JP2019210579A - 繊維シート - Google Patents

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洋介 角前
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皓平 佐々木
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Yusuke Kosaka
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政宏 倉持
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政宏 倉持
典子 道畑
Noriko Dohata
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Abstract

【課題】本発明は、親水性や吸液性などの機能性が向上していると共に、親水性樹脂の溶出が防止された繊維シートの提供を目的とする。【解決手段】本願出願人は、吸液性に優れる繊維シートを提供するため、主として繊維シートの構造について着目し検討を続けた。検討の結果、親水性樹脂(不溶性親水性樹脂)により被覆された第一繊維層と第二繊維層を備える繊維シートにおいて、該第二繊維層の最大孔径が該第一繊維層の最大孔径よりも大きいときに、繊維シートの吸液性が向上することを見出した。また、繊維シートが備える親水性樹脂が不溶性親水性樹脂であるため、親水性樹脂の溶出が防止された繊維シートである。以上から、本発明によって、親水性や吸液性などの機能性が向上していると共に、親水性樹脂の溶出が防止された繊維シートを提供できる。【選択図】なし

Description

本発明は、不溶性親水性樹脂により被覆された第一繊維層と第二繊維層を備える、繊維シートに関する。
従来から、不織布や繊維ウェブあるいは織物や編物などを供える繊維シートは、例えば、水処理膜などの液体分離膜や気体分離膜、燃料電池の高分子電解質膜、医療用材料、イオン交換膜、透析膜などといった様々な産業用途に使用可能な膜の支持体として、あるいは、キャパシタや一次/二次電池などの電気化学素子用セパレータ、液体フィルタ(例えば、血球分離用フィルタなど)などといった様々な産業用途に使用されている。
このような繊維シートには用途によって、親水性や吸液性などの機能に優れていることが求められている。例えば、特開平11−194126号公報(特許文献1)には繊維シートの一例として、ガラス繊維濾紙と微多孔性膜が積層されてなる血液濾過材料が開示されている。なお、特許文献1には、ガラス繊維濾紙を親水性高分子で処理することによって濾過をより速やかで円滑に行なうことができること、また、ガラス繊維濾紙は複数枚を積層して使用できることが開示されている。そして、微多孔性膜が有する多孔性空間に熱処理などにより不溶化された水溶性高分子を設け、微多孔性膜を親水化してもよいことが開示されている。
特開平11−194126号公報(特許請求の範囲、0018、0039)
本願出願人は親水性や吸液性などの機能に優れている繊維シートを提供するため、特許文献1に開示の技術について検討した。
しかし、特許文献1に開示の技術は、親水性や吸液性などの機能を向上する手段として、ガラス繊維濾紙や微多孔性膜を親水性高分子で処理する方法を開示するに留まるものであり、該技術を参照するのみでは、更に機能が向上した繊維シートを提供するのに限界があった。
また、特許文献1にかかる血液濾過材料を液体フィルタとして用いた場合には、ガラス繊維濾紙の表面に処理された親水性高分子が溶出物として、濾液中に溶出することがあった。
本発明は、親水性や吸液性などの機能性が向上していると共に、親水性樹脂の溶出が防止された繊維シートの提供を目的とする。
本発明は、
「不溶性親水性樹脂により被覆された第一繊維層と第二繊維層を備える、繊維シートであって、
前記第二繊維層の最大孔径は、前記第一繊維層の最大孔径よりも大きく、
前記不溶性親水性樹脂は、下記の測定で評価した項目6.を満足する、繊維シート。

1.繊維シートが備える親水性樹脂を用意した、
2.該親水性樹脂の重量の、100倍の重量の純水(蒸留、イオン交換を経た二次蒸留水に相当、温度:25℃)を用意した、
3.純水中に該親水性樹脂を2時間浸漬した、
4.純水中から該親水性樹脂を引き上げた後、該親水性樹脂から純水を除去した、
5.純水に浸漬する前の該親水性樹脂の重量(a、単位:g)、および、項目4.で得た該親水性樹脂の重量(b、単位:g)を以下の式に代入することで、重量変化百分率(c、単位:重量%)を算出した、
c=100×(a−b)/a
6.前記重量変化百分率が5重量%未満であった場合、繊維シートが備える親水性樹脂は不溶性親水性樹脂であると判断した、なお、項目4.において親水性樹脂が純水へ完全に溶解した場合、あるいは、前記重量変化百分率が5重量%以上である場合、該親水性樹脂は不溶性ではないと判断した、」
である。
本願出願人は、吸液性に優れる繊維シートを提供するため、主として繊維シートの構造について着目し検討を続けた。
検討の結果、親水性樹脂(不溶性親水性樹脂)により被覆された第一繊維層と第二繊維層を備える繊維シートにおいて、該第二繊維層の最大孔径が該第一繊維層の最大孔径よりも大きいときに、繊維シートの吸液性が向上することを見出した。
また、繊維シートが備える親水性樹脂が不溶性親水性樹脂であるため、親水性樹脂の溶出が防止された繊維シートである。
以上から、本発明によって、親水性や吸液性などの機能性が向上していると共に、親水性樹脂の溶出が防止された繊維シートを提供できる。
本発明では、例えば以下の構成など、各種構成を適宜選択できる。
本発明でいう第一繊維層および第二繊維層(以降、合わせて各繊維層と称することがある)は、例えば、繊維ウェブや不織布、あるいは、織物や編み物などの布帛由来の繊維からなる層であることができる。
各繊維層を構成する繊維の調製方法は適宜選択できるが、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、紡糸液に電界を作用させ紡糸する方法である静電紡糸法、遠心力を用いて紡糸する方法、特開2011−012372号公報などに記載の随伴気流を用いて紡糸する方法、特開2005−264374号公報などに記載の静電紡糸法の一種である中和紡糸法など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法など公知の方法を使用することができる。
