JP2019221040A - 系統連系インバータ装置及び安定化制御方法 - Google Patents

系統連系インバータ装置及び安定化制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電力系統側のインダクタとフィルタ回路内のコンデンサとの共振の影響で、系統連系システムが不安定になり、正常運転できない恐れがある。【解決手段】系統連系インバータ装置20は、電力系統2に対して連系可能に接続され、入力電力をスイッチングして所定電力に変換するDC/ACインバータ23と、前記スイッチングを制御する制御回路30と、前記所定電力の高調波成分を除去して前記電力系統側へ出力するフィルタ回路24と、を備えている。制御回路30は、系統電圧Vacの電圧計測値vacに対し、三相/二相電圧変換部31及び回転座標変換部32により、回転座標変換を行ってq軸電圧Vqを算出し、q軸電流制御指令側にフィードバックしてDC/ACインバータ23のスイッチング制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、電力系統(例えば、商用電力系統)に対して連系可能に接続され、直流電力を交流電力に変換する系統連系インバータ装置に関するものである。
図8は、特許文献1及び非特許文献1等に記載された従来のLCフィルタ付き三相系統連系インバータ装置を備える系統連系システムの構成例を示す概略の回路図である。
この系統連系システムは、直流(DC)電源1と、例えば、商用電力系統である三相U,V,W交流(AC)の電力系統2と、の間に接続されるLCフィルタ付き三相系統連系インバータ装置10を備えている。電力系統2は、三相遮断器3及び三相変圧器(以下「トランス」という。)4等を介して、系統連系インバータ装置10の出力端子に接続されている。系統連系インバータ装置10の出力端子とトランス4との間には、負荷装置5が並列に接続されている。
系統連系インバータ装置10は、電力系統2に対して連系可能に接続され、直流電源1から供給される直流電力を三相交流電力に変換する装置であり、DC/DCコンバータ11を有している。DC/DCコンバータ11は、図示しない制御部によってスイッチング動作が制御され、直流電源1から供給される直流電圧を所定の直流電圧に変換する装置であり、この出力側に、並列に接続された電荷蓄積用のコンデンサ12を介して、三相U,V,WのDC/ACインバータ13が接続されている。なお、DC/DCコンバータ11は、省略されることもある。
DC/ACインバータ13は、図示しない制御部によってスイッチング動作が制御され、コンデンサ12に蓄積された直流電圧Vdcを三相U,V,Wの系統電圧Vacに変換する装置であり、6つのスイッチ素子(例えば、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ、以下これを「IGBT」という。)13aがブリッジ接続されて構成されている。各IGBT13aには、ボディダイオード13bが逆並列に接続されている。DC/ACインバータ13の出力側には、L字形の三相LCフィルタ回路14が接続されている。
L字形の三相LCフィルタ回路14は、DC/ACインバータ13から出力される交流電圧Vinv及びインバータ電流Iinvの高調波成分を除去する回路であり、三相インダクタ14a及び三相コンデンサ14bにより構成されている。LCフィルタ回路14の出力側には、図示しない制御部により開閉が制御される三相開閉器15を介して、系統連系インバータ装置10の出力端子が接続されている。
このように構成される系統連系システムでは、直流電源1から供給された直流電圧が、系統連系インバータ装置10内のDC/DCコンバータ11により所定の直流電圧に変換され、コンデンサ12に蓄積される。コンデンサ12に蓄積された直流電圧Vdcは、DC/ACインバータ13によって三相U,V,Wの交流電圧Vinvに変換された後、三相フィルタ回路14のインダクタ14a及びコンデンサ14bによって高調波成分が除去される。高調波成分が除去された三相交流の出力電流Io及び系統電圧Vacは、三相開閉器15を介して負荷装置5及び電力系統2側へ出力される。電力系統2に停電等が発生すると、遮断器3がオフ状態になり、系統連系インバータ装置10が電力系統2から切り離されて単独運転状態となり、その系統連系インバータ装置10から出力された出力電流Io及び系統電圧Vacが負荷装置5へ供給される。
図8の系統連系インバータ装置10に使用されているL字形の三相LCフィルタ回路14では、直列の三相インダクタ14aが1組しかなく、しかも、LCフィルタ回路14の入出力間の結合(coupling)が大きくなり過ぎるため、高調波成分を十分に減衰できないことがある。これを改善するために、T字形の三相フィルタ回路を使用したLCLフィルタ付き三相系統連系インバータ装置が知られている。
図9は、従来のLCLフィルタ付き三相系統連系インバータ装置を備える系統連系システムの構成例を示す概略の回路図である。
この系統連系システムに使用されているLCLフィルタ付き三相系統連系インバータ装置10Aでは、図8のL字形の三相LCフィルタ回路14に代えて、T字形の三相LCLフィルタ回路14Aが設けられている。この三相LCLフィルタ回路14Aは、2組の三相インダクタ14a,14cと、1組の三相コンデンサ14bと、により構成されている。
このような三相系統連系インバータ装置10Aにおける三相LCLフィルタ回路14Aでは、直列の三相インダクタ14a,14cを2組使用しているので、高調波減衰帯域での減衰量が、L字形の三相LCフィルタ回路14に比べて大幅に向上し、更に、三相LCLフィルタ回路14Aにおける入出力間の結合が著しく減少する。
図10は、図8の系統連系システムの模式的な等価回路図である。
図8の系統連系インバータ装置10では、配電線及びトランス4を介して電力系統2(例えば、三相(3φ)200V)に接続されるため、図10の電力系統2側に、抵抗Rs及びインダクタLsからなる系統インピーダンス6が存在する。そのため、系統連系インバータ装置10の三相交流出力電流Ioがその系統インピーダンス6に流れる。
図11は、図9の系統連系システムの模式的な等価回路図である。
図9の系統連系インバータ装置10Aも、図8と同様に、配電線及びトランス4を介して電力系統2に接続されるため、図11の電力系統2側に、抵抗Rs及びインダクタLsからなる系統インピーダンス6が存在する。そのため、系統連系インバータ装置10Aの三相交流出力電流Ioがその系統インピーダンス6に流れる。
図12は、従来の図10及び図11に示す系統連系システムにおいて電力系統2側の系統インピーダンス6として例えば一定リアクタンス値以上のインダクタLsを接続した時の動作波形図である。図12の上段は、高調波成分が含まれた系統電圧Vacの波形図、及び、図12の下段は、高調波成分が含まれた出力電流Ioの波形図である。図12の横軸は、時刻である。
図10及び図11の電力系統2側には、抵抗Rs及びインダクタLsからなる系統インピーダンス6が存在する。そのため、図12に示すように、電力系統2側のインダクタLsとフィルタ回路14,14A内のコンデンサ14bとの共振の影響で、系統連系システムが不安定になり、正常運転できない恐れがある。
この対策として、特許文献1の技術では、図8、図9に示す系統電圧Vacの高調波電圧を算出し、この高調波電圧が閾値以上になったら、系統連系システムの共振を検出し、DC/ACインバータ13のスイッチングを制御する制御パラメータ(特許文献1の請求項5に記載された比例制御パラメータ)を繰り返し調整することにより、系統連系システムの共振を抑制している。もし、制御パラメータを変更しても共振現象が消えなかったら、フィルタ回路14,14A内の三相コンデンサ14bに対して抵抗回路を並列に接続し、共振現象を抑制している。
又、非特許文献1の技術では、系統インピーダンス6をキャンセルするためのインピーダンスキャンセル回路を追加し、共振現象を抑制している。
特開2016−63742号公報
Y.He,H.S.H.Chung,J.C.T.Lai,X.Zhang and W.Wu,「 Active Cancellation of Equivalent Grid Impedance for Improving StabiIity and Injected Power QuaIity of Grid−Connected Inverter under Variable Grid Condition 」IEEE Transactions on Power Electronics 論文誌、2018.
