JP2019189895A - 環状歯車の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記歯車素材の軸方向において、前記第1環状部の中心は、前記第2環状部の中心よりも一方側に位置し、
前記第1環状部は、前記第1環状部の前記中心よりも前記軸方向における前記一方側に位置する第1側面と、前記第1環状部の前記中心よりも前記軸方向における他方側に位置する第2側面とを有し、
前記油中での前記歯車素材の冷却時には、前記歯車素材の軸心が鉛直方向に略平行になるように前記歯車素材を前記油中に浸漬し、かつ前記第1側面の冷却速度が前記第2側面の冷却速度よりも小さくなるように、冷却抑制材によって前記歯車素材の前記第1側面を覆う、環状歯車の製造方法。
前記スペーサは、前記鉛直方向から見て、前記歯車素材の中心部に位置する本体部と、前記本体部から前記歯車素材の径方向外側に向かって延びる複数のアーム部とを有し、
前記複数のアーム部は、前記冷却抑制材を介して前記第1側面を支持する、上記(2)に記載の環状歯車の製造方法。
本発明者は、焼入れ処理の冷却時に軸心が鉛直方向に略平行になるように歯車素材を支持する場合に、歯車素材に生じる熱処理歪みについて種々の研究を行ってきた。その研究のなかで、本発明者は、図1に示すような形状の歯車素材100を冷却する際に生じる熱処理歪みについて詳細な検討を行った。なお、図1において(a)は歯車素材100の側面図、(b)は(a)のb−b線断面を示す概略図である。
条件1の解析では、解析モデル50の軸心56が鉛直方向に平行(油面に対して垂直)になるように、かつ第1環状部52の中心線60が第2環状部54の中心線62よりも上方に位置するように、解析モデル50を油中に浸漬して冷却した。なお、条件1では、冷却油の熱伝達係数は、温度変化に従って解析モデル50の全面で均一に変化するものとした。また、解析では、内周面52a上のポイント52bの軸方向における変位を規制した。すなわち、ポイント52bは、第1環状部52の径方向にのみ変位できるものとした。
第1段階では、第2環状部54の温度低下が第1環状部52の温度低下よりも大きくなる。このため、第2環状部54と相対的に高温となる第1環状部52との収縮量の差によって、ポイント54bの下方への変位量が増加する。これにより、第1環状部52の内周部の、第2環状部54に対する上方への相対的な変位量が大きくなる。その結果、第1環状部52が上方に向かって凸となるように変形する。
第2環状部54において、第1環状部52よりも先にベイナイト変態が生じ、第2環状部54が膨張する。これにより、第1段階で生じていた第1環状部52と第2環状部54との収縮量の差が緩和され、第1環状部52の内周部の、第2環状部54に対する上方への相対的な変位量が小さくなる。その結果、第1環状部52の上方への凸形状の程度が小さくなる。
第1環状部52においてベイナイト変態が生じ、第1環状部52が膨張することによって、第1環状部52の内周部の、第2環状部54に対する上方への相対的な変位量が再び大きくなる。これにより、第2段階に比べて、第1環状部52の上方への凸形状の程度が大きくなる。
第1環状部52および第2環状部54の冷却が進行し、第1環状部52と第2環状部54との温度差が減少する。これにより、第1環状部52の上方への凸形状の程度が小さくなる。
図5に示した結果から、第2環状部54の外周面54aにおける冷却油の熱伝達係数を大きくした場合(条件2)、解析モデル50の全面において冷却油の熱伝達係数を均一にした場合(条件1)に比べて、冷却開始直後(第1段階)において、第1環状部52の上方への凸形状の程度が大きくなった。これは、条件2の解析では、条件1の解析に比べて、第2環状部54が第1環状部52に比べてより速く冷却されることによって、第1環状部52と第2環状部54との収縮量の差がより大きくなったからだと考えられる。