上述した方法を用いて調製した繊維を、例えば、乾式法、湿式法へ供することで繊維ウェブを調製でき、調製した繊維ウェブの構成繊維を絡合および/または一体化させて不織布を調製できる。
構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法として、例えば、ニードルや水流によって絡合する方法、繊維ウエブを加熱処理へ供するなどしてバインダあるいは接着繊維によって構成繊維同士を接着一体化あるいは溶融一体化させる方法などを挙げることができる。なお、後述するように、繊維シートにおける第一繊維層の吸液性をより効果的に向上できることから、第二繊維層は厚さ方向に繊維配向している構成を備えているのが好ましい。このような構成を備えた第二繊維層を構成可能な布帛として、例えば、ニードルや水流によって絡合処理が施されてなる不織布由来の繊維層やエアレイ不織布由来の繊維層を挙げることができる。
加熱処理の方法は適宜選択できるが、例えば、カレンダーロールにより加熱加圧する方法、熱風乾燥機により加熱する方法、無圧下で赤外線を照射して含まれている有機樹脂を加熱する方法などを用いることができる。
あるいは、直接紡糸法を用いて、紡糸を行うと共に繊維を捕集して繊維ウェブや不織布あるいは繊維層を調製してもよい。なお、直接紡糸法(特に、静電紡糸法)を用いて紡糸した繊維を捕集することで、平均繊維径が細いと共に繊維径の均一な繊維からなる繊維ウェブや不織布あるいは繊維層を調製でき好ましい。静電紡糸法を採用する場合には、曳糸性を有する紡糸液を用いることで、より繊維径が均一かつ細い繊維を調製でき好ましい。なお、紡糸溶液が曳糸性を有するか否かは、特開2017−053078号公報に記載の方法で判別することができる。
上述のようにして調製した繊維を織るあるいは編むことで、織物や編物を調製できる。
なお、繊維ウェブ以外にも不織布あるいは織物や編物など布帛を、上述した構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法へ供しても良い。
第一繊維層の構成繊維は、本発明にかかる繊維シートの用途に合わせると共に、繊維シートにおいて第二繊維層の最大孔径よりも小さい最大孔径を有する第一繊維層を実現できるよう適宜選択する。その平均繊維径は5μm以下であるのが好ましく、3μm以下であるのが好ましく、1μm以下であるのが好ましく、800nm以下であるのが好ましい。平均繊維径の下限値は適宜選択するが、5nm以上であるのが現実的である。
特に、本発明にかかる繊維シートを備えた液体フィルタを調製した場合、繊維シートにおいて第一繊維層は主として液体フィルタを通過する液体中の濾過対象物を捕集する役割を担うものとなる。このとき、通液性に優れた液体フィルタを提供できるよう、第一繊維層を構成する繊維の平均繊維径は5nm〜5μmであるのが好ましく、50nm〜3μmであるのがより好ましく、100nm〜1μmであるのが最も好ましい。
ここでいう「平均繊維径」は、繊維を含む測定対象部分を撮影した5000倍の電子顕微鏡写真をもとに測定した、50点の繊維における各繊維径の算術平均値をいう。なお、繊維の断面形状が非円形である場合には、断面積と同じ面積の円の直径を繊維径とみなす。
第二繊維層の構成繊維は、本発明にかかる繊維シートの用途に合わせると共に、繊維シートにおいて第一繊維層の最大孔径よりも大きい最大孔径を有する第二繊維層を実現できるよう適宜選択する。その平均繊維径は第一繊維層の構成繊維よりも太いのが好ましい。具体的には、5μm以上であるのが好ましく、8μm以上であるのが好ましく、10μm以上であるのが好ましい。平均繊維径の上限値は適宜選択するが、50μm以下であるのが現実的である。
特に、本発明にかかる繊維シートを備えた液体フィルタを調製した場合、繊維シートにおいて第二繊維層は主として第一繊維層を保持する支持体としての役割を担う。更に、第二繊維層が存在することによって繊維シートにおける第一繊維層の吸液性を向上して(繊維シートの第一繊維層側から第二繊維層側へ移動する液体の通過量や通過速度を増加させて)第一繊維層の通過速度や通過量を向上する役割を担うものとなる。このとき、剛性が高いことで第一繊維層を効果的に支持することができると共に、効果的に第一繊維層の吸液性を向上できることから、第二繊維層を構成する繊維の平均繊維径は5μm〜50μmであるのが好ましく、8μm〜40μmであるのがより好ましく、10μm〜30μmであるのが最も好ましい。
各繊維層を構成する繊維の繊維長は適宜選択するが、特定長を有する短繊維や長繊維、あるいは、実質的に繊維長を測定することが困難な程度の長さの繊維長を有する連続繊維であることができる。
繊維端部の数が少ないことで、表面が平滑で厚さが均一かつ薄い繊維シートを実現し易いことから、第一繊維層は構成繊維として連続繊維を含んでいるのが好ましく、第一繊維層の構成繊維が連続繊維のみであるのがより好ましい。このような連続長を有する繊維は、直接紡糸法(特に、静電紡糸法)を用いて調製することができる。ここでいう「繊維長」は、繊維を含む測定対象部分を撮影した5000倍の電子顕微鏡写真をもとに測定でき、繊維の繊維長が長すぎて測定が困難である場合には、5000倍より低い倍率の電子顕微鏡写真をもとに測定できる。
各繊維層を構成する繊維は、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリエーテル系樹脂(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ乳酸、全芳香族ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、アラミド樹脂などの芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、ウレタン系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、パーフルオロスルホン酸樹脂など)、多糖類(デンプン、セルロース系樹脂、プルラン、アルギン酸、ヒアルロン酸など)、たんぱく質類(ゼラチン、コラーゲンなど)、ビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルなど)、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリビニルピロリドン、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など、公知の樹脂を備えた繊維であることができ、一種類の樹脂のみで構成された繊維であっても、混合樹脂など複数種類の樹脂で構成された繊維であってもよい。