しかしながら、従来の図8及び図9の系統連系インバータ装置10,10Aでは、以下の(a)〜(e)のような課題がある。
(a) 電力系統2に高調波電流が流れる負荷装置5が接続される場合等、共振ではなくても高調波電圧が発生するため、制御が誤動作する可能性がある。
(b) 特許文献1の技術では、閾値以上の高調波電圧を検出した時のみ、共振を抑制するための制御が動作するので、共振現象を的確に抑制することができない。特に、高調波電圧の算出には、交流周期以上の遅延が発生するため、高速応答の実現が困難である。又、共振現象が消えない場合には、フィルタ回路14,14A内の三相コンデンサ14bに対して抵抗回路を並列に接続し、共振現象を抑制しているが、その抵抗回路によって電力損失が増加する問題がある。
(c) 特許文献1の技術では、高調波振幅と共振振幅とを混同して読み取る恐れがあるので、共振現象を精度良く抑制することができない。
(d) 非特許文献1の技術では、共振現象を抑制するために、インピーダンスキャンセル回路を追加しているので、回路構成が複雑になり、コスト上昇の問題がある。
(e) 図10及び図11に示す従来の系統連系システムでは、出力電流Ioに振動(hunting;ハンチング)が発生した場合、その出力電流Ioが流れる部分に、インダクタを挿入し、ハンチングを防止している。しかし、インダクタを挿入することにより、部品点数が増加して、系統連系インバータ装置10,10Aの小型化が困難になる。
本発明のうちの第1発明の系統連系インバータ装置は、電力系統に対して連系可能に接続され、入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、前記スイッチングを制御する制御回路と、前記所定電力の高調波成分を除去して前記電力系統側へ出力するフィルタ回路と、を備えている。そして、前記制御回路は、前記フィルタ回路と前記電力系統との間の系統電圧の計測値に対し、回転座標変換を行ってq軸電圧を算出し、q軸電流制御にフィードバック(帰還)して前記スイッチングを制御する構成になっている。
第2発明の系統連系インバータ装置は、電力系統に対して連系可能に接続され、入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、前記スイッチングを制御する制御回路と、前記所定電力の高調波成分を除去して前記電力系統側へ出力するフィルタ回路と、を備えている。そして、前記制御回路は、前記フィルタ回路と前記電力系統との間の系統電圧の計測値から瞬時位相角を検出し、q軸電流制御にフィードバックして前記スイッチングを制御する構成になっている。
第3発明の系統連系インバータ装置は、電力系統に対して連系可能に接続され、入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、前記スイッチングを制御する制御回路と、前記所定電力の高調波成分を除去して前記電力系統側へ出力するフィルタ回路と、を備えている。そして、前記制御回路は、前記フィルタ回路と前記電力系統との間の系統電圧の計測値に対し、回転座標変換を行ってd軸電圧及びq軸電圧を算出し、前記q軸電圧をq軸電流制御にフィードバックすると共に、前記d軸電圧とd軸電圧調整値との差をd軸電流制御にフィードバックして、前記スイッチングを制御する構成になっている。
第4発明の系統連系インバータ装置は、単相電力系統に対して連系可能に接続され、単相入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、前記スイッチングを制御する制御回路と、前記所定電力の高調波成分を除去して前記単相電力系統側へ出力するフィルタ回路と、を備えている。そして、前記制御回路は、前記フィルタ回路と前記単相電力系統との間の系統電圧計測値と、前交流周期の前記系統電圧計測値から求められた電圧振幅及び位相同期の位相角に基づいて算出された基本波電圧と、の差を電流制御にフィードバックして前記スイッチングを制御する構成になっている。
第5発明の安定化制御方法は、電力系統に対して連系可能に接続され、入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、前記所定電力の高調波成分を除去して前記電力系統側へ出力するフィルタ回路と、を備えた系統連系インバータ装置の安定化制御方法であって、前記フィルタ回路と前記電力系統との間の系統電圧の計測値に対し、回転座標変換を行ってq軸電圧を算出し、q軸電流制御にフィードバックして前記スイッチングを制御している。
第6発明の安定化制御方法は、電力系統に対して連系可能に接続され、入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、前記所定電力の高調波成分を除去して前記電力系統側へ出力するフィルタ回路と、を備えた系統連系インバータ装置の安定化制御方法であって、前記フィルタ回路と前記電力系統との間の系統電圧の計測値から瞬時位相角を検出し、q軸電流制御にフィードバックして前記スイッチングを制御している。
第7発明の安定化制御方法は、電力系統に対して連系可能に接続され、入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、前記所定電力の高調波成分を除去して前記電力系統側へ出力するフィルタ回路と、を備えた系統連系インバータ装置の安定化制御方法であって、前記フィルタ回路と前記電力系統との間の系統電圧の計測値に対し、回転座標変換を行ってd軸電圧及びq軸電圧を算出し、前記q軸電圧をq軸電流制御にフィードバックすると共に、前記d軸電圧とd軸電圧調整値vddとの差をd軸電流制御にフィードバックして、前記スイッチングを制御している。
第8発明の安定化制御方法は、単相電力系統に対して連系可能に接続され、単相入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、前記所定電力の高調波成分を除去して前記単相電力系統側へ出力するフィルタ回路と、を備えた系統連系インバータ装置の安定化制御方法であって、前記フィルタ回路と前記単相電力系統との間の系統電圧計測値と、前交流周期の前記系統電圧計測値から求められた電圧振幅及び位相同期の位相角に基づいて算出された基本波電圧と、の差を電流制御にフィードバックして前記スイッチングを制御している。
本発明のうちの第1及び第5発明では、例えば、三相交流のベクトル演算を用いて、q軸の電圧変動を検出し、電流制御にフィードバックすることにより、共振抑制を行っている。第2及び第6発明では、系統電圧の瞬時位相角を演算し、例えば、位相同期安定化制御結果の位相角との差をq軸電流制御にフィードバックすることにより、共振抑制を行っている。第3及び第7発明では、q軸制御に加えて、d軸電圧を算出し、d軸電圧調整値との差をd軸電流制御にフィードバックすることにより、共振抑制を行っている。更に、第4及び第8発明では、系統電圧と前交流周期の系統電圧から算出された系統電圧振幅及び位相同期の位相角から算出した基本波電圧との差を系統電流にフィードバックすることにより、共振抑制を行っている。
そのため、次の(1)〜(4)のよう効果がある。
(1) ハイインピーダンスの電力系統環境下でも、高品質且つ安定な電力出力を行える。
(2) 非特許文献1のようなインピーダンスキャンセル回路を必要としないため、回路構成が簡単になって低コストが可能になる。
(3) 特許文献1のような、共振抑制のための抵抗回路が不要になるので、低損失且つ低コスト化が可能になる。
(4) フィルタ回路内のインダクタを小さくした場合、高調波成分の除去効率を上げるためにフィルタ回路内のコンデンサを大きくする必要があるが、そのコンデンサが、系統インピーダンス内のインダクタと共振しやすくなる。又、フィルタ回路内のインダクタを小さくすると、フィルタの制御特性が悪くなるため、ハンチングがし易くなる。本発明では、それらの問題を解決して、フィルタ回路内のインダクタを小型化できる。
