の作用の下で、エスケープメント・ホイール28の側において、エントリー位置またはフロント位置にあり、ロッキング・ホイール38は、エネルギー供給源によって供給されるトルクを伝達する。このトルクは、フロント・ラグ26aを介してディテント・レバー25の上で引き抜くことを確実にし、フロント・ラグ26aは、ロッキング平面40に当接する。トルクは、インパルス・レバー4のブラケットをセンター・ボルトEのうちの1つに押し付け、また、インパルス・レバー25の位置を正確に画定するようになっている。また、ワインディング・レバー3は、ワインディング・カム36によって直接的に位置決めされており、ストリップ・スプリング2によって位置決めされているのではない。エスケープメント・ホイール28は停止させられている。
調整器の回転の間に、インパルス・ピン7(調整器がインパルス・ピン7を含む)は、ロッキング・レバー20のブラケット24の中へ進入して戻る。したがって、ストリップ・スプリング2は、その不安定な第2のモードを離れ、第1のモードのバックリングによって再位置決めされ、したがって、そのすべてのエネルギーを、ロッキング・レバー20のブラケット24を介して、および、調整器のインパルス・ピン7を介して、調整器へ供給する。インパルスの間に、ディテント・レバー25は、軸線X1の周りに枢動し、第1のセンター・ボルトEに当接させられた第1の位置から、第2のセンター・ボルトEに当接させられた第2の位置へ移動させられる(図3から図6)。この移動は、フロント・ラグ26aのレベルにおいて、ロッキング・ホイール38を支持することから、ロッキング・レバー20を解放し、したがって、エスケープメント・ホイール28を解放し、したがって、それは、回転を開始させる。
したがって、ロッキング・レバー20は、ロッキング・ホイール38のロッキング平面40のレベルにおいて、出てくるまたはリア・ロッキング・ラグ26bを支持して受け入れるように位置決めされている。ロッキング・ホイール38のロッキング平面40は、エネルギー供給源によって供給されるトルクを、リア・ラグ26bを介して、ディテント・レバーへ伝達する。このトルクは、ロッキング・レバー20およびディテント・レバー25の上での引き抜きを確実にし、したがって、インパルス・レバー4をセンター・ボルトEのうちの1つに押し付け、また、ディテント・レバー25の位置を正確に画定するようになっている。また、ワインディング・レバー3は、ワインディング・カム36を介して直接的に位置決めされている。ストリップ・スプリング2は、その不安定な位置の近くで強化され、その次の回転の間にピン7を待機する。
したがって、この配置を使用して、ロッキング・レバー20の解放は、解放からのエネルギーの伝送において、ストリップ・スプリング2の介入なしに、ブラケット24に対する調整器1の作用によってトリガーされる。したがって、エスケープメント・ホイール28のロックおよび解放機能と、ストリップ・スプリング2のワインディング機能との間の分離が存在する。それに加えて、効果的な引き抜きが取得され、それは、エスケープメントの上の機能のセキュリティーを改善させる。
本発明の目的の1つは、一方では、ロック/解放フェーズの調節、および、他方では、ワインディングを分離することであるが、これらの機能は、同期させられるままになっている。これを実現するために、図2から図6に表され、および図8に詳細に表されているように、ワインディング・レバー3は、エスケープメント・ホイール28のワインディング・カム36と相互作用するように形状決めされた2つのレバー50も含む。ワインディング・カム36は、とりわけ図7に見ることができ、ワインディング・カム36は、カム・セグメント36a、36b、36cによって構成されているN個の機能的ゾーンを含む。エスケープメント・ホイール28のカム36は、360°/Nのオフセットとともにインデックスされている。レバー50は、ワインディング・カム36と恒久的に接触した状態になるようにサイズ決めおよび位置決めされており、前記カム36の角度的な位置は、したがって、ワインディング・レバー3を完全に位置決めすることを可能にし、ワインディング・レバー3は、ロッキング・ホイール38と同期させられる。図2から図6に表されている例では、カム36は、主として三角形であり、3つのカム・セグメント36a、36b、36cは、凸形になっており、ワインディング・レバー3のレバー50との特定の接触を画定し、摩擦を最適化するようになっている。
レバー50は、アーム53の端部に支持されているU字形状のブラケット52のブランチから形成され得り、ホイール28のワインディング・カム36がカム36と恒久的で特定の接触をした状態でU字のブランチ同士の間に挿入されるように、ブラケットは形状決めおよびサイズ決めされており、それは、ワインディング・レバー3の完全な位置決め、および、角度的なロッキングを確実にすることが可能である。
レバー50およびワインディング・カム36は、当然のことながら、ワインディング・カム36の特定の幾何学形状にしたがって、図9に表されているもの以外の形態を有することが可能である。また、前記ワインディング・カム36と相互作用するために、カウンタ・スプリングに関連付けられた単一のレバー50のみを使用するということも考えられ得る。その形態がどのようであっても、それぞれのレバー50は、一方では、エスケープメント・ホイール28のワインディング・カム36と相互作用することを可能にし、また、他方では、対応するアイレット13bの中にある、ワインディング・レバー3からストリップ・スプリング2へ接続するためのピン13aが、その次のインパルスに関して、ワインディング・カム36およびレバー50の幾何学形状によって、最適なポイントが画定されて角度的にロックされるまで、ストリップ・スプリング2を強化することを可能にする。この強化は、ワインディング・カム36によってレバー50に加えられるレバー効果の下で、ストリップ・スプリング2の変曲ポイントを含有する軸線X1の周りでのワインディング・レバー3の枢動から結果として生じており、それは、ワインディング・レバーのピン13aのレベルにおいて、軸線X1の上の変曲ポイントのいずれかの側の前記スプリングの2つのセグメントの実質的に中心において、ストリップ・スプリングの上に牽引作用を発生させ、したがって、ストリップ・スプリング2の第2のモードのバックリングを発生させ、したがって、それは、図4から図7に表されている構成をとり、それは、その次のインパルスまで強化されている。
