JP2019202968A - マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の産生抑制作用を有する新たな組成物を提供することを課題とする。【解決手段】ゲラニオールを有効成分として含有するMMP産生抑制用組成物。【選択図】図1
Description
本発明は、生体のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制用組成物に関する。
マトリックスメタロプロテアーゼ(Matrix metalloproteinase、以下「MMP」と略記する。)は、活性中心に金属イオンが配座しているタンパク質分解酵素であるメタロプロテアーゼの一群であり、MMPの活性中心には亜鉛イオン(Zn2+)やカルシウムイオン(Ca2+)が含まれる。コラーゲンやプロテオグリカン、エラスチンなどから成る細胞外マトリックスの分解をはじめとし、細胞表面に発現するタンパク質の分解、生理活性物質のプロセシングなどその作用は多岐にわたる。MMPファミリーに属する酵素は分泌型と膜結合型の二種類に分類される。
MMPは、単に細胞外マトリックスを分解するにとどまらず、サイトカインなどの生理活性ペプチドの活性化など様々な生理現象に関与している。MMPの基質には様々なものがあり、MMPは骨リモデリングや創傷治癒など生理現象のみならず、炎症や癌の進行などの病的過程にも関与している。MMPは、MMP1〜MMP28の多数のファミリーが存在することが知られている。また、内因性のMMP阻害因子としてTIMP(Tissue Inhibitor of Metalloproteinase)が知られている。TIMPはMMPと複合体を形成することによりMMPの活性を抑える働きをもっており、過剰なMMPの作用発現による組織破壊を防いでいることが知られている。
TIMPファミリーにはTIMP1−4の4種類の分子が属している。一方、TIMPが過剰に作用することによりMMPによる組織コラーゲンの分解が抑制されて沈着し、繊維化が生じる原因となる。このようにMMPとTIMPのバランスの維持が重要である。また、TIMPはMMPだけでなくADAMsファミリーも阻害する。
そして、TIMP以外にもMMPの活性阻害や産生を抑制する様々な天然物や組成物が知られている。
そして、TIMP以外にもMMPの活性阻害や産生を抑制する様々な天然物や組成物が知られている。
特許文献1には、ETS転写因子MEFが強いMMP−9産生抑制作用を有することが記載されている。
特許文献2には、茶抽出物由来成分をMMP−1産生抑制剤として含有する美白剤、老化防止剤及びこれを含有する皮膚外用剤が記載されている。
特許文献3には、ザクロ果実の果汁及び/又は抽出物を有効成分として含有するMMP−2や炎症性サイトカインの産生抑制剤とする発明が記載されている。
特許文献4には、アムラ(Emblic officinalis Gaertn.)の果実を溶媒で抽出して得られた分離成分を含むMMP阻害剤、および、当該MMP阻害剤を含む口腔用組成物、食品および化粧品が記載されている。
特許文献5には、生薬エキス、天然物由来のフラボン類やアントシアニジン類を有効成分とするMMP−3阻害剤が記載されている。
特許文献2には、茶抽出物由来成分をMMP−1産生抑制剤として含有する美白剤、老化防止剤及びこれを含有する皮膚外用剤が記載されている。
特許文献3には、ザクロ果実の果汁及び/又は抽出物を有効成分として含有するMMP−2や炎症性サイトカインの産生抑制剤とする発明が記載されている。
特許文献4には、アムラ(Emblic officinalis Gaertn.)の果実を溶媒で抽出して得られた分離成分を含むMMP阻害剤、および、当該MMP阻害剤を含む口腔用組成物、食品および化粧品が記載されている。
特許文献5には、生薬エキス、天然物由来のフラボン類やアントシアニジン類を有効成分とするMMP−3阻害剤が記載されている。
また、MMPと疾患の関係については、歯肉炎や歯周病患者の歯肉溝滲出液や唾液中でMMP−9の上昇が確認され、特に歯肉ケラチノサイト、腺組織、腺房上皮細胞でMMP−9が発現しており、歯周炎患者は、健常者よりも有意に高いレベルのMMP−9を有しており、歯周治療によって減少する。以上のことから、MMP−9が歯周炎における組織破壊に関与していると結論付けできることが非特許文献1に記載されている。
さらに、非特許文献2には、若年性耳下腺炎において、MMP−9が炎症組織の破壊的役割を果たす可能性があることも記載されている。
このようにMMPの抑制と疾患治療の関係についても次第に明らかになってきている。