これらの樹脂は、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、また樹脂がブロック共重合体やランダム共重合体でもよい。また、樹脂の立体構造や結晶性の有無がいかなるものでもよい。
また、各繊維層を構成する繊維は単繊維であっても、フィブリル状の繊維であっても、複合繊維でも構わない。複合繊維として、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型、バイメタル型などの繊維であることができる。
各繊維層を構成する繊維は横断面の形状が、略円形の繊維や楕円形の繊維以外にも異形断面繊維であってもよい。なお、異形断面繊維として、中空形状、三角形形状などの多角形形状、Y字形状などのアルファベット文字型形状、不定形形状、多葉形状、アスタリスク形状などの記号型形状、あるいはこれらの形状が複数結合した形状などの繊維断面を有する繊維を例示できる。
各繊維層を構成する繊維の種類や混在比率は適宜選択でき、一種類の繊維のみで構成された繊維層であっても、複数種類の繊維が混在してなる繊維層であってもよい。
第一繊維層の目付や空隙率や厚さは、本発明にかかる繊維シートの用途に合わせ適宜選択する。その目付は0.1〜20g/mであることができ、0.5〜15g/mであることができ、1〜10g/mであることができる。そして、その厚さは100μm以下であるのが好ましく、75μm以下であるのが好ましく、50μm以下であるのが好ましい。一方、厚さは1μm以上であるのが現実的である。なお、本発明において、目付とは測定対象物の主面における1mあたりに換算した重量をいい、厚さとは測定対象物の最も広い面積を有する面(主面)と垂直をなす方向へ1020g/cm圧縮荷重をかけた時の、測定対象物における該垂直方向の長さをいう。第一繊維層の空隙率は適宜選択するが、繊維シートにおける通気性や通液性が低下し過ぎることがないよう、空隙率は30%以上であるのが好ましく、35%以上であるのが好ましく、40%以上であるのが好ましい。一方、空隙率は98%以下であるのが現実的である。
第一繊維層のガーレ透気度は適宜選択できるが、繊維シートにおける通気性や通液性が低下し過ぎることがないよう、ガーレ透気度は20s/100mL以下であるのが好ましく、15s/100mL以下であるのが好ましく、10s/100mL以下であるのが好ましい。なお、本発明でいうガーレ透気度とは、測定対象物をJIS P8117:2009(紙及び板紙−透気度試験方法−ガーレー試験機法)に規定されている方法に供し測定された透気抵抗度をいう。なお、ガーレ値は低いほど通気性に優れていることを意味し、測定対象物が通気性を有する場合、その値は0より大きい値となる。
本発明にかかる第一繊維層の最大孔径は、繊維シートの用途に合わせると共に、第二繊維層の最大孔径よりも小さいものとなるよう適宜調整する。その最大孔径は10μm以下であるのが好ましく、5μm以下であるのが好ましく、3μm以下であるのが好ましい。最大孔径の下限値は適宜選択するが、100nm以上であるのが現実的である。特に、本発明にかかる繊維シートを備えた液体フィルタを調製した場合、繊維シートにおいて第一繊維層は主として液体フィルタを通過する液体中の濾過対象物を捕集する役割を担うものとなる。このとき、通液性に優れた液体フィルタを提供できるよう、第一繊維層を構成する繊維の最大孔径は100nm〜10μmであるのが好ましく、500nm〜5μmであるのがより好ましく、800nm〜3μmであるのが最も好ましい。
また、本発明にかかる第一繊維層の平均流量孔径は、繊維シートの用途に合わせ適宜調整する。吸液性がより効果的に向上してなる繊維シートを実現できることから、第一繊維層の平均流量孔径は第二繊維層の平均流量孔径よりも小さいのが好ましい。
ここでいう「最大孔径」および「平均流量孔径」は、測定対象物をポロメータ(Polometer、PMI社製)へ供し、バブルポイント法により測定された孔径の最大値と平均値をいう。なお、積層体中に測定対象物が存在する場合には、積層体から測定対象物を採取し測定へ供することができる。
第二繊維層の目付や空隙率や厚さは、繊維シートの用途に合わせ適宜選択する。その目付は1〜100g/mであることができ、5〜80g/mであることができ、10〜50g/mであることができる。そして、その厚さは400μm以下であるのが好ましく、300μm以下であるのが好ましく、200μm以下であるのが好ましい。一方、厚さは1μm以上であるのが現実的である。
第二繊維層の空隙率は適宜選択するが、繊維シートにおける通気性や通液性が低下し過ぎることがないよう、空隙率は30%以上であるのが好ましく、35%以上であるのが好ましく、40%以上であるのが好ましい。一方、空隙率は98%以下であるのが現実的である。第二繊維層のガーレ透気度は適宜選択できるが、繊維シートにおける通気性や通液性が低下し過ぎることがないよう、ガーレ透気度は20s/100mL以下であるのが好ましく、15s/100mL以下であるのが好ましく、10s/100mL以下であるのが好ましい。
本発明にかかる第二繊維層の最大孔径は、繊維シートの用途に合わせると共に、第一繊維層の最大孔径よりも大きいものとなるよう、適宜調整する。その最大孔径は40μm以上であるのが好ましく、60μm以上であるのが好ましく、80μm以上であるのが好ましく、100μm以上であるのが好ましい。最大孔径の上限値は適宜選択するが、1mm以下であるのが現実的である。
また、本発明にかかる第二繊維層の平均流量孔径は、繊維シートの用途に合わせ適宜調整する。繊維シートの吸液性をより効果的に向上してなる繊維シートを実現できることから、第二繊維層の平均流量孔径は第一繊維層の平均流量孔径よりも大きいのが好ましい。
本発明にかかる第一繊維層の最大孔径と、第二繊維層の最大孔径の差は、本発明の構成を満足する範囲内で適宜調整できるが、両最大孔径の差が大きいほど、より繊維シートにおける第一繊維層を通過する液体の通過量や通過速度を向上でき、吸液性が向上した繊維シートを提供できる傾向がある。そのため、両最大孔径の差は30μm以上であるのが好ましく、50μm以上であるのが好ましく、100μm以上であるのが好ましい。