ディテント・レバー25の中に組み込まれたロッキング・レバー20を介してディテント・レバー25と相互作用する単一のエスケープメント・ホイール28を含む、実施形態において、本発明のエスケープメント・メカニズムが、添付の図を参照してここで説明されてきた。しかし、当業者は、2つの対称的なワインディング・ホイール28を含む同様のエスケープメント・メカニズムを容易に作り出すことが可能であり、ワインディング・ホイール28は、ロッキング・レバーの上のラグ26a、26bを異なって調節することによって、および、互いに対する2つのワインディング・ホイールの動力学的リンク接続を確実にすることによって、それぞれの回転において、ディテント・レバー25と交互に相互作用し、たとえば、同一のワインディング・ホイールのそれぞれのロッキング・ホイールおよびワインディング・カムと同軸のギヤ付きのホイールを介して、その回転の同期化を確実にする。したがって、ワインディング・レバーのレバー50の幾何学形状が確実にされることとなり、このレバーの角度的にロックされた位置を確実にしながら、2つの対称的なワインディング・ホイールのそれぞれのワインディング・カムとの交互の接触を可能にする。
その一方の端部がディテント・レバーの回転軸線の上に位置している単一のストリップを実装することによって、本発明のエスケープメント・メカニズムを作り出すことも考えられ得る。そのような構成は、とりわけ、本発明のエスケープメント・メカニズムの体積を低減させることを可能にする。

Claims (7)

  1. ストリップ・スプリング(2)を介して、駆動源から時計の振動調整器(1)へ、機械的エネルギーのインパルスを伝達するように設計されているエスケープメント・メカニズムであって、前記ストリップ・スプリング(2)は、変曲ポイントの周りのバックリングによって作用し、前記ストリップ・スプリング(2)は、2つのインパルスの間に前記駆動源からの前記エネルギーを蓄積することができ、また、それぞれのインパルスにおいて、ワインディング・レバー(3)を介して、前記振動調整器(1)に前記エネルギーを伝達することができ、前記ワインディング・レバー(3)は、前記ストリップ・スプリング(2)およびディテント・レバー(25)と相互作用することができ、前記ディテント・レバー(25)は、前記駆動源からのエネルギーを受け取る少なくとも1つのエスケープメント・ホイール(28)と相互作用し、前記エスケープメント・ホイール(28)の回転を間欠的にブロックすることができる、エスケープメント・メカニズムにおいて、
    前記ディテント・レバー(25)は、ロッキング・レバー(20)を含み、前記ロッキング・レバー(20)は、
    − 前記調整器(1)と作用することができるブラケット(24)と、
    − ロッキング・フェーズの間に前記エスケープメント・ホイール(28)をブロックするように設計されている少なくとも2つのロッキング・ラグ(26)と
    を含み、
    前記ロッキング・レバー(20)の解放が、前記解放からの前記エネルギーの伝送において、前記ストリップ・スプリング(2)から独立して、前記ブラケットに対する前記調整器の作用によってトリガーされるようになっていることを特徴とする、エスケープメント・メカニズム。
  2. 前記エスケープメント・ホイール(28)は、ピニオン(32)を含み、前記ピニオン(32)は、前記エスケープメント・ホイールを前記駆動源に動力学的にリンク接続するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のエスケープメント・メカニズム。
  3. 前記エスケープメント・ホイール(28)は、ロッキング・ホイール(38)を含み、前記ロッキング・ホイール(38)は、複数の機能的ゾーンを含み、前記複数の機能的ゾーンは、ロッキング平面(40)をそれぞれ有しており、前記ロッキング平面(40)は、前記ロッキング・レバー(20)のラグ(26a、26b)と相互作用し、前記ロッキング・フェーズの間に前記エスケープメント・ホイール(28)をブロックすることが意図されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のエスケープメント・メカニズム。
  4. 前記ワインディング・レバー(3)は、少なくとも1つのレバー(50)を含み、前記少なくとも1つのレバー(50)は、前記エスケープメント・ホイール(28)のワインディング・カムと相互作用することができることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のエスケープメント・メカニズム。
  5. 前記少なくとも1つのレバー(50)は、前記エスケープメント・ホイール(28)のワインディング・カム(36)と相互作用し、前記ワインディング・カム(36)は、N個の機能的ゾーンを含み、360/N°のオフセットとともにインデックスされており、前記レバー(50)は、また、前記ワインディング・カム(36)と接触した状態になるようにサイズ決めおよび位置決めされていることを特徴とする、請求項4に記載のエスケープメント・メカニズム。
  6. 前記少なくとも1つのレバー(50)は、前記ワインディング・レバーに固着されたアームの上に設計されており、前記レバー(50)は、また、前記ワインディング・カム(36)と接触した状態になるようにサイズ決めおよび位置決めされていることを特徴とする、請求項4または5に記載のエスケープメント・メカニズム。
  7. 前記レバー(50)および前記ワインディング・カム(36)は、前記ワインディング・レバー(3)の非自発的な角度的な移動を制限するように形状決めされていることを特徴とする、請求項4から6のいずれか一項に記載のエスケープメント・メカニズム。
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