本出願人もMMP産生抑制物質の探索を行い、トレハロースの3,3’位のアンジェリカ酸ジエステル体であるトレハンジェリンに、皮膚老化抑制作用、美白作用を見出し、さらにMMP−2及びMMP−9の産生抑制作用を見出している(特許文献6)。
さらに、非特許文献2には、若年性耳下腺炎において、MMP−9が炎症組織の破壊的役割を果たす可能性があることも記載されている。
このようにMMPの抑制と疾患治療の関係についても次第に明らかになってきている。
本出願人もMMP産生抑制物質の探索を行い、トレハロースの3,3’位のアンジェリカ酸ジエステル体であるトレハンジェリンに、皮膚老化抑制作用、美白作用を見出し、さらにMMP−2及びMMP−9の産生抑制作用を見出している(特許文献6)。
一方、香料には精神を鎮静化する作用を有する物質が存在することも知られている。特許文献7には、香料の成分である酪酸テルピニル、γ−ノナラクトン、アセチルイソオイゲノール、アニス酸メチル、テルピネオール、ネロール、クリサンテノン、リラール、リリアール、β−フェニルエチルアルコール、γ−メチルイオノン、イソ・イー・スーパー、Z−3−ヘキセニルサリシレート、p−メチルフェニルアセトアルデヒド、リモネン、オシメン、ヘリオナール、リナリルアセテート、ゲラニルアセート、ゲラニオール、ヘディオン、リナロール、シトロネロール、および、γ−ヘキサラクトンに精神鎮静効果が認められることが記載されている。なかでもゲラニオールには脳血流を低下させ、睡眠を誘導させる作用があることを本発明者らが見出している。
M.Makela,et al:J.Dent Res.,73,pp.1397−1406(1994)
Saarinen R,et al;International journal of pediatric otorhinolaryngology,80,pp.74−77,(2016)
本発明は、あらたなマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の産生抑制作用を有する組成物を提供することを課題とする。
(1)ゲラニオールを有効成分として含有するMMP産生抑制用組成物。
(2)MMPがMMP−9である(1)に記載の組成物。
(3)ゲラニオールの吸引用である(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)MMPが口腔内に分泌される分泌型のMMP−9である(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(2)MMPがMMP−9である(1)に記載の組成物。
(3)ゲラニオールの吸引用である(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)MMPが口腔内に分泌される分泌型のMMP−9である(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
本発明により、あらたなMMP産生抑制作用を有する組成物が提供される。本発明の組成物の有効成分であるゲラニオールを吸引することで、口腔内に唾液と共に分泌されるMMP量が有意に抑制される。このため、例えば歯周炎における組織破壊にMMPが関与していると診断された歯周病患者の治療効果を向上させることができる。マッサージ用化粧料としても口腔内に唾液と共に分泌されるMMP量が有意に抑制されるので好適である。
本発明は、ゲラニオールを有効成分として含有するMMP産生抑制用組成物に関する。
ゲラニオール (geraniol)は、ゼラニウムから発見された直鎖モノテルペノイドの一種で下記の化学式1の構造を有する。
ゲラニオール (geraniol)は、ゼラニウムから発見された直鎖モノテルペノイドの一種で下記の化学式1の構造を有する。
ゲラニオールのIUPAC名称は、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オールである。ゲラニオールは主にローズオイル、パルマローザ油、シトロネラ油の精油の香気成分として公知である。ゲラニオールは、上記のゼラニウムや、レモンなどの精油にも含まれている。無色または薄い黄色の液体で、水には溶けないが多くの有機溶媒には溶ける。バラに似た芳香を持ち、広く香水に使われている。また、モモ、ラズベリー、グレープフルーツ、リンゴ、プラム、ライム、オレンジ、レモン、スイカ、パイナップル、ブルーベリーのような芳香としても用いられる。しかしこれまで、MMPの産生に関与していることは知られていない。