第一繊維層と第二繊維層の積層態様は適宜選択でき、第一繊維層と第二繊維層がただ重ね合わされているだけの態様、第一繊維層と第二繊維層の層間がバインダで一体化してなる態様、第一繊維層と第二繊維層の構成繊維同士が両繊維層間を超え絡合する(例えば、ニードルパンチ処理、水流絡合処理、一方の繊維層の主面上にもう一方の繊維層を構成する繊維を抄き上げる方法など)ことで一体化してなる態様、構成繊維が熱溶融することで繊維間接着がなされ第一繊維層と第二繊維層の層間が一体化してなる態様、第一繊維層と第二繊維層の層間が超音波接着などにより一体化してなる態様などであることができる。ハンドリング性に優れる繊維シートを実現できることから、第一繊維層と第二繊維層が一体化した構成を備えた繊維シートであるのが好ましい。
また、本発明にかかる繊維シートを備えた液体フィルタを調製した場合、第二繊維層による繊維シートの第一繊維層を通過する液体の通過量や通過速度を効果的に向上できるよう、第一繊維層と第二繊維層の層間に不要なバインダ(本発明にかかる不溶性親水性樹脂以外のバインダ)が存在していない態様、および/または、第一繊維層と第二繊維層の層間で両繊維層の構成繊維同士が熱溶融して繊維間接着がなされていない態様であるのが好ましい。そのため、第一繊維層と第二繊維層の層間が本発明にかかる不溶性親水性樹脂のみにより一体化してなる積層体を備えた繊維シートであるのが好ましい。
本発明では不溶性親水性樹脂により被覆された第一繊維層と第二繊維層が積層してなる繊維シートであることによって、吸液性が向上した繊維シートを提供できる。この効果が効果的に発揮される理由は完全に明らかにはなっていないが、第一繊維層と第二繊維層が共に繊維で構成された層であるため、第一繊維層と第二繊維層の接触部分がほぼ点状(構成繊維同士の交点)であることによって、第一繊維層と第二繊維層の接触面積が小さくなり、層間の液体移動が容易な積層構造が形成されているためだと考えられる。つまり、第一繊維層側から第二繊維層側へ向け繊維シートを通過する際に最も抵抗が少ない状態で、濾過される液体が第一繊維層から第二繊維層へ移動できるためだと考えられる。
一方、第二繊維層の代わりに特許文献1に開示されているような多孔性膜を採用してなる繊維シートでは、第一繊維層と多孔性膜の接触部分が点状とならず線状(構成繊維と多孔性膜表面の接触面)であることによって、第一繊維層と多孔性膜の接触面積が大きくなり、層間の液体移動が困難な積層構造が形成されるため、上述した効果が効果的に発揮されないと考えられる。
本発明にかかる繊維シートは、不溶性親水性樹脂を備えている。
まず、本発明でいう親水性樹脂とは次に説明する「動的接触角の測定方法」に基づき測定された動的接触角が、90°以下の樹脂のことを指す。
(動的接触角の測定方法)
測定対象となる樹脂からなる表面が平滑な膜試料、または、測定対象となる樹脂により被覆されている表面が平滑な試料(測定対象となる樹脂により被覆されてなる布帛など)を用意した。そして、動的接触角の測定装置(協和界面科学(株)製、DM500)を用いて、この試料の表面上に、純水(蒸留、イオン交換を経た二次蒸留水に相当、温度:25℃)の液滴を3μL滴下し、滴下してから15秒後に、滴下した液滴が試料表面に対してなす角度を測定することで、動的接触角を求めた。
なお、試料に純水が吸収され測定ができない場合、あるいは、接触角が測定できないほど小さい場合には、該試料の動的接触角は10°未満であるとみなした。
親水性樹脂の種類は適宜選択できるが、例えば、ポリビニルアルコール(完全ケン化であっても、ケン化度が80以上99.9未満のものであってもよい)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド、水溶性ポリアミド、水溶性ポリアミドイミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルメチルエーテルなどのエーテル結合した水溶性高分子、多糖類(プルランやメチルセルロース、デンプンなど)、ポリ−N−ビニルアセトアミドなどであることができる。
そして、本発明でいう不溶性親水性樹脂とは、次に説明する「不溶性試験」の項目で評価した項目6.を満足する親水性樹脂のことを指す。
(不溶性試験)
1.繊維シートが備える親水性樹脂を用意した。
2.該親水性樹脂の重量の、100倍の重量の純水(蒸留、イオン交換を経た二次蒸留水に相当、温度:25℃)を用意した。
3.純水中に該親水性樹脂を2時間浸漬した。
4.純水中から該親水性樹脂を引き上げた後、該親水性樹脂から純水を除去した。
5.純水に浸漬する前の該親水性樹脂の重量(a、単位:g)、および、項目4.で得た該親水性樹脂の重量(b、単位:g)を以下の式に代入することで、重量変化百分率(c、単位:重量%)を算出した。
c=100×(a−b)/a
6.前記重量変化百分率が5重量%未満であった場合、繊維シートが備える親水性樹脂は不溶性親水性樹脂であると判断した。なお、項目4.において親水性樹脂が純水へ完全に溶解した場合、あるいは、前記重量変化百分率が5重量%以上である場合、該親水性樹脂は不溶性ではないと判断した。
本発明の繊維シートは、上述の構成を満足する不溶性親水性樹脂を備えているため、親水性や吸液性などの機能性が向上していると共に、親水性樹脂(不溶性親水性樹脂)の溶出が防止されている。上述の重量変化百分率がより少ないほど、親水性樹脂(不溶性親水性樹脂)の溶出が防止されている繊維シートであることを意味することから、該値は3.5重量%以下であるのが好ましく、3重量%以下であるのが好ましく、2.5重量%以下であるのが好ましく、2重量%以下であるのが好ましく、1.5重量%以下であるのが好ましく、1重量%以下であるのが好ましく、0.5重量%以下であるのが好ましく、理想的には0重量%であるのが最も好ましい。
不溶性親水性樹脂により被覆された第一繊維層と第二繊維層では、第一繊維層および第二繊維層の構成繊維の少なくとも一部の表面あるいは全表面に不溶性親水性樹脂が存在している。第一繊維層および第二繊維層の構成繊維の表面に不溶性親水性樹脂が存在する態様は適宜選択できるが、親水性や吸液性などの機能性が向上している繊維シートを提供できるよう、第一繊維層および第二繊維層の構成繊維の全表面に不溶性親水性樹脂が存在しているのが好ましい。