図2の系統連系システムの模式的な等価回路図 本発明の実施例1における系統連系システムの構成例を示す概略の回路図 図1の系統連系システムにおける動作波形図 本発明の実施例2における系統連系システムの模式的な等価回路図 本発明の実施例3における系統連系システムの模式的な等価回路図 本発明の実施例4における系統連系システムの構成例を示す概略の回路図 図6の系統連系システムの模式的な等価回路図 従来の系統連系システムの構成例を示す概略の回路図 従来の系統連系システムの構成例を示す概略の回路図 図8の模式的な等価回路図 図9の模式的な等価回路図 図10及び図11に示す系統連系システムの動作波形図
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1におけるLCフィルタ付き三相系統連系インバータ装置を備える系統連系システムの構成例を示す概略の回路図である。
この系統連系システムは、従来の図8と同様に、直流電源1と、例えば、商用電力系統である三相U,V,W交流(3φ200V)の電力系統2と、の間に接続される、従来とは構成の異なるLCフィルタ付き三相系統連系インバータ装置20を備えている。電力系統2は、従来の図8と同様に、三相遮断器3及び三相トランス4等を介して、系統連系インバータ装置20の出力端子に接続されている。系統連系インバータ装置20の出力端子とトランス3との間には、負荷装置5が並列に接続されている。
本実施例1の系統連系インバータ装置20は、電力系統2に対して連系可能に接続され、直流電源1から供給される直流電力を三相交流電力に変換する装置であり、コンバータ(例えば、DC/DCコンバータ)21を有している。DC/DCコンバータ21は、直流電源1から供給される直流電圧を所定の直流電圧に変換する装置であり、例えば、図示しない制御部によってスイッチング動作が制御される複数のスイッチ素子のブリッジ接続等により構成されている。DC/DCコンバータ21の出力側には、並列に接続された電荷蓄積用のコンデンサ22を介して、三相U,V,Wのインバータ(例えば、DC/ACインバータ)23が接続されている。
なお、DC/DCコンバータ21は、省略されることもある。
DC/ACインバータ23は、制御回路30によってスイッチング動作が制御され、コンデンサ22に蓄積された入力電力(例えば、直流電圧Vdc)を三相U,V,Wの交流電圧Vinvに変換する装置であり、6つのスイッチ素子(例えば、IGBT)23aがブリッジ接続されて構成されている。各IGBT23aには、それぞれボディダイオード23bが逆並列に接続されている。DC/ACインバータ23の出力側には、三相フィルタ回路(例えば、L字形の三相LCフィルタ回路)24が接続されている。
L字形の三相LCフィルタ回路24は、DC/ACインバータ23から出力される交流電圧Vinv及びインバータ電流Iinvの高調波成分を除去し、出力電流Ioを送出する回路であり、三相インダクタ24a及び三相コンデンサ24bにより構成されている。LCフィルタ回路24の出力側には、図示しない制御部により開閉が制御されるリレー等の三相開閉器25を介して、系統連系インバータ装置20の出力端子が接続されている。三相インダクタ24aと三相コンデンサ24bとの間には、インバータ電流Iinvを計測して電流計測値iinvを出力する三相用の電流計測器(例えば、計器用変流器、以下これを「CT」という。)26が設けられている。CT26を用いて三相交流電流を計測する場合、2相分(例えば、U相、W相)の電流Iu,Iwを2つのCT26で計測し、残りの1相分(V相)の電流Ivは、式(Iv=−Iu−Iw)より算出すれば良い。
更に、三相コンデンサ24bと三相開閉器25との間には、系統電圧Vacを計測して電圧計測値vacを出力する三相用の電圧計測器(例えば、計器用変圧器、以下これを「VT」という。)27が接続されている。
三相用CT26及び三相用VT27の出力側には、制御回路30が接続されている。制御回路30は、電流計測値iinv及び電圧計測値vacに基づき、6つのスイッチング駆動信号S30を生成し、6つのIGBT23aをそれぞれオン/オフ動作させる回路である。
図1は、図2のLCフィルタ付き三相系統連系インバータ装置を備える系統連系システムの模式的な等価回路図である。この図1では、DC/ACインバータ23及びフィルタ回路24等を含む電力変換部が模式的に示されている。
制御回路30は、DC/ACインバータ23のスイッチング動作を制御するための第1電流制御機構と第2電流制御機構とを有し、中央処置装置(以下「CPU」という。)を有するプロセッサや、個別回路等により構成されている。
前記第1電流制御機構は、三相U,V,Wの系統電圧Vacにおける電圧計測値vacに対し、回転座標変換を行って回転座標系であるdq座標系のq軸電圧vqを算出し、q軸電流制御にフィードバックしてDC/ACインバータ23のスイッチング動作を制御するものである。この第1電流制御機構は、第1三相/二相電圧変換部31、第1回転座標変換部32、位相同期回路(以下「PLL」という。)制御部33及びゲイン調整部34と、スイッチング駆動信号生成部40内の第1、第2減算部41,42、第1電流制御部44及び変調制御部46と、により構成されている。
前記第2電流制御機構は、三相U,V,Wのインバータ電流Iinvにおける電流計測値iinvに対し、回転座標変換を行ってdq座標系のd軸電流id及びq軸電流iqを算出し、d軸電流制御及びq軸電流制御にフィードバックしてDC/ACインバータ23のスイッチング動作を制御するものである。この第2電流制御機構は、第2三相/二相電流変換部35及び第2回転座標変換部36と、スイッチング駆動信号生成部40内の第2、第3減算部42,43、第1、第2電流変換部44,45及び変調制御部46と、により構成されている。
前記第1電流制御機構において、第1三相/二相電圧変換部31は、三相U,V,Wの系統電圧Vacが三相用VT27で計測された三相U,V,Wの電圧計測値vacを入力し、この電圧計測値vacを固定座標系の二相電圧α,βに変換するものである。この第1三相/二相電圧変換部31の出力側には、第1回転座標変換部32が接続されている。第1回転座標変換部32は、位相角φpllに基づき、二相電圧α,βをdq座標系のq軸電圧vqに変換するものであり、この出力側に、PLL制御部33及びゲイン調整部34が接続されている。
PLL制御部33は、入力されるq軸電圧vqに対し、位相同期制御を行って位相角φpllを生成するものであり、この位相角φpllが第1、第2回転座標変換部32,36に与えられる。ゲイン調整部34は、q軸電圧vqのゲインを調整して、そのq軸電圧vqの対応値であるゲイン調整値vqcを生成するものであり、この出力側に、スイッチング駆動信号生成部40内の第1減算部41が接続されている。
第1減算部41は、供給されるq軸電流制御指令(以下「iq指令」という。)からゲイン調整値vqcを減算するものであり、この出力側に、第2減算部42が接続されている。第2減算部42は、第1減算部41の減算結果から、第2回転座標変換部36から出力されるq軸電流iqを、減算するものであり、この出力側に、第1電流制御部44が接続されている。第1電流制御部44は、第2減算部42の減算結果に対してフィードバック制御(例えば、比例積分制御等、これを以下「PI制御等」という。)を行うものであり、この出力側に、変調制御部46が接続されている。変調制御部46は、第1電流制御部44の制御結果と後述する第2電流制御部45の制御結果とに対して変調(例えば、パルス幅変調等)を行い、DC/ACインバータ23内の6つのIGBT23aをオン/オフ制御するための6つのスイッチング駆動信号S30を生成するものである。