本発明に用いるゲラニオールは、化学的に合成されたものでも、バラやゼラニウムなどの精油から精製されたものでもよい。また、未精製の精油も使用可能であるが、ゲラニオールを50質量%以上含有するものが好ましい。市販品を用いることも可能である。
本発明の組成物には、ゲラニオールを0.0001質量%以上含有する。好ましくは0.001〜70質量%含有すると好ましい。さらに好ましくは0.05〜70質量%、特に好ましくは、0.1〜70質量%含有すると好ましい。ゲラニオールは、水不溶であるがエタノール等のアルコールには容易に溶解するのでアルコール溶液とした後組成物に配合することが好適である。
本発明の組成物には、ゲラニオールを0.0001質量%以上含有する。好ましくは0.001〜70質量%含有すると好ましい。さらに好ましくは0.05〜70質量%、特に好ましくは、0.1〜70質量%含有すると好ましい。ゲラニオールは、水不溶であるがエタノール等のアルコールには容易に溶解するのでアルコール溶液とした後組成物に配合することが好適である。
本発明のゲラニオールを含むMMP産生抑制用組成物は、ゲラニオールをエタノールに溶解させた溶液を密閉可能な蓋付き瓶に入れたコットン、シート又はスポンジに浸み込ませた吸引用剤としての使用が確実にゲラニオールを吸引できるので好ましいが、食品、医薬品、化粧料としても使用可能である。
なお飲食品や健康食品、サプリメント、医薬品とする場合には目的に応じて種々の添加物を併用することができる。製剤化に当たっては、賦形剤やその他の有効成分を本発明の組成物の目的を阻害しない範囲で使用することができる。具体的には、シクロデキストリン、へミセルロース、リグニン、グアーガム、コンニャクマンナン、イサゴール、アルギン酸、寒天、カラギーナン、キチン、カルボキシメチルセルロース、ポリデキストロースなどの食物繊維や増粘剤、食用油、カルシウム、鉄、ナトリウム、亜鉛、銅、カリウム、リン、マグネシウム、ヨウ素、マンガン、セレンなどのミネラル;ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、葉酸、パントテン酸などの脂溶性又は水溶性のビタミン群、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、リン脂質、アラビアガム、キサンタンガム、トラガカントガム、ローカストビーンガムなどの乳化剤や分散剤、増量剤、賦形剤、保存料・酸化防止剤、風味調整剤や香料、塩化ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、グリシン、コハク酸、乳酸ナトリウムなどの呈味料、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、アジピン酸、フマル酸、リンゴ酸などの酸味料、マルチトール、アスパルテームなどの低カロリー甘味料、着色剤などである。
また化粧品とする場合には、化粧料に常用される各種原料を、本発明の効果を損なわない範囲で任意に配合することができる。例えば油分、アルコール、増粘剤、天然高分子、合成高分子、糖類、各種抽出液、乳化剤、界面活性剤、保湿剤、酸化防止剤、緩衝剤、防腐剤、色素、香料、pH調整剤等を適宜配合することができる。
本発明の組成物を医薬品とする場合は、洗口剤、歯槽膿漏治療剤などの歯科口腔用剤とすることが好ましい。また歯磨き剤、洗口剤、入れ歯洗浄剤、歯ブラシなどの口腔内衛生に使用する器具や製剤に使用することが好ましい。
本発明の組成物は、試験例に示すとおり、ゲラニオールを吸引してMMP産生抑制効果を発揮する。したがって食品とする場合は、ガム、飴、タブレット、飲料、お菓子などが好ましい。中でもチューインガムやキャンディー、チュアブル錠などの口腔内で長時間賞味する形態が好ましい。また化粧料とする場合は、香水やオーデコロン、オードトワレなど香りを発散させる剤形、スキンケア、口紅等のメイク品、ボディ用製品、ヘアケア製品あるいは皮膚マッサージ用化粧料に配合して、マッサージと併用することが香りがより吸引されるので好適である。
マッサージ用化粧料は、上記のとおりゲラニオールを配合することが可能な組成であれば、配合成分には特に大きな制限はない。また形態も、液状、クリーム状、ゼリー状など様々な形態であっても問題はない。また水中油型或いは油中水型のいずれの乳化組成物であっても良い。
ゲラニオールを含むMMP産生抑制用組成物の、化粧料、食品の代表的な適用例と、ゲラニオールの配合量を賦香率として表1に示す。