繊維シートが備えている不溶性親水性樹脂の量は、親水性や吸液性などの機能性が向上した繊維シートを提供できるよう適宜調整するが、例えば、繊維シートが備えている不溶性親水性樹脂の量は繊維シートの目付に対して0.05重量%〜15重量%であるのが好ましい。
繊維シートの目付は、本発明にかかる繊維シートの用途に合わせ適宜選択することができ、1g/m〜100g/mであることができる。また、繊維シートの厚さは、本発明にかかる繊維シートの用途に合わせ適宜選択することができ、50μm〜500μmであることができる。
なお、繊維シートは機能性粒子を含んでいてもよい。機能性粒子の種類は適宜選択できるが、例えば、シリカ粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子、イットリア安定化ジルコニア粒子、アルミナ粒子、金属有機構造体(MOF)、各種ポリマー粒子が利用できる。粒子形状も適宜選択でき、繊維状、扁平状、球状、数珠状、棒状などであることができる。また、粒子は中実粒子でも中空粒子でもよく、多孔を有する粒子形状であってもよい。これらの機能性粒子は構成繊維中に練り込まれた態様であっても、不溶性親水性樹脂中に混在している態様であってもよい。
繊維シートは、そのまま産業用途に使用してもよいが、別途補強層などの部材を設けてなる繊維シートであってもよい。また、繊維シートは用途や使用態様に合わせて形状を打ち抜いたり、プリーツ形状や巻回形状を取り得るように加工されたものであってもよい。
次に、本発明に係る繊維シートの製造方法について説明する。なお、繊維シートについて既に説明した項目と構成を同じくする点については説明を省略する。
本発明にかかる繊維シートの製造方法は適宜選択することができるが、一例として、
(1)第二繊維層を構成可能なシート状の布帛を用意する工程、
(2)前記布帛における一方の主面上に、第一繊維層を構成可能な別のシート状の布帛を設けることで、積層体を調製する工程、
(3)前記積層体に、親水性樹脂溶液を付与する工程、
(4)前記付与した親水性樹脂溶液から溶媒を除去した後に、または、前記付与した親水性樹脂溶液から溶媒を除去すると同時に、前記付与されている親水性樹脂を不溶性親水性樹脂にすることで、積層体を構成する繊維の、少なくとも一部の表面あるいは全表面に不溶性親水性樹脂を存在させる工程、
を備える繊維シートの製造方法を挙げることができる。
まず、(1)工程について説明する。
第二繊維層を構成可能なシート状の布帛は、例えば、繊維ウェブや不織布、織物や編み物などのシート状の布帛を使用することができる。
次いで、(2)工程について説明する。
第一繊維層を構成可能なシート状の布帛は、例えば、繊維ウェブや不織布、織物や編み物などのシート状の布帛を使用することができる。
積層体を調製する方法は適宜選択でき、
・第二繊維層を構成可能なシート状の布帛における少なくとも一方の主面上に、別途用意した第一繊維層を構成可能なシート状の布帛を設ける方法、
・第二繊維層を構成可能なシート状の布帛の一方の主面上に、第一繊維層を構成可能なシート状の布帛を構成可能な繊維を抄造する、あるいは、直接紡糸することで堆積させ、第一繊維層を設ける方法、
などの方法によって、積層体を調製することができる。
そして、(3)工程および(4)工程について説明する。
親水性樹脂溶液は、親水性樹脂を溶解可能な溶媒に溶解させてなる溶液である。溶媒の種類は、親水性樹脂の種類に伴い適宜選択できる。なお、該溶媒は積層体に含まれている成分を溶解し難い溶媒であるのが好ましく、該成分を溶解しない溶媒であるのがより好ましい。このような溶媒を採用すると、構成部材の形状変形や機能低下などが意図せず発生するのを防止して繊維シートを提供でき好ましい。
親水性樹脂溶液の温度は、構成部材の形状変形や機能低下などが意図せず発生し難いよう、適宜選択できる。具体的には、25℃の親水性樹脂溶液を採用することができる。
積層体に親水性樹脂溶液を付与する方法は適宜選択できるが、含浸、スプレーやスピンコート、グラビアコート、バーコート、ダイコート、ブレードコート、エアナイフコート、ロールコーティング、リップコート、フロートコート、コンマロールコート、キスコート、スクリーン印刷、インクジェット印刷、などを用いて親水性樹脂溶液を散布あるいは塗布する方法などを採用することができる。なお、積層体へ付与する親水性樹脂溶液の量は、本発明にかかる繊維シートを提供できるよう適宜調整する。
親水性樹脂溶液に含まれている溶媒を除去する方法は適宜選択できるが、例えば、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機などの加熱機へ供し加熱する、室温雰囲気下や減圧雰囲気下に静置するなどして、親水性樹脂溶液を付与した積層体から溶媒を蒸発させることで除去できる。溶媒を除去する際の加熱温度は溶媒が揮発可能な温度であると共に、構成部材の形状や機能などが意図せず低下することがないよう、加熱温度の上限を選択する。
付与されている親水性樹脂を不溶性親水性樹脂にする方法は適宜選択でき、例えば、熱処理、電子線照射、ガンマ線照射、親水性樹脂を架橋剤により架橋させる方法などを挙げられる。熱処理における処理温度は適宜調整するが、具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂の場合は120〜210℃で熱処理することにより、不溶化したポリビニルアルコール系樹脂にできる。本発明に係る親水性樹脂を、不溶化できる理由は完全に解明できていないが、自己架橋による構造変化や官能基の置換、架橋剤による架橋などが起こることで、親水性樹脂の時点で可溶であった純水などの溶媒に対する溶解性が変化して、不溶性親水性樹脂となり該溶媒に不溶となっているためだと考えられる。
また、本発明に係る別の繊維シートの製造方法について説明する。本製造方法として、上述した(1)〜(2)工程の後に、
(3’)前記積層体に、不溶性親水性樹脂溶液を付与する工程、
(4’)前記付与した不溶性親水性樹脂溶液から溶媒を除去することで、積層体を構成する繊維の、少なくとも一部の表面あるいは全表面に不溶性親水性樹脂を存在させる工程、
を備える繊維シートの製造方法を挙げることができる。
不溶性親水性樹脂溶液は、不溶性親水性樹脂を溶解可能な溶媒に溶解させてなる溶液または、不溶性親水性樹脂を分散可能な溶媒に分散させた分散液である。溶媒の種類は、不溶性親水性樹脂の種類に伴い適宜選択できる。なお、該溶媒は積層体に含まれている成分を溶解し難い溶媒であるのが好ましく、該成分を溶解しない溶媒であるのがより好ましい。このような溶媒を採用すると、構成部材の形状変形や機能低下などが意図せず発生するのを防止して繊維シートを提供でき好ましい。不溶性親水性樹脂溶液の温度は、構成部材の形状変形や機能低下などが意図せず発生し難いよう、適宜選択できる。具体的には、25℃の不溶性親水性樹脂溶液を採用することができる。