前記第2電流制御機構において、第2三相/二相電流変換部35は、三相U,V,Wの系統電流Iinvが三相用CT26で計測された三相U,V,Wの電流計測値iinvを入力し、この電流計測値iinvに対して、固定座標系の二相電流α,βに変換するものであり、この出力側に、第2回転座標変換部36が接続されている。第2回転座標変換部36は、位相角φpllに基づき、二相電流α,βをdq座標系のd軸電流id及びq軸電流iqに変換するものであり、この出力側に、スイッチング駆動信号生成部40内の第2、第3減算部42,43が接続されている。第3減算部43は、供給されるd軸電流制御指令(以下「id指令」という。)から、d軸電流idを減算するものであり、この出力側に、第2電流制御部45が接続されている。第2電流制御部45は、第3減算部43の減算結果に対してフィードバック制御(例えば、PI制御等)を行うものであり、この出力側に、変調制御部46が接続されている。
(実施例1の系統連系システムの全体の動作)
図2の系統連系システムでは、直流電源1から供給された直流電圧が、系統連系インバータ装置20内のDC/DCコンバータ21により所定の直流電圧に変換され、コンデンサ22に蓄積される。コンデンサ22に蓄積された直流電圧Vdcは、DC/ACインバータ23によって三相U,V,Wの交流電圧Vinvに変換された後、フィルタ回路24の三相インダクタ24a及び三相コンデンサ24bによって高調波成分が除去される。高調波成分が除去された三相交流の出力電流Io及び系統電圧Vacは、三相開閉器25を介して負荷装置5及び三相電力系統2側へ出力される。三相電力系統2に停電等が発生すると、三相遮断器3がオフ状態になり、系統連系インバータ装置20が電力系統2から切り離されて単独運転状態となり、その系統連系インバータ装置20から出力された出力電流Io及び系統電圧Vacが負荷装置5へ供給される。
(実施例1の安定化制御方法)
図1の制御回路30は、以下のような安定化制御を行う。
フィルタ回路24に三相U,V,Wのインバータ電流Iinvが流れ、このフィルタ回路24から、三相U,V,Wの出力電流Io及び系統電圧Vacが出力されると、その三相U,V,Wの系統電圧VacがVT27で計測されると共に、その三相U,V,Wのインバータ電流IinvがCT26で計測される。VT27で計測された三相U,V,Wの電圧計測値vacは、第1三相/二相電圧変換部31により、固定座標系の二相電圧α,βに変換される。変換された二相電圧α,βは、第1回転座標変換部32により、PLL制御部33から与えられる位相角φpllに基づき、dq座標系のq軸電圧vqに変換され、PLL制御部33及びゲイン調整部34へ出力される。PLL制御部33では、q軸電圧vqに対して位相同期の制御を行って位相角φpllを生成し、第1、第2回転座標変換部32,36に与える。ゲイン調整部34は、入力されたq軸電圧vqのゲイン調整を行って、ゲイン調整値vqcをスイッチング駆動信号生成部40内の第1減算部41へ出力する。第1減算部41は、供給されたiq指令からゲイン調整値vqcを減算し、この減算結果を第2減算部42へ出力する。
一方、CT26で計測された三相U,V,Wの電流計測値iinvは、第2三相/二相電流変換部35により、固定座標系の二相電流α,βに変換される。変換された二相電流α,βは、第2回転座標変換部36により、PLL制御部33から与えられた位相角φpllに基づき、dq座標系のd軸電流id及びq軸電流iqに変換され、スイッチング駆動信号生成部40内の第2、第3減算部42,43へ出力される。第2減算部42は、第1減算部41の減算結果からq軸電流iqを減算し、この減算結果を第1電流制御部44へ出力する。第1電流制御部44は、入力された減算結果に対してPI制御等のフィードバック制御を行い、この制御結果を変調制御部46へ出力する。
更に、第3減算部43は、供給されたid指令からd軸電流idを減算し、この減算結果を第2電流制御部45へ出力する。第2電流制御部45は、入力された減算結果に対してPI制御等のフィードバック制御を行い、この制御結果を変調制御部46へ出力する。変調制御部46は、第1、第2電流制御部44,45の制御結果に対してパルス幅変調等の変調を行い、6つのスイッチング駆動信号S30を生成し、DC/ACインバータ23内の6つのIGBT23aをオン/オフ制御する。これにより、id指令及びiq指令と一致するように、フィルタ回路24の出力電流Ioがフィートバック制御される。
(実施例1の効果)
図1の電力系統2側には、抵抗Rs及びインダクタLsからなる系統インピーダンス6が存在するため、電力系統2側のインダクタLsとフィルタ回路24内のコンデンサ24bとの共振の影響で、系統連系システムが不安定になり、正常運転できない恐れがある。
この対策として、本実施例1では、系統電圧Vacの電圧計測値vacに対し、第1三相/二相電圧変換部31及び第1回転座標変換部32により、三相交流のベクトル演算である回転座標変換を行ってq軸電圧Vqを算出し、iq指令側にフィードバックしてDC/ACインバータ23のスイッチング制御を行い、系統連系システムの共振を抑制している。そのため、次の(i)〜(iv)のような効果がある。
(i) 図3は、図1の系統連系システムにおける電力系統2側の系統インピーダンス6として例えば一定リアクタンス値以上のインダクタLsを接続した時の動作波形図である。図3の上段は、高調波成分が含まれた系統電圧Vacの波形図、及び、図3の下段は、高調波成分が含まれた出力電流Ioの波形図である。図3の横軸は、時刻である。
本実施例1によれば、図3に示すように、ハイインピーダンスの電力系統環境下でも、高品質且つ安定な電力出力を行える。
(ii) 非特許文献1のようなインピーダンスキャンセル回路を必要としないため、回路構成が簡単になって低コストが可能になる。
(iii) 特許文献1のような、共振抑制のための抵抗回路が不要になるので、低損失且つ低コスト化が可能になる。
(iv) フィルタ回路24内のインダクタ24aを小さくした場合、高調波成分の除去効率を上げるためにフィルタ回路24内のコンデンサ24bを大きくする必要があるが、そのコンデンサ24bが、系統インピーダンス6内のインダクタLsと共振しやすくなる。又、フィルタ回路24内のインダクタ24aを小さくすると、フィルタの制御特性が悪くなるため、ハンチングがし易くなる。本実施例1では、それらの問題を解決して、フィルタ回路24内のインダクタ24aを小型化できる。
(実施例2の構成)
図4は、本発明の実施例2におけるLCフィルタ付き三相系統連系インバータ装置を備える系統連系システムの模式的な等価回路図であり、実施例1を示す図1中の要素と同一の要素には同一の符号が付されている。この図4では、図1と同様に、DC/ACインバータ23及びフィルタ回路24等を含む電力変換部が模式的に示されている。
本実施例2の系統連系システムでは、LCフィルタ付き三相系統連系インバータ装置20Aに設けられた制御回路30Aの構成が、実施例1の図1に示す制御回路30の構成と異なっている。
本実施例2の制御回路30Aは、実施例1の制御回路30と同様に、DC/ACインバータ23のスイッチング動作を制御するための第1電流制御機構と第2電流制御機構とを有し、CPUを有するプロセッサや、個別回路等により構成されている。
前記第1電流制御機構は、三相用VT27で計測された電圧計測値vacに基づき、瞬時位相角θ(t)を検出し、iq指令側にフィードバックしてDC/ACインバータ23のスイッチング動作を制御するものである。この第1電流制御機構は、電圧計測回路51、振幅・位相角演算部52、PLL制御部53、第4減算部54及び乗算部55と、実施例1と同様のゲイン調整部34、スイッチング駆動信号生成部40内の第1、第2減算部41,42、第1電流制御部44及び変調制御部46と、により構成されている。
前記第2電流制御機構は、実施例1と同様に、第2三相/二相電流変換部35及び第2回転座標変換部36と、スイッチング駆動信号生成部40内の第2、第3減算部42,43、第1、第2電流制御部44,45及び変調制御部46と、により構成されている。