なお飲食品や健康食品、サプリメント、医薬品とする場合には目的に応じて種々の添加物を併用することができる。製剤化に当たっては、賦形剤やその他の有効成分を本発明の組成物の目的を阻害しない範囲で使用することができる。具体的には、シクロデキストリン、へミセルロース、リグニン、グアーガム、コンニャクマンナン、イサゴール、アルギン酸、寒天、カラギーナン、キチン、カルボキシメチルセルロース、ポリデキストロースなどの食物繊維や増粘剤、食用油、カルシウム、鉄、ナトリウム、亜鉛、銅、カリウム、リン、マグネシウム、ヨウ素、マンガン、セレンなどのミネラル;ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、葉酸、パントテン酸などの脂溶性又は水溶性のビタミン群、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、リン脂質、アラビアガム、キサンタンガム、トラガカントガム、ローカストビーンガムなどの乳化剤や分散剤、増量剤、賦形剤、保存料・酸化防止剤、風味調整剤や香料、塩化ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、グリシン、コハク酸、乳酸ナトリウムなどの呈味料、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、アジピン酸、フマル酸、リンゴ酸などの酸味料、マルチトール、アスパルテームなどの低カロリー甘味料、着色剤などである。
また化粧品とする場合には、化粧料に常用される各種原料を、本発明の効果を損なわない範囲で任意に配合することができる。例えば油分、アルコール、増粘剤、天然高分子、合成高分子、糖類、各種抽出液、乳化剤、界面活性剤、保湿剤、酸化防止剤、緩衝剤、防腐剤、色素、香料、pH調整剤等を適宜配合することができる。
本発明の組成物を医薬品とする場合は、洗口剤、歯槽膿漏治療剤などの歯科口腔用剤とすることが好ましい。また歯磨き剤、洗口剤、入れ歯洗浄剤、歯ブラシなどの口腔内衛生に使用する器具や製剤に使用することが好ましい。
本発明の組成物は、試験例に示すとおり、ゲラニオールを吸引してMMP産生抑制効果を発揮する。したがって食品とする場合は、ガム、飴、タブレット、飲料、お菓子などが好ましい。中でもチューインガムやキャンディー、チュアブル錠などの口腔内で長時間賞味する形態が好ましい。また化粧料とする場合は、香水やオーデコロン、オードトワレなど香りを発散させる剤形、スキンケア、口紅等のメイク品、ボディ用製品、ヘアケア製品あるいは皮膚マッサージ用化粧料に配合して、マッサージと併用することが香りがより吸引されるので好適である。
マッサージ用化粧料は、上記のとおりゲラニオールを配合することが可能な組成であれば、配合成分には特に大きな制限はない。また形態も、液状、クリーム状、ゼリー状など様々な形態であっても問題はない。また水中油型或いは油中水型のいずれの乳化組成物であっても良い。
ゲラニオールを含むMMP産生抑制用組成物の、化粧料、食品の代表的な適用例と、ゲラニオールの配合量を賦香率として表1に示す。
以下に試験例、実施例を示し、本発明をさらに説明する。
<試験例:MMP産生抑制試験>
ゲラニオールによる唾液中のMMP産生量の抑制作用を確認した。
1.試験方法
(1)被験者
健康な成人女性10名を被験対象とした。
<試験例:MMP産生抑制試験>
ゲラニオールによる唾液中のMMP産生量の抑制作用を確認した。
1.試験方法
(1)被験者
健康な成人女性10名を被験対象とした。
(2)唾液採取
唾液の採取は、流涎法によった。被験者は、口を漱いだ後、10分間安静にした。その後唾液を1分間採取した。なお採取した唾液は、MMP測定まで−20℃で凍結させて保存した。この採取方法は以下の試験操作で共通である。
唾液の採取は、流涎法によった。被験者は、口を漱いだ後、10分間安静にした。その後唾液を1分間採取した。なお採取した唾液は、MMP測定まで−20℃で凍結させて保存した。この採取方法は以下の試験操作で共通である。
(3)ゲラニオールの被験者への負荷
ゲラニオール:エタノール=2:1の比率で溶解・希釈した液を、密封可能な蓋付瓶に入れたコットンに2mlにしみこませた。この瓶を、被験者が蓋を開封し、鼻腔を開口部に3センチの距離を離してゲラニオールを3分間吸引した。
ゲラニオール:エタノール=2:1の比率で溶解・希釈した液を、密封可能な蓋付瓶に入れたコットンに2mlにしみこませた。この瓶を、被験者が蓋を開封し、鼻腔を開口部に3センチの距離を離してゲラニオールを3分間吸引した。
(4)ゲラニオール負荷後の唾液の採取
吸引終了後1分間唾液を採取した。
吸引終了後1分間唾液を採取した。
(5)安静
唾液採取後6分間安静にし、その後再度1分間唾液を採取した。
唾液採取後6分間安静にし、その後再度1分間唾液を採取した。
(6)MMPの測定
MMP−9をELISA法により測定した。