積層体に不溶性親水性樹脂溶液を付与する方法、積層体へ付与する不溶性親水性樹脂溶液の量、不溶性親水性樹脂溶液に含まれている溶媒を除去する方法は適宜選択でき、先述した繊維シートの製造方法の説明と同様の構成を採用できる。
上述のようにして本発明にかかる繊維シートを製造可能であるが、本発明の繊維シートの製造方法の各工程において、各布帛や積層体あるいは繊維シートを取り扱う際に単独での取り扱いが難しい場合、必要であれば、別途用意したメッシュなどの多孔体やフィルムといったサポート基材に積層させた状態で、あるいは、サポート基材で挟んだ状態で各工程へ供してもよい。
上述の繊維シートの製造方法では、更に、プレフィルターやバックアップフィルタの役割を担う層(例えば、布帛層や多孔フィルム層など)、および/または、別途補強層などの部材を繊維シートの少なくとも一方の主面側に設ける工程、用途や使用態様に合わせて形状を打ち抜いたりプリーツ形状や巻回形状を取り得るように加工する工程、などの、各種二次工程を備えた繊維シートの製造方法であってもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない
(比較例1)
ポリエステル短繊維(平均繊維径:10μm、繊維長:50mm)をカード機へ供し、繊維ウエブを形成した。そして、水流により絡合した後、110℃で乾燥することで、繊維シートA1(目付:18g/m、厚さ:60μm、空隙率:82%、ガーレ透気度:1s以下/100mL、最大孔径:850μm、平均流量孔径:46μm)を調製した。
(比較例2)
繊維シートA1を25℃のポリビニルアルコール樹脂水溶液(ポリビニルアルコール樹脂のケン化度:88%、ポリビニルアルコール樹脂濃度:1重量%、温度:25℃、溶媒:純水)中に含浸した。その後、繊維シートA1を、ポリビニルアルコール樹脂水溶液中から引き上げ、加熱温度を50℃に調整した乾燥機へ30分間供した後、更に、加熱温度を160℃に調整した乾燥機へ30分間供した。
本加熱処理によって、溶媒である水を除去すると共にポリビニルアルコール樹脂を不溶化させて、繊維シートA1を構成する少なくとも一部の表面が不溶化したポリビニルアルコール樹脂で被覆されてなる、繊維シートA2(厚さ:70μm、空隙率:80%、ガーレ透気度:1s以下/100mL、最大孔径:800μm、平均流量孔径:42μm、動的接触角:40°)を調製した。
なお、このようにして調製した繊維シートの重量に占める、不溶性親水性樹脂(不溶化したポリビニルアルコール樹脂)の重量百分率は3重量%であった。
(比較例3)
ポリアクリロニトリル(アルドリッチ社製)をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、濃度11重量%の紡糸液を調製した。
次いで、ノズルとドラムとを一対の電極とする静電紡糸装置を用いて、紡糸液を次の条件のもと静電紡糸した後、紡糸した繊維を直接ドラム上に集積して、連続繊維からなる繊維シートB1(平均繊維径:300nm、目付:3g/m、厚さ:20μm、空隙率:85%、ガーレ透気度:1s以下/100mL、最大孔径:1.9μm、平均流量孔径:1.5μm)を調製した。
ノズル内径:0.44mm
ノズル−ドラム間距離:10cm
ノズルからの吐出量:1cm/時間
印加電圧:15−25kV
紡糸環境温度:25℃
紡糸環境湿度:30%RH
(比較例4)
繊維シートB1を25℃のポリビニルアルコール樹脂水溶液(ポリビニルアルコール樹脂のケン化度:88%、ポリビニルアルコール樹脂濃度:1重量%、温度:25℃、溶媒:純水)中に含浸した。その後、繊維シートB1を、ポリビニルアルコール樹脂水溶液中から引き上げ、加熱温度を50℃に調整した乾燥機へ30分間供した後、更に、加熱温度を160℃に調整した乾燥機へ30分間供した。
本加熱処理によって、溶媒である水を除去すると共にポリビニルアルコール樹脂を不溶化させて、繊維シートB1を構成する繊維の少なくとも一部の表面が不溶化したポリビニルアルコール樹脂で被覆されてなる、繊維シートB2(平均繊維径:300nm、厚さ:20μm、空隙率:85%、ガーレ透気度:2.4s/100mL、最大孔径:1.8μm、平均流量孔径:0.97μm、動的接触角:10°未満(試料に純水が吸収され測定ができかった))を調製した。
なお、このようにして調製した繊維シートの重量に占める、不溶性親水性樹脂(不溶化したポリビニルアルコール樹脂)の重量百分率は12.6重量%であった。
(比較例5)
繊維シートB1を2枚ただ重ね合わせて、積層体を調製した。そして、積層体を25℃のポリビニルアルコール樹脂水溶液(ポリビニルアルコール樹脂のケン化度:88%、ポリビニルアルコール樹脂濃度:1重量%、温度:25℃、溶媒:純水)中に含浸した。その後、積層体を、ポリビニルアルコール樹脂水溶液中から引き上げ、加熱温度を50℃に調整した乾燥機へ30分間供した後、更に、加熱温度を160℃に調整した乾燥機へ30分間供した。
本加熱処理によって、溶媒である水を除去すると共にポリビニルアルコール樹脂を不溶化させて、積層体を構成する少なくとも一部の表面が不溶化したポリビニルアルコール樹脂で被覆されてなる、繊維シートB3(厚さ:36μm、空隙率:80%、ガーレ透気度:5.6s/100mL、動的接触角:10°未満(試料に純水が吸収され測定ができかった))を調製した。
なお、このようにして調製した繊維シートの重量に占める、不溶性親水性樹脂(不溶化したポリビニルアルコール樹脂)の重量百分率は11.2重量%であった。
また、繊維シートB3を構成する、不溶化したポリビニルアルコール樹脂が被覆している繊維シートB1由来の繊維層は各々、最大孔径:1.8μm、平均流量孔径:0.97μmであった。
(実施例1)
繊維シートA1の一方の主面上に繊維シートB1の一方の主面をただ重ね合わせて、積層体を調製した。そして、積層体を25℃のポリビニルアルコール樹脂水溶液(ポリビニルアルコール樹脂のケン化度:88%、ポリビニルアルコール樹脂濃度:1重量%、温度:25℃、溶媒:純水)中に含浸した。その後、積層体を、ポリビニルアルコール樹脂水溶液中から引き上げ、加熱温度を50℃に調整した乾燥機へ30分間供した後、更に、加熱温度を160℃に調整した乾燥機へ30分間供した。