前記第1電流制御機構において、電圧計測回路51は、三相用VT27で計測された三相U,V,Wの電圧計測値vacを、デジタル信号に変換する回路であり、アナログ/デジタル変換器(A/D変換器)等により構成されている。電圧計測回路51の出力側には、振幅・位相角演算部52が接続されている。振幅・位相角演算部52は、デジタル信号に変換されたデジタル電圧計測値に対し、振幅・位相角演算を行って瞬時位相角θ(t)とdq座標系のd軸電圧Vdとを算出するものであり、この出力側に、PLL制御部53が接続されている。PLL制御部53は、算出された瞬時位相角θ(t)の位相同期の制御を行って位相角φp11を求めるものであり、この出力側に、q軸電圧演算部が接続されている。
前記q軸電圧演算部は、算出された瞬時位相角θ(t)から位相角φp11を減算し、この減算結果とd軸電圧vdとを乗算してq軸電圧値に対応するゲイン調整値vqcを求めるものであり、第4減算部54、乗算部55及びゲイン調整部34により構成されている。第4減算部54は、算出された瞬時位相角θ(t)から位相角φp11を減算するものであり、この出力側に、乗算部55が接続されている。乗算部55は、第4減算部54の減算結果とd軸電圧Vdとを乗算してq軸電圧vqを求めるものであり、この出力側に、ゲイン調整部34が接続されている。ゲイン調整部34は、q軸電圧vqのゲインを調整して、そのq軸電圧vqの対応値であるゲイン調整値vqcを生成するものであり、この出力側に、実施例1と同様のスイッチング駆動信号生成部40が接続されている。
スイッチング駆動信号生成部40は、q軸電流制御のiq指令から、q軸電圧vqの対応値であるゲイン調整値vqcを減算して、DC/ACインバータ23のスイッチング動作を制御するスイッチング駆動信号S30Aを生成するものであり、第1、第2減算部41,42、第1電流制御部44及び変調制御部46を有している。
スイッチング駆動信号生成部40には、前記第2電流制御機構の一部を構成する第3減算部43及び第2電流制御部45も設けられている。
(実施例2の安定化制御方法)
図4の制御回路30Aは、以下のような安定化制御を行う。
三相U,V,Wの系統電圧VacがVT27で計測されると共に、その三相U,V,Wのインバータ電流IinvがCT26で計測される。VT27で計測された三相U,V,Wの電圧計測値vacは、電圧計測回路51により、デジタル電圧計測値に変換され、振幅・位相角演算部52へ出力される。振幅・位相角演算部52は、入力されたデジタル電圧計測値に対して振幅・位相角演算を行い、瞬時位相角θ(t)とdq座標系のd軸電圧Vdとを算出し、PLL制御部53、第4減算部54及び乗算部55へ出力する。
PLL制御部53は、入力された瞬時位相角θ(t)に対し、位相同期の制御を行って位相角φpllを生成し、第4減算部54及び第2回転座標変換部36へ与える。第4減算部54により、瞬時位相角θ(t)から位相角φpllが減算される。この減算結果とd軸電圧vdとが、乗算部55で乗算され、q軸電圧vqが生成される。生成されたq軸電圧vqは、ゲイン調整部34でゲインが調整され、このゲイン調整値vqcが、スイッチング駆動信号生成部40内の第1減算部41へ出力される。第1減算部41は、供給されたiq指令からゲイン調整値vqcを減算し、この減算結果を第2減算部42へ出力する。
一方、CT26で計測された三相U,V,Wの電流計測値iinvは、実施例1と同様に、第2三相/二相電流変換部35により、二相電流α,βに変換される。変換された二相電流α,βは、第2回転座標変換部36により、位相角φpllに基づき、d軸電流id及びq軸電流iqに変換され、スイッチング駆動信号生成部40内の第2、第3減算部42,43へ出力される。第2減算部42は、第1減算部41の減算結果からq軸電流iqを減算し、この減算結果を第1電流制御部44へ出力する。第1電流制御部44は、入力された減算結果に対してPI制御等のフィードバック制御を行い、この制御結果を変調制御部46へ出力する。
更に、第3減算部43は、供給されたid指令からd軸電流idを減算し、この減算結果を第2電流制御部45へ出力する。第2電流制御部45は、入力された減算結果に対してPI制御等のフィードバック制御を行い、この制御結果を変調制御部46へ出力する。変調制御部46は、第1、第2電流制御部44,45の制御結果に対してパルス幅変調等の変調を行い、6つのスイッチング駆動信号S30Aを生成し、DC/ACインバータ23内の6つのIGBT23aをオン/オフ制御する。これにより、id指令及びiq指令と一致するように、フィルタ回路24の出力電流Ioがフィートバック制御される。
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、系統電圧Vacの電圧計測値vacから、電圧計測回路51を通して、振幅・位相角演算部52により、瞬時位相角θ(t)を求め、位相同期安定化制御結果の位相角φpllとの差を、乗算部55及びゲイン調整部34を通してiq指令側へフィードバックし、DC/ACインバータ23のスイッチング制御を行い、系統連系システムの共振を抑制している。そのため、実施例1と略同様の効果を奏することができる。
(実施例3の構成)
図5は、本発明の実施例3におけるLCフィルタ付き三相系統連系インバータ装置を備える系統連系システムの模式的な等価回路図であり、実施例1を示す図1中の要素と同一の要素には同一の符号が付されている。この図5では、図1と同様に、DC/ACインバータ23及びフィルタ回路24等を含む電力変換部が模式的に示されている。
本実施例3の系統連系システムでは、LCフィルタ付き三相系統連系インバータ装置20Bに設けられた制御回路30Bの構成が、実施例1の図1に示す制御回路30の構成と異なっている。
本実施例3の制御回路30Bは、実施例1の制御回路30と同様に、DC/ACインバータ23のスイッチング動作を制御するための第1電流制御機構と第2電流制御機構とを有し、CPUを有するプロセッサや、個別回路等により構成されている。
実施例1の第1電流制御機構では、VT27で計測された電圧計測値vacに対し、回転座標変換を行ってd軸電圧vd及びq軸電圧vqを算出し、そのq軸電圧vqをiq指令側にフィードバックするために、第1三相/二相電圧変換部31と、第1回転座標変換部32と、PLL制御部33と、第1ゲイン調整部34及び第1減算部41からなる第1演算部と、を有している。これに対し、本実施例3の第1電流制御機構では、d軸電圧vdと、d軸電圧調整値(例えば、d軸電圧高調波成分除去値又はd軸電圧交流周期平均値)vddと、の差をid指令側にフィードバックするために、d軸電圧調整部61、第5減算部62、第2ゲイン調整部63及び第6減算部47からなる第2演算部が、追加されている。第6減算部47は、本実施例3のスイッチング駆動信号生成部40B内に設けられている。本実施例3のスイッチング駆動信号生成部40Bは、実施例1のスイッチング駆動信号生成部40に対して第6減算部47が追加された構成になっている。
本実施例3の第2演算部において、d軸電圧調整部61及び第5減算部62は、第1回転座標変換部32の出力側に接続されている。d軸電圧調整部61は、第1回転座標変換部32から出力されるd軸電圧vdのd軸電圧調整値vddを求めるものである。d軸電圧調整値vddは、例えば、ローパスフィルタ(以下「LPF」という。)により除去されるd軸電圧高調波成分除去値、又は、演算器により求められるd軸電圧交流周期平均値である。第5減算部62は、d軸電圧vdからd軸電圧調整値vddを減算するものであり、この出力側に、第2ゲイン調整部63が接続されている。第2ゲイン調整部63は、第5減算部62の減算結果に対してゲイン調整を行い、ゲイン調整値vdcを求めるものであり、この出力側に、スイッチング駆動信号生成部40B内の第6減算部47が接続されている。第6減算部47は、id指令からゲイン調整値vdcを減算し、この減算結果を第3減算部43へ出力するものである。
本実施例3の第2電流制御機構は、実施例1と同様に、第2三相/二相電流変換部35及び第2回転座標変換部36と、スイッチング駆動信号生成部40内の第2、第3減算部42,43、第1、第2電流変換部44,45及び変調制御部46と、により構成されている。
(実施例3の安定化制御方法)