凍結保存した唾液サンプルは、室温で解凍後、10000×g、5分で遠心を行った。MMP−9のELISAは、市販のキット(R&D Systems, Human MMP−9 Quantikine ELISA)を用いて、付属のバッファー(RD5−10)で、200倍に希釈し、Duplicateにて測定した。
測定方法は、キットのプロトコールに準じた。
発色後、プレートリーダー(Spectra max190, Molecular devices)を用いて450nm/540nmの波長で測定を行った。試験試料のMMP−9の濃度は、あらかじめ作成した標準曲線により4−parameter解析によって求めた。
得られた各測定値は、最初の安静時に採取した唾液の測定結果を0とし、変化量として表した。
MMP−9をELISA法により測定した。
凍結保存した唾液サンプルは、室温で解凍後、10000×g、5分で遠心を行った。MMP−9のELISAは、市販のキット(R&D Systems, Human MMP−9 Quantikine ELISA)を用いて、付属のバッファー(RD5−10)で、200倍に希釈し、Duplicateにて測定した。
測定方法は、キットのプロトコールに準じた。
発色後、プレートリーダー(Spectra max190, Molecular devices)を用いて450nm/540nmの波長で測定を行った。試験試料のMMP−9の濃度は、あらかじめ作成した標準曲線により4−parameter解析によって求めた。
得られた各測定値は、最初の安静時に採取した唾液の測定結果を0とし、変化量として表した。
2.結果
測定結果を図1に示す。
ゲラニオール吸引(負荷)によって唾液中に産生されるMMP−9は減少し、ゲラニオール吸引を終了後6分後もその効果は持続した。
前記試験例は吸引用剤として適用可能であった。実施例1として吸引用剤の組成と効果を下記に示す。
実施例1
吸引用剤 (質量%)
1.ゲラニオール 66.6
2.エタノール 残余
ゲラニオールをエタノールで溶解した液を、密閉可能な蓋付き瓶に入れたコットンに浸み込ませ吸引用剤を得た。
該吸引用剤を3分間吸引すると、唾液中に産生されるMMP−9は減少し、ゲラニオール吸引を終了後6分後もその効果は持続した。
次に、実施例2としてマッサージ化粧料を調製し同様に試験した。
測定結果を図1に示す。
ゲラニオール吸引(負荷)によって唾液中に産生されるMMP−9は減少し、ゲラニオール吸引を終了後6分後もその効果は持続した。
前記試験例は吸引用剤として適用可能であった。実施例1として吸引用剤の組成と効果を下記に示す。
実施例1
吸引用剤 (質量%)
1.ゲラニオール 66.6
2.エタノール 残余
ゲラニオールをエタノールで溶解した液を、密閉可能な蓋付き瓶に入れたコットンに浸み込ませ吸引用剤を得た。
該吸引用剤を3分間吸引すると、唾液中に産生されるMMP−9は減少し、ゲラニオール吸引を終了後6分後もその効果は持続した。
次に、実施例2としてマッサージ化粧料を調製し同様に試験した。
実施例2
マッサージ用化粧料 (質量%)
1.グリセリン 5
2.エタノール 3
3.(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー
0.3
4.PEG−80水添ヒマシ油 0.3
5.水酸化カリウム 0.11
6.ゲラニオール 0.1
7.水 残余
水、グリセリン、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー、PEG−80水添ヒマシ油 を加熱溶解させる。冷却後、水酸化カリウムで中和し、あらかじめゲラニオールとエタノールを分散していたものをさらに投入し、混合してマッサージ用化粧料を得た。
得られたマッサージ用化粧料を適量手にとり、健康な成人女性10名が3分間マッサージしながら顔面に塗布し、香りを吸引した。
試験方法は、前述の試験例と同様の方法で唾液中のMMP−9量を測定した。
測定結果を図2に示す。
ゲラニオール吸引(負荷)によって唾液中に産生されるMMP−9は減少し、ゲラニオール吸引を終了後6分後もその効果は持続した。
マッサージ用化粧料とした場合もゲラニオールが吸引されて、唾液中のMMP−9量が低下することが確認できた。
マッサージ用化粧料 (質量%)
1.グリセリン 5
2.エタノール 3
3.(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー
0.3
4.PEG−80水添ヒマシ油 0.3
5.水酸化カリウム 0.11
6.ゲラニオール 0.1
7.水 残余