本加熱処理によって、溶媒である水を除去すると共にポリビニルアルコール樹脂を不溶化させて、積層体を構成する繊維の少なくとも一部の表面が不溶化したポリビニルアルコール樹脂で被覆されてなる、繊維シートC1(厚さ:75μm、ガーレ透気度:2.2s/100mL、動的接触角:10°未満(試料に純水が吸収され測定ができかった))を調製した。
なお、このようにして調製した繊維シートの重量に占める、不溶性親水性樹脂(不溶化したポリビニルアルコール樹脂)の重量百分率は2.3重量%であった。
また、繊維シートC1を構成する、不溶化したポリビニルアルコール樹脂が被覆している繊維シートA1由来の繊維層は、最大孔径:800μm、平均流量孔径:42μmであり、不溶化したポリビニルアルコール樹脂が被覆している繊維シートB1由来の繊維層は、最大孔径:1.8μm、平均流量孔径:0.97μmであった。
以上のようにして調製した比較例および実施例の繊維シートを測定対象物として、以下に説明する各種評価方法へ供し、測定により得られた各種物性を評価し表1にまとめた。
(吸液高さおよび吸液速度の評価方法)
JIS L1907:2010「繊維製品の吸水性試験方法」に開示されている7.1.2バイレック法へ、測定対象物から調製した試料を供した。その結果、10分後に試料において水が上昇した高さを測り、測定対象物における吸液高さとした。なお、測定へ供した試料の形状は、縦方向(測定対象物の生産方向)200mm、横方向(測定対象物の生産方向と直交する方向)25mmの短冊状であった。
また、測定開始から1分経過後に水が上昇した高さを60で割ることで、測定対象物における1分経過後の吸液速度(単位:mm/秒)を算出した。
更に、測定開始から10分経過後に水が上昇した高さを600で割ることで、測定対象物における10分経過後の吸液速度(単位:mm/秒)を算出した。
なお、実施例の繊維シートを測定対象物とした際、不織布B1由来の繊維層側の主面を観察して、該主面における吸液高さの測定と吸液速度を算出した。
また、1分経過後の吸液速度の値が大きいほど、測定対象物は短時間でも通液量の多い特性を備えていることを意味する。そのため、該特性を備える測定対象物によって、通液性に優れることで検査やろ過が短時間で可能な液体フィルタを提供可能である。
(たんぱく質吸着量の評価方法)
1.BSA(ウシタンパクアルブミン)濃度が0,1,2,5,10,15,20,30,40,50μg/mlの検量線用試験液を準備した。
2.用意した各検量線用試験液を用いてmicroBCA assayを行い、BSA濃度の検量線を作成した。
3.測定対象物を直径6mmの円板状に打抜き、重量を測定した。
4.ウェルプレートの一つのウェルごとにBSA濃度が0(ブランクとして使用),1,2,5,10,15,20,30,40,50μg/mlのBSA試験液を各々200μl満たし、そこへ打ち抜いた測定対象物を浸漬させ、37℃で16時間静置した。
5.各ウェルからBSA試験液の上澄みを100μl回収した。そして、microBCA assayを行い作成したBSA濃度の検量線に基づいて、該上澄みの各BSA濃度を求めた。
6.該上澄みのBSA濃度の値を以下式へ代入することで、測定対象物の重量あたりに吸着されたBSA重量を算出した。
A=(B−C)×0.2/D
A:測定対象物の重量あたりに吸着されたBSA重量(μg/mg)
B:BSA試験液のBSA濃度(μg/ml)
C:BSA試験液の上澄みのBSA濃度(μg/ml)
D:打ち抜いた測定対象物の重量(mg)
7.各上澄みのBSA試験液を用いた結果から算出された値の平均値を、たんぱく質吸着量(μg/mg)とした。
(重量変化百分率の評価方法)
1.測定対象物から調製した、縦方向(測定対象物の生産方向)200mm、横方向(測定対象者の生産方向と直交する方向)200mmの試料を用意した。
2.試料重量の、100倍の重量の純水(蒸留、イオン交換を経た二次蒸留水に相当、温度:25℃)を用意し、試料を純水中に2時間浸漬した。
3.純水中から試料を引き上げた後、試料から純水を除去した。
4.純水に浸漬する前の試料の重量(a2、単位:g)、および、項目3.で得た試料の重量(b2、単位:g)を以下の式に代入することで、重量変化百分率(c2、単位:重量%)を算出した。
c2=100×(a2−b2)/a2
Figure 2019210579
比較例1および比較例3の繊維シートの重量変化百分率の、測定結果は0重量%であった。このことから、繊維シートA1および繊維シートB1の構成成分(構成繊維)は、純水に不溶であることが判明した。そのため、親水性樹脂により被覆された繊維シートA1と繊維シートB1を備える実施例の繊維シートを「重量変化百分率の評価方法」へ供することで、該親水性樹脂が純水に可溶であるか否か判別可能であることが判明した。
そして、実施例1の繊維シートを「重量変化百分率の評価方法」へ供し得られた重量変化百分率の測定結果は0重量%であったことからも、換言すれば、上述した「不溶性試験」の測定条件よりも多量の純水に対してさえ溶解しない親水性樹脂であったことからも、実施例1が備えている親水性樹脂は不溶化された親水性樹脂であることが判明した。
また、比較例1−5と実施例1を比較した結果、実施例1の繊維シートは、比較例1−5の繊維シートよりも吸液高さと吸液速度に優れるものであった。
以上から、本発明により親水性樹脂(不溶性親水性樹脂)の溶出が防止された繊維シートを提供できることが判明した。
また、不溶性親水性樹脂により被覆された第一繊維層(繊維シートB1由来の繊維層)と第二繊維層(繊維シートA1由来の繊維層)を備える繊維シートにおいて、第二繊維層の最大孔径が第一繊維層の最大孔径よりも大きいことにより、親水性や吸液性などの機能性が向上した繊維シートを提供できることが判明した。
更に、本願発明によって、たんぱく質の吸着を抑制でき、たんぱく質吸着量が低い繊維シートを提供できることが判明した。
また、親水性樹脂(不溶性親水性樹脂)による被膜がなされる前後においても、積層されている各繊維層間における最大孔径と平均流量孔径の関係性は保たれるものであると判明した。つまり、繊維シートB1とそれよりも最大孔径および平均流量孔径が大きい繊維シートA1の積層体を、親水性樹脂(不溶性親水性樹脂)で被覆してなる繊維シートにおいても、親水性樹脂(不溶性親水性樹脂)により被覆された繊維シートB1由来の繊維層よりも、水性樹脂(不溶性親水性樹脂)により被覆された繊維シートA1由来の繊維層の方が、最大孔径および平均流量孔径が大きいものとなることが判明した。