図5の制御回路30Bは、以下のような安定化制御を行う。
実施例1と同様に、VT27で計測された三相U,V,Wの電圧計測値vacは、第1三相/二相電圧変換部31により、二相電圧α,βに変換され、更に、第1回転座標変換部32により、d軸電圧vd及びq軸電圧vqに変換される。変換されたq軸電圧vqは、第1ゲイン調整部34により、ゲイン調整が行われ、このゲイン調整値vqcがスイッチング駆動信号生成部40B内の第1減算部41へ出力される。第1減算部41は、供給されたiq指令からゲイン調整値vqcを減算し、この減算結果を第2減算部42へ出力する。
第1回転座標変換部32により変換されたd軸電圧vdは、d軸電圧調整部61により調整され、d軸電圧調整値(例えば、LPFにより除去されたd軸電圧高調波成分除去値、又は、演算器により求められたd軸電圧交流周期平均値)vddが求められ、第5減算部62へ出力される。第5減算部62は、d軸電圧vdからd軸電圧調整値vddを減算し、この減算結果を第2ゲイン調整部63へ出力する。第2ゲイン調整部63は、第5減算部62の減算結果に対し、ゲイン調整を行ってゲイン調整値vdcを求め、スイッチング駆動信号生成部40B内の第6減算部47へ出力する。
一方、CT26で計測された三相U,V,Wの電流計測値iinvは、実施例1と同様に、第2三相/二相電流変換部35により、二相電流α,βに変換され、更に、第2回転座標変換部36により、d軸電流id及びq軸電流iqに変換され、スイッチング駆動信号生成部40B内の第2、第3減算部42,43へ出力される。
スイッチング駆動信号生成部40Bにおいて、供給されたid指令及びiq指令のうち、id指令は、第6減算器47により、ゲイン調整値vdcが減算される。この第6減算器47の減算結果は、更に、第3減算部43により、d軸電流idが減算され、第2電流制御部45により、PI制御等のフィードバック制御が行われ、この制御結果が変調制御部46へ出力される。又、供給されたiq指令は、第1減算部41により、ゲイン調整値vqcが減算され、この減算結果が、更に、第2減算部42により、q軸電流iqが減算され、第1電流制御部44により、PI制御等のフィードバック制御が行われ、この制御結果が変調制御部46へ出力される。
変調制御部46は、第1、第2電流制御部44,45の制御結果に対してパルス幅変調等の変調を行い、6つのスイッチング駆動信号S30Bを生成し、DC/ACインバータ23内の6つのIGBT23aをオン/オフ制御する。これにより、id指令及びiq指令と一致するように、フィルタ回路24の出力電流Ioがフィートバック制御される。
(実施例3の効果)
本実施例3によれば、q軸制御に加えて、軸電圧vdを算出し、d軸電圧調整値vddとの差をid指令側にフィードバックし、DC/ACインバータ23のスイッチング制御を行い、系統連系システムの共振を抑制している。そのため、実施例1と略同様の効果を奏することができる。
(実施例4の構成)
図6は、本発明の実施例4におけるLCフィルタ付き単相系統連系インバータ装置を備える系統連系システムの構成例を示す概略の回路図である。
この系統連系システムは、直流電源1と、例えば、商用電力系統である単相U,Vの電力系統2Cと、の間に接続されるLCフィルタ付き単相系統連系インバータ装置20Cを備えている。電力系統2Cは、単相遮断器3C及び単相トランス4C等を介して、系統連系インバータ装置20Cの出力端子に接続されている。系統連系インバータ装置20Cの出力端子とトランス3Cとの間には、負荷装置5Cが並列に接続されている。
本実施例4の系統連系インバータ装置20Cは、電力系統2Cに対して連系可能に接続され、直流電源1から供給される直流電力を単相交流電力に変換する装置であり、コンバータ(例えば、DC/DCコンバータ)21Cを有している。DC/DCコンバータ21Cは、直流電源1から供給される直流電圧を所定の直流電圧に変換する装置であり、例えば、図示しない制御部によってスイッチング動作が制御される複数のスイッチ素子のブリッジ接続等により構成されている。DC/DCコンバータ21Cの出力側には、並列に接続された電荷蓄積用のコンデンサ22Cを介して、単相U,Vのインバータ(例えば、DC/ACインバータ)23Cが接続されている。
なお、DC/DCコンバータ21Cは、省略されることもある。
DC/ACインバータ23Cは、制御回路30Cによってスイッチング動作が制御され、コンデンサ22Cに蓄積された入力電力(例えば、直流電圧Vdc)を単相U,Vの交流電圧Vinvに変換する装置であり、4つのスイッチ素子(例えば、IGBT)23aがブリッジ接続されて構成されている。各IGBT23aには、それぞれボディダイオード23bが逆並列に接続されている。DC/ACインバータ23Cの出力側には、単相フィルタ回路(例えば、L字形の単相LCフィルタ回路)24Cが接続されている。
L字形の単相LCフィルタ回路24Cは、交流電圧Vinv及びインバータ電流Iinvの高調波成分を除去し、出力電流Ioを送出する回路であり、単相インダクタ24a及び単相コンデンサ24bにより構成されている。LCフィルタ回路24Cの出力側には、図示しない制御部により開閉が制御されるリレー等の単相開閉器25Cを介して、系統連系インバータ装置20Cの出力端子が接続されている。単相インダクタ24aと単相コンデンサ24bとの間には、インバータ電流Iinvを計測して電流計測値iinvを出力する電流計測器(例えば、単相用CT)26Cが設けられている。更に、単相コンデンサ24bと単相開閉器25Cとの間には、系統電圧Vacを計測して電圧計測値vacを出力する電圧計測器(例えば、単相用VT)27Cが接続されている。
単相用CT26C及び単相用VT27Cの出力側には、制御回路30Cが接続されている。制御回路30Cは、電流計測値iinv及び電圧計測値vacに基づき、4つのスイッチング駆動信号S30Cを生成し、4つのIGBT23aをそれぞれオン/オフ動作させる回路である。
図7は、図6の系統連系システムの模式的な等価回路図である。この図7では、DC/ACインバータ23C及びフィルタ回路24C等を含む電力変換部が模式的に示されている。
制御回路30Cは、VT27Cで計測された系統電圧Vacの電圧計測値vacと、交流周期の電圧計測値vacから求められた電圧振幅vaclp及び位相同期の位相角φpllに基づいて算出された基本波電圧vaclと、の差を電流指令(以下「i指令」という。)側にフィードバックしてDC/ACインバータ23Cのスイッチング動作を制御する回路であり、CPUを有するプロセッサや、個別回路等により構成されている。
制御回路30Cは、VT27Cの出力側に接続された電圧振幅算出部(例えば、基本波電圧振幅算出部)71及びPLL制御部72を有している。基本波電圧振幅算出部71は、VT27Cの電圧計測値vacから電圧振幅vaclpを算出するものであり、この出力側に、乗算部74が接続されている。なお、基本波電圧振幅算出部71は、交流の電圧計測値vacの実効値vrmsを算出し、vrms×√2を基本波の電圧振幅vaclpと見なす構成であっても良い。
PLL制御部72は、電圧計測値vacに対し、位相同期の制御を行って位相同期の位相角φpllを求めるものであり、この出力側に、基本波電圧算出部が接続されている。この基本波電圧算出部は、例えば、PLL制御部72の出力側に接続されたサイン演算部(以下「sin演算部」という。)73と、この出力側に接続された乗算部74と、により構成されている。sin演算部73は、位相角φpllの正弦値sin(φpll)を演算するものであり、この出力側に、乗算部74が接続されている。乗算部74は、電圧振幅vac1pと正弦値sin(φpll)とを乗算して基本波電圧vaclを算出するものであり、この出力側に、演算部が接続されている。