水、グリセリン、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー、PEG−80水添ヒマシ油 を加熱溶解させる。冷却後、水酸化カリウムで中和し、あらかじめゲラニオールとエタノールを分散していたものをさらに投入し、混合してマッサージ用化粧料を得た。
得られたマッサージ用化粧料を適量手にとり、健康な成人女性10名が3分間マッサージしながら顔面に塗布し、香りを吸引した。
試験方法は、前述の試験例と同様の方法で唾液中のMMP−9量を測定した。
測定結果を図2に示す。
ゲラニオール吸引(負荷)によって唾液中に産生されるMMP−9は減少し、ゲラニオール吸引を終了後6分後もその効果は持続した。
マッサージ用化粧料とした場合もゲラニオールが吸引されて、唾液中のMMP−9量が低下することが確認できた。
以下にMMP産生抑制用組成物の適用例を示す。
<処方例1>
洗口剤 (質量%)
1.濃グリセリン 15
2.エタノール 40
3.ポリグリセリン脂肪酸エステル 2
4.マスティック 0.05
5.ゲラニオール 0.3
6.ソルビトール 10
7.クエン酸 0.01
8.クエン酸ナトリウム 0.05
9.精製水 残余
上記処方にて常法により洗口剤を製造した。
ゲラニオールを含有した洗口剤で口を漱ぐことによりゲラニオールが吸引できた。唾液中のMMP−9量が低下することが期待できるものであった。
<処方例1>
洗口剤 (質量%)
1.濃グリセリン 15
2.エタノール 40
3.ポリグリセリン脂肪酸エステル 2
4.マスティック 0.05
5.ゲラニオール 0.3
6.ソルビトール 10
7.クエン酸 0.01
8.クエン酸ナトリウム 0.05
9.精製水 残余
上記処方にて常法により洗口剤を製造した。
ゲラニオールを含有した洗口剤で口を漱ぐことによりゲラニオールが吸引できた。唾液中のMMP−9量が低下することが期待できるものであった。
<処方例2>
練歯磨き (質量%)
1.リン酸カルシウム 40
2.濃グリセリン 35
3.カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.5
4.ラウリル硫酸ナトリウム 15
5.マスティック 0.25
6.ゲラニオール 0.5
7.精製水 残余
上記処方にて常法により練歯磨剤を製造した。
ゲラニオールを含有した練歯磨きで歯を磨くことでゲラニオールが吸引できた。唾液中のMMP−9量が低下することが期待できるものであった。
練歯磨き (質量%)
1.リン酸カルシウム 40
2.濃グリセリン 35
3.カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.5
4.ラウリル硫酸ナトリウム 15
5.マスティック 0.25
6.ゲラニオール 0.5
7.精製水 残余
上記処方にて常法により練歯磨剤を製造した。
ゲラニオールを含有した練歯磨きで歯を磨くことでゲラニオールが吸引できた。唾液中のMMP−9量が低下することが期待できるものであった。
<処方例3>
錠菓 (質量%)
1.ダイフラクトースアンハイドライド 20
2.キシリトール 5
3.パラチノース 5
4.エリスリトール 5
5.乳糖 60
6.ゲラニオール 0.01
7.グリセリン脂肪酸エステル 0.2
8.精製水 残余
上記処方にて常法に準じて錠菓を製造した。
ゲラニオールを含有した錠菓を舐めて口内にしばらく留めることでゲラニオールが吸引できた。唾液中のMMP−9量が低下することが期待できるものであった。
錠菓 (質量%)
1.ダイフラクトースアンハイドライド 20
2.キシリトール 5
3.パラチノース 5
4.エリスリトール 5
5.乳糖 60
6.ゲラニオール 0.01
7.グリセリン脂肪酸エステル 0.2
8.精製水 残余
上記処方にて常法に準じて錠菓を製造した。
ゲラニオールを含有した錠菓を舐めて口内にしばらく留めることでゲラニオールが吸引できた。唾液中のMMP−9量が低下することが期待できるものであった。
<処方例4>
ルームフレグランス (質量%)
1.エタノール 60
2.ゲラニオール 30
3.PEG−60水添ヒマシ油 2
4.精製水 残余
上記処方にて常法に準じてルームフレグランスを製造した。
ゲラニオールを含有したル−ムフレグランスを散布した部屋に居ることでゲラニオールが吸引できた。唾液中のMMP−9量が低下することが期待できるものであった。
ルームフレグランス (質量%)
1.エタノール 60
2.ゲラニオール 30
3.PEG−60水添ヒマシ油 2
4.精製水 残余
上記処方にて常法に準じてルームフレグランスを製造した。