条件4の解析では、冷却時に、解析モデル50の上下を反転させた点を除いて、条件1と同じ条件で解析を行った。その結果、図6に示すように、第1環状部52が下方に凸となるように解析モデル50が変形した。この結果から、冷却油中における解析モデル50の浸漬方向が解析モデル50の変形の向きに与える影響よりも、第1環状部52の第2環状部54に対する位置関係が解析モデル50の変形の向きに与える影響の方が大きいことが分かる。具体的には、軸方向における第2環状部54の中心に対して、第1環状部52が軸方向における一方側に偏って設けられている場合には、その偏った一方側に凸となるように第1環状部52が変形することが確認できた。
図1を参照して、以上の結果から、軸心が鉛直方向に略平行になるようにして歯車素材100を冷却する場合には、形状の違いに起因する第1環状部12と第2環状部14との冷却速度の差、および第1環状部12の第1側面12aと第2側面12bとの冷却速度の差が、熱処理歪みに大きく影響することが分かった。
図6を参照して、条件5の解析では、第1環状部52の第1側面52cにおける冷却油の熱伝達係数を解析モデル50の他の部分における冷却油の熱伝達係数の0.7倍に設定した点を除いて、条件4と同じ条件で解析を行い、解析モデル50に生じる熱処理歪みを調べた。図7に解析結果を示す。なお、図7においては、ポイント52b(図6参照)に対するポイント54b(図6参照)の上方への変位量を示している。また、図7には、条件4の解析におけるポイント54bの変位量を比較のために示している。
本発明は上記の知見に基づいてなされたものである。以下、本発明の一実施形態に係る環状歯車の製造方法について図面を参照しつつ説明する。以下においては、図1で説明した形状を有する歯車素材100に焼入れ処理(例えば、浸炭焼入れ処理)を施して環状歯車を製造する場合について説明する。
12 第1環状部
12a 第1側面
12b 第2側面
14 第2環状部
20 歯
40 本体部
42 アーム部
50 解析モデル
70 冷却抑制材
100 歯車素材
200 支持ユニット
202 ガイド部材
204 スペーサ
302 油
Claims (3)
- 第1環状部、前記第1環状部の外周側に設けられかつ前記第1環状部よりも大きい厚みを有する第2環状部、および前記第2環状部の外周部に設けられた複数の歯を有し、かつ鋼からなる歯車素材を、加熱した後、油中で冷却して焼入れ処理を施すことによって環状歯車を製造する方法であって、
前記歯車素材の軸方向において、前記第1環状部の中心は、前記第2環状部の中心よりも一方側に位置し、
前記第1環状部は、前記第1環状部の前記中心よりも前記軸方向における前記一方側に位置する第1側面と、前記第1環状部の前記中心よりも前記軸方向における他方側に位置する第2側面とを有し、
前記油中での前記歯車素材の冷却時には、前記歯車素材の軸心が鉛直方向に略平行になるように前記歯車素材を前記油中に浸漬し、かつ前記第1側面の冷却速度が前記第2側面の冷却速度よりも小さくなるように、冷却抑制材によって前記歯車素材の前記第1側面を覆う、環状歯車の製造方法。 - 前記油中での冷却時には、前記第1側面が下方を向き、前記第2側面が上方を向くように、前記歯車素材を前記油中に浸漬し、かつ前記冷却抑制材によって前記第1側面を下方から支持する、請求項1に記載の環状歯車の製造方法。
- 前記油中での冷却時には、複数の前記歯車素材が、鉛直方向に並ぶように設けられた複数のスペーサによってそれぞれ支持され、
前記スペーサは、前記鉛直方向から見て、前記歯車素材の中心部に位置する本体部と、前記本体部から前記歯車素材の径方向外側に向かって延びる複数のアーム部とを有し、
前記複数のアーム部は、前記冷却抑制材を介して前記第1側面を支持する、請求項2に記載の環状歯車の製造方法。
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