前記演算部は、電圧計測値vacから基本波電圧vaclを減算してこの減算結果に対応する対応値(例えば、ゲイン調整値)vaccを求めるものであり、例えば、第7減算部75及びゲイン調整部76により構成されている。第7減算部75は、電圧計測値vacから基本波電圧vac1を減算し、この減算結果をゲイン調整部76へ出力するものである。ゲイン調整部76は、入力される減算結果に対するゲイン調整を行い、ゲイン調整値vaccをスイッチング駆動信号生成部40Cへ出力するものである。
スイッチング駆動信号生成部40Cは、供給されるi指令と、ゲイン調整部76から出力されるゲイン調整値vaccと、CT26Cから出力される電流計測値iinvと、に基づき、DC/ACインバータ23Cのスイッチング動作を制御するための4つのスイッチング駆動信号S30Cを生成するものである。スイッチング駆動信号生成部40Cは、第8、第9減算部81,82、電流制御部83及び変調制御部84を有している。
第8減算部81は、供給されるi指令からゲイン調整値vaccを減算するものであり、この出力側に、第9減算部82が接続されている。第9減算部82は、第8減算部81の減算結果から、CT26Cから出力される電流計測値iinvを減算するものであり、この出力側に、電流制御部83が接続されている。電流制御部83は、第9減算部82の減算結果に対してPI制御等のフィードバック制御を行うものであり、この出力側に、変調制御部84が接続されている。変調制御部84は、電流制御部83の制御結果に対してパルス幅変調等の変調を行い、DC/ACインバータ23C内の4つのIGBT23をオン/オフ制御するための4つのスイッチング駆動信号S30Cを生成するものである。
(実施例4の系統連系システムの全体の動作)
図6の系統連系システムでは、実施例1の図2と略同様に、直流電源1から供給された直流電圧が、系統連系インバータ装置20C内のDC/DCコンバータ21Cにより所定の直流電圧に変換され、コンデンサ22Cに蓄積される。コンデンサ22Cに蓄積された直流電圧Vdcは、DC/ACインバータ23Cによって単相U,Vの交流電圧Vinvに変換された後、フィルタ回路24Cの単相インダクタ24a及び単相コンデンサ24bによって高調波成分が除去される。高調波成分が除去された単相交流の出力電流Io及び系統電圧Vacは、単相開閉器25Cを介して負荷装置5C及び電力系統2C側へ出力される。電力系統2Cに停電等が発生すると、単相遮断器3Cがオフ状態になり、系統連系インバータ装置20Cが電力系統2Cから切り離されて単独運転状態となり、その系統連系インバータ装置20Cから出力された出力電流Io及び系統電圧Vacが負荷装置5Cへ供給される。
(実施例4の安定化制御方法)
図7の制御回路30Cは、以下のような安定化制御を行う。
フィルタ回路24Cに単相U,Vの系統電流Iinvが流れ、このフィルタ回路24Cから、単相U,Vの出力電流Io及び系統電圧Vacが出力されると、その単相U,Vの系統電圧VacがVT27Cで計測されると共に、その単相U,Vのインバータ電流IinvがCT26Cで計測される。VT27Cで計測された単相U,Vの電圧計測値vacは、基本波電圧振幅算出部71及びPLL制御部72へ出力される。基本波電圧振幅算出部71は、電圧計測値vacから電圧振幅vaclpを算出し、乗算部74へ出力する。更に、PLL制御部72は、電圧計測値vacに対し、位相同期の制御を行って位相同期の位相角φpllを生成し、sin演算部73へ出力する。
sin演算部73は、演算により、位相角φpllの正弦値sin(φpll)を求め、乗算部74へ出力する。乗算部74は、電圧振幅vac1pと正弦値sin(φpll)とを乗算して基本波電圧vaclを算出し、第7減算部75へ出力する。第7減算部75は、電圧計測値vacから基本波電圧vac1を減算し、この減算結果をゲイン調整部76へ出力する。ゲイン調整部76は、減算結果に対するゲイン調整を行い、ゲイン調整値vaccをスイッチング駆動信号生成部40C内の第8減算部81へ出力する。
スイッチング駆動信号生成部40C内の第8減算部81は、供給されたi指令からゲイン調整値vaccを減算し、第9減算部82へ出力する。第9減算部82は、第8減算部81の減算結果から、CT26Cで計測された電流計測値iinvを減算し、電流制御部83へ出力する。電流制御部83は、第9減算部82の減算結果に対してPI制御等のフィードバック制御を行い、この制御結果を変調制御部84へ出力する。
変調制御部84は、電流制御部83の制御結果に対してパルス幅変調等の変調を行い、4つのスイッチング駆動信号S30Cを生成し、DC/ACインバータ23C内の4つのIGBT23aをオン/オフ制御する。これにより、i指令と一致するように、フィルタ回路24Cの出力電流Ioがフィートバック制御される。
(実施例4の効果)
本実施例4によれば、VT27Cで計測された電圧計測値vacと、交流周期の電圧計測値vacから求められた電圧振幅vaclp及び位相角φpllに基づいて算出された基本波電圧vaclと、の差を、i指令側にフィードバックしてDC/ACインバータ23Cのスイッチング制御を行い、系統連系システムの共振を抑制している。そのため、実施例1と略同様の効果を奏することができる。
(実施例1〜4の変形例)
本発明は、上記実施例1〜4に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(1)〜(3)のようなものがある。
(1) 系統連系インバータ装置20,20A〜20Cにおける電力変換部は、図示以外の構成に変更しても良い。例えば、図2及び図6のDC/ACインバータ23,23Cは、IGBT23a以外のMOS型電界効果トランジスタ(MOSFET)、SiCトランジスタ、GaNトランジスタ等の他のスイッチ素子で構成しても良い。又、LCフィルタ回路24,24Cは、LCLフィルタ回路に置き換えても良い。
(2) CT26,26Cは、シャント抵抗(分流器)等の他の電流計測器に代えても良い。又、VT27,27Cは、抵抗分圧回路等の他の電流計測器に代えても良い。
(3) 制御回路30,30A〜30Cは、図示以外の構成に変更しても良い。
1 直流電源
2 三相電力系統
2C 単相電力系統
3,3C 遮断器
4,4C トランス
5,5C 負荷装置
20,20A,20B 三相系統連系インバータ装置
20C 単相系統連系インバータ装置
21,21C DC/DCコンバータ
23,23C DC/ACインバータ
24,24C フィルタ回路
25,25C 開閉器
26,26C CT
27,27C VT
30,30A〜30C 制御回路
31 三相/二相電圧変換部
32,36 回転座標変換部
33,53,72 PLL制御部
34,63,76 ゲイン調整部
35 三相/二相電流変換部
40,40B,40C スイッチング駆動信号生成部
51 電圧計測回路
52 振幅・位相角演算部
54,62,75 減算部
55,74 乗算部
61 d軸電圧調整部
71 基本波電圧振幅算出部
73 sin演算部

Claims (14)

  1. 電力系統に対して連系可能に接続され、入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、
    前記スイッチングを制御する制御回路と、
    前記所定電力の高調波成分を除去して前記電力系統側へ出力するフィルタ回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記フィルタ回路と前記電力系統との間の系統電圧の計測値に対し、回転座標変換を行ってq軸電圧を算出し、q軸電流制御にフィードバックして前記スイッチングを制御する構成になっている、
    ことを特徴とする系統連系インバータ装置。
  2. 前記インバータは、三相インバータ、前記電力系統は、三相電力系統、及び、前記フィルタ回路は、三相フィルタ回路であり、
    前記制御回路は、
    前記系統電圧の計測値に対し、三相/二相電圧変換を行う三相/二相電圧変換部と、
    前記三相/二相電圧変換部の電圧変換結果を回転座標系に変換して前記q軸電圧を算出する回転座標変換部と、