ゲラニオールを含有したル−ムフレグランスを散布した部屋に居ることでゲラニオールが吸引できた。唾液中のMMP−9量が低下することが期待できるものであった。
<処方例5>
オードトワレ (質量%)
1.ゲラニオール 10
2.エタノール 85
3.精製水 残余
上記処方にて常法に準じてオードトワレを製造した。
ゲラニオールを含有したオードトワレを衣服(襟元など)や皮膚に散布することでゲラニオールが吸引できた。唾液中のMMP−9量が低下することが期待できるものであった。
オードトワレ (質量%)
1.ゲラニオール 10
2.エタノール 85
3.精製水 残余
上記処方にて常法に準じてオードトワレを製造した。
ゲラニオールを含有したオードトワレを衣服(襟元など)や皮膚に散布することでゲラニオールが吸引できた。唾液中のMMP−9量が低下することが期待できるものであった。
<製造例6>
チューインガム (質量%)
1.ガムベース 20
2.キシリトール 39.95
3.パラチノース 20
4.エリスリトール 9
5.ダイフラクトースアンハイドライド 10
6.軟化剤 1
7.ゲラニオール 0.05
上記処方にて常法に準じてチューインガムを製造した。
ゲラニオールを含有したチューインガムをかんで口内に留めることでゲラニオールが吸引できた。唾液中のMMP−9量が低下することが期待できるものであった。
チューインガム (質量%)
1.ガムベース 20
2.キシリトール 39.95
3.パラチノース 20
4.エリスリトール 9
5.ダイフラクトースアンハイドライド 10
6.軟化剤 1
7.ゲラニオール 0.05
上記処方にて常法に準じてチューインガムを製造した。
ゲラニオールを含有したチューインガムをかんで口内に留めることでゲラニオールが吸引できた。唾液中のMMP−9量が低下することが期待できるものであった。
Claims (4)
- ゲラニオールを有効成分として含有するMMP産生抑制用組成物。
- MMPがMMP−9である請求項1に記載の組成物。
- ゲラニオールの吸引用である請求項1又は2に記載の組成物。
- MMPが口腔内に分泌される分泌型のMMP−9である請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018100058A JP2019202968A (ja) | 2018-05-24 | 2018-05-24 | マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018100058A JP2019202968A (ja) | 2018-05-24 | 2018-05-24 | マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019202968A true JP2019202968A (ja) | 2019-11-28 |
Family
ID=68726162
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2018100058A Pending JP2019202968A (ja) | 2018-05-24 | 2018-05-24 | マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019202968A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024035748A1 (en) * | 2022-08-08 | 2024-02-15 | L'oreal | Compositions and methods for treating keratin fibers |
FR3141619A1 (fr) * | 2022-11-09 | 2024-05-10 | L'oreal | Compositions et procédés de traitement des fibres de kératine |
-
2018
- 2018-05-24 JP JP2018100058A patent/JP2019202968A/ja active Pending
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WO2024035748A1 (en) * | 2022-08-08 | 2024-02-15 | L'oreal | Compositions and methods for treating keratin fibers |
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