(比較例6)
ポリビニルアルコール樹脂水溶液の濃度を0.1重量%とした以外は、比較例5と同じ操作を行い、繊維シートB4(厚さ:35μm、空隙率:80%、ガーレ透気度:5.1s/100mL、動的接触角:10°未満(試料に純水が吸収され測定ができかった))を調製した。
なお、このようにして調製した繊維シートの重量に占める、不溶性親水性樹脂(不溶化したポリビニルアルコール樹脂)の重量百分率は2重量%であった。
(実施例2)
ポリビニルアルコール樹脂水溶液の濃度を0.1重量%とした以外は、実施例1と同じ操作を行い、繊維シートC2(厚さ:80μm、ガーレ透気度:1.8s/100mL、動的接触角:10°未満(試料に純水が吸収され測定ができかった))を調製した。
なお、このようにして調製した繊維シートの重量に占める、不溶性親水性樹脂(不溶化したポリビニルアルコール樹脂)の重量百分率は0.6重量%であった。
(実施例3)
ポリビニルアルコール樹脂水溶液の濃度を10重量%とした以外は、実施例1と同じ操作を行い、繊維シートC3(厚さ:80μm、ガーレ透気度:6.4s/100mL、動的接触角:10°未満(試料に純水が吸収され測定ができかった))を調製した。
なお、このようにして調製した繊維シートの重量に占める、不溶性親水性樹脂(不溶化したポリビニルアルコール樹脂)の重量百分率は11.7重量%であった。
(実施例4)
実施例1で調製した積層体の全体に25℃のポリビニルアルコール樹脂水溶液(ポリビニルアルコール樹脂のケン化度:88%、ポリビニルアルコール樹脂濃度:1重量%、温度:25℃、溶媒:純水)をスプレーすることで付与した。その後、加熱温度を160℃に調整した乾燥機へ30分間供した。
本加熱処理によって、溶媒である水を除去すると共にポリビニルアルコール樹脂を不溶化させて、積層体を構成する繊維の少なくとも一部の表面が不溶化したポリビニルアルコール樹脂で被覆されてなる、繊維シートC4(厚さ:80μm、ガーレ透気度:2.3s/100mL、動的接触角:10°未満(試料に純水が吸収され測定ができかった))を調製した。
なお、このようにして調製した繊維シートの重量に占める、不溶性親水性樹脂(不溶化したポリビニルアルコール樹脂)の重量百分率は2.9重量%であった。
(実施例5)
実施例1で調製した積層体を25℃の親水性樹脂混合水溶液(組成は以下の通り)中に含浸した以外は実施例1と同じ操作を行い、繊維シートC5(厚さ:80μm、ガーレ透気度:2.6s/100mL、動的接触角:10°未満(試料に純水が吸収され測定ができかった))を調製した。
(親水性樹脂混合水溶液の組成)
・ポリビニルアルコール樹脂水溶液(ポリビニルアルコール樹脂のケン化度:96%以上、ポリビニルアルコール樹脂濃度:1重量%、温度:25℃、溶媒:純水)。
・メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー水溶液(架橋剤として使用、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー濃度:1重量%、温度:25℃、溶媒:純水)。
75重量部のポリビニルアルコール樹脂水溶液と、25重量部のメチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー水溶液を混合することで、親水性樹脂混合水溶液を調製した。
なお、このようにして調製した繊維シートの重量に占める、不溶性親水性樹脂(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーによって架橋されたことで、不溶化したポリビニルアルコール樹脂)の重量百分率は3.3重量%であった。
以上のようにして調製した比較例および実施例の繊維シートを測定対象物として、上述した各種評価方法へ供し、測定により得られた各種物性を評価し表2にまとめた。
Figure 2019210579
実施例2−5が備えている親水性樹脂は不溶化された親水性樹脂であることが判明した。
また、比較例6と実施例2−5を比較した結果(特に、構成が基材のみ異なる比較例6と実施例2を比較した結果)から、実施例2−5の繊維シートは、比較例6の繊維シートよりも吸液高さと吸液速度に優れるものであった。
以上から、本発明によって親水性や吸液性などの機能性が向上していると共に、親水性樹脂の溶出が防止された繊維シートを提供できることが判明した。
更に、本願発明によって、たんぱく質の吸着を抑制でき、たんぱく質吸着量が低い繊維シートを提供できることが判明した。
本発明の繊維シートは、例えば、水処理膜などの液体分離膜や気体分離膜、燃料電池の高分子電解質膜、医療用材料、イオン交換膜、透析膜などといった様々な産業用途に使用可能な膜の支持体として、あるいは、キャパシタや一次/二次電池などの電気化学素子用セパレータ、液体フィルタ(例えば、血球分離用フィルタなど)、血液と血漿などの分離によるガン検査キットや血液検査キットなどといった様々な産業用途に使用できる。

Claims (1)

  1. 不溶性親水性樹脂により被覆された第一繊維層と第二繊維層を備える、繊維シートであって、
    前記第二繊維層の最大孔径は、前記第一繊維層の最大孔径よりも大きく、
    前記不溶性親水性樹脂は、下記の測定で評価した項目6.を満足する、繊維シート。

    1.繊維シートが備える親水性樹脂を用意した、
    2.該親水性樹脂の重量の、100倍の重量の純水(蒸留、イオン交換を経た二次蒸留水に相当、温度:25℃)を用意した、
    3.純水中に該親水性樹脂を2時間浸漬した、
    4.純水中から該親水性樹脂を引き上げた後、該親水性樹脂から純水を除去した、
    5.純水に浸漬する前の該親水性樹脂の重量(a、単位:g)、および、項目4.で得た該親水性樹脂の重量(b、単位:g)を以下の式に代入することで、重量変化百分率(c、単位:重量%)を算出した、
    c=100×(a−b)/a
    6.前記重量変化百分率が5重量%未満であった場合、繊維シートが備える親水性樹脂は不溶性親水性樹脂であると判断した、なお、項目4.において親水性樹脂が純水へ完全に溶解した場合、あるいは、前記重量変化百分率が5重量%以上である場合、該親水性樹脂は不溶性ではないと判断した、
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