    前記q軸電流制御のq軸電流制御指令から前記q軸電圧の対応値を減算して、前記スイッチングを制御するスイッチング駆動信号を生成するスイッチング駆動信号生成部と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の系統連系インバータ装置。
  3. 電力系統に対して連系可能に接続され、入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、
    前記スイッチングを制御する制御回路と、
    前記所定電力の高調波成分を除去して前記電力系統側へ出力するフィルタ回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記フィルタ回路と前記電力系統との間の系統電圧の計測値から瞬時位相角を検出し、q軸電流制御にフィードバックして前記スイッチングを制御する構成になっている、
    ことを特徴とする系統連系インバータ装置。
  4. 前記制御回路は、
    前記系統電圧の計測値に対し、振幅・位相角演算を行ってd軸電圧及び前記瞬時位相角を算出する振幅・位相角演算部と、
    前記瞬時位相角の位相同期を行って位相角を求める位相同期制御部と、
    前記瞬時位相角から前記位相角を減算し、この減算結果と前記d軸電圧とを乗算してq軸電圧値を求めるq軸電圧演算部と、
    前記q軸電流制御のq軸電流制御指令から前記q軸電圧値を減算して、前記スイッチングを制御するスイッチング駆動信号を生成するスイッチング駆動信号生成部と、
    を有することを特徴とする請求項3記載の系統連系インバータ装置。
  5. 電力系統に対して連系可能に接続され、入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、
    前記スイッチングを制御する制御回路と、
    前記所定電力の高調波成分を除去して前記電力系統側へ出力するフィルタ回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記フィルタ回路と前記電力系統との間の系統電圧の計測値に対し、回転座標変換を行ってd軸電圧及びq軸電圧を算出し、前記q軸電圧をq軸電流制御にフィードバックすると共に、前記d軸電圧とd軸電圧調整値との差をd軸電流制御にフィードバックして、前記スイッチングを制御する構成になっている、
    ことを特徴とする系統連系インバータ装置。
  6. 前記インバータは、三相インバータ、前記電力系統は、三相電力系統、及び、前記フィルタ回路は、三相フィルタ回路であり、
    前記制御回路は、
    前記系統電圧の計測値に対し、三相/二相電圧変換を行う三相/二相電圧変換部と、
    前記三相/二相電圧変換部の電圧変換結果を回転座標系に変換して前記d軸電圧及び前記q軸電圧を算出する回転座標変換部と、
    前記q軸電流制御のq軸電流制御指令から前記q軸電圧の対応値を減算する第1演算部と、
    前記d軸電圧と、前記d軸電圧調整値であるd軸電圧高調波成分除去値又はd軸電圧交流周期平均値と、の差を求め、この差に対応する値を、前記d軸電流制御のd軸電流制御指令から減算する第2演算部と、
    前記第1演算部の減算結果と前記第2演算部の減算結果とに基づき、前記スイッチングを制御するスイッチング駆動信号を生成するスイッチング駆動信号生成部と、
    を有することを特徴とする請求項5記載の系統連系インバータ装置。
  7. 単相電力系統に対して連系可能に接続され、単相入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、
    前記スイッチングを制御する制御回路と、
    前記所定電力の高調波成分を除去して前記単相電力系統側へ出力するフィルタ回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記フィルタ回路と前記単相電力系統との間の系統電圧計測値と、
    前交流周期の前記系統電圧計測値から求められた電圧振幅及び位相同期の位相角に基づいて算出された基本波電圧と、
    の差を電流制御にフィードバックして前記スイッチングを制御する構成になっている、
    ことを特徴とする系統連系インバータ装置。
  8. 前記制御回路は、
    前記系統電圧計測値から前記電圧振幅を算出する電圧振幅算出部と、
    前記系統電圧計測値から前記位相同期の位相角を求める位相同期制御部と、
    前記電圧振幅及び前記位相同期の位相角から前記基本波電圧を算出する基本波電圧算出部と、
    前記系統電圧計測値から前記基本波電圧を減算してこの減算結果に対応する対応値を求める演算部と、
    前記電流制御の電流制御指令から前記対応値を減算し、この減算結果に基づき、前記スイッチングを制御するスイッチング駆動信号を生成するスイッチング駆動信号生成部と、
    を有することを特徴とする請求項7記載の系統連系インバータ装置。
  9. 前記インバータは、直流電力を交流電力に変換するDC/ACインバータであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の系統連系インバータ装置。
  10. 前記フィルタ回路は、LCフィルタ回路又はLCLフィルタ回路であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の系統連系インバータ装置。
  11. 電力系統に対して連系可能に接続され、入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、
    前記所定電力の高調波成分を除去して前記電力系統側へ出力するフィルタ回路と、
    を備えた系統連系インバータ装置の安定化制御方法であって、
    前記フィルタ回路と前記電力系統との間の系統電圧の計測値に対し、回転座標変換を行ってq軸電圧を算出し、q軸電流制御にフィードバックして前記スイッチングを制御する、
    ことを特徴とする安定化制御方法。
  12. 電力系統に対して連系可能に接続され、入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、
    前記所定電力の高調波成分を除去して前記電力系統側へ出力するフィルタ回路と、
    を備えた系統連系インバータ装置の安定化制御方法であって、
    前記フィルタ回路と前記電力系統との間の系統電圧の計測値から瞬時位相角を検出し、q軸電流制御にフィードバックして前記スイッチングを制御する、
    ことを特徴とする安定化制御方法。
  13. 電力系統に対して連系可能に接続され、入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、
    前記所定電力の高調波成分を除去して前記電力系統側へ出力するフィルタ回路と、
    を備えた系統連系インバータ装置の安定化制御方法であって、
    前記フィルタ回路と前記電力系統との間の系統電圧の計測値に対し、回転座標変換を行ってd軸電圧及びq軸電圧を算出し、前記q軸電圧をq軸電流制御にフィードバックすると共に、前記d軸電圧とd軸電圧調整値との差をd軸電流制御にフィードバックして、前記スイッチングを制御する、
    ことを特徴とする安定化制御方法。
  14. 単相電力系統に対して連系可能に接続され、単相入力電力をスイッチングして所定電力に変換するインバータと、
    前記所定電力の高調波成分を除去して前記単相電力系統側へ出力するフィルタ回路と、
    を備えた系統連系インバータ装置の安定化制御方法であって、
    前記フィルタ回路と前記単相電力系統との間の系統電圧計測値と、
    前交流周期の前記系統電圧計測値から求められた電圧振幅及び位相同期の位相角に基づいて算出された基本波電圧と、
    の差を電流制御にフィードバックして前記スイッチングを制御する、
    ことを特徴とする安定化制御方法。
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